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1. WO2017154751 - 試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置

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明 細 書

発明の名称 試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249   0250   0251   0252   0253   0254   0255   0256   0257   0258   0259   0260   0261   0262   0263   0264   0265   0266   0267   0268   0269   0270   0271   0272   0273   0274   0275   0276   0277   0278   0279   0280   0281   0282   0283   0284   0285   0286   0287   0288   0289   0290   0291   0292   0293   0294   0295   0296   0297   0298   0299   0300   0301   0302   0303   0304   0305   0306  

符号の説明

0307  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24  

図面

1A   1B   2   3A   3B   4   5A   5B   6A   6B   7   8   9   10A   10B   11A   11B   12   13   14A   14B   14C   14D   15A   15B   15C   16   17A   17B   17C   18   19   20   21   22   23A   23B   24A   24B   24C   25A   25B   25C   26A   26B   27   28A   28B   29   30A   30B   30C   31   32A   32B   33A   33B   33C   34A   34B   35  

明 細 書

発明の名称 : 試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置

技術分野

[0001]
 本発明は、細胞等の被検体を蛍光染色することにより調製された試料を収容する試料収容ディスクおよびそれを用いた蛍光検出装置に関する。

背景技術

[0002]
 多数の細胞中から、病原菌に感染した細胞や所定の態様を有する細胞を検出することは、特に、臨床現場等の医療の分野において重要である。このような細胞の検出を迅速かつ簡便に行うための手法は、たとえば、特許文献1に開示されている。
[0003]
 この手法では、抗原-抗体反応を用いたサンドイッチ法による原理を用いて、蛍光標識された検出対象の抗原がディスク上のトラックに固定される。その後、励起光となるレーザ光でトラックを走査することにより、検出対象の抗原から蛍光を生じさせ、検出対象の抗原が検出され計数される。
[0004]
 特許文献1には、試料が流入される流路に接続していないトラック部分に予めアドレス信号を記録しておくことで、ディスクから、半径方向とトラック方向のアドレス情報を得ることができ、これにより、アドレス情報に基づき、蛍光が検出された位置を特定できることが記載されている。
[0005]
 多数の細胞中から、病原菌に感染した細胞や所定の態様を有する細胞を検出することは、特に、臨床現場等の医療の分野において重要である。このような細胞の検出を迅速かつ簡便に行うための装置として、たとえば、特許文献2に記載の装置が知られている。
[0006]
 特許文献2に記載の装置では、蛍光標識された対象細胞を含む試料にレーザ光が照射される。そして、レーザ光により対象細胞から励起された蛍光が光検出器により検出される。この場合、励起される蛍光は微弱であるため、光検出器からの信号は迷光の影響を受けやすい。この装置では、蛍光に共焦点を生じさせ、共焦点の位置にピンホールを配置することで、迷光が除去される。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開2013-64722号公報
特許文献2 : 特開2011-508200号公報

