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1. (WO2018025961) 弾性表面波フィルタ、高周波モジュールおよびマルチプレクサ
Document

明 細 書

発明の名称 弾性表面波フィルタ、高周波モジュールおよびマルチプレクサ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022  

発明の効果

0023  

図面の簡単な説明

0024  

発明を実施するための形態

0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126  

産業上の利用可能性

0127  

符号の説明

0128  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2A   2B   3   4   5   6A   6B   6C   6D   7   8A   8B   8C   8D   9A   9B   9C   9D   10   11A   11B   11C   11D   12   13A   13B   13C   13D   14   15A   15B   15C   15D  

明 細 書

発明の名称 : 弾性表面波フィルタ、高周波モジュールおよびマルチプレクサ

技術分野

[0001]
 本発明は、弾性表面波フィルタおよび弾性表面波フィルタを用いた高周波モジュール等に関する。

背景技術

[0002]
 従来、移動体通信機器の受信回路モジュールに用いられるフィルタとして、弾性波フィルタが使用されている。近年の通信周波数帯域の広帯域化に伴い、受信回路モジュールの受信感度の向上のため、低損失化の要求が高まっている。この要求を満たすために、例えば、縦結合型の弾性表面波フィルタを用いた技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。この縦結合型の弾性表面波フィルタは、共振モードとして0次モードと2次モードとを有している。
[0003]
 特許文献1に記載の技術では、縦結合型の弾性表面波フィルタは、複数の電極指を有するIDT(InterDigital Transducer)電極を備えている。IDT電極の電極指ピッチは、複数種類存在している。複数種類の電極指ピッチは、副励振領域において段階的に変化するように配置されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 国際出願第2003/003574号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 従来技術にかかる弾性表面波フィルタにおいて帯域幅を広くする場合、IDT電極のメインピッチを変更する方法がある。しかし、この方法では、弾性表面波フィルタにおいて複数の共振モードの共振周波数の間隔が広がることにより、共振モード間の結合が弱まり、弾性表面波フィルタの出力端から出力端子側をみたときに、スミスチャート上で、通過帯域内の出力インピーダンスの巻きの集中度が劣化する、すなわち、出力インピーダンスの巻きが広がるという問題が生じる。これは、通過帯域内において出力インピーダンスにばらつきが生じることを示している。
[0006]
 上記課題に鑑み、本発明は、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる弾性表面波フィルタ、高周波モジュールおよびマルチプレクサを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本発明にかかる弾性表面波フィルタの一態様は、縦結合型の弾性表面波フィルタであって、前記弾性表面波フィルタは、弾性表面波の伝搬方向に連続して配置された3つの共振子を備え、前記3つの共振子のそれぞれは、バスバー電極と前記バスバー電極に接続された互いに平行な複数の電極指とを有する一対の櫛形電極を有し、一対の前記櫛形電極は、互いの前記複数の電極指が前記弾性表面波伝搬方向に交互に位置するように配置されており、前記3つの共振子のうち中央に配置された第1の共振子は、前記弾性表面波フィルタにおける入力端子および出力端子のうちの一方に接続され、前記第1の共振子に隣接して配置された第2の共振子と、前記第1の共振子に隣接し前記第1の共振子に対して前記第2の共振子と反対側に配置された第3の共振子は、前記入力端子および前記出力端子のうちの他方に接続され、前記第2の共振子および前記第3の共振子のうちの少なくとも一方は、前記電極指のピッチが異なる3つ以上の領域を有し、前記3つ以上の領域のそれぞれでは、前記電極指のピッチは一定であり、前記3つ以上の領域のうち、前記第1の共振子に最も近い第1の領域における前記電極指のピッチは最も小さく、前記3つ以上の領域のうち、前記第1の領域に隣接する第2の領域における前記電極指のピッチは最も大きい。
[0008]
 これにより、弾性表面波フィルタを構成する3つの共振子のうちの一端に配置された共振子について、第1の領域における電極指のピッチを最も小さくし、第2の領域における前記電極指のピッチを最も大きくするので、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0009]
 また、前記第2の共振子および前記第3の共振子の両方は、前記電極指のピッチが異なる前記3つ以上の領域を有し、前記第2の共振子および前記第3の共振子のそれぞれにおいて、前記3つ以上の領域のうち、前記第1の領域における前記電極指のピッチは最も小さく、前記3つ以上の領域のうち、前記第2の領域における前記電極指のピッチは最も大きくてもよい。
[0010]
 これにより、弾性表面波フィルタを構成する3つの共振子のうちの両端に配置された共振子の両方について、第1の領域における電極指のピッチを最も小さくし、第2の領域における前記電極指のピッチを最も大きくするので、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりをより抑制するとともに、通過帯域幅をより広くすることができる。
[0011]
 また、前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域と、前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域に対応する前記第3の共振子の前記3つ以上の領域の各領域とは、前記電極指のピッチがそれぞれ同一であってもよい。
[0012]
 これにより、弾性表面波フィルタを構成する3つの共振子のうちの両端に配置された共振子について、3つの共振子のうちの中央に配置された電極指に対して電極指のピッチを対称にするので、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりをより抑制するとともに、通過帯域幅をより広くすることができる。
[0013]
 また、前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域と、前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域に対応する前記第3の共振子の前記3つ以上の領域の各領域とは、前記電極指の対数がそれぞれ同一であってもよい。
[0014]
 これにより、弾性表面波フィルタを構成する3つの共振子のうちの両端に配置された共振子について、3つの共振子のうちの中央に配置された電極指に対して電極指の対数を対称にするので、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりをより抑制するとともに、通過帯域幅をより広くすることができる。
[0015]
 また、前記電極指のピッチが異なる3つ以上の領域を有する前記第2の共振子および前記第3の共振子の少なくともいずれかは、前記第1の領域における前記電極指の対数が前記第1の領域以外の領域の前記電極指の対数の合計よりも少なくてもよい。
[0016]
 これにより、第1の領域の電極指のピッチは他の領域の電極指のピッチよりも小さく、かつ、第1の領域の電極指の対数は他の領域の電極指の対数よりも少ない構成とすることにより、いわゆる狭ピッチの領域をもつ弾性表面波を構成することができる。よって、より伝送特性のよい弾性表面波フィルタを実現することができる。
[0017]
 また、前記第1の共振子は、前記弾性表面波フィルタにおける前記入力端子に接続され、前記第2の共振子および前記第3の共振子は、前記弾性表面波フィルタにおける前記出力端子に接続されていてもよい。
[0018]
 これにより、第1の共振子が入力端子に接続され、第2の共振子および前記第3の共振子が出力端子に接続される場合であっても、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制するとともに、通過帯域幅を広くすることができる。
[0019]
 また、上記目的を達成するために、本発明にかかる高周波モジュールの一態様は、上述した特徴を有する弾性表面波フィルタと、前記弾性表面波フィルタに接続され、前記弾性表面波フィルタを通過した高周波信号を増幅する低雑音増幅器とを備える。
[0020]
 これにより、弾性表面波フィルタと低雑音増幅器とのマッチングを良好にし、高周波モジュールについて、通過帯域内における出力インピーダンスを安定するとともに、通過帯域幅を広くすることができる。
[0021]
 また、上記目的を達成するために、本発明にかかるマルチプレクサの一態様は、上述した特徴を有する弾性表面波フィルタを複数備え、前記複数の弾性表面波フィルタのそれぞれは、共通端子に接続されている。
[0022]
 これにより、複数の弾性表面波フィルタの通過帯域内における出力インピーダンスを安定するとともに、通過帯域幅を広くすることができる。したがって、マルチプレクサについて、各通過帯域の出力インピーダンスを安定するとともに、通過帯域幅を広くすることができる。

