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1. (WO2015147218) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
Document

明 細 書

発明の名称 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

図面の簡単な説明

0019  

発明を実施するための形態

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177  

符号の説明

0178  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス

技術分野

[0001]
 本発明は、合わせガラスに用いられる合わせガラス用中間膜に関する。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスに関する。

背景技術

[0002]
 合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片の飛散量が少なく、安全性に優れている。このため、上記合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に広く使用されている。上記合わせガラスとして、一対のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み込むことにより得られる合わせガラスが知られている。
[0003]
 近年、自動車用及び建築物用の合わせガラスにおいて、遮熱性を高める要望が高まっている。光線のなかでも、波長が780nm以上である赤外線のエネルギー量は、紫外線のエネルギー量の約10%程度であり、小さい。しかしながら、赤外線の熱的作用は大きく、赤外線が物質に吸収されると、温度上昇が生じる。このため、赤外線は、熱線と呼ばれている。
[0004]
 自動車のフロントガラスやサイドガラス、建物のガラス窓やガラスドアにおいて、入射される熱的作用が大きい赤外線を遮断すれば、遮熱性が高まり、自動車や建物の内部の温度上昇を抑えることが可能である。そこで、赤外線を効果的に遮断する方法が検討されている。
[0005]
 熱的作用が大きい赤外線を効果的に遮断するガラスとして、例えば、熱線カットガラスが知られている。この熱線カットガラスは、太陽光を直接遮断することを目的として、金属蒸着又はスパッタリング加工等によって、ガラス板の表面に金属/金属酸化物の多層コーティングを行うことで得られる。多層コーティング膜では、耐擦傷性が低く、耐薬品性にも劣る。このため、従来、例えば、合わせガラスを得るために、ガラス板と可塑化ポリビニルブチラール樹脂膜等の中間膜との間に、多層コーティング膜を配置して、合わせガラスを得る方法が採用されている。
[0006]
 しかしながら、多層コーティング膜が配置された合わせガラスは高価であり、また、多層コーティング膜に起因して可視光透過率が低くなって透明性が損なわれたり、多層コーティング膜を構成する材料が可視光領域に吸収を有するために着色が生じたりするという問題がある。さらに、多層コーティング膜と中間膜との接着性が低下して、中間膜の剥離や白化が生じることがある。
[0007]
 一方で、特許文献1及び特許文献2には、金属及び/又は金属酸化物を薄膜コーティグ又は蒸着したポリエステルフィルムを、可塑化ポリビニルブチラール樹脂膜の間に配置した合わせガラスが開示されている。
[0008]
 また、可視光を透過しかつ赤外線を遮断する中間膜として、無機粒子などの熱線吸収材料を分散させた中間膜が知られている。特許文献3には、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)又はアンチモンドープ酸化錫粒子(ATO粒子)などの遮熱性を有する金属酸化物粒子を分散させた合わせガラス用中間膜が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開昭57-106543号公報
特許文献2 : 特開昭64-36442号公報
特許文献3 : WO01/25162A1

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 特許文献1,2に記載の合わせガラスでは、可塑化ポリビニルブチラール樹脂膜とポリエステルフィルムとの間の界面で剥離が起こりやすい。このため、合わせガラスを一体化された複合材料として使用する際に重要な接着性に問題がある。
[0011]
 特許文献3に記載の中間膜を用いた合わせガラスでは、遮熱性が十分に高くならないことがあり、更に光の照射により黄色に変色して、可視光透過率が低下することがある。このため、可視光透過率の下限規制がある自動車用フロントガラスに合わせガラスを使う際に問題が生じることが予想される。さらに、ポリビニルブチラール樹脂のような柔軟性及び靭性が高い樹脂により形成された中間膜では、添加された粒子の影響により強靭性や接着性などの力学特性が低下しやすく、中間膜の重要な特性である安全性が損なわれることがある。
[0012]
 本発明の目的は、透明性、遮熱性及び強靭性を高めることができる合わせガラス用中間膜を提供することである。また、本発明は、上記合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスを提供することも目的とする。

課題を解決するための手段

[0013]
 本発明の広い局面によれば、ポリビニルアセタール樹脂及び可塑剤を含有する複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含有する複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備え、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値が0.1以上であり、複数の前記第1の熱可塑性樹脂層と複数の前記第2の熱可塑性樹脂層とが厚み方向に交互に積層されており、複数の前記第1の熱可塑性樹脂層と複数の前記第2の熱可塑性樹脂層との合計の厚み方向における積層数が500層以上である、合わせガラス用中間膜が提供される。
[0014]
 本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、複数の前記第1の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが50nm以上、700nm以下であり、複数の前記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが50nm以上、700nm以下である。
[0015]
 本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層と、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第1の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に合計で20層以上交互に積層された多層構造部分を含む。
[0016]
 本発明に係る合わせガラス用中間膜のある特定の局面では、入射光の反射率が、入射波長350nm~800nmにおいて20%以下であり、かつ入射波長800nm~2500nmにおいて50%以上である。
[0017]
 本発明の広い局面によれば、第1の合わせガラス部材と、第2の合わせガラス部材と、上述した合わせガラス用中間膜とを備え、前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラスが提供される。

発明の効果

[0018]
 本発明に係る合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂及び可塑剤を含有する複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含有する複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備えており、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値が0.1以上であり、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層と複数の上記第2の熱可塑性樹脂層とが厚み方向に交互に積層されており、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層と複数の上記第2の熱可塑性樹脂層との合計の厚み方向における積層数が500層以上であるので、透明性、遮熱性及び強靭性を高めることができる。

図面の簡単な説明

[0019]
[図1] 図1は、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を示す部分切欠断面図である。
[図2] 図2は、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を示す部分切欠断面図である。
[図3] 図3は、本発明の第3の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を示す部分切欠断面図である。
[図4] 図4は、本発明の第4の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を示す部分切欠断面図である。
[図5] 図5は、図1に示す中間膜を備える合わせガラスを示す部分切欠断面図である。
[図6] 図6は、図3に示す中間膜を備える合わせガラスを示す部分切欠断面図である。
[図7] 図7は、実施例1で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図8] 図8は、実施例2で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図9] 図9は、実施例3で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図10] 図10は、実施例4で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図11] 図11は、実施例5で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図12] 図12は、比較例2で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図13] 図13は、比較例3で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図14] 図14は、比較例4で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図15] 図15は、比較例5で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図16] 図16は、比較例6で得られた中間膜を構成するユニット内の1層当たりの厚み分布を示す散布図である。
[図17] 図17は、引裂き試験の評価に用いた直角形試験片の形状を示す図である。

