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1. (WO2015146257) 電子機器の放熱機構及び電源装置
Document

明 細 書

発明の名称 電子機器の放熱機構及び電源装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012  

先行技術文献

特許文献

0013  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

課題を解決するための手段

0021   0022  

発明の効果

0023  

図面の簡単な説明

0024  

発明を実施するための形態

0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081  

産業上の利用可能性

0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 電子機器の放熱機構及び電源装置

技術分野

[0001]
 本発明は、基板に電子部品を実装した電子部品実装基板と、上記電子部品実装基板を収納する筐体とを備えた電子機器の放熱機構及び電源装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 ACアダプタ等の電源装置は、一般的に所定の交流電圧を所望の直流(DC:Direct Current)電圧に変換する役割をする。尚、日本では、交流電圧の実効値(RMS:Root Mean Square value)は100Vである。また、例えばノートパソコン(PC:Personal Computer)に供給する所望の直流電圧は19Vである。
[0003]
 上記のACアダプタは、ノートパソコン等において外部電源として使用される。近年、モバイルパソコンやタブレットパソコンの普及により、カバンに入れても邪魔にならないACアダプタの小型化のニーズが高まっている。
[0004]
 通常、ACアダプタは、バイポーラトランジスタやMOS-FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)を備え、スイッチング動作を行う。また、ACアダプタは、ダイオードを備え、アノード及びカソード両端子の電位で決まる整流動作を行う。
[0005]
 さらに、ACアダプタは、交流電圧を全波整流するためにブリッジダイオードを備えている。
[0006]
 これらの半導体は、スイッチングによる電力損失(スイッチング損失)と、電流を流すことによる電力損失(導通損失)とを発生させる。そして、これらの損失は、半導体の発熱の原因となり、その結果、ACアダプタが発熱する。
[0007]
 半導体のジャンクション温度、つまり半導体の接合部温度の上昇は、半導体の寿命を短くする。また、半導体の発熱によって近接の電解コンデンサの温度が上昇すると、電解コンデンサの寿命が短くなり、その結果、ACアダプタの寿命が短くなる。そこで、冷却手段が必要となる。
[0008]
 ここで、従来の電子機器における冷却手段として、例えば、図7の(a)(b)に示す電子部品の半田面の部品を冷却する一例が知られている。
[0009]
 すなわち、従来の電子機器としての一例としての例えばACアダプタ100は、図7の(a)(b)に示すように、基板111には種々の電子部品112が半田付けにて固定された電子部品実装基板110を備えている。ここで、リードタイプの足の形状の部品(例えばアキシャル抵抗器、大型電解コンデンサ、トランス、コモンチョークコイル、又は半導体のTO-220パッケージ等)は、図7(b)に示す電子部品実装基板110の上側に実装して、裏面からリードを半田付けする。また、面実装タイプの部品(チップ抵抗器、チップコンデンサ、又は半導体のTO-252パッケージ等)は、裏面に実装して、裏面にて半田付けする。したがって、基板111の裏面は、半田付けしたリードの他、該基板111の裏面に実装した面実装部品が存在する。面実装部品の形状は部品によって異なるため、複数の突出部113…に示すように、各突出部113の高さは、基板111の裏面に実装される該突出部113に含まれる面実装部品の種類によって異なる。
[0010]
 そこで、従来のACアダプタ100では、複数の電子部品から発生する熱を基板111の裏面から放熱するために、放熱シート121~124を部分毎に切り出し、かつ重ねて使用している。
[0011]
 このように、半導体等の発熱部品からの熱を、基板111に伝えずにアルミ板140及び筐体150に効果的に伝えることによって、基板111を冷却している。
[0012]
 上記ACアダプタ100においては、半田部温度の上昇及び冷熱のヒートショックが、半田部のクラックの原因となり、延いては発火等の事故に至る場合があるが、上記冷却機構にて回避できるようになっている。

