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1. (WO2015141522) 3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び発光装置
Document

明 細 書

発明の名称 3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び発光装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

先行技術文献

特許文献

0011  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023  

発明の効果

0024   0025  

図面の簡単な説明

0026  

発明を実施するための形態

0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115  

産業上の利用可能性

0116  

符号の説明

0117  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2A   2B   2C   2D   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び発光装置

技術分野

[0001]
 本発明は有機エレクトロルミネッセンスの製造方法及び発光装置に関し、特に3次元的に湾曲した状態でも面状に発光可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び発光装置に関する。

背景技術

[0002]
 一般に、自己発光型の有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELともいう。)素子を具備するパネル(以下、有機ELパネルともいう。)は軽量・薄型で、エレクトロルミネッセンス(EL)現象を利用しているため発熱もほとんどなく、特に有機EL発光層を有するものは駆動電圧が低く省電力であるなどの利点を備えている。
[0003]
 かかる有機ELパネルは、例えば、透明基板上に、ITOなどの透明電極からなる陽極層と、有機EL層と、Alなどの金属電極からなる陰極層とを、順次積層し、陽極層と陰極層との間に電圧を印加して有機EL層を発光させて透明基板側から光を外部に取り出すように構成されている。
[0004]
 近年では、軽量で薄型であるといった特性を利用して、上記有機ELパネルを、シーリングライトなどの照明装置(発光装置)として使用することが検討され、その使用に際して立体的な形態を維持しながら発光できる意匠性に優れた照明装置が要望されている。
[0005]
 かかる発光装置の一例が特許文献1~3に開示されている。
[0006]
 特許文献1(段落0017、図4参照)や特許文献2(段落0029~0030、図2参照)の各技術では、発光層を含む積層体を、成形型の間に配置してプレス加工しその型の形状に応じた3次元の立体的形状を実現している。
[0007]
 これに対し、特許文献3(段落0026~0027、図2、図4参照)の技術では、成形型を使用しプレス成形しながらも、発光層を含む積層体の湾曲する部分を、可塑性部として、電極同士を導通・絶縁するための導体層と絶縁層とで構成し、発光層そのものを湾曲させないような構成を採用している。
[0008]
 しかしながら、特許文献1~3に開示されているように、成形型を使用しプレス成形するような技術では、発光層を有機EL層で構成した場合には、有機EL層そのものがプレス成形の際の過度な変形や熱などによって破損しやすい。他方、特許文献3に開示されているように、湾曲させる部分に発光層を形成しなければ、そのような問題は解決されうるが、発光層を含む積層体のなかに、発光部位とは別に上記可塑性部といった部位があると、その部位の製造工程が別途必要になる。また、意匠性の高いデザインを有する発光装置には採用しにくい。
[0009]
 また、特許文献4には、複数の小片の有機ELパネルを3次元状に配置(タイリング)した発光装置が開示されているが、パネルの位置合わせなどが必要で製造工程が煩雑である。
[0010]
 したがって、3次元的に湾曲した状態でも面状に発光可能な、有機エレクトロルミネッセンス素子の簡便な製造方法及びそれを用いた発光装置の出現が望まれている。

