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1. (WO2018105205) 燃料電池システム
Document

明 細 書

発明の名称 燃料電池システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

符号の説明

0057  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 燃料電池システム

技術分野

[0001]
 本開示は、水素及び酸素を反応させて発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックを冷却する冷媒が通流する冷媒流路と、冷媒流路に設けられるタンクとを備える燃料電池システムに関する。

背景技術

[0002]
 燃料電池は、外部から供給される水素及び酸素を化学反応させることにより発電する発電部としての燃料電池スタックを備える。燃料電池スタックにおいては、発電時に熱が発生するので、冷却を行う必要がある。燃料電池スタックの冷却は、例えば水などの冷媒が循環する流路を形成することにより行われる。該流路を循環する水は、燃料電池スタックの内部を通流する。発電中の燃料電池スタックから熱が伝導された水は、例えばラジエータなどの熱交換器により放熱されることで冷却され、再度燃料電池スタックに流入する。
[0003]
 従来の燃料電池システムの一例として、特許文献1に記載の燃料電池システムは、燃料電池スタックの発電停止時に、燃料電池スタック内の冷却水を冷却水タンクへ排出する。この燃料電池システムにおいて、タンク内の圧力を大気に対して所定圧だけ低く設定する差圧バルブが冷却水タンクに設けられている。また、燃料電池スタックの冷却室に空気を導入することによって冷却室内の冷却水を冷却水タンクに排出するためのエアバルブが冷却路に設けられている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2004-22436号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、特許文献1のシステムにおいては、エアバルブが開状態にされて冷却路に空気が導入され、差圧バルブを介して冷却水タンク内の空気が大気に放出されるときに、冷媒である水が気化して大気に放出される。このため、エアバルブの開放に伴い冷媒の量が減少してしまう可能性があった。冷媒量が減少することにより、燃料電池スタックの冷却効果が低下したり、メンテナンスにより冷媒を補充する頻度が増えてしまう可能性があった。
[0006]
 本開示は、冷媒量の減少を防止することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 この目的を達成するために、燃料電池システムは、水素及び酸素を反応させて発電する発電部を冷却する冷媒が通流する冷媒流路と、前記冷媒流路において冷媒を循環させるために作動する循環ポンプと、前記冷媒流路内の冷媒と熱交換を行う熱交換器と、前記発電部よりも鉛直方向下方の位置で前記冷媒流路に配置され、冷媒を貯蔵するタンクと、一端が前記冷媒流路に接続され、他端が前記タンクに接続される空気流路と、前記空気流路に設けられ、前記空気流路を開状態、又は閉状態にする第1開閉弁とを備え、前記空気流路の一部は、前記冷媒流路の鉛直方向最上部よりも高い位置に配置されることを特徴とするものである。
[0008]
 燃料電池システムは、更に、前記空気流路の一端は、前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記熱交換器の下流側かつ前記発電部の上流側の位置で前記冷媒流路に接続されることを特徴とするものである。
[0009]
 燃料電池システムは、更に、前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記熱交換器の下流側かつ前記発電部の上流側の位置で前記冷媒流路に設けられ、前記冷媒流路を循環する冷媒からイオンを除去するイオン交換樹脂を備え、前記空気流路の一端は、前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記熱交換器の下流側かつ前記イオン交換樹脂の上流側の位置で前記冷媒流路に接続されることを特徴とするものである。
[0010]
 燃料電池システムは、更に、前記空気流路の一端は、前記イオン交換樹脂よりも鉛直方向上方の位置で前記冷媒流路に接続されることを特徴とするものである。
[0011]
 燃料電池システムは、更に、前記空気流路の一端は、前記冷媒流路の鉛直方向最上部に接続されることを特徴とするものである。
[0012]
 燃料電池システムは、更に、前記空気流路の一端は、前記冷媒流路に、上方から接続されることを特徴とするものである。
[0013]
 燃料電池システムは、更に、前記空気流路に設けられる前記第1開閉弁の数は1つであることを特徴とするものである。
[0014]
 燃料電池システムは、更に、前記第1開閉弁はノーマルオープン型の電磁弁であることを特徴とするものである。
[0015]
 燃料電池システムは、更に、前記空気流路の流路断面積は、前記冷媒流路の流路断面積よりも小さいことを特徴とするものである。
[0016]
 燃料電池システムは、更に、一端が前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記イオン交換樹脂の下流側かつ前記イオン交換樹脂よりも鉛直方向下方の位置で前記冷媒流路に接続され、他端が前記タンクに接続される冷媒バイパス路と、前記冷媒バイパス路に設けられ、前記冷媒バイパス路を開状態、又は閉状態にする第2開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
[0017]
 燃料電池システムは、更に、前記第2開閉弁はノーマルオープン型の電磁弁であることを特徴とするものである。