先行技術文献

特許文献

[0013]
特許文献1 : 日本国公開特許公報「特開2004-111435号公報(2004年4月8日公開)」

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0014]
 しかしながら、上記従来の冷却機構では、放熱シート121~124を別々のパーツにて構成するため、位置決めに時間を要し、各々を組み立てる工数が増加するので、製造コストが増大する。また、組み忘れが発生した場合には、製品の品質にも影響するという問題点を有している。
[0015]
 ここで、従来の冷却機構の他の方法として、例えば、特許文献1に開示された電子部品一体モールド構造を有する電気・電子モジュールにて知られているように、樹脂や粘度の低いグリースを隙間に注入するという方法がある。
[0016]
 しかしながら、樹脂や粘度の低いグリースを隙間に注入する方法では、所望の位置へ注入するためには壁等の構造物が必要となる。また、作業員によって樹脂やグリースを注入する量が変化するので、特に、注入規定量に対して注入量が不足する場合には、冷却能力が低減する。
[0017]
 また、樹脂やグリースを注入した場合、硬化時間が必要となるので、組立時間が長くなり、量産に支障を来すという問題点を有している。
[0018]
 さらに、他の従来の冷却機構として、圧力をかけると変形する弾性又は塑性を有する顆粒状又は塊状の充填材を適量挿入して、基板への挿入時にその圧力にて充填材を変形させる方法がある。
[0019]
 しかしながら、その方法では、事前の挿入量と基板組み込みの圧力とによって、必要な隙間に入り込まなかったり、逆に不要な部分にも広がってしまったりするという問題点を有している。また、弾性又は塑性を有する充填材の比重が重い場合は、挿入量のばらつきにより組み立てた電子機器の重量にばらつきが生じるという問題点を有している。
[0020]
 本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、複数の半田付け部を含む突出部が形成された電子部品実装基板の裏面と裏面側放熱金属板との間の隙間部に効率よく充填材を充填し得る電子機器の放熱機構及び電源装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0021]
 本発明の一態様における電子機器の放熱機構は、上記課題を解決するために、基板に電子部品を実装した電子部品実装基板と、上記電子部品実装基板を収納する筐体とを備えた電子機器の放熱機構において、上記電子部品実装基板の少なくとも裏面を覆う裏面側放熱金属板と、複数の半田付け部を含む突出部が形成された上記電子部品実装基板の裏面と上記裏面側放熱金属板との間の隙間部に挿入すべく、該突出部の形状に合わせた穴部を有して成型された充填材とを備えていることを特徴としている。
[0022]
 また、本発明の一態様における電源装置は、上記課題を解決するために、前記記載の電子機器の放熱機構を備えていることを特徴としている。

発明の効果

[0023]
 本発明の一態様によれば、複数の半田付け部を含む突出部が形成された電子部品実装基板の裏面と裏面側放熱金属板との間の隙間部に効率よく充填材を充填し得る電子機器の放熱機構及び電源装置を提供するという効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0024]
[図1] (a)は本発明の実施形態1における電子機器の放熱機構の構成を示すものであって電子機器を下側から見た分解斜視図であり、(b)は上記電子機器の放熱機構の構成を示すものであって電子機器を上側から見た分解斜視図である。
[図2] 上記電子機器の構成を示す斜視図である。
[図3] (a)は上記電子機器における電子部品実装基板の構成を示す背面図であり、(b)は上記電子部品実装基板の構成を示す平面図であり、(c)は上記電子部品実装基板の構成を示す左側面図であり、(d)は上記電子部品実装基板の構成を示す正面図であり、(e)は上記電子部品実装基板の構成を示す右側面図であり、(f)は上記電子部品実装基板の構成を示す底面図である。
[図4] (a)は上記電子機器における電子部品実装基板及び成型充填材の構成を示す断面図であり、(b)は従来の電子機器における電子部品実装基板及び放熱シートの構成を示す断面図である。
[図5] (a)は本発明の実施形態2における電子機器の放熱機構の構成を示すものであって電子機器を下側から見た分解斜視図であり、(b)は上記電子機器の放熱機構の構成を示すものであって電子機器を上側から見た分解斜視図である。
[図6] (a)~(e)は、上記電子機器の成型充填材における第1シート~第5シートの構成を示す平面図である。
[図7] (a)は従来における電子機器の放熱機構の構成を示すものであって電子機器を下側から見た分解斜視図であり、(b)は上記電子機器の放熱機構の構成を示すものであって電子機器を上側から見た分解斜視図である。