発明の効果

[0023]
 本発明によれば、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる弾性表面波フィルタ、高周波モジュールおよびマルチプレクサを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] 図1は、実施の形態1にかかる高周波モジュールの構成を示す概念図である。
[図2A] 図2Aは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの構成を示す概略図である。
[図2B] 図2Bは、図2Aに示した弾性表面波フィルタの構成の具体例を示す概略図である。
[図3] 図3は、一般的な弾性表面波フィルタの構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示した一点鎖線における矢視断面図である。
[図4] 図4は、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの構成を示す概略図であり、(a)はピッチの異なる領域ごとに領域を分割して構成を示した概略図、(b)は各領域におけるピッチの大きさを相対的に示した図である。
[図5] 図5は、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの1つの共振子の構成を示す概略図である。
[図6A] 図6Aは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図6B] 図6Bは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの入力端子側の反射特性を示す図である。
[図6C] 図6Cは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図6D] 図6Dは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの出力端子側の反射特性を示す図である。
[図7] 図7は、比較例1にかかる弾性表面波フィルタの弾性表面波フィルタの構成を示す図である。
[図8A] 図8Aは、比較例1にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図8B] 図8Bは、比較例1にかかる弾性表面波フィルタの入力端子側の反射特性を示す図である。
[図8C] 図8Cは、比較例1にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図8D] 図8Dは、比較例1にかかる弾性表面波フィルタの出力端子側の反射特性を示す図である。
[図9A] 図9Aは、比較例2にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図9B] 図9Bは、比較例2にかかる弾性表面波フィルタの入力端子側の反射特性を示す図である。
[図9C] 図9Cは、比較例2にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図9D] 図9Dは、比較例2にかかる弾性表面波フィルタの出力端子側の反射特性を示す図である。
[図10] 図10は、実施の形態2にかかる弾性表面波フィルタの弾性表面波フィルタの構成を示す図であり、(a)はピッチの異なる領域ごとに領域を分割して構成を示した概略図、(b)は各領域におけるピッチの大きさを相対的に示した図である。
[図11A] 図11Aは、実施の形態2にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図11B] 図11Bは、実施の形態2にかかる弾性表面波フィルタの入力端子側の反射特性を示す図である。
[図11C] 図11Cは、実施の形態2にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図11D] 図11Dは、実施の形態2にかかる弾性表面波フィルタの出力端子側の反射特性を示す図である。
[図12] 図12は、実施の形態3にかかる弾性表面波フィルタの弾性表面波フィルタの構成を示す図である。
[図13A] 図13Aは、実施の形態3にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図13B] 図13Bは、実施の形態3にかかる弾性表面波フィルタの出力端子側の反射特性を示す図である。
[図13C] 図13Cは、実施の形態3にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図13D] 図13Dは、実施の形態3にかかる弾性表面波フィルタの入力端子側の反射特性を示す図である。
[図14] 図14は、実施の形態4にかかる弾性表面波フィルタの弾性表面波フィルタの構成を示す図であり、(a)はピッチの異なる領域ごとに領域を分割して構成を示した概略図、(b)は各領域におけるピッチの大きさを相対的に示した図である。
[図15A] 図15Aは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図15B] 図15Bは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの入力端子側の反射特性を示す図である。
[図15C] 図15Cは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの通過特性を示す図である。
[図15D] 図15Dは、実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタの出力端子側の反射特性を示す図である。

