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1. (WO2015145756) 介助ロボットおよび物体搬送装置
Document

明 細 書

発明の名称 介助ロボットおよび物体搬送装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072  

符号の説明

0073  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : 介助ロボットおよび物体搬送装置

技術分野

[0001]
 本発明は、被介助者の移動を補助する介助ロボットおよび物体を搬送する物体搬送装置に関する。

背景技術

[0002]
 介助ロボットの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、介助ロボットは、キャスターを有する歩行器本体と、歩行器本体に支持された起立・着座支援部とを備え、起立・着座支援部は、利用者の上半身を預けることができるパッド部を有し、パッド部が前後方向及び上下方向に前後用減速モータ及び上下用減速モータの駆動力で移動できると共に、パッド部の傾斜が傾斜用減速モータの駆動力で変更できるよう構成されている。
[0003]
 この介助ロボットにおいては、パッド部の前後移動は、利用者の足の接地点近傍を中心に回転させることによって行うようになっている。従って、簡単な操作で利用者の重心が足の接地点の真上に来るようにできるため、介助ロボットは最適な立ち姿勢に支援できるようになっている。
[0004]
 また、介助ロボットの他の一形式として、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図2に示されているように、介助ロボットは、基部と、上下方向に伸縮可能な軸部と、縦方向に揺動可能なテーブル本体と揺動中心の両側に配置される肘載部、グリップ部を有するテーブルと、を有するロボット本体を備えている。この介助ロボットは、肘載部に補助対象者の肘が載せられ、グリップ部が補助対象者に把持された状態で、軸部に補助対象者の重心が近接した上昇準備位置に到達するまでテーブル本体を揺動させ、上昇準備位置において軸部を伸張させることにより、補助対象者の立ち上がり動作を補助するようになっている。すなわち、介助ロボットにおいては、テーブルにより補助対象者を前傾姿勢にし、軸部により補助対象者を持ち上げている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2008-067849号公報
特許文献2 : 特開2012-217686号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上述した特許文献1に記載されている介助ロボットにおいては、簡単な操作で利用者の重心が足の接地点の真上に来るようにできるため、介助ロボットは最適な立ち姿勢に支援できるようになっている。また上述した特許文献2に記載されている介助ロボットにおいては、テーブルにより補助対象者を前傾姿勢にし、軸部より補助対象者を持ち上げている。しかし、いずれも、被介助者を起立させる際に、保持部に対する被介助者の上半身の姿勢、すなわち被介助者の上半身の重心の位置によっては、被介助者に違和感を与えるおそれがあった。
[0007]
 本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、違和感を与えることなく被介助者を起立させる介助ロボットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記の課題を解決するため、本発明に係る介助ロボットは、基台と、被介助者の体の一部を保持し、基台に対して少なくとも移動可能かつ傾動可能である保持部と、保持部に設けられ被介助者から受ける重量配分を検出する検出装置と、基台に対する保持部の動作を行なうアクチュエータと、検出装置から重量配分を取得する取得部と、取得部によって取得された重量配分から、被介助者の前後方向の重心位置を導出する重心位置導出部と、保持部に支えられて着座している被介助者を起立させる場合において、アクチュエータを制御して、重心位置導出部によって導出された重心位置が第一所定範囲内に入るように保持部を動作させる第一制御部と、を備えたことを特徴とする。

発明の効果

[0009]
 これによれば、介助ロボットは、被介助者を起立させる際に、被介助者の上半身の重心を所定範囲内に維持することができ、ひいては保持部に対する被介助者の上半身の姿勢を一定範囲内に保持することができる。したがって、違和感を与えることなく被介助者を起立させる介助ロボットを提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明による介助ロボットの一実施形態の右側から見た図である。
[図2] 図1に示す保持部まわりの上方から見た図である。
[図3] 図1に示す伸張状態にある介助ロボットの内部構造の概要の右側から見た図である。
[図4] 図1に示す伸張状態にある介助ロボットの内部構造の概要の右側から見た図である。
[図5] 図1に示す保持部特に検出装置を示す断面図である。
[図6] 介助ロボットが着座している被介助者を支えている様子を右側から見た図である。
[図7] 介助ロボットが起立している被介助者を支えている様子を右側から見た図である。
[図8] 介助ロボットの起立動作を示す図である。
[図9] 図1に示す介助ロボットを示すブロック図である。
[図10] 図9に示す制御装置で実行される制御プログラム(起立動作開始許否)を示すフローチャートである。
