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1. (WO2017022476) 車両制御装置
Document

明 細 書

発明の名称 車両制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009  

課題を解決するための手段

0010  

発明の効果

0011  

図面の簡単な説明

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

符号の説明

0059  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 車両制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両制御装置に関するものである。

背景技術

[0002]
自動車、エレベータ、建設機械などの電気機器においては、いわゆる組込ソフトウェアによって制御対象を制御する組込制御装置が用いられている。組込ソフトウェアは、従来の機械的機構や電気回路による制御方式に比べて柔軟かつ高度な制御が実現できることが利点である。
[0003]
 組込制御装置(例えば車両制御装置)においては、車載スペースや製造コストを低減することを目的として、従来は別々のECU(Electronic Control Unit)に搭載されていた機能を1つのECUに集約するECUの統合化が進んでいる。ECU統合化が進む中で、複数の機能を同一ECU上で処理する必要が生じる。そこで車両制御装置においては、マルチコアプロセッサの活用が始まっている。
[0004]
 マルチコアプロセッサは、複数のコアを用いて別々の処理を並列に実施することができるだけでなく、一部のコアが故障した場合、そのコアに割り当てられていたアプリケーションソフトを他のコアで代替処理させることができる。これにより、システムの冗長化を図り安全性を向上させることができる。
[0005]
 下記特許文献1は、マルチコアプロセッサの一部のコアが故障した場合において、正常に機能しているコアを用いて故障したコアの復帰処理を実施することにより、システム全体を停止または再起動することなく、全てのコアを正常な状態へと復元する構成例を記載している。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2010-020621号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 自動車などの組込制御装置において特許文献1記載の技術を用いた場合、故障したコアが演算処理しているプログラム中の履歴データが失われ、当該コアが正常状態に復帰する前後にまたがって大きな制御段差が発生する可能性がある。プログラム中の履歴データとは、例えば積分器や微分器による演算結果、システム内部の状態量、などの継続的に更新されるデータを指す。
[0008]
 より具体的には、自動車の走行制御中にマルチコアプロセッサの一部コアが故障したことが検知された場合、特許文献1記載の技術を用いて故障したコアを復帰させシステムを正常な状態へと復元したとしても、プログラム中の履歴データが損失しているので制御の不連続点が発生し、運転の快適性が損なわれてしまう可能性がある。
[0009]
 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、故障を修復しシステムを正常な状態へと復元した際に発生する制御段差を緩和し、スムースな運転性をユーザに提供することができる車両制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0010]
 本発明に係る車両制御装置は、第1走行制御モードと第2走行制御モードを有し、前記第2走行制御モードから前記第1走行制御モードへ遷移する間の過渡状態において、前記第1走行制御モードにおける第1制御パラメータを演算してチェックするとともに、前記第2走行制御モードにおける第2制御パラメータを演算して走行制御に用いる。

発明の効果

[0011]
 本発明に係る車両制御装置によれば、制御段差を緩和してスムースな運転性をユーザに提供することができる。

図面の簡単な説明

[0012]
[図1] 実施形態1に係る車両制御装置1のシステム構成図である。
[図2] 従来技術における車両制御装置の振る舞いを示す状態遷移図である。
[図3] 実施形態1に係る車両制御装置1の振る舞いを示す状態遷移図である。
[図4] 車両制御装置1が通常走行モード121を実施している状態を示す図である。
[図5] 車両制御装置1が縮退走行モード122を実施している状態を示す図である。
[図6] 車両制御装置1が復帰走行モード123を実施している状態を示す図である。
[図7] 車両制御装置1が復帰走行モード123を実施する手順を説明するフローチャートである。
[図8] 従来技術における車両制御装置の出力値の経時変化を示す図である。
[図9] 車両制御装置1が入出力部140経由で出力する出力値の経時変化を示す図である。
[図10] 車両制御装置1の消費電力の経時変化を示す図である。
[図11] 実施形態2に係る車両制御装置1のシステム構成図である。
[図12] 実施形態3に係る車両制御装置1のシステム構成図である。
[図13] 実施形態4に係る車両制御装置1の振る舞いを示す状態遷移図である。

