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1. (WO2017033648) 自動分析装置及び自動分析システム
Document

明 細 書

発明の名称 自動分析装置及び自動分析システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014  

実施例 1

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

実施例 2

0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062  

符号の説明

0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9-1   9-2   10-1   10-2  

明 細 書

発明の名称 : 自動分析装置及び自動分析システム

技術分野

[0001]
 本発明は、血液等のサンプルを分析する自動分析装置およびその装置状態を監視する方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来の自動分析装置において、サンプルと試薬を反応させる反応ユニットや試薬を保冷する保冷ユニットなど、各ユニットに温度調整機能を備えているものがある。装置立ち上げ後に各ユニットが測定可能な温度に到達するまで測定の開始を待つ必要がある。特に反応槽や試薬保冷ユニットは制御する温度と室温との乖離が大きく、測定可能な温度に達するまでに時間を要する。
[0003]
 これまでの自動分析装置では電源立ち上げ後各ユニットが測定可能な温度範囲に到達していない場合は測定の依頼があっても、測定が開始できず、使用者に大きな不便を強いていた。
[0004]
 また近年、迅速に検査の結果を出力することへの要求が高まっており、夜間や緊急時等の稼働率が低い場合も結果出力までの時間を短縮するため、装置を起動させておく必要がある。一方で、測定が発生しなかった場合は、待機状態の装置が消費する電力が増大し、検査コストの低減への要求に答えることはできない。
[0005]
 そこで、特許文献1に記載の技術では、自動分析装置の構成要素のうち、装置内の温度を上昇させる加熱源となる構成要素、装置内の温度を下降させる冷熱源となる構成要素について、電源のON/OFFを実行する電源スイッチと、複数の起動モードに応じて、構成要素毎に設けられた電源スイッチのON/OFF動作を制御する制御機構を備え、複数の起動モードに含まれる予熱起動モードは、装置起動前の休止中に加熱源となる構成要素を稼働させておくことで、通常起動モードの休止中よりも反応槽又は装置内の温度を高い状態に保ち、装置起動後に通常起動モードよりも早くスタンバイに遷移させている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2014-81392号公報(米国特許出願公開第2013/0243652号明細書)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 特許文献1記載の技術では、装置起動前の休止中にも加熱源となる構成要素を稼動する必要があり、使用者が装置電源を落としていると認識している間も電力を消費している。
[0008]
 また、装置起動から所定時間内の測定結果は装置の温度が安定していない状態での測定結果であるとして、データにフラグを立てることも考えられる。しかしこの方法では、フラグが立てられたデータの中には温度が安定している状態でのデータと温度が安定していない状態でのデータが混在しており、結局使用者はフラグ立てされたデータの測定をやり直さなければいけないという課題がある。
[0009]
 本発明の目的は、検査にかかわるコストを最小限にし、装置立ち上げ後、迅速に測定を開始することができる自動分析装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記課題を解決するために、本発明の自動分析装置は、分析動作部を構成する複数のユニットと、ユニットを加熱または冷却する温度調整機構と、ユニットの温度を測定する温度センサと、温度調整機構を制御する制御部とを備え、制御部は、前記ユニットの動作仕様の温度範囲である測定開始可能温度範囲と、前記測定開始可能温度範囲より広い温度範囲である運転可能温度範囲とを設定し、前記ユニットの温度が当該ユニットの運転可能温度範囲内に入った場合に、前記サンプルの分析処理を開始する。