発明を実施するための形態

[0020]
 以下、本発明を詳細に説明する。
[0021]
 [合わせガラス用中間膜]
 本発明に係る合わせガラス用中間膜(以下、中間膜と略記することがある)は、ポリビニルアセタール樹脂及び可塑剤を含有する複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含有する複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備える。本発明に係る中間膜では、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値が0.1以上である。本発明に係る中間膜では、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層と複数の上記第2の熱可塑性樹脂層とが厚み方向に交互に積層されている。従って、本発明に係る中間膜は、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層と複数の上記第2の熱可塑性樹脂層とが厚み方向に交互に積層された多層構造を有する。本発明に係る中間膜では、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層と複数の上記第2の熱可塑性樹脂層との合計の厚み方向における積層数が500層以上である。
[0022]
 本発明に係る中間膜では、上述した構成が備えられているので、中間膜及び中間膜を備える合わせガラスの透明性、遮熱性及び強靭性を高めることができる。
[0023]
 上記第1の熱可塑性樹脂層及び上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率はそれぞれ、例えば、以下の方法により測定できる。
[0024]
 上記第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料を、二軸スクリュー式押出機に供給して溶融混錬し、Tダイに導入して拡幅し、開口部から吐出し、冷却固化し、厚み380μmの熱可塑性樹脂シートを得る。上記熱可塑性樹脂シートの幅方向中央部分において幅10mm及び長さ30mmのシート片を切り出す。次に、アッベ屈折計(ERMA社製「ER-7MW」)を用いて、JIS K7142に準拠して、23℃でD線(波長589.3nm)を照射することにより、シート片の屈折率nDを測定し、固有屈折率とする。同様の方法により、第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率が測定される。
[0025]
 上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率と、上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率との差の絶対値は0.1以上であればよい。上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率が、上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率よりも高くてもよい。上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率が、上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率よりも高くてもよい。
[0026]
 上記固有屈折率の差の絶対値が大きいほど、中間膜の積層構造が同じであるときに、遮熱性がより一層高くなる。上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率と、上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率との差の絶対値は好ましくは0.11以上、より好ましくは0.12以上である。
[0027]
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより本発明を明らかにする。
[0028]
 (第1の実施形態)
 図1に、本発明の第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。
[0029]
 図1に示す中間膜1は、複数の第1の熱可塑性樹脂層21と、複数の第2の熱可塑性樹脂層31とが、厚み方向に交互に500層以上積層されて構成されている積層体2である。図1では、図示の便宜上、第1の熱可塑性樹脂層21と、第2の熱可塑性樹脂層31との合計の厚み方向における積層数は約20層であるが、第1の熱可塑性樹脂層と、第2の熱可塑性樹脂層との合計の厚み方向における積層数は、実際には500層以上である。
[0030]
 第1の熱可塑性樹脂層21と第2の熱可塑性樹脂層31とは、中間膜1及び積層体2の厚み方向に積層されている。複数の第1の熱可塑性樹脂層21の組成は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数の第1の熱可塑性樹脂層21の組成は同一であることが好ましい。複数の第2の熱可塑性樹脂層31の組成は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数の第2の熱可塑性樹脂層31の組成は同一であることが好ましい。
[0031]
 上記第1の熱可塑性樹脂層の組成が異なったり、上記第2の熱可塑性樹脂層の組成が異なったりする場合に、上記固有屈折率の関係に関しては、第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率差の絶対値の最小値が0.1以上であればよい。
[0032]
 中間膜1では、複数の第1の熱可塑性樹脂層21と、複数の第2の熱可塑性樹脂層31とは、厚み方向に交互に積層されている。中間膜1は、第1の熱可塑性樹脂層21が2つの第2の熱可塑性樹脂層31に挟み込まれた部分を有する。中間膜1は、第2の熱可塑性樹脂層31が2つの第1の熱可塑性樹脂層21に挟み込まれた部分を有する。このように、第1の熱可塑性樹脂層21と第2の熱可塑性樹脂層31とが、厚み方向に交互に積層された多層構造を有することによって、中間膜の強靭性及び遮熱性が高くなる。
[0033]
 上記中間膜は、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層と上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層がこの順で積層された部分を有することが好ましく、この部分を複数有することが好ましい。
[0034]
 合計で500層以上積層されている第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の全てが連続して交互に積層されている必要はない。第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層が交互に積層された多層構造を部分的に有していれば、中間膜の強靭性及び遮熱性が高くなる。例えば、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層が交互に連続して250層積層された積層体を2つ用意し、2つの該積層体の間に他の層を配置することによって、他の層を介して第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層とを厚み方向に合計で500層積層した場合でも、本発明の効果が得られ、この場合も本発明に含まれる。
[0035]
 また、第1の熱可塑性樹脂層が連続する部分があってもよく、第2の熱可塑性樹脂層が連続する部分があってもよい。中間膜の強靭性及び遮熱性をより一層高める観点からは、合計で500層以上積層されている第1の熱可塑性樹脂層の全て及び第2の熱可塑性樹脂層の全てが、厚み方向に連続して交互に積層されていることが好ましい。
[0036]
 合計で500層以上積層されている第1の熱可塑性樹脂層の全て及び第2の熱可塑性樹脂層の全てが、厚み方向に連続して交互に積層されていない場合に、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層は合計で、厚み方向に交互に連続して20層以上積層されていることが好ましく、40層以上積層されていることがより好ましい。
[0037]
 複数の上記第1の熱可塑性樹脂層の厚みは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、複数の上記第2の熱可塑性樹脂層の厚みは、同一であってもよく、異なっていてもよい。さらに、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との厚みは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
[0038]
 図1に示す中間膜1において、複数の第1の熱可塑性樹脂層21の厚みは、それぞれ異なっており、厚み方向に連続的に変化している。同様に、複数の第2の熱可塑性樹脂層31の厚みは、それぞれ異なっており、厚み方向に連続的に変化している。このように互いに厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層が積層されていることが好ましい。互いに厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層が積層されていれば、中間膜の遮熱性がより一層高くなる。中間膜の遮熱性が更に一層高くなることから、互いに厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層が20層以上積層されていることが好ましく、40層以上積層されていることがより好ましい。
[0039]
 また、中間膜の遮熱性が更に一層高くなることから、中間膜は、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層と、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第1の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に合計で20層以上交互に積層された多層構造部分を有することが好ましく、中間膜は、厚み方向に合計で40層以上交互に積層された多層構造部分を有することがより好ましい。
[0040]
 この場合に、第1の熱可塑性樹脂層の片側の表面のみに上記第2の熱可塑性樹脂層が接していれば、「片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層」は、「片側の表面に接している1つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層」を意味する。第1の熱可塑性樹脂層の両側の表面に上記第2の熱可塑性樹脂層が接していれば、「片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層」は、「両側の表面に接している2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層」を意味する。「片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層」についても同様である。
[0041]
 中間膜1を用いて合わせガラスを作製する場合、積層体2の第1の表面2aは、合わせガラス部材が積層される表面であり、積層体2の第1の表面2aとは反対の第2の表面2bは、合わせガラス部材が積層される表面である。
[0042]
 (第2の実施形態)
 図2に、本発明の第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。
[0043]
 図2に示す中間膜12は、第1の熱可塑性樹脂層21と第2の熱可塑性樹脂層31とが合計で厚み方向に交互に約20層積層されたユニット11が、厚み方向に25個以上積層された積層体3である。なお、図2では、図示の便宜上、ユニット11が約3個積層されているが、実際には、ユニット11は25個以上積層されており、結果として第1の熱可塑性樹脂層21及び第2の熱可塑性樹脂層31は、厚み方向に合計500層以上積層されている。
[0044]
 25個以上積層される複数のユニット11の形状は、同じであってもよく、異なっていてもよい。図2に示す中間膜12において、ユニット11を構成する複数の第1の熱可塑性樹脂層21及び複数の第2の熱可塑性樹脂層31の各厚みは、中間膜12及びユニット11の厚み方向に連続的に変化している。他に、複数の第1の熱可塑性樹脂層及び複数の第2の熱可塑性樹脂層の各厚みが全て同じであるユニットが存在していてもよい。
[0045]
 同じユニット11内の他の第1の熱可塑性樹脂層21の全て及び第2の熱可塑性樹脂層31の全てと厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層21と、同じユニット11内の第1の熱可塑性樹脂層21の全て及び他の第2の熱可塑性樹脂層31の全てと厚みが異なる第2の熱可塑性樹脂層31の合計の積層数は、好ましくは20層以上である。
[0046]
 中間膜12を用いて合わせガラスを作製する場合には、積層体3の第1の表面3aは、合わせガラス部材が積層される表面であり、積層体3の第1の表面3aとは反対の第2の表面3bは、合わせガラス部材が積層される表面である。
[0047]
 (第3の実施形態)
 図3に、本発明の第3の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。
[0048]
 図3に示す中間膜13は、図1に示す積層体2と、積層体2の第1の表面2aに積層された第3の層41と、積層体2の第2の表面2bに積層された第4の層42とを備える。第3の層41及び第4の層42はそれぞれ表面層である。第3の層41と第4の層42との組成は同一であってもよく、異なっていてもよい。1つの第3の層41が、積層体2の第1の表面2aのみに積層されていてもよく、第2の表面2bに第4の層42が積層されていなくてもよい。第3の層41及び第4の層42の2つの層が、積層体2の第1の表面2aと第2の表面2bとに1層ずつ積層されていることが好ましい。
[0049]
 第3の層41の積層体2側とは反対の外側の表面41aに、図示しないが、エンボスが形成されている。外側の表面41aは、必ずしもエンボスが形成されていなくてもよい。第4の層42の積層体2側と反対の外側の表面42aに、図示しないが、エンボスが形成されている。外側の表面42aは、必ずしもエンボスが形成されていなくてもよい。
[0050]
 中間膜13を用いて合わせガラスを作製する場合には、第3の層41の外側の表面41aは、合わせガラス部材が積層される表面であり、第4の層42の外側の表面42aは、合わせガラス部材が積層される表面である。
[0051]
 (第4の実施形態)
 図4に、本発明の第4の実施形態に係る合わせガラス用中間膜を模式的に部分切欠断面図で示す。
[0052]
