このアプリケーションの一部のコンテンツは現時点では利用できません。
このような状況が続く場合は、にお問い合わせくださいフィードバック & お問い合わせ
1. (WO2018030209) モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステム
Document

明 細 書

発明の名称 モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

非特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116  

産業上の利用可能性

0117  

符号の説明

0118  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

明 細 書

発明の名称 : モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステム

技術分野

[0001]
本開示は、モータ制御方法、モータ制御システムおよび電動パワーステアリングシステムに関する。

背景技術

[0002]
近年、電気駆動システムが様々な応用分野に広く用いられる。電気駆動システムとして、例えばモータ制御システムが挙げられる。モータ制御システムは、例えばベクトル制御を用いて電動モータ(以下、「モータ」と表記する。)を制御する。ベクトル制御には、幾つかの電流センサおよび位置センサを用いる方式がある。ベクトル制御では、少なくとも1つの位置センサの検出値に基づいてロータの位置が算出される。または、ロータの位置は、モータを流れる電流などに基づいて推定することができる。ベクトル制御で用いられるセンサうち1つでも故障すると、そのモータ制御システムは誤作動を起こし、回復することが不可能になる可能性が高まる。そのため、モータ制御システムにおけるセンサ故障を検出する様々な手法が活発に提案されている。 
[0003]
特許文献1は、位置センサの検出値およびセンサレス法に基づくモータ制御を開示する。ロータの回転速度が低速であるとき(例えば始動時)、いわゆる高周波印加(HFI)法を用いてロータの位置は推定される。一方、ロータの回転速度が中速から高速であるとき、発生した逆起電力に基づいてロータの位置は推定される。低速時においては発生する逆起電力が小さいので、その逆起電力に基づいてロータの位置を推定することが困難となる。そのため、特許文献1のモータ制御は、低速時と、中・高速時との間で、ロータの位置の推定方法を切り替える。逆起電力に基づく推定値と、位置センサの検出値と、の比較によって、位置センサの故障が検出される。 
[0004]
特許文献2は、高周波電流印加法と、モータの磁束および逆起電力を推定するいわゆる磁束オブザーバとを用いて、ロータの位置および回転速度を推定する手法を開示する。 
[0005]
非特許文献1は、同期リラクタンスモータのセンサレスベクトル制御を開示する。そのセンサレスベクトル制御では、モータ電流、モータ電圧、ローパスフィルタ、および高周波電圧印加法などを用いてロータの位置および回転速度が推定される。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 米国特許第7,002,318号明細書
特許文献2 : 米国特許第8,378,605号明細書

非特許文献

[0007]
非特許文献1 : Ghaderi, Ahmad, and Tsuyoshi Hanamoto. "Wide-speed-range sensorless vector control of synchronous reluctance motors based on extended programmable cascaded low-pass filters." IEEE Transactions on Industrial Electronics, Vol. 58, No. 6, (June 2011), p.2322-2333.

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
上述した従来の技術では、センサ故障検出のためのシステム構成が必然的に複雑になり、例えば、余分なトルクリップルが発生するおそれがある。特に複数のセンサを用いる場合、そのシステム構成はさらに複雑になってしまうため、その構成をさらに簡素化することが求められていた。 
[0009]
本開示の実施形態は、システム構成を簡素化することが可能なセンサ故障検出手法を用いる、新規なモータ制御方法およびモータ制御システムを提供する。

課題を解決するための手段

[0010]
本開示の例示的なモータ制御方法は、少なくとも1つの測定トルク角および2つの推定トルク角を獲得するステップであって、前記少なくとも1つの測定トルク角は、少なくとも1つの位置センサによって測定される少なくとも1つの測定ロータ角に基づき、前記2つの推定トルク角は、2つのセンサレス制御アルゴリズムに基づく、ステップと、前記少なくとも1つの測定トルク角および前記2つの推定トルク角から成る集合に対し、組み合わせし得る、2つのトルク角の全組み合わせを求めて、各組み合わせに対し誤差を決定する演算を実行する、ステップと、センサモード、センサレスモードおよびシャットダウンモードを有する複数の制御モードの中から前記モータの制御モードを選択するステップであって、前記選択は、前記複数の制御モードと、前記演算された誤差群に関する複数の参照パターンとの間の関係を表すテーブルを参照してなされる、ステップと、選択された前記制御モードに従って前記モータを制御するステップと、を包含する。 
[0011]
本開示の例示的なモータ制御システムは、モータと、前記モータのロータ角を検出する少なくとも1つの位置センサと、前記モータの制御モードを選択し、選択した制御モードに従って前記モータを制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、少なくとも1つの測定トルク角および2つの推定トルク角を獲得し、前記少なくとも1つの測定トルク角は、前記少なくとも1つの位置センサによって測定される少なくとも1つの測定ロータ角に基づき、前記2つの推定トルク角は、2つのセンサレス制御アルゴリズムに基づき、前記少なくとも1つの測定トルク角および前記2つの推定トルク角から成る集合に対し、組み合わせし得る、2つのトルク角の全組み合わせを求めて、各組み合わせに対し誤差を決定する演算を実行し、各誤差は、各組み合わせにおける2つのトルク角の間で求まり、センサモード、センサレスモードおよびシャットダウンモードを有する複数の制御モードの中から前記モータの制御モードを選択し、前記選択は、前記複数の制御モードと、前記演算された誤差群に関する複数の参照パターンとの間の関係を表すテーブルを参照してなされ、選択された前記制御モードに従って前記モータを制御する。 
[0012]
本開示の例示的な実施形態において、前記センサモードは、モータ制御を、前記少なくとも1つの測定ロータ角を用いて実行するモードであり、前記センサレスモードは、前記モータ制御を、前記2つのセンサレス制御アルゴリズムを利用してそれぞれ推定される2つの推定ロータ角の少なくとも1つを用いて実行するモードであり、前記シャットダウンモードは、前記モータ制御を完全にシャットダウンするモードである。

