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1. WO2017150596 - 多元系固溶体微粒子及びその製造方法並びに触媒

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明 細 書

発明の名称 多元系固溶体微粒子及びその製造方法並びに触媒

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030  

実施例

0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051  

産業上の利用可能性

0052  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27  

明 細 書

発明の名称 : 多元系固溶体微粒子及びその製造方法並びに触媒

技術分野

[0001]
 本発明は、多元系固溶体微粒子及びその製造方法並びに触媒に関する。

背景技術

[0002]
 パラジウム(Pd)はレアメタルの一つであり、その微粒子は工業的には自動車やバイク、定常モーター、工場からの排気ガス浄化用の触媒(三元触媒)や家庭用燃料電池エネファームなどにおける電極触媒、VOC除去触媒など、様々な酸化・還元、脱水反応触媒として使われている。しかし、これらの触媒として用いられるパラジウム微粒子は、様々な化学反応の過程で生成されるCO(一酸化炭素)などによって被毒され、高出力で長時間使用する事が困難となっている。そのため、このような被毒による劣化を抑制する技術は盛んに研究されている。一方、白金族の一つであるルテニウムはCOを酸化しCO 2(二酸化炭素)とする触媒活性を有するために、CO被毒に耐久性を持つ。そのため、ルテニウムは実際に燃料電池の電極にCO被毒を抑制するために白金などと合金化され利用されている。しかし、パラジウムとルテニウムは平衡状態において原子レベルで混ざる(固溶する)ことが出来ない組み合わせであり分離してしまう。RhとAg、或いは、RhとAuも同様に原子レベルで混ざることが出来ない2種の金属の組み合わせである。
[0003]
 特許文献1はPdとRuの固溶体合金微粒子を触媒として使用することを開示し、特許文献2は、銀とロジウムもしくは金とロジウムとが固溶している合金微粒子を開示しているが、これら2種の金属の固溶体は熱的に不安定なため、高温での耐久性に懸念があった。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : WO2014/045570
特許文献2 : WO2010/122811

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明は、耐熱性の良い新たな合金微粒子及び触媒を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明では、PdとRuを含み、さらに、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む多元系固溶体微粒子とすることで、高温で長時間使用しても触媒性能が維持されることを見出した。
[0007]
 本発明は、以下の多元系固溶体微粒子及びその製造方法並びに触媒を提供するものである。
項1. 下記式:
 Pd Ru (MはRh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種である。x+y+z=1、x+y=0.01~0.99、z=0.99~0.01、x:y=0.1:0.9~0.9:0.1)
で表される多元系固溶体微粒子。
項2. MがRh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる1種又は2種である、項1に記載の多元系固溶体微粒子。
項3. MがM (式中、M とM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる。p=0.01~0.99、q=0.99~0.01、p+q=1)で表される、項1に記載の多元系固溶体微粒子。
項4. M とM が、IrとRhの組み合わせ、IrとPtの組み合わせ、RhとPtの組み合わせのいずれかである、項3に記載の多元系固溶体微粒子。
項5. MがRhである、項1に記載の多元系固溶体微粒子。
項6. x+y=0.05~0.95、z=0.95~0.05、x:y=0.15:0.85~0.85:0.15である。項1に記載の多元系固溶体微粒子。
項7. x+y=0.1~0.9、z=0.9~0.1、x:y=0.2:0.8~0.8:0.2である、項1に記載の多元系固溶体微粒子。
項8. 項1~7のいずれか1項に記載の多元系固溶体微粒子を構成要素として含む触媒。
項9. 項8に記載の触媒を担体に担持してなる担持触媒。
項10. 担体が酸化物類を含む担体である、項9に記載の担持触媒。
項11. 排ガス浄化用触媒である、項9に記載の担持触媒。
項12. Rh塩、Pt塩、Cu塩、Ag塩、Au塩及びIr塩からなる群から選ばれる少なくとも1種とPd塩、Ru塩を含む水溶液を150℃~250℃に加熱した液体還元剤に加えて反応させることを特徴とする、項1~7のいずれか1項に記載の多元系固溶体微粒子の製造方法。
項13. Rh塩、Pt塩、Cu塩、Ag塩、Au塩及びIr塩からなる群から選ばれる少なくとも1種とPd塩、Ru塩を含む水溶液および担体を150℃~250℃に加熱した液体還元剤に加えて反応させることを特徴とする、項9又は10に記載の担持触媒の製造方法。
項14. 担体が酸化物類を含む担体である、項13に記載の方法。

