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1. (WO2015141834) トリポード型等速ジョイント
Document

明 細 書

発明の名称 トリポード型等速ジョイント

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

課題を解決するための手段

0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054  

発明の効果

0055   0056   0057   0058  

図面の簡単な説明

0059  

発明を実施するための形態

0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160  

符号の説明

0161  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : トリポード型等速ジョイント

技術分野

[0001]
 この発明は、駆動軸と被駆動軸の2軸を連結して、駆動軸の動力を被駆動軸に伝達する等速ジョイントに関するものである。

背景技術

[0002]
 自動車のドライブシャフトの回転トルクを車軸に伝達する部品として等速ジョイントが従来から知られている。
[0003]
 等速ジョイントは、駆動軸と被駆動軸の等速性を維持しながら両軸の角度変位を許容する部材であるため、自動車以外の各種産業機械や家電製品、事務機器等にも多用されている。
[0004]
 等速ジョイントには、角度変位のみを許容する固定型等速ジョイントと、角度変位と軸方向変位を許容する摺動型等速ジョイントとが存在し、その摺動型等速ジョイントとして、下記特許文献1に記載されたものが知られている。
[0005]
 この特許文献1に記載された等速ジョイントは、トリポード型等速ジョイントと称され、外輪の内周に軸方向に延びる3本のトラック溝を周方向に120゜の間隔をおいて形成し、その外輪の内側に組込まれたトリポード部材にはトラック溝のそれぞれにスライド自在に挿入される3本の半径方向の突出部(脚軸)が設けられ、外輪とトリポード部材の相互間で回転トルクの伝達を行なうようにされている。
[0006]
 また、外輪の隣接するトラック溝間に形成された膨出部の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜してその膨出部の周方向幅の中央に頂部を形成する一対のテーパ面を形成し、突出部の前側部には、その突出部の幅方向の中央から両側に向けて傾斜して突出部の幅方向の中央に頂部を形成する一対のテーパ面が設けられ、外輪とトリポード部材の組込みや分離が容易に行われるような構造を有している。
[0007]
 特許文献1に記載のトリポード型等速ジョイントは、外輪とトリポード部材の組込みや分離が容易であり、且つ、グリース潤滑が不要で、軽量、小型、動作音が小さいという点で有利である。
[0008]
 また、一般に、等速ジョイントを用いた各種装置において、メンテナンスや部品の劣化に伴う交換のため、そのジョイント部を挟んで駆動軸と被駆動軸とを何度も繰り返し接続したり(駆動力が伝達される状態にしたり)、切り離したり(駆動力が伝達されない状態にしたり)する場合があるので、特許文献1に記載のトリポード型等速ジョイントでは、上記のような構成により、外輪とトリポード部材の接続や分離が容易に行われるような構造としている。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2007-255511号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 ところで、特許文献1の等速ジョイントによると、平行ではない駆動軸の軸心と被駆動軸の軸心とが、等速ジョイントを配置したジョイント部付近で交差する状態、いわゆる偏角(屈曲)が生じた状態に対しては、比較的大きなずれにも対応しやすい。
[0011]
 しかし、駆動軸の軸心の延長線と被駆動軸の軸心の延長線とが、ジョイント部以外の部分で交差するような状態、あるいは、駆動軸の軸心と被駆動軸の軸心とが平行で交差しない状態、いわゆる心ずれの状態には、対応できるずれの範囲が限られているという問題がある。
[0012]
 そこで、この発明は、回転速度のムラをできる限り抑制し、駆動軸の軸心と被駆動軸の軸心とのより大きな偏角や心ずれにも対応できるようにすることを第一の課題とする。
[0013]
 また、特許文献1に記載のトリポード型等速ジョイントは、外輪の開口側端部からトリポード部材を挿入するジョイント接続時に、トラック溝と突出部の位相が周方向にずれがある場合でも、突出部は膨出部の先端部に形成されたテーパ面で接触案内されて、トラック溝の先端開口に誘導される。このため、トラック溝と突出部の位相合わせを行う必要がなく、トリポード型等速ジョイントを極めて簡単に接続させることができる。
[0014]
 しかし、ジョイント接続時に、まれに円滑に接続ができないことがあり、無理に接続を行うと、膨出部の頂部または突出部の頂部が損傷するということがある。
[0015]
 このような問題について発生原因を調査した結果、ジョイント接続時に、膨出部の頂部と突出部の頂部の位相が完全に一致することでいわゆる3点支持の安定的な状態となって、テーパ面による案内効果が行われないことが判明した。さらには、この際に無理に押し込むことによって、想定される以上の押し込み力が作用することで、接触している頂部に損傷が生じてしまうことが判明した。
[0016]
 そこで、この発明は、頂部同士の3点支持が発生することなく、テーパ面による案内効果が著しく優れ、膨出部の頂部と突出部の頂部に損傷が生じることのない、トリポード型等速ジョイントとすることを第二の課題とする。

