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1. (WO2018123298) 自動点検システムおよび自動点検方法
Document

明 細 書

発明の名称 自動点検システムおよび自動点検方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059  

符号の説明

0060  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 自動点検システムおよび自動点検方法

技術分野

[0001]
 本発明は、自動点検システムおよび自動点検方法に関する。

背景技術

[0002]
 発電所やプラント等の現場設備には、例えば配管を流れる水量などの物理量を計測する計測器(例えば、針式メータ)が多数設けられている。これらの計測器は、一日に数回程度あるいはそれ以上の周期で人間の目視による設備点検に用いられてきた。しかし、保守・点検業務では、点検作業員の高齢化や人員確保などが課題となってきている。
[0003]
 このような観点から、計測器の表示部をカメラで撮像し、その画像データを無線ネットワークを経由して伝送する自動点検システムが開発され、点検業務の自動化が図られている(例えば、特許文献1,2参照)。
[0004]
 特許文献1には、「撮像画像を構成する画素について、各画素値を示すヒストグラムを生成し、このヒストグラムに基づいて、画素値の範囲のうち所定値以下の範囲と所定値以上の範囲をカットした補正ヒストグラムを生成する。この補正ヒストグラムに対して、判別分析法を適用して二値化閾値を特定し、当該二値化閾値により画素値を二値化して、撮像画像の二値化を行い、二値化画像を生成する。」と記載されている。
[0005]
 また、特許文献2には、「第1画像と第1画像よりも後の第2画像とを比較し、その差分が所定以上であるかを判定する。そして、差分が所定以上である場合、第2画像の画像データを出力させる。」と記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2006-309405号公報
特許文献2 : 特開2010-176202号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 ところで、無線ネットワーク、特に無線端末の電源として電池等の自立電源を用いる無線ネットワークでは、ネットワークの低消費電力化が望まれている。ネットワークの低消費電力化を図る上で、伝送する画像データを軽量化することが有効な手法の一つと考えられる。
[0008]
 しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、カメラによって撮影した画像を、画像解析によって二値化し、二値化画像を生成する技術について記述されているものの、ネットワークの低消費電力化については考慮されていない。また、特許文献2に記載の従来技術では、差分が所定以上である場合、カメラで撮影した画像データ(第2画像の画像データ)をそのまま伝送するようにしているため、伝送するデータ量が多く、ネットワークの消費電力が大きい。
[0009]
 本発明は、無線ネットワークを用いて画像データを伝送するにあたって、伝送する画像データの軽量化を図ることで、ネットワークの低消費電力化を実現できる自動点検システムおよび自動点検方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記目的を達成するために、本発明の自動点検システムは、
 点検対象の物理量を計測する計測器を撮影する撮像部を有する無線子局と、撮像部で撮影して得た画像データを、無線子局から無線通信にて受信する無線親局とを含む無線ネットワークを用いた自動点検システムである。
 そして、無線子局は、
 画像データを二値化して二値化画像データを生成する二値化処理部と、
 二値化画像データのうち、計測器の計測値部分の画像データを切り出す軽量化処理部と、
 軽量化処理部で切り出した計測値部分の画像データを無線親局に送信する無線送信部と、
 を備えることを特徴とする。
[0011]
 また、本発明の自動点検方法は、
 点検対象の物理量を計測する計測器を撮影する撮像部を有する無線子局と、撮像部で撮影して得た画像データを、無線子局から無線通信にて受信する無線親局とを含む無線ネットワークを用いた自動点検方法である。
 そして、無線子局において、
 画像データを二値化して二値化画像データを生成し、
 二値化画像データのうち、計測器の計測値部分の画像データを切り出し、
 その切り出した計測値部分の画像データを無線親局に送信する
 ことを特徴とする。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、無線ネットワークを用いて画像データを伝送するにあたって、伝送する画像データの軽量化を図ることで、ネットワークの低消費電力化を実現できる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] マルチホップ無線ネットワークの基本的な構成の概要を示すシステム構成図の例である。
[図2] 本発明の実施形態に係る自動点検システムの要部の構成を示すブロック図の例である。
