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1. (WO2015146470) 画像読取装置、及びこれを備えた画像形成装置
Document

明 細 書

発明の名称 画像読取装置、及びこれを備えた画像形成装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

0005   0006   0007   0008   0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5A   5B   5C   6A   6B   6C   6D   6E   7   8A   8B   9A   9B   10A   10B   11  

明 細 書

発明の名称 : 画像読取装置、及びこれを備えた画像形成装置

技術分野

[0001]
 本発明は、原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、原稿の画像を光学的に読み取る画像読取装置の光源として、キセノンランプ等に代えてLED(Light Emitting Diode)を用いた照明ユニットが採用されはじめている。このような照明ユニットとして、多数のLEDチップを主走査方向に配列したタイプ、高輝度LEDモジュールと導光体とを用いたタイプとが知られている。後者のタイプでは、LEDモジュールを主走査方向の端部に配置し、照明光を導光体の一端に入射させ、該導光体の周面から前記照明光を出射させる(例えば特許文献1参照)。この構成は、光源自体はシンプルであり、低コストであるという利点がある。
[0003]
 しかし、高輝度LEDモジュールは発光と共に相応に発熱するため、LEDの搭載基板にヒートシンク等の放熱機構を配置する必要がある。また、照明光を主走査方向の一端から他端へ導く導光体は、照明光量を主走査方向に一定とするために極めて微細な加工を要する。さらに、導光体がLEDモジュールの発熱の影響で熱膨張するため、該熱膨張に基づく導光体の反りを回避する構造的な対策も必要となる。これらは、照明ユニットの構造を複雑にすると共に、コストアップの要因となる。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2008―216409号公報

発明の概要

[0005]
 本発明の目的は、可及的に簡易な構造の照明ユニットを有する画像読取装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
[0006]
 本発明の一の局面に係る画像読取装置は、原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、光を電気信号に変換する撮像素子と、前記原稿が載置される又は通過する原稿読取面と、前記原稿読取面の下方に配置され、前記原稿読取面上の原稿に照明光を照射する照明ユニットと、前記原稿からの反射光を前記撮像素子に結像させる光学系と、を備え、前記照明ユニットは、前記照明光を発する発光面と、その反対側の裏面とを有し、前記原稿の主走査方向に長い平板状の有機EL発光体と、前記原稿読取面に対向する取り付け面を備え、該取り付け面に前記裏面を沿わせて前記有機EL発光体を保持するフレーム部材と、を備える。
[0007]
 本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上記の画像読取装置と、前記画像読取装置から出力される画像データに基づいて、シートに画像を形成する画像形成部と、を備える。
[0008]
 上記の画像読取装置若しくは画像形成装置によれば、原稿読取面に対向する取り付け面に沿わせて前記有機EL発光体を配置するという簡単な構成で、画像読取装置の照明系を構築することができる。有機EL発光体は、それ自身が面発光し、また発光に伴う発熱も殆ど無いので、ヒートシンクや導光体を適用する必要もない。従って、本発明によれば、簡易な構造の照明ユニットを有する画像読取装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。
[0009]
 本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 図1は、本発明の一実施形態に係る画像読取装置及び画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
