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1. (WO2015141564) 光学活性な化合物の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 光学活性な化合物の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005  

発明の効果

0006  

発明を実施するための形態

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

実施例

0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

産業上の利用可能性

0050  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 光学活性な化合物の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、医薬、農薬等の合成中間体として有用な光学活性な化合物の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、式(II):


の化合物とパラジウム/炭素触媒と水素とを混合させる、式(III):


の化合物の製造方法が記載されており、式(II)の化合物の原料として、1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリンが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平7−215921号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等の式(1):


(式中、R は、水素原子又はアセチル基を表し、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基又はアシル基を表し、R は、アルキル基を表し、R 、R は、水素又はアルキル基を表す。)
の化合物を不斉水素化して、式(2):


(式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR は、上記と同じ意味を表し、*が付いている炭素原子は不斉炭素原子を表す。)
の光学活性な化合物を製造する方法は知られていなかった。

課題を解決するための手段

[0005]
本発明は、プロキラルな化合物を不斉水素化することを特徴とする光学活性な化合物を製造する方法を提供する。
 本発明は、以下の発明を含む。
[1]光学活性な配位子を有する遷移金属触媒の存在下、水素と、式(1):


(式中、R は、水素原子又はアセチル基を表し、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基又はアシル基を表し、R は、アルキル基を表し、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。)の化合物とを接触させる、式(2):


(式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR は上記と同じ意味を表し、*が付いている炭素原子は不斉炭素原子を表す。)の光学活性な化合物の製造方法。
[2]R がメチル基又はエチル基であり、R 及びR が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はエチル基である[1]に記載の製造方法。
[3]R 、R 及びR がメチル基であり、R 、R 、R 及びR が水素原子である[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]光学活性な配位子を有する遷移金属触媒が、光学活性な配位子を有するイリジウム触媒、光学活性な配位子を有するロジウム触媒又は光学活性な配位子を有するルテニウム触媒である[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]20~100℃の温度で水素と式(1)の化合物とを接触させる[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]0.1MPa~20MPaのゲージ圧力で、水素と式(1)の化合物とを接触させる[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。

発明の効果

[0006]
 本発明によれば、式(1)の化合物を不斉水素化して式(2)の光学活性な化合物を製造することができる。

発明を実施するための形態

[0007]
前記式(1)および式(2)の化合物の置換基R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR について以下説明する。
、R 、R またはR で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示される。
 R 、R 、R またはR で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が例示され、アルキル基の中でも、メチル基又はエチル基が好ましい。
 R 、R 、R またはR で表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及びtert−ブトキシ基等の炭素数1~4のアルコキシ基が例示され、そのなかでもメトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
 R 、R 、R またはR で表されるアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びベンゾイル基等の炭素数2~7のアシル基が例示され、これらのアシル基のなかでも、アセチル基が好ましい。
 R 、R 、R 及びR は、すべて同じ基であることが好ましく、中でも、水素原子であることがより好ましい。
 R としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
 R 及びR は、同じ基であることが好ましい。
 R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
[0008]
 式(1)の化合物(以下、化合物(1)という場合がある。)としては、式(1−1)の化合物乃至式(1−20)の化合物が例示され、これらの化合物のなかでも式(1−1)、式(1−5)、式(1−9)、式(1−11)、式(1−15)又は式(1−19)の化合物が好ましく、式(1−1)又は式(1−11)の化合物がより好ましい。




(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Acはアセチル基を表す。)
 化合物(1)は、例えば、J.Chem.Soc.(C),1966,514−517に記載された方法によって製造することができる。また、化合物(1)は、市販品を用いてもよい。
[0009]
 式(2)の光学活性な化合物(以下、化合物(2)という場合がある。)としては、式(2−1)の化合物乃至式(2−20)の光学活性な化合物が例示される。
 化合物(2)としては、式(2−1)、式(2−5)、式(2−9)、式(2−11)、式(2−15)又は式(2−19)の化合物が好ましく、式(2−1)又は式(2−11)の化合物がより好ましい。
 化合物(2)の光学純度は、好ましくは5~100%eeである。




