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1. (WO2015146744) 工具検査方法及び工具検査装置
Document

明 細 書

発明の名称 工具検査方法及び工具検査装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

発明の概要

0004   0005   0006   0007   0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3A   3B   4A   4B   5   6   7   8   9   10A   10B   11  

明 細 書

発明の名称 : 工具検査方法及び工具検査装置

技術分野

[0001]
 本発明は、工具検査方法及び工具検査装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 JP1997-218030Aには、工具の形状欠損を検出する方法として、稜線が描く外周形状から微小量内側に入った線上をレーザーフォーカス変位計で走査し、走査線上の凹凸を検知する方法が開示されている。
[0003]
 また、JP2010-162671Aには、切削工具の状態を検査する方法として、切削工具を検査位置に第1の位置決めをしたとき、切削工具の第1位置及び第1先端位置を記憶し、切削工具を検査位置に第2の位置決めをしたとき、切削工具の第2位置及び第2先端位置を記憶し、第1先端位置と第2先端位置との差と、第1位置と第2位置との間の変位量とに基いて切削工具の摩耗量を求めることが開示されている。

発明の概要

[0004]
 しかし、JP1997-218030Aに記載の方法は、レーザ光の走査によって工具の欠損を検査するものであるため、装置が大掛かりとなり、また、検査に要する時間も長くなる。
[0005]
 また、JP2010-162671Aに記載の方法は、切削工具を特定の位置に位置決めする必要があるため、検査精度が切削工具の位置決め精度に影響を受ける。また、切削工具の位置決めに要する時間も長くなる。
[0006]
 本発明は、簡単な方法で精度良く工具を検査することを目的とする。
[0007]
 本発明のある態様によれば、工具検査方法であって、検査対象となる対象工具を撮像し、グレースケール画像を生成するグレースケール画像生成工程と、前記グレースケール画像について、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成工程と、前記ヒストグラムに基づいて前記対象工具の状態を判定する判定工程と、を備える。
[0008]
 本発明の別の態様によれば、工具検査装置であって、検査対象となる対象工具を撮像し、グレースケール画像を生成するグレースケール画像生成部と、前記グレースケール画像について、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、前記ヒストグラムに基づいて前記対象工具の状態を判定する判定部と、を備える。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の実施形態に係る工具検査装置の概略構成図である。
[図2] 本発明の実施形態に係る工具検査方法の手順を示すフローチャートである。
[図3A] 使用回数0回の未使用スローアウェイチップのグレースケール画像を示す。
[図3B] 図3Aのヒストグラムを示す。
[図4A] 使用回数100回のスローアウェイチップのグレースケール画像を示す。
[図4B] 図4Aのヒストグラムを示す。
[図5] スローアウェイチップの使用回数毎のヒストグラムを示す。
[図6] 摩耗度指標Eの変化を示すグラフである。
[図7] 手動抽出した摩耗領域の面積の変化を示すグラフである。
[図8] 閾値εの決定方法の手順を示すフローチャートである。
[図9] 未使用のスローアウェイチップのグレースケール画像のヒストグラムを示す。
[図10A] 未使用のスローアウェイチップのグレースケール画像のヒストグラムを示す。
[図10B] 使用回数100回のスローアウェイチップのグレースケール画像のヒストグラムを示す。
[図11] 閾値εを177、165、158として演算した摩耗度指標Eの変化を示すグラフである。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[0011]
 本発明の実施形態に係る工具検査装置100は、工具の状態を検査する装置である。本実施形態では、検査対象が各種工具のスローアウェイチップである場合について説明する。