発明を実施するための形態

[0013]
<実施の形態1>
 図1は、本発明の実施形態1に係る車両制御装置1のシステム構成図である。車両制御装置1は、車両の動作を制御する装置である。車両制御装置1は、プロセッサ110、通常制御プログラム120、縮退制御プログラム130、入出力部140を備える。プロセッサ110はマルチコアプロセッサであり、コアA111とコアB112を備える。
[0014]
 コアA111は通常制御プログラム120を実行し、コアB112は縮退制御プログラム130を実行する。入出力部140は、車両制御装置1の外部に配置されたセンサなどから信号を受け取ってプロセッサ110に対して引き渡し、プロセッサ110から制御信号を受け取って制御対象に対して出力する。
[0015]
 通常制御プログラム120は、車両が通常走行しているときプロセッサ110が実施すべき制御処理を実装したプログラムである。縮退制御プログラム130は、車両が縮退走行しているときプロセッサ110が実施すべき制御処理を実装したプログラムである。縮退走行とは、通常走行においてエラーが発見されたことなどを原因として当該車両の機能を縮退させた状態で走行することである。
[0016]
 図2は、従来技術における車両制御装置の振る舞いを示す状態遷移図である。一般的に車両は車両制御装置が出力する出力値にしたがってモータなどのアクチュエータを操作することにより走行する。イグニッションがONされると、車両制御装置は初期化処理モード11へ遷移する。
[0017]
 初期化処理モード11において、車両制御装置は自己診断を開始し、所定の変数に初期値を代入するなどの初期化処理を実施する。これら初期化処理が終了すると、車両制御装置は車両走行モード12へ遷移し、車両は実際に走行することができる状態となる。
[0018]
 車両走行モード12へ遷移すると、車両制御装置はまず通常走行モード121状態になる。通常走行モード121において、車両制御装置は、(a)一定周期ごとに演算処理を実行する周期タスク、(b)エンジン回転などのタイミングで演算処理を実行する非周期タスク、(c)車両制御装置のエラー発生を監視するエラー確認、などの処理を実施する。各タスクは、車両を通常走行モード121で動作させるために用いる制御パラメータを演算する処理を含む。通常走行モード121においてエラーが発見された場合、車両制御装置は縮退走行モード122へ遷移する。ここでいうエラーとは、通常走行を継続するとユーザにとって危険が生じる可能性がある程度に至った状態をいう。
[0019]
 縮退走行モード122は、ISO26262などの安全規格が要求する安全メカニズムである。縮退走行モード122においては、車両制御装置のエラーが確認された場合であっても、車両制御装置は制御機能を突然停止せず必要最低限な機能だけを演算処理し続けることにより車両を制御し続ける。縮退走行モード122において、車両制御装置は縮退走行を実施するための周期/非周期タスクを実施する。各タスクは、車両を縮退走行モード122で動作させるために用いる制御パラメータを演算する処理を含む。
[0020]
 車両走行モード12の状態でイグニッションがOFFされた場合、または車両走行モード12の状態で車両制御装置をリセットするシグナルが発行された場合、車両制御装置は後処理モード13へ遷移する。
[0021]
 後処理モード13において、車両制御装置は次回イグニッションをONするとき必要となる学習データを不揮発性メモリに退避させる。後処理が完了すると、車両制御装置は機能を停止し、これにともなって車両も停止する。
[0022]
 車両制御装置は、上述の状態遷移を実施することにより車両の走行を実現している。通常走行モード121においてエラーが発見され縮退走行モード122へ遷移した場合、再度通常走行モード121に遷移するためには、イグニッションをOFFするか、またはリセットシグナルを発行するなどして、車両制御装置のシステム全体を再起動する必要がある。したがって、再起動の前後にわたって制御パラメータが断続的に変化し、スムースな運転性を実現することを妨げる可能性がある。
[0023]
 図3は、本実施形態1に係る車両制御装置1の振る舞いを示す状態遷移図である。図3においては、図2と比較して新たに復帰走行モード123が設けられている。図2においては縮退走行モード122から通常走行モードへ戻るためにはイグニッションOFFなどが必要であったが、本実施形態においては縮退走行モード122から復帰走行モード123を経由して通常走行モード121へ戻ることにより、制御パラメータを断続させることなく円滑に通常状態へ戻ることを図る。
[0024]