[図11] 図9に示す制御装置で実行される制御プログラム(起立動作)を示すフローチャートである。
[図12] 保持部が被介助者から受ける力の配分、および被介助者の重心位置を説明するための図である。
[図13] 本発明による物体搬送装置の一実施形態を示す図である。
[図14] 図13に示す制御装置で実行される制御プログラム(搬送動作)を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明による介助ロボットの一実施形態について説明する。介助ロボット10は、被介助者M1の体の一部(例えば、上半身)を支えて起立および着座を補助するための介助ロボットである。この介助ロボット10は、図1~図4に示すように、基部11、アクチュエータ12、保持部13、ハンドル14、操作装置15、記憶装置16および制御装置17を含んで構成されている。
[0012]
 基部11は、基台21および基部カバー22を備えている。基台21は、後方(図1にて左方向)に開口する平面視略U字形状に形成されている。具体的には、基台21は、左右フレーム21a,21b、および左右フレーム21a,21bの一端部(本実施形態では前端部(図1および図3にて右方向))を連結する連結フレーム21cを備えている。左右フレーム21a,21bは、被介助者M1が入るために必要な間隔を開けて配置されている。
[0013]
 左右フレーム21a,21bの後端部には、左右駆動輪21d,21eがそれぞれ設けられるとともに、左右駆動輪21d,21eをそれぞれ駆動する左右駆動輪用モータ21f,21g(駆動源)が内蔵されている。介助ロボット10は、左右駆動輪用モータ21f,21g(駆動源)によりそれぞれ駆動する左右駆動輪21d,21eによって走行する。なお、左右駆動輪用モータ21f,21gは、被介助者M1が介助ロボット10を手押しする際には空転可能であることが望ましい。
 なお、介助ロボット10は、左右駆動輪用モータ21f,21gを省略して構成して、使用者により押されて移動するようにしてもよい。
[0014]
 左右フレーム21a,21bの前端部には、左右従動輪21h,21iがそれぞれ設けられている。左右従動輪21h,21iは、介助ロボット10の進行方向に応じて回転可能である。
 基部カバー22は、図1に示すように、基台21を上方から覆うカバーである。この基部カバー22は、基台21と同様に後方に開口する平面視略U字形状に形成されている。
[0015]
 アクチュエータ12(30)は、スライド部31および傾動部32から構成されている。スライド部31は、保持部13を基台21に対して移動(軸方向に沿って移動)させる。傾動部32は、保持部13を基台21に対して傾動させる。
[0016]
 スライド部31(40)は、左右スライド部41,42を備えている。左スライド部41は、図4に示すように、スライド基部41a、第一スライド部41bおよび第二スライド部41cを備えている。左スライド部41の基部は、基台21の左フレーム21aに取り付けられている。すなわち、スライド基部41aは、基台21に対して前側に所定角度(例えば80度)にて傾斜させて取り付けられている。第一スライド部41bは、スライド基部41aに対して長手方向(軸動方向)にスライドするものであり、収縮した際にはスライド基部41a内にほぼ収容されるように構成されている。第二スライド部41cは、第一スライド部41bに対して長手方向(軸動方向)にスライドするものであり、収縮した際には第一スライド部41b内にほぼ収容されるように構成されている。
[0017]
 第二スライド部41cの上端には、後方に向けて延設されているアーム部43が取り付けられている。本実施形態では、アーム部43は、左スライド部41の長手方向に対して直交している。アーム部43の先端部には、保持部13が回動自在に取り付けられている。
[0018]
 さらに、スライド部31は、第一および第二スライド部41b、41cをスライドさせる駆動用モータ45を備えている。駆動用モータ45の出力は、変速機構46および第一ベルト47を介して第二ベルト48に伝達されるように構成されている。第二ベルト48は、プーリ48aおよびプーリ48bに装架されている。プーリ48aは、スライド基部41aの下端部に回転可能に取り付けられている。プーリ48bは、スライド基部41aの上端部に回転可能に取り付けられている。第一スライド部41bの下端部は、第二ベルト48に固定されている。
[0019]
 第三ベルト49は、プーリ49aおよびプーリ49bに装架されている。プーリ49aは、第一スライド部41bの下端部に回転可能に取り付けられている。プーリ49bは、第一スライド部41bの上端部に回転可能に取り付けられている。第二スライド部41cの下端部41c1は、第三ベルト49の一方側に固定されている。スライド基部41aの上端部41a1は、第三ベルト49の他方側に固定されている。
[0020]
 左スライド部41は、第一スライド部41bおよび第二スライド部41cをカバーするスライドカバー41dを備えている。スライドカバー41dは、筒状に形成されている。スライドカバー41dは、1つの筒状体で構成するようにしてもよいし、2つの筒状体がスライドする二段スライド式で構成するようにしてもよい。
[0021]
 右スライド部42は、図3および図4に示すように、左スライド部41と同様に、スライド基部42a、第一スライド部42bおよび第二スライド部42cを備えている。右スライド部42の基部は、基台21の右フレーム21bに取り付けられている。第二スライド部42cの上端には、後方に向けて延設されているアーム部44が取り付けられている。アーム部44の先端部には、保持部13が回動自在に取り付けられている。
[0022]