[図2] 図2は、本発明の一実施形態に係る照明ユニットを示す斜視図である。
[図3] 図3は、前記照明ユニットの一部拡大斜視図である。
[図4] 図4は、図2のIV-IV線断面図である。
[図5A] 図5Aは、有機EL発光体の発光面形状の一例を示す平面図である。
[図5B] 図5Bは、結像レンズ通過後の光量分布を示すグラフである。
[図5C] 図5Cは、光源の好ましい光量分布を示すグラフである。
[図6A] 図6Aは、本発明に適用可能な、有機EL発光体の発光面形状の一例を示す平面図である。
[図6B] 図6Bは、前記発光面形状の他の例を示す平面図である。
[図6C] 図6Cは、前記発光面形状の他の例を示す平面図である。
[図6D] 図6Dは、前記発光面形状の他の例を示す平面図である。
[図6E] 図6Eは、前記発光面形状の他の例を示す平面図である。
[図7] 図7は、カバー部材を備えた有機EL発光体を示す平面図である。
[図8A] 図8Aは、爪部材で保持された有機EL発光体を示す平面図である。
[図8B] 図8Bは、図8AのVIIIB-VIIIB線断面図である。
[図9A] 図9Aは、副走査方向に凹の形状を有する取り付け面を備える実施形態を示す断面図である。
[図9B] 図9Bは、副走査方向に凹の形状を有する取り付け面を備える実施形態を示す断面図である。
[図10A] 図10Aは、主走査方向に凹の形状を有する取り付け面を備える実施形態を示す断面図である。
[図10B] 図10Bは、主走査方向に凹の形状を有する取り付け面を備える実施形態を示す断面図である。
[図11] 照明ユニットの変形例を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す断面図である。本実施形態では、画像形成装置1として、スキャナー装置13(画像読取装置)を備えた胴内排紙型のモノクロ複写機を例示する。なお、本発明が適用される装置は本実施形態に限られるものではなく、例えばカラー複写機、スキャナー装置、ファクシミリ装置、或いは複合機であってもよい。
[0012]
 画像形成装置1は、略直方体の本体ハウジング10と、本体ハウジング10の上面に配置された自動原稿給送装置11とを含む。本体ハウジング10は、シートに画像形成処理を行う各種の機器を収容する筐体である。自動原稿給送装置11は、複写対象となる原稿シートを、本体ハウジング10の上面に設定されている画像読取位置(第2コンタクトガラス132の上面)を経由して自動搬送する。自動原稿給送装置11の左方内部には、原稿シートの搬送装置12が組み込まれている。
[0013]
 本体ハウジング10の上部には、原稿シートの画像を光学的に読み取るためのスキャナー装置13が収容されている。スキャナー装置13については、後記で詳述する。スキャナー装置13の下方には、画像形成後のシートを収容可能な胴内排紙部14が設けられている。本体ハウジング10の下部には、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット15が、着脱自在に装着されている。本体ハウジング10の右側壁には、手差しトレイ16が取り付けられている。
[0014]
 本体ハウジング10は、胴内排紙部14の空間に向けて開口した第1排出口141及び第2排出口142を含む。第1排出口141から排紙されるシートは、胴内排紙トレイ143で受け取られる。胴内排紙トレイ143の上方には、サブ排紙トレイ144が装着されている。サブ排紙トレイ144には、第2排出口142から排出されるシートが積載される、若しくは、両面印刷されるシートが、スイッチバック搬送のため一時的に排紙される。
[0015]