[図3] 撮像部から取得した画像データを二値化した二値化画像データを模式的に示す図の例である。
[図4] ユーザが設定した画像の処理領域以外を黒塗りした画像データを模式的に示す図の例である。
[図5] ユーザが設定した画像の処理領域を切り出した画像データを模式的に示す図の例である。
[図6] 針が指している値と針の部分のみを切り出した画像データを模式的に示す図の例である。
[図7] 針式メータの針が指している値と針の部分のみを切り出す処理の流れを示すフローチャートの例である。
[図8] 本発明の実施形態に係る自動点検方法の処理手順を示すフローチャートの例である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本発明は実施形態に限定されるものではない。なお、以下の説明や各図において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[0015]
 本発明では、無線子局と無線親局とを含む無線ネットワークとして、好ましくは、マルチホップ無線ネットワーク(マルチホップによるセンサ無線ネットワーク)を用いて、点検対象の物理量を計測する計測器の点検の自動化を図る。マルチホップ無線ネットワークは、複数の無線端末がそれぞれ隣接する他の無線端末同士を経由して、いわゆるバケツリレー方式にてデータを伝送する無線ネットワークである。点検対象の物理量を計測する計測器としては、流量計、電力計、電流計、圧力計、温度計などのメータ(例えば、針式メータ)を例示することができる。
[0016]
[マルチホップ無線ネットワーク]
 ここで、マルチホップ無線ネットワークの基本的な構成の概要について、図1を用いて説明する。図1は、マルチホップ無線ネットワークの基本的な構成の概要を示すシステム構成図の例である。
[0017]
 本例に係るマルチホップ無線ネットワーク1は、基地局としてk個の無線親局11_1~11_k(以下、代表して「無線親局11」と記述する場合がある)を備えている。これらの無線親局11_1~11_kは、ネットワーク2を経由して集約サーバ3に接続されている。ネットワーク2に対する無線親局11_1~11_kの接続形態については、特に限定されるものではなく、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
[0018]
 無線親局11_1~11_kに対して、中継局としてm個の無線子局12_1~12_m(以下、代表して「無線子局12」と記述する場合がある)が設けられている。さらに、端末局(末端の階層の子局)としてn個の無線子局13_1~13_n(以下、代表して「無線子局13」と記述する場合がある)が設けられている。すなわち、無線親局11_1~11_kが末端の階層の無線子局13_1~13_nと通信する場合は、その途中に位置する無線子局12_1~12_mが中継局として機能する。例えば、ある一つの無線親局11_1が、ある一つの無線子局13_2と通信する場合、マルチホップ無線ネットワーク1上の途中に位置する無線子局(本例の場合、無線子局12_1)が中継局となって通信が行われる。
[0019]
 そして、マルチホップ無線ネットワーク1を用いた自動点検システムにあっては、末端の無線子局13_1~13_nの各々が、点検対象の物理量を計測する計測器4_1~4_n(以下、代表して「計測器4」と記述する場合がある)を撮影する撮像部14_1~14_n(以下、代表して「撮像部14」と記述する場合がある)を備えている。計測器4_1~4_nとしては、水や液体などの流量を計測する流量計や、電力量を計測する電力計などのメータを例示することができる。
[0020]
 撮像部14_1~14_nとしては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子を撮像デバイスとして用いたカメラを用いることができる。末端の無線子局13_1~13_nは、撮像部14_1~14_nで撮影して得た計測器4_1~4_nの計測結果を、マルチホップ無線ネットワーク1上の途中に位置する中継局である無線子局12_1~12_mを経由して無線親局11_1~11_kに送信する。
[0021]
 本例では、無線子局として、中継局と端末局の2層の階層構造を例示したが、2層に限られるものではなく、3層以上の階層構造とすることもできる。そして、無線親局が末端の階層の無線子局と通信するとき、上述したように、マルチホップ無線ネットワーク1上の途中に位置する複数の無線子局が中継局として機能する。このとき、通信相手の末端の階層の無線子局だけでなく、その途中の複数の無線子局も起動されて電力を消費することになる。
[0022]
 上述したマルチホップ無線ネットワーク1は、無線端末の間を次々とデータを移動させることで、1つのデータ収集局(無線親局11または集約サーバ3)でカバーできる通信範囲を広げることができる利点がある。また、電波環境の悪い領域を回避するようにマルチホップの中継経路を設定することで、電波の不感地帯を解消することができるため、データ伝送の高信頼性に貢献できる利点もある。
[0023]
 マルチホップ無線ネットワーク1において、外部から給電が困難な場所に無線子局13や撮像部14を設置する場合がある。このような場合には、無線子局13や撮像部14の電源として、電池等の自立電源を用いることになる。何故なら、給電が困難な場所に設置した無線子局13の電源として商用電源を用いるとした場合、給電線を長い距離に亘って配線したり、コンセントを設置したりするなど電気設備にコストがかかり、マルチホップ無線ネットワーク1としてコストが高くなるためである。