 さらに、駆動用モータ45の出力は、変速機構46および第一ベルト51を介して第二ベルト52に伝達されるように構成されている。第二ベルト52は、プーリ52aおよびプーリ52bに装架されている。プーリ52aは、スライド基部42aの下端部に回転可能に取り付けられている。プーリ52bは、スライド基部42aの上端部に回転可能に取り付けられている。第一スライド部42bの下端部は、第二ベルト52に固定されている。
[0023]
 第三ベルト53は、プーリ53aおよびプーリ53bに装架されている。プーリ53aは、第一スライド部42bの下端部に回転可能に取り付けられている。プーリ53bは、第一スライド部42bの上端部に回転可能に取り付けられている。第二スライド部42cの下端部42c1は、第三ベルト53の一方側に固定されている。スライド基部42aの上端部42a1は、第三ベルト53の他方側に固定されている。
 右スライド部42は、第一スライド部42bおよび第二スライド部42cをカバーするスライドカバー42dを備えている。スライドカバー42dは、スライドカバー41dと同様に構成されている。
[0024]
 駆動用モータ45が正方向に駆動すると、第二ベルト48が回転され、第一スライド部41bは、スライド基部41aに対して軸動方向に沿って伸張する。同時に、第一スライド部41bの上昇に伴って第三ベルト49が回転され、第二スライド部41cは、第一スライド部41bに対して軸動方向に沿って伸張する。この左スライド部41の伸張動作は、右スライド部42においても同様である。
[0025]
 一方、駆動用モータ45が逆方向に駆動すると、第二ベルト48が伸張時と反対回りに回転され、第一スライド部41bは、スライド基部41aに対して軸動方向に沿って収縮する。同時に、第一スライド部41bの下降に伴って第三ベルト49が伸張時と反対回りに回転され、第二スライド部41cは、第一スライド部41bに対して軸動方向に沿って収縮する。この左スライド部41の収縮動作は、右スライド部42においても同様である。これにより、保持部13は、基台21に対して軸方向に沿って移動される。
[0026]
 傾動部32は、左右傾動部32a,32bを備えている。左傾動部32aは、駆動用モータ32a1、変換機構32a2および出力ロッド32a3を備えている。変換機構32a2は、例えばボールねじを内蔵し、駆動用モータ32a1の回転出力を直線運動に変換して出力ロッド32a3に出力するものである。出力ロッド32a3は、変換機構32a2に対して軸方向に進退するものである。駆動用モータ32a1および変換機構32a2は、第二スライド部41cの下端部に取り付けられている。左傾動部32aは、第二スライド部41cに対して傾動可能に取り付けられている。出力ロッド32a3の出力端は、保持部13の前端部に傾動可能に取り付けられている。
[0027]
 右傾動部32bは、左傾動部32aと同様に、駆動用モータ32b1、変換機構32b2および出力ロッド32b3を備えている。駆動用モータ32b1および変換機構32b2は、第二スライド部42cの下端部に取り付けられている。右傾動部32bは、第二スライド部42cに対して傾動可能に取り付けられている。出力ロッド32b3の出力端は、保持部13の前端部に傾動可能に取り付けられている。
[0028]
 駆動用モータ32a1が正方向に駆動すると、出力ロッド32a3が出力方向に向けて進む(伸張する)。同時に、駆動用モータ32b1が正方向に駆動すると、出力ロッド32b3が出力方向に向けて進む(伸張する)。その結果、保持部13は、回転軸A1まわりに反時計回り方向(図1および図3にて)に回転する(後傾される)。一方、駆動用モータ32a1が逆方向に駆動すると、出力ロッド32a3が後退する(収縮する)。同時に、駆動用モータ32b1が正方向に駆動すると、出力ロッド32b3が後退する(収縮する)。その結果、保持部13は、回転軸A1まわりに時計回り方向(図1および図3にて)に回転する(前傾される)。これにより、保持部13は、基台21に対して傾動される。
[0029]
 保持部13は、基台21に対して少なくとも移動可能かつ傾動可能である。保持部13の後端部は、アーム部43,44の先端部の回転軸A1まわりに回動自在に取り付けられている。保持部13の前端部は、傾動部32によって水平面に対して所定角度に調整され、その位置で支えられるようになっている。この保持部13は、被介助者M1の体の一部(例えば、上半身)を保持して起立および着座ならびに歩行(移動)を補助するものである。
[0030]
 保持部13は、例えば、被介助者M1の起立動作及び着座動作において被介助者M1に対して対向したときに、その上半身を支える部材である。この保持部13は、図2に示すように、後方向(図2にて下方向)に向けて開口する平面視略U字形状に形成されている。保持部13は、平面視略U字形状に形成された2枚の板部材61,62が重ねられた状態で構成されている。板部材61と板部材62との間には、図5に示すように、被介助者M1から受ける重量配分を検出する検出装置63が設けられている。
[0031]
 検出装置63は、複数の圧力センサ63aから構成されている。本実施形態では、圧力センサ63aは、保持部13の4つの角部に配設されている。圧力センサ63aは被介助者M1の前後方向(図5にて左右方向)に沿って左右に二つずつ設けられている。被介助者M1の前方向に設けられている圧力センサ63aが、前側圧力センサ63afである。被介助者M1の後方向に設けられている圧力センサ63aが、後側圧力センサ63arである。圧力センサ63aは、荷重の変化によって変化する起歪体の歪み量を電圧変化として検出するものや、シリコンチップに圧力が加わると、そのたわみに応じ、ゲージ抵抗が変化し電気信号に変換される半導体式圧力センサなどである。なお、検出装置63は、面状圧力センサで構成されるようにしてもよい。
