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1. (WO2018123076) 無限軌道およびそれを備えた壁面吸着走行装置
Document

明 細 書

発明の名称 無限軌道およびそれを備えた壁面吸着走行装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

0004   0005   0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107  

産業上の利用可能性

0108  

符号の説明

0109  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5A   5B   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 無限軌道およびそれを備えた壁面吸着走行装置

技術分野

[0001]
 本開示は、壁面に吸着しつつ該壁面上を転動可能な無限軌道と、その無限軌道を備える壁面吸着走行装置に関する。

背景技術

[0002]
 例えば、特許文献1には、壁面に静電吸着可能な無限軌道が記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第5038405号公報

発明の概要

[0004]
 本開示の一態様によれば、
 壁面に吸着しつつ該壁面上を転動可能な無限軌道であって、
 無端状部材と、
 無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部と、を有し、
 静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている、無限軌道が提供される。
[0005]
 また、本開示の別態様によれば、
 壁面に吸着しつつ該壁面上を走行する壁面吸着装置であって、
 無端状部材、および、無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部を備える無限軌道と、
 無限軌道の無端状部材が懸架されて回転する複数の支持輪と、を有し、
 複数の静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている、壁面吸着走行装置が提供される。
[0006]
 本開示によれば、無限軌道は、オーバーハングした壁面や天井面であっても、より確実に静電吸着しつつ転動することができる。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 図1は、本開示の実施の形態1に係る無限軌道を備えた壁面吸着走行装置の斜視図である。
[図2] 図2は、無限軌道の幅方向に見た、実施の形態1に係る壁面吸着走行装置の側面図である。
[図3] 図3は、無限軌道の内周面側から見た、図2の3-3線に沿った部分断面図である。
[図4] 図4は、比較例に係る壁面吸着走行装置の側面図である。
[図5A] 図5Aは、オーバーハングした壁面上を下方向に吸着走行する状態である、実施の形態1に係る壁面吸着走行装置を示す図である。
[図5B] 図5Bは、オーバーハングした壁面上を下方向に吸着走行する状態である、比較例に係る壁面吸着走行装置を示す図である。
[図6] 図6は、図3の6-6線に沿った実施の形態1に係る無限軌道の断面図である。
[図7] 図7は、静電吸着部の吸着用電極と無端状ベルトの共通電極と電気的接続の一例を示す断面図である。
[図8] 図8は、図7に示す電気的接続の方法を示す斜視図である。
[図9] 図9は、静電吸着部の吸着用電極と無端状ベルトの共通電極との電気的接続の別例の方法を示す断面図である。
[図10] 図10は、無限軌道の走行方向前側の部分を示す断面図である。
[図11] 図11は、無限軌道の走行方向後側の部分を示す断面図である。
[図12] 図12は、内周面側から見た、本開示の実施の形態2に係る無限軌道の一部を示す図である。
[図13] 図13は、実施の形態2に係る無限軌道の一部の断面図である。
[図14] 図14は、内周面側から見た、本開示の実施の形態3に係る無限軌道の一部を示す図である。
[図15] 図15は、内周面側から見た、本開示の実施の形態4に係る無限軌道の一部を示す図である。
[図16] 図16は、静電吸着部と無端状ベルトの固定を補足するための斜視図である。

