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1. WO2016021696 - 回転電機の制御装置

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明 細 書

発明の名称 回転電機の制御装置

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075  

符号の説明

0076  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6A   6B  

明 細 書

発明の名称 : 回転電機の制御装置

技術分野

[0001]
 本発明は、車両における駆動輪に対して、変速比を制御する機能を有する駆動系を介して動力を供給する回転電機の制御装置に関する。

背景技術

[0002]
 この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、駆動系の振動を抑制するものが知られている。詳しくは、この制御装置は、車両に搭載されており、前記回転電機としてのモータの電気回転角の検出値に基づいて、車両の駆動系の共振周波数成分を抽出する。この制御装置は、抽出された共振周波数成分に基づいて、前記共振周波数成分を低減するための補償トルクを算出する。そして、制御装置は、前記モータの目標トルクを前記補償トルクにより補正し、補正された目標トルクに基づいてモータの駆動制御を行うことで、前記駆動系の振動を抑制する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2013-90434号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ここで、第1軸がモータの出力軸に接続され、第2軸が駆動輪に接続された変速装置を駆動系に含む車両について前記制御装置を適用する場合を考える。この車両では、変速装置の変速比の変更に伴ってモータの電気角検出値が変化することにより、車両の共振周波数成分と同じ周波数で変動する振動成分が電気角検出値に含まれる場合がある。
 この場合、駆動系の実際の振動が大きくないにもかかわらず、前記制御装置により算出された、駆動系の振動を打ち消すための補償トルクが過度に大きくなる場合がある。この補償トルクが過度に大きくなることにより、モータの実際の出力トルクが過度に大きくなる。その結果、前記制御装置により制振制御を行っているにもかかわらず、車両に対して、前記過度に大きい出力トルクに基づくショックを与えるおそれがある。
[0005]
 本発明は、変速装置の変速比の変更に起因して、駆動系から発生する振動を低減するための補償トルクが過度に大きくなることを回避できる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
[0007]
 本発明の一態様は、回転体の回転により回転電機から出力される動力を、可変の変速比に応じて駆動輪に伝達する変速装置を含む駆動系を備えた車両に適用される前記回転電機の制御装置である。この制御装置は、前記回転体の回転速度に基づいて、該回転速度に含まれる、前記駆動系の振動に基づく振動成分を抽出する抽出器を備えている。また、制御装置は、前記抽出器によって抽出された振動成分に基づいて、前記駆動系の振動を打ち消すための補償トルクを算出する補償トルク算出器と、前記補償トルクに基づいて、前記回転電機の駆動制御を行う制御器とを備えている。さらに、制御装置は、前記回転速度が前記変速装置の変速比の変更に伴って変化することを抑制する抑制処理を行う抑制器を備えている。
[0008]
 駆動系に振動が生じると、回転電機の回転に伴って回転する回転体の回転速度に、駆動系の振動に基づく振動成分が含まれる。ここで、本発明の一態様は、前記回転体の回転速度に基づいて、前記振動成分を抽出する。そして、本発明の一態様は、抽出された振動成分に基づいて、駆動系の振動を打ち消すための補償トルクを算出する。さらに、本発明の一態様は、駆動系の振動成分の抽出に用いられる回転速度が変速装置の変速比の変更に伴って変化することを抑制する抑制処理を行う。この抑制処理により、変速装置の変速比の変更に伴って回転体の実際の回転速度が変化したとしても、振動成分の抽出に用いられる回転体の回転速度が変速比の変更に伴って変化することを抑制できる。この抑制により、回転体の回転速度に含まれる変動成分であって、駆動系の振動に基づいて生じる変動成分の変動周波数と同じ周波数で変動する変動成分を低減することができる。したがって、変速比の変更に起因して補償トルクが過度に大きくなることを回避することができ、この結果、トルクショックの発生を防止することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の第1実施形態に関わる回転電機の制御装置を含む制御システムの全体構成図。
[図2] 図1に示す第2のECUにおける回転速度変化低減処理を行う構成の一例を示すブロック図。
[図3] 前記回転速度変化低減処理の手順の一例を示す概略フローチャート。
[図4] 第1実施形態に関わる実際の変速比、モータ回転速度、およびモータジェネレータの実際の出力トルクそれぞれの推移を示すグラフ。
[図5] 本発明の第2実施形態に関わる回転速度変化低減処理の手順の一例を示す概略フローチャート。
[図6A] 第2の実施形態に関わる、回転速度変化低減処理が施されていないモータ回転速度の推移を示すグラフ。
[図6B] 第2実施形態に関わる、回転速度変化低減処理が施されたモータ回転速度である処理済回転速度信号の推移を示すグラフ。