発明の効果

[0011]
 本発明によれば、検査にかかわるコストを最小限にし、迅速に測定を開始することができる自動分析装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 自動分析装置の概略図を示している。
[図2] 装置電源立ち上げから分析終了までの自動分析装置の概略的な制御フローを指名した図である。
[図3] 一部のユニットの温度が運転開始温度範囲外の状態で測定依頼があった場合に出力するアラーム画面の一例である。
[図4] すべてのユニットの温度が運転開始温度範囲に入った場合に出力するコンファメーション画面の一例である。
[図5] 装置立ち上げ後時間とユニット温度の関係を示した図である。
[図6] 運転可能範囲の決め方の概念を示した図である。
[図7] 立ち上げ時の温度が異なる場合の立ち上げ後時間とユニット温度の関係を示した図である。
[図8] 複数の自動分析装置が接続されたシステムの概略図を表した図である。
[図9-1] 複数の自動分析装置を接続したモジュール方式の自動分析システムにおける制御フローを示した図である。
[図9-2] 複数の自動分析装置を接続したモジュール方式の自動分析システムにおける制御フローを示した図である。
[図10-1] 運転不可な自動分析装置が存在した状態で分析の依頼があった場合の自動分析システムの動作フローを示した図である。
[図10-2] 運転不可な自動分析装置が存在した状態で分析の依頼があった場合の自動分析システムの動作フローを示した図である。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[0014]
 本実施例では、自動分析装置を一例として説明する。自動分析装置には、例えば生化学自動分析装置、免疫自動分析装置、などが挙げられる。ただし、これは本発明の単なる一例であって、本発明は以下説明する実施の形態に限定されるものではなく、サンプルと試薬を反応させて当該反応の結果に基づいてサンプルの分析を行う装置を広く含む。例えば、臨床検査に用いる質量分析装置や血液の凝固時間を測定する凝固分析装置なども含まれる。また、これらと生化学自動分析装置、免疫自動分析装置との複合システム、またはこれらを応用した自動分析システムにも適用可能である。
実施例 1
[0015]
 図1は、本実施例の装置監視方法を適用した自動分析装置の概略構成図である。
[0016]
 図1において、自動分析装置は、ラック202を搬送するラック搬送ライン203と、試薬保冷ユニット205と、インキュベータディスク(反応ディスク)207と、サンプル分注機構(試料分注機構)208と、試薬分注機構209と、検出部ユニット215とを備えている。以上の各構成要素をユニットと呼ぶこともある。試薬保冷ユニット205と、インキュベータディスク(反応ディスク)207、検出部ユニット215、補助試薬温度調整ユニット219などのユニットは、それぞれのユニットを加熱または冷却する温度調整機構と、当該ユニットの温度を測定する温度センサを有する。以下では、これらのように温度調整機構を持つユニットを、温度調整機能つきユニットと総称する。これらの温度調整機構は制御部216により制御される。
[0017]
 ラック202は、血液や尿などの生体サンプル(サンプル)を収容する複数のサンプル容器(試料容器)201が収納されるものであり、サンプル容器201が収納された状態でラック搬送ライン203上を搬送される。試薬保冷ユニット205には、試薬容器保管部であってサンプル(試料)の分析に用いる種々の試薬が収容された複数の試薬容器204が収納・保冷されている。試薬保冷ユニット205の上面の少なくとも一部は試薬ディスクカバー206により覆われている。インキュベータディスク207は、サンプルと試薬を反応するための複数の反応容器218aが配置される反応容器配置部と、反応容器218aの温度を所望の温度に調整する温度調整機構を有している。サンプル分注機構208は、回転駆動機構や上下駆動機構を有し、これらの駆動機構によりサンプル容器201からインキュベータディスク207に収容された反応容器218aにサンプルを分注することが可能である。また、試薬分注機構209も、回転駆動機構や上下駆動機構を有し、これらの駆動機構により試薬容器204からインキュベータディスク207に収容された反応容器218aに試薬を分注する。検出部ユニット215は、光電子増倍管や光源ランプ、分光器、フォトダイオードを備え、それらの温度を調整する機能を持ち、反応液の分析を行う。