発明の効果

[0008]
 バルクでは得られないPdRu固溶合金に追加の元素を添加することで、PdとRuの固溶状態を安定化させ、高温条件や長期の反応での触媒劣化を防止することができる。
[0009]
 さらに、追加の元素を含む多元系合金微粒子としたことで、二元合金とは異なる電子状態のために、これまでにはない性質を有することが期待できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の3元系固溶体ナノ粒子(合成時仕込み比は、Pd:Rh:Ru=1:1:1)のXRDパターン。3元系Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3のXRDは単一のfccパターンが観測されるが、Pd,Rh,Ruの単独のナノ粒子と異なるピーク位置であり、固溶体が形成している。
[図2] 本発明の3元系固溶体ナノ粒子(Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3)のTEM画像。ナノ粒子の平均粒径は、10.3±2.8nmである。
[図3] 本発明の3元系固溶体ナノ粒子(Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3)のHAADF-STEMおよびSTEM-EDX画像。各粒子にRu、Rh、Pdの3元素が全て存在し、固溶体が形成されていることを確認した。
[図4] 本発明の3元系固溶体ナノ粒子(合成時仕込み比は、Pd:Rh:Ru=1:1:1)の合成直後のHAADF-STEMおよびSTEM-EDX画像。
[図5] 本発明の3元系固溶体ナノ粒子(合成時仕込み比は、Pd:Rh:Ru=1:1:1)をγ-Al に1wt%担持した触媒の耐久試験後のHAADF-STEMおよびSTEM-EDX画像。自動車触媒の排ガス浄化反応における一般的な耐久試験後も固溶体構造を維持。耐久試験:1000℃×10h 燃料Rich雰囲気条件。
[図6] Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3の窒素酸化物の還元反応に対する繰り返し耐久性評価。反応を繰り返しても活性の劣化はほとんど観測されない。
[図7] 窒素酸化物の還元反応に対する2元系と3元系の比較。初期にはわずかな変化が見られるが,T 50はほぼ一定の値を維持 。□:Pd 0.5Ru 0.52元系ナノ粒子(2回目以降活性が低下)。■:Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3(2回目以降も活性を維持)
[図8] Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3の一酸化炭素および炭化水素の酸化反応に対する繰り返し耐久性評価
[図9] Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3の窒素酸化物の還元反応に対する2元系およびRhナノ粒子との触媒性能比較。Rhでさえ1 stと2 nd間で活性の低下を示すが,Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3は性能が非常に安定し、複合化効果が発現し、排ガス浄化触媒にとって非常に有望である。
[図10] PdRuCu ナノ粒子のHAADF-STEMおよびSTEM-EDX画像。各粒子内にRu、Pd、Cuそれぞれの元素が均一に分布した固溶体を形成した。
[図11] PdRuCuナノ粒子のXRDパターン。PdRuCuのピークがPd、Ru、Cuのいずれとも一致せず、且つ単一のfccパターンであり、PdRuCu固溶体の合成に成功したことが明らかになった。
[図12] 3元系固溶体ナノ粒子(Pd 1/3Ru 1/3Cu 1/3)のTEM画像。ナノ粒子の平均粒径は、2~4nmであった。
[図13] PdRu-Ir ナノ粒子のHAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にRu、Pd、Irそれぞれの元素が均一に分布し固溶体を形成していた。
[図14] PdRu-Ptナノ粒子の:HAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にRu、Pd、Ptそれぞれの元素が均一に分布し固溶体を形成していた。
[図15] 第3元素添加による物性の変化:Pd-Ru-Rhと、Pd-Ru-Irの高温酸化雰囲気下でのRu揮発の比較。Ruは高温酸化雰囲気下でRuO 4として揮発してしまうが、PdRuIrとすることで、PdRuRhよりも更に高温までRuの耐久性が向上した。
[図16] PdRuIrRh4元系固溶体ナノ粒子の(a)XRDパターン、(b)TEM画像(平均粒径3.5±1.4nm)、(c) STEM-EDX線分析。PdRuIrRh固溶体の合成に成功した。
[図17] PdRuIrRh4元系固溶体ナノ粒子のHAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にPd、Ru、Ir、Rhそれぞれの元素が均一に分布し固溶体を形成していた。各L線で定量した全体組成(Pd:Ru:Ir:Rh=0.23:0.21:0.31:0.25、エラー±0.03程度)
[図18] PdRuIrPt4元系固溶体ナノ粒子の(a)XRDパターン、(b)TEM画像(平均粒径4.1±1.1nm)、(c) STEM- EDX線分析。PdRuIrPt固溶体の合成に成功した。
[図19] PdRuIrPtナノ粒子のHAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にPd、Ru、Ir、Ptそれぞれの元素が均一に分布し固溶体を形成していた。各L線で定量した全体組成(Pd:Ru:Ir:Pt=0.25:0.30:0.24:0.21、エラー±0.005程度)
[図20] PdRuPtRh4元系固溶体ナノ粒子の(a)XRDパターン、(b)TEM画像(平均粒径5.7±1.3nm)、(c) STEM-EDX線分析。PdRuPtRh固溶体の合成に成功した。
[図21] PdRuPtRh4元系固溶体ナノ粒子のHAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にPd、Ru、Pt、Rhそれぞれの元素が均一に分布し固溶体を形成していた。PtはM線、Pd、Ru、RhはL線で定量した全体組成(Pd:Ru:Pt:Rh=0.21:0.21:0.31:0.27、エラー±0.02程度)
[図22] PdRuAg ナノ粒子のHAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にRu、Pd、Agそれぞれの元素が均一に分布した固溶体を形成した。
[図23] PdRuAgナノ粒子のXRDパターン。PdRuAgのピークがPd、Ru、Agのいずれとも一致せず、且つ単一のfccパターンであり、PdRuAg固溶体の合成に成功したことが明らかになった。
[図24] 3元系固溶体ナノ粒子(Pd 1/3Ru 1/3Ag 1/3)のTEM画像。ナノ粒子の平均粒径は、3.6±1.0nmであった。
[図25] PdRuAu ナノ粒子のHAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像。各粒子内にRu、Pd、Auそれぞれの元素が均一に分布した固溶体を形成した。
[図26] PdRuAuナノ粒子のXRDパターン。PdRuAuのピークがPd、Ru、Auのいずれとも一致せず、且つ単一のfccパターンであり、PdRuAu固溶体の合成に成功したことが明らかになった。
[図27] 3元系固溶体ナノ粒子(Pd 1/3Ru 1/3Au 1/3)のTEM画像。ナノ粒子の平均粒径は、5.8±1.9nmであった。