 図4に示す中間膜14は、図2に示す積層体3と、積層体3の第1の表面3aに積層された第3の層41と、積層体3の第2の表面3bに積層された第4の層42とを備える。第3の層41及び第4の層42はそれぞれ表面層である。第3の層41と第4の層42との組成は同一であってもよく、異なっていてもよい。1つの第3の層41が、積層体3の第1の表面3aのみに積層されていてもよく、第2の表面3bに第4の層42が積層されていなくてもよい。第3の層41及び第4の層42の2つの層が、積層体3の第1の表面3aと第2の表面3bとに1層ずつ積層されていることが好ましい。
[0053]
 第3の層41の積層体3側とは反対の外側の表面41aに、図示しないが、エンボスが形成されている。外側の表面41aは、必ずしもエンボスが形成されていなくてもよい。第4の層42の積層体3側と反対の外側の表面42aに、図示しないが、エンボスが形成されている。外側の表面42aは、必ずしもエンボスが形成されていなくてもよい。
[0054]
 中間膜14を用いて合わせガラスを作製する場合、第3の層41の外側の表面41aは、合わせガラス部材が積層される表面であり、第4の層42の外側の表面42aは、合わせガラス部材が積層される表面である。
[0055]
 第3の実施形態及び第4の実施形態のように、第3の層を設けることによって、更に第3の層と第4の層とを設けることによって、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各厚みよりも第3の層又は第4の層の厚みを厚くすることができ、第3の層又は第4の層の外側の表面にエンボスを容易に形成できる。但し、第3の層又は第4の層の各厚みは、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各厚みよりも必ずしも厚くなくてもよい。エンボス加工を施す方法としては、リップエンボス法及びロールエンボス法等が挙げられる。
[0056]
 上記第3の層及び上記第4の層の各材料としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂及びポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。合わせガラスの耐衝撃性がより一層高くなることから、上記第3の層及び上記第4の層はそれぞれ、ポリビニルアセタール樹脂を含有することが好ましく、ポリビニルブチラール樹脂を含有することがより好ましい。
[0057]
 以下、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の他の詳細を説明する。
[0058]
 (第1の熱可塑性樹脂層)
 上記第1の熱可塑性樹脂層は、ポリビニルアセタール樹脂と、可塑剤とを含有する。
[0059]
 第1の熱可塑性樹脂層に含まれるポリビニルアセタール樹脂:
 上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれるポリビニルアセタール樹脂は、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値が0.1以上となるように適宜選択される。上記ポリビニルアセタール樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[0060]
 上記ポリビニルアセタール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)をアルデヒドによりアセタール化することにより得られる。上記ポリビニルアセタール樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[0061]
 上記PVAは、例えば、ポリ酢酸ビニルをけん化することにより得られる。上記PVAのけん化度は、一般に、70~99.9モル%の範囲内である。上記PVAのけん化度は、好ましくは80モル%以上、好ましくは99.8モル%以下である。
[0062]
 上記ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度は特に限定されない。成形性、成膜性及び各種の物性の発現を考慮すると、上記PVAの平均重合度は好ましくは200以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1700以上、好ましくは5000以下、より好ましくは3000以下、更に好ましくは2500以下、特に好ましくは2300以下である。上記平均重合度が上記下限以上及び上記上限以下であると、中間膜の強靭性がより一層高くなり、合わせガラスの耐貫通性及び衝撃エネルギー吸収性がより一層高くなり、中間膜の成形性及び成膜性がより一層高くなり、合わせガラスの加工性がより一層高くなる。
[0063]
 上記PVAの平均重合度は、JIS K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
[0064]
 上記アルデヒドは特に限定されない。上記アルデヒドとして、一般に、炭素数が1~10であるアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド及びn-デシルアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n-ブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド又はn-ヘキシルアルデヒドが好ましく、n-ブチルアルデヒドがより好ましい。上記アルデヒドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[0065]
 上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化時に2種類以上のアルデヒドを併用した共ポリビニルアセタール樹脂であってもよい。
[0066]
 上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率(水酸基量)は、好ましくは15モル%以上、より好ましくは18モル%以上、好ましくは40モル%以下、より好ましくは35モル%以下である。上記水酸基の含有率が上記下限以上であると、中間膜の接着性がより一層高くなる。上記水酸基の含有率が上記上限以下であると、中間膜の柔軟性が高くなり、かつ中間膜の取扱い性が高くなる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率を高くすることで、上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率を高くすることができる。
[0067]
 上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有率は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して、上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基が結合しているエチレン基量を測定することにより求めることができる。
[0068]
 上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度(アセチル基量)は好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは0.3モル%以上、更に好ましくは0.5モル%以上、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。上記アセチル化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなる。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜の耐湿性がより一層高くなる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度を高くすることで、上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率を低くすることができる。
[0069]
 上記アセチル化度は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。上記アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
[0070]
 上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は好ましくは40モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは60モル%以上、好ましくは85モル%以下、より好ましくは75モル%以下である。上記アセタール化度が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性がより一層高くなる。上記アセタール化度が上記上限以下であると、ポリビニルアセタール樹脂を製造するために必要な反応時間が短くなる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度を高くすることで、上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率を高くすることができる。
[0071]
 上記アセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。
[0072]
 上記アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル化度(アセチル基量)と水酸基の含有率(ビニルアルコール量)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル化度と水酸基の含有率とを差し引くことにより算出され得る。
[0073]
 上記ポリビニルアセタール樹脂がポリビニルブチラール樹脂である場合には、上記アセタール化度(ブチラール化度)及びアセチル化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」又はASTM D1396-92に準拠した方法により測定された結果から算出され得る。ASTM D1396-92に準拠した方法による測定が好ましい。
[0074]
 上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂であることが好ましく、PVAをn-ブチルアルデヒドによりブチラール化することにより得られるポリビニルブチラール樹脂であることがより好ましい。
[0075]
 第1の熱可塑性樹脂層に含まれる可塑剤:
 上記第1の熱可塑性樹脂層において、ポリビニルアセタール樹脂に可塑剤を添加することで、中間膜の成形性、柔軟性及び強靭性が高くなる。さらに、第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率が第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率よりも高い場合に、ポリビニルアセタール樹脂に可塑剤を添加することで、第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率を低くして、第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値をより一層大きくすることができ、中間膜の透明性及び遮熱性をより一層高めることができる。この効果を得るために、第1の熱可塑性樹脂層が可塑剤を含み、かつ第2の熱可塑性樹脂層が可塑剤を含まないか、又は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層がそれぞれ可塑剤を含み、かつ第1の熱可塑性樹脂層に含まれるポリビニルアセタール樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量が、第2の熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂100質量部に対する可塑剤の含有量よりも多いことが好ましい。
[0076]
 複数の上記第1の熱可塑性樹脂層は、複数の上記第2の熱可塑性樹脂層と交互に積層されるために、上記可塑剤の分子量は低いことが好ましい。分子量が比較的低い可塑剤であれば、第1の熱可塑性樹脂層から第2の熱可塑性樹脂層への可塑剤の移行を抑制することができ、中間膜の表面に可塑剤が移行し難い。このため、分子量が比較的低い可塑剤の使用により、ブリードアウトが抑えられる。この結果、可塑剤が合わせガラス部材と中間膜との接着力を低下させ難く、中間膜の透明性がより一層高くなる。
[0077]
 上記可塑剤として、従来公知の可塑剤を用いることができる。上記可塑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[0078]
 上記可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸可塑剤及び有機亜リン酸可塑剤などのリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
[0079]
 上記一塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル、並びにトリエチレングリコール又はトリプロピレングリコールと一塩基性有機酸とのエステル等が挙げられる。上記グリコールとしては、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びトリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2-エチル酪酸、ヘプチル酸、n-オクチル酸、2-エチルヘキシル酸、n-ノニル酸及びデシル酸等が挙げられる。
[0080]
 上記多塩基性有機酸エステルとしては、特に限定されず、例えば、多塩基性有機酸と、炭素数4~8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。上記多塩基性有機酸としては、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸等が挙げられる。
[0081]
 上記有機エステル可塑剤としては、特に限定されず、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ヘプチルとアジピン酸ノニルとの混合物、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、及びリン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物等が挙げられる。これら以外の有機エステル可塑剤を用いてもよい。上述のアジピン酸エステル以外の他のアジピン酸エステルを用いてもよい。
[0082]
 上記有機リン酸可塑剤としては、特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート及びトリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
[0083]
 上記可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤を含むことが好ましい。このジエステル可塑剤の使用により、合わせガラスの遮音性がより一層高くなる。
[0084]
[化1]