発明を実施するための形態

[0010]
 (第1実施形態)
 以下、本発明にかかる制御装置を、主機として回転電機のみを備える車両に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[0011]
 図1に示すように、車両Vは、モータジェネレータ(MG)10、インバータ12、バッテリ14、無段変速装置16、ドライブシャフト18、及び駆動輪20を備えている。また、車両Vは、第1のECU(Electronic Control Unit)22、第2のECU24、及び第3のECU26を備えている。
[0012]
 モータジェネレータ10は、車両Vの走行駆動源としての電動機と、発電機との双方として機能する。第1の実施形態は、モータジェネレータ10として、多相回転電機、例えば、三相巻線(U、V、W相巻線)を含む3相回転電機を用いている。具体的には、第1実施形態は、例えば、モータジェネレータ10として、三相同期モータを用いることができる。
[0013]
 インバータ12として、例えば、モータジェネレータ10として三相回転電機が用いられている場合、例えば、電圧制御形の3相インバータが用いられる。このインバータ12は、バッテリ14から出力された直流電圧を交流電圧に変換し、変換した交流電圧をモータジェネレータ10に印加する。この電圧印加により、モータジェネレータ10は電動機として動作する。一方、モータジェネレータ10は、ドライブシャフト18側から伝達される駆動力の供給を受けると、この駆動力に基づいて、発電機として動作する。
[0014]
 モータジェネレータ10のロータ10rには、モータジェネレータ10の出力軸(以下、モータ出力軸10a)が連結されている。モータ出力軸10aには、無段変速装置16の入力軸16a(「第1軸」に相当)が連結されている。無段変速装置16は、入力軸16aと出力軸16b(「第2軸」に相当)との間の動力伝達状態を維持したまま、出力軸16bの回転速度に対する入力軸16aの回転速度の比(以下、変速比とする)を連続的に変更可能に構成されている。
[0015]
 出力軸16bには、ドライブシャフト18を介して駆動輪20が連結されている。ここで第1の実施形態において、モータ出力軸10aは、入力軸16aと同一の回転速度で回転するように構成されている。なお、第1の実施形態では、無段変速装置16として、例えば油圧駆動式のものを用いている。つまり、無段変速装置16は、油圧を利用して上記変速比を制御する油圧駆動回路16cを有している。また、第1の実施形態において、駆動系には、モータ出力軸10a、無段変速装置16、及びドライブシャフト18が含まれる。モータ出力軸10a、無段変速装置16の入出力軸16aおよび16b、及びドライブシャフト18のそれぞれは、例えば、モータジェネレータ10の回転に伴って回転する回転体の一例に相当する。
[0016]
 車両Vは、第1の回転速度センサ28(「速度検出器」の一例に相当)、第2の回転速度センサ30、及び第3の回転速度センサ32(「下流側検出器」の一例に相当)をさらに備えている。第1の回転速度センサ28は、モータ出力軸10a(ロータ10r)の回転速度(以下、モータ回転速度とする)を検出する。第2の回転速度センサ30は、入力軸16aの回転速度(以下、入力回転速度とする)を検出し、第3の回転速度センサ32は、出力軸16bの回転速度(以下、出力回転速度とする)を検出する。第1の実施形態において、第1の回転速度センサ28の検出値は、第2のECU24に入力され、第2および第3の回転速度センサ30,32の検出値は、第3のECU26に入力される。なお、第1の実施形態では、モータジェネレータ10のロータ10rの回転角(電気角)又は回転角加速度(電気角加速度)を検出するセンサを車両Vに備え、このセンサにより検出されたロータ10rの電気回転角、あるいは電気角加速度に基づいて、例えば第2のECU24によりモータ回転速度を算出してもよい。
[0017]
 車両Vは、さらに、電流センサ34を備えている。この電流センサ34は、モータジェネレータ10の三相巻線における少なくとも二相の巻線(例えば、第1の実施形態では、V相巻線およびW相巻線)を流れる電流を例えばV相電流およびW相電流として計測し、計測したV相およびW相電流を第2のECU24に対して送る。
[0018]
 第1のECU22、第2のECU24、及び第3のECU26のそれぞれは、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えるマイクロコンピュータとして構成され、例えばROMに記憶されている各種プログラムを実行する。第1のECU22、第2のECU24、及び第3のECU26は、それぞれ互いに情報の送受が可能に構成されている。
[0019]
 第1のECU22は、第2のECU24及び第3のECU26よりも上位の制御装置である。つまり、第1のECU22は、例えば車両Vのユーザの要求を処理する流れにおいて第2および第3のECU24および26よりも上流側の制御装置であり、車両Vの制御を統括する制御装置である。第1のECU22は、ユーザのアクセルペダルの踏み込み操作量等の検出信号に基づいて、モータジェネレータ10の目標トルクTrq*を算出し、第2のECU24に対して出力する。
[0020]
