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1. (WO2015146254) 樹脂膜形成用シート積層体
Document

明 細 書

発明の名称 樹脂膜形成用シート積層体

技術分野

0001   0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の開示

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154  

実施例

0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182  

符号の説明

0183  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1a   1b   1c   1d   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 樹脂膜形成用シート積層体

技術分野

[0001]
 本発明は、ワークに対する樹脂膜形成用シートの貼付が容易な樹脂膜形成用シート積層体に関する。
[0002]
 近年、いわゆるフェースダウン(face down)方式と呼ばれる実装法を用いた半導体装置の製造が行われている。フェースダウン方式においては、回路面上にバンプなどの電極を有する半導体チップ(以下、単に「チップ」ともいう。)が用いられ、該電極が基板と接合される。このため、チップの回路面とは反対側の面(チップ裏面)は剥き出しとなることがある。
[0003]
 この剥き出しとなったチップ裏面は、有機膜により保護されることがある。従来、この有機膜からなる保護膜を有するチップは、液状の樹脂をスピンコート法によりウエハ裏面に塗布し、乾燥し、硬化してウエハとともに保護膜を切断して得られる。しかしながら、このようにして形成される保護膜の厚み精度は充分でないため、製品の歩留まりが低下することがあった。
[0004]
 このような問題を解決するために、粘着剤層を有する粘着シートの粘着剤層上に半導体裏面保護膜形成用フィルムが積層された、保護膜形成用シートが用いられることがある。
[0005]
 また、大径の状態で製造される半導体ウエハは、素子小片(半導体チップ)に切断分離(ダイシング)された後に、次工程であるボンディング工程に移されることもある。この際、半導体ウエハは予め接着シートに貼着された状態でダイシング、洗浄、乾燥、エキスパンディングおよびピックアップの各工程が加えられた後、次工程のボンディング工程に移送される。
[0006]
 これらの工程の中で、ピックアップ工程およびボンディング工程のプロセスを簡略化するため、ウエハ固定機能とダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンディング用接着シートが種々提案されている。例えば、前記接着シートを用いることにより、裏面に接着剤層が貼付された半導体チップを得ることができ、有機基板-チップ間、リードフレーム-チップ間、チップ-チップ間などのダイレクトダイボンディングが可能となる。
[0007]
 特許文献1(特開2005-350520号公報)には、ダイシング・ダイボンディング用接着シートとして、剥離基材、接着層、粘着層及び基材フィルムが順次積層された構成を有する接着シートが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2005-350520号公報

発明の開示

発明が解決しようとする課題

[0009]
 半導体装置の製造工程においては、上記の半導体裏面保護膜形成用フィルムや接着層等の樹脂膜形成層を有する樹脂膜形成用シートを半導体ウエハ等のワークに貼付する。しかしながら、樹脂膜形成用シートをワークに貼付する工程では、樹脂膜成型用シートの端部において剥離基材(剥離シート)からの繰り出しが円滑に行われない場合に、樹脂膜形成用シートが使用不能となることがあった。つまり、繰り出した樹脂膜形成用シート自体が、重なり合う方向に折れ曲がって密着したり、剥離シートから繰り出した樹脂膜形成用シートがまた剥離シートに密着(転着)したり、樹脂膜形成用シートが剥離シートから繰り出せないことがあった。
[0010]
 本発明は、上記課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、剥離シートから樹脂膜形成用シートを繰り出すことが容易であり、ワークへの貼付を安定して行うことができる樹脂膜形成用シート積層体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、樹脂膜形成用シートの端部(外周部)における、剥離シートの剥離力およびSUSに対する粘着力を制御することで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[0012]
 本発明は、以下の要旨を含む。
〔1〕支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層上に剥離シートを積層してなり、
 樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力が0.05N/25mm以下であり、
 樹脂膜形成用シートの外周部における、SUSに対する粘着力が1.0N/25mm以下である樹脂膜形成用シート積層体。
[0013]
〔2〕剥離シートには、樹脂膜形成層側の面から樹脂膜形成用シートの外周に沿って切込部が形成されており、
 切込部の切込深さが剥離シートの厚さの1/2超である〔1〕に記載の樹脂膜形成用シート積層体。
[0014]
〔3〕剥離シートの厚さが50μm以上である〔1〕または〔2〕に記載の樹脂膜形成用シート積層体。
[0015]
〔4〕剥離シートには、樹脂膜形成層側の面から樹脂膜形成用シートの外周に沿って切込部が形成されており、
 切込部の切込深さが25μm超である〔3〕に記載の樹脂膜形成用シート積層体。