課題を解決するための手段

[0017]
 上記第一の課題を解決するために、この発明は、駆動軸と被駆動軸とを連結するとともに、前記駆動軸の軸心と前記被駆動軸の軸心との間の角度が180°以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる前記被駆動軸の回転速度変動を抑制して前記駆動軸の回転を前記被駆動軸に伝達する連結手段であるトリポード型等速ジョイントであって、前記連結手段は、中間部材と前記中間部材の前記駆動軸側端と前記被駆動軸側端とにそれぞれ設けられた軸端部材とからなり、前記中間部材は外輪であり、前記軸端部材はトリポード部材であり、前記外輪には、軸方向両端面でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝が形成され、前記トリポード部材には、前記各トラック溝内に軸方向へスライド自在に収容されることで、前記外輪とそのトリポード部材との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部がそれぞれ設けられていることを特徴とするトリポード型等速ジョイントを採用した。
[0018]
 駆動軸と被駆動軸とを連結するトリポード型等速ジョイントを、軸方向両端面でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝が形成された外輪からなる中間部材と、各トラック溝内に軸方向へスライド自在に収容される3つの突出部がそれぞれ設けられたトリポード部材からなる軸端部材とで構成し、中間部材両端の2箇所においてそれぞれ屈曲機能、首振り機能を持たせたことで、被駆動軸を速度ムラなく等速回転させることができ、且つ、より大きな偏角や心ずれにも対応できるようになる。
[0019]
 この各構成において、前記外輪は、その内面に前記トラック溝がそれぞれ形成された2つのカップの底同士を背中合わせにして軸方向に沿って直列に配列したように構成することができる。
[0020]
 また、他の構成として、駆動軸と被駆動軸とを連結するとともに、前記駆動軸の軸心と前記被駆動軸の軸心との間の角度が180°以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる前記被駆動軸の回転速度変動を抑制して前記駆動軸の回転を前記被駆動軸に伝達する連結手段であるトリポード型等速ジョイントであって、前記連結手段は、中間部材と前記中間部材の前記駆動軸側端と前記被駆動軸側端とにそれぞれ設けられた軸端部材とからなり、前記中間部材は、軸方向いずれかの側が外輪、その対側がトリポード部材であり、前記軸端部材は、前記いずれかの側がトリポード部材、前記対側が外輪であり、前記外輪には、対応するトリポード部材側端でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝が形成され、前記トリポード部材には、前記各トラック溝内に軸方向へスライド自在に収容されることで、前記外輪とそのトリポード部材との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部がそれぞれ設けられていることを特徴とするトリポード型等速ジョイントを採用した。
[0021]
 これらの各構成において、前記トリポード部材と前記外輪が合成樹脂の成形品である構成を採用することができる。また、前記トリポード部材と、それに対応する前記外輪とは、その合成樹脂の主材料(ベースレジン)が異なる構成を採用することが望ましい。
[0022]
 トリポード部材と両外輪を合成樹脂の成形品としたことにより、グリース等の潤滑剤を不要とし、ブーツ等の潤滑剤漏洩防止部材を不要とすることができる。また、メンテナンスの容易化を図ることができる。さらに、潤滑剤の漏洩によって周辺機器等が汚されるという不都合の発生を防止することができ、また、トルク伝達時の動作音を少なくすることができる。また、トリポード部材と両外輪の合成樹脂の主材料(ベースレジン)が異なる構成を採用することによって、樹脂の凝着現象が防止でき、トルク変動や摩耗特性に効果的になる。
[0023]
 これらの各構成において、一方の前記外輪の解放端とそれに対応する一方の前記トリポード部材との接続部が、他方の前記外輪の解放端とそれに対応する他方の前記トリポード部材との接続部よりも軸方向へ抜け落ちやすい構造とすることができる。
[0024]
 一般に、等速ジョイントを用いた各種装置において、メンテナンスや部品の劣化に伴う交換のため、そのジョイント部を挟んで駆動軸と被駆動軸とを接続したり(駆動力が伝達される状態)、切り離したり(駆動力が伝達されない状態)する必要がある場合がある。
 そこで、上記のように、中間部材の軸方向両端のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とすることで、駆動軸と被駆動軸との切り離し箇所を特定することができる。すなわち、駆動軸と被駆動軸とを遠ざける方向に引張った際に、突出部がトラック溝から離脱して自然にトリポード部材の軸方向一方の端部が外輪から切り離される。また、駆動軸と被駆動軸とが近づく方向に押し込めば、突出部がトラック溝に収容されて自然にトリポード部材の軸方向一方の端部が外輪に接続される。突出部がトラック溝に対して軸方向へ移動自在であるから、このような作用が可能である。
[0025]
 中間部材の軸方向両端のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とするためには、例えば、固定側、すなわち、中間部材の軸方向他方の端部とそれに対応する他方の外輪との間に、止め輪等の抜け落ち防止手段を設けるとよい。また、他の手法として、固定側の外輪の開口側端部に、内径側に膨らむ突起、アンダーカット等を設けて、開口部の出口を狭めてもよい。また、さらに他の手法として、固定側のトリポード部材と外輪との間の嵌め込み時の隙間を比較的狭くして抜け落ちにくい構造とし、非固定側、すなわち、中間部材の軸方向一方の端部と外輪との間の嵌め込み時の隙間を相対的に広くして、軸方向への引き抜きの力に対して、一方側が他方側よりも優先して抜け落ちるようにしてもよい。
[0026]
 トリポード部材の軸方向一方の端部が外輪に接続されるとき、突出部がトラック溝内にスムーズに収容されるよう、外輪のトラック溝の入口付近にガイド機能を設けることができる。
[0027]
 すなわち、その構成は、一方の前記トリポード部材の3つの突出部と一方の前記外輪との接続部は、一方の前記外輪の隣接する前記トラック溝間に形成された膨出部の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜してその膨出部の周方向幅の中程に頂部を形成する対のテーパ面を形成し、前記一方のトリポード部材の3つの突出部の前面部に、その各突出部の幅方向の中央から両側に向けて傾斜してその突出部の幅方向の中程に頂部を形成する対のテーパ面を設けた構成である。
[0028]
 この構成によれば、非固定側の外輪の開口側端部からトリポード部材を挿入するジョイント接続時に、トラック溝と突出部の位相が周方向にずれがある場合でも、突出部は膨出部の先端部に形成されたテーパ面で接触案内されてトラック溝の先端開口に誘導される。このため、トラック溝と突出部の位相合わせを行う必要がなく、トリポード型等速ジョイントを極めて簡単に接続させることができる。
[0029]
 このとき、上記第二の課題を解決するためには、一方の前記外輪の3つの膨出部の頂部のうち、少なくとも1つの膨出部の頂部の軸方向位置は、他の膨出部の頂部の軸方向位置と異なる構成を採用することができる。特に、一方の前記外輪の3つの膨出部の頂部のうち、1つの膨出部の頂部は、他の2つの膨出部の頂部よりも前方へ突出していることが好ましい。
[0030]
 あるいは、一方の前記トリポード部材の3つの突出部の頂部のうち、少なくとも1つの突出部の頂部の軸方向位置は、他の突出部の頂部の軸方向位置と異なる構成を採用することができる。特に、一方の前記トリポード部材の3つの突出部の頂部のうち、1つの突出部の頂部は、他の2つの突出部の頂部よりも前方へ突出していることが好ましい。
[0031]
 例えば、3つの膨出部の頂部の前記外輪の軸方向に対する位置がすべて同じであり、且つ、突出部の頂部のトリポード部材の軸方向に対する位置がすべて同じであるとすると、ジョイント組立て時に、膨出部の頂部と突出部の頂部の位相が一致している場合、いわゆる3点支持となって、テーパ面による案内効果が期待できないだけでなく、想定される以上の押し込み力が作用した場合等に、その頂部に損傷を生じてしまう恐れもある。そこで、その頂部同士の3点支持を回避するため、上記の各構成をとることが望ましい。
[0032]
 さらに、これらの各構成において、前記各突出部の前記トラック溝の側面と対向する両側側面に前記軸方向に沿ってわん曲する曲面を設け、前記トラック溝の側面と前記曲面とを接触させた構成を採用することができる。トラック溝の側面に対して、各突出部の両側側面に設けた曲面が接触することで、偏角、心ずれが生じた際の外輪とトリポード部材との屈曲機能、首振り機能が円滑に作用し得る。
[0033]
 また、上記第一の課題を解決するために、この発明は、駆動軸と被駆動軸とを連結するとともに、前記駆動軸の軸心と前記被駆動軸の軸心との角度が180°以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる前記被駆動軸の回転速度変動を抑制して前記駆動軸の回転を前記被駆動軸に伝達し、前記駆動軸と前記被駆動軸にそれぞれ接続される対の外輪と、前記対の外輪間を結ぶトリポード部材とを備え、前記両外輪の内周にそれぞれ軸方向に延びる3本のトラック溝を周方向に120°の間隔をおいて形成し、前記トリポード部材の軸方向両端には、前記各トラック溝内に軸方向へスライド自在に収容されることで、前記両外輪とそのトリポード部材との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部がそれぞれ設けられ前記トリポード部材の軸方向一方の端部の3つの突出部と、軸方向他方の端部の3つの突出部とは、互いに前記トリポード部材の軸心周りの角度変位が設定されているトリポード型等速ジョイントを採用した。
[0034]
 駆動軸と被駆動軸とを連結するトリポード型等速ジョイントを、3本のトラック溝を有する対の外輪と、その両端にそれぞれトラック溝に収容される3つの突出部が設けられたトリポード部材とで構成し、トリポード部材両端の2箇所においてそれぞれ屈曲機能、首振り機能を持たせたことで、被駆動軸を速度ムラなく等速回転させることができ、且つ、より大きな偏角や心ずれにも対応できるようになる。
[0035]
 また、トリポード部材の軸方向両端の3つの突出部が、角度変位を有していることにより、トリポード部材の一方の端部の突出部が一方の外輪に深く入り込もうとした際に、トリポード部材の他方の端部の突出部は、一方の外輪には入り込まないように規制される。このため、トリポード部材が必要以上に外輪の奥深くまで入り込むことを防止できる。これにより、例えば、トリポード部材の両端の各関節が屈曲しない状態(トリポード部材が外輪内に深く入り込みやすい状態)においても、トリポード部材の両端が、対応する側の外輪内に納まる軸方向長さ(トリポード部材の嵌合深さ)の最大値を、軸方向一方と他方とでそれぞれ設定できる。
 また、トリポード部材の端部が、対応する側とは反対側の外輪に入り込む危惧がないので、トリポード部材の長さを必要最小限に設計できることとなる。このため、等速ジョイントのより小型化を実現できる。なお、前記角度変位は、前記トリポード部材の軸心周り60°とすることが望ましい。
[0036]
 この構成においても、前記トリポード部材と前記両外輪が合成樹脂の成形品である構成を採用することができる。
[0037]
 トリポード部材と両外輪を合成樹脂の成形品としたことにより、グリース等の潤滑剤を不要とし、ブーツ等の潤滑剤漏洩防止部材を不要とすることができる。また、メンテナンスの容易化を図ることができる。さらに、潤滑剤の漏洩によって周辺機器等が汚されるという不都合の発生を防止することができ、また、トルク伝達時の動作音を少なくすることができる。また、トリポード部材と両外輪の合成樹脂の主材料(ベースレジン)が異なる構成を採用することによって、樹脂の凝着現象が防止でき、トルク変動や摩耗特性に効果的になる。
[0038]
 これらの各構成において、前記トリポード部材の軸方向両端のうち、一方の端部の3つの突出部とそれに対応する一方の前記外輪との接続部が、他方の端部の3つの突出部とそれに対応する他方の前記外輪との接続部よりも軸方向へ抜け落ちやすい構造とすることができる。
[0039]
 トリポード部材の軸方向両端のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とするためには、前述の場合と同様、例えば、固定側、すなわちトリポード部材の軸方向他方の端部とそれに対応する他方の外輪との間に、止め輪等の抜け落ち防止手段を設けるとよい。また、他の手法として、固定側の外輪の開口側端部に、内径側に膨らむ突起、アンダーカット等を設けて、開口部の出口を狭めてもよい。また、さらに他の手法として、固定側のトリポード部材と外輪との間の嵌め込み時の隙間を比較的狭くして抜け落ちにくい構造とし、非固定側、すなわちトリポード部材の軸方向一方の端部と外輪との間の嵌め込み時の隙間を相対的に広くして、軸方向への引き抜きの力に対して、一方側が他方側よりも優先して抜け落ちるようにしてもよい。
[0040]
 トリポード部材の軸方向一方の端部が外輪に接続されるとき、突出部がトラック溝内にスムーズに収容されるよう、外輪のトラック溝の入口付近にガイド機能を設けることができる。
[0041]
 その構成は、一方の端部の3つの突出部と一方の前記外輪との接続部は、一方の前記外輪の隣接する前記トラック溝間に形成された膨出部の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜してその膨出部の周方向幅の中程に頂部を形成する対のテーパ面を形成し、前記トリポード部材の一方の端部の3つの突出部の前面部に、その各突出部の幅方向の中央から両側に向けて傾斜してその突出部の幅方向の中程に頂部を形成する対のテーパ面を設けた構成である。
[0042]
 この構成によれば、非固定側の外輪の開口側端部からトリポード部材を挿入するジョイント接続時に、トラック溝と突出部の位相が周方向にずれがある場合でも、突出部は膨出部の先端部に形成されたテーパ面で接触案内されてトラック溝の先端開口に誘導される。このため、トラック溝と突出部の位相合わせを行う必要がなく、トリポード型等速ジョイントを極めて簡単に接続させることができる。
[0043]
 このとき、上記第二の課題を解決するためには、一方の前記外輪の3つの膨出部の頂部のうち、少なくとも1つの膨出部の頂部の前記軸方向位置は、他の膨出部の頂部の前記軸方向位置と異なる構成を採用することができる。特に、一方の前記外輪の3つの膨出部の頂部のうち、1つの膨出部の頂部は、他の2つの膨出部の頂部よりも前方へ突出していることが好ましい。
[0044]
 あるいは、前記トリポード部材の一方の端部の3つの突出部の頂部のうち、少なくとも1つの突出部の頂部の前記軸方向位置は、他の突出部の頂部の前記軸方向位置と異なる構成を採用することができる。特に、前記トリポード部材の一方の端部の3つの突出部の頂部のうち、1つの突出部の頂部は、他の2つの突出部の頂部よりも前方へ突出していることが好ましい。
[0045]
 さらに、これらの各構成において、前記各突出部の前記トラック溝の側面と対向する両側側面に前記軸方向に沿ってわん曲する曲面を設け、前記トラック溝の側面と前記曲面とを接触させた構成を採用することができる。トラック溝の側面に対して、各突出部の両側側面に設けた曲面が接触することで、偏角、心ずれが生じた際の外輪とトリポード部材との屈曲機能、首振り機能が円滑に作用し得る。
[0046]
 さらに、上記第二の課題を解決するために、この発明は、外輪の内周に軸方向に延びる3本のトラック溝を周方向に120゜の間隔をおいて形成し、前記外輪の内側に組込まれたトリポード部材には前記各トラック溝内でスライド自在とされ、前記外輪と前記トリポード部材の相互間でトルク伝達を行なう3本の突出部を設けたトリポード型等速ジョイントにおいて、前記外輪の隣接するトラック溝間に形成された膨出部の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜して前記膨出部の周方向幅の中央に頂部を形成する一対のテーパ面を形成するとともに、前記突出部の、外輪開口端から前記トリポード部材を挿入するジョイント組み込み時に先行側となる前側部に、前記突出部の幅方向の中央から両側に向けて傾斜して前記突出部の幅方向の中央に頂部を形成する一対のテーパ面を設け、前記外輪の3つの前記膨出部の頂部のうち、少なくとも1つの前記膨出部の頂部の軸方向位置は、他の前記膨出部の頂部の軸方向位置と異なる構成を採用している。
[0047]
 前記外輪の3つの膨出部の頂部のうち、少なくとも1つの膨出部の頂部の軸方向位置を、他の膨出部の頂部の軸方向位置と異なる構成を採用したので、膨出部の頂部及び突出部の頂部による頂部同士の3点支持を回避することができる。
[0048]
 特に、前記外輪の3つの膨出部の頂部のうち、1つの膨出部の頂部は、他の2つの膨出部の頂部よりも前方へ突出していることが好ましい。
[0049]
 また、他の構成として、外輪の内周に軸方向に延びる3本のトラック溝を周方向に120゜の間隔をおいて形成し、前記外輪の内側に組込まれたトリポード部材には前記各トラック溝内でスライド自在とされ、前記外輪と前記トリポード部材の相互間でトルク伝達を行なう3本の突出部を設けたトリポード型等速ジョイントにおいて、前記外輪の隣接するトラック溝間に形成された膨出部の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜して前記膨出部の周方向幅の中央に頂部を形成する一対のテーパ面を形成するとともに、前記突出部の、外輪開口端から前記トリポード部材を挿入するジョイント組み込み時に先行側となる前側部に、前記突出部の幅方向の中央から両側に向けて傾斜して前記突出部の幅方向の中央に頂部を形成する一対のテーパ面を設け、前記トリポード部材の3つの前記突出部の頂部のうち、少なくとも1つの前記突出部の頂部の軸方向位置は、他の前記突出部の頂部の軸方向位置と異なる構成を採用している。
[0050]
 前記トリポード部材の3つの突出部の頂部のうち、少なくとも1つの突出部の頂部の軸方向位置を、他の突出部の頂部の軸方向位置と異なる構成を採用したので、膨出部の頂部及び突出部の頂部による頂部同士の3点支持を回避することができる。
[0051]
 特に、前記トリポード部材の3つの突出部の頂部のうち、1つの突出部の頂部は、他の2つの突出部の頂部よりも前方へ突出していることが好ましい。
[0052]
 このような構成であるため、外輪とトリポード部材の接続時において、3点の頂部が同時に相手側の3点の頂部に接触することが回避でき、頂部同士が不安定な状態で接触するため頂部同士の3点支持が生じることが無くなる。
[0053]
 また、前記外輪の隣接するトラック溝間に形成された膨出部の先端部に、外径側から内径側に向けて外輪内部に入り込むよう傾斜するテーパ面を設けると、外輪開口端からトリポード部材を挿入するジョイント組み込み時に、外輪とトリポード部材の軸心にずれがある場合でも、膨出部の先端部に形成されたテーパ面で突出部のテーパ面が接触案内されて突出部がトラック溝の先端開口に誘導されるため、トリポード型等速ジョイントを簡単に接続することができる。
[0054]
 さらに、前記外輪及び前記トリポード部材の少なくとも一方を合成樹脂の成形品とすると、騒音防止に効果的であり静粛性に優れるトリポード型等速ジョイントとすることができる。また、トリポード部材と外輪の合成樹脂の主材料(ベースレジン)が異なる構成を採用することによって、樹脂の凝着現象が防止でき、トルク変動や摩耗特性に効果的になる。

