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1. WO2017002870 - ネジ構造、送り装置、医療機器、及び輸液ポンプ

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明 細 書

発明の名称 ネジ構造、送り装置、医療機器、及び輸液ポンプ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046  

符号の説明

0047  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11A   11B  

明 細 書

発明の名称 : ネジ構造、送り装置、医療機器、及び輸液ポンプ

技術分野

[0001]
 本発明は、ネジ構造、送り装置、医療機器、及び輸液ポンプに関する。

背景技術

[0002]
 近年、輸液ポンプの液を送るための装置として、スクリューシャフトとナットとからなるネジ構造を備えた送り装置が使用されている。例えば、特許文献1には、雄ネジ部と雌ネジ部のネジ山の断面が、頂部がネジの軸方向と平行となる平行部と、該平行部の一端から延びネジの軸方向と直交する直交部と、平行部の他端から延びネジの軸方向に対して傾斜する方向に延びる傾斜部とを有する構成が開示されている。
[0003]
 しかしながら、特許文献1に開示されたネジ構造では、ネジ山が直交部を有するため、ネジ構造を送り装置として使用した時に、一方向にしかナットを送ることができず、送った後に逆方向に戻すことができなかった。また、雌ネジ部と雄ネジ部において、直交部に接触が生じたときには、傾斜部には食いつきを防止するための遊びが必要となり、この遊びがバックラッシュとなる問題もある。さらには、製造時において前述のような直交部を形成するためには、転造加工を用いることができず、切削などの加工が必要となり、コストが増加する問題があった。
[0004]
 そこで、特許文献2には、スクリューシャフトとナットとからなるネジ構造において、雄ネジ部と雌ネジ部とのネジ山の断面が、台形状に形成された構成が開示されている。この構成では、ナットを一方向に送った後に逆方向に戻すことが可能である。また、バックラッシュも低減でき、かつ転造加工によって成形することもできる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特表2013-534601号公報
特許文献2 : 特開2003-56667号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 ところで、前述のネジ構造において、ナットとして割ナットを使用し、スクリューシャフトに対して、割ナットをスクリューシャフトの側面側(スクリューシャフトの軸芯に対して垂直方向側)から近接させて螺合させたり、離間させたりして、スクリューシャフトにナットを脱着可能に構成することがある。このとき、特許文献2に記載されているような台形状のネジ山を有するネジ構造では、スクリューシャフトに割ナットを側面側から近づけた場合、台形の上底同士が接触し、スクリューシャフトのネジ山と割ナットのネジ山とが噛み合わず、螺合しないことがある。このようにスクリューシャフトに割ナットを近接させる際に、ネジ山同士が螺合しないと、ネジを精密に送ることが困難となる。
[0007]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、割ナットをスクリューシャフトの側面側から近接させる場合に、割ナットとスクリューシャフトとを確実に螺合させることが可能なネジ構造、送り装置、医療機器、及び輸液ポンプを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るネジ構造は、雄ネジ部を有するスクリューシャフトと、前記雄ネジ部に螺合可能に設けられた雌ネジ部を有する割ナットとからなるネジ構造であって、前記雄ネジ部のネジ山及び前記雌ネジ部のネジ山の断面は、略台形状に形成された裾部と、頂点及び該頂点から前記裾部の側部に向けて傾斜する傾斜部を有する頂部と、を備えることを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、スクリューシャフトと、前記スクリューシャフトに螺合する割ナットとを備え、前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山の断面は、略台形状に形成された裾部と、頂部を備え、前記頂部は、頂点と、該頂点から前記裾部に向けて傾斜する傾斜部を有する。
[0009]
 また、本発明の一態様に係るネジ構造は、前記雄ネジ部のネジ山及び前記雌ネジ部のネジ山の断面は、前記頂点を含み前記スクリューシャフトの軸芯と直交する線に対して線対称であることを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山の断面は、前記頂点を通過するとともに、かつ前記スクリューシャフトの軸芯と直交する線に対して、線対称である。
[0010]
 また、本発明の一態様に係るネジ構造は、前記雄ネジ部のネジ山及び前記雌ネジ部のネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記傾斜部の少なくとも一部が直線状に形成されていることを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記頂部の傾斜部は直線部を有する。
[0011]
 また、本発明の一態様に係るネジ構造は、前記雄ネジ部のネジ山及び前記雌ネジ部のネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記頂部の傾斜部の少なくとも一部が曲率を有することを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記頂部の傾斜部は湾曲している。
[0012]
 また、本発明の一態様に係るネジ構造は、前記雄ネジ部のネジ山及び前記雌ネジ部のネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記裾部の側部の少なくとも一部が直線部を有することを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記裾部の側部は直線部を有する。
[0013]
 また、本発明の一態様に係るネジ構造は、前記雄ネジ部のネジ山及び前記雌ネジ部のネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記裾部の側部の少なくとも一部が曲率を有することを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記裾部の側部は湾曲している。
[0014]
 また、本発明の一態様に係るネジ構造は、前記雄ネジ部及び前記雌ネジ部の谷底の少なくとも一方は、平坦とされていることを特徴とする。換言すると、ネジ構造は、前記スクリューシャフト及び前記割ナットの谷底の少なくとも一方は、平坦とされている。
[0015]
 本発明の一態様に係る送り装置は、前述のネジ構造を適用したことを特徴とする。
[0016]
 本発明の一態様に係る送り装置において、前記割ナットは、前記スクリューシャフトに対して、前記スクリューシャフトの軸芯に垂直な方向に移動可能、かつ前記スクリューシャフトの軸芯に平行な方向に往復移動可能に設けられていることを特徴とする。
[0017]
 本発明の一態様に係る輸液ポンプは、前述の送り装置を備えることを特徴とする。
[0018]
 本発明の一態様に係る医療機器は、前述の送り装置を備えることを特徴とする。

