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1. (WO2015145944) 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

符号の説明

0058  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 光電変換素子及び光電変換素子の製造方法

技術分野

[0001]
 本開示は、光電変換素子及び光電変換素子の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 光電変換素子の基板上には、半導体層、導電層等の薄膜層が形成される。基板上に薄膜層を形成する方法としては、蒸着法やスパッタリング法が広く知られている。例えば、特許文献1は、特定材料から構成される蒸着マスクを用いて、ガラス基板上にエレクトロルミネッセンス素子の蒸着素子層を形成する方法を開示している。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2003-157974号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで、光電変換素子の成膜工程では、基板を安定に保持して基板の損傷等を防止しながら、基板上のできるだけ広範囲に成膜層を形成することが求められている。

課題を解決するための手段

[0005]
 本開示の一態様である光電変換素子の製造方法は、基板と、基板の少なくとも一方の面上に形成された成膜層とを備えた光電変換素子の製造方法であって、主成膜領域を規定する主開口部、基板の一方の面の端縁領域を覆う基板押え部、及び当該押え部に形成された小開口部を有するマスクを準備し、一方の面上にマスクを配置し、マスクの各開口部を通して一方の面上に成膜層を形成する。
[0006]
 本開示の一態様である光電変換素子は、基板と、基板の少なくとも一方の面上に形成された成膜層とを備え、基板の一方の面の端縁領域には、一方の面の外側に向かって、成膜層の厚みが減少した後、再び増加する成膜パターンが形成されている。

発明の効果

[0007]
 本開示の一態様である光電変換素子の製造方法によれば、成膜層の形成工程において基板を安定に保持しながら、基板上の広範囲に成膜層を形成することができる。本製造方法により得られる光電変換素子は、例えば優れた光電変換効率を有する。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 実施形態の一例である光電変換素子の断面図である。
[図2] 実施形態の一例である光電変換素子を示す図である。
[図3] 図2のAA線断面の一部を示す図である。
[図4] 実施形態の一例である光電変換素子において、基板の第1面の四隅の1つを拡大して示す図である。
[図5] 実施形態の一例である光電変換素子の製造方法を説明するための図である。
[図6] 図5のB部拡大図である。
[図7] (a)図5のCC線断面図、(b)図5のDD線断面図である。
[図8] 実施形態の他の一例であるマスクの基板押え部を示す図である。
[図9] 実施形態の他の一例であるマスクの基板押え部を示す図である。
[図10] 実施形態の他の一例であるマスクの基板押え部を示す図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、図面を参照しながら、実施形態の一例について詳細に説明する。
 実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
[0010]
 本明細書において、「略**」との記載は、「略平行」を例に挙げて説明すると、全く平行はもとより、実質的に平行と認められる状態を含む意図である。また、「第1の部材上に第2の部材を設ける」等の記載は、特に限定を付さない限り、第1及び第2の部材が直接接触して設けられる場合のみを意図しない。即ち、この記載は、第1及び第2の部材の間に他の部材が存在する場合を含む。
[0011]
 以下、図1~図4を参照しながら、実施形態の一例である光電変換素子10について詳細に説明する。図1は、光電変換素子10の断面図である。図2は、光電変換素子10を基板11の第1面11a側から見た平面図である。図3は、図2のAA線断面の一部を示す図である。図4は、第1面11aの四隅の1つを拡大して示す図である。図2及び図3では、透明導電層14を省略している。
[0012]
