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1. (WO2015145665) 部品装着装置
Document

明 細 書

発明の名称 部品装着装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

図面の簡単な説明

0027  

発明を実施するための形態

0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088  

符号の説明

0089  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 部品装着装置

技術分野

[0001]
 本発明は、部品を回路基板等の対象物に装着する部品装着装置に関し、特に、部品装着作業を行う際の可動部の移動速度の制御に関するものである。

背景技術

[0002]
 従来、部品を対象物に装着する部品装着装置の一つとして、例えば、電子部品を回路基板に実装する部品実装機がある。部品実装機には、実装ヘッドの装着ノズルで電子部品を吸着した後に、実装ヘッドをカメラ装置の上方まで移動させて吸着状態を撮像し、撮像した画像データから吸着位置のずれを検出するものがある。部品実装機は、検出した吸着位置のずれを補正し、電子部品を回路基板の装着位置に装着する。
[0003]
 また、この種の部品実装機では、電子部品を保持する装着ノズルを撮像する際に、実装ヘッドを停止させることなく、移動させながら撮像するものがある(例えば、特許文献1など)。この実装ヘッドが移動中に行う撮像(以下、「移動中撮像」という場合がある)は、オンザフライ(On The Fly)撮像、あるいはフライビジョン(Fly Vision)などと呼ばれている。特許文献1に開示される部品実装機では、フィーダの電子部品の供給位置からカメラ装置(文献では、部品認識ユニット)の撮像位置までの距離が、実装ヘッドを一定の速度まで加速させるのに必要な準備距離よりも長い場合には、実装ヘッドをカメラ装置の上部まで加速させ撮像開始位置において一旦停止させることなくそのまま移動させつつ撮像を実行する。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2007-201284号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、上記した部品実装機は、装着ノズルを備える実装ヘッドを、水平な平面内でX軸方向及びY軸方向に移動させる駆動機構を備えるのが一般的である。上記特許文献1の部品実装機では、例えば、カメラ装置の上部を通過する実装ヘッドが、Y軸方向への移動が停止された状態で、X軸方向に一定速度で移動するように制御される。即ち、この移動中撮像では、X軸方向又はY軸方向の一方の位置を固定し、他方の方向に速度を付加した状態を撮影する。
[0006]
 このような制御を行う理由は、実装ヘッドが、制御部からの移動方向や移動量を示す指令値が入力されてからX軸方向やY軸方向の駆動機構が安定した動作となるまでに時間を要するからである。詳述すると、例えば、駆動機構の駆動源(サーボモータなど)は、指令値に追従して回転角度の変更を開始してからオーバーシュートなどが発生しない安定した状態の回転角度になるまでの時間が必要である。従って、実装ヘッドの位置や速度が安定するタイミングは、制御部が駆動機構に対して指令値を送出したタイミングから遅れることとなる。その一方で、移動する電子部品をカメラ装置によって撮像するためには、実装ヘッドがカメラ装置の上部において一定の領域内あるいは位置に配置される必要がある。このため、移動中撮像における制御は、実装ヘッドをX軸方向又はY軸方向のどちらか一方の位置を固定することによって、オーバーシュートなどによって位置のずれが生じたとしても、移動する一方向に対して前後に位置がずれるだけとなり、所望の撮像位置に撮像したい電子部品を確実に通過させることが可能となる。
[0007]
 また、実装ヘッドは、カメラ装置の撮像位置を通過した後に、回路基板に電子部品を実装する装着位置まで移動する。これに対し、上記特許文献1の部品実装機では、撮像位置を通過した後の実装ヘッドの動作が考慮されておらず、移動中撮像による実装時間の短縮効果が限定的となっている。即ち、移動中撮像では、撮像位置から装着位置までの実装ヘッドの移動ルートを考慮すると、必ずしも撮像位置における移動方向、又は移動を停止する方向を一方向に限定せず、実装ヘッドの移動ルートに合わせて最適化することによって、実装時間の短縮が期待でき改善の余地があった。
[0008]
 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、部品の供給から撮像装置による撮像を経て対象物に部品を装着するまでの実装時間の短縮が可能な部品装着装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の部品装着装置は、第1軸方向に並んで載置され、対象物に装着する部品を供給位置に供給する部品供給装置と、供給位置から部品を取得して対象物の装着位置に装着する可動部と、第1軸方向、及び第1軸方向に直交する第2軸方向に可動部を移動させる駆動機構と、可動部に保持された部品を撮像位置にて撮像する撮像装置と、可動部を供給位置から撮像位置を経由して装着位置まで移動させるとともに、可動部が撮像位置を通過する際に、第1軸方向又は第2軸方向のいずれか一方の方向を撮像時移動方向として、撮像時移動方向に移動するように駆動機構を制御する制御部と、を備え、制御部は、撮像位置から装着位置までの第1軸方向に沿った第1距離及び第2軸方向に沿った第2距離に応じて、撮像時移動方向を決定することを特徴とする。
[0010]
 また、請求項2に記載の部品装着装置は、請求項1に記載の部品装着装置であって、駆動機構は、可動部を第1軸方向に移動させる加速度、最高速度と、第2軸方向に移動させる加速度、最高速度のいずれかが互いに異なるものであって、制御部は、第1距離及び第2距離に応じて対象物に設定した領域と装着位置との関係に基づいて撮像時移動方向を決定するものであり、可動部の第1軸方向に対する最高速度と第2軸方向に対する最高速度との差、及び、可動部の第1軸方向に対する加速度と第2軸方向に対する加速度との差、に基づいて領域が変更されることを特徴とする。
[0011]
 また、請求項3に記載の部品装着装置は、請求項1又は請求項2に記載の部品装着装置であって、制御部は、供給位置から撮像位置までの第1軸方向に沿った第3距離に応じて、撮像時移動方向を決定することを特徴とする。
[0012]
 また、請求項4に記載の部品装着装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の部品装着装置であって、対象物を第1軸方向に搬送する搬送レーンを備え、制御部は、供給位置と、搬送レーン上の停止位置にて停止させる対象物の装着位置との第1軸方向における間に撮像位置が配置され、且つ供給位置から装着位置に向かう方向が、撮像時移動方向となるように、供給位置及び停止位置を決定することを特徴とする。
[0013]
 また、請求項5に記載の部品装着装置は、請求項4に記載の部品装着装置であって、搬送レーンを複数備え、制御部は、複数の搬送レーンのうち、供給装置からの第2軸方向に沿った距離がより長い搬送レーンによって搬送される対象物に装着する部品の供給位置を、供給位置から撮像位置までの第1軸方向に沿った第3距離がより短い位置に決定することを特徴とする。
[0014]
 また、請求項6に記載の部品装着装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の部品装着装置であって、可動部は、複数の部品が保持可能に構成され、制御部は、撮像時移動方向を第1軸方向に決定した場合には、供給位置から撮像位置までの第1軸方向に沿った第3距離が、より長い位置となる供給位置の部品を後から取得し、撮像時移動方向を第2軸方向に決定した場合には、第3距離がより短い位置となる供給位置の部品を後から取得するように可動部を制御することを特徴とする。
[0015]
 また、請求項7に記載の部品装着装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の部品装着装置であって、可動部を、複数備えるものであり、制御部は、可動部を供給位置から撮像位置を経由して装着位置まで移動させるシーケンスの順番が同一であり、且つ同一の撮像時移動方向で同一の撮像装置の撮像位置を通過する複数の可動部を連動させて撮像位置を通過させることを特徴とする。
[0016]
 また、請求項8に記載の部品装着装置は、第1軸方向に並んで載置され、対象物に装着する部品を供給位置に供給する部品供給装置と、供給位置から部品を取得する複数の装着ノズルを有し、複数の装着ノズルの各々で取得した部品を対象物の装着位置に装着する可動部と、第1軸方向、及び第1軸方向に直交する第2軸方向に可動部を移動させる駆動機構と、複数の装着ノズルの各々に保持された部品を撮像位置にて撮像する撮像装置と、可動部を供給位置から撮像位置まで移動させた後に一旦停止させ、複数の装着ノズルに保持された部品の各々を交互に撮像位置まで移動させる都度、撮像装置による撮像を実施させ、複数の装着ノズルに保持された部品の各々を撮影する複数回の撮像のうち、最後の撮像の一つ前の撮像が終了した後に、次の最後の撮影のために可動部を移動させる方向を、撮像後に撮像位置から最初の装着位置に向かう方向に決定する制御部を備えることを特徴とする。
[0017]
 また、請求項9に記載の部品装着装置は、請求項8に記載の部品装着装置であって、制御部は、部品供給装置の複数の供給位置から複数の装着ノズルの各々で取得する部品のうち、最後に取得する部品の供給位置から撮像位置に向かう方向に応じて、最初に撮影する部品を決定することを特徴とする。

