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1. (WO2017022701) 光学部材、及び、ナノインプリント用の重合性組成物
Document

明 細 書

発明の名称 光学部材、及び、ナノインプリント用の重合性組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182  

符号の説明

0183  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 光学部材、及び、ナノインプリント用の重合性組成物

技術分野

[0001]
本発明は、光学部材、及び、ナノインプリント用の重合性組成物に関する。より詳しくは、ナノメートルサイズの凹凸構造を有する光学部材、及び、上記光学部材の材料として好適に用いられるナノインプリント用の重合性組成物に関するものである。

背景技術

[0002]
反射防止性を有する光学部材は、種々検討されている(例えば、特許文献1~3参照)。特に、ナノメートルサイズの凹凸構造(ナノ構造)を有する光学部材は、優れた反射防止性を有することが知られている(例えば、特許文献4~8参照)。このような凹凸構造によれば、空気層から基材にかけて屈折率が連続的に変化するために、反射光を劇的に減少させることができる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2007-291372号公報
特許文献2 : 特開2014-102320号公報
特許文献3 : 特開2014-95740号公報
特許文献4 : 国際公開第2013/005769号
特許文献5 : 特許第5573836号明細書
特許文献6 : 特開2013-39711号公報
特許文献7 : 特開2013-252689号公報
特許文献8 : 特開2007-84625号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
このような光学部材としては、例えば、基材上に反射防止性を有する重合体層が配置される構成が挙げられる。基材としては、優れた光学特性(例えば、透明性)を有する観点から、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)を含む基材が用いられる。しかしながら、本発明者らが検討したところ、トリアセチルセルロースを含む基材が用いられる場合、その極性が高いため、他の種類の基材(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む基材、メチルメタクリレート(MMA)を含む基材等)が用いられる場合と比較して、重合体層との密着性が低い問題があることが分かった。そのため、トリアセチルセルロースを含む基材の表面にプライマー処理を施すことによって、極性を低下させ、重合体層との密着性を高めることが考えられた。
[0005]
しかしながら、プライマー処理を施すと、製造コストが高くなるだけではなく、環境面での負荷がかかってしまう問題があることが分かった。また、トリアセチルセルロースを含む基材は吸湿性が高く、プライマー処理が施されていない状態では、吸湿性がより高いことが分かった。特に、高湿下では顕著に吸湿しやすいため、重合体層との密着性が低下しやすい問題があることが分かった。
[0006]
以上のように、トリアセチルセルロースを含む基材を有する従来の光学部材に対しては、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材と重合体層との密着性の低下を、プライマー処理を施すことなく抑制するという課題があった。しかしながら、上記課題を解決する手段は見出されていなかった。
[0007]
例えば、上記特許文献4には、トリアセチルセルロースを含む基材と微細凹凸構造を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物とが密着している、と記載されているが、吸湿による密着性の低下に関する記載はなく、上記課題を解決するものではなかった。また、上記特許文献1~3、5~8に記載の発明も同様に、上記課題を解決するものではなかった。
[0008]
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材と重合体層との密着性の低下が抑制された光学部材を提供することを目的とするものである。また、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材との密着性の低下を抑制する重合体層を構成するナノインプリント用の重合性組成物を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0009]
本発明者らは、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材と重合体層との密着性の低下が抑制された光学部材について種々検討したところ、重合体層を構成する重合性組成物が、多官能アクリレートとともに、トリアセチルセルロースとの結合力が強い成分、及び、吸湿性を低下させる成分を含有する構成に着目した。そして、3級アミド基を有する単官能モノマーによれば、トリアセチルセルロースとの結合力が強まることが分かった。また、反応性基を有するフッ素含有化合物によれば、吸湿性が低下することが分かった。その結果、重合性組成物が、多官能アクリレート、単官能モノマー、及び、フッ素含有化合物を所定の割合で含有することで、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材と重合体層との密着性の低下が抑制されることを見出した。以上により、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
[0010]
すなわち、本発明の一態様は、基材と、上記基材と直に接する、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備え、上記基材の少なくとも上記重合体層側の表面には、トリアセチルセルロースが存在し、上記重合体層は、活性エネルギー線の照射によって重合する重合性組成物から形成されるものであり、上記重合性組成物は、多官能アクリレートを30重量部以上、75重量部以下、3級アミド基を有する単官能モノマーを25重量部以上、60重量部以下、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物を0.1重量部以上、10重量部以下含有する光学部材であってもよい。
[0011]
本発明の別の一態様は、多官能アクリレートを30重量部以上、75重量部以下、3級アミド基を有する単官能モノマーを25重量部以上、60重量部以下、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物を0.1重量部以上、10重量部以下含有し、活性エネルギー線の照射によって重合するナノインプリント用の重合性組成物であってもよい。

発明の効果

[0012]
本発明によれば、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材と重合体層との密着性の低下が抑制された光学部材を提供することができる。また、吸湿による、トリアセチルセルロースを含む基材との密着性の低下を抑制する重合体層を構成するナノインプリント用の重合性組成物を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 実施形態の光学部材を示す断面模式図である。
[図2] 実施形態の光学部材の製造プロセスを説明するための断面模式図である(工程a~d)。