 図1は、光電変換素子10の構成を示す図である。光電変換素子10は基板11を備える。基板11の受光面側(図1の上側)には、半導体層12と、透明導電層14と、が設けられる。受光面側の半導体層12は、i型非晶質半導体層121と、n型非晶質半導体層122とを含む。また、基板11の裏面側(図1の下側)には、半導体層12と、透明導電層14と、が設けられる。裏面側の半導体層12は、i型非晶質半導体層123と、p型非晶質半導体層124とを含む。
[0013]
 図2及び図3に示すように、光電変換素子10は、基板11と、基板11の少なくとも一方の面である第1面11a上に形成された成膜層とを備える。光電変換素子10は、太陽光等の光を受光することでキャリアを生成する。生成したキャリアを収集する透明導電層14及びグリッド電極(図示せず)を、例えば基板11の第1面11a、及び基板11の他方の面である第2面11b(図7参照)上に形成することで、光電変換素子10を備えた太陽電池セルを作製することができる。
[0014]
 本実施形態では、上記成膜層として、半導体層12を形成する。半導体層12は、基板11の第2面11b上にも形成されることが好適である。基板11上には、透明導電層14(図4参照)も形成されるが、透明導電層14は後述のマスク20を用いた成膜工程とは異なる方法で形成される。
[0015]
 基板11は、例えば結晶系シリコン(c‐Si)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム燐(InP)等の半導体基板である。本実施形態では、基板11として、n型単結晶シリコン基板を用いるものとする。基板11は、平面視(第1面11aに対して垂直に基板11を見た場合)において略正方形状を有し、4つの角が斜めに且つ直線状にカットされている。即ち、第1面11aの四隅には、互いに垂直な長辺11cに交差する短い斜辺11dが形成されている。第1面11aの輪郭線を構成する4つの長辺11c、及び4つの斜辺11dは、それぞれ互いに略同じ長さを有する。
[0016]
 半導体層12は、例えば非晶質半導体層である。非晶質半導体層としては、i型非晶質シリコン層、p型非晶質シリコン層、n型非晶質シリコン層が例示できる。好適な光電変換素子10の構造としては、n型単結晶シリコン基板の一方の面上にi型非晶質シリコン層、n型非晶質シリコン層を順に形成し、他方の面上にi型非晶質シリコン層、p型非晶質シリコン層を順に形成した構造が挙げられる。以下では、第1面11a上に形成される層構造を例に挙げて説明するが、第2面11bについても第1面11aの場合と同様の構造を形成することが好適である。
[0017]
 光電変換素子10には、基板11の第1面11aの端縁に位置する端縁領域に、成膜パターン13が形成されている。成膜パターン13は、第1面11aの外側に向かって、半導体層12の厚みが減少した後、再び増加したパターンを少なくとも含む(図3参照)。即ち、成膜パターン13は、第1面11aの外側に向かって、半導体層12の厚みが減少し、その後、半導体層12の厚みが増加するパターンを含む。なお、後述する第3成膜部12cの第2の直線部に沿った領域では、半導体層12の厚みが減少した領域を含む。
[0018]
 成膜パターン13は、第1成膜部12a、第1成膜部12aよりも外側に位置する第2成膜部12b、及び第1成膜部12aと第2成膜部12bの間に位置する第3成膜部12cにより構成される。成膜パターン13は、詳しくは後述するように、半導体層12の成膜工程で使用されるマスク20の跡であり、例えば成膜処理状態の追跡マークや、成膜時の位置合わせに用いるアライメントマークとして利用することができる。第1成膜部12aは、マスク20の主開口部22に対応して形成され、第2成膜部12bは、マスク20の小開口部26に対応して形成される。第3成膜部12cは、半導体層12の厚みが薄くなった部分であり、マスク20の基板押え部23に覆われた領域に形成される。
[0019]
 第1成膜部12aの厚みt 12a及び第2成膜部12bの厚みt 12bは、例えば互いに略同一であり、半導体層12がi型非晶質シリコン層及びp型非晶質シリコン層(又はn型非晶質シリコン層)である場合、5~100nm程度が好ましい。第3成膜部12cの厚みt 12cは、厚みt 12aよりも薄く、例えば厚みt 12aの10~90%であり、好ましくは50%以上である。なお、第1成膜部12aと第2成膜部12bの間には、半導体層12が成膜されない領域が形成される場合もある。
[0020]
 成膜パターン13は、第1面11aの端縁領域のうち、第1面11aの中心Cに対して略対称となる少なくとも2箇所に形成されることが好適である。本実施形態では、第1面11aの四隅に成膜パターン13がそれぞれ形成されている。第1面11aの四隅に形成される各成膜パターン13は、互いに略同じ形状を有する。マスク20の主開口部22に対応して形成される第1成膜部12aは、第1面11aの四隅を除く第1面11aの略全域に形成される。第1面11aの四隅には、第1成膜部12a側から、第3成膜部12c、第2成膜部12bの順に形成される。