[0024]
 このように、特に無線子局13や撮像部14の電源として自立電源を用いるマルチホップ無線ネットワーク1にあっては、電池等の自立電源で無線子局13や撮像部14を長時間に亘って動作させるためには、マルチホップ無線ネットワーク1の低消費電力化が望まれる。ただし、マルチホップ無線ネットワーク1の低消費電力化は、無線端末を自立電源で動作させる場合に限られる技術課題ではない。
[0025]
[本発明の実施形態]
 上述したように、無線ネットワークの一例であるマルチホップ無線ネットワーク1、特に無線子局の電源として電池等の自立電源を用いるマルチホップ無線ネットワーク1にあっては、低消費電力化が望まれる。そこで、本発明の実施形態では、伝送する画像データを軽量化することで、マルチホップ無線ネットワーク1で伝送する際の消費電力(消費エネルギー)を抑える、即ち低消費電力化を実現する。
[0026]
 以下に、マルチホップ無線ネットワーク1を用いて、計測器4_1~4_nの点検を自動的に行う自動点検システムにおいて、無線通信にて伝送する画像データを軽量化することによって、マルチホップ無線ネットワーク1の低消費電力化を実現する本発明の実施形態について具体的に説明する。
[0027]
 図2は、本発明の実施形態に係る自動点検システムの要部の構成を示すブロック図の例である。本実施形態では、計測器4(4_1~4_n)として、針と文字盤(目盛り盤)によって物理量を計測する針式メータを用いる場合を例に挙げて説明する。
[0028]
 図2には、ある一つの基地局である無線親局11(11_1~11_k)と、ある一つの端末局である無線子局13(13_1~13_n)との間で通信を行う場合のシステム構成について模式的に図示している。そして、理解を容易にするために、無線親局11と無線子局13との間に介在する中継局(図1の無線子局12_1~12_m)については図示を省略している。
[0029]
 図2に示すように、本実施形態に係る自動点検システム10は、無線子局13が撮像部14を備えていることに加えて、無線親局11がデータ収集装置15を備えている。無線親局11に対するデータ収集装置15の接続形態については、特に限定されるものではなく、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。同様に、無線子局13に対する撮像部14の接続形態についても、特に限定されるものではなく、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
[0030]
 なお、ここでは、データ収集装置15を無線親局11の位置に配置する場合を例示したが、この限りでない。すなわち、ユーザが無線親局11の位置でデータ収集を行う場合には、データ収集装置15を無線親局11の位置に配置するようにすればよいし、ユーザが図1に示す集約サーバ3の位置でデータ収集を行う場合には、データ収集装置15を集約サーバ3の位置に配置するようにすればよい。
[0031]
 本実施形態に係る自動点検システム10において、無線子局13は、制御処理部20、パラメータ保存部30および無線送信部40を備えている。
[0032]
 制御処理部20は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力部、電池(いずれも不図示)などのハードウェア資源と、オペレーティングシステムおよびコンピュータプログラムなどのソフトウェア資源とを有する計算機または専用の電子回路装置として構成されている。そして、それらのハードウェア資源およびソフトウェア資源を用いることで、画像取得部21、処理領域設定部22、二値化処理部23、軽量化処理部24および計測値読取処理部25の各機能部を実現し、例えば針式メータである計測器4を撮像した撮像部14から出力される画像データを処理する。
[0033]
 パラメータ保存部30には、初期設定時にユーザによって予め設定される、処理領域設定部22での画像の処理領域を設定するためのパラメータが保存される。無線送信部40は、制御処理部20で処理後の画像データを無線通信にて無線親局11に送信する。実際には、無線送信部40は、無線親局11に対して、図示せぬ中継局を経由して画像データ等の伝送データを送信することになる。
[0034]
 無線親局11は、無線受信部50を備えている。無線受信部50は、無線子局13の無線送信部40から送信された画像データ等の伝送データを受信し、この受信した伝送データをデータ収集装置15に供給する。
[0035]
 データ収集装置15は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力部、電池(いずれも不図示)などのハードウェア資源と、オペレーティングシステムおよびコンピュータプログラムなどのソフトウェア資源とを有する計算機または専用の電子回路装置として構成されている。データ収集装置15は、例えば、点検記録部60を備えている。点検記録部60は、無線親局11から供給された伝送データを記録し、計測器4の計測結果を点検するユーザに対して記録データを提供する。
[0036]