先行技術文献

特許文献

[0011]
特許文献1 : 特開平11-162633号公報
特許文献2 : 国際公開第2008/130480号
特許文献3 : 特開2009-016186号公報
特許文献4 : 特開2010-225983号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 本発明は上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、3次元的に湾曲した状態でも、簡易な構成で面状に発光することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した発光装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0013]
 本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、第1の熱可塑性樹脂基材上に、電極と発光層を有する積層体を形成する工程、接着剤を塗布した第2の熱可塑性樹脂基材よって、前記積層体を真空加熱ラミネートして接着剤を1次硬化させ平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を、3次元曲面部を成形するための金型に挟んだ後、再加熱して接着剤を2次硬化させ、3次元曲面部を成形する工程、を有する製造方法によって、3次元的に湾曲した状態でも、簡易な構成で面状に発光することができる有機エレクトロルミネッセンス素子が得られることを見出した。
[0014]
 すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
[0015]
 1.3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって
 (1)第1の熱可塑性樹脂基材上に、少なくとも第1電極、発光層及び第2電極をこの順に有する積層体を形成する工程、
 (2)第2の熱可塑性樹脂基材を接着剤を介して前記積層体上に貼合し、接着剤を1次硬化させ、平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程、及び
 (3)前記平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を、3次元曲面部を成形するための金型に挟んだ後、前記接着剤を2次硬化させ、3次元曲面部を成形する工程、
 を有することを特徴とする3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[0016]
 2. 前記接着剤が、熱硬化性であることを特徴とする第1項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[0017]
 3.前記1次硬化を100℃未満の温度で行い、前記2次硬化を100℃以上の温度で行うことを特徴とする第1項又は第2項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[0018]
 4.前記第1の熱可塑性樹脂基材が、ガスバリアー性フィルムであることを特徴とする第1項から第3項のいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[0019]
 5.前記第2の熱可塑性樹脂基材が、ガスバリアー性フィルムであることを特徴とする第1項から第4項のいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 
[0020]
 6.前記平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程の後に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し面側に、光散乱性の光取り出しシートを貼合する工程、を有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[0021]
 7.第1項から第6項までのいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によって製造された3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする発光装置。
[0022]
 8.前記3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、同一形状の曲面部を有する一対の保持基板の間に挟み込んで具備することを特徴とする第7項に記載の発光装置。
[0023]
 9.前記一対の保持基板の少なくとも一方が、透明な保持基板であることを特徴とする第8項に記載の発光装置。

発明の効果

[0024]
 本発明によれば、3次元的に湾曲した状態でも、面状に発光することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の簡便な製造方法及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を具備した発光装置を提供することができる。
[0025]
 本発明の製造方法によって形成される有機EL素子は、前記第2の熱可塑性樹脂基材によって電極及び発光層を第1の熱可塑性樹脂基材上に、接着剤を用いて真空ラミネート(封止ともいう。)したものであるが、その際にマイルドな加熱条件でいったん1次硬化した後に、当該有機EL素子を3次元曲面部を有する金型に挟み込み、再加熱して接着剤を2次硬化することによって、接着剤の硬化する形状に沿って当該素子が変形圧力を受け、その形状が3次元曲面部を有するものと推察される。したがって強いプレスは必要なく、電極や発光層のクラックなどが生じないものと推察される。

図面の簡単な説明

[0026]
[図1] 有機ELパネルの模式図
[図2A] 3次元曲面部を有する有機EL素子作製の概略及び斜視図
[図2B] 3次元曲面部を有する有機EL素子作製の概略及び斜視図
[図2C] 3次元曲面部を有する有機EL素子作製の概略及び斜視図
[図2D] 3次元曲面部を有する有機EL素子作製の概略及び斜視図
[図3] 車両のテールランプへの適用例を示す概略斜視図
[図4] 発光装置の車両内部への適用例を示す概略斜視図
[図5] 図4の発光装置を車両に設置した状態の断面図
[図6] 車両のヘッドランプへの適用例を示す概略斜視図