(式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Acはアセチル基を表し、*が付いている炭素原子は不斉炭素原子を表す。)
[0010]
 光学活性な配位子を有する遷移金属触媒(以下、遷移金属触媒という場合がある。)としては、光学活性な配位子を有するルテニウム触媒、光学活性な配位子を有するイリジウム触媒及び光学活性な配位子を有するロジウム触媒が好ましい。光学活性な配位子としては、キラルなホスフィン配位子、キラルなホスフィナート配位子、キラルなホスファイト配位子、キラルなホスフィナスアミド配位子及びキラルなホスホナスジアミド配位子が好ましい。
[0011]
 以下、Lは光学活性な配位子を表し、codは1,5−シクロオクタジエンを表し、nbdはノルボルナジエンを表し、DPENは1,2−ジフェニルエチレンジアミンを表し、DAIPENは1,1−ジ(p−メトキシフェニル)−2−イソプロピルエチレンジアミンを表し、dmfはジメチルホルムアミドを表し、DPENは1,2−ジフェニルエチレンジアミンを表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Acはアセチル基を表し、Phはフェニル基を表し、Tfはトリフルオロメチルスルホニル基を表す。
[0012]
 ロジウム触媒及びルテニウム触媒におけるLとしては、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル[以下、BINAPと記す場合がある。]、2,2’−ビス(ジ(p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)[以下、p−Tol−BINAPと記す場合がある。]、2,2’−ビス(ジ(3.5−キシリル)ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル[以下、DM−BINAPという場合がある。]、2,2’−ビス(ジ(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル[T−Bu−2−BINAP]、2,2’−ビス[ジ(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ]−1,1’−ビナフチル[以下、DMM−BINAPと記す場合がある。]、2,2’−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル[Cp−BINAP]、((5,6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)[以下、SEGPHOSと記す場合がある。]、((5,6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジp−トリルホスフィン)[以下、p−Tol−SEGPHOSと記す場合がある。]、((5,6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジ3,5−キシリルホスフィン)[以下、DM−SEGPHOSと記す場合がある。]、((5,6)、(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル(2,2’−ジイル)ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィン)[以下、DMM−SEGPHOSと記す場合がある。]、((5,6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン)[以下、DTBM−SEGPHOSと記す場合がある。]、((5,6),(5’,6’)−ビス(メチレンジオキシビフェニル−2,2’−ジイル)ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)[以下、Cy−SEGPHOSと記す場合がある。]、2,2−ジメチル−6,6’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、p−Tol−BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジ3,5−キシリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DM−BIPHEMPという場合がある。]、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DMM−BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジ4−tert−ブトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DTBM−BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−6,6’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、Cy−BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメトキシ6,6’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、MeO−BIPHEPと記す場合がある。]、2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、p−Tol−MeO−BIPHEPと記す場合がある。]、2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジ3,5−キシリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DM−MeO−BIPHEPと記す場合がある。]、2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DMM−MeO−BIPHEPと記す場合がある。]