発明の概要

[0008]
 試料収容ディスクは、基板と、ディスク中心の周りを旋回するように基板の上面に形成されたトラックと、トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部とを備える。トラックは走査方向に走査されるように構成されている。トラックのうちの試料収容部を跨ぐトラック部分の走査方向における試料収容部の上流側と下流側とにトラック部分の位置を示すアドレス信号がそれぞれ記録されている。
[0009]
 この試料収容ディスクは、蛍光画像を円滑に取得することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1A] 図1Aは、実施形態1に係る試料収容ディスクの構成を模式的に示す平面図である。
[図1B] 図1Bは、図1Aに示す試料収容ディスクの線1B-1Bにおける図である。
[図2] 図2は、実施形態1に係る試料収容ディスクのグルーブおよびランドとピットの構造を模式的に示す図である。
[図3A] 図3Aは、実施形態1に係る試料収容ディスクの周方向のエリア割りを模式的に示す平面図である。
[図3B] 図3Bは、実施形態1に係る試料収容ディスクの径方向のゾーン割りを模式的に示す平面図である。
[図4] 図4は、実施形態1に係る試料収容ディスクの各ゾーンのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。
[図5A] 図5Aは、実施形態1に係る試料収容ディスクの1エリアのトラック部分(グルーブ)に設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。
[図5B] 図5Bは、実施形態1に係る試料収容ディスクの各フィールドの角度範囲を模式的に示す図である。
[図6A] 図6Aは、実施形態1に係る試料収容ディスクの各フィールドの信号フォーマットを示す図である。
[図6B] 図6Bは、実施形態1に係る試料収容ディスクの模式拡大図である。
[図7] 図7は、実施形態1に係る試料収容ディスクから蛍光を読み取るための蛍光検出用ピックアップの構成図である。
[図8] 図8は、実施形態1に係る蛍光検出用ピックアップの信号演算回路の構成を示す図である。
[図9] 図9は、実施形態1に係る蛍光検出装置の構成図である。
[図10A] 図10Aは、実施形態1に係る蛍光検出装置のアドレス信号の取得処理を示すフローチャートである。
[図10B] 図10Bは、実施形態1に係る蛍光検出装置の蛍光信号の切出し処理を示すフローチャートである。
[図11A] 図11Aは、実施形態1に係る蛍光検出装置の蛍光信号の切出し処理を示すフローチャートである。
[図11B] 図11Bは、実施形態1に係る蛍光検出装置の切出し信号の無効化処理を示すフローチャートである。
[図12] 図12は、実施形態1に係る蛍光検出装置の蛍光信号の切出し処理を説明するための図である。
[図13] 図13は、実施形態2に係る試料収容ディスクの各ゾーンのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。
[図14A] 図14Aは、実施形態2に係る試料収容ディスクの1エリアのトラック部分に設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。
[図14B] 図14Bは、実施形態2に係る蛍光検出装置のトラッキングエラー信号の極性を反転させるための構成を示す図である。
[図14C] 図14Cは、実施形態2に係る蛍光検出装置のビームの走査とトラッキングエラー信号の極性反転タイミングを模式的に示す図である。
[図14D] 図14Dは、実施形態2に係る他の試料収容ディスクのグルーブおよびランドとピットの構造とを模式的に示す図である。
[図15A] 図15Aは、実施形態3に係る試料収容ディスクの信号フォーマットの一部を示す図である。
[図15B] 図15Bは、実施形態3に係る試料収容ディスクの信号フォーマットの一部を示す図である。
[図15C] 図15Cは、実施形態3に係る試料収容ディスクの同期調整ピットSB1の構成を模式的に示す図である。
[図16] 図16は、実施形態3に係る蛍光検出装置の構成を示す図である。
[図17A] 図17Aは、実施形態3に係る蛍光検出装置の信号光画像上における同期調整ピットの検出位置を模式的に示す図である。
[図17B] 図17Bは、実施形態3に係る蛍光検出装置の蛍光画像の補正処理を模式的に示す図である。
[図17C] 図17Cは、実施形態3に係る蛍光検出装置の蛍光画像の補正処理を模式的に示す図である。
[図18] 図18は、実施形態3に係る他の試料収容ディスクの信号フォーマットの一部を示す図である。
[図19] 図19は、実施形態4に係る1エリアのトラック部分(グルーブ)に設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。
[図20] 図20は、実施形態4に係る各フィールドの信号フォーマットを示す図である。
[図21] 図21は、実施形態4に係る蛍光検出装置の信号演算回路と出力処理回路の構成図である。
[図22] 図22は、実施形態4に係る蛍光検出装置の構成図である。
[図23A] 図23Aは、比較例の蛍光検出装置の出力処理回路の構成図である。
[図23B] 図23Bは、比較例の出力処理回路のAD変換回路に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。
[図24A] 図24Aは、実施形態4に係る蛍光検出装置の出力処理回路の構成図である。
[図24B] 図24Bは、実施形態4に係る蛍光検出装置の、グルーブに変調構造が形成されていない場合に出力処理回路のAD変換回路に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。
[図24C] 図24Cは、実施形態4に係る蛍光検出装置の、グルーブに変調構造が形成されている場合に出力処理回路のAD変換回路に入力される再生RF信号を模式的に示す図である。
[図25A] 図25Aは、実施形態4に係る他の出力処理回路の構成図である。
[図25B] 図25Bは、実施形態4に係るさらに他の出力処理回路の構成図である。
[図25C] 図25Cは、実施形態4に係る他の試料収容ディスクのトラックの領域のフォーマットを示す図である。
[図26A] 図26Aは、実施形態4に係る蛍光装置の出力処理回路からの各種信号の出力を停止させる処理を示すフローチャートである。
[図26B] 図26Bは、実施形態4に係る蛍光検出装置のマスク期間の設定において参照されるテーブルの構成を示す図である。
[図27] 図27は、実施形態5に係る試料収容ディスクの1エリアのトラック部分に設定される各フィールドのフォーマットを示す図である。
[図28A] 図28Aは実施形態4、5に係る他の試料収容ディスクのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。
[図28B] 図28Bは実施形態4、5に係るさらに他の試料収容ディスクのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。
[図29] 図29は、実施の形態6に係る蛍光検出用ピックアップの構成図である。
[図30A] 図30Aは、実施の形態6に係る蛍光検出用ピックアップの遮光体の構成図である。
[図30B] 図30Bは、実施の形態6に係る蛍光検出用ピックアップの別の遮光体の構成図である。
[図30C] 図30Cは、実施の形態6に係る蛍光検出用ピックアップの遮光ユニット断面図である。
[図31] 図31は、実施の形態6に係る遮光ユニットの断面図である。
[図32A] 図32Aは、実施の形態6に係る遮光ユニットの断面図である。
[図32B] 図32Bは、実施の形態6に係る他の遮光ユニットの断面図である。
[図33A] 図33Aは、実施の形態6に係るさらに他の遮光ユニットの断面図である。
[図33B] 図33Bは、実施の形態6に係るさらに他の遮光ユニットの断面図である。
[図33C] 図33Cは、実施の形態6に係るさらに他の遮光ユニットの断面図である。
[図34A] 図34Aは、実施の形態6に係るさらに他の遮光ユニットの断面図である。
[図34B] 図34Bは、実施の形態6に係るさらに他の遮光ユニットの断面図である。
[図35] 図35は、実施の形態6に係るさらに他の蛍光検出用ピックアップの構成図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 (実施形態1)
 <試料収容ディスク>
 図1Aは、実施形態1における試料収容ディスク100の外観構成を模式的に示す平面図である。図1Bは図1Aに示す試料収容ディスクの線1B-1Bにおける断面図であり、ディスク面に垂直で且つディスク中心Pcを通る平面で試料収容ディスク100を切断したときの断面を一部拡大して示す。試料収容ディスク100は、たとえば、マラリア原虫に感染した赤血球を検出するために用いられる。
[0012]
 図1Aに示すように、試料収容ディスク100は、光ディスク(CDやDVD等)と同様に円盤形状を有しており、ディスク中心Pcに円形状の開口101aが形成されている。図1Bに示すように、試料収容ディスク100は、基板102と、基板102の上面102pに接合する基板101とを有する。基板101は試料収容部101bを構成する。基板101および基板102は、何れも、樹脂材料により構成される。基板102は、光を透過可能な材料からなっている。
[0013]
 基板101を基板102の上面102pに接合することにより、図1Aに示すように9つの試料収容部101bが形成される。これら試料収容部101bは、ディスク周方向Dcに一定間隔で並んでいる。また、試料収容部101bのディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界(端)は、それぞれディスク中心Pcから遠ざかるようにディスク中心Pcから放射状に延びている。9つの試料収容部101bはディスク中心Pcを中心とする角度範囲Waに広がっている。図1Bに示すように、試料収容部101bは所定高さを有する空間である。上方から見て、試料収容部101bは、丸められた角を有する台形の形状を有する。9つの試料収容部101bは同じ形状を有し、ディスク中心Pcからディスク周方向Dcに直角のディスク径方向Drにおいて同じ位置に配置されている。
[0014]
 試料収容部101bのディスク中心Pcに対向する内周側には、試料収容部101bの上面101pへと続く2つの孔101cが形成されている。2つの孔101cを開放した状態で、一方の孔101cから試料100Saが試料収容部101bに充填される。試料100Saは、赤血球RC中のマラリア原虫が蛍光色素によって標識されるように調製される。試料収容部101bに試料100Saを充填した後、2つの孔101cが蓋で閉じられる。図1Aの構成例では、9種類の検体から調製された試料100Saが、試料収容部101bにそれぞれ充填される。
[0015]
 図1Bに示すように、基板102の上面102pには、ディスク中心Pcの周りを旋回するトラック102cが形成されている。トラック102cの上面に、半透過膜102dが形成されている。図1Bには、試料収容部101bに収容された赤血球RCが模式的に示されている。図1Aに示すように、トラック102cは、ディスク中心Pcを中心に螺旋状に旋回する一連のグルーブ111からなっている。グルーブ111は、図1Aにおいてハッチングで示されたトラック領域102aにおいて、トラック領域102aのディスク中心Pcから最も遠い外縁である最外周からディスク中心Pcに最も近い外縁である最内周まで形成されている。基板102は、CDやDVDと同様の工程により射出成形により形成される。半透過膜102dは、スパッタリング工程により形成される。
[0016]
 半透過膜102dは、基板102の下面102qから半透過膜102dの下面102dqから入射されたレーザ光の一部を反射し、レーザ光の残りを半透過膜102dに透過させて半透過膜102dの上面102dpを介して試料収容部101bへと導く。また、半透過膜102dは、試料収容部101b内で生じた蛍光を下面102qを介して基板102へと透過させる。より多くのレーザ光を試料収容部101bへと導き、且つ、より多くの蛍光を基板102へと透過させ得るように、半透過膜102dの反射率は5%~20%程度に設定されている。
[0017]
 図1Aに一点鎖線で示すように、試料収容ディスク100は、ディスク周方向Dcに9つのエリアA0~A8に区分される。各エリアは、1つの試料収容部101bを含んでいる。後述のように、トラック102cのうちの各エリア内の1つのトラック部分Taは、1単位の情報記録領域を構成している。上方から見てトラック部分Taの試料収容部101bに重ならない部分に、種々の信号が記録されている。本実施形態では、これらの信号が1つ以上のピットよりなるピット列によって記録される。
[0018]
 図2は、基板102の上面102pに位置する半透過膜102dの拡大図であり、グルーブ111およびランド112と、ピット113の構造を模式的に示す。便宜上、図2は、半透過膜102dのみを示す。なお、図2の上側が基板102の側である。すなわち、図2において、半透過膜102dの上面102dpが下方を向き、下面102dqが上方を向いている。
[0019]
 基板102(半透過膜102d)にはグルーブ111が形成されている。グルーブ111に繋がりグルーブ111の間のランド112は基板102の上面102pを構成する。図2に示すように、トラック部分Taの試料収容部101bに重ならない部分に相当するグルーブ111にピット113が形成され、所定の信号が記録されている。グルーブ111は、ピット113とスペース113sとよりなる。スペース113sではピット113が形成されておらず、グルーブ111が単調に延びる。記録される信号のフォーマットは後述する。隣り合うグルーブ111の間のランド112には、信号が記録されない。また、グルーブ111とランド112は、蛇行することなくディスク中心Pcを中心に螺旋状に延びている。
[0020]
 基板102の下面102qに当てられたレーザ光のビームスポットB1は、グルーブ111に沿って相対的に移動して走査方向Dsにトラック102cを走査する。ビームスポットB1は、グルーブ111のディスク中心Pcから最も遠い最外周の部分からディスク中心Pcに最も近い最内周の部分に向かってグルーブ111(トラック102c)を走査する。ビームスポットB1を形成するレーザ光が半透過膜102dの下面102dqに当たると、前述のようにレーザ光の一部が下面102qで反射されて反射光となる。ビームスポットB1がピット113に掛かると、グルーブ111からの反射光の強度が低下する。このように、ピット113により反射光が変調されて反射光の強度が変化する。光検出器は変調された反射光を受けて、反射光の強度に応じて変化する検出信号を出力する。その検出信号を復調することにより、ピット113で記録された各種情報が再生される。ビームスポットB1の径は、螺旋状に延びるトラック102c(グルーブ111)のディスク径方向Drの間隔すなわちディスク径方向Drで互いに隣り合うトラック部分Taの間隔であるトラックピッチと略同程度である。実施形態1ではトラックピッチは0.3μm~2.0μm程度である。
[0021]
 図3Aは試料収容ディスク100の平面図であり、ディスク周方向Dcに配列されたエリアA0~A8を模式的に示す。図3Bは試料収容ディスク100の平面図である。試料収容ディスク100のトラック領域102aはディスク径方向Drに配列された複数のゾーンZ0~Znに区分けされている。図3Bは複数のゾーンZ0~Znを模式的に示す。
[0022]
 図3Aに示すエリアA0~A8および図3Bに示すゾーンZ0~Znは、試料収容部101bとの関係においてトラック102cに後述の信号フォーマットを設定するために論理的に試料収容ディスク100に割り当てられたものであって、障壁や溝等の物理的な構造により区画されてはいない。
[0023]
 図3Aに示すように、試料収容ディスク100は、ディスク中心Pcについて所定の一定の角度間隔で複数のエリアに区分けされており、実施形態1ではディスク中心Pcについて40度の角度間隔で9つのエリアA0~A8に区分されている。各エリアに含まれるトラック部分が、図1Aのトラック部分Taである。図1Aに示すトラック領域102aは、ディスク中心Pcから最も遠いアウター領域102eと、ディスク中心Pcに最も近いインナー領域102fと、ディスク径方向Drにおいてアウター領域102eとインナー領域102fとの間に位置する検出領域102gとに区分されている。アウター領域102eはリードイン領域となっており、インナー領域102fはリードアウト領域と外観識別領域となっている。
[0024]
 リードイン領域(アウター領域102e)のグルーブ111には、試料収容ディスク100の走査に必要な各種情報がピット列で記録されている。リードアウト領域(インナー領域102f)には、リードアウト領域であることを示す信号がピット列で記録されている。外観識別領域(インナー領域102f)には、グルーブ111を不連続にすることにより、試料収容ディスク100の種別等を視覚的に表示するための構造が設けられている。外観識別領域はリードアウト領域のディスク中心Pcにより近い内周側に設定されている。
[0025]
 検出領域102gのグルーブ111には各種信号が記録されている。検出領域102gのグルーブ111のフォーマットについては後述する。
[0026]
 図3Bに示すように、試料収容ディスク100の検出領域102gは、ディスク径方向Drに複数のゾーンZ0~Znに区分されている。試料収容ディスク100は、たとえば、75のゾーンに区分される。トラック102cのうち各ゾーンに含まれるディスク径方向Drに並ぶトラック部分の数は同じである。1つのゾーンのトラック102c(グルーブ111)は、ディスク中心Pcについて同じ角速度でビームスポットB1により走査される。また、各ゾーンの角速度は、ディスク径方向Drにおけるゾーンの中心位置のトラック102c(グルーブ111)のトラック部分Taが互いに同じ線速度でビームスポットB1により走査されるように設定される。
[0027]
 図4は、各ゾーンのグルーブ111とランド112を直線状に展開して示す。図4には、1周分のグルーブ111およびランド112が1つの直線で示されている。また、図4に示すグルーブ111およびランド112の長さは、物理的な長さでなく、便宜上、1周の長さが全てのグルーブ111およびランド112において同じとなるように規格化されて示されている。
[0028]
 図4に示すように、検出領域102gは、ディスク径方向Drに複数のゾーンZ0~Znに区分されている。各ゾーンには、ディスク径方向Drに配列された複数のトラック102c(グルーブ111)が含まれる。図4では、便宜上、1つのゾーン内のトラック102cのトラック部分Taに、外周側からのトラック番号T0~Tmが付されている。1つのゾーンに含まれるトラック102cのトラック部分Taの数は、たとえば800である。
[0029]
 図5Aは、エリアA0~A8のそれぞれのエリアAxの複数のトラック部分Ta(グルーブ111)のそれぞれに設定されるフィールドF1~F9のフォーマットを示す。図5BはフィールドF1~F9の角度範囲を模式的に示す。
[0030]
 図5Aに示すように、1つのエリアAxの複数のトラック部分Ta(グルーブ111)のそれぞれにはフィールドF1~F9が設定される。フィールドF2、F5、F7には信号がピット113(図2参照)で記録されておらず、単調に延びるスペース113s(図2参照)のみよりなるグルーブ111(G)のみが形成されている。フィールドF5は、全長において試料収容部101bに重なっている。すなわち、フィールドF5の両端は、試料収容部101bのディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界(端)に一致している。したがって、上方から見て試料収容部101bに重なるトラック部分には信号が記録されておらず、単調に平坦に延びるグルーブ111のみが形成されている。
[0031]
 フィールドF1、F3、F4、F6、F8、F9には、図2に示すピット113により信号が記録されている。各エリアAxにおいて、走査方向Dsに沿ってトラック部分Taは始端SPで始まり終端EPで終わる。図5Bに示すように、同一エリア内にある全てのトラック部分Taの始端SPは1つのディスク径方向Dr1に揃っており、すなわちディスク中心Pcからディスク径方向Dr1に延びる直線Lr1上に位置する。同様に、同一エリア内にある全てのトラック部分Taの終端EPは1つのディスク径方向Drに揃っており、すなわち、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr2に延びる直線Lr2上に位置する。トラック部分Taと同様に、同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF5の始端はディスク径方向Drに揃っており、フィールドF5の終端は別のディスク径方向Drに揃っている。同様に、同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF1の始端はさらに別のディスク径方向Drに揃っており、フィールドF1の終端はさらに別のディスク径方向Drに揃っている。同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF3の始端はさらに別のディスク径方向Drに揃っており、フィールドF3の終端はさらに別のディスク径方向Drに揃っている。同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF4の始端はさらに別のディスク径方向Drに揃っており、フィールドF4の終端はさらに別のディスク径方向Drに揃っている。同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF6の始端はさらに別のディスク径方向Drに揃っており、フィールドF6の終端はさらに別のディスク径方向Drに揃っている。同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF8の始端はさらに別のディスク径方向Drに揃っており、フィールドF8の終端はさらに別のディスク径方向Drに揃っている。同一エリア内にある全てのトラック部分TaでのフィールドF9の始端はさらに別のディスク径方向Drに揃っており、フィールドF9の終端はさらに別のディスク径方向Drに揃っている。
[0032]
 図6Aは複数のトラック部分Taのうちの或るトラック部分Ta1のフィールドF1~F9の信号フォーマットを示す。複数のトラック部分Taのそれぞれはトラック部分Ta1を同じ構成を有する。図6Aにおいて、斜線ハッチングが付された部分はグルーブ111にピット113が形成された領域を示し、斜線ハッチングが付されていない白い部分はピット113が形成されていないグルーブ111のみの領域を示している。時間長1Tは、上記のように一定の角速度一定でグルーブ111が走査された場合の最小ピットの時間長を示している。
[0033]
 フィールドF1、F9には、交互に10回ずつ繰り返されたピットとスペースとよりなる信号Enが記録されている。信号Enのピットとスペースとは共には時間長1Tの2倍の長さの時間長2Tを有する。フィールドF1に記録された信号Enは、1エリアのトラック部分Ta1の始端SP(図5A参照)を示し、フィールドF9に記録された信号Enは、1エリアのトラック部分Ta1の終端EP(図5A参照)を示す。
[0034]
 フィールドF2、F5、F7にはピット113が形成されておらず、フィールドF2、F5、F7はスペース113sのみからなっている。
[0035]
 フィールドF4には、時間長1Tの8倍の時間長8Tを有するスペースと、そのスペースの後で交互に4回ずつ繰り返された時間長1Tを有するピットと時間長1Tを有するスペースとよりなる開始信号V3が記録されている。開始信号V3は、走査方向Dsにおける試料収容部101bが始まる位置を示す。
[0036]
 フィールドF6には、交互に5回ずる繰り返されたピットとスペースとよりなる終了信号Vsが記録されている。終了信号Vsのピットとスペースは共に時間長1Tの4倍の長さの時間長4Tを有する。終了信号Vsは、走査方向Dsに沿って試料収容部101bが終わる位置を示す。
[0037]
 フィールドF3は、3つのヘッダー領域HE0~HE2からなる。ヘッダー領域HE0は、フォーマットにより規定されていない任意の信号を記録可能なリザーブ領域である。ヘッダー領域HE1には、ヘッダー領域HE1を識別するための識別信号と、トラック部分Ta1の位置を示すアドレス信号と、アドレス信号に対する誤り検出または誤り訂正を行うための誤り訂正信号とが記録される。これら信号は固定のビット長を有する。アドレス信号は、図4に示すトラック番号T0~Tmのうちのトラック部分Ta1のトラック番号と、ゾーンZ0~Znのうちのトラック部分Ta1を含むゾーンを示すゾーン番号と、エリアA0~A9のうちのトラック部分Ta1を含むエリアを示すエリア番号とを含む。ヘッダー領域HE2には、ヘッダー領域HE1と同様の信号が記録される。
[0038]
 図6Aに示すように、フィールドF8は3つのフッター領域FT0~FT2からなる。フッター領域FT0はヘッダー領域HE0と同様にリザーブ領域である。フッター領域FT1には、ヘッダー領域HE1と同様に、識別信号と、アドレス信号と、誤り訂正信号が記録される。これら信号は固定のビット長を有する。アドレス信号は、トラック番号T0~Tmのうちのトラック部分Ta1のトラック番号と、ゾーンZ0~Znのうちのトラック部分Ta1を含むゾーンを示すゾーン番号と、エリアA0~A9のうちのトラック部分Ta1を含むエリアを示すエリア番号をと含む。フッター領域FT2には、フッター領域FT1と同様の信号が記録される。
[0039]
 なお、フッター領域FT1、FT2の識別信号は、ヘッダー領域HE1、HE2の識別信号と異なっている。フッター領域FT1、FT2のアドレス信号は、ヘッダー領域HE1、HE2のアドレス信号と同じである。ヘッダー領域HE0~HE2とフッター領域FT0~FT2には、ピットとスペースによって1と0の値よりなるデジタル信号(ビット信号)が記録されている。
[0040]
