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1. (WO2017022305) 流路構造体、測定ユニット、測定対象液体の測定方法、および測定対象液体の測定装置
Document

明 細 書

発明の名称 流路構造体、測定ユニット、測定対象液体の測定方法、および測定対象液体の測定装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032  

発明の効果

0033  

図面の簡単な説明

0034  

発明を実施するための最良の形態

0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090  

産業上の利用可能性

0091  

符号の説明

0092  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22  

明 細 書

発明の名称 : 流路構造体、測定ユニット、測定対象液体の測定方法、および測定対象液体の測定装置

技術分野

[0001]
 本発明は、POCTに対応しうる測定対象液体の測定装置に使用される流路構造体、当該流路構造体を備える測定ユニット、当該測定ユニットを用いる測定対象液体の測定方法、および上記の測定ユニットを備える測定対象液体の測定装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、診療・看護現場で医療スタッフが実施する簡易・迅速検査などを意味するポイント・オブ・ケア検査(Point-of-Care Testing,POCT)の普及が進んでいる。
[0003]
 POCTに関し、特許文献1には、多孔性シリカを主成分とする多孔性シリカカラムであって、第1の性質と第1の平均細孔径とを有する第1の多孔性シリカ部と、前記第1の性質とは異なる第2の性質と第1の平均細孔径とは異なる第2の平均細孔径とを有する第2の多孔性シリカ部とを含む、多孔性シリカカラムが記載されている。特許文献1の図3には、上記の多孔性シリカカラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)装置が示されている。
[0004]
 一方、マイクロ流路チップに関し、特許文献2には、少なくとも第1の基材と第2の基材とを張り合わせてなり、前記第1の基材と前記第2の基材との間に流路及び前記流路と繋がる処理槽が形成された流路チップであって、前記処理槽には平面視三角形の板状の多孔質体が内包されている流路チップが記載されている。かかる流路チップによれば、従来に比べて液漏れやデッドボリュームを小さくできるため、特許文献2に記載される流路チップはPOCTのためのツールとして好適である。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2008/023534号
特許文献2 : 特開2014-38018号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0006]
 特許文献2に記載されるような流路チップ(流路構造体)を用いて測定対象液体の組成に関する情報を得る測定を行う場合には、流路構造体をその内部に組み込んで、流路構造体内の分離素子に液体を流通させる装置が必要となる。POCTを実現する観点から、そのような装置は小型であることが好ましい。
[0007]
 本発明は、流路構造体が組み込まれた測定装置の小型化に対応しやすい流路構造体を提供することを目的とする。本発明は、当該流路構造体を備える測定ユニット、当該測定ユニットを用いる測定対象液体の測定方法、および上記の測定ユニットを備える測定対象液体の測定装置を提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、流路構造体の分離素子内を流通させる液体を流路構造体が収容可能であり、かつ、流路構造体内に収容された液体を、分離素子内に流通させる際に、流路構造体が組み込まれた測定装置がその液体に直接的に接触しないようにすれば、測定装置のドライ化が可能となり、測定装置の小型化に対応しやすいとの新たな知見を得た。
[0009]
 かかる知見に基づき完成された本発明の一態様は、液体を収容可能な液収容部と流出部とを有する貯液部、2つの開放端の間に分離素子を内包する分離素子収容部、前記貯液部の前記流出部と前記分離素子収容部の一方の開放端とに接続して前記貯液部と前記分離素子収容部とを連通させる供給流路、および前記分離素子収容部の他方の開放端に接続される排出流路を備える流路構造体であって、前記供給流路は、前記貯液部の前記流出部に接続する貯液部側流路と、前記分離素子収容部に接続する分離素子側流路と、前記貯液部側流路と前記分離素子側流路との間に位置して測定対象液体を前記供給流路内に導入可能なインジェクション部とを備え、前記貯液部は前記流路構造体に加えられた外力を前記貯液部内の圧力変動として伝達可能な圧力伝達部を備え、前記貯液部内に収容された液体を前記貯液部内の圧力変動に基づいて前記流出部から前記供給経路へと流出可能とされることを特徴とする流路構造体である。
[0010]
 流路構造体が上記のような構成を有することにより、貯液部内に収容された液体は、流路構造体を構成する部材以外に接することなく、分離素子へと流通することが可能である。
[0011]
 流路構造体は複数の板状基材の貼合体からなってもよい。このような構成を有することにより、様々な部分構造を有する流路構造体を効率的に得ることができる。
[0012]
 前記圧力伝達部は、前記貯液部内から前記流路構造体外に連通する管状体であり、前記流路構造体外から前記管状体内に供給される流体の圧力により前記貯液部内の圧力は増加可能であってもよい。このような構成を有することにより、流路構造体が組み込まれる装置が気体供給システムを有していれば、貯液部内の液体を分離素子内に供給することができる。
[0013]
 前記圧力伝達部は、直動構造を有し、前記流路構造体外から前記直動構造に加えられる力により前記貯液部内の圧力は増加可能であってもよい。このような構成を有することにより、流路構造体が組み込まれる装置が直動機構を動かすための駆動システムを有していれば、貯液部内の液体を分離素子内に供給することができる。