発明の効果

[0055]
 この発明は、駆動軸と被駆動軸とを連結するトリポード型等速ジョイントを、軸方向両端面でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝が形成された外輪からなる中間部材と、各トラック溝内に軸方向へスライド自在に収容される3つの突出部がそれぞれ設けられたトリポード部材からなる軸端部材とで構成し、中間部材両端の2箇所においてそれぞれ屈曲機能、首振り機能を持たせたことで、被駆動軸を速度ムラなく等速回転させることができ、且つ、より大きな偏角や心ずれにも対応できるようになる。
[0056]
 また、この発明は、駆動軸と被駆動軸とを連結する等速ジョイントを、3本のトラック溝を有する対の外輪と、その両端にそれぞれトラック溝に収容される3つの突出部が設けられたトリポード部材とで構成し、トリポード部材両端の2箇所においてそれぞれ屈曲機能、首振り機能を持たせたことで、駆動軸と被駆動軸との間に大きな偏角や心ずれがあっても、被駆動軸を速度ムラなく等速回転させることができる。
[0057]
 また、トリポード部材の軸方向一方の端部の3つの突出部と、軸方向他方の端部の3つの突出部とが、互いに角度変位を有していることにより、トリポード部材の一方の端部の突出部が一方の外輪に深く入り込もうとした際に、トリポード部材の他方の端部の突出部は、一方の外輪には入り込まないように規制される。このため、トリポード部材の長さを必要最小限に設計できる。
[0058]
 さらに、この発明によれば、外輪側の頂部とトリポード部材側の頂部同士の3点支持が発生することなく、テーパ面による案内効果が著しく優れ、膨出部の頂部と突出部の頂部に損傷が生じることのない、トリポード型等速ジョイントとすることができる。

図面の簡単な説明

[0059]
[図1] この発明の第一の実施形態を示すトリポード型等速ジョイントを用いた装置の要部拡大図
[図2] トリポード型等速ジョイントを構成する部品の詳細を示し、(a)は一端側の軸端部材を中間部材から抜き取った状態の縦断面図、(b)は(a)のB-B矢視図
[図3] トリポード型等速ジョイントの縦断面図
[図4] (a)、(b)はトリポード型等速ジョイントの分解斜視図
[図5] トリポード型等速ジョイントの変形例をそれぞれ示し、(a)は連結手段の断面図、(b)は分解斜視図
[図6] トリポード型等速ジョイントのさらなる変形例を示す斜視図
[図7] この発明の第二の実施形態を示し、一端側の軸端部材を中間部材から抜き取った状態の縦断面図
[図8] この発明の第三の実施形態を示すトリポード型等速ジョイントを用いた装置の要部拡大図
[図9] トリポード型等速ジョイントを構成する部品の詳細を示し、(a)は対の外輪の断面図、(b)は(a)のB-B矢視図
[図10] トリポード型等速ジョイントの断面図
[図11] トリポード型等速ジョイントの分解斜視図
[図12] トリポード型等速ジョイントの変形例をそれぞれ示し、(a)は連結手段の断面図、(b)はトリポード部材の斜視図
[図13] この発明の第四の実施形態を示す縦断正面図
[図14] 図13の右側面図
[図15] 同実施形態の外輪とトリポード部材を示す分解斜視図
[図16] この発明の第五の実施形態を示す縦断正面図
[図17] 図16の実施形態の外輪とトリポード部材を示す分解斜視図