発明を実施するための形態

[0025]
  〔実施の形態1〕
 本発明の一実施形態について図1~図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
[0026]
 (電子機器の構成)
 本実施の形態における電子機器の放熱機構について、図1の(a)(b)及び図2に基づいて説明する。図1の(a)は、本実施の形態1における電子機器としてのACアダプタ1Aの放熱機構2の構成を示すものであってACアダプタ1Aを下側から見た分解斜視図である。図1の(b)は、ACアダプタ1Aの放熱機構2の構成を示すものであってACアダプタ1Aを上側から見た分解斜視図である。図2は、本実施の形態のACアダプタ1Aの構成を示す斜視図である。
[0027]
 本実施の形態の電子機器としての電源装置であるAC(alternating current:交流)アダプタは、DC(Direct Current :直流)電源にて稼動する例えば携帯端末に電力を供給するものであり、商用のAC電圧をDC電圧に変換するためのものである。このため、ACアダプタ1Aの一方の端部には、図2に示すように、図示しないAC電源からの図示しないケーブルを接続するためのACインレット53が設けられている。一方、ACアダプタ1Aの一方の端部に対向する他方の端部には、図示しない上記携帯端末に接続するためのDCケーブルが接続されるようになっている。
[0028]
 本実施の形態のACアダプタ1Aは、例えば出力が65W(19V、3.42A)となっており、幅26mm、長さ131mm、高さ25mmの大きさを有し、かつ容積が約85ccの直方体形状にてなっている。ここで、従来品の65W出力のACアダプタの一般的な大きさは、例えば幅46mm、長さ107.5mm、高さ29.6mmであり、かつ容積が約150ccにてなっている。このため、本実施の形態のACアダプタ1Aは、従来品に比べて同じ出力容量では約40%の体積減のものとなっている。また、体積が減れば、筐体である上側筐体51及び下側筐体52も小さくなり、軽量化が図れる。このため、カバンに入れても嵩張らないというメリットを有している。
[0029]
 尚、本実施の形態では、電子機器としての電源装置であるAC(alternating current:交流)アダプタ1Aを例示しているが、本発明においては、電子機器及び電源装置は必ずしもACアダプタ1Aに限らず、例えばデスクトップ型PCの内蔵電源や、TV用の内蔵電源等の他の装置であってもよい。また、図2においては、85ccのスティック形状であって、かつ幅と長さとのアスペクト比が5以上の場合の例を示したが、例えば幅35mm、長さ96mm、高さ25mmの形状のような、幅と長さとのアスペクト比が3以下の場合でもよい。
[0030]
 上記ACアダプタ1Aは、図1(a)(b)に示すように、基板11に複数の電子部品12が半田付けにて実装された電子部品実装基板10と、この電子部品実装基板10を覆う筐体としての上側筐体51と下側筐体52とを備えている。
[0031]
 詳細には、電子部品実装基板10の上側には、該電子部品実装基板10を上側から覆う上側絶縁シート31と、上側絶縁シート31を上側から覆う上側アルミ板41と、上側アルミ板41を上側から覆う上記上側筐体51とを備えている。
[0032]
 一方、電子部品実装基板10の下側には、成型充填材20と、該成型充填材20を下側から覆う下側絶縁シート32と、下側絶縁シート32を下側から覆う裏面側放熱金属板としての下側アルミ板42と、下側アルミ板42を下側から覆う下側筐体52とを備えている。そして、ACアダプタ1Aの端部には、前述したACインレット53が設けられている。
[0033]
 上記上側絶縁シート31及び下側絶縁シート32は、2つで一対となっており、例えば、ポリカーボネートの樹脂や硬質の紙にてなっている。本実施の形態では、下側絶縁シート32は断面Cチャネル形状にてなっており、電子部品実装基板10の周囲を覆うようになっている。一方、上側絶縁シート31は平面シートからなっており、下側絶縁シート32の上面を覆うようになっている。これにより、導電性を有する上側アルミ板41及び下側アルミ板42にて電子部品実装基板10を覆っても、電子部品実装基板10と上側アルミ板41及び下側アルミ板42との電気的絶縁が図れるようになっている。尚、上側絶縁シート31及び下側絶縁シート32の形状は、必ずしもこれに限らず、上側絶縁シート31が断面Cチャネル形状である一方、下側絶縁シート32が平面シートであってもよい。
[0034]