[0032]
 保持部13の上面の後端部には、一対の肘置きパッド64,64が設けられている。保持部13の上面の前端部には、一対のハンドル14,14が設けられている。ハンドル14,14は、被介助者M1の左右の手でそれぞれ握られるようになっている。ハンドル14、14は、握っていることを検知する接触センサ(図示省略)を設けるようにしてもよく、介助ロボット10を停止させるための停止スイッチ(図示省略)を設けるようにしてもよい。
[0033]
 保持部13の上面の前端部には、操作装置15が設けられている。操作装置15は、画像を表示する表示部15aと、使用者(介助者や被介助者M1)からの入力操作を受け付ける操作部15bとを備えている。表示部15aは、液晶ディスプレイで構成されており、介助ロボット10の作動モードの選択画面などを表示する。操作部15bは、カーソルを上下左右に移動させるカーソルキー、入力をキャンセルするキャンセルキー,選択内容を決定する決定キーなどを備えており、使用者の指示をキー入力できるように構成されている。なお、操作装置15は、表示部15aの表示機能と操作部15bの入力機能とを備えており、画面上の表示を押すことで機器を操作するタッチパネルで構成するようにしてもよい。
[0034]
 保持部13の下面には、図1に示すように、カバー65が下方に向けて取り付けられている。カバー65は、板状かつ扇状に形成されており、保持部13とアーム部43(またはアーム部44)との隙間を塞いでいる。
[0035]
 記憶装置16(記憶部)は、保持部13に支えられて着座している被介助者M1を起立させる場合において、被介助者M1の移動制御部位である例えば肩位置Psが通過する起立軌跡Tas1を示す起立軌跡用基準データを記憶している。なお、保持部13に支えられて着座している被介助者M1(以下、座位の被介助者M1という)は、図6に示されている。保持部13に支えられて起立している被介助者M1(以下、立位の被介助者M1という)は、図7に示されている。
 起立軌跡Tas1は、図8に示すように、座位の被介助者M1の肩位置Psから始まり、立位の被介助者M1の肩位置Psで終了する、直線状の軌跡である。また、被介助者M1の重心位置G(特に上半身の重心位置である)の軌跡はTg1で表す。起立軌跡Tas1は、実際に健常者の起立動作を撮影し、その肩位置Psの二次元座標(例えばxy座標)に基づいて作成すればよい。なお、起立軌跡は、シミュレーションで作成するようにしてもよい。
[0036]
 起立軌跡用基準データは、二次元座標で形成されている。起立軌跡用基準データは、例えばxy座標にて、(Xa1、Ya1)、・・・、(Xan、Yan)で表わされ、n個からなる。原点は、介助ロボット10の基準点としてもよいし、介助ロボット10の重心位置としてもよい。
[0037]
 起立軌跡用基準データは、このxy座標に、各座標における保持部13の角度αを加えて構成されることが望ましい。各座標における保持部13の角度αは、起立軌跡Tas1の各点における保持部13の角度である。この角度αは、保持部13の上面と水平面とのなす角度である。例えば、起立状態であるときには、角度αは0度である。起立軌跡用基準データは、例えば(Xa1、Ya1、α1)、・・・、(Xan、Yan、αn)で表される。
[0038]
 なお、起立軌跡用基準データは、二次元座標でなく、ロボット座標で形成するようにしてもよい。この場合、起立軌跡用基準データは、例えば、駆動用(スライド用)モータ45のアーム長さ(La:スライド量:このアーム長さに相当する回転角度)、および駆動用(傾動用)モータ32a1,32b1の回転角度(θa)を含んで構成されている。XY座標の角度αを加えた座標(Xa1,Ya1,α1)は、ロボット座標(La1,θa1)で表される。
 なお、上述したデータ、座標は、被介助者M1が着座する椅子やベッドなどの着座部の高さや、被介助者M1の身長に応じて補正するのが望ましい。
[0039]
 制御装置17は、介助ロボット10の姿勢変形に関する制御を行う。制御装置17は、図9に示すように、上述した検出装置63(圧力センサ63a)、左右駆動輪用モータ21f,21g、駆動用(スライド用)モータ45、駆動用(傾動用)モータ32a1,32b1、操作装置15、記憶装置16、および案内装置18が接続されている。また、制御装置17はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。
[0040]
 案内装置18は、被介助者M1、介助者を含む周囲にいる人に対して介助ロボット10の状態や被介助者M1の姿勢を音声や表示により案内するものである。案内装置18は、音声を出力するスピーカでもよく、文字、図形等を表示するLCDやLEDなどの表示装置でもよい。
[0041]
 次に、上述したように構成された介助ロボット10の起立動作を説明する。最初に、起立動作が開始される前の制御(起立動作許否制御)について図10のフローチャートに沿って説明する。制御装置17は、図示しない起動スイッチがオンされると、所定の短時間(制御サイクル時間)毎に、上記フローチャートに対応したプログラムを繰り返し実行する。
[0042]
 制御装置17は、図10のステップS100にてプログラムの実行を開始する毎に、ステップS102において、検出装置63から重量配分を取得する(取得部)。制御装置17は、ステップS104において、ステップS102にて取得された重量配分から、着座している被介助者M1の前後方向の重心位置Pgを導出する(重心位置導出部)。なお、重心位置Pgは、被介助者M1の上半身Xaの重心の前後方向の位置であり、高さ方向および左右方向の位置は含まない。
[0043]