 本体ハウジング10内には、上述のスキャナー装置13及び給紙カセット15に加えて、画像形成部20、定着部30及びシート搬送路が収容されている。画像形成部20は、スキャナー装置13から出力される画像データに基づいてシートに画像を形成する。画像形成部20は、感光体ドラム21と、この感光体ドラム21の周囲に配置された、帯電器22、露光装置23、現像装置24、転写ローラー25及びクリーニング装置26とを含む。感光体ドラム21は、その軸回りに回転し、静電潜像及びトナー像が形成される周面を備える。帯電器22は、感光体ドラム21の前記周面を均一に帯電する。露光装置23は、静電潜像を形成するために、感光体ドラム21の前記周面にレーザー光を照射する。現像装置24は、感光体ドラム21上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム21の周面にトナーを供給する。転写ローラー25は、感光体ドラム21と転写ニップ部を形成し、感光体ドラム21上のトナー像をシートに転写する。クリーニング装置26は、トナー像転写後の感光体ドラム21の周面を清掃する。現像装置24にトナーを補給するトナーコンテナ27が、現像装置24に隣接して配置されている。
[0016]
 定着部30は、熱源が内蔵された定着ローラー31と、定着ローラー31と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラー32とを含む。定着部30は、前記転写ニップ部においてトナー像が転写されたシートを、前記定着ニップ部において加熱及び加圧することで、定着処理を施す。定着処理されたシートは、第1排出口141又は第2排出口142から胴内排紙部14に向けて排出される。
[0017]
 シート搬送路は、本体ハウジング10の下部付近から上部付近まで、画像形成部20及び定着部30を経由して、上下方向に延びるメイン搬送路P1を含む。メイン搬送路P1の下流端付近において、シートを第1排出口141に導く第1排出搬送路P2が分岐している。また、メイン搬送路P1の最下流端(上端)には、シートを第2排出口142に導く第2排出搬送路P3が接続されている。さらに、両面印刷の際にシートを反転搬送する反転搬送路P4が、メイン搬送路P1の最下流端から上流端付近まで延設されている。
[0018]
 給紙カセット15は、シート束を収容するシート収容部151を備える。シート収容部151の右上付近には、前記シート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すピックアップローラー152と、そのシートをメイン搬送路P1の上流端に送り出す給紙ローラー対153とが備えられている。手差しトレイ16に載置されたシートは、手差し給紙ローラー161によって、メイン搬送路P1の上流端に送り出される。メイン搬送路P1の画像形成部20よりも上流側には、所定のタイミングでシートを転写ニップ部に送り出すレジストローラー対154が配置されている。
[0019]
 シートに片面印刷処理が行われる場合、シート収容部151又は手差しトレイ16からシートがメイン搬送路P1に送り出され、該シートに画像形成部20においてトナー像の転写処理が、定着部30において転写されたトナーをシートに定着させる定着処理が、各々施される。その後、該シートは、第1排出搬送路P2を経て、第1排出口141から胴内排紙トレイ143上に排紙される。一方、シートに両面印刷処理が行われる場合、シートの片面に対して転写処理及び定着処理が施された後、該シートは、第2排出搬送路P3を経て、第2排出口142からサブ排紙トレイ144上に一部が排紙される。その後、該シートはスイッチバック搬送され、反転搬送路P4を経て、メイン搬送路P1の上流端付近に戻される。しかる後、シートの他面に対して転写処理及び定着処理が施され、該シートは、第1排出搬送路P2を経て、第1排出口141から胴内排紙トレイ143上に排紙される。
[0020]
 続いて、スキャナー装置13について詳述する。スキャナー装置13は、スキャナー筐体130と、このスキャナー筐体130の上面に嵌め込まれた、手置き読取用の第1コンタクトガラス131と自動読取用の第2コンタクトガラス132とを備える。第1コンタクトガラス131の上面は、ユーザーが載置する原稿シートの原稿読取面となる。第2コンタクトガラス132の上面は、自動原稿給送装置11から自動給送される原稿シートが通過する原稿読取面となる。
[0021]
 スキャナー装置13は、スキャナー筐体130に収容された、照明ユニット5、ミラーユニット73、集光レンズユニット8(光学系)及び撮像素子9を含む。照明ユニット5は、前記原稿読取面上の原稿シートに照明光を照射する。照明ユニット5には、前記照明光を原稿読取位置に向けて発する光源としての有機EL発光体6と、前記照明光を原稿読取位置に向かわせる反射板71と、前記照明光が照射された原稿シートからの反射光を反射する第1反射ミラー72とが搭載されている。ミラーユニット73には、前記反射光の光路を反転させるために、第2反射ミラー731及び第3反射ミラー732が搭載されている。