発明の効果

[0018]
 燃料電池システムによれば、第1開閉弁が開状態にされることにより、タンク内の空気は空気流路を介して冷媒流路に導入され、冷媒流路内の冷媒はタンクに導入される。このため、冷媒流路が大気と連通することがなく、気化した冷媒が大気に放出されることが防止される。また、空気流路の一部は、冷媒流路の鉛直方向最上部よりも高い位置に配置されるため、第1開閉弁が開状態にされる際に、空気流路に冷媒が流入することがなく、空気流路を介してタンク内の空気を確実に冷媒流路に導入することができる。
[0019]
 また、燃料電池システムによれば、空気流路が熱交換器と発電部との間に接続されることにより、冷媒を、より確実にタンクに導入することができる。一般的に、熱交換器と発電部とは、内部の流路が長く複雑になっているため流路抵抗が大きい。このため、空気流路が熱交換器と発電部との間に接続されることで、熱交換器内の冷媒及び発電部内の冷媒をタンクに導入しやすくすることができる。
[0020]
 また、燃料電池システムによれば、空気流路が熱交換器とイオン交換樹脂との間に接続されることにより、冷媒を、より確実にタンクに導入することができる。一般的に、イオン交換樹脂は、内部にフィルタが設けられているため流路抵抗が大きい。このため、空気流路が熱交換器とイオン交換樹脂との間に接続されることで、イオン交換樹脂内の冷媒をタンクに導入しやすくすることができる。
[0021]
 また、燃料電池システムによれば、空気流路がイオン交換樹脂よりも鉛直方向上方の位置で冷媒流路に接続されることにより、タンク内の空気をイオン交換樹脂内に導入し、イオン交換樹脂内の冷媒をタンクに導入しやすくすることができる。
[0022]
 また、燃料電池システムによれば、冷媒流路の鉛直方向最上部から空気が導入されることにより、冷媒流路全体の冷媒を確実にタンクに導入することができる。
[0023]
 また、燃料電池システムによれば、空気流路の一端が冷媒流路に上方から接続されることにより、空気流路に冷媒が入り難い。このため、より確実に冷媒をタンクに導入することができる。
[0024]
 また、燃料電池システムによれば、1つの開閉弁を開状態にするだけで、タンク内の空気は冷媒流路に導入される。このため、部品点数を少なくし、コストを低く抑えることができる。
[0025]
 また、燃料電池システムによれば、第1開閉弁はノーマルオープン型なので、水抜き処理の指示を受けることなく電源が遮断された場合であっても、第1開閉弁は開状態となり、冷媒をタンクに導入することができる。
[0026]
 また、燃料電池システムによれば、空気流路の流路断面積は冷媒流路の流路断面積よりも小さいため、空気流路に冷媒が入り難い。このため、より確実に冷媒をタンクに導入することができる。また、空気流路の配管や継手等の部品を小さくすることができ、燃料電池システムをコンパクトにすることができる。
[0027]
 また、燃料電池システムによれば、イオン交換樹脂内の冷媒を、発電部を介すことなくタンクに導入することができる。このため、イオン交換樹脂内の冷媒をより確実にタンクに導入することができる。
[0028]
 また、燃料電池システムによれば、第2開閉弁はノーマルオープン型なので、水抜き処理の指示を受けることなく電源が遮断された場合であっても、第2開閉弁は開状態となり、冷媒をタンクに導入することができる。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1] 一実施形態における燃料電池システムの各構成の配置を示す概念図である。