発明を実施するための形態

[0008]
 本開示の一態様の無限軌道は、壁面に吸着しつつ該壁面上を転動可能な無限軌道であって、無端状部材と、無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部と、を有し、静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている。
[0009]
 このような構成によれば、無限軌道は、オーバーハングした壁面や天井面であっても、より確実に静電吸着しつつ転動することができる。
[0010]
 例えば、吸着面の法線方向視で該吸着面の外縁より内側にあって且つ該外縁から離れている対向部における一部で、静電吸着部それぞれは、無端状部材に固定されている。
[0011]
 例えば、吸着面の法線方向視で該吸着面の中央に存在する対向部における一部で、静電吸着部それぞれは、無端状部材に固定されている。
[0012]
 例えば、複数の静電吸着部それぞれが、吸着面を備える誘電体と、吸着面に対して平行な状態で誘電体に設けられた吸着用電極とを備え、無端状部材が、無端状の共通電極を備え、複数の静電吸着部それぞれの吸着用電極と共通電極とが電気的に接続されている。これにより、共通電極に電荷を付与することにより、静電吸着部それぞれが壁面に静電吸着することができる。
[0013]
 例えば、複数の静電吸着部が、交互に並ぶ複数の第1の静電吸着部と複数の第2の静電吸着部とであって、無端状部材の共通電極が、第1の共通電極と第2の共通電極とであって、複数の第1の静電吸着部それぞれの吸着用電極が、第1の共通電極に電気的に接続され、複数の第2の静電吸着部それぞれの吸着用電極が、第2の共通電極に電気的に接続されている。これにより、自由電子の移動が少ない材料、例えば絶縁材料から作製された壁に静電吸着することができる。
[0014]
 例えば、複数の静電吸着部それぞれの吸着用電極が、第1の吸着用電極と第2の吸着用電極とであって、無端状部材の共通電極が、第1の共通電極と第2の共通電極とであって、複数の静電吸着部それぞれの第1の吸着用電極が、第1の共通電極に電気的に接続され、複数の静電吸着部それぞれの第2の吸着用電極が、第2の共通電極に電気的に接続されている。これにより、自由電子の移動が少ない材料、例えば絶縁材料から作製された壁により静電吸着することができる。
[0015]
 例えば、複数の静電吸着部それぞれの誘電体と吸着用電極とが可撓性を備える。これにより、無限軌道の回転にともなって静電吸着部の吸着面がスムーズに壁面に静電吸着することができる。
[0016]
 本開示の別態様の壁面吸着走行装置は、壁面に吸着しつつ該壁面上を走行する壁面吸着装置であって、無端状部材、および、無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部を備える無限軌道と、無限軌道の無端状部材が懸架されて回転する複数の支持輪と、を有し、複数の静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている。
[0017]
 このような構成によれば、壁面吸着走行装置がオーバーハングした壁面上や天井面上の走行中に落下する可能性が減少する。
[0018]
 以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
[0019]
 なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するものであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
[0020]
 (実施の形態1)
 図1は、本実施の形態1に係る無限軌道を備えた壁面吸着走行装置を概略的に示す斜視図である。図2は、壁面吸着走行装置の側面図である。なお、図に示すX-Y-Z直交座標系は、本開示の理解を助けるものであって、本開示を限定するものではない。X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は互いに直交し合い、X軸方向は壁面吸着走行装置の進退方向を示し、Y軸方向は幅方向(すなわち無限軌道の幅方向)を示し、Z軸方向はX軸方向およびY軸方向に対して直交する方向を示している。
[0021]
 図1に示す壁面吸着走行装置10は、壁面に静電吸着する無限軌道を用いて該壁面上を走行する装置である。なお、走行可能な面は壁面に限らず、壁面吸着走行装置10は、天井面や床面上も走行可能である。
[0022]
 本実施の形態1の場合、壁面吸着走行装置10は、本体12と、その本体12の幅方向(Y軸方向)の両側に設けられた第1および第2の無限軌道20A、20Bとを有する。なお、第1の無限軌道20Aと第2の無限軌道20Bは実質的に同一であるため、以下においては、第1の無限軌道20Aを中心に説明する。
[0023]
 図1および図2に示すように、第1の無限軌道20Aは、無端状ベルト22と、無端状ベルト22の外周に沿って該無端状ベルト22の延在方向(すなわち周回方向)に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する複数の静電吸着部24と、無端状ベルト22と複数の静電吸着部24それぞれとを接続する複数の接続部26とを備える。
[0024]
 無端状ベルト22は、本実施の形態1の場合、絶縁材料から作製された弾性変形可能な無端状部材である。無端状ベルト22は、例えば絶縁ゴム等の絶縁材料から作製されている。
[0025]
 図2に示すように、無端状ベルト22は、壁面吸着走行装置10の進退方向(X軸方向)に並び、且つ、幅方向(Y軸方向)に延在する回転中心線Cをそれぞれ備える2つの支持輪28に懸架されて支持されている。2つの支持輪28の一方が、本体12に搭載されたモータなどの駆動源(図示せず)によって回転駆動される。それにより、第1の無限軌道20Aは、その延在方向に回転する。
