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1. (WO2015146308) 超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂
Document

明 細 書

発明の名称 超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016   0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095  

実施例

0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂

技術分野

[0001]
 本発明は、超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂に関する。

背景技術

[0002]
 超音波診断装置用探触子(超音波プローブとも称される)は、超音波を送受信する圧電素子と生体に接触する部分である音響レンズを備える。圧電素子から発せされた超音波は音響レンズを透過して生体に入射される。音響レンズの音響インピーダンス(密度×音速)と生体の音響インピーダンスとの差が大きいと、超音波が生体表面で反射されるため、効率良く生体内に入射されず、高い分解能を得ることが困難である。このため、音響レンズの音響インピーダンスと生体の音響インピーダンスとを整合させて、超音波減衰量を小さくする必要がある。
 このようなことから、音響レンズの材料として、生体の音響インピーダンス(1.4~1.7×10 kg/m ・sec)に近く、超音波減衰量が小さいシリコーン樹脂が主に用いられている。
 例えば、特許文献1においては、音響レンズ用組成物として、ジオルガノポリシロキサンを主剤とするシリコーンコンパウンドと他のオルガノポリシロキサンとからなる組成物が提案されている。この組成物を用いることにより、音響インピーダンスを生体に近づけることができるとともに、高周波領域での超音波減衰量が小さく、分解能の高い音響レンズを形成することが可能であることが記載されている。
 また、特許文献2においては、シリコーン樹脂組成物として、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン、特定のビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサンおよび無機充填剤を含む組成物が提案されている。ビニル基とSi-H基をヒドロシリル化反応で架橋させ、分子量を大きくし、大きな変形に耐え得るシリコーンゴム部材を得ることが可能であることが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平8-350375号公報
特許文献2 : 特開2013-199513号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 音響レンズは、被検体に当接させるものであるため、長期使用に耐え得る機械強度が求められる。シリコーン樹脂は、単独では柔らかく機械強度が低いため、硬度および機械強度の向上を目的として、シリコーン樹脂の分子量を大きくしつつ、シリカ等の無機フィラー(無機充填剤とも称される)やビニル基含有レジン(補強剤とも称される)を配合することが行われている。一方、音響レンズ材料を構成する成分がシリコーン樹脂単独であると、超音波減衰量は小さいが、シリコーン樹脂に無機フィラーやビニル基含有レジンを添加すると、逆に超音波減衰量が大きくなるという問題があった。
 また、機械強度を向上させるため、分子量の高い分子鎖両末端ビニルシリコーンを用いた場合、必然的に架橋点の数が少なくなり、硬度が低くなってしまうという問題もあった。このように、これまでのシリコーン樹脂は、高い樹脂硬度および機械強度ならびに低い超音波減衰量との両方を高いレベルで満足するものとは言えなかった。
 従って、本発明では、上記事情に鑑みて、低い超音波減衰量を維持したまま、得られた樹脂の硬度および機械強度を向上させることができる超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明者らは、種々のポリオルガノシロキサンを含有させた組成物を検討した結果、特定の化合物において、上記課題が解決できることを見出した。
[0006]
 上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>少なくとも3種類の異なるポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)からなるポリオルガノシロキサン混合物を含み、ポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)の合計質量100質量部に対し、(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサンが10~99.4質量部、(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンが0.5~90質量部、および(C)下記一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンが0.1~40質量部の割合で含まれる超音波プローブ用組成物。
[0007]
[化1]


[0008]
 一般式(C)おいて、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。mは1以上の整数を表し、nは0または1~5の整数を表す。ここで、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のmは各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R ~R の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、複数のR のうち、少なくとも2つはアルケニル基である。
<2>(C)一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンが、下記一般式(C1)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンである<1>に記載の超音波プローブ用組成物。
[0009]
[化2]


[0010]
 一般式(C1)おいて、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。mは1以上の整数を表す。ここで、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のmは各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R ~R の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、3つのR のうち、少なくとも2つはアルケニル基である。
<3>R ~R が、炭素数1~4のアルキル基であり、R が、炭素数1~4のアルキル基またはビニル基であって、複数のR のうち、少なくとも2つはビニル基である<1>または<2>に記載の超音波プローブ用組成物。
<4>R ~R が、メチル基であり、R がビニル基である<1>~<3>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物。
<5>(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサンが、下記一般式(A)で表されるポリオルガノシロキサンである<1>~<4>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物。
[0011]
[化3]