発明を実施するための形態

[0014]
以下に実施形態を掲げ、本発明について図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。また、実施形態の各構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
[0015]
[実施形態]
図1は、実施形態の光学部材を示す断面模式図である。図1に示すように、光学部材1は、基材2と、基材2と直に接する重合体層3とを備えている。重合体層3は、複数の凸部(突起)4が可視光の波長以下のピッチ(隣接する凸部4の頂点間の距離)Pで設けられる凹凸構造を表面に有している。よって、光学部材1は、モスアイ構造(蛾の目状の構造)を有する反射防止部材に相当する。これにより、光学部材1は、モスアイ構造による優れた反射防止性(低反射性)を示すことができる。
[0016]
基材2の少なくとも重合体層3側の表面には、トリアセチルセルロース(TAC)が存在する。本明細書中、トリアセチルセルロースは、酢化度が58%以上である酢酸セルロースを指し、好ましくは、酢化度が61%以上である酢酸セルロースを指す。基材2の重合体層3側の表面には、表面処理が施されていなくてもよく、トリアセチルセルロースの化学構造を変化させないものであれば、洗浄処理等の表面処理が施されていてもよい。一方、基材2の重合体層3側の表面には、トリアセチルセルロースの化学構造を変化させる、鹸化処理等の表面処理は施されていない。基材2に、トリアセチルセルロースの化学構造を変化させる表面処理が施されたか否かについては、例えば、下記の方法で検証することができる。まず、表面上に重合体層3が配置される前の基材2を準備したり、光学部材1に対して重合体層3を物理的な方法で除去したりすることによって、基材2の表面を露出させる。そして、基材2の表面、及び、別に準備した表面処理が施されていないトリアセチルセルロースを含む基材の表面に対して、ATR法(全反射測定法)を用いたFT-IR測定を行い、両者の吸収スペクトルを比較することによって検証することができる。また、基材2と重合体層3とは直に接しているため、基材2の重合体層3側の表面に、表面処理による層(例えば、プライマー処理によるプライマー層)が形成されていることもない。基材2は、トリアセチルセルロースのみで構成されていてもよく、基材2の重合体層3側の表面に存在するトリアセチルセルロースの化学構造が変化しなければ、トリアセチルセルロース以外に、可塑剤等の添加剤を適宜含んでいてもよい。
[0017]
基材2の形状は特に限定されず、例えば、フィルム状、シート状等が挙げられる。光学部材1をフィルム状にする場合は、フィルム状の基材2を用いればよく、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)が好適に用いられる。また、基材2が偏光板の一部を構成する形態が好ましい。
[0018]
基材2の厚みは特に限定されないが、透明性及び加工性を確保する観点から、50μm以上、100μm以下であることが好ましい。
[0019]
重合体層3は、活性エネルギー線の照射によって重合する重合性組成物(後述する図2中の重合性組成物5)から形成されるものである。本明細書中、活性エネルギー線は、紫外線、可視光線、赤外線、プラズマ等を指す。重合性組成物は、紫外線によって重合するものであることが好ましい。
[0020]
重合性組成物は、多官能アクリレートを30重量部以上、75重量部以下、3級アミド基を有する単官能モノマー(以下、単に、単官能モノマーとも言う。)を25重量部以上、60重量部以下、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物(以下、単に、フッ素含有化合物とも言う。)を0.1重量部以上、10重量部以下含有する。このような構成によれば、吸湿による、基材2との密着性の低下を抑制する重合体層3を構成するナノインプリント用の重合性組成物が得られる。その結果、吸湿による、基材2と重合体層3との密着性の低下が抑制された光学部材1が得られる。
[0021]
多官能アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化(4モル付加物)ビスフェノールAジアクリレート等が挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:A-TMM-3LM-N)等が挙げられる。エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:ATM-35E)等が挙げられる。1,6-ヘキサンジオールジアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:A-HD-N)等が挙げられる。トリプロピレングリコールジアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:APG-200)等が挙げられる。エトキシ化(4モル付加物)ビスフェノールAジアクリレートのうち公知のものとしては、例えば、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:A-BPE-4)等が挙げられる。多官能アクリレートは、1種類の多官能アクリレートのみで構成されていてもよく、複数種類の多官能アクリレートの組み合わせで構成されていてもよい。
[0022]
多官能アクリレートの含有量は、30重量部以上、75重量部以下である。多官能アクリレートの含有量が30重量部未満である場合、単官能モノマー及びフッ素含有化合物の含有量が相対的に多くなり過ぎてしまう。その結果、重合体層3の極性が高くなり過ぎたり、重合体層3の基材2側の表面において、フッ素原子の量の増加によって3級アミド基の量が相対的に少なくなったりしてしまうため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下してしまう。多官能アクリレートの含有量が75重量部よりも多い場合、単官能モノマー及びフッ素含有化合物の含有量が相対的に少なくなり過ぎてしまう。その結果、重合体層3中の3級アミド基の量が少なくなり過ぎたり、重合体層3中のフッ素原子の量が少なくなり過ぎて、吸湿性が高まったりしてしまうため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下してしまう。多官能アクリレートが複数種類の多官能アクリレートの組み合わせで構成される場合、各多官能アクリレートの含有量の合計を、多官能アクリレートの含有量と定義する。
[0023]
単官能モノマーは、3級アミド基を有する。3級アミド基は、水素結合力が強いため、基材2の重合体層3側の表面に存在するトリアセチルセルロースの水酸基、エステル構造、及び、エーテル構造と強く結合する。よって、3級アミド基を有する単官能モノマーによれば、基材2との密着性が高い重合体層3を構成するナノインプリント用の重合性組成物が得られる。その結果、基材2と重合体層3との密着性が高い光学部材1が得られる。一方、1級アミド基及び2級アミド基は、極性が高く結合力が小さいため、3級アミド基と比較して、基材2との密着性が低い。
[0024]
3級アミド基を有する単官能モノマーとしては、例えば、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N-メトキシ-N-メチル-3-フェニル-アクリルアミド等が挙げられる。N-アクリロイルモルホリンのうち公知のものとしては、例えば、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO(登録商標))等が挙げられる。N,N-ジメチルアクリルアミドのうち公知のものとしては、例えば、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:DMAA(登録商標))等が挙げられる。N,N-ジエチルアクリルアミドのうち公知のものとしては、例えば、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:DEAA(登録商標))等が挙げられる。N,N-ジメチルメタクリルアミドのうち公知のものとしては、例えば、東京化成工業社製の単官能モノマー(製品コード:D0745)等が挙げられる。N-メトキシ-N-メチル-3-フェニル-アクリルアミドのうち公知のものとしては、例えば、シグマアルドリッチ社製の単官能モノマー(N-メトキシ-N-メチル-3-フェニル-アクリルアミド)等が挙げられる。単官能モノマーは、1種類の単官能モノマーのみで構成されていてもよく、複数種類の単官能モノマーの組み合わせで構成されていてもよい。単官能モノマーは、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、及び、N,N-ジエチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。
[0025]
3級アミド基を有する単官能モノマーの含有量は、25重量部以上、60重量部以下である。単官能モノマーの含有量が25重量部未満である場合、重合体層3中の3級アミド基の量が少なくなり過ぎてしまうため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下してしまう。単官能モノマーの含有量が60重量部よりも多い場合、重合体層3の極性が高くなり過ぎてしまうため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下してしまう。吸湿による、基材2と重合体層3との密着性の低下を充分に抑制する観点から、単官能モノマーの含有量は、30重量部以上、55重量部以下であることが好ましく、35重量部以上、50重量部以下であることがより好ましい。単官能モノマーが複数種類の単官能モノマーの組み合わせで構成される場合、各単官能モノマーの含有量の合計を、単官能モノマーの含有量と定義する。
[0026]
フッ素含有化合物は、反応性基を有する。フッ素含有化合物は、構成成分としてフッ素含有モノマーを含有する。フッ素含有化合物は、更に、アクリレートモノマー等の他のモノマー成分を含有していてもよい。本明細書中、反応性基は、光、熱等の外部エネルギーによって他の成分と反応する部位を指す。このような反応性基としては、例えば、アルコキシシリル基、シリルエーテル基、アルコキシシリル基が加水分解されたシラノール基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等が挙げられる。反応性基としては、反応性及び取り扱い性の観点から、アルコキシシリル基、シリルエーテル基、シラノール基、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、又は、メタクリロイル基が好ましく、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、又は、メタクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基、又は、メタクリロイル基が更に好ましい。
[0027]
反応性基を有するフッ素含有化合物によれば、フッ素原子が、重合体層3の基材2とは反対側の表面に配向し、かつ、固定されるため、吸湿性を低下させることができる。その結果、吸湿による、基材2と重合体層3との密着性の低下を抑制することができる。更に、重合性組成物がフッ素含有化合物を含有することで、単官能モノマーの含有量を多くして、極性が高くなり過ぎてしまっても、吸湿による、基材2と重合体層3との密着性の低下を抑制することができる。
[0028]
また、反応性基を有するフッ素含有化合物によれば、重合体層3の表面エネルギーを低くすることができ、モスアイ構造と組み合わせることで、撥水性に優れた光学部材1が得られる。その結果、親水性の汚れに対する防汚性に優れた光学部材1が得られる。撥水性の度合いを示す指標としては、水の接触角がよく用いられる。水の接触角が大きいほど、撥水性がより高いことを示す。撥水性が充分に高い光学部材1を得る観点からは、重合体層3の基材2とは反対側の表面(凹凸構造の表面)に対する水の接触角は、60°以上であることが好ましい。
[0029]
フッ素含有化合物は、反応性基に加えて、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選択される少なくとも1つを含む部位を有することが好ましい。フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基は、各々、アルキル基、オキシアルキル基、アルケニル基、アルカンジイル基、及び、オキシアルカンジイル基が有する水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された置換基である。フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基は、いずれも主にフッ素原子及び炭素原子から構成される置換基であり、その構造中に分岐部が存在していてもよく、これらの置換基は複数連結していてもよい。
[0030]
フッ素含有化合物の構成成分であるフッ素含有モノマーの一例としては、下記一般式(A)で表される。
f1-R -D  (A)
上記一般式(A)中、R f1は、フルオロアルキル基、フルオロオキシアルキル基、フルオロアルケニル基、フルオロアルカンジイル基、及び、フルオロオキシアルカンジイル基からなる群より選択される少なくとも1つを含む部位を表す。R は、アルカンジイル基、アルカントリイル基、又は、それらから導出されるエステル構造、ウレタン構造、エーテル構造、トリアジン構造を表す。D は、反応性基を表す。
[0031]
上記一般式(A)で表されるフッ素含有モノマーとしては、例えば、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフロオロプロピルアクリレート、2-パーフルオロブチルエチルアクリレート、3-パーフルオロブチル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3-パーフルオロヘキシル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3-パーフルオロオクチル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-パーフルオロデシルエチルアクリレート、2-パーフルオロ-3-メチルブチルエチルアクリレート、3-パーフルオロ-3-メトキシブチル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-パーフルオロ-5-メチルヘキシルエチルアクリレート、3-パーフルオロ-5-メチルヘキシル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-パーフルオロ-7-メチルオクチル-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2-パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3-パーフルオロブチル-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3-パーフルオロオクチル-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2-パーフルオロ-3-メチルブチルエチルメタクリレート、3-パーフルオロ-3-メチルブチル-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-パーフルオロ-5-メチルヘキシルエチルメタクリレート、3-パーフルオロ-5-メチルヘキシル-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-パーフルオロ-7-メチルオクチルエチルメタクリレート、3-パーフルオロ-7-メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1-トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、トリアクリロイル-ヘプタデカフルオロノネニル-ペンタエリスリトール等が挙げられる。
[0032]
また、フッ素含有モノマーの好適な材料としては、例えば、フルオロポリエーテル部位を有する材料が挙げられる。フルオロポリエーテル部位は、フルオロアルキル基、オキシフルオロアルキル基、オキシフルオロアルキルジイル基等からなる部位であり、下記一般式(B)又は(C)に代表される構造である。
CF n1(3-n1)-(CF n2(2-n2)O-(CF n3(2-n3)O- (B)
-(CF n4(2-n4)O-(CF n5(2-n5)O- (C)
上記一般式(B)及び(C)中、n1は1~3の整数であり、n2~n5は1又は2であり、k、m、p、及び、sは0以上の整数である。n1~n5の好ましい組み合わせとしては、n1が2又は3、n2~n5が1又は2である組み合わせであり、より好ましい組み合わせとしては、n1が3、n2及びn4が2、n3及びn5が1又は2である組み合わせである。
[0033]
フルオロポリエーテル部位に含まれる炭素数は、4以上、12以下であることが好ましく、4以上、10以下であることがより好ましく、6以上、8以下であることが更に好ましい。炭素数が4未満である場合、表面エネルギーが低下する懸念がある。炭素数が12よりも多い場合、溶媒への溶解性が低下する懸念がある。なお、フッ素含有モノマーは、1分子当たりに複数のフルオロポリエーテル部位を有していてもよい。
[0034]