[0022]
 照明ユニット5は、第1、第2コンタクトガラス131、132の下面(原稿読取面の下方)に沿って、左右方向(副走査方向)に往復移動する。ミラーユニット73は、照明ユニット5の1/2の移動量で左右方向に往復移動する。照明ユニット5は、原稿シートが自動原稿給送装置11から自動給送されるとき、第2コンタクトガラス132の直下に移動し、静止状態となる。この静止状態において、有機EL発光体6から原稿シートに向けて照明光が発せられる。一方、原稿シートが第1コンタクトガラス131上に載置されるとき、照明ユニット5は、第1コンタクトガラス131の左端直下から原稿シートのサイズに応じて右方へ移動する。この移動の際に、有機EL発光体6から原稿シートに向けて照明光が発せられる。ミラーユニット73は、照明ユニット5の1/2の移動量で、照明ユニット5に追従して右方に移動する。
[0023]
 有機EL発光体6は、原稿シートに対し、主走査方向に長いライン状の照明光を照射する。有機EL発光体6は、第1、第2コンタクトガラス131、132に対して所定の角度を持って対向配置されている。有機EL発光体6の発光面の法線は、該有機EL発光体6が発する照明光が原稿読取位置に配向するよう、概ね原稿読取位置と交差している。反射板71は、画像読取位置を含む垂直面を挟んで有機EL発光体6と概ね対称に配置されている。前記照明光の拡散光の一部は、反射板71により反射されて前記原稿読取位置に向かう。第1反射ミラー72は、有機EL発光体6が原稿シートに向けて発した照明光の反射光を、ミラーユニット73の第2反射ミラー731へ向わせるように反射する。
[0024]
 第2反射ミラー731は、第1反射ミラー72が左方に向けて反射した前記反射光を、第3反射ミラー732に向けて下方へ反射する。第3反射ミラー732は、前記反射光を集光レンズユニット8に向かうように右方へ反射する。集光レンズユニット8は、第3反射ミラー732において反射された反射光の光像を、撮像素子9の撮像面に結像させる。撮像素子9は、CCD(charge coupled device)等からなり、前記反射光を受光してアナログ電気信号に光電変換する。このアナログ電気信号は、A/D変換回路(図略)によってデジタル電気信号に変換された後、上述の露光装置23に画像データとして入力される。
[0025]
 次に、照明ユニット5について詳細に説明する。図2は、照明ユニット5の斜視図、図3は、照明ユニット5の主走査方向端部の拡大斜視図、図4は、図2のIV-IV線断面図である。照明ユニット5は、上述の有機EL発光体6及び反射板71(反射体)と、これらを保持するフレーム部材50とを含む。
[0026]
 有機EL(Electro-Luminescence)発光体6は、有機化合物からなる薄肉の発光層と、この発光層を挟んで配置された陽極及び陰極とを備え、原稿シートの主走査方向に長い平板状で、可撓性を有する照明用の発光体である。有機EL発光体6は、照明光を発する発光面6Fと、その反対側の裏面6Bとを備え、発光面6Fが原稿読取面Rの原稿読取位置RAと対向するようにフレーム部材50で保持されている。反射板71は、照明光を反射するミラー面を備え、主走査方向において有機EL発光体6とほぼ同じ長さを備えた細長い平板状部材である。反射板71の法線が概ね原稿読取位置RAに向かうように、反射板71はフレーム部材50で保持されている。
[0027]
 フレーム部材50は、板金の加工部材からなり、前後方向(主走査方向)に長い水平板501と、水平板501から上方に立設された第1保持部51及び第2保持部52と、水平板501に穿孔された前後方向に長いスリット部53とを含む。水平板501の主走査方向の両端には、折り曲げ部分からなる係合部502が設けられている。この係合部502には、フレーム部材50(照明ユニット5)を副走査方向へスムースに移動させるための滑車類が取り付けられる。
[0028]