発明を実施するための形態

[0060]
 以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[0061]
(第一の実施形態)
 図1は、この発明の第一の実施形態におけるトリポード型等速ジョイントを用いた回転伝達機構の要部を示す。
 この回転伝達機構は、駆動力の伝達に関与するギヤを備える回転部Rと、回転部Rを軸周り回転させるモータからなる駆動源Mと、駆動源Mからの駆動力を回転部Rに伝達する駆動伝達装置20とを備えている。
[0062]
 駆動伝達装置20は、駆動源Mから伸びる駆動軸21と、回転部Rから伸びる被駆動軸22(以下、「回転体軸22」と称する。)とを結ぶトリポード型等速ジョイントからなる連結手段30を備えている。連結手段30は、回転体軸22の軸心と駆動軸21の軸心とが同一直線上にない状態、すなわち、両者の成す角度が180°(180deg)以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる回転体軸22の回転速度変動を抑制して、駆動軸21の回転を回転体軸22に伝達する機能を有する。図2(a)(b)~図4(a)(b)は、連結手段30の詳細を示す。また、図5(a)(b)は、それぞれその変形例を示す。
[0063]
 図1に示すように、回転部Rは回転体軸22とともに回転し、その回転体軸22が一対のフレームF’に軸受bを介して軸周り回転自在に支持されている。回転部Rを回転駆動する駆動源Mは、回転伝達機構の装置本体側のフレームFに取付けられて、回転部Rと軸方向で対向する配置とされている。フレームF’はフレームFに対して回転体軸22の軸方向に沿って移動可能であり、その移動により、回転部Rを備えたユニットが装置本体に対して着脱できるようになっている。
[0064]
 連結手段30は、中間部材Dと、その中間部材Dの駆動軸21側端と被駆動軸22側端とにそれぞれ設けられた軸端部材Eとからなる。ここで、中間部材Dは軸方向両端にそれぞれ外輪31,36を備える部材であり、軸端部材Eはその外輪31,36内に挿入されるトリポード部材40,45である。
[0065]
 中間部材Dの各外輪31,36には、軸方向両端面でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝32,37が形成されている。トリポード部材40,45には、各トラック溝32,37内に軸方向へスライド自在に収容されることで、外輪31,36とそのトリポード部材40,45との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部42,47がそれぞれ設けられている。
[0066]
 一方のトリポード部材40は筒状を成す本体部40aを備え、その本体部40aの軸方向孔40b内に、突出部42の反対側の端部から回転体軸22が挿入されて、トリポード部材40と回転体軸22とが接続されている。他方のトリポード部材45は筒状を成す本体部45aを備え、その本体部45aの軸方向孔45b内に、突出部47の反対側の端部から駆動軸21が挿入されて、トリポード部材45と駆動軸21とが接続されている。
[0067]
 トリポード部材40,45で構成される軸端部材Eと、対の外輪31,36を備えた中間部材Dは、いずれも合成樹脂の成形品である。合成樹脂は、このトリポード型等速ジョイントの使用条件によって適切なものを選択し、射出成形可能な合成樹脂が望ましい。射出成形可能な樹脂であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
[0068]
 ここで、対の外輪31,36とトリポード部材40,45を形成する合成樹脂の主材料、すなわち、添加材等を除いた成分であるベースレジンを、互いに異なった樹脂で構成することによって、凝着現象を防止することができる。外輪31とトリポード部材40の合成樹脂の主材料は互いに異なることが望ましく、もう一方の外輪36とトリポード部材40の合成樹脂の主材料も互いに異なることが望ましい。これにより、トルク変動の防止や耐摩耗性の向上を図ることができる。例えば、両外輪31,36をそれぞれナイロン樹脂で形成し、トリポード部材40,45をPPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)で形成することができる。
[0069]
 対の外輪31,36は、その内面にトラック溝32,37がそれぞれ形成された2つのカップの底同士を背中合わせにして軸方向に沿って直列に配列した対のカップ状部材35の両端に形成されている。各外輪31,36の内周には、前述のように、それぞれ軸方向に延びる3本のトラック溝32,37が、周方向に沿って120°(120deg)の間隔をおいて形成されている。各トラック溝32,37の周方向で対向する一対の側面32a,32a;37a,37aは互に平行な面方向を有する平坦面である。
[0070]
 各トリポード部材40,45には、それぞれ3つの突出部42,47が設けられている。3つの突出部42,47は、対応する側の外輪31,36の各トラック溝32,37内に収容される。また、一方の突出部42の先端は、外輪31のトラック溝32の奥部に設けた収容凹部34に入り込むようになっている。
[0071]
 突出部42,47は、トラック溝32,37内において軸方向へスライド自在とされる。また、トラック溝32,37の側面32a,37aと対向する両側側面42c,47bは、それぞれトリポード部材40の軸方向に沿ってわん曲する円筒面となっている。この実施形態では、対向する両円筒面の軸心は、トリポード部材40の半径方向へ向いて、各突出部42,47の突出方向への軸心に一致している。なお、これらの円筒面に代えて球面とすることも可能である。
[0072]
 突出部42,47は、駆動軸21と回転体軸22の一方に対する回転トルクの入力時、両側の側面42c,47bが、トラック溝32,37の側面32a,37aと係合する。その係合によって、外輪31,36とトリポード部材40の相互間で、軸周り回転トルクの伝達を行なうようになっている。
[0073]
 このとき、各トラック溝32,37の側面32a,37aと、対向する突出部42,47の側面42c,47bとが接触し、その接触部が摺接することで、偏角、心ずれが生じた際の外輪31,36とトリポード部材40との屈曲機能、首振り機能が円滑に作用するようになっている。
[0074]
 また、各トリポード部材40,45のうち、回転体R側の端部の3つの突出部42とそれに対応する外輪31の接続部が、駆動源M側の端部の3つの突出部47とそれに対応する他方の外輪36との接続部よりも、軸方向へ抜け落ちやすい構造である。
[0075]
 この実施形態では、固定側である駆動源M側のトリポード部材45と外輪36との接続部は、軸方向へ抜け落ちにくい構造とされており、その嵌め込み時の隙間を比較的狭くして強い力で圧入する構造とし、相対的に抜け落ちにくい構造としている。また、非固定側である回転体R側であるトリポード部材40と外輪31との接続部は、その嵌め込み時の隙間を相対的に広くして比較的弱い力で嵌め込みできる構造としている。これにより、軸方向への引き抜き力に対して、非固定側が固定側よりも優先して抜け落ちるようにしている。
[0076]
 なお、この実施形態のように、駆動源M側を固定側、回転体R側を非固定側とすることが望ましいが、駆動源M側を非固定側、回転体R側を固定側とした構成も可能である。
[0077]
 各トリポード部材40,45のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とする手段としては、他にも、例えば、固定側のトリポード部材45と外輪36との間に、止め輪等の抜け落ち防止手段を設けるとよい。具体的には、外輪36の開口端部の内周に設けた係合溝に、円周方向の一部が開口したC字状の止め輪を取付けた構造が考えられる。止め輪は外輪36の開口側端部からトリポード部材45が抜け出るのを防止する。また、さらに他の手法として、固定側の外輪36のトラック溝の開口側端部に、内径側に膨らむ突起、アンダーカット(図4(b)の符号38a参照)等を設けて、開口部の出口を狭めてもよい。
[0078]
 非固定側の外輪31の隣接するトラック溝32間には膨出部33が形成されている。膨出部33の先端部(開口側に向く先端部)には、周方向に相反する方向に傾斜してその膨出部33の周方向幅の中程に頂部33bを形成する対のテーパ面33a,33aが形成されている。頂部33bは、外輪31の半径方向に伸びる直線状の稜線で構成されている。
[0079]
 なお、固定側の外輪36の隣接するトラック溝37間にも膨出部38が形成されているが、こちら側の接続部は頻繁な接続、切り離しを前提としないため、テーパ面や頂部の形成は省略されている。
[0080]
 非固定側のトリポード部材40の端部において、3つの突出部42の前面部には、各突出部42の幅方向の中央から両側に向けて傾斜してその突出部42の幅方向の中程に頂部42bを形成する対のテーパ面42aが形成されている。頂部42bは、トリポード部材40の半径方向に伸びる直線状の稜線で構成されている。固定側のトリポード部材45の端部において、3つの突出部47の前面部は、軸方向に直交する面方向を有するフラット面である。また、突出部47の外径側を向く頂部47aもフラット面である。
[0081]
 この回転伝達機構において、回転部Rを備えたユニットの装置本体に対する支持位置の誤差が生じた場合を想定する。このとき、回転部R側の回転体軸22の軸心と駆動源M側の駆動軸21の軸心とが、上下方向又は横方向、あるいは、その両方向にずれた状態となり、両軸22,21の軸心同士の間に偏角や心ずれが生じた状態となる。
[0082]
 このような状態でトルク伝達するとき、固定側、非固定側の両方の接続部において、各突出部42,47は、トラック溝32,37に沿って、外輪31,36の軸方向にスライドする。このとき、突出部42,47の側面42c,47bとトラック溝32,37の側面32a,37aとの接触が線接触(側面42c,47bに球面を採用した場合は点接触)であるため、スライド抵抗は小さく、突出部42,47はトラック溝32,37に沿って円滑にスライドする。
[0083]
 このように、中間部材Dの両端の2箇所において、それぞれ軸端部材Eとの間で屈曲機能、首振り機能を持たせたことで、回転体軸22と駆動軸21との間に大きな偏角や心ずれがあっても、回転体Rに速度ムラを発生させることなく等速回転させることができる。
[0084]
 図5(a)(b)に変形例を示す。前述の実施形態では、非固定側の外輪31の3つの膨出部33の頂部33bの軸方向位置(外輪31の軸方向に対する位置)がすべて同じであり、且つ、それに対応するトリポード部材40の3つの突出部42の頂部42bの軸方向位置(トリポード部材40の軸方向に対する位置)もすべて同じとしている。
[0085]
 外輪31とトリポード部材40との組込み時に、軸周り120°毎の方位に設けられている突出部42の頂部42bは、同じく120°毎の方位に設けられている膨出部33の頂部33bを挟んでいずれかの側のテーパ面33aにまず当接し、そのテーパ面33aに沿ってトラック溝32に誘導される。
[0086]
 しかし、その組込み時に、膨出部33の頂部33bと突出部42の頂部42bの位相が一致した場合、いわゆる3点支持となって、テーパ面33aによる案内効果が期待できないだけでなく、想定される以上の押し込み力が作用した場合等に、その当接した頂部33b,42bに損傷を生じてしまう恐れもある。そこで、その頂部33b,42b同士の3点支持を回避するため、下記の各構成をとることができる。