、2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジ4−tert−ブトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DTBM−MeO−BIPHEPと記す場合がある。]、2,2’−ジメトキシ−6,6’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、Cy−MeO−BIPHEPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−3,3’−ジクロロ−4,4’−ジメチル−6,6’−ビス(ジp−トリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、p−Tol−CM−BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−3,3’−ジクロロ−4,4’−ジメチル−6,6’−ビス(ジ3,5−キシリルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DM−CM−BIPHEMPと記す場合がある。]、2,2’−ジメチル−3,3’−ジクロロ−4,4’−ジメチル−6,6’−ビス(ジ4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル[以下、DMM−CM−BIPHEMPと記す場合がある。]、1,2−ビス(2,5−ジメチルホスフィノ)ベンゼン[以下、Me−DUPHOSと記す場合がある。]、1,2−ビス(2,5−ジエチルホスフィノ)ベンゼン[以下、Et−DUPHOSと記す場合がある。]、1,1’−ジ−tert−ブチル−[2,2’]−ジホスホラン[以下、TANGPHOSと記す場合がある。]、2,2’−ジ−tert−ブチル−2,3,2’,3’−テトラヒドロ−1,1’−ビ−1H−イソホスフェニルインドール[以下、DUANPHOSと記す場合がある。]、2,4−ビス(ジ(3,5−キシリル)ホスフィノペンタン[以下、XYLSKEWPHOSと記す場合がある。]、[(5,6),(5’,6’)−ビス(エチレンジオキシ)ビフェニル−2,2’−ジイル]ジフェニルホスフィン[以下、SYNPHOSと記す場合がある。]が例示され、BINAP、p−Tol−BINAP、DM−BINAP、T−Bu−2−BINAP、DMM−BINAP、Cp−BINAP、Me−DUPHOS、XYLSKEWPHOS及びDUANPHOSが好ましいく、BINAP及びMe−DUPHOSがより好ましい。
[0013]
 光学活性な配位子を有するロジウム触媒としては、[Rh(L)Cl] 、[Rh(L)Br] 、[Rh(L)I] 、[Rh(cod)(L)]OTf、[Rh(cod)(L)]BF 、[Rh(cod)(L)]ClO 、[Rh(cod)(L)]SbF 、[Rh(cod)(L)]PF 、[Rh(cod)(L)]BPh 、[Rh(nbd)(L)]OTf、[Rh(nbd)(L)]BF 、[Rh(nbd)(L)]ClO 、[Rh(nbd)(L)]SbF 、[Rh(nbd)(L)]PF 、[Rh(nbd)(L)]BPh 、[Rh(L) ]OTf、[Rh(L) ]BF 、[Rh(L) ]ClO 、[Rh(L) ]SbF 、[Rh(L) ]PF 、[Rh(L) ]BPh を例示され、[Rh(L)Cl] 、[Rh(cod)(L)]BF 及び[Rh(L) ]BF が好ましい。
[0014]
 光学活性な配位子を有するルテニウム触媒としては、Ru(OAc) (L)、Ru(OCOCF (L)、Ru Cl (L) NEt 、RuHCl(L)、RuHBr(L)、RuHI(L)、[{RuCl(L)} (μ−Cl) ][Me NH ]、[{RuBr(L)} (μ−Br) ][Me NH ]、[{RuI(L)} (μ−I) ][Me NH ]、[{RuCl(L)} (μ−Cl) ][Et NH ]、[{RuBr(L)} (μ−Br) ][Et NH ]、[{RuI(L)} (μ−I) ][Et NH ]、[RuCl[PPh ](L)] (μ−Cl) 、[RuBr[PPh ](L)] (μ−Br) 、[RuI[PPh ](L)] (μ−I) 、RuCl (L)、RuBr (L)、RuI (L)、[RuCl (L)](dmf) 、RuCl (L)(pyridine) 、RuBr (L)(pyridine) 、RuI (L)(pyridine) 、RuCl (L)(2,2’−dipyridine)、RuBr (L)(2,2’−dipyridine)、RuI (L)(2,2’−dipyridine)、[RuCl(benzene)(L)]Cl、[RuBr(benzene)(L)]Br、[RuI(benzene)(L)]I、[RuCl(p−cymene)(L)]Cl、[RuBr(p−cymene)(L)]Br、[RuI(p−cymene)(L)]I、[Ru(L)](OTf) 、[Ru(L)](BF 、[Ru(L)](ClO 、[Ru(L)](SbF 、[Ru(L)](PF 、[Ru(L)](BPh 、[RuCl (L)](en)、[RuBr (L)](en)、[RuI (L)](en)、[RuH (L)](en)、[RuCl (L)](DPEN)、[RuBr (L)](DPEN)、[RuI (L)](DPEN)、[RuH (L)](DPEN)、[RuCl (L)](DAIPEN)、[RuBr (L)](DAIPEN)、[RuI (L)](DAIPEN)、[RuH (L)](DAIPEN)が例示され、RuCl (L)、RuBr (L)及び[RuCl (L)](dmf) が好ましい。
[0015]
 光学活性な配位子を有するイリジウム触媒としては、[IrL(cod)]Y及び[IrL(nbd)]Yが例示され、[IrL(cod)]Yが好ましい。前記式において、Yは、アニオンを表す。
[0016]
 光学活性な配位子を有するイリジウム触媒におけるLとしては、上述したLに加えて、式(3)乃至式(24)の光学活性な配位子が例示され、好ましい光学活性な廃位子としては、式(11−1)、式(11−2)、式(11−3)、式(11−4)、式(11−5)、式(11−6)又は式(11−7)の光学活性な配位子が例示され、式(11−7)の光学活性な配位子がより好ましい。これらの光学活性な配位子の立体構造は、以下に例示する立体構造に限定されない。
[0017]
式(3):


