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1. (WO2017033378) ロボットシステム
Document

明 細 書

発明の名称 ロボットシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014   0015  

図面の簡単な説明

0016  

発明を実施するための形態

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

産業上の利用可能性

0049  

符号の説明

0050  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : ロボットシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、ロボットシステムに関する。

背景技術

[0002]
 通常、人間の手で作業を行う場合には、手に対する反力の他、手が作業対象物に接触した際の手の温度変化等を触覚で感知できるので、高精度な接触検知が可能である。従来からロボットシステムにおいて触覚情報を利用した技術が知られている。例えば特許文献1には、ジョイスティックとモバイルロボットとの間で力覚フィードバックを得ながらモバイルロボットを操作するロボットシステムが開示されている。近年、ロボットシステムは高い精度が要求される様々な作業に適用されている。その適用例としてパーツの嵌め合い作業、機械加工後の仕上げ面を検査する作業、外科手術システムが挙げられる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2009-282720号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかし、上記従来のロボットシステムでは操作装置側にフィードバックできる触覚情報が反力に限られている。このため、このようなロボットシステムを例えば外科手術システムに適用した場合、ロボットの先端に取り付けられた手術器具が患部に接触したことを敏感に感知することが困難であり、操作性には改善の余地があった。このような課題はロボットシステムをパーツの嵌め合い作業、機械加工後の仕上げ面を検査する作業等の高い精度が必要な作業に適用した場合で共通する。
[0005]
 そこで、本発明は、ロボットシステムにおいて高い精度が必要な作業の操作性を向上させることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一態様に係るロボットシステムは、ロボットアームと、前記ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタの先端に加わる力を検知する力検知装置と、を備えるロボット本体と、前記力検知装置が検知する7力に応じた力覚情報を生成し、当該力覚情報を実反力情報として出力する実反力情報生成器と、前記力検知装置が検知する力の時間微分値に比例した大きさの成分を仮想反力情報として出力する仮想反力情報生成器と、前記実反力情報生成器から出力される前記実反力情報と、前記仮想反力情報生成器から出力される仮想反力情報を加算したものを合成反力情報として出力する加算器と、前記加算器から出力される前記合成反力情報に応じた力を前記操作者に知覚させ、且つ、操作者が操作すると、当該操作に応じた操作情報を出力する操作装置と、前記操作装置から出力される操作情報に従って前記ロボットの動作を制御する動作制御部と、を備える。ここで力検知装置によって検知される力は、互いに直交する3軸の各方向の力とこれらの各軸回りに作用するモーメントとを含む。
[0007]
 上記構成によれば、ロボット本体において、力検知装置がエンドエフェクタの先端に加わる力を検知すると、実反力情報生成器が、力検知装置によって検知された力に応じた力覚情報を生成し、当該力覚情報を実反力情報として出力する。このとき、仮想反力情報生成器は、力検知装置によって検知された力の時間微分値に比例した大きさの成分を仮想反力情報として出力する。すると、操作装置が、加算器から出力される合成反力情報に応じた力を操作者に知覚させる。操作者は、合成反力情報に応じた力を把握し、この把握した合成反力情報に応じた力に基づいて、ロボットが適切な作業を行うようにロボットを操作すべく操作装置を操作する。すると、操作装置が、当該操作に応じた操作情報を出力し、動作制御部が、この操作情報に従ってロボットの動作を制御する。これにより、エンドエフェクタの先端が作業対象物に接触した場合には、操作者は、操作装置から一瞬強い反力を感じるので、接触を敏感に感知し、高精度な作業が可能になる。
[0008]
 上記ロボットシステムにおいて、前記ロボット本体はスレーブアームであり、前記操作装置はマスターアームであり、前記マスターアームにより前記スレーブアームが遠隔操作されてもよい。
[0009]
 前記力検知装置は、前記エンドエフェクタの基端に取付けられ、当該エンドエフェクタの先端に加わる力を検知するように構成された力覚センサであってもよい。
[0010]
 上記ロボットシステムは、前記ロボット本体の動作を制御する前記動作制御部の運転モードを、前記操作情報を前記ロボット本体の動作に反映させることなしに、予め設定された所定のプログラムを用いて前記ロボット本体の動作を制御する自動モードと、前記操作情報を前記ロボット本体の動作に反映させることが可能な状態で、予め設定された所定のプログラムを用いて前記ロボット本体の動作を制御する修正自動モードと、前記所定のプログラムを用いることなしに、前記操作情報を用いて前記ロボット本体の動作を制御する手動モードのいずれかを選択可能に構成されたモード選択部を更に備える。前記動作制御部は、前記運転モードが前記修正自動モードであるときに、前記ロボット本体が前記所定のプログラムを用いて動作している途中に前記操作情報を受けて、前記所定のプログラムに関する動作から修正された動作を行うよう前記ロボット本体を制御する。
[0011]
 上記構成によれば、モード選択部により動作制御部の運転モードとして自動モードを選択することができるため、ロボットの動作修正が必要でない場合には自動モードを選択して、不用意に操作装置が操作されて動作が修正されることを防止することができる。また、モード選択部により動作制御部の運転モードとして手動モードを選択することができるため、所定のプログラムを用いずに、ロボット本体を操作することができる。
[0012]
 前記ロボットの遠隔操作システムは外科手術システムに適用され、前記エンドエフェクタは手術器具であってもよい。
[0013]
 上記構成によれば、施術者は、外科手術システムにおい手術器具が患部に接触したことを敏感に感じることができるので、高精度な手術が可能になる。手術器具は、例えば鉗子、内視鏡等でもよい。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、ロボットシステムにおいて高い精度が必要な作業での操作性を向上させることができる。
[0015]
 本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。