発明の効果

[0018]
 請求項1の部品装着装置では、制御部は、駆動機構を制御して、部品供給装置の供給位置から撮像装置の撮像位置を経由して対象物の装着位置まで可動部を移動させる。また、制御部は、可動部が撮像位置を通過する際に、第1軸方向又は第2軸方向のいずれか一方の撮像時移動方向に移動するように駆動機構を制御する。そして、制御部は、この撮像時移動方向を、撮像位置から装着位置までの第1軸方向に沿った第1距離と、第2軸方向に沿った第2距離とに応じて決定する。これにより、撮像時移動方向は、撮像位置から装着位置までの可動部の移動ルートにおける第1距離及び第2距離に応じたより適切な方向が設定される。このため、当該部品装着装置によれば、撮像時移動方向を一方向に限定することなく、部品装着作業のシーケンスごとに可動部の移動ルート(装着位置など)に合わせて撮像時移動方向を最適化することによって、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0019]
 請求項2の部品装着装置では、可動部の移動速度は、第1軸方向及び第2軸方向の各々の加速度及び最高速度のうち、少なくとも一方の速度が互いに異なる。これに対し、制御部は、第1距離及び第2距離に応じて対象物に設定した領域と装着位置との関係に基づいて、撮像時移動方向を決定するが、この領域が加速度及び最高速度のいずれかの差に基づいて変更される。領域の変更は、制御部が実施してもよい。また、制御部は、予め変更された領域を用いて処理を実施してもよい。ここで、可動部は、第1及び第2軸方向の加速度や最高速度が異なる場合には、仮に第1及び第2距離が同一であったとしても、各方向への移動に要する時間が異なることとなる。これに対し、当該制御部は、加速度等の差を加味した領域を用いて第1及び第2距離を判定することによって、より最適化された撮像時移動方向を決定することが可能となる。従って、当該部品装着装置によれば、実装時間の短縮をより確実に図ることが可能となる。
[0020]
 請求項3の部品装着装置では、制御部は、供給位置から撮像位置までの第1軸方向に沿った第3距離に応じて撮像時移動方向を決定する。ここで、撮像時移動方向は、供給位置と撮像位置との位置関係によって最適な方向が異なる。例えば、第3距離が短い、即ち、供給位置と撮像位置とが近接する位置にある場合には、可動部は、供給位置から撮像位置に向かって移動を開始すると、第2軸方向の位置が撮像位置と同位置になる前に、第1軸方向の位置が同位置となり、第1軸方向への移動を停止する必要が生じる。この場合、撮像時移動方向を、第2軸方向とすることが有効となる。このため、制御部は、第3距離に応じて撮像時移動方向を最適化することで、実装時間の短縮化が適切に実施可能となる。
[0021]
 請求項4の部品装着装置では、制御部は、搬送レーンの停止位置で停止させる対象物の装着位置と、供給位置との第1軸方向における間に撮像位置が配置されるように供給位置及び停止位置を決定する。さらに、制御部は、供給位置から装着位置に向かう方向が、撮像時移動方向となるように供給位置及び停止位置を決定する。これにより、制御部は、供給位置と停止位置とを変更することによって、撮像時移動方向の最適化が可能となり、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0022]
 請求項5の部品装着装置では、制御部は、複数の搬送レーンのうち、供給装置からの第2軸方向に沿った距離がより長い搬送レーンによって搬送される対象物に装着する部品の供給位置を、供給位置から撮像位置までの第1軸方向に沿った第3距離がより短い位置に決定する。これにより、制御部は、第3距離がより短い位置、即ち、撮像時移動方向を第1軸方向とすることが難しい供給位置を、第2軸方向の距離が長い対象物の装着位置、即ち、撮像時移動方向を第2軸方向とすることが有効となる可能性が高い装着位置と対応付け、撮像時移動方向の最適化を図ることが可能となる。
[0023]
 請求項6の部品装着装置では、可動部は、複数の部品が保持可能に構成される。制御部は、撮像時移動方向を第1軸方向に決定した場合には、供給位置から撮像位置までの第1軸方向に沿った第3距離が、より長い位置となる供給位置の部品を後から取得するように可動部を制御する。また、制御部は、撮像時移動方向を第2軸方向に決定した場合には、第3距離がより短い位置となる供給位置の部品を後から取得するように可動部を制御する。これにより、制御部は、撮像時移動方向に合わせて複数の部品を取得する順番を最適化し、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0024]
 請求項7の部品装着装置では、制御部は、供給位置から撮像位置を経由して装着位置まで移動させるシーケンスの順番が同一であり、且つ同一の撮像時移動方向で同一の撮像装置の撮像位置を通過する複数の可動部を連動させて撮像位置を通過させる。これにより、1つの撮像装置を複数の可動部が共有して使用する場合に、各可動部の撮像の待ち時間が短縮される。
[0025]
 請求項8の部品装着装置では、制御部は、複数の装着ノズルを有する可動部を供給位置から撮像位置まで移動させた後に一旦停止させる。次に、制御部は、複数の装着ノズルに保持された部品の各々を交互に撮像位置まで移動させる都度、撮像装置による撮像を実施させる。そして、制御部は、最後の撮像の一つ前の撮像が終了した後に、次の最後の撮影のために可動部を移動させる方向を、撮像後に撮像位置から最初の装着位置に向かう方向に決定する。これにより、可動部は、最後の部品の撮像において移動中撮像が可能となり、撮像しつつ加速して撮像位置から対象物の最初の装着位置に向かって移動することが可能となる。従って、当該部品装着装置によれば、可動部の移動時間の短縮を図ることが可能となる。
[0026]
 請求項9の部品装着装置では、制御部は、部品供給装置の複数の供給位置から複数の装着ノズルの各々で取得する部品のうち、最後に取得する部品の供給位置から撮像位置に向かう方向に応じて、最初に撮影する部品を決定する。好適には、制御部は、複数の装着ノズルの各々に保持された部品のうち、最後に取得する部品の供給位置から撮像位置に向かう方向において先頭となる部品を、最初に撮像する部品とする。これにより、制御部は、撮像位置まで可動部を移動させた後の撮像の開始タイミングを早めることが可能となる。

図面の簡単な説明

[0027]
[図1] 第1実施例の部品実装機の装置構成を示した斜視図である。
[図2] 制御コンピュータの部品装着作業に関連する制御機能を説明するための機能ブロック図である。
[図3] 部品実装機における部品装着作業に関係する一部分を模式的に示した平面図である。
[図4] 実装ヘッドの装着ノズルが移動する移動ルートを模式的に示す平面図である。
[図5] 装着位置P3までの移動ルートR1の移動における移動速度と、時間との関係を示すグラフである。
[図6] 第2実施例の実装ヘッドの装着ノズルが移動する移動ルートを模式的に示す平面図である。
[図7] 回路基板の停止位置と、供給位置との位置関係を説明するための模式図である。
[図8] 第3実施例の実装ヘッドの装着ノズルが移動する移動ルートを模式的に示す平面図である。
[図9] 第4実施例の実装ヘッドの装着ノズルが移動する移動ルートを模式的に示す平面図である。
[図10] 第5実施例の部品実装機が備える2つの実装ヘッドの装置構成を模式的に示す平面図である。
[図11] 2つの実装ヘッドを連動させて撮像位置を通過させる移動ルートを模式的に示す平面図である。