発明を実施するための形態

[0011]
 本発明の多元系固溶体微粒子は、非固溶系の2種の金属であるPdとRuを含み、さらに追加の金属(M)としてRh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、下記式:
Pd Ru
(MはRh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種である。x+y+z=1、x+y=0.01~0.99、z=0.99~0.01、x:y=0.1:0.9~0.9:0.1)で表される多元系固溶体微粒子である。PdとRuの合計のモル比率(x+y)は、多元系固溶体微粒子の好ましくは1~99%、より好ましくは5~95%、さらに好ましくは10~90%であり、追加の金属(M)のモル比率(z)は、多元系固溶体微粒子の好ましくは99~1%、より好ましくは95~5%、さらに好ましくは90~10%である。
[0012]
 Mは、1種、2種、3種、4種、5種又は6種の金属であってもよく、好ましくは1種、2種、3種、4種又は5種、より好ましくは1種、2種、3種又は4種、さらに好ましくは1種、2種又は3種、特に好ましくは1種又は2種である。Mが1種の金属のときは3元系固溶体微粒子になり、Mが2種の金属の組み合わせのときは4元系固溶体微粒子になり、Mが3種の金属の組み合わせのときは5元系固溶体微粒子になり、Mが4種の金属の組み合わせのときは6元系固溶体微粒子になり、Mが5種の金属の組み合わせのときは7元系固溶体微粒子になり、Mが6種の金属の組み合わせのときは8元系固溶体微粒子になる。
[0013]
 Mが2種の金属からなる場合、IrとRhの組み合わせ、IrとPtの組み合わせ、RhとPtの組み合わせが好ましい。
[0014]
 Mが2種の金属からなる場合、M=M p2 q2(式中、M とM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれ、p2=0.01~0.99、q2=0.99~0.01、p2+q2=1)で表される。
[0015]
 Mが3種の金属からなる場合、M=M p3 q3 r3(式中、M 、M 及びM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれ、p3=0.01~0.98、q3=0.01~0.98、r3=0.01~0.98、p3+q3+r3=1)で表される。
[0016]
 Mが4種の金属からなる場合、M=M p4 q4 r4 s4(式中、M 、M 、M とM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれ、p4=0.01~0.97、q4=0.01~0.97、r4=0.01~0.97、s4=0.01~0.97、p4+q4+r4+s4=1)で表される。
[0017]
 Mが5種の金属からなる場合、M=M p5 q5 r5 s5 t5(式中、M 、M 、M 、M とM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれ、p5=0.01~0.96、q5=0.01~0.96、r5=0.01~0.96、s5=0.01~0.96、t5=0.01~0.96、p5+q5+r5+s5+t5=1)で表される。
[0018]
 Mが6種の金属からなる場合、M=M p6 q6 r6 s6 t6 u6(式中、M 、M 、M 、M 、M とM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれ、p6=0.01~0.95、q6=0.01~0.95、r6=0.01~0.95、s6=0.01~0.95、t6=0.01~0.95、u6=0.01~0.95、p6+q6+r6+s6+t6+u6=1)で表される。 多元系固溶体微粒子におけるPdとRuのモル比(x:y)は、x:y=0.1:0.9~0.9:0.1、好ましくは0.15:0.85~0.85:0.15、より好ましくは0.2:0.8~0.8:0.20、さらに好ましくは0.25:0.75~0.75:0.25、特に好ましくは0.3:0.7~0.7:0.3である。
[0019]