[0012]
 一般式(A)において、R a1はビニル基を表し、R a2およびR a3は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。x1およびx2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のR a2、複数のR a3は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R a2およびR a3の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。
<6>(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンが、下記一般式(B)で表されるポリオルガノシロキサンである<1>~<5>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物。
[0013]
[化4]


[0014]
 一般式(B)において、R b1~R b3は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基または-O-Si(R b5(R b4)を表す。R b4およびR b5は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。y1およびy2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のR b1、複数のR b2、複数のR b3、複数のR b4および複数のR b5は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R b1~R b5の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、分子鎖中に2以上のSi-H基を有する。
<7>ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対し、無機フィラーを5~200質量部含有する<1>~<6>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物。
<8>(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサンにおいて、少なくともビニル基含有シリコーンレジンを含み、(A)成分の総質量100質量部に対し、ビニル基含有シリコーンレジンが占める量が5~100質量部である<1>~<7>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物。
<9>ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対し、白金または白金化合物を0.01~5質量部含有する<1>~<8>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物。
<10><1>~<9>のいずれかに記載の超音波プローブ用組成物を硬化してなる超音波プローブ用シリコーン樹脂。
[0015]
 本明細書の各一般式において、特に断りがない限り、複数存在する同一符号の基がある場合、これらは互いに同一であっても異なってもよく、また、各基で特定する基(例えば、アルキル基等)はさらに置換基で置換されていてもよい。
 また、本明細書において「~」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。

発明の効果

[0016]
 本発明により、超音波減衰量を上昇させることなく高い樹脂硬度と機械強度を得ることが可能な超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂を提供することができる。
[0017]
 このような効果を実現することができた理由としては、以下のことが推定される。
 Si原子(ケイ素原子)上に水素原子を有し、重合性不飽和基をヒドロシリル化することができるポリオルガノシロキサンと、重合性不飽和基を末端に有する直鎖状のポリオルガノシロキサンとの2次元的重合に加え、適度な空間で、3次元以上の多次元に架橋が可能な位置に重合性不飽和基を有する特定の分岐状ポリオルガノシロキサンを用いることで、多次元で架橋ができるため、シリコーン樹脂本来の低い超音波減衰量を維持したまま、樹脂硬度および機械強度を高めることを可能にしたものと推定される。

発明を実施するための形態

[0018]
 本発明の超音波プローブ用組成物(以下、単に「組成物」とも称す。)は、少なくとも3種類の異なるポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)からなるポリオルガノシロキサン混合物を含み、該ポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)の合計質量100質量部に対し、該(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサン(以下、「(A)成分」とも称す。)が10~99.4質量部、該(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサン(以下、「(B)成分」とも称す。)が0.5~90質量部、および該(C)下記一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサン(以下、「(C)成分」とも称す。)が0.1~40質量部の割合で含まれる。
 すなわち、(A)成分、(B)成分および(C)成分の合計質量は100質量部である。
 なお、(A)成分、(B)成分および(C)成分は、異なる成分であり、(A)成分は、(C)成分の一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンを含むことはない。
[0019]
 (A)成分のビニル基を有するポリオルガノシロキサンは50~99質量部が好ましく、70~95質量部がより好ましい。(B)成分の分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンは0.5~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。一方、(C)成分の一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンは3~20質量部が好ましく、5~15質量部がより好ましい。
[0020]
 以下に、(A)~(C)成分のポリオルガノシロキサンを、順に説明する。
[0021]
<(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサン>
 (A)成分のポリオルガノシロキサンはビニル基を有し、(a)少なくとも分子鎖両末端にビニル基を有するか、または(b)分子鎖両末端でなくとも、-O-Si(CH (CH=CH )を少なくとも2つ有することが好ましく、(a)では直鎖状が好ましく、(b)では-O-Si(CH (CH=CH )が主鎖を構成するSi原子に結合している場合が好ましい。
 (A)成分のビニル基を有するポリオルガノシロキサンは、(a)の分子鎖両末端のビニル基もしくは(b)の-O-Si(CH (CH=CH )のビニル基が、2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンと、白金触媒によりヒドロシリル化され付加硬化されることで、少なくとも2次元架橋が可能である。
[0022]
 (A)成分のポリオルガノシロキサンのビニル基の含有量は、特に限定されないが、前記組成物に含まれる各成分との十分なネットワークを形成させる点から、例えば、0.01~15モル%であり、好ましくは0.05~12モル%である。
 ここで、ビニル基の含有量とは、ポリオルガノシロキサンを構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%であり、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであるとする。
 なお、ユニットとは、主鎖を構成するSi-O単位および末端のSiを言う。
[0023]
 重合度および比重は、特に限定されないが、得られるシリコーン樹脂の機械的特性、硬度、化学的安定性等の向上の点から、重合度は、好ましくは3000~10000であり、より好ましくは4000~8000であり、比重は、好ましくは0.9~1.1である。
[0024]
 重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは500,000以下であり、より好ましくは400,000以下であり、さらに好ましくは200,000~350,000である。重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定(ポリスチレン換算)することができる。
[0025]
 25℃における動粘度は、1×10 -7~10m /sが好ましく、1×10 -4~1m /sがより好ましく、1×10 -3~0.5m /sがさらに好ましい。
[0026]
 (A)成分のポリオルガノシロキサンは、前記(a)少なくとも分子鎖両末端にビニル基を有するポリオルガノシロキサンが好ましく、下記一般式(A)で表されるポリオルガノシロキサンがより好ましい。
[0027]
[化5]