発明を実施するための形態

[0027]
 以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、以下有機エレクトロルミネッセンス素子は有機EL素子と呼称して説明する。
[0028]
 ≪本発明の3次元曲面部を有する有機EL素子の製造方法の概要≫
 本発明の3次元曲面部を有する有機EL素子の製造方法は、
 (1)第1の熱可塑性樹脂基材上に、少なくとも第1電極、発光層及び第2電極をこの順に有する積層体を形成する積層体形成工程、
 (2)接着剤を塗布した第2の熱可塑性樹脂基材によって、前記積層体を第1の熱可塑性樹脂基材上に真空加熱ラミネートして接着剤を1次硬化させ、平面状の有機EL素子を形成する一時硬化工程、及び
 (3)前記平面状の有機EL素子を、3次元曲面部を成形するための金型に挟んだ後、再加熱して接着剤を2次硬化させ、3次元曲面部を成形する工程、
 を有することを特徴とする。
[0029]
 本願でいう3次元曲面部とは、少なくとも一方向に湾曲した面で構成された部位をいう。
[0030]
 なお、本発明の3次元曲面部を有する有機EL素子の製造方法によって製造された3次元曲面部を有する有機EL素子を、以下において適宜「本発明の有機EL素子」という。
[0031]
 <本発明の有機EL素子の構成>
 図1は、前記(1)及び(2)の工程によって形成された平面状の有機EL素子の模式図である。
[0032]
 有機EL素子Pの形成の詳細は後述するが、少なくとも、第1の熱可塑性樹脂基材1上に、第1電極2、有機EL発光層3、及び第2電極4をこの順に有する積層体として形成し、次いで熱硬化性接着層5を塗布形成された第2の熱可塑性樹脂基材6を積層体及び第1の熱可塑性樹脂基材上に貼合し、真空状態で加熱することによって接着層5を1次硬化させ、平面状の有機EL素子Pを形成する。その際、第1電極及び第2電極の端部は配線によって外部回路と導通するように、前記封止部位から露出させる。
[0033]
 前記1次硬化は、接着層5が完全に硬化する条件で加熱するのではなく、比較的マイルド(低温又は短時間)な条件で1次硬化する。1次硬化はいわゆるハーフキュアであり、接着層5に含有する接着剤がハーフキュアされているかは、当該条件において接着剤硬化の反応率を、後述する示差走査熱量を測定することで判断することができる。
[0034]
 前記(2)の工程の1次硬化時の前記加熱温度は、用いる接着剤の種類によって異なるが、100℃未満の温度で行うことが好ましく、50~90℃の範囲内で行うことがより好ましい。加熱時間は1~10分の範囲内で行うことが好ましく、5~10分の範囲内で行うことがより好ましい。
[0035]
 なお、接着層5の接着剤としては、後述のように、熱硬化性接着剤以外の接着剤を用いることもできる。
[0036]
 図2は、前記平面状の有機EL素子を、3次元曲面部を成形するための金型に挟んだ後、再加熱して接着剤を2次硬化させ、3次元曲面部を成形する工程を示す概略及び斜視図である。図では電極からのリード線は省略してある。
[0037]
 図2(A)は、雄金型10-1と雌金型10-2の間に、前記平面状の有機EL素子Pを配置した模式図である。この場合、前記平面状の有機EL素子Pの大きさは、金型内部への折り込み部を勘案して、金型より大きい面積を有することが必要である。
[0038]
 図2(B)は、雄金型10-1と雌金型10-2の間に有機EL素子Pを挟み込んだ模式図であり、この状態で所定の加熱処理によって接着剤の2次硬化を行い、平面状の有機EL素子に3次元曲面部を付与する。
[0039]
 本願では、有機EL素子Pに用いる基材に熱可塑性樹脂を用いること、当該有機EL素子を3次元曲面部を有する金型に挟み込み、再加熱して接着剤を2次硬化することによって、接着剤の硬化する形状に沿って当該素子が変形圧力を受けることから、3次元曲面部を付与できるものと推察される。
[0040]
 加熱温度は、2次硬化時は、100℃以上で行うことが好ましく、100℃~(用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点温度)+10℃の範囲内で行うことがより好ましい。2次硬化は接着剤を完全に硬化させて、3次元曲面部を付与することから、加熱時間は10~60分の範囲内で行うことが好ましく、20~40分の範囲内で行うことがより好ましい。
[0041]
 雄金型11-1と雌金型11-2の間の圧力(加圧)は、特に限定されるものではないが、5~100Paの範囲内であることが好ましく、10~80Paの範囲内であることがより好ましい。この範囲内の加圧であれば、有機EL素子内部のクラック等の発生を抑え、3次元曲面部を付与することができる。
[0042]
 図2(C)は、2次硬化が終了した有機EL素子を金型からはずし、所望の形状以外の素子部分を切り取った、3次元曲面部が成形された有機EL素子Pである。
[0043]
 本発明の発光装置は、前記3次元曲面部が成形された有機EL素子Pを具備する。当該有機EL素子の第1電極(陽極)及び第2電極(陰極)に通電することにより、発光層が発光し、素子の光取り出し面側が発光する3次元曲面部を有する発光装置が得られる。
[0044]
 図2(D)は、一対の保持基板を使用して本発明の発光装置を形成する斜視図である。
[0045]