発明を実施するための形態

[0028]
<第1実施例>
 以下、本発明を具体化した一実施例について図面を参照して説明する。図1は、第1実施例の部品実装機10を示した斜視図である。図1には共通ベース11上に並設された2台の部品実装機10が示されている。部品実装機10は、例えば、はんだ印刷機、基板検査機、リフロー機などの他の装置と連結され生産ラインを構成して、多数の電子部品が実装された回路基板を生産する装置である。2台の部品実装機10は、同様の構成となっているため、そのうちの1台を中心に説明する。部品実装機10は、基板搬送装置13、部品供給装置15、ヘッド駆動機構17、カメラ装置19などの各種装置が共通ベース11上に取り付けられている。なお、以下の説明では、図1に示すように、部品実装機10が並設される方向をX軸方向、搬送される回路基板の基板平面に平行でX軸方向に直角な方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向の両方に直角な方向をZ軸方向と称して説明する。
[0029]
 基板搬送装置13は、第1搬送装置21及び第2搬送装置23がY軸方向において並設された、いわゆるダブルコンベアタイプの装置である。第1及び第2搬送装置21,23の各々は、X軸方向に沿って配設された一対のコンベアベルト(図示略)を有している。第1及び第2搬送装置21,23の各々は、一対のコンベアベルトを周回させ、コンベアベルト上に支持された回路基板をX軸方向に搬送する。また、第1及び第2搬送装置21,23の各々は、部品の装着作業を行う停止位置まで搬送した回路基板を、回路基板の上部に設けられたストッパ(図示略)と、下部に設けられたクランパ(図示略)とによってZ軸方向において挟持して固定する。例えば、第1及び第2搬送装置21,23の各々は、はんだ印刷機などの上流の装置から搬入された回路基板をX軸方向に搬送し、停止位置で回路基板をクランプする。装着作業が終了すると、第1及び第2搬送装置21,23は、回路基板をX軸方向に搬送して後段の装置に搬出する。
[0030]
 部品供給装置15は、フィーダ方式の装置であり、部品実装機10のY軸方向の前端部分(図1の左下側)に設けられている。部品供給装置15は、X軸方向に並設されて複数のフィーダ25が共通ベース11上に設けられている。各フィーダ25は、共通ベース11に対して着脱可能に構成されており、テープフィーダ27から供給位置に電子部品を供給する。テープフィーダ27は、電子部品を供給する媒体であり、多数の電子部品を一定の間隔で保持したキャリアテープが巻回されている。フィーダ25は、キャリアテープの先端が供給位置まで引き出されており、キャリアテープごとに異なる種類の電子部品を供給する。各フィーダ25の供給位置は、X軸方向に沿って並設されている。従って、供給位置は、電子部品の種類が異なればX軸方向において異なった位置となる。
[0031]
 また、ヘッド駆動機構17は、XYロボット型の移動装置である。ヘッド駆動機構17は、スライダ31を電磁モータの駆動によってX軸方向にスライドさせるX軸駆動機構41(図2参照)と、Y軸方向にスライドさせるY軸駆動機構43(図2参照)とを備えている。スライダ31には、実装ヘッド33が取り付けられている。実装ヘッド33は、2つの駆動機構41,43が駆動されることによって、共通ベース11上に載置された部品実装機10の各々のフレーム部35上の任意の位置に移動する。X軸駆動機構41及びY軸駆動機構43は、例えばリニアモータ機構やボールねじ送り機構などを駆動源として用いることができる。
[0032]
 実装ヘッド33の下方には、ノズルホルダ37が設けられている。ノズルホルダ37は、複数の装着ノズルを下向きに保持している。装着ノズルの各々は、正負圧供給装置(図示略)を介して負圧エア、正圧エア通路に通じており、負圧にて電子部品を吸着保持し、僅かな正圧が供給されることで保持した電子部品を離脱する。実装ヘッド33は、Z軸の回りにノズルホルダ37を回転駆動するR軸回転駆動機構45(図2参照)を有している。また、実装ヘッド33は、選択した装着ノズルを個別にZ軸方向の下向きに延伸動作及びZ軸方向の上向きに縮退動作させるZ軸駆動機構47(図2参照)を有している。また、実装ヘッド33は、選択した装着ノズルを個別にZ軸の回りに回転駆動するQ軸回転駆動機構49(図2参照)を有している。これらの駆動機構45~49は、例えば、駆動源としてサーボモータを用いることができる。
[0033]
 カメラ装置19は、基板搬送装置13と部品供給装置15とのY軸方向における間に設けられている。カメラ装置19は、フレーム部35上に上方が撮像可能に設置されている。本実施例における撮像位置は、カメラ装置19の上方空間に設定されている。カメラ装置19は、撮像位置を通過する装着ノズルに吸着された電子部品を下方から撮像する。
[0034]
 図2に示す制御部51は、上記した基板搬送装置13、部品供給装置15、ヘッド駆動機構17、及びカメラ装置19と通信ケーブルによって接続されている。制御部51は、各装置13~19から各種情報を取得し、取得した情報に基づいて演算や判定などを実行する。また、制御部51は、演算結果や判定結果に基づいて装置13~19の動作を適宜制御する。本実施例の部品実装機10は、制御部51によって部品装着作業が制御される。また、部品実装機10には、上部カバーの前端部分に操作装置29(図1参照)が設けられている。オペレータは、制御部51が操作装置29に出力した情報を確認し、必要な操作や設定を操作装置29に対して行うことができる。
[0035]
 上記した構成の部品実装機10では、制御部51の制御に基づいて、実装ヘッド33を駆動して供給位置の電子部品を回路基板の装着位置に装着する装着作業を繰り返し実行する。具体的には、まず、ヘッド駆動機構17は、装着する電子部品が供給されるフィーダ25の供給位置の上方まで実装ヘッド33を移動させる。実装ヘッド33は、装着ノズルによって供給位置の電子部品を吸着する。次に、ヘッド駆動機構17は、カメラ装置19の上方の撮像位置まで実装ヘッド33を移動させる。カメラ装置19は、装着ノズルが電子部品を吸着している状態を下方から撮像する。次に、ヘッド駆動機構17は、基板搬送装置13によって停止位置に位置決めされた回路基板の上方まで実装ヘッド33を移動させる。制御部51は、回路基板の装着位置に電子部品を装着するまでに、カメラ装置19の撮像データに基づいて、装着ノズルに保持された電子部品の吸着位置のずれを補正する。そして、実装ヘッド33は、Z軸駆動機構47を駆動し、装着ノズルをZ軸方向の下向きに延伸動作させる。実装ヘッド33は、電子部品が回路基板の装着位置に当接すると装着ノズルの負圧を解消し、電子部品を離脱して回路基板に装着する。
[0036]
 図2は、部品実装機10が備える制御部51の部品装着作業に関連する制御機能を説明するための機能ブロック図である。制御部51は、コンピュータを主体として構成されており、CPUなどの演算回路、RAM,ROMなどの記憶装置を備える。制御部51は、X軸制御手段53、Y軸制御手段55、及び連係制御手段57を有している。X軸制御手段53は、X軸駆動機構41を制御して実装ヘッド33のX軸方向の移動速度Vxを変更する。Y軸制御手段55は、Y軸駆動機構43を制御して実装ヘッド33のY軸方向の移動速度Vyを変更する。連係制御手段57は、X軸制御手段53及びY軸制御手段55を連係して動作させ、実装ヘッド33をフレーム部35上の任意の位置に移動させる。また、制御部51は、R軸回転駆動機構45を制御するR軸制御手段59、Z軸駆動機構47を制御するZ軸制御手段61、及びQ軸回転駆動機構49を制御するQ軸制御手段63を有している。また、制御部51は、実装ヘッド33の装着ノズルが撮像位置を通過するタイミングを見計らってカメラ装置19に撮像を行わせるオンザフライ撮像制御手段65を有している。
[0037]
 次に、制御部51による部品装着作業時の実装ヘッド33の制御方法について説明する。以下の説明では、説明の内容を理解し易くするために、実装ヘッド33は、ノズルホルダ37に保持された装着ノズルが1個である構成とし、第1搬送装置21で搬送される回路基板への部品装着作業のみを考える。図3は、部品実装機10における部品装着作業に関係する一部分を模式的に示した平面図である。図3には、部品供給装置15の供給位置P1、カメラ装置19の撮像位置P2、及び第1搬送装置21(図1参照)によって停止位置に固定された回路基板CB上の2つの装着位置P3,P4が示されている。供給位置P1及び装着位置P3,P4は、電子部品の種類に応じて位置が変更される。また、撮像位置P2は固定された位置である。
[0038]
 なお、以下の説明では、図3に示すように、図中における右向きの方向を+(プラス)のX軸方向、左向きの方向を-(マイナス)のX軸方向、上向きの方向を+(プラス)のY軸方向、下向きの方向を-(マイナス)のY軸方向と称し説明する。また、撮像位置P2から装着位置P3,P4の各々の位置までのX軸方向に沿った距離を第1X軸距離Lx(図中には装着位置P3に対応するもののみ図示)、Y軸方向に沿った距離を第1Y軸距離Lyとする。また、供給位置P1から撮像位置P2までのX軸方向に沿った距離を第2X軸距離Dx、Y軸方向に沿った距離を第2Y軸距離Dyとする。
[0039]
 図3に示す例では、供給位置P1は、撮像位置P2に対して-X軸方向側に位置する。また、装着位置P3,P4は、撮像位置P2に対して+X軸方向側に位置する。この場合、実装ヘッド33は、供給位置P1から撮像位置P2を通過して装着位置P3又は装着位置P4まで移動する際に、+X軸方向に移動しつつ、+Y軸方向に移動する。また、実装ヘッド33は、装着位置P3,P4に電子部品の装着を終えた後には、-Y軸方向に移動して次の電子部品の供給位置に移動する。制御部51は、カメラ装置19を制御して、撮像位置P2を通過する実装ヘッド33の装着ノズルに保持された電子部品を撮像する。この移動中撮像では、実装ヘッド33は、X軸方向又はY軸方向の一方の位置が固定され、他方に移動することとなる。制御部51は、移動中撮像において実装ヘッド33が移動する方向(以下、撮像時移動方向という場合がある)を、部品装着作業の装着位置ごとの第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Lyに応じて決定する。