図面の簡単な説明

[0016]
[図1] 図1は、第1実施形態に係るロボットシステムの構成例を示す模式図である。
[図2] 図2は、図1のスレーブアーム先端の構成例を示す模式図である。
[図3] 図3は、図1の制御装置の構成を示すブロック図である。
[図4] 図4は、力覚センサが検知する力に応じた実反力、仮想反力、及び、それらの合成反力の時間変化を模式的に示したグラフである。
[図5] 図5は、第2実施形態に係るロボットシステムの構成を示す模式図である。
[図6] 図6は、第3実施形態に係るロボットシステムの構成を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0017]
 以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
 図1は、本発明の第1実施形態に係るロボットシステムの構成例を示す模式図である。図1に示すように、本実施形態のロボットシステム100は、スレーブアーム1がマスターアーム2により遠隔操作されるマスタースレーブ式の遠隔操作システムで構成される。
[0018]
 ロボットシステム100(以下、遠隔操作システムという)は、第1のロボットで構成されるスレーブアーム1と、第2のロボットで構成されるマスターアーム2と、制御装置3と、力覚センサ5と、入力装置9と、カメラ11と、モニタ12と、を備える。スレーブアーム1は、任意のタイプのロボットで構成され得る。スレーブアーム1は、本発明の「ロボット本体」に相当する。スレーブアーム1は、本実施形態では、例えば、周知の多関節ロボットで構成され、基台1aと、基台1aに設けられた多関節のアーム1bと、アーム1bの先端に設けられた手首1cとを備える。多関節のアーム1bの各関節は駆動用のサーボモータ、及び、サーボモータの回転角度位置を検出するエンコーダ、サーボモータに流れる電流を検出する電流センサを備える(いずれも図示せず)。手首1cにはエンドエフェクタ4が取り付けられる。エンドエフェクタ4には力覚センサ5が取り付けられる。
[0019]
 マスターアーム2は、任意のタイプのロボットで構成され得る。マスターアーム2は、本発明の「操作装置」に相当する。マスターアーム2は、本実施形態では、スレーブアーム1と相似構造をしているが、操作者が操作することによりスレーブアーム1を操作することができれば、例えばスイッチ、調整ツマミ、操作レバー又はタブレットなどの携帯端末でもよいし、操縦桿のような簡易なものであってもよい。マスターアーム2は、操作者がスレーブアーム1を操作すべく操作すると、当該操作に応じた操作情報を制御装置3に送信する。
[0020]
 入力装置9は、タッチパネル、キーボード等のマン-マシンインターフェースで構成される。入力装置9は、主に、スレーブアーム1の後述する自動モード、修正動作モード、及び手動モードの3つのモードの切り替え、各種データ等を入力するために用いられる。入力装置9に入力された情報は制御装置3に送信される。
[0021]
 遠隔操作システム100では、スレーブアーム1の作業領域から離れた位置(作業エリア外)にいる操作者がマスターアーム2を動かして操作情報を入力することで、スレーブアーム1が操作情報に対応した動作を行い、特定の作業を行うことができる。また、遠隔操作システム100では、スレーブアーム1は、操作者によるマスターアーム2の操作なしに、所定の作業を自動的に行うこともできる。
[0022]
 本明細書では、マスターアーム2を介して入力された操作情報に従って、スレーブアーム1を動作させる運転モードを「手動モード」と称する。なお、上述の「手動モード」には、操作者がマスターアーム2を操作することによって入力された操作情報に基づいて動作中のスレーブアーム1の動作の一部が自動で動作補正される場合も含む。また、予め設定された所定のプログラムに従ってスレーブアーム1を動作させる運転モードを「自動モード」と称する。