発明の効果

[0019]
 本発明によれば、割ナットをスクリューシャフトの側面側から近接する場合に、割ナットとスクリューシャフトとを確実に螺合させることができる。

図面の簡単な説明

[0020]
[図1] 図1は、本発明の実施形態に係る輸液ポンプの概略説明図である。
[図2] 図2は、図1のA-A断面図である。
[図3] 図3は、本発明の実施形態に係るネジ構造の断面を示す概略図である。
[図4] 図4は、図3に示すネジ構造の断面の拡大図である。
[図5] 図5は、図3に示すネジ構造において、スクリューシャフトと割ナットとを離間させた状態を示す概略図である。
[図6] 図6は、図3に示すネジ構造において、スクリューシャフトと割ナットとを近接させる際の状態を示す概略図である。
[図7] 図7は、従来のネジ構造の概略説明図である。
[図8] 図8は、本発明の第1実施形態に係るネジ構造の変形例1を示すネジ構造の概略図である。
[図9] 図9は、本発明の第1実施形態に係るネジ構造の変形例2を示すネジ構造の概略図である。
[図10] 図10は、本発明の第1実施形態に係るネジ構造の変形例3を示すネジ構造の概略図である。
[図11A] 図11Aは、本発明の第1実施形態に係るネジ構造において、ネジ山の変形例を示す図である。
[図11B] 図11Bは、本発明の第1実施形態に係るネジ構造において、ネジ山の変形例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下に添付図面を参照して、本発明に係るネジ構造、送り装置、医療機器、及び輸液ポンプの実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
[0022]
 図1は、本発明の第1実施形態に係る輸液ポンプ1の概略説明図であり、図2は、図1のA-A断面図である。輸液ポンプ1は、送り装置10と、プランジャ2と、シリンジ3と、これらを所定の位置に配置するための架台4と、を備えている。送り装置10は、モータ11と、減速機12と、スクリューシャフト20と、割ナット30と、可動アーム40と、連結棒41と、を備えている。本実施形態に係る輸液ポンプ1は、例えば人工透析のポンプ装置として使用するものである。
[0023]
 モータ11は、輸液ポンプ1及び送り装置10の駆動源となるものであり、モータ11の出力軸が減速機12のギア12a~12dのうちの一つのギア12aに接続されている。このモータ11は、例えば外部入力端子11aから入力される電力や制御信号により駆動する。減速機12は、4つのギア12a~12dが噛み合うことによって構成されており、モータ11の出力軸の回転により、ギア12aが回転することで、隣接するギア12b~12dが順次回転するようになっている。ギア12dは、スクリューシャフト20に連結されており、ギア12dが回転することでスクリューシャフト20に減速された動力が伝達される。
[0024]
 スクリューシャフト20は、一方向に延在しており、外周面に雄ネジ部21を有している。このスクリューシャフト20は、両端部が架台4に架設されており、軸芯回りに自転可能に配設されている。このスクリューシャフト20の外周面には、割ナット30が配設されている。
[0025]
 割ナット30は、内周面に雌ネジ部31を有するナットである。本実施形態において、割ナット30は、半割ナット(ハーフナット)とされているが、これに限定されるものではない。割ナット30の雌ネジ部31とスクリューシャフト20の雄ネジ部21とが螺合されており、スクリューシャフト20の回転に応じて、割ナット30がスクリューシャフト20の軸芯方向に移動可能に構成されている。スクリューシャフト20と、割ナット30とにより構成されるネジ構造50については、後に詳述する。
[0026]
 また、割ナット30は、可動アーム40に連結され、さらにこの可動アーム40が連結棒41に連結されている。可動アーム40は、例えばレバー42を操作することで割ナット30をスクリューシャフト20の軸芯方向と直交する方向に移動させる。すなわち、この可動アーム40により、割ナット30がスクリューシャフト20に対して近接及び離間する。なお、レバー42は、プランジャホルダ43及び接続部材44と連動するように構成されている。連結棒41は、プランジャホルダ43を有する接続部材44を介してプランジャ2と連結されている。スクリューシャフト20の回転による割ナット30の移動量に応じて、可動アーム40、連結棒41、接続部材44、プランジャホルダ43、及びプランジャ2が一体となって移動する。
[0027]
