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1. (WO2015146149) 液状樹脂組成物、硬化物、配線構造体及びこの配線構造体を用いた実装体
Document

明 細 書

発明の名称 液状樹脂組成物、硬化物、配線構造体及びこの配線構造体を用いた実装体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116  

産業上の利用可能性

0117  

符号の説明

0118  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4   5   6  *   7   8   9   10  *   11  *  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9A   9B   9C   10A   10B   10C   10D   10E   11A   11B   12A   12B   13A   13B   14A   14B   15A   15B   15C   15D   16A   16B   17A   17B   18  

明 細 書

発明の名称 : 液状樹脂組成物、硬化物、配線構造体及びこの配線構造体を用いた実装体

技術分野

[0001]
 本発明は、携帯端末等の各種電子機器を実装するために用いられる配線構造体や、この配線構造体に半導体等が実装されて構成された実装体、およびこれらに用いられる液状樹脂組成物とその硬化物に関する。

背景技術

[0002]
 図18は、従来の回路基板10の断面図である。リードフレームで形成された配線20が樹脂30に埋め込まれて回路基板10が構成されている。また必要に応じて、回路基板10の裏面には放熱用の金属板40が取り付けられる(例えば、特許文献1)。
[0003]
 回路基板10では、配線20を構成する金属材料として、柔軟性に優れたタフピッチ銅やフレキシブル配線基板用の配線材料が使われている。それにも関わらず、回路基板10の柔軟性は充分ではない。
[0004]
 また、回路基板10において金属板40を除去した場合、回路基板10を薄くすることができる。しかしながら金属40を除去した状態で、樹脂30の熱膨張係数を半導体に近づけるために樹脂30中に含まれるセラミック充填剤の充填率を高めると、回路基板10の柔軟性が低下する。その結果、回路基板10は、曲げようとすると簡単に折れる可能性がある。
[0005]
 一方、市場からは、ウエハーレベルチップサイズパッケージ等が求められている。このようなパッケージ用途に使われる液状樹脂組成物の硬化物、回路基板等においては、薄くした際の低熱膨張係数と共に、一定以上の剛性やある程度の柔軟性が重要である。このような用途として、ウエハーレベルチップサイズパッケージが提案されている(例えば、特許文献2)。
[0006]
 このような目的のために、シリコーン変性液状エポキシ樹脂と、液状ポリフェノールと、硬化促進剤と、無機フィラーとを含む液状封止樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3)。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 国際公開第2010/098066号
特許文献2 : 特開2009-97013号公報
特許文献3 : 特開2003-292572号公報

発明の概要

[0008]
 本発明は、低応力性、高接着性の優れた特性を有する液状樹脂組成物を提供する。この液状樹脂組成物の硬化物は、優れた柔軟性と、実装時に要求される一定以上の硬度(剛性)とを共に有する。そのため、この液状樹脂組成物は、ウエハーレベルチップサイズパッケージ等に対応できる。
[0009]
 本発明の一形態による液状樹脂組成物は、液状エポキシ樹脂と、液状硬化剤と、硬化促進剤と、セラミック充填剤とを含む。液状エポキシ樹脂は、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂を含む。液状硬化剤は、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有する。液状エポキシ樹脂における第1エポキシ樹脂の割合は30質量%以上、70質量%以下である。セラミック充填剤の平均粒径は50μm以下で、液状樹脂組成物におけるセラミック充填剤の割合は50質量%以上、90質量%以下である。液状樹脂組成物の25℃における粘度は100Pa・s以下である。このように粘度が低いため、各種細部への充填性に優れる。
[0010]
 本発明の他の一形態による硬化物は、上述の液状樹脂組成物の硬化物であって、そのガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、25℃における弾性率が20GPa以下である。この硬化物は柔軟性を有するため、この硬化物を含む配線構造体、あるいはこの配線構造体の一種である配線基板の信頼性は高い。
[0011]
 本発明の他の一形態による硬化物は、上述の液状樹脂組成物の硬化物であって、そのガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、25℃におけるショアD硬度が40以上である。この硬化物は半導体実装に必要な剛性を有するので、この硬化物を含む線構造体や配線基板の信頼性は高い。
[0012]
 本発明の他の一形態による配線構造体は、上述の液状樹脂組成物の硬化物と、金属配線とを有する。金属配線の一部はこの硬化物と密着している、または硬化物に埋設されている。硬化物のガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、硬化物の25℃における弾性率は20GPa以下である。このコアレスインターポーザーの厚みを0.2mm以下、さらに0.1mm以下、50μm以下のように薄くした場合であっても折れにくく、半導体実装に適している。
[0013]
 本発明の他の一形態による実装体は、配線構造体と、この配線構造体に実装された半導体とを有する。配線構造体は、上述の液状樹脂組成物の硬化物と、金属配線とを有する。金属配線の一部はこの硬化物と密着している、または硬化物に埋設されている。硬化物のガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、硬化物の25℃における弾性率は20GPa以下である。この配線構造体の厚みを2.0mm以下、さらに1.0mm以下、0.5mm以下のように薄くした場合であっても折れにくい。
[0014]
 本発明の液状樹脂組成物の粘度は低いため、微細なリードフレーム等で構成された配線部の隅々に回り込み、優れた密着性を有する。この液状樹脂組成物を用いた硬化物、配線構造体及び実装体は、各種携帯端末の高性能化、高信頼性化を実現することができる。
[0015]
 さらに、本発明の液状樹脂組成物を用いて形成した硬化物や配線構造体は、優れたフレキシブル性を有している。このようなフレキシブル性は、従来の半導体チップの実装用に用いるガラスエポキシ基板やビルドアップ基板や、これらの技術を用いたインターポーザーでは実現できない。そのため本発明の液状樹脂組成物を用いて形成した硬化物により、フレキシブル性を有する配線構造体を製造できる。そしてこの配線構造体を用いることで、従来のガラスエポキシプリント基板やビルドアップ基板では実現できなかったフレキシブル性を有するインターポーザーを実現することができる。
[0016]
 さらに、本発明の液状樹脂組成物を用いて形成した配線構造体を、半導体チップの実装用に用いるインターポーザーとすることでコアレスインターポーザーを実現できる。ここでコアレスインターポーザーとは、従来の半導体チップの実装に用いているガラスエポキシ基板やビルドアップ基板や、これらの技術を用いてなるコア基板を削除できることを意味する。
[0017]
 なお従来より、フレキシブル基板として、ポリイミドフィルムや銅箔を用いたフレキシブル配線基板が市販されている。このような従来のフレキシブル基板では、ガラスエポキシ基板等に比べて、実装時の反りの発生は少ない。しかしながら、剛性や腰(曲がりにくさ)が無いため、剛性を有する保持基板無しに単独ではインターポーザーとして用いることが難しい。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の中に含まれるセラミック充填剤の充填率と、液状樹脂組成物の粘度との関係の一例を示す図
[図2] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率と、硬化物の熱膨張係数との関係の一例を示す図
[図3] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率と、硬化物のショアD硬度との関係の一例を示す図
[図4] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率と、硬化物の弾性率との関係の一例を示す図
[図5] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂の割合と、硬化物のゲル時間との関係の一例を示す図
[図6] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂の割合と、硬化物のガラス転移温度との関係の一例を示す図
[図7] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂の割合と、硬化物のショアD硬度との関係の一例を示す図
[図8] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂の割合と、硬化物の弾性率との関係の一例を示す図
[図9A] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を用いた配線構造体(コアレスインターポーザー)の一例を示す斜視図
[図9B] 図9Aに示す配線構造体の弾性率の評価方法を示す側面図
[図9C] 図9Cは、図9Bに示す配線構造体に代えて評価サンプルを用いた、弾性率の評価方法を示す側面図
[図10A] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を樹脂基板上に形成して評価サンプルを作製する様子を示す図
[図10B] 図10Aに示す方法で作製したサンプルの評価方法を示す図
[図10C] 図10Bに示す測定サンプルの評価時の状態を示す図
[図10D] 図10Bに示す測定サンプルの上面図
[図10E] 図10Bに示す測定サンプルの側面図
[図11A] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を樹脂基板上に形成したサンプルAの写真を示す図
[図11B] 図11Aに示す写真の模式図
[図12A] 本発明の実施の形態とは異なる液状樹脂組成物の硬化物を樹脂基板上に形成したサンプルaの写真を示す図
[図12B] 図12Aに示す写真の模式図
[図13A] 本発明の実施の形態とは異なる液状樹脂組成物の硬化物を樹脂基板上に形成したサンプルbの写真を示す図
[図13B] 図13Aに示す写真の模式図
[図14A] 図10Aに示す方法で作製した評価サンプルの試験方法を説明するための図
[図14B] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を樹脂基板上に形成したサンプルAおよび本発明の実施の形態とは異なる液状樹脂組成物の硬化物を樹脂基板上に形成したサンプルa~eの写真を示す図
[図15A] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を金属板上に形成して評価サンプルを作製する様子を示す図
[図15B] 図15Aの断面図
[図15C] 図15Aに示す方法で作製した評価サンプルの硬化前の上面図
[図15D] 図15Cに示す評価サンプルの硬化後の断面図
[図16A] 本発明の実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を金属板上に形成した評価サンプルの上面図
[図16B] 図16Aに示す評価サンプルの評価方法について説明する図
[図17A] サンプルAの写真を示す図
[図17B] 図17Aの模式図
[図18] リードフレーム等を樹脂に埋め込んで形成された従来の回路基板の断面図