発明を実施するための形態

[0025]
 以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
[0026]
 また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。また、図示した電極構造では、本発明の理解を容易とするために、共振子および反射器における電極指の本数を実際の電極指の本数よりも少なく図示している。
[0027]
 (実施の形態1)
 以下、実施の形態について、図1~図9Dを用いて説明する。
[0028]
 [1.弾性表面波フィルタおよび高周波モジュールの構成]
 はじめに、本実施の形態にかかる高周波モジュール1の構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる高周波モジュール1の構成を示す概念図である。
[0029]
 図1に示すように、本実施の形態にかかる高周波モジュール1は、弾性表面波フィルタ10と低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)20とを備えている。弾性表面波フィルタ10は、一旦がアンテナ(図示せず)に接続され、他端が低雑音増幅器20に接続されている。低雑音増幅器20は、受信後の微弱な電波をできるだけ雑音を増加させずに増幅する増幅器である。
[0030]
 なお、弾性表面波フィルタ10において、入力インピーダンスとは、高周波モジュール1の入力端子IN側から弾性表面波フィルタ10をみたときの弾性表面波フィルタ10のインピーダンスのことをいう。つまり、図1に矢印で示したSAW(Surface Acoustic Wave)入力側インピーダンスのことをいう。また、出力インピーダンスとは、高周波信号の出力先である低雑音増幅器20が接続された端子(図示せず)から弾性表面波フィルタ10をみたときの弾性表面波フィルタ10のインピーダンスのことをいう。つまり、図1に矢印で示したSAW出力側インピーダンスのことをいう。
[0031]
 弾性表面波フィルタ10は、縦結合型の弾性表面波フィルタである。図2Aに示すように、弾性表面波フィルタ10は、入力端子11と出力端子12との間に、共振子13、共振子14および共振子15と、反射器16および反射器17とを備えている。共振子13、共振子14および共振子15は、反射器16側から反射器17側へと、この順に配置されている。
[0032]
 図2Bに示すように、共振子13は、2つのIDT電極13aおよび13bが組み合わされた構成をしている。共振子13のIDT電極13aは、入力端子11に接続されている。IDT電極13bは、グランドに接続されている。同様に、共振子15は、2つのIDT電極15aおよび15bが組み合わされた構成をしている。共振子15のIDT電極15aは、入力端子11に接続されている。IDT電極15bは、グランドに接続されている。また、共振子13と共振子15との間に配置された共振子14は、2つのIDT電極14aおよび14bが組み合わされた構成をしている。共振子14のIDT電極14aは、グランドに接続されている。IDT電極14bは、出力端子12に接続されている。
[0033]
 また、反射器16は、2つのバスバー電極16aおよびバスバー電極16bと、バスバー電極16aとバスバー電極16bとの間に複数設けられ、バスバー電極16aおよびバスバー電極16bにそれぞれ両端が接続された電極指16cとを備えている。同様に、反射器17は、2つのバスバー電極17aおよびバスバー電極17bと、バスバー電極17aとバスバー電極17bとの間に複数設けられ、バスバー電極17aおよびバスバー電極17bにそれぞれ両端が接続された電極指17cとを備えている。
[0034]
 ここで、共振子の構成について、一般的な共振子100を用いてより詳細に説明する。図3は、一般的な弾性表面波フィルタの構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示した一点鎖線における矢視断面図である。
[0035]
 図3の(a)および(b)に示すように、共振子100は、圧電基板123と、櫛形形状を有する電極(櫛形電極)であるIDT電極101aおよびIDT電極101bとで構成されている。
[0036]
 圧電基板123は、例えば、所定のカット角で切断されたLiNbO の単結晶からなる。圧電基板123では、所定の方向に弾性表面波が伝搬する。
[0037]
 図3の(a)に示すように、圧電基板123の上には、対向する一対のIDT電極101aおよびIDT電極101bが形成されている。IDT電極101aは、互いに平行な複数の電極指110aと、複数の電極指110aを接続するバスバー電極111aとで構成されている。また、IDT電極101bは、互いに平行な複数の電極指110bと、複数の電極指110bを接続するバスバー電極111bとで構成されている。IDT電極101aとIDT電極101bとは、互いの複数の電極指110aおよび110bが弾性表面波伝搬方向に交互に位置するように配置されている。すなわち、IDT電極101aとIDT電極101bとは、IDT電極101aの複数の電極指110aのそれぞれの間に、IDT電極101bの複数の電極指110bのそれぞれが配置される構成となっている。
[0038]
 また、IDT電極101aおよびIDT電極101bは、図3の(b)に示すように、密着層124aと主電極層124bとが積層された構造となっている。
[0039]
 密着層124aは、圧電基板123と主電極層124bとの密着性を向上させるための層であり、材料としては、例えば、NiCrが用いられる。
[0040]
 主電極層124bは、材料として、例えば、Ptが用いられる。主電極層124bは、1つの層で構成された単層構造であってもよいし、複数の層が積層された積層構造であってもよい。
[0041]
 保護層125は、IDT電極101aおよびIDT電極101bを覆うように形成されている。保護層125は、主電極層124bを外部環境から保護する、周波数温度特性を調整する、および、耐湿性を高めるなどを目的とする層である。保護層125は、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜である。保護層125は、単層構造であってもよいし積層構造であってもよい。
[0042]
 なお、密着層124a、主電極層124bおよび保護層125を構成する材料は、上述した材料に限定されない。さらに、IDT電極101aおよびIDT電極101bは、上記積層構造でなくてもよい。IDT電極101aおよびIDT電極101bは、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Pdなどの金属又は合金から構成されてもよく、また、上記の金属又は合金から構成される層が複数積層された積層構造で構成されてもよい。また、保護層125は、形成されていなくてもよい。
[0043]
 ここで、IDT電極101aおよびIDT電極101bの設計パラメータについて説明する。図3の(b)に示すλは、IDT電極101aおよびIDT電極101bを構成する電極指110aおよび電極指110bのピッチという。弾性表面波フィルタにおいて、波長は、IDT電極101aおよびIDT電極101bを構成する複数の電極指110aおよび電極指110bのピッチλで規定される。ピッチλとは、詳細には、同一のバスバー電極に接続された隣り合う電極指において、一方の電極指の幅の中央から他方の電極指の幅の中央までの長さのことをいう。例えば、図3の(b)では、バスバー電極111aに接続された一の電極指110aの幅の中央から、当該一の電極指110aが接続されたバスバー電極111aと同一のバスバー電極111aに接続され、一の電極指110aに隣り合う他の電極指110aの幅の中央までの長さである。
[0044]
 なお、図3の(b)に示すWは、共振子100におけるIDT電極101aの電極指110aおよびIDT電極101bの電極指110bの幅のことをいう。また、図3の(b)に示すSは、電極指110aと電極指110bとの間隔のことをいう。また、図3の(a)に示すLは、IDT電極101aおよびIDT電極101bの交叉幅といい、IDT電極101aの電極指110aとIDT電極101bの電極指110bとが重複する電極指の長さのことをいう。また、対数とは、電極指110aまたは電極指110bの本数のことをいう。
[0045]
 なお、共振子100の構造は、図3の(a)および(b)に記載された構造に限定されない。また、本実施の形態にかかる共振子13、共振子14および共振子15は、上述した構成に限らない。共振子13、共振子14および共振子15は、以下に示すように、電極指のピッチおよび対数がそれぞれ異なる構成であってもよい。
[0046]
 図2Aおよび図2Bに示した3つの共振子13、共振子14および共振子15のうち、共振子14を挟んで両端に配置された共振子13は、以下の特徴を有している。図4は、共振子13の構成を示す概略図であり、(a)はピッチの異なる領域ごとに領域を分割して構成を示した概略図、(b)は各領域におけるピッチの大きさを相対的に示した図である。図5は、共振子13の構成をより具体的に示す概略図である。
[0047]
 図4の(a)および(b)に示すように、共振子13、共振子14および共振子15は、それぞれピッチの異なる領域を複数有している。
[0048]
 共振子13は、反射器16側から順に領域I1、領域I2および領域I3を有している。共振子13は、図5に示すように、IDT電極13aとIDT電極13bとで構成されている。IDT電極13aおよびIDT電極13bは、本発明における櫛形電極に相当する。IDT電極13aとIDT電極13bとで、一対の櫛形電極を成している。
[0049]
 IDT電極13aは、領域I1、領域I2、領域I3に共通して配置されたバスバー電極131aと、バスバー電極131aに一端が接続された複数の電極指132aを有している。同様に、IDT電極13bは、領域I1、領域I2、領域I3に共通して配置されたバスバー電極131bと、バスバー電極131bに一端が接続された複数の電極指132bを有している。電極指132aおよび131bのピッチは、領域I1、領域I2および領域I3でそれぞれ異なっている。
[0050]
 共振子13において、領域I1は、弾性表面波フィルタ10における外側、すなわち、反射器16に最も近い位置に配置されている。領域I3は、弾性表面波フィルタ10における中央側、すなわち、共振子14に最も近い位置に配置されている。領域I2は、領域I1と領域I3との間に配置されている。それぞれの領域におけるピッチは、図4の(b)に示すように、最も中央側の領域I3におけるピッチが最も小さく、領域I3に隣接する領域I2におけるピッチが最も大きい。つまり、図5に示すように、領域I1におけるピッチをλ1、領域I2におけるピッチをλ2、領域I3におけるピッチをλ3とすると、各領域におけるピッチは、λ3<λ1<λ2の関係を満たしている。例えば、λ1=5.15μm、λ2=5.21μm、λ3=4.63μmである。領域I3は、本発明における第1の領域、領域I2は、本発明における第2の領域に相当する。
[0051]