発明の効果

[0013]
本開示の例示的な実施形態によると、システム構成を簡素化することが可能なセンサ故障検出手法を用いる、モータ制御方法およびモータ制御システムが提供される。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 図1は、実施形態1によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを示すブロック図である。
[図2] 図2は、実施形態1によるモータ制御システム1000中のインバータ300のハードウェア構成を示すブロック図である。
[図3] 図3は、実施形態1の変形例によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを示すブロック図である。
[図4] 図4は、MRセンサ710およびセンサマグネット720を用いてロータ角を検出するための構成を示す模式図である。
[図5] 図5は、センサマグネット720の位置ずれが生じたときの様子を示す模式図である。
[図6] 図6は、2つのMRセンサ710およびセンサマグネット720を用いてロータ角を検出するための構成を示す模式図である。
[図7] 図7は、コントローラ100の機能ブロックを示す機能ブロック図である。
[図8] 図8は、dq回転座標系におけるベクトル図である。
[図9] 図9は、電気角θ e、負荷角δ、推定位相角ρ s、および合成磁束ベクトルの間の関係を示す図である。
[図10] 図10は、故障検出ユニット120の機能ブロックを詳細に示す図である。
[図11] 図11は、実施形態2による、2つの位置センサ700を有するモータ制御システム1000のハードウェア構成を示すブロック図である。
[図12] 図12は、2つの位置センサ700を用いた場合の故障検出ユニット120の機能ブロックを詳細に示す図である。
[図13] 図13は、従来のモータ制御システムにおいて位置センサとしてMRセンサを用いる場合、マグネットセンサの位置ずれが生じたときの、位置センサエラーおよびトルク変動を示すグラフである。
[図14] 図14は、所定期間内の、トルク波形、三相電流の波形、および三相電圧の波形を示すグラフである。
[図15] 図15は、所定期間中に、マグネットセンサの回転角度が変動したときのトルク変動を示すグラフである。
[図16] 図16は、本開示の実施形態によるモータ制御システムにおいて位置センサとしてMRセンサを用いる場合、マグネットセンサの位置ずれが生じたときのトルク変動を示すグラフである。
[図17] 図17は、所定期間内の、トルク波形、三相電流の波形、および三相電圧の波形を示すグラフである。
[図18] 図18は、本開示のモータ制御システムにおいて、所定期間内で、マグネットセンサの回転角度が変動したときのトルク変動を示すグラフである。
[図19] 図19は、実施形態3によるEPSシステム2000の典型的な構成を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0015]
以下、添付の図面を参照しながら、本開示のモータ制御方法、モータ制御システム、および当該モータ制御システムを有する電動パワーステアリングシステムの実施形態を詳細に説明する。但し、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするため、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。 
[0016]
(実施形態1)



 〔モータ制御システム1000の構成〕



 図1は、本実施形態によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを模式的に示す。 
[0017]
モータ制御システム1000は典型的に、モータMと、コントローラ(制御回路)100と、駆動回路200と、インバータ(「インバータ回路」とも称される。)300と、シャットダウン回路400と、複数の電流センサ500と、アナログデジタル変換回路(以下、「ADコンバータ」と表記する。)600と、位置センサ700と、ランプ800と、ROM(Read Only Memory)900とを有する。モータ制御システム1000は、例えばパワーパックとしてモジュール化され、モータ、センサ、ドライバおよびコントローラを有するモータモジュールとして製造および販売され得る。なお、本明細書では、構成要素としてモータMを有するシステムを例に、モータ制御システム1000を説明する。ただし、モータ制御システム1000は、構成要素としてモータMを有しない、モータMを駆動するためのシステムであってもよい。 
[0018]
モータMは、例えば、表面磁石型同期型モータ(SPMSM)または埋込磁石型同期型モータ(IPMSM)などの永久磁石同期モータ、および三相交流モータである。モータMは、例えば三相(U相、V相およびW相)の巻線(不図示)を有する。三相の巻線は、インバータ300に電気的に接続される。 
[0019]
コントローラ100は、例えばマイクロコントロールユニット(MCU)である。または、コントローラ100は、例えば、CPUコアが組み込まれたフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)によっても実現し得る。 
[0020]
コントローラ100は、モータ制御システム1000全体を制御し、例えばベクトル制御によってモータMのトルクおよび回転速度を制御する。なお、モータMは、ベクトル制御に限らず、他のクローズドループ制御によっても制御され得る。回転速度は、単位時間(例えば1分間)にロータが回転する回転数(rpm)で表される。ベクトル制御は、モータに流れる電流を、トルクの発生に寄与する電流成分と、磁束の発生に寄与する電流成分とに分解し、互いに直交する各電流成分を独立に制御する方法である。例えば、コントローラ100は、複数の電流センサ500によって測定された実電流値、および位置センサ700によって測定されたロータ角(すなわち、位置センサ700からの出力信号)などに従って目標電流値を設定する。コントローラ100は、その目標電流値に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、駆動回路200に出力する。 
[0021]
コントローラ100は、センサ故障を検出し、その検出結果に基づいてモータMの制御モードを選択する。コントローラ100は、選択された制御モードに従ってモータMを制御する。モータMの制御モードは、センサモード、センサレスモードおよびシャットダウンモードを有する。なお、センサ故障検出手法および各種の制御モードは後で詳細に説明する。 
[0022]
コントローラ100は、初期の制御モードとして、センサモードを選択する。コントローラ100は、位置センサ700の故障を検出すると、制御モードをセンサモードからセンサレスモードに切替える。換言すると、コントローラ100は、センサモードによる制御(以下、「センサ制御」と表記する。)の異常を検出すると、制御モードとしてセンサレスモードを選択する。さらに、コントローラ100は、センサ制御およびセンサレスモードによる制御(以下、「センサレス制御」と表記する。)の異常を検出すると、モータ制御システム1000を完全に停止する。 
[0023]
コントローラ100は、例えば、シャットダウン信号および報知信号の少なくとも1つを生成することができる。コントローラ100は、シャットダウン信号をシャットダウン回路400に出力し、報知信号をランプ800に出力する。例えば、センサ制御またはセンサレス制御に異常が発生していないとき、シャットダウン信号および報知信号はネゲートされた状態である。コントローラ100は、センサおよびセンサレス制御の両方に異常を検出したとき、それぞれの信号をアサートすることができる。 
[0024]
駆動回路200は、例えばゲートドライバである。駆動回路200は、インバータ300におけるスイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御信号を、コントローラ100から出力されるPWM信号に従って生成する。なお、後述するように、駆動回路200は、コントローラ100に実装されていてもよい。 
[0025]
インバータ300は、例えば直流電源(不図示)から供給される直流電力を交流電力に変換し、変換された交流電力でモータMを駆動する。例えば、インバータ300は、駆動回路200から出力される制御信号に基づいて、直流電力を、U相、V相およびW相の擬似正弦波である三相交流電力に変換する。この変換された三相交流電力でモータMは駆動される。 
[0026]
シャットダウン回路400は、例えば、電界効果トランジスタ(FET、典型的にはMOSFET)若しくは絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの半導体スイッチ素子、またはメカニカルリレーを有する。シャットダウン回路400は、インバータ300とモータMとの間に電気的に接続される。シャットダウン回路400は、コントローラ100から出力されるシャットダウン信号に応じて、インバータ300とモータMとの電気的な接続を遮断する。詳細に説明すると、シャットダウン信号がアサートされると、シャットダウン回路400の半導体スイッチ素子がオフして、インバータ300とモータMとの電気的な接続が遮断される。その結果、シャットダウン回路400は、インバータ300からモータMへの電力供給を停止することができる。 
[0027]
複数の電流センサ500は、モータMのU相、V相およびW相の巻線に流れる少なくとも2つの電流を検出する少なくとも2つの電流センサを有する。本実施形態では、複数の電流センサ500は、U相およびV相に流れる電流を検出する2つの電流センサ500A、500B(図2を参照)を有する。当然に、複数の電流センサ500は、U相、V相およびW相の巻線に流れる3つの電流を検出する3つの電流センサを有していてもよいし、例えばV相およびW相に流れる電流またはW相およびU相に流れる電流を検出する2つの電流センサを有していてもよい。電流センサは、例えば、シャント抵抗、およびシャント抵抗に流れる電流を検出する電流検出回路(不図示)を有する。シャント抵抗の抵抗値は、例えば0.1Ω程度である。 
[0028]
ADコンバータ600は、複数の電流センサ500から出力されるアナログ信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、この変換したデジタル信号をコントローラ100に出力する。なお、コントローラ100がAD変換を行ってもよい。その場合、複数の電流センサ500は、アナログ信号をコントローラ100に直接出力する。 
[0029]
位置センサ700は、モータMに配置され、ロータの位置を検出する。具体的には、位置センサ700は、モータMのロータ角、つまり、ロータの機械角を検出する。位置センサ700は、例えば、磁気抵抗(MR)素子を有するMRセンサおよびホールIC(ホール素子を含む)などの磁気センサ、レゾルバ、またはロータリエンコーダである。位置センサ700は、ロータの機械角をコントローラ100に出力する。これにより、コントローラ100は、ロータの機械角を獲得する。 
[0030]
モータ制御システム1000は、位置センサ700の代わりに、例えば、速度センサまたは加速度センサを有し得る。コントローラ100は、位置センサとして速度センサが用いられる場合、回転速度信号または角速度信号に積分処理等を行うことでロータの位置、つまり、回転角を算出することができる。角速度は、1秒間にロータが回転する角度(rad/s)で表される。コントローラ100は、位置センサとして加速度センサが用いられる場合、角加速度信号に積分処理等を行うことにより回転角を算出することができる。本明細書において、位置センサには、ロータ角を獲得するためのあらゆるセンサが含まれる。例えば、上述した磁気センサ、速度センサまたは加速度センサが含まれる。また、「獲得」には、例えば、ロータの機械角を外部から受け取ること、および、コントローラ100自身がロータの機械角を演算して獲得することが含まれる。 
[0031]
ランプ800は、例えばLED(Light Emitting Diode)を有する。例えば、ランプ800は、コントローラ100が報知信号をアサートすると、そのアサートに応答して赤色に点灯する。例えば、車載用のモータ制御システム1000を考える。その場合、ランプ800は、スピードメータおよびタコメータなどの計器と共にダッシュボードのインストルメントパネルに配置され得る。 
[0032]
ROM900は、例えば書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)または読み出し専用のメモリである。ROM900は、コントローラ100にモータMを制御させるための命令群を有する制御プログラムを格納する。例えば、制御プログラムはブート時にRAM(不図示)に一旦展開される。なお、ROM900は、コントローラ100に外付けされる必要はなく、コントローラ100に搭載されていてもよい。ROM900を搭載したコントローラ100は、例えば上述したMCUであり得る。 
[0033]
図2を参照して、インバータ300のハードウェア構成を詳細に説明する。


