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1. (WO2015146688) 電動ブレーキ装置および電動ブレーキ装置システム
Document

明 細 書

発明の名称 電動ブレーキ装置および電動ブレーキ装置システム 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

図面の簡単な説明

0027   0028  

発明を実施するための形態

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

符号の説明

0065  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3A   3B   4   5A   5B   6  

明 細 書

発明の名称 : 電動ブレーキ装置および電動ブレーキ装置システム

関連出願

[0001]
 本出願は、2014年3月24日出願の特願2014-59503の優先権を主張するものであり、その全体を参照により本願の一部をなすものとして引用する。

技術分野

[0002]
 この発明は、摩擦パッドの摩耗の進行を随時検出して、摩擦パッドが摩耗限界を迎えることを回避し、適切な時期に保守作業等を実施することができる電動ブレーキ装置および電動ブレーキ装置システムに関する。

背景技術

[0003]
 従来、電動ブレーキの制御法として、以下の技術が提案されている。
(1)モータと直動機構を使用した電動ブレーキ装置(特許文献1)。
(2)ブレーキパッドに埋め込んだ接触端子によって、摩耗限界を検知する手法(特許文献2)。
(3)パッド摩耗限界と同位置に設けられた突起の振動で、前記パッド摩耗限界を検知する手法(特許文献3)。
[0004]
(4)ブレーキ時のスライドピンとキャリパの相対位置から、パッド摩耗量を推定する手法(特許文献4)。
(5)摩擦パッドをブレーキディスクに押圧する直動機構に、ブレーキパッド押圧力検出部を構成し、このブレーキパッド押圧力検出部をピエゾ素子で構成する方式(特許文献5)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開平6-327190号公報
特許文献2 : 特開昭61-127931号公報
特許文献3 : 特開昭59-040028号公報
特許文献4 : 特公昭61-046689号公報
特許文献5 : 特開2003-014018号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 接触端子によって摩耗限界を検知する前記(2)の手法や、突起の振動でパッド摩耗限界を検知する前記(3)の手法では、パッド摩耗の限界に達してから初めてパッド摩耗が判明する。このため、すぐに保守作業が行えない状況においては、パッド摩耗が限界を超えて進行する可能性がある。また、このようなブレーキロータに直接接触させる手法では、パッド摩耗の限界に達してから初めてパッド摩耗が判明するためパッド摩耗限界を迎えた際にブレーキロータの消耗を促進してしまう可能性がある。
[0007]
 スライドピンとキャリパの相対位置からパッド摩耗量を推定する前記(4)の手法では、専用のセンサが必要でありコスト増に繋がることに加え、スライドピン部分を始め、ブレーキのシリンダ周辺は熱・振動に厳しい条件に晒される。前記(5)の手法でも、直動機構は、熱・振動に厳しい条件に晒される。このため、センサ等を搭載する場合は、信頼性・耐久性の確立が困難であり、またセンサ保護の観点からもさらにコスト・スペース増に繋がる可能性がある。
[0008]
 この発明の目的は、パッド摩耗が限界を超えて進行することを未然に防止でき、またコストおよびスペースを増加することなく摩擦パッドの摩耗を推定することができる電動ブレーキ装置および電動ブレーキ装置システムを提供することである。