 また、領域I1における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば17である。領域I2における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば6である。領域I3における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば3である。つまり、共振子14に最も近い領域I3における電極指110aおよび電極指110bの対数は、領域I3以外の領域I1および領域I2における電極指110aおよび電極指110bの対数の合計よりも少ない。なお、各領域における電極指110aおよび電極指110bの対数は、上述した対数に限らず、変更してもよい。
[0052]
 共振子14は、共振子13に近い側から順に領域I4、領域I5、領域I6を有している。つまり、領域I4は、共振子13に最も近く、領域I6は、共振子15に最も近い位置に配置されている。また、領域I5は、領域I4と領域I6との間に配置されている。
[0053]
 それぞれの領域におけるピッチは、図4の(b)に示すように、最も中央側の領域I5におけるピッチが最も大きく、領域I3および領域I5におけるピッチはλ5よりも小さい。つまり、領域I4におけるピッチをλ4、領域I5におけるピッチをλ5、領域I6におけるピッチをλ6とすると、各領域におけるピッチは、λ4<λ5、λ6<λ5の関係を満たしている。例えば、λ4=4.69μm、λ5=5.18μm、λ6=4.78μmである。
[0054]
 なお、領域I4におけるピッチλ4と領域I6におけるピッチλ6は、同一の値であってもよいし異なる値であってもよい。また、ピッチλ4およびピッチλ6は、図4の(b)に示すように共振子13における領域I3のピッチλ3と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。また、領域I5におけるピッチλ5は、領域I1におけるピッチλ1または領域I2におけるピッチλ2と同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
[0055]
 領域I4における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば2である。領域I5における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば10である。領域I6における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば4である。各領域における電極指110aおよび電極指110bの対数は、上述した対数に限らず、変更してもよい。
[0056]
 共振子15は、共振子14に近い側から順に領域I7、領域I8、領域I9を有している。共振子15の領域I7、領域I8、領域I9は、共振子13の領域I3、領域I2、領域I1に対応している。領域I7は、弾性表面波フィルタ10における中央側、すなわち、共振子14に最も近い位置に配置されている。領域I9は、弾性表面波フィルタ10における外側、すなわち、反射器17に最も近い位置に配置されている。領域I8は、領域I7と領域I9との間に配置されている。それぞれの領域におけるピッチは、図4の(b)に示すように、最も中央側の領域I7におけるピッチが最も小さく、領域I7に隣接する領域I8におけるピッチが最も大きい。つまり、領域I7におけるピッチをλ7、領域I8におけるピッチをλ8、領域I9におけるピッチをλ9とすると、各領域におけるピッチは、λ7<λ9<λ8の関係を満たしている。例えば、λ7=4.88μm、λ8=5.18μm、λ9=5.13μmである。領域I7は、本発明における第1の領域、領域I8は、本発明における第2の領域に相当する。
[0057]
 なお、領域I7におけるピッチλ7は、図4の(b)に示すように、領域I3におけるピッチλ3、領域I4におけるピッチλ4および領域I6におけるピッチλ6のいずれかと同一であってもよいし、異なる値であってもよい。また、領域I8におけるピッチλ8は、領域I2におけるピッチλ2と同一であってもよいし異なる値であってもよい。また、領域I9におけるピッチλ9は、領域I1におけるピッチλ1と同一の値であってもよいし異なる値であってもよい。
[0058]
 領域I7における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば5である。領域I8における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば5である。領域I9における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば15である。なお、各領域における電極指110aおよび電極指110bの対数は、上述した対数に限らず、変更してもよい。
[0059]
 [2.弾性表面波フィルタの伝送特性]
 ここで、上述した構成の共振子13、14および15を有する弾性表面波フィルタ10の伝送特性について説明する。図6Aおよび図6Cは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の通過特性を示す図である。図6Bは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の入力端子側の反射特性を示す図である。図6Dは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の出力端子側の反射特性を示す図である。図6A~図6Dでは、上述したように共振子13におけるピッチの関係をλ3<λ1<λ2、共振子15におけるピッチの関係をλ7<λ9<λ8とした弾性表面波フィルタ10を用いた場合の特性を破線B、共振子13および共振子15のピッチの関係を上述のように変更していない弾性表面波フィルタ(元設計の弾性表面波フィルタ)を用いた場合の特性を実線Aで示している。また、図6Bおよび図6Dの実線Aおよび破線Bについては、弾性表面波フィルタ10の通過帯域内でのインピーダンス特性を太線で示している。
[0060]
 図6Aに示すように、弾性表面波フィルタ10は、通過帯域を得るための0次の共振モードの共振周波数と2次の共振モードの共振周波数を含んでいる。なお、図6Aは、帯域幅の変化を分かりやすくするために、不整合損失を除去したときの弾性表面波フィルタ10の通過特性を示している。
[0061]
 図6Aに示すように、共振子13の領域I1、領域I2および領域I3のピッチの関係をλ3<λ1<λ2、共振子15の領域I7、領域I8および領域I9のピッチの関係をλ7<λ9<λ8とした弾性表面波フィルタ10の透過特性(破線B)は、元設計すなわち共振子13および15のピッチを異ならせない場合の弾性表面波フィルタの通過特性(実線A)に比べて、0次の共振モードの共振周波数が低周波側に移動する。また、2次の共振モードの共振周波数については、共振周波数の変化はない。したがって、0次の共振モードの共振周波数と2次の共振モードの共振周波数の間隔は広がらないため、これらの共振モードの結合は弱まらない。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図6Bに示すように、弾性表面波フィルタ10の通過帯域内における入力インピーダンス(破線B)のスミスチャートの中心からのずれは、元設計の弾性表面波フィルタの入力インピーダンス(実線A)のずれに比べて小さくなる。
[0062]
 また、上述のように、0次の共振モードの共振周波数のみ低周波側に移動し2次の共振モードの共振周波数は変化しないため、図6Cに示すように、弾性表面波フィルタ10の通過帯域幅(破線B)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過帯域幅(実線A)よりも拡大する。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図6Dに示すように、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンス(破線B)の巻きは、元設計の弾性表面波フィルタの出力インピーダンス(実線A)の巻きよりも広がらない。よって、弾性表面波フィルタ10では、出力インピーダンスのばらつきは、元設計の弾性表面波フィルタの場合よりも小さくなっているといえる。
[0063]
 以上より、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10は、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0064]
 [3.比較例1]
 ここで、比較例1にかかる弾性表面波フィルタ30について、図7、図8A~図8Dを用いて説明する。図7は、本比較例にかかる弾性表面波フィルタ30の構成を示す図である。
[0065]
 本比較例にかかる弾性表面波フィルタ30では、反射器16に最も近い位置に配置された共振子23と反射器17に最も近い位置に配置された共振子25は、それぞれ電極指132aおよび電極指132bのピッチの異なる2つの領域を有している。
[0066]
 図7に示すように、共振子23は、反射器16側に配置された領域I11と、共振子14側に配置された領域I13とを有している。領域I11における電極指132aおよび電極指132bのピッチλ11は、領域I13における電極指132aおよび電極指132bのピッチλ13よりも大きい。つまり、各領域におけるピッチは、λ13<λ11の関係を満たしている。
[0067]
 同様に、共振子25は、共振子14側に配置された領域I17と、反射器17側に配置された領域I18とを有している。領域I18における電極指132aおよび電極指132bのピッチλ18は、領域I17における電極指132aおよび電極指132bのピッチλ17よりも大きい。つまり、各領域におけるピッチは、λ17<λ18の関係を満たしている。
[0068]
 なお、共振子23と共振子25の間に配置された共振子14の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10における共振子14と同様であるため、説明を省略する。
[0069]
 以下、上述した構成の弾性表面波フィルタ30の伝送特性について説明する。図8Aおよび図8Cは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ30の通過特性を示す図である。図8Bは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ30の入力端子側の反射特性を示す図である。図8Dは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ30の出力端子側の反射特性を示す図である。図8A~図8Dでは、上述したように共振子23におけるピッチの関係をλ13<λ11、共振子25におけるピッチの関係をλ17<λ18とした弾性表面波フィルタ30を用いた場合の特性を破線C、共振子23および共振子25のピッチの関係を上述のように変更していない弾性表面波フィルタ(元設計の弾性表面波フィルタ)を用いた場合の特性を実線Aで示している。また、図8Bおよび図8Dの実線Aおよび破線Cについては、弾性表面波フィルタ30の通過帯域内でのインピーダンス特性を太線で示している。