[0012]
 図1に示すように、工具検査装置100は、加工装置に実装されたスローアウェイチップの刃先を撮像して検査対象画像を取得する画像取得部としてのカメラ1と、カメラ1にて取得した画像データの画像処理を行い、スローアウェイチップの状態を判定するコンピュータ2と、を備える。カメラ1は加工装置に取り付けられる。コンピュータ2は加工装置に隣接して設けてもよいし、加工装置と離れた場所に設けてもよい。
[0013]
 コンピュータ2は、画像データを表示可能な表示部としてのディスプレイ21と、ユーザからの指示が入力可能な入力部としてのキーボード22及びマウス23と、を備える。
[0014]
 次に、図2を参照して、スローアウェイチップの検査方法について詳しく説明する。
[0015]
 ステップ11では、カメラ1を用いて加工装置に実装されたスローアウェイチップの刃先を撮像し、検査対象画像を取得する(画像取得工程)。具体的には、スローアウェイチップの逃げ面を撮像する。逃げ面に形成される摩耗面積は、すくい面に形成される摩耗面積と比較して加工に使用した回数に比例して増加する傾向を示す。したがって、逃げ面を撮像することによって、摩耗度合を適切に評価することができる。検査対象画像はカラー画像として取得する。
[0016]
 ステップ12では、ステップ11にて取得した検査対象画像からグレースケール画像を生成する(グレースケール画像生成工程)。スローアウェイチップは、硬質素材を焼結して製造されるため、その表面には様々な着色がされていることが多い。このため、検査対象画像の色情報を用いてスローアウェイチップの摩耗を検出する方法では、摩耗を精度良く検出することができない。したがって、本実施形態では、検査対象画像からグレースケール画像を生成する。なお、ステップ11にて取得したカラーの検査対象画像からグレースケール画像を生成するのではなく、カメラ11で直接グレースケール画像を生成するようにしてもよい。
[0017]
 ステップ13では、ステップ12で取得したグレースケール画像について、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムを生成する(ヒストグラム生成工程)。図3Aに使用回数0回の未使用スローアウェイチップのグレースケール画像、図3Bにそのグレースケール画像のヒストグラムを示し、図4Aに使用回数100回のスローアウェイチップのグレースケール画像、図4Bにそのグレースケール画像のヒストグラムを示す。図3B及び4Bにおいて、横軸は輝度値(濃度値)、縦軸は画素数である。本実施形態では、輝度値は256階調で表され、輝度値0が黒、輝度値255が白を表す。
[0018]
 図3Bに示すように、未使用スローアウェイチップのグレースケール画像のヒストグラムは、輝度値の低い領域(図中左側)に集中しているのに対して、図4Bに示すように、使用回数100回のスローアウェイチップのグレースケール画像のヒストグラムは、輝度値の高い領域(図中右側)にも多くの画素数が存在し広がっている。これは、図4Aに示すように、グレースケール画像では摩耗領域は輝度値が高く(白く)表示されるためである。
[0019]
 図5に、スローアウェイチップの使用回数毎のヒストグラムを示す。図5に示す各ヒストグラムにおいても、図3B及び4Bと同様に、横軸は輝度値(濃度値)、縦軸は画素数である。図5からわかるように、使用回数の増加に伴って高い輝度値の画素数が増えている。このことから、高い輝度値の画素数は、摩耗領域の面積に比例する傾向を示すと言える。したがって、高い輝度値の画素数を定量的に測定することによって、摩耗面積を評価することができる。
[0020]
 ステップ14では、ステップ13で取得したヒストグラムに基づいてスローアウェイチップの状態を判定する(判定工程)。具体的には、予め定められた所定輝度値以上の画素の総数を演算し、その総数に基づいてスローアウェイチップの状態を判定する。以下に詳しく説明する。
[0021]
 図5に示す各ヒストグラム中の点線は、輝度値(階調値)165を示す。使用回数0回のヒストグラムは、輝度値165以上の画素をほとんど含まないのに対して、使用回数の増加に伴って輝度値165未満の画素数が減少して輝度値165以上の画素数が増加している。そこで、本実施形態では、輝度値165以上の画素の総数を演算し、その総数に基づいてスローアウェイチップの状態を判定する。
[0022]
 具体的に説明すると、ヒストグラムh(x)(x:輝度値)の高輝度値領域の面積を摩耗度指標Eとして以下の式(1)のように定義する。
[0023]
[数1]


