このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2018079462) 加熱調理器
Document

明 細 書

発明の名称 加熱調理器

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

先行技術文献

特許文献

0038  

発明の概要

0039   0040   0041  

図面の簡単な説明

0042  

発明を実施するための形態

0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264   0265   0266   0267   0268   0269   0270   0271   0272   0273   0274   0275   0276   0277   0278   0279   0280   0281   0282  

産業上の利用可能性

0283  

符号の説明

0284  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2A   2B   3A   3B   4   5A   5B   5C   6   7A   7B   8   9   10   11   12A   12B   13A   13B   14   15   16   17   18A   18B   19   20A   20B   20C   21   22A   22B   23   24   25   26   27   28A   28B   29A   29B   30A   30B   30C   31   32A   32B   33A   33B   34   35   36  

明 細 書

発明の名称 : 加熱調理器

技術分野

[0001]
 本発明は、湯切りを必要とする調理に使用される加熱調理器に関する。

背景技術

[0002]
 一般的に、食材を調理する調理工程の一種である湯切りは、例えばパスタ、うどんなどの麺類や、ほうれん草などの野菜などの食材を、茹でた後に行われる。このとき、食材の種類によって、食材の茹で始めから、湯切りを行うまでの時間が、異なる。
[0003]
 例えば、ほうれん草などの葉菜類の野菜や麺類などは、比較的、火が通りやすい食材である。上記食材を茹でる場合、水が入った鍋を加熱して水を沸騰させ、食材を沸騰した水の中に投入する。その後、食材に火が通るまで、所定時間、加熱した後、食材の湯切りを行う。
[0004]
 一方、人参などの根菜類やじゃがいもなどのイモ類は、比較的、火が通りにくい食材である。上記食材を茹でる場合、水が沸騰する前に、水が入った鍋に食材を投入して、水と食材を一緒に加熱する。その後、食材に火が通るまで、所定時間、加熱した後、食材の湯切りを行う。
[0005]
 つまり、湯切りを行う調理の場合、食材の種類によって、食材を鍋に投入するタイミングや、食材を茹で始めてから湯切りを行うまでに要する時間(以下、「茹で時間」と称す)が異なる。
[0006]
 そこで、従来、湯切りを行う調理に使用される調理器具として、食材ごとに異なる茹で時間に応じて、任意のタイミングで簡単に湯切りが行える構成の加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
[0007]
 まず、特許文献1に記載の従来の加熱調理器について、図34を用いて、説明する。
[0008]
 図34は、特許文献1に記載された加熱調理器を示す模式図である。
[0009]
 図34に示すように、従来の加熱調理器400は、開口を有する鍋401と、湯切り容器402と、昇降装置403と、本体(図示せず)などを備える。湯切り容器402は、鍋401内に配置され、食材を収容する。昇降装置403は、一端が湯切り容器402の側面に配置され、他端が鍋401の側面に配置される。昇降装置403は、湯切り容器402を鍋401に対して昇降可能に保持する。本体は、鍋401を収容する。湯切り容器402は、側面に形成される、複数個の孔402Aを備える。昇降装置403は、鍋401の側面に配置された他端に、湯切り容器402を支持する容器支持部404と、容器支持部404を昇降させる昇降部405を備える。
[0010]
 上記加熱調理器400を使用する場合、使用者は、まず、鍋401に水を入れ、鍋401を本体内に設置する。その後、予め、食材を入れた湯切り容器402を容器支持部404に取り付けて、鍋401の上方に配置する。
[0011]
 つぎに、使用者は、食材の種類に応じて、タイマーで調理時間を設定し、スイッチを入れる。これにより、鍋401内の水が、加熱されて沸騰する。その後、温度センサで検知される鍋401の温度が沸騰温度になると、昇降装置403は、昇降部405によって容器支持部404を下降させる。これにより、湯切り容器402が、鍋401内に下降する。
[0012]
 つぎに、設定した調理時間が経過すると、昇降装置403は、昇降部405によって容器支持部404を上昇させる。これにより、湯切り容器402が、鍋401に対して上昇する。このとき、湯切り容器402内の水は、孔402Aから鍋401内に移動する。つまり、加熱調理器400は、予め設定した調理時間だけ食材を調理した後、湯切り容器402内の食材の湯切りを自動で行う。
[0013]
 つぎに、特許文献2に記載の従来の調理器具について、図35を用いて、説明する。
[0014]
 図35は、特許文献2に記載された調理器具500を示す断面図である。
[0015]
 図35に示すように、調理器具500は、調理鍋501と、調理鍋501内に配置される湯切り用の調理容器502を備える。調理鍋501は、上方に、外周方向に向かって、調理鍋501の径が拡大する鍋フランジ部501aを有する。鍋フランジ部501aは、中央に、開口部(図示せず)を有するサポートリング501bを備える。調理容器502は、側面および底面に、複数の孔502aが形成されている。また、調理容器502は、調理容器502の側面から外周方向に向かって膨らむ複数の凸部502bを有する。
[0016]
 上記調理器具500を使用する場合、使用者は、まず、調理容器502を、サポートリング501bの中央に設けられた開口部(図示せず)に挿入する。そして、調理容器502の底面と調理鍋501の内底面とを当接させて、調理容器502を調理鍋501内に配置する。その後、使用者は、調理容器502内に水や食材を投入して、調理器具500をガスコンロなどによって加熱する。これにより、食材を茹でる。
[0017]
 食材が茹で終わり、食材の湯切りを行う場合、使用者は、調理容器502の底面が調理鍋501内にある水の水面よりも高くなるように、調理容器502を上方へ持ち上げる。そして、調理容器502の凸部502bをサポートリング501bの上に載置して、調理容器502をサポートリング501bに保持させる。このとき、複数の孔502aから水が流出する。これにより、調理容器502内の食材の湯切りを簡単に行うことができる。
[0018]
 上述のように、食材を茹で、その後、湯切りを行うことで調理される食材としては、麺や野菜などの食材が一般的である。しかしながら、日本以外の地域においては、米を調理する際に、米を茹で、その後、湯切りを行って、米を調理する食文化を有する地域もある。
[0019]
 米を調理する炊飯方法としては、主に、炊き干し法と、湯取り法の2種類が存在する。炊き干し法は、まず、米と、米の量に応じた所定の量の水とを、鍋内に投入する。投入後、米が鍋内の水を吸収し、鍋内の水が無くなるまで炊きあげる方法である。一方、湯取り法は、まず、米と多量の水を鍋に入れる。そして、鍋内の水を所定時間沸騰させ、鍋内の米を調理する。調理した後、鍋内の余分な水とご飯とを分離するために湯切りを行う方法である。
[0020]
 炊き干し法および湯取り法のいずれの炊飯方法も、炊飯時に、米に含まれるデンプンなどの粘り成分が、水の中に溶けだす。しかし、炊き干し法は、鍋内の米が鍋内の水を吸収し、鍋内の水が無くなるまで炊き上げる。そのため、水の中に溶け出したデンプンなどの粘り成分は、炊飯中に米の表面に付着し、粘りのあるご飯が炊きあがる。一方、湯取り法は、鍋内の水を所定時間沸騰させ、鍋内の米を加熱した後、鍋内の水とご飯とを分離する。そのため、水の中に溶け出した米に含まれるデンプンなどの粘り成分は、米の表面に付着しにくい。その結果、ご飯粒同士が離れた粘りの少ないご飯が炊きあがる。
[0021]
 上述のように、炊き干し法と湯取り法とでは、炊きあがったご飯の粘り気が異なる。そのため、地域ごとの食文化やご飯の嗜好に応じて、炊き干し法と湯取り法とが使い分けられている。
[0022]
 例えば、ご飯とおかずとを分けて食べる食文化を有する日本や中国などの東アジア地域においては、ご飯自体の味やおいしさが大切にされるため、粘りのあるご飯が好まれる。また、これらの地域では、箸を使って食事をする地域が多いため、箸でつかんで食べやすい、粘りのあるご飯が好まれる。
[0023]
 一方、カレーやソースなどのおかずをご飯に混ぜ、ご飯とおかずとを一緒に食べる食文化を有するインドやスリランカなどの南アジア地域や中東地域においては、おかずと混ぜたときの、ご飯のおいしさや食感が大切にされる。そのため、それらの地域では、ご飯の粒同士が離れ、ご飯の一粒一粒がおかずと混ざりやすい、粘りの少ないご飯が好まれる。さらに、南アジア地域や中東地域では、手が最も清潔なものとされ、手で食事をする地域が多い。そのため、手につきにくい粘りの少ないご飯が好まれる。
[0024]
 つまり、湯取り法による炊飯に使用される加熱調理器は、炊き干し法による炊飯に使用される加熱調理器とは異なり、炊飯時に湯切りを行う必要がある。
[0025]
 そこで、従来、湯取り法による炊飯に使用される炊飯器として、炊飯が完了した際に、外鍋の内部に配置された内鍋を引き上げて湯切りを行う炊飯器が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
[0026]
 以下、特許文献3に記載の従来の炊飯器について、図36を用いて、説明する。
[0027]
 図36は、特許文献3に記載された炊飯器600を示す断面図である。
[0028]
 図36に示すように、炊飯器600は、本体601と、外鍋602と、加熱部603と、内鍋604と、蓋606などから構成される。外鍋602は、本体601内に配置される。加熱部603は、本体601内に配置され、外鍋602を加熱する。内鍋604は、外鍋602内に配置され、底面部に排水用の複数の孔605を有する。蓋606は、内鍋604の上部に形成された開口部(図示せず)を閉止する。
[0029]
 上記炊飯器600を使用する場合、使用者は、まず、外鍋602内に内鍋604を配置する。つぎに、内鍋604内に、米と多量の水を投入した状態で、内鍋604の上部を蓋606によって閉止し、炊飯を開始する。これにより、外鍋602は、加熱部603で加熱され、内鍋604内の米が炊飯される。
[0030]
 つぎに、炊飯が完了し、湯切りを行う場合、使用者は、外鍋602内から内鍋604を引き上げる。このとき、米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水が、内鍋604の底面部に形成された複数の孔605から外鍋602内へと排出される。これにより、内鍋604内のご飯と、米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水とが分離され、湯切りが実行される。
[0031]
 なお、特許文献1に記載の加熱調理器は、米の炊飯後の湯切り動作については述べられていないが、炊飯が完了した際に、鍋の内部に配置された湯切り容器を引き上げて湯切りを行うことは可能である。つまり、米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水と、ご飯とを分離できる。
[0032]
 しかしながら、上記従来の加熱調理器、調理器具や炊飯器は、食材を均一に加熱するという観点や、湯切りの安全性および湯切り後の使い勝手という観点からは未だ改善の余地があった。
[0033]
 すなわち、特許文献1の加熱調理器400は、湯切り容器402を容器支持部404で、片持ち支持する構成である。そのため、湯切り容器402中の食材が多い場合、容器支持部404に過度な荷重がかかり、安定した湯切り動作が実行できない。
[0034]
 特に、湯切りした状態において、湯切り容器402は、片持ち支持されている箇所以外を自由に動かすことができる。そのため、調理物を取り出す際に湯切り容器402の位置が安定しない。この場合、湯切り容器402を全周箇所で支持する構成が考えられる。しかし、この構成は、湯切り容器402を取り外した後に、鍋401を本体から、容易に取り外すことできない。
[0035]
 また、鍋401内に湯切り容器402を配置した状態で、湯切り容器402を片持ち支持するため、湯切り容器402が鍋401に対して位置規制されない。そのため、加熱部で直接加熱される鍋401に対して、湯切り容器402の位置がずれて配置され、湯切り容器402の容器側面と鍋401の鍋側面との間隔が全周に亘って均一にならない場合がある。つまり、加熱時において、沸騰した水の対流が、湯切り容器402内の異なる位置で不規則に発生する虞がある。その結果、調理物を均一に加熱できず、調理の斑が発生しやすい。
[0036]
 また、特許文献2の調理器具500は、調理容器502を調理鍋501内に配置した際、調理容器502が調理鍋501と、直接、接する。これにより、加熱部からの熱が、調理鍋501を通じて、直接、調理容器502に伝わる。そのため、調理容器502内の調理物が、局所的に加熱される場合がある。さらに、調理容器502の底面に設けられた複数の孔は、それぞれの孔同士の中心間距離(以下、「ピッチ」と呼ぶ)が不規則に配置され、開孔率は数%である。そのため、沸騰時において、調理容器502内に、沸騰水などの十分な対流が発生せず、調理物に調理の斑が発生する虞がある。
[0037]
 また、特許文献3の炊飯器600は、湯切り容器として機能する内鍋604の側面に孔が形成されていない。そのため、内鍋604内のご飯が、加熱によって、吸水、膨張した場合、内鍋604の孔605の一部が塞がれる。これにより、沸騰泡などが、内鍋604の上部へ抜けにくくなり、内鍋604と外鍋602の間の空間の圧力が上昇して、ふきこぼれが発生する虞がある。

先行技術文献

特許文献

[0038]
特許文献1 : 米国特許第7484455号明細書
特許文献2 : 米国特許第6055901号明細書
特許文献3 : 特開2015-112168号公報

発明の概要

[0039]
 本発明は、鍋の取り外しが容易で、位置ずれのない安定した湯切り動作により、湯切り容器内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を抑制できる加熱調理器を提供する。
[0040]
 本発明の加熱調理器は、加熱調理器本体と、加熱調理器本体内に配置された鍋と、加熱調理器本体内に配置され鍋を加熱する加熱部と、鍋内に配置可能であるとともに、容器側面および容器底面にそれぞれ複数の孔を有する湯切り容器を備える。鍋と湯切り容器は、平面視における外形が円形状で、互いに相似形で形成され、湯切り容器を鍋内に配置したとき、湯切り容器の容器上部と鍋の鍋上部とが嵌合するように構成される。
[0041]
 この構成によれば、湯切り容器を鍋内に配置したとき、湯切り容器の容器上部と鍋の鍋上部とが嵌合する。これにより、湯切り容器は、鍋内に位置規制されて配置される。つまり、鍋の鍋側面と湯切り容器の容器側面とは、全周に亘って、略均一(均一を含む)の第一の間隔を有して離間して配置される。これにより、加熱部の加熱により沸騰した水の対流が、湯切り容器内の異なる位置で均一になる。その結果、湯切り容器内に収容される調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。