 本発明の多元系固溶体微粒子は優れた性能を示す触媒として利用することができる。触媒として利用するにあたっての該多元系固溶体微粒子の形態に特に制限はないが、担体に担持した担持触媒としての利用が好ましい。使用する担体は特に制限はないが、具体的には酸化物類、窒化物類、炭化物類、単体炭素、単体金属などが担体として挙げられ、中でも酸化物類、単体炭素が好ましく、酸化物類が特に好ましい担体である。酸化物類としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ニオビアなどの酸化物や、シリカ-アルミナ、チタニア-ジルコニア、セリア-ジルコニア、チタン酸ストロンチウムなどの複合酸化物などが挙げられる。単体炭素としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、活性炭素繊維などが挙げられる。窒化物類としては、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化タングステン、窒化モリブデン、窒化チタン、窒化ニオブが挙げられる。炭化物類としては、炭化ケイ素、炭化ガリウム、炭化インジウム、炭化アルミニウム、炭化ジルコニウム、炭化バナジウム、炭化タングステン、炭化モリブデン、炭化チタン、炭化ニオブ、炭化ホウ素が挙げられる。単体金属としては、鉄、銅、アルミニウムなどの純金属及びステンレスなどの合金が挙げられる。
[0020]
 本発明の多元系固溶体微粒子が触媒として優れた性能を示す触媒反応について特に制限はないが、例えば、一般に周期律表8族~11族元素を含有する触媒が用いられることで知られる反応が挙げられ、具体的には水添反応を含めた還元反応、脱水素反応、燃焼も含めた酸化反応、カップリング反応等の化学反応が挙げられる。またこれらの触媒性能を利用することで様々なプロセスや装置等の用途に好適に利用することができる。好適に利用できる用途に特に制限は無いが、例えば、窒素酸化物(NOx)還元反応、一酸化炭素(CO)酸化反応、炭化水素酸化反応、VOC酸化反応などに対する触媒性能を利用する環境・排ガス浄化用途、水素酸化反応、酸素還元反応、水電解などに対する触媒性能を利用する電極用途、不飽和炭化水素類の水添反応や飽和・不飽和炭化水素類の脱水素反応などに対する触媒性能を利用する化学プロセス用途などが挙げられる。中でも特に、自動車、バイク、定常モーターなどの排ガス浄化、水素燃料電池、VOC除去の各用途に、より好適に用いることができる。
[0021]
 前記のように、本発明の多元系固溶体微粒子を触媒として利用するにおいて、最適なPd、Ruおよび追加の金属(M)の組成比は対象とする触媒反応によって異なる。例えば、Pd:Ru=0.5:0.5である多元系固溶体微粒子は、排ガス浄化用の三元触媒として特に優れている。ここで三元触媒とは、窒素酸化物(NOx)を還元して窒素に変換し、一酸化炭素(CO)を酸化して二酸化炭素に変換し、および炭化水素を酸化して水と二酸化炭素に変換する3つの反応に対する触媒活性を有する触媒を意味する。
[0022]
 追加の金属(M)は、PdまたはRuの2元合金系と1000℃以下、好ましくは600℃以下、より好ましくは400℃以下、さらに好ましくは室温で安定相として固溶体を形成する金属であり、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、好ましくはRh、Cu、Pt及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種、さらに好ましくはRh、Pt及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種、特にRhである。例えば、PdとRuのみから成る固溶体では長時間の高温加熱によりPdとRuが徐々に分離し、Ruが揮発する傾向にあるが、本発明の多元系固溶体微粒子は、排ガス浄化反応における耐久試験においても安定でその構造を保持しており、追加の金属(M)により耐久性が向上する。
[0023]
 本発明の多元系固溶体微粒子の平均粒径は、1nm~120nm程度、好ましくは1nm~80nm程度、より好ましくは1~60nm程度、さらに好ましくは1~30nm程度である。平均粒径が小さいと、触媒活性が高くなるために好ましい。