 本実施形態1の縮退走行モード122において、車両制御装置1は復帰走行モード123へ遷移する要否を判断するため、復帰要否判断を実施する。復帰要否を判断する契機としては様々なものがあり、例えば縮退走行モード122へ遷移してから所定時間が経過したことなどが挙げられるが、これに限らない。
[0025]
 復帰走行モード123において、車両制御装置1は復帰走行を実施するための周期/非周期タスクを実施する。さらに復帰走行モード123において、車両を通常走行モード121へ遷移させるかそれとも縮退走行モード122へ戻すかを判断する復帰成否判断を実施する。復帰成否判断の詳細については後述する。復帰走行モード123を有することにより、車両制御装置1はエラーが検知された場合であっても車両全体を再起動することなく通常走行モード121へ復帰することができる。
[0026]
 図4は、車両制御装置1が通常走行モード121を実施している状態を示す図である。通常走行モード121において、コアA111は通常制御プログラム120を実行し、その出力値を制御パラメータとして用いる制御信号を入出力部140経由で出力することにより、車両を制御する。通常制御プログラム120は、通常走行モード121における通常タスクとエラー確認処理を実装した制御プログラムである。コアA111は、通常制御プログラム120以外の処理を同時に実行してもよい。
[0027]
 図5は、車両制御装置1が縮退走行モード122を実施している状態を示す図である。縮退走行モード122は例えば、コアA111に故障が発生し、コアA111が通常制御プログラム120を実行することが不可能になったとき実行される。コアB112は、通常制御プログラム120の代替として縮退制御プログラム130を実行し、その出力値を制御パラメータとして用いる制御信号を入出力部140経由で出力することにより、車両を制御する。縮退制御プログラム130は、縮退走行モード122における縮退タスクと復帰要否判断処理を実装している。コアB112は、縮退制御プログラム130以外の処理を同時に実行してもよい。
[0028]
 図6は、車両制御装置1が復帰走行モード123を実施している状態を示す図である。復帰走行モード123において、コアA111(故障が検知されている)は通常制御プログラム120を実行し、これと並行してコアB112は縮退制御プログラム130を実行する。
[0029]
 復帰走行モード123においてプロセッサ110は、安全確保のため、コアA111の出力値は車両制御のために用いず、コアB112が実行する縮退制御プログラム130の出力値を制御パラメータとして用いて車両を制御する。ただし通常制御プログラム120を実行して制御パラメータを演算しチェックすることにより、通常走行モード121において発見されたエラーが過渡的なエラーであるか否かを判定することができる。
[0030]
 復帰走行モード123において、通常走行モード121で発見されたエラーが再現された場合は、瞬時エラーではなく回路短絡などの永久故障が発生したと想定し、復帰成否判断処理において復帰失敗と判断して縮退走行モード122へ戻る。通常走行モード121で発見されたエラーが再現されなかった場合は、宇宙線などが原因の過渡故障が発生したと想定し、復帰成否判断処理において復帰成功と判断して通常走行モード121へ遷移することができる。
[0031]
 図7は、車両制御装置1が復帰走行モード123を実施する手順を説明するフローチャートである。以下図7の各ステップについて説明する。
[0032]
(図7:ステップS12301~S12302)
 プロセッサ110は、通常走行モード121においてエラーが検知されたコアA111のみ再起動する(S12301)。コアA111は、通常制御プログラム120を実行する(S12302)。ただし先に説明したように、通常制御プログラム120を実行することにより得られた出力値は、車両制御には用いない。
[0033]
(図7:ステップS12303)
 プロセッサ110は、コアA111が実行している通常制御プログラム120の出力値が正常であるか否かを確認する。例えば通常制御プログラム120が演算する制御パラメータが取り得る上下限値をあらかじめ定義しておき、出力値が所定時間以上その範囲内に収まれば正常とみなす、などの判断手法が考えられる。出力値が正常であれば、通常走行モード121で発見されたエラーは過渡的なエラーであるとみなし、ステップS12304へ進む。それ以外であれば恒久的なエラーであるとみなし、ステップS12306へ進む。
[0034]
(図7:ステップS12304)
 プロセッサ110は、コアA111が実行している通常制御プログラム120の出力値と、コアB112が実行している縮退制御プログラム130の出力値とが、充分に近接しているか否かを判定する。例えば両者の差分が所定閾値未満である状態が所定時間継続すれば、これらが十分に近接しているとみなすことができる。上記条件を満たす場合はステップS12305へ進み、それ以外であれば本ステップを継続する。