図面の簡単な説明

[0042]
[図1] 図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。
[図2A] 図2Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す全体断面図である。
[図2B] 図2Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。
[図3A] 図3Aは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す斜視図である。
[図3B] 図3Bは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す断面図である。
[図4] 図4は、同実施の形態における加熱調理器を示す分解斜視図である。
[図5A] 図5Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図である。
[図5B] 図5Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図である。
[図5C] 図5Cは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。
[図6] 図6は、同実施の形態における加熱調理器の鍋および湯切り容器の位置関係を示す断面図である。
[図7A] 図7Aは、同実施の形態における加熱調理器の蓋体を示す斜視図である。
[図7B] 図7Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器および蓋体の位置関係を示す断面図である。
[図8] 図8は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器に配置されたパッキンを示す部分断面図である。
[図9] 図9は、同実施の形態における加熱調理器の一部切り欠き斜視図である。
[図10] 図10は、同実施の形態における加熱調理器の加熱調理器本体の一部切り欠き斜視図である。
[図11] 図11は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面模式図である。
[図12A] 図12Aは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す斜視図である。
[図12B] 図12Bは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す上面図である。
[図13A] 図13Aは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す斜視図である。
[図13B] 図13Bは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す上面図である。
[図14] 図14は、同実施の形態における加熱調理器の動作を説明するためのブロック図である。
[図15] 図15は、同実施の形態における加熱調理器の調理時の状態を示す要部断面図である。
[図16] 図16は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面図である。
[図17] 図17は、本発明の実施の形態2における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。
[図18A] 図18Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す全体断面図である。
[図18B] 図18Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。
[図19] 図19は、同実施の形態における加熱調理器を示す分解斜視図である。
[図20A] 図20Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図である。
[図20B] 図20Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図である。
[図20C] 図20Cは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。
[図21] 図21は、同実施の形態における加熱調理器の鍋および湯切り容器の位置関係を示す断面図である。
[図22A] 図22Aは、同実施の形態における加熱調理器の蓋体を示す斜視図である。
[図22B] 図22Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器および蓋体の位置関係を示す断面図である。
[図23] 図23は、同実施の形態における加熱調理器の一部切り欠き斜視図である。
[図24] 図24は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面模式図である。
[図25] 図25は、本発明の実施の形態3における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。
[図26] 図26は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。
[図27] 図27は、同実施の形態における加熱調理器の分解斜視図である。
[図28A] 図28Aは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す斜視図である。
[図28B] 図28Bは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す断面図である。
[図29A] 図29Aは、同実施の形態における加熱調理器のプレートを示す斜視図である。
[図29B] 図29Bは、同実施の形態における加熱調理器のプレートと鍋の位置関係を示す断面図である。
[図30A] 図30Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図である。
[図30B] 図30Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図である。
[図30C] 図30Cは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。
[図31] 図31は、同実施の形態における加熱調理器の鍋とプレートと湯切り容器の位置関係を示す断面図である。
[図32A] 図32Aは、同実施の形態における加熱調理器の蓋体を示す斜視図である。
[図32B] 図32Bは、同実施の形態における加熱調理器の鍋とプレートと湯切り容器および蓋体の位置関係を示す断面図である。
[図33A] 図33Aは、同実施の形態における加熱調理器の変形例を示す全体断面図である。
[図33B] 図33Bは、同変形例の別の状態を示す全体断面図である。
[図34] 図34は、特許文献1に記載の従来の加熱調理器を示す模式図である。
[図35] 図35は、特許文献2に記載の従来の湯切りを必要とする調理に使用される調理器具を示す断面図である。
[図36] 図36は、特許文献3に記載の従来の湯取り法による炊飯に使用される炊飯器を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0043]
 以下、図面を参照しながら、本発明の加熱調理器の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
[0044]
 (実施の形態1)
 以下、本発明の実施の形態1における加熱調理器ついて、図1から図16を用いて、説明する。
[0045]
 図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。図2Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す全体断面図である。図2Bは、加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。図3Aは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す斜視図である。図3Bは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す断面図である。図4は、同実施の形態における加熱調理器を示す分解斜視図である。図5Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図である。図5Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図である。図5Cは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。図6は、同実施の形態における加熱調理器の鍋および湯切り容器の位置関係を示す断面図である。図7Aは、同実施の形態における加熱調理器の蓋体を示す斜視図である。図7Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器および蓋体の位置関係を示す断面図である。図8は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器に配置されたパッキンを示す部分断面図である。図9は、同実施の形態における加熱調理器の一部切り欠き斜視図である。図10は、同実施の形態における加熱調理器の加熱調理器本体の一部切り欠き斜視図である。図11は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面模式図である。図12Aは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す斜視図である。図12Bは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す上面図である。図13Aは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す斜視図である。図13Bは、同実施の形態における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す上面図である。図14は、同実施の形態における加熱調理器の動作を説明するためのブロック図である。図15は、同実施の形態における加熱調理器の調理時の状態を示す要部断面図である。図16は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面図である。
[0046]
 本実施の形態の加熱調理器100は、図1および図4に示すように、加熱調理器本体1と、鍋2と、湯切り容器3と、蓋体4と、可動部5などで構成される。加熱調理器本体1は、有底箱状で形成され、加熱調理器100の外郭を構成する。鍋2は、加熱調理器本体1内に配置される。湯切り容器3は、鍋2内に配置され、調理物などを収容する。蓋体4は、蓋体本体4aと蓋体把持部4bで構成され、湯切り容器3の容器開口部11a(図5A参照)の上方を閉塞する。可動部5は、湯切り容器3の容器上部と当接し、湯切り容器3を昇降させる。ここで、鍋2と湯切り容器3とは、平面視における外形が円形状で形成され、互いに相似形の関係を有する。
[0047]
 加熱調理器本体1は、内部に、図1から図2Bに示すように、鍋2を着脱自在に収容する、鍋収納部1aを有する。
[0048]
 また、加熱調理器本体1は、内部底面に、鍋2を加熱する加熱部6と、鍋2の温度を検知する温度検知部7を備える。温度検知部7は、加熱部6の中央部に配置される。
[0049]
 なお、加熱部6は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに配置された鍋2を加熱できる構成であれば、形態は任意でよい。加熱部6は、例えば鍋2と接触して直接加熱する電気抵抗式のヒータで構成してもよい。さらに、加熱部6は、鍋2を誘導加熱する加熱コイルで構成してもよい。また、温度検知部7は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに配置された鍋2の温度を検知できる構成であれば、形態は任意でよい。温度検知部7は、例えばサーミスタなど、鍋2と接触して鍋2の温度を測定する接触式の温度センサで構成してもよい。さらに、温度検知部7は、例えば赤外線センサなど、鍋2に接触せずに鍋2の温度を測定する非接触式の温度センサで構成してもよい。
[0050]
 以下では、加熱部6を電気抵抗式のヒータで構成し、温度検知部7を接触式の温度センサで構成した加熱調理器100の構成を例に、説明する。
[0051]
 さらに、加熱調理器本体1は、内部に、加熱調理器本体1に形成された鍋収納部1aの底面部を形成する保持部材8を備える。保持部材8は、上面に、加熱部6および温度検知部7が配置される。加熱部6および温度検知部7は、保持部材8を介して、加熱調理器本体1の内部に保持される。このとき、加熱部6および温度検知部7は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに鍋2が配置された状態において、鍋2の底面と接触するように配置される。そのため、加熱部6の上面、および、温度検知部7の上面は、鍋2の鍋底面9cの形状に沿うように、例えば上方に向かって凸状のドーム状で形成される。
[0052]
 鍋2は、図3Aおよび図3Bに示すように、上方に鍋開口部9aを有する有底筒状の鍋本体9と、鍋本体9の上端部に形成されたフランジ部10で構成される。フランジ部10は、第1の延出部10a、第2の延出部10bおよび外周部10cを有する。第1の延出部10aは、鍋本体9の上端部(鍋開口部9a)から鍋本体9の外周に向かって延設される。第2の延出部10bは、延設された第1の延出部10aの外周端部から鍋2の上方に向かって延設される。外周部10cは、延設された第2の延出部10bから外周方向に、例えばC形状で延長して設けられる。このとき、第2の延出部10bは、鍋本体9の第1の延出部10aから鍋2の上方に向かうにつれて、フランジ部10の径が徐々に拡大するように、傾斜して延設される。ここで、鍋2を構成する鍋本体9と、フランジ部10の外形は、平面視において、円形状で形成される。
[0053]
 なお、鍋2は、例えばアルミニウムの板材の絞り加工などにより形成される。このとき、鍋2の表面は、アルマイト処理を施すことが好ましい。これにより、加熱部6から鍋2の表面(鍋底面9c)に伝達された熱が、鍋2自体の熱伝導によって、鍋2の鍋側面9bに効率よく伝達される。また、アルマイト処理により、鍋2の錆びの発生が抑制できる。
[0054]
 湯切り容器3は、例えば図5Aから図5Cに示すように、上方に容器開口部11aを有する有底筒状の湯切り容器本体11と、湯切り容器本体11の上端部に形成された容器拡大部12などで構成される。湯切り容器本体11と容器拡大部12の外形は、平面視において、円形状で形成される。
[0055]
 容器拡大部12は、外周に、使用者が湯切り容器3を持ち運ぶ際に保持する一対の容器把持部3aを備える。容器把持部3aは、熱伝導性の低い、例えばフェノール樹脂などにより形成される。
[0056]
 容器把持部3aは、例えばリベットなどによって、容器拡大部12に固定された固定金具に取り付けられる。このとき、容器把持部3aは、容器拡大部12との間の一部に空隙を設けて取りつけられる。これにより、容器拡大部12と容器把持部3aとの当接面積が小さくなる。そのため、容器拡大部12から容器把持部3aへの伝熱が、抑制される。その結果、伝熱による容器把持部3aの温度上昇が抑制され、使用者の取り扱いが容易になる。
[0057]
 また、湯切り容器3は、湯切り容器本体11の上部に、図15および図16に示すように、上述した容器拡大部12が配設される。容器拡大部12は、第3の延出部12aと、第4の延出部12bを有する。第3の延出部12aは、湯切り容器本体11の上端部から外周方向に向かって延設される。第4の延出部12bは、第3の延出部12aの外周端部から湯切り容器3の上方に向かって垂直に延設される。第4の延出部12bの外周側には、上述した一対の容器把持部3aが、固定金具を介して取り付けられる。
[0058]
 容器拡大部12の第3の延出部12aの下面側には、図8に示す円環状のパッキン23が配設される。パッキン23は、例えば硬度が30~60度のシリコーンなどで形成される。図6に示すパッキン23の外側には、湯切り容器3およびパッキン23とは別体で形成された円環状の樹脂リング24が、配設される。パッキン23は、容器拡大部12の第3の延出部12aの下面と、後述する樹脂リング24とで挟み込まれる。これにより、パッキン23は、第3の延出部12aの下面に取り付けられる。
[0059]
 また、パッキン23は、図8に示すように、厚肉部23aと薄肉部23bを有する。そして、パッキン23は、薄肉部23bと厚肉部23aとが連結した断面形状で、環状の樹脂リング24の内周全体に配設される。厚肉部23aは、湯切り容器3と当接する容器拡大部12(図15参照)の下面部分から下方に、設けられる。薄肉部23bは、断面形状が略V字形状(V字形状を含む)で形成され、厚肉部23aの下端部に設けられる。つまり、薄肉部23bは、湯切り容器3の外周側に向かって凸状になるように設けられる。具体的には、本実施の形態の場合、薄肉部23bは、例えば0.3~2mm程度の厚みで形成される。一方、厚肉部23aは、薄肉部23bに比べて厚く、例えば薄肉部23bの2倍程度の厚さで形成される。
[0060]
 さらに、パッキン23は、上面に、複数の、例えば円環状の凸部23cを備える。そして、パッキン23は、凸部23cが圧縮された状態で、湯切り容器3の容器上部に位置する、容器拡大部12の第3の延出部12a(図15参照)の下面に固定される。
[0061]
 樹脂リング24は、図15および図16に示すように、湯切り容器3の容器上部に位置する第3の延出部12aの下面側に固定される。樹脂リング24は、下方に向かって延びる第5の延出部24aを有する。このとき、第5の延出部24aの内径は、鍋2のフランジ部10の外周部10cの最大の外径D2(図6参照)よりも、僅かに(例えば、0.1mmから2mm程度)大きくなるように形成される。これにより、図15に示す湯切り容器3が鍋2内に配置された状態において、樹脂リング24の第5の延出部24aの内周面24a1は、鍋2のフランジ部10の外周部10cの外周面10c1と全周に亘って嵌合する。
[0062]
 上述したように、鍋2と湯切り容器3とは、平面視における外形が円形状で形成され、互いに相似形の関係を有する。そのため、湯切り容器3の容器上部(樹脂リング24の第5の延出部24a)と鍋2の鍋上部(フランジ部10の外周部10c)との嵌合は、湯切り容器3が鍋2内に配置された状態において、湯切り容器3の鍋2に対する径方向の位置を規制する。これにより、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間に、所定の第一の間隔である隙間C1が全周に略均一(均一を含む)に形成される。その結果、湯切り容器本体11と鍋2とは、隙間C1を介して、離間して配置される。
[0063]
 また、湯切り容器3は、図5Bに示すように、湯切り容器3の容器底面11cから下方に向かって突出する複数の容器脚部3bを備える。容器脚部3bは、使用者が湯切り容器3を流し台などの載置面に載置した際、載置面と当接する。これにより、容器脚部3bを介して、湯切り容器3が載置面上に保持される。
[0064]
 なお、湯切り容器3を構成する材料は、加熱調理する際に、食材を保持するのに十分な強度を有し、使用者が持ち運び可能な重さを有する材料であれば、特に限られない。例えば、湯切り容器3は、アルミニウムの板材を絞り加工し、アルマイト処理を施して形成してもよい。また、予め複数の孔を開けたステンレスの板材を絞り加工して形成してもよい。
[0065]
 本実施の形態では、アルミニウムの板材を絞り加工し、表面にアルマイト処理を施して形成した構成の湯切り容器3を例に、説明する。これにより、湯切り容器3の重さを軽くできる。その結果、加熱調理器本体1から湯切り容器3を取り出す場合における使用者の作業性が、向上する。また、アルマイト処理により、湯切り容器3の錆びの発生を、抑制できる。
[0066]