[0085]
 上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、炭素数5~10の有機基を表し、R3は、エチレン基、イソプロピレン基又はn-プロピレン基を表し、pは3~10の整数を表す。上記式(1)中のR1及びR2はそれぞれ、炭素数6~10の有機基であることが好ましい。
[0086]
 上記可塑剤は、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)及びトリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート(3GH)の内の少なくとも1種を含むことが好ましく、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエートを含むことがより好ましい。
[0087]
 上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂100質量部に対して、上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記可塑剤の含有量は好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは55質量部以下である。上記可塑剤の含有量が上記下限以上であると、ポリビニルアセタール樹脂の可塑化効果がより一層大きくなり、中間膜の成形性がより一層高くなり、合わせガラスの耐貫通性がより一層高くなる。上記可塑剤の含有量が上記上限以下であると、可塑剤のブリードアウトがより一層生じ難くなり、中間膜の透明性がより一層高くなる。
[0088]
 上記第2の熱可塑性樹脂層は、可塑剤を含まないことが好ましい。但し、上記第2の熱可塑性樹脂層は、可塑剤を含んでいてもよい。上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記可塑剤の含有量は好ましくは30質量部未満、より好ましくは25質量部未満、更に好ましくは20質量部未満、更に一層好ましくは15質量部未満、特に好ましくは10質量部未満、最も好ましくは5質量部未満である。
[0089]
 (第2の熱可塑性樹脂層)
 上記第2の熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂を含有する。
[0090]
 第2の熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂:
 上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる熱可塑性樹脂は、上記第1の熱可塑性樹脂層と上記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値が0.1以上となるように適宜選択される。上記熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[0091]
 上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率が上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率よりも0.1以上高い場合に、上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂は、上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の固有屈折率よりも低い固有屈折率を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の固有屈折率よりも低い固有屈折率を有する熱可塑性樹脂しては、例えば、フッ素樹脂が挙げられる。上記フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
[0092]
 上記第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率が上記第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率よりも0.1以上高い場合に、上記第2の熱可塑性樹脂層に含まれる上記熱可塑性樹脂は、上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の固有屈折率よりも高い固有屈折率を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記第1の熱可塑性樹脂層に含まれる上記ポリビニルアセタール樹脂の固有屈折率よりも高い固有屈折率を有する熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アセチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、環状オレフィン樹脂及びスチレン-ブタジエン共重合体樹脂等が挙げられる。固有屈折率が比較的高いことから、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂又はスチレン-ブタジエン共重合体樹脂が好ましく、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂がより好ましい。
[0093]
 (他の成分)
 上記第1の熱可塑性樹脂層、上記第2の熱可塑性樹脂層、上記第3の層及び上記第4の層はそれぞれ、必要に応じて、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、接着力調整剤、耐湿剤、滑剤、着色剤、熱線反射剤、熱線吸収剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含有していてもよい。上記添加剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
[0094]
 (中間膜の他の詳細)
 上記中間膜の製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂層を形成するための材料を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けられた金型からフィルム状に押出した後、静電印荷キャスト法、タッチロール法、又はエアーナイフキャスト法により、冷却ロール上で冷却固化し、長尺状の膜に成膜する溶融押出法を用いることができる。他にも、上記熱可塑性樹脂層を形成するための材料を有機溶媒に溶解させた溶液を、ドラム又は無端ベルト等の上に流延した後、有機溶媒を蒸発させて、長尺状の膜に成膜する溶液流延法等の成形法を用いることができる。製造が容易であり、製造コストが低いことから、溶融押出法が好ましい。
[0095]
 上記中間膜の製造方法としては、複数の上記第1の熱可塑性樹脂及び複数の上記第2の熱可塑性樹脂層を厚み方向に積層する中間膜の製造方法であって、熱可塑性樹脂を、溶融押出法により溶融混練し、積層拡張してフィルム状に成形し、溶融樹脂積層体(以下、樹脂積層体と略記して記載することがある)を得る第1の工程と、上記溶融樹脂積層体をダイ開口部から吐出して、冷却ロールにより冷却して、中間膜を得る第2の工程とを有する中間膜の製造方法が挙げられる。
[0096]
 上記第1の工程は、熱可塑性樹脂を溶融押出法により溶融混練した後、積層してから拡張するか、又は拡張してから積層することによりフィルム状に成形し、溶融樹脂積層体を得る工程である。
[0097]
 上記溶融押出法に関しては、膜を成形するためにダイリップ開口部を細長い形状とする必要があるので、Tダイ成形法が好ましい。上記Tダイ成形法において、上記Tダイには、樹脂流入部及びマニホールドが設けられる。上記マニホールドは、樹脂流入部よりも幅方向に長く、樹脂流入部に接続された構造を有する。上記樹脂流入部から供給された樹脂は、マニホールド内で幅方向に拡大するように流れた後、ダイ開口部のリップランドへと輸送される。
[0098]
 上記溶融押出法としては、熱可塑性樹脂層を形成するための材料を膜に成形して積層し、樹脂積層体を形成する溶融押出方法が挙げられる。この溶融押出方法として、共押出法が挙げられる。上記共押出法は、複数の材料を個別の成形機より溶融状態で押出しした後、金型に導入し、金型内外で溶融状態のまま積層する方法である。上記共押出法は、押出された材料を積層するタイミングや成形精度によって、フィードブロック方式、マルチマニホールド方式、マルチスロットダイ方式及びスタティックミキサー方式など数種類の方式に大別される。多くの熱可塑性樹脂層を高精度に積層する観点からは、上記フィードブロック方式が好ましい。
[0099]
 上記フィードブロック方式では、樹脂流入部で2種類以上の材料を積層状態として、フラットダイのマニホールドに供給し、マニホールド内で積層状態を維持しながら幅方向を拡大させて、ダイリップ開口部から積層状態で吐出する方式である。上記フィードブロック方式では、積層される熱可塑性樹脂層ごとにマニホールドを設ける必要が無いので、他の方式に比べてフラットダイの構造を簡単にすることが可能であり、従って操業性やメンテナンス性に優れる。
[0100]
 フィードブロックは、主に、複数の上流側流路と、合流部と、下流側流路とを有する。上記上流側流路から流入する複数の材料を、上記フィードブロック内の合流部において、材料(樹脂)を複数の流路に導入して分割し、かつ分割された材料が交互に積層されるように、流路を交互に配置して厚み方向に積層状態に合流させ、合流した積層体を、下流側流路から下流側の流路アダプタやフラットダイ等に流出させて積層構造体を成形する。
[0101]
 上記中間膜に含まれる複数の上記第1の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが、700nm以下であることが好ましく、50nm以上、700nm以下であることがより好ましい。さらに、上記中間膜に含まれる上記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが、700nm以下であることが好ましく、50nm以上、700nm以下であることがより好ましい。上記第1の熱可塑性樹脂層及び上記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが700nm以下であったり、50nm以上、700nm以下であったりすると、中間膜内に存在する多層構造により、可視光及び赤外線を波長に応じて選択的に反射又は透過させることが可能になり、透明性及び遮熱性により一層優れた中間膜が得られる。上記中間膜に含まれる複数の上記第1の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みはより好ましくは90nm以上、より好ましくは350nm以下である。さらに、上記中間膜に含まれる上記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みはより好ましくは90nm以上、より好ましくは350nm以下である。