反応性基を有するフッ素含有化合物のうち公知のものとしては、例えば、ダイキン工業社製のフッ素系添加剤(製品名:オプツール(登録商標)DAC-HP)、旭硝子社製のフッ素系添加剤(製品名:Afluid)、DIC社製のフッ素系添加剤(製品名:メガファック(登録商標)RS-76-NS)、DIC社製のフッ素系添加剤(製品名:メガファックRS-90)、ネオス社製のフッ素系添加剤(製品名:フタージェント(登録商標)601AD)、油脂製品社製のフッ素系添加剤(製品名:C10GACRY)、油脂製品社製のフッ素系添加剤(製品名:C8HGOL)等が挙げられる。フッ素含有化合物は、紫外線によって重合するものであることが好ましく、-OCF -鎖及び/又は=NCO-鎖を有することが好ましい。フッ素含有化合物は、1種類のフッ素含有化合物のみで構成されていてもよく、複数種類のフッ素含有化合物の組み合わせで構成されていてもよい。
[0035]
反応性基を有するフッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、20重量%以上、50重量%以下であることが好ましく、25重量%以上、45重量%以下であることがより好ましく、30重量%以上、40重量%以下であることが更に好ましい。フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度が20重量%未満である場合、フッ素原子の量が少なく、フッ素原子が重合体層3の基材2とは反対側の表面に配向しにくくなるため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下する懸念がある。フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度が50重量%よりも高い場合、フッ素含有化合物の極性が低くなり過ぎてしまい、重合性組成物中における単官能モノマーとの相溶性が悪化し、フッ素原子の分布が不均一になる懸念がある。その結果、フッ素原子が重合体層3の基材2とは反対側の表面に配向しにくくなるため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下する懸念がある。
[0036]
反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量は、0.1重量部以上、10重量部以下である。フッ素含有化合物の含有量が0.1重量部未満である場合、重合体層3中のフッ素原子の量が少なくなり過ぎて、吸湿性が高まってしまうため、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下してしまう。フッ素含有化合物の含有量が10重量部よりも多い場合、重合体層3中のフッ素原子の量が多くなり過ぎてしまい、その結果、フッ素原子が、重合体層3の基材2とは反対側の表面だけではなく、重合体層3の基材2側の表面にも多く配向してしまう。そのため、重合体層3の基材2側の表面において、3級アミド基の量が相対的に少なくなってしまい、吸湿によって、基材2と重合体層3との密着性が低下してしまう。吸湿による、基材2と重合体層3との密着性の低下を充分に抑制する観点から、フッ素含有化合物の含有量は、0.3重量部以上、8重量部以下であることが好ましく、0.5重量部以上、5重量部以下であることがより好ましい。フッ素含有化合物が複数種類のフッ素含有化合物の組み合わせで構成される場合、各フッ素含有化合物の含有量の合計を、フッ素含有化合物の含有量と定義する。
[0037]
重合性組成物は、上述した多官能アクリレート、単官能モノマー、及び、フッ素含有化合物以外に、重合開始剤等の添加剤を適宜含んでいてもよい。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤は、活性エネルギー線に対して活性であり、モノマーを重合する重合反応を開始させるために添加される化合物である。光重合開始剤としては、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等を用いることができる。このような光重合開始剤としては、例えば、p-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4,4’-ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類、等が挙げられる。光重合開始剤のうち公知のものとしては、BASF社製の光重合開始剤(製品名:IRGACURE(登録商標)819)、BASF社製の光重合開始剤(製品名:LUCIRIN(登録商標) TPO)等が挙げられる。
[0038]
重合性組成物は、溶剤を含有しないことが好ましい。すなわち、重合性組成物は、無溶剤系であることが好ましい。重合性組成物が無溶剤系である場合、溶剤の使用に係るコスト、及び、環境面での負荷(使用時の臭気等)を低減することができる。更に、溶剤を乾燥させて除去するための装置が不要であり、装置コストを抑えることができる。一方、重合性組成物が溶剤を含有する場合、フッ素含有化合物が混ざり過ぎてしまい、フッ素原子が重合体層3の基材2とは反対側の表面に配向しにくくなる懸念がある。また、溶剤の乾燥が不充分である場合、基材2と重合体層3との密着性が低下する懸念がある。
[0039]
重合体層3の厚みは特に限定されないが、フッ素原子を重合体層3の基材2とは反対側の表面に高濃度で配向させる観点から、重合体層3の厚みは薄いことが好ましい。具体的には、5.0μm以上、20.0μm以下であることが好ましい。本明細書中、重合体層の厚みは、基材側の表面から凸部の頂点までの距離を指す。
[0040]
重合体層3の表面に設けられる凸部4の形状は特に限定されず、例えば、柱状の下部と半球状の上部とによって構成される形状(釣鐘状)、錐体状(コーン状、円錐状)等の、先端に向かって細くなる形状(テーパー形状)が挙げられる。また、凸部4は、枝突起を有する形状であってもよい。枝突起とは、モスアイ構造を形成する金型を作製するための陽極酸化及びエッチングを行う過程で形成されてしまった、間隔が不規則な部分に対応する凸部を示す。図1中、凸部4の間隙の底辺は傾斜した形状となっているが、傾斜せずに水平な形状であってもよい。
[0041]
凸部4のピッチPは、可視光の波長(780nm)以下であれば特に限定されないが、モアレ、虹ムラ等の光学現象を充分に防止する観点からは、100nm以上、400nm以下であることが好ましく、100nm以上、200nm以下であることがより好ましい。本明細書中、凸部のピッチは、測定機として日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡(製品名:S-4700)を用い、撮影された平面写真から読み取った、1μm角の領域内における、枝突起を除くすべての隣接する凸部間の距離の平均値を示す。なお、凸部のピッチの測定は、メイワフォーシス社製のオスミウムコーター(製品名:Neoc-ST)を用いて、凹凸構造上に、和光純薬工業社製の酸化オスミウムVIII(厚み:5nm)を塗布した状態で行った。
[0042]
凸部4の高さは特に限定されないが、後述する凸部4の好適なアスペクト比と両立させる観点から、50nm以上、600nm以下であることが好ましく、100nm以上、300nm以下であることがより好ましい。本明細書中、凸部の高さは、測定機として日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡(製品名:S-4700)を用い、撮影された断面写真から読み取った、枝突起を除く連続して並んだ10個の凸部の高さの平均値を示す。ただし、10個の凸部を選択する際は、欠損や変形した部分(試料を準備する際に変形させてしまった部分等)がある凸部を除くものとする。試料としては、光学部材の特異的な欠陥がない領域でサンプリングされたものが用いられ、例えば、光学部材が連続的に製造されるロール状である場合、その中央付近でサンプリングされたものを用いる。なお、凸部の高さの測定は、メイワフォーシス社製のオスミウムコーター(製品名:Neoc-ST)を用いて、凹凸構造上に、和光純薬工業社製の酸化オスミウムVIII(厚み:5nm)を塗布した状態で行った。
[0043]
凸部4のアスペクト比は特に限定されないが、0.8以上、1.5以下であることが好ましい。凸部4のアスペクト比が1.5以下である場合、モスアイ構造の加工性が充分に高まり、スティッキングが発生したり、モスアイ構造を形成する際の転写具合が悪化したりする(金型が詰まったり、巻き付いてしまう、等)懸念が低くなる。凸部4のアスペクト比が0.8以上である場合、モアレ、虹ムラ等の光学現象を充分に防止し、良好な反射特性を実現することができる。本明細書中、凸部のアスペクト比は、測定機として日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡(製品名:S-4700)を用い、上述したような方法で測定された凸部のピッチと高さとの比(高さ/ピッチ)で示す。
[0044]
凸部4の配置は特に限定されず、ランダムに配置されていても、規則的に配置されていてもよい。モアレの発生を充分に防止する観点からは、ランダムに配置されていることが好ましい。
[0045]
以上より、実施形態の光学部材によれば、重合体層3を構成する重合性組成物が、多官能アクリレートを30重量部以上、75重量部以下、3級アミド基を有する単官能モノマーを25重量部以上、60重量部以下、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物を0.1重量部以上、10重量部以下含有するため、吸湿による、基材2と重合体層3との密着性の低下が抑制された光学部材1が得られる。また、反応性基を有するフッ素含有化合物を含有することで、重合体層3の表面エネルギーを低くすることができ、撥水性に優れた光学部材1が得られる。更に、重合体層3は、複数の凸部4が可視光の波長以下のピッチPで設けられる凹凸構造を表面に有しているため、反射防止性に優れた光学部材1が得られる。
[0046]
次に、実施形態の光学部材の製造プロセスについて、図2を参照して例示する。図2は、実施形態の光学部材の製造プロセスを説明するための断面模式図である(工程a~d)。
[0047]
(a)重合性組成物の塗布
まず、図2(a)に示すように、重合性組成物5を基材2上に塗布する。その結果、重合性組成物5は、基材2と直に接するように形成される。重合性組成物5の塗布方法としては特に限定されず、例えば、スプレー方式、グラビア方式、スロットダイ方式等で塗布する方法が挙げられる。
[0048]
(b)凹凸構造の形成
図2(b)に示すように、塗布された重合性組成物5に、金型6を基材2とは反対側から押し付けて貼り合わせ、重合性組成物5の基材2とは反対側の表面に凹凸構造を形成する。
[0049]
(c)重合性組成物の硬化
凹凸構造が形成された重合性組成物5に、活性エネルギー線を照射して硬化させる(重合させる)。その結果、図2(c)に示すような重合体層3が形成される。活性エネルギー線の照射は、基材2側から行ってもよく、重合性組成物5側から行ってもよい。また、重合性組成物5に対する活性エネルギー線の照射回数は特に限定されず、1回のみであってもよいし、複数回であってもよい。
[0050]
(d)金型の剥離
金型6を重合体層3から剥離する。その結果、図2(d)に示すような光学部材1が完成する。重合体層3の表面に形成された凹凸構造は、複数の凸部4が可視光の波長以下のピッチPで設けられる構造、すなわち、モスアイ構造に相当する。
[0051]
金型6としては、例えば、下記の方法で作製されるものを用いることができる。まず、金型6の材料となるアルミニウムを、支持基板上にスパッタリング法によって成膜する。次に、成膜されたアルミニウムの層に対して、陽極酸化及びエッチングを交互に繰り返すことによって、モスアイ構造の雌型(金型6)を作製することができる。この際、陽極酸化を行う時間、及び、エッチングを行う時間を調整することによって、金型6の凹凸構造を変化させることができる。
[0052]
支持基板の材料は特に限定されず、例えば、ガラス;ステンレス、ニッケル等の金属材料;ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系高分子(代表的には、ノルボルネン系樹脂等である、日本ゼオン社製の高分子(製品名:ゼオノア(登録商標))、JSR社製の高分子(製品名:アートン(登録商標)))等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等の樹脂材料、等が挙げられる。また、支持基板上にアルミニウムを成膜したものの代わりに、アルミニウム製の基板を用いてもよい。
[0053]
金型6の形状は特に限定されず、例えば、平板状、ロール状等が挙げられる。
[0054]
金型6には、離型剤によって表面処理が施されていることが好ましい。すなわち、金型6には、離型処理が施されていることが好ましい。金型6に離型処理を施すことによって、上記工程(d)において、金型6を重合体層3から容易に剥離することができる。また、金型6の表面エネルギーを低くすることができ、上記工程(b)において、金型6を重合性組成物5に押し付ける際に、フッ素原子を重合性組成物5の基材2とは反対側の表面に好適に配向させることができる。更に、重合性組成物5を硬化する前に、フッ素原子が重合性組成物5の基材2とは反対側の表面から離れてしまうことを好適に防止することができる。その結果、光学部材1において、フッ素原子を重合体層3の基材2とは反対側の表面に好適に配向させることができる。
[0055]
離型剤としては、例えば、フッ素系、シリコン系、リン酸エステル系等の離型剤が挙げられるが、フッ素系の離型剤が好適である。フッ素系の離型剤を用いれば、重合性組成物5中のフッ素含有化合物との相互作用が強くなり、フッ素原子を重合性組成物5の基材2とは反対側の表面により好適に配向させることができる。フッ素系離型剤のうち公知のものとしては、例えば、ダイキン工業社製のフッ素系離型剤(製品名:オプツールAES4)等が挙げられる。
[0056]
上述した製造プロセスにおいて、例えば、基材2をロール状にすれば、上記工程(a)~(d)を連続的に効率良く行うことができる。
[0057]
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[0058]
(実施例1)
実施例1の光学部材を、以下の製造プロセスによって作製した。
[0059]
(a)重合性組成物の塗布
まず、重合性組成物5を基材2上に、第一理化社製のバーコーター(製品名:No.05)で塗布した。その結果、重合性組成物5は、基材2と直に接するように形成された。
[0060]
基材2としては、富士フイルム社製のトリアセチルセルロースフィルム(製品名:TAC-TD80U)を用いた。基材2の厚みは、80μmであった。
[0061]
重合性組成物5としては、以下に示すような、多官能アクリレート、単官能モノマー、フッ素含有化合物、及び、重合開始剤の混合物を用いた。なお、各材料に付した数値は、各材料の含有量を示す。重合性組成物5は、無溶剤系であった。
[0062]
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:38.4重量部
ペンタエリスリトールトリアクリレートとしては、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:A-TMM-3LM-N)を用いた。
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:25.6重量部
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレートとしては、新中村化学工業社製の多官能アクリレート(製品名:ATM-35E)を用いた。
[0063]
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:34重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
[0064]
<フッ素含有化合物>
以下の方法で作製したものを用いた。まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:50重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:40重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:10重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0065]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI(登録商標))を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0066]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0067]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3500であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は37重量%であった。ここで、フッ素含有化合物の重量平均分子量、及び、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、以下の方法で測定した。なお、これらの測定は、上述した加熱処理前後の重量を測定した上で行った。
[0068]
(フッ素含有化合物の重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、フッ素含有化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量を算出した。使用装置及び条件は、下記の通りとした。分子量較正曲線は、標準ポリスチレンを用いて作成した。