[表1]




[0018]
式(4):


[表2]


[0019]
式(5):


[表3]




[0020]
式(6):


[表4]


[0021]
式(7):


[表5]


[0022]
式(8):


[表6]


[0023]
式(9):


[表7]


[0024]
式(10):


[表8]




[0025]
式(11):


[表9]


[0026]
式(12):


[表10]


[0027]
式(13):


[表11]


[0028]
式(14):


[表12]




[0029]
式(15):


[表13]


[0030]
式(16)~式(24):


(式中、Phはフェニル基を表し、Cyはシクロヘキシル基を表し、Tsはトシル基を表し、t−Buはtert−ブチル基を表す。)
[0031]
 Yとしては、式(a)~(c)で表されるアニオン、PF 6−、BF 4−及びCF SO 3−が例示され、式(a)のアニオンが好ましい。


[0032]
 遷移金属触媒の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常は0.00001~0.2モルであり、好ましくは0.0005~0.1モルであり、さらに好ましくは0.001~0.05モルである。遷移金属触媒は、2種以上用いてもよい。
 遷移金属触媒は、市販品を用いてもよいし、例えば、特開2002−187895号公報に記載の方法に従って製造してもよい。RuCl [(R,R)−Me−DUPHOS](dmf) は、Forman,G.S.;Okuma,T.;Hem,W.P.;Noyori,R.Tetrahedron Lett.2000,41,9471−9475に記載された方法によって製造してもよい。
[0033]
 水素は、水素ガスであることが好ましい。
 遷移金属触媒の存在下での、化合物(1)と水素との接触は、通常遷移金属触媒と化合物(1)と水素とを混合することにより行われる。混合は、化合物(1)と遷移金属触媒とを混合し、得られた混合物に水素ガスを混合することが好ましい。
 水素ガスの混合後、反応容器内の圧力は、ゲージ圧力(以下、ゲージ圧と記すこともある。)で、通常、0.1MPa~20MPa、好ましくは0.1MPa~5MPa、より好ましくは0.1MPa~1MPaに設定される。
 遷移金属触媒存在下での、化合物(1)と水素との接触温度は、通常20℃以上であり、好ましくは40℃以上であり、より好ましくは60℃以上である。また、該接触温度は通常100℃以下であり、好ましくは90℃以下であり、より好ましくは80℃以下である。
 遷移金属触媒存在下での、化合物(1)と水素との接触時間は、通常0.1~100時間であり、好ましくは0.1~48時間である。
[0034]
 遷移金属触媒存在下での、化合物(1)と水素との接触は、溶媒の存在下で行ってもよいし、溶媒の非存在下で行ってもよい。
 溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジン等の芳香族溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等の含ハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒;アセトニトリル、プロピルニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒;ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒;水、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水等の水溶媒;及びこれらの混合溶媒等が例示される。溶媒は、好ましくはアルコール溶媒、含ハロゲン炭化水素溶媒又は芳香族溶媒であり、より好ましくはヘキサン、トリフルオロエタノール、1,2−ジクロロエタン、トルエン、ジクロロメタン又は2−プロパノールであり、さらに好ましくはジクロロメタン又は2−プロパノールである。