 上記上側絶縁シート31及び下側絶縁シート32の外側部分には、上側アルミ板41及び下側アルミ板42が設けられている。これら上側アルミ板41及び下側アルミ板42は、2つで一対となっており、熱伝導性のよい金属材料としてのアルミ材にて構成されている。これにより、電子部品実装基板10の電子部品12から発生される熱を、伝導性のよい材料である上側アルミ板41及び下側アルミ板42を用いることにより、放熱フィンの役割を果たすものとなっている。
[0035]
 尚、本実施の形態では、金属材料としてのアルミ材が使用されているが、必ずしもこれに限らず、熱伝導性のよい金属材料としての例えば銅板等の材料を用いることも可能である。
[0036]
 上側筐体51及び下側筐体52は、2つで一対となっており、それぞれが樹脂にて箱状に形成されている。したがって、上側筐体51と下側筐体52とが一体的に合わされることによって、電子部品実装基板10が完全に収容された状態となる。
[0037]
 次に、上記電子部品実装基板10の構成について、図3の(a)~(f)に基づいて説明する。図3の(a)は、ACアダプタ1Aにおける電子部品実装基板10の構成を示す背面図である。図3の(b)は、電子部品実装基板10の構成を示す平面図である。図3の(c)は、電子部品実装基板10の構成を示す左側面図である。図3の(d)は、電子部品実装基板10の構成を示す正面図である。図3の(e)は、電子部品実装基板10の構成を示す右側面図である。図3の(f)は、電子部品実装基板10の構成を示す底面図である。
[0038]
 上記電子部品実装基板10は、図3の(a)~(f)に示すように、基板11とこの基板11の表面に半田付けにて実装された複数の電子部品12…とを備えている。これら基板11の表面に搭載された電子部品12は、例えばトランス、アキシャル抵抗、電解コンデンサ等からなっている。ただし、電子部品12は必ずしもこれに限らず、他の部品であってもよい。
[0039]
 一方、基板11の裏面には、上記基板11の表面に搭載された電子部品12のリードを、基板11の裏面で接続するための半田付け部が形成されていると共に、FET(Field effect transistor:電界効果トランジスタ)又はブリッジダイオード等の面実装部品が設けられている。この結果、上記半田付け部及び面実装部品は、基板11に対して突出する突出部13となっている。したがって、複数の突出部13…は、基板11の裏面に実装された各面実装部品によって、互いに異なる形状及び大きさを有している。
[0040]
 すなわち、従来の大型の電子部品実装基板では、FETは3端子レギュレータTO(Transistor Outline)220パッケージ等のリードパッケージにてなっており、アルミニウム(Al)や銅(Cu)からなる放熱フィンを備えている。しかし、本実施の形態のACアダプタ1Aにおける電子部品実装基板10は、小型のものであり、FETはTO252パッケージからなっている。したがって、FET(Field effect transistor:電界効果トランジスタ)又はブリッジダイオードは、面実装部品となっている。この結果、本実施の形態の電子部品実装基板10では、基板11にて放熱するようになっている。尚、3端子レギュレータTO(Transistor Outline)220パッケージは、TO系つまりプラスチック系のリードの反対側に放熱器を設けているタイプのパッケージである。一方、TO252パッケージは、TO系つまりプラスチック系であるが、薄型であり、面実装可能となっている。
[0041]
 (電子機器の放熱機構の構成)
 次に、上記構成を備えたACアダプタ1Aにおける放熱機構2の構成について、図1の(a)(b)及び図4の(a)(b)に基づいて説明する。図4の(a)は、ACアダプタ1Aにおける電子部品実装基板10及び成型充填材20の構成を示す断面図である。図4の(b)は、従来の電子機器における電子部品実装基板及び放熱シートの構成を示す断面図である。
[0042]
 尚、本実施の形態では、放熱機構2は、成型充填材20、下側アルミ板42及び上側アルミ板41、並びに下側筐体52及び上側筐体51にて構成されている。
[0043]
 先ず、前述したように、本実施の形態のACアダプタ1Aでは、基板11に電子部品12を実装した電子部品実装基板10と、電子部品実装基板10を収納する上側筐体51及び下側筐体52とを備えている。また、電子部品実装基板10の裏面には、該電子部品実装基板10の少なくとも裏面を覆う下側アルミ板42が設けられている。
[0044]