[0034]
図2は、本実施形態によるモータ制御システム1000中のインバータ300のハードウェア構成を模式的に示す。 
[0035]
インバータ300は、3個の下アームのスイッチング素子および3個の上アームのスイッチング素子を有する。図示されるスイッチング素子SW_L1、SW_L2およびSW_L3が下アームのスイッチング素子であり、スイッチング素子SW_H1、SW_H2およびSW_H3が、上アームのスイッチング素子である。スイッチング素子として、例えばFETおよびIGBTを用いることができる。スイッチング素子は、モータMに向けて流れる回生電流を流す還流ダイオードを有する。 
[0036]
図2には、U相およびV相に流れる電流を検出する2つの電流センサ500A、500Bのシャント抵抗Rsを示す。図示されるように、例えばシャント抵抗Rsは、下アームのスイッチング素子とグランドとの間に電気的に接続され得る。または、例えばシャント抵抗Rsは、上アームのスイッチング素子と電源との間に電気的に接続され得る。 
[0037]
コントローラ100は、例えばベクトル制御を用いた三相通電制御を行うことによってモータMを駆動することができる。例えば、コントローラ100は、三相通電制御を行うためのPWM信号を生成し、そのPWM信号を駆動回路200に出力する。駆動回路200は、インバータ300中の各FETのスイッチング動作を制御するゲート制御信号をPWM信号に基づいて生成し、各FETのゲートに与える。 
[0038]
図3は、本実施形態の変形例によるモータ制御システム1000のハードウェアブロックを模式的に示す。 
[0039]
図示されるように、モータ制御システム1000は、駆動回路200を有していなくてもよい。その場合、コントローラ100は、インバータ300の各FETのスイッチング動作を直接制御するポートを有する。具体的に説明すると、コントローラ100は、ゲート制御信号をPWM信号に基づいて生成する。コントローラ100は、そのポートを介してゲート制御信号を出力し、このゲート制御信号を各FETのゲートに与えることができる。 
[0040]
〔センサ故障検出手法〕