 第2のECU24は、モータジェネレータ10を制御対象とする制御装置である。第2のECU24には、第1のECU22から目標トルクTrq*が入力されたり、第3のECU26から第2および第3の回転速度センサ30および32の検出値が入力されたり、第1の回転速度センサ28の検出値が入力されたりする。第2のECU24は、これら入力値に基づいて、インバータ12における例えばブリッジ接続されたスイッチング素子をオンオフ制御して、バッテリ14から出力された直流電圧を、制御された三相交流電圧に変換してモータジェネレータ10の三相巻線(例えば、U、V、W巻線)に印可する。これにより、ロータ10rを回転させるモータジェネレータ10のトルクを目標トルクTrq*に追従するように制御する。
[0021]
 第3のECU26は、無段変速装置16を制御対象とする制御装置である。第3のECU26には、第1のECU22から目標変速比R*が入力される。第3のECU26は、無段変速装置16の油圧駆動回路16cを操作制御することにより、無段変速装置16の変速比を、入力された目標変速比R*に制御する。
[0022]
 続いて、目標トルクTrq*に基づくモータジェネレータ10のトルク制御を行う第2のECU24の構成の一例について図2に示すブロック図を参照して説明する。
[0023]
 図2に示すように、第2のECU24は、変化低減部24a、フィルタ処理部24b、トルク変換部24c、補正部24d、及び駆動制御部24eを備えている。これらの構成要素24a~24eは、それぞれハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア‐ソフトウェア混在構成要素として実現することができる。
[0024]
 変化低減部24a(「抑制器」の一例に相当)は、第1の回転速度センサ28によって検出されたモータ回転速度Nmと、第2の回転速度センサ30によって検出された入力回転速度Ninと、第3の回転速度センサ32によって検出された出力回転速度Noutを受信する。そして、変化低減部24aは、モータ回転速度Nm、入力回転速度Nin、および出力回転速度Noutに基づいて、後述する回転速度変化低減処理を行う。この回転速度変化低減処理については、後に詳述する。
[0025]
 フィルタ処理部24b(「抽出器」の一例に相当)は、例えばバンドパスフィルタを含んでいる。バンドパスフィルタは、上述した駆動系の共振周波数frezを通過帯域に含んでおり、例えば、共振周波数frezが通過帯域の中心周波数となっている。フィルタ処理部24bは、変化低減部24aから出力された、回転速度変化低減処理が施された後の、モータ回転速度Nmを表す信号(以下、処理済回転速度信号(processed rotational speed signal)Xとする)を受信する。そして、フィルタ処理部24bは、処理済回転速度信号Xに含まれる振動成分Yを時間領域の周波数信号として抽出する。この振動成分は、上述した駆動系の共振、すなわちモータ回転速度Nmの変化と駆動系との間の共振に伴って、出力回転速度Nout、入力回転速度Nin及び/またはモータ回転速度Nmに含まれるものである。上述した駆動系の共振は、例えば、駆動系のねじり振動モデル(具体的には、駆動系一節ねじり振動モデル)によって表現できる。
[0026]
 すなわち、この駆動系ねじり振動モデルは、モータジェネレータ10の慣性モーメントと車両重量相当の慣性モーメントとがねじりばねで結ばれたモデルである。例えば、第1の実施形態において、上記振動成分(すなわち、共振周波数成分)Yは、駆動系の共振周波数frezを中心とした所定範囲、例えば2~10Hz程度の周波数範囲内、で例えば正弦波に変動する成分を含むものとして想定されている。なお、第1の実施形態において、フィルタ処理部24bは、例えばデジタルフィルタ処理によって上記振動成分を抽出する。
[0027]
 トルク変換部24c(「補償トルク算出器」の一例に相当)は、フィルタ処理部24bによって抽出された振動成分(周波数信号)Yに基づいて、駆動系の共振を抑制するための補償トルク信号Taddを算出する。例えば、第1の実施形態では、トルク変換部24cは、振動成分(周波数信号)Yに乗算係数Kを乗算することで補償トルク信号Taddを算出する。
[0028]
 補正部24dは、目標トルクTrq*から補償トルク信号Taddを減算することで、目標トルクTrq*を補正し、最終的な目標トルク(最終目標トルクTrqf*、式Trq*-Taddで表される)を求める。ここで、第1の実施形態において、目標トルクTrq*が正の場合、第2のECU24によるインバータ12の制御モードがモータジェネレータ10を電動機として動作させる第1の制御モードであることを示している。一方、目標トルクTrq*が負の場合、第2のECU24によるインバータ12の制御モードがモータジェネレータ10を発電機として動作させる第2の制御モードであることを示している。
[0029]
 駆動制御部24e(「制御器」の一例に相当)は、最終目標トルクTrqf*に、基づいて、インバータ12におけるスイッチング素子をオンオフ制御することにより、バッテリ14から出力された直流電圧を、制御された三相交流電圧に変換してモータジェネレータ10の三相巻線に印可する。この結果、モータジェネレータ10のトルクを最終目標トルクTrqf*に追従させる。ここで、駆動制御部24eは、インバータ12におけるスイッチング素子のオンオフ制御として、例えば周知の電流ベクトル制御を行うことが可能である。
[0030]
