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1. (WO2017026358) 波長ロックされたビーム結合型半導体レーザ光源
Document

明 細 書

発明の名称 波長ロックされたビーム結合型半導体レーザ光源

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

非特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122  

符号の説明

0123  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 波長ロックされたビーム結合型半導体レーザ光源

技術分野

[0001]
 本発明は複数の半導体レーザからのレーザ光を集約して光ファイバに結合させるビーム結合型半導体レーザ光源に関する。本発明は半導体レーザの波長ロック法に関する。本発明は大出力の半導体レーザに関する。本発明は固体レーザ、ファイバーレーザの励起光源に関する。本発明は波長多重化技術に関する。本発明は波長多重化を用いて大出力のレーザ光を生成する方法に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、半導体レーザのレーザ光の進相軸(FA:Fast Axix)と遅相軸(SA:Slow Axis)を回転させる素子を用いて、半導体レーザアレイからのレーザ光を光ファイバに結合させる手法が開示されている。また、2つの半導体レーザアレイからのレーザ光を、1/2波長位相板(偏光変換器)と偏光ビーム結合器を用いて、一本の光ファイバに結合させる手法が開示されている。
 特許文献2には、複数の半導体レーザアレイを積層させると共に、シリンドリカルレンズを用いて、複数の半導体レーザアレイからのレーザ光を固体レーザロッドの端面に導入する手法が開示されている。
 特許文献3には、半導体レーザの進相軸(FA:Fast Axix)と遅相軸(SA:Slow Axis)を回転させる素子と、半導体レーザアレイを組み合わせて外部共振器型の半導体レーザを構成する手法が開示されている。
 特許文献4には、半導体レーザアレイと傾斜した反射鏡を用いて外部共振器型の半導体レーザを構成する手法が開示されている。
 特許文献5には、ひな壇状のマウント上に設けた複数の反射鏡を用いて、複数の半導体レーザからのレーザ光を近接させることによって、レーザ光を光ファイバに結合させる手法が開示されている。
 特許文献6には、ステップ状の反射鏡アレイを用いることによって、半導体レーザのレーザ光の進相軸(FA:Fast Axix)と遅相軸(SA:Slow Axis)を回転させる手法が開示されている。
 特許文献7には、ひな壇状のマウントに複数の半導体レーザを設けることによって、複数の半導体レーザからのレーザ光を近接させる手法が開示されている。
 特許文献8には、複数の半導体レーザからなる二列の光源を設け、この二列の光源からの光を、位相板を用いた偏光結合によって一本の光ファイバに結合させる手法が開示されている。
 特許文献9には、体積ブラッグ回折格子を用いて波長ロックを行う手法が開示されている。
 特許文献10には、干渉フィルタを用いた外部共振器型半導体レーザが開示されている。また、干渉フィルタの角度を変えることによって外部共振器型半導体レーザの発振波長を変化させる手法が開示されている。
 特許文献11には、誘電体多層膜フィルタを用いたスリーポートデバイスの構造が開示されている。また、スリーポートデバイスをタンデム接続して波長多重化器を構成する手法が開示されている。
 特許文献12には、透明平板ガラスに誘電体多層膜フィルタを接着して、波長多重器を構成する手法が開示されている。
 非特許文献1には誘電体多層膜フィルタの構造とその特性が開示されている。
 非特許文献2には、回折格子を用いてファイバーレーザからのレーザ光を合波して大出力のレーザ光を得る手法が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第3071360号公報
特許文献2 : 特開平10-32359号公報
特許文献3 : 特許第4002286号公報
特許文献4 : 特許第4024270号公報
特許文献5 : 米国特許第4978197号明細書
特許文献6 : 米国特許第5808323号明細書
特許文献7 : 米国特許第6124973号明細書
特許文献8 : 米国特許第7738178号明細書
特許文献9 : 米国特許第8427749号明細書
特許文献10 : 特開平04-142090号公報
特許文献11 : 特開2003-185876号公報
特許文献12 : 特開2003-149490号公報

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : 小檜山光信、「光学薄膜フィルタデザイン」、オプトロニクス社、2006年10月7日刊、ISBN4-902312-10-0
非特許文献2 : T.Y.Fan,"Laser Beam Combining for High-Power, High-Radance Sources",IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics,Vol.11,No.3,May/June 2005,p567-577, 2005

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 従来のビーム結合型半導体レーザ光源においては、波長ロックは体積ブラッグ回折格子を用いて行われることが多かった。体積ブラッグ回折格子はロック対象の波長の光を10%程度反射して、反射光を半導体レーザに帰還するものであり、他の波長の光は透過してしまう。このため、レーザ発振光は、ロック波長以外のものを含むことがあり、また、ロック外れが生じることもあった。