 先ず、センサ故障検出のアルゴリズムを説明する前に、図4から6を参照しながら、MRセンサ710およびセンサマグネット720を用いたロータ角の検出を例に、本開示のセンサ故障を説明する。センサ故障には、位置センサ700の故障と、電流センサ500の故障とがある。本明細書では、センサ故障は主として、前者の故障を指す。なお、電流センサの故障は、例えばシャント抵抗の破損である。 
[0041]
図4は、MRセンサ710およびセンサマグネット720を用いてロータ角を検出するための構成を模式的に示す。図5は、センサマグネット720の位置ずれが生じたときの様子を模式的に示す。 
[0042]
本実施形態では、位置センサとして1つのMRセンサ710が用いられる。MRセンサ710は、例えばモータMの回路基板730に設けられる。一方、センサマグネット720は、射出成形などによってモータMのシャフトRSに設けられる。これにより、センサマグネット720は、シャフトRSに強固に固定される。例えば、自動車の安価な電動パワーステアリング(EPS)用のモータ制御システムにおいて、このような構成が採用される。シャフトRSの回転に伴ってセンサマグネット720も回転する。そのため、MRセンサ710は、その磁極の位置変化による磁束の変化を検出することができる。 
[0043]
通常、センサマグネット720はシャフトRSに強固に固定された状態である。ただし、自動車等の車両に外部から何らかの強い衝撃(例えば、車両が縁石に乗り上げたときに生じ得る衝撃)が加わると、その衝撃がシャフトRSに伝わり、センサマグネット720が破損または変形してしまうことが起こり得る。または、図5に示すように、例えば、センサマグネット720は、シャフトRSの回転軸周りに回転し得る。その結果、センサマグネット720の取り付け位置がずれる可能性がある。位置ずれが一旦発生すると、センサマグネット720を元の位置に戻すことは困難となる。破損、変形または位置ずれにより、MRセンサ710は、ロータ角を正確に検出することが困難となる。本明細書において、位置センサの故障には、位置センサ(例えば、MRセンサ710)自体の故障だけでなく、例えばセンサマグネット720の破損、変形または位置ずれも含まれる。 
[0044]
図6は、2つのMRセンサ710およびセンサマグネット720を用いてロータ角を検出するための構成を模式的に示す。 
[0045]
図4に示すように、通常のモータ制御システムでは、例えば、最低1つのMRセンサ710を用いてロータ角が検出される。これに対し、例えば高機能EPS用のモータ制御システムでは、自動車用機能安全規格(ISO26262)などの要請により、少なくとも2つのMRセンサが用いられる。例えば、図6に示すように、2つのMRセンサ710が慣例的に用いられる。 
[0046]
高機能EPSなどの車載用途のモータに対しては、一方のセンサが故障しても、他方のセンサを用いてモータ駆動を継続させるといった冗長設計および故障対策が積極的に取り入れられる。センサ故障が生じていないとき、2つのMRセンサ710の出力は同じである。少なくとも一方が故障すると、2つのMRセンサ710の出力は異なる値を示す。このように、2つのMRセンサ710の出力を比較することにより、センサ故障の有無を判定することができる。しかしながら、図6に示すようなセンサマグネット720の位置ずれが生じた場合、センサ故障にもかかわらず、2つのMRセンサ710の出力は同じ値を示す。ただし、2つのMRセンサ710の出力はいずれも妥当でない。従って、2つのMRセンサ710の出力を比較する従来の手法で、センサマグネット720の位置ずれに起因したセンサ故障を検出することは困難となる。 
[0047]
モータ制御システム1000にセンサ故障が生じた状態でモータ駆動を継続させることは、予期せぬトルク変動が発生し得るために、EPSの安全性を向上させる観点から可能であれば避けることが好ましい。そのため、例えばセンサマグネット720の破損などによるセンサ制御の異常を検出または推定することが必要である。センサ制御が不可能である場合、例えばモータ制御をセンサ制御からセンサレス制御に切替えてモータ駆動を継続させることが好ましい。この切替えにより、EPSは、運転者のステアリング操作を継続して補助することが可能となる。 
[0048]
センサおよびセンサレス制御のいずれもが不可能である場合には、EPSの駆動、すなわち、モータ制御システム1000の駆動を停止することが好ましい。停止によりEPSの安全性をより向上させることが可能となる。このように、特に安全性が求められるEPS用モータ制御システムに対し、センサ故障を検出し、その検出結果に基づいて適切な制御モードに切替えるといった対策が望まれる。 
[0049]
図7から図10を参照しながら、本実施形態によるセンサ故障検出のアルゴリズムを詳しく説明する。 
[0050]
本実施形態によるセンサ故障検出手法を有するモータ制御のアルゴリズムは、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)またはFPGAなどのハードウェアのみで実現することもできるし、ハードおよびソフトウェアの組み合わせによっても実現することができる。 
[0051]
図7は、コントローラ100の機能ブロックを模式的に示す。本明細書において、機能ブロック図における各ブロックは、ハードウェア単位ではなく機能ブロック単位で示される。ソフトウェアは、例えば、各機能ブロックに対応した特定の処理を実行させるためのコンピュータプログラムを構成するモジュールであり得る。 
[0052]
コントローラ100は、例えば、演算コアユニット110、故障検出ユニット120、セレクタ130およびモータ制御ユニット140を有する。なお、本明細書において、説明の便宜上、各機能ブロックをユニットと表記することとする。当然に、この表記は、各機能ブロックを、ハードウェアまたはソフトウェアに限定解釈する意図で用いられない。 
[0053]
各機能ブロックがソフトウェアとしてコントローラ100に実装される場合、そのソフトウェアの実行主体は、例えばコントローラ100のコアであり得る。上述したように、コントローラ100は、FPGAによって実現され得る。その場合、全てまたは一部の機能ブロックは、ハードウェアで実現され得る。また、複数のFPGAを用いて処理を分散させることにより、特定のコンピュータの演算負荷を分散させることができる。その場合、図7に示される機能ブロックの全てまたは一部は、その複数のFPGAに分散して実装され得る。複数のFPGAは、例えば車載のコントロールエリアネットワーク(CAN)によって互いに接続され、データの送受信を行うことができる。 
[0054]
演算コアユニット110は、例えば、電流I a、I b、リファレンス電圧V a *、V b *およびV c *を取得して各種の演算を行うことにより、測定トルク角δ s、推定トルク角δ sl1、δ sl2、測定ロータ角θ s、および推定ロータ角θ slを生成する。測定トルク角δ s、推定トルク角δ sl1、およびδ sl2は、故障検出ユニット120に出力され、測定ロータ角θ sおよび推定ロータ角θ slはセレクタ130に出力される。本明細書において、モータMのU相の巻線に流れる電流をI a、モータMのV相の巻線に流れる電流をI b、および、モータMのW相の巻線に流れる電流をI cとする。 
[0055]
例えば、三相通電制御において、各相を流れる電流の総和はゼロになる。換言すると、電流I a、I bおよびI cの総和はゼロになる関係が満たされる。演算コアユニット110は、電流I a、I bおよびI cのうちの2つの電流を受け取って残りの1つの電流を演算により求める。本実施形態では、演算コアユニット110は、電流センサ500Aで測定された電流I aおよび電流センサ500Bで測定された電流I bを取得する。演算コアユニット110は、電流I a、I bおよびI cの総和はゼロになる上記関係を用いて、電流I a、I bに基づいて電流I cを演算する。これにより、電流I a、I bおよびI cが獲得される。なお、3つの電流センサを用いて測定された電流I a、I bおよびI cが演算コアユニット110に入力されてもよい。 
[0056]
演算コアユニット110は、ベクトル制御などに用いられるいわゆるクラーク変換を用いて、電流I a、I bおよびI cを、αβ固定座標系における、α軸上の電流I αおよびβ軸上の電流I βに変換する。ここで、αβ固定座標系は静止座標系であり、三相のうちの一相の方向(例えばU相方向)がα軸であり、α軸と直交する方向がβ軸である。 
[0057]
演算コアユニット110はさらに、ベクトル制御などに用いられるいわゆるパーク変換を用いて、電流I α、I βを、dq回転座標系における、d軸上の電流I dおよびq軸上の電流I qに変換する。このパーク変換は、ロータの電気角θ eに基づいて行われる。ここで、dq回転座標系は、ロータと共に回転する回転座標系である。具体的に説明すると、演算コアユニット110は、下記の式(1)に基づいて、位置センサ700で測定されたロータの機械角θ mを電気角θ eに変換する。演算コアユニット110は、測定ロータ角θ sとして電気角θ eを設定し、測定ロータ角θ sをセレクタ130に出力する。



  θ e=(P/2)・θ m   式(1)