 このようなACアダプタ1Aでは、電子部品実装基板10に実装されている電子部品12等から熱が発生する。このため、複数の突出部13…が形成された電子部品実装基板10の裏面側から熱を放散し、下側絶縁シート32及び上側絶縁シート31、並びに下側アルミ板42及び上側アルミ板41を介して下側筐体52及び上側筐体51に熱を逃がす必要がある。尚、下側筐体52及び上側筐体51は、放射と対流とにより熱をACアダプタ1Aの外部の大気に逃がす。
[0045]
 この場合、電子部品実装基板10の裏面と下側アルミ板42との間には、図4の(a)に示すように、空気層からなる隙間部3が存在するので、この隙間部3を充填材にて充填することが熱伝導の点から好ましい。すなわち、電子部品実装基板10の裏面と下側アルミ板42との熱抵抗を減らすことが好ましい。
[0046]
 しかしながら、電子部品実装基板10の裏面には、複数の半田付け部だけでなく該裏面に実装される面実装部品等の突出部13が存在する。そして、これら突出部13…は、形状及び大きさが様々である。
[0047]
 このため、従来では、図4の(b)に示すように、隙間部103を充填材にて充填する場合に、例えば、放熱シート121~124を突出部113の形状及び大きさ毎に切り出し、かつ重ねて使用していた。このため、位置決めに時間を要し、工数の増加を招いていた。また、充填材として、グリース等を注入する場合には、壁等の構造物が必要であり、かつ硬化時間が必要であるので、組立時間が長くなる等の問題を有していた。さらに、圧力をかけると変形する弾性又は塑性を有する顆粒状又は塊状の充填材を挿入する場合には、必要な隙間部に入り込まないことがあった。
[0048]
 これに対して、本実施の形態では、図1の(a)(b)及び図4の(a)に示すように、充填材としての成型充填材20を、複数の半田付け部を含む突出部13…の形状及び大きさに合わせた穴部21…を有して成型して構成している。この成型充填材20は、例えば、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂等の樹脂系材料にてなっており電子部品実装基板10の平面形状に合わせた平板にてなっている。また、穴部21…は、貫通しているか否かを問わない。
[0049]
 この結果、種々の形状及び大きさを有する突出部13…が存在しても、成型充填材20を電子部品実装基板10の裏面に被せるだけで、複数の半田付け部を含む突出部13が形成された電子部品実装基板10の裏面と下側アルミ板42との間の隙間部3に挿入して充填することができる。
[0050]
 それゆえ、成型充填材20が複数の部材からなるということがないので、一回で容易に隙間部3に成型充填材20を挿入することができる。この結果、位置決めに時間を要することもないので、工数の増加を招くことがない。また、複数のピースのうちの一部を入れ忘れるということもない。
[0051]
 また、成型充填材20は、突出部13の形状に合わせた穴部21を有して成型されている。このため、所望の隙間部3には成型充填材20が充填されるように設定されている。この結果、圧力をかけると変形する弾性又は塑性を有する顆粒状又は塊状の充填材を挿入する場合のように、隙間部3の必要な部位に成型充填材20が充填されないということがない。また、成型充填材20の充填量が常に適量となり、入れ過ぎや不足による特性ばらつきがない。さらに、穴部21を突出部13に被せるときに、穴部21の位置決めも容易である。
[0052]
 したがって、複数の半田付け部を含む突出部13…が形成された電子部品実装基板10の裏面と下側アルミ板42との間の隙間部3に効率よく成型充填材20を充填し得るACアダプタ1Aの放熱機構2を提供することができる。
[0053]
 ここで、本実施の形態におけるACアダプタ1Aの放熱機構2では、成型充填材20は、突出部13に押圧されると変形する弾性又は塑性を有していることが好ましい。この場合、成型充填材20は、例えばシリコーンゴム又はブタジエンゴム等のゴム系材料にて構成することが可能である。
[0054]
 例えば、各電子部品実装基板10の裏面における面実装部品等の突出部13の取り付け精度等により、面実装部品等の突出部13に高さ変動や取り付け位置の変動があることが起こり得る。しかし、この場合においても、成型充填材20は、突出部13に押圧されると変形する場合には、成型充填材20が変形することにより、嵌挿可能となる。さらに、突出部13と成型充填材20の穴部21との密着性が増し、放熱効果が上がる。
[0055]
 また、本実施の形態におけるACアダプタ1Aの放熱機構2では、裏面側放熱金属板は、アルミ板からなっている。これにより、アルミ板は熱伝導性が高いので、電子部品実装基板10に実装された電子部品12にて発生した熱をアルミ板からなる下側アルミ板42及び上側アルミ板41を介して下側筐体52及び上側筐体51へ効率よく熱放散することができる。