発明を実施するための形態

[0019]
 本発明の実施の形態の説明に先立ち、従来の封止樹脂組成物における課題を簡単に説明する。特許文献3に開示された従来の封止樹脂組成物は、低応力性、接着性に優れている。その反面、シリコーン変性エポキシ樹脂の反応性が低いため、硬化中に樹脂が滲み出し、半導体装置の接続端子を汚染する。
[0020]
 以下、本発明の実施の形態による液状樹脂組成物について説明する。この液状樹脂組成物は、少なくとも、液状エポキシ樹脂と、液状硬化剤と、硬化促進剤と、セラミック充填剤とを含む未硬化の液状樹脂組成物である。エポキシ樹脂や硬化物として、室温(25℃)において液状の材料を用いることで、液状樹脂組成物の室温(25℃)における粘度を低くすることができる。
[0021]
 具体的には、液状エポキシ樹脂は、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂を含む。液状硬化剤は、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有する。液状エポキシ樹脂における第1エポキシ樹脂の割合は30質量%以上、70質量%以下である。セラミック充填剤の平均粒径は50μm以下で、液状樹脂組成物におけるセラミック充填剤の割合は50質量%以上、90質量%以下である。この液状樹脂組成物の25℃における粘度は、100Pa・s以下である。液状樹脂組成物がこのような粘度を有することで、金属板や金属配線等、各部の隅々にまで液状樹脂組成物を浸透させ、密着性を高めることができる。
[0022]
 次に、図1~図4を参照しながら、液状樹脂組成物中に含まれるセラミック充填剤の最適化について説明する。図1~図4において、線110は、黒丸で示した実測値を元にした漸近線の一例を示す。
[0023]
 図1は、液状樹脂組成物の中に含まれるセラミック充填剤の充填率と、液状樹脂組成物の粘度との関係の一例を示す図である。X軸は液状樹脂組成物中に含まれるセラミック充填剤の含有率(質量%)、Y軸は液状樹脂組成物の粘度(Pa・s)を示す。当然ながら、セラミック充填剤の含有率以外の条件は一定である。
[0024]
 図1から、セラミック充填剤の割合が増加するほど、液状樹脂組成物の粘度が増加することがわかる。液状樹脂組成物の粘度は、25℃において、100Pa・s以下であり、さらには50Pa・s以下、20Pa・s以下、10Pa・s以下と低くすることが好ましい。粘度が低いほど、液状樹脂組成物は金属配線等へ充填されやすくなる。但し、粘度が1Pa・s未満の場合、液状樹脂組成物に添加する充填材が沈降しやすく、充填材の量を50質量%以上とすることが難しい場合がある。
[0025]
 なお、25℃での粘度を100Pa・s以下にするために、エポキシ系希釈剤や有機溶剤を液状樹脂組成物に添加してもよい。有機溶剤として、例えばグリコールエーテル類、アルコール類、ケトン類を用いることができる。グリコールエーテル類として、例えばジエチルジグリコール、ジブチルジグリコール、ジメチルプロピレンジグリコールを用いることができる。これらのグリコールエーテル類を3~8質量%添加することによって液状樹脂組成物の25℃での粘度を1~10Pa・s程度に低下させることができる。これらの有機溶剤やエポキシ系希釈剤は、単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
[0026]
 なおエポキシ系希釈剤や有機溶剤の、液状樹脂組成物への添加量は10質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは5質量%以下である。液状樹脂組成物が硬化する際には、これらの成分が蒸発する。そのため、添加量が10質量%を超えると、液状樹脂組成物の硬化物中にボイドが発生し、信頼性に影響を及ぼす虞がある。
[0027]
 なお、粘度の測定には、JIS Z 8803の「液体の粘度-測定方法」や、JIS K7117―1、K7117-2を適用する。実用的には、B型またはE型粘度計と呼ばれる、市販の単一円筒型回転粘度計または円錐平板型回転粘度計を用いて、その測定装置で測定できる範囲の低いズリ速度域で測定すればよい。
[0028]
 セラミック充填剤の平均粒径は、50μm以下、さらには30μm以下、20μm以下とすることが好ましい。セラミック充填剤の平均粒径が50μmより大きくなると、液状樹脂組成物が硬化してなる硬化物中のボイド(空隙と呼ばれることがある)が増加し、絶縁信頼性が影響を受ける場合がある。また、液状樹脂組成物の流動性が低下し、配線と配線との間の微細部分への充填性が低下する。
[0029]
 一方、セラミック充填材の平均粒径は、0.1μm以上であることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満の場合、BET値が大きくなりすぎ、液状樹脂組成物の25℃での粘度が100Pa・s以上になる。
[0030]
 また分級したセラミック充填剤を用いることで、セラミック充填剤中に混入している、寸法の大きなセラミック充填剤を予め除去しておくことができる。分級したセラミック充填剤を用いる場合は、トップカット粒径を5m以下、さらには75μm以下とすることで、寸法の大きなセラミック充填剤を予め除去することができる。
[0031]
 たとえば、セラミック充填剤のへ平均粒径を50μm以下、さらにセラミック充填剤のトップカット粒径を75μm以下とすることが好ましい。
[0032]
 さらに好ましくは、セラミック充填剤の平均粒径を50μm以下、さらにセラミック充填剤のトップカット粒径を54μm以下とすることが好ましい。セラミック充填剤の平均粒径を小さくし、トップカット粒径を小さくすることで、液状樹脂組成物の細部への充填性を高められる。
[0033]
 次に、図2を参照しながら、熱膨張係数(CTE1)の最適化について説明する。図2は、液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率(質量%)と、硬化物の熱膨張係数(ppm/K)との関係の一例を示す図である。X軸は、液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の含有率(質量%)、Y軸は、この硬化物の熱膨張係数を示す。図2からわかるように、セラミック充填剤の割合が増加するほど、硬化物の熱膨張係数が低下する。
[0034]
 硬化物の熱膨張係数は、半導体チップ(特にシリコンウエハ)の熱膨張係数に近いことが好ましい。一般に、エポキシ樹脂の硬化物の熱膨張係数は、65ppm/K~100ppm/Kと、半導体チップの熱膨張係数の数十倍である。液状樹脂組成物におけるセラミック充填剤の添加量を増やせば、硬化物の熱膨張係数を、30ppm/K以下、さらには15ppm/Kとすることができる。なおセラミック充填剤としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、シリカ(SiO )等を単独で用いても、これらから2種類以上を選択してブレンドして用いてもよい。アルミナの熱膨張係数は、約7.2ppm/K、窒化アルミニウムの熱膨張係数は、約4.6ppm/K、窒化珪素の熱膨張係数は、約2.6ppm/K、シリカの熱膨張係数は、約0.5~0.6ppm/Kである。なお熱膨張係数の測定は、JIS R1616-1994等を参考にすればよい。
[0035]
 なお液状樹脂組成物中に含まれるセラミック充填剤の含有率(質量%)は、50質量%以上、90質量%以下とする。セラミック充填剤の含有率が50%未満の場合、図1に示すように液状樹脂組成物の粘度は低くなるが、図2に示すように硬化物の熱膨張係数が大きくなる。その結果、半導体の実装用にマッチングしない場合がある。またセラミック充填剤の含有率が90質量%を超えると、図1に示すように、液状樹脂組成物の25℃における粘度が100Pa・s以上と高くなり、配線と配線との間の微細部分への充填性が低下する。
[0036]
 図3は、液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率(質量%)と、この硬化物のショアD硬度との関係の一例を示す図である。X軸は、液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の含有率(質量%)、Y軸は、この硬化物のショアD硬度を示す。図3からわかるように、セラミック充填剤の割合が増加するほど、硬化物のショアD硬度が増加する。