[0087]
 第一の構成としては、外輪31の3つの膨出部33の頂部33bのうち、少なくとも1つの膨出部33の頂部33bの軸方向位置を、他の膨出部33の頂部33bの軸方向位置と異なるように設定する。ここで、3点支持を回避するためには、少なくとも1つの膨出部33の頂部33bが他と異なっていればよく、2つの頂部33bが同じ軸方向位置で他の一つの頂部33bが相対的に前方(開口側端部側)に位置している構成や、2つの頂部33bが同じ軸方向位置で他の一つが相対的に後方(閉塞側端部側)に位置している構成、あるいは、3つの頂部33bの軸方向位置がすべて異なる構成が考えられる。このとき、トリポード部材40側の3つの突出部42の頂部42bは、例えば、すべて同一の軸方向位置にする等、膨出部33の3つの頂部33bに対して同時に当接しない位置に設定される。
[0088]
 例えば、図5(a)は、外輪31の3つの膨出部33の頂部33bのうち、1つの膨出部33の頂部33bが、他の2つの膨出部33の頂部33bよりも前方へ距離Lだけ突出している構成を示している。他の2つの膨出部33の頂部33bは同一の軸方向位置にあり、トリポード部材40側の3つの突出部42の頂部42bは、すべて同一の軸方向位置に設定されている。このため、頂部33b,42b同士の3点支持を回避することができる。
[0089]
 なお、この図5(a)では、中間部材Dの軸方向両端のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とする手段として、固定側のトリポード部材45と外輪36との間に、コイルばね49を介在させている。トリポード部材45の中心に設けられた軸方向孔45bと外輪36に設けられた軸方向孔39に、一本のコイルばね49の両端が嵌め込まれ、そのコイルばね49によって、トリポード部材45と外輪36とが離れないように支持されている。この状態で、トリポード部材45と外輪36とは屈曲、首振り可能で、比較的強い力で軸方向に引張らない限り分離しないようになっている。このため、上記の各実施形態と同様、トリポード部材40とトリポード部材45とを軸方向へ離れる方向へ引張ると、トリポード部材40と外輪31とが先に分離し、トリポード部材45と外輪36とは分離しない。
[0090]
 また、第二の構成としては、トリポード部材40の3つの突出部42の頂部42bのうち、少なくとも1つの突出部42の頂部42bの軸方向位置が、他の突出部42の頂部42bの軸方向位置と異なるように設定することができる。ここで、3点支持を回避するためには、少なくとも1つの突出部42の頂部42bが他と異なっていればよく、2つの頂部42bが同じ軸方向位置で他の一つの頂部42bが相対的に前方(中間部材D側)に位置している構成や、2つの頂部42bが同じ軸方向位置で他の一つが相対的に後方(回転体軸22側)に位置している構成、あるいは、3つの頂部42bの軸方向位置がすべて異なる構成が考えられる。このとき、外輪31側の3つの膨出部33の頂部33bは、例えば、すべて同一の軸方向位置にする等、3つの頂部42bに対して同時に当接しない位置に設定される。
[0091]
 例えば、図6は、トリポード部材40の一方の端部の3つの突出部42の頂部42bのうち、1つの突出部42の頂部42b(図中の符号A参照)は、他の2つの突出部42の頂部42b(図中の符号B,C参照)よりも前方へ突出している構成を示している。他の2つの突出部42の頂部42bは同一の軸方向位置にあり、外輪31側の3つの膨出部33の頂部33bは、すべて同一の軸方向位置に設定されている。このため、頂部33b,42b同士の3点支持を回避することができる。
[0092]
(第二の実施形態)
 第二の実施形態を図7に示す。この実施形態の連結手段30は、中間部材Dと、その中間部材Dの駆動軸21側端と被駆動軸22側端とにそれぞれ設けられた軸端部材Eとからなる。ここで、中間部材Dは、軸方向いずれかの側が外輪31、その対側がトリポード部材45であり、軸端部材Eは、前述の外輪31を設けた側がトリポード部材40、トリポード部材45を設けた側が外輪36である。
[0093]
 中間部材Dの軸方向一方側の接続部である外輪31とそれに対応するトリポード部材40との接続構造、軸方向他方側の接続部である外輪36とそれに対応するトリポード部材45との接続構造は、軸方向への配置の向きを除いてそれぞれ前述の実施形態と同様であるので説明を省略する。
[0094]
 なお、一方のトリポード部材40は筒状を成す本体部40aを備え、その本体部40aの軸方向孔40b内に、突出部42の反対側の端部から回転体軸22が挿入されて、トリポード部材40と回転体軸22とが接続されている。他方のトリポード部材45は筒状を成す本体部45aを備え、その本体部45aの軸方向一方側の端部が外輪31と接続されて、トリポード部材45と外輪31とが一体の部材となっている。他方の外輪36は筒状を成す軸部36aを備え、その軸部36aの軸方向孔36b内に、トラック溝37の開口側の反対側の端部から駆動軸21が挿入されて、外輪36と駆動軸21とが接続されている(図7に駆動軸21及び回転体軸22は図示せず)。
[0095]
 図7の例では、トリポード部材40,45と外輪31,36との2箇所の接続部のうち、回転体R側の端部の3つの突出部42とそれに対応する外輪31の接続部が、駆動源M側の端部の3つの突出部47とそれに対応する他方の外輪36との接続部よりも、軸方向へ抜け落ちやすい構造である点も同様である。また、この実施形態のように、駆動源M側を固定側、回転体R側を非固定側とすることが望ましいが、駆動源M側を非固定側、回転体R側を固定側とできる点も同様である。トリポード部材40,45や外輪31,36を構成する素材についても同様である。
[0096]
 これらの実施形態では、ギヤを備えた回転部Rの回転体軸22と駆動源Mの駆動軸21とを、トリポード型等速ジョイントで接続した例について説明したが、この発明のトリポード型等速ジョイントによる連結手段30は、駆動軸と被駆動軸の等速性を維持しながら両軸の角度変位を許容する必要がある各種部材のジョイント部に使用することができ、各種産業機械や家電製品、事務機器等にも広く利用できる。
[0097]
(第三の実施形態)
 図8は、この発明の第三の実施形態におけるこの発明のトリポード型等速ジョイントを用いた回転伝達機構の要部を示す。
 この回転伝達機構は、駆動力の伝達に関与するギヤを備える回転部Rと、回転部Rを軸周り回転させるモータからなる駆動源Mと、駆動源Mからの駆動力を回転部Rに伝達する駆動伝達装置20とを備えている。
[0098]
 駆動伝達装置20は、駆動源Mから伸びる駆動軸21と、回転部Rから伸びる被駆動軸22(以下、「回転体軸22」と称する。)とを結ぶトリポード型等速ジョイントからなる連結手段30を備えている。連結手段30は、回転体軸22の軸心と駆動軸21の軸心とが同一直線上にない状態、すなわち、両者の成す角度が180°(180deg)以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる回転体軸22の回転速度変動を抑制して、駆動軸21の回転を回転体軸22に伝達する機能を有する。図9(a)(b)~図11は、連結手段30の詳細を示す。また、図12(a)(b)は、それぞれその変形例を示す。
[0099]
 図8に示すように、回転部Rは、両端に回転体軸22を有し、その回転体軸22が一対のフレームF’に軸受bを介して軸周り回転自在に支持されている。回転部Rを回転駆動する駆動源Mは、回転伝達機構の装置本体側のフレームFに取付けられて、回転部Rと軸方向で対向する配置とされている。フレームF’はフレームFに対して回転体軸22の軸方向に沿って移動可能であり、その移動により、回転部Rを備えたユニットが装置本体に対して着脱できるようになっている。
[0100]
 連結手段30は、駆動源Mの駆動軸21と回転体Rの回転体軸22とを結び、対の外輪31,36と、対の外輪31,36間を結ぶトリポード部材40とを備える。トリポード部材40と両外輪31,36は、いずれも合成樹脂の成形品である。合成樹脂は、このトリポード型等速ジョイント30の使用条件によって適切なものを選択し、射出成形可能な合成樹脂が望ましい。射出成形可能な樹脂であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
[0101]
 対の外輪31,36は、それぞれ、いずれかの側の端部が開口するカップ部の閉塞側端部に、軸部31a,36aが設けられている。その各外輪31,36の内周には、それぞれ軸方向に延びる3本のトラック溝32,37が、周方向に沿って120°(120deg)の間隔をおいて形成されている。各トラック溝32,37の周方向で対向する一対の側面32a,32a;37a,37aは互に平行な面方向を有する平坦面である。
[0102]
 トリポード部材40には、軸状の本体部41の軸方向両端において、それぞれ3つの突出部42,47が設けられている。3つの突出部42,47は、対応する側の外輪31,36の各トラック溝32,37内に収容される。また、一方の突出部42の先端は、外輪31のトラック溝32の奥部に設けた収容凹部34に入り込むようになっている。
[0103]
 突出部42,47は、トラック溝32,37内において軸方向へスライド自在とされる。また、トラック溝32,37の側面32a,37aと対向する両側側面42c,47bは、それぞれトリポード部材40の軸方向に沿ってわん曲する円筒面となっている。この実施形態では、対向する両円筒面の軸心は、トリポード部材40の半径方向へ向いて、各突出部42,47の突出方向への軸心に一致している。なお、これらの円筒面に代えて球面とすることも可能である。
[0104]
 トリポード部材40の本体部41の軸方向一方の端部において、突出部42の周方向幅に対する中心線c(頂部42bの位置に相当)は軸周り120°毎の方位に等分配置で設けられ、軸方向他方の端部において、突出部47の周方向幅に対する中心線d(頂部47aの位置に相当)は軸周り120°毎の方位に等分配置で設けられている。また、トリポード部材40の軸方向一方の端部の3つの突出部42と、軸方向他方の端部の3つの突出部47とは、互いにトリポード部材40の軸心周り同一の方位ではなく、互いにトリポード部材40の軸心周りにずれた方位、すなわち互いに角度変位が設定されている。
[0105]
 この実施形態では、図9(a)(b)及び図11に示すように、それぞれ一方の端部3つの突出部42と他方の端部3つの突出部47の中心線c,dとの間に60°の角度変位が設定されている。一方の端部の周方向に隣り合う突出部42,42間の中間の方位に、他方の端部の突出部47が存在するので、トリポード部材40は、軸周り60°毎の方位に一方の端部の突出部42、他方の端部の突出部47が順に位置し、全体として突出部42,47を備えた本体部41に加わる力のバランスがよいという利点がある。ただし、この角度は60°以外に設定することも可能である。
[0106]
 また、トリポード部材40の軸方向一方の端部の3つの突出部42が、軸方向他方の端部の3つの突出部47との間に角度変位を有していることにより、トリポード部材40の一方の端部の突出部42が一方の外輪31に深く入り込んだ際に、トリポード部材40の他方の端部の突出部47は、一方の外輪31には入り込まないように規制される。このため、トリポード部材40が必要以上に外輪31の奥深くまで入り込むことを防止できる。