[0014]
 前記分離素子の具体的な構成は限定されない。分離素子は、分離カラムであってもよいし、電気泳動素子であってもよい。
[0015]
 前記貯液部の液収容部内に液体を供給することを容易にする観点から、前記液収容部内に液体を注入可能な注入部を有していてもよい。
[0016]
 前記貯液部の液収容部内に液体を供給したり、液収容部からの液体の流出を容易にしたりする観点から、前記貯液部の前記液収容部内の気体を排出可能なベント部を有していてもよい。
[0017]
 インジェクション部から供給される測定対象液体と貯液部からの液体との混合をより適切に行う観点から、前記インジェクション部には、前記測定対象液体と前記貯液部からの液体との混合を促進する多孔質体が配置されることが好ましい。このインジェクション部に配置される多孔質体は、前記分離素子と連携して前記測定対象液体の分離を促進する機能を有していてもよい。
[0018]
 分離素子における分離性能を高める観点から、前記貯液部側流路に配置され、前記インジェクション部内を流れる液体の流量変動を抑制する整流部を備えることが好ましい。
[0019]
 前記貯液部およびこれに接続する前記貯液側流路を複数備え、前記供給流路は、前記複数の貯液部の流出部と前記分離素子側流路との間に配置され、前記貯液部側流路の複数を収斂させて前記複数の貯液部を前記分離素子側流路に連通させる収斂部を備えてもよい。このような構成を有することにより、分離素子に供給する液体の組成を複数種類とすることが可能となる。
[0020]
 複数の貯液部からの液体の混合をより適切に行う観点から、前記収斂部には、前記複数の貯液部からの液体の混合を促進する多孔質体が配置されることが好ましい。この収斂部に配置される多孔質体は、前記分離素子と連携して前記測定対象液体の分離を促進する機能を有することがより好ましい。
[0021]
 複数の貯液部からの液体の混合をより適切に行う観点、分離素子における分離性能を高める観点などから、前記流出部と前記収斂部との間に配置され、前記収斂部内を流れる液体の流量変動を抑制する個別整流部を備えることが好ましい。
[0022]
 構造の簡素化を実現できるため、前記インジェクション部は前記収斂部と一体に設けられることが好ましい。
[0023]
 前記排出流路の前記分離素子収容部に接続される開放端とは反対側の開放端に接続され、前記分離素子を通過した液体を収容する廃液貯留部を備えてもよい。この場合には、流路構造体が組み込まれる測定装置は、分析に要した液体との接触が不要となり、測定装置のドライ化を実現することが可能である。前記廃液貯留部は、内部の気体を排出するベント部を有することが好ましい。
[0024]
 本発明に係る流路構造体が複数の板状基材の貼合体からなる場合において、前記貼合体を構成する複数の板状基材の少なくとも1枚は、前記測定対象液体を測定するために照射される測定光の波長域について透過性を有し、前記排出流路は、前記貼合体の厚さ方向に沿った流路部を備えることが好ましい。このような構成を有することにより、流路の断面積が小さい場合であっても、測定感度を高めることが可能となる。
[0025]
 前記貯液部の前記液収容部における前記貼合体の一方の主面に最近位な部分と前記貼合体の一方の主面との離間距離は、前記分離素子収容部における前記貼合体の一方の主面に最近位な部分と前記貼合体の一方の主面との離間距離よりも小さいことが好ましい。このような構成を有することにより、流路構造体の使用時に分離素子内に気泡が残留しにくくなり、分離性能が低下しにくくなる。
[0026]
 前記板状基材が3枚以上であることが好ましい。このような構成を有することにより、流路構造体における設計自由度を高めることが可能である。
[0027]
 板状基材は3枚以上である場合において、前記貯液部は少なくとも2枚の前記板状基材の除去加工された部分により構成され、前記分離素子収容部は少なくとも2枚の前記板状基材の除去加工された部分により構成され、前記貯液部を構成する前記少なくとも2枚の板状部材は、前記分離素子収容部を構成する前記少なくとも2枚の板状部材と相違することが好ましい。このような構成を有することにより、流路構造体の使用時に分離素子内に気泡が残留しにくくなり、分離性能が低下しにくくなる。
[0028]
 本発明の他の一態様は、上記の本発明に係る流路構造体と、前記流路構造体の前記液収容部内に収容された液体とを備えることを特徴とする測定ユニットである。本発明に係る測定ユニットは、測定に必要な液体をあらかじめ有しているため、流路構造体が組み込まれた測定装置は、測定に必要な液体を流路構造体に供給する必要がない。
[0029]
 本発明の別の一態様は、上記の本発明に係る測定ユニットの前記インジェクション部に測定対象液体を注入し、前記圧力伝達部に外力を加えて、前記液収容部内の液体を前記供給流路内に供給して、前記測定対象液体を含む液体について前記分離素子内を通過させ、前記分離素子を通過した前記測定対象液体を含む液体を測定して、前記測定対象液体の組成に関する情報を得ることを特徴とする測定対象液体の測定方法である。
[0030]
 上記の測定方法において、前記貼合体を構成する複数の板状基材の少なくとも1枚は、前記測定対象液体を測定するために照射される測定光の波長域について透過性を有し、前記分離素子を通過して前記排出流路内に位置する前記測定対象液体を含む液体に対して前記測定光を照射して、前記測定対象液体の組成に関する情報を得てもよい。
[0031]
 上記の測定方法において、前記分離素子は分離カラムであって、前記分離カラムに供給される液体の圧力は1MPa以下であってもよい。本発明に係る流路構造体は小型であっても分析能力を高めることができるため、分離カラムに供給される液体の圧力を低くすることが可能である。
[0032]
 本発明の別の一態様は、上記の本発明に係る測定ユニットを備えることを特徴とする測定対象液体の測定装置である。かかる測定装置は小型化に対応しやすい。

発明の効果

[0033]
 本発明によれば、流路構造体が組み込まれた測定装置に対応しやすい流路構造体が提供される。また、本発明によれば、上記の流路構造体を備える測定ユニット、上記の測定ユニットを用いる測定対象液体の測定方法、および上記の測定ユニットを備える測定対象液体の測定装置も提供される。