[0040]
 詳述すると、回路基板CBには、領域TR1,TR2,TR3が設定されている。領域TR1は、回路基板CBの+X軸方向側において、第1X軸距離Lxが、第1Y軸距離Lyに比べて長くなる領域である。同様に、領域TR2は、回路基板CBの-X軸方向側において、第1X軸距離Lxが、第1Y軸距離Lyに比べて長くなる領域である。また、領域TR3は、回路基板CBの中央部分を含む領域であり、第1X軸距離Lxが第1Y軸距離Lyに比べて短くなる領域である。制御部51は、この領域TR1~TR3に基づいて各装着位置P3,P4に電子部品を装着する際の撮像時移動方向を決定する。
[0041]
 例えば、制御部51は、第1搬送装置21における回路基板CBの停止位置と、停止位置に応じた領域TR1~TR3のXY座標を決定する。制御部51は、決定した領域TR1~TR3のXY座標に基づいて、各装着位置P3,P4を判定する。装着位置P3は、領域TR1内であり、第1Y軸距離Lyに比べて第1X軸距離Lxが長い位置である。ここで、移動中撮像では、実装ヘッド33が、撮像位置P2において、X軸方向又はY軸方向のどちらか一方の位置が固定され移動が規制される。そして、実装ヘッド33は、撮像位置P2を通過した後に、移動が規制されていた方向へ移動を開始する。一方で、実装ヘッド33は、撮像時移動方向においては撮像位置P2の前後で停止することなく通過する。このため、実装ヘッド33は、撮像位置P2から装着位置P3までの移動だけを考えれば、第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Lyのうち、距離が長い第1X軸距離Lxに対応する+X軸方向を撮像時移動方向とすることによって、撮像位置P2から装着位置P3までの移動時間を短縮することが可能となる。例えば、装着位置P3の場合には、図4に示す移動ルートR1のように、実装ヘッド33の装着ノズルは、Y軸方向の位置が固定され、撮像時移動方向を+X軸方向として撮像位置P2を通過する。
[0042]
 移動ルートR1の場合には、連係制御手段57(図2参照)は、X軸制御手段53によってX軸駆動機構41を駆動するとともに、Y軸制御手段55によってY軸駆動機構43を連係させて動作させる。図5は、移動ルートR1の移動における移動速度Vx,Vyと、時間との関係を示している。図5は、横軸が共通の時間軸tを示しており、図4に示した装着ノズルの位置(供給位置P1、撮像位置P2、装着位置P3、位置Q1,Q2)が併記されている。移動ルートR1の制御では、時刻t1に装着ノズルが供給位置P1から始動するときに移動速度Vx及び移動速度Vyが発生する。実装ヘッド33は、+X軸方向に移動し、徐々に移動速度Vxが増加する。実装ヘッド33は、時刻t2において、移動速度Vxが一定速度に安定する。また、実装ヘッド33は、+Y軸方向に加速し移動速度Vyが一定速度に安定する。
[0043]
 次に、実装ヘッド33は、Y軸方向の位置が撮像位置P2と同一の位置となる位置Q1(図4参照)に近づくにつれて減速し、時刻t3において位置Q1に到達する。実装ヘッド33は、移動速度Vxが一定速度に安定し、移動速度Vyが零となった状態で時刻t4において撮像位置P2を通過する。この際に、カメラ装置19は、オンザフライ撮像制御手段65の制御に基づいて、実装ヘッド33の装着ノズルに保持された電子部品を撮像する。実装ヘッド33は、撮像位置P2を通過した後の時刻t5において位置Q2(図4参照)に到達し、+Y軸方向の加速を開始する。そして、実装ヘッド33は、装着位置P3に近づくにつれて減速し、時刻t6において装着位置P3に装着ノズルが到達する。上記したように、実装ヘッド33は、撮像位置P2の通過の前後で+X軸方向の移動速度Vxの減速が生じないため、+Y軸方向に撮像位置P2を通過する場合に比べて、撮像位置P2から装着位置P3までの移動時間(図5における時刻t4から時刻t6までの時間)の短縮を図ることが可能となる。
[0044]
 一方で、図4に示すように、装着位置P4は、領域TR3に含まれており、第1Y軸距離Lyに比べて第1X軸距離Lxが短い。従って、装着位置P4の場合には、図4に示す移動ルートR2のように、実装ヘッド33は、撮像位置P2において、X軸方向の位置が固定され、撮像時移動方向を+Y軸方向として移動する。これにより、実装ヘッド33は、撮像位置P2の通過の前後でY軸方向の移動速度Vyの減速が生じないため、撮像位置P2から装着位置P4までの移動時間の短縮を図ることが可能となる。
[0045]
 ここで、実装ヘッド33は、X軸方向とY軸方向との各々に対する速度性能、例えば加速度が異なる場合がある。例えば、ヘッド駆動機構17(図1参照)のX軸駆動機構41とY軸駆動機構43とは、搭載する駆動源(サーボモータなど)の種類や仕様の違い、あるいは実装ヘッド33をスライドさせるスライダ31の構造の違いなどによって、実装ヘッド33の速度性能に差が生じる。この場合には、制御部51は、実装ヘッド33のX軸方向に対する加速度と、Y軸方向に対する加速度との差に基づいて、撮像時移動方向を判定するための領域TR1~TR3を変更することが好ましい。図5に示すように、本実施例の実装ヘッド33は、移動速度Vxの時間軸tに対する変化量が移動速度Vyに比べて小さく、X軸方向の加速度がY軸方向の加速度に比べて小さい。その一方で、一定速度となった移動速度Vxと移動速度Vyとが略同一の速度となっている。従って、本実施例の実装ヘッド33では、図5に示す時刻t1からX軸方向及びY軸方向の両方に移動を開始した場合に、時刻t2において図中のハッチングで示す移動距離71だけ、装着ノズルのY軸方向への移動がX軸方向への移動に比べて先行する。制御部51は、例えば、この移動距離71に相当する分だけ領域TR1~TR3の範囲を拡張又は縮小する。
[0046]
 図3に示すように、領域TR1と領域TR3との境界線L1は、+X軸方向となす角度θが45度以上に設定されている。境界線L1は、X軸方向の加速度と、Y軸方向の加速度が同一である場合には、角度θが45度となる位置に設定されることが好ましい。しかしながら、上記したように各方向への加速度に差がある場合には、制御部51は、例えば、角度θが45度となる境界線L1のY座標を、移動距離71に相当する分だけ+Y軸方向に変更する。これにより、制御部51は、実装ヘッド33のX軸方向とY軸方向のそれぞれに対する加速度の差に応じたより適切な領域TR1~TR3を設定することが可能となる。なお、上記した変更の内容は一例であり、例えば、制御部51は、X軸駆動機構41とY軸駆動機構43との速度性能の差として、最大速度の差に応じて領域TR1~TR3を変更してもよい。また、制御部51は、予め加速度や最高速度に基づいて変更された領域TR1~TR3のXY座標のデータを用いて処理を実施してもよい。
[0047]
 上記したように、制御部51は、加速度の差に基づいて領域TR1~TR3を変更する。そして、制御部51は、変更後の領域TR1~TR3に基づいて、装着位置P3,P4の第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Lyを判定することによって、より適切な撮像時移動方向を決定することが可能となっている。なお、撮像時移動方向の決定や変更は、適宜実行することができる。例えば、制御部51は、部品装着作業の各シーケンスの作業が開始される前までに、撮像時移動方向を決定及び変更してもよい。あるいは、制御部51は、例えば、回路基板CBや実装する電子部品の種類などが設定された制御データ(生産ジョブ)に各シーケンスの装着位置P3,P4のXY座標が設定されている場合には、回路基板CBの生産を開始する前に生産ジョブに基づいて各シーケンスの撮像時移動方向を決定してもよい。あるいは、制御部51は、例えば、実装ヘッド33の移動速度Vx,Vyや加速度の設定値が、オペレータによって変更された場合には、その都度、撮像時移動方向の決定及び変更を実行してもよい。
[0048]
 また、上記した説明では、供給位置P1が撮像位置P2に対して-X軸方向側に位置し、装着位置P3,P4が撮像位置P2に対して+X軸方向側に位置する場合について説明したが、この逆の配置(供給位置P1が+X軸方向側、装着位置P3,P4が-X軸方向側)については、X軸方向が逆となるだけで同様の処理となるため、ここでの説明は省略する。
[0049]
 以上、詳細に説明した本実施例によれば以下の効果を奏する。
<効果1>本実施例の部品実装機10の制御部51は、制御手段53,55を介して駆動機構41,43を制御し、供給位置P1から撮像位置P2を経由して対象物である回路基板CBの装着位置P3,P4まで実装ヘッド33の装着ノズルを移動させる。また、制御部51は、実装ヘッド33が撮像位置P2を通過する際に、X軸方向又はY軸方向のいずれか一方の撮像時移動方向に移動するように駆動機構41,43を制御する。そして、制御部51は、この撮像時移動方向を、撮像位置P2から装着位置P3,P4までの第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Lyに応じて決定する。これにより、撮像時移動方向は、撮像位置P2から装着位置P3,P4までの第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Lyに応じたより適切な方向が設定される。このため、本実施例の部品実装機10によれば、撮像時移動方向を一方向に限定することなく、シーケンスごとに装着位置P3,P4に合わせて撮像時移動方向を最適化することによって、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0050]