課題を解決するための手段

[0006]
 上記の課題を解決するために、本発明のビーム結合型半導体レーザ光源は、複数の半導体レーザチップ、半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、結像光学系、及び、マルチモード光ファイバを備えたビーム結合型半導体レーザ光源において、さらに帯域通過型の誘電体多層膜フィルタと部分反射鏡を備えていることを特徴とする。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、帯域通過型の誘電体多層膜フィルタは特定の波長の光しか透過しないために、出力光は誘電体多層膜フィルタの透過帯域の波長に限定される。このため、狭い帯域にレーザ発振を確実にロックすることができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の第一実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 10の構成を示す概略図である。
[図2] 誘電体多層膜フィルタ の構成とその特性を示す概略図である。
[図3] 誘電体多層膜フィルタ の別の構成とその特性を示す概略図である。
[図4] 本発明の第二実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 40を示す概略図である。
[図5] 本発明の第三実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 50の構成を示す概略図である。
[図6] 本発明の第四実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 60の構成を示す概略図である。
[図7] 本発明の第五実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 70の構成を示す概略図である。
[図8] 本発明の第六実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 80の構成を示す概略図である。
[図9] 本発明の第七実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 90の構成を示す上面図である。
[図10] 本発明の第七実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 90の構成を示す側面図である。
[図11] 本発明の第八実施例の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100の構成を示す概略図である。
[図12] スリーポートデバイス 113、及び、スリーポートデバイス 130の構造を示す概略図である。
[図13] 誘電体多層膜フィルタ 117の構成とその特性を示す概略図である。
[図14] 本発明の第九実施例において用いられる波長多重化器 140の構成を示す概略図である。
[図15] 本発明の第十実施例の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 150の構成を示す概略図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下に、図面を参照して本発明に係わる固体レーザ発振器の実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態により本発明が限定されるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付与している。
[0010]
[第一実施例]
 図1に本発明の第一実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 10の構成を示す。図1(a)はビーム結合型半導体レーザ光源 10を上面側から見た図である。図1(b)はビーム結合型半導体レーザ光源 10の側面図である。図1(b)は、図1(a)において矢印A方向から見た図に相当する。
[0011]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 10は、複数の半導体レーザチップ1、複数の進相軸(FA:Fast Axix)方向シリンドリカルコリメータ2、一つの遅相軸(SA:Slow Axis)方向シリンドリカルコリメータ3、一つの誘電体多層膜フィルタ4、一つの部分反射鏡5、一つのFA方向結像レンズ6、一つのSA方向結像レンズ7、及び、一つのマルチモード光ファイバ8を備えている。マルチモード光ファイバ8は横モードが複数ある光ファイバである。
[0012]
 FA方向結像レンズ6とSA方向結像レンズ7はシリンドリカルレンズである。FA方向結像レンズ6とSA方向結像レンズ7によって結像光学系が形成されている。
[0013]
 半導体レーザチップ1はそれぞれサブマウント13上に取り付けられている。複数のサブマウント13は、一つのマウント14上に絶縁スペーサ17を介して取り付けられている。マルチモード光ファイバ8は光ファイバサポート9を介してマウント14に取り付けられている。
[0014]
 半導体レーザチップ1は、一つの例として、ガリウムヒ素(GaAs)ベースの半導体レーザである。発振波長は、一つの例として、900nm帯である。半導体レーザチップ1はストライプ12を備えている。ストライプ12は幅が広く、SA方向の横モードがマルチモードである。ストライプ12の幅には特に制限はなく、一つの例として100μmである。半導体レーザチップ1はいわゆるブロードエリアレーザである。
[0015]
 サブマウント13はGaAsと熱膨張係数が略一致し、かつ、熱伝導性の良好な材料で作られている。サブマウント13の材料としては、例えば、銅タングステン合金(CuW)、あるいは、ダイヤモンド粒子分散銅などを上げることができる。
[0016]
 絶縁性スペーサ17は窒化アルミニウム(AlN)製である。あるいは、サブマウント13に窒化珪素(Si3N4)などの絶縁性材料薄膜を、真空蒸着、スパッタ法、あるいは、化学気相成長法などで形成してもよい。
[0017]
 半導体レーザチップ1からのレーザ光15は、FA方向シリンドリカルコリメータ2によってFA方向に対して平行光に変換される。また、半導体レーザチップ1からのレーザ光15は、SA方向シリンドリカルコリメータ3によって、SA方向に対して平行光に変換される。
[0018]
 平行光に変換された光は誘電体多層膜フィルタ4に入射する。誘電体多層膜フィルタは入射する光の角度によって分光特性が変化するが、誘電体多層膜フィルタ4には平行光が入射するので、誘電体多層膜フィルタ4の分光特性は安定化される。
[0019]
 なお、半導体レーザチップ1からのレーザ光15はSA方向の拡がり角度は小さい。このため、光学系の設計によってはSA方向シリンドリカルコリメータ3を省略することもできる。ただし、高い性能を得るためにはSA方向シリンドリカルコリメータ3を設けることが好ましい。
[0020]
 誘電体多層膜フィルタ4はマウント14に対して角度θ1で固定されている。角度θ1は平行光に変換されたレーザ光15に対して垂直にならないように選ばれている。レーザ光15は誘電体多層膜フィルタ4によって特定波長のみが透過される。他の波長の光は反射光16となって、レーザ光15の誘電体多層膜フィルタ4に対する入射光路外に排出される。誘電体多層膜フィルタ4を透過したレーザ光15は部分反射鏡5によって一部反射されて、誘電体多層膜フィルタ4、SA方向シリンドリカルコリメータ3、及び、FA方向シリンドリカルコリメータ2を経て半導体レーザチップ1に帰還する。
[0021]
 上記の光学系によって、半導体レーザチップ1の端面11と部分反射鏡5はファブリーペロー共振器を形成する。この構成は、いわゆる外部共振器型の半導体レーザであり、誘電体多層膜フィルタ4の波長選択性のために、波長ロックが生じる。このため、レーザ光15は特定波長(誘電体多層膜フィルタ4の透過波長)となる。
[0022]
 波長ロックされたレーザ光15は、FA方向結像レンズ6とSA方向結像レンズ7によってマルチモード光ファイバ8に結合される。
[0023]
 なお、FA方向結像レンズ6とSA方向結像レンズ7に代えて、一つの球面結像レンズを用いる、結像光学系を形成することもできる。
[0024]
 図2(a)に誘電体多層膜フィルタ の構成を示す。誘電体多層膜フィルタ は透明基板20上に一つのキャビティ26が設けられている。キャビティ26は二つの誘電体多層膜反射層24、25にスペーサ層23が挟まれた構造である。このような構造とこの構造のフィルタ特性については非特許文献1中に詳しく開示されている。