発明の効果

[0016]
 本発明の樹脂膜形成用シート積層体によれば、剥離シートから樹脂膜形成用シートを繰り出す際に、繰り出した樹脂膜形成用シート自体が重なり合う方向に折れ曲がって密着したり、樹脂膜形成用シートが剥離シートに転着することを防止できる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1a] 支持シート11と樹脂膜形成層12とを含む樹脂膜形成用シート10を半導体ウエハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。
[図1b] 支持シート11と樹脂膜形成層12とを含む樹脂膜形成用シート10を半導体ウエハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。
[図1c] 支持シート11と樹脂膜形成層12とを含む樹脂膜形成用シート10を半導体ウエハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。
[図1d] 支持シート11と樹脂膜形成層12とを含む樹脂膜形成用シート10を半導体ウエハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。
[図2] 本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体の平面図を示す。
[図3] 図1に示す樹脂膜形成用シートを、A-A線に沿って切断した場合の模式断面図(第1の態様の樹脂膜形成用シート)を示す。
[図4] 第2の態様の樹脂膜形成用シートの模式断面図を示す。
[図5] 第3の態様の樹脂膜形成用シートの模式断面図を示す。
[図6] 第4の態様の樹脂膜形成用シートの模式断面図を示す。
[図7] 従来の、支持シートと樹脂膜形成層とからなる積層体を半導体ウエハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体の詳細を説明する。
 本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体は、支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層上に剥離シートを積層した態様である。このような構成の樹脂膜形成用シート積層体において、樹脂膜形成用シートの外周部における剥離シートの剥離力は0.05N/25mm以下であり、樹脂膜形成用シートの外周部におけるSUSに対する粘着力は1.0N/25mm以下である。
[0019]
 樹脂膜形成用シートの外周部における剥離シートの剥離力が0.05N/25mmを超える場合、及び/または、樹脂膜形成用シートの外周部におけるSUSに対する粘着力が1.0N/25mmを超える場合には、図1に示す、樹脂膜形成用シート積層体100の樹脂膜形成用シート10をワーク32に貼付する工程(以下、「ワーク貼付工程」と記載することがある。)において剥離シートから樹脂膜形成用シートを繰り出す際に、繰り出した樹脂膜形成用シートの支持シート同士または樹脂膜形成層同士が重なり合う方向に折れ曲がって密着したり、樹脂膜形成用シートが剥離シートに転着してしまう。その結果、樹脂膜形成用シートが使用不能となる。この問題は、図1に示すワーク貼付工程によらずに、ワークに樹脂膜形成用シート積層体の樹脂膜形成用シートを貼付する場合(例えば、手作業にて樹脂膜形成用シート積層体の剥離シートを除去し、樹脂膜形成用シートをワークに貼付する場合など)にも同様に起こる問題である。
[0020]
 本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体によれば、図1に示すワーク貼付工程や、例えば手作業によるワーク貼付工程においても、剥離シート13から樹脂膜形成用シート10を繰り出すことが容易となり、ワーク32への貼付を安定して行うことができるため、上記問題を解消できる。
[0021]
 また、図2~図6に示すように、樹脂膜形成用シート積層体100において、剥離シート13には、樹脂膜形成層側の面から樹脂膜形成用シート10の外周に沿って切込部D1が形成されており、切込部D1の切込深さd1は剥離シートの厚さの1/2超であることが好ましく、より好ましくは3/5~4/5である。所定深さの切込部D1を設けることで、樹脂膜形成用シート10と剥離シート13との界面に剥離起点を作り出すことが容易になる。その結果、樹脂膜形成用シートの繰出し性が向上する。また、切込部D1を所定深さとすることで、ワーク貼付工程中に剥離シートの長手方向(流れ方向)にかかる応力に起因して剥離シートが破断することを防止できる。
[0022]
 また、切込部D1を形成することで、樹脂膜形成用シート積層体の製造工程において樹脂膜形成用シートを所定の形状に確実に切断できる。また、剥離シートに所定深さの切込部D1を形成することで、例えば剥離シートの厚さが50μm以上の場合であっても、樹脂膜形成用シート積層体をロール状に巻きやすくなり、保管時の収納性に優れる。
[0023]
 また、図1に示すワーク貼付工程においては、剥離シートにはその長手方向(流れ方向)に応力がかかる。剥離シートに切込部D1が形成されていないと、該応力が樹脂膜形成層に伝播し、樹脂膜形成層が流れ方向に伸びることがある。樹脂膜形成層の変形(伸び)は、その厚み精度を低下させる。その結果、該樹脂膜形成層を用いて得られる半導体装置の信頼性を低下させる原因となることがある。剥離シートに所定の深さの切込部を形成することで、樹脂膜形成層にかかる応力を緩和することができ、樹脂膜形成層の変形を抑制できる。
[0024]
 また、剥離シートの厚さが50μm以上の場合には、剥離シートのコシが強くなり、剥離シートを折り曲げにくくなる傾向にある。また、一般に樹脂膜形成用シートのコシは剥離シートに比べ弱い傾向にある。そのため、ワーク貼付工程においては、図1に示すピールプレート64を樹脂膜形成用シート積層体100の剥離シート13に当て、剥離シート13をピールプレート64側に鋭角に曲げないと、樹脂膜形成用シート10と剥離シート13との界面に剥離起点を作り出すことが困難となり、樹脂膜形成用シートを繰り出すことができないことがある。しかし、50μm以上の厚さの剥離シートは、ピールプレートを用いる場合であっても、その厚みに起因してピールプレート側に鋭角に曲げ難く、図7に示すように樹脂膜形成用シートの繰り出しが困難である。
[0025]
 本発明においては、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力とSUSに対する粘着力を上記範囲とすることで、剥離シートの厚さが50μm以上の場合であっても、剥離シート13からの樹脂膜形成用シート10の繰り出しを容易にし、樹脂膜形成用シートをワークへ安定して貼付できる。上記の観点から、樹脂膜形成用シートの外周部における剥離シートの剥離力は、好ましくは0.001~0.05N/25mm、より好ましくは0.01~0.04N/25mmであり、樹脂膜形成用シートの外周部におけるSUSに対する粘着力は、好ましくは0.01~1.0N/25mm、より好ましくは0.1~0.8N/25mmである。
[0026]
 剥離シートの厚さが50μm以上の場合には、切込部D1の切込深さd1は25μm超であることが好ましい。具体的には、剥離シートの厚さが50μmの場合、切込部D1の切込深さd1は、好ましくは25μm超、より好ましくは30~40μmであり、剥離シートの厚さが100μmの場合、切込部D1の切込深さd1は、好ましくは50μm超、より好ましくは60~80μmである。なお、本発明における切込み深さは、剥離シートに形成された切込部の剥離シートの厚さ方向の深さを光学顕微鏡により倍率300倍で任意に4点測定し、これを平均することで算出している。
[0027]
樹脂膜形成用シート積層体の態様
 支持シート11と樹脂膜形成層12は、所望の平面形状に切断されており、剥離シート13上に部分的に積層されている。ここで、支持シート11や樹脂膜形成層12における所望の平面形状とは、例えば図2に示すように、剥離シート13上に支持シート11や樹脂膜形成層12が部分的に積層された状態となる形状であれば特に限定されない。
[0028]
 支持シート11の平面形状としては、後述する半導体装置の製造工程において用いられるリングフレーム等の治具への貼付が容易な形状であることが好ましく、例えば、円形、略円形、四角形、五角形、六角形、八角形、ウエハ形状(円の外周の一部が直線である形状)等が挙げられる。これらの中でも、リングフレームに貼付される部分以外の無駄な部分を少なくするために、円形やウエハ形状が好ましい。
[0029]
 また、樹脂膜形成層12の平面形状としては、半導体ウエハ等のワークの平面形状に合致する形状であることが好ましく、例えば、円形、略円形、四角形、五角形、六角形、八角形、ウエハ形状(円の外周の一部が直線である形状)等の、ワークへの貼付が容易な形状であることが好ましい。これらの中でも、ワークに貼付される部分以外の無駄な部分を少なくするために、円形やウエハ形状が好ましい。
[0030]
(第1の態様)
 図2は、本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体100の第1の態様を示す平面図であり、図3は、図2に示す樹脂膜形成用シート積層体100をA-A線に沿って切断した場合の略式断面図である。
[0031]
 図2及び図3に示すように、第1の態様に係る樹脂膜形成用シート積層体100は、支持シート11の直径が樹脂膜形成層12の直径よりも大きい。また、支持シート11は、基材11aと粘着剤層11bとからなる粘着シートである。また、剥離シート13には、切込部D1の他に、樹脂膜形成層12の外周に沿って切込部D2が形成されてもよい。
[0032]
 第1の態様において、切込部D2の切込深さd2は特に限定されず、切込部D1の切込み深さd1と同じでも、大きくても、小さくてもよいが、剥離シートの厚さの1/2超であることが好ましく、より好ましくは3/5~4/5である。また、剥離シートの厚さが50μm以上の場合には、切込部D2の切込深さd2は25μm超であることが好ましい。具体的には、剥離シートの厚さが50μmの場合、切込部D2の切込深さd2は、好ましくは25μm超、より好ましくは30~40μmであり、剥離シートの厚さが100μmの場合、切込部D2の切込深さd2は、好ましくは50μm超、より好ましくは60~80μmである。樹脂膜形成層の組成によっては、剥離シートとの接着性が高くなり、ワーク貼付工程において、樹脂膜形成層を繰り出すことができないことがある。このような場合であっても、所定深さの切込部D2を設けることで、樹脂膜形成層12と剥離シート13との界面に剥離起点を作り出すことができるため、樹脂膜形成層12の繰出し性が向上する。
[0033]
 また、所定深さの切込部D2を設けることで、ワーク貼付工程中に剥離シートの長手方向(流れ方向)にかかる応力に起因する樹脂膜形成層の変形を抑制することが容易になる。
[0034]
 第1の態様において、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力は、粘着剤層11bの外周部と剥離シート13との界面で測定される物性値である。第1の態様におけるこれらの物性値は、後述する粘着剤層11bを構成する成分や粘着剤層11bの厚みを調整することで制御できる。なお、第1の態様における上記物性値は、粘着剤層11bを構成する成分としてエネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)を含む場合には、エネルギー線照射前の物性値である。
[0035]
(第2の態様)
 図4は、第2の態様の樹脂膜形成用シート積層体100の略式断面図である。第2の態様に係る樹脂膜形成用シート積層体100の樹脂膜形成用シート10においては、平面視における支持シート11と樹脂膜形成層12とが同形状である。
[0036]
 図4に示すように、基材11aと粘着剤層11bとからなる粘着シートを支持シートとして用いてもよいし、基材11aのみを支持シートとして用いてもよい。
[0037]
 第2の態様において、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力は、樹脂膜形成層12の外周部と剥離シート13との界面で測定される物性値である。第2の態様におけるこれらの物性値は、樹脂膜形成層を構成する成分としてエネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)を用い、樹脂膜形成層の外周部のみにエネルギー線を照射する等の手段により制御することができる。このような手段としては、例えば、支持シートの内周部に印刷等によりエネルギー線遮蔽層を設け、支持シート側から樹脂膜形成層にエネルギー線照射を行う方法や、予め樹脂膜形成層の外周部のみにエネルギー線照射を行い、その後、支持シートと積層する方法などが挙げられる。