 また、湯切り容器本体11は、容器側面11bおよび容器底面11cに、図5Aから図5Cに示すように、複数の孔13を有する。容器側面11bの孔13は、湯切り容器本体11の円周方向において、隣り合う孔13の間隔が所定の間隔となるように、規則的に設けられる。さらに、容器側面11bの孔13は、湯切り容器本体11の高さ方向において、隣り合う孔13の間隔が所定の間隔となるように、規則的に設けられる。
[0067]
 また、湯切り容器本体11の容器底面11cの孔13は、隣り合う孔13の間隔が所定の間隔となるように、規則的に設けられる。
[0068]
 このとき、容器側面11bおよび容器底面11cの孔13の大きさは、湯切り容器3内に投入される、米などの、小さな調理物や、麺などの細い調理物が、孔13を介して、湯切り容器3の外部への排出を防止できる大きさであれば、任意の大きさでよい。例えば、孔13の孔径は、1mm~5mmの範囲内に設定すればよい。なお、湯切り容器本体11の容器側面11bの孔13の大きさは、容器底面11cの複数の孔13の大きさより、大きく設定してもよい。これは、米などの調理物が、加熱されて吸水する過程で膨らむためである。そのため、容器側面11bの孔13の大きさは、調理中において、調理物が湯切り容器本体11から外部に流出しない大きさ以下であれば、容器底面11cの孔13の孔径より大きくてもよい。
[0069]
 さらに、湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cの複数の孔13は、以下の調理条件において、調理物の湯切りが10秒~60秒程度で完了する開口面積を有することが好ましい。調理条件は、鍋2内に配置された湯切り容器3内に、調理物と、鍋2および湯切り容器3内に収容できる最大量の水とを投入し、調理を行う場合である。このとき、孔13の孔径および開口面積に応じて、形成する孔13の数を設定することが好ましい。
[0070]
 また、湯切り容器本体11の容器側面11bの複数の孔13は、孔13の孔径および開口面積に応じて、隣り合う孔13の間隔を設定することが好ましい。例えば、湯切り容器本体11の円周方向において、湯切り容器本体11の中心軸と、円周方向に隣り合う2つの孔13のそれぞれとを直線で結んだ場合、2つの直線のなす角度を、例えば5°~45°の範囲内に設定することが好ましい。同様に、湯切り容器本体11の高さ方向において、隣り合う孔13の間隔を、例えば5mm~50mmの範囲内に設定することが好ましい。なお、上記数値の下限は、基本的に、隣り合う孔13が重ならない間隔であればよい。しかし、間隔が狭すぎると、機械的な強度が低下して、湯切り容器3が変形しやすくなるので、下限は上記以上が好ましい。一方、上限に関しては、隣り合う孔13の間隔が大きくなると、湯切り時間が60秒以上になる場合がある。そのため、茹で過ぎを防止するために、上限は上記以下が好ましい。
[0071]
 なお、本実施の形態では、湯切り容器本体11の円周方向において、2つの直線のなす角度が10°、高さ方向において、隣り合う孔13の間隔が10mmで、湯切り容器本体11の全周に亘って規則的に複数の孔13を形成した構成を例に、説明する。さらに、湯切り容器本体11の容器底面11cの複数の孔13を、湯切り容器本体11の容器底面11cの全体に亘って、千鳥配置で形成した構成を例に、説明する。千鳥配置とは、孔13間のピッチの半分の位置に、交互に孔13を並べ、各孔13間のピッチが同じになるようにした配置した状態を意味する(図5C参照)。
[0072]
 湯切り容器本体11は、図5Aから図6に示すように、湯切り容器本体11の上端部から容器底面11cまでの径D3(以下、「容器側面径D3」と称す)が、略同一(同一を含む)の径を有するように形成される。また、湯切り容器本体11の容器拡大部12の第4の延出部12bの径D5が、容器側面径D3よりも大きくなるように形成される。さらに、湯切り容器本体11は、図3A、図3Bおよび図6に示すように、容器側面径D3が、鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように形成される。
[0073]
 上述したように、本実施の形態の加熱調理器100は、図15に示す湯切り容器3の容器上部(樹脂リング24の第5の延出部24a)と、鍋2の鍋上部(フランジ部10の外周部10c)が、嵌合するように構成される。さらに、湯切り容器本体11は、図6に示す容器側面径D3が鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように形成される。これにより、図6に示す加熱調理器本体1に鍋2と湯切り容器3とが配置された状態において、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間に、所定の第一の間隔である隙間C1が形成される。つまり、湯切り容器3の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとは離間され、湯切り容器3と鍋2とが接触しないように配置される。そのため、鍋2を、加熱部6(図1参照)で加熱しても、加熱部6の熱が、鍋2を介して湯切り容器3の容器側面11bに、直接、伝熱することを防止できる。
[0074]
 また、加熱調理器100は、図6に示す加熱調理器本体1に鍋2と湯切り容器3が配置された状態において、湯切り容器3の容器拡大部12の第3の延出部12aの底面から湯切り容器本体11の容器底面11cまでの高さが、高さH1(以下、「容器側面高さH1」と称す)に設定される。具体的には、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間に、隙間C2が形成されるように、容器側面高さH1が設定される。これにより、湯切り容器3の容器底面11cは、鍋2の鍋底面9cと離間され、鍋2の鍋底面9cと接触しないように配置される。つまり、湯切り容器本体11の容器側面高さH1は、鍋2の高さよりも小さくなるように形成される。
[0075]
 このとき、湯切り容器本体11の容器底面11cに容器脚部3bが形成されている場合、容器脚部3bが鍋2と接触しないように湯切り容器3の容器側面高さH1および容器脚部3bの高さを設定することが好ましい。すなわち、容器脚部3bの高さは、鍋2の鍋底面9cとの間に、隙間C2が形成されるように設定すればよい。これにより、鍋2を加熱部6で加熱しても、加熱部6の熱が、鍋2を介して湯切り容器3の容器底面11cに、直接、伝熱することを防止できる。
[0076]
 また、本実施の形態の加熱調理器本体1は、内部に、可動部5(図2B参照)と、制御装置14(図14参照)を備える。図2Aに示す可動部5は、湯切り容器3の容器拡大部12と当接して、湯切り容器3を鍋2に対して、昇降させる。制御装置14は、可動部5に可動指示を与える。詳細には、可動部5は、容器拡大部12を構成する第3の延出部12aの下面に固定される樹脂リング24の第5の延出部24aと当接して、湯切り容器3を昇降させる。
[0077]
 可動部5は、図4、図11から図13Bに示すように、円弧部5bを有する。円弧部5bは、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に半円周以上の長さを持つ円弧状に形成される。また、加熱調理器本体1の前方で、円弧部5bの先端間に、開口部5aが形成される。開口部5aは、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に半円周未満の長さを有する。これにより、可動部5は、円弧部5bと当接する湯切り容器3を、安定して昇降できる。
[0078]
 なお、可動部5の円弧部5bは、少なくとも鍋2の鍋開口部9aの外側で、容器拡大部12の円周方向と対向する位置に配設される。このとき、例えば図12Aに示すように、円弧部5bは、円周方向に沿って、連続するように形成してもよい。また、円弧部5bは、円周方向に沿って、非連続で断続的に形成してもよい。
[0079]
 このとき、可動部5の円弧部5bの内径D7は、図11に示すように、鍋2の最大の外径D2(外周部10cの外径)よりも大きく、かつ湯切り容器3の容器拡大部12の径D5よりも小さくなるように形成される。これにより、使用者は、可動部5が上昇した状態において、可動部5の上方または前方斜め上方から、湯切り容器3を、加熱調理器本体1に配置された鍋2内に、容易に収容できる。
[0080]
 また、可動部5の円弧部5bは、上部内側に、図15および図16に示すように、溝部5cを備える。溝部5cは、可動部5の上面5eから所定の距離だけ加熱調理器本体1の下方へ凹んで形成される。可動部5の溝部5cは、湯切り容器3の樹脂リング24の第5の延出部24aと当接する位置に形成され、湯切り容器3を昇降する。これにより、使用者は、可動部5が上昇した状態において、可動部5の上方または前方斜め上方から、湯切り容器3を可動部5内に挿入して、加熱調理器本体1に配置された鍋2内に湯切り容器3を収容できる。このとき、湯切り容器3は、径方向において、第5の延出部24aの外周面24a2と溝部5cの立設面5c1との間に第一の距離C3を有した状態で、可動部5の上部に配置される。詳細には、湯切り容器3を鍋2内に挿入すると、可動部5の溝部5cと、湯切り容器3の樹脂リング24の第5の延出部24aとが当接する。このとき、第5の延出部24aの外周面24a2と可動部5の溝部5cの立設面5c1とが、第一の距離C3程度離間する。通常、第一の距離C3は0mm~1mm、隙間C1は10mm程度であるため、第一の距離C3の範囲内で湯切り容器3が鍋に対して位置規制される。これにより、隙間C1が略均一(均一を含む)になるため、湯切り容器3内の対流の偏りが減少する。
[0081]
 また、加熱調理器本体1は、図9および図10に示すように、例えば底部の後方側の隅近傍で、離間した2箇所に、可動部5に挿入されるシャフト15を備える。シャフト15は、可動部5を、加熱調理器本体1の上下方向であるシャフト15の軸方向に、直動可能に、軸受部(図示せず)で軸支する。
[0082]
 また、可動部5は、左右の内部に、図1および図2Aに示すように、一対の円筒状のばねガイド5dを備える。それぞれのばねガイド5dは、支持ばね16の上部が挿入され、ばねガイド5dと支持ばね16の上部とが固定される。これにより、可動部5は、支持ばね16によって下方から支持される。一方、支持ばね16の下部は、加熱調理器本体1の底部に設けられた、ばねリブ1bに挿入される。ばねリブ1bとばねガイド5dは、支持ばね16の内外の位置を規制する。
[0083]
 なお、支持ばね16は、例えば圧縮コイルばねで構成される。圧縮コイルばねは、自然長から、荷重をかけてばねを圧縮すると、圧縮した長さに応じて、ばねを戻そうとする反発力(以下、「ばね力」と称す)を発生する特性を有するばねである。自然長とは、支持ばね16である圧縮コイルばねに、荷重がかかっていない時の圧縮コイルばねの長さである。
[0084]
 このとき、支持ばね16は、可動部5が上昇した位置で、加えられる全荷重以上のばね力が発生するように、圧縮量が調整されている。全荷重以上のばね力とは、可動部5と、湯切り容器3と、湯切り容器3に収容された調理物と、蓋体4の、それぞれの荷重を加えた荷重以上のばね力である。これにより、可動部5は、支持ばね16のばね力を利用して、鍋2に対して、湯切り容器3を、容易に上昇させることができる。
[0085]
 なお、上述した可動部5を上下方向に直動可能とする構成は、以下の構成により実現してもよい。例えば、図9に示す加熱調理器本体1内に上下方向に固定された一対のシャフト15に、シャフト15の軸方向に直動可能なリニアブッシュを嵌合固定した可動部5を挿入する。これにより、可動部5は、加熱調理器の上下方向に可動可能に構成される。また、加熱調理器本体1と可動部5とを直動可能なレールで連結して、可動部5の可動方向を加熱調理器本体1の上下方向に規制する構成としてもよい。これにより、上記と同様に、可動部5は、加熱調理器本体1の上下方向に可動可能に構成される。
[0086]
 さらに、可動部5は、加熱調理器本体1の内部において、図10に示す加熱調理器本体1の底部に固定されたダンパー17に連結される。ダンパー17は、例えば伸縮式のオイルダンパーで構成される。ダンパー17は、可動部5が下降した位置において、縮んだ状態で可動部5と連結される。そして、可動部5が上昇して、ダンパー17が伸長する際に、内部に封入された油の粘性によって減衰力が発生する。これにより、ダンパー17は、図2Aに示す可動部5が支持ばね16のばね力で上昇する際に、可動部5の急速な上昇を抑制する。その結果、湯切り容器3や蓋体4の上方への、急速な飛び出しを防止できる。
[0087]
 また、可動部5は、図9に示すように、可動部5の開口部5a(図4参照)側の下部に、段差部5fを備える。一方、加熱調理器本体1は、内部で段差部5fと対応する位置に、フック部18を有する。段差部5fは、可動部5が下降した位置で、加熱調理器本体1のフック部18と係合するように構成される。
[0088]
 フック部18は、フック本体18aと、フック本体18aに挿入されフック本体18aの回動支点となるフックピン18bで構成される。フックピン18bは加熱調理器本体1に固定され、フック本体18aはフックピン18bを軸にして回転可能に動作する。そして、湯切り容器3が内挿された鍋2を加熱調理器本体1の鍋収納部1a(図2A参照)内に押し込むことにより、可動部5の段差部5fとフック部18とが係合する。これにより、湯切り容器3を収容した鍋2は、加熱調理器本体1の鍋収納部1a内に、加熱可能に配置される。
[0089]
 また、制御装置14は、図10または図14に示すように、フック解除部19と、ワイヤーロープ20と、モータ21と、制御部14Aなどで構成され、タイマー22の設定に基づいて動作する。フック解除部19は、フック本体18aの下部に、当接して配置される。フック解除部19は、制御部14Aの可動指示に基づいて、フック本体18aの下部を加熱調理器本体1の後方に押す。これにより、フック解除部19は、可動部5の段差部5f(図9参照)とフック部18との係合を解除する。モータ21は、制御部14Aの指示に基づいて、ワイヤーロープ20を所定のタイミングで巻き取る。ワイヤーロープ20は、フック解除部19に固定され、モータ21の巻き取り動作に基づいて、フック本体18aの下部を加熱調理器本体1の後方に引っ張る。制御部14Aは、加熱調理器本体1内に配置され、モータ21の駆動を制御する。タイマー22は、加熱調理器本体1の外面に配置され、使用者により加熱時間などが設定される。
[0090]
 具体的には、制御部14Aは、タイマー22の時間設定に基づいて、加熱部6への通電のオンおよびオフを自動的に切り替える。つまり、調理物の調理内容に応じて、使用者がタイマー22で所定時間を設定すると、制御部14Aは、自動的に加熱部6への通電をオン状態に切り替える。これにより、加熱部6による鍋2の加熱が開始される。その後、タイマー22で設定された時間が経過すると、制御部14Aは、自動的に加熱部6への通電をオフ状態に切り替て、モータ21を駆動する。モータ21は、制御部14Aに予めプログラムされている時間だけ駆動され、ワイヤーロープ20を巻き取る。これにより、上述した可動部5の段差部5fとフック部18との係合が解除され、図9に示す可動部5が支持ばね16のばね力により上昇する。そして、可動部5と当接した湯切り容器3が上昇し、湯切り動作が実行される。その後、制御部14Aは、同じ時間だけ、先ほどと逆方向に、図10に示すモータ21を回転させ、巻き取られたワイヤーロープ20を元の状態に戻す。これにより、フック部18は、可動部5の段差部5fと係合可能な位置に戻る。
[0091]
 なお、モータ21は、ワイヤーロープ20を巻き取って、可動部5の段差部5fとフック部18との係合の解除に必要なトルクよりも、大きなトルクを発生するように構成される。具体的には、本実施の形態のモータ21は、モータ21の回転軸にギヤを接続したギヤードモータで構成され、高トルクの駆動を可能にしている。
[0092]
 このとき、ワイヤーロープ20は、張力により、加熱調理器本体1の後方へ引っ張られるフック解除部19と当接するフック本体18aの下部を押す。これにより、フック本体18aが、可動部5の段差部5fから外れる。そこで、制御装置14は、ワイヤーロープ20の巻き取り時間として、フック本体18aが段差部5fから確実に外れるのに必要な時間を設定している。
[0093]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器100は構成される。
[0094]
 以下、上記構成の加熱調理器100の動作および作用について、説明する。
[0095]
 具体的には、加熱調理器100を用いて調理物の調理を行う場合、すなわち、調理物を茹で、その後、調理物の湯切りを行う場合の動作および作用について、火が通りにくい調理物を例に、説明する。
[0096]
 まず、使用者は、図2Aに示す加熱調理器100の鍋収納部1aに鍋2を配置する。そして、使用者は、可動部5を、上昇した位置から下降した位置まで、押し下げる。例えば、使用者は、可動部5の上部に手などを当てて、加熱調理器本体1の下方へ可動部5を押し下げる。なお、モータ21を駆動して、可動部5を押し下げる構成としてもよい。
[0097]
 このとき、上述したように、図11に示す可動部5の円弧部5bの内径D7は、鍋2の最大の外径D2よりも大きい。そのため、可動部5の押し下げ時において、可動部5と鍋2とは、干渉しない。逆に、可動部5が上昇する際には、鍋2を持ち上げることもない。また、可動部5は、加熱調理器本体1の前方に、鍋2を把持可能な開口部5a(図13B参照)を有する。そのため、使用者は、開口部5aに対応する鍋2の部分を把持して、可動部5の位置に関係なく、鍋2を鍋収納部1a(図1参照)に、容易に配置できる。同様に、使用者は、開口部5aに対応する鍋2の部分を把持して、鍋2を鍋収納部1aから、容易に取り出すことができる。
[0098]
 つぎに、使用者は、鍋2の鍋開口部9a(図12A参照)に湯切り容器3を挿入する。そして、湯切り容器3の容器拡大部12(樹脂リング24の第5の延出部24a)を可動部5の上面5e近傍に形成した溝部5cに当接させ、湯切り容器3を鍋2内に配置する。
[0099]
 このとき、本実施の形態の湯切り容器3は、図6に示す湯切り容器本体11の容器側面径D3が鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように形成している。そのため、使用者は、湯切り容器本体11を鍋2の鍋開口部9a内に容易に挿入できる。
[0100]
 また、本実施の形態の湯切り容器3は、図11に示す容器拡大部12の径D5が可動部5の円弧部5bの内径D7よりも大きくなるように形成している。そのため、使用者は、湯切り容器本体11を鍋2の鍋開口部9aに挿入し、容器拡大部12を可動部5の溝部5cに、容易に当接できる。これにより、湯切り容器本体11を鍋2内に配置した状態で、湯切り容器3を、可動部5の上面5eの溝部5cで確実に保持できる。このとき、図8に示すパッキン23は、図15に示すように、略V字形状(V字形状を含む)の薄肉部23bが所定量(例えば、1~10mm程度)だけ上下に閉じる方向に撓んだ状態で、鍋2の外周部10cの上面と当接する。これにより、鍋2と湯切り容器3とが密閉される。
[0101]
 つぎに、使用者は、湯切り容器3の容器開口部11a(図5A参照)から調理物および調理物を調理するために必要な量の水を、湯切り容器3内に投入する。
[0102]
 このとき、本実施の形態の湯切り容器本体11は、容器側面11bに形成された複数の孔13(図6参照)のうちの少なくとも1つの孔13を、湯切り容器3内に投入される調理物の種類や量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成している。そこで、使用者は、調理物を調理するために、予め設定されている水の量に対応する孔13の位置まで、湯切り容器3内に水を投入する。これにより、使用者は、調理物の調理に必要な量の水を、湯切り容器3内に、容易に投入できる。その結果、加熱調理器100の使い勝手が向上する。
[0103]
 そして、湯切り容器3内に投入された調理物および水のうち、水のみが、湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cの複数の孔13から鍋2内へ流出する。一方、調理物は、湯切り容器3内に投入された水に浸漬した状態で、湯切り容器3内に保持される。そのため、図6に示す湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの第一の間隔である隙間C1および、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの隙間C2には、水のみが存在する状態になる。