<効果2>実装ヘッド33は、X軸方向の加速度に比べてY軸方向の加速度が大きい。これに対し、制御部51は、撮像時移動方向を判定するために回路基板CBに設定した領域TR1~TR3の境界線L1のY座標を加速度の差に基づいて変更する。これにより、制御部51は、加速度の差を加味した領域TR1~TR3を用いて装着位置P3,P4を判定することによって、より最適化された撮像時移動方向を決定することが可能となる。従って、本実施例の部品実装機10によれば、実装時間の短縮をより確実に図ることが可能となる。
[0051]
 ちなみに、実装ヘッド33は、可動部の一例である。X軸駆動機構41及びY軸駆動機構43は、駆動機構の一例である。カメラ装置19は、撮像装置の一例である。回路基板CBは、対象物の一例である。X軸方向は、第1軸方向の一例である。Y軸方向は、第2軸方向の一例である。第1X軸距離Lxは、撮像位置から装着位置までの第1軸方向に沿った第1距離の一例である。第1Y軸距離Lyは、撮像位置から装着位置までの第2軸方向に沿った第2距離の一例である。電子部品は、対象物に装着する部品の一例である。
[0052]
<第2実施例(供給位置を考慮した撮像時移動方向の決定)>
 次に、本発明を具体化した第2実施例について図6を参照して説明する。第1実施例では異なる位置の装着位置P3,P4を例に説明したが、第2実施例では同一の装着位置の場合について説明する。図6に示すように、例えば、制御部51は、回路基板CBの領域TR1に含まれる装着位置P6に対し、異なる供給位置P7,P8の各々に応じて撮像時移動方向を決定する。つまり、制御部51は、装着位置P6が同一であっても、電子部品の供給位置P7,P8が異なる場合に、撮像時移動方向を変更する。
[0053]
 供給位置P7は、X軸方向に並んで載置される部品供給装置15のフィーダ25(図1参照)のうち、-X軸方向側の端部部分に配置されたフィーダ25の供給位置である。この場合、上記した第1実施例と同様に、制御部51は、領域TR1に含まれる装着位置P6に対して撮像時移動方向を+X軸方向に決定する。実装ヘッド33の装着ノズルは、図6に示す移動ルートR5を通って供給位置P7から装着位置P6へ移動する。
[0054]
 一方で、供給位置P8は、供給位置P7と同様に撮像位置P2に比べて-X軸方向側に位置するが、部品供給装置15のX軸方向における中央部分に配置されている。従って、供給位置P8は、供給位置P7に比べて、撮像位置P2との間のX軸方向における距離、即ち第2X軸距離Dx(図3参照)が短い。ここで、例えば、実装ヘッド33は、供給位置P8から+X軸方向及び+Y軸方向の両方に同時に移動を開始すると、第2X軸距離Dxが短いために、Y軸方向の位置に比べてX軸方向の位置が先行して撮像位置P2と同位置になる。従って、実装ヘッド33は、撮像位置P2に到達する前に+X軸方向への移動を停止する必要があり、+X軸方向の移動中撮像が困難となる。このため、供給位置P8の場合には、実装ヘッド33は、図6に示す移動ルートR6のように、撮像時移動方向を+Y軸方向として移動することが好ましい。
[0055]
 例えば、制御部51は、共通ベース11(図1参照)のフィーダ25が接続されるスロットの番号によって、撮像時移動方向を決定及び管理する。制御部51は、部品供給装置15のX軸方向における中央部の領域、例えば図6のスロット位置SP1のスロットに接続されるフィーダ25から部品を供給する場合には、撮像時移動方向を+Y軸方向とする。また、制御部51は、部品供給装置15のX軸方向における両端部分のスロット位置SP2のスロットに接続されるフィーダ25から部品を供給する場合には、撮像時移動方向を+X軸方向又は-X軸方向に決定する。これにより、実装ヘッド33は、第2X軸距離Dxに応じて撮像時移動方向を最適化し、供給位置P7,P8から装着位置P3までの移動時間を、より確実に短縮することが可能となる。
[0056]
 なお、制御部51は、上記第1実施例における制御方法と、本実施例の制御方法とを併用して撮像時移動方向を決定してもよい。例えば、制御部51は、領域TR1~TR3に基づいて、各シーケンスの撮像時移動方向を決定する。次に、制御部51は、スロット位置SP1に含まれる供給位置から電子部品を供給するにも拘わらず、撮像時移動方向が+X軸方向又は-X軸方向となっているシーケンスの撮像時移動方向を+Y軸方向に変更する。これにより、実装ヘッド33は、実装時間の短縮を図ることが可能となる。また、制御部51は、第1実施例(第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Lyに基づく撮像時移動方向の判定)と、第2実施例(第2X軸距離Dxに基づく撮像時移動方向の判定)との各々の判定方法で決定した移動ルートうち、移動時間が最も短くなる移動ルート及びその撮像時移動方向を選択してもよい。
[0057]
 また、上記したように、撮像時移動方向は、供給位置や装着位置によって最適な方向が異なる。このため、制御部51は、回路基板CBの各装着位置に応じて供給位置(フィーダ25の配置)を決定し、撮像時移動方向を最適化してもよい。例えば、制御部51は、生産する回路基板CBの基板種が変更されフィーダ25の入れ替えが発生する段取り替えの際に、領域TR3内に装着する電子部品を供給するフィーダ25を、スロット位置SP1のスロットに接続するようにオペレータに通知する。同様に、制御部51は、領域TR1,TR2内に装着する電子部品を供給するフィーダ25を、スロット位置SP2のスロットに接続するようにオペレータに通知する。これにより、フィーダ25の配置が撮像時移動方向に応じて最適化される。
[0058]
 また、制御部51は、フィーダ25の配置の変更に加え、回路基板CBの停止位置を変更して撮像時移動方向の最適化を実施してもよい。図7は、回路基板CBの停止位置と、供給位置との位置関係を示している。第1実施例のような第1及び第2搬送装置21,23の2つの搬送装置を備える基板搬送装置13(図1参照)では、第1搬送装置21と部品供給装置15とのY軸方向における距離(第1Y軸距離Ly(図3参照))が、第2搬送装置23と部品供給装置15との第1Y軸距離Lyと異なる。例えば、第1搬送装置21で搬送される回路基板CB1は、第2搬送装置23に搬送される回路基板CB2に比べて第1Y軸距離Lyが短くなるため、撮像時移動方向を+X軸方向とすることが有効となる可能性が高い。従って、制御部51は、第1搬送装置21が回路基板CB1を停止させる停止位置を撮像位置P2に対して+X軸方向側とする。また、制御部51は、回路基板CB1に装着する電子部品の供給位置P11を、部品供給装置15における-X軸方向の端部に近いスロット位置SP2に含まれる供給位置とする。これにより、制御部51は、撮像時移動方向を+X軸方向とすることで、供給位置P11から回路基板CB1の装着位置P13までの移動ルートR7を実装ヘッド33が移動する時間の短縮を図ることが可能となる。
[0059]
 同様に、第2搬送装置23で搬送される回路基板CB2は、第1Y軸距離Lyが比較的長くなるため、撮像時移動方向を+Y軸方向とすることが有効となる可能性が高い。従って、制御部51は、第2搬送装置23が回路基板CB2を停止させる停止位置を、撮像位置P2のX軸方向の位置に合わせる。また、制御部51は、回路基板CB2に装着する電子部品の供給位置P12を、部品供給装置15におけるX軸方向の中央部のスロット位置SP1に含まれる供給位置とする。これにより、制御部51は、撮像時移動方向を+Y軸方向とすることで、供給位置P12から回路基板CB2の装着位置P14までの移動ルートR8を実装ヘッド33が移動する時間の短縮を図ることが可能となる。
[0060]
 以上、詳細に説明した本実施例によれば以下の効果を奏する。
<効果1>制御部51は、部品供給装置15のX軸方向における中央部のスロット位置SP1のスロットに接続されるフィーダ25から部品を供給する場合には、撮像時移動方向を+Y軸方向とする。また、制御部51は、部品供給装置15のX軸方向における両端部分のスロット位置SP2のスロットに接続されるフィーダ25から部品を供給する場合には、撮像時移動方向を+X軸方向又は-X軸方向に決定する。このように撮像時移動方向を第2X軸距離Dxに応じて最適化することによって、制御部51は、実装時間の短縮化が適切に実施可能となる。
[0061]
<効果2>制御部51は、第1搬送装置21が回路基板CB1を停止させる停止位置を撮像位置P2に対して+X軸方向側とする。また、制御部51は、回路基板CB1に装着する電子部品の供給位置P11を、部品供給装置15における-X軸方向の端部に近い位置とする。撮像位置P2は、回路基板CB1の装着位置P13と、供給位置P11とのX軸方向における間に配置される。これにより、制御部51は、回路基板CB1の停止位置と供給位置P11とを変更することによって、撮像時移動方向を+X軸方向に最適化し、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0062]
<効果3>制御部51は、第2搬送装置23が回路基板CB2を停止させる停止位置を撮像位置P2のX軸方向の位置に合わせて、停止位置と撮像位置P2とのX軸方向の距離が短くなるようにする。また、制御部51は、回路基板CB2に装着する電子部品の供給位置P12を、部品供給装置15におけるX軸方向の中央部の位置とする。これにより、制御部51は、撮像時移動方向を+Y軸方向とすることで、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0063]