[0038]
(第3の態様)
 図5は、第3の態様の樹脂膜形成用シート積層体100の略式断面図である。第3の態様に係る樹脂膜形成用シート積層体100の樹脂膜形成用シート10においては、平面視における支持シート11と樹脂膜形成層12とが同形状である。また、樹脂膜形成用シート10の外周部であって、剥離シート13と樹脂膜形成層12との間に治具接着層14が設けられている。また、剥離シート13には、切込部D1の他に、環状の治具接着層14の内周に沿って切込部D3が形成されてもよい。
[0039]
 図5に示すように、基材11aと粘着剤層11bとからなる粘着シートを支持シートとして用いてもよいし、基材11aのみを支持シートとして用いてもよい。
[0040]
 第3の態様において、切込部D3の切込深さd3は特に限定されず、切込部D1の切込み深さd1と同じでも、大きくても、小さくてもよいが、剥離シートの厚さの1/2超であることが好ましく、より好ましくは3/5~4/5である。また、剥離シートの厚さが50μm以上の場合には、切込部D3の切込深さd3は25μm超であることが好ましい。具体的には、剥離シートの厚さが50μmの場合、切込部D3の切込深さd3は、好ましくは25μm超、より好ましくは30~40μmであり、剥離シートの厚さが100μmの場合、切込部D3の切込深さd3は、好ましくは50μm超、より好ましくは60~80μmである。所定深さの切込部D3を設けることで、ワーク貼付工程中に剥離シートの長手方向(流れ方向)にかかる応力に起因する樹脂膜形成層の変形を抑制することが容易になる。
[0041]
 第3の態様において、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力は、治具接着層14と剥離シート13との界面で測定される物性値である。第3の態様におけるこれらの物性値は、後述する治具接着層を構成する成分や治具接着層の厚みを調整することで制御できる。なお、第3の態様における上記物性値は、治具接着層を構成する成分としてエネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)を含む場合には、エネルギー線照射前の物性値である。
[0042]
(第4の態様)
 図6は、第4の態様の樹脂膜形成用シート積層体100の略式断面図である。第4の態様に係る樹脂膜形成用シート積層体100は、平面視において支持シート11の直径が樹脂膜形成層12の直径よりも大きい。また、樹脂膜形成用シートの外周部であって、剥離シート13と支持シート11との間に治具接着層14が設けられている。また、剥離シート13には、切込部D1の他に、樹脂膜形成層12の外周に沿って切込部D2が形成されてもよい。さらに、剥離シート13には、環状の治具接着層14の内周に沿って切込部D3が形成されてもよい。切込部D2の切込深さd2、切込部D3の切込深さd3や、これらに起因した効果は、第1の態様や第3の態様において説明したとおりである。また、治具接着層14としては、第3の態様と同様であり、その構成については後述する。
[0043]
 基材11aと粘着剤層11bとからなる粘着シートを支持シートとして用いてもよいし、図6に示すように、基材11aのみを支持シートとして用いてもよい。
[0044]
 第4の態様において、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力は、治具接着層14と剥離シート13との界面で測定される物性値である。第4の態様におけるこれらの物性値は、後述する治具接着層を構成する成分や治具接着層の厚みを調整することで制御できる。なお、第4の態様における上記物性値は、治具接着層を構成する成分としてエネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)を含む場合には、エネルギー線照射前の物性値である。
[0045]
樹脂膜形成用シート積層体の構成
 本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体は、支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層上に剥離シートを積層してなる。また、第3の態様や第4の態様において説明したように、樹脂膜形成用シートは治具接着層を含むこともある。以下、樹脂膜形成用シート積層体を構成する各層について説明する。
[0046]
(支持シート)
 支持シートとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。
[0047]
 また、図3~5に示すように、支持シート11として、基材11aと粘着剤層11bとからなる粘着シートを用いることもできる。
[0048]
 支持シートとして粘着シートを用いる場合には、樹脂膜形成用シート上でワークにダイシング等の所要の加工を施すことが容易になる。この態様においては、樹脂膜形成層は、基材上に設けられた粘着剤層に積層される。基材としては、支持シートとして例示した上記のフィルムが挙げられる。
[0049]
 粘着剤層は、従来より公知の種々の粘着剤により形成され得る。粘着剤は、通常重合体(A)を含有する。本発明においては、エネルギー線硬化性粘着剤を用いることが好ましいため、重合体(A)の他にエネルギー線硬化性化合物(B)を含有することが好ましい。
[0050]
 エネルギー線硬化性化合物(B)は、エネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化し、粘着剤の粘着性を低下させる機能を有する。本発明におけるエネルギー線重合性基は、重合性の炭素-炭素二重結合を有する官能基であり、具体的な例としてはビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基が挙げられる。本発明におけるエネルギー線重合性基は、ラジカル存在下でラジカルを生成して重付加反応を容易に起こすため、重合性を有しない二重結合を意味しない。たとえば、エネルギー線硬化性粘着剤を構成する各成分には芳香環が含まれていてもよいが、芳香環の不飽和構造は本発明におけるエネルギー線重合性基を意味しない。
[0051]
 また、上記成分(A)および(B)の性質を兼ね備えるものとして、主鎖または側鎖に、エネルギー線重合性基が結合されてなるエネルギー線硬化型重合体(以下、成分(AB)と記載する場合がある)を用いることもできる。このようなエネルギー線硬化型重合体(AB)は、重合体としての機能とエネルギー線硬化性とを兼ね備える性質を有する。
[0052]
 エネルギー線硬化性粘着剤としては特に限定されないが、アクリル系粘着剤を例として具体的に説明する。アクリル系粘着剤は、重合体(A)として、アクリル系重合体(A1)を含有する。
[0053]
 アクリル系重合体(A1)としては、従来公知のアクリル系重合体を用いることができる。アクリル系重合体(A1)の重量平均分子量(Mw)は、1万~200万であることが好ましく、10万~150万であることがより好ましい。また、アクリル系重合体(A1)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-70~30℃、さらに好ましくは-60~20℃の範囲にある。アクリル系重合体(A1)の重量平均分子量やガラス転移温度を高くすると、上述した剥離力や粘着力が低下し、重量平均分子量やガラス転移温度を低くすると該剥離力や該粘着力が上昇する傾向にある。
[0054]
 アクリル系重合体(A1)を構成するモノマーには、少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体が含まれる。
 具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、へプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1~18であるアルキル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどの環状骨格を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート;モノメチルアミノ(メタ)アクリレート、モノエチルアミノ(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート;2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリレート;が挙げられる。
 また、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、スチレン等が共重合されていてもよい。
 これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0055]
 なお、本明細書で(メタ)アクリルは、アクリルおよびメタクリルの両者を包含する意味で用いることがある。
[0056]
 アクリル系重合体(A1)は架橋されていてもよい。アクリル系重合体(A1)を架橋する場合は、架橋される前のアクリル系重合体(A1)が水酸基等の架橋性官能基を有しており、粘着剤層を形成するための組成物中に架橋剤を添加する。架橋性官能基と架橋剤の有する官能基が反応することでアクリル系重合体(A1)が架橋される。アクリル系重合体(A1)を架橋することにより、粘着剤層の凝集力を調節することが可能となる。
[0057]
 架橋剤としては有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物などが挙げられる。
[0058]
 有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物およびこれらの有機多価イソシアネート化合物の三量体、ならびにこれら有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。
[0059]
 有機多価イソシアネート化合物として、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート、リジンイソシアネート、およびこれらの多価アルコールアダクト体(例えば、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネート)が挙げられる。
[0060]
 有機多価イミン化合物として、具体的には、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネートおよびN,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
[0061]
 架橋剤は架橋する前のアクリル系重合体100質量部に対して通常0.01~20質量部、好ましくは0.1~15質量部、より好ましくは0.5~12質量部の比率で配合される。架橋剤の配合量を多くすると上述した剥離力や粘着力が低下し、架橋剤の配合量を少なくすると該剥離力や該粘着力が上昇する傾向にある。
[0062]
 本発明において、粘着剤層を構成する成分の含有量の態様について、アクリル系重合体の含有量を基準として定める場合、アクリル系重合体が架橋されたアクリル系重合体であるときは、その基準とする含有量は、架橋される前のアクリル系重合体の含有量である。
[0063]
 エネルギー線硬化性化合物(B)は、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する化合物である。このエネルギー線硬化性化合物の例としては、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物(単官能、多官能のモノマーおよびオリゴマー)が挙げられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4-ブチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートなどのアクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジアクリレート、イソボルニルアクリレートなどの環状脂肪族骨格含有アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレート、イタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が用いられる。このような化合物は、分子内にエネルギー線重合性基を有し、通常は、分子量が100~30000、好ましくは300~10000程度である。