 同一ゾーン且つ同一エリア内の全てのトラック部分Taにおいて、アドレス信号が記録されたフィールドF3、F8以外のフィールドのうちの同じフィールドには、同じ配置で配列された同じ時間長を有するピットと同じ時間長を有するスペースよりなる同じ信号が記録されている。これらのフィールドに形成されたピットとスペースは、同一ゾーン且つ同一エリア内の全てのトラック部分Taにおいてディスク径方向Drに揃っている。フィールドF4を例にしてピットとスペースの上記の配置を説明する。図6Bは試料収容ディスク100の模式拡大図であり、トラック番号T11~T15のトラック部分TaでのフィールドF4を示す。図6Aにも示すように、トラック部分Taにおいて、フィールドF4では、走査方向Dsに沿って時間長8Tを有するスペースSc1と、時間長1Tを有するピットPt1と、時間長1Tを有するスペースSc2と、時間長1Tを有するピットPt2と、時間長1Tを有するスペースSc3と、時間長1Tを有するピットPt3と、時間長1Tを有するスペースSc4と、時間長1Tを有するピットPt4と、時間長1Tを有するスペースSc5とがこの順で配置されている。図6Bに示すように、トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaでのフィールドF4のスペースSc1の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr11、Dr12にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr11、Dr12に延びる直線Lr11、Lr12上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のピットPt1の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr12、Dr13にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr12、Dr13に延びる直線Lr12、Lr13上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のスペースSc2の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr13、Dr14にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr13、Dr14に延びる直線Lr13、Lr14上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のピットPt2の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr14、Dr15にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr14、Dr15に延びる直線Lr14、Lr15上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のスペースSc3の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr15、Dr16にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr15、Dr16に延びる直線Lr15、Lr16上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のピットPt3の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr16、Dr17にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr16、Dr17に延びる直線Lr16、Lr17上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のスペースSc4の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr17、Dr18にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr17、Dr18に延びる直線Lr17、Lr18上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のピットPt4の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr18、Dr19にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr18、Dr19に延びる直線Lr18、Lr19上にそれぞれ位置する。トラック番号T11~T15を含む各エリアの各ゾーンの全てのトラック部分TaのフィールドF4のスペースSc5の両端がディスク中心Pcから離れるディスク径方向Dr19、Dr110にそれぞれ揃っており、ディスク中心Pcからディスク径方向Dr19、Dr110に延びる直線Lr19、Lr110上にそれぞれ位置する。
[0041]
 フィールドF1、F9に形成されたピットとスペースは、同一エリアの全てのゾーンに含まれるトラック部分Taにおいてディスク径方向Drに揃っている。フィールドF3、F8に形成されたピットとスペースは、アドレス信号の内容に応じてピットとスペースの時間長が異なるので、複数のトラック部分Taにおいて、ディスク周方向Dcで位置がずれている。
[0042]
 <蛍光検出装置>
 図7は、試料収容ディスク100から蛍光を読み取るための蛍光検出用ピックアップ200の構成図である。
[0043]
 図7に示すように、蛍光検出用ピックアップ200を用いて、試料収容ディスク100の試料収容部101bから蛍光が検出される。たとえば、赤血球RCがマラリア原虫に感染しているかを判定するために試料収容ディスク100から蛍光が検出される。この場合、赤血球RC中のマラリア原虫が蛍光色素で標識されるように試料100Saが調製される。蛍光色素は、たとえば、波長405nmの光が照射されると、波長450~540nm程度の蛍光を生じる。こうして調製された試料100Saが、検体ごとに、試料収容ディスク100の9つの試料収容部101bに充填される。その後、試料収容ディスク100の開口101a(図1A参照)が、スピンドルモータ220に軸支されたターンテーブル230に固定される。
[0044]
 蛍光検出用ピックアップ200は、半導体レーザ201と、1/2波長板202と、偏光ビームスプリッタ(PBS)203と、コリメータレンズ204と、1/4波長板205と、対物レンズ206と、対物レンズアクチュエータ207と、ダイクロイックプリズム208と、アナモルフィックレンズ209と、光検出器210と、蛍光検出器211とを備えている。
[0045]
 実施形態1において、半導体レーザ201は、波長405nm程度のレーザ光を出射する。半導体レーザ201から出射されたレーザ光は、1/2波長板202によって、PBS203に対しS偏光となるように偏光方向が調整される。これにより、レーザ光は、PBS203によって反射され、コリメータレンズ204に入射する。PBS203は、半導体レーザ201から出射されたレーザ光の波長付近の光に対してのみ反射や透過等の特性の偏光依存性を有し、レーザ光の波長以外の波長、例えば波長450~540nm程度の光には上記特性の偏光依存性を有していない。
[0046]
 コリメータレンズ204は、PBS203の側から入射するレーザ光を平行光に変換する。1/4波長板205は、コリメータレンズ204の側から入射するレーザ光を円偏光に変換するとともに、対物レンズ206の側から入射するレーザ光を、コリメータレンズ204の側から入射する際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、試料収容ディスク100の半透過膜102dによって反射されたレーザ光は、PBS203をそのまま透過して、蛍光検出器211に向かって反射はしない。
[0047]
 対物レンズ206は、1/4波長板205側から入射するレーザ光を試料収容ディスク100の半透過膜102dに収束させる。対物レンズアクチュエータ207は、後述するサーボ回路50(図9参照)によって、試料収容ディスク100のグルーブ111に対してレーザ光が収束するように、フォーカス方向およびトラッキング方向に対物レンズ206を駆動して変位させる。
[0048]
 なお、レーザ光がグルーブ111に収束されると、レーザ光の80%程度がグルーブ111の半透過膜102dを透過して試料収容部101b内に進入する。このとき、試料収容部101b内に進入したレーザ光がマラリア原虫に感染している赤血球RCに照射されると、蛍光標識されたマラリア原虫から蛍光が生じる。こうして生じた蛍光は、半透過膜102dを透過して、対物レンズ206へと進む。このように、試料収容ディスク100からは、グルーブ111(半透過膜102d)によって反射されたレーザ光と、マラリア原虫によって生じた蛍光の両方が、対物レンズ206へ入射する。これら2つの光は、1/4波長板205、コリメータレンズ204およびPBS203を通って、ダイクロイックプリズム208に入射する。
[0049]
 ダイクロイックプリズム208は、半導体レーザ201から出射されたレーザ光の波長405nm程度の光を透過し、半導体レーザ201から出射されたレーザ光の波長以外の蛍光の波長例えば450~540nm程度の光を反射するよう構成されている。これにより、PBS203側から入射する蛍光は、ダイクロイックプリズム208によって反射され、PBS203側から入射するレーザ光は、ダイクロイックプリズム208を透過する。
[0050]
 アナモルフィックレンズ209は、ダイクロイックプリズム208を透過したレーザ光に非点収差を導入する。アナモルフィックレンズ209を透過したレーザ光は、光検出器210に入射する。光検出器210は、受光面上にレーザ光を受光するための4分割センサを有している。光検出器210から出力される検出信号は、後述する信号演算回路300(図8参照)によって処理される。
[0051]
 ダイクロイックプリズム208で反射された蛍光は、コリメータレンズ204によって収束された状態のまま、蛍光検出器211の受光面に導かれる。蛍光検出器211は受光面上に設けられて蛍光を受光するためのセンサを有している。蛍光検出器211の検出信号は信号増幅回路によって増幅される。
[0052]
 なお、試料収容ディスク100から生じる蛍光は微弱であるため、図7の光学系においては、半導体レーザ201から出射されたレーザ光が蛍光検出器211に入射しないようにするための障壁等を適宜光学系に配置することが好ましい。
[0053]
 図8は、実施形態1における信号演算回路300の構成図である。図9は、実施形態1における蛍光検出装置1の構成図である。
[0054]
 光検出器210は、上述のように、レーザ光を受光するための4分割センサを有している。4分割センサの左上のセンサ2101、右上のセンサ2102、右下のセンサ2103、左下のセンサ2104は、受光したレーザ光のビームスポットに基づいて検出信号S1、S2、S3、S4をそれぞれ出力する。信号演算回路300は検出信号S1~S4を処理して、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび再生RF信号RFを生成する。フォーカスエラー信号FEとトラッキングエラー信号TEは、既存の光ディスク装置において用いられる非点収差法と1ビームプッシュプル法に従って生成される。
[0055]
 信号演算回路300は、加算器301~304、307と、減算器305、306を備えている。加算器301は、検出信号S1、S3を加算した信号(S1+S3)を減算器305に出力し、加算器302は、検出信号S2、S4を加算した信号(S2+S4)を減算器305に出力する。加算器303は、検出信号S1、S4を加算した信号(S1+S4)を減算器306と加算器307に出力し、加算器304は、検出信号S2、S3を加算した信号(S2+S3)を減算器306と加算器307に出力する。
[0056]
 減算器305は、加算器301の出力信号から加算器302の出力信号を減算してフォーカスエラー信号FEを出力する。減算器306は、加算器303の出力信号から加算器304の出力信号を減算してトラッキングエラー信号TEを出力する。加算器307は、加算器303、304の出力信号を加算して再生RF信号RF(SUM信号)を出力する。
[0057]
 ここで、対物レンズ206の焦点位置が試料収容ディスク100の半透過膜102dに位置付けられているとき、光検出器210の4分割センサ2101~2104上のビームスポットは最小錯乱円となり、フォーカスエラー信号FEの値が0となる。また、対物レンズ206の焦点位置が試料収容ディスク100のトラック102c(グルーブ111)のディスク径方向Drにおける中央位置に位置付けられているとき、光検出器210の4分割センサ2101~2104上のビームスポットの左側の2つのセンサ2101、2104にかかる部分の大きさが右側の2つのセンサ2102、2103にかかる部分の大きさと等しくなり、トラッキングエラー信号TEの値が0となる。図7に示す対物レンズアクチュエータ207は、図9に示すサーボ回路50の制御のもと、フォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEが共にゼロになるように、対物レンズ206を試料収容ディスク100の基板102の上面102pに直角のフォーカス方向および基板102の上面102pに平行なトラッキング方向に駆動する。
[0058]
 蛍光検出装置1は、図7に示す蛍光検出用ピックアップ200、スピンドルモータ220およびターンテーブル230の他に、信号処理回路10と、画像処理部20と、入出力ユニット30と、コントローラ40と、サーボ回路50と、スレッドモータ240とを備えている。図8の信号演算回路300は、蛍光検出用ピックアップ200に設けられている。
[0059]
 蛍光検出装置1の信号処理回路10は、蛍光検出用ピックアップ200から出力される蛍光信号FLおよび再生RF信号RFを処理する。蛍光信号は、図7の蛍光検出器211から出力され、再生RF信号RFは、図8の加算器307から出力される。信号処理回路10は、信号検出部11と、信号再生部12と、切出し部13と、重畳部14とを備える。信号検出部11と信号再生部12は信号取得部11aを構成する。
[0060]
 信号検出部11は、蛍光検出用ピックアップ200から入力された再生RF信号RFを処理して、図6Aに示す各種信号を検出し、検出した信号を信号再生部12、切出し部13およびコントローラ40に出力する。信号再生部12は、信号検出部11から入力されたフィールドF3、F8の信号、すなわち、ヘッダー領域HE0~HE2およびフッター領域FT0~FT2の信号を再生し、アドレス信号を取得する。信号再生部12は、取得したアドレス信号を重畳部14に出力する。
[0061]
 切出し部13は、蛍光検出用ピックアップ200から入力された蛍光信号を所定周期のサンプリングクロックでサンプリングして得られた各サンプル値をデジタル信号に変換して重畳部14へと出力する。切出し部13は、信号検出部11によって開始信号V3(図5A参照)が検出されたことに応じて蛍光信号FLdのサンプリングを終了する。
[0062]
 上記のように、試料収容ディスク100は、ゾーンごとに異なる角速度で回転される。したがって、トラック部分Taがレーザ光で走査される時間は、ゾーンごとに異なる。このため、各ゾーンに対して同じ周期のタイミング信号で蛍光信号を切出すと、切出された信号群の数がゾーンごとに異なる。実施形態1では、各ゾーンのトラック部分Taから同じ数の信号群が切出されるように、切出し部13におけるサンプリングクロックの周期が調整される。これにより、各ゾーンにおいて、略同じ角度間隔で蛍光信号FLが切出される。
[0063]
 重畳部14は、切出し部13によって取得された蛍光信号に信号再生部12から入力されたアドレス信号を付加して、画像処理部20に出力する。画像処理部20は、入力された蛍光信号を繋ぎ合わせて、エリアA0~A8ごとに蛍光画像を生成する。また、画像処理部20は、蛍光画像を画像処理して、蛍光の輝点の数を数え、赤血球RCにおけるマラリアの感染率等を算出する。これらの蛍光画像、計数値および感染率等は、随時、画像処理部20から入出力ユニット30に出力される。
[0064]
 なお、後述のように、開始信号V3(図5A参照)が検出されてから終了信号Vs(図5A参照)が検出されるまでの間にアドレス信号が変化した場合は、画像処理部20に出力された信号がコントローラ40によって無効化される。この場合、コントローラ40は、アドレス信号が変化した開始信号V3から終了信号Vsまでの期間がレーザ光で再度走査され、蛍光信号が切出されるよう、サーボ回路50と信号処理回路10を制御する。
[0065]
 入出力ユニット30は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの入力デバイスと、モニタ、スピーカ等の出力デバイスを備える。入出力ユニット30を介して、蛍光検出を開始するための指示が入力される。また、蛍光画像や輝点の数、マラリアの感染率等が、入出力ユニット30に表示される。
[0066]
 病原菌に感染した細胞や所定の態様を有する細胞を検出する場合の有効な手法として、検出対象の細胞を蛍光色素で染色して流路に収容し、流路全体の蛍光画像を取得する方法を用いることができる。この場合、取得した蛍光画像を解析処理することにより、検出対象細胞の有無および数を取得でき、これに基づき病原菌の感染率等を取得することができる。また、取得した蛍光画像を適宜表示して蛍光の発生状況を目視により確認することもできる。
[0067]
 コントローラ40は、CPU(Central Processing Unit)等の処理回路やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを備え、メモリに格納されたプログラムに従って各部を制御する。
[0068]
 サーボ回路50は、図8の信号演算回路300で生成されたフォーカスエラー信号FEおよびトラッキングエラー信号TEに基づいて、対物レンズアクチュエータ207を制御する。また、サーボ回路50は、図3Bに示すゾーンZ0~Znが、各ゾーンに設定された角速度でビームスポットB1により走査されるように、スピンドルモータ220を制御する。さらに、サーボ回路50は、ビームスポットB1がトラック102cの最外周位置から最内周位置まで走査可能となるように、蛍光検出用ピックアップ200を試料収容ディスク100のディスク径方向Drに送るためのスレッドモータ240を制御する。サーボ回路50と蛍光検出用ピックアップ200とスピンドルモータ220とスレッドモータ240は、試料収容ディスク100に光を照射して走査方向Dsに試料収容ディスク100を走査する走査部1200を構成する。
[0069]
 図10Aは、アドレス信号の取得処理を示すフローチャートである。
[0070]
 まず、信号再生部12は、信号検出部11からヘッダー領域HE1の信号を取得し(S11)、取得した信号中のアドレス信号に誤り訂正信号を適用して誤り訂正処理を行う(S12)。誤り訂正処理が適正であると(S13:YES)、信号再生部12は、ヘッダー領域HE2に対するアドレス信号の再生処理を行わずに、誤り訂正処理により取得されたアドレス信号を、フィールドF3(図5A参照)のアドレス信号として取得し(S14)、処理を終了する。一方、誤り訂正処理が適正でない場合(S13:NO)、信号再生部12は、さらにヘッダー領域HE2の信号を取得し(S15)、取得した信号中のアドレス信号に誤り訂正信号を適用して誤り訂正処理を行う(S16)。誤り訂正処理が適正であると(S17:YES)、信号再生部12は、誤り訂正処理により取得されたアドレス信号を、フィールドF3(図5A参照)のアドレス信号として取得し(S18)、処理を終了する。
[0071]
 なお、ステップS12、16では、ヘッダー領域HE1、HE2に含まれている誤り訂正信号を用いて、誤り検出処理と誤り訂正処理が行われる。アドレス信号に誤りが検出されない場合、ヘッダー領域HE1、HE2に含まれているアドレス信号は適正であると判定される。また、誤りが検出されると、誤り訂正信号を用いた演算により、アドレス信号中の誤りビットが抽出され、当該誤りビットが訂正される。なお、ステップS17の判定がNOである場合、コントローラ40は、当該トラック部分Taを再度走査する。
[0072]
 フッター領域FT1、FT2に対するアドレス信号の取得処理も図10Aに示すヘッダー領域HE1、HE2に対するアドレス信号の取得処理と同様に実施される。すなわち、フッター領域FT1、FT2に対するアドレス信号の取得処理では、図10Aのヘッダー領域HE1、HE2の信号を取得する処理ステップS11、S12が、それぞれ、フッター領域FT1、FT2の信号を取得する処理に置き換えられる。
[0073]
 このように、本実施形態では、ヘッダー領域HE1、HE2のそれぞれにアドレス信号が記録されているため、ヘッダー領域HE1からアドレス信号を適正に読み取れなかった場合も、ヘッダー領域HE2からアドレス信号を取得できる。フッター領域FT1、FT2についても同様である。よって、より円滑に、アドレス信号を取得でき、結果、蛍光信号の切出し処理を円滑に進めることができる。
[0074]
 図10Bは、トラッキング制御を示すフローチャートである。
[0075]
 信号検出部11が開始信号V3(図5A参照)を検出すると(S21:YES)、サーボ回路50は、トラッキングサーボ信号を直前の信号値に維持し(S22)、時間Ts1が経過するのを待つ(S23)。ここで、時間Ts1は、ビームスポットB1がフィールドF5の始端を抜けるのに要する時間に設定される。フィールドF5の始端は、試料収容部101bの境界(端)の位置にあるため、この位置において、レーザ光の反射率が大きく変化し、トラッキングエラー信号が大きく乱れやすい。トラッキングエラー信号が乱れると、ビームスポットB1の走査位置が、対象トラックから隣のトラックなどに外れてしまう恐れがある。
[0076]
 そこで、本実施形態では、ビームスポットB1がフィールドF5の始端を抜けるまでの間、すなわち、時間Ts1が経過するまでの間、トラッキングサーボ信号を直前の信号値に維持して(S22)、トラッキングが外れることを防いでいる。これにより、安定的に、レーザ光でトラック102cを走査することができる。
[0077]
 時間Ts1が経過すると(S23:YES)、サーボ回路50は、トラッキングサーボを再開する(S24)。その後、時間Ts2が経過すると(S25:YES)、サーボ回路50は、再びトラッキングサーボ信号を直前の信号値に維持し(S26)、時間Ts3が経過するのを待つ(S27)。時間Ts3が経過すると(S27:YES)、サーボ回路50は、トラッキングサーボを再開する(S28)。
[0078]
 ここで、時間Ts2は、ビームスポットB1がフィールドF5の終端の直前位置に到達するのに要する時間に設定される。また、時間Ts3は、ビームスポットB1がフィールドF5の終端の直前位置からフィールドF5の終端を抜けるまでに要する時間に設定される。
[0079]
 このように、ステップS25~S27の処理においてフィールドF5の終端付近でトラッキングサーボ信号を維持する目的およびその効果は、ステップS22~S23の処理においてフィールドF5の始端付近でトラッキングサーボ信号を維持する目的およびその効果と同様である。すなわち、この処理もまた、フィールドF5の終端において、レーザ光の反射率が大きく変化し、トラッキングエラー信号に大きな乱れが生じ易いことを考慮したものである。これらの処理により、トラック102cを安定的に走査でき、結果、蛍光信号の切出し処理を円滑に進めることができる。
[0080]
 ステップS27では、フィールドF5の終端に到達する時間Ts3が経過したことを判定しているが、フィールドF5の終端前に所定の信号をさらに記録し、この信号を検出することにより、処理をステップS28へと移行させてもよい。
[0081]
 図11Aは、蛍光信号を切出す切出し処理を示すフローチャートである。
[0082]
 信号検出部11が信号V3(図5A参照)を検出すると(S31:YES)、切出し部13は、蛍光信号の切出し(サンプリング)を開始する(S32)。その後、信号検出部11が終了信号Vs(図5A参照)を検出すると(S33:YES)、切出し部13は、蛍光信号の切出し(サンプリング)を終了する(S34)。
[0083]
 なお、図11Aの処理では、開始信号V3が検出されると直ちに蛍光信号の切出しが開始されるが、図10Bと同様、開始信号V3が検出されてから所定時間(たとえば時間Ts1)が経過した後に切出し部13が蛍光信号の切出しを開始するようにコントローラ40が切出し部13を制御してもよい。また、図11Aの処理では、終了信号Vsが検出されたことに応じて蛍光信号の切出しが終了するが、図10Bと同様、切出し部13がフィールドF5の終端の直前位置のタイミングで蛍光信号の切出しを終了すされるようにコントローラ40が切出し部13を制御してもよい。
[0084]
 図11Bは、切出し信号を無効化する無効化処理を示すフローチャートである。
[0085]
 コントローラ40は、1つのトラック部分Taを走査する間に、ヘッダー領域HE1、HE2から再生されたアドレス信号を取得し(S41)、フッター領域FT1、FT2から再生されたアドレス信号を取得する(S42)。コントローラ40は、こうして取得した2つのアドレス信号が一致するか否かを判定する(S43)。2つのアドレス信号が一致しない場合(S43:No)、コントローラ40は、当該トラック部分Taから切り出された蛍光信号を無効化し(S44)、当該トラック部分Taをレーザ光で再度走査して蛍光信号を切り出すように切出し部13を制御する(S45)。2つのアドレス信号が一致する場合(S43:Yes)、コントローラ40は、当該トラック部分Taから切り出された蛍光信号を無効化することなく、処理を終了する。
[0086]
 ステップS41、S42で取得したアドレス信号が一致しない場合、試料収容部101bに重なるグルーブ111を走査する間に、レーザ光のビームスポットB1がグルーブ111から外れて他のグルーブに移動した可能性がある。この場合、その間に切出した蛍光信号は、2つのトラック部分に跨がって取得されており、1つのトラック部分から取得された蛍光信号とはならない。
[0087]
 そこで、実施形態1における蛍光検出装置1では、図11Bの処理を実行し、試料収容部101bに重なるグルーブ111を走査する間に、レーザ光のビームスポットB1がグルーブ111から外れて他のグルーブに移動した恐れがある場合は、その間に取得された蛍光信号は無効化され、再度、蛍光信号が切出される。これにより、1つのトラック部分Taから適正に蛍光信号が取得される。
[0088]
 図12は、蛍光信号の切出し処理を説明するための図である。
[0089]
 切出し部13は、レーザ光がフィールドF5を走査する間に、蛍光検出用ピックアップ200から出力される蛍光信号を一定周期のサンプリングクロックSckに同期してサンプリングし、各タイミングにおけるサンプル値を取得する。図12は、サンプリングクロックSckと、同じゾーンで同じエリアに含まれる1つの群のトラック部分Ta(トラック番号T0~Tm)から切り出された信号とを模式的に示す。ここでは、1つのトラック部分Taから、k個の信号SP1~SPkが取得される。
[0090]
 図12の例では、トラック番号T1のトラック部分Taがレーザ光で走査される間の、信号SP5が走査されるタイミングにおいて、試料中に、マラリアに感染した赤血球RCが存在している。この場合、トラック番号T1の信号SP5のサンプリング値はトラック番号T1の他の信号SP1~SP4、SP6~SPkと他のトラック(トラック番号T0、T2~Tm)の信号SP1~SPkより高い。信号SP5の周囲の信号(トラック番号T1の信号SP4、SP6とトラック番号T0、T2の信号SP4~SP6)のサンプル値は信号SP4~SP6の信号SP5とその周囲の信号との他の信号よりも高くなっている。図12では、サンプル値が高いほどハッチングの濃度が高くなっている。
[0091]
 図9の画像処理部20は、重畳部14から入力された信号とアドレス信号に基づいて、同じゾーンで同じエリアに含まれる1つの群のトラック部分Taの信号を、走査された順およびトラック番号の順に並べて1つの試料収容部101bを示す蛍光画像を生成する。画像処理部20は、こうして生成した蛍光画像を解析して、蛍光の輝点の数、すなわち、マラリアに感染した赤血球RCの数を数え、その数に基づき、試料100Saに含まれる赤血球RCのマラリア感染率を算出する。画像処理部20は、取得した計数値、感染率を蛍光画像とともに、入出力ユニット30に出力する。これにより、入出力ユニット30に、蛍光画像やマラリアの検出数およびマラリア感染率等が表示される。
[0092]
 <実施形態1の効果>
 図1Aに示すように、ディスク周方向Dcの2つの境界(端)がそれぞれディスク中心Pcから放射状に延びるように、試料収容部101bが配置されている。このため、一定の角速度で試料収容ディスク100を回転させると、上方から見て1つの試料収容部101bに重なる任意のトラック部分Taをレーザ光で走査する場合に、試料収容部101bの範囲を走査する期間が略一定となる。これにより、上記のように蛍光検出装置1において、予めトラックに記録された開始信号V3と終了信号Vs(図5A参照)をそれぞれ検出し、これら信号が検出される時点の間の期間、すなわち、試料収容部101bの範囲を走査する期間において、蛍光信号を所定の間隔でサンプリングして切出す。これにより、1つのトラック部分Taに沿った一連の蛍光画像の断片を、試料収容部101bに収容された試料100Saから取得することができる。こうして取得した断片を、図12に示すように繋ぎ合わせることにより、試料収容部101b全体の蛍光画像を取得することができる。
[0093]
 図5Aに示すように、試料収容部101bを跨ぐトラック部分Taには、トラック102cの走査方向における試料収容部101bの上流側と下流側に、それぞれ、ヘッダー領域HE1、HE2とフッター領域FT1、FT2が設定されている。そして、図6Aに示すように、ヘッダー領域HE1、HE2とフッター領域FT1、FT2に、それぞれ、同じ内容のアドレス信号が記録されている。これにより、蛍光検出装置1において、図11Bの処理を実行することにより、2つのアドレス信号が一致せず、試料収容部101bの走査の際にトラックずれが生じた可能性がある場合に、当該走査において蛍光信号から切り出された信号を無効化することができ、1つのトラック部分Ta全体に対応する信号群を確実に取得することができる。よって、画像処理部20において高品質の蛍光画像を取得することができる。
[0094]
