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1. (WO2015146858) 電極触媒及びその製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 電極触媒及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

先行技術文献

特許文献

0010  

非特許文献

0011  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034  

発明の効果

0035  

図面の簡単な説明

0036  

発明を実施するための形態

0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074  

実施例

0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35   36   37   38   39   40   41   42   43   44   45  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 電極触媒及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、電極触媒及びその製造方法に関し、特に、燃料電池の電極に好適に使用することができる電極触媒及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 現在、我々は主なエネルギー源として化石燃料を使用している。しかし、化石燃料は有限である。さらに、化石燃料はその使用時に生じる二酸化炭素が温室効果を進行させるという問題がある。したがって、化石燃料に代わるエネルギー源の開発が求められている。新たなエネルギー源の一つとして燃料電池が挙げられる。
[0003]
 一次電池や二次電池と比べ、燃料電池は水素や酸素を燃料として供給し続けることにより、半永久的に利用可能な発電装置である。燃料電池は、使用する燃料の再利用が可能であることからも注目を集めている。その中でも、高分子電解質燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、低温で作動し、電解質が薄膜状であることから小型軽量化が可能であるため、家庭電化機器、携帯機器、自動車用バッテリー電池などへの応用が期待されている。PEFCは、カソード(正極)とアノード(負極)の2枚の電極で電解質膜を挟み込んだ構造である。PEFCでは、正極に酸素、負極に水素などの燃料を供給し、電極で生じる化学反応から電気エネルギーを得ることができる。
[0004]
 燃料電池のカソードは、電極触媒を担持しており、酸素を水に還元する反応を触媒する。カソード側の酸素還元反応は、反応速度が比較的遅いため、これを効率よく作動させるための触媒が必要とされる。電極材料としては炭素系などが知られているが、燃料電池を効率よく作動させるための炭素系電極触媒としては、現在、白金含有触媒が最も有効とされている。しかし、白金は貴金属であるため、コスト面での問題が指摘されている。したがって、白金を用いない新規な触媒の創製が期待されている。
[0005]
 ところで、炭素系電極触媒の創製において重要なことは、高い導電性と広い表面積を持つ分散性の良い炭素材料を創製し、その材料中に金属を細かく分散させることである。そのような炭素材料の素材の一つとして、フタロシアニンが知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献に記載の炭素材料は、特定の繰り返し単位からなるハイパーブランチ金属フタロシアニンを不活性ガス雰囲気下で焼成して得られる。この繰り返し単位のフタロシアニンコアを構成する金属イオンは、Fe 2+、Co 2+、Ni 2+からなる群より選択されるため、白金など高価な貴金属を使用しなくてもよい点を特徴としている。
[0006]
 フタロシアニンは、金属を固定するための配位性元素を多く含むことが知られている。フタロシアニンは、その分子全体が共役二重結合系を形成した巨大な環状構造を持つことから、その構造及び結合が極めて安定であり、その分子の中心では遷移金属などの金属イオンに配位して、安定な金属フタロシアニン錯体を形成する。金属フタロシアニンを電極材料に用いる利点としては、金属を安定的に固定化できることが挙げられる、つまり、ナノレベルで金属配置が制御できることが示唆できる。さらに、金属担持型炭素材料の前駆体として金属フタロシアニンを用いる利点としては、炭素含有率が高いことが挙げられる。すなわち、フタロシアニンを焼成して炭素化物にしたときに、電極の炭素含有率を高くすることができる。
[0007]
 しかしながら、特許文献1に記載の触媒材料では、段落0023の式(I)に記載されているように、金属フタロシアニン以外にフェノール類に由来する構成単位を必要とする。すなわち、特許文献1のハイパーブランチ金属フタロシアニンは、隣り合う金属フタロシアニンの間に、フェノール類に由来する構成単位が介在している結合(-O-Ar-O-)と、介在していない結合(-O-)が混在するため、金属配置の規則性に乏しい。また、工業化の観点からは、より単純な構成単位を持つことが好ましい。この点で、特許文献1に記載の化合物には改善の余地があった。
[0008]
 加えて、異種金属の協同効果の探索により好適な方法としても、特許文献1に記載の発明は改善の余地があった。すなわち、特許文献1に記載のハイパーブランチ金属フタロシアニンには、1種類の金属フタロシアニンしか含まれておらず、2種類以上の金属の協同効果を探索するための前駆体化合物として使用できない。
[0009]
 そこで発明者らは、これまで、金属アミノフタロシアニン化合物と金属カルボキシフタロシアニン化合物を縮合した金属フタロシアニン誘導体を作製している(例えば、非特許文献1参照)。本文献中で、発明者らは、この金属フタロシアニン誘導体を特定の条件で焼成することにより得られた炭素材料が酸素還元の触媒活性を有することを報告している。このように、非特許文献1に記載された金属フタロシアニン誘導体は、単純な構成単位からなり金属が規則正しく配列しており、なおかつ必要に応じて異種金属の協同効果の探索にも好適に使用することができる。

先行技術文献

特許文献

[0010]
特許文献1 : 特開2011-6283号公報(請求項1など)

非特許文献

[0011]
非特許文献1 : 根本修克、外5名、「金属フタロシアニン誘導体の焼成により得られた金属担持型炭素触媒の電気化学特性」、高分子学会予稿集、2013年5月14日、Vol.62 No.1