使用装置:昭和電工社製のクロマトグラフィー(製品名:SHODEX GPC SYSTEM-11)
カラム:東ソー社製のカラム(製品名:TSKgelαMXL)3本
測定温度:40℃
試料溶液:熱分解性極性基を有する顔料表面処理剤の0.10%ジメチルホルムアミド溶液
注入量:100ml
検出器:屈折率検出器
[0069]
(フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度)
フッ素含有化合物の溶液100重量部に、BASF社製の光重合開始剤(製品名:LUCIRIN TPO)0.5重量部を添加し、撹拌することによって溶解させた。次に、得られた溶液を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の円筒枠(直径:30mm、厚み:1mm)に流し込んだ後、紫外線(照射量:1J/cm )を照射して円筒形の硬化物フィルムを作製した。その後、リガク社製の走査型蛍光X線分析装置(製品名:ZSX Primus)を用いて、加速電圧50kV、電流60mAの条件下で、上述した硬化物フィルム(フッ素含有化合物の濃度:50%)中のフッ素原子の強度を測定することによって、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度を決定した。
[0070]
<重合開始剤>
・光重合開始剤:0.5重量部
光重合開始剤としては、BASF社製の光重合開始剤(製品名:LUCIRIN TPO)を用いた。
[0071]
(b)凹凸構造の形成
塗布された重合性組成物5に、金型6を基材2とは反対側から気泡が入らないように押し付けて貼り合わせ、重合性組成物5の基材2とは反対側の表面に凹凸構造を形成した。
[0072]
金型6としては、下記の方法で作製したものを用いた。まず、金型6の材料となるアルミニウムを、10cm角のガラス基板上にスパッタリング法によって成膜した。成膜されたアルミニウムの層の厚みは、1.0μmであった。次に、成膜されたアルミニウムの層に対して、陽極酸化及びエッチングを交互に繰り返すことによって、多数の微小な穴(凹部)(隣り合う穴の底点間の距離が可視光の波長以下)が設けられた陽極酸化層を形成した。具体的には、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、陽極酸化、エッチング、及び、陽極酸化を順に行う(陽極酸化:5回、エッチング:4回)ことによって、アルミニウムの内部に向かって細くなる形状(テーパー形状)を有する微小な穴(凹部)を多数形成し、その結果、凹凸構造を有する金型6が得られた。陽極酸化は、シュウ酸(濃度:0.03重量%)を用いて、液温5℃、印加電圧80Vの条件下で行った。1回の陽極酸化を行う時間は、25秒とした。エッチングは、リン酸(濃度:1mol/l)を用いて、液温30℃の条件下で行った。1回のエッチングを行う時間は、25分とした。金型6を走査型電子顕微鏡で観察したところ、凸部の高さは290nmであった。なお、金型6には、ダイキン工業社製のフッ素系離型剤(製品名:オプツールAES4)によって事前に離型処理を施した。
[0073]
(c)重合性組成物の硬化
凹凸構造が形成された重合性組成物5に、基材2側から紫外線(照射量:1J/cm )を照射して硬化させた(重合させた)。その結果、重合体層3が形成された。重合体層3の厚みは、11.0μmであった。
[0074]
(d)金型の剥離
金型6を重合体層3から剥離した。その結果、光学部材1が完成した。光学部材1の表面仕様は、以下の通りであった。
凸部4の形状:釣鐘状
凸部4のピッチP:200nm
凸部4の高さ:200nm
凸部4のアスペクト比:1
[0075]
(実施例2)
単官能モノマーの種類を、N,N-ジメチルアクリルアミドに変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。N,N-ジメチルアクリルアミドとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:DMAA)を用いた。重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN,N-ジメチルアクリルアミド34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0076]
(実施例3)
単官能モノマーの種類を、N,N-ジエチルアクリルアミドに変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。N,N-ジエチルアクリルアミドとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:DEAA)を用いた。重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN,N-ジエチルアクリルアミド34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0077]
(実施例4)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:43.8重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:29.2重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:25重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で26重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン25重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0078]
(実施例5)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:41.4重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:27.6重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:29重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で30重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン29重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0079]
(実施例6)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:24.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:16.0重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:58重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で59重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン58重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0080]
(実施例7)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:27.6重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:18.4重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:52重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で53重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン52重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0081]
(実施例8)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:38.9重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:26.0重量部
<フッ素含有化合物>:0.1重量部
本実施例では、フッ素含有化合物0.1重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を1.1重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を0.1重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0082]
(実施例9)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:33.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:22.0重量部
<フッ素含有化合物>:10重量部
本実施例では、フッ素含有化合物10重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を11重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を10重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0083]
(実施例10)
フッ素含有化合物として、DIC社製のフッ素系添加剤(製品名:メガファックRS-90)を1重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は47重量%であった。重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0084]
(実施例11)
フッ素含有化合物として、ネオス社製のフッ素系添加剤(製品名:フタージェント601AD)を1重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は21重量%であった。重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0085]
(実施例12)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:44.4重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:29.6重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:24重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で25重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン24重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0086]
(実施例13)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:23.4重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:15.6重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:59重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で60重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン59重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0087]
(実施例14)
多官能アクリレートの含有量、単官能モノマーの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:18.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:12.0重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:59重量部
<フッ素含有化合物>:10重量部
本実施例では、フッ素含有化合物10重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を11重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を10重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で60重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン59重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0088]
(実施例15)
多官能アクリレートの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:45.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:30.0重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0089]
(実施例16)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:26.4重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:17.6重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:54重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で55重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン54重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0090]
(実施例17)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:29.4重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:19.6重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:49重量部
重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で50重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン49重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0091]
(実施例18)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:38.8重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:25.9重量部
<フッ素含有化合物>:0.3重量部
本実施例では、フッ素含有化合物0.3重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を1.3重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を0.3重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0092]
(実施例19)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:34.2重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:22.8重量部
<フッ素含有化合物>:8重量部
本実施例では、フッ素含有化合物8重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を9重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を8重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0093]
(実施例20)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:38.7重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:25.8重量部
<フッ素含有化合物>:0.5重量部
本実施例では、フッ素含有化合物0.5重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を1.5重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を0.5重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0094]
(実施例21)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:36.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:24.0重量部