[0056]
 また、本実施の形態における電源装置としてのACアダプタ1Aは、本実施の形態の放熱機構2を備えている。この結果、複数の半田付け部を含む突出部13が形成された電子部品実装基板10の裏面と下側アルミ板42との間の隙間部3に効率よく成型充填材20を充填し得る放熱機構2を備えた電源装置としてのACアダプタ1Aを提供することができる。
[0057]
  〔実施の形態2〕
 本発明の他の実施の形態について図5及び図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
[0058]
 前記実施の形態1の電子機器としてのACアダプタ1Aの放熱機構2では、成型充填材20は、1つのピースにて構成されていた。これに対して、本実施の形態の電子機器としてのACアダプタ1Bの放熱機構2は、図5の(a)(b)及び図6の(a)~(e)に示すように、成型充填材60がシート状材料を層状に重ねたものからなって点が異なっている。
[0059]
 本実施の形態の電子機器としてのACアダプタ1Bの放熱機構2について、図5の(a)(b)及び図6の(a)~(e)に基づいて説明する。図5(a)は、本実施の形態におけるACアダプタ1Bの放熱機構2の構成を示すものであってACアダプタ1Bを下側から見た分解斜視図である。図5(b)は、ACアダプタ1Bの放熱機構2の構成を示すものであってACアダプタ1Bを上側から見た分解斜視図である。図6の(a)~(e)は、ACアダプタ1Bの成型充填材60における第1シート61~第5シート65の構成を示す平面図である。
[0060]
 本実施の形態における電子機器としてのACアダプタ1Bの放熱機構2では、図5の(a)(b)及び図6の(a)~(e)に示すように、充填材としての成型充填材60は、シート状材料を層状に重ねたものからなっている。
[0061]
 例えば、図5の(a)(b)に示すように、電子部品実装基板10の裏面に実装される面実装部品等の突出部13…には、高さ方向において複雑に凹凸している場合がある。その場合には、1つのピースからなる実施の形態1の成型充填材20では、高さ方向において複雑に凹凸を有する穴部21を形成することが困難である。
[0062]
 そこで、本実施の形態の成型充填材60は、図6の(a)~(e)に示すように、シート状材料としての第1シート61~第5シート65を層状に重ねたものからなっている。そして、各第1シート61~第5シート64には、電子部品実装基板10の裏面に実装される面実装部品等の突出部13の高さ方向に凹凸する形状に合わせて、第1シート穴部61a・第2シート穴部62a・第3シート穴部63・第4シート穴部64aがそれぞれ形成されている。これら各第1シート61~第5シート64の第1シート穴部61a・第2シート穴部62a・第3シート穴部63・第4シート穴部64aは、その重ねる高さ位置の突出部13の大きさを含む形状に応じて型抜き成型されている。
[0063]
 そして、前記複数の半田付け部を含む突出部13…が形成された電子部品実装基板10の裏面と下側アルミ板42との間の隙間部3に成型充填材60を挿入するときには、各第1シート61~第5シート65を順番に電子部品実装基板10の裏面に重ねていく。これにより、電子部品実装基板10の裏面に実装される面実装部品等の突出部13が高さ方向において複雑に凹凸を有していても、第1シート61~第5シート64毎に、突出部13の形状に応じた第1シート穴部61a・第2シート穴部62a・第3シート穴部63・第4シート穴部64aを容易に形成することができる。
[0064]
 ここで、本実施の形態では、隙間部3に成型充填材60を挿入するときには、各第1シート61~第5シート65を順番に電子部品実装基板10の裏面に重ねた。しかし、必ずしもこれに限らず、各第1シート61~第5シート65を、それぞれ予め重ねて接着剤等にて一体化したものを一回で挿入することが可能である。
[0065]
 この場合、各第1シート61~第5シート65を、突出部13に押圧されると変形する弾性又は塑性を有する材料にて構成しておくことが好ましい。この場合、第1シート61~第5シート65を、例えばシリコーンゴム又はブタジエンゴム等のゴム系材料にて構成しておくことが可能である。
[0066]
 これによって、各第1シート61~第5シート65を予め一体化しておいても、電子部品実装基板10の裏面に形成された突出部13に容易に嵌装することが可能となる。
[0067]