[0024]
 本発明の多元系固溶体微粒子は、3種以上の金属の水溶性塩を含む混合水溶液と液体の還元剤を準備し、液体還元剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの多価アルコール)に3種以上の金属(PdとRu、さらにM(Rh、Cu、Ag、Au、Pt及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種))の水溶性塩を含む混合水溶液を加えて加熱下に1分~12時間程度撹拌下に反応し、その後に放冷し、遠心分離することにより、3種以上の金属(PdとRuとM)を固溶状態で含む多元系固溶体微粒子を得ることができる。液体還元剤は、3種以上の金属の水溶性塩の還元のために1当量以上、好ましくは過剰量使用される。加熱時の反応温度は100~300℃程度、例えば150~250℃程度であり、これは液体還元剤と3種金属(PdとRuとM)の水溶性塩を含む混合水溶液の一方又は両方を加熱しておいて、これらを混合してもよい。
[0025]
 多元系固溶体微粒子の製造のための反応溶液中に保護剤を加えることで凝集を抑制した微粒子を得ることができる。また、反応溶液中に、担体を共存させることにより、担体に多元系固溶体微粒子が担持された担持触媒を得ることができる。さらに、多元系固溶体微粒子と担体を溶液中又は粉体同士を非溶媒系で混合し、溶媒を使用した場合には必要に応じてろ過後に乾燥し、成形することで、担体に多元系固溶体微粒子が担持された担持触媒を得ることができる。
[0026]
 各々水溶性であるPd塩、Ru塩、第三金属塩のモル比が、得られる多元系固溶体微粒子のモル比となる。
[0027]
 水溶性のPd塩、Ru塩、第三金属塩としては、以下のものが挙げられる
Pd: K 2PdCl 4, Na 2PdCl 4, K 2PdBr 4, Na 2PdBr 4、硝酸パラジウムなど
Ru: RuCl 3, RuBr 3などのハロゲン化ルテニウム、硝酸ルテニウムなど
Rh: 酢酸ロジウム、硝酸ロジウム、塩化ロジウムなど
Pt: K 2PtCl 4、(NH 4) 2K 2PtCl 4、(NH 4) 2PtCl 6、Na 2PtCl 6など
Au: 塩化金酸、臭化金酸、酢酸金など。
Ir:塩化イリジウム、イリジウムアセチルアセトナート、イリジウムシアン酸カリウム、イリジウム酸カリウムなど。
Ag:硝酸銀、酢酸銀など
Cu: 硫酸銅、塩化第1銅、塩化第2銅、酢酸銅、硝酸銅など。
[0028]
 保護剤としては、ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマー類、オレイルアミンなどのアミン類、オレイン酸などのカルボン酸類などが挙げられる。
[0029]
 担体に担持されていない本発明の多元系固溶体微粒子を650℃以上の温度で熱処理する場合、金属微粒子同士の結合を避けるために、多元系固溶体微粒子が互いに接触していない状態で熱処理するのが好ましい。
[0030]
 本発明の多元系固溶体微粒子は三元触媒として特に有用である。三元触媒の場合、例えばNOxは窒素に還元され、COは二酸化炭素に酸化され、炭化水素(CH)は水と二酸化炭素に酸化される。
実施例
[0031]
 以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。
[0032]
実施例1:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Rh=1:1:1)
 トリエチレングリコール300mlを200℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.33mmol)とRuCl 3(0.33mmol)と塩化ロジウム(0.33mmol)をイオン交換水40mlに溶かした溶液を加え、200℃で5分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPd 1/3Ru 1/3Rh 1/33元系固溶体微粒子について、XRDパターン(図1)及びそのピーク位置(表1)、TEM画像(図2)、STEM-EDX画像、HAADF-STEM画像(図3、図4)を測定した。
[0033]
[表1]