[0026]
 静電吸着部24それぞれは、壁面に静電吸着する吸着面24aを備える。詳細は後述するが、静電吸着部24の吸着面24aは、壁面に対して面接触し、壁面と吸着面24aとの間に発生する静電吸着力によって該壁面に静電吸着する。
[0027]
 図2に示すように、静電吸着部24それぞれは、無端状ベルト22の外周に沿って該無端状ベルト22の延在方向に並んで配置されている。しかし、静電吸着部24それぞれは、無端状ベルト22に対向する部分(対向部)全体で、無端状ベルト22に固定されてはいない。すなわち、静電吸着部24それぞれは、無端状ベルト22に対向する対向部における一部で、無端状ベルト22に固定されている。なお、ここで言う、「対向部」とは、吸着面24aの法線方向(Z軸方向)視で無端状ベルト22にオーバーラップし、且つ、無端状ベルト22の外周面に対向する部分である。
[0028]
 図3は、図2の3-3線に沿った断面であり、第1および第2の無限軌道20A、20Bの無端状ベルト22の内周面を示している。本実施の形態1の場合、図3に示すように、静電吸着部24それぞれは、吸着面の法線方向(Z軸方向)視で吸着面24aの外縁より内側にあって且つ該外縁から離れている対向部における一部で、接続部26を介して、無端状ベルト22に固定されている。さらには、本実施の形態1の場合、吸着面24aのほぼ中央に存在する対向部における一部で、接続部26を介して、無端状ベルト22に固定されている。
[0029]
 図2および図3に示すように、静電吸着部24それぞれが、無端状ベルト22に対向する対向部における一部で該無端状ベルト22に固定されている理由を説明する。その理由の説明を、図4に示す比較例の壁面吸着走行装置と比較しながら行う。
[0030]
 図4に示すように、比較例の壁面吸着走行装置110も、本実施の形態1と同様に、第1の無限軌道120Aを有する。また、第1の無限軌道120Aは、無端状ベルト122と、無端状ベルト122の外周に沿って該無端状ベルト122の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面124aを備える複数の静電吸着部124とを備える。この比較例が本実施の形態1と異なる点は、静電吸着部124それぞれが、無端状ベルト122に対向する部分(対向部)全体で、無端状ベルト122の外周面に固定されている点である。
[0031]
 図5Aは、オーバーハングした壁面上を下方向に吸着走行する状態である、本実施の形態1に係る壁面吸着走行装置10を示している。一方、図5Bは、オーバーハングした壁面上を下方向に吸着走行する状態である、比較例に係る壁面吸着走行装置110を示している。なお、白抜き矢印Fは壁面吸着走行装置の走行方向を示し、矢印Rは無限軌道の回転方向を示している。
[0032]
 図5Aおよび図5Bにおいて、EAは静電吸着領域を示している。すなわち、この静電吸着領域EA内に存在する静電吸着部24、124の吸着面24a、124aが壁面WSに対して静電吸着する。
[0033]
 図5Bに示す比較例の場合、静電吸着領域EAは、第1の無限軌道120Aを挟んで壁面WSに対向する支持輪128それぞれの回転中心線Cから壁面WSに下ろした垂線PLの間の領域に対応する。
[0034]
 一方、図5Aに示す本実施の形態1の場合、静電吸着領域EAは、第1の無限軌道20Aを挟んで壁面WSに対向する支持輪28の回転中心線Cから壁面WSに下ろした垂線PLの間の領域に比べて広い。すなわち、図5Bに示す比較例の第1の無限軌道120Aにおける静電吸着領域EAに比べて広い。
[0035]
 これは、図5Aに示す本実施の形態1の場合、静電吸着部24それぞれが、吸着面24aの法線方向視で該吸着面24aの中央に存在する対向部における一部で、接続部26を介して、無端状ベルト22に固定されているからである。その結果、静電吸着部24(走行方向Fの後側の静電吸着部24’)は、その回転方向Rの前側部分が垂線PL間の領域から退出しても、その吸着面24aの退出した部分は壁面WSに吸着している。また、静電吸着部24(走行方向Fの前側の静電吸着部24’’)は、全体が垂線PL間の領域内になくても、回転方向Rの前側部分が当該領域に進入すれば、吸着面24a全体が静電力によって壁面WSに静電吸着する。したがって、図5Aに示す本実施の形態1の場合、トータルで5つの静電吸着部24の吸着面24aが、その全体にわたって壁面WSに静電吸着している。
[0036]
 一方、図5Bに示す比較例の場合、静電吸着部124それぞれが、対向部全体で無端状ベルト122に固定されている。その結果、静電吸着部124(走行方向Fの後側の静電吸着部124’)は、その回転方向Rの前側部分が垂線PL間の領域から退出すると、その吸着面124aの退出した部分が壁面WSから剥離される。また、静電吸着部124(走行方向Fの前側の静電吸着部124’’)は、全体が垂線PL間の領域に進入しない限り、その吸着面124a全体が壁面WSに静電吸着しない。したがって、図5Bに示す比較例の場合、3つの静電吸着部124の吸着面124aが、その全体にわたって壁面WSに静電吸着し、2つの静電吸着部124(124’、124’’)の吸着面124aが部分的に壁面WSに静電吸着している。
[0037]
 静電吸着部の吸着面全体で壁面に静電吸着している場合、吸着面が壁面に対して大きな静電吸着力で強く吸着し、静電吸着部は壁面から剥離しにくい。一方、静電吸着部が吸着面の一部で壁面に静電吸着している場合、特に、吸着面の外縁の一部が壁面から離れている場合、静電吸着部は壁面から容易に剥離する。
[0038]