 すなわち、例えば、各電子部品実装基板10の裏面における面実装部品等の突出部13…の取り付け精度等により、面実装部品等の突出部13に高さ変動や取り付け位置の変動があることが起こり得る。しかし、この場合においても、成型充填材60は突出部13に押圧されると変形する弾性又は塑性を有していれば、成型充填材60の各第1シート61~第5シート65が変形することにより、該突出部13が形成された隙間部3に容易に嵌挿可能となる。
[0068]
 〔まとめ〕
 本発明の態様1における電子機器(ACアダプタ1A・ACアダプタ1B)の放熱機構2は、基板11に電子部品12を実装した電子部品実装基板10と、上記電子部品実装基板10を収納する筐体(上側筐体51及び下側筐体52)とを備えた電子機器の放熱機構において、上記電子部品実装基板10の少なくとも裏面を覆う裏面側放熱金属板(下側アルミ板42)と、複数の半田付け部を含む突出部13が形成された上記電子部品実装基板10の裏面と上記裏面側放熱金属板(下側アルミ板42)との間の隙間部3に挿入すべく、該突出部13の形状に合わせた穴部21を有して成型された充填材(成型充填材20)とを備えていることを特徴としている。
[0069]
 上記発明によれば、充填材を、複数の半田付け部を含む突出部の形状に合わせた穴部を有して成型して構成している。このため、種々の形状及び大きさを有する突出部が存在しても充填材を電子部品実装基板の裏面に被せるだけで、複数の半田付け部を含む突出部が形成された電子部品実装基板の裏面と上記裏面側放熱金属板との間の隙間部に充填材を挿入して充填することができる。
[0070]
 このため、充填材が複数の部材からなるということがないので、一回で容易に隙間部に充填材を挿入して充填することができる。この結果、位置決めに時間を要することもないので、工数の増加を招くことがない。
[0071]
 また、充填材は、突出部の形状に合わせた穴部を有して成型されている。このため、所望の隙間部には充填材が充填されるように設定されている。この結果、圧力をかけると変形する顆粒状又は塊状の充填材を挿入する場合のように、隙間部の必要な部位に充填材が充填されないということがない。
[0072]
 したがって、複数の半田付け部を含む突出部が形成された電子部品実装基板の裏面と裏面側放熱金属板との間の隙間部に効率よく充填材を充填し得る電子機器の放熱機構を提供することができる。
[0073]
 本発明の態様2における電子機器(ACアダプタ1A・ACアダプタ1B)の放熱機構2は、態様1における電子機器の放熱機構において、前記充填材(成型充填材20・成型充填材60)は、前記突出部13に押圧されると変形することが好ましい。
[0074]
 例えば、各電子部品実装基板の裏面における電子部品の取り付け精度等により、面実装部品等の突出部に高さ変動や取り付け位置の変動があることが起こり得る。しかし、この場合においても、充填材は突出部に押圧されると変形するので、充填材が変形することにより、容易に嵌挿可能となる。
[0075]
 本発明の態様3における電子機器(ACアダプタ1B)の放熱機構2は、態様1又は2における電子機器の放熱機構において、前記充填材(成型充填材60)は、シート状材料(第1シート61~第5シート65)を層状に重ねたものからなっており、各シート状材料(第1シート61~第5シート65)は、その重ねる高さ位置の前記突出部13の形状に応じて型抜き(1シート穴部61a・第2シート穴部62a・第3シート穴部63・第4シート穴部64a)成型されていることが好ましい。
[0076]
 これにより、電子部品実装基板の裏面に実装される電子部品が高さ方向において複雑に凹凸を有していても、突出部の形状に応じた穴部を容易に形成することができる。
[0077]
 本発明の態様4における電子機器(ACアダプタ1A・ACアダプタ1B)の放熱機構2は、態様1、2又は3における電子機器の放熱機構において、前記裏面側放熱金属板(下側アルミ板42)は、アルミ板からなっていることが好ましい。
[0078]
 これにより、アルミ板は熱伝導性が高いので、電子部品実装基板に実装された電子部品にて発生した熱をアルミ板からなる裏面側放熱金属板を介して筐体へ効率よく熱放散することができる。
[0079]
 本発明の態様5における電源装置(ACアダプタ1A・ACアダプタ1B)は、態様1~4のいずれか1における電子機器の放熱機構2を備えていることを特徴としている。
[0080]
 上記の発明によれば、複数の半田付け部を含む突出部が形成された電子部品実装基板の裏面と裏面側放熱金属板との間の隙間部に効率よく充填材を充填し得る電子機器の放熱機構を備えた電源装置を提供することができる。
[0081]
 尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