[0104]
 つぎに、使用者は、図1に示すように、湯切り容器3の上部を蓋体4で閉塞する。具体的には、蓋体4は、湯切り容器3の容器拡大部12の内部に配置される。
[0105]
 このとき、本実施の形態の蓋体4は、図7Bに示すように、蓋体4の本体の外周端部の径D6が湯切り容器3の容器側面径D3よりも大きく、かつ容器拡大部12の径D4よりも小さくなるように形成している。そのため、蓋体4は、湯切り容器3の上部の容器開口部11aを容易に閉塞できる。また、蓋体4は、湯切り容器3の容器拡大部12で確実に保持される。
[0106]
 つぎに、使用者は、湯切り容器3内に投入した調理物を調理するために必要な加熱時間を、調理物の種類や量に応じて、設定する。具体的には、使用者は、図2Bに示す加熱調理器本体1に配置されたタイマー22を操作して、必要な加熱時間を設定する。これにより、調理が開始される。
[0107]
 タイマー22で加熱時間が設定されると、図2Aに示す加熱部6への通電が開始され、加熱部6によって鍋2が加熱される。これにより、鍋2内の水の温度が徐々に上昇する。加熱開始から、所定時間が経過すると、鍋2内の水は、沸騰状態になる。鍋2内の水の沸騰により、発生した気泡と、鍋2近傍の高温状態にある沸騰水が、孔13を通過して、湯切り容器3内に流入する。流入した気泡や沸騰水により、湯切り容器3内における水の対流が、促進される。また、鍋2内の水が沸騰すると、鍋2内で蒸気が発生し、鍋2内の蒸気の圧力が上昇する。このとき、湯切り容器3に配設したパッキン23の内面にも、蒸気の圧力がかかる。圧力により、パッキン23の薄肉部23b(図8参照)が、鍋2の上面を下方へ押し続ける状態になる。そのため、湯切り容器3と鍋2との間は、パッキン23でシールされる。これにより、パッキン23と鍋2との密着性が向上して、気密性が向上する。
[0108]
 このとき、調理物が米の場合、鍋2内の水の中に、米のデンプンなどの粘り成分が溶け出す。しかし、上述のように、湯切り容器3と鍋2との間は、パッキン23でシールされている。そのため、米のデンプンなどが溶け出した水(以下、「おねば」と称す。)の外への漏れ出しが防止され、安全に調理できる。さらに、パッキン23の外周側に、樹脂リング24を配置している。そのため、例え、「おねば」がパッキン23から漏れ、湯切り容器3と鍋2との間から漏れ出しても、樹脂リング24は、「おねば」の加熱調理器100の周囲への飛び散りを防止する。これにより、加熱調理器100の調理時における安全性が、さらに向上する。
[0109]
 本実施の形態の加熱調理器100は、加熱調理器本体1に、図6に示す鍋2および湯切り容器3が配置された状態において、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間に、第一の間隔である隙間C1が形成される。さらに、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間に隙間C2が形成される。これにより、鍋2内において、加熱部6で加熱される鍋2と、調理物を収容する湯切り容器本体11との直接の接触が、防止される。そのため、加熱部6の熱は、鍋2を介して、直接、湯切り容器3へ伝熱しない。これにより、湯切り容器3の局所的な加熱が、防止される。その結果、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0110]
 また、本実施の形態の加熱調理器100は、湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cのそれぞれに、複数の孔13を形成している。さらに、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間に第一の間隔である隙間C1、および、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間の隙間C2には、投入された水が存在している。そのため、加熱部6で鍋2が加熱され、鍋2内の水の沸騰によって発生した気泡および沸騰水は、湯切り容器3に形成された複数の孔13から湯切り容器3内へ流入する。さらに、複数の孔13から湯切り容器3内に流入した気泡と、鍋2近傍の高温状態にある沸騰水の流れにより、湯切り容器3内の水は、十分に対流する。そのため、湯切り容器3内の全体に亘って、湯切り容器3内に、調理物を加熱するための水の対流が均一に発生する。これにより、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を、効果的に防止できる。
[0111]
 つぎに、湯切り容器3内に投入された調理物の調理が完了すると、すなわち、調理物が茹でられ、使用者が予め、図10に示すタイマー22で設定した調理に必要な時間が経過すると、制御部14Aは、加熱部6(図2A参照)への通電を切断して、加熱部6をオフ状態にする。これにより、加熱部6による鍋2の加熱が終了する。
[0112]
 加熱部6がオフ状態になると、制御装置14は、モータ21を駆動して、ワイヤーロープ20の巻き取りを開始する。所定長さのワイヤーロープ20が巻き取られると、ワイヤーロープ20に連結されたフック解除部19が、加熱調理器本体1の後方に引っ張られる。これにより、フック解除部19と当接するフック本体18aの下部が、加熱調理器本体1の後方へ押される。
[0113]
 本実施の形態のフック本体18aは、フックピン18bを軸として回転動作できるように構成している。そのため、フック本体18aの下部が加熱調理器本体1の後方へ動くと、フックピン18bを軸にしてフック本体18aが回転する。このとき、フック本体18aの上部は、フック本体18aの下部の動作とは逆に、加熱調理器本体1の前方へ動く。これにより、図9に示す可動部5の段差部5fと、フック本体18aとの係合が外れる。係合が外れると、可動部5を加熱調理器本体1の下方から支持する支持ばね16のばね力によって、可動部5は、可動部5が下降した図1に示す位置から、可動部5が上昇した図2Aに示す位置まで上昇する。これにより、可動部5の上面5e側の溝部5cは、調理物を収容した湯切り容器3と、湯切り容器3の容器開口部11aを閉塞する蓋体4を支持した状態で、鍋2に対して、湯切り容器3と蓋体4を上昇させる。
[0114]
 つぎに、可動部5の上昇に伴って、湯切り容器3と蓋体4が上昇すると、図6に示す湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cの複数の孔13から湯切り容器3内の水、すなわち、茹で汁が湯切り容器3の外部へ排出される。排出された水は、湯切り容器3の下方に配置された鍋2内へ流出し、湯切り容器3内には、調理が完了した調理物のみが残る。これにより、調理物の湯切り動作が実行され、調理物の調理が完了する。
[0115]
 つぎに、調理が完了すると、使用者は、可動部5が上昇した位置にある状態において、湯切り容器3から蓋体4を取り外す。これにより、使用者は、湯切り容器3内の調理物を取り出すことが可能となる。
[0116]
 このとき、使用者は、湯切り容器3の一対の容器把持部3aを把持し、湯切り容器3を、別の場所(例えば、食卓など)へ持ち運ぶこともできる。そして、食卓で、蓋体4を湯切り容器3から取り外し、湯切り容器3内の調理物を取り出すことができる。
[0117]
 以上のように、火が通りにくい調理物を茹でる場合において、加熱調理器100は動作する。
[0118]
 上記では、人参などの根菜類やじゃがいもなどのイモ類など、比較的、火が通りにくい調理物を茹でる場合を例に説明した。つまり、まず、鍋2および湯切り容器3が配置した状態で、湯切り容器3の容器開口部11aから調理物および調理に必要な量の水を、湯切り容器3内に投入する。その後、投入された水と調理物を一緒に加熱し、調理物に火が通るまで、所定時間、加熱した後、湯切りを行う例で説明した。
[0119]
 以下では、ほうれん草などの葉菜類の野菜や麺類など、比較的、火が通りやすい調理物を茹でる場合を例に、説明する。つまり、まず、適量の水が入った鍋2を加熱して水を沸騰させ、調理物を沸騰した水の中に投入する。その後、調理物に火が通るまで、所定時間、加熱した後、湯切りを行う例で説明をする。なお、火が通りやすい調理物を茹でる場合の説明においては、上述の火が通りにくい調理物を茹でる場合の説明と、同様の作用効果を有する説明を省略する場合がある。
[0120]
 まず、使用者は、図2Aに示す加熱調理器100の鍋収納部1aに鍋2を配置する。そして、使用者は、鍋2内に所定量の水を投入する。
[0121]
 つぎに、上昇した位置にある可動部5の上面5e(図15参照)に、湯切り容器3の容器拡大部12を載置して、湯切り容器3を配置する。
[0122]
 つぎに、使用者は、湯切り容器3の容器開口部11a(図5A参照)から調理物を湯切り容器3内に投入する。そして、使用者は、図2Aに示すように、湯切り容器3の上部を蓋体4で閉塞する。
[0123]
 つぎに、使用者は、タイマー22(図10参照)を操作して、加熱時間を設定する。これにより、制御装置14の制御部14Aを介して、加熱部6への通電が開始され、加熱部6によって鍋2が加熱される。鍋2の加熱が開始されると、鍋2内の水の温度が徐々に上昇し、所定時間の経過後に、鍋2内の水は、沸騰状態になる。鍋2内の水が沸騰状態になると、制御装置14は、モータ21(図10参照)を駆動して、可動部5が上昇した図2Aの位置から下降した図1の位置へ、可動部5を移動させる。なお、モータ21で可動部5を移動させる構成は、既知の移動機構を適宜組み合わせて実現できるので、具体的な説明は省略する。また、使用者が、湯切り容器3を可動部5に載置した状態で押し下げて、図1の位置へ、可動部5を移動させる構成としてもよい。
[0124]
 このとき、本実施の形態の加熱調理器100は、可動部5が下降した図1および図15に示す位置で、湯切り容器3の容器上部(第5の延出部24aの内周面24a1)と鍋2の鍋上部(外周部10cの外周面10c1)とは嵌合する。さらに、可動部5が上昇した図2Aおよび図16に示す位置で、湯切り容器3の容器上部(第5の延出部24aの外周面24a2)と可動部5の上部(溝部5cの立設面5c1)とは、湯切り容器3の径方向に所定の第一の距離C3を有して、離間して位置規制されるように構成している。つまり、可動部5の上昇、下降のそれぞれの位置で、湯切り容器3は位置規制される。特に、可動部5が上昇した位置では、湯切り容器3と可動部5とが所定の第一の距離C3を有して離間して位置規制される。そのため、可動部5が下降した位置における位置規制は、上昇時における湯切り容器3と鍋2とを確実に位置規制するための、予備規制とすることができる。
[0125]
 そして、可動部5が図1に示す下降した位置へ移動すると、調理物が収容された湯切り容器3が、鍋2内に収容される。このとき、鍋2内の沸騰した水が、図6に示す湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cに形成された複数の孔13から湯切り容器本体11内へ流入する。さらに、湯切り容器3内の調理物は、流入する沸騰水に浸かった状態で、湯切り容器3内に保持され、沸騰水で加熱される。すなわち、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間の第一の間隔である隙間C1および、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間の隙間C2には、沸騰した水が存在する状態になる。
[0126]
 つぎに、使用者が予め、図10に示すタイマー22で設定した加熱時間が経過すると、制御部14Aは、加熱部6(図2A参照)への通電を切断して、加熱部6をオフ状態とする。これにより、加熱部6による鍋2の加熱が終了する。
[0127]
 加熱部6がオフ状態になると、制御装置14は、図14に基づいて、モータ21を駆動して、ワイヤーロープ20、フック解除部19、フック本体18aの動作を制御する。これにより、可動部5は、可動部5が下降した図1に示す位置から、可動部5が上昇した図2Aに示す位置まで上昇する。このとき、可動部5の上面5eの溝部5cは、調理物を収容した湯切り容器3と、湯切り容器3の容器開口部11aを閉塞する蓋体4を支持した状態で、鍋2に対して、湯切り容器3と蓋体4を上昇させる。これにより、湯切り容器3内の水が、孔13から鍋2内に排出され、調理物の湯切り動作が実行される。
[0128]
 上述したように、火が通りやすい調理物を茹でる場合において、加熱調理器100は動作する。
[0129]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器100は、加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1内に配置された鍋2と、加熱調理器本体1内に配置され鍋2を加熱する加熱部6と、鍋2内に配置可能であるとともに、容器側面11bおよび容器底面11cのそれぞれに複数の孔13を有する湯切り容器3を備える。鍋2と湯切り容器3は、平面視における外形が円形状で、互いに相似形で形成され、湯切り容器3を鍋2内に配置したとき、湯切り容器3の容器上部と鍋2の鍋上部とが嵌合するように構成される。
[0130]
 この構成によれば、湯切り容器3を鍋2内に配置したとき、湯切り容器3の容器上部と鍋2の鍋上部とが嵌合する。これにより、鍋2内に湯切り容器3が位置規制されて配置される。このとき、鍋2の鍋側面9bと湯切り容器3の容器側面11bとは、全周に亘って略均一(均一を含む)の第一の間隔である隙間C1を有して離間して配置される。これにより、加熱部6の加熱による対流が、湯切り容器3内の異なる位置で均一になる。その結果、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0131]
 また、本実施の形態の加熱調理器100は、加熱調理器本体1に配置され湯切り容器3の容器上部と当接して湯切り容器3を鍋2に対して昇降可能な可動部5を、さらに備える。可動部5は、湯切り容器3の容器上部と当接して配置されるとともに、湯切り容器3の径方向に所定の第一の距離C3を有して離間して位置規制されるように構成される。
[0132]
 また、本実施の形態の加熱調理器100は、加熱調理器本体1に配置され、湯切り容器3の容器上部と当接して、湯切り容器3を鍋2に対して昇降可能な可動部5を、さらに備える。可動部5が下降した位置で、湯切り容器3の容器上部と鍋2の鍋上部とが嵌合するとともに、可動部5が上昇した位置で、湯切り容器3の容器上部と可動部5の可動部上部とは所定の第一の距離C3を有して位置規制される。
[0133]
 これらの構成によれば、可動部5の上昇、下降のそれぞれの位置で、湯切り容器3は可動部5により概略位置規制される。特に、可動部5が上昇した位置において、湯切り容器3と可動部5とは、所定の第一の距離C3を有して離間して位置規制される。これにより、可動部5が下降した位置において、湯切り容器3と鍋2とを確実に位置規制するための、予備規制とすることができる。つまり、鍋2の鍋側面9bと湯切り容器3の容器側面11bとは、所定の間隔C1を有して離間して配置される。そのため、鍋2の鍋側面9bと湯切り容器3の容器側面11bとが極端に離れることがなく、また、両者が接触することがなくなる。これにより、加熱部6の加熱により発生する対流が、湯切り容器3内の異なる位置で均一になる。その結果、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0134]
 また、本実施の形態の加熱調理器100は、湯切り容器3の容器上部が、可動部5が下降した位置で、鍋2の鍋上部の内側面部(フランジ部10の傾斜した内側面)もしくは外側面部(フランジ部10の外周面10c1)のいずれか一方と嵌合するように構成される。これにより、湯切り容器3と鍋2のそれぞれに、外部部材を設けることなく、湯切り容器3を鍋2に対して位置規制できる。
[0135]
 なお、本実施の形態では、可動部5の開口部5aの幅については、特に、言及していないが、以下のように設定することが好ましい。例えば、湯切り容器3の容器拡大部12の径よりも小さい幅で、かつ湯切り容器3を把持するのに十分に広い幅(例えば、15cmなど)に設定することが好ましい。これにより、可動部5が上昇した位置において、湯切り容器3の径方向前方から荷重が加わっても、湯切り容器3の容器拡大部12が可動部5の溝部5cから外れて落下することがない。そのため、調理物を湯切り容器3から安全に取り出すことができる。また、可動部5が昇降する場合において、湯切り容器3が傾いて、開口部5aから加熱調理器本体1の外部へ落下することを、未然に防止できる。
[0136]
 (実施の形態2)
 以下、本発明の実施の形態2の加熱調理器200について、図17から図24を用いて説明する。
[0137]
 図17は、本発明の実施の形態2における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。また、図18Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す全体断面図である。図18Bは、同加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。図19は、同実施の形態における加熱調理器の分解斜視図である。図20Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図である。図20Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図である。図20Cは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。図21は、同実施の形態における加熱調理器の鍋および湯切り容器の位置関係を示す断面図である。図22Aは、同実施の形態における加熱調理器の蓋体を示す斜視図である。図22Bは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器および蓋体の位置関係を示す断面図である。図23は、同実施の形態における加熱調理器の部分断面図である。図24は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面模式図である。
[0138]
 なお、本実施の形態の加熱調理器200は、基本的に樹脂リング、パッキンおよび可動部5に溝部5cを設けないなどの点で実施の形態1の加熱調理器100と異なる。それ以外の構成、動作および作用は、実施の形態1の加熱調理器100と同様であるので、同じ構成要素には同一の符号を付して、説明を省略または簡略化する場合がある。また、必要に応じて、実施の形態1の図面を援用して説明する場合がある。
[0139]
 本実施の形態の加熱調理器200は、図17と図19に示すように、加熱調理器本体1と、鍋2と、湯切り容器3と、蓋体4と、可動部5などで構成される。加熱調理器本体1は、有底箱状で形成され、加熱調理器200の外郭を形成する。鍋2は、加熱調理器本体1内に配置される。湯切り容器3は、鍋2内に配置され、調理物などを収容する。蓋体4は、湯切り容器3の容器開口部の上方を閉塞する。可動部5は、湯切り容器3の容器上部と当接し、湯切り容器3を昇降させる。
[0140]
 加熱調理器本体1は、図1から図2Bに示すように、鍋2を着脱自在に収容する、鍋収納部1aを有する。
[0141]
 また、加熱調理器本体1は、内部に、ヒータなどで構成される加熱部6と、サーミスタなどで構成される温度検知部7を備える。
[0142]
 さらに、加熱調理器本体1は、内部に、加熱部6および温度検知部7が上面に配置される保持部材8を備える。
[0143]
 鍋2は、図3Aおよび図3Bに示すように、鍋本体9と、フランジ部10で構成される。
[0144]
 湯切り容器3は、例えば図20Aから図20Cに示すように、湯切り容器本体11と、容器拡大部12などから構成される。容器拡大部12は、外周に、一対の容器把持部3aを備える。
[0145]
 また、湯切り容器3は、図20Bに示すように、容器脚部3bを備える。湯切り容器3は、容器脚部3bを介して、流し台などの載置面上に保持される。
[0146]