 シリンジ3は、基端側が開口した筒形状をしており、内部にプランジャ2の一部が挿通されている。プランジャ2の先端には押し子2aが設けられており、プランジャ2がシリンジ3の筒内を進むことでシリンジ3の先端から、シリンジ3内に充填された液体がチューブ45を介して吐出されるようになっている。プランジャ2(押し子2a)の移動量は、割ナット30の移動量に応じて決定される。
[0028]
 また、送り装置10は、各種センサを備えている。例えば、本実施形態では、送り装置10は、圧力センサ13と、回転検出センサ14と、位置検出センサ15とを備えている。圧力センサ13は、スクリューシャフト20の一端部に設けられており、スクリューシャフト20にかかる圧力を検知することにより割ナット30が正常に移動しているか否かを検出する。
[0029]
 回転検出センサ14は、割ナット30の外周面に取り付けられており、スクリューシャフト20の回転を検出するものである。位置検出センサ15は、割ナット30の位置を検出するためのものであり、この割ナット30の位置を検出することで、プランジャ2の押し子2aの位置を把握し、シリンジ3内の溶液の残量を確認することができる。
[0030]
 次に、本発明の実施形態に係るネジ構造50について説明する。図3は、本発明の実施形態に係るネジ構造50の断面を示す概略図であり、図4は、図3に示すネジ構造50の断面の拡大図である。ネジ構造50は、上述した、雄ネジ部21を有するスクリューシャフト20と、雄ネジ部21に螺合可能に設けられた雌ネジ部31を有する割ナット30とからなる。すなわち、ネジ構造50は、スクリューシャフト20と、スクリューシャフト20に螺合する割ナット30とを備える。図3に示すネジ構造50の断面(スクリューシャフト20の軸芯の方向と平行な断面)は、スクリューシャフト20の雄ネジ部21と、割ナット30の雌ネジ部31とが螺合した状態を示している。
[0031]
 ネジ構造50において、雄ネジ部21のネジ山22及び前記雌ネジ部31のネジ山32の断面は、略台形状に形成された裾部60,65と、頂点71,76及び裾部60,65に向けて傾斜する傾斜部72,77を有する頂部70,75と、を備えている。すなわち、ネジ構造50においては、スクリューシャフト20のネジ山22及び割ナット30のネジ山32の断面は、略台形状に形成された裾部60,65と、頂部70,75を備え、頂部70,75は、頂点71,76と、該頂点71,76から裾部60,65に向けて傾斜する傾斜部72,77を有する。図4において、頂部71、76と裾部72、77との境界を破線で示している。なお、後述する図5、6、8~11においても、頂部と裾部との境界を破線で示している。ここで、スクリューシャフト20においては、裾部60は頂部71に対して、スクリューシャフト20の外周側面の側に配置されている。また、割ナット30においては、裾部65は頂部76に対して、割ナット30の外周側面の側に配置されている。また、雄ネジ部21のネジ山22及び雌ネジ部31のネジ山32の断面は、頂点71,76を含みスクリューシャフト20の軸芯と直交する線L1,L2(図4において一点鎖線で示されている)に対して線対称とされている。すなわち、ネジ構造50においては、スクリューシャフト20のネジ山22及び割ナット30のネジ山32の断面は、頂点71,76を通過するとともに、かつスクリューシャフト20の軸芯と直交する線L1,L2に対して、線対称である。
[0032]
 ここで、スクリューシャフト20のネジ山22及び割ナット30のネジ山32のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、頂部70,75の傾斜部72,77は直線部を有する。本実施形態では、雄ネジ部21のネジ山22及び雌ネジ部31のネジ山32の断面において、傾斜部72,77が直線部を有している。また、雄ネジ部21のネジ山22及び雌ネジ部31のネジ山32の断面は、頂点71,76及び、傾斜部72,77と裾部60,65との交点においてフィレットが形成(面取り)されている。
[0033]
 また、スクリューシャフト20のネジ山22及び割ナット30のネジ山32のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、裾部60,65の側部(脚61,66)は直線部を有する。本実施形態では、雄ネジ部21におけるネジ山22の裾部60の脚61(側部)と、雌ネジ部31におけるネジ山32の裾部65の脚66(側部)とが直線部を有しており、これら脚61と脚66とが接している。これにより、雄ネジ部21と雌ネジ部31とが密着しやすく、バックラッシュの発生を抑制できる。さらに、雄ネジ部21のネジ山22及び雌ネジ部31のネジ山32において、裾部60、65を略台形状にしているので、割ナット30をスクリューシャフト20の軸芯に平行な方向に往復移動させることが可能である。