課題を解決するための手段

[0009]
 以下、この発明について、理解を容易にするために、便宜上実施形態の符号を参照して説明する。
[0010]
 この発明の電動ブレーキ装置は、電動モータ2と、ブレーキロータ5と、このブレーキロータ5と接触して制動力を発生させる摩擦パッド6と、前記電動モータ2の回転運動を前記摩擦パッド6の直進運動に変換する直動機構4と、ブレーキ操作手段29の操作量から目標とするブレーキ力の指令値を生成するブレーキ力指令手段26aと、前記摩擦パッド6を前記ブレーキロータ5に押し付けるブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段30と、前記電動モータ2の回転角を検出するモータ回転角検出手段28と、前記ブレーキ力の指令値および推定値に応じて前記電動モータ2を制御する制御装置7とを備えた電動ブレーキ装置であって、
 前記制御装置7に、前記摩擦パッド6の摩耗量を推定するパッド摩耗量推定手段37を設け、
 前記パッド摩耗量推定手段37は、
 前記直動機構4の直動部14が前記ブレーキロータ5から離反する後退端と、前記直動部14が前記ブレーキロータ5に接近して制動力を発生させる前進端との間の、前記モータ回転角検出手段28により得られる前記電動モータ2の回転角から、前記摩擦パッド6の摩耗量を推定する。
 前記ブレーキ力推定手段30は、ブレーキ力をセンサで検出する手段であっても良い。
[0011]
 この構成によると、この電動ブレーキ装置を備えた車両が、例えば、継続的に停車しているときに、制御装置7は、ブレーキ操作手段29の操作によりパッド摩耗量推定手段37による摩擦パッド6の摩耗量を推定させる。前記ブレーキ操作手段29の操作主体は制御装置7であっても運転者であっても良い。
[0012]
 パッド摩耗量推定手段37は、直動機構4における直動部14の後退端と前進端との間の、モータ回転角検出手段28により得られる電動モータ2の回転角から、摩擦パッド6の摩耗量を推定する。前記後退端は、直動部14がブレーキロータ5から最も離反する後退限界位置である。例えば、予めモータコイルのインダクタンス、抵抗値、ロータ慣性等の物理特性を把握していれば、電動モータ2の電圧および回転数から、前記後退端を求めることができる。前記前進端は、直動部14がブレーキロータ5に接近して制動力を発生させる位置、つまり摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触して制動力を発生させる直動部14の位置である。
[0013]
 パッド摩耗量推定手段37は、前記後退端から、摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触するまでのモータ回転角から、摩擦パッド6の摩耗量を推定することができる。この場合に、摩擦パッド6が摩耗すると、その摩耗量だけ多く摩擦パッド6を移動させなければ摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触しないため、摩耗量に応じてモータ回転角が異なる。したがってモータ回転角の相違から摩擦パッド6の摩耗量を推定することができる。しかし、その比較のためにはモータ回転角の基準位置を精度良く定める必要がある。
[0014]
 これにつき、直動部14がブレーキロータ5から最も離反する後退限界位置を基準とするため、摩擦パッド6の摩耗の有無にかかわらず、モータ回転角の基準位置を精度良く設定し得る。したがって、摩擦パッド6の摩耗量を精度良く推定することができる。このため、摩擦パッド6の摩耗の進行が随時検出可能となることで、摩擦パッド6の摩耗が摩耗限界を超えて進行することを未然に防止できる。摩耗パッド6が摩耗限界を迎えるタイミングをある程度予測することで、前記摩耗限界を迎えるタイミング前の適切な時期にこの電動ブレーキ装置の保守作業を実施することができる。
[0015]
 また摩擦パッド6の摩耗量を検出する専用のセンサを必要とせず、電動ブレーキ装置に基本的に必要なモータ回転角検出手段28を用いて、直動部14の後退端および前進端におけるそれぞれのモータ回転角を検出するため、スライドピンとキャリパの相対位置からパッド摩耗量を推定する前記(4)の手法よりも、コストおよびスペースを増加することなく摩擦パッド6の摩耗を推定することができる。
[0016]
 前記電動モータ2および前記直動機構4を保持するハウジング1を設け、
 前記直動機構4は、前記電動モータ2により回転駆動される回転軸9と、この回転軸9の回転運動を前記直動部14の直進運動に変換する変換機構部10と、前記ハウジング1に対し前記回転軸9の軸方向位置を拘束する拘束力を発生させる拘束部11,12とを有し、この拘束部12は、前記直動部14が前記後退端に到達したとき、前記ハウジング1に対して前記回転軸9に拘束力を発生させるものとしても良い。
[0017]
 この場合、回転軸9を電動モータ2により一方向に回転駆動する。これにより、変換機構部10は、この回転軸9の回転運動を直動部14の定められた一方向への直進運動に変換することで、直動部14をブレーキロータ5から離反する方向に移動させていく。直動部14が後退端まで到達すると、拘束部12は、ハウジング1に対して回転軸9に拘束力を発生させる。制御装置7は、例えば、電動モータ2の電流を測定する電流検出手段34等を用いてモータトルクを推定し、このモータトルクから拘束力の発生を検出することで、直動部14の後退端の位置を検出し得る。