 第1保持部51は、有機EL発光体6を保持するために設けられている。図4に示すように、第1保持部51は、水平板501の右方側に配置されたフレーム枠体であり、有機EL発光体6を保持するための取り付け面54Sを形成する第1斜面部54を有している。取り付け面54Sは、副走査断面において、水平面に対して概ね45度傾斜した平面であり、原稿読取面R(原稿読取位置RA)に対向している。有機EL発光体6は、その裏面6Bが取り付け面54Sに沿うようにして、第1斜面部54に取り付けられている。なお、裏面6Bと取り付け面54Sとの間には接合部材54Aが介在されており、有機EL発光体6は強固に取り付け面54Sに保持されている。接合部材54Aは、例えば両面テープ、有機接着剤層などである。
[0029]
 第2保持部52は、反射板71を保持するために設けられている。第2保持部52は、水平板501の左方側に配置された絞り加工部分であり、反射板71を保持するための支持面55S(他方の取り付け面)を形成する第2斜面部55を有している。支持面55Sは、副走査断面において、水平面に対して概ね45度傾斜した平面であり、原稿読取面R(原稿読取位置RA)に対向している。支持面55Sは、取り付け面54Sと概ね高さ位置にあり、傾斜方向は互いに逆である。副走査断面において、水平板501、支持面55S及び取り付け面54Sにより、概ねすり鉢状の凹部が形成されている。反射板71は、その裏面が支持面55Sに密接した状態で、第2斜面部55に保持されている。
[0030]
 スリット部53は、原稿シートからの反射光を水平板501の下方へ導くためのスリットである。図4には、照明光L1、L2、及び反射光L3の光路が記載されている。有機EL発光体6の発光面6Fから発せられた照明光L1は、原稿読取位置RAに向かう。一方、発光面6Fから発せられた拡散照明光L2は、反射板71により反射されて、原稿読取位置RAに向かう。これら照明光L1、L2は、原稿読取位置RAに載置若しくは通過する原稿シートによって反射され、反射光L3となって鉛直下方に向かう。反射光L3は、スリット部53を通過し、図4では図略の第1反射ミラー72で反射される。
[0031]
 本実施形態において有機EL発光体6は、発光面6Fの幅が比較的狭い中央部61と、発光面6Fの幅が比較的広い一対の端部62とを備えている。すなわち、発光面6Fの主走査方向における単位長さ当たりの面積が、主走査方向の中央部61よりも端部62の方が大きく設定されている。これにより、端部62の方が発光面6Fの面積が大きいことに伴い、発光量が中央部61よりも端部62の方が多くなる。以下、かかる構成の意義について説明する。
[0032]
 図5Aは、本発明に適用可能な有機EL発光体601の発光面6Fの形状を示す平面図である。有機EL発光体601は、主走査方向の全長に亘って均一な幅を有する長方形の発光面6Fを備える。この場合、発光面からの発光量は、主走査方向の端部から中央部にかけてほぼ均一となる。本発明において、このような有機EL発光体601を照明ユニット5に組み付けることは勿論可能である。しかしながら、主走査方向の全長に亘って均一な光量の光を撮像素子9に入射させるという観点からは、図2に示すように、端部62が幅広とされた有機EL発光体6を用いることが望ましい。
[0033]
 図5Bは、有機EL発光体601を光源として用いた場合における、集光レンズユニット8の通過後の光量分布を示すグラフである。このグラフに示すように、原稿シートからの反射光を撮像素子9へレンズ光学系にて結像させる構成では、レンズの特性上、主走査方向の端部の光量が低下する傾向がある。これは、主走査方向の走査幅の+端部及び-端部付近では、レンズを通過する光が少なくなるからである。従って、光源自体が前記走査幅の全長に亘って均一な光量の照明光を発していても、その反射光が集光レンズユニット8を通過すると、+端部及び-端部付近の光量が中央付近に比べて低下してしまう。このような光が撮像素子9へ入射すると、主走査方向の端部の露光が不十分となる懸念がある。
[0034]
 図5Cは、照明ユニット5の光源としての好ましい光量分布を示すグラフである。このグラフは、主走査方向の+端部及び-端部付近の光量が中央付近に比べて高い光量分布を備えている。このような光量分布を備える光源であれば、集光レンズユニット8の通過時における端部の光量低下分を補うことができる。従って、撮像素子9に入射させる光量を、主走査方向の全長に亘って均一にすることができる。
[0035]
 本実施形態においては、光源として有機EL発光体が用いられる。有機EL発光体、一般に単位面積当たりで均一な光線を発し、その発光量は発光面の面積に依存する。従って、図5Cのような光量分布は、発光面の面積を調整することにより、具体的には主走査方向の+端部及び-端部付近の発光面の面積を中央付近に比べて大きくすることにより、容易に得ることができる。