[0034]
実施例2:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Rh=1:1:1)
 実施例1で得られた、乾燥後の合金微粒子を所定量秤量し、これを精製水に投入して超音波で処理することによって、合金微粒子の分散液を得た。このとき、秤量する合金微粒子の量は、元素分析によって予め求めた各金属の含有量を元に計算して決定した。この分散液に、800℃で5時間予備焼成したγ-アルミナの粉体(触媒学会参照触媒JRC-ALO8)を加え、マグネットスターラーを用いて12時間撹拌した。撹拌後の液をロータリーエバポレータに移し、減圧下で60℃に加熱し、粉体状になるまで乾燥させた。その後、得られた粉体から完全に水分を除去するため、120℃の乾燥機内に粉体を8時間静置した。乾燥後の粉体を乳鉢で充分に粉砕した後、一軸成形器によって1.2MPa、5分間の条件で円盤状に成形した。得られた成形物を破砕し、その後に篩にかけることによって、直径180~250μmの粒状にした。このようにして、アルミナ粉末にPdRuRh3元系固溶体微粒子が1質量%担持された触媒を得た。得られた触媒について、1000℃×10h、燃料リッチ雰囲気条件で耐久性試験を行った。結果を図5に示す。
[0035]
比較例1
 トリエチレングリコール300mlを200℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.5mmol)とRuCl 3(0.5mmol)をイオン交換水40mlに溶かした溶液を加え、200℃で5分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離して固溶状態のPd 0.5Ru 0.52元系固溶体微粒子を分離した。
[0036]
比較例2
 エチレングリコール200mlを196℃で加熱撹拌し、この溶液に塩化ロジウム(5.0mmol)をイオン交換水20mlに溶かした溶液を加え、90分間加熱攪拌した後、放冷し、生じた沈殿物を遠心分離してRh微粒子を分離した。
[0037]
試験例1:三元触媒としての触媒活性
 実施例2で得られたPd 1/3Ru 1/3Rh 1/3合金微粒子を触媒として用いて、窒素酸化物(NOx)の還元反応、一酸化炭素(CO)の酸化反応に対する触媒活性および炭化水素(C 36)の酸化反応に対する触媒活性を同時に評価した。また、比較のために、Pd 0.5Ru 0.5合金微粒子(比較例1)、Rh微粒子(比較例2)担持触媒も同様の方法で作製した。
[0038]
 三元触媒としての触媒活性の評価は、固定床流通式の反応装置を用いて行った。具体的には、まず、ペレット状にした触媒200mgを内径7mmの石英製反応管に石英ウールを用いて充填した。この反応管を装置に接続したのち、自動車の排気ガスを模擬した理論空燃比のN 2ベース混合ガス(NO:1000ppm、O 2:0.6%、CO:0.6%、C 36:555ppm、CO 2:13.9%、H 2:0.2%、N 2:バランスガス)を空間速度が60リットル/(h・g cat)(総流量 200ml/min)となるように流量を調節して供給した。混合ガスの供給開始時における触媒層の温度は室温であった。混合ガスの供給開始から10℃/分の昇温速度で触媒層の温度を室温から600℃まで上昇させながら、マルチガス分析計(堀場製作所社製 VA-3000)を用い、採取したガスに含まれたNO x、COおよびC 36の濃度を30秒に1点の間隔で連続して測定した。耐久性評価は600℃まで測定した後、放冷し室温に戻したのち、同様の方法で600℃まで測定することを繰り返し行った。
[0039]
 測定結果を図6から図9に示す。図6は、Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3微粒子を用いた貴金属担持触媒のNO x還元触媒活性を示すグラフ。縦軸は、窒素酸化物の変換された割合を示す。1回目から20回目の測定において、同様の挙動をとり、触媒活性の低下がないことが分かった。
[0040]
 図7は、図6のPd 0.3Ru 0.3Rh 0.3微粒子を用いた貴金属担持触媒のNO x還元触媒活性を示すグラフから読み取った、窒素酸化物(NO x)の還元反応におけるT 50(℃)を示すグラフである。グラフの縦軸T 50(℃)は、50%の変換率を達成できる温度を表している。参考のため、Pd 0.5Ru 0.5微粒子を用いた触媒を上述した方法と同様の方法で作製し、そのT 50を調べた。グラフから、2元系Pd 0.5Ru 0.5触媒では2回目に大きく活性の低下(T 50の上昇)がみられ、Rhの添加による著しい触媒特性の向上がわかる。
[0041]
 図8上部は、Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3微粒子を用いた貴金属担持触媒のCO酸化、CH酸化反応触媒活性を示すグラフ。縦軸は、COおよびCHの変換された割合を示す。1回目から20回目の測定において、同様の挙動をとり、NO x還元反応と同じく触媒活性の低下がないことが分かった。下部は上部のグラフから読み取った、CO,CH酸化反応におけるT 50(℃)を示すグラフである。グラフの縦軸T 50(℃)は、50%の変換率を達成できる温度を表している。参考のため、比較例1で得たPd 0.5Ru 0.5微粒子を用いた触媒を上述した方法と同様の方法で作製し、そのT 50を調べた。グラフから、2元系PdRu触媒では2回目に大きく活性の低下(T 50の上昇)がみられ、Rhの添加による著しい触媒特性の向上がわかる。
[0042]
 図9は、Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3微粒子、Pd 0.5Ru 0.5微粒子、Rh微粒子を用いた貴金属担持触媒のNO x還元触媒活性を示すグラフ。縦軸は、窒素酸化物の変換された割合を示す。1回目と2回目の測定結果を示す。Pd 0.5Ru 0.5、Rhは2回目で活性の低下が生じるが、Pd 1/3Ru 1/3Rh 1/3は1回目と同様の挙動をとり、触媒活性の低下がないことが分かった。
[0043]
実施例3:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Cu=1:1:1)