ここで、Pは極数である。 
[0058]
演算コアユニット110は、クラーク変換を用いて、リファレンス電圧V a *、V b *およびV c *を、αβ固定座標系における、α軸上のリファレンス電圧V α *およびβ軸上のリファレンス電圧V β *に変換する。リファレンス電圧V a *、V b *およびV c *は、インバータ300の各スイッチング素子を制御するための、上述したPWM信号を表す。 
[0059]
図8は、dq回転座標系におけるベクトル図である。 
[0060]
演算コアユニット110は、図8に示されるように、例えばdq回転座標系を基準とした逆起電力ベクトル(大きさV s)の、α軸上の成分BEMF αおよびβ軸上の成分BEMF βを演算する。具体的に説明すると、演算コアユニット110は、下記の式(2)に基づいて、電流I αおよびリファレンス電圧V α *の関数としてBEMF αを演算する。また、演算コアユニット110は、下記の式(2)に基づいて、電流I βおよびリファレンス電圧V β *の関数としてBEMF βを演算する。



 BEMF α=V α *-R・I α、  BEMF β=V β *-R・I β  式(2)



ここで、Rは電機子抵抗である。電機子抵抗Rは、例えばコントローラ100のコアによって演算コアユニット110に設定される。 
[0061]
演算コアユニット110は、逆起電力ベクトルの大きさBEMF(=V s)を下記の式(3)に基づいて演算する。



  BEMF=(BEMF α 2+BEMF β 21/2   式(3)


[0062]
演算コアユニット110は、測定トルク角δ sを下記の式(4)に基づいて演算する。この演算により、位置センサ700によって測定される測定ロータ角θ sに基づく測定トルク角δ sが獲得される。トルク角は、一般に負荷角とも呼ばれる。トルク角δは、図8に示されるように、dq回転座標系において、例えば逆起電力ベクトルとq軸との間の角度であって、反時計方向を正の方向とする角度である。



  δ s=tan― 1〔(V d-R・I d)/(V q-R・I q)〕   式(4)



ここで、V dは電機子電圧のd軸成分であり、V qは電機子電圧のq軸成分である。 
[0063]
演算コアユニット110は、互いに異なる2つのセンサレス制御アルゴリズムに基づいて推定トルク角δ sl1、δ sl2を演算する。演算コアユニット110は、例えば下記の式(5)および(6)に基づいて推定トルク角δ sl1、δ sl2を演算することができる。この演算により、2つの推定トルク角δ sl1、δ sl2が獲得される。



 δ sl1=sin -1〔(L・I s・cosΦ)/Ψ m〕   式(5)



 δ sl2=cot -1{〔Ψ s/(L・I s・cosΦ)〕-tanΦ} 式(6)



ここで、Lは電機子インダクタンスであり、I sは、図8に示される電機子電流ベクトルの大きさを表す。角度Φは、図8に示される、電機子電流ベクトルと逆起電力ベクトルとの間の角度を表す。また、図8において、Ψ mは、例えばロータの永久磁石に起因する磁束(「磁石磁束」と呼ぶ。)のベクトルの大きさを指し、Ψ aは、ステータの巻線が作る磁束(「電機子磁束」と呼ぶ。)のベクトルの大きさを指す。Ψ sは、磁石磁束ベクトルおよび電機子磁束ベクトルを合成することによって得られる合成磁束ベクトルの大きさを指す。 
[0064]
本開示のセンサレス制御アルゴリズムは、上述した演算式を用いる手法に限定されない。公知の様々の手法を広く採用することができる。例えば、非特許文献1に開示された手法を用いることができる。複数の異なる手法を用いてトルク角を推定することにより、センサの故障を検出する方法は、本開示の範疇である。 
[0065]
図9は、電気角θ e、負荷角δ、推定位相角ρ s、および合成磁束ベクトルの間の関係を示す。 
[0066]
推定位相角ρ sは、図9に示されるように、例えばαβ固定座標系において、合成磁束ベクトルとα軸との間の角度によって定義され、反時計方向を正の方向とする角度である。推定位相角ρ sは下記の式(7)に基づいて求まる。



  ρ s=tan― 1(Ψ β/Ψ α)   式(7)



ここで、逆起電力と磁束との間には、BEMF α/BEFM=Ψ β/Ψ s、BEMF β/BEFM=Ψ α/Ψ sの関係が成立する。この関係を用いて式(7)を変形することにより、式(8)が導出される。演算コアユニット110は、推定位相角ρ sを式(8)に基づいて演算する。



  ρ s=tan― 1(BEMF β/BEMF α)   式(8)


[0067]
演算コアユニット110は、例えば2つの推定ロータ角θ sl1、θ sl2を下記の式(9)に基づいて演算する。演算コアユニット110は、2つの推定ロータ角θ sl1、θ sl2の少なくとも1つを用いて推定ロータ角θ slを生成する。具体例を説明すると、演算コアユニット110は、推定ロータ角θ sl1またはθ sl2を推定ロータ角θ slとして決定してもよいし、2つの推定ロータ角θ sl1、θ sl2の平均値を推定ロータ角θ slとして決定してもよい。



  θ sl1=ρ s-δ sl1、θ sl2=ρ s-δ sl2   式(9)


[0068]



 次に、図10を参照しながら、故障検出ユニット120を詳細に説明する。


[0069]
図10は、故障検出ユニット120の機能ブロックを模式的に示す。 
[0070]
故障検出ユニット120は、演算コアユニット110から、測定トルク角δ s、推定トルク角δ sl1およびδ sl2を受け取り、シャットダウン信号、報知信号およびSEL信号を生成することができる。故障検出ユニット120は、3つのコンパレータ121A、121Bおよび121Cと、テーブル122とを有する。故障検出ユニット120には、いわゆる投票システムが採用される。 
[0071]
各コンパレータは、2入力および1出力を有する。各コンパレータは、2つの入力の誤差を演算し、その誤差と所定の許容値(Angle Max)との間のレベルの大小を比較する。例えば、各コンパレータは、誤差が所定の許容値以上であるとき、ハイレベル(Hi)のデジタル信号「1」を出力し、誤差が所定の許容値未満であるとき、ローレベル(Lo)のデジタル信号「0」を出力する。所定の許容値は、例えば要求されるモータ制御システムの感度などを考慮して決定され得る。所定の許容値は、例えば10°程度とすることができる。所定の許容値を高く設定することで、許容される誤差はより大きくなり、所定の許容値を低く設定することで、許容される誤差はより小さくなる。 
[0072]
故障検出ユニット120は、1つの測定トルク角δ s、2つの推定トルク角δ sl1およびδ sl2から成る集合に対して、組み合わせし得る、2つのトルク角の全組み合わせを求めて、各組み合わせに対し誤差を決定する演算を実行することができる。この例では、3つの入力からなる集合に対し、3つの組み合わせ{(δ s、δ sl1)、(δ sl1、δ sl2)、(δ sl2、δ s)}が得られる。 
[0073]
コンパレータ121Aに、測定トルク角δ sおよび推定トルク角δ sl1が入力される。コンパレータ121Aは、測定トルク角δ sおよび推定トルク角δ sl1の間の誤差を算出し、誤差と所定の許容値との比較結果に応じた信号comp1を出力する。コンパレータ121Bに、2つの推定トルク角δ sl1、δ sl2が入力される。コンパレータ121Bは、2つの推定トルク角δ sl1、δ sl2の間の誤差を算出し、誤差と所定の許容値との比較結果に応じた信号comp2を出力する。コンパレータ121Cに、推定トルク角δ sl2および測定トルク角δ sが入力される。コンパレータ121Cは、推定トルク角δ sl2および測定トルク角δ sの間の誤差を算出し、誤差と所定の許容値との比較結果に応じた信号comp3を出力する。 
[0074]
テーブル122は、複数の制御モードと、演算された誤差群に関する複数の参照パターンとの間の関係を表す。上述した信号comp1、2および3によって、誤差群が構成される。複数の制御モードは、上述したセンサモード、センサレスモードおよびシャットダウンモードを有する。 
[0075]
(1)センサモードは、モータ制御を、少なくとも1つの測定ロータ角θ sを用いて実行するモードである。本実施形態では、センサモードは、モータ制御を、1つの測定ロータ角θ sを用いて実行するモードである。 
[0076]
(2)センサレスモードは、モータ制御を、2つのセンサレス制御アルゴリズムを利用してそれぞれ推定される2つの推定ロータ角θ sl1、θ sl2の少なくとも1つを用いて実行するモードである。 
[0077]
(3)シャットダウンモードは、モータ制御を完全にシャットダウンするモードである。 
[0078]
表1は、本実施形態による、3つの制御モードと複数の参照パターンとの間の具体的な関係を示す。故障検出ユニット120は、テーブル122を参照して、3つの制御モードの中からモータの制御モードを選択する。 
[0079]
[表1]