[0036]
 図6A~図6Eは、図5Cのような光量分布を得ることが可能な、有機EL発光体の発光面形状の各種の例を示す平面図である。図6Aは、図2~図4に例示した有機EL発光体6の発光面6Fの平面形状を示している。有機EL発光体6は、露光に必要な光量を発することができる幅(標準幅)を有する中央部61と、集光レンズユニット8の通過時における端部の光量低下分を補填することができるよう増加された幅(増加幅)を有する一対の端部62と、中央部61と端部62の間に各々設けられたテーパ部621とを備えている。当然、主走査方向の単位長さ当たりの面積は中央部61より端部62の方が大きい。テーパ部621においては、単位長さ当たりの面積は、主走査方向の+又は-の軸外方向に向かうに連れて大きくなっている。
[0037]
 図6Bの有機EL発光体602は、前記標準幅を有する中央部61Aと、前記増加幅を有する矩形の端部62Aとを備えている。有機EL発光体602には、上掲の有機EL発光体6のようなテーパ部621が存在せず、中央部61Aと端部62Aとの境界部には、幅員の相違に基づく段差を有している。図6Cの有機EL発光体603は、前記標準幅を有する中央部61Bと、単位長さ当たりの面積が、主走査方向の+又は-の軸外方向に向かうに連れて大きくなる端部62Bとを備えている。端部62Bは台形型の形状を有し、上底が中央部61Bと同幅であり、下底が中央部61Bよりも幅広である。
[0038]
 図6Dは、中央部と端部とが一体型のものではなく、分離された態様の有機EL発光体604を示している。有機EL発光体604は、前記標準幅を有する第1の発光体からなる中央部61Cと、前記増加幅を有する第2の発光体からなる一対の端部62Cとを有している。
[0039]
 図6Eは、中央部と端部とが分離された態様であって、発光量が異なる2種の発光体を用いてなる有機EL発光体605を示している。有機EL発光体605は、前記標準幅を有し、且つ所定の第1の発光量の光線を発する第1の発光体からなる中央部61Dと、前記標準幅を有し、且つ前記第1の発光量よりも多い第2の発光量の光線を発する第2の発光体からなる一対の端部62Dとを有している。この有機EL発光体605によれば、端部と中央部とで発光面の幅員を同一としながらも、端部の発光量が大きくなる光量分布を得ることができる。
[0040]
 他の実施形態として、有機EL発光体の発光面の一部を覆い隠すことによって、図5Cのような光量分布を得るようにしても良い。図7に示す有機EL発光体606は、その発光面の一部を覆い隠すカバー部材63を備えている。有機EL発光体606の発光面は主走査方向に長い長方形の形状を有し、その幅は前記標準幅よりも長いものが用いられる。カバー部材63は、主走査方向の端部付近を除いて、前記発光面の主走査方向の両側辺近傍(2つの長辺の端縁近傍)を帯状に覆っている。
[0041]
 カバー部材63としては、遮光テープ又はフィルム、遮光ペイント、又は遮光板などを用いることができる。発光面の一部がカバー部材63で覆われることによって、前記標準幅を有する中央部61Eと、前記増加幅を有する一対の端部62Eとを形成することができる。このような有機EL発光体606であれば、単純な長方形の形状の有機EL発光体を用いつつ、前記発光面の主走査方向の中央部と端部とにおいて発光面積差を具備させることができる。
[0042]
 上記のようなカバー部材63が、有機EL発光体607をフレーム部材50に保持するための爪部材を兼ねることは、好ましい実施形態の一つである。図8Aは、爪部材541(保持部材)で保持された有機EL発光体607を示す平面図、図8Bは図8AのVIIIB-VIIIB線断面図である。この実施形態では、フレーム部材50の第1保持部51に備えられている第1斜面部54Aに、フック状の突起からなる爪部材541が設けられる。爪部材541は、第1斜面部54Aの取り付け面54ASに、有機EL発光体607の幅員に応じた間隔を置いて、一対で立設されている。
[0043]