<第3実施例(供給位置の最適化)>
 次に、本発明を具体化した第3実施例について図8を参照して説明する。上記した第1実施例及び第2実施例では、説明の内容を理解し易くするために、実装ヘッド33のノズルホルダ37に装着された装着ノズルが1個である構成を例に説明したが、複数の装着ノズルをノズルホルダ37に備える構成においても同様に撮像時移動方向の最適化が可能である。また、異なる供給位置から供給される電子部品を、複数の装着ノズルの各々によって取得する場合に、電子部品を取得する装着ノズルの順番と撮像時移動方向とを対応付けることによって、実装時間の短縮が可能となる。
[0064]
 詳述すると、図8は、実装ヘッド33が、複数の装着ノズルによって、複数の供給位置P16,P17から電子部品を取得する移動ルートR11を示している。移動ルートR11は、供給位置P16,P17の各々から電子部品を取得し、第1搬送装置21の回路基板CB1へ取得した電子部品を装着する移動ルートを示している。回路基板CB1の装着位置P18は、1つ前のシーケンスにおいて、電子部品を装着した位置を示している。また、回路基板CB1の装着位置P19は、供給位置P17で取得した電子部品を装着する位置を示している。
[0065]
 ここで、従来の部品実装機10では、回路基板CB1に電子部品を装着する順番が生産ジョブに設定されている場合に、供給位置P16,P17から電子部品を取得する順番も装着順と同じ順番が用いられていた。例えば、生産ジョブには、供給位置P17で取得した電子部品の次に、供給位置P16で取得した電子部品を回路基板CB1に装着する装着順が設定されていたとする。この場合、取得順は、先に装着する供給位置P17の電子部品を取得してから、後で装着する供給位置P16の電子部品を取得することとなる。しかしながら、移動中撮像の実施を考慮すると、装着順に合わせた取得順は最適化されたものではない。これに対し、本実施例では、撮像時移動方向に合わせて電子部品の取得順を最適化する。
[0066]
 制御部51は、例えば、撮像時移動方向を+X軸方向とするために、第1搬送装置21が回路基板CB1を停止させる停止位置を撮像位置P2に対して+X軸方向側とする。また、制御部51は、複数の電子部品の供給位置のうち、最も-X軸方向側、換言すれば第2X軸距離Dx(図3参照)が最も長くなる供給位置を最後に取得するように各シーケンスの取得順を設定する。図8に示す例では、装着順は、供給位置P17で取得した電子部品を装着した次に、供給位置P16で取得した電子部品を装着する順番となっている。一方で、取得順は、供給位置P16に対して-X軸方向側となる供給位置P17の電子部品を後で取得する順番となっている。実装ヘッド33は、移動ルートR11で示すように、1つ前のシーケンスの装着位置P18から供給位置P16まで移動した後に、複数の装着ノズルのうちの1つによって電子部品を取得する。次に、実装ヘッド33は、供給位置P17まで移動し、別の装着ノズルによって電子部品を取得する。次に、実装ヘッド33は、+X軸方向に移動しながら撮像位置P2を通過する。この際に、各装着ノズルに吸着された複数の電子部品は、カメラ装置19によって同時に、あるいは連続して撮像される。そして、実装ヘッド33は、供給位置P17で取得した電子部品を装着位置P19に装着した後、供給位置P16で取得した電子部品を装着する次の装着位置へ移動する。
[0067]
 なお、制御部51は、撮像時移動方向が+Y軸方向である場合には、上記した制御と逆方向の制御を実施する。例えば、第2搬送装置23に保持された回路基板CB2に対して撮像時移動方向を+Y軸方向とする装着作業を実施する場合には、制御部51は、供給位置P16の電子部品を後で取得する取得順を設定する。
[0068]
 以上、詳細に説明した本実施例によれば以下の効果を奏する。
<効果>制御部51は、撮像時移動方向を+X軸方向に決定した場合には、第2X軸距離Dx(図3参照)がより長い供給位置P17の電子部品を後から取得する制御を行う。また、制御部51は、撮像時移動方向を+Y軸方向に決定した場合には、第2X軸距離Dxがより短い供給位置P16の電子部品を後から取得する制御を行う。これにより、制御部51は、撮像時移動方向に合わせて複数の電子部品を取得する順番を最適化し、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0069]
<第4実施例(複数の装着ノズルを備える実装ヘッドの移動方法)>
 次に、本発明を具体化した第4実施例について図9を参照して説明する。本実施例の部品実装機10は、複数の装着ノズルを備える実装ヘッド33の移動方向を、撮像時移動方向に応じて変更する。上記各実施例では、実装ヘッド33は、カメラ装置19の撮像位置P2を1回通過するだけですべての電子部品を撮像していた。しかしながら、カメラ装置19の性能(撮像領域の大きさなど)や電子部品のサイズにもよるが、実装ヘッド33は、カメラ装置19の撮像領域(撮像位置P2)内に複数の電子部品を納めることが困難となる。また、装着ノズルの数が多い場合も同様に、実装ヘッド33は、すべての装着ノズルが保持する電子部品を撮像領域内に納めることが困難となる。この場合、実装ヘッド33は、複数の電子部品の各々を交互に撮像するように移動する必要が生じる。
[0070]
 図9に示す実装ヘッド33は、ノズルホルダ37に4つの装着ノズル73A~73Dを備えている。装着ノズル73A~73Dは、図9の平面視において、ノズルホルダ37の右上に装着ノズル73Aが、右下に装着ノズル73Bが、左上に装着ノズル73Cが、左下に装着ノズル73Dがそれぞれ位置している。なお、ノズルホルダ37は、R軸回転駆動機構45(図2参照)の駆動によって回転するため、回転にともなって装着ノズル73A~73Dの位置が変更される。装着ノズル73A~73Dの各々には、サイズの大きい電子部品75A~75Dがこの順に保持されている。カメラ装置19は、電子部品75A~75Dを1つずつ撮像する。また、供給位置P21は、複数の電子部品75A~75Dのうち、実装ヘッド33が最後に取得した電子部品の供給位置を示している。
[0071]
 制御部51は、カメラ装置19の撮像位置P2において実装ヘッド33を一旦停止させる。そして、制御部51は、複数の電子部品75A~75Dの各々を交互に撮像位置P2の撮像領域内に納めるために、実装ヘッド33をX軸方向及びY軸方向に移動させる。カメラ装置19は、実装ヘッド33の移動にともなって、装着ノズル73A~73Dに吸着された電子部品75A~75Dが撮像位置P2に移動する都度、撮像を実施する。
[0072]
 詳述すると、制御部51は、最後に電子部品を取得した供給位置P21に基づいて、最初に撮像する装着ノズル73A~73D、即ち電子部品75A~75Dを決定する。制御部51は、例えば、供給位置P21から撮像位置P2に向かう方向(図中の移動ルートR12に従った方向)に対して先頭となる部品を、最初に撮影する電子部品75A~75Dとして決定する。移動ルートR12は、-X軸方向及び-Y軸方向から+X軸方向及び+Y軸方向に向かう移動ルートである。従って、移動方向に対して先頭に位置する部品は、平面視において実装ヘッド33の右上に位置する電子部品75Aとなる。このように、制御部51は、各シーケンスにおいて、移動方向と装着ノズル73A~73Dの配置との関係から最初に撮像する電子部品を決定する。これにより、制御部51は、カメラ装置19まで実装ヘッド33を移動させた後の撮像の開始タイミングを早めることが可能となる。
[0073]
 なお、制御部51は、最初に撮像する電子部品75A~75Dを、部品サイズや装着ノズル73A~73Dの配置などに応じて適宜変更する。制御部51は、上記した例では1つの装着ノズル73A及び電子部品75Aを最初に撮像する設定としたが、2つ以上の装着ノズル73A~73D及び電子部品75A~75Dをまとめて最初に撮像する設定としてもよい。また、例えば、ノズルホルダ37が複数の装着ノズル73A~73Dを環状に備える場合には、制御部51は、周方向に並ぶ複数の装着ノズル73A~73D及び電子部品75A~75Dをまとめて最初に撮像する設定としてもよい。
[0074]
 ここで、制御部51は、複数の電子部品75A~75Dを撮像するために、撮像位置P2において実装ヘッド33を一旦停止する必要がある。このため、制御部51は、実装ヘッド33を撮像位置P2に一回通過させるだけで撮像を完了することができない。これに対し、本実施例の制御部51は、複数の電子部品75A~75Dの各々を撮像する複数回の撮像のうち、最後の撮像の一つ前の撮像が終了した後に、次の最後の撮影のために実装ヘッド33を移動させる方向を、撮像後に撮像位置P2から最初の装着位置に向かう方向に決定する。これにより、実装ヘッド33は、最後の電子部品75A~75Dの撮像において移動中撮像が可能となり、撮像しつつ1方向に加速して撮像位置P2から装着位置に向かって移動することが可能となる。
[0075]
 制御部51は、例えば、上記第1実施例にて実施した第1X軸距離Lx及び第1Y軸距離Ly(図3参照)に基づいた判定方法で、最後の撮像が終了した後に移動する方向(X軸方向又はY軸方向)を決定する。この方向は、最後の電子部品75A~75Dを撮像する際に移動中撮像が実施されるため、撮像時移動方向となる。制御部51は、例えば、撮像時移動方向を+X軸方向に決定する。そして、制御部51は、決定した撮像時移動方向と、上記した最初に撮像する電子部品75Aとに基づいて撮像順を決定する。撮像順は、例えば、図中の矢印で示す順番(電子部品75A→75C→75B→75D)となる。制御部51は、最後の撮像の一つ前の撮像である電子部品75Bの撮像が終了した後に、Y軸方向の位置を固定し+X軸方向(撮像時移動方向)へ実装ヘッド33を移動させる際に、最後の電子部品75Dの撮像を実施する。これにより、実装ヘッド33の撮像位置P2から最初の撮像位置までの移動時間の短縮を図ることが可能となる。