[0024]
 式(1)中εは、前記所定輝度値に該当する閾値であり、本実施形態では上述のように165に設定した。つまり、ヒストグラムにおいて、輝度値が165以上255以下の領域の面積を摩耗度指標Eとして演算する。なお、前記所定輝度値は165に限定されるものではなく、検査対象や検査環境等に応じて任意に設定される。
[0025]
 得られた摩耗度指標Eに基づいてスローアウェイチップの状態を判定する。例えば、摩耗度指標Eが予め定められた所定値に達した場合には、スローアウェイチップが寿命と判定する。また、摩耗度指標Eの大きさに応じて劣化レベル1~5を予め設定しておき、劣化レベル5に達した場合にはスローアウェイチップが寿命と判定する。また、摩耗度指標Eとスローアウェイチップの使用回数との相関が規定されたマップ等を実験や経験則に基づいて予め設定しておき、式(1)にて演算された摩耗度指標Eを用いてマップを参照して使用回数を推定してスローアウェイチップの状態を判定する。
[0026]
 以上で説明したステップ12~14の処理は、コンピュータ2に記憶されたソフトウエアによって自動で実行される。その結果、スローアウェイチップが寿命と判定されれば、交換を促す通知が発せられる。
[0027]
 <実施例>
 次に、実施例について説明する。
[0028]
 3つのスローアウェイチップ1,2,3を1回使用する毎に上記ステップ11~13の要領でヒストグラムを生成し、そのヒストグラムについて式(1)を用いて摩耗度指標Eを演算した。また、比較例として、スローアウェイチップ1,2,3を10回使用する毎にスローアウェイチップの刃先の逃げ面を撮像し、摩耗領域を手動で抽出し、その抽出した摩耗領域の面積(画素数)を算出した。
[0029]
 図6はスローアウェイチップ1,2,3の摩耗度指標Eの変化を示すグラフであり、図7はスローアウェイチップ1,2,3において手動抽出した摩耗領域の面積の変化を示すグラフである。図6及び7では、スローアウェイチップ1,2,3の値をそれぞれ実線、破線、一点鎖線にて示す。図6及び7からわかるように、両者は概ね一致した。このことから、本実施形態によれば、摩耗領域を高い精度で抽出できることが確認できた。したがって、本実施形態によれば、スローアウェイチップの状態を精度良く判定することができると言える。
[0030]
 次に、図8を参照して、前記所定輝度値である閾値εの決定方法について説明する。
[0031]
 スローアウェイチップが未使用の場合には、高輝度値領域は基本的には存在しないはずだが画像を撮影する際の照明条件やチップの反射によって一部分がノイズとして高輝度値を示す。その影響を減少させるために閾値εを未使用のスローアウェイチップの画像に基づいて決定する。以下に詳しく説明する。
[0032]
 ステップ21では、カメラ1を用いて未使用のスローアウェイチップの刃先を撮像し、基準画像を取得する。
[0033]
 ステップ22では、ステップ21にて取得した基準画像からグレースケール画像を生成する。
[0034]
 ステップ23では、ステップ13と同様に、ステップ22で取得したグレースケール画像について、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラム(図9参照)を生成する。
[0035]
 ステップ24では、ステップ23にて取得したヒストグラムを用いて閾値εを決定する。その決定の方法について以下に詳しく説明する。
[0036]
 まず、以下の式(2)を用いて、図9中矢印にて示すように最大輝度値から輝度値0へ向けてヒストグラムh(x)の積分を行う。(2)式のPは積分された面積であり、Pが予め定められた数値となった時の輝度値を閾値εと決定する。ここでは、予め定められた数値は、総ピクセル数の2%に設定される。Pが総ピクセル数の2%の時の輝度値は式(2)から165と演算される。したがって、閾値εは165に決定される。このように、本実施形態では、閾値εは、Pが総ピクセル数の2%の時の輝度値である165に決定される。
[0037]
[数2]