[0021]
 本実施形態では、第1成膜部12aと第2成膜部12bとが、第3成膜部12cによって分離されており、互いにつながっていない。第3成膜部12cは、第1面11aの斜辺11dと略平行に形成された第1の直線部、及び第1の直線部に対して略垂直に形成された第2の直線部を含む。第1の直線部は、一方の長辺11cから他方の長辺11cに亘って形成されている。第2の直線部は、互いに略平行に2本形成されており、いずれも第1の直線部から斜辺11dに亘って形成されている。第2成膜部12bは、第3成膜部12c(第2の直線部)によって3つに分割されている。
[0022]
 図4に示すように、半導体層12上には、透明導電層14が形成されている。光電変換素子10を備えた太陽電池セルでは、生成したキャリアが透明導電層14を介してグリッド電極に流れる。透明導電層14は、半導体層12の第1成膜部12a上だけでなく、第3成膜部12cを超えて第2成膜部12bを含む領域まで形成されることが好適である。これにより、第2成膜部12b及び第3成膜部12cが形成された領域で発生したキャリアを効率良く収集することができる。
[0023]
 透明導電層14は、例えば第1面11aの長辺11c及び斜辺11dに沿った所定幅の領域を除く、半導体層12上の略全域に形成される。透明導電層14は、酸化インジウム(In 23)や酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物に、SnやSb等をドープした透明導電性酸化物から構成されることが好ましい。
[0024]
 以下、図5~図7を参照しながら、実施形態の一例である光電変換素子10の製造方法について詳細に説明する。図5の矢印αに沿った方向が鉛直方向(以下、上下方向ともいう)であり、矢先が向いた方向が鉛直上方である。図5は、光電変換素子10の製造工程において、基板11の第1面11a上にマスク20を配置した状態を示す図である。図6は、図5のB部拡大図であって、基板押え部23を拡大して示す図である。図7(a)は、図5のCC線断面図であって、基板押え部23の位置における上下方向断面図である。図7(b)は、図5のDD線断面図であって、支持ピン28の位置における上下方向断面図である。
[0025]
 光電変換素子10を構成する基板11は、従来公知の方法により作製することができる。以下で例示する光電変換素子10の製造工程では、基板11として、上述した平面視略正方形状のn型単結晶シリコン基板を用いるが、基板11はこれに限定されるものではない。n型単結晶シリコン基板上には、成膜層として、半導体層12を形成する。半導体層12は、後述のマスク20を用いた成膜工程により、基板11の第1面11a及び第2面11b上に形成する。
[0026]
 透明導電層14は、本実施形態では、マスク20と別のマスクを用いて成膜する。透明導電層14は、例えば第1面11aの端から所定幅の領域を除く第1面11aの略全域に形成する。透明導電層14は、第1成膜部12a上だけでなく、第2成膜部12b及び第3成膜部12c上の少なくとも一部を覆って形成することが好適である。
[0027]
 光電変換素子10の製造工程は、下記(a)~(c)の工程を含む。
(a)主成膜領域を規定する主開口部22、基板11の第1面11aの端縁領域を覆う基板押え部23、及び該押え部に形成された小開口部26を有するマスク20を準備する。なお、後述するメインフレーム24、補助フレーム25、及び小開口部26を含む部分を基板押え部23と定義する。
(b)次に、基板11の第1面11a上にマスク20を配置する。このとき、マスク20の基板押え部23が、基板11の第1面11aの端縁領域の一部を覆う。
(c)次に、マスク20の各開口部を通して第1面11a上に半導体層12を成膜する。
[0028]
 本実施形態では、基板11の第2面11b側に配置されるトレイ19(図7参照)、及び基板11の第1面11a側に配置されるマスク20により、基板11を保持するホルダー18が構成されている。トレイ19は、基板11の第2面11bを覆っており、第1面11a上に成膜される半導体層12が第2面11b上に成膜されることを防止する。トレイ19は、半導体層12が第2面11b上に成膜されることを防止できる限りにおいて、図示しない開口を設けた形状としてもよい。
[0029]