[0028]
 一般式(A)において、R a1はビニル基を表し、R a2およびR a3は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。x1およびx2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のR a2、複数のR a3は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R a2およびR a3の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。
[0029]
 R a2およびR a3におけるアルキル基の炭素数は1~10が好ましく、1~4がより好ましく、1がさらに好ましく、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、2-エチルへキシル、n-デシルが挙げられる。
[0030]
 R a2およびR a3におけるシクロアルキル基の炭素数は3~10が好ましく、5~10がより好ましく、5または6がさらに好ましい。また、シクロアルキル基は、3員環、5員環または6員環が好ましく、5員環または6員環がより好ましい。シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシルが挙げられる。
[0031]
 R a2およびR a3におけるアルケニル基の炭素数は2~10が好ましく、2~4がより好ましく、2がさらに好ましく、例えば、ビニル、アリル、ブテニルが挙げられる。
[0032]
 R a2およびR a3におけるアリール基の炭素数は6~12が好ましく、6~10がより好ましく、6~8がさらに好ましく、例えば、フェニル、トリル、ナフチルが挙げられる。
[0033]
 これらのアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基は置換基を有していてもよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、シリル基、シアノ基が挙げられる。
[0034]
 R a2およびR a3は、アルキル基、アルケニル基またはアリール基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基、ビニル基またはフェニル基がより好ましく、メチル基またはビニル基がさらに好ましい。
 R a2はなかでもメチル基が好ましく、R a3はなかでもメチル基またはビニル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。
[0035]
 x1は3000~10000の整数が好ましく、3600~8000の整数がより好ましい。
 x2は、1~1000の整数が好ましく、40~700の整数がより好ましい。
[0036]
 また、前記(b)のポリオルガノシロキサンは、下記一般式(Ab)で表される構造を有するポリオルガノシロキサンがより好ましい。
[0037]
[化6]


[0038]
 一般式(Ab)において、*は少なくともシロキサンのSi原子と結合することを意味する。
[0039]
 (A)成分のポリオルガノシロキサンのうち、前記(a)のポリオルガノシロキサンは、例えば、Gelest社製の商品名、DMSシリーズ、例えば、DMS-V31、DMS-V31S15、DMS-V33、DMS-35、DMS-35R、DMS-V41、DMS-V42、DMS-V46、DMS-V51、DMS-V52、Gelest社製の商品名、PDVシリーズ、例えば、PDV-0341、PDV-0346、PDV-0535、PDV-0541、PDV-01631、PDV-01635、PDV-01641、PDV-2335、PMV-9925、PVV-3522、FMV-4031、EDV-2022が挙げられる。
[0040]
 (A)成分のポリオルガノシロキサンのうち、前記(b)のポリオルガノシロキサンは、ビニル基含有シリコーンレジンとも称され、一般には、シリコーン樹脂の機械強度を増すためや、樹脂の硬度を上げるために使用される付加硬化エラストマーであり、本発明でも好ましく使用される。このようなビニル基含有シリコーンレジンは、市販のものを入手することが可能である。例えば、Q単位を有するビニル基含有ポリシロキサン(Qレジン)が分散液に分散されたビニル基含有ビニルQレジン分散液(商品名:「VQM-135」(基剤はDMS-V41)、「VQM-146」(基剤はDMS-V46)、「VQX-221」(基材はキシレン)、いずれもGelest社製)を挙げることができる。Q単位とは、シロキサン結合中Si原子に有機基が1つも結合されていないものをいう。
[0041]
 (A)成分のポリオルガノシロキサンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記(a)のポリオルガノシロキサンと前記(b)のポリオルガノシロキサンを組み合わせて用いてもよい。
[0042]
 なお、前記(b)のポリオルガノシロキサンであるビニル基含有シリコーンレジンが占める量は、(A)成分の総質量100質量部に対し、5~100質量部が好ましく、6~70質量部がより好ましく、7~50質量部がさらに好ましい。
[0043]
<(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサン>
 (B)成分のポリオルガノシロキサンは、分子鎖中に2以上のSi-H基を有する。
 分子鎖中にSi-H基を2つ以上有することで、重合性不飽和基を少なくとも2つ有するポリオルガノシロキサンと架橋することができる。
[0044]
 (B)成分のポリオルガノシロキサンは、直鎖状構造と分岐状構造が存在し、直鎖状構造が好ましい。
 直鎖状の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量は20,000以下が好ましく、500~10,000がより好ましく、800~7,000がさらに好ましい。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定(ポリスチレン換算)することができる。
 また、Si原子の数を1とした場合、Si原子に結合するアルキル基Rの数(R/Si)は、1.8~2.1が好ましい。
[0045]
 直鎖状のポリオルガノシロキサンは、下記一般式(B)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。
[0046]
[化7]