[0034]
 また、雄ネジ部21におけるネジ山22の頂部60と、雌ネジ部31の谷底85との間には、隙間が設けられている。同様に、雌ネジ部31におけるネジ山32の頂部60と、雄ネジ部21の谷底80との間には、隙間が設けられている。
[0035]
 また、スクリューシャフト20及び割ナット30の谷底80,85の少なくとも一方は、平坦とされていても良い。すなわち、雄ネジ部21及び雌ネジ部31の谷底80、85の少なくとも一方は、平坦とされていても良い。本実施形態では、割ナット30の雌ネジ部31の谷底85が平坦とされている。一方、雄ネジ部21の谷底80は、雌ネジ部31のネジ山32と対称な形状に形成されている。
[0036]
 ここで、本実施形態において、割ナット30は、可動アーム40に連結されており、スクリューシャフト20の軸芯方向と直交する方向に移動可能となっている。図5は、図3に示すネジ構造50において、スクリューシャフト20と割ナット30とを離間させた状態を示す概略図である。上述のような構成とされたネジ構造50においては、スクリューシャフト20に割ナット30を近接させて、スクリューシャフト20の雄ネジ部21と、割ナット30の雌ネジ部31とを螺合させる場合に、雄ネジ部21及び雌ネジ部31のネジ山32の断面が、前述の裾部60,65及び頂部70,75を備えているので、雌ネジ部31のネジ山32と雄ネジ部21のネジ山22同士が接触した際にすべり、図4に示すように、雌ネジ部31と雄ネジ部21を確実に螺合させることができる(図6参照)。
[0037]
 例えば、従来のネジ構造である台形ネジ51a,56aを用いたネジ構造50aでは、割ナット30aをスクリューシャフト20aの軸芯方向と垂直な方向からスクリューシャフト20aに近接して、割ナット30aの雌ネジ部31aとスクリューシャフト20aの雄ネジ部21aとを螺合させる際に、台形の上底73a,78a同士が接触し、螺合させることができないことがある(図7参照)。この場合にスクリューシャフト20aを回転させて割ナット30aを送ろうとすると、雌ネジ部31aが雄ネジ部21aに螺合していないため、割ナット30aを精密に送ることができない。一方、本実施形態に係るネジ構造50においては、割ナット30をスクリューシャフト20に近接する際に、雄ネジ部21と雌ネジ部31とを確実に螺合させることができるため、従来の台形ネジ51a,56aと比較して、割ナット30をより精密に送ることが可能になる。
[0038]
 また、本実施形態では、雄ネジ部21のネジ山22及び雌ネジ部31のネジ山32の両方の断面が、頂点71,76を含みスクリューシャフト20の軸芯と直交する線L1,L2に対して線対称とされているため、雄ネジ部21の有する裾部60の脚61と雌ネジ部31の有する裾部65の脚66とを確実に接触させることができ、バックラッシュの発生を抑制できる。
[0039]
 また、上述のスクリューシャフト20の雄ネジ部21は、裾部60と頂部70とを有するネジ山22と谷底80が対称に形成されており、このような形状は転造加工により成形することができるので、切削などを行う必要がなく、製造コストを抑制可能となる。また、割ナット30の谷部は平坦に形成されているので、例えば金属粉を焼結させて作製しやすい。
[0040]
(変形例1)
 次に、本発明の実施形態に係るネジ構造50の変形例1について説明する。図8は、本発明の第1実施形態に係るネジ構造50の変形例1を示すネジ構造150の概略図である。ネジ構造150は、雄ネジ部121と雌ネジ部131とからなり、雄ネジ部121及び雌ネジ部131のネジ山122、132は、略台形状の裾部160,165と、頂点171,176及び該頂点171,176から裾部160,165の側部161,166に向けて傾斜する傾斜部172,177を有する頂部170,175と、を有している。ネジ構造150においては、雄ネジ部121のネジ山122及び雌ネジ部131のネジ山132のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、頂部170,175の傾斜部172,177が曲率を有する。すなわち、スクリューシャフト20のネジ山122及び割ナット30のネジ山132のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、頂部170,175の傾斜部172,177は湾曲している。換言すると、スクリューシャフト20のネジ山122における、頂部170の傾斜部172は、頂点171から裾部160にかけて湾曲している。また、割ナット30のネジ山132における、頂部175の傾斜部177は、頂点176から裾部165にかけて湾曲している。このネジ構造150においても、上述した実施形態のネジ構造50と同様の効果を奏する。