[0023]
 更に、本実施形態の遠隔操作システム100では、スレーブアーム1が自動で動作している途中に、マスターアーム2の操作をスレーブアーム1の自動の動作に反映させて、自動で行うことになっていた動作を修正することができるように構成されている。本明細書では、マスターアーム2を介して入力された操作情報を反映可能な状態で、予め設定された所定のプログラムに従ってスレーブアーム1を動作させる運転モードを「修正自動モード」と称する。なお、上述の「自動モード」は、スレーブアーム1を動作させる運転モードが自動モードであるときはマスターアーム2の操作がスレーブアーム1の動作に反映されないという点で、「修正自動モード」と区別される。
[0024]
 カメラ11は、スレーブアーム1の可動範囲の全部又は一部における当該スレーブアーム1の動作を撮像可能なように設けられる。カメラ11が撮像した画像情報は制御装置3に送信され、制御装置3は、この画像情報に対応する画像を表示するようモニタ12を制御する。
[0025]
 図2は、スレーブアーム1先端の構成例を示す模式図である。図2に示すように、手首1c先端の取り付け面1dにエンドエフェクタ4が取り付けられる。本実施形態では、エンドエフェクタ4は嵌合部品200を把持可能なロボットハンドである。ロボットハンドは、手首1c先端の取り付け面1dに取り付けられたハンド本体と、例えばモータで構成されたアクチュエータ(図示せず)で駆動される2本の指部とを備える。アクチュエータが動作すると2本の指部がハンド本体に対して移動する。つまり、ロボットハンドの2本の指部は互いに近接又は離隔するように移動可能であり、2本の指部で嵌合部品200を把持することができる。本実施形態の遠隔操作システム100では、ロボットハンド(4)に保持された嵌合部品200をスレーブアーム1の作動によって被嵌合部品210の穴211に精密嵌め合いさせる。この嵌め合い作業は組立作業のなかでも操作者の熟練を要する。
[0026]
 力覚センサ5は、手首1c先端の取り付け面1dとエンドエフェクタ4の間に取り付けられる。力覚センサ5は、本発明の「力検知装置」に相当する。力覚センサ5は、本実施形態ではエンドエフェクタ4の基端に取付けられ、エンドエフェクタ4の先端に加わる力を検知するように構成される。力覚センサ5は、手首座標系で定義されるXYZ軸方向の力と、各軸回りに作用するモーメントとを検出することが可能な六軸力覚センサである。ここで手首座標系とは手首1cを基準とした座標系である。図2では、手首1cの取り付け面1dに平行にX軸及びY軸が定義され、取り付け面1dに垂直な方向にZ軸が定義される。力覚センサ5は、無線又は有線により制御装置3に検出信号を送信する。
[0027]
 図3は、制御装置3の構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置3は、動作制御部6と、力覚情報処理部7と、モニタ制御部8と、記憶部10と、インターフェース部(図示しない)を含む。制御装置3は、コンピュータ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ等の演算処理機能を有する装置で構成される。動作制御部6、力覚情報処理部7、及びモニタ制御部8は、制御装置3の記憶部10に格納された所定のプログラムが制御装置3の演算処理部(図示せず)によって実行されることによって実現される。制御装置3のハードウェア上の構成は任意であり、制御装置3は、スレーブアーム1等の他の装置から独立して設けられてもよく、他の装置と一体的に設けられてもよい。
[0028]