 試料収容ディスク100は、ディスク周方向DcにエリアA0~A8に区分されている。各エリアのディスク周方向Dcの2つの境界(端)がそれぞれディスク中心Pcから放射状にディスク径方向Drに延びている。すなわち、エリアA0のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B01、B80はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。
[0095]
 エリアA1のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B01、B12はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA2のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B12、B23はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA3のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B23、B34はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA4のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B34、B45はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA5のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B45、B56はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA6のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B56、B67はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA7のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B67、B78はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA8のディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界B78、B80はディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに延びている。エリアA0~A8にそれぞれ試料収容部101bが配置され、各エリアに含まれるトラック部分Taが試料収容部101bを跨いでいる。これにより、試料収容ディスク100を角速度一定で回転させると、各エリアに含まれるトラック部分Taは、全て同じ時間長で走査される。よって、全てのトラック部分Taに対して一律に同じ信号フォーマットを適用することができる。
[0096]
 ディスク中心Pcについてディスク周方向DcにおけるエリアA0~A8の角度範囲は、互いに等しく設定されている。このため、全てのエリアA0~A8から同様の処理により、蛍光信号を切出すことができる。
[0097]
 また、図3Bに示すように、試料収容ディスク100は、ディスク径方向Drに複数のゾーンZ0~Znに区分され、各ゾーンのトラック部分Taには、一定の角速度で信号が記録されている。ここで、ゾーンZ0~Znの角速度は、各ゾーンのディスク径方向Drの中央位置にあるトラック部分Taの線速度が互いに同じとなるように設定されている。このように複数のゾーンZ0~Znを設定してゾーン間の角速度を調整することにより、ディスク内周側の線速度とディスク外周側の線速度の差を抑制することができ、何れのゾーンに対しても、蛍光信号の切出しと、トラック部分Taからの信号の読み出しを、安定的に行うことができる。
[0098]
 また、図5Aおよび図6Aに示すように、トラック部分Taには、当該トラック部分Taを含むゾーンを示す信号と、ゾーンにおけるトラック部分のディスク径方向Drの位置(トラック番号)を示す信号と、トラック部分Taのディスク周方向Dcの位置(エリア)を示す信号が、アドレス信号として記録されている。これにより、各トラック部分Taのディスク上における位置を正確に特定することができる。
[0099]
 また、図2に示すように、グルーブ111にピット113を形成することにより、図5Aに示す各フィールドの信号が記録されている。このようにピット113で信号を記録することにより、グルーブ111をディスク径方向Drにウォブルさせて信号を記録するディスクに比べて、ディスク形成時のカッティングを容易に行うことができる。
[0100]
 上述のように、試料100Saを収容する試料収容ディスク100は、基板102と、ディスク中心Pcの周りを旋回するように基板102の上面102pに形成されたトラック102cと、トラック102cの上側に配置され試料100Saを収容する1つ以上の試料収容部101bとを備える。トラック102cは走査方向Dsに走査されるように構成されている。トラック102cのうちの1つ以上の試料収容部101bのそれぞれの試料収容部101bを跨ぐ複数のトラック部分Taのそれぞれのトラック部分Taの走査方向Dsにおけるそれぞれの試料収容部101bの上流側に、それぞれのトラック部分Taの位置を示すアドレス信号が記録されている。それぞれのトラック部分Taの走査方向Dsにおけるそれぞれの試料収容部101bの下流側に、それぞれのトラック部分Taの位置を示す別のアドレス信号が記録されている。
[0101]
 複数のトラック部分Taの走査方向Dsにおけるそれぞれの試料収容部101bの上流側には走査方向Dsにおけるそれぞれの試料収容部101bの開始を示す複数の開始信号V3がディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに揃うように記録されていてもよい。複数のトラック部分Taの走査方向Dsにおけるそれぞれの試料収容部101bの下流側には走査方向Dsにおけるそれぞれの試料収容部101bの終了を示す複数の終了信号Vsがディスク中心Pcから遠ざかる別のディスク径方向Drに揃うように記録されていてもよい。
[0102]
 トラック102cが形成された試料収容ディスクの領域(トラック領域102a)は、ディスク中心Pcから遠ざかる複数のディスク径方向Drにそれぞれ延びる複数の境界で複数のディスク径方向Drに直角のディスク周方向Dcに配列された複数のエリアA0~A8に区分されていてもよい。複数の試料収容部101bが、複数のエリアA0~A8にそれぞれ配置されている。
[0103]
 複数のエリアA0~A8は、ディスク中心Pcから互いに等しい角度範囲で配置されていてもよい。
[0104]
 上方から見て複数のトラック部分Taの1つ以上の試料収容部101bに重なる部分は、信号が記録されておらずに単調に延びていてもよい。
[0105]
 上方から見て複数のトラック部分Taの1つ以上の試料収容部101bに重なる部分の少なくとも1カ所に同期調整用の信号(同期調整ピットSB1~SB6)が記録されていてもよい。
[0106]
 複数のトラック部分Taはディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに並んでいてもよい。走査方向Dsにおいて複数のトラック部分Taが始まる始端SPをそれぞれ示す複数の信号Enがディスク中心Pcから遠ざかる別のディスク径方向Drに並ぶように複数のトラック部分Taの始端SPに記録されていてもよい。走査方向Dsにおいて複数のトラック部分Taが終わる終端EPをそれぞれ示す複数の信号Enがディスク中心Pcから遠ざかるさらに別のディスク径方向Drに並ぶように複数のトラック部分Taの終端EPに記録されていてもよい。
[0107]
 試料収容ディスク100は、ディスク中心Pcから遠ざかるディスク径方向Drに沿って複数のゾーンZ0~Znに区分されていてもよい。この場合、複数のゾーンZ0~Znには複数のトラック部分Taのうちの複数の群のトラック部分Taがそれぞれ配置されている。複数の群のトラック部分のそれぞれの群のトラック部分Taには一定の角速度で信号が記録されていてもよい。
[0108]
 上記一定の角速度は、それぞれの群のトラック部分Taのうちのディスク径方向Drの中央位置にあるトラック部分Taの線速度が複数の群のトラック部分Taにおいて所定の線速度になるように設定されていてもよい。
[0109]
 2つのアドレス信号のそれぞれは、複数のゾーンZ0~Znのうちのそれぞれのトラック部分Taを含むゾーンを示す信号と、そのゾーンにおけるそれぞれのトラック部分Taのディスク径方向Drでの位置を示す信号と、それぞれのトラック部分Taのディスク径方向Drに直角でディスク中心Pcを囲むディスク周方向Dcでの位置を示す信号とを含んでいてもよい。
[0110]
 アドレス信号は、トラック102cに形成された複数のピット113よりなるピット列により記録されている。
[0111]
 1つ以上の試料収容部100bのディスク中心Pcを囲むディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界はディスク中心Ocから放射状に延びていてもよい。
[0112]
 蛍光検出装置1は、試料収容ディスク100に光を照射して走査方向Dsに試料収容ディスク100を走査する走査部1200と、試料収容ディスク100で反射した光に応じて検出信号を出力する光検出器210と、検出信号に応じて動作する信号取得部11aと、照射された光により試料収容部101bに収容された試料100Saから生じた蛍光に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出器211と、蛍光信号をサンプリングして切出す切出し部13と、切り出された蛍光信号に対する処理を制御するコントローラ40とを備える。信号取得部11aは光検出器210が出力する信号に基づいて2つのアドレス信号を取得する。コントローラ40は、信号取得部11aにより取得された2つのアドレス信号に基づいて、切り出された蛍光信号に対する上記処理を制御する。
[0113]
 (実施形態2)
 図13は、実施形態2に係る試料収容ディスク100aの各ゾーンのグルーブとランドを直線状に展開して示す図である。図13において、図1Aから図6Aに示す実施形態1における試料収容ディスク100と同じ部分には同じ参照番号を付す。
[0114]
 実施形態1における試料収容ディスク100では、グルーブ111が最外周部から最内周部まで螺旋状に一続きに延びる。これに対し、実施形態2における試料収容ディスク100aでは、図13に示すように、検出領域102gのトラック102cにおいて、ディスク周方向Dcにエリアが切り替わるごとに、グルーブ111とランド112が交互に置き換わっている。実施形態2においても、図3Aに示すように、試料収容ディスク100aのトラック領域102aは、ディスク周方向Dcに9つのエリアA0~A8に区分けされている。したがって、グルーブ111から始まるトラック102cが1周すると、次の1周のトラック102cはランド112から始まることになる。また、同じエリア内では、グルーブ111とランド112がディスク径方向Drに交互に繰り返されることになる。ここでは、全てのゾーンのトラック番号T0のトラック102cはグルーブ111から始まるように、各ゾーンのトラック部分Taの数が設定されている。実施形態2における試料収容ディスク100aでは1つのゾーンに含まれるトラック102c(トラック部分Ta)の数は、実施の形態1における試料収容ディスク100の2倍のたとえば1600である。
[0115]
 実施形態1における試料収容ディスク100では、グルーブ111のみがレーザ光により走査される。実施形態2における試料収容ディスク100aでは、図13に示すように、グルーブ111とランド112の交互の繰り返しによりトラック102cが構成されているため、ディスク周方向Dcにグルーブ111とランド112が交互に走査される。したがって、実施形態1における試料収容ディスク100では走査されないランド112も、実施形態2における試料収容ディスク100aではレーザ光により走査される。このため、実施形態2における試料収容ディスク100aのレーザ光により走査される領域の数が、実施形態1における試料収容ディスク100に比べて2倍になり、試料収容部101bの走査の密度も2倍となる。よって、実施形態2における試料収容ディスク100aでは蛍光信号が切出される密度も実施形態1における試料収容ディスク100の2倍となり、実施形態2における試料収容ディスク100aでは、より高精細な蛍光画像が得られる。
[0116]
 図14Aは、実施形態2に係るにおける試料収容ディスク100aの1エリアのトラック部分Taに設定される各フィールドのフォーマットを示す。図14Aに示すように、実施形態2における試料収容ディスク100aにおいても、グルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta12~Ta15)のみに信号が記録され、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)には信号が記録されない。グルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta11)に記録される信号のフォーマットは、実施形態1におけるにおける試料収容ディスク100の図5Aのフォーマットと同じである。
[0117]
 このように、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)に信号を記録しないのは、以下の理由による。すなわち、ランド112からなるトラック部分Taに信号を記録すると、グルーブ111からなるトラック部分TaをビームスポットB1で走査して信号を読み取る際に、これに隣接するランド112からなるトラック部分Taにも同時にビームスポットB1が掛かり、ランド112からなるトラック部分Taによって光が変調される。このため、本来読み取られるべきグルーブ111からなるトラック部分Taからの再生RF信号RFが乱れてしまい、信号を適正に取得できなくなる。このため、実施形態2における試料収容ディスク100aでは、グルーブ111からなるトラック部分Taのみに信号が記録されている。
[0118]
 グルーブ111からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する際には、当該トラック部分Taに記録された各種信号をそのまま用いて、図10Aと図10Bと図11Aと図11Bに示す制御が行われる。
[0119]
 ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する場合の処理を以下に説明する。ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する際には、トラック部分Ta(Ta11)に対してディスク径方向Drに隣り合うトラック部分Ta(例えばトラック部分Ta12)に記録された信号V3、Vsを用いて図10Bおよび図11Aの制御が行われ、また、走査方向Dsにおいてトラック部分Ta(Ta11)の上流側および下流側にそれぞれ隣り合うトラック部分Ta(Ta14、Ta15)に記録されたアドレス信号を用いて、図11Bの制御が行われる。
[0120]
 すなわち、図14Aに示すように、実施形態2における試料収容ディスク100aにおいても、ディスク径方向Drに並ぶグルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta12、Ta13)において、フィールドF1、F4、F6、F9は、それぞれ、ディスク径方向Drに揃っている。また、フィールドF1、F4、F6、F9には、ディスク径方向Drに並ぶグルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta12、Ta13)において、それぞれ、同じ信号が記録されている。
[0121]
 したがって、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をビームスポットB1で走査する際には、ビームスポットB1のディスク径方向Drの両側の部分が、隣接する2つのトラック部分Ta(Ta12、Ta13)に掛かって、トラック部分Ta(Ta12、Ta13)のフィールドF1、F4、F6、F9に記録された信号により変調される。このため、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する場合であっても、当該トラック部分Ta(Ta11)に対してディスク径方向Drに隣接するトラック部分Ta(Ta12、Ta13)のフィールドF1、F4、F6、F9に記録された信号を適正に読み取ることができる。
[0122]
 よって、実施形態2では、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する場合においても、ディスク径方向Drに隣接するトラック部分Ta(Ta12、Ta13)から適正に信号V3、Vsが取得される。したがって、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する場合においても、図10Bおよび図11Aの制御を、グルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta12~Ta15)をレーザ光で走査する場合と同様に行うことができる。
[0123]
 なお、図14Aに示すフィールドF3、F8に記録された信号、すなわちアドレス信号は、ディスク径方向Drに隣り合うトラック部分Taで異なる。このため、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する場合には、当該トラック部分Ta(Ta11)に対してディスク径方向Drに隣り合うトラック部分Ta(Ta12、Ta13)のフィールドF3、F8からアドレス信号を適正に取得することができない。
[0124]
 このため、実施形態2における試料収容ディスク100aでは、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)については、当該トラック部分Ta(Ta11)に対して走査方向Dsにおいて上流側に隣り合うトラック部分Ta(Ta14)のフッター領域FT1、FT2から取得されたアドレス信号と、当該トラック部分Ta(Ta11)に対し走査方向Dsにおいて下流側に隣り合うトラック部分Ta(Ta15)のヘッダー領域HE1、HE2から取得されたアドレス信号に基づいて、図11Bの処理が行われる。
[0125]
 すなわち、ステップS41では、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)の下流側にあるトラック部分Ta(Ta15)のヘッダー領域HE1、HE2からアドレス信号が取得され、ステップS42では、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)の上流側にあるトラック部分Ta(Ta14)のフッター領域FT1、FT2からアドレス信号が取得される。そして、ステップS43では、両アドレス信号の関係が適正であるか否かが判定される。つまり、両アドレス信号のゾーン番号が一致し、両アドレス信号のトラック番号が一致し、且つ、両アドレス信号のエリア番号が連続性を有する場合に、両アドレス信号の関係が適正であると判定される。両アドレス信号のエリア番号が連続性を有するとは、トラック部分Ta15に記録されたアドレス信号から取得したエリア番号とトラック部分Ta14に記録されたアドレス信号から取得したエリア番号とが、3つの連続したエリアの両端のエリアのエリア番号の関係を満たすことを意味する。例えば、トラック部分Ta14とトラック部分Ta11とトラック部分Ta15とがこの順で1ずつ増加した連続したエリア番号が付されたエリアにそれぞれ配置されている場合には、トラック部分Ta11に記録されたアドレス信号から取得したエリア番号とトラック部分Ta15に記録されたアドレス信号から取得したエリア番号との差が2であるときに、両アドレス信号のエリア番号が連続性を有する。両アドレス信号のゾーン番号が一致しない場合、または両アドレス信号のトラック番号が一致しない場合、または両アドレス信号のエリア番号が連続性を有していない場合に、両アドレス信号の関係が適正でないと判定される。両アドレス信号の関係が適正でない場合に(S43:YES)、ステップS44、S45の処理が行われ、両アドレス信号の関係が適正である場合には蛍光信号を有効にして図11Bに示す処理を終える。
[0126]
 なお、実施形態2における試料収容ディスク100aでは、ビームスポットB1の走査する位置がグルーブ111とランド112との境界を通過するごとに、グルーブ111によって変調されるビームスポットB1の領域が、ビームスポットB1の中央位置とディスク径方向Drでの両側位置との間で切り替わる。このため、ビームスポットB1の走査する位置がグルーブ111とランド112との境界を通過するごとに、トラッキングエラー信号TEの極性を反転させる。
[0127]
 図14Bは、実施形態2に係るトラッキングエラー信号TEの極性を反転させる極性反転部51を示す図である。図14Cは、実施形態2における試料収容ディスク100aに係るビームスポットB1の走査とトラッキングエラー信号TEの極性を反転させるタイミングを模式的に示す図である。なお、極性反転部51は、図9に示すサーボ回路50内に設けられている。信号検出部11は、図9に示す信号処理回路10に設けられている。
[0128]
 信号検出部11がトラック部分Taの終端EPに記録された信号Enを検出すると、極性反転部51はトラッキングエラー信号TEの極性を反転させてトラッキングサーボのための回路部に供給する。これにより、図14Cに示すように、ビームスポットB1が、グルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta14)からランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)に移動する際にトラック部分Ta(Ta14)とトラック部分Ta(Ta11)との境界を通過するタイミングで、トラッキングエラー信号TEの極性が反転される。このようにトラッキングエラー信号の極性が反転されることにより、走査位置がグルーブ111からランド112へと移行しても、ビームスポットB1を、ずれなくトラック102c上に位置づけることができる。ビームスポットB1が、ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)からグルーブ111からなるトラック部分Ta(Ta15)に移動する際にトラック部分Ta(Ta11)となるトラック部分Ta(Ta15)との境界を通過するタイミングで、トラッキングエラー信号TEの極性が元に戻り同じ極性で極性反転部51から出力される。このようにトラッキングエラー信号の極性を元に戻して反転させないことにより、走査位置がランド112からグルーブ111へと移行しても、ビームスポットB1を、ずれなくトラック102c上に位置づけることができる。よって、蛍光信号の切出しを安定的に行うことができる。
[0129]
 以上のように、実施形態2における試料収容ディスク100aにおいても、実施形態1における試料収容ディスク100と同様の効果が奏され得る。加えて、実施形態2における試料収容ディスク100aでは、上述のように、ランド112の領域もレーザ光により走査されるため、レーザ光により走査される領域の数が、実施形態1における試料収容ディスク100のそれの2倍になり、試料収容部101bに対する走査密度も2倍となる。よって、実施形態2における試料収容ディスク100aでは蛍光信号を切出す密度も実施形態1における試料収容ディスク100の2倍となり、より高精細な蛍光画像が得られる。
[0130]
 なお、複数のピットよりなるピット列により信号がグルーブ111ではなくランド112に記録されていてもよい。図14Dは、実施形態2に係る他の試料収容ディスク100bのグルーブ111およびランド112とピット113の構造とを模式的に示す。図14Dにおいて、試料収容ディスク100aの構造を示す図2に示す実施形態1に係る試料収容ディスク100と同じ部分には同じ参照番号を付す。試料収容ディスク100aでは、ランド112でトラック102cを構成してもよい。すなわち、ランド112にピット113を形成することにより、図5Aに示す各フィールドの信号が記録されていてもよい。この場合にはグルーブ111にはピット113が形成されておらず、単調に平坦に延びる。このように、トラック102cにはグルーブ111とランド112のうちの一方に形成された複数のピット113よりなるピット列で信号が記録されている。これにより、信号が記録されたトラックを光で走査する際に、このトラックに隣接するトラックの異なる信号により光が変調されることがなく、トラックから適正に信号を読み取ることができる。
[0131]
 <実施形態2の効果>
 図13に示すように、エリアA0~A8が切り替わるごとにグルーブ111とランド112が切り替わるようにトラック102cが構成されている。このため、一連のグルーブ111によりトラック102cが構成されている場合に比べて、ディスク径方向Drに細かいピッチで試料収容部101bを走査することができる。また、グルーブ111とランド112のうちグルーブ111のみに、ピット113により信号が記録されている。このため、ビームスポットB1でグルーブ111を走査する際に、ビームスポットB1が隣接するランド112の異なる信号により変調されることがなく、トラック102cから適正に信号を読み取ることができる。さらに、ディスク周方向Dcの2つの境界がそれぞれディスク中心Pcから放射状に延びるように、試料収容部101bが構成されているため、一定の角速度で試料収容ディスク100a(100b)を回転させると、1つの試料収容部101bに重なる何れのトラック102cをレーザ光で走査しても、試料収容部101bの範囲を走査する期間が略一定となる。よって、実施形態1の図11Aの処理により蛍光信号を切出すことにより、1つのトラック102cに沿った一連の蛍光画像の信号群を、試料収容部101bに収容された試料100Saから取得することができる。こうして取得した信号群をディスク周方向Dcとディスク径方向Drに繋ぎ合わせることにより、試料収容部101b全体の蛍光画像を取得することができる。
[0132]
 図14Aに示すように、グルーブ111の走査方向Dsの終端EPに、トラック構造がグルーブ111からランド112へと切り替わることを示すための信号Enが記録されている。このため、図14Bの構成により、信号Enの検出に応じてトラッキングエラー信号TEの極性を反転させることにより、ビームスポットB1でトラック102cを円滑に走査することができる。
[0133]
 ディスク周方向Dcにおけるディスク中心Pcを中心とするエリアA0~A8の角度範囲は、互いに等しく設定されている。このため、全てのエリアA0~A8から同様の処理により、蛍光信号を切出すことができる。
[0134]
 図14A、図5Bおよび図6Aに示すように、グルーブ111には、走査方向Dsにおける試料収容部101bの上流側と下流側に、試料収容部101bの開始を示す開始信号V3と、試料収容部101bの終了を示す終了信号Vsとがそれぞれ記録されている。同一エリアに含まれる開始信号V3を記録するための各ピット113は、ディスク中心Pcから放射状に揃うように形成されている。同一エリアに含まれる終了信号Vsを記録するための各ピットは、ディスク中心Pcから放射状に揃うように形成されている。これにより、グルーブ111がビームスポットB1で走査される場合のみならず、ランド112がビームスポットB1で走査される場合も、信号V3、Vsを適切に検出でき、信号V3、Vsの検出に基づく図10Bおよび図11Aの処理を円滑に進めることができる。
[0135]
 上述のように、複数の試料収容部101bの数と複数のゾーンZ0~Znの数とは奇数である。複数のゾーンZ0~Znは、ディスク中心Pcから遠ざかりかつディスク周方向Dcに直角の複数のディスク径方向Drに延びる複数の境界で区分けされている。基板102は、基板102の上面102pを構成するランド112と、上面102pに設けられてランド112に繋がるグルーブ111とを有する。トラック102cは、複数の境界において、グルーブ111とランド112との間で交互に切り替わるようにランド112とグルーブ111とに設けられている。トラック102cにはグルーブ111とランド112のうちの一方に形成された複数のピット113よりなるピット列で信号が記録されている。
[0136]
 (実施形態3)