発明を実施するための形態

[0030]
 以下、本開示の一実施形態について図面を参照して説明する。
[0031]
 燃料電池システム1は例えば固体高分子形燃料電池(polymer electrolyte fuel cell)等である。燃料電池システム1は、水素及び酸素の反応により発電する燃料電池スタック(以下、スタックという)2と、冷却水流路3と、放熱液流路4と、加熱液流路5と、空気流路6と、冷却水バイパス路7とを備える。スタック2に水素を供給する水素供給部及び酸素を供給する酸素供給部は、特許文献1によって公知であるので、図中での表示は省略している。
[0032]
 冷却水流路3には、冷却水タンク8、冷却ポンプ9、第1熱交換器10、第2熱交換器11、イオン交換樹脂12、及び導電率計13が設けられる。冷却水流路3は、管状の部材であって、冷却水流路3の内部を冷媒としての冷却水が通流する。冷却ポンプから送出される冷却水は、第1熱交換器10、第2熱交換器11、及びイオン交換樹脂12を順に通流し、導電率計13により導電率が測定された後、スタック2へ導入される。スタック2内の通流路を通流して排出される冷却水は、冷却水タンク8に貯留された後、再び冷却ポンプ9に戻る。冷却ポンプ9が作動することにより、冷却水は冷却水流路3を循環する。
[0033]
 冷却水タンク8及び冷却ポンプ9は、鉛直方向に略同じ高さに配置される。冷却水タンク8及び冷却ポンプ9は、スタック2、第1熱交換器10、第2熱交換器11、及びイオン交換樹脂12よりも鉛直方向下方に配置される。第1熱交換器10は、第2熱交換器11よりも鉛直方向下方に配置される。
[0034]
 冷却水流路3のうち、冷却水タンク8と冷却ポンプ9とを繋ぐ部分の、冷却水タンク8に接続される側の一端は、冷却水タンク8の側面の下端に接続される。また、冷却水流路3のうち、スタック2と冷却水タンク8とを繋ぐ部分の、冷却水タンク8に接続される側の一端は、冷却水タンク8の上面に接続される。冷却水タンク8は、冷却水タンク8を除く冷却水流路3全体の容積よりも大きい容積を備える。
[0035]
 イオン交換樹脂10は、内部にフィルタを備え、冷却水流路3内の冷却水からイオンを除去する。スタック2を冷却する冷却水のイオン濃度が高くなると、スタック2で発電した電気が冷却水を通してリークしてしまい、スタック2の発電効率が低下する。このため、イオン交換樹脂12及び導電率計13を、冷却水の流れ方向におけるスタック2の上流側に配置し、導電率計13により冷却水のイオン濃度を監視する。
[0036]
 放熱液流路4には、ラジエータ14及び放熱ポンプ15が設けられ、熱媒体としての放熱液が通流する。放熱液流路4は、放熱ポンプ15から送出された放熱液が第1熱交換器10を通流した後、ラジエータ14を通流し、放熱ポンプ14に戻るように形成されている。放熱液は、第1熱交換器10において冷却水流路3内の冷却水と熱交換を行う。放熱液として、例えばエチレングリコール等の不凍液を用いる。
[0037]
 加熱液流路5には、加熱ポンプ16及びヒータ17が設けられ、熱媒体としての加熱液が通流する。加熱液流路5は、加熱ポンプ16から送出された加熱液がヒータ17を通流した後、第2熱交換器11を通流し、加熱ポンプ16に戻るように形成されている。加熱液は、第2熱交換器11において冷却水流路3内の冷却水と熱交換を行う。加熱液として、例えばエチレングリコール等の不凍液を用いる。
[0038]
 加熱液流路5の一部は、冷却水タンク8及び冷却ポンプ9の表面に沿うように近接して配置される。また、加熱液流路5の一部は、冷却水流路3のうち、特に冷却水が残りやすい部分に沿うように近接して配置される。これは、後述する水抜き処理時において、仮に冷却水の一部が冷却水流路3内に残り凍結した場合であっても、外部電源により電力が供給された場合に解凍するためである。外部電源は、一例として燃料電池システム1の起動における電力供給のために備えられた蓄電池である。また、水素供給部として水素吸蔵合金を内蔵したボンベが用いられる場合には、加熱液流路5は、ボンベに近接して配置されてもよい。
[0039]