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 非特許文献1では、金属フタロシアニン誘導体をそのまま焼成して得られた金属担持炭素触媒を使用しているが、この焼成方法では、従来の白金含有触媒と比較して酸素還元活性がそれほど高くなく、したがって、触媒効率の更なる改善が期待されていた。
[0013]
 本発明の目的は、酸素還元活性が高い電極触媒及びその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0014]
 上記のような状況に鑑み、本発明者らが電極触媒材料について鋭意研究した。その結果、本発明者らは、金属フタロシアニンポリマーを焼成した後、酸処理して一部の金属を除去することで、意外にも得られる電極触媒の酸素還元活性が従来よりも高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0015]
 すなわち本発明は、一般式(1a)で表される構造単位と一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する金属フタロシアニンポリマーを焼成して焼成体とした後、酸で処理することで得られることを特徴とする電極触媒に関する。
[化1]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化2]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0016]
 この場合、前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることが好ましい。さらに、前記L及び前記MはCo 2+であるか、前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であるか、又は前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることが好ましい。
[0017]
 また、前記酸が希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類であることが好ましい。特に、前記酸が王水であることが好ましい。加えて、酸処理により少なくとも一部の金属を除去することが好ましい。具体的には、酸処理により0.01~100重量%の金属を除去することが好ましい。酸処理により0.1~50重量%の金属を除去することがより好ましい。酸処理により1~25重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により3~20重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により5~15重量%の金属を除去することが特に好ましい。
[0018]
 さらに、前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることが好ましい。特に、前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることが好ましい。
[0019]
 また、本発明は、一般式(1a)で表される構造単位と一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する金属フタロシアニンポリマーを焼成して得られる焼成体を含み、
[化3]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化4]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
 前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が0~99.99重量%であることを特徴とする電極触媒に関する。
[0020]
 この場合、前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることが好ましい。さらに、前記L及び前記MはCo 2+であるか、前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であるか、又は前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることが好ましい。
[0021]
 また、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が50~99.9重量%であることがより好ましい。さらにまた、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が75~99重量%であることがさらに好ましい。さらにまた、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が80~97重量%であることがさらに好ましい。さらにまた、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が85~95重量%であることが特に好ましい。
[0022]
 さらに、前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることが好ましい。特に、前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることが好ましい。
[0023]
 また、本発明は、一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物と一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物との縮合により製造される金属フタロシアニンポリマーを焼成した後、酸処理することで得られることを特徴とする電極触媒に関する。
[化5]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化6]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0024]
 この場合、前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることが好ましい。さらに、前記L及び前記MはCo 2+であるか、前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であるか、又は前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることが好ましい。
[0025]
 また、前記酸が希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類であることが好ましい。特に、前記酸が王水であることが好ましい。加えて、酸処理により少なくとも一部の金属を除去することが好ましい。具体的には、酸処理により0.01~100重量%の金属を除去することが好ましい。酸処理により0.1~50重量%の金属を除去することがより好ましい。酸処理により1~25重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により3~20重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により5~15重量%の金属を除去することが特に好ましい。
[0026]
 さらに、前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることが好ましい。特に、前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることが好ましい。
[0027]
 また、本発明は、一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物と一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物との縮合により製造される金属フタロシアニンポリマーを焼成して得られる焼成体を含み、
[化7]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化8]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
 前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が0~99.99重量%であることを特徴とする電極触媒に関する。
[0028]
 この場合、前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることが好ましい。さらに、前記L及び前記MはCo 2+であるか、前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であるか、又は前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることが好ましい。
[0029]
 また、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が50~99.9重量%であることがより好ましい。さらにまた、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が75~99重量%であることがさらに好ましい。さらにまた、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が80~97重量%であることがさらに好ましい。さらにまた、前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が85~95重量%であることが特に好ましい。
[0030]
 さらに、前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることが好ましい。特に、前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることが好ましい。
[0031]
 また、本発明は、一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物と一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物とを縮合して一般式(1a)で表される構造単位と、一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する金属フタロシアニンポリマーを製造する工程と、
 該金属フタロシアニンポリマーを焼成して焼成体とする工程と、
 該焼成体を酸で処理する工程と、を備えることを特徴とする電極触媒の製造方法に関する。
[化9]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化10]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化11]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化12]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0032]
 この場合、前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることが好ましい。さらに、前記L及び前記MはCo 2+であるか、前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であるか、又は前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることが好ましい。
[0033]
 また、前記酸が希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類であることが好ましい。特に、前記酸が王水であることが好ましい。加えて、酸処理により少なくとも一部の金属を除去することが好ましい。具体的には、酸処理により0.01~100重量%の金属を除去することが好ましい。酸処理により0.1~50重量%の金属を除去することがより好ましい。酸処理により1~25重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により3~20重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により5~15重量%の金属を除去することが特に好ましい。
[0034]
 さらに、前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることが好ましい。特に、前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることが好ましい。