[0047]
 一般式(B)において、R b1~R b3は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基または-O-Si(R b5(R b4)を表す。R b4およびR b5は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。y1およびy2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のR b1、複数のR b2、複数のR b3、複数のR b4および複数のR b5は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R b1~R b5の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、分子鎖中に2以上のSi-H基を有する。
[0048]
 R b1~R b3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基は、R a2、R a3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
[0049]
 -O-Si(R b5(R b4)のR b4およびR b5におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基は、R b1~R b3におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびアリール基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
[0050]
 R b1~R b3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または-O-Si(R b5(R b4)が好ましく、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、ビニル基、フェニル基または-O-Si(CH Hがより好ましい。
 このうち、R b1およびR b2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましく、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
 R b3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基または-O-Si(R b5(R b4)が好ましく、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、フェニル基または-O-Si(CH Hがより好ましい。
[0051]
 y1およびy2は、0~300の整数が好ましく、0~50の整数がより好ましく、0~42の整数がさらに好ましい。
 y1+y2は2~300の整数が好ましく、2~100の整数がより好ましく、5~50がさらに好ましく、8~42の整数がなかでも好ましい。
[0052]
 なお、直鎖状構造、分岐状構造ともに、分子内における架橋反応の進行を防止する点から、ビニル基を有さないことが好ましく、なかでも分岐状構造のポリオルガノシロキサンは、ビニル基を有さないことが好ましい。
[0053]
 分岐状構造(以下、単に「分岐状」ともいう。)のポリオルガノシロキサンは、分岐構造と、Si原子に水素原子が直接結合した構造(Si-H)とを有する。
 比重は、0.9~0.95が好ましく、Si原子の数を1とした場合におけるSi原子に結合するアルキル基Rの数(R/Si)は、0.8~1.7が好ましい。
 分岐状のポリオルガノシロキサンは、下記平均組成式(b)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。
[0054]
 平均組成式(b):[H (R b63‐aSiO 1/2y3[SiO 4/2y4
[0055]
 ここで、R b6は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、aは1~3の整数を表し、y3およびy4は、y1およびy2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
[0056]
 一方、分岐状のポリオルガノシロキサンを化学構造式で表すと、-O-Si(CH (H)が主鎖を構成するSi原子に結合しているポリオルガノシロキサンが好ましく、下記一般式(Bb)で表される構造を有するポリオルガノシロキサンがより好ましい。
[0057]
[化8]


[0058]
 一般式(Bb)において、*は少なくともシロキサンのSi原子と結合することを意味する。
[0059]
 (B)成分のポリオルガノシロキサンとしては、直鎖状構造のものは、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン88466(商品名、モンメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、polydimethyl-co-methylhydride siloxane、y1=14、y2=11)、HMS-082(商品名、Gelest社製、MethylHydrosiloxane-(Dimethysiloxane Coplymers,Trimethylsiloxy terminated、重量平均分子量:5500-6500、MeHSiO:7-8mol%、y1=39、y2=3)、HMS-501(商品名、Gelest社製、MethylHydrosiloxane-(Dimethysiloxane Coplymers, Trimethylsiloxy terminated、重量平均分子量:900-1,200、MeHSiO:50-55mol%、y1=4、y2=4)が挙げられる。
[0060]
 分岐状構造のポリオルガノシロキサンは、HQM-107(商品名、Gelest社製、Hydrid Q Resin)、HDP-111(商品名、Gelest社製、polyPhenyl-(DiMethylHydrosiloxy)siloxane,hydride terminated、[(HMe SiO)(C Si)O]:99-100mol%)が挙げられる。
[0061]
 (B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、直鎖状構造のポリオルガノシロキサンと分岐状構造のポリオルガノシロキサンを組み合わせて用いてもよい。
[0062]
<(C)一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサン>
 本発明の効果を発現させるために寄与する(C)成分のポリオルガノシロキサンは、3次元以上の多次元で架橋することを可能とするものである。従来の2次元での架橋や、狭い空間での部分的3次元架橋と異なり、適度な空間距離を維持した3次元以上の多次元での架橋を可能とし、本発明の課題解決において重要な役割を果す。
 本発明における(C)成分のポリオルガノシロキサンは、下記一般式(C)で表される。
[0063]
[化9]