[0035]
(図7:ステップS12304:補足その1)
 通常制御プログラム120の出力値と縮退制御プログラム130の出力値が近接していない場合、復帰走行モード123から通常走行モード121へと遷移したタイミングで大きな制御段差が発生し(モード遷移時に制御パラメータが断続的に大きく変化する)、スムースな運転性が損なわれる可能性がある。この制御段差が起こる理由は、コアA111を再起動したことにより、コアA111が処理している通常制御プログラム120中の積分器/微分器、システム内部の状態量、などの履歴データが損失されているためである。そこで本実施形態1においては、通常走行モード121へ復帰する前に復帰走行モード123において通常制御プログラム120をあらかじめ実行し、履歴データを再収集することにより、制御段差を緩和することとした。
[0036]
(図7:ステップS12304:補足その2)
 制御パラメータの性質によっては、正常範囲内に収まっている限りにおいては制御段差があまり生じない場合も考えられる。かかる場合は、ステップS12303において通常制御プログラム120の出力値が正常であれば本ステップをスキップしてS12305へ進むこともできる。
[0037]
(図7:ステップS12303~S12304:補足)
 これらステップは、図3における復帰成否判断処理に相当する。これらステップを実行するのはコアB112でもよいし、図示しない第3のプロセッサコアでもよい。
[0038]
(図7:ステップS12305)
 プロセッサ110は、車両制御装置1を復帰走行モード123から通常走行モード121へ遷移させる。
[0039]
(図7:ステップS12306)
 プロセッサ110は、コアA111を停止させ、車両制御装置1を復帰走行モード123から縮退走行モード122へ遷移させる。
[0040]
 図8は、従来技術における車両制御装置の出力値の経時変化を示す図である。縦軸は車両制御装置が出力する制御信号(制御パラメータ)の出力値を示し、横軸は経過時間を示す。車両制御装置は、時刻t2において縮退走行モード122から通常走行モード121へ遷移したと仮定する。
[0041]
 従来技術においても縮退走行モード122から通常走行モード121へ復帰することはできるが、コアA111を再起動することにより、通常制御プログラム120内の積分器/微分器、システム内部の状態量、などの履歴データが損失するので、時刻t2において実際の出力値が目標出力値から大きく乖離し、制御段差が大きくなってしまう。この大きな制御段差はスムースな運転性を損なう原因となる。
[0042]
 図9は、車両制御装置1が入出力部140経由で出力する出力値の経時変化を示す図である。車両制御装置1は、時刻t1において縮退走行モード122から復帰走行モード123へ遷移し、時刻t2においてさらに通常走行モード121へ遷移したと仮定する。縦軸と横軸は図8と同様である。
[0043]
 車両制御装置1は、復帰走行モード123においてコアA111により通常制御プログラム120を実行し、積分器/微分器、システム内部の状態量、などの履歴データを通常走行モード121へ復帰する前に再収集することができる。これにより、時刻t2において通常走行モード121へ復帰する際の制御段差を緩和し、スムースな運転性をユーザにすることができる。
[0044]
 図10は、車両制御装置1の消費電力の経時変化を示す図である。マルチコアプロセッサは、使用しないコアをスリープすることによりプロセッサ全体としての消費電力を低減できることが知られている。そこで車両制御装置1は、縮退走行モード122においてコアA111を停止またはスリープモードなどに移行させて通常動作時よりも消費電力を低くすることにより、車両制御装置1全体としての消費電力を抑えることができる。
[0045]
 通常走行モード121および復帰走行モード123においてはコアA111を動作させるので、車両制御装置1の消費電力は縮退走行モード122より上昇することになる。また復帰走行モード123から通常走行モード121へ復帰することが何かしらの原因で不可能である場合、復帰走行モード123から縮退走行モード122へ遷移することにより消費電力を抑えることができる。
[0046]
 通常走行モード121においてエラーが検出された際に即時に縮退走行モード122へ遷移するためには、プロセッサ110は通常走行モード121を実行している間もコアB112を起動しておくことが望ましい。
[0047]
<実施の形態1:まとめ>