 図5~図7に示すように、ホルダー18は、半導体層12の成膜時において、複数の基板11を立てた状態で保持する。即ち、基板11は第1面11aが鉛直方向に沿った状態でホルダー18に保持される。ホルダー18に基板11をセットする手順は、例えば下記の通りである。下記の手順は、基板11が配置されるトレイ19の面を鉛直上方に向けた状態で行われる。
(1)トレイ19上に複数の基板11を配置する。トレイ19又はマスク20には、各基板11がホルダー18内で大きく動かないように、例えば各基板11を配置するスペースを区画する位置決め部材が設けられている。後述する支持ピン28は、当該位置決め部材の1つである。
(2)基板11を配置したトレイ19にマスク20を取り付ける(工程(b))。基板11と、トレイ19及びマスク20との間には、基板11の損傷を防止するために、ある程度の隙間を設けることが好ましいが、当該隙間は基板11の保持が不安定とならない程度に設定される。
[0030]
 工程(a)では、主開口部22、基板押え部23、及び小開口部26を有するマスク20を準備する。マスク20は、例えばステンレス鋼等の金属材料を用いて作製する。マスク20には、四方が枠部21に囲まれた主開口部22を形成する。マスク20は、上記のように、トレイ19に並べられた複数の基板11の第1面11a上に配置されるものであるから、主開口部22は、基板11の数に対応して複数形成される。複数の主開口部22は、枠部21によって区分けされており、互いにつながることなく独立している。各主開口部22の外側には、基板押え部23をそれぞれ設ける。基板押え部23は、枠部21の一部が内側に張り出した部分であって、主開口部22から基板11が抜け落ちることを防止する役割を果たす。
[0031]
 主開口部22は、半導体層12の主成膜領域を規定する開口部である。主開口部22から露出した第1面11a上には、第1成膜部12a(図2参照)が形成される。主開口部22は、半導体層12(第1成膜部12a)の成膜面積を大きくするために、基板11の保持性に問題のない範囲で大きく形成される。但し、主開口部22を大きくし過ぎると、例えばホルダーの搬送時に基板11が揺動した場合や、成膜時の熱によりマスク20が変形して主開口部22が広がった場合に、基板11が主開口部22から抜け落ちることが生じ得る。したがって、かかる場合でも主開口部22から基板11が抜け落ちることがないように、基板押え部23の張り出し長さ、即ち基板押え部23の最も内側に張り出した端部23zの位置を設定することが好適である。なお、端部23zは、主開口部22の縁部の一部を構成する。
[0032]
 主開口部22は、第1面11aの形状に対応した平面視略正方形状とすることが好適である。即ち、主開口部22の縁部は、第1面11aの各辺(長辺11c及び斜辺11d)に略沿うように形成されることが好適である。主開口部22の開口面積ができるだけ広くなるように、基板押え部23を形成することが好ましい。
[0033]
 本実施形態では、主開口部22の縁部のうち、ホルダー18を立てた状態で鉛直下方に位置する下縁部22zに、平面視略U字状の切欠き27が形成されている。切欠き27には、トレイ19にマスク20を取り付けたときに、トレイ19に設置された支持ピン28が挿入される。支持ピン28は、ホルダー18を立てたときに基板11の重量が主にかかる支持部材である。また、切欠き27及び支持ピン28は、トレイ19とマスク20の位置合わせに用いられる。支持ピン28の上端部は、下縁部22zの直線部分と略同じ高さに位置するため、第1面11aの端縁領域が枠部21で覆われることなく、主開口部22から露出する。また、主開口部22の他の縁部においても、第1面11aの端縁領域が枠部21で覆われることなく、主開口部22から露出する。
[0034]
 基板押え部23は、上記のように、第1面11aの端縁領域の一部を覆う部分であって、主開口部22から基板11が抜け落ちることを防止する。基板押え部23は、基板11の第1面11a上にマスク20を配置したときに、第1面11aの中心Cに対して略対称となる少なくとも2箇所に設けることが好適である。例えば、第1面11aの中心Cの真上及び真下の2箇所に基板押え部23を設けてもよく、対向する2つの長辺11cに沿って基板押え部23を設けてもよい。
[0035]
 基板押え部23は、第1面11aの四隅に対応する部分のうち、少なくとも隣接する2箇所に設けられる。支持ピン28がある場合、2箇所の基板押え部23は第1面11aのうち、支持ピン28と接触する辺と反対の辺の両端に対応する位置に設けられる。基板押え部23は、第1面11aの中心Cに対して略対称となる4箇所に設けられることが好適であり、具体的には、第1面11aの四隅に対応する部分にそれぞれ設けることが好適である。即ち、基板押え部23は、第1面11aの四隅のみを覆うように設けられる。第1面11aの四隅に基板押え部23を設けることで、基板11を安定に押えることができる。