[0018]
 前記制御装置7は、前記電動モータ2への印加電圧と、前記モータ回転角検出手段28で検出される電動モータ2の回転角との関係を定めた関係設定手段39を有し、前記印加電圧および前記回転角を前記関係設定手段39に照らし合わせて前記拘束力を推定しても良い。前記電動モータ2への印加電圧と、モータ回転角検出手段28で検出される電動モータ2の回転角との関係は、例えば、実験やシミュレーション等の結果によりに定められる。前記関係設定手段39は、例えば、テーブル等からなり、記録手段34に書換え可能に記録される。前記制御装置7は、電動モータ2への印加電圧およびモータ回転角を関係設定手段39に照らし合わせて定められた拘束力となっているとき、直動部14が後退端に位置したと認識してその後退端におけるモータ回転角を検出し得る。
[0019]
 前記制御装置7は、前記電動モータ2のトルクを推定するトルク推定手段38を有し、このトルク推定手段38で推定されるトルクから前記拘束力を推定しても良い。この場合、制御装置7は、直動機構4の直動部14を定められた位置においてブレーキロータ5から離反する方向へ後退させていき、直動部14が後退端でハウジング1内の固定部に当接すると、モータ回転数が低下してモータトルクが負方向に増加する、つまりモータトルクの絶対値が増加する。制御装置7は、このモータトルクが増加する位置を基準位置として、この基準位置から直動部14をブレーキロータ5側へ前進させていき、摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触した位置までモータ回転角を検出する。
[0020]
 前記ブレーキ力推定手段30は、前記直動機構4の軸方向荷重を検出する荷重センサ13を含むものであっても良い。この場合、制御装置7が直動部14を後退端から前進させていくと、荷重センサ13の検出値は次第に大きくなり、摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触する位置で荷重センサ13の検出値が最大となる。このように荷重センサ13を用いることで、摩擦パッド6の接触位置を精度良く検出することができる。
[0021]
 この発明の電動ブレーキ装置システムは、前記いずれかの電動ブレーキ装置A1を車両に複数設け、前記制御装置7は、前記車両が駐車ブレーキにより定められた時間以上停車しているとき、前記複数の電動ブレーキ装置A1における一部の電動ブレーキ装置A1が通常のブレーキ動作を行える状態とし、且つ、他の電動ブレーキ装置A1における前記摩擦パッド6の摩擦量を前記摩擦パッド摩耗量推定手段37により推定する。前記定められた時間は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により適宜に定められる。
[0022]
 車両が停車状態を維持している限りにおいては、車両に設けられる電動ブレーキ装置A1における摩擦パッド6の摩擦量を推定しても、運転に支障がなく好都合である。そこで、制御装置7は、車両が駐車ブレーキにより定められた時間以上停車しているとき、例えば、一部の電動ブレーキ装置A1につき通常のブレーキ動作を行って車両の制動状態を維持しつつ、他の電動ブレーキ装置A1における摩擦パッド6の摩擦量をパッド摩耗量推定手段37により推定する。前記他の電動ブレーキ装置A1における摩擦パッド6の摩擦量を推定した後、制御装置7は、例えば、前記他の電動ブレーキ装置A1について通常のブレーキ動作を行って車両の制動状態を維持しつつ、前記一部の電動ブレーキ装置A1における摩擦パッド6の摩擦量をパッド摩耗量推定手段37により推定する。
[0023]
 この発明における他の電動ブレーキ装置システムは、前記いずれかの電動ブレーキ装置A1を車両に複数設け、前記車両が、この車両に作用する重力と直交する平面上における重心点P1周りの4つに区切られた領域である4象限のそれぞれに1つ以上の電動ブレーキ装置A1を有し、前記制御装置7は、全ての電動ブレーキ装置A1の動作が定められた時間以上行われていないとき、前記4象限のうち重心点P1に対して互いに対角に位置する定められた象限の電動ブレーキ装置A1が通常のブレーキ動作を行える状態とし、且つ、他の電動ブレーキ装置A1における前記摩擦パッド6の摩擦量を前記パッド摩耗量推定手段37により推定する。
[0024]
 車両の運転時に摩擦パッド6の摩擦量を推定しているとき、通常のブレーキ動作を行った場合、制御装置7は、互いに対角に位置する象限の電動ブレーキ装置A1を作動させるため、車両に不所望なヨーモーメントが発生することを抑制し、車両に挙動が働くことを抑えることができる。
[0025]
 前記パッド摩耗量推定手段37で推定される摩擦パッド6の摩耗量が閾値以上のとき、前記制御装置7の上位制御手段に警告信号を出力する警告信号出力手段33を前記制御装置7に設けたものとしても良い。車両の運転者は、上位制御手段から出力される例えば、警告表示、警告音等により、摩擦パッド6の摩耗限界が近いことを認識することができる。よって、前記摩耗限界を迎えるタイミング前の適切な時期に、摩擦パッド6の摩耗限界が近い電動ブレーキ装置の保守作業を実施することができる。
[0026]
 請求の範囲および/または明細書および/または図面に開示された少なくとも2つの構成のどのような組合せも、この発明に含まれる。特に、請求の範囲の各請求項の2つ以上のどのような組合せも、この発明に含まれる。