[0064]
 一般式(C)おいて、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。mは1以上の整数を表し、nは0または1~5の整数を表す。ここで、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のmは各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R ~R の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、複数のR のうち、少なくとも2つはアルケニル基である。
[0065]
 一般式(C)おいて、nは0が好ましく、下記一般式(C1)として表すことができる。
[0066]
[化10]


[0067]
 一般式(C1)おいて、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。mは1以上の整数を表す。ここで、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のmは各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R ~R の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、3つのR のうち、少なくとも2つはアルケニル基である。
[0068]
 一般式(C)、(C1)において、R ~R における上記の各基は、一般式(A)におけるR a2およびR a3における対応する基と同義であり、好ましい範囲も、対応する基と同じである。
[0069]
 mは1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~5がさらに好ましい。
[0070]
 重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは300~5,000であり、より好ましくは300~2,500であり、さらに好ましくは500~1,500である。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定(ポリスチレン換算)することができる。
[0071]
 動粘度は、1×10 -6~1×10 -2/sが好ましく、1×10 -6~1×10 -3/sがより好ましく、1×10 -5~1×10 -4/sがさらに好ましい。
[0072]
 (C)成分のポリオルガノシロキサンの重合性不飽和基の含有量および比重は、特に限定されないが、前記組成物に含まれる各成分との十分なネットワークを形成させる点から、重合性不飽和基の含有量は、ビニル基換算で、例えば、5~100モル%であり、好ましくは20~50モル%であり、比重は、好ましくは0.8~1.1である。
 ここで、重合性不飽和基のビニル基換算での含有量は、(A)成分のポリオルガノシロキサンの場合と同様に、ポリオルガノシロキサンを構成する全ユニットを100モル%としたときの重合性不飽和基(ビニル基換算)含有シロキサンユニットのモル%であり、重合性不飽和基(ビニル基換算)含有シロキサンユニット1つに対して、重合性不飽和基(ビニル基換算)1つであるとする。
[0073]
 (C)成分のオルガノシロキサンとしては、MTV-112(商品名、Gelest社製)が挙げられる。
[0074]
 (C)成分のポリオルガノシロキサンは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0075]
 本発明の超音波プローブ用組成物は、少なくとも3種類の異なるポリオルガノシロキサン上記(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサン、上記(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)前記一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンからなるポリオルガノシロキサン混合物を含み、該ポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)の合計質量100質量部に対し、(A)成分が10~99.4質量部、(B)成分が0.5~90質量部、および(C)成分が0.1~40質量部の割合で含まれる。
[0076]
 質量部の好ましい範囲は前述の通りであるが、さらに詳しくは、(A)成分は30~99.3質量部が好ましく、40~99.2質量部がより好ましく、50~99質量部がさらに好ましく、70~95質量部が特に好ましい。
 (B)成分は0.5~70質量部が好ましく、0.5~60質量部がより好ましく、0.5~50質量部がさらに好ましく、0.5~20質量部が特に好ましく、0.5~10質量部が最も好ましい。
 また、(C)成分は0.5~30質量部が好ましくは、1~25質量部がより好ましく、2~20質量部がさらに好ましく、3~20質量部が特に好ましく、5~15質量部が最も好ましい。
[0077]
<その他の素材>
 本発明の前記組成物は、前記(A)~(C)成分のポリオルガノシロキサン以外に、無機フィラー、付加重合反応させるための白金触媒、溶媒、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
[0078]
[無機フィラー]
 無機フィラーとしては、例えば、珪藻土やマイカ等のシリカ粒子を代表として、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウールが挙げられる。
[0079]
 無機フィラーの含有量は、前記ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対し、5~200質量部が好ましく、7~100質量部がより好ましく、10~80質量部がさらに好ましい。
 このうち、シリカ粒子が好ましい。
[0080]
- シリカ粒子 -
 シリカ粒子は、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度の向上、特に引張強度の向上を目的として添加される成分である。
[0081]
 シリカ粒子としては、特に限定されないが、例えば、フュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、ビニル基含有シリコーンレジンが挙げられる。シリカ粒子は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[0082]