 無線子局13の制御処理部20において、画像取得部21は、撮像部14から画像データを取得する。処理領域設定部22は、パラメータ保存部30に保存されているパラメータ値を読み出し、この読み出したパラメータ値と画像取得部21で取得した画像データとを合成処理し、画像の処理領域を設定する。二値化処理部23は、画像データの軽量化や、画像データからの計測器4の計測値の読取処理のために、撮像画像の輝度値の分布から閾値を求め、当該閾値を基に画像データを二値化する。
[0037]
 軽量化処理部24は、二値化処理部23で二値化された画像データについて、さらに画像データの軽量化のための処理を行う。この軽量化処理部24での軽量化処理の詳細については後述する。計測値読取処理部25は、軽量化処理部24で軽量化された画像データを基に、計測器4の計測値を数値化する。そして、無線送信部40は、軽量化処理部24で軽量化された画像データと、計測値読取処理部25で数値化された計測値とを、マルチホップ無線ネットワーク1を用いて中継局経由で無線親局11に伝送する。
[0038]
(軽量化処理部での軽量化処理)
 ここで、軽量化処理部24での軽量化処理について、計測器4が針式メータの場合を例に挙げて、図3乃至図6を用いて具体的に説明する。
[0039]
 図3は、撮像部14から取得した画像データを二値化した二値化画像データを模式的に示す図の例である。図4は、ユーザが設定した画像の処理領域以外を黒塗りした画像データを模式的に示す図の例である。図5は、ユーザが設定した画像の処理領域を切り出した画像データを模式的に示す図の例である。図6は、針が指している値と針の部分のみを切り出した画像データを模式的に示す図の例である。
[0040]
 初期設定時に、ユーザは予め、画像の処理領域を設定するためのパラメータを設定し、無線子局13のパラメータ保存部30に保存しておくこととする。画像の処理領域を設定するためのパラメータとして、針式メータの撮像画像データ100の場合に、図3において、一例として、針の回転中心の座標110と、最小目盛りの値および座標120と、最大目盛りの値および座標130とをパラメータ保存部30に保存する。これらのパラメータ値については、個々の計測器4_1~4_nごとに設定することが好ましい。
[0041]
 処理領域設定部22では、パラメータ保存部30に保存されているパラメータ値に基づいて画像の処理領域の設定が行われる。より具体的には、図3に示す撮像画像データ100に対して、針の回転中心の座標110と、最小目盛りの値および座標120と、最大目盛りの値および座標130とを基に、針と文字盤(目盛り盤)を含む円形部分を囲む領域を、画像の処理領域として設定する処理が行われる。
[0042]
 軽量化処理部24では、図4に示すように、針式メータの撮像画像データ100に対して、画像の処理領域以外の部分を黒塗りにした画像データ200を生成する処理を行うことができる。黒塗りの部分は電気的な信号変化が少ない。したがって、画像の処理領域以外を黒塗りにする処理を行うことにより、黒塗り後の画像データのデータ量を、黒塗り前の画像データのデータ量よりも少なくすることができる、即ち画像データの軽量化を図ることができる。
[0043]
 また、軽量化処理部24では、図5に示すように、処理領域設定部22で設定された画像の処理領域を切り出した画像データ300を生成する処理を行うことができる。このように、計測器4の計測値の読取りに際して不要な部分を切り捨てる処理を行うことにより、画像データの軽量化を図ることができる。そして、図4に示す画像の処理領域以外を黒塗りにした画像データ200に比べて、伝送する画像データのデータ量をさらに少なくすることができる。
[0044]
 さらに、軽量化処理部24では、図6に示すように、図3に示す撮像画像データ100に対して、後述する針認識技術を用いて針の位置を検出し、針が指している値と針の部分のみを切り出した画像データ400を生成する処理を行うことができる。この画像データ400からでも、計測器4の計測値を読み取ることできる。このように、ユーザが計測器4の計測値を読み取ることできる必要最低限の画像データ、即ち針が指している値と針の部分のみを切り出した画像データ400を伝送データとすることで、伝送データを極限まで軽量化することができる。
[0045]
 ここで、針認識技術を用いて針式メータの針が指している値と針の部分のみを切り出す処理について、図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、針式メータの針が指している値と針の部分のみを切り出す処理の流れを示すフローチャートの例である。
[0046]
 図7の処理は、処理領域設定部22での画像の処理領域の設定処理、および二値化処理部23での二値化処理が終わった後の軽量化処理部24での処理となる。そして、軽量化処理部24は、まず、処理領域設定部22で設定された画像の処理領域のみを切り出す処理を行う(ステップS11)。次に、軽量化処理部24は、針認識技術を用いて針を認識し(ステップS12)、次いで針の位置を検出し(ステップS13)、次いで針が指している値と針の部分のみの画像データを切り出す処理を行う(ステップS14)。
[0047]
(針認識技術)