[0018]
 さらに、自動分析装置は、未使用である複数の反応容器218bや分注チップ219が収納された反応容器・分注チップ収納部211、及び、その交換・補充用にスタンバイされた反応容器・分注チップ収納部210と、使用済みの分注チップ219及び反応容器218を廃棄するための廃棄孔212と、分注チップ219及び反応容器218を把持して搬送する搬送機構213とを備えている。
[0019]
 搬送機構213は、X軸、Y軸、Z軸方向(図示せず)に移動可能に設けられ、反応容器・分注チップ収納部211に収納された反応容器218bをインキュベータディスク207に搬送したり、使用済み反応容器218を廃棄孔212に破棄したり、未使用の分注チップ219をチップ装着位置214に搬送したりする。
[0020]
 なお、自動分析装置のうち、以上で説明したラック搬送ライン203、試薬容器ディスク205、インキュベータディスク207、サンプル分注機構208、試薬分注機構209、反応液の分析を行う検出部ユニット215、搬送機構213等を分析動作部と称する。
[0021]
 さらに、自動分析装置は、以上で説明した分析動作部に加えて、自動分析装置全体の動作を制御する制御装置(制御部)216と、操作部217と、を備えている。制御部216は例えばハードウェア基板からなり、コンピュータなどの制御装置216aやハードディスクなどの記憶装置216bに接続されている。操作部217は、例えばディスプレイである表示部や、マウス、キーボードなどの入力装置から構成されている。記憶装置216bには例えば各ユニットに対応した温度範囲が記憶されている。制御部216、制御装置216aは、専用の回路基板によってハードウェアとして構成されていてもよいし、自動分析装置に接続されたコンピュータで実行されるソフトウェアによって構成されてもよい。ハードウェアにより構成する場合には、処理を実行する複数の演算器を配線基板上、または半導体チップまたはパッケージ内に集積することにより実現できる。ソフトウェアにより構成する場合には、コンピュータに高速な汎用CPUを搭載して、所望の演算処理を実行するプログラムを実行することで実現できる。このプログラムが記録された記録媒体により、既存の装置をアップグレードすることも可能である。また、これらの装置や回路、コンピュータ間は有線又は無線のネットワークで接続され、適宜データが送受信される。
[0022]
 次に、上記自動分析装置において行われる電源立ち上げ後の装置状態の監視方法と分析動作について説明する。
[0023]
 図2は、図1に示した自動分析装置において実施される装置電源立ち上げから分析終了までの概略的なフロー図である。
[0024]
 まず使用者による電源立ち上げ(S101)が行われる。すると自動分析装置は、装置内を流れるシステム水の置換や各ユニットの動作確認等の準備動作(S102)を行う。準備動作(S102)終了後、制御装置216aは定期的に温度調整機能付きユニット、たとえば試薬保冷ユニット205やインキュベータディスク207、検出部ユニット215の温度を監視し、記憶部216bに記憶されている運転開始可能範囲と照らし合わせ、各温度調整機能付きユニットの温度が直前のX分間運転開始可能範囲にあったかどうかの確認(S103)をする。このときXは各温度調整機能付きユニットで独自に設定される。また外気温度に応じて自動で設定されてもよい。この時、いずれかの温度調整機能付きユニットの温度が運転開始可能範囲外の場合には使用者より分析依頼(S104)があっても制御部216は測定を開始せず、図3に示すようなアラーム(S105)を操作部217のディスプレイに表示する。一方、制御装置216aがすべての温度調整機能付きユニットが運転可能範囲と判断した場合、図4に示すようなコンファメーション(S106)を操作部217のディスプレイに表示し、使用者に対して運転可能な旨を知らせる。
[0025]