[0064]
 一般的には成分(A)(後述するエネルギー線硬化型重合体(AB)を含む)100質量部に対して、エネルギー線重合性基を有する低分子量化合物は好ましくは0~200質量部、より好ましくは1~100質量部、さらに好ましくは、1~30質量部程度の割合で用いられる。
[0065]
 上記成分(A)および(B)の性質を兼ね備えるエネルギー線硬化型重合体(AB)は、重合体の主鎖、側鎖または末端に、エネルギー線重合性基が結合されてなる。
[0066]
 エネルギー線硬化型重合体の主鎖、側鎖または末端に結合するエネルギー線重合性基は、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基を介してエネルギー線硬化型重合体の主鎖、側鎖または末端に結合していてもよい。
[0067]
 エネルギー線硬化型重合体(AB)の重量平均分子量(Mw)は、1万~200万であることが好ましく、10万~150万であることがより好ましい。また、エネルギー線硬化型重合体(AB)のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは-70~30℃、より好ましくは-60~20℃の範囲にある。なお、後述するヒドロキシ基等の官能基を含有するアクリル系重合体と、重合性基含有化合物とを反応させて得たエネルギー線硬化型重合体(AB)の場合には、Tgは重合性基含有化合物と反応させる前のアクリル系重合体のTgである。エネルギー線硬化型重合体(AB)の重量平均分子量やガラス転移温度を高くすると、上述した剥離力や粘着力が低下し、重量平均分子量やガラス転移温度を低くすると該剥離力や該粘着力が上昇する傾向にある。
[0068]
 エネルギー線硬化型重合体(AB)は、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を含有するアクリル系重合体と、該官能基と反応する置換基とエネルギー線重合性炭素-炭素二重結合を1分子毎に1~5個を有する重合性基含有化合物とを反応させて得られる。アクリル系重合体は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体と、前述した成分(A)を構成するモノマーとからなる共重合体であることが好ましい。該重合性基含有化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
[0069]
 エネルギー線硬化型重合体(AB)を、ヒドロキシ基等の官能基を含有するアクリル系重合体と、重合性基含有化合物とを反応させて得た場合、エネルギー線硬化型重合体(AB)は、上述のアクリル系重合体(A1)同様、架橋されていてもよい。
[0070]
 上記のようなアクリル系重合体(A1)、エネルギー線硬化性化合物(B)及び/又は、エネルギー線硬化型重合体(AB)を含むアクリル系粘着剤は、エネルギー線照射により硬化する。エネルギー線としては、具体的には、紫外線、電子線等が用いられる。
[0071]
 また、エネルギー線硬化性化合物(B)や、エネルギー線硬化型重合体(AB)に光重合開始剤を組み合わせることで、重合硬化時間を短くし、ならびに光線照射量を少なくすることができる。
[0072]
 このような光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、1,2-ジフェニルメタン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドおよびβ-クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
[0073]
 光重合開始剤の配合割合は、エネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)の合計100質量部に対して0.1~10質量部含まれることが好ましく、1~5質量部含まれることがより好ましい。
 光重合開始剤の配合割合が0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な硬化性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、不具合の原因となることがある。
[0074]
 支持シートの厚さは、通常は10~500μm、好ましくは15~300μm、より好ましくは20~250μmである。粘着剤層を設ける場合には、支持シート中、2~20μmが粘着剤層の厚さであることが好ましく、より好ましくは3~15μm、さらに好ましくは4~10μmである。粘着剤層の厚さが小さすぎると、十分な剥離力や粘着力が発現しないことがあり、また粘着剤層の厚さが大きすぎると、剥離力や粘着力が高くなり、本発明の効果を発揮できないことがある。
[0075]
(樹脂膜形成層)
 本発明における樹脂膜形成層は、シートの用途に応じて、後述するフィルム状接着剤、接着剤層、保護膜形成層など様々な機能を有する樹脂の中から適宜に選択される。
[0076]
<フィルム状接着剤>
 樹脂膜形成層は、フィルム状接着剤であってもよい。このようなフィルム状接着剤は、チップのダイボンド工程において近年多用されている。このようなフィルム状接着剤は、好ましくはエポキシ系接着剤またはポリイミド系接着剤を製膜、半硬化したもの(B-ステージ状態)であり、上述した支持シート上に剥離可能に形成される。
[0077]
 フィルム状接着剤は、ワークに貼付される。そのワークとフィルム状接着剤とをチップサイズにダイシングすることで、接着剤付チップが得られ、これを支持シートからピックアップし、接着剤を介して、所定の位置にチップを固着する。なお、接着剤付チップのピックアップ時には、エキスパンドを行うことが好ましい。
[0078]
<接着剤層>
 本発明における樹脂膜形成用シートは、ダイシング時のウエハ固定機能とダイボンド時のダイ接着機能とを同時に兼ね備えたダイシング・ダイボンド兼用シートであってもよい。
[0079]
 樹脂膜形成用シートが、ダイシング・ダイボンド兼用シートある場合、樹脂膜形成層は、ダイシング工程においてワークやワークを個片化したチップを保持し、ダイシング時には、ワークとともに切断され、チップと同形状の樹脂膜形成層が形成される。そして、ダイシング終了後、チップのピックアップを行うと、樹脂膜形成層は、チップとともに支持シートから剥離する。樹脂膜形成層はダイボンド時にはチップを固着するための接着剤として機能する。樹脂膜形成層を伴ったチップを基板に載置し、加熱等を行い、チップと、基板や他のチップ等の被着体とを樹脂膜形成層を介して接着する。
[0080]
 樹脂膜形成用シートが、このようなダイシング・ダイボンド兼用シートである場合は、支持シート上に、樹脂膜形成層として、感圧接着性を有し、かつダイ接着機能とを兼ね備えた、接着剤層が形成されてなる。このようなウエハ固定機能とダイ接着機能とを兼ね備えた樹脂膜形成層は、例えば、前記したアクリル系重合体(A1)と、エポキシ系接着剤を含み、また必要に応じ、エネルギー線硬化性化合物(B)、エネルギー線硬化型重合体(AB)や硬化助剤等を含む。なお、接着剤層付チップのピックアップ時には、前記と同様にエキスパンドを行うことが好ましい。
[0081]
<保護膜形成層>
 さらに、樹脂膜形成用シートがチップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成用シートとして用いられる場合には、樹脂膜形成層は、チップの裏面に保護膜を形成するための保護膜形成層であってもよい。
 この場合、保護膜形成層にワークを貼付し、保護膜形成層を硬化させ、保護膜とし、その後、ワークと保護膜をダイシングし、保護膜付チップを得ることができる。また、保護膜形成層にワークを貼付し、ワークと保護膜形成層とをダイシングし、保護膜形成層付チップを得、その後、保護膜形成層を硬化して保護膜付チップを得てもよい。
 このような保護膜形成用シートは、支持シート上に樹脂膜形成層として、保護膜となる接着性の樹脂層(保護膜形成層)を有する。このような保護膜となる樹脂膜形成層は、例えば、前記したアクリル系重合体(A1)と、エポキシ接着剤および硬化助剤を含み、また必要に応じ、エネルギー線硬化性化合物(B)、エネルギー線硬化型重合体(AB)やフィラー等が含まれていてもよい。
[0082]
 樹脂膜形成層の厚みは、その用途により様々であるが、おおよそ1~300μm、好ましくは10~200μm、特に好ましくは20~100μmである。
[0083]
(治具接着層)
 治具接着層としては、粘着剤層単体からなる粘着部材、基材と粘着剤層から構成される粘着部材や、芯材を有する両面粘着部材を採用することができる。治具接着層は、例えば環状(リング状)であり、空洞部(内部開口)を有し、リングフレーム等の治具に固定可能な大きさを有する。具体的には、リングフレームの内径は、治具接着層の外径よりも小さい。また、リングフレームの内径は、治具接着層の内径よりも多少大きい。なお、リングフレームは、通常金属またはプラスチックの成形体である。
[0084]
 粘着剤層単体からなる粘着部材を治具接着層とする場合、粘着剤層を形成する粘着剤としては特に制限されないが、たとえばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、またはシリコーン粘着剤からなることが好ましい。これらのうちで、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力、及びリングフレームからの再剥離性を考慮すると、上述したアクリル系重合体(A1)を含むアクリル系粘着剤が好ましい。なお、上記粘着剤は、単独で用いても、二種以上混合して用いてもよい。
[0085]
 治具接着層を構成する粘着剤層の厚さは、好ましくは2~20μm、より好ましくは3~15μm、さらに好ましくは4~10μmである。粘着剤層の厚さが2μm未満のときは、十分な剥離力や粘着力が発現しないことがある。粘着剤層の厚さが20μmを超えるときは、剥離力や粘着力が高くなり、本発明の効果を発揮できないことや、リングフレームから剥離する際にリングフレームに粘着剤の残渣物が残り、リングフレームを汚染することがある。
[0086]
 基材と粘着剤層から構成される粘着部材を治具接着層とする場合には、粘着部材を構成する粘着剤層と剥離シートとが積層される。
 粘着剤層を形成する粘着剤としては、上記の粘着剤層単体からなる粘着部材における粘着剤層を形成する粘着剤と同様である。また、粘着剤層の厚さも同様である。
[0087]
 治具接着層を構成する基材としては、特に制限されないが、たとえばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられる。これらのうちで、エキスパンド性を考慮するとポリエチレンフィルムおよびポリ塩化ビニルフィルムが好ましく、ポリ塩化ビニルフィルムがより好ましい。
[0088]
 治具接着層を構成する基材の厚さは、好ましくは15~200μm、より好ましくは30~150μm、さらに好ましくは40~100μmである。
[0089]
 また、芯材を有する両面粘着部材を治具接着層とする場合には、両面粘着部材は、芯材と、その一方の面に形成される積層用粘着剤層と、その他方の面に形成される固定用粘着剤層からなる。積層用粘着剤層は、第3の態様においては樹脂膜形成層に貼付される側の粘着剤層であり、第4の態様においては支持シートに貼付される側の粘着剤層である。また、固定用粘着剤層は、剥離シートに貼付される側の粘着剤層である。
[0090]
 両面粘着部材の芯材としては、上記粘着部材の基材と同様のものが挙げられる。これらのうちで、エキスパンド性を考慮するとポリオレフィンフィルムおよび可塑化したポリ塩化ビニルフィルムが好ましい。
[0091]
 芯材の厚さは、通常15~200μm、好ましくは30~150μm、より好ましくは40~100μmである。
[0092]
 両面粘着部材の積層用粘着剤層および固定用粘着剤層は、同じ粘着剤からなる層であっても異なる粘着剤からなる層であってもよい。
[0093]
 固定用粘着剤層を構成する粘着剤は、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力が所定範囲となるように、かつ、固定用粘着剤層とリングフレームとの接着力が、樹脂膜形成層または支持シートと積層用粘着剤層との接着力よりも小さくなるように適宜選択する。このような粘着剤としては、たとえばアクリル系粘着剤、 ゴム系粘着剤、シリコーン粘着剤が挙げられ、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力やSUSに対する粘着力、及びリングフレームからの再剥離性を考慮すると、上述したアクリル系重合体(A1)を含むアクリル系粘着剤が好ましい。また、固定用粘着剤層を形成する粘着剤は、単独で用いても、二種以上混合して用いてもよい。