 重心位置Pgの導出について図12を参照して説明する。被介助者M1の上半身の重心Pgが、前側圧力センサ63afと後側圧力センサ63arとの間にある場合について説明する。長さLbは、前側圧力センサ63afと後側圧力センサ63arとの中心間距離である。長さL1は、後側圧力センサ63arと重心位置Pgとの間の距離(前後方向成分のみ)である。長さL2は、重心位置Pgと前側圧力センサ63afとの間の距離(前後方向成分のみ)である。
[0044]
 上半身Xaに加わる力は、重さWaおよび板部材61からの垂直抗力Naである。板部材61に加わる力は、重さWb、板部材61からの垂直抗力Naの反作用(-Na)、後側圧力センサ63arからの垂直抗力Nrおよび前側圧力センサ63afからの垂直抗力Nfである。
[0045]
 垂直抗力Nrは、下記数1で表される。
(数1)
 Nr=(1/2)・Wb+(L2/Lb)・Wa
 垂直抗力Nfは、下記数2で表される。
(数2)
 Nf=(1/2)・Wb+(L1/Lb)・Wa
 数1から数2を減算してWbを削除すると、下記数3が導かれる。
(数3)
 Nr-Nf=((Lb-2L1)/Lb)・Wa
 上記数3を展開して、長さL1を、長さLb、上半身の重さWa、後側圧力センサ63arの垂直抗力Nrおよび前側圧力センサ63afの垂直抗力Nfで表すと、下記数4のようになる。
(数4)
 L1=(Lb/2)・(1-(Nr-Nf)/Wa)
[0046]
 このように、重心位置Pgの前後方向成分である長さL1は、後側圧力センサ63arと前側圧力センサ63afとの中心間距離である長さLb、上半身の重さWa、後側圧力センサ63arの検出値である垂直抗力Nrおよび前側圧力センサ63afの検出値である垂直抗力Nfから導出することができる。すなわち、重心位置Pgは、後側圧力センサ63arの検出値および前側圧力センサ63afの検出値から導出することができる。なお、上半身の重さWaは、Nr+Nf-Wbで表される。板部材61の重さWbは、予め記憶装置16に記憶されているのが望ましい。
[0047]
 説明を図10のフローチャートに戻す。制御装置17は、ステップS106において、先に導出された被介助者M1の重心位置Pgと所定範囲(第二所定範囲に相当する)とを比較する。すなわち、制御装置17は、被介助者M1の重心位置Pgが、所定範囲内にあるか、所定範囲より前方にあるか、所定範囲より後方にあるかを判定する。具体的には、制御装置17は、長さL1が所定範囲内にあるか否かを判定する。所定範囲は、例えば、Lb/4からLb/2までの範囲である。
[0048]
 重心位置Pgが所定範囲内である場合には、制御装置17は、プログラムをステップS108に進めて、起立動作の開始を許可する。その後、制御装置17は、プログラムをステップS110に進めて、本フローチャートを終了し、起立動作を開始する。
[0049]
 重心位置Pgが所定範囲より後方である場合には、制御装置17は、プログラムをステップS112に進めて、起立動作の開始を禁止する。制御装置17は、ステップS114において、アクチュエータ12を駆動させて保持部13を所定量だけ前傾させる。これにより、被介助者M1の上半身が前傾するため、重心位置Pgを前方に移動させることができる。また、制御装置17は、案内装置18を駆動させて被介助者M1に上半身を前方に移動する旨を通知するようにしてもよい。これにより、被介助者M1が上半身を前方に移動する(または前傾する)ため、重心位置Pgを前方に移動させることができる。重心位置Pgが所定範囲内に入るまで、制御装置17は、ステップS100-106,112,114の処理を繰り返し実行する。
[0050]
 重心位置Pgが所定範囲より前方である場合には、制御装置17は、プログラムをステップS116に進めて、起立動作の開始を禁止する。制御装置17は、ステップS118において、アクチュエータ12を駆動させて保持部13を所定量だけ後傾させる。これにより、被介助者M1の上半身が後傾するため、重心位置Pgを後方に移動させることができる。また、制御装置17は、案内装置18を駆動させて被介助者M1に上半身を後方に移動する旨を通知するようにしてもよい。これにより、被介助者M1が上半身を後方に移動する(または後傾する)ため、重心位置Pgを後方に移動させることができる。重心位置Pgが所定範囲内に入るまで、制御装置17は、ステップS100-106,116,118の処理を繰り返し実行する。
[0051]
 このように、制御装置17は、起立動作が開始される前において、ステップS104(重心位置導出部)によって導出される、着座している被介助者M1の重心位置Pgが所定範囲(第二所定範囲)内である場合には、起立動作の開始を許可(ステップS108)し、一方、ステップS104(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが所定範囲(第二所定範囲)外である場合には、起立動作の開始を禁止(ステップS112,116)する(ステップS108,112,116:起立動作許否部)。
[0052]
 さらに、制御装置17は、起立動作が開始される前において、ステップS104(重心位置導出部)によって導出される、着座している被介助者M1の重心位置Pgが所定範囲(第二所定範囲)外である場合には、アクチュエータ12を制御して、ステップS104(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが所定範囲(第二所定範囲)内に入るように保持部13を傾動させる(ステップS114,118:第二制御部)。
[0053]
 次に、起立動作について図11のフローチャートに沿って説明する。制御装置17は、図示しない起動スイッチがオンされると、所定の短時間(制御サイクル時間)毎に、上記フローチャートに対応したプログラムを繰り返し実行する。