 その後、使用者から分析依頼(S107)があると、制御部216はサンプル分注機構208や試薬分注機構209、検出部ユニット215の動作確認を行う分析前準備動作(S108)を実施する。続いて、試薬分注機構209は試薬保冷ユニット205内に保管された試薬容器204より第一試薬を吸引し、搬送機構213によりインキュベータディスク207に設置された反応容器218aに対して試薬を分注する(S109)。サンプル分注機構208はサンプル容器201よりサンプルを吸引し、S109で試薬が分注された反応容器218aに対してサンプルを分注する(S110)。その後、反応容器218aは所定の時間インキュベータディスク207上で待機し、サンプルと第一試薬の反応を行う反応ステップ(S111)を実施する。続いて、試薬分注機構209により第二試薬を反応容器218aへ分注する(S112)。その後、反応容器218aは再度インキュベータディスク上で所定時間待機し、反応溶液と第二試薬の反応を行う反応ステップ(S113)を実施する。その後、反応容器218a内の反応溶液中のサンプル成分の濃度を検出部ユニット215で検出する(S114)。検出部ユニットにて検出されたサンプル成分の濃度に基づき制御部216は操作部217のディスプレイに結果を表示し(S115)、測定プロセスを終了する。
[0026]
 次に、図5により、運転開始可能温度範囲および測定可能温度範囲の関係について説明する。
[0027]
 各温度調整機能付きユニットのターゲット温度に対してターゲット温度±αを測定可能範囲、ターゲット温度±β(α<β)を運転開始可能範囲とする。測定可能範囲とは、各ユニットの動作仕様の温度範囲であって、適切な測定結果を出力するために各温度調整機能付きユニットの温度が制御される範囲を意味している。一方、運転開始可能範囲とは、対象とする温度調整機能付きユニットが実際に使用されるまでの時間に測定可能温度範囲に調整が可能な温度範囲である。測定可能温度範囲、運転開始温度範囲は予め設定されており、記憶部216bに記憶されていてもよい。
[0028]
 装置立ち上げ後、各ユニットは自身の温度が測定可能範囲になるように温度制御を始める。通常は外気温と各ユニットの測定可能範囲の温度は異なるため、各ユニットの温度が測定可能範囲に安定して収まるまである程度の時間を要する。図5の例では、温度が測定可能範囲(図5の例では37℃±1℃)になるのは立ち上げ後経過時間が13分のときであるが、実際には分析依頼(S107)を起点として4分間はこのユニットが使われない。この例では、4分間で温度調整可能な温度範囲が3℃であるとすると、実際には立ち上げ後13分待っていなくても、立ち上げ後9分の段階から分析依頼(S107)の処理を始めることができる。したがって、運転可能範囲は、測定可能範囲に、分析依頼時(分析処理開始時)から各ユニットが実際に使用されるまでの所定時間内に温度調整可能な範囲を加えたものであるということができる。つまり、図5の例では運転可能範囲は37℃±1℃(測定可能範囲)±3℃(分析依頼時から各ユニットが実際に使用されるまでの所定時間内に温度調整可能な範囲)である33℃~41℃となる。したがって、ユニットの温度が運転可能温度範囲に入ったとき(図5の例では33℃に達したとき)、サンプルの分析を開始することが可能となる。特に、ユニットの温度が測定開始可能温度範囲外でかつ運転可能温度範囲内にある場合でもサンプルの分析を開始することが可能となる点が本実施例の特徴の一つである。なお、サンプルの分析開始が可能になったことは、S106、図4で示したコンファメーションを表示して使用者に知らせてもよい。
[0029]
 ここで、図6を用いて、運転開始可能範囲の決め方の概念を説明する。まず、測定可能温度範囲は各ユニットの仕様により決まっている。一方、運転開始可能範囲は各ユニットが実際に使用されるまでの時間と、各ユニットにおける単位温度あたりの温度変化(温度上昇または下降)に要する時間に依存して決まる。より具体的には、運転開始可能範囲は分析依頼(S107)を起点として各ユニットが使用されるまでの時間が長い場合、運転開始可能範囲は大きくなる。また、各ユニットの温度特性を考慮し、温度上昇または下降に時間を要するユニットの場合、運転開始可能範囲は小さくなる。
[0030]
 各ユニットで分析動作が開始されている状態でユニットの温度が測定開始可能範囲から外れている場合は、アラームを出力する。さらに、当該ユニットの温度が測定開始可能範囲から外れた時間帯に当該ユニットで処理されたサンプルに対してフラグを付与し、使用者に注意を促す。