[0102]
 上記中間膜では、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが700nm以下又は50nm以上、700nm以下であり、複数の上記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが700nm以下又は50nm以上、700nm以下であり、かつ、互いに厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層が合計で20層以上存在することがより好ましい。さらに、複数の上記第1の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが700nm以下又は50nm以上、700nm以下であり、複数の上記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが700nm以下又は50nm以上、700nm以下であり、かつ、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層と、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第1の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に合計で、20層以上交互に積層された多層構造部分を含むことが好ましい。これらの好ましい中間膜では、中間膜を構成する第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の厚みが異なるために、広い範囲の光波長に対する反射特性が発現し、特に赤外線を広帯域の波長に対して反射させることが可能となり、透明性及び遮熱性により一層優れた中間膜が得られる。
[0103]
 第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の厚みを異ならせるために、上記フィードブロック内合流部の樹脂流路を20個以上備え、かつ樹脂流路の幅が互いに異なることが好ましい。なお、流路幅の比は、得られる中間膜における層の厚み比に対応する。従って、流路幅は所望の層の厚み及び光学特性に応じて適宣設定される。
[0104]
 上記溶融樹脂積層体を、500層以上の積層数とする方法としては、特に限定されないが、例えば多層用ブロックを用いる方法が挙げられる。上記多層用ブロックとして、上記フィードブロック内で合流し得られた樹脂積層体を、樹脂積層体の表面と垂直方向であり、かつ、製造時の樹脂積層体の流れ方向と平行方向に分割し、分割された樹脂積層体を厚み方向に再び積層し、これを繰り返すことにより、より多くの層を有する樹脂積層体を得ることが可能な流路ブロックを用いることができる。
[0105]
 上記共押出法を用いる場合には、熱可塑性樹脂層を形成する材料の組成や、該材料に含まれる熱可塑性樹脂の種類、目的とする層の厚み及び膜幅並びに成形環境や操業性等を考慮して、適宜その設備仕様、手法及び条件を選択できる。
[0106]
 上記熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂である場合に、非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとする。上記工程(1)において、熱可塑性樹脂層を形成するための材料を溶融混練する温度は、好ましくは(Tg+50)以上、好ましくは(Tg+200)℃以下である。上記温度で溶融混練することにより、押出成形時の樹脂流動性が良好になり、厚みや長さなどの寸法精度に優れた中間膜が得られる。
[0107]
 上記Tgは、示差走査熱量計(TA Instruments社製「DSC2920 Modulated DSC」)を用い、下記の温度プログラム条件において測定される最終昇温時のガラス転移温度である。
[0108]
 温度プログラム条件:
 室温(23℃)から50℃まで、10℃/分で昇温して、50℃で5分間保持する。50℃から200℃まで、10℃/分で昇温して、200℃で5分間保持する。200℃から-50℃まで、10℃/分で降温して、-50℃で5分間保持する。-50℃から200℃まで、10℃/分で昇温して、200℃で5分間保持する。
[0109]
 上述した第1の工程により、溶融樹脂積層体が形成される。
[0110]
 上記第1の工程は、上記溶融樹脂積層体をダイ開口部から吐出し、冷却ロールにより冷却して中間膜を得る工程である。上記溶融樹脂積層体を上記冷却ロールにより冷却する方法としては、特に限定されないが、静電印荷キャスト法、タッチロール法及びエアーナイフキャスト法が挙げられる。上記第2の工程では、上記樹脂積層体が冷却ロール上で冷却固化され、長尺状の中間膜に成形される。
[0111]
 上記第2の工程では、上記溶融樹脂積層体を急冷することにより、中間膜が成形され、実質的に分子が無配向の中間膜を得ることが可能である。上記熱可塑性樹脂が非晶性熱可塑性樹脂である場合に、非晶性熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとする。上記冷却ロールの表面温度は、好ましくは(Tg-150)℃以上、好ましくは(Tg)℃以下である。
[0112]
 上述した第2の工程により、上記中間膜が形成される。
[0113]
 上記中間膜の第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の厚み方向における積層数の合計は、500層以上である。上記積層数が500層以上であることによって、赤外線の反射に寄与する層界面数が多くなることで、合わせガラスの赤外線の反射性がより一層高くなり、遮熱性及び透明性により一層優れた中間膜が得られる。これらの性能をより一層良好に発現させる観点からは、上記第1の熱可塑性樹脂層及び上記第2の熱可塑性樹脂層の厚み方向の積層数の合計は、好ましくは550層以上、より好ましくは650層以上である。
[0114]
 上記中間膜の厚みは、特に限定されない。上記中間膜の厚みは、合わせガラスの耐貫通性と相関がある。通常、上記中間膜の厚みが厚いほど、合わせガラスの耐貫通性が高くなる傾向がある。従って、合わせガラスとして最小限必要な耐衝撃性、耐貫通性、更には透明性や経済性等を考慮すると、実用的には、上記中間膜の厚みは、好ましくは0.05mm以上、好ましくは3mm以下である。合わせガラスの耐貫通性をより一層高める観点からは、上記中間膜の厚みはより好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.25mm以上、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
[0115]
 上記中間膜の入射光の反射率は、入射波長350~800nmにおいて、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。上記中間膜の入射光の反射率は、入射波長800~2500nmにおいて、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。入射光の反射率が上記の好ましい値を満足すると、合わせガラスの赤外線反射性及び可視光透過性がより一層良好になり、遮熱性及び透明性により一層優れた中間膜が得られる。上記入射光の反射率の測定方法は、特に限定されないが、以下の手順に従って測定されることが好ましい。得られる多層フィルムの表面を、♯400のサンドペーパーで研磨した後、黒色塗料を塗布し測定片を得る。日立ハイテクノロジー社製「U-4100」を用いて、温度23℃及び湿度50%の条件で、上記測定片の非研磨面より、波長350~2500nmの光を入射角5°で入射し、波長1nmピッチで反射率を測定する。得られた反射率データより算出した、波長350~800nmにおける測定データの平均値を反射率とする。
[0116]
 上記中間膜の23℃での引裂エネルギーは好ましくは0.05J/mm 以上である。上記引裂エネルギーが上記下限以上であると、合わせガラスの耐衝撃性及び耐貫通性がより一層高くなり、車両用途及び建築用途に合わせガラスをより一層好適に用いることができる。
[0117]
 [合わせガラス]
 本発明に係る合わせガラス用中間膜は、合わせガラスを得るために用いられる。
[0118]
 図5に、図1に示す中間膜1を用いた合わせガラスの一例を模式的に部分切欠断面図で示す。
[0119]
 図5に示す合わせガラス15は、第1の合わせガラス部材51と、第2の合わせガラス部材52と、中間膜1とを備える。中間膜1は、第1の合わせガラス部材51と第2の合わせガラス部材52との間に配置されており、挟み込まれている。
[0120]
 第1の合わせガラス部材51は、中間膜1である積層体2の第1の表面2aに積層されている。第2の合わせガラス部材52は、中間膜1である積層体2の第2の表面2bに積層されている。従って、合わせガラス15は、第1の合わせガラス部材51と、中間膜1である積層体2と、第2の合わせガラス部材52とがこの順で積層されて構成されている。
[0121]
 図6に、図3に示す中間膜13を用いた合わせガラスの一例を模式的に部分切欠断面図で示す。
[0122]
 図6に示す合わせガラス16は、第1の合わせガラス部材51と、第2の合わせガラス部材52と、中間膜13とを備える。中間膜13は、第3の層41と積層体2と第4の層42とを有する。中間膜13は、第1の合わせガラス部材51と、第2の合わせガラス部材52の間に配置されており、挟み込まれている。
[0123]
 第1の合わせガラス部材51は、第3の層41の外側の表面41aに積層されている。第2の合わせガラス部材52は、第4の層42の外側の表面42aに積層されている。従って、合わせガラス16は、第1の合わせガラス部材51と、第3の層41と、積層体2と、第4の層42と、第2の合わせガラス部材52とがこの順で積層されて構成されている。
[0124]
 上記合わせガラス部材としては、ガラス板及びPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等が挙げられる。上記合わせガラスには、2枚のガラス板の間に中間膜が配置されている合わせガラスだけでなく、ガラス板とPETフィルム等との間に中間膜が配置されている合わせガラスも含まれる。上記合わせガラスは、ガラス板を備えた積層体であり、少なくとも1枚のガラス板が用いられていることが好ましい。第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材はそれぞれガラス板又はPETフィルムであることが好ましく、合わせガラスは、第1の合わせガラス部材及び第2の合わせガラス部材のうちの少なくとも一方としてガラス板を備えることが好ましい。
[0125]