 動作制御部6は、入力装置9から入力された情報及びマスターアーム2から送信された操作情報に従ってスレーブアーム1の動作を制御する。ここで入力装置9のモード選択部25は、スレーブアーム1を動作させる運転モードとして、上述した「自動モード」、「修正自動モード」及び「手動モード」のうちのいずれかを、操作者が選択するためのものである。操作者により選択されたモードに関する情報はモード選択部25から動作制御部6に入力される。記憶部10は、読み書き可能な記録媒体であり、スレーブアーム1に自動で所定の動作をさせるための所定のプログラムが、予め、記憶されている。所定のプログラムは、例えば、教示作業により所定の作業を行うようスレーブアーム1を動作させて記憶された教示情報である。本実施形態では、教示情報は、マスターアーム2を操作することによりスレーブアーム1の動作を指示し記憶させた情報でもよいし、ダイレクト教示により記憶された情報であってもよい。なお、記憶部10は、制御装置3と一体として設けられているが制御装置3と別体に設けられていてもよい。動作制御部6は、具体的には、マスターアーム2からの操作情報、及び、予め記憶された情報の少なくともいずれか一方の情報に基づいて、スレーブアーム1の各関節軸を駆動するサーボモータを制御する。動作制御部6は、スレーブアーム1の各関節軸の位置指令値を生成し、生成した位置指令値とエンコーダの検出値(実際値)の偏差に基づいて速度指令値を生成する。そして、生成した速度指令値と速度現在値の偏差に基づいてトルク指令値(電流指令値)を生成し、生成した電流指令値と電流センサの検出値(実際値)の偏差に基づいてサーボモータを制御する。
[0029]
 力覚情報処理部7は、実反力情報生成器21と、仮想反力情報生成器22と、加算器23を備える。実反力情報生成器21は、力覚センサ5が検知する力に応じた力覚情報を生成し、当該力覚情報を実反力情報として出力する。ここでは実反力情報生成器21は、力覚センサ5の検出信号を取得し、ロボットハンド(4)の先端に加わる力を適正なレンジに変換し、これを実反力として加算器23に出力するように構成されている。実反力情報生成器21は雑音を除去するためにローパスフィルタを含んでもよい。
[0030]
 仮想反力情報生成器22は、力覚センサ5が検知する力の時間微分値に比例した大きさの成分を仮想反力情報として出力する。ここでは仮想反力情報生成器22は、力覚センサ5の検出信号を取得し、ロボットハンド(4)の先端に加わる力の時間微分値に比例した大きさの成分を演算し、これを仮想反力情報として加算器23に出力するように構成されている。
[0031]
 加算器23は、実反力情報生成器21から出力される実反力情報と、仮想反力情報生成器22から出力される仮想反力情報を加算したものを合成反力情報として出力する。ここでは加算器23は、実反力情報生成器21から出力された実反力情報と、仮想反力情報生成器22から出力された仮想反力情報を加算して、これを合成反力情報としてマスターアーム2に出力するように構成されている。ここで合成反力はマスターアーム2の各関節のトルク値に変換される。変換されたトルク値は各関節を駆動するアクチュエータ(図示せず)のドライブへのトルク指令に相当する。マスターアーム2は、加算器23から出力される合成反力情報に相当する力を操作者に知覚させ、且つ、操作者が操作すると、当該操作に応じた操作情報を動作制御部6に出力する。
[0032]
 モニタ制御部8は、カメラ11で撮像された画像情報に対応する画像を表示するようモニタ12を制御する。操作者は、モニタ12を見ながらマスターアーム2を操作することにより、スレーブアーム1を操作者が意図するように操作することができる。
[0033]