 図15Aは、実施形態3における試料収容ディスク100cの1エリアのトラック部分Ta(グルーブ111)に設定される各フィールドのフォーマットを示す。図15Bは、実施形態3における試料収容ディスク100cの信号フォーマットの一部を示し、特にフィールドF5を示す。図15Cは、実施形態3における試料収容ディスク100cに記録されている同期調整の信号を構成する同期調整ピットSB1の構成を模式的に示す図である。図15Aから図15Cにおいて図1Aから図6Bに示す実施形態1における試料収容ディスク100と同じ部分には同じ参照番号を付す。
[0137]
 実施形態1、2における試料収容ディスク100、100aでは、フィールドF5のグルーブ111にピット113が形成されていない。これに対し、実施形態3における試料収容ディスク100cでは、フィールドF5のグルーブ111に、同期調整用のピット113が形成されている。
[0138]
 実施形態1における試料収容ディスク100では、図12を参照して説明したように、一定周期のサンプリングクロックSckに応じて蛍光信号がサンプリングされ、信号SP1~SPkが取得される。この場合、試料収容ディスク100は、上記のようにゾーンごとに一定の角速度で回転される。しかしながら、試料収容ディスク100の回転の角速度が変動して回転ムラが生じることが起こり得る。このため、図12の処理により蛍光画像を生成した場合に、回転ムラによって、各トラックの1列の信号に走査方向Dsの歪みが生じ、その結果、蛍光画像の精度が低下することが起こり得る。
[0139]
 実施形態3における試料収容ディスク100cでは、フィールドF5のグルーブ111に同期調整用のピット113が形成され、ピット113を用いて蛍光画像に生じる歪みが補正される。
[0140]
 図15Aと図15Bに示すように、試料収容ディスク100cでのフィールドF5には、ディスク中心Pcについて一定の角度間隔で6つの同期調整ピットSB1~SB6が配置されている。全てのゾーンおよびトラック部分Taにおいて、同期調整ピットSB1は、ディスク径方向Drに揃っている。他の同期調整ピットSB2~SB6も同様に構成されている。すなわち、同期調整ピットSB2~SB6の各ピット113の両端も、全てのゾーンおよびトラックにおいて、ディスク径方向Drに揃っている。フィールドF5は、全長において試料収容部101bに重なっている。すなわち、フィールドF5の両端は、試料収容部101bのディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界(端)に一致している。トラック部分Taの試料収容部101bに重なる部分には、同期調整ピットSB1~SB6以外に信号が記録されておらず、同期調整ピットSB1~SB6が記録された部分以外の部分は、単調に延びるグルーブ111のみが形成されている。
[0141]
 フィールドF2、F7にはピットが形成されておらず、フィールドF2、F7はスペースのみからなっている。
[0142]
 図15Cに示すように、同期調整ピットSB1は複数のピット113により構成されている。図15Cでは、同期調整ピットSB1として、5つのピット113が示されているが、実際は、数10程度のピット113から同期調整ピットSB1が構成される。同期調整ピットSB1は、グルーブ111に記録された他のいずれのピットとは異なるピット長およびランド長の組み合わせからなっている。図15Cに示すように、同期調整ピットSB1の各ピット113の両端は、全てのゾーンおよびトラックにおいて、ディスク径方向Drに揃っている。
[0143]
 なお、図15Cには、同期調整ピットSB1の構成が図示されているが、同期調整ピットSB2~SB6も、同期調整ピットSB1と同様の内容および構成となっている。すなわち、同期調整ピットSB2~SB6の各ピット113の両端も、全てのゾーンおよびトラックにおいて、ディスク径方向Drに揃っている。
[0144]
 上記のように、同期調整ピットSB1~SB6の各ピット113の両端は、全てのゾーンおよびトラックにおいて、ディスク径方向Drに揃っているため、実施形態2の信号フォーマットにおいてビームスポットB1がランド112部分のフィールドF5を走査する場合も、当該ランド112のディスク径方向Drに隣り合うグルーブ111に形成された同期調整ピットSB2~SB6の各ピット113にビームスポットB1の両端が同時に掛かり、各ピット113が適正に検出され得る。よって、ランド112のフィールドF5がビームスポットB1で走査される場合も、同期調整ピットSB1~SB6が、適正に検出され得る。
[0145]
 グルーブ111のフィールドF5をレーザ光で走査する間に光検出器210から出力される信号を蛍光画像と同様にサンプリングした信号を繋ぎ合わせて1つの信号光画像を取得し、取得した信号光画像から、同期調整ピットSB1を画像処理により検出することができる。
[0146]
 図16は、試料収容ディスク100cと共に用いられる蛍光検出装置1aの構成図である。図16において図9に示す実施形態1における蛍光検出装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。図16に示す蛍光検出装置1aは切出し部15と重畳部16をさらに備え、光検出器210から出力される信号をサンプリングした信号にアドレス信号が重畳されて画像処理部20に出力される。画像処理部20は、入力された信号を繋ぎ合わせて蛍光画像に対応する信号光画像を生成する。画像処理部20は、生成した信号光画像を処理して、信号光画像上におけるトラック部分Taの同期調整ピットSB1~SB6を検出する。
[0147]
 なお、このように画像処理により同期調整ピットSB1~SB6を検出する場合、1つの同期調整ピットの画像は、同期調整ピットの基準画像と整合した位置において相関係数が顕著に高く、同期調整ピットの基準画像から走査方向Dsにずれると、何れのずれ位置においても相関係数が顕著に低くなるよう調整されている。同期調整ピットSB1~SB6は、画像処理による検出において基準画像との間でこのような相関を満たすピットパターンで構成される。
[0148]
 図17Aは、試料収容ディスク100cから得られた信号光画像上における同期調整ピットSB1~SB6を検出した検出位置を実線により模式的に示す。
[0149]
 図17Aに示すように、同期調整ピットSB1~SB6のトラック部分Ta間のずれ量は、信号の切出し開始位置から走査方向Dsの下流側に進むにつれて次第に大きくなる。実施形態3における蛍光検出装置1aではディスク径方向Drにおいて互いに隣り合うトラック部分Ta間での同期調整ピットSB1~SB6のそれぞれのずれ量は、切出しを開始する位置から走査方向Dsでの位置に対して単調に増加し、線形に増加する。また、実施形態3では、トラック部分Ta間での同期調整ピットSB1~SB6のぞれぞれのずれ量は8~10個のトラック部分で周期的に最大値と最小値を繰り返し、そのずれ量は、100画素の範囲内に留まっている。
[0150]
 なお、図17Aは、説明の便宜上、単に、同期調整ピットSB1~SB6の検出位置が試料収容ディスク100の回転ムラによって変化することが模式的に示す。実際には、上述のように、ディスク径方向Drにおいて互いに隣り合うトラック部分Ta間での同期調整ピットSB1~SB6のそれぞれのずれ量は8~10個のトラック部分ごとに周期的に最大値と最小値とを繰り返すように周期的に変動している。
[0151]
 図16の画像処理部20は、図17Aに示す信号光画像上の同期調整ピットSB1~SB6の分布に基づいて蛍光画像を補正する。具体的には、画像処理部20は、蛍光画像上における同期調整ピットSB1~SB6の位置で切出された蛍光信号が、それぞれ、ディスク径方向Drに1列に並ぶように蛍光画像を補正する。
[0152]
 図17B、図17Cは、蛍光画像の補正処理を模式的に示す。具体的には、図17Bは信号光画像により補正する前の蛍光画像を示し、図17Cは信号光画像により補正した後の蛍光画像を示す。便宜上、図17B、図17Cは、同期調整ピットSB1~SB6の検出位置を破線で示す。
[0153]
 同期調整ピットSB1~SB6のうち同期調整ピットSB6が走査方向Dsにおいて最も下流側に位置する。たとえば、画像処理部20は、トラック番号T0~Tmのうち、同期調整ピットSB6の検出位置が走査方向Dsにおいて最も下流側にあるトラック番号Txのトラック部分Taの信号よりなる信号群を基準信号群と決める。基準信号群を基準に、トラック番号Txの他のトラック番号Ty(yは0≦y≦x-1またはx+1≦y≦mを満たす任意の整数)のトラック部分Taの信号よりなる信号群(補正信号群)に補間処理を施す。具体的には、画像処理部20は、基準信号群のうちの同期調整ピットSB6の検出位置の信号と、補正信号群のうちの同期調整ピットSB6の検出位置の信号と間の走査方向Dsでのずれ量dsを求める。その後、画像処理部20は、ずれ量dsを零にする数の補間信号の隙間を、補正信号群の切出し開始位置から同期調整ピットSB6の検出位置までの範囲に一定間隔で均等に分配する。このとき、画像処理部20は、補間信号の隙間を一定間隔で分配する処理を、補正信号群の同期調整ピットSB6の後の範囲にも実施し、補正信号群の切出し終了位置までの全ての範囲にずれ量dsに基づいて補間信号の隙間を分配する。
[0154]
 そして、画像処理部20は、分配した隙間に、その隙間の前後の信号に基づく補間信号(たとえば、前後の信号の平均値)を蛍光画像付加する。以上の処理により、画像処理部20は、図17Bに示す補正前の蛍光画像から、図17Cに示す補間処理後の蛍光画像を取得する。補間処理により各トラックの信号群に新たな信号が挿入されたので、図17Cに示すように、各トラック部分の信号群の期間が補正前よりも長くなっている。画像処理部20は、補間処理後の蛍光画像から、補正前の蛍光画像と同様の切出し期間Tspの範囲の蛍光信号のみを抽出し、抽出した蛍光信号による画像を補正後の蛍光画像として取得する。
[0155]
 なお、上述の補間処理では、同期調整ピットSB1~SB6のうち同期調整ピットSB6を用いて基準信号群と補正信号群とのずれ量を求める。同期調整ピットSB6以外の同期調整ピットSB1~SB5の何れかを用いて基準信号群と補正信号群とのずれ量dsを求めてもよい。上記のように、走査方向Dsにおいて互いに隣り合うトラック部分間のずれ量は、走査方向Dsにおける位置の変化に伴って、その位置の切出し開始位置からの距離に対して線形に増加する。よって、同期調整ピットSB1~SB5の何れかを用いて基準信号群と補正信号群とのずれ量を求めた場合も、当該補正信号群の切出し開始位置から当該同期調整ピットに対応する位置までの範囲に一定間隔で均等に隙間を分配し、当該同期調整ピットに対応する位置から切出し終了位置までの範囲にも同じ間隔で隙間を分配することにより、同期調整ピットSB6を用いてずれ量を検出した場合と同様の間隔で、当該補正信号群全体に、補間のための隙間を挿入できる。すなわち、同期調整ピットSB1~SB5の何れかを用いた場合も上記と同様の補間処理を行うことが可能である。
[0156]
 なお、このように、同期調整ピットSB1~SB6の何れか1つのみを用いて補間処理を行う場合は、必ずしも図15Bに示すように6つの同期調整ピットSB1~SB6をフィールドF5に配置せずともよく、原理的には、同期調整ピットSB1~SB6のうち何れか1つをフィールドF5に配置すればよい。しかし、フィールドF5に1つの同期調整ピットのみを配置する場合、同一ゾーン内の何れか1つのトラックから同期調整ピットを検出できないと、当該トラックには、信号群の補正処理を行うことができない。これに対して、図15Bに示すように、フィールドF5に複数の同期調整ピットSB1~SB6を配置することにより、1つのトラックから少なくとも何れかの同期調整ピットを検出できる確率が高まるため、補正処理を施すことができない信号群が存在する確率を低下させることができる。よって、図15Bに示すように、フィールドF5に複数の同期調整ピットSB1~SB6を配置することにより、試料収容ディスク100の回転ムラに基づく蛍光画像の歪みをより円滑に抑制することができる。
[0157]
 なお、図17Aから図17Cに示す補正処理では、説明の便宜上、予め、同期調整ピットSB1~SB6の基準画像と信号光画像とを対照して、図17Aに示す同期調整ピットSB1~SB6の分布が取得される。しかしながら、同期調整ピットSB1~SB6の検出方法はこれに限られるものではなく、1つのトラックから取得された信号波形とこのトラックに隣りあうトラックから取得された信号波形との相関に基づいて、同期調整ピットSB1~SB6が検出されてもよい。
[0158]
 すなわち、所定期間において反射光の強弱を繰り返す信号波形が1つのトラック部分から取得された場合、このトラックに隣りあうトラック部分に対し、この信号波形が取得されたタイミングを中心に、走査方向Dsに所定の範囲例えば100画素程度の範囲で、この信号波形と隣りあうトラック部分の信号との相関係数を求める。求めた相関係数が顕著に高い位置を、隣りあうトラック部分における同期調整ピットの位置として特定する。そして、隣りあうトラックに特定した位置と、当該トラックにおいて上記信号波形を取得した位置との差分を、これら2つのトラックにおける同期調整ピットのずれ量として取得する。
[0159]
 なお、同期調整ピットSB1~SB6の位置は、必ずしも、上記のように信号光画像を画像処理して検出されなくともよく、たとえば、フィールドF5の走査期間において、再生RF信号RFから同期調整ピットSB1~SB6に対応する波形(ビット信号)が得られたか否かにより、同期調整ピットSB1~SB6を検出してもよい。また、蛍光画像の補正処理は、上記のような補間処理に限らず、他の処理が用いられてよい。たとえば、フィールドF5のディスク周方向Dcの一部のみを切出し、ずれ量を用いて走査方向Dsでの位置のみを補正してもよい。たとえば、ディスク周方向Dcに1000ピクセルごとに画像を分割して複数の分割画像を得て、それらの分割画像の中心(500ピクセル目)でのずれ量を、その中心の同期調整ピットからの距離に基づいて線形補間により求め、この値をもとにトラック部分ごとに画素を走査方向Dsに移動させて調整しても良い。
[0160]
 なお、補間処理を用いる場合は、フィールドF5を走査する期間において取得された信号群が、走査終了位置付近の信号群を除いて全て削除されずに残される。したがって、たとえば、マラリアに感染した赤血球RCをレーザ光が走査するタイミングで切出された蛍光信号が削除されることを抑止できる。よって、マラリア等の対象細胞を、より適正に検出することができる。
[0161]
 図18は、実施形態3に係る他の試料収容ディスク100dの信号フォーマットの一部を示す。図18において、図15Aに示す試料収容ディスク100cと同じ部分には同じ参照番号を付す。図15Aに示す試料収容ディスク100cは、図5Aに示す実施形態1における試料収容ディスク100のフィールドF5に同期調整ビットSB1~SB6で同期調整用の信号が記録されている。図18に示す試料収容ディスク100dは、図13と図14Aに示す実施形態2における試料収容ディスク100aのフィールドF5に同期調整ビットSB1~SB6で同期調整用の信号が記録されている。試料収容ディスク100dは、同期調整ビットSB1~SB6により試料収容ディスク100dの回転ムラに基づく蛍光画像の歪みをより円滑に抑制することができ、かつ実施形態2における試料収容ディスク100aと同様に、2倍の密度の高精細な蛍光画像が得られる。
[0162]
 <実施形態3の効果>
 図15Aから図15Cに示すように、トラック部分Taには、フィールドF5に同期調整ピットSB1~SB6が記録されているため、各トラック部分Taから検出された同期調整用の信号に基づいて、1つのトラック部分Taから取得された蛍光信号の断片の同期ずれを補正することができる。よって、蛍光画像の品質を高めることができ、試料100Saに含まれた対象細胞を画像処理により精度良く検出できる。
[0163]
 図15Cに示すように、グルーブ111にピット113を形成することにより、同期調整用の信号が記録されている。このようにピット113で信号を記録することにより、グルーブ111をディスク径方向Drにウォブルさせて信号を記録するディスクに比べて、ディスク形成時のカッティングを容易に行うことができる。
[0164]
 <変更例>
 実施形態1~3における試料収容ディスク100、100a~100cのトラック領域102aがディスク周方向Dcに9つのエリアA0~A8に区分されている。試料収容ディスク100の領域がディスク周方向Dcにおいて区分されるエリアの数はこれに限られるものではない。ただし、実施形態2における試料収容ディスク100bのように、ディスク周方向Dcのみならずディスク径方向Drにおいてもグルーブ111とランド112を交互に配置する場合は、試料収容ディスク100bのトラック領域102aを奇数のエリアに区分する。この場合、試料収容ディスク100に割り当てるエリアの数を3以上の奇数とすることにより、複数種類の試料100Saに対し蛍光画像を取得することができる。
[0165]
 試料収容部101bの形状や試料収容部101bの内部構造も、図1A、図1Bに示した形態以外に適宜変更可能である。さらに、1つのトラック部分Taに設定する信号フォーマット、図5Aのフォーマットから適宜所定のフィールドを削除または変更し、あるいは、新たなフィールドを追加することも可能である。たとえば、フィールドF5の両端は、実施形態1~3における試料収容ディスク100、100a、100b、100cの試料収容部101bのディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界(端)に一致していなくてもよく、フィールドF5の範囲が試料収容部101bの2つの境界(端)間の範囲よりもやや広くなるようにフィールドF5の両端が設定されてもよい。また、各フィールドに記録される信号の内容も、図6Aに示す信号から適宜変更可能である。
[0166]
 また、上方から見て試料収容部101bの形状は、必ずしも台形でなくてもよい。上方から見た試料収容部101bの形状はたとえば、内周位置から外周方向に延びた後、ディスク周方向Dcに折れ曲がり、その後、内周方向に延びる、U字形状であってもよい。この場合、図5Aに示すフィールドF5の範囲には、試料収容部101bに重ならない部分が含まれ得る。試料収容部101bに重ならないフィールドF5の部分に、実施形態3の同期調整ピットが配置されてもよい。
[0167]
 さらに、各フィールドの信号は、必ずしもグルーブ111に記録されなくともよく、グルーブ111に代えてランド112に各フィールドの信号が記録されてもよい。また、ピット113に代えてウォブルにより、フィールドF1~F9の全てまたは一部の信号が記録されてもよい。この他、蛍光検出用ピックアップ200の構成も図7の構成から適宜、変更可能である。
[0168]
 (実施形態4)
 <試料収容ディスク>
 実施形態4における試料収容ディスクは、実施形態1~3における試料収容ディスク100、100a~100dと基本的に同じ構造を有するが、フィールドF2、F5、F7の構造が異なる。
[0169]
 実施形態4における試料収容ディスクでは、トラック部分Taの試料収容部101bに重なる部分に、1つ以上のピットよりなるピット列で同期信号が記録されている。さらに、トラック部分Taには、アドレス信号の上流側に所定の変調構造が形成されている。この変調構造も、アドレス信号等と同様、1つ以上のピットよりなるピット列によって形成されている。
[0170]
 図19は、実施形態4における試料収容ディスク100eのエリアA0~A8のそれぞれのエリアAxの複数のトラック部分Ta(グルーブ111)にそれぞれに設定されるフィールドF1~F9のフォーマットを示す。
[0171]
 図19に示すように、フィールドF2、F7には、上述の変調構造Mdが形成され、フィールドF5には同期信号Syが記録されている。フィールドF5は全長において試料収容部101bに重なっている。すなわち、フィールドF5の両端は、試料収容部101bのディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界(端)に一致している。したがって、トラック部分Taの試料収容部101bに重なる部分には、同期信号Syが記録されている。
[0172]
 フィールドF2、F7には、図2に示すピット113によって変調構造Mdが形成されている。フィールドF2、F7も、同一ゾーン且つ同一エリア内にある全てのトラック部分Taにおいてディスク径方向Drに揃っている。
[0173]
 図20は、複数のトラック部分Taのうちの或るトラック部分Ta1のフィールドF1~F9の信号フォーマットを示す。図20において図6Aに示す試料収容ディスク100と同じ部分には同じ参照番号を付す。複数のトラック部分Taのそれぞれはトラック部分Ta1を同じ構成を有する。図20において、斜線ハッチングが付された部分はグルーブ111にピット113が形成された領域を示し、斜線ハッチングが付されていない白抜きの部分はピット113が形成されていないスペース113s(図2参照)のみよりなるグルーブ111のみの領域を示している。
[0174]
 実施形態4における試料収容ディスク100eでは、信号の記録に用いるスペース113sの時間長は時間長1T~8Tの8段階に設定され、信号の記録に用いるピット113の時間長も時間長1T~8Tの8段階に設定される。これに対し、変調構造Mdのスペース113sとピット113の時間長は時間長1T~8T以外に設定される。すなわち、変調構造Mdは半透過膜102dで反射される反射光を変調するためのものであって、変調構造Mdでのピット113とスペース113sにより所定の信号が記録されるものではなく、また、そこから信号が再生されるものでもない。
[0175]
 図20に示すように、試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF1、F9には信号Enが記録されている。フィールドF1に記録された信号Enは、エリアAxのトラック部分Taの始端SP(図19参照)を示し、フィールドF9に記録された信号Enは、エリアAxのトラック部分Taの終端EP(図19参照)を示す。
[0176]
 フィールドF5には、信号Enと同様のパターンの信号、すなわち、交互に繰り返された時間長2Tを有するピットと時間長2Tを有するスペースとよりなる同期信号Syが記録されている。後述のように、同期信号Syは、試料収容ディスク100の回転制御および蛍光信号の切出しタイミングの調整に用いられる。なお、フィールドF1、F9に記録された信号Enも、同期信号Syと同様、試料収容ディスク100の回転制御および蛍光信号の切出しタイミングの調整にも用いられる。
[0177]
 図20に示すように、フィールドF2、F7のそれぞれには、互いに交互に繰り返された時間長1Tの10倍の長さの時間長10Tを有するピットと時間長1Tの10倍の長さの時間長10Tを有するスペースとよりなる変調構造Mdがフィールドの全長に亘って形成されている。
[0178]
 図20に示すように、試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF4には、走査方向Dsにおいて試料収容部101bが始まる位置を示す開始信号V3が記録されている。
[0179]
 図20に示すように、試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF6には、走査方向Dsにおいて試料収容部101bの終わる位置を示す終了信号Vsが記録されている。
[0180]
 図20に示すように、試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF3は3つのヘッダー領域HE0~HE2からなっている。
[0181]
 図20に示すように、試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF8は3つのフッター領域FT0~FT2からなっている。
[0182]
 試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF3、F8以外の各フィールドの形成されたピットとスペースは、同一ゾーン且つ同一エリア内の全てのトラック部分Taにおいてディスク径方向Drに揃っている。試料収容ディスク100eでは、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、フィールドF1、F9に形成されたピットとスペースは、同一エリアの全てのゾーンに含まれるトラック部分Taにおいてディスク径方向Drに揃っている。試料収容ディスク100eでは、フィールドF5に形成された時間長10Tをそれぞれ有するピットとスペースは、同一エリアの全てのゾーンに含まれるトラック部分Taにおいてディスク径方向Drに揃っている。フィールドF3、F8に形成されたピットとスペースは、アドレス信号の内容に応じてピットとスペースの長さが変わるため、トラック部分Ta間において、ディスク周方向Dcの位置がずれている。
[0183]
 <蛍光検出装置>
 実施形態4における蛍光検出装置は、実施形態1における蛍光検出装置1と同様に、図7に示す蛍光検出用ピックアップ200を備える。
[0184]
 図21は実施形態4における信号演算回路300と出力処理回路400の構成図である。図22は実施形態4における蛍光検出装置1bの構成図である。図21と図22において、図8と図9に示す実施形態1における蛍光検出装置1と同じ部分には同じ参照番号を付す。出力処理回路400は、信号演算回路300によって生成されたアナログ信号および蛍光検出器211から出力されたアナログ信号である蛍光信号を増幅してデジタル信号にアナログデジタル(AD)変換して出力する。信号演算回路300および出力処理回路400は、蛍光検出用ピックアップ200の基板に配置されている。
[0185]
 信号演算回路300によって生成されたアナログ信号であるフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび再生RF信号RFは、出力処理回路400により増幅されてデジタル信号にAD変換された後、フォーカスエラー信号FEd、トラッキングエラー信号TEdおよび再生RF信号RFdとして信号処理回路10およびサーボ回路50(図22参照)に出力される。また、蛍光検出器211から出力されたアナログ信号である信号FLは、出力処理回路400により増幅されてデジタル信号にAD変換された後、信号処理回路10(図22参照)に信号FLdとして出力される。
[0186]
 蛍光検出装置1bの信号処理回路10は、蛍光検出用ピックアップ200から出力される蛍光信号FLdおよび再生RF信号RFdを処理する。蛍光信号FLdは、蛍光検出器211(図7参照)から出力された信号FLが図21の出力処理回路400によって増幅されて得られたものであり、再生RF信号RFdは、図21の加算器307から出力された再生RF信号RFが出力処理回路400によって増幅されて得られたものである。信号処理回路10は、信号検出部11と、信号再生部12と、切出し部13と、重畳部14とを備える。信号検出部11と信号再生部12は信号取得部11aを構成する。
[0187]
 信号検出部11は、蛍光検出用ピックアップ200から入力された再生RF信号RFdを処理して、図20に示す各種信号を検出し、検出した信号を信号再生部12、切出し部13およびコントローラ40に出力する。信号再生部12は、信号検出部11から入力されたフィールドF3、F8の信号、すなわち、ヘッダー領域HE0~HE2およびフッター領域FT0~FT2の信号を再生し、アドレス信号を取得する。信号再生部12は、取得したアドレス信号を重畳部14に出力する。
[0188]
 切出し部13は、蛍光検出用ピックアップ200から入力された蛍光信号FLdを所定周期のサンプリングクロックSckでサンプリングして得られた各サンプル値を重畳部14へと出力する。切出し部13は、信号検出部11によって開始信号V3(図19参照)が検出されたことに応じて蛍光信号FLdのサンプリングを開始し、信号検出部11によって終了信号Vs(図19参照)が検出されたことに応じて蛍光信号FLdのサンプリングを終了する。
[0189]
 なお、切出し部13は、信号検出部11から入力される同期信号Syに基づいて、試料100Saから一定間隔で信号が切出されるように、蛍光検出用ピックアップ200から出力された蛍光信号FLdのサンプリング間隔すなわちサンプリングクロックSckの周期を調整する。すなわち、切出し部13は、信号検出部11から入力された信号Enおよび同期信号Syに同期したサンプリングクロックSckを生成し、生成したサンプリングクロックSckに応じて蛍光信号FLdをサンプリングする。
[0190]