 すなわち、対の外輪31,36とトリポード部材40が屈曲することなく同軸上に並んだ際に、外輪31,36のどちらかの側に、トリポード部材40が深く入り込みやすい事態が考えられるが、この構成によれば、トリポード部材40の両端が、対応する側の外輪31,36内に納まる軸方向長さ(トリポード部材の嵌合深さ)の最大値を、軸方向一方と他方とでそれぞれ設定できる。
 このように、トリポード部材40の端部が、対応する側とは反対側の外輪に入り込む危惧がないので、トリポード部材40の長さを必要最小限に設計できることとなる。このため、等速ジョイントのより小型化を実現できる。
[0107]
 仮に、トリポード部材40の軸方向一方の端部の3つの突出部42が、軸方向他方の端部の3つの突出部47と同一の軸周り方位に設定されているとする。この場合、トリポード部材40にストッパー機能が無いため、少なくともトラック溝32,37の軸方向長さの1.5倍以上の長さがトリポード部材40に必要になる。これに対し、3つの突出部42,47同士が、上記の実施形態のように互いに角度変位をもって設けられていれば、一方の側の突出部が対応する側のトラック溝に進入した後、トリポード部材40がさらに深く入り込んでも、他方の側の突出部はその側のトラック溝に入り込むことができない。このため、トリポード部材40にストッパー機能が備わることになり、トリポード部材40の長さを必要最小限とし得る。
[0108]
 このように、3つの突出部42,47は、対応する側の外輪31,36の各トラック溝32,37内に収容される。このとき、一方の突出部42の先端は、外輪31のトラック溝32の奥部に設けた収容凹部34に入り込むようになっている。
[0109]
 突出部42,47は、駆動軸21と回転体軸22の一方に対する回転トルクの入力時、両側の側面42c,47bが、トラック溝32,37の側面32a,37aと係合する。その係合によって、外輪31,36とトリポード部材40の相互間で、軸周り回転トルクの伝達を行なうようになっている。
[0110]
 このとき、各トラック溝32,37の側面32a,37aと、対向する突出部42,47の側面42c,47bとが接触し、その接触部が摺接することで、偏角、心ずれが生じた際の外輪31,36とトリポード部材40との屈曲機能、首振り機能が円滑に作用するようになっている。
[0111]
 また、トリポード部材40の軸方向両端のうち、回転部R側の端部の3つの突出部42とそれに対応する外輪31の接続部が、駆動源M側の端部の3つの突出部47とそれに対応する他方の外輪36との接続部よりも、軸方向へ抜け落ちやすい構造である。
[0112]
 この実施形態では、固定側である駆動源M側のトリポード部材40と外輪36との接続部は、軸方向へ抜け落ちにくい構造とされており、その嵌め込み時の隙間を比較的狭くして強い力で圧入する構造とし、相対的に抜け落ちにくい構造としている。また、非固定側である回転体R側であるトリポード部材40と外輪31との接続部は、その嵌め込み時の隙間を相対的に広くして比較的弱い力で嵌め込みできる構造としている。これにより、軸方向への引き抜き力に対して、非固定側が固定側よりも優先して抜け落ちるようにしている。
[0113]
 この実施形態のように、駆動源M側を固定側、回転部R側を非固定側とすることが望ましいが、駆動源M側を非固定側、回転部R側を固定側とした構成も可能である。
[0114]
 トリポード部材40の軸方向両端のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とする手段としては、他にも、例えば、固定側のトリポード部材40と外輪との間に、止め輪等の抜け落ち防止手段を設けるとよい。具体的には、外輪の開口端部の内周に設けた係合溝に、円周方向の一部が開口したC字状の止め輪を取付けた構造が考えられる。止め輪は外輪の開口側端部からトリポード部材40が抜け出るのを防止する。また、さらに他の手法として、固定側の外輪のトラック溝の開口側端部に、内径側に膨らむ突起、アンダーカット(図4(b)の符号38a参照)等を設けて、開口部の出口を狭めてもよい。
[0115]
 非固定側の外輪31の隣接するトラック溝32間には膨出部33が形成されている。膨出部33の先端部(開口側に向く先端部)には、周方向に相反する方向に傾斜してその膨出部33の周方向幅の中程に頂部33bを形成する対のテーパ面33a,33aが形成されている。頂部33bは、外輪31の半径方向に伸びる直線状の稜線で構成されている。
[0116]
 なお、固定側の外輪36の隣接するトラック溝37間にも膨出部38が形成されているが、こちら側の接続部は頻繁な接続、切り離しを前提としないため、テーパ面や頂部の形成は省略されている。
[0117]
 非固定側のトリポード部材40の端部において、3つの突出部42の前面部には、各突出部42の幅方向の中央から両側に向けて傾斜してその突出部42の幅方向の中程に頂部42bを形成する対のテーパ面42aが形成されている。頂部42bは、トリポード部材40の半径方向に伸びる直線状の稜線で構成されている。
[0118]
 この回転伝達機構において、回転部Rを備えたユニットの装置本体に対する支持位置の誤差が生じた場合を想定する。このとき、回転部R側の回転体軸22の軸心と駆動源M側の駆動軸21の軸心とが、上下方向又は横方向、あるいは、その両方向にずれた状態となり、両軸22,21の軸心同士の間に偏角や心ずれが生じた状態となる。
[0119]
 このような状態でトルク伝達するとき、固定側、非固定側の両方の接続部において、各突出部42,47は、トラック溝32,37に沿って、外輪31,36の軸方向にスライドする。このとき、突出部42,47の側面42c,47bとトラック溝32,37の側面32a,37aとの接触が線接触(側面42c,47bに球面を採用した場合は点接触)であるため、スライド抵抗は小さく、突出部42,47はトラック溝32,37に沿って円滑にスライドする。
[0120]
 このように、トリポード部材40の両端の2箇所においてそれぞれ屈曲機能、首振り機能を持たせたことで、回転体軸22と駆動軸21との間に大きな偏角や心ずれがあっても、回転部Rに速度ムラを発生させることなく等速回転させることができる。
[0121]
 図12(a)(b)に変形例を示す。前述の実施形態では、非固定側の外輪31の3つの膨出部33の頂部33bの軸方向位置(外輪31の軸方向に対する位置)がすべて同じであり、且つ、それに対応するトリポード部材40の3つの突出部42の頂部42bの軸方向位置(トリポード部材40の軸方向に対する位置)もすべて同じとしている。
[0122]
 外輪31とトリポード部材40との組込み時に、軸周り120°毎の方位に設けられている突出部42の頂部42bは、同じく120°毎の方位に設けられている膨出部33の頂部33bを挟んでいずれかの側のテーパ面33aにまず当接し、そのテーパ面33aに沿ってトラック溝32に誘導される。
[0123]
 しかし、その組込み時に、膨出部33の頂部33bと突出部42の頂部42bの位相が一致した場合、いわゆる3点支持となって、テーパ面33aによる案内効果が期待できないだけでなく、想定される以上の押し込み力が作用した場合等に、その当接した頂部33b,42bに損傷を生じてしまう恐れもある。そこで、その頂部33b,42b同士の3点支持を回避するため、下記の各構成をとることができる。
[0124]
 第一の構成としては、外輪31の3つの膨出部33の頂部33bのうち、少なくとも1つの膨出部33の頂部33bの軸方向位置を、他の膨出部33の頂部33bの軸方向位置と異なるように設定する。ここで、3点支持を回避するためには、少なくとも1つの膨出部33の頂部33bが他と異なっていればよく、2つの頂部33bが同じ軸方向位置で他の一つの頂部33bが相対的に前方(開口側端部側)に位置している構成や、2つの頂部33bが同じ軸方向位置で他の一つが相対的に後方(閉塞側端部側)に位置している構成、あるいは、3つの頂部33bの軸方向位置がすべて異なる構成が考えられる。このとき、トリポード部材40側の3つの突出部42の頂部42bは、例えば、すべて同一の軸方向位置にする等、膨出部33の3つの頂部33bに対して同時に当接しない位置に設定される。
[0125]
 例えば、図12(a)は、外輪31の3つの膨出部33の頂部33bのうち、1つの膨出部33の頂部33bが、他の2つの膨出部33の頂部33bよりも前方へ距離Lだけ突出している構成を示している。他の2つの膨出部33の頂部33bは同一の軸方向位置にあり、トリポード部材40側の3つの突出部42の頂部42bは、すべて同一の軸方向位置に設定されている。このため、頂部33b,42b同士の3点支持を回避することができる。
[0126]
 なお、この図12(a)では、トリポード部材40の軸方向両端のうち、一方を他方よりも抜け落ちやすい構造とする手段として、固定側のトリポード部材40と外輪36との間に、コイルばね45を介在させている。トリポード部材40の中心に設けられた軸方向孔41aと外輪36に設けられた軸方向孔36bに、一本のコイルばね45の両端が嵌め込まれ、そのコイルばね45によって、トリポード部材40と外輪36とが離れないように支持されている。この状態で、トリポード部材40と外輪36とは屈曲、首振り可能で、比較的強い力で軸方向に引張らない限り分離しないようになっている。このため、上記の各実施形態と同様、外輪31と外輪36とを軸方向へ離れる方向へ引張ると、トリポード部材40と外輪31とが先に分離し、トリポード部材40と外輪36とは分離しない。
[0127]
 また、第二の構成としては、トリポード部材40の3つの突出部42の頂部42bのうち、少なくとも1つの突出部42の頂部42bの軸方向位置が、他の突出部42の頂部42bの軸方向位置と異なるように設定することができる。ここで、3点支持を回避するためには、少なくとも1つの突出部42の頂部42bが他と異なっていればよく、2つの頂部42bが同じ軸方向位置で他の一つの頂部42bが相対的に前方(開口側端部側)に位置している構成や、2つの頂部42bが同じ軸方向位置で他の一つが相対的に後方(閉塞側端部側)に位置している構成、あるいは、3つの頂部42bの軸方向位置がすべて異なる構成が考えられる。このとき、外輪31側の3つの膨出部33の頂部33bは、例えば、すべて同一の軸方向位置にする等、3つの頂部42bに対して同時に当接しない位置に設定される。
[0128]
 例えば、図12(b)は、トリポード部材40の一方の端部の3つの突出部42の頂部42bのうち、1つの突出部42(A)の頂部42bは、他の2つの突出部42(B)、42(C)の頂部42bよりも前方へ突出している構成を示している。他の2つの突出部42の頂部42bは同一の軸方向位置にあり、外輪31側の3つの膨出部33の頂部33bは、すべて同一の軸方向位置に設定されている。このため、頂部33b,42b同士の3点支持を回避することができる。
[0129]
 これらの実施形態では、ギヤを備えた回転部Rの回転体軸22と駆動源Mの駆動軸21とを、トリポード型等速ジョイント30で接続した例について説明したが、この発明のトリポード型等速ジョイントによる連結手段30は、駆動軸と被駆動軸の等速性を維持しながら両軸の角度変位を許容する必要がある各種部材のジョイント部に使用することができ、各種産業機械や家電製品、事務機器等にも広く利用できる。
[0130]
(第四の実施形態)
 第四の実施形態を、図13乃至図15に示す。第四の実施形態のトリポード型等速ジョイントは、外輪1と、その内側に組込まれたトリポード部材11とから成る。
[0131]
 外輪1は、一端が開口するカップ部2の閉塞端に第1軸3を設けた構成とされ、上記カップ部2の内周には、その開口端から軸方向に延びる3本のトラック溝4が周方向に120゜の間隔をおいて形成されている。各トラック溝4の周方向で対向する一対の側面5は互に平行する平坦面とされている。