[0070]
 図8Aに示すように、共振子23の領域I11および領域I13のピッチの関係をλ13<λ11、共振子25の領域I17および領域I18のピッチの関係をλ17<λ18とした弾性表面波フィルタ10の通過特性(破線C)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過特性(実線A)に比べて、0次の共振モードの共振周波数および2次の共振モードの共振周波数の両方が低周波側に移動する。したがって、0次の共振モードと2次の共振モードの共振周波数の間隔は広がるため、これらの共振モードの結合は弱まる。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まるため、図8Bに示すように、弾性表面波フィルタ30では、通過帯域内における入力インピーダンス(破線C)は、元設計の弾性表面波フィルタの入力インピーダンス(実線A)と比べてスミスチャートの中心から外れることとなる。
[0071]
 また、上述のように、0次の共振モードの共振周波数および2次の共振モードの共振周波数の両方が低周波側に移動し、2次の共振モードの共振周波数のほうが0次の共振モードの共振周波数よりも共振周波数が大きく変化する。したがって、図8Cに示すように、弾性表面波フィルタ30の通過帯域幅(破線C)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過帯域幅(実線A)よりも拡大する。しかし、上述したように、弾性表面波フィルタ30では、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まり帯域内における入力インピーダンスがスミスチャートの中心から外れるため、図8Dに示すように、弾性表面波フィルタ30のスミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンス(破線C)の巻きは、元設計の弾性表面波フィルタの出力インピーダンス(実線A)の巻きよりも広がる。よって、本変形例にかかる弾性表面波フィルタ30では、出力インピーダンスのばらつきは、元設計の弾性表面波フィルタの場合よりも大きくなっているといえる。
[0072]
 これに対し、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10では、図6Cおよび図6Dに示したように、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10は、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0073]
 [4.比較例2]
 次に、比較例2について、図9A~図9Dを用いて説明する。
[0074]
 本比較例にかかる弾性表面波フィルタは、上述した弾性表面波フィルタ10と同様、共振子13、共振子14および共振子15を備えている。共振子13は、電極指132aおよび電極指132bのピッチが異なる3つの領域I1、領域I2および領域I3を有している。共振子15は、電極指132aおよび電極指132bのピッチが異なる3つの領域I7、領域I8および領域I9を有している。
[0075]
 共振子13では、最も中央側の領域I3におけるピッチが最も小さく、領域I3に隣接しない領域I1におけるピッチが最も大きい。つまり、各領域におけるピッチは、λ3<λ2<λ1の関係を満たしている。
[0076]
 同様に、共振子15では、最も中央側の領域I7におけるピッチが最も小さく、領域I7に隣接しない領域I9におけるピッチが最も大きい。つまり、各領域におけるピッチは、λ7<λ8<λ9の関係を満たしている。
[0077]
 なお、共振子13と共振子15の間に配置された共振子14の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10における共振子14と同様であるため、説明を省略する。
[0078]
 ここで、上述した構成の弾性表面波フィルタの伝送特性について説明する。図9Aおよび図9Cは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の通過特性を示す図である。図9Bは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の入力端子側の反射特性を示す図である。図9Dは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の出力端子側の反射特性を示す図である。図9A~図9Dでは、上述したように共振子13におけるピッチの関係をλ3<λ2<λ1、共振子15におけるピッチの関係をλ7<λ8<λ9とした弾性表面波フィルタを用いた場合の特性を破線D、共振子13および共振子15のピッチの関係を上述のように変更していない弾性表面波フィルタ(元設計の弾性表面波フィルタ)を用いた場合の特性を実線Aで示している。また、図9Bおよび図9Dの実線Aおよび破線Dについては、弾性表面波フィルタ10の通過帯域内でのインピーダンス特性を太線で示している。
[0079]
 図9Aに示すように、共振子13の領域I1、領域I2および領域I13のピッチの関係をλ3<λ2<λ1、共振子15の領域I7、領域I8および領域I9のピッチの関係をλ7<λ8<λ9とした弾性表面波フィルタの通過特性(破線D)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過特性(実線A)に比べて、2次の共振モードの共振周波数は低周波側に移動する。また、0次の共振モードの共振周波数は変わらない。したがって、0次の共振モードの共振周波数と2次の共振モードの共振周波数の間隔は広がるため、これらの共振モードの結合は弱まる。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まるため、図9Bに示すように、本変形例にかかる弾性表面波フィルタでは、通過帯域内における入力インピーダンス(破線D)は、元設計の弾性表面波フィルタの入力インピーダンス(実線A)と比べてスミスチャートの中心から外れることとなる。
[0080]
 また、上述のように、図9Cに示すように、本変形例にかかる弾性表面波フィルタの通過帯域幅(破線D)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過帯域幅(実線A)と比べて変化しない。また、上述したように、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まり通過帯域内における入力インピーダンスがスミスチャートの中心から外れるため、図9Dに示すように、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンス(破線D)の巻きは、元設計の弾性表面波フィルタの出力インピーダンス(実線A)の巻きよりも広がる。よって、本変形例にかかる弾性表面波フィルタでは、出力インピーダンスのばらつきは、元設計の弾性表面波フィルタの場合よりも大きくなっているといえる。
[0081]
 これに対し、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10では、図6Cおよび6Dに示したように、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0082]
 [5.効果等]
 以上、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10によると、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0083]
 (実施の形態2)
 次に、実施の形態2について、図10および図11A~図11Dを用いて説明する。本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10aが実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタ10と異なる点は、弾性表面波フィルタ10aにおいて、反射器16側に配置された共振子13はピッチの異なる3つの領域I1、領域I2および領域I3を有しているが、反射器17側に配置された共振子25はピッチの異なる2つの領域I17および領域I18を有している点である。
[0084]
 図10は、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10aの構成を示す図であり、(a)はピッチの異なる領域ごとに領域を分割して構成を示した概略図、(b)は各領域におけるピッチの大きさを相対的に示した図である。
[0085]
 図10の(a)に示すように、弾性表面波フィルタ10aは、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、縦結合型の弾性表面波フィルタである。弾性表面波フィルタ10aは、反射器16と反射器17との間に、反射器16側から反射器17側へと順に、共振子13、14および25を備えている。
[0086]
 共振子13の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、ピッチの異なる領域I1、領域I2および領域I3を有している。各領域におけるピッチは、図10の(b)に示すように、λ3<λ1<λ2の関係を満たしている。領域I3は、本発明における第1の領域、領域I2は、本発明における第2の領域に相当する。
[0087]
 また、共振子25は、実施の形態1の比較例1に示した弾性表面波フィルタ30と同様、共振子14側に配置された領域I17と、反射器17側に配置された領域I18とを有している。領域I18における電極指132aおよび電極指132bのピッチλ18は、領域I17における電極指132aおよび電極指132bのピッチλ17よりも大きい。つまり、各領域におけるピッチは、図10の(b)に示すように、λ17<λ18の関係を満たしている。
[0088]
 なお、共振子13と共振子25の間に配置された共振子14の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10における共振子14と同様であるため、説明を省略する。
[0089]
 ここで、上述した構成の弾性表面波フィルタ10aの伝送特性について説明する。図11Aおよび図11Cは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の通過特性を示す図である。図11Bは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の入力端子側の反射特性を示す図である。図11Dは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の出力端子側の反射特性を示す図である。図11A~図11Dでは、上述したように共振子13におけるピッチの関係をλ3<λ1<λ2、共振子25におけるピッチの関係をλ17<λ18とした弾性表面波フィルタ10aを用いた場合の特性を破線E、共振子13および共振子25のピッチの関係を上述のように変更していない弾性表面波フィルタ(元設計の弾性表面波フィルタ)を用いた場合の特性を実線Aで示している。また、図11Bおよび図11Dの実線Aおよび破線Eについては、弾性表面波フィルタ10aの通過帯域内でのインピーダンス特性を太線で示している。