 空気流路6は、冷却水流路3と冷却水タンク8とを接続し、大気に開放されない流路である。具体的に、空気流路6は管状の部材である。空気流路6の一端は、冷却水流路3の冷却水の流れ方向における第2熱交換器11の下流側かつイオン交換樹脂12の上流側、かつ、冷却水流路3の鉛直方向最上部に、上方から接続される。空気流路6の他端は、冷却水タンク8の上面に接続される。空気流路6の他端は、冷却水タンク8内部の液面より高い位置に接続されていればよい。空気流路6は、冷却水流路3の最上部よりも高い位置を通るように配置される。空気流路6の一端には、一個の空気遮断弁18が設けられる。空気遮断弁18は、ノーマルオープン型の電磁弁である。具体的に空気遮断弁18は、発電中は閉状態に制御され、電源が遮断されている時と水抜き処理時とは開状態に制御される。空気流路6の流路断面積は、冷却水流路3の流路断面積よりも小さい。例えば、空気流路6は内径6mmの配管で構成され、冷却水流路3は内径8mmの配管で構成される。
[0040]
 冷却水バイパス流路7は、冷却水流路3と冷却水タンク8とを接続する配管である。冷却水バイパス流路7の一端は、冷却水流路3の冷却水の流れ方向におけるイオン交換樹脂12の下流側かつ導電率計13の上流側、かつ、イオン交換樹脂12及び導電率計13よりも鉛直方向下方に接続される。冷却水バイパス流路7の他端は、冷却水タンク8の上面に接続される。冷却水バイパス流路7の途中には、バイパス弁19が配置される。バイパス弁19は、ノーマルオープン型の電磁弁である。具体的にバイパス弁19は、発電中は閉状態に制御され、電源が遮断されている時と水抜き処理時とは開状態に制御される。
[0041]
 上記の構成の燃料電池システム1は、例えば外部装置等から発電の指示を受けた場合、スタック2に、水素供給部から水素を供給し、同じく酸素供給部から酸素を供給することにより、発電する。一例として、外部装置は、ユーザの操作を受け付けるスイッチである。別の例として、外部装置は、リモコン装置である。この時、燃料電池システム1はリモコン装置から送られる発電の指示を受け付ける受信装置が備えられる。
[0042]
 燃料電池システム1は、冷却ポンプ9、放熱ポンプ15、及び加熱ポンプ16を作動させる。これにより、冷却水は冷却水流路3を循環し、放熱液は放熱液流路4を循環し、加熱液は加熱液流路5を循環する。尚、スタック2における発電時には、空気遮断弁18及びバイパス弁19は閉状態である。
[0043]
 スタック2における発電で生じる反応は発熱反応であり、スタック2は冷却水流路3内を通流する冷却水により冷却される。スタック2から排出された冷却水の熱は、第1熱交換器10において放熱液流路4の放熱液に伝導され、該放熱液はラジエータ14において熱を放出する。
[0044]
 第1熱交換器10を通過し、更に第2熱交換器11へと導入された冷却水の熱は、第2熱交換器11において加熱液流路5の加熱液へ伝導される。加熱液へ伝導された熱は、冷却水タンク8と、冷却水流路3のうち近接して配置された部分とに伝導される。一例として近接して配置されている部分とは、冷却水タンク8と冷却ポンプ9との間の冷却水流路3、及び冷却ポンプ9である。また、水素供給部として水素吸蔵合金を内蔵したボンベが用いられる場合には、加熱液へ伝導された熱はボンベにも伝導される。水素吸蔵合金が水素を放出する際の反応は吸熱反応であるため、水素吸蔵合金を内蔵したボンベは、加熱液から熱を伝導されることにより水素を放出することができる。
[0045]
 燃料電池システム1は、外部装置等から発電停止の指示を受けた場合、スタック2への水素及び酸素の供給を停止し、待機状態となる。具体的に待機状態は、燃料電池システム1に電力が供給され、且つ、発電が停止ししている状態である。待機状態において、例えば、外気温が氷点下の場合、冷却水が凍結する虞がある。冷却水が凍結した場合、冷却水が膨張することにより、スタック2等の部品が破損してしまう虞がある。このため、燃料電池システム1は、待機状態において、冷却ポンプ9及び加熱ポンプ16を作動させ、第2熱交換器11において加熱液と冷却水とを熱交換させ、冷却水の凍結を防止する。さらに、燃料電池システム1はヒータ17を作動させる。
[0046]