[0080]
誤差群中の3つの信号comp1、2および3の全てがハイレベルであるとき、換言すると、3つの組み合わせの全ての誤差が所定の許容値以上であるとき、故障検出ユニット120は、シャットダウンモードを選択し、例えばシャットダウン信号および報知信号を「1」にアサートする。シャットダウン信号は、シャットダウン回路400(図1を参照)に出力される。これにより、モータ制御システム1000は停止する。また、報知信号は、ランプ800に出力される。これにより、ランプ800の明滅等によりセンサ故障が発生したことを運転者に警告(注意喚起)することができる。 
[0081]
例えば、上述したEPS用のモータ制御システムを考える。その場合、シャットダウン信号によってモータ制御システム1000を完全に停止することで、センサおよびセンサレス制御によるモータ制御システム1000の誤動作を未然に防止することができる。さらに、報知信号によって警告ランプが点灯および明滅するため、運転者に故障の発生を即座に警告できる。運転者はその警告に従って慎重にステアリング操作を行いながら、例えば路肩に自動車を安全に停止させることができる。このように、シャットダウン信号および報知信号によると、運転者の安全を確保することができる。 
[0082]
誤差群の3つの信号comp1、2および3のうち、信号comp2がローレベルであり、かつ、残りの2つの信号comp1、3の少なくとも1つがハイレベルであるとき、故障検出ユニット120は、センサレスモードを選択する。このとき、故障検出ユニット120は、例えば「1」を示すsel信号を生成してセレクタ130に出力する。なお、シャットダウン信号および報知信号はネゲートされた状態に維持される。 
[0083]
ハイレベルの信号comp1および3は、2つの推定ロータ角θ sl1、θ sl2の値が妥当ではないことを示す。この現象は、例えば、センサレス制御アルゴリズムに必要な電機子電流を測定するための電流センサ500の故障に起因して発生し得る。 
[0084]
故障検出ユニット120は、上記の条件以外において、センサモードを選択し、センサ制御を維持する。このとき、故障検出ユニット120は、例えば「0」を示すsel信号を生成してセレクタ130に出力する。なお、シャットダウン信号および報知信号はネゲートされた状態に維持される。 
[0085]
再び図7を参照する。 
[0086]
セレクタ130に、測定ロータ角θ sおよび推定ロータ角θ slが入力される。セレクタ130はsel信号に応じて測定ロータ角θ sまたは推定ロータ角θ slをモータ制御ユニット140に出力する。詳細に説明すると、sel信号が「0」を示すとき、セレクタ130は測定ロータ角θ sを選択し、sel信号が「1」を示すとき、セレクタ130は推定ロータ角θ slを選択する。これにより、故障検出ユニット120の検出結果に応じたロータ角がモータ制御ユニット140に出力される。 
[0087]
モータ制御ユニット140は、例えば一般的なベクトル制御に必要な演算を行う。なお、ベクトル制御は周知の技術であるので、その制御についての詳細な説明は省略する。モータ制御ユニット140は、センサ制御またはセンサレス制御によってモータMを制御することが可能である。モータ制御ユニット140は通常、センサモードの下で、測定ロータ角θ sを用いてセンサ制御を行う。故障検出ユニット120がセンサ制御の異常を検出すると、モータ制御ユニット140は、センサレスモードの下で、推定ロータ角θ slを用いてセンサレス制御を行う。 
[0088]
上述したモータ制御ユニット140は、例えばベクトル制御のために、電流Ia、IbおよびIcを電流I α、I βにクラーク変換によって変換する機能を有していてもよい。モータ制御ユニット140は、電流I α、I βを電流Id、Iqにパーク変換によって変換する機能をさらに有していてもよい。その場合、演算コアユニット110は、自身で演算する代わりに、電流I α、I β、電流IdおよびIqの少なくとも1つをモータ制御ユニット140から獲得してもよい。 
[0089]
本実施形態によれば、簡素化されたアルゴリズムを用いて、センサおよびセンサレス制御の異常を検出することができ、かつ、所定の条件下でモータ制御システムを停止させることが可能となる。その結果、モータ制御システムの安全性をさらに向上させることができる。 
[0090]
(実施形態2)



 図11は、本実施形態による、2つの位置センサ700を有するモータ制御システム1000のハードウェア構成を模式的に示す。 
[0091]
本開示のモータ制御システムは、少なくとも1つの位置センサ700を有し得る。例えば、図11に示されるように、本実施形態によるEPS用のモータ制御システム1000は、2つの位置センサ700を有する。この場合、演算コアユニット110は、2つの位置センサ700によって測定された2つの測定ロータ角θ s1、θ s2に基づく2つの測定トルク角δ s1、δ s2を、上述した手順に従って演算する。2つの測定トルク角δ s1、δ s2は、故障検出ユニット120に出力される。本実施形態では、演算コアユニット110は、測定ロータ角θ s1またはθ s2を測定ロータ角θ sとして決定してもよいし、測定ロータ角θ s1、θ s2の平均値を測定ロータ角θ sとして決定してもよい。 
[0092]
図12は、2つの位置センサ700を用いた場合の故障検出ユニット120の詳細な機能ブロックを模式的に示す。 
[0093]
故障検出ユニット120は、2つの測定トルク角δ s1、δ s2と、2つの推定トルク角δ sl1、δ sl2とから成る集合に対して、組み合わせし得る、2つのトルク角の全組み合わせを求めて、各組み合わせに対し誤差を決定する演算を実行することができる。この例では、4つの入力からなる集合に対し、6つの組み合わせ{(δ s1、δ s2)、(δ s1、δ sl1)、(δ s1、δ sl2)、(δ s2、δ sl1)、(δ s2、δ sl2)、(δ sl1、δ sl2)}が得られる。 
[0094]
本実施形態では、故障検出ユニット120は、6つの組み合わせに対応した6つのコンパレータ121A~121Fを有する。6つのコンパレータ121A~121Fは、6つの信号comp1~6を上述した比較結果に応じて出力する。 
[0095]
表2は、本実施形態による、3つの制御モードと複数の参照パターンとの間の具体的な関係を示す。 
[0096]
[表2]