 上記ガラス板は、無機ガラス板であってもよく、有機ガラス板であってもよい。上記ガラス板の具体例としては、特に限定されないが、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、曲板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス及び着色ガラスなどの無機ガラスや、ポリカーボネート系樹脂やポリメチルメタクリレート系樹脂などにより形成された有機ガラス等が挙げられる。
[0126]
 上記合わせガラスの製造方法として、通常の合わせガラスの場合と同様の製造方法を採用可能である。例えば、上記合わせガラスを得るために、予備圧着と本圧着とを行う。例えば、予備圧着は、2つの合わせガラス部材の間に中間膜が挟み込まれた積層体をニップロールに通し、温度約50~100℃、圧力約0.2~1MPaの条件で脱気しながら予備圧着する方法(扱き脱気法)、並びに、2つの合わせガラス部材の間に中間膜が挟み込まれた積層体をゴムバッグに入れ、ゴムバッグを排気系に接続して、温度約60~100℃、圧力約1~50Paの条件で予備圧着する方法(減圧脱気法)等により行われる。次いで、予備圧着された積層体を、常法によりオートクレーブを用いて、又は、プレスを用いて、温度約120~170℃、圧力約0.2~15MPaの条件で本圧着することにより、合わせガラスが得られる。
[0127]
 上記合わせガラスは、例えば、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス等や、航空機や電車などの乗り物のガラス部位、建築物のガラス部位等に好適に用いることができる。また、上記合わせガラスは、他の無機膜もしくは有機膜と積層して用いることにより、例えば遮音性を付与した遮音性合わせガラスなどの機能性合わせガラスとして用いることもできる。さらに、上記中間膜は、ガラス以外の剛性体、例えば、金属や無機材料等と積層することにより制振素材として用いることもできる。
[0128]
 合わせガラスのヘーズ値は、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、より一層好ましくは1%以下、更に好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.4%以下である。合わせガラスのヘーズ値は、JIS K7316に準拠して測定できる。
[0129]
 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
[0130]
 (実施例1)
 ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度1700、水酸基の含有率30.3モル%、アセチル化度0.7モル%、ブチラール化度69モル%)100質量部と、可塑剤であるトリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘサノエート40質量部と、接着力調整剤である酢酸マグネシウム/2-エチル酪酸マグネシウムの質量比1:1の混合物を得られる中間膜中でマグネシウム量が50ppmになる量とを、二軸スクリュー式押出成形機Iに供給して溶融混練し、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料(固有屈折率=1.4809)を得た。
[0131]
 同時にポリエチレンテレフタレート樹脂(ポリエステル樹脂、相対粘度1.38、固有屈折率=1.6052)を、二軸押出成形機Iに併設した二軸スクリュー押出成形機II(シリンダー径D=30mm、L/D=45)に供給して溶融混練し、第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料を得た。
[0132]
 上記第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料及び上記第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料をそれぞれ、フィードパイプを介して21層のフィードブロック(以下、「FB」と記載することがある)に輸送し、FB内でこれらを合流させて樹脂積層体を得た。
[0133]
 合流した第1の熱可塑性樹脂層の層数が11層、合流した第2の熱可塑性樹脂層の層数が10層となるように、かつ第1の熱可塑性樹脂層11層と第2の熱可塑性樹脂層10層とを厚み方向に交互に合計21層積層して、樹脂積層体を作製した。
[0134]
 さらに、上記FBの下流部に、2分割して積層可能な多層用ブロックを合計5セット取付け、上記樹脂積層体(積層数21層)32個を、厚み方向に積層することにより積層数の合計を672層として、Tダイに導入して拡幅し、ダイリップ開口部から吐出させて溶融樹脂積層体を得た。上記Tダイは、ストレート型マニホールドを備え、かつ、ダイリップ開口部が長方形であり、その長手幅が1500mmで、かつ長手方向に対する垂直方向の幅が2.5mmであった。
[0135]
 上記溶融樹脂積層体を、Tダイのダイリップ開口部から、クロムメッキを施し20℃に温度調整された冷却ロール上に、引取速度10m/分で溶融押出しして、冷却固化させてシート状に連続成膜した。スリット工程で膜端部を、膜中心から左右対称に設置したシェア刃でスリットして除去した。巻取張力70N/m幅で塩化ビニル樹脂製コアにロール状に、中間膜を巻取った。このようにして、幅方向での平均厚みが147μmである中間膜を作製した。
[0136]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0137]
 (実施例2)
 第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリビニルブチラール樹脂を、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度2300、水酸基の含有率24モル%、アセチル化度15モル%、ブチラール化度61モル%)に変更して、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料の固有屈折率を1.4759に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0138]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図8に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0139]
 (実施例3)
 合流した第1の熱可塑性樹脂層の層数を21層、合流した第2の熱可塑性樹脂層の層数を20層となるように、かつ第1の熱可塑性樹脂層21層と第2の熱可塑性樹脂層20層とを厚み方向に交互に合計41層積層したこと、並びに多層用ブロックを合計4セット取付け、上記樹脂積層体(41層)を、厚み方向に16個積層することにより積層数の合計を656層に変更したこと以外は実施例1と同様にして、幅方向での平均厚みが175μmである中間膜を得た。
[0140]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図9に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット16個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0141]
 (実施例4)
 合流した第1の熱可塑性樹脂層の層数を18層、合流した第2の熱可塑性樹脂層の層数を17層となるように、かつ第1の熱可塑性樹脂層18層と第2の熱可塑性樹脂層17層とを厚み方向に交互に合計35層積層したこと、並びに多層用ブロックを合計4セット取付け、上記樹脂積層体(35層)を、厚み方向に16個積層することにより積層数の合計を560層に変更したこと以外は実施例1と同様にして、幅方向での平均厚みが187μmである中間膜を得た。
[0142]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図10に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット16個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0143]
 (実施例5)
 第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂を、ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製「パンライト1225L」、固有屈折率=1.5951)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0144]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図11に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0145]
 (実施例6)
 第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いる可塑剤の含有量を40質量部から25質量部に変更して、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料の固有屈折率を1.4715に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0146]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みと同じになるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0147]
 (実施例7)
 第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いる可塑剤の含有量を40質量部から55質量部に変更して、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料の固有屈折率を1.4953に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0148]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みと同じになるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0149]
 (実施例8)
 第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリビニルブチラール樹脂を、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度2000、水酸基の含有率35.4モル%、アセチル化度0.6モル%、ブチラール化度64モル%)に変更して、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料の固有屈折率を1.4755に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0150]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みと同じになるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0151]