図面の簡単な説明

[0027]
 この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施形態の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施形態および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の符号は、同一または相当する部分を示す。
[0028]
[図1] この発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置の要部の断面図である。
[図2] 同電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。
[図3A] 同電動ブレーキ装置の摩擦パッドが最後端に位置する状態の断面図である。
[図3B] 同摩擦パッドがブレーキロータと接触して制動力を発生させている状態の断面図である。
[図4] (A)は、同電動ブレーキ装置の直動部の位置の推移を示す動作概念図、(B)は、同直動部の位置に対応するモータ回転角速度の値を示す図、(C)は、同直動部の位置に対応するモータトルクの値を示す図である。
[図5A] 直動部の後退端を検出する例を示すフローチャートである。
[図5B] 摩擦パッドの接触位置を検出する例を示すフローチャートである。
[図6] 同電動ブレーキ装置を車両に複数搭載した電動ブレーキ装置システムの構成を概略示す図である。

発明を実施するための形態

[0029]
 この発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置を図1~図5Bと共に説明する。図1に示すように、この電動ブレーキ装置は、ハウジング1と、電動モータ2(図2)と、この電動モータの回転を減速する減速機構3と、直動機構4と、ブレーキロータ5と、摩擦パッド6と、図示外のロック機構と、前記電動モータを制御する制御装置7とを有する。ハウジング1に前記電動モータ2が支持される。ハウジング1内には、電動モータ2の出力によりブレーキロータ5(この例ではディスクロータ)に対して制動力を負荷する直動機構4が組み込まれている。ハウジング1の開口端はカバー8によって覆われている。
[0030]
 直動機構4について説明する。直動機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換して、ブレーキロータ5に対して摩擦パッド6を当接および離隔させる機構である。この直動機構4は、電動モータ2により回転駆動される回転軸9と、この回転軸9の回転運動を直線運動に変換する変換機構部10と、拘束部と、荷重計やフォースセンサとも呼ばれる荷重センサ13とを有する。変換機構部10は、直動部14と、軸受部材15と、環状のスラスト板16と、スラスト軸受17と、転がり軸受18と、キャリア19と、すべり軸受20,21と、複数の遊星ローラ22とを有する。拘束部は、本実施形態では、2つの拘束部11,12からなる。
[0031]
 ハウジング1の内周面に、円筒状の直動部14が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。直動部14の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起が設けられている。この螺旋突起に複数の遊星ローラ22が噛合している。
[0032]
 ハウジング1内における直動部14の軸方向一端側に、軸受部材15が設けられている。この軸受部材15は、径方向外方に延びるフランジ部と、ボス部とを有する。このボス部内に複数の転がり軸受18が嵌合され、これら転がり軸受18の内輪内径面に回転軸9が嵌合されている。回転軸9は、軸受部材15に複数の転がり軸受18を介して回転自在に支持される。
[0033]
 直動部14の内周には、回転軸9を中心に回転可能なキャリア19が設けられている。キャリア19は、軸方向に互いに対向して配置されるディスクを有する。軸受部材15に近いディスクをインナ側ディスクといい、他方のディスクをアウタ側ディスクという場合がある。アウタ側ディスクのうち、インナ側ディスクに臨む側面には、この側面における外周縁部から軸方向に突出する間隔調整部材が設けられる。この間隔調整部材は、複数の遊星ローラ22の間隔を調整するため、円周方向に等間隔を空けて複数配設されている。これら間隔調整部材により、両ディスクが一体に設けられる。
[0034]
 インナ側ディスクは、回転軸9との間に嵌合されたすべり軸受20により、回転自在に、且つ、軸方向に移動自在に支持されている。アウタ側ディスクには、中心部に軸挿入孔が形成され、この軸挿入孔にすべり軸受21が嵌合されている。アウタ側ディスクは、すべり軸受21により回転軸9に回転自在に支持される。回転軸9の両端部には、スラスト荷重を受けて回転軸9の軸方向位置を拘束する拘束部11,12が設けられる。各拘束部11,12は、例えば、ワッシャ等からなるストッパ片を含む。回転軸9の両端部には、これら拘束部11,12の抜け止め用の止め輪が設けられる。
[0035]
 キャリア19には、複数のローラ軸23が周方向に間隔を空けて設けられている。各ローラ軸23の両端部が、インナ側ディスク,アウタ側ディスクにわたって支持されている。すなわち両ディスクには、それぞれ長孔から成る軸挿入孔が複数形成され、各軸挿入孔に各ローラ軸23の両端部が挿入されてこれらローラ軸23が各軸挿入孔の範囲で径方向に移動自在に支持される。複数のローラ軸23における軸方向両端部には、それぞれ、これらローラ軸23を径方向内方に付勢する弾性リング24が掛け渡されている。
[0036]