 例えば、電流ベクトル制御は、計測されたV相およびW相電流から残りの1相(すなわち、U相)の電流を算出し、得られた三相の相電流(U、V、およびW相電流)を、予めロータ10rに定義された該ロータ10rとともに回転する回転直交座標における第1軸および第2軸の電流値に変換する。そして、電流ベクトル制御は、変換された第1軸および第2軸の電流値(計測電流値)と、第1軸および第2軸の指令電流値との第1および第2の偏差をそれぞれ求め、求めた第1および第2の偏差を解消すべき三相指令電圧を求める。電流ベクトル制御は、求めた三相指令電圧に基づいて、インバータ12におけるスイッチング素子のオンオフ制御を行うことにより、モータジェネレータ10のトルクを最終目標トルクTrqf*に追従させる。
[0031]
 すなわち、第2のECU24の構成要素24a~24eは、車両フィードバック制御系を構成しており、上記モータジェネレータ10のトルクに対するフィードバック制御を、例えば所定の周期Tecuで実行している。
[0032]
 具体的には、車両フィードバック制御系24a~24eによるモータジェネレータ10のトルクに対するフィードバック制御が実行され、その結果得られた振動成分(周波数信号)Yが構成要素24aおよび24bにより計測されたことになる。そして、トルク変換部24cは、計測された振動成分(周波数信号)Yに対して前記乗算係数Kをフィードバックゲインしてかけることにより、補償トルク信号Taddを算出する。算出された補償トルク信号Taddに基づいて目標トルクTrq*が補正され、補正された目標トルク(最終目標トルク)Treqf*に基づいて、モータジェネレータ10の実際のトルクが最終目標トルクTreqf*に一致するようにフィードバック制御が実行される。
[0033]
 なお、上記補償トルク信号Taddの算出は、車両Vにおける例えば駆動系が、該駆動系の構成に基づいて定まるモータ回転速度Nmの位相と最終目標トルクの位相との間の位相差が0又は略0となるように構成されていることに基づくものである。つまり、計測された振動成分(周波数信号)Yに対して乗算係数Kをかけて該振動成分(周波数信号)Yの振幅を調整することにより、補償トルク信号Taddを算出している。
[0034]
 仮に、モータ回転速度Nmの位相と最終目標トルクの位相との間の位相差が生じている場合でも、例えば、駆動制御部24eにより、補償トルク信号Taddの位相をモータ回転速度Nmの位相に一致する補正を行えばよい。
[0035]
 トルク変換部24cにおいて算出された補償トルク信号Taddは、上記振動成分(周波数信号)Yに対応する形状を有している。例えば、振動成分Yが正弦波に変動する成分を含んでいる場合には、図2に示すように、補償トルク信号Taddは、0まわりに変動する正弦波状の信号を含んでいる。図2において、補償トルク信号Taddの振幅をAmpにて示している。なお、上記乗算係数(フィードバックゲイン)Kの値は、例えば、打ち消すべき駆動系の振動に基づくトルクの振幅を実験等により推定しておき、この推定振幅に基づいて、乗算係数Kの値を予め設定しておいてもよい。
[0036]
 また、振動成分(周波数信号)Yの周波数は、例えば駆動系の動作により変動する可能性があるため、トルク変換部24cは、例えば、振動成分(周波数信号)Yの周波数に応じて乗算係数Kを可変設定することも可能である。具体的には、トルク変換部24cは、振動成分(周波数信号)Yの周波数と乗算係数Kとが関係付けられたマップや数式等の関係情報を有しており、振動成分(周波数信号)Yの周波数を入力として上記関係情報を参照し、振動成分(周波数信号)Yの入力周波数に対応する乗算係数Kの値を関係情報から読み出し、読み出した値を乗算係数Kとして設定することも可能である。
[0037]
 補正部24dは、目標トルクTrq*から補償トルク信号Taddを減算している。なお、目標トルクTrq*から補償トルク信号Taddを減算するということは、補償トルク信号Taddが正の値の場合には、負の補償トルク信号Taddを目標トルクTrq*に加算するということになり、補償トルク信号Taddが負の値の場合には、正の補償トルク信号Taddを目標トルクTrq*に加算することを意味している。
[0038]
 言い換えれば、振動成分Yに基づくトルクが正弦波状に変化している場合、補正部24dは、上記トルクに対してpだけ位相をシフトさせた補償トルク信号Taddを目標トルクTrq*に加算することにより、振動成分Yに基づくトルクの正負の振幅を、補償トルク信号Taddの負正の振幅を相殺している。
[0039]
 第1の実施形態では、第2のECU24におけるフィードバック制御の周期Tecuを、振動成分(周波数信号)Yの周期(以下、Trezとする)の数十分の1~数百分の1の範囲内に設定している。具体的には、第1の実施形態では、振動成分(周波数信号)Yの周波数を2~10Hzの範囲内として想定していることから、振動成分(周期信号)Yの周期Trezが0.1~0.5secの範囲内であることを想定している。したがって、第2のECU24における周期Tecuを、振動成分(周期信号)Yの周期Trezの例えば50分の1~200分の1の範囲内の値、例えば2msecに設定している。
[0040]
 続いて、第1実施形態の特徴的構成である上記変化低減部24aについて説明する。
 変化低減部24aは、モータ回転速度Nmの変化の度合(変化率、言い換えれば、モータ回転加速度)が0以外の値となる場合、すなわち、モータ回転速度Nmが等速状態から変化した場合において、補償トルク信号Taddが過度に大きくなることを回避する処理を実行する。
[0041]
 例えば、ドライバによるアクセルペダルの操作が急変した場合、その急変に応じて、無段変速装置16の変速比も急変する。具体的には、ドライバによるアクセルペダルの操作量が大きい状態(例えば、フルアクセル状態)から、ドライバによるアクセルぺダルの操作が解除された場合等において、無段変速装置16の変速比が急減する。