図面の簡単な説明

[0034]
[図1] 本発明の第1実施形態に係る流路構造体の斜視図である。
[図2] 本発明の第1実施形態に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。
[図3] 本発明の第1実施形態に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[図4] 本発明の第1実施形態の変形例の一つに係る流路構造体を構成する2枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。
[図5] 本発明の第2実施形態に係る流路構造体の斜視図である。
[図6] 本発明の第2実施形態に係る流路構造体を構成する4枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。
[図7] 図5に示すA-A線の断面図である。
[図8] 図5に示すB-B線の断面図である。
[図9] 本発明の第3実施形態に係る流路構造体を構成する4枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。
[図10] 図9に示すC-C線の断面図である。
[図11] 図9に示すD-D線の断面図である。
[図12] 本発明の第4実施形態に係る流路構造体の斜視図である。
[図13] 本発明の第4実施形態に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。
[図14] 本発明の第4実施形態に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[図15] 本発明の第4実施形態の変形例の一つ(第1変形例)に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[図16] 本発明の第4実施形態の変形例の他の一つ(第2変形例)に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[図17] 本発明の第4実施形態の第2変形例に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。
[図18] 本発明の第4実施形態の変形例の別の一つ(第3変形例)に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[図19] 本発明の第4実施形態の変形例のまた別の一つ(第4変形例)に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。
[図20] 本発明の第4実施形態の変形例のさらに別の一つ(第5変形例)に係る流路構造体の斜視図である。
[図21] 本発明の第4実施形態の第5変形例に係る流路構造体を構成する3枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。
[図22] 本発明の第4実施形態の第5変形例に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0035]
 以下、本発明の実施形態に係る、流路構造体、測定ユニット、測定対象液体の測定方法、および測定対象液体の測定装置について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
[0036]
(第1実施形態)
 図1は、本発明の第1実施形態に係る流路構造体の斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[0037]
 図1から図3に示される第1実施形態に係る流路構造体1は、いずれも透明材料からなる2枚の板状部材P1,P2の貼合体である。透明材料として、ガラス、アクリル系樹脂材料、シクロオレフィン系樹脂材料、ポリエステル系樹脂材料などが挙げられる。製造しやすさと透明な波長範囲の広さの観点から、2枚の板状部材P1,P2の少なくとも一方はシクロオレフィン系材料からなることが好ましく、2枚の板状部材P1,P2ともにシクロオレフィン系材料からなることがより好ましい。
[0038]
 第1実施形態に係る流路構造体1は、液体を収容可能な液収容部11と流出部12とを有する貯液部10を備える。流路構造体1は、2つの開放端21,22の間に分離素子(本実施形態では分離カラムCL)を内包する分離素子収容部20を備える。流路構造体1は、貯液部10の流出部12と分離素子収容部20の一方の開放端21とに接続して、貯液部10と分離素子収容部20とを連通させる供給流路30を備える。流路構造体1は、分離素子収容部20の他方の開放端22に接続される排出流路40を備える。
[0039]
 供給流路30は、貯液部10の流出部12に接続する貯液部側流路31と、分離素子収容部20に接続する分離素子側流路32と、貯液部側流路31と分離素子側流路32との間に位置して、測定対象液体を供給流路30内に導入可能なインジェクション部33とを備える。本発明の一実施形態に係る流路構造体1では、貯液部側流路31と分離素子側流路32とインジェクション部33との接続部はT字分岐路により構成されている。
[0040]
 貯液部10は、流路構造体1に加えられた外力を貯液部10内の圧力変動として伝達可能な圧力伝達部13を備える。圧力伝達部13により、貯液部10内に収容された液体を貯液部10内の圧力変動に基づいて流出部12から供給経路30へと流出可能とされる。流路構造体1が組み込まれた測定装置(図示せず)は、圧力伝達部13に外力を加えることにより、貯液部10内に収容された液体を供給経路30へと流出させ、さらにこの液体を、分離素子(分離カラムCL)内に供給することができる。したがって、測定装置は、流路構造体1の内部に収容された液体に接することなく、分離素子(分離カラムCL)を機能させることが可能である。
[0041]
 本実施形態に係る流路構造体1では、圧力伝達部13は、貯液部10内から流路構造体1外に連通する管状体である。そして、圧力伝達部13を構成する管状体内に流路構造体1外から供給される流体の圧力により貯液部10内の圧力は増加可能である。このような構成を有することにより、流路構造体1が組み込まれた測定装置が気体供給システム(例えば圧空システム)を有していれば、分離素子収容部20の内部に配置された分離素子(分離カラムCL)内に、貯液部10の液収容部11内の液体を供給することができる。
[0042]
 本実施形態に係る流路構造体1の使用時において、流路構造体1の液収容部11には展開液が収容され、流路構造体1とこの展開液とを備える測定ユニットとして測定装置に組み込まれる。展開液を液収容部11に供給することを容易にする観点から、液収容部11内に液体を注入可能な注入部(図示せず)を有していてもよい。注入部は、例えば液収容部11に一方の開放端が接続され、他方の開放端が図1において下側の板状部材P2の主面に設けられた貫通孔から構成されていてもよい。本実施形態に係る流路構造体1を使用する際には、何らかの方法により、注入部が封じられて、図1における下側の板状部材P2の主面には開放端を有しないようにすればよい。
[0043]