[0038]
 閾値εを決定するにあたってPの数値を総ピクセル数の2%に設定したことを、以下のようにして検証した。
[0039]
 Pが総ピクセル数の1%、2%、3%の時の輝度値を式(2)を用いて演算し、演算された輝度値を閾値εとして式(1)を用いて摩耗度指標Eを演算する。使用した画像サイズは1024×960ピクセルであり、総ピクセル数は983040である。Pが総ピクセル数の1%、2%、3%の時の輝度値は、式(2)を用いてそれぞれ177、165、158と演算される。
[0040]
 検証に用いた未使用のスローアウェイチップ及び使用回数100回のスローアウェイチップのグレースケール画像のヒストグラムを図10A及び図10Bに示す。また、閾値εを177、165、158として演算した摩耗度指標Eの演算結果を図11に示す。図11では、閾値εが177、165、158の摩耗度指標Eをそれぞれ実線、破線、一点鎖線にて示す。
[0041]
 図10Aでは輝度値165以上の画素をほぼ含まないのに対して、図10Bでは輝度値165以上の画素が増加して輝度値165未満の画素が減少している。このことから、未使用のスローアウェイチップの摩耗していない表面と高い輝度値を示す使用済みスローアウェイチップの摩耗した表面とを区別する境界は、輝度値165であることがわかる。つまり、図10A及び図10Bからは、閾値εは165程度であることがわかる。
[0042]
 また、図11に示すように、Pが総ピクセル数の1%、2%、3%と変化しても、摩耗度指標Eの時系列的な変動には大きな影響がないことがわかる。
[0043]
 図10A及び図10Bからは、上述のように閾値εは165程度であり、Pが総ピクセル数の1%、2%、3%の時の輝度値177、165、158のなかでは、2%の時の輝度値165が一番近い。よって、閾値εを決定するにあたってPの数値を総ピクセル数の2%に設定することは、妥当であることがわかる。
[0044]
 以上のように、積分面積Pを画像の総ピクセル数の2%程度に定めることによって、画像全体のノイズである2%程度の面積の計算を省略し、残り98%程度の画像から輝度値の推移を解析することができるため、摩耗の解析精度を高めることができる。
[0045]
 なお、本実施形態では、閾値εを決定するにあたってPの数値を総ピクセル数の2%に設定したが、設定値は2%に限定されるものではなく検査対象や検査環境等に応じて任意に設定される。
[0046]
 以上で説明したステップ21~24の処理は、コンピュータ2に記憶されたソフトウエアによって自動で実行され、閾値εは自動演算される。この閾値εの自動演算を図2に示すフローチャートに組み込む場合には、ステップ21~24の処理をステップ11~14の処理の前に行うようにすればよい。つまり、ステップ21~24の処理にて閾値εを決定し、ステップ14にて閾値εを用いて摩耗度指標Eしてスローアウェイチップの状態を判定する。
[0047]
 以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
[0048]
 本実施形態では、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムに基づいて対象工具の状態が自動で判定されるため、簡単な方法で精度良く工具を検査することができる。
[0049]
 従来は、工具の寿命を判断するには熟練した技術が必要であった。熟練した技術に頼らない場合には、安全な使用回数で工具を交換していた。しかし、本実施形態によれば、工具の刃先を撮影するだけで、自動で工具の状態を判定することができるため、熟練した技術が不要であり、かつ、工具を真の寿命まで使い切ることができ、費用を低減することができる。
[0050]
 また、スローアウェイチップの状態の判定に用いられる摩耗度指標Eは、式(1)のみで演算されるため、演算が非常に簡単であり、高速に演算することができる。
[0051]
 また、本実施形態はヒストグラムを利用するものであるため、摩耗領域を撮像さえすればスローアウェイチップの状態を判定することができる。つまり、検査対象画像に摩耗領域が含まれてさえいればよく、対象工具やカメラ1の高い位置決め精度は要求されない。
[0052]
 以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
[0053]
 本願は2014年3月27日に日本国特許庁に出願された特願2014-065974に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 工具検査方法であって、
 検査対象となる対象工具を撮像し、グレースケール画像を生成するグレースケール画像生成工程と、
 前記グレースケール画像について、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成工程と、
 前記ヒストグラムに基づいて前記対象工具の状態を判定する判定工程と、
を備える工具検査方法。
[請求項2]
 請求項1に記載の工具検査方法であって、
 前記判定工程は、予め定められた所定輝度値以上の画素の総数を前記ヒストグラムに基づいて演算し、当該総数に基づいて前記対象工具の状態を判定する工具検査方法。
[請求項3]
 請求項2に記載の工具検査方法であって、
 前記所定輝度値は、未使用の対象工具のグレースケール画像について輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムを生成し、最大輝度値から輝度値0へ向けて当該ヒストグラムの積分を行い、当該積分値が予め定められた数値となった時の輝度値に設定される工具検査方法。
[請求項4]
 工具検査装置であって、
 検査対象となる対象工具を撮像し、グレースケール画像を生成するグレースケール画像生成部と、
 前記グレースケール画像について、輝度値に対する画素数の分布を示すヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、
 前記ヒストグラムに基づいて前記対象工具の状態を判定する判定部と、
を備える工具検査装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11]