[0042]
 この変速比の急変に伴ってモータ回転速度Nmも急変するため、上記急変に対応し、かつ駆動系の制振対象となる周波数成分(具体的には、駆動系の共振周波数成分)と同一の周波数で変動する振動成分がモータ回転速度Nmに含まれることとなる。言い換えれば、振動成分(周波数信号)Yのベースとなる回転速度Nmの変化に傾きが発生する。この結果、駆動系の実際の振動レベルが大きくないにもかかわらず、駆動系の共振を打ち消すための補償トルク信号Taddの振幅の絶対値レベルが上記急変振動成分、すなわち回転速度変化Nmの傾きに反応して過度に大きくなる。この結果、最終目標トルクTrqf*が過度に大きくなり、モータジェネレータ10の実際の出力トルクも過度に大きくなる。この結果、車両Vにトルクショックを与えるおそれがある。
[0043]
 第1の実施形態では、このトルクショックの発生を回避すべく、変化低減部24aにより、回転速度Nmの変化量全体ΔNmから、変速比の変化に応じたモータ回転速度Nmの変化量ΔNcvtを低減する回転速度変化低減処理を行う。
[0044]
 図3に、上記回転速度変化低減処理の手順を示す。この回転速度変化低減処理は、変化低減部24a、すなわち、第2のECU24によって例えば上記周期Tecuで繰り返し実行される。
[0045]
 この一連の処理では、まずステップS10において、第2のECU24は、今回の処理周期(以下、今回処理周期nとし、nは、1以上の自然数である)で取得された入力回転速度(Nin(n)とする)及び出力回転速度(Nout(n)とする)に基づいて、今回の処理サイクルnにおける変速比(Rcvt(n)とする)を算出する。
[0046]
 詳しくは、第2のECU24は、今回の処理サイクルnにおける入力回転速度Nin(n)を今回の処理サイクルnにおける出力回転速度Nout(n)で除算することで今回の処理サイクルnにおける変速比Rcvt(n)を算出する。ここで、変速比Rcvt(n)を今回の処理サイクルnにおける入力回転速度Nin(n)及び今回の処理サイクルnにおける出力回転速度Nout(n)から算出する理由は、無段変速装置16の実際の変速比を正確に把握するためである。つまり、第2のECU24は、今回の処理サイクルnにおける変速比Rcvt(n)として、今回の処理サイクルnにおける目標変速比R*を用いることも可能である。
[0047]
 ここで、第1の実施形態においては、無段変速装置16が油圧駆動式として構成されている。このため、目標変速比R*が第3のECU26に入力されてから、第3のECU26により実際の変速比が目標変速比R*に制御されるまでの時間が比較的長くなる。したがって、変速比Rcvt(n)として、今回の処理サイクルnにおける目標変速比R*を用いた場合、変速比Rcvt(n)と実際の変速比との間に、上記時間の長さに基づくずれが生じる可能性がある。そこで、第1の実施形態においては、第2のECU24は、今回の処理サイクルnにおける変速比Rcvt(n)を、今回の処理サイクルnにおける入力回転速度Nin(n)及び出力回転速度Nout(n)に基づいて算出している。
[0048]
 なお、入力回転速度Nin(n)と出力回転速度Nout(n)とに対しても、振動成分が含まれている場合がある。これら回転速度Nin(n)およびNout(n)に含まれる振動成分の振幅及び位相は略同一である。このため、今回の処理周期nにおける入力回転速度Nin(n)を今回の処理周期nにおける出力回転速度Nout(n)で除算することで、回転速度NinおよびNoutそれぞれに含まれる振動成分は互いに相殺される。この結果、今回の処理周期nにおける変速比Rcvt(n)に含まれる上記振動成分は無視できるレベルとなる。ちなみに、第1の実施形態において、ステップS10の処理が「変速比算出器」の一例に相当する。
[0049]
 続くステップS12では、第2のECU24は、今回の処理周期nにおける変速比Rcvt(n)から前回の処理周期(n-1)における変速比Rcvt(n-1)を減算した値を変速比変化量ΔRとして算出する。なお、第1回目(n=1)の処理においては、例えば、前回の処理周期(n-1)における変速比Rcvt(n-1)をゼロとする。
[0050]
 続くステップS14において、第2のECU24は、変速比変化量ΔRと今回の処理周期nにおける出力回転速度Nout(n)との乗算値を、今回の処理周期nにおける、変速比変更に伴う回転速度変化量、(すなわち対象変化量)ΔNcvt(n)として算出する。なお、第1の実施形態において、ステップS14の処理が「対象変化量算出器」の一例に相当する。
[0051]
 続くステップS16では、第2のECU24は、今回の処理周期nで取得されたモータ回転速度Nm(n)から前回の処理周期(n-1)で取得されたモータ回転速度Nm(n-1)を減算した値を、今回の処理周期nにおけるモータ回転変化量ΔNm(n)(「時間変化量」に相当)として算出する。なお、第1の実施形態において、ステップS16の処理が「時間変化量算出器」の意一例に相当する。なお、第1回目(n=1)の処理においては、例えば、前回の処理周期(n-1)におけるモータ回転速度Nm(n-1)をゼロとする。
[0052]
 続くステップS18では、第2のECU24は、今回の処理周期nにおけるモータ回転変化量ΔNm(n)から今回の処理周期nにおける対象変化量ΔNcvt(n)を減算した値を、今回の処理周期nにおける処理済回転速度信号X(n)として算出し、その後、今回の処理周期nにおける回転速度変化低減処理を終了する。
[0053]