発明の効果

[0035]
 以上のように、本発明によれば、高価な白金を使用しなくても酸素還元活性が高い電極触媒及びその製造方法を提供することが可能となる。

図面の簡単な説明

[0036]
[図1] TNCoPcのIRスペクトル図である。
[図2] TACoPcのIRの(a):スペクトル図、(b):熱重量分析結果である。
[図3] TAmCoPcのIRスペクトル図である。
[図4] TCaCoPcの(a):IRスペクトル図、(b):熱重量分析結果である。
[図5] Poly(TACoPc-TCaCoPc)の(a):IRスペクトル図、(b):熱重量分析結果である。
[図6] 実施例1及び比較例1で作製した電極をリニアスイープボルタンメトリー法で試験した結果を示すグラフである。
[図7] 実施例2及び比較例2で作製した電極をリニアスイープボルタンメトリー法で試験した結果を示すグラフである。
[図8] 実施例3及び比較例3で作製した電極をリニアスイープボルタンメトリー法で試験した結果を示すグラフである。
[図9] 実施例1~3で作製した電極をリニアスイープボルタンメトリー法で試験した結果を示すグラフである。
[図10] 実施例1で作製した電極と通常の白金触媒で作製した電極とをリニアスイープボルタンメトリー法で試験した結果を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0037]
 本発明の電極触媒は、下記の金属フタロシアニンポリマーを製造し、続いてこの金属フタロシアニンポリマーを焼成して焼成体とした後、この焼成体を酸で処理して得られる。以下、本発明について詳細に説明する。
[0038]
1.金属フタロシアニンポリマー
 本発明の電極触媒の前駆物質である金属フタロシアニンポリマー(以下、単に「金属フタロシアニンポリマー」という)は、一般式(1a)で表される構造単位と、一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する。
[0039]
[化13]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0040]
[化14]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0041]
 このように、金属フタロシアニンポリマーは、一般式(1a)の繰り返し単位と一般式(2a)の繰り返し単位が交互に繰り返し配列したハイパーブランチ構造を有している。したがって、それぞれの繰り返し単位に含まれるフタロシアニンコアMとLが交互に規則正しく配列されている。
[0042]
 ここで、L及びMを構成する2価の金属イオンとしては、Mg 2+、Ca 2+、Sr 2+、Cd 2+、Ni 2+、Zn 2+、Cu 2+、Fe 2+、Co 2+、Sn 2+、Mn 2+などを挙げることができる。また、3価の金属イオンとしては、Al 3+、Fe 3+、Cr 3+を挙げることができる。このように、本発明では白金などの貴金属を使用することがないため、安価な金属フタロシアニンポリマーを提供することが可能となる。
[0043]
 これらのうち、L及びMは、それぞれ独立にCo +、Ni +、Fe +からなる群より選択される金属イオンであることが好ましい。これら3種類の金属イオンは、遷移金属であり、種々の配位子と錯体形成でき、さらに比較的に入手容易かつ安価であり、毒性が低く、これらの理由で他の金属イオンよりも優れているため好ましい。特に、L及びMがCo +であるか、LがCo +でありMがNi +であるか、LがCo +でありMがFe +であることが好ましい。このように、L及びMを異種金属とすることで、後述するように金属フタロシアニンポリマーを焼成して炭素電極材料としたときに、異種金属の協同効果を探索することが可能となる。また、電極触媒に異種金属を含有させることで、1種類の金属のみを含有させた場合と比較して、一般的に有機化学触媒反応で見られる異種金属の混合効果が得られるため好ましい。
[0044]
2.金属フタロシアニンポリマーの製造方法
 金属フタロシアニンポリマーは、一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物を合成し(工程1)、これと並行して、一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物を合成し(工程2)、得られた金属アミノフタロシアニン化合物と金属カルボキシフタロシアニン化合物とを縮合すること(工程3)で製造することができる。以下、各工程について詳細に説明する。
[0045]
[化15]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0046]
[化16]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[0047]
(1)金属アミノフタロシアニン化合物の合成(工程1)
 一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物は、金属ニトロフタロシアニン化合物を合成し(工程1-1)、合成した金属ニトロフタロシアニン化合物のニトロ基をアミノ基に還元する(工程1-2)ことで合成することができる。以下、これらの工程を詳細に説明する。
[0048]
(1-1)金属ニトロフタロシアニン化合物の製造(工程1-1)
 下記一般式(4)で示される金属ニトロフタロシアニン化合物は、下記一般式(3)で示される4-ニトロフタル酸、又はその酸無水物若しくはそのイミド等に、上記Lを含む金属塩、尿素、及び触媒を、必要に応じて溶媒の存在下で、反応させることにより製造することができる。上記Lを含む金属塩とは、例えば塩化コバルト(II)、塩化ニッケル(II)、塩化鉄(II)などを挙げることができる。触媒とは、例えばモリブデン酸アンモニウムなどを挙げることができる。溶媒とは、例えばニトロベンゼン、トリクロロベンゼン、トリグライムなどを挙げることができる。反応温度、反応時間は適宜設定することができるが、例えば150~230℃、4~12時間とすることができる。金属ニトロフタロシアニンの合成方法としては、例えば、特開平11-56989号公報、特開平10-101673号公報、特開昭53-75223号公報などを参照することができる。
[0049]
[化17]


[0050]
(1-2)金属アミノフタロシアニン化合物の製造(工程1-2)
 下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニンは、下記一般式(4)で示される金属ニトロフタロシアニンのニトロ基を還元することで製造することができる。還元は還元剤と適宜溶媒を用いて行うことができる。還元剤としては、例えば硫化ナトリウム(Na S、Na など)、ナトリウムヒドロスルフィド、亜二チオン酸ナトリウム、硫化アンモニウムなどを挙げることができる。この場合、溶媒としては水を挙げることができ、ここで水はプロトン源を兼ねる。反応温度、反応時間は適宜設定することができるが、例えば50~80℃、4~12時間とすることができる。金属アミノフタロシアニンの合成方法としては、例えば、特開平11-56989号公報、「新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応III、1332-1335頁、(1978年)、丸善(株)」などを参照することができる。
[0051]
[化18]


[0052]
(2)金属カルボキシフタロシアニン化合物の合成(工程2)
 一般式(2)で示される金属アミノフタロシアニン化合物は、金属カルボキサミドニルフタロシアニン化合物を合成し(工程2-1)、合成した金属カルボキサミドフタロシアニン化合物のカルボキサミド基を加水分解する(工程2-2)ことで合成することができる。以下、これらの工程を詳細に説明する。
[0053]
(2-1)金属カルボキサミドニルフタロシアニン化合物の製造(工程2-1)
 下記一般式(6)で示される金属カルボキサミドニルフタロシアニン化合物は、下記一般式(5)で示されるトリメリット酸無水物に、上記Mを含む金属塩、尿素、及び触媒を、必要に応じて溶媒の存在下で、反応させることにより製造することができる。上記Mを含む金属塩とは、例えば塩化コバルト(II)、塩化ニッケル(II)、塩化鉄(II)などを挙げることができる。触媒とは、例えばモリブデン酸アンモニウムなどを挙げることができる。溶媒とは、例えばニトロベンゼン、トリクロロベンゼン、トリグライムなどを挙げることができる。反応温度、反応時間は適宜設定することができるが、例えば150~230℃、4~12時間とすることができる。金属ニトロフタロシアニンの合成方法としては、例えば、特開平11-56989号公報、特開平10-101673号公報、特開昭53-75223号公報などを参照することができる。
[0054]
[化19]


[0055]
(2-2)金属カルボキシフタロシアニン化合物の製造(工程2-2)
 下記一般式(2)で示される金属カルボキシフタロシアニン化合物は、下記一般式(6)で示される金属カルボキサミドフタロシアニンのカルボキサミド基を加水分解することで製造することができる。加水分解は、当業者が通常用いる方法によって行うことができる。加水分解は、例えば水酸化カリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液のようなアルカリ水溶液を用いて行うことができる。反応温度、反応時間は適宜設定することができるが、例えば80~120℃、20~30時間とすることができる。金属カルボキシフタロシアニンの合成方法としては、例えば、特開平11-56989号公報、「新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応II、943-947頁、(1977年)、丸善(株)」などを参照することができる。
[0056]
[化20]