産業上の利用可能性

[0082]
 本発明は、基板に電子部品を実装した電子部品実装基板と、電子部品実装基板を収納する筐体とを備えた電子機器に適用可能である。また、電子機器としては例えばACアダプタやスイッチング電源回路等の電源装置に適用することができる。

符号の説明

[0083]
 1A   ACアダプタ(電子機器、電源装置)
 1B   ACアダプタ(電子機器、電源装置)
 2    放熱機構
 3    隙間部
10    電子部品実装基板
11    基板
12    電子部品
13    突出部
20    成型充填材
21    穴部
31    上側絶縁シート
32    下側絶縁シート
41    上側アルミ板
42    下側アルミ板(裏面側放熱金属板)
51    上側筐体
52    下側筐体
53    ACインレット
60    成型充填材
61    第1シート(シート状材料)
61a   第1シート穴部(穴部)
62    第2シート(シート状材料)
62a   第2シート穴部(穴部)
63    第3シート(シート状材料)
63a   第3シート穴部(穴部)
64    第4シート(シート状材料)
64a   第4シート穴部(穴部)
65    第5シート(シート状材料)

請求の範囲

[請求項1]
 基板に電子部品を実装した電子部品実装基板と、上記電子部品実装基板を収納する筐体とを備えた電子機器の放熱機構において、
 上記電子部品実装基板の少なくとも裏面を覆う裏面側放熱金属板と、
 複数の半田付け部を含む突出部が形成された上記電子部品実装基板の裏面と上記裏面側放熱金属板との間の隙間部に挿入すべく、該突出部の形状に合わせた穴部を有して成型された充填材とを備えていることを特徴とする電子機器の放熱機構。
[請求項2]
 前記充填材は、前記突出部に押圧されると変形することを特徴とする請求項1記載の電子機器の放熱機構。
[請求項3]
 前記充填材は、シート状材料を層状に重ねたものからなっており、各シート状材料は、その重ねる高さ位置の前記突出部の形状に応じて型抜き成型されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器の放熱機構。
[請求項4]
 前記裏面側放熱金属板は、アルミ板からなっていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の電子機器の放熱機構。
[請求項5]
 請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器の放熱機構を備えていることを特徴とする電源装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]