[0094]
 積層用粘着剤層を構成する粘着剤は特に限定されず、たとえばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン粘着剤が挙げられる。これらの中でも、樹脂膜形成層または支持シートとの接着力の制御が容易であるという観点から、上述したアクリル系重合体(A1)を含むアクリル系粘着剤が好ましい。また、積層用粘着剤層を形成する粘着剤は、単独で用いても、二種以上混合して用いてもよい。
[0095]
 積層用粘着剤層および固定用粘着剤層の厚さは、上記粘着部材の粘着剤層の厚さと同様である。
[0096]
 治具接着層を設けることで、樹脂膜形成用シートをリングフレーム等の治具に接着することが容易になる。
[0097]
(剥離シート)
 剥離シートは、樹脂膜形成用シートの使用時にキャリアフィルムとしての役割を果たすものであり、上述した支持シートとして例示したフィルムを用いることができる。
[0098]
 剥離シートの樹脂膜形成層に接する面の表面張力は、好ましくは40mN/m以下、さらに好ましくは37mN/m以下、特に好ましくは35mN/m以下である。下限値は通常25mN/m程度である。このような表面張力が比較的低い剥離シートは、材質を適宜に選択して得ることが可能であるし、また剥離シートの表面に剥離剤を塗布して剥離処理を施すことで得ることもできる。
[0099]
 剥離処理に用いられる剥離剤としては、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系などが用いられるが、特にアルキッド系、シリコーン系、フッ素系の剥離剤が耐熱性を有するので好ましい。
[0100]
 上記の剥離剤を用いて剥離シートの基体となるフィルム等の表面を剥離処理するためには、剥離剤をそのまま無溶剤で、または溶剤希釈やエマルション化して、グラビアコーター、メイヤーバーコーター、エアナイフコーター、ロールコーターなどにより塗布して、剥離剤が塗布された剥離シートを常温下または加熱下に供するか、または電子線により硬化させて剥離剤層を形成させればよい。
[0101]
 また、ウェットラミネーションやドライラミネーション、熱溶融ラミネーション、溶融押出ラミネーション、共押出加工などによりフィルムの積層を行うことにより剥離シートの表面張力を調整してもよい。すなわち、少なくとも一方の面の表面張力が、上述した剥離シートの樹脂膜形成層と接する面のものとして好ましい範囲内にあるフィルムを、当該面が樹脂膜形成層と接する面となるように、他のフィルムと積層した積層体を製造し、剥離シートとしてもよい。
[0102]
 剥離シートの厚さは特に限定されないが、好ましくは50μm以上、より好ましくは50~200μmである。剥離フィルムが50μm未満であると、樹脂膜形成用シートをロール状に巻いた時に、樹脂膜形成層に巻き痕が発生することがある。樹脂膜形成層に巻き痕が発生すると、樹脂膜形成層の厚み精度が低下し、樹脂膜形成層をワークに貼付する際のエア噛みや、後述する半導体装置の製造方法において、チップを樹脂膜形成層を介してチップ搭載部(基板や他のチップ等)に接着する際の接着性の低下や、ボイドの発生の原因となる。その結果、優れた信頼性を有する半導体装置を得ることが困難になる。また、樹脂膜形成層をチップの裏面を保護するための保護膜として用いる場合には、樹脂膜形成層の巻き痕は上述以外に外観不良の原因となる。剥離シートの厚さを上記範囲とすることで、上記の問題を解消できる。
[0103]
 上記のような態様・構成を有する樹脂膜形成用シート積層体は、剥離シートを除去した後に、樹脂膜形成層をワークに貼付し、場合によっては、その後、ワークにダイシング等の所要の加工が施される。そして、樹脂膜形成層をワークに固着残存させて支持シートを剥離する。すなわち、樹脂膜形成層を、支持シートからワークに転写する工程を含むプロセスに使用される。
[0104]
 本発明において適用可能なワークとしては、その素材に限定はなく、たとえば半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、FPC等の有機材料基板、又は精密部品等の金属材料など種々の物品を挙げることができる。
[0105]
 樹脂膜形成用シート積層体の形状は、長尺の剥離シート上に支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートを積層した帯状の形状とし、これを巻収することができる。特に、図2に示すように、所望の形状にあわせて切り抜いた支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートを、長尺の剥離シート上に剥離可能に一定間隔で積層した形態が好ましい。また、樹脂膜形成用シート積層体の形状を、枚葉の形状とすることもできる。
[0106]
 所望の形状にあわせて切り抜いた支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートを、長尺の剥離シート上に剥離可能に一定間隔で積層した形態とした場合には、樹脂膜形成用シートが積層された部分と、樹脂膜形成用シートが積層されていない部分とで、樹脂膜形成用シート積層体の厚みが不均一になる。このような厚みが不均一な樹脂膜形成用シート積層体をロール状に巻き取ると、厚みが不均一になって巻圧が不均一となり、ロールの巻崩れが起こることがある。したがって、このような形態の樹脂膜形成用シート積層体においては、厚みを均一にすることが好ましい。このため、所望の形状にあわせて切り抜いた樹脂膜形成用シートの外側には、図2に示すように、少し間隔を空け、長尺の剥離シート13の短手方向における両縁部15に沿って、樹脂膜形成用シートと同じ程度の厚さの周辺テープ14が貼合されることが好ましい。ここで、樹脂膜形成用シートと周辺テープ14との間隔は、1~20mm程度であることが好ましく、2~10mm程度であることが特に好ましい。周辺テープ14により、厚みの不均一を解消することで、上記の不具合を回避しやすくなる。
[0107]
樹脂膜形成用シート積層体の製造
 次に、所望の形状にあわせて切り抜いた樹脂膜形成用シートを、長尺の剥離シート上に剥離可能に一定間隔で積層した形態の樹脂膜形成用シート積層体の製造方法について、図3に示す第1の態様と図5に示す第3の態様を例に説明するが、本発明の樹脂膜形成用シートは、このような製造方法により得られるものに限定されない。
[0108]
(第1の態様に係る樹脂膜形成用シート積層体の製造)
 まず、剥離シート上の樹脂膜形成層を所望の形状にハーフカットする。
[0109]
 具体的には、2枚の長尺剥離シート(以下、第1の長尺剥離シート、第2の長尺剥離シートと呼ぶ。第2の長尺剥離シートが図3における剥離シート13である。)の間に樹脂膜形成層を有する積層体を準備する。予めフィルム状に製膜した樹脂膜形成層を、2枚の長尺剥離シートで挟み込んでもよく、また、樹脂膜形成層を形成するための樹脂膜形成用組成物を、一方の長尺剥離シートに塗工、乾燥し、塗膜上に他方の長尺剥離シートを貼合して積層体を形成してもよい。
[0110]
 次いで、第1の長尺剥離シートを除去する。そして、樹脂膜形成層を所望の形状に完全に切り込み、第2の長尺剥離シート13に達するように、樹脂膜形成層を型抜き(ハーフカット)する。型抜きは、ダイカットなどの汎用の装置(ロータリー刃もしくは平刃)、方法により行う。この際の切込深さは、樹脂膜形成層を完全に切り込み、切込深さd2の切込部D2を形成するため、樹脂膜形成層の厚さと切込深さd2の合計の深さで切り込む。このため、第2の長尺剥離シートの表面に、切込深さd2の切込部D2が形成される。
[0111]
 次いで、樹脂膜形成層の長手方向に剥離用粘着テープを貼付する。そして、剥離用粘着テープを除去することで、所望の形状の樹脂膜形成層12を第2の長尺剥離シート13上に残存させ、残余の樹脂膜形成層を除去する。所望の形状の樹脂膜形成層以外の残余部分は連続している。このため、第2の長尺剥離シートと樹脂膜形成層との界面を剥離起点とすると、残余部の樹脂膜形成層は除去され、所望の形状の樹脂膜形成層12が、第2の長尺剥離シート13上に残存する。この結果、第2の長尺剥離シート13上に、所望の形状の樹脂膜形成層12が整列した積層体が得られる。
[0112]
 次いで、第2の長尺剥離シート13の樹脂膜形成層12を有する面に、第2の長尺剥離シート13および樹脂膜形成層12に接するように支持シート11を貼付する。第1の態様においては、支持シート11は基材11aと粘着剤層11bとからなる粘着シートである。基材11a上に粘着剤層11bを形成する方法は特に限定されず、例えば、基材11a上に粘着剤層11bを構成する組成物(粘着剤)を塗布乾燥することで形成する方法や、粘着剤を上記剥離シートとは別の剥離シート上に設け、これを基材11aに転写することで形成する方法などが挙げられる。
[0113]
 そして、支持シートを、リングフレームの内径以上であり外径以下の大きさの所望の形状に型抜きする。この際に、樹脂膜形成層12の中心点と、型抜き後の支持シート11の中心点とが一致するように型抜きする。また、切込深さは、支持シートを完全に切り込み、切込深さd1の切込部D1を形成するため、支持シートの厚さと切込深さd1の合計の深さで切り込む。このため、第2の長尺剥離シートの表面に、切込深さd1の切込部D1が形成される。
[0114]
 次いで、所望の形状の支持シート11を、第2の長尺剥離シート13上に残存させ、残余の支持シートを除去する。この結果、第2の長尺剥離シート13上に所望の形状の樹脂膜形成層と支持シート11とを含む樹脂膜形成用シートが積層された、第1の態様の樹脂膜形成用シート積層体が得られる。
[0115]
 なお、上記において、支持シートの型抜きを行う際に、支持シートを所望の形状に切り込むとともに、該形状の支持シート11の外側に支持シートから少しの間隔を空け、第2の長尺剥離シートの短手方向の両縁部15に沿って周辺テープ14としての支持シートが残存するように型抜きすることが好ましい。その後、所望の形状の支持シート11および周辺テープ14を、第2の長尺剥離シート13上に残存させ、残余の支持シートを除去することで、支持シート11と樹脂膜形成層12とを含む樹脂膜形成用シート10と、周辺テープ14とが、長尺の剥離シート13上に、連続して貼合された形態の樹脂膜形成用シート積層体100が得られる。
[0116]
(第3の態様に係る樹脂膜形成用シート積層体の製造)
 治具接着層が、芯材を有する両面粘着部材の場合について説明する。
[0117]
 まず、治具接着層の粘着剤層(積層用粘着剤層及び固定用粘着剤層)を形成するための粘着剤を準備する。なお、治具接着層において、積層用粘着剤層を形成するための粘着剤と、固定用粘着剤層を形成するための粘着剤とが異なる場合には、各粘着剤を準備する。以下においては、積層用粘着剤層を構成する粘着剤を「積層用粘着剤」と記載し、固定用粘着剤層を形成するための粘着剤を「固定用粘着剤」と記載する。積層用粘着剤と固定用粘着剤が同じである場合には、2種類の粘着剤を用意する必要がなく、また、治具接着層の両面の区別なく使用ができるので作業効率が向上する。
[0118]
 次いで、積層用粘着剤を長尺の剥離シート(以下、第3の長尺剥離シートと呼ぶ。)上に塗布、乾燥して積層用粘着剤層を形成する。その後、芯材に積層用粘着剤層を貼り合せ、芯材、積層用粘着剤層および第3の長尺剥離シートがこの順に積層された積層体を得る。
 また、固定用粘着剤を長尺の剥離シート(以下、第4の長尺剥離シートと呼ぶ。第4の長尺剥離シートが図5における剥離シート13である。)上に塗布、乾燥して固定用粘着剤層を形成する。その後、上記で得られた積層体の芯材に積層用粘着剤層を貼り合せ、第3の長尺剥離シート、積層用粘着剤層、芯材、固定用粘着剤層および第4の長尺剥離シートがこの順に積層された積層体(長尺剥離シートに挟持された治具接着層)を得る。
[0119]
 次いで、第3の長尺剥離シートを除去する。そして、治具接着層と第4の長尺剥離シートがこの順に積層された積層体を所望の形状に切り込み、第4の長尺剥離シートに達するように、当該積層体を型抜き(ハーフカット)する。型抜きは、ダイカットなどの汎用の装置(ロータリー刃もしくは平刃)、方法により行う。この際の切込深さは、当該積層体を完全に切り込み、切込深さd3の切込部D3を形成するため、当該積層体の厚さと切込深さd3の合計の深さで切り込む。このため、第4の長尺剥離シートの表面に、切込深さd3の切込部D3が形成される。
[0120]