[0057]
(3)金属フタロシアニンポリマーの製造(工程3)
 下記一般式(7)で示される金属カルボキシフタロシアニン化合物は、下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物のアミノ基と、下記一般式(2)で示される金属カルボキシフタロシアニン化合物のカルボキシル基を、アミド結合を形成させることで製造することができる。縮合反応は、縮合剤の存在下で行うことが好ましい。縮合剤としては、例えば亜リン酸トリフェニルが挙げられるが、これに限定されるものではない。縮合剤として亜リン酸トリフェニルを使用した場合、ピリジンを使用することが好ましい。さらに、縮合剤として亜リン酸トリフェニルを使用した場合、塩化リチウムや塩化カルシウムなどの金属塩を添加することができる。縮合反応は、溶媒の存在下に行うことができる。縮合反応に用いる溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン(NMP)などを挙げることができる。
[0058]
 下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物と下記一般式(2)で示される金属カルボキシフタロシアニン化合物の使用割合は適宜設定することができるが、その使用割合としては、例えば、使用される金属アミノフタロシアニン化合物のモル数(a)と使用される金属カルボキシフタロシアニン化合物のモル数(b)の比(a)/(b)が0.8~1.2、好ましくは0.9~1.1、より好ましくは1である。縮合剤として亜リン酸トリフェニルを使用した場合、亜リン酸トリフェニルの使用量は適宜設定することができるが、亜リン酸トリフェニルの使用量としては、下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物1molに対して、2~40mol、好ましくは4~30mol、より好ましくは10~30mol、さらに好ましくは15~25molの範囲を例示できる。縮合剤として亜リン酸トリフェニルを使用した場合、ピリジンの使用量は適宜設定することができるが、ピリジンの使用量としては、下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物1molに対して、6~120mol、好ましくは12~90mol、より好ましくは30~90mol、さらに好ましくは45~75molの範囲を例示できる。また、ピリジンは、ここに例示の使用量と関係なく、溶媒を兼ねて使用できる。縮合剤として亜リン酸トリフェニルを使用した場合、塩化リチウムや塩化カルシウムなどの金属塩の使用量は適宜設定することができるが、その使用量としては、下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物1molに対して、0~50mol、好ましくは10~40mol、より好ましくは20~30molの範囲を例示できる。
[0059]
 溶媒の使用量は適宜設定することができるが、溶媒の使用量としては、下記一般式(1)で示される金属アミノフタロシアニン化合物1molに対して、0.5~100L(リットル)、好ましくは5~50L、より好ましくは10~30Lの範囲を例示できる。反応温度は適宜設定することができるが、反応温度としては、例えば、50~180℃、好ましくは80~150℃、より好ましくは80~120℃の範囲とすることができる。反応時間は適宜設定することができるが、反応時間としては、例えば、1~48時間、好ましくは1~24時間、より好ましくは1~12時間、さらに好ましくは2~5時間とすることができる。縮合反応としては、例えば、“Journal of Organic Chemistry Vol.71, (2006) p.2874-2877”、“Organic Letters Vol.7, No.9, (2005) p.1737-1739”、「新実験化学講座 14 有機化合物の合成と反応II、1136-1141頁、(1977年)、丸善(株)」などを参照することができる。
[0060]
[化21]