 シリカ粒子は、得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度の向上の点から、比表面積が50~400m /gが好ましく、100~400m /gがより好ましい。また、同様の点から、平均粒径は1~100nmが好ましく、5~20nmがより好ましい。
[0083]
 無機フィラーは、粒子の表面を表面処理された無機フィラーが好ましい。表面処理としては、飽和脂肪酸やシランで処理された無機フィラーが好ましく、なかでもシラン処理された無機フィラーが好ましい。
[0084]
 シラン処理は、シランカップリング剤で粒子表面を処理するのが好ましく、シリコーン樹脂の硬度や機械強度の向上の点から、加水分解性基を有するが好ましい。この加水分解性基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子等の無機フィラーの表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子の表面改質が行われ、それにより得られるシリコーン樹脂の硬度や機械強度が向上される。
[0085]
 シランカップリング剤としては、例えば、官能基として疎水性基を有するシランカップリング剤として、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられ、官能基としてビニル基を有するシランカップリング剤として、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。中でも、上記記載を考慮すると、特に、疎水性基を有するシランカップリング剤としてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するシランカップリング剤としてはジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。
[0086]
 市販のシランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)(商品名:HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)、Gelest社製)が挙げられる。
[0087]
 市販のシリカ粒子としては、例えば、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)、silica dioxide(商品名:AEROSIL200、日本アエロジル株式会社製、Surface preparation:-Si(CH )(-CH=CH  optional)、Filter specific surface:200m /g)が挙げられる。
[0088]
 無機フィラーの含有量は、組成物中における分散性向上の点から、組成物の全固形分質量100質量部に対し、5~200質量部が好ましく、10~40質量部がより好ましい。これにより、無機フィラーは前記組成物中における分散性を確実に向上させることができる。
[0089]
- 触媒 -
 触媒としては、例えば、白金または白金化合物が挙げられる。白金または白金化合物としては、公知のものを使用することができる。具体的には、白金黒、シリカやカーボンブラック等に担持させた白金、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。触媒は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
[0090]
 触媒の含有量は、触媒量の範囲で適宜設定することができる。
 触媒は、(B)成分のポリオルガノシロキサンのSi-H基が、(A)成分または(C)成分のポリオルガノシロキサンの重合性不飽和基に対して付加するヒドロシリル化反応において必要であり、ヒドロシリル化による重合によって、シリコーン樹脂が形成される。
 ここで、触媒は前記組成物中に含有させてもよく、また、該組成物に含有させずに、該組成物と接触させてもよいが、後者の方が好ましい。
[0091]
 市販の白金触媒としては、例えば、白金化合物 (商品名:PLATINUM DIVINYLTETRAMETHYLDISILOXANE COMPLEX in xylene(SIP6831.2)、Gelest社製)が挙げられる。
[0092]
 触媒を前記組成物に含有させる場合には、触媒の含有量は、反応性の観点から、前記ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対し、0.01~5質量部が好ましく、0.001~1質量部がより好ましく、0.005~0.1質量部がさらに好ましい。
[0093]
<超音波プローブ用組成物および超音波プローブ用シリコーン樹脂の製造方法>
 本発明の超音波プローブ用組成物は、公知の方法で作製することが可能である。例えば、上記成分を、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、2本ロールの混練装置で混練りすることにより得ることができる。各成分の混合順序は特に限定されないが、均一な組成物を得る観点からは、まず、(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサン、(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンおよび(C)前記一般式(1)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンに無機フィラーを分散させることが好ましい。その後、この混合物に触媒を添加し、減圧脱泡して超音波プローブ用組成物を作製することができる。
[0094]
 以上のようにして得られた本発明の超音波プローブ用組成物を、例えば、50~20℃で5分~500分加熱硬化させることにより、超音波プローブ用シリコーン樹脂を得ることができる。
[0095]
<超音波プローブ>
 本発明の超音波プローブ用組成物は、医療用部材に有用である。特に超音波診断装置の音響レンズ、あるいは圧電素子と音響レンズの間に設けられて圧電素子と音響レンズとの間の音響インピーダンスを整合させる役割を有する音響整合層の材料等に好適に用いることができる。本発明の超音波プローブ用シリコーン樹脂は、具体的には、例えば、特開2013-202050号公報、特開2013-188465号公報、特開2013-180330号公報、特開2013-158435号公報、特開2013-154139号公報などに記載の光音響計測装置や、特開2005-253751号公報、特開2003-169802号公報などに記載の超音波診断装置などに好ましく適用される。
実施例
[0096]
 以下に実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明がこれによって限定して解釈されるものではない。
[0097]
[実施例1]