 (実施例9)
 第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリビニルブチラール樹脂を、ポリビニルブチラール樹脂(平均重合度2400、水酸基の含有率36モル%、アセチル化度2モル%、ブチラール化度62モル%)に変更して、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料の固有屈折率を1.4874に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0152]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みと同じになるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0153]
 (実施例10)
 第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂を、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製「トーヨースチロールHRM26」、固有屈折率=1.5980)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0154]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みと同じになるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0155]
 (実施例11)
 第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂を、スチレン-ブタジエン共重合体樹脂(電気化学工業社製「クリアレン530L」、固有屈折率=1.5847)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。
[0156]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図7に示す厚みと同じになるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0157]
 (比較例1)
 押出機II、FB及び多層用ブロックを使用せず、押出機Iのみで単層の中間膜を得たこと以外は、実施例1と同様にして、幅方向での平均厚みが155μmである中間膜を作製した。
[0158]
 (比較例2)
 上記第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に、可塑剤を用いずに、第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料の固有屈折率を1.4692に変更したこと以外は実施例1と同様にして、中間膜を得た。この結果、第1の熱可塑性樹脂層の屈折率と第2の熱可塑性樹脂層との屈折率の差の絶対値は、0.1未満であった。
[0159]
 (比較例3)
 多層用ブロックを合計3セット取付け、上記樹脂積層体(21層)を、厚み方向に8個積層することにより積層数の合計を168層に変更したこと以外は実施例1と同様にして、幅方向での平均厚みが154μmである中間膜を得た。
[0160]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図13に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット8個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0161]
 (比較例4)
 多層用ブロックを合計3セット取付け、上記樹脂積層体(41層)を、厚み方向に8個積層することにより積層数の合計を328層に変更したこと以外は実施例3と同様にして、幅方向での平均厚みが368μmである中間膜を得た。
[0162]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図14に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット8個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0163]
 (比較例5)
 第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂を、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製「エバフレックス、EV560」、固有屈折率=1.4959)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして中間膜を得た。
[0164]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図15に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0165]
 (比較例6)
 第2の熱可塑性樹脂層を形成するための材料に用いるポリエチレンテレフタレート樹脂を、ポリメチルメタクリレート樹脂(クラレ社製「パラペットHR-L、固有屈折率=1.4902」)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして中間膜を得た。
[0166]
 得られた中間膜は、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の各層の厚みが、図16に示す厚みとなるように、上記FB内の流路形状及び樹脂押出量を調整して得られたユニット32個が、厚み方向に積層されて形成されている。
[0167]
 (評価)
 第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率、第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率、ユニット中の第1の熱可塑性樹脂層の厚み、ユニット中の第2の熱可塑性樹脂層の厚み、ヘーズ値、反射率及び引裂エネルギーの評価方法は以下の通りである。
[0168]
 (1)固有屈折率
 第1の熱可塑性樹脂層を形成するための材料を二軸スクリュー式押出機に供給して溶融混錬し、Tダイに導入して拡幅し、開口部から吐出し、クロムメッキを施し20℃に温度調整された冷却ロール上に、引取速度10m/分で溶融押出しして冷却固化させて、厚み380μmのシート状の熱可塑性樹脂シートを得た。得られた熱可塑性樹脂シートの幅方向中央部分より幅10mm及び長さ30mmのシート片を切り出した。アッベ屈折計(ERMA社製「ER-7MW」)を用いて、JIS K7142に準拠して、23℃でD線(波長589.3nm)を照射することにより、シート片の屈折率nDを測定し、第1の熱可塑性樹脂層の固有屈折率とした。また、同様の方法により第2の熱可塑性樹脂層の固有屈折率を測定した。
[0169]
 (2)中間膜の積層数及び1つのユニット当たりの1層当たりの厚み
 上記中間膜の幅方向中央部分を、ミクロトームにより長手方向に平行に切断し、中間膜の断面を露出させた。該断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製作所社製「S-4800」)又はデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製「VHX-200」)を用いて観察して、画像撮影し、断面の幅方向中心部の拡大画像を得た。
[0170]
 得られた画像から、断面に存在する全ての層の数(積層数)を評価した。
[0171]
 また、得られた画像から任意のユニットを選択し、上記SEM又は上記デジタルマイクロスコープ付属の計測機能を用いて、該ユニット内の全ての層の厚みを各々測定し、得られた測定値を散布図上に上記ユニット内の積層順番にしたがってプロットし、ユニット内の厚み分布(図7~16)とし、更にユニット内の最大および最小の層の厚みを下記の表1に示した。なお、断面観察および画像撮影において、実施例1~11及び比較例2,4~6では上記SEMを用い、比較例1,3では上記マイクロスコープを用いた。
[0172]
 (3)ヘーズ値
 得られた中間膜を、縦30mm×横320mmに切り出した。次に、2枚の透明なフロートガラス(縦25mm×横305mm×厚み2.0mm)の間に中間膜を挟み込み、真空ラミネーターにて90℃で30分間保持し、真空プレスし、積層体を得た。積層体において、ガラスからはみ出た中間膜部分を切り落とし、合わせガラスを得た。
[0173]
 ヘーズメーター(東京電色社製「TC-HIII PDK」)を用いて、JIS K7136に準拠して、得られた合わせガラスのヘーズ値を測定した。
[0174]
 (4)反射率
 得られた中間膜の表面を、♯400のサンドペーパーで研磨した後、黒色塗料を塗布し測定片を得た。日立ハイテクノロジー社製「U-4100」を用いて、温度23℃及び湿度50%の条件で、上記測定片の非研磨面より、波長350~2500nmの光を入射角5°で入射し、波長1nmピッチで反射率を測定した。得られた反射率データより算出した、波長350~800nmにおける測定データの平均値、及び波長800~2500nmにおける測定データの平均値を、反射率とした。
[0175]
 (5)引裂エネルギー
 ダンベルカッターを用いて、実施例1~11及び比較例1~6で得られた合わせガラス用中間膜を切り抜き、図17に示す形状の直角形試験片を用意した。JIS K 7128に指定された方法に準拠し、A&D社製「テンシロン RTG-1310」を用いて、上記試験片の引裂き試験を行ない、23℃及び引張速度500mm/分で測定を行い、得られた引裂力-歪み曲線より、引裂エネルギーを算出した。
[0176]
 詳細及び結果を下記の表1に示す。下記の表1において、「PVB」は、ポリビニルブチラール樹脂を示し、「PC樹脂」はポリカーボネート樹脂を示し、「EVA樹脂」はエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂を示し、「PMMA樹脂」はポリメチルメタクリレート樹脂を示す。なお、実施例2~11及び比較例1~6では、実施例1と同様に、接着力調整剤である酢酸マグネシウム/2-エチル酪酸マグネシウムの質量比1:1の混合物を、得られる中間膜中でマグネシウム量が50ppmになる量で用いている。表1では、接着力調整剤の配合量の記載は省略した。
[0177]
[表1]