[0090]
 図11Aに示すように、共振子13の領域I1、領域I2および領域I3のピッチの関係をλ3<λ1<λ2、共振子25の領域I17および領域I18のピッチの関係をλ17<λ18とした弾性表面波フィルタ10aの通過特性(破線E)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過特性(実線A)に比べて、0次の共振モードの共振周波数および2次の共振モードの共振周波数の両方が低周波側に移動する。このとき、0次の共振モードの共振周波数のほうが2次の共振モードの共振周波数よりも共振周波数が大きく変化する。したがって、0次の共振モードの共振周波数と2次の共振モードの共振周波数の間隔は広がらない。よって、これらの共振モードの結合は弱まらない。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図11Bに示すように、弾性表面波フィルタ10aでは、通過帯域内における入力インピーダンス(破線E)のスミスチャートの中心からのずれは、元設計の弾性表面波フィルタの入力インピーダンス(実線A)のずれに比べて小さくなる。このときのずれは、図6Bに示した、弾性表面波フィルタ10の、通過帯域内における入力インピーダンス(破線B)のスミスチャートの中心からのずれよりも小さい。
[0091]
 また、図11Cに示すように、弾性表面波フィルタ10aの通過帯域幅(破線E)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過帯域幅(実線A)よりも拡大する。このときの通過帯域幅(破線E)は、図6Cに示した、弾性表面波フィルタ10の、通過帯域幅(破線B)よりも大きい。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図11Dに示すように、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンス(破線E)の巻きは、元設計の弾性表面波フィルタの出力インピーダンス(実線A)の巻きほど広がらない。また、このときの出力インピーダンス(破線E)の巻きは、図6Dに示した、弾性表面波フィルタ10の出力インピーダンス(破線B)の巻きよりも小さい。よって、弾性表面波フィルタ10aでは、出力インピーダンスのばらつきは、元設計の弾性表面波フィルタの場合よりも小さくなっているといえる。
[0092]
 以上、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10aによると、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0093]
 なお、上述した弾性表面波フィルタ10aでは、反射器16側の共振子13がピッチの異なる3つの領域を有し、反射器17側の共振子25がピッチの異なる2つの領域を有していたが、反射器17側の共振子がピッチの異なる3つの領域を有し、反射器16側の共振子がピッチの異なる2つの領域を有していていもよい。また、ピッチの値、電極指132aおよび電極指132bの対数は、適宜変更してもよい。
[0094]
 (実施の形態3)
 次に、実施の形態3について、図12および図13A~図13Dを用いて説明する。本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10bが実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタ10と異なる点は、弾性表面波フィルタ10bにおいて、反射器16側に配置された共振子13と反射器17側に配置された共振子35の構成が、共振子13と共振子35の間に配置された共振子14に対して対称である点である。また、弾性表面波フィルタ10bにおいて、共振子13と共振子35は出力端子12に接続され、共振子14は入力端子11に接続されている。
[0095]
 図12は、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10bの構成を示す図である。
[0096]
 図12に示すように、弾性表面波フィルタ10bは、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、縦結合型の弾性表面波フィルタである。弾性表面波フィルタ10bは、反射器16と反射器17との間に、反射器16側から反射器17側へと順に、共振子13、共振子14および共振子15を備えている。
[0097]
 共振子13の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、反射器16に近い側から順に、ピッチの異なる領域I1、領域I2および領域I3を有している。各領域におけるピッチは、λ3<λ1<λ2の関係を満たしている。例えば、λ1=5.15μm、λ2=5.21μm、λ3=4.62μmである。
[0098]
 また、領域I1における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば18である。領域I2における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば6である。領域I3における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば3である。
[0099]
 共振子35は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、共振子14に近い側から順に、ピッチの異なる領域I7、領域I8、領域I9を有している。共振子35の領域I7、領域I8、領域I9は、共振子13の領域I3、領域I2、領域I1に対応している。領域I7、領域I8、領域I9の各領域におけるピッチは、λ7<λ9<λ8の関係を満たしている。例えば、λ7=4.62μm、λ8=5.21μm、λ9=5.15μmである。つまり、λ3=λ7、λ2=λ8、λ1=λ9であり、共振子35の領域I7、領域I8、領域I9における電極指のピッチは、共振子13の領域I1、領域I2、領域I3における電極指のピッチと同一である。
[0100]
 また、領域I7における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば3である。領域I8における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば6である。領域I9における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば18である。つまり、共振子35における領域I7、領域I8、領域I9における電極指132aおよび電極指132bの対数は、それぞれ共振子13における領域I1、領域I2、領域I3における電極指132aおよび電極指132bの対数と同一である。なお、領域I3および領域I7は、本発明における第1の領域、領域I2および領域I8は、本発明における第2の領域に相当する。
[0101]
 なお、共振子13と共振子35の間に配置された共振子14の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10における共振子14と同様であるため、説明を省略する。
[0102]
 このように、弾性表面波フィルタ10bでは、共振子14に対して、共振子13と共振子35の構成は対称になっている。
[0103]
 ここで、上述した構成の弾性表面波フィルタ10bの伝送特性について説明する。図13Aおよび図13Cは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の通過特性を示す図である。図13Bは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の出力端子側の反射特性を示す図である。図13Dは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の入力端子側の反射特性を示す図である。図13A~図13Dでは、上述したように共振子13および共振子35の構成を共振子14に対して対称とした弾性表面波フィルタ10bを用いた場合の特性を破線F、共振子13および共振子35の構成を共振子14に対して対称としていない弾性表面波フィルタ(元設計の弾性表面波フィルタ)を用いた場合の特性を実線Aで示している。また、図13Bおよび図13Dの実線Aおよび破線Fについては、弾性表面波フィルタ10bの通過帯域内でのインピーダンス特性を太線で示している。
[0104]
 図13Aに示すように、共振子13と共振子35との構成を共振子14に対して対称とした場合の弾性表面波フィルタ10bの通過特性(破線F)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過特性(実線A)に比べて、0次の共振モードの共振周波数が低周波側に移動する。2次の共振モードの共振周波数は、変化しない。したがって、0次の共振モードの共振周波数と2次の共振モードの共振周波数の間隔は広がらないため、これらの共振モードの結合は弱まらない。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図13Dに示すように、弾性表面波フィルタ10bでは、通過帯域内における出力インピーダンス(破線F)のスミスチャートの中心からのずれは、元設計の弾性表面波フィルタの出力インピーダンス(実線A)のずれに比べて小さくなる。なお、弾性表面波フィルタ10bにおいて、共振子13と共振子35は出力端子12に接続され、共振子14は入力端子11に接続されているので、入力インピーダンスと出力インピーダンスの関係が実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10とは逆になっている。
[0105]
 また、図13Cに示すように、弾性表面波フィルタ10bの通過帯域幅(破線F)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過帯域幅(実線A)に比べて拡大する。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図13Bに示すように、スミスチャート上において通過帯域内における入力インピーダンス(破線F)の巻きは、元設計の弾性表面波フィルタの入力インピーダンス(実線A)の巻きほど広がらない。よって、弾性表面波フィルタ10bでは、入力および出力インピーダンスのばらつきは、元設計の弾性表面波フィルタの場合よりも小さくなっているといえる。
[0106]