 上記のように、試料収容ディスク100eは、ゾーンごとに異なる角速度で回転される。したがって、トラック部分Taがレーザ光で走査される時間は、ゾーンごとに異なる。このため、各ゾーンに対して同じ周期のタイミング信号で蛍光信号を切出すと、切出された信号群の数がゾーンごとに異なる。実施形態4では、各ゾーンのトラック部分Taから同じ数の信号群が切出されるように、切出し部13におけるサンプリングクロックSckが調整される。具体的には、上記のように、切出し部13において、信号検出部11から入力された信号Enおよび同期信号Syに同期したサンプリングクロックSckが生成される。このため、各ゾーンにおいて、略同じ角度間隔で蛍光信号FLdが切出される。
[0191]
 重畳部14は、切出し部13によって取得された蛍光信号に信号再生部12から入力されたアドレス信号を付加して、画像処理部20に出力する。画像処理部20は、入力された信号群を繋ぎ合わせて、エリアA0~A8ごとに蛍光画像を生成する。また、画像処理部20は、蛍光画像を画像処理して、蛍光の輝点の数を計数え、赤血球RCにおけるマラリアの感染率等を算出する。これらの蛍光画像、計数値および感染率等は、随時、画像処理部20から入出力ユニット30に出力される。
[0192]
 なお、後述のように、開始信号V3(図19参照)が検出されてから終了信号Vs(図19参照)が検出されるまでの間にアドレス信号が変化した場合は、画像処理部20に出力された信号はコントローラ40によって無効化される。この場合、コントローラ40は、アドレス信号が変化した開始信号V3から終了信号Vsまでの期間がレーザ光で再度走査され、蛍光信号が切出されるよう、サーボ回路50と信号処理回路10を制御する。
[0193]
 サーボ回路50は、蛍光検出用ピックアップ200から出力処理回路400を介して入力されるフォーカスエラー信号FEdおよびトラッキングエラー信号TEdに基づいて、対物レンズアクチュエータ207を制御する。また、サーボ回路50は、図3Bに示すゾーンZ0~Znが、各ゾーンに設定された角速度でビームスポットB1により走査されるように、スピンドルモータ220を制御する。
[0194]
 このとき、サーボ回路50は、信号検出部11から入力される信号Enおよび同期信号Syに基づいて、試料収容ディスク100eの回転ムラを抑制するよう、スピンドルモータ220を制御する。すなわち、サーボ回路50は、信号検出部11から入力された信号Enおよび同期信号Syと基準クロックとの間の位相ずれを解消するように、スピンドルモータ220を制御する。
[0195]
 さらに、サーボ回路50は、ビームスポットB1がトラック102cの最外周位置から最内周位置まで走査可能となるように、蛍光検出用ピックアップ200を試料収容ディスク100eのディスク径方向Drに送るためのスレッドモータ240を制御する。
[0196]
 次に、図21に示す出力処理回路400の構成について説明する。
[0197]
 図23Aは、図21に示す出力処理回路400の代わりに設けられた比較例に係る出力処理回路900の構成図である。図23Bは、比較例に係る出力処理回路900のAD変換回路402に入力される再生RF信号RFを模式的に示す。比較例を示す図23Bには、フィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されていない場合の再生RF信号RFの電圧の波形を模式的に示す。また、図23Bには、再生RF信号RFのフィールドF2~F8に対応する期間の部分も併せて示す。
[0198]
 図23Aに示すように、比較例の出力処理回路900は、再生RF信号を処理するための回路部として、アンプ401とAD変換回路402を有する。アンプ401は再生RF信号RFを増幅し、AD変換回路402は増幅された再生RF信号RFをデジタル信号である再生RF信号RFdに変換する。
[0199]
 図23Bに示すように、再生RF信号RFは、フィールドF3~F6、F8に記録された信号(ピットとスペース)によって振れる。フィールドF5に対応する走査期間では、再生RF信号RFの電圧はベースライン電圧V1からピーク電圧V1pまで振れる。フィールドF5以外のフィールドに対応する走査期間のベースライン電圧V2では再生RF信号RFの電圧はベースライン電圧V2からピーク電圧V2pまで振れる。図23Bに示す比較例の出力処理回路900の電圧では、ピーク電圧V1pはベースライン電圧V2に等しいが、異なっていてもよい。トラック部分Taでの試料収容部101bに重なる領域と重ならない領域とでは反射率が相違するため、フィールドF5に対応する走査期間のベースライン電圧V1と、フィールドF5以外のフィールドに対応する走査期間のベースライン電圧V2との間に大きな格差が生じる。このため、各フィールドの信号をデジタル信号にAD変換する場合には、ベースライン電圧V1、V2において振れる電圧波形の振幅範囲Vdを含むようにAD変換の電圧レンジを設定する。
[0200]
 AD変換の電圧レンジと分解能は限られているため、通常のAD変換において設定される電圧レンジでは、振幅範囲Vdに対応することが困難である。また、AD変換の電圧レンジを振幅範囲Vdまで広げた場合には、AD変換における分解能が低下し、各種信号の復号精度が低下してしまう。これにより、各種信号に基づく動作の精度が低下する。
[0201]
 例えば、特許文献1に開示されている試料収容ディスクでは、反りや個体のばらつきにより、レーザ光でトラックを走査した際に取得される反射光信号のベースライン電圧が変化する。また、トラックの流路に重なる部分と流路に重ならない部分との間でも、ベースライン電圧が変化する。トラックに記録されたアドレス信号等を再生する場合、レーザ光でトラックを走査して取得された反射光信号のアナログの電圧波形をAD変換器でデジタル信号に変換する。このとき、AD変換器の電圧レンジと分解能は限られているため、電圧波形のベースライン電圧がばらつくと、信号の復号精度が低下する。
[0202]
 図24Aは、実施形態4に係る出力処理回路400の構成図である。図24Bは、試料収容ディスクのグルーブ111に変調構造Mdが形成されていない場合に、実施形態4に係る出力処理回路400のAD変換回路402に入力される再生RF信号RFを模式的に示す。図24Bにおいて、縦軸は再生RF信号RFの電圧を示し、横軸は時間を示す。
[0203]
 図24Aに示すように、実施形態4の出力処理回路400では、アンプ401の前段にフィルタ403が配置され、AD変換回路402の後段にスイッチ404が設けられている。フィルタ403は、再生RF信号RFの全周波数帯域のうちの或る周波数より高い周波数の成分である高周波成分を通過させ、再生RF信号RFの全周波数帯域のうちの上記或る周波数以下の周波数の成分である低周波成分を通過させずに遮断するハイパスフィルタである。再生RF信号RFの高周波成分はピットとスペースによって振れる周波数の成分である。スイッチ404は、図22に示すコントローラ40から制御信号Sconが入力されると、AD変換回路402から出力された信号を信号処理回路10に出力しないように遮断し、制御信号Sconが入力されていない場合は、AD変換回路402から出力された信号を信号処理回路10に出力する。
[0204]
 アンプ401の前段にフィルタ403を配置することにより、図24Bに示すように、再生RF信号RFの高周波成分が抽出される。このとき、フィルタ403は、フィールドF5に対応する期間の電圧波形の振幅中心を、フィールドF5以外のフィールドに対応する期間の電圧波形の振幅中心に一致させるように近づけるように機能する。これにより、電圧波形の振幅範囲Vdが圧縮され、AD変換回路402の電圧レンジを大きく広げなくとも、再生RF信号RFを高分解能でAD変換することができる。
[0205]
 実施形態4における蛍光検出装置1bの構成では、再生RF信号RFをフィルタ403に通すと、ベースライン電圧が切り替わる時点から電圧波形の振幅中心が所定のレベルに収束するまでの期間において、再生RF信号RFの電圧波形に過渡的な歪みが生じる場合がある。
[0206]
 たとえば、図24Bに示すように、ベースライン電圧がベースライン電圧V1へと切り替わる時点、すなわち、フィールドF4からフィールドF5へ走査が移行する時点において、電圧波形に過渡的な歪みが生じる。また、ベースライン電圧がベースライン電圧V2へと切り替わる時点、すなわち、フィールドF4からフィールドF5へと走査が移行する時点において、電圧波形に過渡的な歪みが生じる。これらの他、試料収容ディスク100が有する反りや個体のばらつきによっても、ベースライン電圧V2が変化し、これによっても、たとえば、図24BのフィールドF2の波形のように、再生RF信号RFに過渡的な歪みが生じる場合がある。
[0207]
 このような波形の歪みが、アドレス信号に対応する電圧波形、すなわち、フィールドF3、F8の電圧波形に及ぶと、アドレス信号を適正に復号できないことが起こり得る。図24Bに示す再生RF信号RFのように、フィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されていない場合は、フィールドF2、F5に対応する期間において再生RF信号RFがピーク電圧V2pを維持しており振れていないので、これらの期間において、再生RF信号RFの振幅中心を、これらの期間までの期間での再生RF信号の振幅中心に一致させつように近づける作用が働きにくくなる。よって、フィールドF2、F7に対応する期間において再生RF信号RFに生じた歪みが十分に収束せず、歪みがフィールドF3、F8へと移行しやすくなる。その結果、波形の歪みが、フィールドF3、F8の電圧波形、ずなわち、アドレス信号に対応する電圧波形に及んでしまい、このため、アドレス信号を適正に復号できないことが起こり得る。
[0208]
 そこで、実施形態4における試料収容ディスク100eでは、上記のように、フィールドF2、F7に変調構造Mdが形成されている。
[0209]
 図24Cは、実施形態4に係る、グルーブに変調構造Mdが形成されている試料収容ディスク100eを走査した場合に出力処理回路400のAD変換回路402に入力される再生RF信号RFを模式的に示す。図24Cにおいて、縦軸は再生RF信号RFの電圧を示し、横軸は時間を示す。
[0210]
 上記のように、実施形態4における試料収容ディスク100eでは、走査方向Dsにおいて、アドレス信号が記録されるフィールドF3、F8の上流側のフィールドF2、F7に変調構造Mdがそれぞれ形成されている。このため、再生RF信号RFは、図24Cに示すように、フィールドF2、F7に対応する期間においても、変調構造Mdにより変調され振れる。したがって、再生RF信号RFのベースライン電圧の変動によって再生RF信号RFに生じた歪みは、フィールドF3、F8に対応する期間の再生RF信号RFに及ぶ前に、フィルタ403によりフィールドF2、F7に対応する期間において収束される。よって、フィールドF3、F8の電圧波形、すなわち、アドレス信号に対応する電圧波形に歪みが及びにくく、このため、アドレス信号を適正に復号することができる。
[0211]
 なお、図24Cに示すように、フィールドF5に対応する期間の電圧波形の振幅は、フィールドF5に対応する期間以外の期間での電圧波形の振幅と異なる。これは、トラック部分Taのうちの試料収容部101bに重なる領域と試料収容部101bに重ならない領域とで反射率が異なることに起因する。ノイズとのS/N比を向上させるためには、振幅が小さい方の電圧波形を振幅が大きい方の電圧波形の振幅に揃えることが好ましい。
[0212]
 図25Aは実施形態4における他の出力処理回路400aの構成図である。図25Aにおいて、図23Aに示す出力処理回路400と同じ部分には同じ参照番号を付す。出力処理回路400aはAGC(Automatic Gain Control)回路1400aを構成しており、より小さい振幅を有する電圧波形をより大きい振幅を有する電圧波形の振幅に揃えることができる。
[0213]
 図25Aに示す出力処理回路400aでは、信号処理回路10で再生RF信号RFを検波して、先行する再生RF信号RFの平均値(直流成分)を求め、求めた平均値をD/A変換回路405でアナログ信号に逐次変換し、このアナログ信号をアンプ406で増幅してアンプ401に戻すことにより、AGC回路1400aが構成される。アンプ401の利得がこのアナログ信号により変化して、より小さい振幅を有する電圧波形をより大きい振幅を有する電圧波形の振幅に揃えてAD変換回路402に入力することができる。
[0214]
 図25Bは実施形態4におけるさらに他の出力処理回路400bの構成図である。図25Bにおいて、図23Aと図25Aに示す出力処理回路400、400aと同じ部分には同じ参照番号を付す。出力処理回路400bはAGC回路1400bを構成しており、より小さい振幅を有する電圧波形をより大きい振幅を有する電圧波形の振幅に揃えることができる。
[0215]
 図25Bに示す出力処理回路400bでは、検波回路407で再生RF信号RFを検波して、先行する再生RF信号の直流成分を求め、求めた直流成分をアンプ408で増幅してアンプ401に戻すことにより、AGC回路1400bが構成される。アンプ401の利得がこのアナログ信号により変化して、より小さい振幅を有する電圧波形をより大きい振幅を有する電圧波形の振幅に揃えてAD変換回路402に入力することができる。
[0216]
 図24Cに示すように、フィールドF5に対応する期間の開始直後の期間F5aでは、再生RF信号RFに比較的大きな歪みが生じる。このため、期間F5aにおいては、再生RF信号RFから同期信号Syを適正に復号することが難しい場合がある。上述したサーボ回路50におけるスピンドルモータ220の同期制御や、切出し部13におけるタイミング信号の生成に、期間F5aにおける再生RF信号RFから取得された不安定な同期信号Syを用いると、同期制御の精度やタイミング信号の生成の精度が低下する恐れがある。
[0217]
 図22に示すコントローラ40は、期間F5aにおいて、図24Aまたは図25A、図25Bに示すスイッチ404に制御信号Sconを供給する。スイッチ404は制御信号Sconを受けると信号処理回路10にデジタル信号にAD変換された再生RF信号RFdを遮断して供給しない。また、スイッチ404は制御信号Sconを受けていないとデジタル信号にAD変換された再生RF信号RFdを信号処理回路10に供給する。これにより、期間F5aにおいて信号処理回路10に対する再生RF信号の供給が遮断され、不安定な同期信号Syを用いた同期の制御やタイミング信号の生成が抑止される。
[0218]
 なお、期間F5aにおいて再生RF信号RFdが信号処理回路10に供給されない場合は、期間F5aに対応するフィールドF5の範囲に、同期信号Syが記録されなくてもよい。
[0219]
 図25Cは、実施形態4に係る他の試料収容ディスク100fのトラック領域102aのフォーマットを示し、特にフィールドF4、F5の間の境界付近を示す。図25Cに示す試料収容ディスク100fでは、期間F5aに対応するフィールドF5の範囲に、同期信号Syに代えて、変調構造Mdが形成されている。これにより、アドレス信号と同様に同期信号Syをフィルタ403により期間F5aにおいて収束させることができる。このため、同期信号Syを適正に得ることができる。
[0220]
 なお、ここでは、図23Aから図25Bを参照して、出力処理回路400に含まれる回路部のうち、再生RF信号RFを処理する回路部の構成について説明したが、出力処理回路400に含まれる回路部のうち、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEおよび蛍光信号FLを処理する回路部も、図24Aまたは図25A、図25Bと同様に構成されていてもよい。出力処理回路400(400a、400b)から出力された各信号に基づいて、後段回路において、図10A、図10B、図11A、図11Bに示す実施形態1における処理と同様の処理によりアドレス信号の取得や、トラッキング制御、蛍光信号の切出し、切出し信号の無効化処理が行われる。
[0221]
 図26Aは、出力処理回路400からの各種信号の出力を停止させるため処理を示すフローチャートである。図26Bは、マスク期間の設定において参照されるテーブルを示す。
[0222]
 コントローラ40は、複数のトラック部分Taのうちのトラック部分Ta1のフィールドF3のヘッダー領域HE1、HE2のうちの一方から得られたアドレス信号に基づいて、トラック部分Ta1のアドレス(ゾーン番号、エリア番号、トラック番号)を取得すると(S51:YES)、図26Bに示す表を参照して、そのアドレスに応じたマスク期間を設定する(S52)。コントローラ40は、アドレス信号を所得しない場合(S51:No)、ステップS51でアドレス信号を取得したか否かを再度判断する。
[0223]
 実施形態4における試料収容ディスク100eでは、ゾーン内では角速度一定で試料収容ディスク100eが駆動されるため、ゾーンのディスク中心Pcにより近い内周側とディスク中心Pcからより遠い外周側とでは線速度が異なり、再生RF信号RFの周波数が異なる。このため、ゾーンの内周側と外周側では図24Cに示す期間F5aが異なる。また、ゾーンZ0~Znで角速度が異なるため、図24Cに示す期間F5aは、異なるゾーンでの同じトラック番号のトラック部分Taで異なる。
[0224]
 コントローラ40は、取得したアドレスに対応する期間F5aをマスク期間として設定する(S52)。コントローラ40は、マスク期間に出力処理回路400からの各種信号の出力を停止する。コントローラ40は、予め、図26Bに示すテーブルを保持している。このテーブルは、トラック部分TaのアドレスAd1、Ad2、…、Adxと、アドレスAd1、Ad2、…、Adxにそれぞれ対応する期間F5aであるマスク期間Mt1、Mt2、…、Mtxとを格納する。コントローラ40は、このテーブルから、走査しているトラック部分Taのアドレスに対応するマスク期間を、ステップS52において設定する。なお、図26Bのテーブルは、ゾーンごと、あるいは、エリアごとに個別に準備されてもよい。
[0225]
 その後、コントローラ40は、走査方向DsにおいてフィールドF5の直前の位置にあるフィールドF4から開始信号V3が検出されたか否かを監視する(S53)。ステップS53において開始信号V3が検出されると(S53:YES)、コントローラ40は、図24Aまたは図25Aと図25Bに示すスイッチ404に制御信号Sconを付与する。制御信号Sconを受けると、出力処理回路400は、信号処理回路10に対する信号の供給を遮断する(S54)。
[0226]
 コントローラ40は、ステップS52で設定したマスク期間が終了するまで、制御信号Sconをスイッチ404に供給し続ける(S55)。マスク期間が終了すると(S55:YES)、コントローラ40は、制御信号Sconの供給を終了する。これにより、信号処理回路10に対する出力処理回路400からの信号の供給が再開される(S56)。その後、コントローラ40は、処理をステップS51に戻して、同様の処理を繰り返す。
[0227]
 実施形態4における蛍光検出装置1bは、実施形態1における蛍光検出装置1と同様に、図12に示す処理で蛍光信号の切出し処理を行う。
[0228]
 <実施形態4の効果>
 図24Aに示すように、フィルタ403を設けることにより、再生RF信号RFにおけるベースライン電圧の変動を抑制でき、再生RF信号RFの電圧をAD変換の電圧レンジの範囲内に円滑に収めることができる。また、フィルタ403を通すことによって生じる電圧波形の過渡的な歪みを、変調構造Mdが設けられたフィールドF2、F7に対応する期間で吸収でき、アドレス信号が記録されたフィールドF3、F8に対応する期間にこの歪みが及ぶことを抑制できる。これらの作用により、トラック部分Taに記録されたアドレス信号を精度よく検出することができる。よって、画像処理部20により生成される蛍光画像の精度を高めることができる。
[0229]
 なお、図25A、図25Bに示すAGC回路1400a、1400bにより、フィルタ403を通過した後の電圧の振幅を、より大きい振幅の方に揃えることによりS/N比を向上させることができる。これにより、後段の回路部によって高精度に信号処理を行うことができ、高精度な蛍光画像を取得することができる。
[0230]
 図19に示すように、試料収容部101bを跨ぐトラック部分Taには、走査方向Dsにおける試料収容部101bの上流側にヘッダー領域HE1、HE2が設定され、走査方向Dsにおける試料収容部101bの下流側にフッター領域FT1、FT2が設定されている。ヘッダー領域HE1、HE2の上流側に変調構造Mdが形成されており、フッター領域FT1、FT2の上流側に変調構造Mdが形成されている。よって、上述のように、試料収容部101bの上流側と下流側からアドレス信号を精度よく検出できる。そして、こうして取得されたアドレス信号を用いて、図11Bに示す処理が実行され、上流側と下流側のアドレス信号が一致せず、試料収容部101bの走査の際にトラックずれが生じた可能性がある場合に、当該走査において蛍光信号から切り出された信号を無効化される。よって、1つのトラック部分Ta全体に対応する信号群を確実に取得することができ、画像処理部20において高品質の蛍光画像を取得することができる。
[0231]
 図19に示すように、試料収容ディスク100eでは、トラック102cから反射される光を単調に変調する、すなわち一定の周波数かつ一定の振幅で変調する同期用の信号(信号En、同期信号Sy)がトラック部分Taに記録されている。そして、試料収容ディスク100eの回転が信号En、Syに同期するように制御される。よって、試料収容ディスク100eの回転ムラを抑制でき、結果、蛍光画像の精度を高めることができる。
[0232]
 また、切出し部13におけるサンプリングクロックSckが同期用の信号(信号En、同期信号Sy)に同期するように生成される。よって、試料収容ディスク100eに回転ムラが生じたとしても、切出し部13において一定の角度間隔で蛍光信号を切出すことができる。これにより、蛍光画像の精度を高めることができる。
[0233]
 また、試料収容部101bに重なるフィールドF5に同期信号Syが記録されている。このため、試料収容部101bをレーザ光で走査する間に同期信号Syを取得でき、この間に、試料収容ディスク100eの回転制御とサンプリングクロックSckの同期調整を行うことができる。よって、特に試料収容部101bが走査される期間において、試料収容ディスク100eに回転ムラが生じることをより確実に抑制でき、また、サンプリングクロックSckの同期がずれることをより確実に抑制できる。
[0234]
 図26Aに示すように、ヘッダー領域HE1、HE2から取得されたアドレス信号に基づいて、蛍光検出用ピックアップ200から信号処理回路10に対する信号の供給が遮断され、同期用の信号(同期信号Sy)による制御が停止される。これにより、不安定な同期用の信号(同期信号Sy)による同期制御が抑止され、同期制御の精度が低下することを防止することができる。
[0235]
 図3Aに示すように、実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、試料収容ディスク100eは、ディスク周方向DcにエリアA0~A8に区分され、各エリアのディスク周方向Dcの2つの境界(端)がそれぞれディスク中心Pcから放射状に延びている。そして、エリアA0~A8にそれぞれ試料収容部101bが配置され、各エリアに含まれるトラックの部分がトラック部分Taを構成している。これにより、試料収容ディスク100eを一定の角速度一定で回転させると、各エリアに含まれるトラック部分Taは全て同じ時間長で走査される。よって、全てのトラック部分Taに対して一律に、図19に示す同じ信号フォーマットを適用することができる。
[0236]
 また、トラック部分Taの両端に同期用の信号(信号En)が記録されている。このため、トラック部分Taの始端SPが走査される際に、同期用の信号(信号En)を用いて試料収容ディスク100eの回転ムラを抑制できる。よって、トラック部分Taを円滑に走査でき、トラック部分Taに記録された各種信号を適正に取得できる。
[0237]
 また、ディスク中心Pcについてディスク周方向DcにおけるエリアA0~A8の角度範囲が互いに等しく設定されている。このため、全てのエリアA0~A8から同様の処理により、蛍光信号を切出すことができる。
[0238]
 試料収容ディスク100eでは、図1Aに示す実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、複数のトラック部分Taにそれぞれ沿った一連の蛍光画像の複数の断片を図12に示すように繋ぎ合わせることにより、試料収容部101b全体の蛍光画像を取得することができる。
[0239]
 また、試料収容ディスク100eでは、図3Bに示す実施形態1における試料収容ディスク100と同様に、ディスク径方向Drに複数のゾーンZ0~Znに区分され、各ゾーンのトラック部分Taには、一定の角速度で信号が記録されている。ここで、ゾーンZ0~Znの角速度は、各ゾーンのディスク径方向Drの中央位置にあるトラック部分Taの線速度が互いに同じとなるように設定されている。このように複数のゾーンZ0~Znを設定してゾーン間の角速度を調整することにより、ディスク内周側の線速度とディスク外周側の線速度の差を抑制することができ、何れのゾーンに対しても、蛍光信号の切出しと、トラック部分Taからの信号の読み出しを、安定的に行うことができる。
[0240]
 また、図19および図20に示すように、トラック部分Taには、当該トラック部分Taを含むゾーンを示す信号と、ゾーンにおけるトラック部分のディスク径方向Drの位置(トラック番号)を示す信号と、トラック部分Taのディスク周方向Dcの位置(エリア)を示す信号が、アドレス信号として記録されている。これにより、各トラック部分Taのディスク上における位置を正確に特定することができる。
[0241]
 また、図2に示すように、グルーブ111にピット113を形成することにより、信号記録され変調構造Mdが形成されている。これにより、グルーブ111をディスク径方向Drにウォブルさせて信号の記録と変調構造Mdの形成を行う場合に比べて、ディスク形成時のカッティングを容易に行うことができる。
[0242]
 (実施形態5)
 図27は、実施形態5に係る試料収容ディスク100gの1エリアのトラック部分Taに設定される各フィールドのフォーマットを示す。図13に示す実施形態2に係る試料収容ディスク100aと同様のグルーブとランドの構成を有する。図27において、図13と図14Aに示す実施形態2における試料収容ディスク100aおよび図19に示す実施形態4における試料収容ディスク100eと同じ部分には同じ参照番号を付す。
[0243]
 図27に示すように、実施形態5においても、グルーブ111からなるトラック部分Taのみに信号が記録され、ランド112からなるトラック部分Taには信号が記録されない。グルーブ111からなるトラック部分Taに記録される信号のフォーマットは、実施形態4における試料収容ディスク100eの図19に示すフォーマットと同様である。
[0244]
 実施形態5における試料収容ディスク100gでは、実施形態2における試料収容ディスク100aと同様の理由でグルーブ111からなるトラック部分Taのみに信号が記録されている。
[0245]
 グルーブ111からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する際には、当該トラック部分Taに記録された各種信号をそのまま用いて、図10Aと図10Bと図11Aと図11Bに示す実施形態1における蛍光検出装置1と同じ制御が行われる。
[0246]
 ランド112からなるトラック部分Ta(Ta11)をレーザ光で走査する場合の処理を以下に説明する。ランド112からなるトラック部分Ta11をレーザ光で走査する際には、トラック部分Ta11に対してディスク径方向Drに隣り合うトラック部分Ta12、Ta13に記録された信号V3、Vsを用いて実施形態1における図10Bおよび図11Aに示す制御が行われ、また、走査方向Dsにおいてトラック部分Ta11の上流側および下流側にそれぞれ隣り合うトラック部分Ta14、Ta15に記録されたアドレス信号を用いて、実施形態1における図11Bに示す制御が行われる。
[0247]
 すなわち、図27に示すように、実施形態5における試料収容ディスク100gにおいても、ディスク径方向Drに並ぶグルーブ111からなるトラック部分Ta12、Ta13において、フィールドF1、F2、F4、F5、F6、F7、F9は、それぞれ、ディスク径方向Drに揃っている。また、フィールドF1、F4、F5、F6、F9には、ディスク径方向Drに並ぶグルーブ111からなるトラック部分Ta12、Ta13において、それぞれ、同じ信号が記録されている。フィールドF2、F7には、ディスク径方向Drに並ぶグルーブ111からなるトラック部分Ta12、Ta13において、それぞれ、同じ変調構造Mdが形成されている。