 しかしながら、例えば燃料電池システム1のメンテナンス時や長期保管時などで電源が遮断される場合には、冷却ポンプ9、加熱ポンプ16、及びヒータ17を作動させることができない。このため、燃料電池システム1は、外部装置等から電源を遮断する指示を受けると電源を遮断する前に水抜き処理を実施する。
[0047]
 燃料電池システム1は、待機状態において外部装置等から水抜き処理の指示を受けた場合、冷却ポンプ9が作動している場合には、冷却ポンプ9を停止させる。また、空気遮断弁18とバイパス弁19とを開状態にする。
[0048]
 冷却水タンク8内の空気は、空気流路6及び空気遮断弁18を介して、冷却水流路3に導入される。冷却水流路3内に導入された空気は、イオン交換樹脂12内に進入し、イオン交換樹脂12内の冷却水はバイパス流路7を介して冷却水タンク8へと進入する。また、冷却水流路3内に導入された空気は、第2熱交換器11及び第1熱交換器10内に進入し、第2熱交換器11及び第1熱交換器10内の冷却水は、冷却ポンプ9を介して冷却水タンク8へと進入する。この場合、冷却ポンプ9内の冷却水は、必ずしも全て冷却水タンク8へと排出されなければならないわけではなく、一部は冷却ポンプ9内に留まっていてもよい。また、イオン交換樹脂12を通過した空気の一部は導電率計13を介してスタック2内に進入し、スタック2内の冷却水は冷却水タンク8へと進入する。
[0049]
 以上のように水抜き処理を実施することにより、スタック2等の部品内の冷却水を冷却水タンク8に排出することができるので、外気温が氷点下になった場合であっても、スタック2等の破損を防止することができる。冷却水タンク8内では冷却水が凍結するが、冷却水タンク8は、冷却水タンク8を除く冷却水流路3全体の容積よりも大きい容積を備えているため、破損することはない。
[0050]
 燃料電池システム1は、外部電源により電力が供給され、冷却水タンク8内及び冷却ポンプ9内に貯留された冷却水が凍結している場合、加熱ポンプ16及びヒータ17を作動させることで、ヒータ17の熱により冷却水を解凍することができる。燃料電池システム1は、冷却水を解凍すると待機状態となる。
[0051]
 本開示の実施形態によれば、燃料電池システム1の水抜き処理時には、冷却水流路3は大気と連通することなく、冷却水流路3の冷却水は冷却水タンク9に導入される。このため、気化した冷却水が大気に放出されることが防止される。冷却水の放出を防止することにより、冷却水の量が減少することが防止され、スタック2の冷却効果を維持することができる。また、メンテナンスにより冷却水を補充する頻度を減らすことができる。
[0052]
 また、冷却水流路3と大気とが連通することがないため、大気から冷却水流路3への埃、ごみ、及び異物等の混入を防止することができる。このため、メンテナンスにより冷却水を交換する頻度、及び補充する頻度を低減させることができる。
[0053]
 また、空気流路6の一端は冷却水流路3の鉛直方向最上部に接続されるので、冷却水流路3全体の冷却水を、冷却水タンク8に確実に導入することができる。
[0054]
 また、冷却水バイパス路7の一端は冷却水流路3の冷却水の流れ方向におけるイオン交換樹脂12の下流側かつイオン交換樹脂12よりも鉛直方向下方の位置で冷却水流路3に接続されるので、内部にフィルタが設けられており、流路抵抗が大きいイオン交換樹脂12内の冷却水を、冷却水バイパス流路7を介して確実に冷却水タンク8に導入することができる。
[0055]
 また、燃料電池システム1は、外部装置等から水抜き処理の指示を受けることなく電源が遮断された場合であっても、空気遮断弁18及びバイパス弁19はノーマルオープン型の電磁弁であるので開状態となり、水抜き処理を実施することができる。
[0056]
 スタック2は、発電部の一例である。冷却水流路3は、冷媒流路の一例である。冷却水バイパス路7は、冷媒バイパス路の一例である。冷却水タンク8は、タンクの一例である。冷却ポンプ9は、循環ポンプの一例である。第1熱交換器10及び第2熱交換器11は、熱交換器の一例である。空気遮断弁18は、第1開閉弁の一例である。バイパス弁19は、第2開閉弁の一例である。