 以上、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10bによると、スミスチャート上において通過帯域内における入力インピーダンスおよび出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0107]
 なお、弾性表面波フィルタ10bでは、共振子13と共振子35は出力端子12に接続され、共振子14は入力端子11に接続されているとしたが、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、共振子13と共振子35は入力端子11に接続され、共振子14は出力端子12に接続されてもよい。また、ピッチの値、電極指132aおよび電極指132bの対数は、共振子13と共振子35が共振子14に対して対称の構成であれば、適宜変更してもよい。
[0108]
 (実施の形態4)
 次に、実施の形態4について、図14および図15A~図15Dを用いて説明する。本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10cが実施の形態1にかかる弾性表面波フィルタ10と異なる点は、反射器16側の共振子43と反射器17側の共振子45が、それぞれピッチの異なる4つの領域に分割されている点である。
[0109]
 図14は、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10cの構成を示す図であり、(a)はピッチの異なる領域ごとに領域を分割して構成を示した概略図、(b)は各領域におけるピッチの大きさを相対的に示した図である。
[0110]
 図14の(a)に示すように、弾性表面波フィルタ10cは、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10と同様、縦結合型の弾性表面波フィルタである。弾性表面波フィルタ10aは、反射器16と反射器17との間に、反射器16側から反射器17側へと順に、共振子43、共振子14および共振子45を備えている。
[0111]
 共振子43は、反射器16に近い側から順に、ピッチの異なる領域I21、領域I22、領域I23、領域I24を有している。それぞれの領域におけるピッチは、図14の(b)に示すように、最も中央側の領域I24におけるピッチが最も小さく、領域I24に隣接する領域I23におけるピッチが最も大きい。つまり、図14の(b)に示すように、領域I21におけるピッチをλ21、領域I22におけるピッチをλ22、領域I23におけるピッチをλ23、領域I24におけるピッチをλ24とすると、各領域におけるピッチは、λ24<λ21<λ23、λ24<λ22<λ23の関係を満たしている。領域I24は、本発明における第1の領域、領域I23は、本発明における第2の領域に相当する。なお、λ21とλ22は、同一の値であってもよいし異なる値であってもよい。例えば、λ21=5.15μm、λ22=5.16μm、λ23=5.20μm、λ24=4.63μmである。
[0112]
 また、領域I21における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば10である。領域I22における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば4である。領域I23における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば8である。領域I24における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば3である。
[0113]
 共振子45は、共振子14に近い側から順に、ピッチの異なる領域I26、領域I27、領域I28、領域I29を有している。それぞれの領域におけるピッチは、図14の(b)に示すように、最も中央側の領域I26におけるピッチが最も小さく、領域I26に隣接する領域I27におけるピッチが最も大きい。つまり、図14の(b)に示すように、領域I26におけるピッチをλ26、領域I27におけるピッチをλ27、領域I28におけるピッチをλ28、領域I29におけるピッチをλ29とすると、各領域におけるピッチは、λ26<λ28<λ27、λ26<λ29<λ27の関係を満たしている。領域I26は、本発明における第1の領域、領域I27は、本発明における第2の領域に相当する。なお、λ28とλ29は、同一の値であってもよいし異なる値であってもよい。例えば、λ26=4.88μm、λ27=5.18μm、λ28=5.13μm、λ29=5.12μmである。
[0114]
 また、領域I26における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば5である。領域I27における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば10である。領域I28における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば3である。領域I29における電極指110aおよび電極指110bの対数は、例えば7である。
[0115]
 なお、共振子43と共振子45の間に配置された共振子14の構成は、実施の形態1に示した弾性表面波フィルタ10における共振子14と同様であるため、説明を省略する。
[0116]
 ここで、上述した構成の弾性表面波フィルタ10cの伝送特性について説明する。図15Aおよび図15Cは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の通過特性を示す図である。図15Bは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の入力端子側の反射特性を示す図である。図15Dは、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10の出力端子側の反射特性を示す図である。図15A~図15Dでは、上述したように共振子43におけるピッチの関係をλ24<λ21<λ23、λ24<λ22<λ23、共振子45におけるピッチの関係をλ26<λ28<λ27、λ26<λ29<λ27とした弾性表面波フィルタ10cを用いた場合の特性を破線G、共振子43および共振子45のピッチの関係を上述のように変更していない弾性表面波フィルタ(元設計の弾性表面波フィルタ)を用いた場合の特性を実線Aで示している。また、図15Bおよび図15Dの実線Aおよび破線Gについては、弾性表面波フィルタ10cの通過帯域内でのインピーダンス特性を太線で示している。
[0117]
 図15Aに示すように、共振子43の領域I21、領域I22、領域I23および領域I24のピッチの関係をλ24<λ21<λ23およびλ24<λ22<λ23、共振子45の領域I26、領域I27、領域I28および領域I29のピッチの関係をλ26<λ28<λ27およびλ26<λ29<λ27とした弾性表面波フィルタ10cの通過特性(破線G)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過特性(実線A)に比べて、0次の共振モードの共振周波数および2次の共振モードの共振周波数の両方が低周波側に移動する。このとき、0次の共振モードの共振周波数のほうが2次の共振モードの共振周波数よりも共振周波数が大きく変化する。したがって、0次の共振モードの共振周波数と2次の共振モードの共振周波数の間隔は広がらない。よって、これらの共振モードの結合は弱まらない。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図15Bに示すように、弾性表面波フィルタ10cでは、通過帯域内における入力インピーダンス(破線G)のスミスチャートの中心からのずれは、元設計の弾性表面波フィルタの入力インピーダンス(実線A)のずれに比べて小さくなる。
[0118]
 また、図15Cに示すように、弾性表面波フィルタ10cの通過帯域幅(破線G)は、元設計の弾性表面波フィルタの通過帯域幅(実線A)に比べて拡大する。また、0次の共振モードと2次の共振モードの結合は弱まらないため、図15Dに示すように、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンス(破線G)の巻きは、元設計の弾性表面波フィルタの出力インピーダンス(実線A)の巻きほど広がらない。よって、弾性表面波フィルタ10cでは、出力インピーダンスのばらつきは、元設計の弾性表面波フィルタの場合よりも小さくなっているといえる。
[0119]
 以上、本実施の形態にかかる弾性表面波フィルタ10cによると、スミスチャート上において通過帯域内における出力インピーダンスの巻きの広がりを抑制しつつ、広帯域化を実現することができる。
[0120]
 (その他の実施の形態)
 なお、本発明は、上述した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、例えば以下に示す変形例のように、適宜変更を加えてもよい。
[0121]
 例えば、上述した実施の形態にかかる弾性表面波フィルタは、高周波モジュールに用いられてもよい。このとき、図1に示したように、弾性表面波フィルタ10は、弾性表面波フィルタ10を通過した高周波信号を増幅する低雑音増幅器20に接続されていてもよい。
[0122]
 また、上述した実施の形態にかかる弾性表面波フィルタは、マルチプレクサに用いられてもよい。この場合、マルチプレクサは、複数の弾性表面波フィルタを有し、複数の弾性表面波フィルタのそれぞれは、共通端子に接続されている構成となっている。
[0123]
 また、上述した実施の形態では、弾性表面波フィルタに用いられる3つの共振子のうち端に配置された共振子の少なくともいずれかが、電極指のピッチの異なる3つ以上の領域を有するとした。例えば、実施の形態1では、共振子13は、領域I1、領域I2および領域I3の3つの領域を有することとした。しかし、これに限らず、共振子13は、4つの領域を有してもよいし、3つ以上の領域を含む構成であればさらに領域数を多くしてもよい。
[0124]
 また、電極指のピッチの異なる3つ以上の領域を有する共振子は、1つに限らず、弾性表面波フィルタに用いられる3つの共振子のうちの両端に配置された2つの共振子であってもよい。この場合、2つの共振子の対応する各領域における電極指のピッチを同一にしてもよいし、異ならせてもよい。また、2つの共振子の対応する各領域における電極指の対数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
[0125]
 また、共振子を構成する基板、電極、保護層等の材料は、上述したものに限らず、適宜変更してもよい。また、各共振子の電極指のピッチおよび対数は、上述した条件をみたすものであれば変更してもよい。
[0126]
 その他、上述の実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で上述の実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。