 各ローラ軸23に、遊星ローラ22が回転自在に支持され、各遊星ローラ22は、回転軸9の外周面と、直動部14の内周面との間に介在される。複数のローラ軸23に渡って掛け渡された弾性リング24の付勢力により、各遊星ローラ22が回転軸9の外周面に押し付けられる。回転軸9が回転することで、この回転軸9の外周面に接触する各遊星ローラ22が接触摩擦により回転する。遊星ローラ22の外周面には、直動部14の螺旋突起に噛合する螺旋溝が形成されている。
[0037]
 減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸9に固定された出力ギヤ25に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列(図示せず)を含む。この例では、減速機構3は、電動モータ2の図示外のロータ軸に取り付けられた入力ギヤ(図示せず)の回転を前記ギヤ列により順次減速して、出力ギヤ25に伝達可能としている。前記ロック機構は、直動機構4の制動力弛み動作を阻止するロック状態と、制動力弛み動作を許容するアンロック状態とにわたって切換え可能に構成されている。
[0038]
 図2は、この電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。この電動ブレーキ装置の制御装置7は、ECU26に設けられるブレーキ力指令手段26aと、インバータ装置27と、例えば回転角センサやロータリエンコーダ等であるモータ回転角検出手段28とを有する。インバータ装置27の上位制御手段であるECU26として、例えば、車両全般を制御する電気制御ユニットが適用される。ブレーキ力指令手段26aは、ブレーキ操作手段29であるブレーキペダルの操作量に応じて変化するセンサ29aの出力に応じて、LUT(Look Up Table)やライブラリ(Library)の所定の変換関数等を用いて、目標とするブレーキ力の指令値を生成し出力する。なお、ブレーキ操作手段29は、操作者がブレーキを指示するための手段であれば、ペダル入力式に限られず、ボタン入力式、レバー入力式等であってもよい。
[0039]
 インバータ装置27は、摩擦パッド6(図1)をブレーキロータ5(図1)に押し付けるブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段30と、各電動モータ2に対して設けられたパワー回路部31と、このパワー回路部31を制御するモータコントロール部32と、後述する警告信号出力手段33と、電流検出手段34とを有する。
[0040]
 ブレーキ力推定手段30は、ブレーキ操作手段29の操作量に応じて変化するセンサ29aの出力と、電流検出手段34で検出されるモータ電流とから、相応のブレーキ力の推定値を、LUTやライブラリの所定の変換関数等を用いた演算により求める。前記センサ29aの出力、モータ電流、およびブレーキ力の推定値の関係は、予め、実験やシミュレーション等の結果により定められ、記録手段34に書換え可能に記録されている。
[0041]
 ブレーキ力推定手段30は、この他に、図1に示す直動機構4におけるハウジング1内に、この直動機構4の軸方向荷重を検出する荷重センサ13を含むものとしても良い。この場合、制御装置7が直動部14を後述の後退端から前進させていくと、荷重センサ13の検出値は次第に大きくなり、摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触する位置で荷重センサ13の検出値が最大となる。このように荷重センサ13を用いることで、摩擦パッド6の接触位置を精度良く検出し得る。
[0042]
 図2に示すように、モータコントロール部32は、プロセッサ(Processor)を有するコンピュータと前記プロセッサで実行されるプログラムを有するROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)やコプロセッサ(Co-Processor)等の電子回路により構成される。モータコントロール部32は、ブレーキ力指令手段26aから与えられるブレーキ力の指令値およびブレーキ力推定手段30で推定されるブレーキ力の推定値に応じて、電圧値で表される電流指令に変換して、この電流指令をパワー回路部31に与える。モータコントロール部32は、電動モータ2に関する各検出値や制御値等の各情報をECU26に出力する機能を有する。
[0043]
 パワー回路部31は、電源35の直流電力を電動モータ2の駆動に用いる3相の交流電力に変換するインバータ31bと、このインバータ31bを制御するPWM制御部31aとを有する。電動モータ2は3相の同期モータ等からなる。インバータ31bは、複数の半導体スイッチング素子(図示せず)で構成され、PWM制御部31aは、入力された電流指令をパルス幅変調し、前記各半導体スイッチング素子にオンオフ指令を与える。
[0044]
 モータコントロール部32は、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部36を有する。このモータ駆動制御部36は、前述のブレーキ力の指令値および推定値に従い、前記電圧値で表される電流指令に変換して、パワー回路部31のPWM制御部31aに電流指令からなるモータ動作指令値を与える。モータ駆動制御部36は、ブレーキ力の指令値に対し、インバータ31bから電動モータ2に流すモータ電流を電流検出手段34から得て、電流フィードバック制御を行う。またモータ駆動制御部36は、電動モータ2のロータ(図示せず)の回転角をモータ回転角検出手段28から得て、ロータ回転角に応じた効率的なモータ駆動が行えるように、PWM制御部31aに電流指令を与える。
[0045]