符号の説明

[0178]
 1,12,13,14…中間膜
 2,3…積層体
 2a,3a…積層体の第1の表面
 2b,3b…積層体の第2の表面
 11…ユニット
 15,16…合わせガラス
 21…第1の熱可塑性樹脂層
 31…第2の熱可塑性樹脂層
 41…第3の層
 41a…第3の層の外側の表面
 42…第4の層
 42a…第4の層の外側の表面
 51…第1の合わせガラス部材
 52…第2の合わせガラス部材

請求の範囲

[請求項1]
 ポリビニルアセタール樹脂及び可塑剤を含有する複数の第1の熱可塑性樹脂層と、熱可塑性樹脂を含有する複数の第2の熱可塑性樹脂層とを備え、
 前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との固有屈折率の差の絶対値が0.1以上であり、
 複数の前記第1の熱可塑性樹脂層と複数の前記第2の熱可塑性樹脂層とが厚み方向に交互に積層されており、
 複数の前記第1の熱可塑性樹脂層と複数の前記第2の熱可塑性樹脂層との合計の厚み方向における積層数が500層以上である、合わせガラス用中間膜。
[請求項2]
 複数の前記第1の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが50nm以上、700nm以下であり、
 複数の前記第2の熱可塑性樹脂層の全ての1層当たりの厚みが50nm以上、700nm以下である、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜。
[請求項3]
 片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第2の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第1の熱可塑性樹脂層と、片側又は両側の表面に接している1つ又は2つの第1の熱可塑性樹脂層と厚みが異なる第2の熱可塑性樹脂層とが、厚み方向に合計で20層以上交互に積層された多層構造部分を含む、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
[請求項4]
 入射光の反射率が、入射波長350nm~800nmにおいて20%以下であり、かつ入射波長800nm~2500nmにおいて50%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[請求項5]
 第1の合わせガラス部材と、
 第2の合わせガラス部材と、
 請求項1~4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜とを備え、
 前記第1の合わせガラス部材と前記第2の合わせガラス部材との間に、前記合わせガラス用中間膜が配置されている、合わせガラス。

図面

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[ 図 3]

[ 図 4]

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[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

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