 貯液部10の液収容部11内に液体を供給したり、液収容部11からの液体の流出を容易にしたりする観点から、貯液部10の前記液収容部11内の気体を排出可能なベント部(図示せず)を有していてもよい。ベント部は、例えば液収容部11に一方の開放端が接続され、他方の開放端が図1において上側の板状部材P1の主面に設けられた貫通孔から構成されていてもよい。本実施形態に係る流路構造体1を使用する際には、何らかの方法により、ベント部が封じられて、図1における上側の板状部材P1の主面には開放端を有しないようにしてもよい。
[0044]
 インジェクション部33から供給される測定対象液体と貯液部10からの液体との混合をより適切に行う観点から、インジェクション部33、具体的には、インジェクション部33における貯液部側流路31と分離素子側流路32との接合部には、測定対象液体と貯液部10からの液体との混合を促進する多孔質体が配置されることが好ましい。
[0045]
 このインジェクション部33に配置される多孔質体はシリカモノリスからなることがより好ましい。シリカモノリスは、その内部に供給された液体を適切に混合することが可能である。シリカモノリスの形状を適切に設定すれば、分離素子側流路32へと流出する液体は、貯液部側流路31側から流入した液体と、インジェクション部33に供給された液体との完全混合液体とすることが可能である。
[0046]
 インジェクション部33に配置される多孔質体は、分離素子収容部20に収容される分離素子(本実施形態では分離カラムCL)と連携して測定対象液体の分離を促進する機能を有することがより好ましい。インジェクション部33に配置される多孔質体は、分離素子収容部20に収容される分離素子との関係で前処理に位置づけられる機能を有していてもよいし、インジェクション部33に配置される多孔質体が分離素子の機能を有し、分離素子収容部20に収容される分離素子(分離カラムCL)と連携して、一の機能を有する分離素子を構成してもよい。この点については第3実施形態においてさらに説明する。
[0047]
 通常、展開液を用いる分離素子(分離カラムCL)は、展開液の流速が適切に制御されていることが分離性能を高める観点から重要である。そこで、分離素子(分離カラムCL)の分離性能を高めることができるように、貯液部側流路31に配置され、インジェクション部33内を流れる液体の流量変動を抑制する整流部311を備えることが好ましい。整流部311の具体的な形状は、用途に応じて適宜設定される。本実施形態に係る流路構造体1では、整流部311は蛇行流路によって構成されている。
[0048]
 流路構造体1の排出流路40は、一方の開放端42が、分離素子収容部20の他方の開放端22に接続され、他方の開放端43は、板状部材P1の露出する主面の開口となっている。したがって、貯液部10から供給された液体は、排出流路40の他方の開放端43から、流路構造体1外に排出されることができる。
[0049]
 流路構造体1を構成する複数の板状基材(本実施形態に係る流路構造体1では2枚の板状基材P1,P2)の少なくとも1枚は、測定対象液体を測定するために照射される測定光の波長域(例えば400nmが挙げられる。)について透過性を有し、排出流路40は、貼合体からなる流路構造体1の厚さ方向に沿った流路部(測定用流路部)41を備えることが好ましい。このような構成を有することにより、流路の断面積が小さい場合であっても、測定感度を高めることが可能となる。
[0050]
 本実施形態に係る流路構造体1は、限定されない例示として、板状部材P1,P2の平面視形状(厚さ方向から見たときの形状)が数cm×数cmの矩形であり、流路の断面積が0.01mm2またはそれ以下である。このため、排出流路40の流れ方向に沿っていない方向(典型的には直交する方向)から測定光を照射しても、測定光が照射される測定測定感度を高めることは容易でない。そこで、本実施形態に係る流路構造体1の排出流路40は測定用流路部41を有している。流路構造体1の厚さは、限定されない例示として数mmである。流路構造体1の厚さ方向に測定光を照射すると、測定光は、測定用流路部41の流路の流れ方向に沿った方向に照射されるため、測定領域の体積を増やし、測定感度を高めることができる。
[0051]
 図3には、第1実施形態に係る流路構造体1の流路部分1’が示されている。
[0052]
(第1実施形態の変形例)
 図4は、本発明の第1実施形態の変形例の一つに係る流路構造体を構成する2枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。本変形例に係る流路構造体1Aは、第1実施形態に係る流路構造体1と対比して、分離素子収容部20の構造が異なっている。流路構造体1Aの分離素子収容部20は、独立した2つの分離素子(本例では第1分離カラムCL1,第2分離カラムCL2)を受容可能とされている。このように、分離素子収容部20は、測定の目的において、様々な形状とすることができる。
[0053]
 2種類の分離カラムを用いる具体例として、測定対象液体が血液であって、HbA1cを具体的な分析対象とする場合が挙げられる。この場合には、第1分離カラムCL1として陰イオン修飾型のシリカモノリスを用い、第2分離カラムCL2として陽イオン修飾型のシリカモノリスを用いることができる。
[0054]
(第2実施形態)
 図5は、本発明の第2実施形態に係る流路構造体の斜視図である。図6は、本発明の第2実施形態に係る流路構造体を構成する4枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。図7は、図5に示すA-A線の断面図である。図8は、図5に示すB-B線の断面図である。
[0055]
 図5から図8に示される第2実施形態に係る流路構造体2は、第1実施形態に係る流路構造体1と対比して、流路構造体を構成する板状部材の枚数が異なっている。すなわち、第1実施形態に係る流路構造体1は2枚の板状部材P1,P2の貼合体からなり、第2実施形態に係る流路構造体2は4枚の板状部材P1,P2,P3,P4の貼合体からなる。
[0056]
 貯液部10は、2枚の板状部材P1,P2に設けられた溝により画成される。分離素子収容部20は、2枚の板状部材P3,P4に設けられた溝により画成される。したがって、断面図7および8に示されるように、貯液部10は、その全体が分離素子収容部20よりも上側(板状部材P1側)に位置する。したがって、流路構造体2に適切に液体が注入されてなる測定ユニットの状態では、分離素子収容部20内の分離素子(本実施形態ではカラムCL)内に気体が入り込みにくい。このため、気泡に由来する測定精度の低下が生じにくい。
[0057]
 また、断面図7および8から明らかなように、貯液部10の液収容部11は、平面視で分離素子収容部20と重複する領域を有する。このような構造は、2枚の板状部材P1,P2の貼合体からなる第1実施形態に係る流路構造体1で実現することは容易でない。したがって、第2実施形態に係る流路構造体2は、第1実施形態に係る流路構造体1よりも、液収容部11の体積を大きくしたり、平面視の面積を小さくしたりすることが容易である。
[0058]
 なお、第2実施形態に係る流路構造体2は供給流路30が3枚の板状部材P2,P3,P4に設けられた溝および貫通孔により画成されるため、貯液部10の液収容部11が、平面視で供給流路30と重複する領域をも有する。したがって、第2実施形態に係る流路構造体2は、第1実施形態に係る流路構造体1よりも、供給経路30の構造を複雑化することが容易である。供給経路30の構造が複雑化されることは、供給経路30が多機能化されることを意味する場合が多い。
[0059]
(第3実施形態)