[0041]
(変形例2)
 次に、本発明の実施形態に係るネジ構造50の変形例2について説明する。図9は、本発明の第1実施形態に係るネジ構造50の変形例2を示すネジ構造250の概略図である。ネジ構造250は、雄ネジ部221と雌ネジ部231とからなり、雄ネジ部221及び雌ネジ部231のネジ山222、232は、略台形状の裾部260,265と、頂点271,276及び該頂点271,276から裾部260,265の側部261,266に向けて傾斜する傾斜部272,277を有する頂部270,275と、を有している。変形例2のネジ構造250は、雄ネジ部221のネジ山222及び雌ネジ部231のネジ山232のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、裾部260,265の側部261,266が曲率を有する。すなわち、スクリューシャフト20のネジ山222及び割ナット30のネジ山232のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、裾部260,265の側部261,266は湾曲している。換言すると、スクリューシャフト20のネジ山222における裾部260の側部261は、頂部270から谷底280にかけて湾曲している。また、割ナット30のネジ山232における裾部265の側部266は、頂部275から谷底にかけて湾曲している。ネジ構造250では、頂部270,275の傾斜部272,277も曲率を有し、ネジ山222、232は、ネジ山全体としてはラウンド形状となっている。また、雄ネジ部221においては、谷底280も曲率を有している。ここで、スクリューシャフト20及び割ナット30は、裾部の側部の傾斜角度と、頂部の傾斜部の傾斜角度とが異なっている。例えば、スクリューシャフト20において、裾部260の側部261の傾斜角度と、頂部270の傾斜部272の傾斜角度とが異なっている。また、割ナット30において、裾部265の側部266の傾斜角度と、頂部275の傾斜部277の傾斜角度とが異なっている。なお、上記したネジ構造50及びネジ構造150においても、この傾斜角度の違いを同様に有する。このネジ構造250においても、上述した実施形態のネジ構造50と同様の効果を奏する。
[0042]
(変形例3)
 次に、本発明の実施形態に係るネジ構造50の変形例3について説明する。図10は、本発明の第1実施形態に係るネジ構造50の変形例3を示すネジ構造350概略図である。ネジ構造350は、ネジ構造50の雄ネジ部21と、ネジ構造250の雌ネジ部231とからなっている。このように雄ネジ部と雌ネジ部とのネジ山の形状が異なっていても、上述の実施形態で説明したネジ構造50と同様の効果を奏する。
[0043]
 なお、上記の実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
[0044]
 上記実施形態では、頂部の傾斜部が直線部を有する場合や曲率を有する場合について説明したが、頂部の傾斜部が直線部と曲率を有する曲線部とを有していても良い。また、上記実施形態では、裾部の側部が直線部を有する場合や曲率を有する場合について説明したが、裾部の側部が直線部と曲率を有する曲線部とを有していても良い。このような場合、雄ネジ部の裾部の側部が、雌ネジ部の裾部の側部に対して、少なくとも2点で接していることが好ましい。雄ネジ部の裾部の側部と、雌ネジ部の裾部の側部とが、少なくとも2点で接することにより、バックラッシュの発生をより抑制することができる。
[0045]
 例えば図11Aに示すネジ山310のように、頂点325を含む頂部320の傾斜部321が直線部322と曲率を有する曲線部323とを有していても良い。また、裾部330の側部331が直線部332と曲率を有する曲線部333とを有していても良い。図11Bは、ネジ山310の概略説明図であり、ネジ山310において、Aで示される範囲は傾斜部321の範囲を示し、Bで示される範囲は、側部331の範囲を示している。また、A1で示される範囲は、曲線部323の範囲を示し、A2で示される範囲は、直線部322の範囲を示している。また、B1で示される範囲は、曲線部333の範囲を示し、B2で示される範囲は、直線部332の範囲を示している。
[0046]
 また、上記実施形態では、送り装置を備える輸液ポンプについて説明したが、これに限定されるものではなく、送り装置を必要とする他の医療機器であっても良い。