 そのため、図5Bに示す比較例おいて、吸着面124aの一部で壁面WSに静電吸着している静電吸着部124’、124’’は該壁面WSから剥離しやすい。特に、図5Bに示すように壁面WSがオーバーハングしている場合(または天井面である場合)、走行方向Fの後側の静電吸着部124’は、その回転方向Rの前側部分が少しでも垂線PLを越えると、壁面吸着走行装置110の自重によって剥離し始める。したがって、壁面吸着走行装置110は、吸着面124a全体が壁面WSに吸着している、実質的に3つの静電吸着部124によって壁面WSに静電吸着している(静電吸着部124’’は、吸着面124aの回転方向Rの後側部分が壁面WSから離れているため、吸着力は期待できない)。
[0039]
 このように、図5Aに示す本実施の形態1の壁面吸着走行装置10は実質的に5つの静電吸着部24によってオーバーハングした壁面WSに静電吸着し、図5Bに示す比較例の壁面吸着走行装置110は実質的に3つの静電吸着部124によってオーバーハングした壁面WSに静電吸着している。そのため、壁面WSの傾倒角度や壁面吸着走行装置の自重によっては、本実施の形態1の壁面吸着走行装置10は壁面WSから落下せず、比較例の壁面吸着走行装置110が壁面WSから落下する可能性がある。
[0040]
 したがって、本実施の形態1のように、静電吸着部24それぞれが無端状ベルト22に対して対向する対向部における一部で該無端状ベルト22に固定されている第1の無限軌道20A(同様に第2の無限軌道20B)は、オーバーハングした壁面WSや天井面により静電吸着することができ、その壁面WSや天井面上をより確実に転動することができる(図4、図5Bに示す比較例に比べて)。また、そのような第1および第2の無限軌道20A、20Bを備える壁面吸着走行装置10は、その壁面WSや天井面を落下することなく走行することができる。
[0041]
 ここからは、第1の無限軌道20A(同様に第2の無限軌道20B)における静電吸着部24の詳細を説明する。
[0042]
 図6は、図3の6-6に沿った第1の無限軌道20Aの断面図、すなわち幅方向(Y軸方向)と直交する断面図である。
[0043]
 図6に示すように、静電吸着部24それぞれは、吸着面24aを備えて板状の誘電体である吸着板30と、吸着板30に設けられた吸着用電極32とを備える。
[0044]
 吸着板30は、誘電材料から作製された薄板状の部材である。また、吸着板30は、静電吸着部24の吸着面24aとして機能する表面を備える。その表面(吸着面24a)は本実施の形態1の場合、図1に示すように、第1の無限軌道20Aの幅(Y軸方向のサイズ)と略等しい幅を備える矩形状である。
[0045]
 吸着面24aとは反対側の吸着板30の表面に、吸着用電極32が設けられている。吸着用電極32は、導体、例えば導電ゴム等の導電材料から作製された板状の部材であって、吸着面24aに対して平行な状態で吸着板30に導電性接着剤(図示せず)を介して貼り付けられている。また、吸着用電極32は、吸着面24aと略等しいサイズや形状の貼り付け面を備え、その貼り付け面を介して吸着板30に貼り付けられている。
[0046]
 静電吸着部24それぞれの吸着用電極32に対して電荷を付与するために、無端状ベルト22は、共通電極34を備える。共通電極34は、無端状ベルト22の内周に沿って延在する無端状の導体であって、例えば無端状ベルト22の内周面に貼り付けられた無端状の導体ベルトである。
[0047]
 静電吸着部24それぞれの吸着用電極32は、接続部26を介して無端状ベルト22の共通電極34に電気的に接続されている。そのために接続部26は、導電材料から作製され、吸着用電極32から無端状ベルト22を貫通して共通電極34に達している。
[0048]
 静電吸着部24それぞれの吸着用電極32に電荷を印加するために、共通電極34に電圧を印加するためのローラ電極36を、壁面吸着走行装置10は備える。
[0049]
 図1に示すように、ローラ電極36は、その外周面が共通電極34に接触した状態で本体12に自由回転可能に支持されている。
[0050]
 図3に示すように、第1の無限軌道20Aの共通電極34と第2の無限軌道20Bの共通電極34それぞれに対して、ローラ電極36が設けられている。第1の無限軌道20A用のローラ電極36と第2の無限軌道20B用のローラ電極36それぞれは、本体12に搭載された高電圧発生器38に電気的に接続されている。本実施の形態1の場合、高電圧発生器38は、例えば5kVの高電圧を発生し、第1の無限軌道20A用のローラ電極36に対してマイナス極性の電荷を付与し、第2の無限軌道20B用のローラ電極36に対してプラス極性の電荷を付与する。
[0051]
 この高電圧発生器38により、第1の無限軌道20Aにおける静電吸着部24それぞれの吸着面24aにマイナス極性の電荷が集まる。具体的には、吸着用電極32にマイナス極性の電荷が集まる。それにより、誘電体である吸着板30において、吸着用電極32側にプラス極性の電荷が集まるとともに吸着面24a側にマイナス極性の電荷が集まる分極が生じる。一方、第2の無限軌道20Bにおける静電吸着部24それぞれの吸着面24aにプラス極性の電荷が集まる。
[0052]
 このように、第1の無限軌道20Aにおける静電吸着部24の吸着面24aにマイナス極性の電荷が集まることにより、第1の無限軌道20Aが壁面WSに静電吸着する。それとともに、第2の無限軌道20Bにおける静電吸着部24の吸着面24aにプラス極性の電荷が集まることにより、第2の無限軌道20Bが壁面WSに静電吸着する。その結果、第1および第2の無限軌道20A、20Bを備える壁面吸着走行装置10は、壁面WSに静電吸着することができる。
[0053]
 なお、第1および第2の無限軌道20A、20Bにおける静電吸着部24それぞれの吸着用電極32と無端状ベルト22の共通電極34との電気的な接続は、様々な形態で行うことが可能であり、また、特には限定されない。