[0025]
 誘電体多層膜反射層24、25はある波長λに対してλ/4の厚さを有する低屈折率層21とλ/4の厚さを有する高屈折率層22を交互積層した構造を有している。また、スペーサ層23はnλ/2の厚さを有する低屈折層もしくは高屈折率層からなる。ただし、nは自然数(正の整数)である。ただし、図2ではn=1の場合を図示している。
[0026]
 誘電体多層膜フィルタ はバンドパス型のフィルタであり特定の波長帯域のみを透過し、他の波長は反射する。すなわち、入射光30の内、特定波長帯域のみが透過光31として透過し、他の波長の光は反射光32として反射される。誘電体多層膜フィルタ は、いわゆる帯域通過型のフィルタである。
[0027]
 図2(b)に誘電体多層膜フィルタ の透過率対波長特性を示す。図2(b)のグラフでは、X軸は波長であり、Y軸は透過率である。誘電体多層膜フィルタ は阻止帯27を有し、阻止帯27中に狭い帯域幅の透過ピーク28を有している。入射光30がキャビティ26に対して垂直でない場合は、透過ピーク波長は短波長側にシフトし、例えば、図2(b)に示す透過ピーク29となる。
[0028]
 したがって、図1(b)に示した固定角度θ1を変えることによって、誘電体多層膜フィルタ4が透過する波長を変えることができる。この特性を利用して、異なるロック波長を有するビーム結合型半導体レーザ光源 10の製品ファミリーを構成することができる。
[0029]
 例えば、固体レーザ結晶である。Nd:YAGは885nmに吸収波長を持つ。別の固体レーザ結晶であるNd:YVO4は880nmに吸収波長をもつ。固定角度θ1を変更することによって同一の誘電体多層膜フィルタ4を用いて、ロック波長を885nmあるいは880nmに合わせることができる。
[0030]
 同一の誘電体多層膜フィルタ4を異なる固定角度のサポートを用いてマウント14に取り付けるようにすれば、容易に波長調整を行うことができる。この構成ではキーパーツである誘電体多層膜フィルタ4を共用化ができるという利点がある。
[0031]
 なお、上記の固定角度θ1はレーザ光15の進行方向に対して垂直な方向を基準とした傾斜角度と言い換えることもできる。レーザ光15の進行方向に対して垂直な方向に対して誘電体多層膜フィルタ4を傾斜させるのは、誘電体多層膜フィルタ4からの反射光が半導体レーザチップ1へ帰還するのを防ぐためである。
[0032]
 誘電体多層膜フィルタ4は、透過光以外は反射してしまうので、誘電体多層膜フィルタ4をマウント14に対して垂直に取り付けると、反射光が半導体レーザチップ1へ帰還してしまい、適切な波長ロックが行えなくなってしまう。
[0033]
 誘電体多層膜フィルタ4の透過波長は、厳密には、スペーサ層23の厚さによって決まる。したがって、スペーサ層23の材料として熱膨張係数が低く、屈折率の温度変化が小さい材料を用いると誘電体多層膜フィルタ4の透過波長は安定となる。ひいては、ビーム結合型半導体レーザ光源 10のロック波長が安定化する。
[0034]
 熱膨張係数が低く、屈折率の温度変化が小さい材料としては酸化シリコン(SiO2)をあげることができる。スペーサ層23として酸化シリコンを用いることによってロック波長が安定なビーム結合型半導体レーザ光源 10を実現することができる。
[0035]
 図3(a)にnがより大きい自然数である場合の誘電体多層膜フィルタ の構成を示す。キャビティ34は、スペーサ23に代えてスペーサ層33を備えている。スペーサ層33はスペーサ層23より厚く、n≧2の次数を有している。
[0036]
 また、図3(b)に図3(a)の構成の誘電体多層膜フィルタ の特性を示す。阻止帯27中に複数の透過ピーク35が生じる。また、透過ピーク35の透過帯域幅は透過ピーク28よりも狭い。
[0037]
 図3に示した構成の誘電体多層膜フィルタ を図1の構成に適用すると、レーザ光15の発振波長をより狭帯域でロックさせることができる。また、半導体レーザチップ1として異なる発振可能帯域を有する半導体レーザチップを用いることによって、複数の透過ピーク35の中から特定のピークを選択することができる。したがって、同一構成の誘電体多層膜フィルタ4を用いて異なるロック波長のビーム結合型半導体レーザ光源 10を実現することができる。
[0038]
 本実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 10は固体レーザの励起光源として用いることができる。特にファイバーレーザの励起光源に適する。また、ロッド状の固体レーザの端面励起のための励起光源に適する。さらに、光ファイバに結合した半導体レーザ光を用いたレーザ加工にも用いることができる。
[0039]
[第二実施例]
 図4に本発明の第二実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 40を示す。本実施例は、ビーム結合型半導体レーザ光源 10の変形例である。ビーム結合型半導体レーザ光源 40は、誘電体多層膜フィルタ4の傾斜方向を変えた点が、ビーム結合型半導体レーザ光源 10とは異なる。
[0040]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 40においては、誘電体多層膜フィルタ4をマウント14の部品載置面内方向に固定角度θ2だけ傾斜させている。この固定角度θ2はレーザ光15の進行方向に対して垂直な方向を基準とした傾斜角度である。
[0041]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 40の構成においても、誘電多薄膜フィルタ4からの反射光を半導体レーザチップ1へ帰還させることを防ぐことができるので、所望の波長ロックを実現することができる。
[0042]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 40の構成においては、固定角度θ2を変えることによってレーザ光15がロックする波長を変えることができる。
[0043]
[第三実施例]
 図5に本発明の第三実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 50の構成を示す。本実施例は、ビーム結合型半導体レーザ光源 10の変形例である。ビーム結合型半導体レーザ光源 50は、誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5に代えて体積ブラッグ回折格子51を設けた点が、ビーム結合型半導体レーザ光源 10とは異なる。
[0044]
 体積ブラッグ回折格子51は、ある波長λに対してλ/4の厚さを有する低屈折率層とλ/4の厚さを有する高屈折率層を交互積層した構造を有している。ただし、積層数は非常に多い。紫外線照射により屈折率が変化する特性を有するガラスに対して干渉露光を行うことによって、この素子は製造される。
[0045]
 本実施例では、波長ロックに必要な光学素子が少なくて済み、簡易な構成が実現できるという利点がある。ただし、回折格子4の場合のように固定角度を変えてロックする波長を変えることはできない。
[0046]
[第四実施例]
 図6に本発明の第四実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 60の構成を示す。ビーム結合型半導体レーザ光源 60は二つのレーザビーム群61と62、一つの1/2波長位相板(偏光変換器)63、一つの偏光ビーム結合器64、一つの誘電体多層膜フィルタ4、一つの部分反射鏡5、一つのFA方向結像レンズ6、一つのSA方向結像レンズ7、及び、一つのマルチモード光ファイバ8を備えている。
[0047]
 レーザビーム群61と62は、それぞれ、複数の半導体レーザチップ1、複数のFA方向シリンドリカルコリメータ2、及び、一つのSA方向シリンドリカルコリメータ3を備えている。
[0048]
 レーザビーム群62からのレーザ光は1/2波長位相板(偏光変換器)63によって偏光方向が変換されて、偏光ビーム結合器64に導かれる。偏光ビーム結合器64によってレーザビーム群61からのレーザ光とレーザビーム群62からのレーザ光が結合される。
[0049]
 偏光ビーム結合器64からのレーザ光は誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5によって波長ロックされる。この波長ロックの原理は第一実施例において説明した通りである。
[0050]
 部分反射鏡5からのレーザ光は、FA方向結像レンズ6とSA方向結像レンズ7によってマルチモード光ファイバ8に結合される。