 本実施形態1に係る車両制御装置1は、縮退走行モード122から通常走行モード121へ復帰する前に復帰走行モード123を実行し、復帰走行モード123においては通常走行モード121の制御パラメータを演算してチェックするとともに縮退走行モード122の制御パラメータを演算してこれを車両制御に用いる。これにより、通常走行モード121へ復帰する前に同モードにおける制御パラメータをあらかじめ演算しておき、復帰時に制御パラメータが断続的に変化することを緩和できる。
[0048]
<実施の形態2>
 図11は、本発明の実施形態2に係る車両制御装置1のシステム構成図である。本実施形態2において、車両制御装置1は実施形態1で説明した構成に加えて監視部150を備える。その他構成は実施形態1と同様である。
[0049]
 監視部150は、通常制御プログラム120の出力値と縮退制御プログラム130の出力値のいずれを用いて車両を制御するかを判断し、採用する出力値を入出力部140へ引き渡す。例えば復帰走行モード123において通常制御プログラム120の出力値と縮退制御プログラム130の出力値をそれぞれ受け取り、あらかじめ規定されている正常範囲により近い方を車両制御のための制御パラメータとして採用することができる。
[0050]
<実施の形態3>
 図12は、本発明の実施形態3に係る車両制御装置1のシステム構成図である。本実施形態3において、コアA111とコアB112はそれぞれロックステップコアとして構成されている。ロックステップコアとは、複数のプロセッサコアが同じ演算を実行してその実行結果を相互比較することにより、エラーを検出するものである。したがって本実施形態3に係る車両制御装置1は、通常走行モード121のエラー確認処理において、ロックステップコア間の出力不一致に基づきコアA111のエラーを検出する。その他構成は実施形態1と同様である。
[0051]
<実施の形態4>
 図13は、本発明の実施形態4に係る車両制御装置1の振る舞いを示す状態遷移図である。本実施形態4において、車両制御装置1は自動走行車の動作を制御する装置である。本実施形態4における車両制御装置1は、通常走行モード121に代えて自動走行モード124を実行し、縮退走行モード122に代えてユーザ走行モード125を実行する。その他構成は実施形態1と同様である。
[0052]
 自動走行モード124は、車両を自律走行させる動作モードである。ユーザ走行モード125は、運転者がマニュアル操縦により車両を走行させる動作モードである。各モードにおいて、プロセッサ110は車両を当該モードで動作させるために用いる制御パラメータを演算する。
[0053]
 本実施形態4によれば、自動走行車が自動走行中にエラーが発見され、いったんマニュアル操縦に移った後に改めて自動走行へ復帰する場合であっても、その他実施形態と同様に制御段差を緩和してスムースな乗車感覚を提供することができる。
[0054]
<本発明の変形例について>
 本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換える事が可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について他の構成の追加・削除・置換をすることができる。
[0055]
 本発明は、乗用車に限られず、鉄道、輸送機器など、様々な種類の車両およびその制御装置に対して適用することができる。プロセッサ110が演算する制御パラメータは、車両制御装置1が制御する電気機器を制御するために必要な制御処理の内容に応じて定めることができる。例えば車両制御装置1が電気自動車を制御する場合、車載インバータを駆動制御するための制御パラメータを演算することができる。あるいはガソリン駆動車を制御する場合であれば車載エンジンを駆動制御するための制御パラメータを演算することができる。
[0056]
 以上の実施形態において、プロセッサ110は、復帰走行モード123を実装したプログラムを実行することにより復帰走行モード123を実行してもよいし、同様の機能を回路デバイスなどのハードウェアによって実装してその機能を呼び出すことにより同モードを実行してもよい。
[0057]
 以上の実施形態において、プロセッサ110は、復帰走行モード123を実行するためのプロセッサコアを備え、同コアを用いて復帰走行モードを実行してもよい。ただしコアA111のエラーが回復したか否かを判定するためには、少なくとも通常制御プログラム120を実行するのはコアA111とする必要がある。したがって復帰走行モード123を実行するコアは、復帰タスクや復帰成否判断のみを実行することが望ましい。
[0058]
 上記各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部や全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。