符号の説明

[0057]
 1 燃料電池システム
 2 スタック(発電部)
 3 冷却水流路(冷媒流路)
 4 放熱液流路
 5 加熱液流路
 6 空気流路
 7 冷却水バイパス路(冷媒バイパス)
 8 冷却水タンク(タンク)
 9 冷却ポンプ(循環ポンプ)
 10 第1熱交換器(熱交換器)
 11 第2熱交換器(熱交換器)
 12 イオン交換樹脂
 18 空気遮断弁(第1開閉弁)
 19 バイパス弁(第2開閉弁)

請求の範囲

[請求項1]
 水素及び酸素を反応させて発電する発電部を冷却する冷媒が通流する冷媒流路と、
 前記冷媒流路において冷媒を循環させるために作動する循環ポンプと、
 前記冷媒流路内の冷媒と熱交換を行う熱交換器と、
 前記発電部よりも鉛直方向下方の位置で前記冷媒流路に配置され、冷媒を貯蔵するタンクと、
 一端が前記冷媒流路に接続され、他端が前記タンクに接続される空気流路と、
 前記空気流路に設けられ、前記空気流路を開状態、又は閉状態にする第1開閉弁とを備え、
 前記空気流路の一部は、前記冷媒流路の鉛直方向最上部よりも高い位置に配置されることを特徴とする燃料電池システム。
[請求項2]
 前記空気流路の一端は、前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記熱交換器の下流側かつ前記発電部の上流側の位置で前記冷媒流路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
[請求項3]
 前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記熱交換器の下流側かつ前記発電部の上流側の位置で前記冷媒流路に設けられ、前記冷媒流路を循環する冷媒からイオンを除去するイオン交換樹脂を備え、
 前記空気流路の一端は、前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記熱交換器の下流側かつ前記イオン交換樹脂の上流側の位置で前記冷媒流路に接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
[請求項4]
 前記空気流路の一端は、前記イオン交換樹脂よりも鉛直方向上方の位置で前記冷媒流路に接続されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
[請求項5]
 前記空気流路の一端は、前記冷媒流路の鉛直方向最上部に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
[請求項6]
 前記空気流路の一端は、前記冷媒流路に、上方から接続されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
[請求項7]
 前記空気流路に設けられる前記第1開閉弁の数は1つであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
[請求項8]
 前記第1開閉弁はノーマルオープン型の電磁弁であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
[請求項9]
 前記空気流路の流路断面積は、前記冷媒流路の流路断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
[請求項10]
 一端が前記冷媒流路内の冷媒の流れ方向における前記イオン交換樹脂の下流側かつ前記イオン交換樹脂よりも鉛直方向下方の位置で前記冷媒流路に接続され、他端が前記タンクに接続される冷媒バイパス路と、
 前記冷媒バイパス路に設けられ、前記冷媒バイパス路を開状態、又は閉状態にする第2開閉弁と
 を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料電池システム。
[請求項11]
 前記第2開閉弁はノーマルオープン型の電磁弁であることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池システム。

図面

[ 図 1]