 次に、遠隔操作システム100の動作について図2~図4を用いて説明する。本実施形態の遠隔操作システム100では、操作者は、モニタ12を見ながらマスターアーム2を操作することにより、スレーブアーム1の作動によってロボットハンド(4)に保持させた嵌合部品200を被嵌合部品210の穴211に挿入する(図2参照)。ここでは操作者によりモード選択部25で選択された運転モードが「手動モード」である場合について説明する。動作制御部6は、スレーブアーム1を動作させる運転モードが「手動モード」であるとき、所定のプログラムを用いず、マスターアーム2を操作することにより送られた操作情報(入力指令)に従って、スレーブアーム1の動作を制御する(図3参照)。一方、スレーブアーム1の先端に取り付けられた力覚センサ5はロボットハンド(4)の先端に加わる力を検知する。実反力情報生成器21は力覚センサ5によって検知された力に応じた力覚情報を生成し、当該力覚情報を実反力情報として出力する。操作者は、モニタ12を見ながらマスターアーム2を操作することにより、そのスレーブアーム1の作動によって嵌合部品200を把持したロボットハンド(4)を、被嵌合部品210に向かって押下げる(図2のZ方向)。その結果、ロボットハンド(4)の先端又はロボットハンド(4)に保持された嵌合部品200が、被嵌合部品210又は被嵌合部品210に設けられた穴211に接触する。図4(a)は力覚センサ5が検知する力に応じた実反力Fの時間変化を模式的に示したグラフである。図4(a)に示すように、スレーブアーム1の動作を開始した直後は、ロボットハンド(4)の先端に加わる力はゼロであるが、時刻t においてロボットハンド(4)の先端に加わる力が上昇し、力覚センサ5で検知された力に応じた実反力Fも上昇する。
[0034]
 一方、仮想反力情報生成器22は、力覚センサ5が検知する力の時間微分値に比例した大きさの成分を仮想反力情報として出力する。図4(b)は、仮想反力K(dF/dt)の時間変化を模式的に示したグラフである。ここでKは定数である。図4(b)に示すように、スレーブアーム1の動作を開始した直後は、力覚センサ5が検知する力の時間微分値に比例した仮想反力K(dF/dt)はゼロである。時刻t において力覚センサ5で検知された力に応じた実反力Fの上昇すると、それに伴って仮想反力も急激に上昇するが、その後急激に減衰する。
[0035]
 加算器23は、実反力情報生成器21から出力される実反力情報と、仮想反力情報生成器22から出力される仮想反力情報を加算したものを合成反力情報としてマスターアーム2に出力する。すると、マスターアーム2が、加算器23から出力される合成反力情報に応じた力を操作者に知覚させる。操作者は、合成反力情報に応じた力を把握し、この把握した合成反力情報に応じた力に基づいて、ロボットが適切な作業を行うようにロボットを操作すべくマスターアーム2を操作する。すると、マスターアーム2が、当該操作に応じた操作情報を出力し、動作制御部6が、この操作情報に従ってロボットの動作を制御する。
[0036]
 図4(c)は、合成反力Fbの時間変化を模式的に示したグラフである。図4(c)に示すように、時刻t においてロボットハンド(4)の先端又はロボットハンド(4)に保持された嵌合部品200が、被嵌合部品210又は被嵌合部品210に設けられた穴211に触れた場合には、合成反力Fbは仮想反力K(dF/dt)の影響で急激に上昇する。これにより、操作者は、マスターアーム2から一瞬強い反力を感じるので、接触を敏感に感知し、高精度な作業が可能になる。
(第2実施形態)
 次に、第2実施形態について説明する。本実施形態の遠隔操作システムの基本的な構成は、第1実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と共通する構成の説明は省略し、相違する構成についてのみ説明する。
[0037]