 次いで、治具接着層の長手方向に剥離用粘着テープを貼付する。そして、剥離用粘着テープを除去することで、所望の形状の治具接着層を第4の長尺剥離シート13上から除去する。この結果、第4の長尺剥離シート13上に、所望の形状の内部開口を有する治具接着層が積層した積層体が得られる。
[0121]
 また、基材11a上に粘着剤層11bが形成された支持シート11を準備する。この支持シートを得る方法は、第1の態様で説明したとおりである。
[0122]
 そして、支持シート11の粘着剤層11b上に樹脂膜形成層12を形成する。粘着剤層11b上に樹脂膜形成層12を形成する方法は特に限定されず、例えば、粘着剤層11b上に樹脂膜形成用組成物を塗布乾燥することで形成する方法や、樹脂膜形成用組成物を上記剥離シートとは別の剥離シート上に設け、これを粘着剤層11bに転写することで形成する方法などが挙げられる。このようにして、支持シート11と樹脂膜形成層12とからなる積層体が得られる。
[0123]
 次いで、第4の長尺剥離シート13の治具接着層を有する面に、第4の長尺剥離シート13および治具接着層に接するように、支持シート11と樹脂膜形成層12とからなる積層体の樹脂膜形成層12を貼付し、第4の長尺剥離シート13上に樹脂膜形成用シート10を形成する。
[0124]
 そして、樹脂膜形成用シート10を、リングフレームの内径以上であり外径以下の大きさの所望の形状に型抜きする。この際に、治具接着層の内部開口の中心点と、型抜き後の樹脂膜形成用シート10の中心点とが一致するように型抜きする。また、切込深さは、樹脂膜形成用シートを完全に切り込み、切込深さd1の切込部D1を形成するため、樹脂膜形成用シートの厚さと切込深さd1の合計の深さで切り込む。このため、第4の長尺剥離シートの表面に、切込深さd1の切込部D1が形成される。
[0125]
 次いで、所望の形状の樹脂膜形成用シート10を、第4の長尺剥離シート13上に残存させ、残余の樹脂膜形成用シートを除去する。この結果、第4の長尺剥離シート13上に所望の形状の樹脂膜形成用シート10が積層された、第3の態様の樹脂膜形成用シート積層体が得られる。なお、樹脂膜形成用シートの型抜きを行う際には、第1の態様と同様に、周辺テープ14が残存するように型抜きすることが好ましい。
[0126]
半導体装置の製造方法
 次に本発明に係る樹脂膜形成用シート積層体の利用方法について、図2及び図3に示す第1の態様の樹脂膜形成用シート積層体を半導体装置の製造方法に適用した場合を例にとって説明する。
[0127]
 第1の態様の樹脂膜形成用シート積層体を用いた半導体装置の製造方法は、該積層体の樹脂膜形成層をワークに貼着し、該ワークをダイシングしてチップとし、該チップのいずれかの面に該樹脂膜形成層を固着残存させて支持シートから剥離し、該チップをダイパッド部上、または別のチップ上に該樹脂膜形成層を介して載置する工程を含むことが好ましい。
[0128]
 以下では、ワークとしてシリコンウエハを用いた例で説明する。
[0129]
 ウエハ表面への回路の形成はエッチング法、リフトオフ法などの従来より汎用されている方法を含む様々な方法により行うことができる。次いで、ウエハの回路面の反対面(裏面)を研削する。研削法は特に限定はされず、グラインダーなどを用いた公知の手段で研削してもよい。裏面研削時には、表面の回路を保護するために回路面に、表面保護シートと呼ばれる粘着シートを貼付する。裏面研削は、ウエハの回路面側(すなわち表面保護シート側)をチャックテーブル等により固定し、回路が形成されていない裏面側をグラインダーにより研削する。ウエハの研削後の厚みは特に限定はされないが、通常は50~500μm程度である。
[0130]
 その後、必要に応じ、裏面研削時に生じた破砕層を除去する。破砕層の除去は、ケミカルエッチングや、プラズマエッチングなどにより行われる。
[0131]
 回路形成および裏面研削に次いで、ウエハの裏面に樹脂膜形成用シート積層体の樹脂膜形成層を貼付する。貼付方法は特に限定されず、例えば、図1に示す工程で、樹脂膜形成層を半導体ウエハに貼付する。
[0132]
 図1(a)~(d)は、樹脂膜形成用シート10を半導体ウエハ32に貼り付ける作業を行う一連の工程図である。図1(a)に示すように、樹脂膜形成用シート積層体100は、剥離シート13がキャリアフィルムの役割を果たしており、2つのロール62及び66と、ピールプレート64とに支持されながら、その一端が円柱状の巻芯44に接続された状態で巻回され第1のロール42を形成し、他端が円柱状の巻芯54に接続された状態で巻回され第2のロール52を形成している。そして、第2のロール52の巻芯54には、当該巻芯54を回転させるための巻芯駆動用モータ(図示せず)が接続されており、樹脂膜形成用シート10が剥離された後の剥離シート13が所定の速度で巻回されるようになっている。
[0133]
 まず、巻芯駆動用モータが回転すると、第2のロール52の巻芯54が回転し、第1のロール42の巻芯44に巻回されている樹脂膜形成用シート100から樹脂膜形成用シート10が第1のロール42の外部に引き出される。そして、引き出された樹脂膜形成用シート10は、移動式のステージ上に配置された円板状の半導体ウエハ32及びそれを囲むように配置されたリングフレーム34上に導かれる。
[0134]
 次に、剥離シート13から、樹脂膜形成用シート10が剥離される。このとき、図1(a)に示すように、樹脂膜形成用シート10の剥離シート13側からピールプレート64が当てられている。本発明においては樹脂膜形成用シート10の外周部における、剥離シートの剥離力とSUSに対する粘着力が所定範囲であるため、樹脂膜形成用シートの繰り出しが容易である。また、図1(b)に示すように、切込部D1が形成されている場合には、剥離シート13はピールプレート64側へ切込部D1を起点に折り曲げられ、剥離シート13と樹脂膜形成用シート10との間に剥離起点が容易に作り出されることとなる。更に、剥離起点がより効率的に作り出されるように、剥離シート13と樹脂膜形成用シート10との境界面にエアを吹き付けてもよい。その結果、樹脂膜形成用シート10の繰り出しがさらに容易になる。
[0135]
 次いで、図1(c)に示すように、樹脂膜形成用シート10がリングフレーム34及び半導体ウエハ32と密着するように、樹脂膜形成用シート10の貼り付けが行われる。このとき、ロール68によって樹脂膜形成用シート10は半導体ウエハ32に圧着されることとなる。そして、図1(d)に示すように、半導体ウエハ32上への樹脂膜形成用シート10の貼り付けが完了し、樹脂膜形成用シート付半導体ウエハが得られる。
[0136]
 以上のような手順により、半導体ウエハ32への樹脂膜形成用シート10の貼り付けを、自動化された工程で連続して行うことができる。このような半導体ウエハ32への樹脂膜形成用シート10の貼り付け作業を行う装置としては、例えば、リンテック(株)製のRAD-2500(商品名)等が挙げられる。
[0137]
 そして、このような工程により、樹脂膜形成用シート10を半導体ウエハ32に貼り付ける場合、本発明に係る、所望の物性を有する樹脂膜形成用シート積層体を用いることにより、樹脂膜形成用シート10の外周がピールプレートの先端に到達した際に、厚い剥離シートであっても、樹脂膜形成用シートが外周部において剥離シートから剥離し、繰り出される。その結果、繰り出した樹脂膜形成用シートの支持シート同士または樹脂膜形成層同士が重なり合う方向に折れ曲がって密着したり、樹脂膜形成用シートが剥離シートに転着するという問題を防止できる。
[0138]
 樹脂膜形成層が室温ではタック性を有しない場合は適宜加温してもよい(限定するものではないが、40~80℃が好ましい)。
[0139]
 また、樹脂膜形成層にエネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)が配合されている場合には、樹脂膜形成層に支持シート側からエネルギー線を照射し、樹脂層形成層を予備的に硬化し、樹脂膜形成層の凝集力を上げ、樹脂膜形成層と支持シートとの間の接着力を低下させておいてもよい。
[0140]
 その後、ダイシングソーなどの切断手段を用いて、上記の半導体ウエハを切断し半導体チップを得る。この際の切断深さは、半導体ウエハの厚みと、樹脂膜形成層の厚みとの合計およびダイシングソーの磨耗分を加味した深さにする。
 なお、エネルギー線照射は、半導体ウエハの貼付後、半導体チップの剥離(ピックアップ)前のいずれの段階で行ってもよく、たとえばダイシングの後に行ってもよく、また下記のエキスパンド工程の後に行ってもよいが、半導体ウエハの貼付後であってダイシング前に行うことが好ましい。さらにエネルギー線照射を複数回に分けて行ってもよい。
[0141]
 次いで必要に応じ、樹脂膜形成用シートのエキスパンドを行うと、半導体チップ間隔が拡張し、半導体チップのピックアップをさらに容易に行えるようになる。この際、樹脂膜形成層と支持シートとの間にずれが発生することになり、樹脂膜形成層と支持シートとの間の接着力が減少し、半導体チップのピックアップ性が向上する。このようにして半導体チップのピックアップを行うと、切断された樹脂膜形成層を半導体チップ裏面に固着残存させて支持シートから剥離することができる。
[0142]
 次いで樹脂膜形成層を介して半導体チップを、リードフレームのダイパッド上または別の半導体チップ(下段チップ)表面に載置する(以下、チップが搭載されるダイパッドまたは下段チップ表面を「チップ搭載部」と記載する)。
[0143]
 載置するときの圧力は、通常1kPa~200MPaである。また、チップ搭載部は、半導体チップを載置する前に加熱するか載置直後に加熱されてもよい。加熱温度は、通常は80~200℃、好ましくは100~180℃であり、加熱時間は、通常は0.1秒~5分、好ましくは0.5秒~3分である。
[0144]
 半導体チップをチップ搭載部に載置した後、必要に応じさらに加熱を行ってもよい。この際の加熱条件は、上記加熱温度の範囲であって、加熱時間は通常1~180分、好ましくは10~120分である。
[0145]
 また、載置後の加熱処理は行わずに仮接着状態としておき、パッケージ製造において通常行われる樹脂封止での加熱を利用して樹脂膜形成層を硬化させてもよい。このような工程を経ることで、樹脂膜形成層が硬化し、半導体チップとチップ搭載部とが強固に接着された半導体装置を得ることができる。樹脂膜形成層はダイボンド条件下では流動化しているため、チップ搭載部の凹凸にも十分に埋め込まれ、ボイドの発生を防止でき半導体装置の信頼性が高くなる。
[0146]
 また、第2の本発明に係る半導体装置の製造方法は、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層を貼付し、その後、裏面に樹脂膜を有する半導体チップを得ることが好ましい。該樹脂膜は、半導体チップの保護膜である。また、本発明に係る半導体装置の製造方法は、好ましくは、以下の工程(1)~(3)をさらに含み、工程(1)~(3)を任意の順で行うことを特徴としている。
 工程(1):樹脂膜形成層または樹脂膜と、支持シートとを剥離、
 工程(2):樹脂膜形成層を硬化し樹脂膜を得る、
 工程(3):半導体ウエハと、樹脂膜形成層または樹脂膜とをダイシング。
[0147]
 まず、半導体ウエハの裏面に、樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層を貼付する。当該工程は、上記第1の半導体装置の製造方法における貼付工程と同様である。
[0148]
 その後、工程(1)~(3)を任意の順で行う。例えば、工程(1)~(3)を工程(1)、(2)、(3)の順、工程(2)、(1)、(3)の順、工程(2)、(3)、(1)の順、工程(3)、(2)、(1)の順、または工程(3)、(1)、(2)の順のいずれかの順序で行う。このプロセスの詳細については、特開2002-280329号公報に詳述されている。一例として、工程(1)、(2)、(3)の順で行う場合について説明する。
[0149]
 まず、表面に回路が形成された半導体ウエハの裏面に、樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層を貼付する。次いで樹脂膜形成層から支持シートを剥離し、半導体ウエハと樹脂膜形成層との積層体を得る。