[0037]
 液状樹脂組成物の硬化後のショアD硬度は、40以上であることが好ましい。硬化後のショアD硬度が40未満の場合、配線構造体としての剛性が低下し、実装時の作業性や実装信頼性に影響を与える場合がある。なおショアD硬度は、60以下、さらには55以下とすることが望ましい。ショアD硬度が60を超えた場合、液状樹脂組成物の硬化物に反りやクラック等が発生する場合がある。
[0038]
 なおショアD硬度の測定は、JIS K 7215やISO868のショアD型の測定機を使えばよい。液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率は、ショアD硬度の観点からも、液状樹脂組成物全体の50質量%以上、90質量%以下とすることが好ましい。セラミック充填剤の割合が50質量%未満の場合、ショアD硬度が40未満となり、配線構造体に適用すると剛性が不足する。またセラミック充填剤の割合が90質量%より多いと、ショアD硬度が高くなり、柔軟性に問題が発生する場合がある。なおショア硬度は、測定数値が同じ場合でも、A、Dなどの測定機の違いにより、意味する硬度が異なる。本実施の形態ではショアD硬度を採用している。
[0039]
 図4は、液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の充填率(質量%)と、その硬化物の弾性率との関係の一例を示す図である。X軸は、液状樹脂組成物の硬化物中に含まれるセラミック充填剤の含有率(質量%)、Y軸は、硬化物の25℃における弾性率(単位はGPa)を示す。図4からわかるように、セラミック充填剤の割合が増加するほど、硬化物の弾性率が増加する。
[0040]
 液状樹脂組成物の硬化物の弾性率は、0.01GPa以上、さらには0.1GPa以上であることが好ましい。硬化物の弾性率が0.01GP未満の場合、配線構造体、あるいは配線基板に要求される剛性を満たさない場合がある。なお液状樹脂組成物の硬化物の弾性率は20GPa以下、さらには15GPa以下であることが好ましい。硬化物の弾性率が20GPaより大きい場合、硬化物の柔軟性が低下し、硬化物を曲げた場合に、硬化物中にクラック等が発生する場合がある。
[0041]
 なお弾性率の測定には、JIS K 6911や、JIS K 7161、K7162.7113等を参考にすればよい。なお液状樹脂組成物や、この液状樹脂組成物の硬化物を、半導体実装用の配線構造体、あるいは配線基板やインターポーザー等に用いる場合、弾性率は引張特性よりも、曲げ弾性率で評価する方が有用な場合がある。曲げ弾性率は、3元曲げ試験、あるいは3点曲げ試験によって測定することが好ましい。3元曲げ試験では、試験片の中央部を支持し、その両側に荷重をかける。3点曲げ試験では、試験片の両端部を支持し、中央に集中荷重をかける。
[0042]
 次に、液状エポキシ樹脂の中に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合について、図5~図8を参照しながら説明する。なお図5~図8において横軸の名称として、ポリアルキレングリコール量と書かれているが、横軸は液状エポキシ樹脂の中に含まれるポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合(質量%)を示している。
[0043]
 図5は、液状エポキシ樹脂の中に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合(質量%)と、硬化物のゲル時間(秒)との関係の一例を示す図である。図5からわかるように、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合が25質量%以上、さらに30質量%以上であれば、ゲル化時間は100秒以上、さらに200秒以上となり、液状エポキシ樹脂がゲル化する時間が急激に長くなる。このようにゲル化時間を長くすることで、液状樹脂組成物のポットライフが長くなる。なお、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合を75wt%より大きくすれば、ゲル化時間を1000秒以上とすることも可能である。しかしながら、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合が75質量%より大きくなると、取扱い性に問題が発生する場合がある。なおゲル時間の測定は、JIS K 7071のゲルタイムの測定等を参考にすることが好ましい。以上のように、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合は25質量%以上、75質量%以下とする。
[0044]
 図6は、液状エポキシ樹脂の中に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合(質量%)と、硬化物のガラス転移温度(Tg)との関係の一例を示す図である。図6からわかるように、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合が25質量%未満の場合、Tgが高くなる。その結果、硬化物の柔軟性が低下し、硬化物内部に内部応力が発生しやすくなる場合がある。またポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合が75質量%を超えると、Tgが低下しすぎる。そのため、取扱い性や寸法安定性に問題が発生する場合がある。
[0045]
 なおTgは、50℃以上、120℃以下であることが好ましい。Tgが50℃より低くなると、ショアD硬度が40未満に低下し、剛性や実装性が影響を受ける場合がある。またTgが120℃より高くなると、曲げ試験等で問題が発生する場合がある。以上のように、Tgの観点からも、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合は25質量%以上、75質量%以下が好ましい。
[0046]
 図7は、液状エポキシ樹脂の中に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合(質量%)と、硬化物のショアD硬度との関係の一例を示す図である。図7からわかるように、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合は75質量%以下であることが好ましい。この割合が75質量%を超えると、ショアD硬度が低下しすぎて、取扱い性や寸法安定性に問題が発生する場合がある。
[0047]
 図8は、液状エポキシ樹脂の中に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合(質量%)と、弾性率(Modulus)との関係の一例を示す図である。図8からわかるように、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合を25質量%以上とすることで、弾性率が配線構造体あるいは配線基板に適した値にまで低下する。また75質量%を超えると、弾性率が低下しすぎて、取扱い性や寸法安定性に問題が発生する場合がある。以上のように、弾性率の観点からも、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合は25質量%以上、75質量%以下が好ましい。
[0048]
 なお液状エポキシ樹脂としては、液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂と、液状のポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂を組み合わせることが好ましい。ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂とを併用することで、硬化物に耐熱性を付与することができる。
[0049]