 図9は、本発明の第3実施形態に係る流路構造体を構成する4枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。図10は、図9に示すC-C線の断面図である。図11は、図9に示すD-D線の断面図である。
[0060]
 第3実施形態に係る流路構造体3は、第1実施形態に係る流路構造体1と対比して、流路構造体を構成する板状部材の枚数が異なり、廃液貯留部60を有している点、およびインジェクション部31が多孔質体MNを受容可能な中空部331を有している点でも相違する。
[0061]
 第3実施形態に係る流路構造体3は4枚の板状部材P1,P2,P3,P4の貼合体からなる。流路構造体3の排出流路40における分離素子収容部20の他方の開放端22に接続される開放端42の反対側の開放端43は、廃液貯留部60の流入部62に接続されている。
[0062]
 廃液貯留部60は、中空の廃液収容部61内に、流入部62から流入した液体を貯留することができる。廃液貯留部60は廃液収容部61内と外部とを連通する廃液ベント部63を備え、廃液収容部61内に液体が流入することを容易にしている。廃液ベント部63は貫通孔であってもよい。この場合において、板状部材P1の露出する主面側の開口は、全くの開放状態であってもよいし、気体は通過させるが液体は通過させにくい膜状体が設けられていてもよい。このような構成を備えることにより、廃液収容部61内の液体が流路構造体3に漏れ出す可能性を低減させることができる。廃液ベント部63は逆止弁を有して、流路構造体3内での液体の逆流が抑制されていてもよい。
[0063]
 第3実施形態に係る流路構造体3のインジェクション部31は、貯液部側流路31と分離素子側流路32との接合部に、多孔質体MNを受容可能な中空部331を有する。流路構造体3では、中空部331は、2枚の板状部材P3,P4の溝部により画成されている。板状部材P4の露出する主面に位置するインジェクション部31の開口部332から注入された測定対象液体は、中空部331内に配置された多孔質体MN内に拡散する。そして、貯液部側流路31から流入して多孔質体MN内にある液体と混合され、得られた混合液は、分離素子側流路32へと流出する。
[0064]
 多孔質体MNを構成する材料は限定されない。前述のように、好ましい一例としてシリカモノリスを挙げることができる。多孔質体MNは、分離素子収容部20に収容される分離素子と連携して測定対象液体の分離を促進する機能を有してもよい。かかる構成の一例として、インジェクション部33に配置される多孔質体MNが、分離素子との関係で前処理に位置づけられる機能を有している場合が挙げられる。
[0065]
 他の一例として、インジェクション部33に配置される多孔質体MNが分離素子の機能を有し、分離素子収容部20に収容される分離素子と連携して、一の機能を有する分離素子を構成する場合が挙げられる。この場合の具体例として、図9から図11に示されるように、中空部331内には第1分離カラムCL1が配置され、分離素子収容部20には第2分離カラムCL2が配置されてもよい。この構成において、測定対象液体が血液であって、HbA1cを具体的な分析対象とする場合には、インジェクション部33に配置される第1分離カラムCL1として陰イオン修飾型のシリカモノリスを用い、分離素子収容部20に収容される第2分離カラムCL2として陽イオン修飾型のシリカモノリスを用いることができる。
[0066]
(第4実施形態)
 図12は、本発明の第4実施形態に係る流路構造体の斜視図である。図13は、本発明の第4実施形態に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。図14は、本発明の第4実施形態に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[0067]
 図12から図14に示される第4実施形態に係る流路構造体4は、第1実施形態に係る流路構造体1と対比して、貯液部を複数備える点で相違し、これに伴い、供給流路の構成も相違する。
[0068]
 具体的には、第4実施形態に係る流路構造体4は、貯液部10(本実施形態では「第1貯液部10」という。)および貯液側流路31(本実施形態では「第1貯液側流路31」という。)に加えて、第2貯液部50および第2貯液側流路31’を備える。第2貯液部50は、第1貯液部10と同様に、液収容部51、流出部52および圧力伝達部53を備える。流路構造体2の供給流路31は、複数の貯液部(第1貯液部10、第2貯液部50)の流出部12,52と分離素子側流路32との間に配置され、貯液部側流路の複数(第1貯液側流路31、第2貯液側流路31’)を収斂させて複数の貯液部(第1貯液部10、第2貯液部50)を分離素子側流路32に連通させる収斂部34を備える。
[0069]
 第4実施形態に係る流路構造体4は上記のような構成を有するため、分離素子(本実施形態においても分離カラムCLである。)に供給する液体の組成を複数種類とすることが可能となる。具体的には、測定当初は第1貯液部10に収容されている液体(第1液体)を分離素子(分離カラムCL)に供給し、その後、所定時間経過後に、第2貯液部50に収容されている液体(第2液体)を分離素子(分離カラムCL)に供給することができる。
[0070]
 また、第1液体と第2液体とを、収斂部34で混合して混合液を分離素子(分離カラムCL)に供給することができる。このように収斂部34で混合液を形成する場合には、収斂部34に供給される第1液体の量と第2液体の量とを調整することにより、貯液部を2つ有するだけで、様々な組成の液体を分離素子(分離カラムCL)に供給することができ、好ましい。さらに、収斂部34に供給される第1液体の量と第2液体の量とを経時的に調整することにより、濃度が経時的に連続的に変化する液体を分離素子(分離カラムCL)に供給することも可能である。
[0071]
 収斂部34において複数の貯液部からの液体の混合をより適切に行う観点から、第4実施形態に係る流路構造体4では、収斂部34には多孔質体MNが配置されている。収斂部34に配置される多孔質体MNはシリカモノリスからなることが好ましい。
[0072]
 第3実施形態に係る流路構造体3においてインジェクション部33の中空部331に配置される多孔質体MNと同様に、収斂部34に配置される多孔質体MNは、分離素子収容部20に配置される分離素子(分離カラムCL)と連携して測定対象液体の分離を促進する機能を有していてもよい。
[0073]
 複数の貯液部(第1貯液部10、第2貯液部50)からの液体の混合をより適切に行う観点、分離素子(分離カラムC)における分離性能を高める観点などから、第2貯液部50の流出部52と収斂部34との間には、収斂部34内を流れる液体の流量変動を抑制する個別整流部311’を配置することが好ましい。個別整流部311’は、第1貯液部10の流出部12と収斂部34との間に配置されている整流部311と機能的に等価である。すなわち、整流部311は、収斂部34において第1貯液部10からの液体と第2貯液部50からの液体とが適切に混合することを容易にしている。
[0074]
 図14には、第4実施形態に係る流路構造体4の流路部分4’が示されている。
[0075]
(第4実施形態の変形例)