 次いで樹脂膜形成層を硬化し、ウエハの全面に樹脂膜を形成する。樹脂膜形成層に、エポキシ接着剤を含む場合には、熱硬化により樹脂膜形成層を硬化する。エネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)が配合されている場合には、樹脂膜形成層の硬化を、エネルギー線照射により行うことができ、エポキシ接着剤と、エネルギー線硬化性化合物(B)やエネルギー線硬化型重合体(AB)とを併用する場合には、加熱およびエネルギー線照射による硬化を同時に行ってもよく、逐次的に行ってもよい。照射されるエネルギー線としては、紫外線(UV)または電子線(EB)等が挙げられ、好ましくは紫外線が用いられる。この結果、ウエハ裏面に硬化樹脂からなる樹脂膜が形成され、ウエハ単独の場合と比べて強度が向上するので、薄くなったウエハの取扱い時の破損を低減できる。また、ウエハやチップの裏面に直接樹脂膜用の塗布液を塗布・被膜化するコーティング法と比較して、樹脂膜の厚さの均一性に優れる。
[0150]
 その後、半導体ウエハと樹脂膜との積層体を、ウエハ表面に形成された回路毎にダイシングする。ダイシングは、ウエハと樹脂膜をともに切断するように行われる。ウエハのダイシングは、ダイシングシートを用いた常法により行われる。この結果、裏面に樹脂膜を有する半導体チップが得られる。
[0151]
 次いで、樹脂膜にレーザー印字することもできる。レーザー印字はレーザーマーキング法により行われ、レーザー光の照射により保護膜の表面を削り取ることで保護膜に品番等をマーキングする。なお、レーザー印字は、樹脂膜形成層を硬化させる前に行うこともできる。
[0152]
 最後に、ダイシングされたチップをコレット等の汎用手段によりピックアップすることで、裏面に樹脂膜を有する半導体チップが得られる。そして、半導体チップをフェースダウン方式で所定の基台上に実装することで半導体装置を製造することができる。また、裏面に樹脂膜を有する半導体チップを、ダイパッド部または別の半導体チップなどの他の部材上(チップ搭載部上)に接着することで、半導体装置を製造することもできる。このような本発明によれば、厚みの均一性の高い樹脂膜を、チップ裏面に簡便に形成でき、ダイシング工程やパッケージングの後のクラックが発生しにくくなる。
[0153]
 なお、半導体ウエハの裏面に、樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層を貼付した後、工程(3)を工程(1)の前に行う場合、樹脂膜形成用シートがダイシングシートとしての役割を果たすことができる。つまり、ダイシング工程の最中に半導体ウエハを支持するためのシートとして用いることができる。この場合、樹脂膜形成用シートの内周部に樹脂膜形成層を介して半導体ウエハが貼着され、樹脂膜形成用シートの外周部がリングフレーム等の他の治具と接合することで、半導体ウエハに貼付された樹脂膜形成用シートが装置に固定され、ダイシングが行われる。
[0154]
 また、工程(3)、(1)、(2)の順で行う場合には、裏面に樹脂膜形成層を有する半導体チップをフェースダウン方式で所定の基台上に実装後、パッケージ製造において通常行われる樹脂封止での加熱を利用して樹脂膜形成層を硬化させることもできる。
実施例
[0155]
 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明において採用した測定、評価方法は次のとおりである。
[0156]
<剥離力>
 引張試験機(島津製作所製オートグラフAG-IS)を用い、樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力を、引張速度300mm/分、Tピール法、温度/湿度=23℃/50%RHの条件で測定した。
[0157]
<粘着力>
 樹脂膜形成用シートの外周部を15mm×25mmに裁断して試料とし、SUS(ステンレス板)に貼付した。次いで、引張試験機(島津製作所製オートグラフAG-IS)を用い、JIS Z0237:2009に準拠し、試料の粘着力を、引張速度300mm/分、180°ピール法、温度/湿度=23℃/50%RHの条件で測定した。
[0158]
<支持シート同士または樹脂膜形成層同士の密着および剥離シートへの転着>
 支持シート同士または樹脂膜形成層同士の密着(以下、密着評価)および剥離シートへの転着(以下、転着評価)は以下のように行った。
 樹脂膜形成用シート積層体から剥離シートを除去する際に、樹脂膜形成用シートの支持シート同士または樹脂膜形成層同士が重なり合う方向に折れ曲がって密着したり、樹脂膜形成用シートが剥離シートに転着するか否かを目視にて確認した。
[0159]
積層用粘着剤及び固定用粘着剤の調製
 アクリル系重合体(2-エチルヘキシルアクリレート/メチルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレート=80/10/10(質量比)、重量平均分子量:80万)を主原料とし、該主原料の固形分100質量部に対して、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネート1質量部を添加したメチルエチルケトン(MEK)溶液(固形分濃度25%)を調整し、積層用粘着剤とした。
 また、固定用粘着剤として、積層用粘着剤と同じものを用意した。
[0160]
支持シートAの作製
 支持シートを構成する基材として、ポリオレフィン基材(厚さ:80μm)を用意した。
 また、アクリル系重合体(ラウリルアクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレート=80/20(質量比)、重量平均分子量:80万)に、該アクリル系重合体100g当たり21.4g(アクリル系重合体の2-ヒドロキシエチルアクリレート単位100モル当たり80モル)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させてエネルギー線硬化型重合体(重量平均分子量:70万)を得た。
[0161]
 エネルギー線硬化型重合体の固形分100質量部に対して、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネート8質量部、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン3質量部を添加したMEK溶液(固形分濃度25%)を調整し、支持シートAの粘着剤層を形成するための粘着剤を得た。
[0162]
 次いで、上記の粘着剤を剥離処理したPETフィルム(厚さ:50μm)の剥離処理面上に、粘着剤層の厚みが10μmとなるように塗工した。
 その後、基材と粘着剤層とを貼り合せ、支持シートAを得た。
[0163]
支持シートBの作製
 支持シートを構成する基材として、ポリオレフィン基材(厚さ:70μm)を用意した。
 また、アクリル系重合体(2-エチルヘキシルアクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレート=80/20(質量比)、重量平均分子量:80万)に、該アクリル系重合体100g当たり13.4g(アクリル系重合体の2-ヒドロキシエチルアクリレート単位100モル当たり50モル)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させてエネルギー線硬化型重合体(重量平均分子量:80万)を得た。
[0164]
 エネルギー線硬化型重合体の固形分100質量部に対して、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネートと、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オンと、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンをそれぞれ1質量部添加したMEK溶液(固形分濃度25%)を調整し、支持シートBの粘着剤層を形成するための粘着剤を得た。
[0165]
 次いで、上記の粘着剤を剥離処理したPETフィルム(厚さ:50μm)の剥離処理面上に、粘着剤層の厚みが30μmとなるように塗工した。
 その後、基材と粘着剤層とを貼り合せ、支持シートBを得た。
[0166]
樹脂膜形成用組成物の調製
 アクリル系重合体(ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルアクリレート=55/10/20/15(質量比)、重量平均分子量:80万)15質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本触媒BPA328)25質量部、トリフェニレン型エポキシ樹脂(日本化薬EPPN-502H)25質量部、フェノール樹脂(昭和高分子BRG556)34質量部及びイミダゾール系化合物(四国化成2PHZ-PW)1質量部からなる樹脂膜形成用組成物を調整した。
[0167]
(実施例1)
治具接着層の作製
 長尺の剥離シートとして、剥離処理したPETフィルム(厚さ:50μm)を用意した。
 積層用粘着剤を上記剥離シートの剥離処理面上に、積層用粘着剤層の厚みが5μmとなるように塗工した。次いで、積層用粘着剤層と芯材(ポリプロピレン基材、厚さ:40μm)とを貼り合せた。
[0168]
 上記と同様の手順により、別の剥離シートの剥離処理面上に、厚みが5μmの固定用粘着剤層を形成し、上記の芯材に貼り合せ、剥離シート、積層用粘着剤層、芯材、固定用粘着剤層、剥離シートがこの順に積層された積層体(治具接着層用積層体)を得た。
[0169]
樹脂膜形成用シート積層体の製造
 治具接着層用積層体から、積層用粘着剤層側の剥離シートを除去し、積層用粘着剤層側から、直径330mmの円形に型抜きを行った。型抜きは、積層用粘着剤層、芯材、固定用粘着剤層を完全に切り込み、固定用粘着剤層側の剥離シートに30μm切り込むように行った。つまり、切込深さd3が30μmの切込部D3を形成した。
[0170]
 その後、円形に切り込んだ積層用粘着剤層、芯材、固定用粘着剤層からなる積層体を除去し、円形の内部開口を形成し、剥離シート上に治具接着層を作製した。
[0171]
 また、上記の樹脂膜形成用組成物を剥離処理したPETフィルム(厚さ:50μm)の剥離処理面上に、樹脂膜形成層の厚みが20μmとなるように塗工した。
 その後、樹脂膜形成層と、上記で得られた支持シートAの粘着剤層とを貼り合せ、支持シートAと樹脂膜形成層とからなる積層体を得た。
[0172]
 次いで、剥離シート上の治具接着層に、支持シートAと樹脂膜形成層とからなる積層体の樹脂膜形成層を貼付し、剥離シート上に樹脂膜形成用シートを形成した。
[0173]
 最後に、治具接着層の円形の内部開口と同心円状に、直径370mmの円形に樹脂膜形成用シートを型抜きし、不要部分を除去して、第3の態様の樹脂膜形成用シート積層体を得た。型抜きは、樹脂膜形成用シートを完全に切り込み、剥離シートに30μm切り込むように行った。つまり、切込深さd1が30μmの切込部D1を形成した。この樹脂膜形成用シート積層体を用いて各評価を行った。結果を表1に示す。
[0174]
(実施例2)
 切込部D1の切込深さを35μmとしたこと以外は実施例1と同様にして樹脂膜形成用シート積層体を得、各評価を行った。結果を表1に示す。
[0175]
(実施例3)
樹脂膜形成用シート積層体の製造
 長尺の剥離シートとして、剥離処理したPETフィルム(厚さ:50μm)を用意した。
 上記の樹脂膜形成用組成物を剥離シートの剥離処理面上に、樹脂膜形成層の厚みが20μmとなるように塗工し、別の剥離シート(PETフィルム、厚さ:50μm)を樹脂膜形成層に積層した。
[0176]
 次いで、一方の剥離シートを除去し、直径330mmの円形に樹脂膜形成層を型抜きした。型抜きは、樹脂膜形成層を完全に切り込み、剥離シートに30μm切り込むように行った。つまり、切込深さd2が30μmの切込部D2を形成した。その後、残余の樹脂膜形成層を除去し、剥離シート上に円形の樹脂膜形成層を得た。
[0177]
 そして、剥離シート上の樹脂膜形成層に、支持シートAの粘着剤層を貼付し、剥離シート上に樹脂膜形成用シートを形成した。
[0178]
 最後に、円形の樹脂膜形成層と同心円状に、直径370mmの円形に樹脂膜形成層を型抜きし、不要部分を除去して、第1の態様の樹脂膜形成用シート積層体を得た。型抜きは、樹脂膜形成用シートを完全に切り込み、剥離シートに30μm切り込むように行った。つまり、切込深さd1が30μmの切込部D1を形成した。この樹脂膜形成用シート積層体を用いて各評価を行った。結果を表1に示す。
[0179]
(実施例4)
 切込部D1の切込深さを35μmとしたこと以外は実施例3と同様にして樹脂膜形成用シート積層体を得、各評価を行った。結果を表1に示す。
[0180]
(比較例1)
 支持シートAの代わりに、支持シートBを用いたこと以外は実施例3と同様にして樹脂膜形成用シート積層体を得、各評価を行った。結果を表1に示す。
[0181]
(比較例2)
 支持シートAの代わりに、支持シートBを用いたこと以外は実施例4と同様にして樹脂膜形成用シート積層体を得、各評価を行った。結果を表1に示す。
[0182]
[表1]