<フッ素含有化合物>:5重量部
本実施例では、フッ素含有化合物5重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を6重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を5重量部含有させた。また、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0095]
(実施例22)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0096]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロブチルエチルアクリレート:23重量部
2-パーフルオロブチルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-4)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:40重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・メタクリル酸ノルマルブチル:27重量部
メタクリル酸ノルマルブチルとしては、三菱レイヨン社製のメタクリル酸エステル(製品名:BMA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:10重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0097]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0098]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0099]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は4050であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は18重量%であった。
[0100]
(実施例23)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0101]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロブチルエチルアクリレート:27重量部
2-パーフルオロブチルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-4)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:40重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・メタクリル酸ノルマルブチル:23重量部
メタクリル酸ノルマルブチルとしては、三菱レイヨン社製のメタクリル酸エステル(製品名:BMA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:10重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0102]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0103]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0104]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3850であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は20重量%であった。
[0105]
(実施例24)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0106]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:85重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:10重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:5重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0107]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0108]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0109]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3150であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は52重量%であった。
[0110]
(実施例25)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0111]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:82重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:13重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:5重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0112]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0113]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0114]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3200であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は50重量%であった。
[0115]
(実施例26)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0116]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロブチルエチルアクリレート:35重量部
2-パーフルオロブチルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-4)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:40重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・メタクリル酸ノルマルブチル:15重量部
メタクリル酸ノルマルブチルとしては、三菱レイヨン社製のメタクリル酸エステル(製品名:BMA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:10重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0117]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0118]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0119]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3740であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は25重量%であった。
[0120]
(実施例27)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0121]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:65重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:30重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:5重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0122]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0123]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0124]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3260であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は45重量%であった。
[0125]
(実施例28)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0126]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:45重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・2-パーフルオロブチルエチルアクリレート:40重量部
2-パーフルオロブチルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-4)を用いた。
・メタクリル酸ノルマルブチル:10重量部
メタクリル酸ノルマルブチルとしては、三菱レイヨン社製のメタクリル酸エステル(製品名:BMA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:5重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0127]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0128]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0129]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3420であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は30重量%であった。
[0130]
(実施例29)
フッ素含有化合物として、以下の方法で作製したものを用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0131]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:53重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:37重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:10重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0132]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・2-イソシアナトエチルアクリレート:5重量部
2-イソシアナトエチルアクリレートとしては、昭和電工社製のモノマー(製品名:カレンズAOI)を用いた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0133]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素含有化合物)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素含有化合物の溶液)を作製した。
[0134]
本実施例では、重合性組成物5に、得られたフッ素含有化合物の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物5には、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物5には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。フッ素含有化合物の重量平均分子量は3530であり、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は40重量%であった。
[0135]
(比較例1)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:59.4重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:39.6重量部
<単官能モノマー>:0重量部
重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0136]
(比較例2)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:48.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:32.0重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:19重量部
重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で20重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン19重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0137]
(比較例3)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:21.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:14.0重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:64重量部
重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で65重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン64重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0138]
(比較例4)
単官能モノマーの代わりに、2級アミド基を有するヒドロキシエチルアクリルアミドを34重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。ヒドロキシエチルアクリルアミドとしては、KJケミカルズ社製のアミド基含有モノマー(製品名:HEAA(登録商標))を用いた。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0139]
(比較例5)
単官能モノマーの代わりに、2級アミド基を有するN-n-ブトキシメチルアクリルアミドを34重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。N-n-ブトキシメチルアクリルアミドとしては、MRCユニテック社製のアミド基含有モノマー(製品名:NBMA)を用いた。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0140]
(比較例6)
単官能モノマーの代わりに、2級アミド基を有するN-イソプロピルアクリルアミドを34重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。N-イソプロピルアクリルアミドとしては、KJケミカルズ社製のアミド基含有モノマー(製品名:NIPAM(登録商標))を用いた。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0141]
(比較例7)
単官能モノマーの代わりに、1級アミド基を有するアクリルアミドを34重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。アクリルアミドとしては、東京化成工業社製のアミド基含有モノマー(製品コード:A1132)を用いた。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0142]
(比較例8)
単官能モノマーの代わりに、1級水酸基を有する4-ヒドロキシブチルアクリレートを34重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0143]
(比較例9)
単官能モノマーの代わりに、1級水酸基を有する1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートを34重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。1,4-シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートとしては、三菱化学社製のエステル基含有モノマー(製品名:CHDMMA)を用いた。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが1重量部(フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部)含有されていた。