 図15は、本発明の第4実施形態の変形例の一つ(第1変形例)に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。図16は、本発明の第4実施形態の変形例の他の一つ(第2変形例)に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。図17は、本発明の第4実施形態の第2変形例に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。図18は、本発明の第4実施形態の変形例の別の一つ(第3変形例)に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。図19は、本発明の第4実施形態の変形例のまた別の一つ(第4変形例)に係る流路構造体を構成する2枚の板状部材が分離した状態の斜視図である。図20は、本発明の第4実施形態の変形例のさらに別の一つ(第5変形例)に係る流路構造体の斜視図である。図21は、本発明の第4実施形態の第5変形例に係る流路構造体を構成する3枚の板状部材を分離させた状態の斜視図である。図22は、本発明の第4実施形態の第5変形例に係る流路構造体の流路部分のみを示す斜視図である。
[0076]
 図15に示される第4実施形態の第1変形例に係る流路構造体の流路部分4A’から明らかなように、第4実施形態の第1変形例に係る流路構造体は、インジェクション部33が、多孔質体MNを収容可能な中空部331を備える。したがって、第4実施形態の第1変形例に係る流路構造体では、収斂部34およびインジェクション部33のそれぞれに多孔質体MNが配置されている。このような構成を有することにより、分離素子側流路32を流れ分離素子に供給される液体の混合の程度を高めることが可能となる。また、2つの多孔質体MNおよび分離カラムCLとを連携させて、一つの分離素子として機能させてもよい。
[0077]
 図16に示される第4実施形態の第2変形例に係る流路構造体の流路部分4B’から明らかなように、第4実施形態の第2変形例に係る流路構造体4Bは、インジェクション部33と収斂部34とが一体されている。このような構成を有するため、図17に示される流路構造体4Bは、構造が簡素でありながら、第1液体および第2液体ならびに測定対象液体を適切に混合させることができる。この場合においても、収斂部34に配置される多孔質体MNと分離素子収容部20に配置される分離素子(分離カラムCL)とは、連携して一つの分離素子(具体例が、図17に示した第1分離カラムCL1+第2分離カラムCL2の構成である。)として機能してもよい。
[0078]
 図18に示される第4実施形態の第3変形例に係る流路構造体の流路部分4C’から明らかなように、第4実施形態の第3変形例に係る流路構造体は、収斂部34はT字分岐構造を有する流路からなり、収斂部34には多孔質体MNが配置されていない。このため、第4実施形態の第3変形例に係る流路構造体は簡素化された構造を有する。
[0079]
 図19に示される第4実施形態の第4変形例に係る流路構造体4Dは、分離素子収容部20に2つの分離素子(第1分離カラムCL1、第2分離カラムCL2)が配置されている。分離素子収容部20に配置される2つの分離素子(第1分離カラムCL1、第2分離カラムCL2)と収斂部34に配置される多孔質体MNとを連携させて、一つの分離素子として機能させてもよい。
[0080]
 図20に示される第4実施形態の第5変形例に係る流路構造体4Eは、3枚の板状部材P1,P2,P3の貼合体からなる。図21に示されるように、第4実施形態の第5変形例に係る流路構造体4Eの板状部材P2は、第1貯液部10の液収容部を画成する部分が貫通孔101からなり、第2貯液部50の液収容部を画成する部分が貫通孔501からなる。このため、流路構造体4Eは、第4実施形態に係る流路構造体4よりも、第1貯液部10の液収容部および第2貯液部50の液収容部の体積が大きい。このため、図22に示される流路構造体の流路部分4E’から明らかなように、流路構造体4Eは、流路構造体4よりも第1液体および第2液体を多く収容することができる。
[0081]
 以上説明した本発明の一実施形態に係る流路構造体の貯液部の液収容部内に液体(具体例として展開液や洗浄液が挙げられる。)を収容することにより、測定ユニットが得られる。この測定ユニットは、装置にセットするだけで、測定対象液体の測定を開始することができる。
[0082]
 上記の測定ユニットの具体例として、本発明の一実施形態に係る流路構造体の貯液部の液収容部内に液体(具体例として展開液が挙げられる。)を収容してなる測定ユニットを用いた測定対象液体の測定方法の一例を以下に示す。
[0083]
 まず、圧力伝達部に外力を加えて、測定ユニットの液収容部内の液体を供給流路に供給して、排出経路に至るまで液体で満たす。測定ユニットがかかる構成(液収容部内の液体が供給流路から排出流路に至るまで満たされた状態にあること)をあらかじめ備えていてもよい。次に、測定ユニットのインジェクション部に測定対象液体を注入する。その結果、インジェクション部では、液収容部内から供給された液体と測定対象液体との混合液が形成される。続いて、圧力伝達部に外力を加えて、液収容部内の展開液を供給流路内に供給して、インジェクション部内に形成された混合液を、分離素子内に供給し、測定対象素子の分離を行う。そして、分離素子を通過した液体を測定して、測定対象液体の組成に関する情報を得る。
[0084]
 測定ユニットにおける流路構造体は複数の板状部材の貼合体である。この複数の板状基材の少なくとも1枚は、測定対象液体を測定するために照射される測定光の波長域について透過性を有していることが好ましい。この場合には、分離素子を通過して排出流路内に位置する測定対象液体を含む液体に対して測定光を照射することにより、測定対象液体の組成に関する情報を得ることができる。
[0085]
 分離素子は分離カラムであってもよい。この場合において、分離カラムに供給される液体の圧力(供給圧力)は1MPa以下であることが、測定ユニットが組み込まれる装置(測定装置)の構成を容易にする観点、測定装置の小型化を促進する観点などから好ましい。分離カラムがシリカモノリスからなる場合には、供給圧力を1MPa以下とすることは容易である。分離カラムが樹脂粒子(ポリマービーズ)の集合体からなる場合には、供給圧力を1MPa以下とすることは容易でない。
[0086]
 上記の測定装置の具体的な構成は、測定ユニットの構成、測定対象液体の種類などに応じて適宜設定される。
[0087]
 以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。 
[0088]
 例えば、圧力伝達部は、直動構造を有し、流路構造体外から直動構造に加えられる力により貯液部内の圧力は増加可能であってもよい。このような構成を有することにより、流路構造体が組み込まれる装置が直動機構を動かすための駆動システムを有していれば、分離素子内に液体を流通させることができる。
[0089]
 分離素子は電気泳動素子であってもよい。この場合には、流路構造体は流路内に電極部を有し、この電極部は測定装置と電気的に接続可能とされる。
[0090]
 第4実施形態に係る流路構造体4は、第1貯液部10、第2貯液部50を備え、使用回数の単位に合わせて、これら複数の貯液部(第1貯液部10、第2貯液部50)が必要な液体(例えば、100回分)をそれぞれ保持しているが、その他に、1回分の液体を貯蔵する別タンクを同じ構造体に備えた構造であっても良い。液体を送る負荷を減少させることで、より微量な混合の制御が可能となる。