符号の説明

[0183]
 100:樹脂膜形成用シート積層体
 10:樹脂膜形成用シート
 11:支持シート
 12:樹脂膜形成層
 13:剥離シート
 D1:切込部
 D2:切込部
 D3:切込部
 

請求の範囲

[請求項1]
 支持シートと樹脂膜形成層とを含む樹脂膜形成用シートの樹脂膜形成層上に剥離シートを積層してなり、
 樹脂膜形成用シートの外周部における、剥離シートの剥離力が0.05N/25mm以下であり、
 樹脂膜形成用シートの外周部における、SUSに対する粘着力が1.0N/25mm以下である樹脂膜形成用シート積層体。
[請求項2]
 剥離シートには、樹脂膜形成層側の面から樹脂膜形成用シートの外周に沿って切込部が形成されており、
 切込部の切込深さが剥離シートの厚さの1/2超である請求項1に記載の樹脂膜形成用シート積層体。
[請求項3]
 剥離シートの厚さが50μm以上である請求項1または2に記載の樹脂膜形成用シート積層体。
[請求項4]
 剥離シートには、樹脂膜形成層側の面から樹脂膜形成用シートの外周に沿って切込部が形成されており、
 切込部の切込深さが25μm超である請求項3に記載の樹脂膜形成用シート積層体。
 

図面

[ 図 1a]

[ 図 1b]

[ 図 1c]

[ 図 1d]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]