[0054]
 例えば、図7および図8は、静電吸着部24それぞれの吸着用電極32と無端状ベルト22の共通電極34との電気的な接続の一例を示している。
[0055]
 図7および図8に示すように、静電吸着部24の吸着用電極32と接続部26は、2枚の導体シート50から作製されている。その導体シート50それぞれは、導電材料から作製され、また、矩形状のベース部50aとベース部50aの縁から立設する舌片部50bとを備える。また、その導体シート50それぞれの舌片部50bが通過可能な貫通穴Thが、無端状ベルト22と共通電極34とを貫通している。
[0056]
 2つの導体シート50の舌片部50bが互いに貼り合わせられることにより、接続部26が構成される。また、2つの導体シート50ベース部50aが吸着板30に貼り合わせられることにより、吸着板30上に吸着用電極32が構成される。そして、貫通穴Thを通過した舌片部50bそれぞれの先端部が折り曲げられて共通電極34に貼り付けられる。その結果、吸着用電極32が共通電極34に電気的に接続されている静電吸着部24が作製される。
[0057]
 また例えば、図9は、静電吸着部24それぞれの吸着用電極32と無端状ベルト22の共通電極34との電気的な接続の別例を示している。
[0058]
 図9に示すように、静電吸着部24は、接続部26と一体化されている。具体的には、吸着用電極32と接続部26とが一体成型された成型品52があって、その成形品52は導電材料から作製されている。また、成型品52は、誘電材料によってコーティングされている。吸着用電極32の表面(無端状ベルト22側の表面と反対側の表面)上のコーティング層が吸着板30として機能する。
[0059]
 接続部26の先端には、無端状ベルト22と共通電極34とを貫通する貫通穴Thに挿入される挿入部52aが形成されている。この挿入部52aが貫通穴Thに挿入されることにより、吸着用電極32と共通電極34とが電気的に接続される。
[0060]
 なお、図9に示す静電吸着部24の形態の場合、吸着用電極32と接続部26とが誘電材料のコーティングによって保護される。
[0061]
 また、第1および第2の無限軌道20A、20Bそれぞれの静電吸着部24と接続部26は、変形可能な材料から作製されるのが好ましく、さらに好ましくは可撓性を備えるのがよい。
[0062]
 図10は、第1の無限軌道20Aにおける壁面吸着走行装置10の走行方向Fの前側部分を示している。
[0063]
 図10に示すように、静電吸着部24は、壁面WSに静電吸着する前に、その回転方向Rの前端が壁面WSに接触する。その接触後、吸着面24aの回転方向Rの前側部分から該吸着面24aが壁面WSに静電吸着し始める。第1の無限軌道20Aの回転にともなって壁面WSに接触する吸着面24aの接触面積が増加していく。そして、接続部26が支持輪28と壁面WSとの間(垂線PL)にほぼ到達すると、吸着面24a全体が壁面WSに静電吸着する。
[0064]
 このような第1の無限軌道20Aの回転にともなう静電吸着部24の吸着面24aと壁面WSとの静電吸着をスムーズに行うために、図10に示すように、静電吸着部24、すなわち、吸着板30と吸着用電極32は、変形可能な材料、特に可撓性を備える材料で作製するのが好ましい。また、静電吸着部24と無端状ベルト22とを接続する接続部26も、同様の材料で作製するのが好ましい。例えば、これらはゴム材料から作製される。
[0065]
 なお、あまりにもやわらかすぎると、静電吸着部24が折れ曲がり、折れ曲がった部分が残りの部分と壁面WSとの間に挟み込まれる可能性がある。
[0066]
 当然ながら、壁面WSに静電吸着している静電吸着部24は、第1の無限軌道20Aの回転によっていずれは壁面WSから剥離される。このとき、壁面WSが導体(金属体)であって平滑な表面である場合、壁面WSと吸着面24aとの間の吸着力が強すぎるために、静電吸着部24をスムーズに壁面WSから剥離できない可能性がある。
[0067]
 図11は、第1の無限軌道20Aにおける壁面吸着走行装置10の走行方向Fの後側部分を示している。
[0068]
 図11に示すように、第1の無限軌道20Aにおいて、静電吸着部24の回転方向Rの前端と後端が、自由変形可能な紐部材54を介して無端状ベルト22に連結されている。
[0069]
 図11に示すように、壁面WSと静電吸着している静電吸着部24の回転方向Rの先端が支持輪28と壁面WSとの間(垂線PL)を通過すると、その先端と無端状ベルト22との間の距離が拡大し始める。それにより、その先端と無端状ベルト22とを接続する紐部材54のたるみがとれ始める。紐部材54のたるみがなくなると、その紐部材54が静電吸着部24の回転方向Rの先端を引っ張る。それにより、吸着面24aの回転方向Rの前縁が壁面WSから離れ、その結果、第1の無限軌道20Aの回転にともなって静電吸着部24が容易に(小さい力で)壁面WSから剥離される。
[0070]
 なお、紐部材54がなくても、静電吸着部24を壁面WSから容易に剥離できるのであれば、紐部材54はなくともよい。また、静電吸着部24の回転方向Rの前端と後端とに紐部材54を設ける理由は、第1の無限軌道20Aが回転方向Rまたはその逆方向に回転可能であるからである。
[0071]
 以上のような本実施の形態によれば、第1および第2の無限軌道20A、20Bは、オーバーハングした壁面や天井面であっても、より確実に静電吸着しつつ転動することができる。その第1および第2の無限軌道20A、20Bを用いて壁面を走行する壁面吸着走行装置10は、壁面から落下する可能性が減少する。
[0072]
 (実施の形態2)