 モータコントロール部32には、摩擦パッド6(図1)の摩耗量を推定するパッド摩耗量推定手段37、および、記録手段34等が設けられる。パッド摩耗量推定手段37は、直動部4(図1)の後退端と前進端との間の、モータ回転角検出手段28により得られる電動モータ2の回転角から、摩擦パッド6(図1)の摩耗量を推定する。パッド摩耗量推定手段37は、例えばLUTやライブラリの所定の変換関数等を用いて演算を行い、前記摩耗量を推定する。
[0046]
 ここで図3Aは、この電動ブレーキ装置の摩擦パッド6が最後端に位置する状態の断面図であり、図3Bは、摩擦パッド6がブレーキロータ5と接触して制動力を発生させている状態の断面図である。図3Aに示すように、直動機構4における直動部14の後退端は、この直動部14がブレーキロータ5から最も離反して、摩擦パッド6とブレーキロータ5との間に規定のクリアランスδがある摩擦パッド6の最後端となる位置である。より詳細には、軸受部材15のフランジ部のアウトボード側(図1)端面に、直動部14の軸方向一端が当接した位置がこの直動部14の後退端である。
[0047]
 直動部14が前記後退端に到達したとき、2つの拘束部のうちの一方の、同図右側の拘束部12が、回転軸9を突出させる動作を阻害する。換言すれば、同拘束部12が回転軸9からのスラスト荷重を受けて、この回転軸9がインボード側にこれ以上突出することを禁止する。このように拘束部12は、ハウジング1に対して回転軸9に拘束力を発生させる。図2に示すように、パッド摩耗量推定手段37は、例えば、電動モータ2のトルクを推定するトルク推定手段38を有する。このトルク推定手段38は、電流検出手段34で検出されるモータ電流からモータトルクを推定し得る。トルク推定手段38は、LUTやライブラリの所定の変換関数等を用いて、モータトルクを算出し推定する。
[0048]
 図4(A)は、この電動ブレーキ装置の直動部の位置の推移を示す動作概念図であり、図4(B)は、同直動部の位置に対応するモータ回転角速度の値を示す図である。図4(C)は、同直動部の位置に対応するモータトルクの値を示す図である。以後、図1,図2も適宜参照しつつ説明する。
[0049]
 図4(A),図4(C)に示すように、直動機構4の直動部14を定められた位置においてブレーキロータ5から離反する方向へ後退させていき、直動部14が後退端でハウジング1内の前記フランジ部に当接すると、回転軸9に拘束力が発生することでモータ回転数が低下してモータトルクが負方向に増加する、つまりモータトルクの絶対値が増加する。
[0050]
 制御装置7は、電流検出手段34から検出されるモータ電流により、モータトルクの絶対値が増加する位置を基準位置(モータ回転角が「0」)として、この基準位置から直動部14をブレーキロータ側へ前進させていき、摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触した位置(クリアランスδが無い位置)すなわち前進端の位置までモータ回転角を検出する。摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触した位置は、ブレーキ力推定手段30によるブレーキ力の推定値から求められる。その後、図4(A)に示すように、制御装置7は、直動部14を前記定められた位置に戻す。
[0051]
 図4(A),図4(B)に示すように、制御装置7は、前記トルク推定手段38に代えて、電動モータ2への印加電圧と、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角との関係を定めた関係設定手段39(図2参照)を有し、前記印加電圧および前記モータ回転角を関係設定手段39に照らし合わせて前記拘束力を推定しても良い。関係設定手段39は、例えば、LUTなどのテーブルやライブラリの所定の変換関数等からなり、記録手段34に書換え可能に記録される。
[0052]
 パッド摩耗量推定手段37は、前記推定される拘束力から直動部14が後退端に到達したことを認識して、この直動部14の後退端においてモータ回転角を検出する。その後、直動部14をブレーキロータ5側へ前進させていき、図3Bに示す摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触した位置まで、パッド摩耗量推定手段37はモータ回転角を検出する。摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触した位置は、ブレーキ力推定手段30によるブレーキ力の推定値から求められる。なお摩擦パッド5の接触位置は、荷重センサ13を使用せずに、摩擦パッド6がブレーキロータ5を押圧した際の反力によるモータ回転数の低下によって、前記接触位置を検出しても良い。
[0053]
 図2に示すように、インバータ装置37には、ECU26に警告信号を出力する警告信号出力手段33が設けられる。この警告信号出力手段33は、パッド摩耗量推定手段37で推定される摩擦パッド6の摩耗量が閾値以上のときECU26に警告信号を出力する。前記閾値は記録手段34に書換え可能に記録される。車両におけるコンソールパネル等に、例えば、ディスプレイ、警告灯、または音声出力装置等の警告表示等出力手段40が設けられる。ECU26は、警告信号出力手段33から警告信号が入力されると、警告表示等出力手段40に警告表示等を出力する。車両の運転者は、出力される警告表示等により、摩擦パッド6の摩耗限界が近いことを認識し得る。
[0054]