 図5は、第2実施形態に係るロボットの遠隔操作システムの構成を示す模式図である。図5に示すように、本実施形態では、第1実施形態と比較すると、スレーブアーム1の手首1c先端に取り付けられたエンドエフェクタ4が電気抵抗を測定するための接触プローブである点が異なる。接触プローブ(4)は針型の先端形状を有する。また、ここでも手首1c先端の取り付け面1dとエンドエフェクタ4の間には力覚センサ5が取り付けられている。本実施形態の遠隔操作システムでは、測定台213に固定して配置された被測定物212の表面の電気抵抗の測定作業を行う。抵抗測定の接続方法は例えば2端子法又は4端子法である。測定作業では、針型の接触プローブ(4)の先端をそのスレーブアーム1の作動によって被測定物212の検査面に接触させる。被測定物212が例えば薄板、薄肉円筒等の剛性が低い部品である場合は、変形等が発生しやすく、極小さな針の先端を被測定物212の表面に接触させる作業は操作者の熟練を要する。
[0038]
 モード選択部25で選択された運転モードが「手動モード」である場合は、操作者は、モニタ12を見ながらマスターアーム2を操作することにより、そのスレーブアーム1の作動によって先端に接触プローブ(4)を取り付けたロボットハンド(4)を、被測定物212に向かって押下げる(図5のZ方向)。
[0039]
 本実施形態の構成であっても、接触プローブ(4)の先端が、被測定物212に触れた場合、操作者は、接触の瞬間にマスターアーム2から一瞬強い反力を感じるので、接触を敏感に感知し、高精度な作業が可能になる。
[0040]
 尚、上記実施形態では、モード選択部25で選択された運転モードが「手動モード」である場合について説明したが、モード選択部25で選択されている運転モードが「自動モード」でもよい。動作制御部6は、スレーブアーム1を動作させる運転モードが「自動モード」であるとき、マスターアーム2から送られた操作情報を用いず、予め設定された所定のプログラムに従ってスレーブアーム1の動作を制御する。
[0041]
 また、モード選択部25で選択されている運転モードは「修正自動モード」でもよい。動作制御部6は、運転モードが「修正自動モード」であるときに、所定のプログラムと操作情報の両方を用いる。なお、運転モードが「修正自動モード」であるときに、操作情報が動作制御部6に送られていない場合は、動作制御部6は所定のプログラムのみを用いる。より詳しくは、動作制御部6は、スレーブアーム1を動作させる運転モードが「修正自動モード」であるとき、スレーブアーム1が所定のプログラムを用いて自動で動作している途中に操作情報を受けると、所定のプログラムと操作情報の両方を用いてスレーブアーム1の動作を制御する。これにより、スレーブアーム1は、所定のプログラムに関する動作、すなわち自動で行うことになっていた動作から修正された動作を行う。
[0042]
 尚、上記各実施形態では、動作制御部6は、操作者により入力装置9のモード選択部25で選択された「自動モード」、「修正自動モード」及び「手動モード」のうちのいずれかの運転モードに従い、スレーブアーム1の動作を行うように構成されたが、このような構成に限定されない。例えば動作制御部6がスレーブアーム1を所定のステップまで「自動モード」により動作させるように制御したとき、操作者に対して、スレーブアーム1の自動運転の継続許可に関する問い合わせを出力する出力制御部(図示せず)と、出力制御部(図示せず)による問い合わせの出力後に受信部(図示せず)によって受信した入力信号に基づき、自動運転の継続を許可するか否か判定する継続判定部(図示せず)と、を有してもよい。これにより、作業者の熟練が必要な場面(例えば嵌め合い作業又は接触作業)では、「自動モード」から「手動モード」に切り替えて、高精度な作業を行うことができる。
(第3実施形態)
 次に、第3実施形態について説明する。本実施形態の遠隔操作システムの基本的な構成は、上記実施形態と同様である。以下では、第1実施形態と共通する構成の説明は省略し、相違する構成を中心に説明する。本実施形態の遠隔操作システムは外科手術システムに適用され、エンドエフェクタは手術器具である。外科手術システムは、マスタースレーブ型の手術支援ロボットである。ここでは医師などの術者が患者に内視鏡外科手術を施すシステムである。
[0043]