符号の説明

[0047]
1 輸液ポンプ
2 プランジャ
2a 押し子
3 シリンジ
4 架台
10 送り装置
11 モータ
12 減速機
12a、12b、12c、12d ギア
13 圧力センサ
14 回転検出センサ
15 位置検出センサ
20、20a スクリューシャフト
21、21a、121、221 雄ネジ部
22、122、222 ネジ山
30、30a 割ナット
31、31a、131、231 雌ネジ部
32、132、232 ネジ山
40 可動アーム
41 連結棒
42 レバー
43 プランジャホルダ
44 接続部材
45 チューブ
50、50a、150、250、350 ネジ構造
51a、56a 台形ネジ
60、65、160、165、260、265 裾部
61、66 脚(側部)
70、75、170、175、270、275 頂部
71、76、171、176、271、276 頂点
72、77、172、177、272、277 傾斜部
73a、78a 上底
80、85、280 谷底
161、166、261、266 側部
310 ネジ山
320 頂部
321 傾斜部
322 直線部
323 曲線部
330 裾部
331 側部
332 直線部
333 曲線部

請求の範囲

[請求項1]
 スクリューシャフトと、前記スクリューシャフトに螺合する割ナットとを備え、
 前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山の断面は、略台形状に形成された裾部と、頂部を備え、
 前記頂部は、頂点と、該頂点から前記裾部に向けて傾斜する傾斜部を有する、ネジ構造。
[請求項2]
 前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山の断面は、前記頂点を通過するとともに、かつ前記スクリューシャフトの軸芯と直交する線に対して、線対称である、請求項1に記載のネジ構造。
[請求項3]
 前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記頂部の傾斜部は直線部を有する、請求項2に記載のネジ構造。
[請求項4]
 前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記頂部の傾斜部は湾曲している、請求項3に記載のネジ構造。
[請求項5]
 前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記裾部の側部は直線部を有する、請求項4に記載のネジ構造。
[請求項6]
 前記スクリューシャフトのネジ山及び前記割ナットのネジ山のうち少なくとも一方のネジ山の断面において、前記裾部の側部は湾曲している、請求項5に記載のネジ構造。
[請求項7]
 前記スクリューシャフト及び前記割ナットの谷底の少なくとも一方は、平坦とされている、請求項6に記載のネジ構造。
[請求項8]
 請求項7に記載のネジ構造を適用した、送り装置。
[請求項9]
 前記割ナットは、前記スクリューシャフトに対して、前記スクリューシャフトの軸芯に垂直な方向に移動可能、かつ前記スクリューシャフトの軸芯に平行な方向に往復移動可能に設けられている、請求項8に記載の送り装置。
[請求項10]
 請求項8又は9に記載の送り装置を備える、輸液ポンプ。
[請求項11]
 請求項8又は9に記載の送り装置を備える、医療機器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11A]

[ 図 11B]