[0132]
 トリポード部材11は第2軸12を有している。このトリポード部材11には外輪1の各トラック溝4内に挿入される3本の突出部13が一体に設けられている。
[0133]
 各突出部13はトラック溝4内において軸方向へスライド自在とされる。また、トラック溝4の側面5と対向する各突出部13の両側の側面14は、それぞれトリポード部材11の軸方向に沿ってわん曲する円筒面となっている。この実施形態では、対向する両円筒面の軸心は、トリポード部材11の半径方向へ向いて、突出部13の突出方向への軸心に一致している。なお、両側側面14として、これらの円筒面に代えて、周方向および軸方向の2方向にわん曲する球面とすることも可能である。
[0134]
 突出部13は、第1軸3と第2軸12の一方に対する回転トルクの入力時、両側の側面14のうち少なくとも一方の側面14がトラック溝4の一側面5と係合し、その係合によって、外輪1とトリポード部材11の相互間で、軸周り回転トルクの伝達を行なうようになっている。
[0135]
 このとき、トラック溝4の側面5と、対向する突出部13の側面14とが接触し、その接触部が摺接することで、偏角が生じた際の外輪1とトリポード部材11との屈曲機能、首振り機能が円滑に作用するようになっている。
[0136]
 第1軸3と第2軸12が相対的に角度をとってトルク伝達するとき、突出部13はトラック溝4に沿って外輪1の軸方向にスライドする。このとき、突出部13の側面14とトラック溝4の側面5との接触が線接触(側面14に球面を採用した場合は点接触)であるため、スライド抵抗は小さく、上記突出部13はトラック溝4に沿って円滑にスライドする。これにより、第1軸3と第2軸12との間に大きな偏角があっても、速度ムラを発生させることなく等速回転させることができる。
[0137]
 外輪1の隣接するトラック溝4間に形成された膨出部6の先端部(開口側に向く先端部)には、一対のテーパ面7が形成されている。一対のテーパ面7は、外径側から内径側に向けて外輪内部に入り込むよう傾斜していると共に、周方向には、相反する方向に傾斜して膨出部6の周方向幅の中央に頂部8を形成している。頂部8は、外輪1の半径方向に伸びる直線状の稜線で構成されている。なお、テーパ面7は、平坦面であってもよく、あるいは、凸曲面であってもよい。
[0138]
 また、外輪1の開口端面の外周部には、膨出部6の周方向幅の中央を両端とする3つのテーパ面9が形成されている。すなわち、テーパ面9は、外輪1の隣接するトラック溝4間に形成された膨出部6の先端部に、外径側から内径側に向けて外輪内部に入り込むよう傾斜している。
[0139]
 一方、トリポード部材11の各突出部13には、外輪1の開口端からトリポード部材11を挿入するジョイント組立て時に、先行側となる前側部に一対のテーパ面15が形成されている。一対のテーパ面15は、突出部13の幅方向中央から両側に向けて傾斜して、突出部13の幅方向中央に頂部16を形成している。頂部16は、トリポード部材11の半径方向に伸びる直線状の稜線で構成されている。なお、テーパ面15は、平坦面であってもよく、あるいは、凸曲面であってもよい。
[0140]
 外輪1とトリポード部材11との接続時に、軸周り120°毎の方位に設けられている突出部13の頂部16は、同じく120°毎の方位に設けられている膨出部6の頂部8を挟んでいずれかの側のテーパ面7にまず当接し、そのテーパ面7に沿ってトラック溝4に誘導される。このとき、頂部16は、テーパ面9への当接を経て、テーパ面9に誘導される場合もある。
[0141]
 しかし、その接続時に、膨出部6の頂部8と突出部13の頂部16の位相が一致した場合、いわゆる3点支持となって、テーパ面7による案内効果が期待できないだけでなく、想定される以上の押し込み力が作用した場合等に、その当接した頂部8,16に損傷を生じてしまう恐れもある。そこで、その頂部8,16同士の3点支持を回避するため、下記の各構成をとることができる。
[0142]
 ここで、第一の構成としては、外輪1の3つの膨出部6の頂部8のうち、少なくとも1つの膨出部6の頂部8の軸方向位置を、他の膨出部6の頂部8の軸方向位置と異なるように設定することができる。ここで、3点支持を回避するためには、少なくとも1つの膨出部6の頂部8が他と異なっていればよく、2つの頂部8が同じ軸方向位置で他の一つの頂部8が相対的に前方(開口側端部側)に位置している構成や、2つの頂部8が同じ軸方向位置で他の一つが相対的に後方(閉塞側端部側)に位置している構成、あるいは、3つの頂部8の軸方向位置がすべて異なる構成が考えられる。このとき、トリポード部材11側の3つの突出部13の頂部16は、例えば、すべて同一の軸方向位置にする等、膨出部6の3つの頂部8に対して同時に当接しない位置に設定される。
[0143]
 また、第二の構成としては、トリポード部材11の3つの突出部13の頂部16のうち、少なくとも1つの突出部13の頂部16の軸方向位置が、他の突出部13の頂部16の軸方向位置と異なるように設定することができる。ここで、3点支持を回避するためには、少なくとも1つの突出部13の頂部16が他と異なっていればよく、2つの頂部16が同じ軸方向位置で他の一つの頂部16が相対的に前方に位置している構成や、2つの頂部16が同じ軸方向位置で他の一つが相対的に後方に位置している構成、あるいは、3つの頂部16の軸方向位置がすべて異なる構成が考えられる。このとき、外輪1側の3つの膨出部6の頂部8は、例えば、すべて同一の軸方向位置にする等、突出部13の3つの頂部16に対して同時に当接しない位置に設定される。
[0144]
 例えば、図13~図15は、トリポード部材11の3つの突出部13の頂部16のうち、図15に示す1つの突出部13(A)の頂部16は、同図の他の2つの突出部13(B)、13(C)の頂部16よりも前方へ距離L1だけ突出している構成を示している。他の2つの突出部13(B)、13(C)の頂部16は同一の軸方向位置にあり、外輪1側の3つの膨出部6の頂部8は、すべて同一の軸方向位置に設定されている。このため、頂部8,16同士の3点支持を回避することができる。
[0145]
 また、例えば、図16及び図17は、外輪1の3つの膨出部6の頂部8のうち、図17に示す1つの膨出部6(A)の頂部8が、同図の他の2つの膨出部6(B)、6(C)の頂部8よりも後方へ距離L2だけ後退している構成、すなわち、2つの膨出部6(B)、6(C)の頂部8が、他の1つの膨出部6(A)の頂部8よりも前方へ距離L2だけ突出している構成を示している。他の2つの膨出部6(B)、6(C)の頂部8は同一の軸方向位置にあり、トリポード部材11側の3つの突出部13の頂部16は、すべて同一の軸方向位置に設定されている。
[0146]
 このため、外輪1とトリポード部材11の接続時において、3点の頂部8が同時に相手側の3点の頂部16に接触することが回避でき、頂部8,16同士が不安定な状態で接触するため、頂部8,16同士の3点支持が生じることが無くなる。その結果、両頂部8,16の位相が一致していわゆる3点支持となって、まれに円滑に接続ができないという事態が無くなり、外輪1とトリポード部材11の接続はテーパ面7,15による案内効果が著しく優れ信頼性の高いトリポード型等速ジョイントを得られることができる。また、無理に押し込むことが無くなるため、膨出部6の頂部8と突出部13の頂部16に損傷が生じることがない。
[0147]
 また、外輪1とトリポード部材11を引き離すことによって、トリポード型等速ジョイントを分離することができる。
[0148]
 このため、接続と分離の容易な等速ジョイントを得ることができ、等速ジョイントに動力を入力する入力側部品や、等速ジョイントからの出力によって回転駆動される出力側部品の破損等の取替えを容易に行なうことができる。
[0149]
 この発明のトリポード型等速ジョイントは、外輪1及びトリポード部材11の少なくとも一方が合成樹脂の成形品とした構成を有している。このとき、他方の部材となるトリポード部材11や外輪1は、金属製であってもセラミックス製であっても合成樹脂製であっても構わない。
[0150]
 このような構成を採用することで、潤滑剤を不使用にしたドライ運転を可能にすることができる。潤滑剤を使用しないため、ブーツが不要となる。また、軽量化や静音性が向上する。最も望ましいのは、他方の部材も、合成樹脂の成形品とした組み合わせである。外輪1及びトリポード部材11の両方を合成樹脂の成形品とすることで軽量化がさらに向上し、取り扱い性が優れるようになる。望ましくは、一方の部材のベース樹脂と、他方の部材のベース樹脂を、異なる材質にすることで凝着現象の防止を図ることができる。これは、上記のいずれの実施形態においても同様である。
[0151]
 合成樹脂は、トリポード型等速ジョイントの使用条件によって適切なものを選択し、射出成形可能な合成樹脂が望ましい。射出成形可能な樹脂であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
[0152]
 射出成形可能な樹脂には結晶性樹脂、非結晶性樹脂があり、いずれの樹脂を使用してもよいが、非結晶性樹脂は靭性が低く、許容量以上のトルクがかかった場合急激な破壊が生じるため、結晶性樹脂を用いるのが好ましい。
[0153]
 好ましい合成樹脂として、潤滑特性の高い合成樹脂、例えば、ポリアセタール樹脂(POM)、ナイロン樹脂、PFAやFEP、ETFE等の射出成形可能なフッ素樹脂、射出成形可能なポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリアミドイミド樹脂等を挙げることができる。
[0154]
 これらの各樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上混合したポリマーアロイであってもよい。あるいは、上記以外の潤滑特性の低い合成樹脂に上記の合成樹脂を配合したポリマーアロイであってもよい。
[0155]
 また、潤滑特性の低い合成樹脂であっても、固体潤滑剤や潤滑油を添加することで潤滑特性を高めることにより使用可能である。固体潤滑剤として、ポリテトラフルオロエチレン、黒鉛、二硫化モリブデン等を挙げることができる。
[0156]
 また、合成樹脂にガラス繊維、炭素繊維、各種鉱物性繊維(ウィスカー)を配合して強度を高めてもよく、固体潤滑剤等と併用してもよい。
[0157]
 この発明で最も使用に適した材料は、POM、ナイロン樹脂、PPS、PEEKである。ナイロン樹脂はナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、分子鎖中に芳香族環を有する半芳香族ナイロン等のいずれでもよい。POM、ナイロン樹脂、PPSは、耐熱性、潤滑性に優れ、比較的安価であるため、コストパフォーマンスの優れたトリポード型等速ジョイントを得ることができる。これらの材料に関する事項は、上記のいずれの実施形態においても同様である。
[0158]
 この実施形態では、トリポード部材11、第2軸12、突出部13を合成樹脂で一体に成形したが、トリポード部材11および突出部13を合成樹脂で成形し、第2軸12をセラミックスや鉄鋼、ステンレススチール、アルミニウム合金等の金属で形成してもよい。
[0159]
 なお、第2軸12が比較的長い場合は、トルク損失を防止するため、第2軸12をセラミックスや金属で形成することが好ましい。
[0160]
 また、外輪1においては、カップ部2と第1軸3を合成樹脂で一体に成形したが、第1軸3をセラミックスや鉄鋼、ステンレススチール、アルミ合金等で形成して、カップ部2に結合するようにしてもよい。