[0061]
 このようにして得られた金属フタロシアニンポリマーは、上述したように一般式(1a)で表される構造単位と、一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有するものであり、上記一般式(7)のような構造を持つ、つまりアミド構造を持つと推定される。
[0062]
3.電極触媒
 本発明の電極触媒(以下、単に「電極触媒」という)は、上記の金属フタロシアニンポリマーを前駆体とし、加熱して焼成することでこれを炭素化し、さらに得られた焼成体を酸処理することで焼成体に含まれる金属(上記LやM由来の金属)の少なくとも一部を除去することで得ることができる。電極触媒は、高い酸素還元活性を示し、燃料電池の電極材料として好適に使用することができる。上述したように金属フタロシアニンポリマーは白金を使用しないため、これを炭素化して得られる電極触媒も白金が含まれずに安価である。また、金属フタロシアニンポリマーは炭素含有率が高く、フタロシアニン骨格が規則正しく結合していることから、得られる電極触媒も炭素含有率が高く、金属の分散性が優れている。さらに、金属フタロシアニンポリマーの一方の金属Lと他方の金属Mを異種金属とすることで、電極触媒に2種類の金属を含有させて電極触媒の特性を多様化させることが可能となるため、より優れた特性の電極触媒を探索する際に有用である。
[0063]
 加えて、電極触媒は、焼成体に含まれる金属の少なくとも一部を除去することで、金属を除去しない焼成体と比較して、酸素還元活性が高くなる。また、金属を除去しない電極触媒と比較して、電流ピークへの立ち上がりが急激となり、より高活性な電極となる。
[0064]
 また、電極触媒は、焼成体から金属を除去することで製造することができるが、除去した金属は精製して再利用することもできる。
[0065]
4.電極触媒の製造方法
 本発明の電極触媒の製造方法は、上記の金属フタロシアニンポリマーを製造する工程と、これを焼成して焼成体とする工程(焼成工程)と、得られた焼成体を酸処理する工程(酸処理工程)と、を備える点を特徴とする。
[0066]
(1)焼成工程
 焼成体は、金属フタロシアニンポリマーを焼成することで製造することができる。焼成の際の加熱温度としては、650~1500℃であり、800~1000℃が好ましく、850℃~950℃が特に好ましい。焼成温度が650℃を下回ると、焼成が不十分で酸素還元活性が発現しにくくなるため好ましくない。また、焼成温度が1500℃を上回ると、焼成温度が高すぎるため、炭素の構造が破壊されて酸素還元活性が発現しにくくなるほか、収率低下の理由で好ましくない。焼成時間としては、0.1~12時間を例示できるが、0.5~6時間であることが好ましく、1~5時間であることがより好ましく、2~4時間であることが特に好ましい。
[0067]
 焼成は、還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、特に、焼成中に金属を還元できるとの理由から、還元性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。還元性ガスとしては、水素、一酸化炭素、硫化水素などを挙げることができる。また、不活性ガスとしては、窒素、アルゴンなどを挙げることができる。これらガス中の酸素濃度は、体積基準で100ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることが特に好ましい。焼成については、特開2011-6283号公報、特開2009-57314号公報などを参照することができる。
[0068]
(2)酸処理工程
 得られた焼成体を酸処理することで、焼成体に含まれる金属のうち少なくとも一部を溶出させて焼成体から除去する。具体的には、酸処理により0.01~100重量%の金属を除去することが好ましい。酸処理により0.1~50重量%の金属を除去することがより好ましい。酸処理により1~25重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により3~20重量%の金属を除去することがさらに好ましい。酸処理により5~15重量%の金属を除去することが特に好ましい。したがって、電極触媒中の金属の合計量は、焼成前の金属フタロシアニンポリマーに含まれる金属の合計量を基準として、好ましくは0~99.99重量%、より好ましくは50~99.9重量%、さらに好ましくは75~99重量%、さらに好ましくは80~97重量%、特に好ましくは85~95重量%である。
[0069]
 本明細書中、「金属」は「金属イオン」の意味を含む。本明細書中、酸処理により除去される金属(例えば、金属イオン)は、焼成工程に用いた金属フタロシアニンポリマーが、1個の一般式(1)の化合物と1個の一般式(2)の化合物との縮合により得られるフタロシアニンの二量体(dimer)であると仮定して、さらに、焼成工程で金属(例えば、金属イオン)が減少しないと仮定して、酸処理前の焼成体中の金属量(例えば、金属イオン量)に基づいて、計算することができる。
[0070]
 使用する酸としては、金属を溶出でき、かつ炭素との反応性の低いものであれば特に限定されないが、例えば希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類が好ましい。これらの酸は、溶出する金属のイオン化傾向によって適宜選択することができる。上記の酸のうち、酸化力が強く、種々の金属と反応してイオン化させる王水(濃硝酸:濃塩酸=1:3(体積比))が特に好ましい。
[0071]
 酸処理を行う際には、焼成体を粉砕しておくことが好ましい。また、酸処理の間は、超音波処理などを継続的に行い、焼成体を粉砕したり溶液中に分散させたりすることが好ましい。このように粉砕等の処理を行うことで、酸による金属の溶出が促進されるため好ましい。
[0072]
 酸処理の温度は、通常は0~80℃の範囲内であり、好ましくは2~70℃の範囲内であり、より好ましくは5~60℃の範囲内であり、より好ましくは7~50℃の範囲内であり、さらに好ましくは10~40℃の範囲内であり、特に15~35℃の範囲内が好ましい。酸処理の時間は、通常は1分間~5時間の範囲内であり、10分間~3時間の範囲内が好ましく、20分間~1時間の範囲内がより好ましい。酸処理の温度や時間などの条件は、焼成体に含まれる金属の種類や酸の種類、処理溶液中での分散状態などに応じて適宜変更することができる。
[0073]
 酸処理の酸の使用量は適宜設定することができるが、酸の使用量としては、焼成体1kgに対して、0.5~100L(リットル)、好ましくは1~50L、より好ましくは2~40L、さらに好ましくは3~30L、特に好ましくは3~20Lの範囲を例示できる。
[0074]
 酸処理後の電極触媒は、グラッシーカーボンなどの電極材料の表面に塗布等することで、触媒担持電極とすることができる。電極触媒は、溶媒や分散剤の存在下、超音波などで分散させた後に塗布することが好ましい。分散剤の濃度は、通常0.5~20重量%程度であり、好ましくは1~10重量%程度である。塗布の方法としては、単に分散溶液を滴下する方法のほか、スクリーン印刷機、ロールコーター、グラビアコーターなど公知の装置を用いた方法でもよい。塗布後は、常温又は高温下で数時間~数日乾燥させる。
実施例
[0075]
 以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
[0076]
1.実施例1(ポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシコバルトフタロシアニン)の合成)
(1)テトラニトロコバルトフタロシアニンの合成(一般式(4)の化合物)