 本発明の発光装置は、3次元曲面部を有する有機EL素子Pのままでも発光装置として機能することはできるが、通常は前記3次元曲面部を有する有機EL素子を、同一形状の曲面部を有する一対の保持基板11-1及び11-2の間に挟み込んで具備することによって発光装置20を形成する。
[0046]
 このような保持基板に挟み込むことによって、外部からの傷を防止し、また温湿度等の影響を小さくすることができるため、有機EL素子の寿命を延長する効果がある。
[0047]
 また、保持基板をあらかじめ着色することによって、例えば白色発光に調整された有機EL素子でも、着色された保持基板を通して自由な発光色とすることができる。例えば、自動車の赤色のテールランプなどに適用できる。
[0048]
 さらに、前記一対の保持基板の少なくとも一方が、透明な保持基板であることも好ましく、透明な保持基板側に前記有機EL素子の光取り出し側を設置して、当該有機EL素子の発光色を素子側で変化させれば、自由な発光色の発光装置を得ることができる。
[0049]
 前記保持基板の材質は特に限定されないが、強度、形状加工の自由度や耐候性等の観点からは、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
[0050]
 ≪有機EL素子≫
 以下、本発明の有機EL素子の素材面について、図1に記載の有機ELパネルPの構成にそって説明する。
[0051]
 <第1の熱可塑性樹脂基材>
 本発明の有機EL素子に適用可能な基板としては、3次元成形を可能にするために、透明な熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。ここでいう透明とは、全光線透過率が80%以上、好ましくは90%以上をいう。
[0052]
 熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類及びそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル及びポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)及びアペル(商品名三井化学社製)等のシクロオレフィン系樹脂、等の樹脂フィルムを挙げることができる。これらの樹脂フィルムから本発明に係る製造工程によって3次元曲面部を付与しやすいフィルムを選択することができる。
[0053]
 さらに、第1の熱可塑性樹脂基材は、ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。 ガスバリアー層としては、JIS K 7129:1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m ・24時間)以下のガスバリアー性であることが好ましく、また、JIS K 7126:1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10 -3ml/(m ・24時間・atm)以下、水蒸気透過度が1×10 -5g/(m ・24時間)以下の高ガスバリアー性であることがより好ましい。
[0054]
 したがって樹脂基板の厚さは、上記ガスバリアー性を満たす厚さに設計することが好ましく、10~500μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20~250μmの範囲であり、さらに好ましくは30~150μmの範囲である。基板の厚さが10~500μmの範囲にあることで、3次元曲面部を有しても安定したガスバリアー性を得られる。
[0055]
 ガスバリアー層は、ポリシラザン及びポリシラザン改質体の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
[0056]
 「ポリシラザン」とは、ケイ素-窒素結合を持つポリマーで、Si-N、Si-H、N-H等からなるSiO 、Si 及び両方の中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体無機ポリマーである。ポリシラザン改質体は、ポリシラザンが改質処理されることによって生成される、酸化ケイ素、窒化ケイ素及び酸窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1種を含む化合物である。
[0057]
 市販品のポリシラザン含有液を使用することができ、ポリシラザン溶液の市販品としては、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のNN120-20、NAX120-20、NL120-20などが挙げられる。
[0058]
 ポリシラザンを含有する塗布液を調製し、前記樹脂基板上にポリシラザン、溶媒及び触媒等を含有するガスバリアー層形成用塗布液を塗布してガスバリアー層を形成することが好ましい。ポリシラザンを含有するガスバリアー層形成用塗布液を塗布する方法としては、任意の適切な湿式塗布方法が採用され得る。具体例としては、例えば、ローラーコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
[0059]