符号の説明

[0161]
1 外輪
2 カップ部
3 第1軸
4 トラック溝
5 側面
6 膨出部
7、9 テーパ面
8 頂部
11 トリポード部材
12 第2軸
13 突出部
15 テーパ面
16 頂部
21 駆動軸
22 被駆動軸(回転体軸)
30 トリポード型等速ジョイント
31、36 外輪
31a、36a 軸部
31b、36b、41a 軸方向孔
32、37 トラック溝
32a、37a 側面
33、38 膨出部
33a テーパ面
33b 頂部
34 収容凹部
35 対のカップ状部材
40、45 トリポード部材
41 本体部
42、47 突出部
42a テーパ面
42b 頂部
42c、47b 側面
47a 頂部
R 回転部
D 中間部材
E 軸端部材
F,F’ フレーム
M 駆動源(モータ)

請求の範囲

[請求項1]
 駆動軸(21)と被駆動軸(22)とを連結するとともに、前記駆動軸(21)の軸心と前記被駆動軸(22)の軸心との間の角度が180°以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる前記被駆動軸(22)の回転速度変動を抑制して前記駆動軸(21)の回転を前記被駆動軸(22)に伝達する連結手段(30)であるトリポード型等速ジョイントであって、
 前記連結手段(30)は、中間部材(D)と前記中間部材(D)の前記駆動軸(21)側端と前記被駆動軸(22)側端とにそれぞれ設けられた軸端部材(E)とからなり、前記中間部材(D)は外輪(31,36)であり、前記軸端部材(E)はトリポード部材(40,45)であり、
 前記外輪(31,36)には、軸方向両端面でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝(32,37)が形成され、
 前記トリポード部材(40,45)には、前記各トラック溝(32,37)内に軸方向へスライド自在に収容されることで、前記外輪(31,36)とそのトリポード部材(40,45)との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部(42,47)がそれぞれ設けられていることを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
[請求項2]
 前記外輪(31,36)は、その内面に前記トラック溝(32,37)がそれぞれ形成された2つのカップの底同士を背中合わせにして軸方向に沿って直列に配列したように構成されている請求項1記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項3]
 駆動軸(21)と被駆動軸(22)とを連結するとともに、前記駆動軸(21)の軸心と前記被駆動軸(22)の軸心との間の角度が180°以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる前記被駆動軸(22)の回転速度変動を抑制して前記駆動軸(21)の回転を前記被駆動軸(22)に伝達する連結手段(30)であるトリポード型等速ジョイントであって、
 前記連結手段(30)は、中間部材(D)と前記中間部材(D)の前記駆動軸(21)側端と前記被駆動軸(22)側端とにそれぞれ設けられた軸端部材(E)とからなり、前記中間部材(D)は、軸方向いずれかの側が外輪(31)、その対側がトリポード部材(45)であり、前記軸端部材(E)は、前記いずれかの側がトリポード部材(40)、前記対側が外輪(36)であり、
 前記外輪(31,36)には、対応するトリポード部材(40,45)側端でそれぞれ解放されると共に周方向に120°の間隔をおいて内周に軸方向に延びるトラック溝(32,37)が形成され、
 前記トリポード部材(40,45)には、前記各トラック溝(32,37)内に軸方向へスライド自在に収容されることで、前記外輪(31,36)とそのトリポード部材(40,45)との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部(42,47)がそれぞれ設けられていることを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
[請求項4]
 駆動軸(21)と被駆動軸(22)とを連結するとともに、前記駆動軸(21)の軸心と前記被駆動軸(22)の軸心との間の角度が180°以外のときに、又は、心ずれが発生したときに生じる前記被駆動軸(22)の回転速度変動を抑制して前記駆動軸(21)の回転を前記被駆動軸(22)に伝達し、前記駆動軸(21)と前記被駆動軸(22)にそれぞれ接続される対の外輪(31,36)と、前記対の外輪(31,36)間を結ぶトリポード部材(40)とを備え、前記両外輪(31,36)の内周にそれぞれ軸方向に延びる3本のトラック溝(32,37)を周方向に120°の間隔をおいて形成し、前記トリポード部材(40)の軸方向両端には、前記各トラック溝(32,37)内に軸方向へスライド自在に収容されることで、前記両外輪(31,36)とそのトリポード部材(40)との相互間で軸周りのトルク伝達を可能とする3つの突出部(42,47)がそれぞれ設けられ、前記トリポード部材(40)の軸方向一方の端部の3つの突出部(42)と、軸方向他方の端部の3つの突出部(47)とは、互いに前記トリポード部材(40)の軸心周りの角度変位があることを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
[請求項5]
 前記角度変位は、前記トリポード部材(40)の軸心周り60°である請求項4に記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項6]
 前記トリポード部材(40)と前記外輪(31,36)との接続部のうち、一方の接続部が、他方の接続部よりも軸方向へ抜け落ちやすい構造である請求項1乃至5のいずれか一つに記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項7]
 前記トリポード部材(40,45)の3つの突出部(42)と一方の前記外輪(31)との接続部は、一方の前記外輪(31)の隣接する前記トラック溝(32)間に形成された膨出部(33)の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜してその膨出部の周方向幅の中程に頂部を形成する対のテーパ面(33a,33a)を形成し、それに対向する前記トリポード部材(40,45)の3つの突出部(42)の前面部に、その各突出部(42)の幅方向の中央から両側に向けて傾斜してその突出部(42)の幅方向の中程に頂部(42b)を形成する対のテーパ面(42a,42a)を設けた請求項1乃至6のいずれか一つに記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項8]
 前記トリポード部材(40,45)の3つの突出部(42)の頂部(42b)のうち、少なくとも1つの突出部(42)の頂部(42b)の前記軸方向位置は、他の突出部(42)の頂部(42b)の前記軸方向位置と異なる請求項7に記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項9]
 外輪(1)の内周に軸方向に延びる3本のトラック溝(4)を周方向に120゜の間隔をおいて形成し、前記外輪(1)の内側に組込まれたトリポード部材(11)には前記各トラック溝(4)内でスライド自在とされ、前記外輪(1)と前記トリポード部材(11)の相互間でトルク伝達を行なう3本の突出部(13)を設けたトリポード型等速ジョイントにおいて、
 前記外輪(1)の隣接するトラック溝(4)間に形成された膨出部(6)の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜して前記膨出部(6)の周方向幅の中央に頂部(8)を形成する一対のテーパ面(7)を形成するとともに、
 前記突出部(13)の、外輪開口端から前記トリポード部材(11)を挿入するジョイント組み込み時に先行側となる前側部に、前記突出部(13)の幅方向の中央から両側に向けて傾斜して前記突出部(13)の幅方向の中央に頂部(16)を形成する一対のテーパ面(15)を設け、
 前記トリポード部材(11)の3つの前記突出部(13)の頂部(16)のうち、少なくとも1つの前記突出部(13)の頂部(16)の軸方向位置は、他の前記突出部(13)の頂部(16)の軸方向位置と異なることを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
[請求項10]
 前記トリポード部材(40,45,11)の一方の端部の3つの突出部(42,13)の頂部(42b,16)のうち、1つの突出部(42,13)の頂部(42b,16)は、他の2つの突出部(42,13)の頂部(42b,16)よりも前方へ突出している請求項8又は9に記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項11]
 前記各突出部(42,47,13)の前記トラック溝(32,37,4)の側面と対向する両側側面(42c,47b,14)に前記軸方向に沿ってわん曲する曲面を設け、前記トラック溝(32,37,4)の側面(32a,37a)と前記曲面とを接触させた請求項7乃至10のいずれか一つに記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項12]
 前記外輪(31)の3つの前記膨出部(33)の頂部(33b)のうち、少なくとも1つの前記膨出部(33)の頂部(33b)の軸方向位置は、他の前記膨出部(33)の頂部(33b)の軸方向位置と異なる請求項7に記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項13]
 外輪(1)の内周に軸方向に延びる3本のトラック溝(4)を周方向に120゜の間隔をおいて形成し、前記外輪(1)の内側に組込まれたトリポード部材(11)には前記各トラック溝(4)内でスライド自在とされ、前記外輪(1)と前記トリポード部材(11)の相互間でトルク伝達を行なう3本の突出部(13)を設けたトリポード型等速ジョイントにおいて、
 前記外輪(1)の隣接するトラック溝(4)間に形成された膨出部(6)の先端部に、周方向に相反する方向に傾斜して前記膨出部(6)の周方向幅の中央に頂部(8)を形成する一対のテーパ面(7)を形成するとともに、
 前記突出部(13)の、外輪開口端から前記トリポード部材(11)を挿入するジョイント組み込み時に先行側となる前側部に、前記突出部(13)の幅方向の中央から両側に向けて傾斜して前記突出部(13)の幅方向の中央に頂部(16)を形成する一対のテーパ面(15)を設け、
 前記外輪(1)の3つの前記膨出部(6)の頂部(8)のうち、少なくとも1つの前記膨出部(6)の頂部(8)の軸方向位置は、他の前記膨出部(6)の頂部(8)の軸方向位置と異なることを特徴とするトリポード型等速ジョイント。
[請求項14]
 前記外輪(31,1)の3つの前記膨出部(33,6)の頂部(33b,8)のうち、1つの前記膨出部(33,6)の頂部(33b,8)は、他の2つの前記膨出部(33,6)の頂部(33b,8)よりも前方へ突出していることを特徴とする請求項13に記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項15]
 前記外輪(31,1)の隣接するトラック溝(32,37,4)間に形成された前記膨出部(33,6)の先端部に、外径側から内径側に向けて外輪内部に入り込むよう傾斜するテーパ面(9)を設けた請求項12乃至14のいずれか一つに記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項16]
 前記トリポード部材(40,45,11)と前記両外輪(31,36,1)が合成樹脂の成形品である請求項1乃至15のいずれか一つに記載のトリポード型等速ジョイント。
[請求項17]
 前記トリポード部材(40,45,11)と、それに対応する前記外輪(31,36,1)とは、合成樹脂の主材料が異なる請求項16に記載のトリポード型等速ジョイント。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]