[0031]
 また、ユニットが運転開始可能範囲から測定可能範囲に達するのに要する時間は当該ユニットが設置されている場所の環境温度によって異なる。
[0032]
 図7は、環境温度が異なる場合のユニット温度と立ち上げ後経過時間の関係を表した概略図である。
[0033]
 例えば、36-38℃が測定可能範囲となるユニットでは、環境が高温の場合、すなわち測定可能範囲に近い温度の場合(図7破線)、測定可能範囲に到達する時間が短くなるため、運転開始可能範囲は広く設定できる。一方、環境温度が低温の場合、すなわち測定可能範囲から離れた温度の場合(図7一点鎖線)は測定可能範囲に到達するのが遅くなるため、運転開始可能範囲を狭く設定する必要がある。
[0034]
 そのため、制御部216は装置が設置された環境の温度を監視し、環境温度に応じて運転可能範囲を設定する。より具体的には、例えば記憶部216bに記憶された複数の運転開始可能範囲から環境温度に応じた運転開始可能範囲を自動で選択し、設定する。
[0035]
 本実施例によれば、自動分析装置の温度監視方法に運転開始可能温度範囲という概念を加えることにより、温度上昇・下降の早いユニットや分析プロセスの後半に使用されるユニットが測定範囲に入ることを待つことなく、測定を開始する事が出来る。
[0036]
 つまり、本実施例の温度監視方法を使用することにより、これまですべてのユニットの温度が測定可能範囲に到達するまで測定依頼が出来ず、結果出力までに要していた時間を装置の温度特性や環境温度に応じて可能な限り短縮することが出来る。そのため、夜間や緊急時の稼働率が低い時間帯に装置の電源を入れて待機状態にする必要がなく、待機時に消費する電力を無くし、検査に要するコストを最低限にすることが出来る。
実施例 2
[0037]
 次に、複数の自動分析装置を接続したモジュール方式の自動分析システムにおける温度監視方法の例について説明する。なお、自動分析装置の全体構成、制御装置216a、記憶装置216b、操作部217の構成は実施例1と同様である。以下では、実施例1と同様の部分については説明を省略する。
[0038]
 図8は、実施例1の自動分析装置が複数接続されたシステムの模式図である。自動分析装置401、402、403は、実施例1に示した例と同様な構成であり、装置毎に、制御装置216aと同様な自動分析装置制御装置407、408、409、および測定待ちのサンプルを処理するサンプル待機バッファー410a、410b、410cを有している。また、システムとして、サンプルが投入されるサンプル投入部404、分析が終わったサンプルが収納されるサンプル収納部405、ラックに載せられたサンプルが搬送されるサンプルラック搬送部406、システム制御部411およびシステム操作部412を有する。システム制御部411は、実施例1の制御部216同様、ハードウェア基板またはコンピュータ上で実行されるプログラムにより構成され、自動分析システム全体および複数の自動分析装置の各々の運転状態を制御する。またシステム操作部412は実施例1と同様、ディスプレイなどの表示部、マウスやキーボードなどの入力装置を含む。
[0039]
 次に、複数の自動分析装置401、402、403が接続されたシステムで分析をする場合の従来の温度監視方法について説明する。
[0040]
 これまでのシステムではシステム内のすべての自動分析装置で各ユニットが測定温度範囲に達していなければシステム全体が動作しなかった。つまり、自動分析装置401は測定温度範囲に達しており、自動分析装置401でのみ測定が依頼された場合も、他の自動分析装置402および403が測定温度範囲に達していなければシステムが起動せず、測定が開始できなかった。そのため、測定温度範囲に達するのに時間を要する自動分析装置を一旦システムから切り離して他の自動分析装置だけで測定を開始することや、複数の分析装置で測定が行われるサンプルとそうでないサンプルを同一のサンプルラックに混載しないなど、スループットの低下を招いていた。
[0041]
 次に、本実施例における各自動分析装置およびシステムの温度監視方法について説明する。
[0042]