 湯切り容器本体11は、容器側面11bおよび容器底面11cに、図20Aから図20Cに示すように、複数の孔13を備える。複数の孔13は、実施の形態1で説明したように、調理物の湯切りが10秒~60秒程度で完了する開口面積を有するように形成される。同様に、複数の孔13の孔径および開口面積に応じて、形成する孔13の数が設定される。さらに、複数の孔13は、孔13の孔径および複数の孔13の開口面積に応じて、隣り合う孔13の間隔が設定される。具体的には、湯切り容器本体11の円周方向において、2つの直線のなす角度が10°、高さ方向において、隣り合う孔13の間隔が10mmで、全周に亘って規則的に形成される。また、湯切り容器本体11の容器底面11cの複数の孔13は、容器底面11cの全体に亘って、千鳥配置で形成される。
[0147]
 湯切り容器3は、上部に、図17から図18B、図19から図23に示すように、容器拡大部12を備える。容器拡大部12は、実施の形態1と同様に、第3の延出部12aと、第4の延出部12bを有する。第4の延出部12bは、外周側に、一対の容器把持部3aを有する。
[0148]
 湯切り容器本体11は、図20Aから図21に示すように、実施の形態1と同様に、上端部から容器底面11cまでの径D3(以下、「容器側面径D3」と称す)が、略同一(同一を含む)の径を有するように形成される。また、容器拡大部12の第4の延出部12bの径D5が、容器側面径D3よりも大きくなるように形成される。さらに、湯切り容器本体11は、容器側面径D3が、鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように形成される。
[0149]
 また、加熱調理器200は、図21に示す状態において、湯切り容器3の容器拡大部12の第3の延出部12aの底面から、容器底面11cまでの高さが、高さH1(以下、「容器側面高さH1」と称す)に設定される。このとき、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間に隙間C2が形成される。これにより、湯切り容器3は、鍋2の鍋底面9cと離間され、鍋2の鍋底面9cとが接触しないように配置される。
[0150]
 また、加熱調理器本体1は、実施の形態1と同様に、可動部5(図17参照)と、制御装置14(図14参照)を備える。可動部5は、湯切り容器3の容器拡大部12と当接して、湯切り容器3を鍋2に対して昇降させる。制御装置14は、可動部5に可動指示を与える。
[0151]
 可動部5は、図19示すように、開口部5aが形成される円弧部5bを有する。可動部5の円弧部5bは、湯切り容器3を安定に保持して、可動させる。可動部5の円弧部5bの内径D7は、図24に示すように、鍋2の最大の外径D2(外周部10cの外径)よりも大きく、かつ湯切り容器3の容器拡大部12の径D5よりも小さくなるように形成される。これにより、使用者は、湯切り容器3を、加熱調理器本体1に配置された鍋2内に、容易に収容できる。そして、可動部5の円弧部5bの上面5eに、湯切り容器3の容器拡大部12が載置される。
[0152]
 加熱調理器本体1は、可動部5に挿入されるシャフト15(図10および図23参照)を備える。
[0153]
 可動部5は、実施の形態1で説明したように、図17および図18Aに示す一対の円筒状のばねガイド5dを備える。可動部5は、支持ばね16によって下方から支持される。一方、支持ばね16の下部は、ばねリブ1bに挿入される。なお、支持ばね16は、実施の形態1と同様に、例えば圧縮コイルばねで構成される。これにより、可動部5は、支持ばね16のばね力を利用して、鍋2に対して湯切り容器3を上昇させる。
[0154]
 可動部5は、ダンパー17(図10参照)に連結され、可動部5が支持ばね16のばね力で上昇する際の可動部5の急速な上昇を抑制する。
[0155]
 可動部5は、図23に示すように、可動部5の開口部5a(図19参照)側の下部に、段差部5fを備える。一方、加熱調理器本体1は、内部で段差部5fと対応する位置にフック部18を有する。段差部5fは、可動部5が下降した位置で、加熱調理器本体1のフック部18に係合するように構成される。
[0156]
 フック部18は、実施の形態1で説明したように、フック本体18aと、フック本体18aに挿入されフック本体18aの回動支点となるフックピン18bで構成される。そして、可動部5の上面5e(図17参照)に配置した湯切り容器3を、加熱調理器本体1の鍋収納部1a(図17参照)内に押し込むことにより、可動部5の段差部5fとフック部18とが係合する。
[0157]
 制御装置14は、図14に示す実施の形態1と同様に、フック解除部19と、ワイヤーロープ20と、モータ21と、制御部14Aなどで構成され、タイマー22の設定に基づいて動作する。制御装置14の各構成要素は、実施の形態1で説明したように動作する。
[0158]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器200は構成される。
[0159]
 以下、上記構成の加熱調理器200の動作および作用について、説明する。
[0160]
 具体的には、実施の形態1と同様に、加熱調理器200を用いて、調理物を茹で、その後、調理物の湯切りを行う場合の動作および作用について、説明する。
[0161]
 まず、使用者は、図17に示す加熱調理器200の鍋収納部1aに鍋2を配置する。そして、使用者は、可動部5を、上昇した位置から下降した位置まで、押し下げる。このとき、図24に示す可動部5の円弧部5bの内径D7は、鍋2の最大の外径D2よりも大きい。そのため、使用者は、可動部5の開口部5a(図19参照)を介して、鍋2を鍋収納部1aに、容易に、配置または取り出すことができる。
[0162]
 つぎに、使用者は、鍋2の鍋開口部9aに湯切り容器3を挿入する。そして、湯切り容器3の容器拡大部12の第3の延出部12a(図20B参照)の下面を、可動部5の上面5eに当接させ、湯切り容器3を鍋2内に配置する。このとき、図21に示す湯切り容器3は、湯切り容器本体11の容器側面径D3が鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように形成している。そのため、使用者は、図21に示す湯切り容器本体11を鍋2の鍋開口部9a内に容易に挿入できる。また、図24に示す湯切り容器3は、容器拡大部12の径D5が可動部5の円弧部5bの内径D7よりも大きくなるように形成している。そのため、使用者は、湯切り容器3の容器拡大部12を、可動部5の上面5eに、容易に当接させて配置できる。これにより、湯切り容器3は、可動部5の上面5eで確実に保持される。
[0163]
 つぎに、使用者は、図20Aから図20Cに示す湯切り容器3の容器開口部11aから、調理物および調理に必要な量の水を、湯切り容器3内に投入する。このとき、湯切り容器本体11は、容器側面11bの複数の孔13のうちの、少なくとも1つの孔13を、調理物の種類や量に応じて、調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成している。そこで、使用者は、予め設定されている水の量に対応する位置の孔13の位置に合わせて、湯切り容器3内に水を投入する。これにより、調理物の調理に必要な量の水を、湯切り容器3内に、容易に投入できる。その結果、加熱調理器200の使い勝手が向上する。
[0164]
 そして、投入された調理物および水のうち、水のみが、湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cの複数の孔13から鍋2へ流出する。一方、調理物は、水に浸漬した状態で、湯切り容器3内に保持される。このとき、実施の形態1で説明したように、図21に示す湯切り容器本体11と鍋2の隙間C1および隙間C2には、水のみが存在する状態になる。
[0165]
 つぎに、使用者は、図17に示すように、湯切り容器3を蓋体4により閉塞する。このとき、蓋体4は、図22Bに示すように、蓋体4の蓋体本体4aの外周端部の径D6が湯切り容器3の容器側面径D3よりも大きく、かつ容器拡大部12の径D4よりも小さくなるように形成している。そのため、蓋体4は、湯切り容器3の容器開口部11aを容易に閉塞するとともに、容器拡大部12で確実に保持される。
[0166]
 つぎに、使用者は、調理に必要な加熱時間を、調理物の種類や量に応じて、設定する。具体的には、使用者は、タイマー22(図18B参照)を操作して必要な加熱時間に設定する。これにより、調理が開始される。
[0167]
 タイマー22で加熱時間が設定されると、図18Aに示す加熱部6への通電を開始して、鍋2を加熱する。これにより、鍋2内の水の温度が徐々に上昇し、所定時間が経過すると、鍋2内の水は沸騰状態になる。鍋2内の水の沸騰により、発生した気泡と、鍋2近傍の沸騰水が、孔13を通過して、湯切り容器3内に流入する。これにより、湯切り容器3内における水の対流が、促進される。このとき、加熱調理器200は、上述したように、湯切り容器本体11と鍋2との間に、第一の間隔である隙間C1および、隙間C2が形成される。これにより、鍋2内において、加熱部6で加熱される鍋2と湯切り容器本体11との、直接の接触が防止される。そのため、鍋2を介した、湯切り容器3の局所的な加熱が防止される。その結果、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0168]
 また、湯切り容器本体11と鍋2との間の隙間C1、および隙間C2には、上述したように、水が存在している。そのため、加熱部6で加熱され、鍋2内で発生した気泡および沸騰水は、湯切り容器3の複数の孔13から、湯切り容器3内へ流入する。そして、流入した気泡および沸騰水の流れにより、湯切り容器3内の水が、十分に対流する。これにより、湯切り容器3内の全体に亘って、調理物を加熱するための水の対流が、均一に発生する。その結果、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を、効果的に防止できる。
[0169]
 つぎに、使用者が設定した加熱時間が経過すると、制御部14Aは、加熱部6への通電を切断して、加熱部6をオフ状態にする。これにより、鍋2の加熱が終了する。
[0170]
 加熱部6がオフ状態になると、制御装置14は、実施の形態1で説明したように、モータ21を駆動して、ワイヤーロープ20に連結されたフック解除部19を介して、可動部5の段差部5fとフック本体18aとの係合を解除する。これにより、可動部5は、支持ばね16のばね力によって、図1に示す位置から、図2Aに示す位置まで上昇する。その結果、可動部5の上面5eは、湯切り容器3を上昇させる。
[0171]
 そして、湯切り容器3が鍋2に対して上昇すると、複数の孔13から、湯切り容器3内の水、すなわち、茹で汁が湯切り容器3の外部へ排出される。排出された水は、鍋2内へ流出し、湯切り容器3内には、調理が完了した調理物のみが残る。これにより、調理物の湯切り動作が実行され、調理物の調理が完了する。
[0172]
 以上のように、加熱調理器200は動作する。
[0173]
 そして、調理が完了すると、使用者は、湯切り容器3から蓋体4を取り外す。これにより、湯切り容器3内の調理物を取り出すことが可能となる。
[0174]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器200は、加熱調理器本体1に配置され、湯切り容器3の容器上部の容器拡大部12と当接して湯切り容器3を鍋2に対して昇降可能な可動部5を、さらに備える。可動部5は、可動部5が上昇した位置で鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の少なくとも対向する位置に配されるとともに、鍋2を把持可能な開口部5aを有する。
[0175]
 この構成によれば、可動部5は、少なくとも鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の対向する位置に配置される。そのため、可動部5の安定した動作が得られる。さらに、開口部5aを設けることにより、使用者は、開口部5aから鍋2を把持して、容易に鍋2を取り外すことができる。
[0176]
 また、鍋2および湯切り容器3を加熱調理器本体1に配置した状態において、可動部5の上面5eと、湯切り容器3の容器拡大部12の第3の延出部12aの下面が当接する。これにより、湯切り容器3は可動部5の上面5eで保持される。このとき、湯切り容器3と、湯切り容器3に収容される調理物と、蓋体4の、全ての荷重が、可動部5の上面5eに均一にかかる。そのため、可動部5は、湯切り容器3を安定して保持できる。これにより、安定した湯切り動作を実現できる。
[0177]
 また、本実施の形態の加熱調理器200の湯切り容器3は、容器上部に鍋2の径方向外側に突出した容器拡大部12を有する。可動部5は、湯切り容器3の容器拡大部12と当接して、鍋2に対して、湯切り容器3を昇降可能に構成される。
[0178]
 この構成によれば、湯切り容器3と可動部5のそれぞれに、外部部材を設ける必要がない。そのため、可動部5は、容器拡大部12を支持しながら、湯切り容器3を、鍋2に対して、容易に昇降できる。
[0179]
 また、本実施の形態の加熱調理器200の可動部5は、可動部5が上昇した位置において、少なくとも鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の対向する位置を含む円弧状で形成される円弧部5bと、鍋2を把持可能な開口部5aを有する。
[0180]
 この構成によれば、湯切り容器3と可動部5とが当接する面積を、増やすことができる。そのため、湯切り容器3にかかる荷重を分散させて、可動部5で支持できる。これにより、より安定して可動部5を動作させることができる。
[0181]
 また、本実施の形態の加熱調理器200の可動部5の開口部5aは、可動部5が上昇した位置において、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に半円周以上の円弧状の円弧部5b間に配置されるとともに、湯切り容器3の容器側面径D3よりも小さな間隔を有する。
[0182]
 この構成によれば、可動部5が上昇した状態で、湯切り容器3に径方向に力がかかる場合でも、湯切り容器3が、可動部5から外れて落下することを、未然に防止できる。具体的には、可動部5の昇降時において、湯切り容器3が傾いて、開口部5aから加熱調理器本体1の外部へ落下することを防止できる。
[0183]
 (実施の形態3)
 以下、本発明の実施の形態3の加熱調理器300について、図25から図33Bを用いて説明する。
[0184]
 図25は、本発明の実施の形態3における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。図26は、同実施の形態における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。図27は、同実施の形態における加熱調理器の分解斜視図である。図28Aは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す斜視図である。図28Bは、同実施の形態における加熱調理器の鍋を示す断面図である。図29Aは、同実施の形態における加熱調理器のプレートを示す斜視図である。図29Bは、同実施の形態における加熱調理器のプレートと鍋の位置関係を示す断面図である。図30Aは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図である。図30Bは、同実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図である。図30Cは、同実施の形態における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。図31は、同実施の形態における加熱調理器の鍋、プレート、および湯切り容器の位置関係を示す断面図である。図32Aは、同実施の形態における加熱調理器の蓋体を示す斜視図である。図32Bは、同実施の形態における加熱調理器の鍋、プレート、および湯切り容器及び蓋体の位置関係を示す断面図である。図33Aは、実施の形態における加熱調理器の変形例を示す全体断面図である。図33Bは、実施の形態における加熱調理器の別の変形例を示す全体断面図である。
[0185]
 なお、本実施の形態の加熱調理器300は、基本的に可動部および可動部関連の構成要素を設けない点で実施の形態1の加熱調理器100と異なる。それ以外の構成、動作および作用は、実施の形態1の加熱調理器100と同様であるので、同じ構成要素には同一の符号を付して、説明を省略または簡略化する場合がある。また、必要に応じて、実施の形態1の図面を援用して説明する場合がある。
[0186]
 本実施の形態の加熱調理器300は、図25から図27に示すように、加熱調理器本体1と、鍋2と、プレート30と、湯切り容器3と、蓋体4などで構成される。加熱調理器本体1は、有底箱状で形成され、加熱調理器300の外郭を構成する。鍋2は、加熱調理器本体1内に配置される。プレート30は、鍋2の上部に配置される。湯切り容器3は、鍋2内に配置される調理物などを収容する。蓋体4は、湯切り容器3の容器開口部11a(図30A参照)の上方を閉塞する。
[0187]
 加熱調理器本体1は、図25に示すように、鍋2を着脱自在に収容する、鍋収納部1aを有する。
[0188]
 加熱調理器本体1は、上部に、一対の本体把持部1cを備える。本体把持部1cは、使用者が加熱調理器本体1を移動させる際に保持する。なお、鍋2は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに固定して収容してもよい。
[0189]
 加熱調理器本体1は、内部底面に、鍋2を加熱する、ヒータなどで構成される加熱部6と、鍋2の温度を検知する、サーミスタなどで構成される温度検知部7を備える。なお、加熱部6および温度検知部7は、上記実施の形態1で説明した加熱部6および温度検知部7と同様に構成される。
[0190]
 加熱調理器本体1は、加熱部6および温度検知部7が上面に配置される保持部材8を備える。
[0191]
 加熱調理器本体1は、外面に、加熱部6を動作させるスイッチ35(図26参照)を有する。スイッチ35は、加熱部6の動作のオンおよびオフを切り替える。つまり、使用者がスイッチ35をオン状態とすると、加熱部6による鍋2の加熱が開始される。一方、使用者がスイッチ35をオフ状態とすると、加熱部6による鍋2の加熱が停止される。
[0192]
 鍋2は、図28Aおよび図28Bに示すように、鍋本体9と、フランジ部10で構成される。フランジ部10は、実施の形態1で説明したように、第1の延出部10a、第2の延出部10bおよび外周部10cを有する。
[0193]
 プレート30は、図27、図29Aおよび図29Bに示すように、中央部に湯切り容器3が挿入される開口部32と、内周側に離散的に形成された切り欠き部31を有する。切り欠き部31は、湯切り容器3の鍋2内への配置、または鍋2内からの取り出し時において、後述する湯切り容器3の突起部40との衝突を避けるために設けられる。このとき、開口部32の径D8は、図29Aおよび図29Bに示すように、鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも、小さくなるように形成される。また、プレート30の外径D9は、鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも大きく、かつ、鍋2のフランジ部10の第2の延出部10bの最大の径D10よりも小さくなるように形成される。さらに、プレート30の高さH11は、鍋2のフランジ部10の高さH12よりも小さくなるように形成される。これにより、鍋2の上部にプレート30が配置された際、プレート30は、鍋2のフランジ部10の内部に収容され、保持される。そのため、プレート30が径方向にずれた状態で、湯切り容器3を鍋2内に配置した場合でも、図31に示すように、湯切り容器3の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間に、隙間T1が形成される。これにより、湯切り容器3と鍋2との接触が防止される。その結果、加熱部6の熱が、鍋2を介して、直接、湯切り容器3に伝わることを防止できる。
[0194]
 湯切り容器3は、図25から図27、および図30Aから図30Cに示すように、湯切り容器本体11と、容器拡大部12などから構成される。容器拡大部12には、外周に、実施の形態1で詳細に説明した、一対の容器把持部3aを備える。
[0195]
 湯切り容器3の容器拡大部12は、第1の段差部27と、第2の段差部28と、第3の段差部29から構成される。第1の段差部27は、湯切り容器本体11の上部に形成される。第2の段差部28は、第1の段差部27の上部に形成される。第3の段差部29は、第2の段差部28の上部に形成される。そして、第3の段差部29の下面には、パッキン23が配置される。