 さらに上記液状エポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂とを有するエポキシ樹脂)に、液状硬化剤として、液状フェノール樹脂を用いる。
[0050]
 このように、液状エポキシ樹脂と、液状硬化剤とを組み合わせることで、樹脂全体の粘度が低くなる。樹脂全体の粘度が低下することにより、金属配線等の隙間の隅々まで、液状樹脂組成物を薄く塗り広げることができる。
[0051]
 液状フェノール樹脂は、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有する化合物(フェノール系硬化剤)を含有する。上述の液状エポキシ樹脂と、フェノール系硬化剤とを組合せることで、Tgが低くなるとともに、加水分解が起こりにくくなり、耐湿信頼性が高まる。なおフェノール系硬化剤は気化しにくいため、硬化剤成分が揮発し、硬化不良を起こすという問題が発生しにくい。
[0052]
 さらに液状樹脂組成物には、硬化促進剤や低弾性化材を加えることが好ましい。特に、低弾性化材を用いることで、硬化物の反りを押さえることができる。硬化促進剤として、例えばイミダゾールを用いることができる。低弾性化材として、シリコーン樹脂などのエラストマー成分あるいはゴム成分を含有する材料を用いることができる。
[0053]
 塗布対象物と樹脂との線膨張率差を極小化するか、樹脂の弾性率を低くして線膨張率と弾性率の積分で表される応力を極小化するか、のいずれかにより、反りを低減することができる。Tgより高い温度では、樹脂硬化物はゴム状領域にあって低弾性率体であるため、Tgを室温に近づけることは低弾性率化の極めて有効な手法である(例えば特開2006-232950号公報参照)。ただし、この方法によるとTgを境に2桁以上弾性率が低下するなど、弾性率の低下が著しく、制御が難しい場合がある。
[0054]
 このような問題に対しては、本実施の形態では、室温(25℃)での硬化物の弾性率を20GPa以下とすると共に、Tgを50℃以上、120℃以下としている。このように弾性率とTgとを制御することで、配線構造体に使う絶縁樹脂としての反り等の歪発生を抑制することができる。この結果、本実施の形態による液状樹脂組成物を用いることで、配線構造体(あるいは配線基板)としての信頼性のみならず、この配線構造体上(あるいは回路基板上)への半導体等の装着性や実装性を高められる。
[0055]
 なお、液状エポキシ樹脂は長鎖構造を有し、その分子量、特にポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の分子量は、500以上、1000以下であることが好ましい。分子量が500未満の場合、取扱いにくい場合がある。また液状硬化剤は、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有していることが好ましい。これは一般の固形フェノール樹脂(例えば、フェノールノボラック樹脂)に比べ、フェノール性水酸基を1分子中に数個有している液状硬化剤の場合、分子量が小さいため、硬化後のTgが低くなる。一方、分子量が1000を超えると、組成物が液状状態にならず、流動性を発揮しない場合がある。
[0056]
 なお液状エポキシ樹脂の中に含まれるポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合は、前述のように、25質量%以上、75質量%以下とすることが好ましい。ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂は、一般の液状エポキシ樹脂と比較して、分子量が大きく、長鎖構造となる。そのため、硬化物のTgが低くなる。なお液状樹脂中に含まれる、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合が75質量%を超えた場合、反応性が影響を受け、不均一な硬化物を形成する場合がある。また25質量%未満の場合、Tgを低下する効果が得られにくい場合がある。なお、このようなエポキシ樹脂としては、例えばCAS No.9072-62-02の、ポリ(2)ヒドロキシアルカン(C3)のグリシジルエーテル等が市販されている。
[0057]
 また、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000以下、さらには700以下、500以下とすることが望ましい。エポキシ当量が1000を超えた場合、すなわち、官能基濃度が低い場合、硬化剤との反応確率が低下し、硬化反応が影響を受ける場合がある。
[0058]
 またポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の粘度は、1000mPa・s以下であることが望ましい。粘度が1000mPa・sを超えると、液状樹脂組成物の粘度が100Pa・sより高くなる場合がある。
[0059]
 またポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂として、繰り返し構造nが、20以下のエポキシ樹脂を選ぶことが望ましい。繰り返し構造nが20を超えた場合、エポキシ樹脂の粘度が1000mPa・sを超えたり、液状樹脂組成物の粘度が100Pa・sより高くなったりする場合がある。
[0060]
 また液状硬化剤は、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有することが望ましく、さらには、活性水素量が100(g/eq)以上、200(g/eq)以下のフェノール硬化剤を用いることが望ましい。フェノール硬化剤として、活性水素量が100(g/eq)未満のものを用いた場合や、200(g/eq)より大きいフェノール硬化剤を用いた場合、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の反応確率や硬化反応に影響を与える場合がある。
[0061]
 さらに、フェノール系硬化剤の粘度は、1000mPa・s以下であることが望ましい。フェノール系硬化剤の粘度が、1000mPa・sを超えた場合、液状樹脂組成物の粘度が100Pa・sより高くなる場合がある。
[0062]
 また本実施の形態による液状樹脂組成物を、ガラスクロスや不織布等に含浸させることで、一種のプリプレグ、あるいは樹脂基板の原材料として供給することも可能である。
[0063]
 また液状樹脂組成物中に、硬化促進剤を添加することが好ましい。硬化促進剤は、イミダゾール化合物を含むことが好ましい。液状樹脂組成物中に、硬化促進剤を加えない場合、150℃で数時間以上の加熱時間が必要となる。また液状樹脂組成物中に、硬化促進剤を加えない場合、たとえ硬化しても、硬化強度等に不均一部分が発生しやすく、配線構造体としての信頼性に影響を与える場合がある。また液状樹脂組成物の中に、硬化促進剤を加えておくことで、仮硬化による形状保持が可能となる。そのため、硬化促進剤を加えた液状樹脂組成物の硬化物を作製する場合、金型成型で仮硬化させた後、金型から仮硬化物を取り出し、形状を維持した状態で完全硬化させることが可能となる。
[0064]
 なおセラミック充填剤の、液状樹脂組成物全体もしくは硬化物全体に対する割合は50質量%以上、90質量%以下が好ましい。セラミック充填剤の割合が50質量%未満の場合、硬化物が脆くなる場合がある。また熱膨張係数(CTE)が大きくなってしまい、配線構造体(あるいは回路基板)を薄層化した際、反りやすくなり、半導体との熱膨係数の差が大きくなる場合がある。
[0065]
 また必要に応じて、液状樹脂組成物中に、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂の少なくともいずれかを、液状エポキシ樹脂組成物に対して、0.5質量%以上、40質量%以下、添加することが好ましい。ウレタン樹脂および/またはシリコーン樹脂を添加することで、低弾性化を促す効果が得られる。なお添加量が40質量%を超えた場合、可塑化が進み、配線材料に対する密着性が影響を受ける場合がある。また添加量が0.5質量%未満の場合、添加効果が得られない場合がある。
[0066]
 以下に、(表1)、(表2)に示すサンプルを用いて、本実施の形態による効果をさらに詳しく説明する。(表1)は各サンプルの液状樹脂組成物の配合を示している。
[0067]
[表1]