 それぞれの自動分析装置の温度監視は自動分析装置制御装置407、408、409により実施例1と同様に行われる。システム制御部411は各自動分析装置の状況を監視し、各自動分析装置が運転可能かどうかを判断する。
[0043]
 図9-1および図9-2に複数の自動分析装置を接続したモジュール方式の自動分析システムにおける制御フローを示す。使用者による電源立ち上げ(S201)後、各自動分析装置制御装置407、408、409は準備動作(S202)を実施する。その後、システム制御部411は各自動分析装置401、402、403が運転可能かどうかの確認を行う。なお、以下では、自動分析装置制御装置407、408、409がそれぞれ実施例1で説明したように各自動分析装置内部のユニットの温度状態を監視し、運転可能範囲に入っているかどうかを判断する。そして運転可能範囲に入っている場合には、当該自動分析装置が運転可能であるという情報をシステム制御部411に出力する。システム制御部411はこの情報に基づいて各自動分析装置が運転可能かどうかを判断するものとする。
[0044]
 システム制御部411は、はじめに自動分析装置401が運転可能かどうかの確認を行う(S203)。自動分析装置401が運転可能な場合、続いてシステム制御部411は自動分析装置402が運転可能かどうかの判断を行う(S204)。自動分析装置402が運転可能な場合、システム制御部411は自動分析装置403が運転可能かどうかの判断を行う(S205)。自動分析装置403が運転可能な場合、システム制御部411はシステム操作部412に自動分析装置401、402、403が運転可能な旨のコンファメーションを出力し(S206)、運転を開始する。自動分析装置403が運転不可能な場合、システム制御部411はシステム操作部412に自動分析装置401、402のみが運転可能な旨のコンファメーションを出力し(S207)、運転可能な自動分析装置401,402のみ運転を開始する。
[0045]
 S204において自動分析装置402が運転不可と判断された場合、システム制御部411はS208において自動分析装置403が運転可能かどうかの判断を行う。自動分析装置403が運転可能な場合、システム制御部411はシステム操作部412に含まれる表示部に自動分析装置401、403が運転可能な旨のコンファメーションを出力し(S209)、運転可能な自動分析装置401,403のみ運転を開始する。
[0046]
 S208において自動分析装置403が運転不可な場合、システム制御部411はシステム操作部412に含まれる表示部に自動分析装置401のみ運転可能な旨のコンファメーションを出力し(S210)、運転可能な自動分析装置401のみ運転を開始する。
[0047]
 S203において自動分析装置401が運転不可な場合、システム制御部411はS211において自動分析装置402が運転可能かどうかの判断を行う。自動分析装置402が運転可能な場合、S212において自動分析装置402が運転可能かどうかの判断を行い、運転可能な場合はS213において自動分析装置402、403が運転可能な旨のコンファメーションをシステム操作部412に出力し(S213)、運転可能な自動分析装置402,403のみの運転を開始する。
[0048]
 S212において、システム制御部411が自動分析装置403が運転不可と判断した場合、S214にて自動分析装置402のみ運転可能な旨のコンファメーションをシステム操作部412に含まれる表示部に出力し(S214)、運転可能な自動分析装置402のみ運転を開始する。
[0049]
 S211において、システム制御部411が自動分析装置402が運転不可と判断した場合、続いてS215において自動分析装置403が運転可能かどうかの判断を行う。S215において自動分析装置403が運転可能な場合、システム制御部は自動分析装置403が運転可能な旨のコンファメーションをシステム操作部412に出力し(S216)、運転可能な自動分析装置403のみ運転を開始する。
[0050]
 一方、S215においてシステム制御部411が自動分析装置403が運転不可と判断した後に、使用者より分析依頼(S217)があった場合は、システム制御部411はシステム操作部412に含まれる表示部に運転可能な自動分析装置が存在しない旨のアラームを出力し、分析依頼を受け付けない。