符号の説明

[0059]
 1:車両制御装置、110:プロセッサ、111:コアA、112:コアB、120:通常制御プログラム、130:縮退制御プログラム、140:入出力部、11:初期化処理モード、12:車両走行モード、121:通常走行モード、122:縮退走行モード、123:復帰走行モード、13:後処理モード。

請求の範囲

[請求項1]
 車両の走行動作を制御する車両制御装置であって、
 前記車両の走行動作を制御する制御パラメータを演算するプロセッサを備え、
 前記プロセッサは、前記車両を第1走行モードで走行させる第1走行制御モード、前記車両を前記第1走行モードよりも機能が縮退した第2走行モードで走行させる第2走行制御モード、および前記第2走行モードから前記第1走行モードへ遷移する間の過渡的な走行モードである第3走行モードで前記車両を走行させる第3走行制御モードを実行し、
 前記プロセッサは、前記第3走行制御モードを実行する間、前記第1走行モードにおいて前記車両の走行動作を制御する第1制御パラメータを演算しその値が正常であるか否かを判定するとともに、前記第2走行モードにおいて前記車両の走行動作を制御する第2制御パラメータを演算しその値を用いて前記車両の走行動作を制御する
 ことを特徴とする車両制御装置。
[請求項2]
 前記プロセッサは、
  前記第3走行制御モードにおいて、前記第1制御パラメータが正常であると判定した場合は前記第3走行制御モードから前記第1走行制御モードへ遷移し、正常ではないと判定した場合は前記第3走行制御モードから前記第2走行制御モードへ戻る
 ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
[請求項3]
 前記プロセッサは、
  前記第3走行制御モードから前記第2走行制御モードへ戻る前に、前記第1制御パラメータと前記第2制御パラメータとの間の差分が所定閾値以下である時間を計測し、
  前記差分が前記所定閾値以下である時間が所定時間以上に到達した時点で前記第3走行制御モードから前記第1走行制御モードへ遷移する
 ことを特徴とする請求項2記載の車両制御装置。
[請求項4]
 前記プロセッサは、前記第1走行制御モードを実行する第1プロセッサコア、および前記第2走行制御モードを実行する第2プロセッサコアを備え、
 前記プロセッサは、前記第3走行制御モードにおいては、前記第1プロセッサコアが前記第1走行制御モードを実行することにより前記第1制御パラメータを演算することと並行して、前記第2プロセッサコアが前記第2走行制御モードを実行することにより前記第2制御パラメータを演算する
 ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
[請求項5]
 前記プロセッサは、前記第2プロセッサコアが前記第2走行制御モードを実行する際には、前記第1プロセッサコアが前記第1走行制御モードを実行する際よりも消費電力が低い状態に前記第1プロセッサコアを遷移させる
 ことを特徴とする請求項4記載の車両制御装置。
[請求項6]
 前記プロセッサは、前記第3走行制御モードを実行する際には、前記第1プロセッサコアと前記第2プロセッサコアを並列動作させることにより、前記第2走行制御モードを実行する際よりも多くの電力を消費する
 ことを特徴とする請求項4記載の車両制御装置。
[請求項7]
 前記第1プロセッサコアは、前記第1走行制御モードにおける制御処理を実装した第1走行制御プログラムを実行することにより前記第1走行制御モードを実行し、
 前記第2プロセッサコアは、前記第2走行制御モードにおける制御処理を実装した第2走行制御プログラムを実行することにより前記第2走行制御モードを実行する
 ことを特徴とする請求項4記載の車両制御装置。
[請求項8]
 前記プロセッサは、前記第1走行制御モードから前記第3走行制御モードに遷移した後かつ前記第1制御パラメータを演算開始する前に、前記第1プロセッサコアを再起動することにより前記第1プロセッサコアを初期化する
 ことを特徴とする請求項4記載の車両制御装置。
[請求項9]
 前記プロセッサは、前記車両が搭載する車載インバータを制御するために用いる前記制御パラメータを演算する
 ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
[請求項10]
 前記プロセッサは、前記車両が搭載するエンジンを制御するために用いる前記制御パラメータを演算する
 ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。
[請求項11]
 前記プロセッサは、前記第1走行制御モードにおいて、前記車両を自動走行させるために用いる前記制御パラメータを演算し、
 前記プロセッサは、前記第2走行制御モードにおいて、前記車両を手動走行させるために用いる前記制御パラメータを演算する
 ことを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]