 溶媒の使用量は、化合物(1)1重量部に対して、通常1~100重量部であり、好ましくは1~40重量部である。
[0035]
 遷移金属触媒存在下での、化合物(1)と水素との接触は、添加剤の存在下で実施されてもよく、添加剤としては、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドが例示される。
 添加剤は、溶媒と混合して用いてもよく、溶媒としてはtert−ブタノール等のアルコール溶媒が例示される。
 添加剤の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常0.01~0.2モルである。
 遷移金属触媒の存在下での、化合物(1)と水素との接触により、化合物(2)を含む混合物を得られる。得られた混合物から、遷移金属触媒を濾過等により除去し、濃縮することにより、化合物(2)を取り出すことができる。得られた化合物(2)は、結晶化、クロマトグラフィー等の公知の方法によって、精製することもできる。
 濾過等により除去した遷移金属触媒は、回収して、再び化合物(2)の製造に使用することができる。回収方法としては、遷移金属触媒を担体に担持させる方法等が例示される。
[0036]
 光学活性な配位子を有する遷移金属触媒は、反応系中で調製してもよい。この場合、光学活性な配位子Lと光学活性な配位子を有しない遷移金属触媒と化合物(1)と水素とを混合することにより化合物(2)を得ることができる。
 光学活性な配位子Lと光学活性な配位子を有しない遷移金属触媒と化合物(1)と水素との混合は、光学活性な配位子Lと光学活性な配位子を有しない遷移金属触媒と化合物(1)とを混合し、得られた混合物に水素を混合することが好ましい。
[0037]
 光学活性な配位子を有しない遷移金属触媒としては、[RhCl(cod)] 、[RhBr(cod)] 、[RhI(cod)] 、[RhOAc(cod)] 、[RhOPh(cod)] 、[Rh(cod) ]BF 、[RuCl(cod)] 、[RuBr(cod)] 、[RuI(cod)] 、[RuOAc(cod)] 、[RuOPh(cod)] 及び[Ru(cod) ]BF が例示される。
 光学活性な配位子Lと光学活性な配位子を有しない遷移金属触媒と化合物(1)と水素とを混合させる場合、Lの使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常0.00001~0.2モルであり、好ましくは0.001~0.1モルである。
 光学活性な配位子を有しない遷移金属触媒の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常0.00001~0.2モルであり、好ましくは0.001~0.1モルである。
実施例
[0038]
 以下に実施例を示す。実施例中、室温とは10~35℃を示す。実施例における光学純度は、以下の条件下で高速液体クロマトグラフィー分析することにより求めた。
カラム:ダイセルCHIRALCEL OD−H(4.6mmφ×250mm)
溶離液:ヘキサン/2−プロパノール=99/1(v/v)
流速:0.5mL/分
温度:40℃
検出器:UV254nm
 以下の条件でガスクロマトグラフィーを用いて、得られた化合物(2)を含む混合物より、化合物(2)のGC面積百分率(A)と未反応の化合物(1)の面積百分率(B)とを測定した。
カラム:アジレントテクノロジーDB−5(1.5μm、0.53mmφ×30m)
温度:初期温度100℃を5分保持し、8℃/分で最終温度300℃まで昇温。
インジェクター:250℃
ディテクター:300℃
 変換率を下記の計算式を用いて求めた。
変換率(%)=(A)/((A)+(B))
 下記構造式の触媒を、イリジウム触媒(1)という。