 一対の爪部材541は、主走査方向の端部付近を除いて、有機EL発光体607の発光面の副走査方向の両側辺近傍を帯状に覆うと共に、当該部位において有機EL発光体607を保持している。発光面の一部が爪部材541で覆われることによって、前記標準幅を有する中央部61Fと、前記増加幅を有する一対の端部62Fとが形成されている。この実施形態によれば、発光面に前記発光面積差を具備させる場合において、爪部材541が上記カバー部材の役目を兼用するので、部品点数を減少させることができる。
[0044]
 有機EL発光体は一般に可撓性を有するので、有機EL発光体を曲面に沿わせて組み付けることが可能である。図9Aは、このメリットを利用した、好ましい実施形態を例示している。有機EL発光体608は、副走査方向の断面において湾曲した状態で、取り付け面を備えた第1斜面部54Bに取り付けられている。
[0045]
 第1斜面部54Bは、副走査方向の断面において、原稿読取面Rに向けて凹の形状を有する円弧面である。有機EL発光体608は、前記凹の形状に沿って第1斜面部54Bの取り付け面に取り付けられている。この実施形態によれば、有機EL発光体608は、副走査方向の断面において原稿読取面Rに向けて凹の形状を有する態様で、フレーム部材50に保持される。従って、有機EL発光体608が発する照明光を、ターゲットとするポイントである原稿読取位置RAに向けて集光させることができる。このことは、原稿読取位置RAにおける照明光量を大きくすることに寄与する。
[0046]
 集光効果を持たせる他の実施形態として、図9Bを例示する。この実施形態では、副走査方向の断面において、折り曲げによって形成された凹面を有する第1斜面部54Cが用いられている。第1斜面部54Cは、平板部材を主走査方向に延びる折り曲げ線に沿って2箇所で折り曲げることによって形成され、原稿読取面Rに対する傾斜角度が互いに異なる3つの斜面部分54C1、54C2、54C3を有する。各斜面部分54C1、54C2、54C3の表面を取り付け面として、有機EL発光体609、610、611がそれぞれ取り付けられている。このような態様によっても、3つの有機EL発光体609、610、611が発する照明光を、原稿読取位置RAに向けて集中させ得る。
[0047]
 図10A及び図10Bは、主走査方向に凹の形状を有する取り付け面を備える実施形態を示す断面図である。これら実施形態もまた、図5Cに示す好ましい光量分布を得ることが可能な実施形態である。図10Aでは、取り付け面を有する第1斜面部54Dは、中央平坦部54D1と、端部平坦部54D2と、これらの間の湾曲部54D3とを備えている。
[0048]
 第1斜面部54Dの取り付け面は、主走査方向の断面において、原稿読取面Rに対する距離が、中央平坦部54D1は所定の距離d1であり、端部平坦部54D2は距離d1よりも短い距離d2である。つまり、前記取り付け面は、原稿読取面Rに対する距離が、主走査方向の中央部よりも端部の方が短い凹の形状を有する面である。有機EL発光体612は、前記凹の形状に沿って、第1斜面部54Dの取り付け面に取り付けられている。この実施形態によれば、主走査方向における有機EL発光体612が発する照明光の光量分布において、中央部よりも端部の方が原稿読取面Rに近い分だけ、端部の光量を多くすることができる。従って、発光面積を端部と中央部とで異ならせずとも、望ましい光量分布を作ることが可能である。
[0049]
 図10Bに示す実施形態では、取り付け面を有する第1斜面部54Eは、中央平坦部54E1と、中央平坦部54E1の両端から延出する端部傾斜部54E2とを備えている。第1斜面部54Eの取り付け面は、主走査方向の断面において、原稿読取面Rに対する距離が、中央平坦部54E1においては所定の距離d1で一定である。一方、端部傾斜部54E2では、軸外に向かうに連れて、距離d21から距離d22まで徐々に短くなっている。有機EL発光体613は、このような凹の形状を有する取り付け面に取り付けられている。当該実施形態であっても、同様に照明光の光量分布において、中央部よりも端部の方を多くすることができる。
[0050]
 以上、本発明の各種実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図4では、第1斜面部54の取り付け面54Sと第2斜面部55の支持面55S(取り付け面)とを、読み取り位置RAを挟んで副走査方向に一対で設け、取り付け面54Sには有機EL発光体6を、支持面55Sには反射板71を各々取り付ける例を示した。これに代えて、複数の有機EL発光体6を、読み取り位置RAを挟んで副走査方向に複数配置しても良い。