 処理周期毎に算出された処理済回転速度信号Xは、処理周期毎にフィルタ処理部24bに入力される。このとき、処理周期毎に算出された処理済回転速度信号Xには、変速比の変更に基づくモータ回転速度Nmの変化量が含まれていない。
[0054]
 このため、処理周期毎に算出された処理済回転速度信号Xから抽出された振動成分Yには、変速比の変更に起因した変動成分が含まれていない。したがって、たとえ変速比が変更されても、処理済回転速度信号Xから抽出された振動成分Yに基づいてトルク変換部24cにより算出された補償トルク信号Taddの大きさ、すなわち、振幅の絶対値レベル、が上記変速比の変更に伴って過度に増大することを防止することができる。
[0055]
 なお、第1の実施形態では、図3に示す一連の処理(S10~S18)の実行間隔、すなわち周期Tecuを、該周期Tecuにおける変速比Rcvt(n)の変化量ΔRが微小になるように設定している。
[0056]
 すなわち、図3に示す処理におけるステップS10の処理では、入力回転速度Nin(n)を出力回転速度Nout(n)で除算することで変速比Rcvt(n)を算出する。この算出手法は、駆動輪20に接続された出力軸16bの出力回転速度Nout(n)が比較的大きく変化しないことが前提の算出手法である。このため、周期Tecuが大きいと、ステップS10で算出した変速比Rcvt(n)が、実際の変速比に対してずれる可能性がある。この結果、ステップS14で算出された対象変化量ΔNcvt(n)と実際の対象変化量とのずれが大きくなり、モータ回転変化量ΔNm(n)から、対象変化量の影響を十分に除去できなくなる可能性がある。
[0057]
 そこで、第1の実施形態では、上述したように、振動成分Yの周期Trezと周期Tecuとの関係を、下式を満足するように設定している。
   Trez/Tecu=A
   ただし、Aは、所定範囲50~250内における何れかの値である。
 すなわち、周期Tecuを、振動成分(周期信号)Yの周期Trezの例えば50分の1~200分の1の範囲内の値と、該周期Trezよりも非常に短かい周期に設定しているため、変速比の変更が対象変化量ΔNcvt(n)に及ぼす影響を無視できるレベルにすることができる。この結果、モータ回転変化量ΔNm(n)から、対象変化量の影響を十分に除去することができる。
[0058]
 図4に、第1の実施形態に関わる回転速度変化低減処理の実行結果の一例を示す。詳しくは、図4における符号(a)は、実際の変速比の推移の一例を示し、図4における符号(b)はモータ回転速度Nmの推移の一例を示し、図4の符号(c)における実線は、第1実施形態に関わるモータジェネレータ10の実際の出力トルクTrqrの推移の一例を示す。なお、図4における符号(b)に示されるモータ回転速度Nmの推移において、縮尺の関係上、振動成分Yは明確には表示されていない。また、図4の符号(c)における破線は、関連技術にかかるモータジェネレータ10の実際の出力トルクTrqrの推移を示す。ここで、関連技術とは、モータ回転変化量ΔNm(n)がそのままフィルタ処理部24bに入力される構成である。
[0059]
 図4に示されるように、関連技術では、変速比が急変する時刻t1、t2、およびt3のそれぞれの直後において、補償トルク信号Taddが過度に大きくなることに起因して、出力トルクTrqrが過度に大きくなっている。これに対し、第1の実施形態では、変速比が急変する直後であっても、補償トルク信号Taddが過度に大きくなることを抑制しているため、出力トルクTrqrが過度に大きくなることを防止することができる。
[0060]
 以上説明したように、第1の実施形態によれば、変速比の変更に起因して補償トルク信号Taddが過度に大きくなることを回避することができる。このため、車両Vにトルクショックを与えることを回避することができる。
[0061]
 (第2実施形態)
 以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第2の実施形態では、変速に伴う回転速度変化量の低減手法を変更する。
[0062]
 図5に、第2の実施形態にかかる回転速度変化低減処理の手順を示す。第2の実施形態において、この回転速度変化低減処理は、ユーザによって車両Vの始動が指示されてから、車両Vの走行終了が指示されるまでの期間に渡って、第2のECU24により継続して実行される。また、この回転速度変化低減処理は、第2のECU24によって例えば所定の周期Tecuで繰り返し実行される。なお、図5に示す回転速度変化低減処理のステップにおいて、先の図3に示した回転速度変化低減処理と同一のステップについては、同一の符号を付して、その説明を省略または簡略化している。
[0063]
 この一連の処理では、ステップS14の処理の完了後、ステップS20において、第2のECU24は、車両Vの始動が指示されてから前回の処理周期(n-1)までの変速比の変更に伴う回転速度変化量、すなわち対象変化量ΔNcvtの積算値Sum(n-1)に、今回の処理周期nにおける変速に伴う回転速度変化量ΔNcvt(n)を加算することで、車両Vの始動が指示されてから今回の処理周期nまでの対象変化量の積算値Sum(n)を算出する。なお、第2の実施形態において、対象変化量の積算値の初期値Sum(0)は0に設定されている。また、第2の実施形態において、ステップS20の処理が「積算器」の一例に相当する。
[0064]