[0068]
 ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、CAS番号:9003-36-5のエポキシ樹脂を用いている。エポキシ樹脂1としては、CAS番号:9072-62-2のポリアルキレングリコールプロピレン骨格含有エポキシ樹脂を用いている。エポキシ樹脂2としては、CAS番号:27610-48-6のナフタレン環含有エポキシ樹脂を用いている。液状フェノール樹脂としては、CAS番号:27924-97-6のフェノール樹脂を用いている。酸無水物としてはCAS番号:25550-51-0の材料を用いている。芳香族アミンとしては、CAS番号:69178-41-2のアミンを用いている。硬化促進剤としては、CAS番号:931-36-2のイミダゾールを用いている。セラミック充填剤としてはCAS番号:60676-86-0のシリカを用いている。なお、これら材料は一例であって、液状エポキシ樹脂、液状硬化剤、硬化促進剤、セラミック充填剤としての機能を有する部材であれば、他の化合物や他の品番、あるいは他のCAS番号の材料を用いることも可能である。
[0069]
 サンプルA~Cは、本実施の形態による液状樹脂組成物の一例である。またサンプルa~hは、比較のために作製した液状樹脂組成物の一例である。サンプルA~Cにおいて、液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(市販品)と、エポキシ樹脂1として、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂(市販品)とを用いている。また硬化剤には液状フェノール樹脂であって、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有している液状硬化剤を用いている。酸無水物や芳香族アミンは加えていない。また硬化促進剤としてイミダゾール(市販品)を添加している。さらに必要に応じて、低弾性化材としてシリコーン樹脂(市販品)をそれぞれ添加してもよい。またセラミック充填剤として市販品のシリカを用いているが、他のセラミック充填剤を用いてもよい。
[0070]
 (表1)において、液状樹脂組成物におけるセラミック充填剤の割合(Filler content)は、サンプルA、Cでは約85wt%、サンプルBでは約60wt%である。サンプルA~サンプルCの粘度とセラミック充填剤の割合との関係は、前述の図1に示すような結果となり、Filler contentが増加するほど、粘度が増加するという傾向を示す。なお図1は、サンプルA~サンプルCを基に、液状樹脂組成物におけるセラミック充填材の割合が30wt%~90wt%までの範囲について検討した結果であり、(表1)に示していない他のサンプルの結果についても示している。すなわち、サンプルA~Cの粘度は30~100Pa・sの範囲にある。
[0071]
 上述のサンプルA~Cに対し、サンプルa、サンプルbでは液状硬化剤として、液状フェノール樹脂の代わりに酸無水物を用いている。サンプルcでは、液状硬化剤として、液状フェノール樹脂の代わりに芳香族アミンを用いている。サンプルdでは、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合が液状エポキシ樹脂の中で30質量%未満と少ない。サンプルeでは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のみで液状エポキシ樹脂を構成している。そのため、後述するようにサンプルeの硬化物のTgは、120℃を超えている。サンプルfでは、逆に液状エポキシ樹脂におけるエポキシ樹脂1の割合を大きくするとともに、硬化促進剤の添加量を多くしている。そのため、後述するようにサンプルfの硬化物のTgは50℃未満になっている。サンプルgでは、セラミック充填材の割合を30質量%未満にしている。サンプルhでは、逆に90質量%を超える割合でセラミック充填材を配合している。
[0072]
 また、サンプルaとサンプルeでは、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の代わりに、エポキシ樹脂2として、ナフタレン環含有エポキシ樹脂を用いている。すなわち、液状エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂2との混合物を用いている。
[0073]
 (表1)に示した各サンプルの液状樹脂組成物の硬化物の特性について評価した結果を(表2)に示す。
[0074]
[表2]