[0051]
 以上まとめると、図9-1、図9-2に示すフローでは、システム制御部411が順次自動分析装置401、402、403が運転可能か否かを判断し、運転の可否を表示部に表示する。自動分析装置が運転可能か否かについては、実施例1で説明したように、自動分析装置の各温度調整機能付きユニットの温度が運転可能温度範囲に入っているか否かを判断して決定される。
[0052]
 システム制御部411は、電源立ち上げ後、図9-1および9-2に示した監視フローを自動的に決められた時間が経過するまで定期的に実施する。また、あらかじめ決められた時刻を過ぎても運転可能にならない自動分析装置が存在する場合は、運転不可となる原因となっている温度調整機能付きユニットが温度異常である旨のアラームを出力する。
[0053]
 また、システム制御部411は一度運転可能と判断された自動分析装置に対しては再度運転可能かどうかの判断を行わず、運転不可状態の自動分析装置のみ確認を行ってもよい。
[0054]
 次に、運転不可な自動分析装置が存在した状態で分析の依頼があった場合のシステムの動作について説明する。
[0055]
 図10-1および図10-2は運転不可な自動分析装置が存在した状態で分析の依頼があった場合のシステムの動作フローである。
[0056]
 システム制御部411はS301にて分析依頼を受けた後、S302にてシステム内の自動分析装置内に運転不可な自動分析装置が存在するかを確認する。この確認は図9-1、図9-2で説明した通りに実行すればよい。
[0057]
 運転不可な自動分析装置が存在しない場合、S303にて分析を開始する。一方、運転不可な自動分析装置が存在する場合、S304にて、その分析依頼に運転不可な自動分析装置への依頼が含まれるかどうかを確認する。含まれない場合、S305にて分析を開始する。含まれる場合、システム制御部411はさらにS306にてS301の分析依頼は運転不可な自動分析装置に対する分析依頼のみかどうかを確認する。S301の分析依頼が運転不可な自動分析装置に対する分析依頼のみの場合、S307において、システム制御部411はシステム操作部412に含まれる表示部に分析が開始できない旨のアラームを出力する。一方、S301の分析依頼にその他の自動分析装置への依頼も含まれる場合、システム制御部411はS308において運転開始不可の自動分析装置への依頼が含まれている旨のコンファメーションをシステム操作部412に出力し、S309において運転開始可能な自動分析装置にて優先して分析を開始する。
[0058]
 S309においてサンプルの処理が終了後、S310においてシステム制御部411は再度システム内に運転可能になった自動分析装置があるかの確認を行う。運転可能になった自動分析装置が存在する場合、S311にてサンプルラックを当該自動分析装置に移動し、S312にて分析を開始する。分析が終わると、S313にて当該サンプルに対して他の自動分析装置への依頼があるかどうかを確認し、ある場合にはS310からS313を繰り返す。当該サンプルの測定が終了した場合は、サンプルラックをサンプル収納部405に搬送する。
[0059]
 また、S310においてシステム内に運転可能になった自動分析装置がない場合には、定期的にS310の確認を繰り返す。
[0060]
 本実施例によれば、同一システム内に運転可能な自動分析装置と運転不可能な自動分析装置が混在する場合、運転不可能な自動分析装置をシステムから切り離すことなく、運転可能な自動分析装置のみで分析処理が可能になる。また、運転可能な自動分析装置と運転不可な自動分析装置それぞれに対して測定の依頼があるサンプルに対して、運転不可な自動分析装置での分析を後回しにし、測定開始可能な自動分析装置での分析を優先して実施することによりすることにより、従来よりも結果の出力を早くすることができる。 なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
[0061]
 各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
[0062]
 また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