 続くステップS22では、第2のECU24は、今回の処理周期nにおいて取得されたモータ回転速度Nm(n)からステップS20で算出された対象変化量の積算値Sum(n)を減算することで、今回の処理周期nにおける処理済回転速度信号X(n)を算出し、その後、今回の処理周期nにおける回転速度変化低減処理を終了する。
[0065]
 処理周期毎に算出された処理済回転速度信号Xは、処理周期毎にフィルタ処理部24bに入力される。このとき、対象変化量の積算値Sum(n)が差し引かれた処理済回転速度信号X(n)、すなわち、モータ回転速度Nm(n)には、変速比の変更に伴ったモータ回転速度Nmの変化量が含まれていない。
[0066]
 このため、処理済回転速度信号Xに基づいて抽出された振動成分Yには、変速比の変更に起因した変動成分が含まれていない。したがって、たとえ変速比が変更されても、処理済回転速度信号Xから抽出された振動成分Yに基づいてトルク変換部24cにより算出された補償トルク信号Taddの振幅の絶対値レベルが上記変速比の変更に伴って過度に増大することを防止することができる。
[0067]
 なお、例えば、車両Vの走行終了が指示された場合、第2のECU24は、積算値Sum(n)を初期化して0にする。
[0068]
 図6に、第2の実施形態に関わる、変速比が変更されている状況下における回転速度変化低減処理の実行結果の一例を示す。詳しくは、図6Aは、回転速度変化低減処理が施されていないモータ回転速度Nmの推移を示し、図6Bは、この回転速度変化低減処理が施されたモータ回転速度Nmである処理済回転速度信号Xの推移を示す。なお、図6Aにおける破線は、振動成分Yが取り除かれたモータ回転速度Nmを示し、図6Bにおける破線は、振動成分Yが取り除かれた処理済回転速度信号Xを示す。
[0069]
 図6Aおよび図6Bに示されるように、第2の実施形態によれば、フィルタ処理部24bに入力されるモータ回転速度Nmから、変速比の変更に伴うモータ回転速度Nmの変化を好適に除去することができる。すなわち、図6Aおよび図6Bに示されるように、第2の実施形態によれば、フィルタ処理部24bに入力されるモータ回転速度Nmから、振動成分Yのベースとなるモータ回転速度Nmの変化の傾きを好適に除去することができる。こうした第2の実施形態によれば、上記第1実施形態で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
[0070]
 (その他の実施形態)
 なお、上記第1および第2の実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
[0071]
 上記第1実施形態において、図3のステップS10の処理で用いられる入力回転速度Nin(n)を、モータ回転速度Nm(n)で代用してもよい。また、上記第1実施形態において、図3のステップS14の処理で用いられる出力回転速度Nout(n)を、変速比Rcvt(n)及びモータ回転速度Nm(n)に基づいて算出してもよい。さらに、上記第1実施形態において、図3のステップS16の処理で用いるモータ回転速度Nm(n)を、入力回転速度Nin(n)で代用したり、出力回転速度Nout(n)に変速比Rcvt(n)を除算することで算出したりしてもよい。
[0072]
 上記第1実施形態の図3において、ステップS10の処理を除去し、ステップS12の処理で用いる変速比Rcvt(n)を、今回の処理周期nにおける目標変速比R*(n)としてもよい。
[0073]
 上記各実施形態では、処理済信号Xに含まれる振動成分をフィルタ処理部24bにおいて時間領域の信号として抽出したがこれに限らない。例えば、フィルタ処理部24bは、バンドパスフィルタを用いて抽出した周波数領域における処理済回転速度信号Xのうち、その振幅レベルが最も大きい周波数を振動成分Yとして抽出してもよい。すなわち、フィルタ処理部24bは、処理済回転速度信号Xに含まれる振動成分を、バンドパスフィルタを用いて周波数領域の信号として抽出してもよい。この場合、トルク変換部24cは、抽出した周波数に基づいて、補償トルク信号Taddの振幅Ampを設定すればよい。具体的には、トルク変換部24cは、振動成分(周波数信号)Yの周波数と補償トルク信号Taddの振幅Ampとが関係付けられたマップや数式等の関係情報を有しており、振動成分(周波数信号)Yの周波数を入力として上記関係情報を参照し、振動成分(周波数信号)Yの入力周波数に対応する補償トルク信号Taddの振幅Ampの値を関係情報から読み出し、読み出した値を補償トルク信号Taddの振幅Ampとして設定することができる。なお、この場合、補償トルク信号Taddの位相は、例えばモータ回転速度Nmの位相に基づいて設定すればよい。
[0074]
 各実施形態では、変速装置としては無段変速装置16を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、変速装置として、有段変速装置を用いてもよい。この場合であっても、有段変速装置の入力軸と出力軸とが連結された状態で変速比が変更されるなら、変速比の変更に伴って、モータ回転速度Nmに車両Vの共振周波数成分と同じ周波数で変動する成分が含まれ得る。このため、本発明の適用が有効である。
[0075]
 本発明が適用される車両としては、モータ出力軸10aと無段変速装置16の入力軸16aとの間にクラッチを備える車両であってもよい。この場合であっても、モータ出力軸10aと入力軸16aとがクラッチによって締結状態とされていることを条件として、本発明を適用することができる。また、本発明が適用される車両としては、車載主機として回転電機のみを備える車両に限らず、回転電機に加えて内燃機関を備える車両であってもよい。