[0036]
 本実施形態では、各基板押え部23がいずれも略同じ形状を有している。基板押え部23は、2種類の細いフレーム(メインフレーム24及び補助フレーム25)により構成されている。当該構成によれば、第1面11a上の基板押え部23で覆われた領域にも原料ガスが回り込み、半導体層12(第3成膜部12c)を形成することが可能となる。
[0037]
 メインフレーム24は、第1面11a上にマスク20を配置したときに、第1面11aの斜辺11dに沿って略直線状に延びるように設けられる。メインフレーム24の両端部は、枠部21につながっており、主開口部22の縁部を形成する。即ち、メインフレーム24の内側に沿った辺が端部23zとなる。補助フレーム25は、メインフレーム24を補強するために設けられる。補助フレーム25は、メインフレーム24と枠部21とを連結する。補助フレーム25は、メインフレーム24に対して略垂直に2本設けられている。複数の補助フレーム25を設けたことにより、メインフレーム24、及び補助フレーム25の各々の幅を細くすることが可能になる。これにより、第1面11a上の各フレームで覆われた領域に原料ガスが回り込み易くなる。
[0038]
 小開口部26は、基板押え部23に形成される開口部である。小開口部26から露出した第1面11a上には、半導体層12(第2成膜部12b)が形成される。つまり、マスク20には、メインフレーム24により形成される主開口部22の縁部(端部23z)よりも外側に開口部が存在する。これにより、基板11が主開口部22から抜け落ちることを確実に防止しながら、半導体層12の成膜面積を大きくすることができる。つまり、基板11が抜け落ちる可能性があるのは主開口部22であり、主開口部22の大きさは基板押え部23の端部23zにより決定されるから、端部23zの外側に小開口部26を形成しても基板11が抜け落ちることはない。
[0039]
 小開口部26の開口面積は、基板押え部23の強度に問題のない範囲で大きいことが好ましい。小開口部26の好適な開口面積は、基板押え部23の形状等によっても異なるが、例えば第1面11aの面積に対して0%より大きく、0.3%以下程度とする。
[0040]
 小開口部26は、メインフレーム24によって主開口部22から分離されている。つまり、メインフレーム24が主開口部22と小開口部26の間を横切って形成されているため、小開口部26が主開口部22につながることなく独立して形成される。これにより、例えば主開口部22と小開口部26をつなげて形成した場合と比べて、基板押え部23(メインフレーム24)の強度を向上させることができる。本実施形態では、メインフレーム24と補助フレーム25との間に小開口部26が形成されている、
[0041]
 小開口部26は、基板押え部23に複数形成されることが好適である。本実施形態では、2本の補助フレーム25の間、及び各補助フレーム25と枠部21との間に、1つずつ合計3つの小開口部26が形成されている。即ち、複数の補助フレーム25によって小開口部26が分離されている。小開口部26の開口面積が同じである場合、原料ガスの回り込みによる成膜を図るため、太いフレームを少数設けるよりも、細いフレームを多数設ける方が好ましい。
[0042]
 工程(b)は、基板11の第1面11a上にマスク20を配置する工程である。上記のように、複数の基板11が配置されたトレイ19にマスク20を取り付けて、複数の基板11をトレイ19及びマスク20で挟持する。マスク20は、トレイ19に設置された支持ピン28が切欠き27に嵌るように取り付けられる。基板11と、トレイ19及びマスク20との隙間は、ホルダー18を立てた状態で基板11が大きく搖動することなく、基板11の保持が不安定とならない程度に設定される。
[0043]
 マスク20のうち、基板押え部23のみが第1面11a上を覆う。即ち、第1面11aの端縁領域のうち、第1面11aの四隅のみがマスク20で覆われており、第1面11aの基板押え部23よりも内側に位置する領域は主開口部22から露出している。更に、基板押え部23には、小開口部26が形成されているため、メインフレーム24及び補助フレーム25のみが第1面11a上を覆っている。
[0044]
 工程(c)は、基板11の第1面11a上に半導体層12を成膜する工程である。半導体層12の成膜には、従来公知の成膜法、例えば蒸着法、スパッタリング法が適用できる。本実施形態では、化学気相成長(以下、「CVD」という)を適用するものとする。工程(c)では、第1面11a上にマスク20を配置して複数の基板11を安定に保持したホルダー18をCVD装置内に搬送して半導体層12を成膜する。
[0045]