 本実施の形態2と上述の実施の形態1との違いは、無端状ベルトに設けられた共通電極である。したがって、その共通電極を中心にして本実施の形態2に係る無限軌道を説明する。なお、上述の実施の形態1の構成要素と実質的に同一の本実施の形態2の構成要素には、同一の符号が付されている。
[0073]
 図12は、内周面側から見た、本実施の形態2に係る無限軌道の一部を示している。
[0074]
 図12に示すように、本実施の形態2の第1の無限軌道220Aは、上述の実施の形態1に係る第1の無限軌道20Aが1つの共通電極34を備えているのに対して(図3参照)、2つの共通電極234A、234Bを備えている。
[0075]
 2つの共通電極234A、234Bは、櫛歯状であって互いに噛み合うように(接触はしていない)に、無端状ベルト22の内周面に設けられている。共通電極234A、234Bそれぞれの櫛歯部分が、接続部26を介して、その櫛歯部分に無端状ベルト22を介して対向する静電吸着部24の吸着用電極32の部分に電気的に接続されている。その結果、プラス極性の電荷が集まる静電吸着部24(吸着用電極32)と、マイナス極性の電荷が集まる静電吸着部24(吸着用電極32)とが交互に並ぶ。
[0076]
 このように帯電極性が交互に異なって近接し合う複数の静電吸着部24(吸着用電極32)により、第1の無限軌道220Aは、自由電子の移動が少ない材料、例えば絶縁材料から作製された壁に静電吸着することができる。
[0077]
 具体的に説明すると、壁が導電材料から作製されているのであれば、図3に示すように、マイナス極性の静電吸着部24(第1の無限軌道20A)と、プラス極性の静電吸着部24(第2の無限軌道20B)とが離れていても、静電吸着が可能である。これに対して、壁面が絶縁材料から作製されている場合、帯電極性の異なる静電吸着部が離れていると、十分な静電吸着力で静電吸着することができない。
[0078]
 図12に示すように、帯電極性が異なる静電吸着部24(吸着用電極32)が近接し合う状態でその吸着面24aが絶縁性の壁面に接触することにより、壁面近傍の壁内に不平等電界が生じる。それにより、グラジエント力が生じ、その結果として、静電吸着部24は、絶縁性の壁面に静電吸着することができる。
[0079]
 なお、不平等電界(グラジエント力)は、帯電極性が異なる吸着用電極32間のすきまに対向する壁内部分に生じる。そのため、一方の吸着面24aにおいて、他方の吸着面24aに近い部分に静電吸着力が発生する(静電吸着部24それぞれの吸着面24aの中央にはほとんど生じない)。また、帯電極性が異なる静電吸着部24の吸着面24a間の距離が狭くなればなるほど、大きなグラジエント力が生じ、より強い静電吸着力で壁面に静電吸着することができる。
[0080]
 図12に示すように帯電極性が異なる静電吸着部24が近接する場合、その間に電流のリークが生じる可能性がある。特に、図12に示すように構造的に離れていても、水などの液体を介して、帯電極性が異なる静電吸着部24の間に電流が流れる可能性がある。
[0081]
 この水などの液体を介する電流のリークを抑制するために、図13に示すように、無端状ベルト22の外周面に凹部22aが形成されている。帯電極性が異なる静電吸着部24間のすきまに対向する無端状ベルト22の外周面の部分に凹部22aが形成されている。これにより、無端状ベルト22の外周面に付着した液体Wdを介する帯電極性が異なる静電吸着部24間の電流リークが抑制される(凹部22aがない場合に比べて)。
[0082]
 以上のような本実施の形態2によれば、上述の実施の形態1と同様に、第1の無限軌道220Aと第2の無限軌道は、オーバーハングした壁面や天井面であっても、より確実に静電吸着しつつ転動することができる。また、自由電子の移動が少ない、例えば絶縁材料から作製された壁にも静電吸着することができる。
[0083]
 (実施の形態3)
 本実施の形態3と上述の実施の形態1との違いは、静電吸着部に設けられている吸着用電極である。したがって、その吸着用電極を中心にして本実施の形態3に係る無限軌道を説明する。なお、上述の実施の形態1の構成要素と実質的に同一の本実施の形態2の構成要素には、同一の符号が付されている。
[0084]
 図14は、内周面側から見た、本実施の形態3に係る無限軌道の一部を示している。
[0085]
 図14に示すように、静電吸着部324それぞれは、第1の無限軌道320Aの延在方向(X軸方向)に並ぶ矩形状の2つの吸着用電極332A、332Bを備えている。静電吸着部324それぞれの一方の吸着用電極332Aは、無端状ベルト22の一方の櫛歯状の共通電極334Bに、接続部326を介して電気的に接続されている。他方の吸着用電極332Bは、他方の櫛歯状の共通電極334Aに、接続部326を介して電気的に接続されている。
[0086]
 その結果、図14に示すように、マイナス極性の吸着用電極332Aとマイナス極性の吸着用電極332Bとが交互に並ぶ。したがって、上述の実施の形態2と同様に、静電吸着部324は、絶縁材料から作製された壁にも静電吸着することができる。また、上述の実施の形態2の吸着用電極32に比べて、帯電極性が異なる吸着用電極332A、332Bが細分化されて高密度に並んでいるために、これらの間に、より狭くより多いすきまが形成される。その結果、上述の実施の形態2に比べて、絶縁性の壁面に対してより大きな静電吸着力で静電吸着することができる。
[0087]
 以上のような本実施の形態3によれば、上述の実施の形態1と同様に、第1の無限軌道320Aと第2の無限軌道は、オーバーハングした壁面や天井面であっても、より確実に静電吸着しつつ転動することができる。また、上述の実施の形態2に比べて、自由電子の移動が少ない、例えば絶縁材料から作製された壁に、より大きな静電吸着力で静電吸着することができる。
[0088]
 (実施の形態4)