[0248]
 したがって、ランド112からなるトラック部分Ta11をビームスポットB1で走査する際には、ビームスポットB1のディスク径方向Drの両側の部分が、隣接する2つのトラック部分Ta12、Ta13に掛かって、トラック部分Ta12、Ta13のフィールドF1、F2、F4、F5、F6、F7、F9に形成されたピットにより変調される。このため、ランド112からなるトラック部分Ta11をレーザ光で走査する場合であっても、トラック部分Ta11に対してディスク径方向Drに隣接するトラック部分Ta12、Ta13のフィールドF1、F4、F5、F6、F9に記録された信号を適正に読み取ることができ、また、フィールドF2、F7に形成された変調構造Mdによる作用を受けることができる。
[0249]
 よって、実施形態5では、ランド112からなるトラック部分Ta11をレーザ光で走査する場合においても、トラック部分Ta12、Ta13から適正に信号V3、Vsが取得される。したがって、ランド112からなるトラック部分Ta11をレーザ光で走査する場合においても、実施形態1における図10Bおよび図11Aに示す制御を、グルーブ111からなるトラック部分Ta12~Ta15をレーザ光で走査する場合と同様に行うことができる。
[0250]
 また、ランド112からなるトラック部分Taをレーザ光で走査する場合においても、ディスク径方向Drに隣接するトラック部分Ta12、Ta13から適正に同期用の信号(信号En、同期信号Sy)が取得される。よって、ランド112の走査の際にも、同期用の信号を用いて試料収容ディスク100の回転制御(同期制御)を行うことができ、また、同期用の信号を用いた蛍光信号切出しのためのサンプリングクロックSckを生成することができる。
[0251]
 さらに、また、ランド112からなるトラック部分Ta11をレーザ光で走査する場合においても、レーザ光は変調構造Mdによって変調される。よって、ランド112の走査の際にも、図24Aに示す実施形態4におけるフィルタ403によって、図24Cに示す再生RF信号RFの電圧を得ることができる。
[0252]
 なお、図27に示すフィールドF3、F8に記録された信号、すなわちアドレス信号は、ディスク径方向Drに隣り合うトラック部分Taで異なる。このため、ランド112からなるトラック部分Ta11をレーザ光で走査する場合には、当該トラック部分Taに対してディスク径方向Drに隣り合うトラック部分Ta12、Ta13のフィールドF3、F8からアドレス信号を適正に取得することができない。
[0253]
 実施形態5における試料収容ディスク100gでは、実施形態2における試料収容ディスク100aと同様に図11Bに示す処理が行われる。
[0254]
 なお、実施形態4における蛍光検出装置1bでの図26Aに示すステップS51では、ランド112からなるトラック部分Ta11の上流側にあるトラック部分Ta14のフッター領域FT1、FT2からアドレス信号が取得される。そして、ステップS52では、取得したアドレス信号に対応するマスク期間が図26Bのテーブルから取得される。なお、ステップS53で検出される開始信号V3は、ランド112からなるトラック部分Ta11に対してディスク径方向Drに隣接するトラック部分Ta12、Ta13から取得される。こうして、図26Aの処理が行われる。
[0255]
 なお、実施形態5に示す試料収容ディスク100gでは、実施形態2に示す試料収容ディスク100aと同様に、ビームスポットB1の走査する位置が、グルーブ111とランド112との境界を通過するごとに、グルーブ111によって変調されるビームスポットB1の領域が、ビームスポットB1の中央位置とディスク径方向Drの両側位置との間で切り替わる。このため、ビームスポットB1の走査する位置が、グルーブ111とランド112との境界を通過するごとに、トラッキングエラー信号TEの極性を反転させる。
[0256]
 実施形態5における蛍光検出装置では、図14Bに示す実施形態2に係る極性反転部51がトラッキングエラー信号TEの極性を反転させる。図14Bに示す実施形態2に係る極性反転部51により、実施形態5における試料収容ディスク100gにおいて走査する位置がグルーブ111からランド112へと移行しても、ビームスポットB1をずれなくトラック102c上に位置づけることができる。よって、蛍光信号の切出しを安定的に行うことができる。
[0257]
 以上のように、実施形態5においても、実施形態4と同様の効果が奏され得る。加えて、実施形態5では、上述のように、実施形態4ではランド112であった領域もレーザ光により走査されるため、レーザ光により走査される領域が、実施形態4に比べて2倍になり、試料収容部101bに対する走査密度も2倍となる。よって、蛍光信号の切出し密度も実施形態4に対して2倍となり、より高精細な蛍光画像が得られる。
[0258]
 <変更例>
 試料収容部101bの形状や試料収容部101bの内部構造も、図1Aと図1Bに示した形態以外に適宜変更可能である。さらに、1つのトラック部分Taに設定する信号フォーマットも、図19のフォーマットから適宜所定のフィールドを削除または変更し、あるいは、新たなフィールドを追加することも可能である。たとえば、フィールドF5の両端は、実施形態4、5における試料収容ディスク100e~100gの試料収容部101bのディスク周方向Dcに並ぶ2つの境界(端)に一致しなくてもよく、フィールドF5の範囲が試料収容部101bの2つの境界(端)間の範囲よりもやや広目に設定されてもよい。また、各フィールド間にスペースが生ずる場合、同期信号Syもしくは変調構造Mdを形成してそのスペースを満たしてもよい。また、各フィールドに記録される信号の内容も、図20に示した信号から適宜変更可能である。
[0259]
 また、上方から見て試料収容部101bの形状は、必ずしも台形でなくてもよい。上方から見た試料収容部101bの形状はたとえば、内周位置から外周方向に延びた後、ディスク周方向Dcに折れ曲がり、その後、内周方向に延びるU字形状であってもよい。この場合、図19に示すフィールドF5の範囲には、試料収容部101bに重ならない部分が含まれ得る。試料収容部101bに重ならないフィールドF5の部分に同期信号Syが記録されてもよい。
[0260]
 図28Aは実施形態4、5に係る他の試料収容ディスク100hのグルーブとランドを直線状に展開して示す。図28Aに示す試料収容ディスク100hでは、アウター領域102eと検出領域102gとの間に追記領域102hが設けられている。追記領域102hのグルーブは追記可能な記録層からなる追記グルーブ114により構成されている。これにより、たとえば、画像処理部20で検出されたマラリアに感染した赤血球RCの数や感染率を、検体の識別情報(患者情報、等)および分析日時とともに、追記領域102hの追記グルーブ114に記録することができる。よって、適宜、追記領域102hを再生することにより、必要な情報を確認することができる。
[0261]
 図28Bは実施形態4、5に係るさらに他の試料収容ディスク100iのグルーブとランドを直線状に展開して示す。図28Bに示す試料収容ディスク100iでは、インナー領域102fと検出領域102gとの間に追記領域102hが設けられている。追記領域102hのグルーブを追記可能な記録層からなる追記グルーブ114により構成されている。
[0262]
 図28Aと図28Bに示す追記領域102hは実施形態1~3における試料収容ディスク100、100a~100dにも形成することができ、同様の効果を有する。
[0263]
 さらに、各フィールドの信号は、必ずしもグルーブ111に記録されなくともよく、グルーブ111に代えてランド112に各フィールドの信号が記録されてもよい。また、フィールドF2、F7および図25Cに示す試料収容ディスク100fのフィールドF5の期間F5aに対応する部分形成される変調構造Mdは互いに同じパターンでなくてもよく、ピットとスペースの長さがこれらフィールドごとに異なっていてもよい。蛍光検出用ピックアップ200の構成も図7の構成から適宜、変更可能である。
[0264]
 (実施形態6)
 図29は実施形態1から実施形態5における試料収容ディスク100、100a~100iから蛍光を読み取る蛍光検出用ピックアップ200aの構成図である。図29において、図7に示す実施形態1における蛍光検出用ピックアップ200と同じ部分には同じ参照番号を付す。図29に示す蛍光検出用ピックアップ200aは、図7に示す実施形態1における蛍光検出用ピックアップ200のダイクロイックプリズム208と蛍光検出器211との間に設けられた遮光体212、213と吸光体214とをさらに備える。
[0265]
 図29に示す蛍光検出用ピックアップ200aでは、図7に示す蛍光検出用ピックアップ200と同様に、ダイクロイックプリズム208で反射された蛍光がコリメータレンズ204によって収束された状態のまま、蛍光検出器211の受光面211sに導かれる。蛍光検出器211は、受光面211s上に蛍光を受光するためのセンサを有している。蛍光検出器211の検出信号は信号増幅回路によって増幅される。
[0266]
 なお、試料収容ディスク100から生じる蛍光は微弱であるため、図29に示す光学系においては、蛍光以外の迷光を蛍光検出器211に入射させないことが好ましい。たとえば、発光源である半導体レーザ201から出射されたレーザ光が迷光となって蛍光検出器211に入射する可能性がある。特に、図29に示す光学系では、半導体レーザ201と蛍光検出器211とが互いに向き合うように配置されているため、半導体レーザ201から出射されたレーザ光が蛍光検出器211に入射しやすい。このため、半導体レーザ201から出射されたレーザ光が蛍光検出器211に入射しないようにするための構造を光学系に配置することが好ましい。
[0267]
 実施の形態6における蛍光検出用ピックアップ200aでは、蛍光検出器211の手前の、蛍光の収束光路中に、遮光体212と、遮光体213と、吸光体214が配置されている。遮光体212、遮光体213および吸光体214は、蛍光検出器211に向かう迷光を除去する遮光ユニット1212を構成する。
[0268]
 図30A、図30Bは、それぞれ、遮光体212および遮光体213の構成図である。図30Cは、遮光ユニット1212の遮光体212および遮光体213の断面図である。図30A、図30Bは、遮光体212および遮光体213を蛍光の進行方向から見た平面図である。図30Cは、蛍光の進行方向に平行な平面によって遮光体212および遮光体213の中央位置を切断したときの断面を示す。図30Cは、蛍光FL0とレーザ光である迷光L1~L4を模式的に示す。
[0269]
 図30A、図30Bに示すように、遮光体212および遮光体213は、平面視光において正方形の輪郭を有する板状部材からなる。遮光体212および遮光体213は、何れも、光を透過させない材料から構成される。遮光体212の中央位置には直径D1の円形の開口212aが形成され、遮光体213の中央位置には直径D2の円形の開口213aが形成されている。直径D2は直径D1よりも小さい。
[0270]
 開口212aの直径D1は、遮光体212が配置される位置における蛍光FL0のビーム径と略等しく設定されている。また、開口213aの直径D2は、遮光体213が配置される位置における蛍光FL0のビーム径と略等しく設定されている。すなわち、試料100Saで生じた蛍光FL0は、図29に示す対物レンズ206の有効径の範囲で取り込まれる。取り込まれた蛍光FL0は、コリメータレンズ204によって収束作用を受ける。このため、蛍光検出器211に向かう蛍光FL0は、円形の断面を有する収束光となる。直径D1、D2は、それぞれ、遮光体212および遮光体213が配置される位置の蛍光FL0のビーム径に実質的に等しく、具体的には調整による若干の誤差、たとえば、0.5mm程度を蛍光FL0のビーム径に加えた径であることが望ましい。
[0271]
 図30Cに示すように、遮光体212は、蛍光FL0の光路中における、蛍光FL0の断面の直径が開口212aの直径D1と実質的に等しくなる位置に配置される。また、遮光体213は、蛍光FL0の光路中における、蛍光FL0の断面の直径が開口213aの直径D2と略等しくなる位置に配置される。遮光体212と遮光体213は、ぞれぞれ、開口212a、213aの中心が蛍光FL0の光軸に一致するように配置される。すなわち、開口212a、213aと蛍光FL0の外周縁とが実質的に整合するように、遮光体212および遮光体213が配置される。
[0272]
 このように遮光体212および遮光体213を配置することによって、図30Cに示すように、ダイクロイックプリズム208により反射された蛍光FL0は、遮光体212の開口212aおよび遮光体213の開口213aを通過して蛍光検出器211へと導かれる。
[0273]
 一方、半導体レーザ201から出射されたレーザ光などから生じた迷光は、遮光体212および遮光体213によって遮断される。迷光の一部は、遮光体212の開口212aを通過するが、その一部は、迷光L2のように、遮光体213の開口213a以外の部分によって遮光される。
[0274]
 図31は遮光ユニット1212の断面図であり、開口212a、213aによりカットされる光の範囲を模式的に示す。図31に示すように、開口212a、213a間の空間長を屈折率で除した光学的距離Lと蛍光の収束角θ(全角)と開口212a、213aの直径D1、D2との間に理想的には以下の関係式が成立する。
[0275]
  θ=(D1+D2)/L
 この関係式が成立する場合、蛍光の収束角θよりも大きい範囲で開口212aを通過する迷光は、遮光体213によって遮光される。ただし、直径D1、D2が上記関係式を満たす理想値からやや大きい場合でも、蛍光の収束角θよりも大きい範囲で開口212aを通過する迷光の大部分が遮光体213によって遮光される。よって、直径D1、D2が理想値からやや大きい場合も、迷光は許容できる程度に遮光することができる。
[0276]
 開口212aを通過した迷光の一部は、図30Cに示す迷光L3、L4のように、開口213aをも通り抜けて、蛍光検出器211へと向かう。このうち、迷光L3のように入射角が大きい迷光は、遮光体212と遮光体213との間隔D3を広げ、且つ、その位置の蛍光FL0の断面の径に略一致するように開口212a、212bの直径D1、D2を調整することにより遮光できる。よって、間隔D3はなるべく広いことが好ましい。
[0277]
 迷光L4のように入射角が小さい迷光は、間隔D3を広げて開口212a、212bの直径D1、D2を調整しても、遮光できない。そこで、本実施形態では、図29に示すように、開口212aを通過した迷光を除去するために、遮光体212と遮光体213との間に吸光体214が配置されている。なお、迷光L4のように入射角が小さい迷光が蛍光FL0の検出に大きな影響を及ぼさない場合は、蛍光検出用ピックアップ200aは吸光体214を備えていなくてもよい。
[0278]
 図32Aは蛍光検出用ピックアップの断面図であり、遮光体212と遮光体213の間に吸光体214を配置した場合の吸光体214の作用を示す。
[0279]
 吸光体214は、レーザ光の波長である波長405nm付近の光を吸収し、蛍光FL0の波長帯である波長450~540nm付近の光を透過する部材からなっている。吸光体214は、たとえば、色ガラスからなっている。吸光体214は、波長405nm付近の光のみならず、波長450~540nm付近以外の波長の光を吸収する部材からなっていてもよい。吸光体214は、間隔D3に等しい厚みを有する直方体形状を有する。たとえば、吸光体214の両面に、それぞれ、遮光体212と遮光体213が接着剤等で固定される。この場合、遮光体212と遮光体213は、開口212a、213aの中心が蛍光の進行方向において一致するように、吸光体214に固定される。
[0280]
 図32Aに示すように、開口212aを通過した迷光L2~L4は、吸光体214を透過する間に吸収される。このため、たとえば迷光L4のように入射角が小さい迷光が遮光体213の開口213aを通過することが抑止され得る。蛍光FL0は、吸光体214によって実質的に吸収されることなく吸光体214を透過する。よって、図32Aの構成によれば、迷光が蛍光検出器211に入射することを、さらに確実に抑止できる。
[0281]
 図32Bは実施の形態6に係る他の遮光ユニット1212aの断面図である。図32Bに示すように、遮光体212に対向する吸光体214の片面に、迷光を反射して蛍光FL0を透過するフィルタ215が配置されている。これにより、迷光が蛍光検出器211に入射することを、より一層確実に抑止することができる。
[0282]
 図32Bに示す遮光ユニット1212aにおいて、フィルタ215は、たとえば、積層されている複数の誘電体膜により構成されている。たとえば、吸光体214の片面に複数の誘電体膜を真空蒸着等の成膜工程により積層することによって、フィルタ215が構成される。この場合、フィルタ215の表面に、遮光体212が接着剤等で固定される。
[0283]
 図30Bを参照して説明したように、入射角が大きい迷光は遮光体212と遮光体213によって遮光されるため、フィルタ215は、入射角が小さい迷光のみを透過させなければよい。このため、複数の誘電体膜を積層してフィルタ215を構成する場合には、小さい角度範囲において、蛍光の波長帯の光を透過し、蛍光以外の波長帯の光、たとえば、レーザ光の波長である405nm付近の光を反射するように誘電体膜を設計してもよい。すなわち、フィルタ215は、遮光体212の開口212aと遮光体213の開口213aの両方を通過する入射角の迷光を反射するように構成される。これにより、フィルタ215を、容易に、且つ、より確実にフィルタ特性を発揮できるように、設計することができる。
[0284]
 <実施形態6の効果>
 特許文献2に開示されているピンホールで迷光を除去する従来の構成では、小さな径のピンホールを迷光の共焦点の位置に正確に配置する必要がある。このため、光学系にピンホールを配置する場合に微細な位置調整が必要となり、組み立て時の作業性が顕著に低下する。また、共焦点位置にピンホールを配置するため、対物レンズから光検出器までの光路が長くなる。このため、光学系を小型化することが難しく、結果、装置全体の小型化に悪影響を及ぼす。
[0285]
 図30Cに示すように、実施形態6における蛍光検出用ピックアップ200aでは、試料100Saから生じた蛍光FL0は、遮光体212の開口212aと遮光体213の開口213aの両方を通過して蛍光検出器211へと導かれる。一方、蛍光検出器211へと向かう迷光L1~L4の一部は、遮光体212と遮光体213の何れかによって遮光される。また、蛍光の収束光路中に遮光体212と遮光体213が配置されているので、蛍光の共焦点の位置にピンホールを配置する場合に比べて、遮光体の配置や位置を容易に調整できる。蛍光検出用ピックアップ200aでは、蛍光の収束光路中に遮光体212と遮光体213が配置されているので、蛍光の共焦点の位置にピンホールを配置する場合と異なり、対物レンズ206と蛍光検出器211までの光路が長くならない。よって、実施形態6に係る蛍光検出用ピックアップ200aによれば、蛍光以外の迷光を円滑に除去でき、且つ、組み立て作業の簡易化と光学系の小型化を図ることができる。
[0286]
 また、図32Aに示すように、遮光体212と遮光体213とともに吸光体214が配置されているため、2つの開口212a、213aを通過するような入射角の小さい迷光は吸光体214によって除去できる。
[0287]
 また、吸光体214により吸収される光の波長帯に、半導体レーザ201から出射されるレーザ光の波長帯(405nm付近)が含まれているため、特に問題となりやすい半導体レーザ201からのレーザ光による迷光を吸光体214によって除去できる。
[0288]
 また、図32Aに示すように、吸光体214に遮光体212と遮光体213が固定されて一体化されているため、吸光体214と遮光体212および遮光体213を光学系に簡易に配置できる。また、吸光体214を介して遮光体212と遮光体213の相対位置が確定されるため、配置において遮光体212と遮光体213の両方を位置調整しなくてもよい。よって、遮光体212および遮光体213の配置作業を簡易化できる。
[0289]
 また、図32Aに示すように吸光体214を挟むように遮光体212と遮光体213が配置されているため、遮光体212と遮光体213との間の隙間以外の位置に吸光体214を配置するためのスペースを確保する必要がない。よって、光学系をコンパクトに収めることができる。
[0290]
 なお、上記のように、遮光体212と遮光体213の間隔D3を広げるほど、より多くの迷光を遮光体212と遮光体213で除去できる。また、図32Aに示す構成では、蛍光の進行方向における吸光体214の厚みが大きいほど吸光体214における迷光の吸収能力が高まる。よって、図32Aのように遮光体212と遮光体213で吸光体214を挟む構成においては、遮光体212と遮光体213の間隔D3を広げて吸光体214の厚みを大きくすることにより、遮光体212および遮光体213による迷光の遮光能力と、吸光体214による迷光の遮光能力の両方を同時に高めることができ、迷光をより効率的に除去することができる。
[0291]
 また、図32Bに示す遮光ユニット1212aでは、さらに、試料100Saから生じた蛍光を透過し、蛍光の波長帯以外の波長帯の迷光を反射するフィルタ215が配置されている。したがって、2つの開口212a、213aを通過するような入射角の小さい迷光であっても、フィルタ215によって除去でき、迷光が蛍光検出器211に入射することをさらに抑止できる。
[0292]
 ここで、開口212a、213aの両方を通過する角度範囲の迷光を反射するようにフィルタ215を構成する場合には、フィルタ215を複数の誘電体膜から形成することにより、容易に、且つ、より確実にフィルタ特性を発揮できるように、フィルタ215を設計することができる。
[0293]
 <変更例>
 実施の形態6における蛍光検出用ピックアップ200aでは、蛍光を収束させるコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に、1つだけの吸光体214が配置されているが、2つ以上の吸光体214がコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に配置されてもよい。図33Aは実施形態6におけるさらに他の遮光ユニット1212bの断面図であり、蛍光検出用ピックアップ200aの他の構成部材を共に示す。遮光ユニット1212bでは2つの吸光体214、1214がコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に配置されている。吸光体1214は吸光体214と同じ材料よりなり、遮光体213の蛍光検出器211に対向する面に設けられている。
[0294]
 図33Bは実施形態6におけるさらに他の遮光ユニット1212cの断面図であり、蛍光検出用ピックアップ200aの他の構成部材を共に示す。図33Bに示す遮光ユニット1212cでは、3つの吸光体214、1214、2214がコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に配置されている。これにより、複数の吸光体214、1214、2214を合わせた厚みを大きくすることができ、2つの開口212a、213aの両方を通過する迷光をより確実に除去することができる。
[0295]
 図33Aに示す遮光ユニット1212bでは、吸光体1214が、遮光体213の蛍光検出器211に対向する面に接着剤等により固定されている。図33Bに示す遮光ユニット1212cでは、吸光体2214が、遮光体212のダイクロイックプリズム208に対向する面に接着剤等により固定されている。
[0296]
 なお、遮光体212と遮光体213は、必ずしも吸光体214、1214、2214に固定されなくともよく、遮光体212および遮光体213と吸光体214、1214、2214とが個別に配置されてもよい。また、遮光体212と遮光体213は吸光体214を挟むように配置されていなくてもよく、遮光体212と遮光体213との隙間以外の位置に吸光体214が配置されてもよい。
[0297]
 また、遮光体212と遮光体213を一体化する場合、必ずしも吸光体214を介して遮光体212と遮光体213が一体化されなくてもよい。たとえば、別途、遮光体212と遮光体213を支持する支持部材によって、遮光体212と遮光体213が一体化されてもよく、あるいは、遮光体212と遮光体213が橋架されて一体的に形成されてもよい。
[0298]
 また、図32Bに示す遮光ユニット1212bでは、蛍光を収束させるコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に、1つだけのフィルタ215が配置されているが、2つ以上のフィルタ215がコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に配置されてもよい。図33Cは実施形態6におけるさらに他の遮光ユニット1212dの断面図である。図33Cに示す遮光ユニット1212dでは、フィルタ215、215aがコリメータレンズ204と蛍光検出器211との間の光路中に配置されている。フィルタ215aはフィルタ215と同じ構成を有する。図33Cの構成では、吸光体214の両面にそれぞれフィルタ215、215aが形成されている。これにより、2つの開口212a、213aの両方を通過する迷光をより一層確実に除去することができる。
[0299]
 なお、フィルタ215、215aは吸光体214の側面に形成されなくともよく、吸光体214とは別体であってもよい。また、フィルタ215、215aは、必ずしも遮光体212と遮光体213の間に配置されなくともよく、遮光体212と遮光体213との隙間以外の位置にフィルタ215、215aが配置されてもよい。さらに、吸光体214が省略されて、遮光体212および遮光体213とフィルタ215、215aのみが配置されてもよい。
[0300]
 実施の形態6における遮光ユニット1212、1212a~1212dでは、開口212a、213aには何も配置されていないが、開口212a、213aの少なくとも一方に吸光体またはフィルタが配置されてもよい。
[0301]
 図34Aは実施形態6におけるさらに他の遮光ユニット1212eの断面図である。図34Aに示すように、吸光体214は、吸光体214の遮光体212、213に対向する面214p、214qからそれぞれ突出する突部214a、214bを有する。突部214a、214bは円柱形状を有し、開口212a、213aにそれぞれ嵌まる。遮光体212と遮光体213を吸光体214に固着する際に、突部214a、214bを開口212a、213aに嵌合させてもよい。これにより、突部214a、214bによって遮光体212と遮光体213が位置決めされるため、遮光体212と遮光体213との間の相対位置をより正確に設定できる。
[0302]
 図34Bは実施形態6におけるさらに他の遮光ユニット1212fの断面図である。遮光ユニット1212fでは、フィルタ215は吸光体214と別体であり、開口212aに嵌め込まれて固定されている。
[0303]
 また、図29に示す蛍光検出用ピックアップ200aの光学系では、コリメータレンズ204により蛍光が収束される。蛍光を収束させる構成はこれに限られるものではなく、蛍光を収束させるための収束レンズが別途光学系に配置されてもよい。
[0304]
 図35は実施の形態6に係るさらに他の蛍光検出用ピックアップ200bの構成図である。図35に示す蛍光検出用ピックアップ200bでは、コリメータレンズ204が1/2波長板202とPBS203の間に配置されており、ダイクロイックプリズム208と蛍光検出器211との間に蛍光を収束させるための収束レンズ216が配置されて、蛍光を収束させる。遮光体212と遮光体213とを有する遮光ユニット1212は、蛍光が収束する光路中、すなわち、収束レンズ216と蛍光検出器211との間の光路中に配置されている。
[0305]
 なお、吸光体214とフィルタ215は、必ずしも蛍光が収束する光路中に配置されなくてもよい。図35に示す蛍光検出用ピックアップ200bの光学系では、ダイクロイックプリズム208と収束レンズ216との間の平行光路中に吸光体214とフィルタ215が配置されてもよい。ダイクロイックプリズム208と収束レンズ216は、励起用のレーザ光の光路と重ならない蛍光の光路中に配置される。
[0306]
 実施形態において、「上面」「下面」「上方」等の方向を示す用語は、試料収容ディスクの基板101、102等の構成部材の相対的な位置関係でのみ決まる相対的な方向を示し、鉛直方向等の絶対的な方向を示すものではない。