[0196]
 第1の段差部27は、径方向に延びた第2の延出部27aと、第2の延出部27aから垂直方向に延びた第3の延出部27bとで形成される。第2の段差部28は、径方向に延びた第4の延出部28aと、第4の延出部28aから垂直方向に延びた第5の延出部28bとで形成される。第3の段差部29は、径方向に延びた第6の延出部29aと、第6の延出部29aから垂直方向に延びた第7の延出部29bとで形成される。
[0197]
 パッキン23は、例えば硬度が30~60度のシリコーンなどで形成される。パッキン23の外側には、湯切り容器3およびパッキン23とは別体に形成された円環状のリング部材26が配設される。パッキン23は、容器拡大部12の第3の段差部29の下面(第6の延出部29a)とリング部材26とで挟み込まれる。これにより、パッキン23が、第3の段差部29の下面に取り付けられる。
[0198]
 パッキン23は、厚肉部と、薄肉部を有する。なお、パッキン23の構成は、図8を用いて説明した実施の形態1のパッキン23と同様であるので、説明は省略する。また、パッキン23は、上面に、複数の、例えば円環状の凸部を備える。パッキン23は、凸部が圧縮された状態で湯切り容器3に固定される。
[0199]
 リング部材26は、外周部に、下方に向かって延びる延出部を有する。延出部の径は、鍋2のフランジ部10の外周部10cの径よりも大きくなるように形成される。リング部材26は、パッキン23を介して、鍋2の上部(外周部10cの上面)と当接するように配設される。
[0200]
 なお、湯切り容器3を構成する材料は、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
[0201]
 図31に示す湯切り容器本体11は、容器側面11bに、複数の孔25が形成される。同様に、湯切り容器本体11の容器底面11cには、複数の孔13(図30C参照)が形成される。
[0202]
 孔13、25の大きさは、湯切り容器3内に投入される、米などの、小さな調理物や、麺などの細い調理物が、湯切り容器3の外部への排出を抑制できる大きさであれば、任意の大きさでよい。例えば、孔25は、孔径が1mm~5mmの範囲内に設定すればよい。
[0203]
 また、湯切り容器本体11の容器底面11cの複数の孔13の開孔率は、鍋2内の水の沸騰時の状態において、鍋2の鍋底面9cから発生する気泡の湯切り容器3内への流入のしやすさに大きく影響する。そのため、複数の孔13の開孔率は、5%~25%の範囲であることが好ましい。
[0204]
 なお、複数の孔13の開孔率が25%を超えて、開孔率が大きくなればなるほど、湯切り容器3の容器底面11cから気泡は、湯切り容器3内へ流入しやすくなる。しかし、開孔率が大きくなるほど、湯切り容器3の容器底面11cの機械的な強度が低下する。つまり、湯切り容器3内に重量の大きい調理物を投入すると、湯切り容器3の容器底面11cが変形する場合がある。そのため、想定される調理物の最大量に応じて、十分な強度を確保できるように、複数の孔13の開孔率を、25%以下に設定することが好ましい。
[0205]
 一方、複数の孔13の開孔率が5%未満の場合、加熱により鍋2の鍋底面9cから発生する気泡が、孔13を介して、湯切り容器3内へ流入しにくくなる。そのため、気泡による湯切り容器3内での充分な対流が発生しにくくなる。その結果、湯切り容器3内の調理物に、調理の斑が発生しやすくなる。そこで、調理の斑が発生しないように、複数の孔13の開孔率を、5%以上に設定することが好ましい。
[0206]
 具体的には、開孔率は、単位面積内の開口部の比率で表され、次式(1)で求められる。
[0207]
  開孔率=C×(D×D)/(P×P)・・・・(1)
 ここで、Dは孔径、Pは孔間ピッチ、Cは複数の孔の配列によって定まる定数である。定数Cは、一般的によく用いられる60°千鳥型の配列の場合、C=90.6となる。
[0208]
 本実施の形態では、一例として、湯切り容器3の孔13の孔径Dを2mm、孔間ピッチPを7mmで設計し、開孔率を7.4%に設定している。
[0209]
 また、湯切り容器3の複数の孔13は、調理物の調理の完了後、湯切り時において、湯切り容器3内の水を外部へ流出する時間(以下、「湯切り時間」とする)にも影響する。湯切り時間が長すぎると、調理物が湯切り容器3内の高温の水で、さらに加熱される。そのため、湯切り時間は、例えば60秒以下にするのが好ましい。つまり、湯切り時間を考慮しながら、湯切り容器本体11の容器底面11cに所定の開口面積が確保されるように、複数の孔13の数を設定すればよい。
[0210]
 さらに、湯切り容器3の複数の孔13は、図30Cに示すように、隣り合う孔13が、所定の間隔となるように、規則的に形成される。本実施の形態では、複数の孔13を湯切り容器本体11の底面の全体に亘って千鳥配置した構成を例に説明する。千鳥配置とは、孔間ピッチPの半分の位置に交互に孔13を並べた配置である。具体的には、各孔間ピッチPが同じになるようにした配置を、60°千鳥配置という。
[0211]
 また、湯切り容器3は、底面に、図30Bに示すように、複数の容器脚部3bを備える。湯切り容器3は、複数の容器脚部3bを介して、流し台などの載置面上に保持される。
[0212]
 湯切り容器本体11は、図30Aから図31に示すように、実施の形態1と同様に、上端部から容器底面11cまでの径D3(以下、「容器側面径D3」と称す)が、略同一(同一を含む)の径を有するように形成される。また、湯切り容器本体11の容器拡大部12の第7の延出部29bの径D12は、容器側面径D3よりも大きくなるように形成される。さらに、湯切り容器本体11は、図28A、図28Bおよび図31に示すように、容器側面径D3が、鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように形成される。
[0213]
 また、加熱調理器300は、図31に示す状態において、湯切り容器本体11の容器拡大部12の底面から、容器底面11cまでの高さ(以下、「側面高さ」と称す)に設定される。このとき、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間に隙間T2が形成される。これにより、湯切り容器3は、鍋2の鍋底面9cと離間され、鍋2の鍋底面9cと接触しないように配置される。つまり、湯切り容器3の湯切り容器本体11の側面高さは、鍋2の高さよりも小さくなるように形成される。
[0214]
 隙間T2は、加熱部6で加熱される鍋2の鍋底面9cで発生する気泡の湯切り容器3内への流入のしやすさに大きく影響する。そのため、隙間T2は、0.5mm~8mmの範囲で設定するのが好ましい。隙間T2が8mmを超える場合、水の沸騰時において、鍋2の鍋底面9cで発生する複数の気泡の大きさが、所定の大きさになった時点で、浮力により鍋2の底面から離れる。離れた気泡は、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの隙間T2を上昇する。そして、上昇した気泡は、湯切り容器本体11の容器底面11cに達する。到達した複数の気泡のうち、一部の気泡は湯切り容器本体11の容器底面11cに形成された複数の孔13を通じて湯切り容器3内に流入する。残りの気泡は、湯切り容器本体11の容器底面11cと衝突して、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの隙間T1に流れ、隙間T1の間を上昇する。そのため、湯切り容器本体11の容器底面11cから、直接、湯切り容器3内へ流入する気泡が少なくなる。その結果、流入する気泡による湯切り容器3内での強い対流が発生しにくい。
[0215]
 一方、隙間T2が0.5mm未満の場合、湯切り容器3の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとが、より近接する。これにより、加熱部6からの熱が、鍋2を通じて、湯切り容器3に、ほぼ直接的に伝わりやすくなる。そのため、湯切り容器3内の調理物が局所的に加熱される。
[0216]
 そこで、本実施の形態では、隙間T2を0.5mm~8mmの範囲に設定している。隙間T2が、上記範囲内の場合、水の沸騰時において、鍋2の鍋底面9cで発生する複数の気泡は、所定の大きさになる過程で、隣接する気泡同士が一体化する。そして、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cに接する大きな気泡を形成する。これにより、湯切り容器本体11の容器底面11cから、直接、湯切り容器3内へ、ほとんどの気泡が流入するようになる。そのため、湯切り容器3内を上昇する気泡が、連続的に生成され、湯切り容器3内に強い対流を発生させる。その結果、湯切り容器3内の調理物の調理の斑の発生を抑制して、均一な加熱が得られる。
[0217]
 なお、隙間T2は、例えば鍋2の径や絞り形状、および湯切り容器本体11の径に応じて、湯切り容器3と鍋2とが当接しないように、上記範囲内で設定すればよい。本実施の形態では、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間の隙間T2を、例えば3mmに設定している。
[0218]
 このとき、図30Bに示すように、湯切り容器本体11の容器底面11cに容器脚部3bが形成されている場合、容器脚部3bが鍋2に接触しないように湯切り容器3の側面高さおよび容器脚部3bの高さを設定することが好ましい。すなわち、容器脚部3bの高さは、鍋2の鍋底面9cとの間に、隙間T2が形成されるように設定すればよい。これにより、鍋2を加熱部6で加熱しても、加熱部6の熱が、鍋2を介して湯切り容器3の容器底面11cに、直接、伝熱することを防止できる。
[0219]
 また、調理物を調理するために設定した最大の水の量は、図25に示すように、湯切り容器3が鍋2内に配置された状態において、鍋2の鍋底面9cから鍋2のフランジ部10を構成する第1の延出部10aまでの高さと同じ高さH10に設定される。そのため、湯切り容器3の容器側面11bに形成される複数の孔25は、高さH10よりも上方に設けられる。
[0220]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器300は構成される。
[0221]
 以下に、上記構成の加熱調理器300の動作および作用について、説明する。
[0222]
 具体的には、実施の形態1と同様に、加熱調理器300を用いて、調理物を茹で、その後、調理物の湯切りを行う場合の動作および作用について、説明する。
[0223]
 まず、使用者は、図25に示す加熱調理器本体1に配置された鍋2のフランジ部10に、プレート30を配置する。このとき、上述したように、本実施の形態では、図28Aに示す鍋2のフランジ部10を構成する第2の延出部10bの最小の径D11が、鍋本体9の鍋開口部9aの径D1よりも大きくなるように形成している。さらに、図29Bに示すプレート30の外径D9は、鍋本体9の鍋開口部9aの径D1よりも大きく、かつ、鍋2のフランジ部10の第2の延出部10bの最大の径D10よりも小さくなるように形成している。これにより、プレート30は、鍋2のフランジ部10で確実に保持される。また、本実施の形態では、プレート30の高さH11が、鍋2のフランジ部10の高さH12よりも小さくなるように形成している。そのため、プレート30の上面が鍋2のフランジ部10の上端部よりも上方に突出することがなく、プレート30を鍋2のフランジ部10内に収容できる。
[0224]
 つぎに、使用者は、プレート30の開口部32(図29A参照)を介して、湯切り容器3を鍋2内に挿入し、湯切り容器3の容器拡大部12をプレート30の上面に当接させる。これにより、湯切り容器3が、加熱調理器本体1に配置される。このとき、図31に示す湯切り容器3は、湯切り容器本体11の径D3がプレート30の開口部32の径D8よりも小さくなるように形成している。そのため、使用者は、湯切り容器本体11をプレート30の開口部32内に容易に挿入できる。また、湯切り容器3は、湯切り容器3の容器拡大部12を構成する第7の延出部29bの径D12がプレート30の開口部32の径D8よりも大きく、かつ、鍋2のフランジ部10の第2の延出部10bの最小の径D11(図28B参照)以下となるように形成している。そのため、使用者は、湯切り容器本体11をプレート30の開口部32内に容易に挿入し、容器拡大部12をプレート30の上面に当接できる。これにより、湯切り容器本体11を鍋2内に位置した状態で、湯切り容器3を、プレート30の上面に確実に保持できる。このとき、湯切り容器3に取り付けられたパッキン23は、略V字形状(V字形状を含む)の薄肉部(図8参照)が所定量(例えば、1~10mm程度)だけ上下に閉じる方向に撓んだ状態で、鍋2の上面(外周部10c)と当接する。これにより、鍋2と湯切り容器3とが密閉される。
[0225]
 つぎに、使用者は、湯切り容器3の容器開口部11a(図30A参照)から調理物および調理物を調理するために必要な量の水を、湯切り容器3内に投入する。このとき、湯切り容器3内に投入された調理物および水のうち、水のみが湯切り容器本体11の容器底面11cに形成された複数の孔13から鍋2へと流出する。一方、調理物は、湯切り容器3内に投入された水に浸漬した状態で、湯切り容器3内に保持される。これにより、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの隙間T1および、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの隙間T2には、水のみが存在する状態になる。
[0226]
 つぎに、使用者は、図25に示すように、湯切り容器3の上部を蓋体4により閉塞する。具体的には、蓋体4は、湯切り容器3の容器拡大部12の内部に配置される。このとき、蓋体4は、図32Aおよび図32Bに示すように、蓋体本体4aの外周端部の径D6が湯切り容器本体11の径D3よりも大きく、かつ、容器拡大部12の第7の延出部29bの径D12よりも小さくなるように形成している。そのため、蓋体4は、湯切り容器3の上部の容器開口部11aを容易に閉塞する。また、蓋体4は、湯切り容器3の容器拡大部12で確実に保持される。なお、蓋体本体4aの中央部には、使用者が把持できる蓋体把持部4bが形成されている。
[0227]
 つぎに、使用者は、加熱調理器本体1に配置されたスイッチ35(図26参照)をオン状態にして、調理物の調理を開始する。スイッチ35がオン状態になると、図25に示す加熱部6への通電が開始され、加熱部6によって鍋2が加熱される。同時に、温度検知部7により、鍋2の温度検知が開始される。そして、温度検知部7で検知される鍋2の温度に基づいて、加熱部6が制御される。これにより、鍋2内の水の温度が徐々に上昇する。加熱開始から、所定時間が経過すると、鍋2内の水は、沸騰状態になる。
[0228]
 そして、鍋2内の水が沸騰すると、鍋2内で蒸気が発生し、鍋2内の蒸気の圧力が上昇する。このとき、湯切り容器3に取り付けられたパッキン23の内面にも、蒸気の圧力がかかる。圧力により、パッキン23の薄肉部が、鍋2の上面を下方へ押し続ける状態になる、これにより、パッキン23と鍋2との密着性が向上して、気密性を保持できる。
[0229]
 このとき、調理物が米の場合、鍋2内の水の中に、米のデンプンなどの粘り成分が溶け出す。しかし、上述のように、湯切り容器3と鍋2との間は、パッキン23でシールされている。そのため、米のデンプンなどが溶け出した水(以下、「おねば」と称す。)の外への漏れ出しが防止され、安全に調理できる。さらに、パッキン23の外周側に、リング部材26を配置している。そのため、例え、「おねば」がパッキン23から漏れ、湯切り容器3と鍋2との間から漏れ出しても、リング部材26は、「おねば」の加熱調理器300の周囲への飛び散りを防止する。これにより、加熱調理器300の調理時における安全性が、さらに向上する。
[0230]
 つまり、本実施の形態の加熱調理器300は、加熱調理器本体1に、鍋2、プレート30、および湯切り容器3が配置された状態において、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2との間に、隙間T1が形成される。さらに、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間に隙間T2が形成される。これにより、鍋2内において、加熱部6で加熱される鍋2と、調理物を収容する湯切り容器本体11との、直接の接触が防止される。そのため、加熱部6の熱は、鍋2を介して、直接、湯切り容器3へ伝熱しない。これにより、湯切り容器3の局所的な加熱が防止される。その結果、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0231]
 また、本実施の形態の加熱調理器300は、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間の隙間T2を3mm、孔13の開孔率を7.4%に設定している。そのため、上述したように、鍋2内の水の沸騰時において、鍋2の鍋底面9cで発生する複数の気泡は、所定の大きさになる過程で、隣接する気泡同士が一体化する。そして、湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとに接する大きな気泡を形成する。これにより、湯切り容器本体11の容器底面11cから、直接、湯切り容器3内へ、ほとんどの気泡が流入するようになる。そして、湯切り容器3内を上昇する気泡が、連続的に生成され、湯切り容器3内に強い対流を発生させる。このとき、湯切り容器3内に発生した強い対流は、湯切り容器3内の下部の調理物を上部へ押し上げる。同時に、上部に押し上げられた調理物は、対流によって下部へ押し下げられる。そのため、湯切り容器3内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱される。これにより、湯切り容器3内の調理物が均一に加熱される。その結果、湯切り容器3内の調理物の調理の斑の発生を防止できる。
[0232]
 また、本実施の形態の加熱調理器300は、湯切り容器本体11の容器側面11bの複数の孔25は、調理物を調理するために、予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けている。具体的には、孔25は、湯切り容器3が鍋2内に配置された状態において、湯切り容器3内に投入される調理物の種類および量に応じて、予め設定されている最大の水の量の位置よりも上方に設けている。これにより、加熱された調理物が吸水により膨張しても、蒸気は複数の孔25から抜ける。そのため、鍋2内の蒸気の圧力の過剰な上昇が抑制され、安全に調理できる。
[0233]
 なお、調理に必要な水の量は、調理物の種類および量に応じて、厳密に設定されるわけではない。しかし、調理後の調理物の状態を良好に保つという観点から、少なくとも調理に必要な水の最小量は設定できる。
[0234]
 例えば、加熱調理器300を用いて、調理物である米を炊飯する場合、米は、炊飯する過程で、湯切り容器3内の水を吸収する。そのため、湯切り容器3内の水が徐々に減少する。
[0235]
 特に、上述したように、湯取り法による炊飯の場合、米を多量の水で茹でる必要がある。そのため、米が水を吸収しても、米の量に対して、十分な量の水が、湯切り容器3内に残存している必要がある。そこで、湯切り容器3を湯取り法による炊飯に使用する場合、複数の孔25のうちの、少なくとも1つを所定量の米の炊飯に必要な水の最小量に対応する位置に形成することが好ましい。ここで、湯取り法において、1合の米を炊飯するために必要な水の最小量は、例えば1.5Lである。
[0236]
 また、加熱調理器300を用いて、調理物であるパスタ麺を茹でる場合、パスタ麺は、茹でる過程で、パスタ麺のデンプン成分が湯切り容器3内の水に溶け出し、パスタ麺の茹で汁にぬめりが出る。パスタ麺の茹で汁のぬめりは、パスタ麺から水に溶け出したデンプン成分の濃度が高くなるほど、出やすくなる。茹で汁のぬめりが強い(デンプン成分の濃度が高い)ほど、パスタ麺の表面にデンプン成分などの粘り成分が付着しやすく、調理後のパスタ麺が、ぬめり気を帯びる。これにより、パスタ麺同士がくっつくなど、調理後のパスタ麺の状態を良好な調理状態に保つことができない虞がある。そのため、パスタ麺の茹で汁に含まれるデンプン成分の濃度を最適な範囲に保つ必要がある。この場合、パスタ麺の茹で汁に含まれるデンプン成分の濃度は、パスタ麺の量とパスタ麺を茹でる水の量によって決定される。そのため、パスタ麺の量に応じて、パスタ麺を茹でるために必要な水の最小量を設定する必要がある。そこで、湯切り容器3を、パスタ麺を茹でるために使用する場合、複数の孔25のうちの、少なくとも1つを所定量のパスタ麺を茹でるために必要な水の最小量に対応する位置に形成することが好ましい。ここで、1人前(約100g)のパスタ麺を茹でるために必要な水の最小量は、例えば2.0Lである。