[0054]
 制御装置17は、図11のステップS200にてプログラムの実行を開始する毎に、ステップS202において、起立動作開始許可があるか否かを判定する。起立動作開始許可がない場合には、制御装置17は、ステップS202にて「NO」と判定し、プログラムをステップS218に進めて、本フローチャートを一旦終了する。これにより、起立動作開始許可がない場合には、制御装置17は、介助ロボット10の起立動作を開始しない(すなわち起立動作が禁止される)。
 一方、起立動作開始許可がある場合には、制御装置17は、ステップS202にて「YES」と判定し、プログラムをステップS204以降に進めて、介助ロボット10の起立動作を実行する。
[0055]
 制御装置17は、ステップS204において、ステップS102と同様に、検出装置63から重量配分を取得する(取得部)。さらに制御装置17は、ステップS206において、ステップS104と同様に、ステップS204にて取得された重量配分から、着座している被介助者M1の前後方向の重心位置Pgを導出する(重心位置導出部)。
[0056]
 制御装置17は、ステップS208において、先に導出された被介助者M1の重心位置Pgと所定範囲(第一所定範囲に相当する)とを比較する。すなわち、制御装置17は、被介助者M1の重心位置Pgが、所定範囲内にあるか、所定範囲より前方にあるか、所定範囲より後方にあるかを判定する。具体的には、制御装置17は、長さL1が所定範囲内にあるか否かを判定する。所定範囲は、例えば、Lb/4からLb/2までの範囲である。第一所定範囲は、第二所定範囲と同一でもよく、所定比率割り増しした範囲でもよく、所定比率割り引きした範囲でもよい。
[0057]
 重心位置Pgが所定範囲内である場合には、制御装置17は、プログラムをステップS210に進めて、保持部13の上下動速度(すなわち軸方向速度)および傾きを維持する。軸方向速度は、スライド部31の軸方向(移動方向)に沿った速度である。
 重心位置Pgが所定範囲より後方である場合には、制御装置17は、プログラムをステップS212に進めて、アクチュエータ12を制御させて、保持部13の軸方向速度を所定量だけ減少させるか、または保持部13を所定量だけ前傾させる。また、制御装置17は、ステップS212において、保持部13の速度を減少させるとともに前傾させるようにしてもよい。これにより、被介助者M1の上半身が前傾するため、重心位置Pgを前方に移動させることができる。重心位置Pgが所定範囲内に入るまで、制御装置17は、ステップS200-212の処理を繰り返し実行する。
[0058]
 重心位置Pgが所定範囲より前方である場合には、制御装置17は、プログラムをステップS214に進めて、アクチュエータ12を駆動させて、保持部13の軸方向速度を所定量だけ増大させるか、または保持部13を所定量だけ後傾させる。また、制御装置17は、ステップS214において、保持部13の速度を増大させるとともに後傾させるようにしてもよい。これにより、被介助者M1の上半身が後傾するため、重心位置Pgを後方に移動させることができる。重心位置Pgが所定範囲内に入るまで、制御装置17は、ステップS200-208,214の処理を繰り返し実行する。
[0059]
 保持部13が起立位置に到達するまでは、制御装置17は、ステップS216にて「NO」と判定し、ステップS218に進め、本プログラムを一旦終了する。すなわち、制御装置17は、ステップS202~216の処理を繰り返し実行し、起立動作を継続する。
 一方、保持部13が起立位置に到達した場合には、制御装置17は、ステップS216にて「YES」と判定し、起立動作を終了する(ステップS220)。制御装置17は、ステップS216にて、保持部13が起立位置に到達したか否かを判定する。具体的には、制御装置17は、保持部13が予め設定された被介助者M1の身長に応じた位置(起立位置に相当する)に到達したか否かを判定することにより、保持部13が起立位置に到達したか否かを判定する。
[0060]
 このように、制御装置17は、保持部13に支えられて着座している被介助者M1を起立させる場合において、アクチュエータ12を制御して、ステップS206(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが所定範囲(第一所定範囲)内に入るように保持部13を動作させる(ステップS208-214:第一制御部)。
[0061]
 さらに、制御装置17(第一制御部)は、ステップS206(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが所定範囲(第一所定範囲)内より前方である場合には、少なくとも、保持部13の軸方向速度(移動方向に沿った速度)を速くするか、または保持部13を後傾させ(ステップS214)、一方、ステップS206(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが所定範囲(第一所定範囲)内より後方である場合には、少なくとも、保持部13の軸方向速度を遅くするか、または保持部13を前傾させる(ステップS212)。
[0062]
 上述した実施形態から明らかなように、本実施形態に係る介助ロボット10は、基台21と、被介助者M1の体の一部を保持し、基台21に対して少なくとも移動可能かつ傾動可能である保持部13と、保持部13に設けられ被介助者M1から受ける重量配分を検出する検出装置63と、基台21に対する保持部13の動作を行なうアクチュエータ12と、検出装置63から重量配分を取得する制御装置17(ステップS204:取得部)と、取得部によって取得された重量配分から、被介助者M1の前後方向の重心位置Pgを導出する制御装置17(ステップS206:重心位置導出部)と、保持部13に支えられて着座している被介助者M1を起立させる場合において、アクチュエータ12を制御して、重心位置導出部によって導出された重心位置Pgが第一所定範囲内に入るように保持部13を動作させる制御装置17(ステップS208-214:第一制御部)と、を備えている。