 尚、本実施形態の外科手術システムは手術支援用であるため、スレーブアーム1は「手動モード」でのみ動作するように構成される。このため、入力装置9は、操作者によって運転モードを選択するためのモード選択部25を備えていない(図3参照)。術者は、モニタ12を見ながら、マスターアーム2を操作することにより、スレーブアーム1を術者が意図するように操作する。マスターアーム2の具体的な構成については図示を省略する。
[0044]
 図6は、第3実施形態に係るロボットの遠隔操作システムの構成を示す模式図である。図6に示すように、スレーブアーム1の先端の手首1cには、インストゥルメント(外科用器具)42を保持するホルダ36(器具保持部)が形成される。スレーブアーム1先端の手首1cの取り付け面1d(ホルダ36の裏面)とインストゥルメント42の間には力覚センサ5が取り付けられている。ホルダ36には、インストゥルメント42が着脱可能に保持されている。ホルダ36に保持されたインストゥルメント42のシャフト43は、基準方向Dと平行に延在するように構成されている。尚、このホルダ36に内視鏡アセンブリが着脱可能に保持されてもよい。本実施形態では、術者は、そのスレーブアーム1の作動によってスレーブアーム1のインストゥルメント42を動作させる。
[0045]
 インストゥルメント42は、その基端部に設けられた駆動ユニット45と、その先端部に設けられたエンドエフェクタ(処置具)4と、駆動ユニット45とエンドエフェクタ4の間を繋ぐ細長いシャフト43とで構成されている。インストゥルメント42には基準方向Dが規定されており、駆動ユニット45、シャフト43、及びエンドエフェクタ44は基準方向Dと平行に並ぶ。インストゥルメント42のエンドエフェクタ4は、動作する関節を有する手術器具(例えば、鉗子、ハサミ、グラスパー、ニードルホルダ、マイクロジセクター、ステープルアプライヤー、タッカー、吸引洗浄ツール、スネアワイヤ、及び、クリップアプライヤーなど)や、関節を有しない器具(例えば、切断刃、焼灼プローブ、洗浄器、カテーテル、及び、吸引オリフィスなど)からなる群より選択される。
[0046]
 外科手術システム(100)では、スレーブアーム1の先端の手術器具(4)により、患者214に対して種々の施術が行われる。一般の施術だけでなく、外科手術システム(100)を用いた施術もまた術者の熟練を要する。本実施形態の構成であっても、手術器具(4)が、患者214に触れた場合、術者は、接触の瞬間にマスターアーム2から一瞬強い反力を感じるので、接触を敏感に感知し、高精度な施術が可能になる。
(その他の実施形態)
 尚、上記各実施形態の遠隔操作システム100は力検知装置として力覚センサ5を備え、この力覚センサ5により、エンドエフェクタの先端に加わる力を検知する構成であったが(図2,図3参照)、これに限られない。例えば上述したように動作制御部6は、スレーブアーム1の各関節軸を駆動するサーボモータを制御するが、各関節軸の位置偏差、速度偏差、及び電流偏差の少なくとも一つの変化率に基づいて、スレーブアーム1のエンドエフェクタ4の先端に働く力を算出してもよい。これにより、力覚センサ5を備えることなく、簡易な構成で、上記実施形態と同等な効果を奏することができる。
[0047]
 また、上記各実施形態のロボットシステム100は、マスタースレーブ式の遠隔操作システムで構成されたが、これに限られるものではない。例えばその他のロボットシステムにおいて、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタの先端が作業対象物に接触した際に、作業対象物から受けた反力を周囲の人間又はシステムの管理者に知覚させるような構成でもよい。
[0048]
 上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び機能の一方又は双方の詳細を実質的に変更できる。