 ここで、針認識技術について説明する。針認識技術では、針の回転中心を通る直線上で最も黒部分の面積が多くなる角度を、針が向いている角度と判定する。針の回転中心については、画像の処理領域を設定するためのパラメータとしてパラメータ保存部30に予め保存されている、先述した針の回転中心の座標110から求めることができる。そして、針の回転中心を挟んで両側の針部分の太さを計測し、細い側の針部分が指している目盛り値を計測値とする。ステップS14では、細い側の針部分が指している目盛り値と針の部分のみを切り出す処理が行われる。
[0048]
 次に、上記構成の本実施形態に係る自動点検システム10における自動点検方法(本発明の実施形態に係る自動点検方法)の処理手順について、図8のフローチャートに沿って説明する。図8は、本発明の実施形態に係る自動点検方法の処理手順を示すフローチャートの例である。
[0049]
 以下では、制御処理部20の各機能部について、マイクロプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、ソフトウェアで実行する計算機によって実現する場合を例に挙げて説明する。この場合、以下に説明する処理は、マイクロプロセッサによる制御の下に実行されることになる。
[0050]
 マイクロプロセッサは、撮像部14を制御することによって計測器4の撮影を実行し(ステップS21)、次いで撮像部14が撮影して得た画像データを撮像部14から取得する(ステップS22)。次に、プロセッサは、パラメータ保存部30に保存されているパラメータ値を読み出し(ステップS23)、次いで読み出したパラメータ値と、ステップS22で取得した画像データとを合成処理し、画像の処理領域を設定する(ステップS24)。
[0051]
 次に、マイクロプロセッサは、例えば撮像画像の輝度値の分布から二値化閾値を求め、当該二値化閾値を用いて画像データの二値化を行い(ステップS25)、次いで画像データの軽量化の処理を行う(ステップS26)。画像データの軽量化については、先述した軽量化処理部24での軽量化処理(図3乃至図6参照)によって行うことができる。
[0052]
 次に、マイクロプロセッサは、ステップS26で軽量化した画像データを基に、計測器4の計測値を数値化し(ステップS27)、次いでステップS26で軽量化した画像データと、ステップS27で数値化した計測器4の計測値とを無線送信部40に入力する(ステップS28)。そして、プロセッサは、無線送信部40を制御することにより、軽量化した画像データと数値化した計測値とを含む伝送データを、マルチホップ無線ネットワーク1を用いて中継局経由で無線親局11に送信する。
[0053]
 以上説明したように、本実施形態に係る自動点検システムあるいは自動点検方法によれば、撮像部14で撮影して得た画像データを二値化し、その二値化画像データのうち、計測器4の計測値部分の画像データを切り出して伝送することにより、伝送データの軽量化を図ることができる。そして、伝送データの軽量化によって、マルチホップ無線ネットワーク1で伝送する際の消費電力(消費エネルギー)を抑え、低消費電力化を図ることができる。
[0054]
 また、マルチホップ無線ネットワーク1の低消費電力化により、特に無線子局の電源として電池等の自立電源を用いるマルチホップ無線ネットワーク1にあっては、電池等の自立電源で無線子局を長期間に亘って動作させることができるメリットがある。ただし、無線子局の電源として自立電源を用いないマルチホップ無線ネットワーク1にあっても、ネットワークの消費電力(消費エネルギー)を抑え、低消費電力化を図ることによる効果は大きい。
[0055]
 また、ユーザは、例えば無線親局11側のデータ収集装置15において、無線子局13から伝送された計測値部分の画像データ、より具体的には数値化した計測値から、点検対象の物理量を取得することができる。ここで、数値化した計測値が必ずしも、計測器4の計測値を正確に反映しているとは限らない場合がある。換言すれば、数値化を行う際に、計測器4の計測値を間違った値に数値化することがないとは限らない。
[0056]
 そこで、本実施形態に係る自動点検システムあるいは自動点検方法では、数値化した計測値だけでなく、軽量化した画像データをも伝送するようにしている。これにより、ユーザは、例えば過去のデータなどから、伝送された計測値が間違っている可能性があると判断した場合は、伝送された画像データをエビデンスとして、針式メータにおいて針が指している値を直に読み取ることにより、点検対象の正確な物理量を取得(チェック)することができる。
[0057]
 このような観点から、数値化した計測値と共に、軽量化した画像データを伝送するようにすることが好ましい。ただし、数値化した計測値と共に、軽量化した画像データを伝送することは必須ではなく、数値化した計測値のみを伝送するようにしてもよい。そして、数値化した計測値のみを伝送することにより、伝送データのより軽量化を図ることができる利点がある。
[0058]
[変形例]
 以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
[0059]
 また、上述した実施形態では、点検対象の物理量を計測する計測器として、針式メータを例示したが、針式メータに限られるものではなく、セグメント式、スケール式、バーグラフ式、デジタル式などのメータであってもよい。そして、これらのメータを撮影して得た画像データを二値化し、その二値化画像データのうち、計測値部分の画像データを切り出して伝送することにより、伝送データの軽量化を図ることができる。