 トリエチレングリコール300ml、PVP(2mmol)、NaOH(10mmol)の混合物を225℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.2mmol)とRuCl 3(0.2mmol)とCuSO 4・5H 2O(0.2mmol)をイオン交換水40mlに溶かした溶液を220℃をキープするようにスプレーし、スプレー後に220℃を10分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPd 1/3Ru 1/3Cu 1/33元系固溶体微粒子について、STEM-EDX画像及びHAADF-STEM画像(図10)、XRDパターン(図11)及びTEM画像(図12)を測定した。3元系固溶体微粒子の平均粒径は、2~4nmであった。
[0044]
実施例4:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Ir=1:1:1)
 実施例3において、CuSO 4・5H 2O(0.2mmol)に代えてIrCl 4(0.2mmol)を使用する以外は実施例3と同様にしてPd 1/3Ru 1/3Ir 1/33元系固溶体微粒子を製造した。得られたPd 1/3Ru 1/3Ir 1/33元系固溶体微粒子について、STEM-EDX画像及びHAADF-STEM画像(図13)を測定した。
[0045]
実施例5:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Pt=1:1:1)
 実施例3において、CuSO 4・5H 2O(0.2mmol)に代えてK 2PtCl 4(0.2mmol)を使用する以外は実施例3と同様にしてPd 1/3Ru 1/3Pt 1/33元系固溶体微粒子を製造した。得られたPd 1/3Ru 1/3Pt 1/33元系固溶体微粒子について、STEM-EDX画像及びHAADF-STEM画像(図14)を測定した。
[0046]
試験例2
 実施例2で得られたPd 1/3Ru 1/3Rh 1/3合金微粒子、実施例4で得られたPd 1/3Ru 1/3Ir 1/3固溶体微粒子を600℃、800℃又は1000℃で10時間空気雰囲気で焼成し、Ruの残量を測定した。結果を図15に示す。Ruは高温酸化雰囲気下でRuO 4として揮発してしまうが、PdRuIrとすることで、PdRuRhよりも更に高温までRuの耐久性が向上した。
[0047]
実施例6
 トリエチレングリコール300ml、PVP(10mmol)の混合物を225℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.25mmol)、RuCl 3(0.25mmol)、IrCl 4(0.25mmol)、RhCl 3(0.25mmol)をイオン交換水40mlに溶かした溶液を225℃をキープするようにスプレーし、スプレー後に225℃を10分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPdRuIrRh4元系固溶体微粒子について、XRDパターン(図16a)、TEM画像(図16b)、線分析(図16c)、HAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像(図17)を測定した。
[0048]
実施例7
 トリエチレングリコール300ml、PVP(10mmol)の混合物を225℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.25mmol)、RuCl 3(0.25mmol)、K 2PtCl 4(0.25mmol)、IrCl 4(0.25mmol)をイオン交換水40mlに溶かした溶液を225℃をキープするようにスプレーし、スプレー後に225℃を10分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPdRuIrPt4元系固溶体微粒子について、XRDパターン(図18a)、TEM画像(図18b)、線分析(図18c)、HAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像(図19)を測定した。
[0049]
実施例8
 トリエチレングリコール300ml、PVP(10mmol)の混合物を220℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.25mmol)、RuCl 3(0.25mmol)、K 2PtCl 4(0.25mmol)、RhCl 3(0.25mmol)をイオン交換水40mlに溶かした溶液を220℃をキープするようにスプレーし、スプレー後に220℃を10分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPdRuPtRh4元系固溶体微粒子について、XRDパターン(図20a)、TEM画像(図20b)、線分析(図20c)、HAADF-STEM画像及びSTEM-EDX画像(図21)を測定した。
[0050]
実施例9:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Ag=1:1:1)
 トリエチレングリコール100ml、PVP(0.6mmol)の混合物を210℃で加熱撹拌し、この溶液にPdNO 3(0.2mmol)とRu(COOCH 3) 3(0.2mmol)とAgNO 3(0.2mmol)をイオン交換水10mlに溶かした溶液を210℃をキープするように1.0ml/minでシリンジポンプにより滴下し、滴下後に210℃を10分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPd 1/3Ru 1/3Ag 1/33元系固溶体微粒子について、STEM-EDX画像及びHAADF-STEM画像(図22)、XRDパターン(図23)及びTEM画像(図24)を測定した。3元系固溶体微粒子の平均粒径は、3.6±1.0nmであった。
[0051]
実施例10:3元系固溶体微粒子の製造(Pd:Ru:Au=1:1:1)
 トリエチレングリコール150ml、PVP(1mmol)の混合物を225℃で加熱撹拌し、この溶液にK 2PdCl 4(0.1mmol)とRuCl 3(0.1mmol)とHAuCl 4(0.1mmol)をイオン交換水20mlに溶かした溶液を225℃をキープするようにスプレーし、スプレー後に225℃を10分間維持した後放冷し、生じた沈殿物を遠心分離により分離した。分離した固溶状態のPd 1/3Ru 1/3Au 1/33元系固溶体微粒子について、STEM-EDX画像及びHAADF-STEM画像(図25)、XRDパターン(図26)及びTEM画像(図27)を測定した。3元系固溶体微粒子の平均粒径は、5.8±1.9nmであった。