[0144]
(比較例10)
多官能アクリレートの含有量、単官能モノマーの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:39.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:26.0重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:35重量部
<フッ素含有化合物>:0重量部
重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン35重量部)含有されており、反応性基を有するフッ素含有化合物が含有されていなかった。
[0145]
(比較例11)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:30.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:20.0重量部
<フッ素含有化合物>:15重量部
本比較例では、フッ素含有化合物15重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物に、得られたフッ素含有化合物の溶液を16重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を15重量部含有させた。また、重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0146]
(比較例12)
単官能モノマーの含有量を35重量部に変更し、フッ素含有化合物の代わりに、上記特許文献4に記載のビックケミー・ジャパン社製のシリコン系表面調整剤(製品名:BYK-UV3500)を1重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン35重量部)含有されており、反応性基を有するフッ素含有化合物が含有されていなかった。
[0147]
(比較例13)
単官能モノマーの含有量を35重量部に変更し、フッ素含有化合物の代わりに、上記特許文献8に記載のDIC社製の反応性基を有さないフッ素系界面活性剤(製品名:メガファックR-08)を1重量部用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。上記フッ素系界面活性剤中のフッ素原子の濃度は31重量%であった。重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン35重量部)含有されており、反応性基を有するフッ素含有化合物が含有されていなかった。
[0148]
(比較例14)
フッ素含有化合物の代わりに、以下の方法で作製した、反応性基を有さないフッ素系添加剤を用いたこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
[0149]
まず、攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び、冷却管を備えるセパラブルフラスコ(容量:300ml)に、酢酸ブチルを100重量部投入した。次に、セパラブルフラスコを窒素雰囲気下で加熱して、その内部空間の温度を110℃に保った状態で、下記材料の混合物を、セパラブルフラスコ内に3時間かけて滴下した。
・2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレート:50重量部
2-パーフルオロヘキシルエチルアクリレートとしては、ユニマテック社製のフッ素含有モノマー(製品名:CHEMINOX FAAC-6)を用いた。
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:40重量部
4-ヒドロキシブチルアクリレートとしては、日本化成社製のエステル基含有モノマー(製品名:4HBA)を用いた。
・N-アクリロイルモルホリン:10重量部
N-アクリロイルモルホリンとしては、KJケミカルズ社製の単官能モノマー(製品名:ACMO)を用いた。
・ラジカル重合開始剤:3.5重量部
ラジカル重合開始剤としては、和光純薬工業社製の重合開始剤(製品名:V-601)を用いた。
[0150]
滴下後、得られた反応液に、更に、上記と同じラジカル重合開始剤を0.1重量部添加し、5時間反応させた。その後、得られた溶融状態の樹脂に、下記材料を添加し、温度70℃の環境下で2時間反応させた。
・1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン:0.3重量部
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンとしては、東京化成工業社製の触媒(製品コード:D1270)を用いた。
・4-メトキシフェノール:0.1重量部
4-メトキシフェノールとしては、東京化成工業社製の重合禁止剤(製品コード:M0123)を用いた。
[0151]
反応後、東京理化器械社製のロータリーエバポレーター(製品名:N-1110型)を用いて、酢酸ブチル及びN-アクリロイルモルホリンの溶媒置換を行った。その後、富山産業社製のミニジェットオーブン(製品名:MD-92)を用いて、加熱処理を温度180℃で5時間行った。加熱処理後、N-アクリロイルモルホリンを添加することによって、固形分(フッ素系添加剤)の濃度が50%に調整された溶液(フッ素系添加剤の溶液)を作製した。
[0152]
本比較例では、重合性組成物に、得られたフッ素系添加剤の溶液を2重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素系添加剤を1重量部含有させた。また、上述した内容から明らかなように、重合性組成物には、フッ素系添加剤の溶液中のN-アクリロイルモルホリンが1重量部含有されていた。すなわち、重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素系添加剤の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されており、反応性基を有するフッ素含有化合物が含有されていなかった。フッ素系添加剤の重量平均分子量は3200であり、フッ素系添加剤中のフッ素原子の濃度は40重量%であった。
[0153]
(比較例15)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:45.6重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:30.4重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:22重量部
重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で23重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン22重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0154]
(比較例16)
多官能アクリレートの含有量、及び、単官能モノマーの含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:21.6重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:14.4重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:62重量部
重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で63重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン62重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0155]
(比較例17)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:39.0重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:26.0重量部
<フッ素含有化合物>:0.07重量部
本比較例では、フッ素含有化合物0.07重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物に、得られたフッ素含有化合物の溶液を1.07重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を0.07重量部含有させた。また、重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0156]
(比較例18)
多官能アクリレートの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:31.8重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:21.2重量部
<フッ素含有化合物>:12重量部
本比較例では、フッ素含有化合物12重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物に、得られたフッ素含有化合物の溶液を13重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を12重量部含有させた。また、重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で35重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン34重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0157]
(比較例19)
多官能アクリレートの含有量、単官能モノマーの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:16.8重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:11.2重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:59重量部
<フッ素含有化合物>:12重量部
本比較例では、フッ素含有化合物12重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物に、得られたフッ素含有化合物の溶液を13重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を12重量部含有させた。また、重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で60重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン59重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0158]
(比較例20)
多官能アクリレートの含有量、単官能モノマーの含有量、及び、フッ素含有化合物の含有量を下記のように変更したこと以外、実施例1と同様にして、光学部材を作製した。
<多官能アクリレート>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート:46.14重量部
・エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート:30.76重量部
<単官能モノマー>
・N-アクリロイルモルホリン:22重量部
<フッ素含有化合物>:0.1重量部
本比較例では、フッ素含有化合物0.1重量部に対してN-アクリロイルモルホリンが1重量部添加されたフッ素含有化合物の溶液を作製した。そして、重合性組成物に、得られたフッ素含有化合物の溶液を1.1重量部、すなわち、固形分に換算すると、フッ素含有化合物を0.1重量部含有させた。また、重合性組成物には、3級アミド基を有する単官能モノマーが合計で23重量部(単官能モノマーとして含有させたN-アクリロイルモルホリン22重量部と、フッ素含有化合物の溶液中のN-アクリロイルモルホリン1重量部との和)含有されていた。
[0159]
[光学部材の評価]
実施例1~29、及び、比較例1~20の光学部材について、基材と重合体層との、常温常湿下における密着性、及び、高温高湿下における密着性、並びに、撥水性の評価結果を、表1及び表2に示す。ここで、高温高湿下における密着性の評価は、より吸湿しやすい環境を想定して行ったものである。
[0160]
常温常湿下における密着性は、以下の方法によって評価した。まず、各例の光学部材に対して、大王製紙社製のワイプ(製品名:エリエールプロワイプソフトマイクロワイパーS220)を用いて、重合体層の基材とは反対側の表面(凹凸構造の表面)を100往復分拭いた。その後、各例の光学部材を、温度23℃、湿度50%の環境下で3日間放置した。次に、重合体層の基材とは反対側の表面に対して、カッターナイフで、碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて、100個の正方形状の升目(1mm角)を刻んだ。そして、日東電工社製のポリエステル粘着テープ(製品名:No.31B)を升目部分に圧着した後、粘着テープを升目部分の表面に対して90°の方向に、100mm/sの速度で剥がした。その後、基材上の重合体層の剥離状態を目視観察し、基材上の重合体層が剥がれた升目の個数を数えた。結果を、「X/100」で示した(Xは、基材上の重合体層が剥がれた升目の個数)。判定基準は、以下の通りとした。
レベルA:100個のうち、1個も剥がれなかった(0/100)。
レベルB:100個のうち、1個以上、99個以下剥がれた(1/100~99/100)。
レベルC:100個のうち、100個とも剥がれた(100/100)。
ここで、判定がレベルAである場合を、実使用上問題ないレベル(常温常湿下における密着性が高い)と判断した。
[0161]
高温高湿下における密着性は、以下の方法によって評価した。まず、各例の光学部材に対して、大王製紙社製のワイプ(製品名:エリエールプロワイプソフトマイクロワイパーS220)を用いて、重合体層の基材とは反対側の表面(凹凸構造の表面)を100往復分拭いた。その後、各例の光学部材を、温度60℃、湿度95%の環境下で3日間放置し、更に、温度23℃、湿度50%の環境下に戻して1日間放置した。次に、重合体層の基材とは反対側の表面に対して、カッターナイフで、碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて、100個の正方形状の升目(1mm角)を刻んだ。そして、日東電工社製のポリエステル粘着テープ(製品名:No.31B)を升目部分に圧着した後、粘着テープを升目部分の表面に対して90°の方向に、100mm/sの速度で剥がした。その後、基材上の重合体層の剥離状態を目視観察し、基材上の重合体層が剥がれた升目の個数を数えた。結果を、「X/100」で示した(Xは、基材上の重合体層が剥がれた升目の個数)。判定基準は、以下の通りとした。
レベルa:100個のうち、1個も剥がれなかった(0/100)。
レベルb:100個のうち、1個以上、2個以下剥がれた(1/100~2/100)。
レベルc:100個のうち、3個以上、5個以下剥がれた(3/100~5/100)。
レベルd:100個のうち、6個以上、99個以下剥がれた(6/100~99/100)。
レベルe:100個のうち、100個とも剥がれた(100/100)。
ここで、判定がレベルa、レベルb、又は、レベルcである場合を、実使用上問題ないレベル(高温高湿下における密着性が高い)と判断した。
[0162]
上述した方法による、常温常湿下における密着性、及び、高温高湿下における密着性の評価結果に基づき、密着性に対する総合評価を以下の通り行った。
◎:常温常湿下における密着性がレベルAであり、かつ、高温高湿下における密着性がレベルaであった。
○:常温常湿下における密着性がレベルAであり、かつ、高温高湿下における密着性がレベルbであった。
△:常温常湿下における密着性がレベルAであり、かつ、高温高湿下における密着性がレベルcであった。
×:常温常湿下における密着性がレベルA又はレベルBであり、かつ、高温高湿下における密着性がレベルd又はレベルeであった。
××:常温常湿下における密着性がレベルCであり、かつ、高温高湿下における密着性がレベルeであった。
ここで、総合評価が◎、○、又は、△である場合を、実使用上問題ないレベルと判断した。
[0163]
撥水性は、各例の光学部材において、重合体層の基材とは反対側の表面(凹凸構造の表面)に対する水の接触角によって評価した。具体的には、まず、各例の光学部材に対して、大王製紙社製のワイプ(製品名:エリエールプロワイプソフトマイクロワイパーS220)を用いて、重合体層の基材とは反対側の表面を100往復分拭いた。その後、各例の光学部材に対して、基材の重合体層とは反対側の表面に黒アクリル板を貼り付け、重合体層の基材とは反対側の表面に10μlの水を滴下した。そして、20秒間放置した後、接触角を1秒間隔で10点測定した。上述したような手順を、水を滴下する位置を変えて合計3箇所で行い、測定された接触角(10点×3箇所=合計30点)の平均値を算出した。ここで、1箇所目の測定点としては、重合体層の基材とは反対側の表面の中央部分を選択した。2箇所目及び3箇所目の測定点としては、1箇所目の測定点から10mm離れ、かつ、1箇所目の測定点に対して互いに点対称の位置にある2点を選択した。接触角の測定には、Kruss社製の接触角測定装置(製品名:DSA10-Mk2)を用いた。
[0164]
[表1]