(式中、Phはフェニル基を表し、Bnはベンジル基を表し、Cyはシクロヘキシル基を表す。)
[0039]
 式(1−1)の化合物、式(1−11)の化合物、式(2−1)の化合物及び式(2−11)の化合物は、それぞれ、下記構造式の化合物を表す。


(式中、Acは、アセチル基を表す。)
[0040]
実施例1
 反応容器に、式(1−1)の化合物1.0g、トルエン19.36g及びイリジウム触媒(1)10mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温70℃に昇温し、8時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物1.05gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度5.8%eeであった。変換率は8.7%であった。
[0041]
実施例2
 反応容器に、式(1−1)の化合物1.0g、ジクロロメタン19.36g及びイリジウム触媒(1)10mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温70℃に昇温し、8時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物1.11gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度11.6%eeであった。変換率は3.5%であった。
[0042]
実施例3
 反応容器に、式(1−1)の化合物1.0g、ジクロロメタン19.36g及びイリジウム触媒(1)10mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温70℃に昇温し、8時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物1.11gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度11.6%eeであった。変換率は3.5%であった。
[0043]
実施例4
 反応容器に、式(1−1)の化合物0.5g、トリフルオロエタノール16.77g及びイリジウム触媒(1)50mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.9MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温40℃に昇温し、9時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物0.66gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度44.6%eeであった。変換率は6.5%であった。
[0044]
実施例5
 反応容器に、式(1−1)の化合物0.5g、ジクロロメタン16.77g及びイリジウム触媒(1)50mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.9MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温40℃に昇温し、9時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物0.60gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度71.3%eeであった。変換率は62.6%であった。
[0045]
実施例6
 反応容器に、式(1−11)の化合物0.5g、トリフルオロエタノール16.77g及びイリジウム触媒(1)50mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温90℃に昇温し、9時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−11)の化合物を含む混合物0.60gを得た。得られた式(2−11)の化合物は、光学純度31.3%eeであった。変換率は14.3%であった。
[0046]
実施例7
 反応容器に、式(1−11)の化合物0.5g、ジクロロメタン16.77g及びイリジウム触媒(1)50mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温70℃に昇温し、10時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−11)の化合物を含む混合物0.58gを得た。得られた式(2−11)の化合物は、光学純度31.8%eeであった。変換率は4.0%であった。
[0047]
実施例8
 窒素雰囲気下、(R,R)−Me−DuPhos100mg及び[RuCl (C )] 85mgをジメチルホルムアミド2mLに溶解した。得られた混合物を100℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣にジエチルエーテル2.5mL及びジクロロメタン2.5mLを加え、濾過した。得られた濾液を濃縮し、ヘキサン3mLを加え、濾過した。得られた濾液を濃縮し、固体を濾過した。得られた固体をヘキサン1mLで洗浄し、RuCl [(R,R)−Me−DUPHOS](dmf) 23.4mgを得た。反応容器に、式(1−1)の化合物0.5g、2−プロパノール19.16g、1Mカリウムtert−ブトキシドのtert−ブタノール溶液0.2mL及び得られたRuCl [(R,R)−Me−DUPHOS](dmf) 8.6mgを仕込んだ。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、反応容器内の内圧がゲージ圧0.9MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温65℃に昇温し、9時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物0.51gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度5.3%eeであった。変換率は13.5%であった。
[0048]
実施例9
 反応容器に、式(1−1)の化合物0.5g、ジクロロメタン19.16g、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)(ダイマー)51mg及び(S)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル155mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温70℃に昇温し、8.5時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物0.60gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度59.1%eeであった。変換率は16.3%であった。
[0049]
実施例10
 反応容器に、式(1−1)の化合物0.5g、ジクロロメタン19.16g、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)(ダイマー)51mg及び(R)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル155mgを仕込み、混合物を得た。反応容器を密閉し、反応容器内の気体を窒素に置換した。混合物を撹拌しながら、内圧がゲージ圧0.7MPaになるまで反応容器に水素を封入した。内温70℃に昇温し、9時間攪拌した。得られた反応混合物を冷却し、濾過した。得られた濾液を減圧濃縮し、式(2−1)の化合物を含む混合物0.53gを得た。得られた式(2−1)の化合物は、光学純度56.0%eeであった。変換率は14.7%であった。

産業上の利用可能性

[0050]
 本発明によれば、式(1)の化合物を不斉水素化して式(2)の光学活性な化合物を製造することができる。

請求の範囲

[請求項1]
 光学活性な配位子を有する遷移金属触媒の存在下、水素と、式(1):


(式中、R は、水素原子又はアセチル基を表し、R 、R 、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基又はアシル基を表し、R はアルキル基を表し、R 及びR は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。)の化合物とを接触させる、式(2):


(式中、R 、R 、R 、R 、R 、R 、R 及びR は上記と同じ意味を表し、*が付いている炭素原子は不斉炭素原子を表す。)の光学活性な化合物の製造方法。
[請求項2]
 R がメチル基又はエチル基であり、R 及びR が、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はエチル基である請求項1に記載の製造方法。
[請求項3]
 R 、R 及びR がメチル基であり、R 、R 、R 及びR が水素原子である請求項1又は2に記載の製造方法。
[請求項4]
 光学活性な配位子を有する遷移金属触媒が、光学活性な配位子を有するイリジウム触媒、光学活性な配位子を有するロジウム触媒又は光学活性な配位子を有するルテニウム触媒である請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
[請求項5]
 20~100℃の温度で水素と式(1)の化合物とを接触させる請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
[請求項6]
 0.1MPa~20MPaのゲージ圧力で水素と式(1)の化合物とを接触させる請求項1~5のいずれかに記載の製造方法。