産業上の利用可能性

[0049]
 本発明は、ロボットシステムを高い精度が必要な作業に適用する場合に有用である。

符号の説明

[0050]
1  スレーブアーム(ロボット本体)
2  マスターアーム(操作装置)
3  制御装置
4  エンドエフェクタ
5  力覚センサ(力検知装置)
6  動作制御部
7  力覚情報処理部
8  モニタ制御部
9  入力装置
10 記憶部
21 実反力情報生成器
22 仮想反力情報生成器
23 加算器
25 モード選択部
100 遠隔操作システム(ロボットシステム)
200 嵌合部品
210 被嵌合部品210
211 穴
212 被測定物
213 測定台
214 患者

請求の範囲

[請求項1]
 ロボットアームと、前記ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタと、前記エンドエフェクタの先端に加わる力を検知する力検知装置と、を備えるロボット本体と、
 前記力検知装置が検知する力に応じた力覚情報を生成し、当該力覚情報を実反力情報として出力する実反力情報生成器と、
 前記力検知装置が検知する力の時間微分値に比例した大きさの成分を仮想反力情報として出力する仮想反力情報生成器と、
 前記実反力情報生成器から出力される前記実反力情報と、前記仮想反力情報生成器から出力される仮想反力情報を加算したものを合成反力情報として出力する加算器と、
 前記加算器から出力される前記合成反力情報に応じた力を前記操作者に知覚させ、且つ、操作者が操作すると、当該操作に応じた操作情報を出力する操作装置と、
 前記操作装置から出力される操作情報に従って前記ロボット本体の動作を制御する動作制御部と、を備える、ロボットシステム。
[請求項2]
 前記ロボット本体はスレーブアームであり、前記操作装置はマスターアームであり、前記マスターアームにより前記スレーブアームが遠隔操作される、請求項1に記載のロボットシステム。
[請求項3]
 前記力検知装置は、前記エンドエフェクタの基端に取付けられ、当該エンドエフェクタの先端に加わる力を検知するように構成された力覚センサである、請求項1に記載のロボットシステム。
[請求項4]
 前記ロボット本体の動作を制御する前記動作制御部の運転モードを、前記操作情報を前記ロボット本体の動作に反映させることなしに、予め設定された所定のプログラムを用いて前記ロボット本体の動作を制御する自動モードと、前記操作情報を前記ロボット本体の動作に反映させることが可能な状態で、予め設定された所定のプログラムを用いて前記ロボット本体の動作を制御する修正自動モードと、前記所定のプログラムを用いることなしに、前記操作情報を用いて前記ロボット本体の動作を制御する手動モードのいずれかを選択可能に構成されたモード選択部を更に備え、
 前記動作制御部は、前記運転モードが前記修正自動モードであるときに、前記ロボット本体が前記所定のプログラムを用いて動作している途中に前記操作情報を受けて、前記所定のプログラムに関する動作から修正された動作を行うよう前記ロボット本体を制御する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロボットシステム。
[請求項5]
 前記ロボットの遠隔操作システムは外科手術システムに適用され、前記エンドエフェクタは手術器具である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロボットシステム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]