[0051]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 60では、偏光ビーム結合器64によって、二群のレーザビーム群からのレーザ光をマルチモード光ファイバ8に結合するので、マルチモード光ファイバ8に結合されるレーザ光電力をおよそ2倍に増加させることができる。
[0052]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 60においても、図2に示したような誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5の配置を用いることができる。また、ビーム結合型半導体レーザ光源 60においても、図3に示したように、誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5に代えて体積ブラッグ回折格子51を用いることができる。
[0053]
[第五実施例]
 図7に本発明の第五実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 70の構成を示す。本実施例は、ビーム結合型半導体レーザ光源 10の変形例である。図7(a)はビーム結合型半導体レーザ光源 70を上面側から見た図である。図7(b)はビーム結合型半導体レーザ光源 70の側面図である。図7(c)は図7(a)におけるX-X'断面におけるレーザビームプロファイルを示す。図7(d)は図7(a)におけるY-Y'断面におけるレーザビームプロファイルを示す。
[0054]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 70は、半導体レーザチップ1とFA方向シリンドリカルコリメータ3に代えて、半導体レーザアレイチップ71、FA方向シリンドリカルコリメータ72、及び、光路変換素子73を備えている。
[0055]
 半導体レーザアレイチップ71はサブマウント74に取り付けられている。複数のサブマウント74が、一つのマウント14上に絶縁スペーサ75を介して取り付けられている。
[0056]
 半導体レーザアレイチップ71からのレーザ光はFA方向シリンドリカルコリメータ72によって平行光に変換される。FA方向シリンドリカルコリメータ72を経たレーザ光は図7(c)に示すようなレーザビームプロファイルを有している。
[0057]
 光路変換素子73は個々のレーザビームの角度を90°回転させる機能を有している。光路変換素子73は図7(c)に示すようなレーザビームプロファイルを、図7(d)に示すようなレーザビームプロファイルに変換する。光路変換素子73は特許文献1に開示された手法によって構築することができる。
[0058]
 光路変換素子73からのレーザ光は誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5によって波長ロックされる。波長ロックされたレーザ光はFA方向結像レンズ6とSA方向結像レンズ7によってマルチモード光ファイバ8に結合される。
[0059]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 70は、ビーム結合型半導体レーザ光源 10に比べて、個別の半導体レーザチップ1を多数実装するのではなく、一つの半導体レーザアレイチップ71を用いて一括して実装するので製造が容易になるという利点がある。
[0060]
 一方、ビーム結合型半導体レーザ光源 10は、ビーム結合型半導体レーザ光源 70に比べて、光路変換素子73が不要であるという利点がある。光路変換素子73は光路変換に当たって光量損失を生じたり、有効な開口率に制限を与えたりするという欠点がある。ビーム結合型半導体レーザ光源 10ではこのような問題が生じない。
[0061]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 70に、図4に示した構成を適用することができる。すなわち、誘電体多層膜フィルタ4を固定角度θ2で取り付けた構成とすることができる。
[0062]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 70において、誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5に代えて体積ブラッグ回折格子51を設けることができる。
[0063]
[第六実施例]
 図8に本発明の第六実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 80の構成を示す。本実施例は、図6に示したビーム結合型半導体レーザ光源 60の変形例である。ビーム結合型半導体レーザ光源 80は、レーザビーム群61と62に代えて、レーザビーム群81と82を設けた点が、ビーム結合型半導体レーザ光源 60とは異なる。
[0064]
 レーザビーム群81と82は、それぞれ、半導体レーザアレイチップ71、FA方向シリンドリカルコリメータ72、及び、光路変換素子73を備えている。レーザビーム群81と82の構成は図7に示したビーム結合型半導体レーザ光源 70の構成に準じている。
[0065]
 したがって、ビーム結合型半導体レーザ光源 80の構成は、ビーム結合型半導体レーザ光源 60の構成とビーム結合型半導体レーザ光源 70の構成を組み合わせたものでもある。
[0066]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 80では、偏光ビーム結合器64によって、二群のレーザビーム群からのレーザ光をマルチモード光ファイバ8に結合するので、マルチモード光ファイバ8に結合されるレーザ光電力をおよそ2倍に増加させることができる。
[0067]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 80は、ビーム結合型半導体レーザ光源 60に比べて、個別の半導体レーザチップ1を多数実装するのではなく、半導体レーザアレイチップ71を用いて一括して実装するので製造が容易になるという利点がある。
[0068]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 80に、図4に示した構成を適用することができる。すなわち、誘電体多層膜フィルタ4を固定角度θ2で取り付けた構成とすることができる。
[0069]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 80において、誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5に代えて体積ブラッグ回折格子51を設けることができる。
[0070]
[第七実施例]
 図9と図10に本発明の第七実施例のビーム結合型半導体レーザ光源 90の構成を示す。図9はビーム結合型半導体レーザ光源 90の上面図である。図10はビーム結合型半導体レーザ光源 90の側面図である。
[0071]
 本実施例は、図6に示したビーム結合型半導体レーザ光源 60の変形例である。ビーム結合型半導体レーザ光源 90は、レーザビーム群61と62に代えて、レーザビーム群91と92を備えている。また、マウント95はひな壇状の構造を有しており、壇96、97、及び、98を有している。
[0072]
 半導体レーザチップ1はサブマウント93に取り付けられている。複数のサブマウント93が、一つのマウント95上に、それぞれ、絶縁スペーサ94を介して取り付けられている。
[0073]
 レーザビーム群91に属する半導体レーザチップ1からのレーザ光は、FA方向シリンドリカルコリメータ2、SA方向シリンドリカルコリメータ3、及び、反射鏡88を経て、偏光ビーム結合器64に導かれる。
[0074]
 レーザビーム群92に属する半導体レーザチップ1からのレーザ光は、FA方向シリンドリカルコリメータ2、SA方向シリンドリカルコリメータ3、反射鏡88、反射鏡89、及び、1/2波長位相板63を経て偏光ビーム結合器64に導かれる。
[0075]
 偏光ビーム結合器64によって、レーザビーム群91からのレーザ光とレーザビーム群92からのレーザ光が結合される。偏光ビーム結合器64は、レーザビーム群91と92からのレーザ光をマルチモード光ファイバ8に結合するので、マルチモード光ファイバ8に結合されるレーザ光電力をおよそ2倍に増加させることができる。
[0076]
 ひな壇状のマウント95を用いた複数のレーザ光の結合方法は特許文献7及び9に開示されている手法に準じている。
[0077]