[0165]
[表2]


[0166]
表1に示すように、実施例1~29はいずれも、常温常湿下における密着性、及び、高温高湿下における密着性がともに高かった。中でも、実施例1~3、5、7、9~11、16~21、23、25~29は、高温高湿下における密着性がより高く、実施例1~3、17、20、21、28、29は、高温高湿下における密着性が特に高かった。また、上述したような密着性の評価方法から分かるように、実施例1~29の高温高湿下における密着性は、重合体層の基材とは反対側の表面をワイプで拭いた後であっても高いことが分かった。
[0167]
ここで、3級アミド基を有する単官能モノマーの種類が同じ(N-アクリロイルモルホリン)である実施例1、実施例4、実施例5、及び、実施例12を比較すると、単官能モノマーの含有量が、実施例12(25重量部)、実施例4(26重量部)、実施例5(30重量部)、実施例1(35重量部)の順に多くなるにつれて、高温高湿下における密着性が高まった。これは、重合体層中の3級アミド基の量が、実施例12、実施例4、実施例5、実施例1の順に多くなるためである。一方、3級アミド基を有する単官能モノマーの種類が同じ(N-アクリロイルモルホリン)である実施例1、実施例6、実施例7、実施例13、実施例16、及び、実施例17を比較すると、単官能モノマーの含有量が、実施例13(60重量部)、実施例6(59重量部)、実施例16(55重量部)、実施例7(53重量部)、実施例17(50重量部)、実施例1(35重量部)の順に少なくなるにつれて、高温高湿下における密着性が同等又は高まった。これは、重合体層の極性が、実施例13、実施例6、実施例16、実施例7、実施例17、実施例1の順に同等又は低くなるためである。以上より、3級アミド基を有する単官能モノマーの含有量を最適に制御することによって、高温高湿下のような、より吸湿しやすい環境下においても、基材と重合体層との密着性の低下を抑制することができることが分かった。また、高温高湿下における密着性を充分に高める観点から、単官能モノマーの含有量は、30重量部以上、55重量部以下であることが好ましく、35重量部以上、50重量部以下であることがより好ましいことも分かった。
[0168]
また、反応性基を有するフッ素含有化合物の種類が同じである実施例1、実施例8、実施例18、及び、実施例20を比較すると、フッ素含有化合物の含有量が、実施例8(0.1重量部)、実施例18(0.3重量部)、実施例20(0.5重量部)、実施例1(1重量部)の順に多くなるにつれて、高温高湿下における密着性が同等又は高まった。これは、実施例8、実施例18、実施例20、実施例1の順に、重合体層中のフッ素原子の量が多くなり、吸湿性が同等又は低下するためである。一方、反応性基を有するフッ素含有化合物の種類が同じである実施例1、実施例9、実施例19、及び、実施例21を比較すると、フッ素含有化合物の含有量が、実施例9(10重量部)、実施例19(8重量部)、実施例21(5重量部)、実施例1(1重量部)の順に少なくなるにつれて、高温高湿下における密着性が同等又は高まった。これは、実施例9、実施例19、実施例21、実施例1の順に、重合体層中のフッ素原子の量が少なくなり、その結果、フッ素原子が、重合体層の基材側の表面に多く配向することなく、重合体層の基材とは反対側の表面に効率良く配向するためである。すなわち、実施例1の方が、実施例9よりも、重合体層の基材側の表面における3級アミド基の量が多くなる。以上より、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量を最適に制御することによって、高温高湿下のような、より吸湿しやすい環境下においても、基材と重合体層との密着性の低下を抑制することができることが分かった。また、高温高湿下における密着性を充分に高める観点から、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量は、0.3重量部以上、8重量部以下であることが好ましく、0.5重量部以上、5重量部以下であることがより好ましいことも分かった。
[0169]
よって、3級アミド基を有する単官能モノマー、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量を最適に制御することによって、高温高湿下のような、より吸湿しやすい環境下においても、基材と重合体層との密着性の低下を充分に抑制することができることが分かった。
[0170]
また、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量が同じ(1重量部)である実施例1、実施例22、実施例23、実施例26、及び、実施例28を比較すると、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度が、実施例22(18重量%)、実施例23(20重量%)、実施例26(25重量%)、実施例28(30重量%)、実施例1(37重量%)の順に多くなるにつれて、高温高湿下における密着性が同等又は高まった。これは、実施例22、実施例23、実施例26、実施例28、実施例1の順に、重合体層中のフッ素原子の量が多くなり、吸湿性が同等又は低下するためである。一方、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量が同じ(1重量部)である実施例1、実施例24、実施例25、実施例27、及び、実施例29を比較すると、フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度が、実施例24(52重量%)、実施例25(50重量%)、実施例27(45重量%)、実施例29(40重量%)、実施例1(37重量%)の順に少なくなるにつれて、高温高湿下における密着性が同等又は高まった。これは、実施例24、実施例25、実施例27、実施例29、実施例1の順に、重合体層中のフッ素原子の量が少なくなり、その結果、フッ素原子が、重合体層の基材側の表面に多く配向することなく、重合体層の基材とは反対側の表面に効率良く配向するためである。以上より、反応性基を有するフッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度を最適に制御することによって、高温高湿下のような、より吸湿しやすい環境下においても、基材と重合体層との密着性の低下を抑制することができることが分かった。また、高温高湿下における密着性を充分に高める観点から、反応性基を有するフッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、20重量%以上、50重量%以下であることが好ましく、25重量%以上、45重量%以下であることがより好ましく、30重量%以上、40重量%以下であることが更に好ましいことも分かった。
[0171]
実施例1~29は、撥水性についても優れており、親水性の汚れに対する防汚性に優れていた。これは、重合体層を構成する重合性組成物が、反応性基を有するフッ素含有化合物を含有しており、重合体層の表面エネルギーが低下するためである。
[0172]
一方、表2に示すように、比較例1~20はいずれも、高温高湿下における密着性が低かった。比較例1、4~9は、3級アミド基を有する単官能モノマーの含有量が1重量部と非常に少ないため、常温常湿下における密着性、及び、高温高湿下における密着性がともに低かった。比較例2、及び、比較例15は、3級アミド基を有する単官能モノマーの含有量が25重量部未満であり、重合体層中の3級アミド基の量が少なくなり過ぎてしまうため、高温高湿下における密着性が低かった。比較例3、及び、比較例16は、3級アミド基を有する単官能モノマーの含有量が60重量部よりも多く、重合体層の極性が高くなり過ぎてしまうため、高温高湿下における密着性が低かった。比較例10、比較例12、比較例13、及び、比較例14は、反応性基を有するフッ素含有化合物を含有していないため、吸湿性が高く、高温高湿下における密着性が低かった。また、比較例10、比較例12、比較例13、及び、比較例14は、反応性基を有するフッ素含有化合物を含有していないため、実施例1~29よりも水の接触角が小さく、撥水性が劣っていた。比較例11、及び、比較例18は、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量が10重量部よりも多く、重合体層中のフッ素原子の量が多くなり過ぎてしまい、その結果、重合体層の基材側の表面において、3級アミド基の量が相対的に少なくなってしまうため、常温常湿下における密着性、及び、高温高湿下における密着性がともに低かった。比較例17は、反応性基を有するフッ素含有化合物の含有量が0.1重量部よりも少なく、重合体層中のフッ素原子の量が少なくなり過ぎて、吸湿性が高まってしまうため、高温高湿下における密着性が低かった。また、比較例17は、実施例1~29よりも水の接触角が小さく、撥水性が劣っていた。比較例19は、多官能アクリレートの含有量が30重量部未満であり、フッ素含有化合物の含有量が相対的に多くなり過ぎてしまい、その結果、重合体層の基材側の表面において、3級アミド基の量が相対的に少なくなってしまうため、常温常湿下における密着性、及び、高温高湿下における密着性がともに低かった。比較例20は、多官能アクリレートの含有量が75重量部よりも多く、単官能モノマーの含有量が相対的に少なくなり過ぎてしまい、その結果、重合体層中の3級アミド基の量が少なくなり過ぎてしまうため、高温高湿下における密着性が低かった。
[0173]
[付記]
以下に、本発明の光学部材の好ましい態様の例を挙げる。各例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
[0174]
上記単官能モノマーは、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、及び、N,N-ジエチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーを含むものであってもよい。これにより、上記単官能モノマーを効果的に利用することができる。
[0175]
上記フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、20重量%以上、50重量%以下であってもよい。これにより、上記フッ素原子を、上記重合体層の上記基材とは反対側の表面に好適に配向させることができる。その結果、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下をより抑制することができる。
[0176]
上記フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、25重量%以上、45重量%以下であってもよい。これにより、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下を更に抑制することができる。
[0177]
上記フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、30重量%以上、40重量%以下であってもよい。これにより、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下を特に抑制することができる。
[0178]
上記単官能モノマーの含有量は、30重量部以上、55重量部以下であってもよい。これにより、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下をより抑制することができる。
[0179]
上記単官能モノマーの含有量は、35重量部以上、50重量部以下であってもよい。これにより、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下を更に抑制することができる。
[0180]
上記フッ素含有化合物の含有量は、0.3重量部以上、8重量部以下であってもよい。これにより、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下をより抑制することができる。
[0181]
上記フッ素含有化合物の含有量は、0.5重量部以上、5重量部以下であってもよい。これにより、吸湿による、上記基材と上記重合体層との密着性の低下を更に抑制することができる。
[0182]
以上に、本発明の光学部材の好ましい態様の例を挙げたが、それらの例の中で重合性組成物の特徴に関係するものは、本発明のナノインプリント用の重合性組成物の好ましい態様の例でもある。