 図5Aと図5Bは、この摩擦パッドの摩耗量の検出例を示すフローチャートである。図5Aは、直動部の後退端を検出する例を示すフローチャートである。制御装置7は、この電動ブレーキ装置を搭載する車両が、例えば、前記ロック機構により定められた時間以上停車しているとき、本処理を開始する。本処理開始後、制御装置7は、直動部14を後退させるモータ電圧を電動モータ2に印加する(ステップa1)。その後、モータコントロール部32のパッド摩耗量推定手段37は、例えば、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角を微分してモータ角速度ωを取得する(ステップa2)。
[0055]
 次に、パッド摩耗量推定手段37は、前記モータ角速度ωが閾値αより小さいか否かを判定し、閾値α以上であるとの判定で(ステップa3:no)、ステップa1に戻る。閾値αより小さいとの判定で(ステップa3:yes)、パッド摩耗量推定手段37は直動部14が後退端に到達したと判定する(ステップa4)。前記閾値αは、直動部14を後退させる際のモータ回転数に対して、後退端に到達したことによりモータ回転数が低下したことを十分判定できる値であれば良い。その後、パッド摩耗量推定手段37は、直動部14が後退端に到達したと判定したその位置を基準位置θminとして記録手段34に記録する(ステップa5)。その後本処理を終了する。
[0056]
 図5Bは、摩擦パッドの接触位置(前進端)を検出する例を示すフローチャートである。図5Aの処理を実行後、図5Bの処理に移行し、制御装置7は、直動部14を基準位置θminから前進させるモータ電圧を印加する(ステップb1)。次に、パッド摩耗量推定手段37は、荷重センサ13からの出力Fを取得し(ステップb2)、出力Fが閾値F0になったか否かを判定する(ステップb3)。判定が否の場合(ステップb3:no)、ステップb1に戻り、F=F0との判定で(ステップb3:yes)、パッド摩耗量推定手段37は摩擦パッド6の接触位置θ0と判定する(ステップb4)。
[0057]
 閾値F0は、摩擦パッド6の接触が十分判断できるきわめてゼロに近い値としても良く、またスライドピンの摺動抵抗等の影響を十分除去するために、ある程度のブレーキ力が発生する値としても良い。その後、パッド摩耗量推定手段37は、摩擦パッド6の接触位置θ0から基準位置θminを減じる(θ0-θmin)ことでパッド摩耗量を推定する(ステップb5)。
[0058]
 以上説明した電動ブレーキ装置によると、パッド摩耗量推定手段37は、前記後退端から、摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触する前記前進端までのモータ回転角から、摩擦パッド6の摩耗量を推定することができる。この場合に、摩擦パッド6が摩耗すると、その摩耗量だけ多く摩擦パッド6を移動させなければ摩擦パッド6がブレーキロータ5に接触しないため、摩耗量に応じてモータ回転角が異なる。したがってモータ回転角の相違から摩擦パッド6の摩耗量を推定することができるが、その比較のためにはモータ回転角の基準位置を精度良く定める必要がある。
[0059]
 これにつき、直動部14がブレーキロータ5から最も離反する後退限界位置(後退端)を基準とするため、摩擦パッド6の摩耗の有無にかかわらず、モータ回転角の基準位置を精度良く設定し得る。したがって、摩擦パッド6の摩耗量を精度良く推定することができる。このため、摩擦パッド6の摩耗の進行が随時検出可能となることで、摩擦パッド6の摩耗が摩耗限界を超えて進行することを未然に防止できる。摩耗パッド6が摩耗限界を迎えるタイミングをある程度予測することで、前記摩耗限界を迎えるタイミング前の適切な時期にこの電動ブレーキ装置の保守作業を実施することができる。
[0060]
 また摩擦パッド6の摩耗量を推定する機能の有無にかかわらず必要なモータ回転角検出手段28を用いて、直動部14の後退端および前進端におけるそれぞれのモータ回転角を検出するため、スライドピンとキャリパの相対位置からパッド摩耗量を推定する前記(4)の手法よりも、コストおよびスペースを増加することなく摩擦パッド6の摩耗を推定することができる。
[0061]
 図6は、上で述べてきた電動ブレーキ装置A1を車両に複数(この例では4つ)搭載した電動ブレーキ装置システムの構成を概略示す図である。この車両は、車体41の左右の後輪42,42が駆動輪とされ、左右の前輪43,43が従動輪とされた2輪駆動であり、左右の各駆動輪にそれぞれ独立して駆動力を与える駆動用モータ(図示せず)を備えている。この車両は、この車両に作用する重力と直交する平面上における重心点P1周りの4つに区切られた領域である4象限(第I象限、第II象限、第III象限、第IV象限)のそれぞれに電動ブレーキ装置A1を有する。
[0062]
 制御装置7は、各電動モータ2(図2)を個別に制御する個別ブレーキ制御部7A,7Aを有する。各個別ブレーキ制御部7Aは、インバータ装置27を有する。いずれかの摩擦パッドの摩擦量を推定するとき、全ての電動ブレーキ装置A1の動作が定められた時間以上行われていないとき、一の個別ブレーキ制御部7Aが4象限のうち重心点P1に対して互いに対角に位置する定められた象限(例えば、第I象限と第III象限)の電動ブレーキ装置A1を通常のブレーキ動作を行える状態とする。且つ、他の個別ブレーキ制御部7Aが他の象限(例えば、第II象限と第IV象限)の電動ブレーキ装置A1における摩擦パッドの摩擦量を摩擦パッド摩耗量推定手段37(図2)により推定する。
[0063]
 この場合、車両の運転時に摩擦パッドの摩擦量を推定しているとき、通常のブレーキ動作を行った場合、制御装置7は、互いに対角に位置する象限の電動ブレーキ装置A1を作動させるため、車両に不所望なヨーモーメントが発生することを抑制し、車両に挙動が働くことを抑えることができる。
[0064]
 以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。