 特許文献9に開示されているビーム結合光源においては、体積ブラッグ回折格子を用いて波長ロックを行っている。これに対して、ビーム結合型半導体レーザ光源 90では誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5によって波長ロックを行っている。
[0078]
 前述の通り、図1(b)に示した固定角度θ1を変えることによって、誘電体多層膜フィルタ4が透過する波長を変えることができる。この特性を利用して、異なるロック波長を有するビーム結合型半導体レーザ光源 90の製品ファミリーを構成することができる。
[0079]
 体積ブラッグ回折格子を用いた構成では、このようにロック波長を変えることはできない。この点では、ビーム結合型半導体レーザ光源 90は先行技術文献9の構成に比べて優れている。
[0080]
 ビーム結合型半導体レーザ光源 90において、図2に示したような誘電体多層膜フィルタ4と部分反射鏡5の配置を用いることができる。
[0081]
[第八実施例]
 図11(a)に本発明の第八実施例の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100の構成を示す。波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100は、波長多重化の手法を用いてレーザ光の強度を増加させる構成を有している。ビーム結合型半導体レーザ光源 100は、出力レーザ光106を被加工物107に照射してレーザ加工をする用途に用いることができる。ただし、波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100の用途はレーザ加工に限定されない。
[0082]
 波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100は、複数の単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101a、101b、101c、101d、及び、誘電体多層膜フィルタに基づく波長多重化器103を備えている。単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101a、101b、101c、101dは波長多重化器103のマルチモード光ファイバ102によって接続されている。
[0083]
 単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101a、101b、101c、101dは、それぞれ、波長λ1、λ2、λ3、λ4の波長のレーザ光を発生する。
[0084]
 波長多重化器103によって波長多重化されたレーザ光はマルチモード光ファイバ104を経て出力ポート105に送られる。出力ポート105からのレーザ光106は被加工物107に照射される。
[0085]
 複数の単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101は、それぞれ、別の波長のレーザ光を発振するようにロック波長が調整されている。
[0086]
 図11(b)に単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源 101の構成を示す。単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源 101は複数のブロードエリア型の半導体レーザチップ108、空間多重化器109、波長ロック機構110、偏光多重化器111、及び、マルチモード光ファイバ(出力光ファイバ)102を備えている。ただし、偏光多重化器111は必須要素ではなく、省略することができる。
[0087]
 空間多重化器109は複数の半導体レーザチップ108からのレーザ光を、空間光学系を用いて一つのマルチモード光ファイバ102に結合させる機能を有している。波長ロック機構は、ブロードエリア型の半導体レーザチップ108のレーザ発振波長を特定の波長に固定する機能を有している。偏光多重化器111は偏光変換器と偏光ビーム結合を用いて複数のレーザ光を結合する機能を有している。
[0088]
 単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源 101の具体的構成としては、前述のビーム結合型半導体レーザ光源 104050607080、及び、 90を挙げることができる。
[0089]
 光ファイバ通信用の波長多重化システムでは、光源として分布帰還型半導体レーザ(DFBレーザ)を用いることが多い。DFBレーザではレーザ光出力を大きくすることは困難である。これに対して、本実施例では波長ロックされたブロードエリア型半導体レーザを用いたので、出力レーザ光106を大出力化できる。
[0090]
 さらに、本実施例に用いた単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源 101では、複数の半導体レーザチップ108からのレーザ光を空間多重化と偏光多重化の技術を用いて、一本のマルチモード光ファイバに結合したので、出力レーザ光106をより大出力化できる。
[0091]
 複数の単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源 101からの、異なる波長のレーザ光は、波長多重化器103によってマルチモード光ファイバ104に結合される。波長多重化器103は誘電体多層膜フィルタに基づいているが、回折格子などの他の原理によるものも用いることができる。
[0092]
 本実施例で用いた誘電体多層膜フィルタに基づく波長多重化器は、回折格子を用いて構築した波長多重化器などよりも挿入損失が小さいというという特徴がある。このため、大出力のレーザ光を必要とする用途に適している。また、高いエネルギー効率が得られるという利点がある。
[0093]
 図11(c)に波長多重化器 103の構成を示す。波長多重化器 103は複数のスリーポートデバイス113a、113b、113cを備えている。これらの複数のスリーポートデバイス113はタンデム接続されて、複数の波長(一例としてλ1、λ2、λ3、λ4)の光を合波する。波長多重化器 103は任意の波長数のものを用いることができる。
[0094]
 波長多重化器 103のスリーポートデバイス113の数は波長数より一つ少ない数としている。波長多重化器 103は合波のみを行い、分波は行わないためにこのように構成することができる。
[0095]
 図12(a)にスリーポートデバイス 113の構造を示す。スリーポートデバイス 113は、光ファイバ(反射ポート)114、光ファイバ(透過ポート)115、光ファイバ(共通ポート)116、誘電体多層膜フィルタ117、共通レンズ118、及び、透過ポート側レンズ119を備えている。共通レンズ118と透過ポート側レンズ119はコリメートレンズとして機能する。光ファイバ114、115、及び、116はマルチモード光ファイバである。
[0096]
 一例として、誘電体多層膜フィルタ117はある特定の波長λ1の光のみを透過し、それ以外の波長の光は反射する。光ファイバ(透過ポート)115に入射する光121はこの波長λ1の光である。光ファイバ(透過ポート)115からの光121は透過ポート側レンズ119を経て薄膜フィルタ117に照射される。透過した波長λ1の光は共通レンズ118を経て光ファイバ(共通ポート)116へと導かれる。
[0097]
 一方、光ファイバ(反射ポート)114に入射する光120は別の波長λ2の光である。光ファイバ(反射ポート)114からの光120は共通レンズ118を経て薄膜フィルタ117に照射される。波長λ2の光120は薄膜フィルタ117によって反射されて、共通レンズ118を経て光ファイバ(共通ポート)116へと導かれる。
[0098]
 したがって、波長λ1の光121と波長λ2の光120が合波されて、合波光122として光ファイバ(共通ポート)116へと導かれる。
 誘電体多層膜フィルタ117の表面に対する法線と光121のなす角度をθ3と定義する。後述のように、このθ3を変えることによって、誘電体多層膜フィルタ117の透過波長λ1を変えることができる。
 また、誘電体多層膜フィルタ117の層構造のパラメータを変えることによって透過波長を変えることができる。前述のスリーポートデバイス113a、113b、113cは、それぞれ、波長λ1、λ2、λ3を透過するような構成されている。
 図12(b)は別の構造のスリーポートデバイス 130の構造を示す。スリーポートデバイス 130では、光ファイバ(反射ポート)114、光ファイバ(透過ポート)115、及び、光ファイバ(共通ポート)116に対応して結合レンズ131を設けている。
[0099]