[0075]
 ガラス転移温度(Tg、単位は℃)は、DSC(示差走査熱量測定)を用いて測定しているが、TMA(熱機械分析)やDTA(示差熱分析)を用いて測定することも可能である。熱膨張係数(CTE1)の単位はppm/Kである。
[0076]
 弾性率(単位はMPa)は、液状樹脂組成物を板状に硬化させた評価サンプルを用いて3点曲げ試験から求めている。なお樹脂硬化物の弾性率を測定するには、曲げ弾性率で測定することが実用的である。一般的な引張試験を使おうとしても、樹脂製の試験片をつかむ部分の加工が難しく、さらに測定条件や定義を明確にするのが難しい場合がある。
[0077]
 反り、クラック、剥離の評価には、樹脂基板の片面上に硬化物を形成した評価サンプルを用いる。反りは以下のようにして測定する。すなわち、評価サンプルの一端を水平面に押し当てた状態で、他端の高さを、反り(単位はmm)として測定する。またクラックや剥離の発生の有無は、評価サンプルの片面に親指と中指を当て、裏面に人差し指の背を当てて、人差し指を支点としてこの評価サンプルを湾曲させて目視観察することで判定している。あるいは、直径40mmの円柱状プラスチック容器の側面全周にこの評価サンプルを沿わせて曲げて目視観察することで判定している。これらの詳細な説明は後述する。
[0078]
 (表2)に示すように、サンプルAでは、Tgが102℃、CTEが11ppm/K、弾性率が14MPa、ショアD硬度が51、反りが8mmである。またサンプルAで曲げ試験等を行っても、クラックも剥離も共に発生していない。サンプルBでは、Tgが98℃、CTEが28ppm/K、弾性率が9MPa、ショアD硬度が48、反りが15mmである。またクラックも剥離も共に発生していない。サンプルCでは、Tgが61℃、CTEが12ppm/K、弾性率が14MPa、ショアD硬度が46、反りが7mmである。またクラックも剥離も共に発生していない。
[0079]
 一方、サンプルaでは、液状硬化剤として酸無水物を用いている。そのため、Tgが149℃と高くなり過ぎている。この結果、ショアD硬度が78と硬くなりすぎ、クラックも剥離も発生している。また、反りが70mmと大きくなり、配線構造体(あるいはフレキシブル性を有する回路基板)に適用するには問題が有る。
[0080]
 サンプルbでも、液状硬化剤として酸無水物を用いている。そのため、Tgが105℃と高くなり過ぎている。この結果、クラックも剥離も発生している。また、反りが41mmと大きくなっている。
[0081]
 サンプルcでは、液状硬化剤として芳香族アミンを用いている。その結果、Tgは83℃となったが、反りが49mmと大きくなり、クラックが発生している。
[0082]
 サンプルdでは、エポキシ樹脂1の配合量が少なかったため、結果的に反りが46mmと大きくなり、クラックが発生している。サンプルeでは、Tgが135℃と高いため、反りが53mmと大きくなり、さらにクラックも発生している。
[0083]
 サンプルfでは、Tgが23℃と低くなった結果、反り量は8mmと少なく、クラックも発生していない。しかしながら、ショアD硬度や弾性率が低下し過ぎたため、半導体の実装時に必要な強度が得られない場合が有るという問題が発生している。
[0084]
 サンプルgでは、セラミック充填剤の添加量を8と減らした結果、熱膨張係数(CTE1)が38ppm/Kと大きくなっている。この場合、半導体実装用の配線基板(あるいは回路基板)や、この配線構造体(あるいはフレキシブル性を有する回路基板)に半導体を実装した実装体の信頼性に課題が残る。サンプルhでは、逆にセラミック充填剤の添加量を200と増やした結果、熱膨張係数は小さくなっている。しかしながら、硬化物が脆化し、クラックが発生している。今回の評価では剥離は発生していないが、発生する可能性は高くなっていると考えられる。
[0085]
 以上のように、本実施の形態における液状樹脂組成物は、ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂を含む液状エポキシ樹脂と、フェノール性水酸基を1分子中に複数個有する液状硬化剤と、硬化促進剤と、セラミック充填剤とを含む。液状エポキシ樹脂における第1エポキシ樹脂の割合は30質量%以上、70質量%以下である。セラミック充填剤の平均粒径は50μm以下で、液状樹脂組成物における前記セラミック充填剤の割合は50質量%以上、90質量%以下である。25℃における粘度は100Pa・s以下である。このような液状樹脂組成物を用いることで、(表2)に示すように、クラックや剥離の剥離を防止することができる。
[0086]
 次に、上述の液状樹脂組成物の硬化物を用いた作製した配線構造体について説明する。この配線構造体は、従来のガラスエポキシ基板では実現できなかったフレキシブル性を有するとともに、ポリイミドフィルム等を用いた従来のフレキシブル基板では実現できなかった実装性を有している。上記フレキシブル性とは、例えば、曲げても折れにくいことを意味し、実装性とは、例えば、保持板等を用いなくても部品実装できるだけの剛性、あるいは腰の強さを意味する。さらに、この配線構造体の一種であるフレキシブル性を有するインターポーザーあるいはフレキシブル性を有する回路基板について説明する。
[0087]
 図9Aは、本実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物を用いた配線構造体120の一例を示す斜視図である。
[0088]
 配線構造体120は、硬化物140と、金属配線130とを有する。硬化物140は、上述の、本実施の形態による液状樹脂組成物の硬化物である。金属配線130の一部は硬化物140と密着している。あるいは金属配線130の一部は硬化物140に埋設されている。硬化物140のTgは50℃以上、120℃以下であり、硬化物140の25℃における弾性率は20GPa以下である。実装体160は配線構造体120と、半導体150とを有する。半導体150は配線構造体120に実装され、金属配線130に電気的に接続されている。
[0089]
 金属配線130は、銅板や銅箔を、2次元的、あるいは3次元的にパターニングすることで形成されている。金属配線130は、厚み0.1mm以上の銅板や、厚み0.1mm未満の銅箔を1層以上用いて形成することができる。また金属配線130として、タフピッチ銅、あるいは圧延銅板や圧延銅箔を用いてもよい。この場合、金属配線130の曲げに対する信頼性が高まる。図9Aに示すように、配線構造体120は、金属配線130と、金属配線130の2次元的あるいは3次元的な隙間に充填された液状樹脂組成物を硬化して形成された硬化物140とを有している。
[0090]
 配線構造体120の上面あるいは下面には、金属配線130の一部を露出している。この露出部に半導体150や、その他の部品を実装することができる。金属配線130の表面(露出面)と、硬化物140の表面との間に凹凸が発生しないように、これらを同一面にすることで、半導体150を実装しやすくなる。好ましくは面同士の段差を±0.10mm以下、さらには0.05mm以下とすることがより好ましい。なお配線構造体120の厚みは2mm以下、さらには1mm以下、0.5mm以下とすることで、機器の薄層化に対応できる。また配線構造体120の外形形状は、5mm角以上、あるいは10mm角以上、さらには100mm角以上としてもよい。配線構造体120は、薄層化しても割れにくく半導体チップとの熱膨張係数の差が少ないため、インターポーザー等の薄型の配線構造体(あるいはフレキシブル性を有する回路基板)として用いることができる。
[0091]
 すなわち、図9Aに示す配線構造体120は、インターポーザーとして構成してもよい。インターポーザーの厚みは、0.2mm以下、さらに0.1mm以下、50μm以下と薄い。またその場合の金属配線のピッチパターン間隔は100μm以下、50μm以下、あるは30μm以下にまで小さくなる場合がある。配線構造体120は、硬化物140と、金属配線130とを有する。硬化物140のTgを50℃以上、120℃以下とし、硬化物140の25℃における弾性率を20GPa以下とすることで、配線構造体120であるインターポーザーは、優れたフレキシブル性を有するので、実装時に反りが発生しにくい。またこのインターポーザーに埋設されている金属配線130に半導体150を実装した実装体160は薄く構成することができる。また実装体160は、従来のガラスエポキシ樹脂基板や、ビルドアップ型の配線基板であるコア基板部を有していない。すなわち実装体160は、コアレス実装構造を有する。そのため、実装体160をさらに小型、薄型にすることができる。なお、図9Aに示す配線構造体120であるインターポーザー、あるいは配線構造体120をインターポーザーとして用いた実装体160において、硬化物のTgを50℃以上、120℃以下とすることは有用である。またこの硬化物の25℃における弾性率を20GPa以下とすることで、インターポーザーとしての信頼性や、このインターポーザーを用いた実装体160の信頼性が高まる。
[0092]
 なお、配線構造体120に代えて、半導体150等が実装された従来のインターポーザを用いて、この半導体150等を、本願発明の液状樹脂組成物で被覆し、この液状樹脂組成物の硬化物140で封止してモジュールを製造してもよい。
[0093]