[0063]
 これによれば、介助ロボット10は、被介助者M1を起立させる際に、被介助者M1の上半身の重心を所定範囲内に維持することができ、ひいては保持部13に対する被介助者M1の上半身の姿勢を一定範囲内に保持することができる。したがって、違和感を与えることなく被介助者M1を起立させる介助ロボット10を提供することができる。
[0064]
 また、着座している被介助者M1と介助ロボット10とが近い場合でも、遠い場合でも、介助ロボット10は、被介助者M1を起立させる際に、被介助者M1の上半身の重心を所定範囲内に維持することができ、ひいては保持部13に対する被介助者M1の上半身の姿勢を一定範囲内に保持することができる。
[0065]
 また、本実施形態に係る介助ロボット10において、制御装置17(ステップS208-214:第一制御部)は、ステップS206(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが第一所定範囲内より前方である場合には、少なくとも、保持部13の軸方向速度(移動方向に沿った速度)を速くするか、または保持部13を後傾させ(ステップS214)、一方、ステップS206(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが第一所定範囲内より後方である場合には、少なくとも、保持部13の軸方向速度を遅くするか、または保持部13を前傾させる(ステップS212)。
 これによれば、介助ロボット10は、被介助者M1を起立させる際に、より確実に被介助者M1の上半身の重心を所定範囲内に維持することができ、ひいては保持部13に対する被介助者M1の上半身の姿勢を一定範囲内に保持することができる。
[0066]
 また、本実施形態に係る介助ロボット10において、制御装置17(ステップS108,112,116:起立動作許否部)は、ステップS208-214(第一制御部)によって起立動作が開始される前において、ステップS104(重心位置導出部)によって導出される、着座している被介助者M1の重心位置Pgが第二所定範囲内である場合には、起立動作の開始を許可し(ステップS108)、一方、ステップS104(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが第二所定範囲外である場合には、起立動作の開始を禁止する(ステップS112,116)。
 これによれば、介助ロボット10は、より適切に被介助者M1の起立を開始させることができる。
[0067]
 また、本実施形態に係る介助ロボット10において、制御装置17(ステップS114,118:第二制御部)は、ステップS208-214(第一制御部)によって起立動作が開始される前において、ステップS104(重心位置導出部)によって導出される、着座している被介助者M1の重心位置Pgが第二所定範囲外である場合には、アクチュエータ12を制御して、ステップS104(重心位置導出部)によって導出された重心位置Pgが第二所定範囲内に入るように保持部13を傾動させる。
 これによれば、介助ロボット10は、被介助者M1の起立開始の準備をより適切かつ確実に実行させることができる。
[0068]
 また、本実施形態に係る介助ロボット10において、保持部13に支えられて着座している被介助者M1を起立させる場合において、被介助者M1の移動制御部位Psが通過する起立軌跡であって直線状である起立軌跡を示す起立軌跡用基準データを記憶した記憶装置16(記憶部)をさらに備え、制御装置17(ステップS208-214:第一制御部)は、アクチュエータ12を駆動させて、保持部13を起立軌跡用基準データに基づいて動作させている。
 これによれば、介助ロボット10は、被介助者M1の起立軌跡を短くすることができ、起立動作を短縮することができる。また、このように直線軌跡においても、被介助者M1の上半身の重心を適正な範囲に維持することができるため、被介助者M1は起立動作を心地よく感じることができる。さらに、介助ロボット10の構造を簡素化でき、コストダウンを図ることができる。
[0069]
 また、本発明は、物体搬送装置110にも適用することができる。この物体搬送装置110は、図13に示すように、基台121と、物体Xbを保持し、基台121に対して少なくとも移動可能かつ傾動可能に搬送する保持部113(例えばパレット台)と、保持部113に設けられ物体Xbから受ける重量配分を検出する検出装置163と、基台121に対する保持部113の動作を行なうアクチュエータ112と、制御装置117と、を備えている。
[0070]
 アクチュエータ112は、上述したアクチュエータ12と同様に、保持部113を移動させ(上下左右方向に移動(斜め移動も含む)をさせ)かつ傾動させる。具体的には、アクチュエータ112は、保持部113の重心位置を移動すべき方向(移動方向)に移動可能であり、かつ、保持部113の回動点まわりに傾動可能である。検出装置163は、上述した検出装置63と同様に構成されている。
 制御装置117は、上述した制御装置17と同様に、検出装置163から重量配分を取得する(取得部:ステップS302)。制御装置117は、取得部(ステップS302)によって取得された重量配分から、物体Xbの搬送方向に沿った前後方向の重心位置Pgを導出する(重心位置導出部:ステップS304)。制御装置117は、保持部113に保持されている物体Xbを搬送させる場合において、アクチュエータ112を制御して、重心位置導出部(ステップS304)によって導出された重心位置Pgが第一所定範囲内に入るように保持部13を動作させる(第一制御部:ステップS308-312)。