 スリーポートデバイス 130では、光ファイバ114、115、及び、116にそれぞれコリメータとして機能するレンズ131、119、及び、132を設けている。さらに、レンズ131、119、及び、132の光軸を光ファイバ114、115、及び、116のコアの光軸に一致させている。このため、θ3の値を大きく取ってもレンズの収差の影響を受けることが無い。
[0100]
 図13(a)に誘電体多層膜フィルタ 117の構成を示す。誘電体多層膜フィルタ 117は透明基板20上に複数のキャビティ26が設けられている。複数のキャビティ26は結合層133を介して結合されている。キャビティ26は図2において説明した構造を有している。このようなマルチキャビティ構造の誘電体多層膜フィルタとその特性については非特許文献1中に詳しく開示されている。
[0101]
 図13(b)に誘電体多層膜フィルタ 117の透過率対波長特性を示す。図13(b)のグラフでは、X軸は波長であり、Y軸は透過率である。誘電体多層膜フィルタ 117は阻止帯27を有し、阻止帯27中にトップフラット型の透過ピーク134を有している。また、フィルタ特性の"裾切れ"が良好である。これらの特性はマルチキャビティ構造によってもたらされている。
[0102]
 なお、前述のθ3の値が変化すると、透過ピーク波長は短波長側にシフトし、例えば、図13(b)に示す透過ピーク135となる。図12(a)と(b)に示した構造において、θ3を変えると誘電体多層膜フィルタ 117の透過ピーク波長を変えることができる。この特性を利用して、同一の積層膜構造を有する誘電体多層膜フィルタ 117を用いて異なる透過波長のスリーポートデバイスを作ることができる。
[0103]
 このような構成では、少ない種類の誘電体多層膜フィルタ 117を用いて、多数の異なる透過波長を有するスリーポートデバイスを作ることができる。したがって、キーパーツを共通化することができる。
[0104]
 図13(b)に示したスリーポートデバイスでは、θ3を広い範囲で変えることができるので、共通の誘電体多層膜フィルタ 117を用いて、より多種類の透過波長のスリーポートデバイスを作ることができる。
[0105]
[第九実施例]
 図14に波長多重化器 140の構成を示す。本発明の第九実施例の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源は、波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100において、波長多重化器103に代えてこの波長多重化器 140を用いている。
[0106]
 波長多重化器 140は透明基板141、誘電体多層膜フィルタ117a、117b、117c、複数のレンズ131、及び、複数のマルチモード光ファイバ142を備えている。この波長多重化器の原理は特許文献12に開示されている通りである。
[0107]
 スリーポートデバイス 113においては、誘電体多層膜フィルタ117によって反射された光はレンズ118によって光ファイバ116に結合される。このため、光ファイバ116への結合損失が生じてしまう。図11(c)に示した波長多重化器103では3つのスリーポートデバイス113a、113b、113cを用いているので、このような損失は3回生じることになる。
[0108]
 一方、波長多重化器 140では誘電体多層膜フィルタ117によって反射された光は透明基板141中を伝播して、光ファイバ142(出力ポート143)にはレンズ131を介して結合される。このため、光ファイバ142への結合損失は1回しか生じない。したがって、波長多重化器 140は波長多重化器 103よりも挿入損失が小さい。
[0109]
 以上より、波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100において、波長多重化器140を用いた構成は、レーザ光出力が大きく、エネルギー効率が高いという利点がある。
[0110]
[第十実施例]
[0111]
 図15に本発明の第十実施例の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 150の構成を示す。波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 150は波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 100の変形例である。
[0112]
 波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 150は、複数の単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g、101h、波長多重化器103a、波長多重化器103b、及び、波長多重化器151を備えている。波長多重化器103aと103b波長多重化器103と同様の構造を有しているが、備えているスリーポートデバイスの透過波長が異なる。
[0113]
 波長多重化器103aと波長多重化器151はマルチモード光ファイバ152で接続されている。また、波長多重化器103bと波長多重化器151はマルチモード光ファイバ153で接続されている。波長多重化器151と出力ポート105はマルチモード光ファイバ154で接続されている。すなわち、波長多重化器103a、波長多重化器103b、及び、波長多重化器151はツリー状に接続されている。
[0114]
 単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101a、101b、101c、101dからの波長λ1、λ2、λ3、λ4の光は波長多重化器103aによって合波される。また、単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源101e、101f、101g、101hからの波長λ5、λ6、λ7、λ8の光は波長多重化器103bによって合波される。
[0115]
 波長多重化器151は単一のスリーポートデバイスであり、図12(a)に示したスリーポートデバイス 113もしくは、図12(b)に示したスリーポートデバイス 130と同様に構造を有している。ただし、波長多重化器151は波長λ1、λ2、λ3、λ4を透過する特性の誘電体薄層膜フィルタを備えている。このようなフィルタは光ファイバ通信においては、4スキップ1フィルタとして公知である。
[0116]
 長多重化器151は波長多重化器140aからの波長λ1、λ2、λ3、λ4の光と、波長多重化器103bからの波長λ5、λ6、λ7、λ8の光を合波する。8つの波長の光は合波されてマルチモード光ファイバ154を経て出力ポート105より出射し、被加工物107に照射される。
[0117]
 8つの波長の光を合波する場合に図11に示した波長多重化器 103の構成を用いると、スリーポートデバイスは7個必要である。そして、合波される光は、最大で7回反射されてから出力用の光ファイバに結合される。
[0118]
 これに対して本実施例では、波長多重化器103aでは合波される光は、最大で3回反射される。そして、その後に波長多重化器151の誘電体薄層膜フィルタを1回透過する。また、波長多重化器103bでは合波される光は、最大で3回反射される。そして、その後に波長多重化器151において1回反射される。すなわち、合計4回反射される。
[0119]
 波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 150の構成は、単純に8つの波長の光を合波する波長多重化器を用いる場合に比べて、少ない反射回数で合波が行われる。このため、合波損失が小さくなるという利点が生じる。
[0120]
 なお、波長多重化器151として、3個以上のスリーポートデバイスを備えた波長多重化器を用いても良い。この場合は、さらに多数の波長多重化器 103からの光を合波することができる。また、波長多重化器 103に代えて波長多重化器 140を用いても良い。波長多重化器151として波長多重化器 140を用いることもできる。
[0121]
 波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源 150は波長多重化器を二段階のツリー状に接続したが、さらに段数の多いツリー状接続とすることもできる。
[0122]
[技術的特徴]
 以下、ここで説明した技術的特徴をまとめておく。
(図1の特徴について)
[技術的特徴1]複数の半導体レーザチップ、半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、結像光学系、及び、マルチモード光ファイバを備えたビーム結合型半導体レーザ光源において、