[0076]
 なお、上記した移動方向は、一例であり、適宜変更される。例えば、制御部51は、最後の撮像が終了した後に移動する撮像時移動方向を-X軸方向に決定した場合には、撮像順を、次の順(電子部品75A→75C→75D→75B)とする。この場合、実装ヘッド33は、最後の撮像の一つ前の撮像である電子部品75Dの撮像が終了した後に、Y軸方向の位置を固定し-X軸方向へ実装ヘッド33移動する際に、最後の電子部品75Bが撮像される。また、制御部51は、撮像時移動方向を+Y軸方向に決定することもできる。この場合、最初に電子部品75Aを撮像する場合には、撮像順が、次の順(電子部品75A→75B→75C→75D)となる。このようにして、制御部51は、供給位置P21と撮像位置P2に向かう移動方向との関係から最初に撮像する電子部品75A~75Dを決定し、決定した電子部品75A~75Dの位置と撮像時移動方向に応じて撮像順を決定する。
[0077]
 以上、詳細に説明した本実施例によれば以下の効果を奏する。
<効果1>制御部51は、複数の電子部品75A~75Dの各々を撮像する複数回の撮像のうち、最後の撮像の一つ前の撮像が終了した後に、次の最後の撮影のために実装ヘッド33を移動させる方向を、撮像後に撮像位置P2から最初の装着位置に向かう方向に決定する。これにより、実装ヘッド33は、最後の電子部品75A~75Dの撮像において移動中撮像が可能となり、撮像しつつ1方向に加速して撮像位置P2から装着位置に向かって移動することが可能となる。従って、当該部品実装機10によれば、実装ヘッド33の移動時間の短縮を図ることが可能となる。
[0078]
<効果2>制御部51は、最後に電子部品を取得した供給位置P21の位置と、その後の移動方向に基づいて、最初に撮像する電子部品75A~75Dを決定する。これにより、制御部51は、カメラ装置19まで実装ヘッド33を移動させた後の撮像の開始タイミングを早めることが可能となる。さらに、制御部51は、決定した最初に撮像する電子部品75A~75Dの位置と撮像時移動方向とに応じて撮像順を決定しており、実装時間のより一層の短縮が可能となっている。
[0079]
<第5実施例(2つの実装ヘッドを備える構成の制御方法)>
 次に、本発明を具体化した第5実施例について図10及び図11を参照して説明する。上記した第1実施例との相違点は、第1実施例のヘッド駆動機構17では実装ヘッド33が取り付けられたスライダ31を1つ備える構成としたが、本実施例では複数のスライダ31の各々に実装ヘッド33を備える点が異なる。図10は、本実施例の部品実装機10Aが備える2つのスライダ81,83を模式的に示す平面図である。部品実装機10Aは、Y軸方向の中央部に搬送装置84が設けられている。部品実装機10Aは、搬送装置84を間に挟んでY軸方向で対向する一対のスライダ81,83を備える。スライダ81,83の各々には、実装ヘッド85,87が取り付けられている。
[0080]
 実装ヘッド85は、スライダ81に対応する駆動機構41,43(図2参照)が駆動されることによってフレーム部35(図1参照)上の任意の位置に移動する。同様に、実装ヘッド87は、スライダ83に対応する駆動機構41,43が駆動されることによってフレーム部35上の任意の位置に移動する。また、部品実装機10Aは、搬送装置84を間に挟んでY軸方向で対向する一対のカメラ装置89,91を備える。実装ヘッド85は、例えば、+X軸方向の撮像時移動方向でカメラ装置89の撮像位置P2を通過する際に装着ノズル93の電子部品が撮像され、撮像位置P2を通過後に回路基板CBの装着位置P23に電子部品を装着する。また、実装ヘッド87は、例えば、+X軸方向の撮像時移動方向でカメラ装置91の撮像位置P2を通過する際に装着ノズル95の電子部品が撮像され、撮像位置P2を通過後に回路基板CBの装着位置P25に電子部品を装着する。このような構成の部品実装機10Aにおいても、制御部51は、上記各実施例と同様に、供給位置、撮像位置P2、及び装着位置P23,P25の位置関係に基づいて決定した撮像時移動方向で実装ヘッド85,87の移動を制御することで実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0081]
 また、制御部51は、シーケンスの順番が同一であり、且つ同一の撮像時移動方向で同一のカメラ装置89,91の撮像位置P2を通過する際に、実装ヘッド85,87を連動させて制御する。詳述すると、カメラ装置89,91は、様々な理由で撮像性能が異なる場合がある。例えば、高解像度のカメラ装置と、低解像度のカメラ装置とを備える構成とし、必要に応じて使用するカメラ装置を使い分けることで製造コストの低減を図ることが考えられる。あるいは、高解像度のカメラ装置と、撮像領域の大きいカメラ装置とを備えて、対応可能な電子部品の種類を増やすことが考えられる。いずれにせよ、カメラ装置89,91の撮像性能が異なる場合には、制御部51は、実装ヘッド85,87にカメラ装置89,91を共有して使用させる制御が可能となる。従って、シーケンスによって、実装ヘッド85がカメラ装置91を使用する場合もあり、実装ヘッド87がカメラ装置89を使用する場合もある。この場合に、制御部51は、実装ヘッド85,87が使用するカメラ装置89,91が同一となるシーケンスにおいて、実装ヘッド85,87を連動させて制御する。
[0082]
 制御部51は、図11に示すように、シーケンスの順番、撮像時移動方向(例えば、+X軸方向)、且つ撮像位置P2(カメラ装置91)の各々が同一となる場合に、スライダ81,83をY軸方向で近接した位置に移動させる。また、制御部51は、スライダ81,83を制御して、実装ヘッド85,87のY軸方向の位置をカメラ装置91の撮像位置P2に合わせ、且つ実装ヘッド85,87のX軸方向における互いの位置をずらす。図11に示すカメラ装置91を共有する場合では、スライダ83は、回路基板CBとのY軸方向における間に、スライダ81が介在した状態となる。この場合に、スライダ81は、スライダ83がY軸方向に回路基板CBに向かって移動するのに先行して、回路基板CBに向かって移動する必要がある。このため、スライダ81の実装ヘッド85は、スライダ83の実装ヘッド87よりも先に、カメラ装置91での撮像を終了させ、Y軸方向への移動を開始する必要がある。従って、制御部51は、実装ヘッド85のX軸方向における位置を、実装ヘッド87に比べて+X軸方向側にずらす。なお、制御部51は、撮像時移動方向が-X軸方向の場合には、実装ヘッド85のX軸方向における位置を、実装ヘッド87に比べて-X軸方向側にずらす。また、制御部51は、もう一方のカメラ装置89を共有する場合には、上記した位置とは逆に、スライダ83が先行して移動できる位置に実装ヘッド85,87を配置する。
[0083]
 そして、実装ヘッド85,87は、図11に示す状態から同時に+X軸方向に移動する。カメラ装置91は、実装ヘッド85、実装ヘッド87の順に移動中撮像を実施する。これにより、実装ヘッド85,87の各々は、1つのカメラ装置を共有して使用する場合に、撮像の待ち時間が短縮される。そして、実装ヘッド85は、撮像位置P2を通過した後に、実装ヘッド87に先行して装着位置P23に向かって移動する(図中の移動ルートR15参照)。また、実装ヘッド87は、撮像位置P2を通過した後に、装着位置P25に向かって移動する(図中の移動ルートR17参照)。
[0084]
 なお、上記した制御部51による制御内容は、一例であり適宜変更できる。例えば、制御部51は、実装ヘッド85,87が連動して移動中撮像ができる回数が増えるように、生産ジョブのシーケンスの順番を入れ替える制御を実施してもよい。また、制御部51は、3以上の複数の実装ヘッド85,87を連動させる制御を実施してもよい。
[0085]
 以上、詳細に説明した本実施例によれば以下の効果を奏する。
<効果>制御部51は、シーケンスの順番、撮像時移動方向、且つカメラ装置89,91の各々が同一となる場合に、2つの実装ヘッド85,87を連動させて移動中撮像を実施する。これにより、実装ヘッド85,87の各々は、カメラ装置89,91を共有して使用する場合に、撮像の待ち時間が短縮される。従って、当該部品実装機10Aによれば、実装時間の短縮を図ることが可能となる。
[0086]
 なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
 例えば、上記各実施例では、供給位置が撮像位置に対して-X軸方向側に位置し、装着位置が撮像位置に対して+X軸方向側に位置したが、これに限定されない。例えば、供給位置が+X軸方向側で、装着位置が-X軸方向側でもよい。この場合、撮像時移動方向を適宜変更する。
[0087]
 また、カメラ装置19は、設置される位置が固定されず、移動可能な構成でもよい。例えば、カメラ装置19は、制御部51からの制御に基づいてX軸方向及びY軸方向に移動可能な構成でもよい。この場合、制御部51は、撮像時移動方向の決定において、カメラ装置19(撮像位置P2)を移動させる条件も含めて決定してもよい。
[0088]
 また、装着ノズル73A~73Dは、気圧を利用して電子部品75A~75Dを吸着する構成に限らず、電磁力や挟持などによって電子部品75A~75Dを保持する構成でもよい。
 また、上記各実施例では部品装着装置として、電子部品を回路基板に実装する部品実装機10,10Aについて説明したが、本願における部品装着装置はこれに限定されるものではなく、例えば、二次電池(太陽電池や燃料電池など)等の組立て作業を実施する作業用ロボットなどの他の部品装着装置に適用してもよい。この場合、作業ロボットのアームは、本願における可動部の一例となる。