 半導体層12は、第1面11a上において、マスク20で覆われず露出した領域に成膜される。つまり、主開口部22から露出した第1面11aの主成膜領域、及び小開口部26から露出した第1面11aの四隅の一部に半導体層12(第1成膜部12a及び第2成膜部12b)が形成される。また、基板押え部23は、2種類の細いフレームで構成されているため、各フレームに覆われた領域にも原料ガスが回り込み、半導体層12(第3成膜部12c)が形成される。
[0046]
 工程(c)で成膜される半導体層12は、例えばi型非晶質シリコン層及びp型非晶質シリコン層である。CVDによるi型非晶質シリコン層の成膜では、例えば水素(H 2)で希釈したシランガス(SiH 4)を原料ガスとして使用する。p型非晶質シリコン層の成膜では、例えばシラン(SiH 4)にジボラン(B 26)を添加し、水素(H 2)で希釈したものを原料ガスとして使用する。第2面11bには、p型非晶質シリコン層に代えて、例えばn型非晶質シリコン層が製膜される。n型非晶質シリコン層の成膜には、例えばジボラン(B 26)の代わりに、ホスフィン(PH 3)を原料ガスとして使用する。
[0047]
 工程(c)が終了すると、例えば基板11の第1面11aが鉛直上方を向くようにホルダー18を配置し、マスク20をトレイ19から取り外す。次に、第2面11bが鉛直上方(マスク20側)を向くように基板11を反転させ、再びマスク20をトレイ19に取り付ける。これにより、第2面11b上にマスク20が配置され、第2面11bの四隅が基板押え部23に覆われる。半導体層12は、第1面11aの場合と同様の方法で、第2面11b上に成膜することができる。
[0048]
 上記製造方法によれば、半導体層12の成膜工程において基板11を安定に保持しながら、基板11上の広範囲に半導体層12を形成することができる。
[0049]
 つまり、基板押え部23のメインフレーム24及び補助フレーム25により、基板11が主開口部22から抜け落ちることを防止し、基板押え部23に形成された小開口部26が半導体層12の成膜面積を拡大する。上述のように、基板11が抜け落ちるおそれがあるのは主開口部22である。マスク20は、基板押え部23の端部23z(主開口部22の縁部)の外側に小開口部26を形成することで、基板11の抜け落ちを確実に防止しながらマスク20全体として開口面積を大きくした設計である。マスク20によれば、基板押え部23の端部23zを従来よりも内側に位置させて基板11の保持性を向上させ、且つ半導体層12の成膜面積を拡大することが可能になる。
[0050]
 上記製造方法により製造された光電変換素子10は、半導体層12の成膜面積が広く、即ち発電有効面積が広いため、例えば優れた光電変換効率を有する。光電変換素子10を用いることで、従来よりも出力が向上した太陽電池セルを提供することが可能である。
[0051]
 上記実施形態は、本開示の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。
 図8~図10に、マスク20の設計変更例(マスク30,40,50)を示す。以下では、基板押え部以外の形状は、マスク20の場合と同じとする。
[0052]
 図8に例示するマスク30は、メインフレーム24のみで基板押え部33が構成されている点で、マスク20と異なる。この場合、補助フレーム25が設けられていないため、その分、小開口部36の開口面積が大きくなる。一方、マスク30の場合、メインフレーム24をマスク20の場合と同じ幅で形成すると、マスク20に比べて基板押え部33の強度が低下する。基板押え部33の強度を高くする必要がある場合は、メインフレーム24の幅を多少太くしてもよい。或いは、メインフレーム24上に補強部材を設ける等して、メインフレーム24の厚みを厚くしてもよい。
[0053]
 マスク30を用いて半導体層12を成膜した場合(後述のマスク40,50を用いた場合も同様)、第1面11aの外側に向かって、半導体層12の厚みが減少した後、再び増加した成膜パターンが第1面11aの四隅に形成される。
[0054]
 図9に例示するマスク40は、補助フレーム45が格子状(網目状)に設けられている点で、マスク20と異なる。この場合、複数の補助フレーム45の間に複数の小開口部46が形成されている。マスク40を用いた場合は、第1面11aの四隅に格子状(網目状)の成膜パターンが形成される。マスク40は、複数の補助フレーム45を設けたことにより、マスク20,30と比べて、基板押え部43の強度が向上する。一方、マスク40では、小開口部46の開口面積が小さくなり易いため、各補助フレーム45の幅を細くすることが好ましい。
[0055]