 500mlナスフラスコに4-ニトロフタル酸10.051g(0.048mol)、塩化コバルト4.001g(0.031mol)、尿素30.004g(0.500mol),モリブデン酸アンモニウム1.041g(0.005mol)、ニトロベンゼン150mlを加え、180℃で8時間撹拌した。反応終了後、メタノールを用いてろ過洗浄し、1N HCl水溶液(NaCl飽和)350mlで煮沸した。一晩放冷後、純水及びメタノールを用いてろ過洗浄し、減圧下80℃で乾燥した。この操作を二回繰り返した。得られた固体を純水200mlで煮沸し、放冷後、メタノールを用いてろ過洗浄し、減圧下80℃で乾燥を行った。この操作を二度繰り返し、濃青色の粉末であるテトラニトロコバルトフタロシアニン(TNCoPc)を得た。得られたTNCoPCの収量は9.640gであった。原料としての4-ニトロフタル酸4モルから目的物としてのTNCoPc1モルが理論的に製造できる。したがって、TNCoPcの収率は、使用した4-ニトロフタル酸から計算される理論量の108%であった。図1にTNCoPcのIRスペクトル図を示す。
[0077]
(2)テトラアミノコバルトフタロシアニンの合成(一般式(1)の化合物)
 500mlナスフラスコ中で得られたTNCoPcを5.004g、硫化ナトリウム25.000g(0.104mol)、純水150mlを混合し、65℃で8時間撹拌を行った。反応終了後、純水及びメタノールを用いてろ過洗浄し、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いて煮沸した。放冷後、純水及びメタノールを用いてろ過洗浄し、減圧下80℃で乾燥した。その後、得られたTACoPcを1N HClで溶解し、溶解液をろ過した。ろ過した溶液にKOH水溶液を加えpH8として煮沸した。放冷後、純水及びメタノールを用いてろ過洗浄をした。回収した固体を減圧下80℃で乾燥した。この操作を二度繰り返し、濃青色の固体であるテトラアミノコバルトフタロシアニン(TACoPc)を得た。得られたTACoPcの収量は1.493gであった。原料としてのTNCoPc1モルから目的物としてのTACoPc1モルが理論的に製造できる。したがって、TACoPcの収率は、使用したTNCoPcから計算される理論量の36%であった。図2にTACoPcのIRスペクトル図と熱重量分析の結果を示す。
[0078]
(3)テトラカルボキサミドコバルトフタロシアニンの合成(一般式(6)の化合物)
 500mlナスフラスコにトリメリット酸無水物10.004g(0.052mol)、塩化コバルト4.010g(0.031mol)、尿素30.032g(0.500mol)、モリブデン酸アンモニウム1.004g(0.005mol)、ニトロベンゼン150mlを加え、180℃で8時間撹拌した。反応終了後、沈殿物をメタノール,ジエチルエーテルでろ過洗浄し、1N HCl水溶液(NaCl飽和)で煮沸した。一晩放冷後、純水、エタノール、ジエチルエーテルでろ過洗浄を行った。得られた固体を減圧下60℃で乾燥した。この操作を二回繰り返し、青緑色の粉末であるテトラカルボキサミドコバルトフタロシアニン(TAmCoPc)を得た。得られたTAmCoPcの収量は9.6732gであった。原料としてのトリメリット酸無水物4モルから目的物としてのTAmCoPc1モルが理論的に製造できる。したがって、TAmCoPcの収率は、使用したトリメリット酸無水物から計算される理論量の100%であった。図3にTAmCoPcのIRスペクトル図を示す。
[0079]
(4)テトラカルボキシコバルトフタロシアニンの合成(一般式(2)の化合物)
 500mlナスフラスコにTAmCoPcを9.640g、KOH 60g、純水60mlを100℃で24時間撹拌した。反応終了後、純水100ml、濃HClを加えpH2としてろ過した。得られた固体を純水、エタノール、ジエチルエーテルでろ過洗浄し、純水200ml中に加え、0.1N KOH水溶液を用いてpH10とし、溶解物をろ過した。ろ液へ濃塩酸を加えpH2とし、純水、エタノール、ジエチルエーテルでろ過洗浄を行った。得られた固体を減圧下100℃で乾燥した。この操作を二度繰り返し、赤紫色の固体であるテトラカルボキシコバルトフタロシアニン(TCaCoPc)を得た。得られたTCaCoPcの収量は7.5740gであった。原料としてのTAmCoPc1モルから目的物としてのTCaCoPc1モルが理論的に製造できる。したがって、TCaCoPcの収率は、使用したTAmCoPcから計算される理論量の78%であった。図4にTCaCoPcのIRスペクトル図と熱重量分析の結果を示す。
[0080]
(5)ポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシコバルトフタロシアニン)の合成(一般式(7)の化合物)
 50ml二口フラスコにTACoPc 0.3457g(0.5mmol)、TCaCoPc 0.4065g(0.5mmol)、亜リン酸トリフェニル2.618ml(10mmol)、塩化リチウム0.5034g(12mmol)、DMF10ml、ピリジン2.5mlを加え、アルゴン雰囲気下100℃で3時間撹拌した。生成物をろ過し、メタノール及びDMFで洗浄した。洗浄後、減圧下80℃で乾燥し、濃青色の固体であるポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシコバルトフタロシアニン)(Poly(TACoPc-TCaCoPc))を得た。得られたPoly(TCaCoPc-TACoPc)の収量は0.7034gであった。図5にPoly(TACoPc-TCaCoPc)のIRスペクトル図と熱重量分析の結果を示す。
[0081]
(6)電極触媒及び電極の作製
(a)焼成体の作製
 電極の作製はOzakiらの方法(J.Ozaki et al./Carbon 45(2007)1847-1853)を準用した。まず、得られたPoly(TCaCoPc-TACoPc)を0.669g秤量し、セラミクス電気管状炉ARF-30KCを用いてアルゴン気流中で一時間放置し、その後、水素気流中で三時間焼成を行った。焼成温度は、900℃とした。焼成終了後、アルゴン気流中で放冷し、残さ固体(焼成体)を回収した。回収したサンプルを乳鉢で粉砕し、200meshの篩にかけ、粒径を30μm以下とした。収率は、焼成前のPoly(TCaCoPc-TACoPc)の重量と焼成後のPoly(TCaCoPc-TACoPc)の重量から計算した。収率は33%であった。
[0082]
(b)酸処理
 サンプル0.3gを秤取し、10mlマイクロチューブに入れ、王水2.5mlを加え、30分間超音波照射した後、一昼夜放置した。続いて、1.0μmのメンブランフィルター(東洋濾紙株式会社製)で金属を含む溶液をろ過し、電極触媒を分離してインク状の溶液とした。ろ液をICP-AESで分析したところ、コバルトが検出されていたため、焼成体に含まれる金属の一部が溶出したことが確認できた。さらに、ろ液(すなわち、酸処理に使用された王水)中のコバルトの量は6.86mgであった。上記(a)で得られたPoly(TCaCoPc-TACoPc)が1個の一般式(1)と1個の一般式(2)の化合物との縮合により得られるフタロシアニンの二量体(dimer)であると仮定すると、酸処理前の焼成体中の金属量(例えば、金属イオン量)に基づいて、8.7%のコバルトが酸処理により除去されたと計算された。すなわち、値は下式により計算された。
 酸処理により除かれたコバルトの割合=王水のコバルト量/焼成体のコバルト量
 焼成体のコバルト量=焼成体量×焼成体のコバルトの含有率
 焼成体のコバルトの含有率=コバルトの原子量×2/焼成体作成時の収率×二量体の分子量)
ただし、焼成時にコバルトは消失しないと仮定して値は計算された。
 具体的には、値は下式のように計算された。
 焼成体のコバルトの含有率=59×2/0.33×1360≒0.263
 焼成体のコバルト量=0.3×0.263≒0.079
 酸処理により除かれたコバルトの割合=0.00686÷0.079≒0.087
[0083]
(c)電極作製
 研磨した内径3mm(外径は12mm)のグラッシーカーボンディスク電極(EC Frontier社)上に、作製したインク状の溶液1μlを滴下し、湿度100%の密閉容器で1昼夜乾燥させ、電極触媒とした。仕込み量0.669gに対して収量は0.189gであった。総収率は、焼成前のPoly(TCaCoPc-TACoPc)の重量と電極触媒の作成後の重量から計算した。総収率は28%であった。