 塗膜の厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、塗膜の厚さは、乾燥後の厚さとして50nm~2μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは70nm~1.5μmの範囲内にあり、100nm~1μmの範囲内にあることが更に好ましい。
[0060]
 改質処理としては、プラズマ照射、紫外線照射、真空紫外線照射(エキシマ光照射)が望ましく、特にポリシラザンの改質効果の点で真空紫外線照射が好ましい。
[0061]
 <電極及び有機EL発光層>
 次に、電極2、4及び有機EL発光層3の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。なお通常、陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)をまとめて有機EL発光層という。
[0062]
 (1)陽極/発光層/陰極
 (2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
 (3)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
 (4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
 (5)陽極/陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極
 〈陽極〉
 陽極(第1電極)としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。
[0063]
 電極は透明電極であることが好ましい。透明電極に用いることのできる材料群としては、通常、有機EL素子の電極形成に使用可能な全ての金属材料を使用することができる。具体的には、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/同混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO(インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide))、ZnO、TiO 、SnO 等の酸化物半導体等が挙げられる。中でも、銀又は銀の合金を用いることが好ましい。
 〈正孔注入層〉
 第1電極と有機発光層又は正孔輸送層との間に、正孔注入層(陽極バッファー層ともいう。)を存在させてもよい。正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層である。正孔注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は0.1~10μmの範囲が好ましい。
[0064]
 〈正孔輸送層〉
 正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
[0065]
 〈発光層〉
 発光層は、電極又は隣接層から注入されてくる電子及び正孔が再結合し、励起子を経由して発光する場を提供する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても、発光層と隣接層との界面であってもよい。
[0066]
 発光層には、発光ドーパント(発光性ドーパント化合物、ドーパント化合物、単にドーパントともいう。)と、ホスト化合物(マトリックス材料、発光ホスト化合物、単にホストともいう。)とを含有することが好ましい。
[0067]
 発光層は、単層又は複数層で構成されており、発光層が複数の場合は各発光層の間に非発光性の中間層を設けてもよい。発光層の厚さの総和は、1~100nmの範囲内にあることが好ましく、より低い駆動電圧を得ることができることから1~30nmの範囲内がさらに好ましい。なお、発光層の厚さの総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、当該中間層も含む厚さである。
[0068]
 発光層の厚さとしては、1~50nmの範囲内に調整することが好ましく、さらに好ましくは1~20nmの範囲内に調整することがより好ましい。
[0069]
 〈電子輸送層〉
 電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
[0070]
 〈電子注入層〉
 陰極(第2電極)と発光層又は電子輸送層との間に、電子注入層(陰極バッファー層ともいう。)を存在させてもよい。電子注入層は、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層である。電子注入層はごく薄い膜であることが望ましく、構成材料にもよるが、その層厚は0.1~10μmの範囲が好ましい。
[0071]
 〈陰極〉
 陰極(第2電極)としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する。)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。第1電極と同様に、通常有機EL素子に使用可能な全ての電極を使用することができる。具体的には、アルミニウム、銀、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/同混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属、ITO、ZnO、TiO 、SnO 等の酸化物半導体等が挙げられる。