符号の説明

[0307]
1  蛍光検出装置
11a  信号取得部
11  信号検出部
12  信号再生部
13  切出し部
20  画像処理部
40  コントローラ
100  試料収容ディスク
100Sa  試料
101b  試料収容部
102  基板
102c  トラック
111  グルーブ
113  ピット
200  蛍光検出用ピックアップ
211  蛍光検出器
212  遮光体
213  遮光体
214  吸光体
220  スピンドルモータ
240  スレッドモータ
403  フィルタ
405  DA変換回路
406  アンプ
407  検波回路
408  アンプ
1200  走査部
A0~A8  エリア
En  信号(同期用の信号)
Md  変調構造
SB1~SB6  同期調整ピット
Sy  同期信号(同期用の信号)
Ta  トラック部分
Z0~Zn  ゾーン

請求の範囲

[請求項1]
試料を収容する試料収容ディスクであって、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に配置され前記試料を収容する1つ以上の試料収容部と、
を備え、
前記トラックは走査方向に走査されるように構成されており、
前記トラックのうちの前記1つ以上の試料収容部のそれぞれの試料収容部を跨ぐ複数のトラック部分のそれぞれのトラック部分の前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の上流側に、前記それぞれのトラック部分の位置を示す第1のアドレス信号が記録されており、
前記それぞれのトラック部分の前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の下流側に、前記それぞれのトラック部分の前記位置を示す第2のアドレス信号が記録されている、試料収容ディスク。
[請求項2]
請求項1に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記複数のトラック部分の前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の上流側には前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の開始を示す複数の開始信号が前記ディスク中心から遠ざかるディスク径方向に揃うように記録されており、
前記複数のトラック部分の前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の下流側には前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の終了を示す複数の終了信号が前記ディスク中心から遠ざかる別のディスク径方向に揃うように記録されている、試料収容ディスク。
[請求項3]
請求項1または2に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記トラックが形成された前記試料収容ディスクの領域は、前記ディスク中心から遠ざかる複数のディスク径方向にそれぞれ延びる複数の境界で前記複数のディスク径方向に直角のディスク周方向に配列された複数のエリアに区分されており、
前記1つ以上の試料収容部は、前記複数のエリアにそれぞれ配置された複数の試料収容部を含む、試料収容ディスク。
[請求項4]
請求項3に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記複数のエリアは、前記ディスク中心から互いに等しい角度範囲で配置されている、試料収容ディスク。
[請求項5]
 請求項1から4の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
上方から見て前記複数のトラック部分の前記1つ以上の試料収容部に重なる部分は、信号が記録されておらずに単調に延びる、試料収容ディスク。
[請求項6]
請求項1から4の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
上方から見て前記複数のトラック部分の前記1つ以上の試料収容部に重なる部分の少なくとも1カ所に同期調整用の信号が記録されている、試料収容ディスク。
[請求項7]
請求項1から6の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記複数のトラック部分は前記ディスク中心から遠ざかるディスク径方向に並んであり、
前記走査方向において前記複数のトラック部分が始まる始端をそれぞれ示す複数の信号が前記ディスク中心から遠ざかる別のディスク径方向に並ぶように前記複数のトラック部分の前記始端に記録されており、
前記走査方向において前記複数のトラック部分が終わる終端をそれぞれ示す複数の信号が前記ディスク中心から遠ざかるさらに別のディスク径方向に並ぶように前記複数のトラック部分の前記終端に記録されている、試料収容ディスク。
[請求項8]
請求項1から7のうちの何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記1つ以上の試料収容部の数は奇数であり、
前記トラックが形成された前記試料収容ディスクの領域は、前記ディスク中心から遠ざかりかつ前記ディスク周方向に直角の1つ以上のディスク径方向に延びる1つ以上の境界で前記ディスク周方向に奇数の1つ以上のエリアに区分けされており、
前記奇数の1つ以上のエリアに前記1つ以上の試料収容部がそれぞれ配置されており、
前記基板は、前記基板の前記上面を構成するランドと、前記上面に設けられて前記ランドに繋がるグルーブとを有し、
前記トラックは、前記1つ以上の境界において、前記グルーブと前記ランドとの間で交互に切り替わるように前記ランドと前記グルーブとに設けられており、
前記トラックには前記グルーブと前記ランドのうちの一方に形成された複数のピットよりなるピット列で信号が記録されている、試料収容ディスク。
[請求項9]
請求項1から7の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記試料収容ディスクは、前記ディスク中心から遠ざかるディスク径方向に沿って複数のゾーンに区分されており、
前記複数のゾーンには前記複数のトラック部分のうちの複数の群のトラック部分がそれぞれ配置されており、
前記複数の群のトラック部分のそれぞれの群のトラック部分には一定の角速度で信号が記録されている、試料収容ディスク。
[請求項10]
請求項9に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記一定の角速度は、前記それぞれの群のトラック部分のうちの前記ディスク径方向の中央位置にあるトラック部分の線速度が前記複数の群のトラック部分において所定の線速度になるように設定されている、試料収容ディスク。
[請求項11]
請求項9または10に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記第1のアドレス信号と前記第2のアドレス信号のそれぞれは、前記複数のゾーンのうちの前記それぞれのトラック部分を含むゾーンを示す信号と、前記ゾーンにおける前記それぞれのトラック部分の前記ディスク径方向での位置を示す信号と、前記それぞれのトラック部分の前記ディスク径方向に直角で前記ディスク中心を囲むディスク周方向での位置を示す信号とを含む、試料収容ディスク。
[請求項12]
請求項9から11のうちの何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記複数の試料収容部の数と前記複数のエリアの数とは奇数であり、
前記複数のエリアは、前記ディスク中心から遠ざかりかつ前記ディスク周方向に直角の複数のディスク径方向に延びる複数の境界で区分けされており、
前記基板は、前記基板の前記上面を構成するランドと、前記上面に設けられて前記ランドに繋がるグルーブとを有し、
前記トラックは、前記複数の境界において、前記グルーブと前記ランドとの間で交互に切り替わるように前記ランドと前記グルーブとに設けられており、
前記トラックには前記グルーブと前記ランドのうちの一方に形成された複数のピットよりなるピット列で信号が記録されている、試料収容ディスク。
[請求項13]
請求項1から12の何れか一項に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記第1のアドレス信号と前記第2のアドレス信号とは、前記トラックに形成された複数のピットよりなるピット列により記録されている、試料収容ディスク。
[請求項14]
請求項1に記載の試料収容ディスクにおいて、
前記1つ以上の試料収容部の前記ディスク中心を囲むディスク周方向に並ぶ2つの境界は前記ディスク中心から放射状に延びている、試料収容ディスク。
[請求項15]
試料を収容する試料収容ディスクと共に用いられる蛍光検出装置であって、
   前記試料収容ディスクに光を照射して走査方向に前記試料収容ディスクを走査する走査部と、
   前記試料収容ディスクで反射した光に応じて検出信号を出力する光検出器と、
   前記検出信号に応じて動作する信号取得部と、
   前記照射された光により前記試料収容部に収容された前記試料から生じた蛍光に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出器と、
   前記蛍光信号を切出す切出し部と、
   前記切り出された蛍光信号に対する処理を制御するコントローラと、
を備え、
前記試料収容ディスクは、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に配置され前記試料を収容する試料収容部と、
を備え、
前記トラックのうちの前記試料収容部を跨ぐトラック部分には、前記走査方向における前記試料収容部の上流側に、前記トラック部分の位置を示す第1のアドレス信号が記録されており、
前記トラック部分には、前記走査方向における前記試料収容部の下流側に、前記トラック部分の前記位置を示す第2のアドレス信号が記録されており、
前記信号取得部は前記光検出器が出力する前記信号に基づいて前記第1のアドレス信号と前記第2のアドレス信号とを取得し、
前記コントローラは、前記信号取得部により取得された前記第1のアドレス信号と前記第2のアドレス信号とに基づいて、前記切り出された蛍光信号に対する前記処理を制御する、蛍光検出装置。
[請求項16]
請求項15に記載の蛍光検出装置において、
前記コントローラは、前記第1のアドレス信号と前記アドレス信号との関係が適正でない場合、前記切り出された蛍光信号を無効化する、蛍光検出装置。
[請求項17]
請求項15または16に記載の蛍光検出装置において、
前記複数のトラック部分の前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の上流側には前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の開始を示す複数の開始信号が前記ディスク中心から遠ざかるディスク径方向に揃うように記録されており、
前記複数のトラック部分の前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の下流側には前記走査方向における前記それぞれの試料収容部の終了を示す複数の終了信号が前記ディスク中心から遠ざかる別のディスク径方向に揃うように記録されており、
前記切出し部は、前記複数の開始信号および前記複数の終了信号に基づいて、前記検出信号のサンプリングを開始および終了する、蛍光検出装置。
[請求項18]
請求項15から17の何れか一項に記載の蛍光検出装置において、
前記トラック部分のうちの前記走査方向における前記試料収容部の開始位置から終了位置までの範囲に重なる部分の少なくとも1カ所に同期調整用の信号が記録されており、
前記信号取得部は前記同期調整用の信号を取得し、
前記取得した同期調整用の信号に基づいて前記切出された蛍光信号の同期ずれを補正する画像処理部をさらに備えた蛍光検出装置。
[請求項19]
試料を収容する試料収容ディスクであって、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に前記ディスク中心を囲むディスク周方向に並ぶように配置され前記試料を収容する1つ以上の試料収容部と、
を備え、
前記トラックは走査方向に走査されるように構成されており、
前記トラックが形成された前記試料収容ディスクの領域は、前記ディスク中心から遠ざかりかつ前記ディスク周方向に直角の1つ以上のディスク径方向に延びる1つ以上の境界で前記ディスク周方向に奇数の1つ以上のエリアに区分けされており、
前記奇数の1つ以上のエリアに前記1つ以上の試料収容部がそれぞれ配置されており、
前記基板は、前記基板の前記上面を構成するランドと、前記上面に設けられて前記ランドに繋がるグルーブとを有し、
前記トラックは、前記1つ以上の境界において、前記グルーブと前記ランドとの間で交互に切り替わるように前記ランドと前記グルーブとに設けられており、
前記トラックには前記グルーブと前記ランドのうちの一方に形成された複数のピットよりなるピット列で信号が記録されている、試料収容ディスク。
[請求項20]
試料を収容する試料収容ディスクと共に用いられる蛍光検出装置であって、
   前記試料収容ディスクに光を照射して走査方向に前記試料収容ディスクを走査する走査部と、
   前記試料収容ディスクで反射した光に応じて検出信号を出力する光検出器と、
   前記検出信号に基づいて動作する信号取得部と、
   前記照射された光により前記試料収容部に収容された前記試料から生じた蛍光に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出器と、
   前記蛍光信号をサンプリングして切出す切出し部と、
を備え、
前記試料収容ディスクは、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に前記ディスク中心を囲むディスク周方向に並ぶように配置され前記試料を収容する1つ以上の試料収容部と、
を備え、
前記トラックが形成された前記試料収容ディスクの領域は、前記ディスク中心から遠ざかりかつ前記ディスク周方向に直角の1つ以上のディスク径方向に延びる1つ以上の境界で前記ディスク周方向に広がる奇数の1つ以上のエリアに区分けされており、
前記1つ以上のエリアに前記1つ以上の試料収容部がそれぞれ配置されており、
前記基板は、前記基板の前記上面を構成するランドと、前記上面に設けられて前記ランドに繋がるグルーブとを有し、
前記トラックは、前記1つ以上の境界において前記グルーブと前記ランドとで交互に切り替わるように前記グルーブと前記ランドとに設けられており、
前記トラックには、前記グルーブと前記ランドのうちの一方に形成された複数のピットよりなるピット列で信号が記録されており、前記光検出器は、前記トラックで反射した光に応じて前記検出信号を出力する、蛍光検出装置。
[請求項21]
試料を収容する試料収容ディスクであって、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に配置され前記試料を収容する試料収容部と、
を備え、
上方から見て、前記トラックのうち前記試料収容部を跨ぐ複数のトラック部分のそれぞれのトラック部分の前記試料収容部と重なる部分には、同期調整用の信号が1つ以上のビットよりなるピット列により記録されており、
前記それぞれのトラック部分の前記1つ以上のビットは、前記ディスク中心から遠ざかるディスク径方向に延びる1つ以上の直線上にそれぞれ位置する、試料収容ディスク。
[請求項22]
試料を収容する試料収容ディスクと共に用いられる蛍光検出装置であって、
   前記試料収容ディスクに光を照射して走査方向に前記試料収容ディスクを走査する走査部と、
   前記試料収容ディスクで反射した光に応じて検出信号を出力する光検出器と、
   前記検出信号に応じて動作する信号取得部と、
   前記照射された光により前記試料収容部に収容された前記試料から生じた蛍光に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出器と、
   前記蛍光信号をサンプリングして切出す切出し部と、
   前記切り出された蛍光信号に基づいて、前記蛍光と前記試料収容部とを示す蛍光画像を生成する画像処理部と、
を備え、
前記試料収容ディスクは、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部と、
を備え、
上方から見て、前記トラックのうち前記試料収容部を跨ぐ複数のトラック部分のそれぞれのトラック部分の前記試料収容部と重なる部分には、同期調整用の信号が1つ以上のビットよりなるピット列により記録されており、
前記それぞれのトラック部分の前記1つ以上のビットは、前記ディスク中心から遠ざかるディスク径方向に前記ディスク中心から延びる1つ以上の直線上にそれぞれ位置し、
前記信号取得部は、前記検出信号に応じて前記同期調整用の信号を取得し、
前記画像処理部は、前記取得された同期調整用の信号に基づいて、前記切出された蛍光信号の同期ずれを補正する、蛍光検出装置。
[請求項23]
試料を収容する試料収容ディスクであって、
 基板と、
 ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
 前記トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部と、
を備え、
前記トラックは走査方向に走査されるように構成されており、
前記トラックのうちの前記試料収容部を跨ぐトラック部分には、前記トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録位置に記録されており、
前記基板は、前記走査方向における前記記録位置の上流側に設けられて前記トラックで反射される光を変調する変調構造を有する、試料収容ディスク。
[請求項24]
試料を収容する試料収容ディスクと共に用いられる蛍光検出装置であって、
   前記試料収容ディスクに光を照射して走査方向に前記試料収容ディスクを走査する走査部と、
   前記試料収容ディスクで反射した光に応じて検出信号を出力する光検出器と、
   前記検出信号の高周波成分を抽出するフィルタと、
   前記検出信号の前記抽出された高周波成分に基づいて、前記トラック部分に記録された信号を取得する信号取得部と、
   前記照射された光により前記試料収容部に収容された前記試料から生じた蛍光に応じた蛍光信号を出力する蛍光検出器と、
   前記蛍光信号をサンプリングして切出す切出し部と、
   前記取得された信号と前記切り出された蛍光信号とに基づいて、前記蛍光と前記試料収容部とを示す蛍光画像を生成する画像処理部と、
を備え、
前記試料収容ディスクは、
   基板と、
   ディスク中心の周りを旋回するように前記基板の上面に形成されたトラックと、
   前記トラックの上側に配置され試料を収容する試料収容部と、
を備え、
前記トラックのうちの前記試料収容部を跨ぐトラック部分には、前記トラック部分の位置を示すアドレス信号が記録位置に記録されており、
前記基板は、前記走査方向における前記記録位置の上流側に設けられて、前記トラックで反射される光を変調する変調構造を有する、蛍光検出装置。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14A]

[ 図 14B]

[ 図 14C]

[ 図 14D]

[ 図 15A]

[ 図 15B]

[ 図 15C]

[ 図 16]

[ 図 17A]

[ 図 17B]

[ 図 17C]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23A]

[ 図 23B]

[ 図 24A]

[ 図 24B]

[ 図 24C]

[ 図 25A]

[ 図 25B]

[ 図 25C]

[ 図 26A]

[ 図 26B]

[ 図 27]

[ 図 28A]

[ 図 28B]

[ 図 29]

[ 図 30A]

[ 図 30B]

[ 図 30C]

[ 図 31]

[ 図 32A]

[ 図 32B]

[ 図 33A]

[ 図 33B]

[ 図 33C]

[ 図 34A]

[ 図 34B]

[ 図 35]