符号の説明

[0183]
1:光学部材
2:基材
3:重合体層
4:凸部
5:重合性組成物
6:金型
P:ピッチ

請求の範囲

[請求項1]
基材と、
前記基材と直に接する、複数の凸部が可視光の波長以下のピッチで設けられる凹凸構造を表面に有する重合体層とを備え、
前記基材の少なくとも前記重合体層側の表面には、トリアセチルセルロースが存在し、
前記重合体層は、活性エネルギー線の照射によって重合する重合性組成物から形成されるものであり、
前記重合性組成物は、多官能アクリレートを30重量部以上、75重量部以下、3級アミド基を有する単官能モノマーを25重量部以上、60重量部以下、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物を0.1重量部以上、10重量部以下含有することを特徴とする光学部材。
[請求項2]
前記単官能モノマーは、N-アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアクリルアミド、及び、N,N-ジエチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
[請求項3]
前記フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、20重量%以上、50重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部材。
[請求項4]
前記フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、25重量%以上、45重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の光学部材。
[請求項5]
前記フッ素含有化合物中のフッ素原子の濃度は、30重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学部材。
[請求項6]
前記単官能モノマーの含有量は、30重量部以上、55重量部以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の光学部材。
[請求項7]
前記単官能モノマーの含有量は、35重量部以上、50重量部以下であることを特徴とする請求項6に記載の光学部材。
[請求項8]
前記フッ素含有化合物の含有量は、0.3重量部以上、8重量部以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の光学部材。
[請求項9]
前記フッ素含有化合物の含有量は、0.5重量部以上、5重量部以下であることを特徴とする請求項8に記載の光学部材。
[請求項10]
多官能アクリレートを30重量部以上、75重量部以下、3級アミド基を有する単官能モノマーを25重量部以上、60重量部以下、及び、反応性基を有するフッ素含有化合物を0.1重量部以上、10重量部以下含有し、
活性エネルギー線の照射によって重合することを特徴とするナノインプリント用の重合性組成物。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]