[0237]
 なお、上述のように、本実施の形態では、調理物の調理に必要な水の最小量を、調理物の種類および量に応じて、予め設定している。一方、調理物の調理に必要な水の最大量については、特に設定していない。この理由は、調理に必要な水の量を最大量で設定すると、水の量が増加するにつれて、水が沸騰するまでの時間が長くなる。そのため、調理物を調理する調理時間全体が長くなる。そこで、短い調理時間で良好な調理状態を得るために、調理を行う調理物の種類および量に応じて、調理物の調理に必要な水の量を、最小量または最小量に近い量に設定している。これにより、短い調理時間で、かつ良好な調理状態で、調理物を調理できる。
[0238]
 つぎに、調理物の調理が完了すると、すなわち、湯切り容器3内の調理物が茹でられ、使用者の好みの硬さになると、使用者は、スイッチ35をオン状態からオフ状態にする。
[0239]
 つぎに、使用者は、湯切り容器3内の調理物の湯切りを行う。具体的には、使用者は、湯切り容器3の上部に配置された容器把持部3aを保持して、湯切り容器3を上方へと持ち上げる。このとき、使用者は、図26に示す湯切り容器3の湯切り容器本体11の外周に設けた突起部40が、プレート30と衝突しないように、突起部40をプレート30の切り欠き31(図29A参照)の位置に合わせて、湯切り容器3を上方へと持ち上げる。そして、図26に示すように、使用者は、湯切り容器3を湯切り容器本体11の円周方向に沿って移動させ、突起部40をプレート30の上に保持させる。これにより、湯切り容器3内の調理物の湯切りを行う。
[0240]
 つまり、湯切り容器3を上方へと持ち上げ、プレート30に保持させると、湯切り容器3の容器底面11cの複数の孔13から湯切り容器3内の水、すなわち、茹で汁が湯切り容器3の外部へと排出される。排出された水は、湯切り容器3の下方に配置された鍋2内へと流出する。そして、湯切り容器3内には、調理が完了した調理物のみが残る。これにより、調理物の調理が完了する。
[0241]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器300は、加熱調理器本体1に、鍋2、プレート30、および湯切り容器3が配置された状態において、プレート30は、鍋2のフランジ部10内に収容される。湯切り容器3は、湯切り容器3の湯切り容器本体11がプレート30の開口部32内に挿入され、湯切り容器3の容器拡大部12がプレート30の上面に当接される。これにより、湯切り容器3は、プレート30によって、湯切り容器3の径方向のずれが規制され、湯切り容器本体11の容器側面11bと鍋2の鍋側面9bとの間の隙間T1が規制される。さらに、湯切り容器3の容器拡大部12とプレート30の上面との当接により、複数の孔13を有する湯切り容器本体11の容器底面11cと鍋2の鍋底面9cとの間の隙間T2が確実に形成される。そのため、鍋2内の水の沸騰により発生した気泡は、湯切り容器本体11の容器底面11cから、直接、湯切り容器3内へ流入する。流入した気泡は、湯切り容器3内で上昇する気泡を連続的に生成して、強い対流を引き起こす。これにより、湯切り容器3内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱される。そのため、湯切り容器3内の調理物が均一に加熱され、調理の斑の発生を防止できる。
[0242]
 なお、本実施の形態では、特に、言及していないが、図33Aおよび図33Bの変形例に示すように、湯切り容器3の容器側面11bの内周面側に、突変形部P1、P2、P3を設ける構成としてもよい。突変形部P1からP3は、容器側面11bの円周方向に形成される。突変形部P1からP3は、湯切り容器3内に投入される調理物の種類や量に応じて、調理物を調理するために必要な、予め設定される水の量に対応する位置に形成される。具体的には、突変形部P1は、例えば湯切り容器3内に投入される、2合の米を炊飯するために必要な水の量に対応する位置に形成される。突変形部P2は、例えば湯切り容器3内に投入される、3合の米を炊飯するために必要な水の量に対応する位置に形成される。さらに、突変形部P3は、例えば湯切り容器3内に投入される、5合の米を炊飯するために必要な水の量に対応する位置に形成される。なお、図33Aは、2合の米を炊飯するために必要な最小量の水の位置を示す突変形部P1まで入れた状態を示す。一方、図33Bは、5合の米を炊飯するために必要な最小量の水の位置を示す突変形部P3まで入れた状態を示す。
[0243]
 この構成によれば、使用者は、例えば米などの調理物を調理する場合、複数の孔25のうち、調理物の量に合わせて、予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている突変形部P1からP3のいずれかの位置まで水を投入する。このとき、使用者は、調理物の調理に必要な水の量を、容易に判断して、湯切り容器3内に投入できる。そのため、加熱調理器300の使い勝手が向上する。
[0244]
 以上のように、本実施の形態の加熱調理器300が、構成され、動作する。
[0245]
 本発明の加熱調理器300は、加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1内に配置された鍋2と、鍋2を加熱する加熱部と、容器側面11bおよび容器底面11cに形成された複数の孔13を有する湯切り容器3を備える。容器底面11cの複数の孔13は、開孔率が5%~25%の範囲で設けられ、湯切り容器3が鍋2内に配置されたとき、湯切り容器3の容器底面11cと鍋2との間に形成された隙間T2の最短距離は0.5mm~8mmの範囲である。
[0246]
 この構成によれば、鍋2内の水が沸騰によって生じた鍋2の鍋底面9cの気泡は、湯切り容器3の容器底面11cの複数の孔13から湯切り容器3内へ流入して湯切り容器3の上部へ上がる。このとき、湯切り容器3内に起こる強い対流は、湯切り容器3内の下部の調理物を上部へ押し上げる。同時に、対流は、上部に押し上げた調理物を、下部へ押し下げる。これにより、湯切り容器3内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱される。その結果、調理物の調理の斑の発生を十分に抑制できる。
[0247]
 また、本発明の加熱調理器300は、湯切り容器3の容器側面11bの複数の孔25が、湯切り容器3が鍋2内に配置された状態において、湯切り容器3内に投入される調理物の種類および量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けられる。
[0248]
 この構成によれば、湯切り容器3内の調理物が加熱されて吸水、膨張して、調理物が湯切り容器の容器底面の孔を塞いで、沸騰泡が孔から湯切り容器3内へ流入しにくい場合でも、蒸気は容器側面11bの複数の孔25から抜ける。そのため、鍋2内の蒸気の圧力の過剰な上昇を防止できる。これにより、使用者は、調理完了まで安全に調理できる。
[0249]
 また、本発明の加熱調理器300の湯切り容器3は、容器側面11bの円周方向に形成された突変形部P1、P2、P3を備える。突変形部P1、P2、P3は、湯切り容器3内に投入される調理物の種類および量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に設けられる。
[0250]
 この構成によれば、使用者は、調理物の種類および量に応じた高さの位置に配置されている突変形部P1、P2、P3の位置まで湯切り容器3内に水を投入する。これにより、使用者は、調理物を調理するために必要な水を、湯切り容器3内に容易に投入できる。そのため、加熱調理器300の使い勝手が向上する。また、湯切り容器3内で調理物が対流によって動かされる場合でも、調理物が湯切り容器3の外に流出することがない。そのため、使用者は、調理完了まで安全に調理できる。
[0251]
 なお、上記実施の形態1、2では、可動部5が下降した位置で、可動部5と湯切り容器3とが当接する構成を例に説明したが、これに限られない。例えば、可動部5が下降した位置において、湯切り容器3の容器拡大部12の下面が、鍋2の上面と当接する構成としてもよい。すなわち、可動部5が下降した位置において、湯切り容器3を、可動部5または鍋2で保持する構成としてもよい。つまり、調理物の調理の完了後において、可動部5が鍋2に対して上昇する際に、湯切り容器3を可動部5が保持できる構成であればよい。
[0252]
 また、上記各実施の形態によれば、湯切り容器3の容器把持部3aを、熱伝導性の低い樹脂で形成している。そのため、湯切り容器3から容器把持部3aへの熱伝導が抑制され、容器把持部3aが熱くなることを抑制できる。これにより、調理が完了し、加熱調理器本体1から移動させるために、使用者が容器把持部3aを保持しても、使用者が火傷することを防止できる。その結果、湯切りした後も、安全に取り扱える加熱調理器を提供できる。
[0253]
 また、上記各実施の形態によれば、湯切り動作時において、湯切り容器本体11の容器側面11bおよび容器底面11cの複数の孔13から湯切り容器3の外部へ排出される。排出された水は、湯切り容器3の下方に配置された鍋2内へ流出し、鍋2内に貯められるように構成している。そのため、例えばパスタの茹で汁でパスタソースを作る場合や、調理物を茹でた後の茹で汁を別の調理に使用する場合、鍋2内に貯めた茹で汁を、有効に使用できる。具体的には、使用者は、まず、湯切り容器3の容器把持部3aを保持して湯切り容器3を加熱調理器から取り外して、別の場所に持ち運ぶ。そして、使用者は、鍋2内に貯められた調理物の茹で汁を、パスタソースなどの別の調理に使用する。これにより、加熱調理器の使い勝手や利便性が、さらに向上する。
[0254]
 また、上記各実施の形態では、湯切り容器本体11の容器底面11cに複数の孔13を千鳥配置した構成を例に説明したが、これに限られない。湯切り容器本体11の容器底面11cの複数の孔13は、所定の開口面積を備える構成であれば、配置は任意でよい。具体的には、複数の孔13の配置は、湯切り容器本体11の容器底面11cに、例えばm列およびn行を有するように並列に配置してもよい。さらに、複数の孔13を、湯切り容器本体11の容器底面11cに万遍なく均一に配置してもよい。これにより、湯切りの際に、湯切り容器3内に水が残留することなく、湯切り容器本体11の容器底面11cの孔13から排出できる。
[0255]
 また、上記実施の形態1、2では、可動部5の前方の開口部5aの端部同士の間隔を、湯切り容器3の容器側面径D3よりも小さくなるように形成している。これにより、可動部5の昇降時において、湯切り容器3が傾いて、開口部5aから加熱調理器本体1の外部へ、湯切り容器3が落下することを防止できる。
[0256]
 また、上記実施の形態1、2では、可動部5が、支持ばね16と、一対のシャフト15により加熱調理器本体1の上下方向に直動する構成を例に説明したが、これに限られない。可動部5は、加熱調理器本体1に対して、上下方向に安定して直動できる構成であれば、任意の構成を適用できる。例えば、以下に説明する構成で可動部5を上下方向に直動させてもよい。具体的には、ねじ状の溝が形成され、加熱調理器本体1の上下方向に配設されたねじシャフトを、モータ21に連結する。そして、可動部5を、ねじシャフト15に、軸受を介して挿入する。これにより、モータ21で、ねじシャフト15を回転させて、可動部5を加熱調理器本体1の上下方向に直動する構成としてもよい。すなわち、可動部5が加熱調理器本体1の上下方向に安定して直動できれば、構成は任意でよい。
[0257]
 また、上記実施の形態1、2において、可動部5を上昇させる力(ばね力)は、可動部5と、湯切り容器3と、調理物と、蓋体4と、湯切り容器3内の水が外部へと流出する際の抵抗力を足し合わせた全荷重よりも、大きく設定されていればよい。
[0258]
 また、上記各実施の形態は、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記各実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
[0259]
 以上で説明したように、本発明の加熱調理器は、加熱調理器本体と、加熱調理器本体内に配置された鍋と、加熱調理器本体内に配置され鍋を加熱する加熱部と、鍋内に配置可能であるとともに、容器側面及び容器底面にそれぞれ複数の孔を有する湯切り容器を備える。鍋と湯切り容器は、平面視における外形が円形状で、互いに相似形で形成され、湯切り容器を鍋内に配置したとき、湯切り容器の容器上部と鍋の鍋上部とが嵌合するように構成される。
[0260]
 この構成によれば、湯切り容器を鍋内に配置したとき、湯切り容器の容器上部と鍋の鍋上部とが嵌合する。これにより、湯切り容器は、鍋内に位置規制されて配置される。つまり、鍋の鍋側面と湯切り容器の容器側面とは、全周に亘って、略均一(均一を含む)の第一の間隔を有して離間して配置される。これにより、加熱部の加熱により沸騰した水の対流が、湯切り容器内の異なる位置で均一になる。その結果、湯切り容器内に収容される調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0261]
 また、本発明の加熱調理器は、加熱調理器本体に配置され、湯切り容器の容器上部と当接して、湯切り容器を鍋に対して昇降可能な可動部を、さらに備える。可動部は、湯切り容器の容器上部と当接して配置されるとともに、湯切り容器の径方向に所定の第一の距離を有して離間して位置規制される。
[0262]
 この構成によれば、可動部の上昇、下降のそれぞれ位置で、湯切り容器は、可動部により概略位置規制される。特に、可動部が上昇した位置において、湯切り容器と可動部とは、所定の第一の距離を有して離間して位置規制される。これにより、可動部が下降した位置において、湯切り容器と鍋とを確実に位置規制するための、予備規制とすることができる。つまり、鍋の鍋側面と湯切り容器の容器側面とは、所定の間隔を有して離間して配置される。そのため、鍋の鍋側面と湯切り容器の容器側面とが極端に離れることがなく、また、両者が接触することがなくなる。これにより、加熱部の加熱により発生する対流が、湯切り容器内の異なる位置で均一になる。その結果、湯切り容器内の調理物を均一に加熱して、調理の斑の発生を防止できる。
[0263]
 また、本発明の加熱調理器は、加熱調理器本体に配置され、湯切り容器の容器上部と当接して湯切り容器を鍋に対して昇降可能な可動部を、さらに備える。そして、可動部が下降した位置で、湯切り容器の容器上部と鍋の鍋上部とは嵌合するとともに、可動部が上昇した位置で、湯切り容器の容器上部と可動部の可動部上部とは所定の第一の距離を有して位置規制される。
[0264]
 この構成によれば、湯切り容器は、可動部の上昇、下降のそれぞれの位置で、位置規制される。特に、可動部が上昇した位置において、湯切り容器と可動部とは、所定の第一の距離を有して位置規制される。これにより、可動部が下降した位置において、湯切り容器と鍋とを確実に位置規制するための、予備規制とすることができる。
[0265]
 また、本発明の加熱調理器は、湯切り容器の容器上部が、可動部が下降した位置で、鍋の鍋上部の内側面部もしくは外側面部のいずれか一方と嵌合する。
[0266]
 これにより、湯切り容器と鍋のそれぞれに外部部材を設けることなく、湯切り容器を鍋に対して位置規制できる。
[0267]
 また、本発明の加熱調理器は、加熱調理器本体に配置され、湯切り容器の容器上部と当接して、湯切り容器を鍋に対して昇降可能な可動部を、さらに備える。可動部は、可動部が上昇した位置で、少なくとも鍋の鍋開口部における円周方向の対向する位置に配置されるとともに、鍋を把持可能な開口部を有する。
[0268]
 これにより、湯切り容器と鍋のそれぞれに外部部材を設けることなく、湯切り容器を鍋に対して位置規制できる。
[0269]
 また、本発明の加熱調理器は、湯切り容器が、湯切り容器の容器上部に鍋の径方向外側に突出した容器拡大部を有し、可動部は、湯切り容器の容器拡大部と当接して湯切り容器を鍋に対して昇降可能とする。
[0270]
 これにより、湯切り容器と可動部のそれぞれに外部部材を設けることなく、可動部は、湯切り容器を、容器拡大部を支持しながら、鍋に対して容易に昇降できる。
[0271]
 また、本発明の加熱調理器は、可動部は、可動部が上昇した位置で、少なくとも鍋の鍋開口部における円周方向の対向する位置を含んで円弧状に配置されるとともに、鍋を把持可能な開口部を有する。
[0272]
 この構成によれば、湯切り容器と可動部とが当接する面積を増やすことができる。そのため、湯切り容器にかかる荷重を分散して、可動部で支持できる。これにより、より安定した可動部の動作が得られる。
[0273]
 また、本発明の加熱調理器は、可動部は、可動部が上昇した位置で、鍋の鍋開口部における円周方向に半円周以上の円弧状に配置されるとともに、湯切り容器の容器側面の径よりも小さい間隔の開口部を有する。
[0274]
 この構成によれば、可動部が上昇した状態で、湯切り容器に対して径方向に力がかかる場合でも、湯切り容器が可動部から外れるのを防止できる。
[0275]
 また、本発明の加熱調理器は、湯切り容器の容器拡大部と可動部との当接が、湯切り容器の径方向に所定の第一の距離を有して離間して位置規制される。
[0276]
 この構成によれば、湯切り容器を可動部に対して径方向に位置規制できる。つまり、可動部が下降した位置で、湯切り容器の容器側面と鍋の鍋側面とが所定の間隔を有して配置される。これにより、加熱部の加熱により発生する対流が、湯切り容器内の異なる位置で略均一(均一を含む)に発生して、湯切り容器内の調理物を均一に加熱できる。また、湯切り容器を鍋に対して上昇させる際に、湯切り容器の容器上部を、可動部は、複数の箇所で支持する。そのため、安定した湯切り動作を行うことができる。さらに、可動部は、開口部を有する。そのため、使用者は、湯切り容器を可動部から取り外した後、鍋を容易に取り外すことができる。
[0277]
 また、本発明の加熱調理器は、容器底面の複数の孔の開孔率が5%~25%の範囲で設けられ、湯切り容器が鍋内に配置されたとき、湯切り容器の容器底面と鍋との間に形成された隙間の最短距離が0.5mm~8mmの範囲で設けられる。
[0278]
 これにより、水の沸騰時に発生する鍋の鍋底面の気泡は、湯切り容器の複数の孔から湯切り容器内へ流入して、湯切り容器の上部へ上昇する。このとき、上昇する気泡により、湯切り容器内に強い対流が起こる。対流により、湯切り容器内の下部の調理物は、湯切り容器内の上部へ押し上げられる。同時に、上部に押し上げられた調理物は、対流によって下部へ押し下げられる。そのため、湯切り容器内の調理物は、上下の水温差のほとんどない均一な水温中で加熱される。その結果、調理の斑の発生が、効果的に抑制される。
[0279]
 また、本発明の加熱調理器は、容器側面の複数の孔は、湯切り容器が鍋内に配置された状態において、湯切り容器内に投入される調理物の種類および量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けられる。
[0280]
 この構成によれば、加熱されて吸水、膨張した調理物が、湯切り容器の容器底面の孔の一部を塞いでも、蒸気を容器側面の複数の孔から抜くことができる。そのため、鍋内の蒸気の圧力の過剰な上昇を防止できる。これにより、使用者は、調理完了まで安全に調理できる。
[0281]
 また、本発明の加熱調理器の湯切り容器は、容器側面の円周方向に形成される突変形部を、さらに備える。突変形部は、湯切り容器内に投入される調理物の種類および量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成される。
[0282]
 この構成によれば、湯切り容器は、調理物の種類および量に応じた高さの位置に、適切な水の投入量を示す、複数の突変形部を有する。これにより、使用者は、対応する突変形部の位置まで湯切り容器内に水を投入するだけで、調理物を調理するために必要な水を湯切り容器内に投入できる。そのため、加熱調理器の使い勝手が向上する。