 さらに帯域通過型の誘電体多層膜フィルタと部分反射鏡を備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴2]技術的特徴1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 さらに、遅相軸シリンドリカルコリメータを備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴3]技術的特徴1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記結像光学系は進相軸シリンドリカル結像レンズと遅相軸シリンドリカルレンズからなることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図1、図4の特徴について)
[技術的特徴4]技術的特徴1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記誘電体多層膜フィルタの取り付け角度を変えることによって、異なる波長のレーザ発振を生じる製品ファミリーを構築したことを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図2の特徴について)
[技術的特徴5]技術的特徴1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記誘電体多層膜フィルタは二つの誘電体多層膜反射層にスペーサ層が挟まれた構造であり、スペーサ層の厚さはnλ/2であることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
 ただし、λは前記誘電体多層膜フィルタの透過波長であり、nは自然数である。
(図3の特徴について)
[技術的特徴6]技術的特徴5のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記スペーサ層の厚さを規定するnの値が2以上であることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図5の特徴について)
[技術的特徴7]複数の半導体レーザチップ、半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、結像レンズ、及び、マルチモード光ファイバを備えたビーム結合型半導体レーザ光源において、
 体積ブラッグ回折格子を備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図6の特徴について)
[技術的特徴8]2つのレーザビーム群を、偏光ビーム結合器を用いて合波するビーム結合型半導体レーザ光源において、
 各レーザビーム群は複数の半導体レーザチップ、半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、及び、マウントを備え、
 マウントの表面は平坦であり、
 半導体レーザチップから出射されるレーザ光の進相軸がマウント表面に対して水平になるように半導体レーザチップがマウントに対して配置されていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴9]技術的特徴8のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 さらに波長選択手段を備え、
 この波長選択手段はレーザビームが偏光結合された後の位置に設けられていることを特徴とするーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴10]技術的特徴9のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長選択手段は誘電体多層膜フィルタと部分反射鏡からなることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴11]技術的特徴9のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長選択手段は体積ブラッグ回折格子からなることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図7の特徴について)
[技術的特徴12]半導体レーザアレイチップ、進相軸方向シリンドリカルコリメータ、
光路変換素子、結像光学系、及び、マルチモード光ファイバを備えたビーム結合型半導体レーザ光源において、
 光路変換素子と結像光学系の間に波長選択手段を設けたことを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図8の特徴について)
[技術的特徴13]2つのレーザビーム群を、偏光ビーム結合器を用いて合波するビーム結合型半導体レーザ光源において、
各レーザビーム群は半導体レーザアレイチップ、進相軸方向シリンドリカルコリメータ、及び、光路変換素子を備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図9、図10の特徴について)
[技術的特徴14]2つのレーザビーム群を、偏光ビーム結合器を用いて合波するビーム結合型半導体レーザ光源において、
 各レーザビーム群は複数の半導体レーザチップ、半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、波長選択手段、及び、ひな壇状のマウントを備え、
 レーザビームが偏光結合された後の位置に誘電体多層膜フィルタと部分反射鏡が設けられていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
(図11の特徴について)
[技術的特徴15]複数の異なる波長のビーム結合型半導体レーザ光源、及び、波長多重化器を備えた波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
 ビーム結合型半導体レーザ光源は、複数のブロードエリア型の半導体レーザチップ、空間多重化器、波長ロック機構を備えていることを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴16]技術的特徴15の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長多重化器は誘電体多層膜フィルタを備えていることを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。
[技術的特徴17]技術的特徴15の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
出力レーザ光の横モードがマルチモードであることを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。
(図12の特徴について)
[技術的特徴18]技術的特徴16の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長多重化器は3つのレンズを備えたスリーポートデバイスを備えていることを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。
(図13の特徴について)
[技術的特徴19]技術的特徴16の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長多重化器は複数のキャビティを結合層によって結合した誘電体多層膜フィルタを備えていることを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。
(図14の特徴について)
[技術的特徴20]技術的特徴16の波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長多重化器は一つの透明基板と複数の誘電体多層膜フィルタを備え、誘電体多層膜フィルタは透明基板に貼り付けられており、誘電体多層膜フィルタによって反射された光が透明基板中を伝播することを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。
(図15の特徴について)
[技術的特徴21]技術的特徴15波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記波長多重化器は複数の波長多重化器をツリー状に接続して構築したものであることを特徴とする波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源。