[0084]
(7)電極触媒の評価
 作製した電極に対して、回転電極法でリニアスイープボルタンメトリー(LSV)法による測定を行い、酸素還元電位と酸素還元電流値により電極触媒の酸素還元活性を評価した。回転電極装置は、ALS社製RRDE-3Aを、ポテンショスタットはALS社製DY2325 BI-POTENTIOSTATを用いた。LSV測定は、0.5M硫酸水溶液を電解質とし、作製した作用電極、白金補助電極、銀/塩化銀基準電極(+0.199V vs. SHE)を用いた三電極式で行った。作用電極の電位は、銀/塩化銀基準電極に対して+950mVから-400mVまで、走査速度1mV/sで掃引し、電極回転速度は200rmpとした。先ず、電解液は測定前に30分間窒素でバブリングすることにより窒素飽和し、LSV測定を行った。次に、当該電解液を30分間酸素でバブリングすることにより酸素飽和し、LSV測定を行った。酸素飽和で測定したボルタモグラムの電流値から、窒素飽和で測定したボルタモグラムの電流値の差分をとり、この差分を電極触媒の酸素還元電流とした。その結果を図6に示す。
[0085]
2.比較例1(酸処理しない電極触媒)
 「(a)焼成体の作製」までは実施例1と同様にして焼成体を作製した。「(b)酸処理」では、サンプル5mgを秤取し、0.5mlマイクロチューブ(IWAKI製)に入れ、5%ナフィオン分散溶液(和光純薬)50μlとエタノール150μl、純水150μlを加えて密閉し、30分間超音波にかけ分散させた。実施例1の「(c)電極作製」と同様にして電極を作製した。実施例1の「(7)電極触媒の評価」と同様にして電極触媒の評価を行った。その結果を図6に示す。
[0086]
 この図の結果から、酸処理した電極触媒(実施例1)も酸処理しない電極触媒(比較例1)も、いずれも電流が流れており、ピーク電流の高さもほぼ同じ程度であるから、同程度に優れた酸素還元活性を有していることがわかった。また、比較例1では約-400mVから電流値がなだらかに立ち上がり、約+500mVでピーク電流となるのに対し、実施例1では+200mVから+500mVにかけて電流値の急激な立ち上がりが見られた。このことから、酸処理によって酸素還元活性が向上していることがわかった。
[0087]
3.実施例2(ポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシニッケルフタロシアニン)の合成)
 実施例1の「(3)テトラカルボキサミドコバルトフタロシアニンの合成(一般式(6)の化合物)」において、塩化コバルトの代わりに塩化ニッケル(II)4.018g(0.031mol)を使用した以外は上記と同様にしてテトラカルボキサミドニッケルフタロシアニン(TAmNiPc)を合成した。得られた(TAmNiPc)を実施例1の「(4)テトラカルボキシコバルトフタロシアニンの合成(一般式(2)の化合物)」と同様の条件で加水分解し、テトラカルボキシニッケルフタロシアニン(TCaNiPc)を合成した。得られた(TCaNiPc)と、実施例1で得られたTACoPcを、実施例1の(5)と同様の条件で縮合し、ポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシニッケルフタロシアニン)(Poly(TACoPc-TCaNiPc))を得た。得られたPoly(TACoPc-TCaNiPc)を使用し、「(6)電極触媒及び電極の作製」と同様の条件で電極触媒を作製し、「(7)電極触媒の評価」と同じ評価試験を行った。その結果を図7に示す。
[0088]
4.比較例2(酸処理しない電極触媒)
 「(a)焼成体の作製」までは実施例2と同様にして焼成体を作製した。「(b)酸処理」では、サンプル5mgを秤取し、0.5mlマイクロチューブ(IWAKI製)に入れ、5%ナフィオン分散溶液(和光純薬)50μlとエタノール150μl、純水150μlを加えて密閉し、30分間超音波にかけ分散させた。実施例1の「(c)電極作製」と同様にして電極を作製し、「(7)電極触媒の評価」と同じ評価試験を行った。その結果を図7に示す。
[0089]
 この図の結果から、酸処理した電極触媒(実施例2)のほうが、酸処理しない電極触媒(比較例2)よりも、電流ピークが高く、したがって酸素還元活性に優れていることがわかった。また、実施例2のほうが比較例2よりもピーク電流への立ち上がりが急激であることから、より高活性な電極であることがわかった。
[0090]
5.実施例3(ポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシ鉄フタロシアニン)の合成)
 実施例1の「(3)テトラカルボキサミドコバルトフタロシアニンの合成(一般式(6)の化合物)」において、塩化コバルトの代わりに塩化鉄(II)4.943g(0.039mol)を使用した以外は上記と同様にしてテトラカルボキサミド鉄フタロシアニン(TAmFePc)を合成した。得られた(TAmFePc)を実施例1の「(4)テトラカルボキシコバルトフタロシアニンの合成(一般式(2)の化合物)」と同様の条件で加水分解し、テトラカルボキシ鉄フタロシアニン(TCaFePc)を合成した。得られた(TCaFePc)と、実施例1で得られたTACoPcを、実施例1の(5)と同様の条件で縮合し、ポリ(テトラアミノコバルトフタロシアニン-テトラカルボキシ鉄フタロシアニン)(Poly(TACoPc-TCaFePc))を得た。得られたPoly(TACoPc-TCaFePc)を使用し、「(6)電極触媒及び電極の作製」と同様の条件で電極触媒を作製し、「(7)電極触媒の評価」と同じ評価試験を行った。その結果を図8に示す。また、王水処理後のろ液をICP-MSで分析したところ、コバルトと鉄が検出されたため、焼成体に含まれる金属の一部が溶出したことが確認できた。
[0091]
6.比較例3(酸処理しない電極触媒)
 「(a)焼成体の作製」までは実施例3と同様にして焼成体を作製した。「(b)酸処理」では、サンプル5mgを秤取し、0.5mlマイクロチューブ(IWAKI製)に入れ、5%ナフィオン分散溶液(和光純薬)50μlとエタノール150μl、純水150μlを加えて密閉し、30分間超音波にかけ分散させた。実施例1の「(c)電極作製」と同様にして電極を作製し、「(7)電極触媒の評価」と同じ評価試験を行った。その結果を図8に示す。
[0092]
 この図の結果から、酸処理した電極触媒(実施例3)のほうが、酸処理しない電極触媒(比較例3)よりも、電流ピークが高く、したがって酸素還元活性に優れていることがわかった。また、実施例3のほうが比較例3よりもピーク電流への立ち上がりが急激であることから、より高活性な電極であることがわかった。
[0093]
 図9は、実施例1~3の結果をまとめたグラフである。この図から、金属の種類に依らず高い酸素還元活性と電流値の急激な立ち上がりが見られた。このことから、酸処理して金属の一部を除去することで、同種、異種にかかわらずどの金属の組み合わせでも優れた電極特性を示すことがわかった。これらのうち特に、ピーク電流値が高く立ち上がりも急激な実施例2(Poly(TACoPc-TCaNiPc))が優れていることがわかった。
[0094]
7.白金触媒
 白金触媒(田中貴金属社製:燃料電池用触媒TEC10E50E)を使用し、実施例1の「(6)電極触媒及び電極の作製」の方法で電極を作製した。また、実施例1の「(7)電極触媒の評価」と同様の評価方法で電極の酸素還元電流を測定した。その結果を図10に示す。また、同図に実施例1の結果も示す。
[0095]
 この図の結果から、実施例1よりも白金触媒のほうが電流値のピークが若干高く、電極特性に優れていることがわかるが、実施例1でも白金触媒に大幅には劣らずに高い電極特性を有することがわかった。したがって、本発明によれば、白金などを使用しなくても、十分に優れた電極特性を有することがわかった。