 ビニル末端ポリジメチルシロキサン(動粘度0.1m /s、Gelest社製、「DMS-V51」)88質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量2,000、メチルヒドロシロキサン比率27mol%、Gelest社製、「HMS-301」)2質量部、分岐鎖ビニル末端の分枝状ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、「MTV-112」)10質量部、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)20質量部をニーダーで2時間混練りし、均一なペーストとした。これに白金触媒溶液(Gelest社製、「SIP6821.3」)を500ppm添加し混合し、混合後のペーストを減圧脱泡し、150mm×150mmの金属型に入れた。これに150℃で15分熱処理をして、厚みが各々1mm、2mmおよび3mmの樹脂シートを得た。
[0098]
[実施例2]
 ビニル基含有シリコーンレジンを23質量%含むビニル末端ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、商品名「VQM-146」)83質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量2,000、メチルヒドロシロキサン比率27mol%、Gelest社製、「HMS-301」)7質量部、分岐鎖ビニル末端の分枝状ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、「MTV-112」)10質量部、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)5質量部を実施例1と同様にして混合し、実施例1と同じ白金触媒溶液を用い、熱硬化して所定の樹脂シートを得た。
[0099]
[実施例3]
 ビニル末端ポリジメチルシロキサン(動粘度0.165m /s、Gelest社製、「DMS-V52」)89質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量1,000、メチルヒドロシロキサン比率53mol%、Gelest社製、「HMS-501」)1質量部、分岐鎖ビニル末端の分枝状ポリジメチルシロキサン(Gelest社製、「MTV-112」)10質量部、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)20質量部を実施例1と同様にして混合し、実施例1と同じ白金触媒溶液を用い、熱硬化して所定の樹脂シートを得た。
[0100]
[比較例1]
 ビニル末端ポリジメチルシロキサン(動粘度0.1m /s、Gelest社製、「DMS-V51」)98質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量2,000、メチルヒドロシロキサン比率27mol%、Gelest社製、「HMS-301」)2質量部、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)20質量部を実施例1と同様にして混合し、実施例1と同じ白金触媒溶液を用い、熱硬化して所定の樹脂シートを得た。
[0101]
[比較例2]
 ビニル末端ポリジメチルシロキサン(動粘度0.1m /s、Gelest社製、「DMS-V51」)98質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量2,000、メチルヒドロシロキサン比率27mol%、Gelest社製、「HMS-301」)2質量部を実施例1と同様にして混合し、実施例1と同じ白金触媒溶液を用い、熱硬化して所定の樹脂シートを得た。
[0102]
[比較例3]
 ビニル末端ポリジメチルシロキサン(動粘度0.1m /s、Gelest社製、「DMS-V51」)98質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量2,000、メチルヒドロシロキサン比率27mol%、Gelest社製、「HMS-301」)2質量部、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)34質量部を実施例1と同様にして混合し、実施例1と同じ白金触媒溶液を用い、熱硬化して所定の樹脂シートを得た。
[比較例4]
 ビニル末端ポリジメチルシロキサン(動粘度0.1m /s、Gelest社製、「DMS-V51」)78質量部、特開2013-199513号公報の段落番号0052に記載の方法により調製したビニル基含有直鎖状ポリジメチルシロキサン20質量部、メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー(分子量2,000、メチルヒドロシロキサン比率27mol%、Gelest社製、「HMS-301」)2質量部、フュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、「アエロジルR974」)20質量部を実施例1と同様にして混合し、実施例1と同じ白金触媒溶液を用い、熱硬化して所定の樹脂シートを得た。
[0103]
<機械強度および超音波特性の評価>
 実施例1~3および比較例1~4のシリコーン樹脂について、以下の評価を行った。結果を下記表1に示す。
[0104]
(硬度)
 得られた厚み3mmの各シートについて、JIS K6253-3(2007)に従い、タイプAデュロメータ硬さを、ゴム硬度計(エクセル社製、「RH-201A」)を用いて測定した。
[0105]
(引張強度試験)
 得られた厚み1mmの各シートについて、JIS K6251(2010)に従い、破断強度および伸びを測定した。
[0106]
(引裂強度試験)
 得られた厚み2mmの各シートについて、JIS K6252(2007)に従い、トラウザー形試験片を作製し、引裂強度を測定した。
[0107]
(音響インピーダンス)
 得られた厚み3mmの各シートについて、25℃における密度をJIS C-2123(1993)に従って求め、25℃における音速を音速測定装置(超音波工業株式会社製、シングアラウンド式音速測定装置「UVM-2型))により測定し、測定した密度と音速の積から音響インピーダンスを求めた。
[0108]
(超音波減衰量)
 得られた厚み3mmの各シートについて、超音波発振器(岩通計測株式会社製、ファンクションジェネレーター「FG-350」)によって、水中で5MHzの超音波を発生させ、超音波がシートを透過する前と後の振幅の大きさを超音波受信機(松下電器産業株式会社製、オシロスコープ「VP-5204A」)により、水温25℃の環境にて測定した。
[0109]
 得られた結果をまとめて下記表1に示す。
[0110]
[表1]