符号の説明

[0076]
 10…モータジェネレータ、16…無段変速装置、20…駆動輪、24…第2のECU。

請求の範囲

[請求項1]
 回転体(10a)の回転により回転電機(10)から出力される動力を、可変の変速比に応じて駆動輪(20)に伝達する変速装置(16)を含む駆動系を備えた車両に適用される前記回転電機の制御装置(24、28)であって、
 前記回転体の回転速度に基づいて、該回転速度に含まれる、前記駆動系の振動に基づく振動成分を抽出する抽出器(24b)と、
 前記抽出器によって抽出された振動成分に基づいて、前記駆動系の振動を打ち消すための補償トルクを算出する補償トルク算出器(24c)と、
 前記補償トルクに基づいて、前記回転電機の駆動制御を行う制御器(24d、24e)と、
 前記回転速度が前記変速装置の変速比の変更に伴って変化することを抑制する抑制処理を行う抑制器(24a)と、
を備えたことを特徴とする回転電機の制御装置。
[請求項2]
 前記抑制器は、前記回転速度に基づいて、当該回転速度の所定時間における変化量である時間変化量を算出する時間変化量算出器と、前記回転速度に基づいて、前記変速比の変更に伴った前記回転速度の前記所定時間における変化量である対象変化量を算出する対象変化量算出器とを含み、前記抑制器は、前記抑制処理として、前記時間変化量から前記対象変化量を差し引く処理を行うように構成されており、
 前記抽出器は、前記対象変化量が差し引かれた前記時間変化量を用いて前記振動成分を抽出する請求項1記載の回転電機の制御装置。
[請求項3]
 前記抑制器は、前記回転速度に基づいて、前記変速比の変更に伴った前記回転速度の所定時間における変化量を対象変化量として算出する対象変化量算出器を含み、前記抑制器は、前記抑制処理として、前記抽出器において前記振動成分の抽出に用いられる前記回転速度から前記対象変化量を差し引く処理を行うように構成されており、
 前記抽出器は、前記対象変化量が差し引かれた後の回転速度に基づいて、前記振動成分を抽出する請求項1記載の回転電機の制御装置。
[請求項4]
 前記回転体の回転速度の値が周期的に検出され、前記抑制器の対象変化量算出器は、周期的に検出された前記回転速度の値に基づいて周期的に前記対象変化量を算出するように構成されており、
 前記抑制器は、前記対象変化量算出器により各周期で算出された前記対象変化量の値を、それ以前の周期で算出された前記対象変化量の値に加算することにより、該周期毎に積算値を求める積算器を含み、前記抑制処理として、各周期において検出された回転速度から前記積算器によって求められた対応する積算値を差し引く処理を行うように構成されており、
 前記抽出器は、各周期において検出された回転速度から前記積算値が差し引かれた後の回転速度に基づいて、前記振動成分を抽出する請求項3記載の回転電機の制御装置。
[請求項5]
 前記回転体は、前記回転電機の出力軸であり、前記変速装置は、前記出力軸に接続された第1軸(16a)と、前記駆動輪に接続された第2軸(16b)とを有しており、
 前記対象変化量算出器は、前記所定時間における前記変速比の変化量を算出する変速比算出器を含み、前記第2軸の回転速度に前記変速比の変化量を乗算することで、前記対象変化量を算出する請求項2~4のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
[請求項6]
 前記所定時間は、前記変速比の変更が前記対象変化量に及ぼす影響を無視できる時間に設定されている請求項2~5のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
[請求項7]
 前記抽出器は、前記抑制処理が施された信号を入力信号とし、前記駆動系の共振周波数を通過帯域に含むバンドパスフィルタを含み、前記入力信号における、前記バンドパスフィルタを通過した信号成分を前記振動成分として抽出する請求項1~6のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
[請求項8]
 前記変速装置は、前記回転電機側と前記駆動輪側との間で動力を伝達可能な状態としたまま前記変速比を連続的に変更可能な無段変速装置である請求項1~7のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]