産業上の利用可能性

[0283]
 本発明は、湯切り容器内の調理物の均一な加熱や、調理の斑の抑制が要望される、家庭用および業務用の加熱調理器の分野・用途に好適に適用できる。

符号の説明

[0284]
 1  加熱調理器本体
 1a  鍋収納部
 1b  ばねリブ
 1c  本体把持部
 2,401  鍋
 3,402  湯切り容器
 3a  容器把持部
 3b  容器脚部
 4  蓋体
 4a  蓋体本体
 4b  蓋体把持部
 5  可動部
 5a,32  開口部
 5b  円弧部
 5c  溝部
 5c1  立設面
 5d  ばねガイド
 5e  上面
 5f  段差部
 6  加熱部
 7  温度検知部
 8  保持部材
 9  鍋本体
 9a  鍋開口部
 9b  鍋側面
 9c  鍋底面
 10  フランジ部
 10a  第1の延出部
 10b,27a  第2の延出部
 10c  外周部
 10c1  外周面
 11  湯切り容器本体
 11a  容器開口部
 11b  容器側面
 11c  容器底面
 12  容器拡大部
 12a,27b  第3の延出部
 12b,28a  第4の延出部
 13,25,402A,502a,605  孔
 14  制御装置
 14A  制御部
 15  シャフト
 16  支持ばね
 17  ダンパー
 18  フック部
 18a  フック本体
 18b  フックピン
 19  フック解除部
 20  ワイヤーロープ
 21  モータ
 22  タイマー
 23  パッキン
 23a  厚肉部
 23b  薄肉部
 23c  凸部
 24  樹脂リング
 24a,28b  第5の延出部
 24a1  内周面
 24a2  外周面
 26  リング部材
 27  第1の段差部
 28  第2の段差部
 29  第3の段差部
 29a  第6の延出部
 29b  第7の延出部
 30  プレート
 31  切り欠き部
 35  スイッチ
 40  突起部
 100,200,300,400  加熱調理器
 403  昇降装置
 404  容器支持部
 405  昇降部
 500  調理器具
 501  調理鍋
 501a  鍋フランジ部
 501b  サポートリング
 502  調理容器
 502b  凸部
 600  炊飯器
 601  本体
 602  外鍋
 603  加熱部
 604  内鍋
 606  蓋
 P1,P2,P3  突変形部

請求の範囲

[請求項1]
加熱調理器本体と、
前記加熱調理器本体内に配置された鍋と、
前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内に配置可能であるとともに、容器側面および容器底面にそれぞれ複数の孔を有する湯切り容器と、を備え、
前記鍋と前記湯切り容器は、平面視における外形が円形状で、互いに相似形で形成され、前記湯切り容器を前記鍋内に配置したとき、前記湯切り容器の容器上部と前記鍋の鍋上部とが嵌合するように構成される加熱調理器。
[請求項2]
前記加熱調理器本体に配置され、前記湯切り容器の容器上部と当接して、前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能な可動部を、さらに備え、
前記可動部は、前記湯切り容器の容器上部と当接して配置されるとともに、前記湯切り容器の径方向に所定の第一の距離を有して離間して位置規制される、請求項1に記載の加熱調理器。
[請求項3]
前記加熱調理器本体に配置され、前記湯切り容器の容器上部と当接して、前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能な可動部を、さらに備え、
前記可動部は、
前記可動部が下降した位置で、前記湯切り容器の容器上部と前記鍋の前記鍋上部とが嵌合するとともに、
前記可動部が上昇した位置で、前記湯切り容器の容器上部と前記可動部の前記可動部上部とは所定の第一の距離を有して位置規制される、請求項1に記載の加熱調理器。
[請求項4]
前記湯切り容器の容器上部は、前記可動部が下降した位置で、前記鍋の前記鍋上部の内側面部もしくは外側面部のいずれか一方と嵌合する、請求項3に記載の加熱調理器。
[請求項5]
前記加熱調理器本体に配置され、前記湯切り容器の容器上部と当接して、前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能な可動部を、さらに備え、
前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で、少なくとも前記鍋の鍋開口部における円周方向の対向する位置に配置されるとともに、前記鍋を把持可能な開口部を有している、請求項1に記載の加熱調理器。
[請求項6]
前記湯切り容器は、前記湯切り容器の容器上部に前記鍋の径方向外側に突出した容器拡大部を有し、
前記可動部は、前記湯切り容器の前記容器拡大部と当接して、前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能とする、請求項5に記載の加熱調理器。
[請求項7]
前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で、少なくとも前記鍋の前記鍋開口部における円周方向の対向する位置を含んで円弧状に配置される、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の加熱調理器。
[請求項8]
前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で、前記鍋の前記鍋開口部における円周方向に半円周以上の円弧状に配置されるとともに、前記湯切り容器の容器側面の径よりも小さい間隔の開口部を有する、請求項5に記載の加熱調理器。
[請求項9]
前記湯切り容器の前記容器拡大部と前記可動部との当接は、前記湯切り容器の径方向に所定の第一の距離を有して離間して位置規制される、請求項6に記載の加熱調理器。
[請求項10]
前記容器底面の複数の孔は、開孔率が5%~25%の範囲で設けられ、前記湯切り容器が前記鍋内に配置されたとき、前記湯切り容器の容器底面と前記鍋との間に形成された隙間の最短距離が0.5mm~8mmの範囲で設けられる、請求項1に記載の加熱調理器。
[請求項11]
前記容器側面の複数の孔は、前記湯切り容器が前記鍋内に配置された状態において、前記湯切り容器内に投入される調理物の種類および量に応じて、前記調理物を調理するために予め設定されている最大の水の量に対応する位置よりも上方に設けられる、請求項10に記載の加熱調理器。
[請求項12]
前記湯切り容器は、前記容器側面の円周方向に形成された突変形部を、さらに備え、
前記突変形部は、前記湯切り容器内に投入される調理物の種類および量に応じて、前記調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている、請求項10または請求項11のいずれか1項に記載の加熱調理器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 6]

[ 図 7A]

[ 図 7B]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12A]

[ 図 12B]

[ 図 13A]

[ 図 13B]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18A]

[ 図 18B]

[ 図 19]

[ 図 20A]

[ 図 20B]

[ 図 20C]

[ 図 21]

[ 図 22A]

[ 図 22B]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28A]

[ 図 28B]

[ 図 29A]

[ 図 29B]

[ 図 30A]

[ 図 30B]

[ 図 30C]

[ 図 31]

[ 図 32A]

[ 図 32B]

[ 図 33A]

[ 図 33B]

[ 図 34]

[ 図 35]

[ 図 36]