[0097]
誤差群中の6つの信号comp1~6の全てがハイレベルであるとき、換言すると、6つの組み合わせの全ての誤差が所定の許容値以上であるとき、故障検出ユニット120は、シャットダウンモードを選択し、例えばシャットダウン信号および報知信号を「1」にアサートする。 
[0098]
表2において、センサレスモードの上段は、2つの位置センサ700のうちの1つが故障し、測定トルク角δ s1が妥当ではないときの参照パターンを示す。センサレスモードの中段は、2つの位置センサ700のうちの1つが故障し、測定トルク角δ s2が妥当ではないときの参照パターンを示す。センサレスモードの下段は、2つの位置センサ700が故障し、測定トルク角δ s1、δ s2の両方がいずれも妥当ではないときの参照パターンを示す。 
[0099]
誤差群中の6つの信号comp1~6のうち、信号comp6がローレベルであり、かつ、残りの5つの信号comp1~5の少なくとも1つがハイレベルであるとき、故障検出ユニット120は、センサレスモードを選択する。換言すると、1つの組み合わせ中の、2つの推定トルク角δ sl1、δ sl2の間の誤差が所定の許容値未満であり、かつ、残りの組み合わせ中の誤差群のうちの少なくとも1つが所定の許容値以上であるとき、故障検出ユニット120は、センサレスモードを選択する。このとき、故障検出ユニット120は、例えば「1」を示すsel信号を生成してセレクタ130に出力する。 
[0100]
故障検出ユニット120は、上記の条件以外において、センサモードを選択し、センサ制御を継続させる。このとき、故障検出ユニット120は、例えば「0」を示すsel信号を生成してセレクタ130に出力する。 
[0101]
本実施形態によれば、2つ以上の位置センサを有するモータ制御システムにおいて、簡素化されたアルゴリズムを用いて、センサおよびセンサレス制御の異常を検出することができ、かつ、所定の条件下でモータ制御システムを停止させることが可能となる。これにより、例えばモータ制御システム1000を高機能EPS用システムに適用することにより、EPSの安全性をさらに向上させることができる。 
[0102]
以下に、本開示によるセンサ故障検出に用いられるアルゴリズムの妥当性を、MathWorks社のMatlab/Simulinkを用いて検証した結果を示す。この検証には、表面磁石型(SPM)モータのモデルが用いられた。表3には、検証時の各種システムパラメータの値が示される。 
[0103]
[表3]


[0104]
図13は、従来のモータ制御システムにおいて位置センサとしてMRセンサを用いる場合、マグネットセンサの位置ずれが生じたときの、位置センサエラー(角度)およびトルク変動を示すグラフである。位置センサエラーは、マグネットセンサの回転角を表す。図14は、所定期間(0.49秒から0.51秒)内の、トルク波形、三相電流(I a、I b、I c)の波形、および三相電圧(V a、V b、V c)の波形を示す。図13の横軸は時間(s)を示し、縦軸は、トルク(N・m)およびマグネットセンサの回転角を示す。図14の横軸は時間(ms)を示し、縦軸は、トルク(N・m)、電流(A)および電圧(V)を示す。 
[0105]
図13には、時刻0.5sで、マグネットセンサがシャフトの軸回りを-90度(時計回りに90度)回転したときのトルク変動を示す。マグネットセンサが回転を開始する時刻0.5sにおいてトルクが正から負の方向に瞬時に変動することが分かる。 
[0106]
図15は、所定期間(0秒から2.5秒)中に、マグネットセンサの回転角度が変動したときのトルク変動を示す。横軸は時間(s)を示し、縦軸はトルク(N・m)を示す。マグネットセンサが一旦回転すると、その後、その回転角度は時々刻々と変化し得る。この例では、マグネットセンサは、まず、時刻0.5sで初期位置を基準として-30度回転した状態になり、時刻1.5sで初期位置を基準として30度回転した状態になり、時刻2.0sで初期位置を基準として60度回転した状態になると仮定する。マグネットセンサの回転角度に応じてトルク変動量も変化する。図15のグラフに示される時刻0から0.5sの期間は、センサマグネットの位置ずれは生じていない。この期間のトルクを基準とすると、センサマグネットが-30度および60度回転したときのトルクはその基準よりも小さくなり(「アンダーステアリング」と呼ぶ。)、一方で、センサマグネットが30度回転したときのトルクはその基準よりも大きくなる(「オーバーステアリング」と呼ぶ)ことが分かる。 
[0107]
図16は、本開示によるモータ制御システム1000において位置センサとしてMRセンサ710を用いる場合、マグネットセンサ720の位置ずれが生じたときのトルク変動を示すグラフである。図17は、所定期間(0.49秒から0.51秒)内の、トルク波形、三相電流の波形、および三相電圧の波形を示す。図16の横軸は時間(s)を示し、縦軸は、トルク(N・m)を示す。図17の横軸は時間(ms)を示し、縦軸は、トルク(N・m)、電流(A)および電圧(V)を示す。 
[0108]
このシミュレーションでは、マグネットセンサ720は時刻0.5sで90回転し、トルクは時刻0.5sにおいて瞬時に変動するが、トルクは、位置ずれが発生する前のトルク(ターゲットトルク)に短期間で戻ることができる。具体的に説明すると、故障検出ユニット120は、時刻0.5sでセンサ制御の異常を検出し、制御モードをセンサモードからセンサレスモードに切替える。この切替えにより、EPSは、運転者のステアリング操作を継続して補助することが可能となる。 
[0109]
図18は、本開示のモータ制御システム1000において、所定期間(0秒から2.5秒)内で、マグネットセンサ720の回転角度が変動したときのトルク変動を示す。横軸は時間(s)を示し、縦軸はトルク(N・m)を示す。 
[0110]
マグネットセンサ720は、上述したように、まず、時刻0.5sで初期位置を基準として-30度回転した状態となり、時刻1.5sで初期位置を基準として30度回転した状態となり、時刻2.0sで初期位置を基準として60度回転した状態になると仮定する。図18のグラフに示されるように、最初の位置ずれが生じた時刻0.5sで、トルクは瞬時に変動するものの、その後は、マグネットセンサの回転角度が変化しても、トルクは、短期間でターゲットトルクに戻ることができる。アンダーステアリングおよびオーバーステアリングは生じないことが分かる。 
[0111]
(実施形態3)