請求の範囲

[請求項1]
 一般式(1a)で表される構造単位と一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する金属フタロシアニンポリマーを焼成して焼成体とした後、酸で処理することで得られることを特徴とする電極触媒。
[化1]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化2]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[請求項2]
 前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項3]
 前記L及び前記MはCo 2+であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項4]
 前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項5]
 前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項6]
 前記酸が希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項7]
 前記酸が王水であることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項8]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項9]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることを特徴とする請求項1記載の電極触媒。
[請求項10]
 一般式(1a)で表される構造単位と一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する金属フタロシアニンポリマーを焼成して得られる焼成体を含み、
[化3]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化4]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
 前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が0~99.99重量%であることを特徴とする電極触媒。
[請求項11]
 前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項12]
 前記L及び前記MはCo 2+であることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項13]
 前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項14]
 前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項15]
 前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が50~99.9重量%であることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項16]
 前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が80~97重量%であることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項17]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項18]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることを特徴とする請求項10記載の電極触媒。
[請求項19]
 一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物と一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物との縮合により製造される金属フタロシアニンポリマーを焼成した後、酸処理することで得られることを特徴とする電極触媒。
[化5]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化6]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[請求項20]
 前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項21]
 前記L及び前記MはCo 2+であることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項22]
 前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項23]
 前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項24]
 前記酸が希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項25]
 前記酸が王水であることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項26]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項27]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることを特徴とする請求項19記載の電極触媒。
[請求項28]
 一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物と一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物との縮合により製造される金属フタロシアニンポリマーを焼成して得られる焼成体を含み、
[化7]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化8]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
 前記焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が0~99.99重量%であることを特徴とする電極触媒。
[請求項29]
 前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることを特徴とする請求項28記載の電極触媒。
[請求項30]
 前記L及び前記MはCo 2+であることを特徴とする請求項28記載の電極触媒。
[請求項31]
 前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であることを特徴とする請求項28記載の電極触媒。
[請求項32]
 前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることを特徴とする請求項28記載の電極触媒。
[請求項33]
 焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が50~99.9重量である、請求項28記載の電極触媒。
[請求項34]
 焼成前の前記金属フタロシアニンポリマーに含まれる前記L及び前記Mの合計量を基準として、前記L及び前記Mの合計量の割合が80~97重量%である、請求項28記載の電極触媒。
[請求項35]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることを特徴とする請求項28記載の電極触媒。
[請求項36]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることを特徴とする請求項28記載の電極触媒。
[請求項37]
 一般式(1)で表される金属アミノフタロシアニン化合物と一般式(2)で表される金属カルボキシフタロシアニン化合物とを縮合して一般式(1a)で表される構造単位と、一般式(2a)で表される構造単位とがアミド結合した繰り返し構造単位を有する金属フタロシアニンポリマーを製造する工程と、
 該金属フタロシアニンポリマーを焼成して焼成体とする工程と、
 該焼成体を酸で処理する工程と、を備えることを特徴とする電極触媒の製造方法。
[化9]


 (一般式(1)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化10]


 (一般式(2)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化11]


 (一般式(1a)中、Lは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[化12]


 (一般式(2a)中、Mは長周期型周期表の第3~第5周期に属する2価又は3価の金属イオンである。)
[請求項38]
 前記L及び前記Mはそれぞれ独立にCo 2+、Ni 2+、Fe 2+からなる群より選択される金属イオンであることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項39]
 前記L及び前記MはCo 2+であることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項40]
 前記LはCo 2+であり、前記MはNi 2+であることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項41]
 前記LはCo 2+であり、前記MはFe 2+であることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項42]
 前記酸が希塩酸、濃塩酸、希硫酸、濃硫酸、希硝酸、濃硝酸及び王水からなる群より選択される少なくとも1種類であることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項43]
 前記酸が王水であることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項44]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下、650℃~1500℃において行われることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。
[請求項45]
 前記焼成が還元性ガス雰囲気下、800℃~1000℃において行われることを特徴とする請求項37記載の電極触媒の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]