 次に、図9B、図9Cを参照しながら、配線構造体120の3点支持での弾性率を測定する方法や曲げ試験について説明する。図9Bは配線構造体120の弾性率の評価方法を示す側面図、図9Cは、配線構造体120に代えて評価サンプル170Aを用いた、弾性率の評価方法を示す側面図である。評価サンプル170Aでは、金属板130Aが金属配線130の代わりに用いられ、金属板130Aの片面に硬化物140が形成されている。
[0094]
 図9B、図9Cに示すように、配線構造体120または評価サンプル170Aの中央部に治具180Aをセットし、矢印190で示すように両端に加圧することで、配線構造体120または評価サンプル170Aの弾性率を測定することができる。治具180Aとして、直径1mm~20mmの市販の金属棒やドリルの歯等を使ってもよい。また直径30mm以上の治具180Aとして、市販のポリエチレン製のパイプやポリエチレン製の蓋付きビンを使ってもよい。配線構造体120に代えて、硬化物140のみで形成された板状サンプルを用いれば、硬化物140の3点支持での弾性率を測定することができる。
[0095]
 実際の配線パターンを有する配線構造体120を試験に供する場合、試験結果が金属配線130のパターンの粗密や残銅量等の影響を受ける場合がある。その場合、評価サンプル170Aを使うことが好ましい。評価サンプル170Aを使うことで、金属配線130のパターンの粗密や残銅量等の影響を減らした状態で評価することができる。例えば、銅板やアルミ板で構成された金属板130Aの一面に硬化物140を厚み1mmで形成する。また評価サンプル170Aを用いた弾性率等の測定においては、金属配線130や金属板130Aの代わりに樹脂基板(例えば、FR4等のプリプレグの硬化物)を使ってもよい。
[0096]
 また、図9Cにおいて、硬化物140の厚みを1mm、金属板130Aとして銅板やアルミ板を使うことで、曲げたときの剛性や、密着力、クラック発生の有無等について試験することができる。
[0097]
 次に、上述の液状樹脂組成物を樹脂基板上で硬化させた評価サンプルの評価方法について、図10A~図14Bを参照しながら説明する。
[0098]
 図10Aは、樹脂基板200の上に液状樹脂組成物の硬化物140を形成する様子を示す断面図である。FR4等からなる樹脂基板200の周辺をメタルマスク250で囲った状態で、スキージ270を矢印190に示すように動かし、液状樹脂組成物260を所定形状に成型する。なお成型時に真空脱泡等を組み合わせることも好ましい。
[0099]
 図10B、図10Cは、評価サンプル170Bを用いた評価方法である曲げ試験(Bending test)について説明する側面図である。図10D、図10Eはそれぞれ、評価サンプル170Bの上面図と側面図である。評価サンプル170Bは、樹脂基板200と、メタルマスク250を用いて樹脂基板200の外周部分を除いて片面に設けられた硬化物140とを有する。樹脂基板200は、例えばFR4等のガラスエポキシ樹脂硬化物である。
[0100]
 図10Bにおいて、樹脂基板200の寸法は、例えば、170mm×50mm、厚み0.3mmで、硬化物140は、129mm×42mmの寸法、厚み0.8mmでシート状に形成されている。このように構成された評価サンプル170Bの一端が治具180Bで固定されている。そして、治具180Bで固定されていない評価サンプル170Bの他端の、樹脂基板200が露出している部分に、矢印190で示すように外力を加える。
[0101]
 図10Cは、曲げ試験の後の状態を示している。用いるサンプルによっては、樹脂基板200と硬化物140との間に、隙間220を伴う剥離部210が発生する。隙間220や剥離部210を発生させないためには、全エポキシ樹脂に対するポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の割合を30質量%以上、70質量%以下とすればよい。
[0102]
 図11A、図11Bは、上述のサンプルAを用いて評価サンプル170Bを作製し、クラック及び剥離の発生の有無を評価した際の写真と、その模式図である。
[0103]
 樹脂基板200上に形成した硬化物140には、指230で曲げても、クラックは発生していない。またこのサンプルAには、図9Aに示す曲げ試験でも、隙間220や剥離部210は発生していない。これは、ポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂に対する割合が、25質量%以上、75質量%以下で、かつ硬化物140のTgが120℃以下、弾性率が20GPa以下であるからである。
[0104]
 図12A、図12Bは、上述のサンプルaを用いて評価サンプルを作製し、クラック及び剥離の発生の有無を評価した際の写真と、その模式図である。
[0105]
 サンプルaの場合、指230で曲げると、一つのクラック240が発生している。またサンプルaに発生したクラック240の付近には、剥離部210や隙間220も発生しているが、これらは図示していない。この結果は、液状エポキシ樹脂にポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂を加えることなく、その代わりにナフタレン環含有エポキシ樹脂を加えたことが原因の一つと考えられる。なおポリアルキレングリコール骨格を有するエポキシ樹脂の全エポキシ樹脂に対する割合を30質量%以下にすると、Tgが149℃と高くなり、図12A、図12Bに示したような問題が発生する場合があることを確認している。
[0106]
 図13A、図13Bは、上述のサンプルbを用いて評価サンプルを作製し、クラック及び剥離の発生の有無を評価した際の写真と、その模式図である。
[0107]
 サンプルbの場合、指230で曲げると、複数のクラック240が発生している。またサンプルbに発生したクラック240の付近には、剥離部210や隙間220が発生しているが、これらは図示していない。この結果は、液状硬化剤として、酸無水物を使ったことも原因の一つと思われる。
[0108]
 図14Aは、反り試験(warpage test)について説明する側面図である。反り試験は、評価サンプル170Bの一端を矢印190に示すように水平面に押し当てた状態で、他端の高さを、反り(単位はmm)として測定する。
[0109]
 図14Bは、前述の(表2)に記載した各サンプル(サンプルA、サンプルa~e)における反りの発生具合を示す写真である。サンプルAにおいては反りは殆ど発生していないが、サンプルa~eにおいては、それぞれ大きな反りが発生している。前述のように、サンプルAの評価サンプルではクラックも剥離も共に発生していないが、サンプルa~eの評価サンプルでは、写真に示すような大きな反りに加えて、クラックや剥離が共に発生している。
[0110]
 以上のように、本実施の形態によるサンプルAの評価サンプルは、硬度、反り、クラック、剥離の観点で良好である。一方、サンプルa~eの評価サンプルでは、各種配合に応じ、硬度、反り、クラック、剥離のいずれかの観点で不良となっている。
[0111]
 以上のように、樹脂基板200を使って液状樹脂組成物260の硬化物140の反り、柔軟性、剛性を評価することで、配線構造体120の形状や用途に応じて、液状樹脂組成物260を最適化できる。なお、サンプルA~Cの液状樹脂組成物を使って、配線構造体120を作製すると、反りも発生せず、半導体150の高密度実装が可能である。
[0112]
 次に、図15A~図17Bを参照しながら、液状樹脂組成物260を金属板280上で硬化させた場合の評価結果の一例について説明する。図15Aは、液状樹脂組成物260の硬化物を金属板280上に形成して評価サンプルを作製する様子を示す図、図15Bは、図15Aの断面図である。図15Cは図15Aに示す方法で作製した評価サンプル170Cの硬化前の上面図、図15Dは図15Cに示す評価サンプルの硬化後の断面図である。
[0113]
 例えば金属板280に、凸部290や凹部300を形成することができる。また凸部290を利用して、凹部300に液状樹脂組成物260を流し込むことで、評価サンプル170Cを形成することができる。
[0114]
 凸部290は、金属板280の外周に形成するだけでなく、金属板280の内側にも、一種の配線パターン形状として形成することができる。また凹部300を、配線パターン間を絶縁する複雑な形状や高さを有した段差部としてもよい。例えば、凸部290を配線パターンとし、この配線パターン間に形成された凹部300に液状樹脂組成物260を流し込み、硬化した後、ダマシンや切削等の加工手法を用いて、凹部300の底を構成する金属板280を除去する。このようにすれば、配線構造体、あるいはフレキシブル性を有する回路基板を形成することも可能である。
[0115]
 図16Aは、金属板310の片面上に硬化物140を形成した評価サンプル170Dの上面図である。図16Bは、評価サンプル170Dの360度の曲げ試験を行う様子を示す側面図である。360度の曲げ試験には、治具180Cとして直径40mmの円柱状のプラスチック容器を用いている。図16Bに示すように、評価サンプル170Dを治具180Cの外周の全体に沿わせて、360度曲げて、クラック等の発生を調べることができる。
[0116]
 図17A、図17Bは、(表1)で説明したサンプルAの液状樹脂組成物260を用いて作製した評価サンプル170Dの360度の曲げ試験後の写真及び模式図である。サンプルAを用いた場合、クラックは発生していない。なおサンプルB、C等でもクラックや、図10Cに示す剥離部210や隙間220は発生していない。一方、サンプルa~サンプルhを用いた場合では、クラックや剥離部210が発生している(図示せず)。