産業上の利用可能性

[0052]
 本発明の多元系固溶体微粒子又は多元系固溶体微粒子群からなる触媒は、自動車の排ガス浄化触媒、家庭用燃料電池の電極触媒などとして有用である。

請求の範囲

[請求項1]
下記式:
 Pd Ru (MはRh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる少なくとも1種である。x+y+z=1、x+y=0.01~0.99、z=0.99~0.01、x:y=0.1:0.9~0.9:0.1)
で表される多元系固溶体微粒子。
[請求項2]
MがRh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる1種又は2種である、請求項1に記載の多元系固溶体微粒子。
[請求項3]
MがM (式中、M とM は互いに異なって、Rh、Pt、Cu、Ag、Au及びIrからなる群から選ばれる。p=0.01~0.99、q=0.99~0.01、p+q=1)で表される、請求項1に記載の多元系固溶体微粒子。
[請求項4]
とM が、IrとRhの組み合わせ、IrとPtの組み合わせ、RhとPtの組み合わせのいずれかである、請求項3に記載の多元系固溶体微粒子。
[請求項5]
MがRhである、請求項1に記載の多元系固溶体微粒子。
[請求項6]
x+y=0.05~0.95、z=0.95~0.05、x:y=0.15:0.85~0.85:0.15である。請求項1に記載の多元系固溶体微粒子。
[請求項7]
x+y=0.1~0.9、z=0.9~0.1、x:y=0.2:0.8~0.8:0.2である、請求項1に記載の多元系固溶体微粒子。
[請求項8]
請求項1~7のいずれか1項に記載の多元系固溶体微粒子を構成要素として含む触媒。
[請求項9]
請求項8に記載の触媒を担体に担持してなる担持触媒。
[請求項10]
担体が酸化物類を含む担体である、請求項9に記載の担持触媒。
[請求項11]
排ガス浄化用触媒である、請求項9に記載の担持触媒。
[請求項12]
Rh塩、Pt塩、Cu塩、Ag塩、Au塩及びIr塩からなる群から選ばれる少なくとも1種とPd塩、Ru塩を含む水溶液を150℃~250℃に加熱した液体還元剤に加えて反応させることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の多元系固溶体微粒子の製造方法。
[請求項13]
Rh塩、Pt塩、Cu塩、Ag塩、Au塩及びIr塩からなる群から選ばれる少なくとも1種とPd塩、Ru塩を含む水溶液および担体を150℃~250℃に加熱した液体還元剤に加えて反応させることを特徴とする、請求項9又は10に記載の担持触媒の製造方法。
[請求項14]
担体が酸化物類を含む担体である、請求項13に記載の方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]