符号の説明

[0060]
 1…マルチホップ無線ネットワーク、 2…ネットワーク、 3…集約サーバ、 4(4_1~4_n)…計測器、 10…自動点検システム、 11(11_1~11_k)…無線親局(基地局)、 12(12_1~12_m)…無線子局(中継局)、 13(13_1~13_n)…無線子局(端末局)、 14(14_1~14_n)…撮像部、 15…データ収集装置、 20…制御処理部、 21…画像取得部、 22…処理領域設定部、 23…二値化処理部、 24…軽量化処理部、 25…計測値読取処理部、 30…パラメータ保存部、 40…無線送信部、 50…無線受信部、 60…点検記録部

請求の範囲

[請求項1]
 点検対象の物理量を計測する計測器を撮影する撮像部を有する無線子局と、前記撮像部で撮影して得た画像データを、前記無線子局から無線通信にて受信する無線親局とを含む無線ネットワークを用いた自動点検システムであって、
 前記無線子局は、
 前記画像データを二値化して二値化画像データを生成する二値化処理部と、
 前記二値化画像データのうち、前記計測器の計測値部分の画像データを切り出す軽量化処理部と、
 前記軽量化処理部で切り出した前記計測値部分の画像データを前記無線親局に送信する無線送信部と、
 を備えることを特徴とする自動点検システム。
[請求項2]
 前記軽量化処理部は、前記計測器の計測値部分の画像データを基に、前記計測器の計測値を数値化し、
 前記無線送信部は、前記軽量化処理部で数値化した前記計測値を前記無線親局に送信する
 ことを特徴とする請求項1に記載の自動点検システム。
[請求項3]
 前記無線送信部は、前記軽量化処理部で数値化された前記計測値と、前記軽量化処理部で切り出した前記計測値部分の画像データとを前記無線親局に送信する
 ことを特徴とする請求項2に記載の自動点検システム。
[請求項4]
 前記計測器は、針式メータであり、
 前記軽量化処理部は、前記計測器の計測値部分の画像データとして、前記針式メータの針の位置を検出し、当該針が指している値と針の部分のみの画像データを切り出す
 ことを特徴とする請求項1に記載の自動点検システム。
[請求項5]
 前記軽量化処理部は、前記二値化画像データに対して、予めユーザが設定した画像の処理領域以外の部分を黒塗りにする
 ことを特徴とする請求項4に記載の自動点検システム。
[請求項6]
 前記無線ネットワークは、マルチホップ無線ネットワークである
 ことを特徴とする請求項1に記載の自動点検システム。
[請求項7]
 点検対象の物理量を計測する計測器を撮影する撮像部を有する無線子局と、前記撮像部で撮影して得た画像データを、前記無線子局から無線通信にて受信する無線親局とを含む無線ネットワークを用いた自動点検方法であって、
 前記無線子局において、
 前記画像データを二値化して二値化画像データを生成し、
 前記二値化画像データのうち、前記計測器の計測値部分の画像データを切り出し、
 その切り出した前記計測値部分の画像データを前記無線親局に送信する
 ことを特徴とする自動点検方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]