産業上の利用可能性

[0127]
 本発明は、弾性表面波フィルタを用いた高周波モジュール、デュプレクサ、マルチプレクサ、受信装置等に利用することができる。

符号の説明

[0128]
 1 高周波モジュール
 10、10a、10b、10c、30 弾性表面波フィルタ
 11 入力端子
 12 出力端子
 13、14、15、23、25、35、43、45、100 共振子
 13a、13b、14a、14b、15a、15b、101a、101b IDT電極(櫛形電極)
 16、17 反射器
 16a、16b、17a、17b、111a、111b、131a、131b バスバー電極
 16c、17c、110a、110b、132a、132b 電極指
 123 圧電基板
 124a 密着層
 124b 主電極層
 125 保護層

請求の範囲

[請求項1]
 縦結合型の弾性表面波フィルタであって、
 前記弾性表面波フィルタは、弾性表面波の伝搬方向に連続して配置された3つの共振子を備え、
 前記3つの共振子のそれぞれは、バスバー電極と前記バスバー電極に接続された互いに平行な複数の電極指とを有する一対の櫛形電極を有し、
 一対の前記櫛形電極は、互いの前記複数の電極指が前記弾性表面波伝搬方向に交互に位置するように配置されており、
 前記3つの共振子のうち中央に配置された第1の共振子は、前記弾性表面波フィルタにおける入力端子および出力端子のうちの一方に接続され、
 前記第1の共振子に隣接して配置された第2の共振子と、前記第1の共振子に隣接し前記第1の共振子に対して前記第2の共振子と反対側に配置された第3の共振子は、前記入力端子および前記出力端子のうちの他方に接続され、
 前記第2の共振子および前記第3の共振子のうちの少なくとも一方は、前記電極指のピッチが異なる3つ以上の領域を有し、前記3つ以上の領域のそれぞれでは、前記電極指のピッチは一定であり、
 前記3つ以上の領域のうち、前記第1の共振子に最も近い第1の領域における前記電極指のピッチは最も小さく、
 前記3つ以上の領域のうち、前記第1の領域に隣接する第2の領域における前記電極指のピッチは最も大きい、
 弾性表面波フィルタ。
[請求項2]
 前記第2の共振子および前記第3の共振子の両方は、前記電極指のピッチが異なる前記3つ以上の領域を有し、
 前記第2の共振子および前記第3の共振子のそれぞれにおいて、
 前記3つ以上の領域のうち、前記第1の領域における前記電極指のピッチは最も小さく、
 前記3つ以上の領域のうち、前記第2の領域における前記電極指のピッチは最も大きい、
 請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
[請求項3]
 前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域と、前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域に対応する前記第3の共振子の前記3つ以上の領域の各領域とは、前記電極指のピッチがそれぞれ同一である、
 請求項2に記載の弾性表面波フィルタ。
[請求項4]
 前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域と、前記第2の共振子の前記3つ以上の領域の各領域に対応する前記第3の共振子の前記3つ以上の領域の各領域とは、前記電極指の対数がそれぞれ同一である、
 請求項2または3に記載の弾性表面波フィルタ。
[請求項5]
 前記電極指のピッチが異なる3つ以上の領域を有する前記第2の共振子および前記第3の共振子の少なくともいずれかは、前記第1の領域における前記電極指の対数が前記第1の領域以外の領域の前記電極指の対数の合計よりも少ない、
 請求項1~4のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタ。
[請求項6]
 前記第1の共振子は、前記弾性表面波フィルタにおける前記入力端子に接続され、
 前記第2の共振子および前記第3の共振子は、前記弾性表面波フィルタにおける前記出力端子に接続されている、
 請求項1~5のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタ。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタと、
 前記弾性表面波フィルタに接続され、前記弾性表面波フィルタを通過した高周波信号を増幅する低雑音増幅器とを備える、
 高周波モジュール。
[請求項8]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の弾性表面波フィルタを複数備え、前記複数の弾性表面波フィルタのそれぞれは、共通端子に接続されている、
 マルチプレクサ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 6D]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 8C]

[ 図 8D]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 9D]

[ 図 10]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 11C]

[ 図 11D]

[ 図 12]

[ 図 13A]

[ 図 13B]

[ 図 13C]

[ 図 13D]

[ 図 14]

[ 図 15A]

[ 図 15B]

[ 図 15C]

[ 図 15D]