 図10に例示するマスク50には、基板押え部53に円形状の小開口部56が複数形成されている。基板押え部53は、基板押え部23,43のように細いフレームを組み合わせて形成されたものではなく、板状部に複数の貫通孔(小開口部56)が形成されてなる。貫通孔の形状は、円形状に限定されず、楕円形状や多角形状であってもよい。
[0056]
 本実施形態では、同じ形状の基板押え部(23,33,43,53)が、基板11の少なくとも2箇所の隅に設けられる構成とした。しかし、本開示はこの構成に限定されず、例えば、基板押え部を四隅に設けるが、少なくとも1つの基板押え部は、他の3つの基板押え部と異なる形状としてもよい。具体的には、1箇所は図9、図10に示すような多数の小開口部を有する基板押え部を採用し、3か所は小開口部の数が少ない、例えば図8に示すような小開口部を有する基板押え部を採用してもよい。基板押え部の形状を異ならせることで、例えば、成膜パターン13を成膜中の基板11の向きを示す情報として使用することができる。
[0057]
 本実施形態では、基板押え部(23,33,43,53)が基板11の第1面11aの四隅に設けられる構成とした。しかし、本開示はこの構成に限定されず、例えば、基板11の第1面11aの4つの長辺に、それぞれの長辺に沿うように設けてもよい。基板押え部を基板11の長辺に沿うように設ける場合であって、図7に示すような支持ピン28の上に基板11を配置する場合、基板押え部は少なくとも支持ピン28と接触する長辺と反対の長辺に沿う位置に設けられる。

符号の説明

[0058]
 10 光電変換素子、11 基板、11a 第1面、11b 第2面、11c 長辺、11d 斜辺、12 半導体層、12a 第1成膜部、12b 第2成膜部、12c 第3成膜部、13 成膜パターン、14 透明導電層、18 ホルダー、19 トレイ、20,30,40,50 マスク、21 枠部、22 主開口部、23,33,43,53 基板押え部、24,34,44 メインフレーム、25,45 補助フレーム、26,36,46,56 小開口部、27 切欠き、28 支持ピン、C 中心

請求の範囲

[請求項1]
 基板と、
 前記基板の少なくとも一方の面上に形成された成膜層と、
 を備えた光電変換素子の製造方法であって、
 主成膜領域を規定する主開口部、前記基板の前記一方の面の端縁領域を覆う基板押え部、及び当該押え部に形成された小開口部を有するマスクを準備し、
 前記一方の面上に前記マスクを配置し、
 前記マスクの前記各開口部を通して前記一方の面上に前記成膜層を形成する、光電変換素子の製造方法。
[請求項2]
 前記基板は4つの長辺を備え、
 前記基板押え部は、前記基板の前記一方の面上に前記マスクを配置したときに、前記基板の長辺のうちの1つの長辺の両端に対応する位置に設けられている、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
[請求項3]
 前記基板押え部は、前記基板の前記一方の面の四隅に対応する部分にそれぞれ設けられている、請求項2に記載の光電変換素子の製造方法。
[請求項4]
 前記小開口部は、それぞれ独立して複数形成されている、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
[請求項5]
 前記基板押え部は、前記基板の前記一方の面上に前記マスクを配置したときに、前記一方の面の辺に沿って略直線状に延びるメインフレームと、当該フレームを補強する補助フレームと、を有し、
 前記小開口部は、前記メインフレームと前記補助フレームとの間に形成されている、請求項4に記載の光電変換素子の製造方法。
[請求項6]
 前記成膜層の前記一方の面上に、前記主開口部と前記小開口部とに対応する領域を含むように透明導電層を形成する、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
[請求項7]
 基板と、
 前記基板の少なくとも一方の面上に形成された成膜層と、
 を備え、
 前記基板の前記一方の面の端縁領域には、前記一方の面の外側に向かって、前記成膜層の厚みが減少した後、再び増加した成膜パターンが形成されている、光電変換素子。
[請求項8]
 前記成膜パターンは、前記一方の面の四隅にそれぞれ形成されている、請求項7に記載の光電変換素子。
[請求項9]
 前記成膜層の前記一方の面上に、前記成膜パターンを含んで形成された透明導電層を更に備える、請求項8に記載の光電変換素子。
[請求項10]
 前記一方の面の四隅に形成された前記成膜パターンのうちの少なくとも1つは、他の成膜パターンとは異なる、請求項8に記載の光電変換素子。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]