 重心位置Pgが第一所定範囲より前方(移動方向前方)にある場合、制御装置117は、ステップS312において、保持部113の速度を増大させるかまたは後傾させる。また、重心位置Pgが第一所定範囲より後方(移動方向後方)にある場合、制御装置117は、ステップS310において、保持部113の速度を減少させるかまたは前傾させる。このように、制御装置117は、保持部113に載置されている物体Xbが安定するように、保持部113の速度を変化させている。
[0071]
 物体搬送装置110は、物体Xbを搬送する際に、保持部113の傾斜による物体Xbの移動や、物体Xbに加わる遠心力(慣性力)により働くモーメントなどによって、保持部113に作用する重量配分が変化する。これに対して、本実施形態によれば、物体Xbを搬送する際に、保持部113に作用する重量配分が変化する場合、物体Xbの重心Pgを所定範囲内に維持することができ、ひいては保持部113に対する物体Xbの位置を一定範囲内に保持することができる。その結果、物体Xbを保持部113に対して相対移動なしで搬送することができる。したがって、物体搬送装置110は、特に物体Xbを保持部113に対して固定具により固定することなく物体Xbを搬送することができる。その結果、物体搬送の時間を短縮することができる。
[0072]
 なお、上記の実施例にて物体搬送装置110は、ステップS312において、保持部113の速度を増大させ、ステップS310において、保持部113の速度を減少させているが、この逆でも良い。また、両ステップにて増大してもよいし、減少させても良い。

符号の説明

[0073]
 10…介助ロボット、11…基部、12,112…アクチュエータ、13,113…保持部、14…ハンドル、16…記憶装置(記憶部)、17,117…制御装置(取得部、重心位置導出部、第一制御部、第二制御部、起立動作許否部、)、18…案内装置、21,121…基台、63…検出装置、110…物体搬送装置、M1…被介助者。

請求の範囲

[請求項1]
 基台と、
 被介助者の体の一部を保持し、前記基台に対して少なくとも移動可能かつ傾動可能である保持部と、
 前記保持部に設けられ前記被介助者から受ける重量配分を検出する検出装置と、
 前記基台に対する前記保持部の動作を行なうアクチュエータと、
 前記検出装置から前記重量配分を取得する取得部と、
 前記取得部によって取得された前記重量配分から、前記被介助者の前後方向の重心位置を導出する重心位置導出部と、
 前記保持部に支えられて着座している前記被介助者を起立させる場合において、前記アクチュエータを制御して、前記重心位置導出部によって導出された前記重心位置が第一所定範囲内に入るように前記保持部を動作させる第一制御部と、
 を備えたことを特徴とする介助ロボット。
[請求項2]
 前記第一制御部は、前記重心位置導出部によって導出された前記重心位置が前記第一所定範囲内より前方である場合には、少なくとも、前記保持部の移動方向に沿った速度を速くするか、または前記保持部を後傾させ、一方、前記重心位置導出部によって導出された前記重心位置が前記第一所定範囲内より後方である場合には、少なくとも、前記保持部の移動方向に沿った速度を遅くするか、または前記保持部を前傾させることを特徴とする請求項1記載の介助ロボット。
[請求項3]
 前記第一制御部によって起立動作が開始される前において、前記重心位置導出部によって導出される、着座している前記被介助者の前記重心位置が第二所定範囲内である場合には、前記起立動作の開始を許可し、一方、前記重心位置導出部によって導出された前記重心位置が前記第二所定範囲外である場合には、前記起立動作の開始を禁止する起立動作許否部をさらに備えている請求項1または請求項2記載の介助ロボット。
[請求項4]
 前記第一制御部によって起立動作が開始される前において、前記重心位置導出部によって導出される、着座している前記被介助者の前記重心位置が前記第二所定範囲外である場合には、前記アクチュエータを制御して、前記重心位置導出部によって導出された前記重心位置が第二所定範囲内に入るように前記保持部を傾動させる第二制御部をさらに備えている請求項1乃至請求項3の何れか一項記載の介助ロボット。
[請求項5]
 前記保持部に支えられて着座している前記被介助者を起立させる場合において、前記被介助者の移動制御部位が通過する起立軌跡であって直線状である起立軌跡を示す起立軌跡用基準データを記憶した記憶部、をさらに備え、
 前記第一制御部は、前記アクチュエータを駆動させて、前記保持部を前記起立軌跡用基準データに基づいて動作させている請求項1乃至請求項4の何れか一項記載の介助ロボット。
[請求項6]
 基台と、
 物体を保持し、前記基台に対して少なくとも移動可能かつ傾動可能に搬送する保持部と、
 前記保持部に設けられ前記物体から受ける重量配分を検出する検出装置と、
 前記基台に対する前記保持部の動作を行なうアクチュエータと、
 前記検出装置から前記重量配分を取得する取得部と、
 前記取得部によって取得された前記重量配分から、前記物体の搬送方向に沿った前後方向の重心位置を導出する重心位置導出部と、
 前記保持部に保持されている前記物体を搬送させる場合において、前記アクチュエータを制御して、前記重心位置導出部によって導出された前記重心位置が第一所定範囲内に入るように前記保持部を動作させる第一制御部と、
 を備えたことを特徴とする物体搬送装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]