 図19は、本実施形態によるEPSシステム2000の典型的な構成を模式的に示す。 
[0112]
自動車等の車両は一般に、EPSシステムを有する。本実施形態によるEPSシステム2000は、ステアリングシステム520、および補助トルクを生成する補助トルク機構540を有する。EPSシステム2000は、運転者がステアリングハンドルを操作することによって発生するステアリングシステムの操舵トルクを補助する補助トルクを生成する。補助トルクにより、運転者の操作の負担は軽減される。 
[0113]
ステアリングシステム520は、例えば、ステアリングハンドル521、ステアリングシャフト522、自在軸継手523A、523B、回転軸524、ラックアンドピニオン機構525、ラック軸526、左右のボールジョイント552A、552B、タイロッド527A、527B、ナックル528A、528B、および左右の操舵車輪529A、529Bから構成され得る。 
[0114]
補助トルク機構540は、例えば、操舵トルクセンサ541、自動車用電子制御ユニット(ECU)542、モータ543および減速機構544などから構成される。操舵トルクセンサ541は、ステアリングシステム520における操舵トルクを検出する。ECU542は、操舵トルクセンサ541の検出信号に基づいて駆動信号を生成する。モータ543は、駆動信号に基づいて操舵トルクに応じた補助トルクを生成する。モータ543は、減速機構544を介してステアリングシステム520に、生成した補助トルクを伝達する。 
[0115]
ECU542は、例えば、実施形態1によるコントローラ100および駆動回路200などを有する。自動車ではECUを核とした電子制御システムが構築される。EPSシステム2000では、例えば、ECU542、モータ543およびインバータ545によって、モータ制御システムが構築される。そのモータ制御システムとして、実施形態1によるモータ制御システム1000を好適に用いることができる。 
[0116]
本開示の実施形態は、センサの故障検出能力が求められる、シフトバイワイヤ、ステアリングバイワイヤ、ブレーキバイワイヤおよびトラクションモータなどのモータ制御システムにも好適に用いられる。例えば、本開示の実施形態によるモータ制御システムは、日本政府および米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によって定められたレベル0から4(自動化の基準)に対応した自動運転車に搭載され得る。

産業上の利用可能性

[0117]
本開示の実施形態は、掃除機、ドライヤ、シーリングファン、洗濯機、冷蔵庫および電動パワーステアリングシステムなどの、各種モータを有する多様な機器に幅広く利用され得る。

符号の説明

[0118]
100:コントローラ、110:演算コアユニット、120:故障検出ユニット、130:セレクタ、140:モータ制御ユニット、200:駆動回路、300:インバータ、400:シャットダウン回路、500、500A、500B:電流センサ、600:ADコンバータ、700:位置センサ、710:MRセンサ、720:センサマグネット、800:ランプ、900:ROM、1000:モータ制御システム、2000:EPSシステム

請求の範囲

[請求項1]
少なくとも1つの測定トルク角および2つの推定トルク角を獲得するステップであって、前記少なくとも1つの測定トルク角は、少なくとも1つの位置センサによって測定される少なくとも1つの測定ロータ角に基づき、前記2つの推定トルク角は、2つのセンサレス制御アルゴリズムに基づく、ステップと、



 前記少なくとも1つの測定トルク角および前記2つの推定トルク角から成る集合に対し、組み合わせし得る、2つのトルク角の全組み合わせを求めて、各組み合わせに対し誤差を決定する演算を実行する、ステップと、



 センサモード、センサレスモードおよびシャットダウンモードを有する複数の制御モードの中から前記モータの制御モードを選択するステップであって、前記選択は、前記複数の制御モードと、前記演算された誤差群に関する複数の参照パターンとの間の関係を表すテーブルを参照してなされる、ステップと、



 選択された前記制御モードに従って前記モータを制御するステップと、



を包含し、



 前記センサモードは、モータ制御を、前記少なくとも1つの測定ロータ角を用いて実行するモードであり、



 前記センサレスモードは、前記モータ制御を、前記2つのセンサレス制御アルゴリズムを利用してそれぞれ推定される2つの推定ロータ角の少なくとも1つを用いて実行するモードであり、



 前記シャットダウンモードは、前記モータ制御を完全にシャットダウンするモードである、モータ制御方法。
[請求項2]
前記2つのセンサレス制御アルゴリズムは互いに異なる、請求項1に記載のモータ制御方法。
[請求項3]
前記テーブルを参照して前記制御モードを選択するステップにおいて、前記全組み合わせ中の全ての誤差が所定値以上であるとき、前記シャットダウンモードを選択する、請求項1または2に記載のモータ制御方法。
[請求項4]
前記テーブルを参照して前記制御モードを選択するステップにおいて、1つの組み合わせ中の、前記2つの推定トルク角の間の誤差が所定値よりも小さく、かつ、残りの組み合わせ中の誤差群のうちの少なくとも1つが前記所定値以上であるとき、前記センサレスモードを選択する、請求項1または2に記載のモータ制御方法。
[請求項5]
前記テーブルを参照して前記制御モードを選択するステップにおいて、



 前記全組み合わせ中の全ての誤差が所定値以上であるとき、前記シャットダウンモードを選択し、



 前記2つの推定トルク角の間の、1つの組み合わせ中の誤差が所定値よりも小さく、かつ、残りの組み合わせ中の誤差群のうちの少なくとも1つが前記所定値以上であるとき、前記センサレスモードを選択し、



 上記以外のとき、前記センサモードを選択する、請求項1または2に記載のモータ制御方法。
[請求項6]
前記少なくとも1つの位置センサは、磁気抵抗センサを備える、請求項1から5のいずれかに記載のモータ制御方法。
[請求項7]
モータと、



 前記モータのロータ角を検出する少なくとも1つの位置センサと、



 前記モータの制御モードを選択し、選択した制御モードに従って前記モータを制御する制御回路と、



を備え、



 前記制御回路は、



  少なくとも1つの測定トルク角および2つの推定トルク角を獲得し、前記少なくとも1つの測定トルク角は、前記少なくとも1つの位置センサによって測定される少なくとも1つの測定ロータ角に基づき、前記2つの推定トルク角は、2つのセンサレス制御アルゴリズムに基づき、



  前記少なくとも1つの測定トルク角および前記2つの推定トルク角から成る集合に対し、組み合わせし得る、2つのトルク角の全組み合わせを求めて、各組み合わせに対し誤差を決定する演算を実行し、各誤差は、各組み合わせにおける2つのトルク角の間で求まり、



  センサモード、センサレスモードおよびシャットダウンモードを有する複数の制御モードの中から前記モータの制御モードを選択し、前記選択は、前記複数の制御モードと、前記演算された誤差群に関する複数の参照パターンとの間の関係を表すテーブルを参照してなされ、



  選択された前記制御モードに従って前記モータを制御し、



 前記センサモードは、モータ制御を、前記少なくとも1つの測定ロータ角を用いて実行するモードであり、



 前記センサレスモードは、前記モータ制御を、前記2つのセンサレス制御アルゴリズムを利用してそれぞれ推定される2つの推定ロータ角の少なくとも1つを用いて実行するモードであり、



 前記シャットダウンモードは、前記モータ制御を完全にシャットダウンするモードである、モータ制御システム。
[請求項8]
請求項7に記載のモータ制御システムを備える電動パワーステアリングシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]