符号の説明

[0123]
1…半導体レーザチップ1、2…FA方向シリンドリカルコリメータ、3…SA方向シリンドリカルコリメータ、4…誘電体多層膜フィルタ、5…部分反射鏡、6…FA方向結像レンズ、7…SA方向結像レンズ、8…マルチモード光ファイバ、9…光ファイバサポート、 10…ビーム結合型半導体レーザ光源、11…半導体レーザチップ1の端面、12…ストライプ、13…サブマウント、14…マウント、15…レーザ光、16…反射光、17…絶縁スペーサ、20…透明基板、23…スペーサ層、24、25…誘電体多層膜反射層、26…キャビティ、27…阻止帯、28…透過ピーク、29…シフトした透過ピーク、30…入射光、31…透過光、32…反射光、33…スペーサ層、34…キャビティ、35…透過ピーク、 40…ビーム結合型半導体レーザ光源、 50…ビーム結合型半導体レーザ光源、51…体積ブラッグ回折格子、 60…ビーム結合型半導体レーザ光源、61、62…レーザビーム群、63…1/2波長位相板(偏光変換器)、64…偏光ビーム結合器、 70ビーム結合型半導体レーザ光源、71…半導体レーザアレイチップ、72…FA方向シリンドリカルコリメータ、73…光路変換素子、74…サブマウント、75…絶縁スペーサ、 80…ビーム結合型半導体レーザ光源、81、82…レーザビーム群、88、89…反射鏡、ビーム結合型半導体レーザ光源… 90、91、92…レーザビーム群、93…サブマウント、94…絶縁スペーサ、95…ひな壇状のマウント、96、97、98…壇、 100長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源、 101、101a、101b、101c、101d…単一波長ビーム結合型半導体レーザ光源、102…マルチモード光ファイバ、103、103a、103b…波長多重化器、104…マルチモード光ファイバ、105…出力ポート、106…出力レーザ光、107…被加工物、108…ブロードエリア型の半導体レーザチップ、109…空間多重化器、110…波長ロック機構、111…偏光多重化器、 113、113a、113b、113c…スリーポートデバイス、114…光ファイバ(反射ポート)、115…光ファイバ(透過ポート)、116…光ファイバ(共通ポート)、117…誘電体多層膜フィルタ、118…共通レンズ、119…透過ポート側レンズ、120…波長λ2の光、121…波長λ1の光、122…合波光、 130…スリーポートデバイス、131…結合レンズ、133…結合層、134…透過ピーク、135…シフトした透過ピーク、 140…波長多重化器、141…透明基板、142…マルチモード光ファイバ、143…出力ポート、 150…波長多重化ビーム結合型半導体レーザ光源、151…波長多重化器、152、153、154…マルチモード光ファイバ。

請求の範囲

[請求項1]
 複数の半導体レーザチップ、前記複数の半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、結像光学系、及び、マルチモード光ファイバを備えたビーム結合型半導体レーザ光源において、
 さらに帯域通過型の誘電体多層膜フィルタと部分反射鏡を備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[請求項2]
 請求項1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 さらに、遅相軸シリンドリカルコリメータを備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[請求項3]
 請求項1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記結像光学系は進相軸シリンドリカル結像レンズと遅相軸シリンドリカル結像レンズからなることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[請求項4]
 請求項1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記誘電体多層膜フィルタの取り付け角度を変えることによって、異なる波長のレーザ発振を生じる製品ファミリーを構築したことを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[請求項5]
 請求項1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記誘電体多層膜フィルタは二つの誘電体多層膜反射層にスペーサ層が挟まれた構造であり、スペーサ層の厚さはnλ/2であることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
 ただし、λは前記誘電体多層膜フィルタの透過波長であり、nは自然数である。
[請求項6]
 請求項1のビーム結合型半導体レーザ光源において、
 前記スペーサ層の厚さを規定するnの値が2以上であることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。
[請求項7]
 複数の半導体レーザチップ、前記複数の半導体レーザチップに対応した進相軸方向シリンドリカルコリメータ、結像光学系、及び、マルチモード光ファイバを備えたビーム結合型半導体レーザ光源において、
 体積ブラッグ回折格子を備えていることを特徴とするビーム結合型半導体レーザ光源。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]