符号の説明

[0089]
 10,10A 部品実装機、13 基板搬送装置、15 部品供給装置、19,89,91 カメラ装置、21 第1搬送装置、23 第2搬送装置、33,85,87 実装ヘッド、41 X軸駆動機構、43 Y軸駆動機構、51 制御部、73A~73D,93,95 装着ノズル、75A~75D 電子部品、CB,CB1,CB2 回路基板、Lx 第1X軸距離、Ly 第1Y軸距離、Dx 第2X軸距離、P1 供給位置、P2 撮像位置、P3,P4 装着位置、TR1~TR3 領域。

請求の範囲

[請求項1]
 第1軸方向に並んで載置され、対象物に装着する部品を供給位置に供給する部品供給装置と、
 前記供給位置から前記部品を取得して前記対象物の装着位置に装着する可動部と、
 前記第1軸方向、及び前記第1軸方向に直交する第2軸方向に前記可動部を移動させる駆動機構と、
 前記可動部に保持された前記部品を撮像位置にて撮像する撮像装置と、
 前記可動部を前記供給位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させるとともに、前記可動部が前記撮像位置を通過する際に、前記第1軸方向又は前記第2軸方向のいずれか一方の方向を撮像時移動方向として、前記撮像時移動方向に移動するように前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、
 前記制御部は、前記撮像位置から前記装着位置までの前記第1軸方向に沿った第1距離及び前記第2軸方向に沿った第2距離に応じて、前記撮像時移動方向を決定することを特徴とする部品装着装置。
[請求項2]
 前記駆動機構は、前記可動部を前記第1軸方向に移動させる加速度、最高速度と、前記第2軸方向に移動させる加速度、最高速度のいずれかが互いに異なるものであって、

 前記制御部は、前記第1距離及び前記第2距離に応じて前記対象物に設定した領域と前記装着位置との関係に基づいて前記撮像時移動方向を決定するものであり、前記可動部の前記第1軸方向に対する最高速度と前記第2軸方向に対する最高速度との差、及び、前記可動部の前記第1軸方向に対する加速度と前記第2軸方向に対する加速度との差、に基づいて前記領域が変更されることを特徴とする請求項1に記載の部品装着装置。
[請求項3]
 前記制御部は、前記供給位置から前記撮像位置までの前記第1軸方向に沿った第3距離に応じて、前記撮像時移動方向を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の部品装着装置。
[請求項4]
 前記対象物を前記第1軸方向に搬送する搬送レーンを備え、
 前記制御部は、前記供給位置と、前記搬送レーン上の停止位置にて停止させる前記対象物の前記装着位置との前記第1軸方向における間に前記撮像位置が配置され、且つ前記供給位置から前記装着位置に向かう方向が、前記撮像時移動方向となるように、前記供給位置及び前記停止位置を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の部品装着装置。
[請求項5]
 前記搬送レーンを複数備え、
 前記制御部は、複数の前記搬送レーンのうち、前記供給装置からの前記第2軸方向に沿った距離がより長い前記搬送レーンによって搬送される前記対象物に装着する部品の供給位置を、前記供給位置から前記撮像位置までの前記第1軸方向に沿った第3距離がより短い位置に決定することを特徴とする請求項4に記載の部品装着装置。
[請求項6]
 前記可動部は、複数の前記部品が保持可能に構成され、
 前記制御部は、
前記撮像時移動方向を前記第1軸方向に決定した場合には、前記供給位置から前記撮像位置までの前記第1軸方向に沿った第3距離が、より長い位置となる前記供給位置の部品を後から取得し、
前記撮像時移動方向を前記第2軸方向に決定した場合には、前記第3距離がより短い位置となる前記供給位置の部品を後から取得するように前記可動部を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の部品装着装置。
[請求項7]
 前記可動部を、複数備えるものであり、
 前記制御部は、前記可動部を前記供給位置から前記撮像位置を経由して前記装着位置まで移動させるシーケンスの順番が同一であり、且つ同一の前記撮像時移動方向で同一の撮像装置の撮像位置を通過する複数の前記可動部を連動させて前記撮像位置を通過させることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の部品装着装置。
[請求項8]
 第1軸方向に並んで載置され、対象物に装着する部品を供給位置に供給する部品供給装置と、
 前記供給位置から前記部品を取得する複数の装着ノズルを有し、前記複数の装着ノズルの各々で取得した前記部品を前記対象物の装着位置に装着する可動部と、
 前記第1軸方向、及び前記第1軸方向に直交する第2軸方向に前記可動部を移動させる駆動機構と、
 前記複数の装着ノズルの各々に保持された前記部品を撮像位置にて撮像する撮像装置と、
 前記可動部を前記供給位置から前記撮像位置まで移動させた後に一旦停止させ、前記複数の装着ノズルに保持された前記部品の各々を交互に前記撮像位置まで移動させる都度、前記撮像装置による撮像を実施させ、前記複数の装着ノズルに保持された前記部品の各々を撮影する複数回の撮像のうち、最後の撮像の一つ前の撮像が終了した後に、次の前記最後の撮影のために前記可動部を移動させる方向を、撮像後に前記撮像位置から最初の前記装着位置に向かう方向に決定する制御部を備えることを特徴とする部品装着装置。
[請求項9]
 前記制御部は、前記部品供給装置の複数の前記供給位置から前記複数の装着ノズルの各々で取得する前記部品のうち、最後に取得する部品の前記供給位置から前記撮像位置に向かう方向に応じて、最初に撮影する前記部品を決定することを特徴とする請求項8に記載の部品装着装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]