符号の説明

[0065]
1…ハウジング
2…電動モータ
4…直動機構
5…ブレーキロータ
6…摩擦パッド
7…制御装置
9…回転軸
10…変換機構部
11,12…拘束部
13…荷重センサ
14…直動部
26a…ブレーキ力指令手段
28…モータ回転角検出手段
29…ブレーキ操作手段
30…ブレーキ力推定手段
37…パッド摩耗量推定手段
38…トルク推定手段
39…関係設定手段

請求の範囲

[請求項1]
 電動モータと、ブレーキロータと、このブレーキロータと接触して制動力を発生させる摩擦パッドと、前記電動モータの回転運動を前記摩擦パッドの直進運動に変換する直動機構と、ブレーキ操作手段の操作量から目標とするブレーキ力の指令値を生成するブレーキ力指令手段と、前記摩擦パッドを前記ブレーキロータに押し付けるブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段と、前記電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、前記ブレーキ力の指令値および推定値に応じて前記電動モータを制御する制御装置とを備えた電動ブレーキ装置であって、
 前記制御装置に、
 前記直動機構の直動部が前記ブレーキロータから離反する後退端と、前記直動部が前記ブレーキロータに接近して制動力を発生させる前進端との間の、前記モータ回転角検出手段により得られる前記電動モータの回転角から、前記摩擦パッドの摩耗量を推定するパッド摩耗量推定手段を設けた電動ブレーキ装置。
[請求項2]
 請求項1記載の電動ブレーキ装置において、前記電動モータおよび前記直動機構を保持するハウジングを設け、
 前記直動機構は、前記電動モータにより回転駆動される回転軸と、この回転軸の回転運動を前記直動部の直進運動に変換する変換機構部と、前記ハウジングに対し前記回転軸の軸方向位置を拘束する拘束力を発生させる拘束部とを有し、この拘束部は、前記直動部が前記後退端に到達したとき、前記ハウジングに対して前記回転軸に拘束力を発生させる電動ブレーキ装置。
[請求項3]
 請求項2記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記電動モータへの印加電圧と、前記モータ回転角検出手段で検出される電動モータの回転角との関係を定めた関係設定手段を有し、前記印加電圧および前記回転角を前記関係設定手段に照らし合わせて前記拘束力を推定する電動ブレーキ装置。
[請求項4]
 請求項2記載の電動ブレーキ装置において、前記制御装置は、前記電動モータのトルクを推定するトルク推定手段を有し、このトルク推定手段で推定されるトルクから前記拘束力を推定する電動ブレーキ装置。
[請求項5]
 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置において、前記ブレーキ力推定手段は、前記直動機構の軸方向荷重を検出する荷重センサを含む電動ブレーキ装置。
[請求項6]
 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置を車両に複数設け、前記制御装置は、前記車両が駐車ブレーキにより定められた時間以上停車しているとき、前記複数の電動ブレーキ装置における一部の電動ブレーキ装置が通常のブレーキ動作を行える状態とし、且つ、他の電動ブレーキ装置における前記摩擦パッドの摩擦量を前記摩擦パッド摩耗量推定手段により推定する電動ブレーキ装置システム。
[請求項7]
 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電動ブレーキ装置を車両に複数設け、前記車両が、この車両に作用する重力と直交する平面上における重心点周りの4つに区切られた領域である4象限のそれぞれに1つ以上の電動ブレーキ装置を有し、前記制御装置は、全ての電動ブレーキ装置の動作が定められた時間以上行われていないとき、前記4象限のうち重心点に対して互いに対角に位置する定められた象限の電動ブレーキ装置が通常のブレーキ動作を行える状態とし、且つ、他の電動ブレーキ装置における前記摩擦パッドの摩擦量を前記摩擦パッド摩耗量推定手段により推定する電動ブレーキ装置システム。
[請求項8]
 請求項6または請求項7記載の電動ブレーキ装置システムにおいて、前記パッド摩耗量推定手段で推定される摩擦パッドの摩耗量が閾値以上のとき、前記制御装置の上位制御手段に警告信号を出力する警告信号出力手段を前記制御装置に設けた電動ブレーキ装置システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]