産業上の利用可能性

[0091]
 本発明に係る流路構造体は、HbA1cなどを具体的な測定対象とするPOCTを実現する測定装置に組み込まれる流路構造体として好適である。本発明に係る流路構造体を備える測定ユニットは、測定対象液体以外には、外部から液体を供給されることなく測定を実施することができるため、測定装置を小型化することが可能である。

符号の説明

[0092]
 1,1A,2,3,4,4B,4D,4E・・・流路構造体
 1’,4’,4A’,4B’,4C’,4E’・・・流路構造体の流路部分
 P1,P2,P3,P4・・・板状部材
 10・・・貯液部(第1貯液部)
  11・・・液収容部
  12・・・流出部
  13・・・圧力伝達部
 20・・・分離素子収容部
  21,22・・・分離素子収容部20の開放端
  CL・・・分離カラム
  CL1・・・第1分離カラム
  CL2・・・第2分離カラム
 30・・・供給流路
  31・・・貯液部側流路(第1貯液側流路)
  31’ ・・・第2貯液側流路
  311・・・整流部
  311’ ・・・個別整流部
  32・・・分離素子側流路
  33・・・インジェクション部
  MN・・・多孔質体
  331・・・中空部
  332・・・開口部
  34・・・収斂部
 40・・・排出流路
  41・・・測定用流路部
  42,43・・・開放端
 50・・・第2貯液部
  51・・・液収容部
  52・・・流出部
  53・・・圧力伝達部
 60・・・廃液貯留部
  61・・・廃液収容部
  62・・・流入部
  63・・・廃液ベント部
 101,501・・・貫通孔