[0072]
 〈取り出し電極(不図示)〉
 取り出し電極は、第1電極及び第2電極と外部電源とを電気的に接続するものであって、その材料としては特に限定されるものではなく公知の素材を好適に使用できるが、例えば、3層構造からなるMAM電極(Mo/Al・Nd合金/Mo)等の金属膜を用いることができる。
[0073]
 〈補助電極(不図示)〉
 補助電極は、第1電極及び第2電極の抵抗を下げる目的で設けるものであって、第1電極の電極層及び第2電極の電極層に接して設けられる。補助電極を形成する材料は、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の抵抗が低い金属が好ましい。これらの金属は光透過性が低いため、光取り出し面からの発光光hの取り出しの影響のない範囲でパターン形成される。
[0074]
 このような補助電極の形成方法としては、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、インクジェット法、エアロゾルジェット法等が挙げられる。補助電極の線幅は、光を取り出す開口率の観点から50μm以下であることが好ましく、補助電極の厚さは、導電性の観点から1μm以上であることが好ましい。
[0075]
 〈電極保護層〉
 本発明では前記第2電極と後述する第2熱可塑性樹脂基材の間には、有機又は無機の化合物を含有する電極保護層を形成することが、当該第2電極の表面を平滑にし、かつ機械的な保護を十分にするため、好ましい。また、有機又は無機の化合物を含有することによって、第2熱可塑性樹脂基をラミネートする際に、固体封止されるために接着強度が高い。
[0076]
 <有機EL素子の製造方法>
 有機EL素子本体部の(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)の形成方法について説明する。
[0077]
 有機EL素子本体部の形成方法は、特に制限はなく、従来公知の例えば真空蒸着法、湿式法(ウェットプロセスともいう。)等による形成方法を用いることができる。
[0078]
 湿式法としては、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、LB法(ラングミュア-ブロジェット法)等があるが、均質な薄膜が得られやすく、かつ高生産性の点から、ダイコート法、ロールコート法、インクジェット法、スプレーコート法などのロール to ロール方式適性の高い方法が好ましい。
[0079]
 また、層ごとに異なる成膜法を適用してもよい。成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50~450℃、真空度1×10 -6~1×10 -2Pa、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-50~300℃、層厚0.1nm~5μm、好ましくは5~200nmの範囲内で適宜選ぶことが望ましい。
[0080]
 有機機能層の形成は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施しても構わない。その際は作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
[0081]
 有機EL素子の具体的な層構成、部材及び製造方法等については、特開2011-238355号公報、特開2013-077585号公報、特開2013-187090号公報、特開2013-229202号公報、特開2013-232320号公報、特開2014-026853号公報のそれぞれに詳述されており参照できる。
[0082]
 <第2の熱可塑性樹脂基材>
 本発明に係る第2の熱可塑性樹脂基材は、その機能としては、有機EL素子をラミネートして封止するものであり、図示例のように、例えば接着剤を含有する接着層によって、電極及び有機EL発光層を、第1の熱可塑性樹脂基材側に固定するものである。このような透明な封止基材は、有機EL素子における第1電極及び第2電極の端子部分を露出させ、少なくとも有機EL発光層を完全に覆う状態で設けられる。
[0083]
 本発明に係る第2の熱可塑性樹脂基材は、可撓性を有することが好ましく、かつガスバリアー性を有することが好ましく、第1の熱可塑性樹脂基材と同じ種類のものを用いることが、屈折率を合わせて色ムラの発生を低減することから、好ましい。
[0084]
 第2熱可塑性樹脂基材は、前記第1の熱可塑性樹脂と同じ種類の樹脂を用いることができる。コストや入手容易性の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂等が好ましく用いられる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが好ましい。
[0085]
 第2熱可塑性樹脂基材の厚さは10~500μmの範囲が好ましく、より好ましくは20~250μmの範囲であり、さらに好ましくは30~150μmの範囲である。樹脂基材の厚さが10~500μmの範囲にあることで、安定したガスバリアー性を得られ、また、ロール・ツー・ロール方式の搬送に適したものになる。
[0086]