 本実施の形態4は、上述の実施の形態3の改良形態である。本実施の形態4と上述の実施の形態3との違いは、静電吸着部に設けられている2つの吸着用電極の形状である。したがって、その吸着用電極を中心にして本実施の形態4に係る無限軌道を説明する。なお、上述の実施の形態3の構成要素と実質的に同一の本実施の形態4の構成要素には、同一の符号が付されている。
[0089]
 図15は、内周面側から見た、本実施の形態4に係る無限軌道の一部を示している。
[0090]
 図15に示すように、本実施の形態4の場合、静電吸着部424それぞれの吸着用電極432A、432Bは、互いに噛み合う(接触はしていない)櫛歯状の電極である。一方の吸着用電極432Aは、無端状ベルト22の一方の櫛歯状の共通電極434Aに、接続部426を介して電気的に接続されている。他方の吸着用電極432Bは、他方の櫛歯状の共通電極434Bに、接続部426を介して電気的に接続されている。
[0091]
 この場合、図15に示すように、図14の上述の実施の形態3の矩形状の吸着用電極332A、332Bに比べて、帯電極性が異なる吸着用電極432A、432Bはすきまが多い。そのため、上述の実施の形態3に比べて、絶縁性の壁面に対してより大きな静電吸着力で静電吸着することができる。
[0092]
 以上のような本実施の形態4によれば、上述の実施の形態1と同様に、第1の無限軌道420Aと第2の無限軌道は、オーバーハングした壁面や天井面であっても、より確実に静電吸着しつつ転動することができる。また、上述の実施の形態3に比べて、自由電子の移動が少ない、例えば絶縁材料から作製された壁に、より大きな静電吸着力で静電吸着することができる。
[0093]
 以上、実施の形態1~4を挙げて、本開示を説明したが、本開示の実施形態は、上述の実施の形態1~4に限らない。
[0094]
 例えば、上述の実施の形態1の場合、図6に示すように、静電吸着部24それぞれは、誘電体の吸着板30を介して壁面に静電吸着する。壁が絶縁体や誘電体から作製されている場合、誘電体の吸着板30はなくてもよい。すなわち、吸着用電極32が、壁面に静電吸着する。
[0095]
 また例えば、上述の実施の形態3の場合、1つの静電吸着部324それぞれに、帯電極性が異なる2つの吸着用電極332A、332Bが設けられている。これと異なり、例えば、1つのプラス極性の吸着用電極の両側それぞれに1つずつマイナス極性の吸着用電極を設けてもよい。
[0096]
 さらに例えば、図1に示すように第1および第2の無限軌道20A、20Bの無端状部材22は無端状ベルトであるが、例えば無端状のワイヤーであってもよい。この場合、支持輪28はプーリーで構成される。
[0097]
 ここで、図16を参照しながら、静電吸着部と無端状ベルトの接続について補足する。
[0098]
 図16に示すように、静電吸着部24は、無端状ベルト22に対向する対向部における一部で、接続部26を介して、無端状ベルト22に固定されている。この接続部26の長さ(静電吸着部24と無端状ベルト22との間の距離)Lは、短くてもよい。例えば、接続部26の長さLはゼロであってもよい(すなわち、静電吸着部24における無端状ベルト22に対向する対向部の一部が、無端状ベルト22の外周面に直接的に固定される)。
[0099]
 また、静電吸着部24の対向部における無端状ベルト22に固定される部分の位置、すなわち接続部26と静電吸着部24との接続箇所の位置は、無限軌道20Aの用途によって変更されてもよい。
[0100]
 例えば、図16では、壁面吸着走行装置10の走行方向Fの前側(すなわち無限軌道20Aの回転方向Rの後側)の吸着面24aの端から接続部26までの距離をDで表している。また、無限軌道20Aの幅方向外側の吸着面24aの端から接続部26までの距離をWで表している。
[0101]
 なお、この距離Dは、上述の実施の形態1~4の場合、静電吸着部24の全長(無限軌道20Aの延在方向におけるサイズ)の約半分である。また、距離Wは、静電吸着部24の全幅(無限軌道20Aの幅方向におけるサイズ)の約半分である。
[0102]
 この距離Dおよび距離Wを、無限軌道20Aの用途によって変更してもよい。例えば、壁面吸着走行装置10が、垂直な壁面上またはオーバーハングした壁面上を水平方向に移動するときにスイッチバックを行う場合、距離Wは、静電吸着部24の全幅の半分以外のサイズであってもよい。
[0103]
 また、静電吸着部24それぞれの距離Dおよび距離Wは同一であってもよく、また異なっていてもよい。例えば、距離Dが短い静電吸着部24と距離Dが長い静電吸着部24が交互に並んでいてもよい。
[0104]
 すなわち、広義には、本開示に係る実施の形態は、壁面に吸着しつつ該壁面上を転動可能な無限軌道であって、無端状部材と、無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部と、を有し、静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている、無限軌道である。
[0105]
 ただ、汎用性(無限軌道を備える壁面吸着走行装置の走行の自由度)を考慮すると、さらに、無限軌道において、吸着面の法線方向視で該吸着面の外縁より内側にあって且つ該外縁から離れている対向部における一部で、静電吸着部それぞれが、無端状部材に固定されている。また、より汎用性を考慮すると、無限軌道において、吸着面の法線方向視で該吸着面の中央に存在する対向部における一部で、静電吸着部それぞれは、無端状部材に固定されている。
[0106]
 以上のように、本開示における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
[0107]
 また、前述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。