請求の範囲

[請求項1]
 液体を収容可能な液収容部と流出部とを有する貯液部、2つの開放端の間に分離素子を内包する分離素子収容部、前記貯液部の前記流出部と前記分離素子収容部の一方の開放端とに接続して前記貯液部と前記分離素子収容部とを連通させる供給流路、および前記分離素子収容部の他方の開放端に接続される排出流路を備える流路構造体であって、
 前記供給流路は、前記貯液部の前記流出部に接続する貯液部側流路と、前記分離素子収容部に接続する分離素子側流路と、前記貯液部側流路と前記分離素子側流路との間に位置して測定対象液体を前記供給流路内に導入可能なインジェクション部とを備え、
 前記貯液部は前記流路構造体に加えられた外力を前記貯液部内の圧力変動として伝達可能な圧力伝達部を備え、前記貯液部内に収容された液体を前記貯液部内の圧力変動に基づいて前記流出部から前記供給経路へと流出可能とされること
を特徴とする流路構造体。
[請求項2]
 複数の板状基材の貼合体からなる、請求項1に記載の流路構造体。
[請求項3]
 前記圧力伝達部は、前記貯液部内から前記流路構造体外に連通する管状体であり、前記流路構造体外から前記管状体内に供給される流体の圧力により前記貯液部内の圧力は増加可能である、請求項1または2に記載の流路構造体。
[請求項4]
 前記圧力伝達部は、直動構造を有し、前記流路構造体外から前記直動構造に加えられる力により前記貯液部内の圧力は増加可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項5]
 前記分離素子は、分離カラムである、請求項1から4のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項6]
 前記分離素子は、電気泳動素子である、請求項1から4のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項7]
 前記貯液部の前記液収容部内に液体を注入可能な注入部を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項8]
 前記貯液部の前記液収容部内の気体を排出可能なベント部を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項9]
 前記インジェクション部には、前記測定対象液体と前記貯液部からの液体との混合を促進する多孔質体が配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項10]
 前記インジェクション部に配置される多孔質体は、前記分離素子と連携して前記測定対象液体の分離を促進する機能を有する、請求項9に記載の流路構造体。
[請求項11]
 前記貯液部側流路に配置され、前記インジェクション部内を流れる液体の流量変動を抑制する整流部を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項12]
 前記貯液部およびこれに接続する前記貯液側流路を複数備え、前記供給流路は、前記複数の貯液部の流出部と前記分離素子側流路との間に配置され、前記貯液部側流路の複数を収斂させて前記複数の貯液部を前記分離素子側流路に連通させる収斂部を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項13]
 前記収斂部には、前記複数の貯液部からの液体の混合を促進する多孔質体が配置される、請求項12に記載の流路構造体。
[請求項14]
 前記収斂部に配置される多孔質体は、前記分離素子と連携して前記測定対象液体の分離を促進する機能を有する、請求項13に記載の流路構造体。
[請求項15]
 前記流出部と前記収斂部との間に配置され、前記収斂部内を流れる液体の流量変動を抑制する個別整流部を備える、請求項12から14のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項16]
 前記インジェクション部は前記収斂部と一体に設けられる、請求項12から15のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項17]
 前記排出流路の前記分離素子収容部に接続される開放端とは反対側の開放端に接続され、前記分離素子を通過した液体を収容する廃液貯留部を備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項18]
 前記廃液貯留部は、内部の気体を排出するベント部を有する、請求項17に記載の流路構造体。
[請求項19]
 前記貼合体を構成する複数の板状基材の少なくとも1枚は、前記測定対象液体を測定するために照射される測定光の波長域について透過性を有し、
 前記排出流路は、前記貼合体の厚さ方向に沿った流路部を備える、請求項2から18のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項20]
 前記貯液部の前記液収容部における前記貼合体の一方の主面に最近位な部分と前記貼合体の一方の主面との離間距離は、前記分離素子収容部における前記貼合体の一方の主面に最近位な部分と前記貼合体の一方の主面との離間距離よりも小さい、請求項2から19のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項21]
 前記板状基材は3枚以上である、請求項2から20のいずれか一項に記載の流路構造体。
[請求項22]
 前記貯液部は少なくとも2枚の前記板状基材の除去加工された部分により構成され、前記分離素子収容部は少なくとも2枚の前記板状基材の除去加工された部分により構成され、
 前記貯液部を構成する前記少なくとも2枚の板状部材は、前記分離素子収容部を構成する前記少なくとも2枚の板状部材と相違する、請求項21に記載の流路構造体。
[請求項23]
 請求項2から22に記載される流路構造体と、前記流路構造体の前記液収容部内に収容された液体とを備えること
を特徴とする測定ユニット。
[請求項24]
 請求項23に記載される測定ユニットの前記インジェクション部に測定対象液体を注入し、
 前記圧力伝達部に外力を加えて、前記液収容部内の展開液を前記供給流路内に供給して、前記測定対象液体を含む液体について前記分離素子内を通過させ、
 前記分離素子を通過した前記測定対象液体を含む液体を測定して、前記測定対象液体の組成に関する情報を得ることを特徴とする測定対象液体の測定方法。
[請求項25]
 前記貼合体を構成する複数の板状基材の少なくとも1枚は、前記測定対象液体を測定するために照射される測定光の波長域について透過性を有し、
 前記分離素子を通過して前記排出流路内に位置する前記測定対象液体を含む液体に対して前記測定光を照射して、前記測定対象液体の組成に関する情報を得る、請求項24に記載の測定対象液体の測定方法。
[請求項26]
 前記分離素子は分離カラムであって、前記分離カラムに供給される液体の圧力は1MPa以下である、請求項24または25に記載の測定対象液体の測定方法。
[請求項27]
 請求項23に記載される測定ユニットを備えることを特徴とする測定対象液体の測定装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]