産業上の利用可能性

[0117]
 本発明にかかる液状樹脂組成物、硬化物、配線構造体及びこの配線構造体を用いた実装体を用いることで、半導体等の実装体における低反り化、高性能化を可能とする。

符号の説明

[0118]
110  線
120  配線構造体
130  金属配線
130A  金属板
140  硬化物
150  半導体
160  実装体
170A,170B,170C,170D  評価サンプル
180A,180B,180C  治具
190  矢印
200  樹脂基板
210  剥離部
220  隙間
230  指
240  クラック
250  メタルマスク
260  液状樹脂組成物
270  スキージ
280,310  金属板
290  凸部
300  凹部

請求の範囲

[請求項1]
ポリアルキレングリコール骨格を有する第1エポキシ樹脂を含む液状エポキシ樹脂と、
フェノール性水酸基を1分子中に複数個有する液状硬化剤と、
硬化促進剤と、
セラミック充填剤と、を含む液状樹脂組成物であって、
前記液状エポキシ樹脂における前記第1エポキシ樹脂の割合は30質量%以上、70質量%以下であり、
前記セラミック充填剤の平均粒径は50μm以下で、前記液状樹脂組成物における前記セラミック充填剤の割合は50質量%以上、90質量%以下であり、
25℃における粘度が100Pa・s以下である、
液状樹脂組成物。
[請求項2]
エポキシ系希釈剤と有機溶剤との少なくともいずれかである粘度調整材をさらに含む、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[請求項3]
前記液状樹脂組成物における前記粘度調整材の割合は0質量%を超え、10質量%以下である、
請求項2に記載の液状樹脂組成物。
[請求項4]
前記第1エポキシ樹脂の分子量は、500以上、1000以下である、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[請求項5]
前記硬化促進剤はイミダゾール化合物を含む、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[請求項6]
前記液状エポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹脂である第2エポキシ樹脂をさらに含み、
前記液状エポキシ樹脂における、前記第2エポキシ樹脂の割合は、40質量%以上、70質量%以下である、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[請求項7]
請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物であって、
ガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、25℃における弾性率が20GPa以下である、
硬化物。
[請求項8]
25℃におけるショアD硬度が40以上である、
請求項7に記載の硬化物。
[請求項9]
請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物であって、
ガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、25℃におけるショアD硬度が40以上である、
硬化物。
[請求項10]
請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
前記硬化物と一部が密着している、または前記硬化物に一部が埋設されている金属配線と、を備え、
前記硬化物のガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、前記硬化物の25℃における弾性率が20GPa以下である、
配線構造体。
[請求項11]
 請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
 前記硬化物と一部が密着している、または前記硬化物に一部が埋設されている金属配線と、を有する配線構造体と、
前記配線構造体に実装された半導体と、を備え、
前記硬化物のガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、前記硬化物の25℃における弾性率が20GPa以下である、
実装体。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2015年7月31日 ( 31.07.2015 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] ポリアルキレングリコール骨格を有する液状の第1エポキシ樹脂と液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂である第2エポキシ樹脂とを含む液状エポキシ樹脂と、
フェノール性水酸基を1分子中に複数個有するとともに、1000mPa・s以下の粘度を有する液状硬化剤と、
硬化促進剤と、
セラミック充填剤と、を含む液状樹脂組成物であって、
前記液状エポキシ樹脂における前記第1エポキシ樹脂の割合は30質量%以上、70質量%以下であり、
前記セラミック充填剤の平均粒径は50μm以下で、前記液状樹脂組成物における前記セラミック充填剤の割合は50質量%以上、90質量%以下であり、
25℃における粘度が100Pa・s以下であり、
酸無水物と芳香族アミンとを含まず、
硬化物の熱膨張係数が7ppm/K以上、15ppm/K未満である、
液状樹脂組成物。
[2]
エポキシ系希釈剤と有機溶剤との少なくともいずれかである粘度調整材をさらに含む、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[3]
前記液状樹脂組成物における前記粘度調整材の割合は0質量%を超え、10質量%以下である、
請求項2に記載の液状樹脂組成物。
[4]
前記第1エポキシ樹脂の分子量は、500以上、1000以下である、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[5]
前記硬化促進剤はイミダゾール化合物を含む、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[6]
[補正後] ウレタン樹脂またはシリコーン樹脂の少なくともいずれかを、0.5質量%以上、40質量%以下含む、
請求項1に記載の液状樹脂組成物。
[7]
請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物であって、
ガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、25℃における弾性率が20GPa以下である、
硬化物。
[8]
25℃におけるショアD硬度が40以上である、
請求項7に記載の硬化物。
[9]
請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物であって、
ガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、25℃におけるショアD硬度が40以上である、
硬化物。
[10]
[補正後] 請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
前記硬化物と一部が密着している、または前記硬化物に一部が埋設されている金属配線と、を備え、
前記硬化物のガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、前記硬化物の25℃における弾性率が20GPa以下であり、
厚み0.2mm以下のコアレスインターポーザーである、
配線構造体。
[11]
[補正後] 請求項1に記載の液状樹脂組成物の硬化物と、
前記硬化物と一部が密着している、または前記硬化物に一部が埋設されている金属配線と、を有する厚み0.2mm以下のコアレスインターポーザーである配線構造体と、
前記配線構造体に実装された半導体と、を備え、
前記硬化物のガラス転移温度が50℃以上、120℃以下であり、前記硬化物の25℃における弾性率が20GPa以下である、
実装体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 9C]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 10C]

[ 図 10D]

[ 図 10E]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12A]

[ 図 12B]

[ 図 13A]

[ 図 13B]

[ 図 14A]

[ 図 14B]

[ 図 15A]

[ 図 15B]

[ 図 15C]

[ 図 15D]

[ 図 16A]

[ 図 16B]

[ 図 17A]

[ 図 17B]

[ 図 18]