産業上の利用可能性

[0108]
 本開示は、壁面に吸着しつつ該壁面上を転動する無限軌道であれば適用可能である。

符号の説明

[0109]
  20A  無限軌道(第1の無限軌道)
  22   無端状部材(無端状ベルト)
  24   静電吸着部
  24a  吸着面

請求の範囲

[請求項1]
 壁面に吸着しつつ該壁面上を転動可能な無限軌道であって、
 無端状部材と、
 無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部と、を有し、
 静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている、無限軌道。
[請求項2]
 吸着面の法線方向視で該吸着面の外縁より内側にあって且つ該外縁から離れている対向部における一部で、静電吸着部それぞれは、無端状部材に固定されている、請求項1に記載の無限軌道。
[請求項3]
 吸着面の法線方向視で該吸着面の中央に存在する対向部における一部で、静電吸着部それぞれは、無端状部材に固定されている、請求項2に記載の無限軌道。
[請求項4]
 複数の静電吸着部それぞれが、吸着面を備える誘電体と、吸着面に対して平行な状態で誘電体に設けられた吸着用電極とを備え、
 無端状部材が、無端状の共通電極を備え、
 複数の静電吸着部それぞれの吸着用電極と共通電極とが電気的に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の無限軌道。
[請求項5]
 複数の静電吸着部が、交互に並ぶ複数の第1の静電吸着部と複数の第2の静電吸着部とであって、
 無端状部材の共通電極が、第1の共通電極と第2の共通電極とであって、
 複数の第1の静電吸着部それぞれの吸着用電極が、第1の共通電極に電気的に接続され、
 複数の第2の静電吸着部それぞれの吸着用電極が、第2の共通電極に電気的に接続されている、請求項4に記載の無限軌道。
[請求項6]
 複数の静電吸着部それぞれの吸着用電極が、第1の吸着用電極と第2の吸着用電極とであって、
 無端状部材の共通電極が、第1の共通電極と第2の共通電極とであって、
 複数の静電吸着部それぞれの第1の吸着用電極が、第1の共通電極に電気的に接続され、
 複数の静電吸着部それぞれの第2の吸着用電極が、第2の共通電極に電気的に接続されている、請求項4に記載の無限軌道。
[請求項7]
 複数の静電吸着部それぞれの誘電体と吸着用電極とが可撓性を備える、請求項4から6のいずれか一項に記載の無限軌道。
[請求項8]
 壁面に吸着しつつ該壁面上を走行する壁面吸着装置であって、
 無端状部材、および、無端状部材の外周に沿って該無端状部材の延在方向に並んだ状態で配置され、壁面に対して静電吸着する吸着面を備える複数の静電吸着部を備える無限軌道と、
 無限軌道の無端状部材が懸架されて回転する複数の支持輪と、を有し、
 複数の静電吸着部それぞれが、無端状部材に対向する対向部における一部で、無端状部材に固定されている、壁面吸着走行装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]