[0111]
 表1に示すように、実施例1~3の超音波プローブ用シリコーン樹脂は、いずれも超音波減衰量が0.60dB/mmMHz未満と低い超音波減衰量を維持しつつ、高い樹脂硬度、引張破断強度および引裂強度を示した。
[0112]
 この結果から、本発明の超音波プローブ用組成物は、医療用部材に有用であることがわかる。特に超音波診断装置の音響レンズ、あるいは圧電素子と音響レンズの間に設けられ、圧電素子と音響レンズとの間の音響インピーダンスを整合させる役割を有する音響整合層の材料等に好適に用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 少なくとも3種類の異なるポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)からなるポリオルガノシロキサン混合物を含み、該ポリオルガノシロキサン(A)、(B)および(C)の合計質量100質量部に対し、該(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサンが10~99.4質量部、該(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンが0.5~90質量部、および該(C)下記一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンが0.1~40質量部の割合で含まれる超音波プローブ用組成物。
[化1]


 一般式(C)おいて、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。mは1以上の整数を表し、nは0または1~5の整数を表す。ここで、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のmは各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R ~R の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、複数のR のうち、少なくとも2つはアルケニル基である。
[請求項2]
 前記(C)一般式(C)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンが、下記一般式(C1)で表される分岐状ポリオルガノシロキサンである請求項1に記載の超音波プローブ用組成物。
[化2]


 一般式(C1)おいて、R ~R は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。mは1以上の整数を表す。ここで、複数のR 、複数のR 、複数のR 、複数のmは各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R ~R の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、3つのR のうち、少なくとも2つはアルケニル基である。
[請求項3]
 前記R ~R が、炭素数1~4のアルキル基であり、前記R が、炭素数1~4のアルキル基またはビニル基であって、複数のR のうち、少なくとも2つはビニル基である請求項1または2に記載の超音波プローブ用組成物。
[請求項4]
 前記R ~R が、メチル基であり、R がビニル基である請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物。
[請求項5]
 前記(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサンが、下記一般式(A)で表されるポリオルガノシロキサンである請求項1~4のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物。
[化3]


 一般式(A)において、R a1はビニル基を表し、R a2およびR a3は各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。x1およびx2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のR a2、複数のR a3は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R a2およびR a3の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。
[請求項6]
 前記(B)分子鎖中に2以上のSi-H基を有するポリオルガノシロキサンが、下記一般式(B)で表されるポリオルガノシロキサンである請求項1~5のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物。
[化4]


 一般式(B)において、R b1~R b3は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基または-O-Si(R b5(R b4)を表す。R b4およびR b5は各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表す。y1およびy2は各々独立に1以上の整数を表す。ここで、複数のR b1、複数のR b2、複数のR b3、複数のR b4および複数のR b5は各々において、互いに同一でも異なってもよく、また、R b1~R b5の各基はさらに置換基で置換されていてもよい。ただし、分子鎖中に2以上のSi-H基を有する。
[請求項7]
 前記ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対し、無機フィラーを5~200質量部含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物。
[請求項8]
 前記(A)ビニル基を有するポリオルガノシロキサンにおいて、少なくともビニル基含有シリコーンレジンを含み、該(A)成分の総質量100質量部に対し、該ビニル基含有シリコーンレジンが占める量が5~100質量部である請求項1~7のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物。
[請求項9]
 前記ポリオルガノシロキサン混合物100質量部に対し、白金または白金化合物を0.01~5質量部含有する請求項1~8のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物。
[請求項10]
 請求項1~9のいずれか1項に記載の超音波プローブ用組成物を硬化してなる超音波プローブ用シリコーン樹脂。