符号の説明

[0063]
201:サンプル容器、202:ラック、203:ラック搬送ライン、204:試薬容器、205:試薬保冷ユニット、206:試薬ディスクカバー、207:インキュベータディスク、208:試料分注機構、209:試薬分注機構、210:反応容器・分注チップ収納部、211:反応容器・分注チップ収納部、212:廃棄孔、213:搬送機構、214:チップ装着位置、215:検出部ユニット、216:制御部、216a:制御装置、216b:記憶装置、217:操作部、218a:反応容器、218b:反応容器、219・・・補助試薬温度調整ユニット、401、402、403・・・自動分析装置、404・・・サンプル投入部、405・・・サンプル収納部、406・・・サンプル搬送ライン、407、408、409・・・自動分析装置制御部、410・・・サンプル待機バッファー、411・・・システム制御部、412・・・システム操作部

請求の範囲

[請求項1]
 サンプルと試薬を反応させて当該反応の結果に基づいて前記サンプルの分析を行う分析動作部を備えた自動分析装置において、
 前記分析動作部を構成する複数のユニットと、
 前記ユニットを加熱または冷却する温度調整機構と、
 前記ユニットの温度を測定する温度センサと、
 前記温度調整機構を制御する制御部とを備え、
 前記制御部は、前記ユニットの動作仕様の温度範囲である測定開始可能温度範囲と、前記測定開始可能温度範囲より広い温度範囲である運転可能温度範囲とを設定し、前記ユニットの温度が当該ユニットの運転可能温度範囲内に入った場合に、前記サンプルの分析処理を開始することを特徴とする自動分析装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の自動分析装置において、
 前記運転可能温度範囲は、前記測定可能温度範囲に、前記分析処理が開始されてから前記ユニットが実際に使用されるまでの時間内に温度調整可能な範囲を加えた温度範囲であることを特徴とする自動分析装置。
[請求項3]
 請求項1に記載の自動分析装置において、
 前記運転可能温度範囲は、前記分析処理が開始されてから前記ユニットが実際に使用されるまでの時間、前記ユニットにおける単位温度あたりの温度変化に要する時間、前記ユニットが配置される環境の温度の少なくともいずれかに依存して決められることを特徴とする自動分析装置。
[請求項4]
 請求項1に記載の自動分析装置において、
 前記ユニットは、
 前記サンプルを格納する複数の反応容器が配置される反応容器配置部と前記反応容器配置部の温度を制御する温度調整機構とを有する反応ディスク、
 複数の前記試薬を保冷可能な試薬保冷ユニット、
 温度調整可能な検出器、の少なくともいずれか一つであることを特徴とする自動分析装置。
[請求項5]
 請求項1に記載の自動分析装置において、
 前記制御部は、前記ユニットの温度が当該ユニットの前記測定開始可能温度範囲外でかつ前記運転可能温度範囲内にある場合に、前記サンプルの分析処理を開始することを特徴とする自動分析装置。
[請求項6]
 請求項1に記載の自動分析装置において、
 さらに、表示部を備え、
 前記制御部は、前記ユニットの温度が当該ユニットの前記測定開始可能温度範囲外でかつ前記運転可能温度範囲内にある場合に、前記サンプルの分析処理を開始可能であることを前記表示部に表示することを特徴とする自動分析装置。
[請求項7]
 請求項1記載の自動分析装置において、
 前記制御部は、前記ユニットの温度が、当該ユニットにおける前記サンプルの処理の開始後に前記測定開始可能温度範囲から逸脱した場合に、アラームを出力し、当該逸脱した期間に当該ユニットで処理された測定の結果に対してフラグを付与することを特徴とする自動分析装置。
[請求項8]
 サンプルと試薬を反応させて当該反応の結果に基づいて前記サンプルの分析を行う分析動作部を備えた自動分析装置が複数連結された自動分析システムにおいて、
 前記分析動作部を構成する複数のユニットと、前記ユニットの温度を制御する温度調整機構と、前記ユニットの温度を測定する温度センサと、前記ユニットの温度を制御する自動分析装置制御部とを有する複数の自動分析装置と、
 前記自動分析システムおよび前記複数の自動分析装置の各々の運転状態を制御するシステム制御部とを有し、
 前記自動分析装置制御部は、前記ユニットの動作仕様の温度範囲である測定開始可能温度範囲と、前記測定開始可能温度範囲より広い温度範囲である運転可能温度範囲とを設定し、前記ユニットの温度が当該ユニットの運転可能温度範囲内に入った場合に、当該自動分析装置が運転可能であるという情報を前記システム制御部に出力し、
 前記システム制御部は、前記自動分析装置制御部からの情報に基づいて前記複数の自動分析装置の各々が運転可能かどうかを判断し、運転可能な自動分析装置が存在し、当該運転可能な自動分析装置に対して分析の依頼がある場合には、当該自動分析装置のみを運転することを特徴とする自動分析システム。
[請求項9]
 請求項8の自動分析システムにおいて、
 前記システム制御部は、同一のサンプルに対して第一の自動分析装置と第二の自動分析装置への分析依頼があった場合に、前記第一の自動分析装置が運転可能であり前記第二の自動分析装置が運転不可能である場合は、前記第一の自動分析装置から優先して前記サンプルの分析を開始し、
 前記第一の自動分析装置でのサンプルの分析が終了したのちに、再度前記第二の自動分析装置が運転可能であるか否かを判断することを特徴とする自動分析システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9-1]

[ 図 9-2]

[ 図 10-1]

[ 図 10-2]