[0051]
 図11は、照明ユニット5の変形例を示す模式図である。この実施形態では、取り付け面を備えた2つの第1斜面部54が、副走査方向に読み取り位置RAを挟んで対向して配置されている。これら2つの取り付け面に、それぞれ有機EL発光体6が取り付けられている。この実施形態によれば、照明光量を増加させることができる。
[0052]
 以上の通り、本発明に係るスキャナー装置13(画像読取装置)によれば、原稿読取面Rに対向する取り付け面54Sに沿わせて有機EL発光体6を配置するという簡単な構成で、スキャナー装置13の照明系を構築することができる。有機EL発光体6は、それ自身が面発光し、また発光に伴う発熱も殆ど無いので、ヒートシンクや導光体を適用する必要もないという利点がある。

請求の範囲

[請求項1]
 原稿の画像を読み取る画像読取装置であって、
 光を電気信号に変換する撮像素子と、
 前記原稿が載置される又は通過する原稿読取面と、
 前記原稿読取面の下方に配置され、前記原稿読取面上の原稿に照明光を照射する照明ユニットと、
 前記原稿からの反射光を前記撮像素子に結像させる光学系と、を備え、
 前記照明ユニットは、
  前記照明光を発する発光面と、その反対側の裏面とを有し、前記原稿の主走査方向に長い平板状の有機EL発光体と、
  前記原稿読取面に対向する取り付け面を備え、該取り付け面に前記裏面を沿わせて前記有機EL発光体を保持するフレーム部材と、
を備える画像読取装置。
[請求項2]
 請求項1に記載の画像読取装置において、
 前記有機EL発光体は、前記発光面の前記主走査方向における単位長さ当たりの面積が、前記主走査方向の中央部よりも端部の方が大きく設定されている、画像読取装置。
[請求項3]
 請求項2に記載の画像読取装置において、
 前記発光面は、前記主走査方向に長い長方形の形状を有し、
 前記主走査方向の端部付近を除いて、前記発光面の前記主走査方向と直交する副走査方向の側辺近傍を覆うカバー部材をさらに備える、画像読取装置。
[請求項4]
 請求項3に記載の画像読取装置において、
 前記フレーム部材は、前記有機EL発光体を前記取り付け面において保持する保持部材を備え、
 前記保持部材が前記カバー部材を兼ねている、画像読取装置。
[請求項5]
 請求項1に記載の画像読取装置において、さらに、
 前記有機EL発光体の裏面と前記取り付け面との間に介在される接合部材を備える、画像読取装置。
[請求項6]
 請求項1に記載の画像読取装置において、
 前記有機EL発光体は可撓性を有し、
 前記取り付け面は、前記主走査方向と直交する副走査方向の断面において、前記原稿読取面に向けて凹の形状を有する面であり、
 前記有機EL発光体は、前記凹の形状に沿って前記取り付け面に取り付けられている、画像読取装置。
[請求項7]
 請求項1に記載の画像読取装置において、
 前記有機EL発光体は可撓性を有し、
 前記取り付け面は、前記主走査方向の断面において、前記原稿読取面に対する距離が、前記主走査方向の中央部よりも端部の方が短い凹の形状を有する面であり、
 前記有機EL発光体は、前記凹の形状に沿って前記取り付け面に取り付けられている、画像読取装置。
[請求項8]
 請求項1に記載の画像読取装置において、
 前記取り付け面は、前記原稿読取面における前記原稿の画像の読み取り位置を挟んで、副走査方向に一対で設けられ、
 各取り付け面に前記有機EL発光体がそれぞれ保持されている、画像読取装置。
[請求項9]
 請求項1に記載の画像読取装置において、
 前記取り付け面は、前記原稿読取面における前記原稿の画像の読み取り位置を挟んで、副走査方向に一対で設けられ、
 いずれか一方の取り付け面に前記有機EL発光体が保持され、他方の取り付け面には前記照明光を前記読み取り位置に向かわせる反射体が保持されている、画像読取装置。
[請求項10]
 請求項1に記載の画像読取装置と、
 前記画像読取装置から出力される画像データに基づいて、シートに画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 5C]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 6C]

[ 図 6D]

[ 図 6E]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11]