 ガスバリアー層は、特に限定されるものではないが、好ましくは前記ポリシラザン及びポリシラザン改質体の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
[0087]
 〈封止(ラミネート)方法〉
 第2の熱可塑性樹脂基材による封止(ラミネート)方法は、特に限定されるものではないが、例えば上記有機EL素子を酸素及び水分濃度が一定の環境下(例えば、酸素濃度10ppm以下、水分濃度10ppm以下のグローブボックス内等)に置き、減圧下(1×10 -3MPa以下)で吸引しながら加重をかけてプレスして、2の熱可塑性樹脂基材に形成した接着層によって素子をラミネートし、その後、熱風循環式オーブン、赤外線ヒーター、ヒートガン、高周波誘導加熱装置、ヒートツールの圧着による加熱等によって、当該接着層を1次硬化することによって行われる。加熱条件は前記の範囲で行うことが好ましい。
[0088]
 接着剤としては、特に制限はなく、アクリル酸系オリゴマー又はメタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化性又は熱硬化性接着剤、エポキシ系等の熱硬化性又は化学硬化性(二液混合)接着剤、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、カチオン硬化タイプの紫外線硬化性エポキシ樹脂接着剤が挙げられる。
[0089]
 本願では、金型による3次元曲面部を有機EL素子に付与する観点から、熱硬化性接着剤を用いることが好ましい。具体的には、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド-トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が好ましい。中でも、低温硬化性や接着性等の観点から、エポキシ樹脂が好ましい。
[0090]
 エポキシ樹脂としては、平均して1分子当り2個以上のエポキシ基を有するものであればよく樹脂組成物の高い耐熱性及び低い透湿性を保つ等の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂等が好ましい。
[0091]
 また、エポキシ樹脂は、液状であっても、固形状であっても、液状と固形状の両方を用いてもよい。エポキシ樹脂は反応性の観点から、エポキシ当量が100~1000の範囲のものが好ましく、より好ましくは120~1000の範囲のものである。ここでエポキシ当量とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、JIS K-7236に規定された方法に従って測定されるものである。
[0092]
 エポキシ樹脂の硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化する機能を有するものであれば特に限定されないが、樹脂組成物の硬化処理時における素子(特に有機EL素子)の熱劣化を抑制する観点から、樹脂組成物の硬化処理は好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下で行うのが好ましく、硬化剤はかかる温度領域にてエポキシ樹脂の硬化作用を有するものが好ましい。
[0093]
 具体的には、一級アミン、二級アミン、三級アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド等が挙げられるが、これらは1種又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
[0094]
 エポキシ樹脂は極めて良好な低温硬化性を有しており、1次硬化時の温度は、50~100℃未満であることが好ましく、55℃~90℃の範囲内で行うことがより好ましく、60~80℃の範囲内で行うことがさらに好ましい。加熱時間は1~10分の範囲内で行うことが好ましく、3~7分の範囲内で行うことがより好ましい。
[0095]
 1次硬化工程における接着剤の硬化度(反応率)としては、5~30%が好ましく、5~15%がより好ましい。反応率が5%以上の場合には、3次元曲面部を付与する工程での取り扱い時に十分な耐性が得られ、30%以下である場合には、3次元曲面部を付与する際に素子端部の剥がれ等が生じにくい。
[0096]
 なお、「反応率」とは、示差走査熱量測定(DSC)にて測定された、初期反応熱量に対する硬化後の反応熱量の割合を表している。
[0097]
 2次硬化時の温度は、140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、100~120℃の範囲であることが更に好ましい。
[0098]
 また、2次硬化時間の上限は120分以下が好ましく、90分以下がより好ましく、60分以下が更に好ましい。一方、硬化物の硬化を確実に行うという観点から、硬化時間の下限は20分以上が好ましく、30分以上がより好ましい。これによって、有機EL素子の熱劣化を極めて小さくすることができる。
[0099]
 2次硬化時の接着剤の前記反応率は、3次元曲面部を平面状の有機EL素子に付与する観点から、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
[0100]
 <光取り出しシート>
 本発明の有機EL素子は、前記有機EL素子を形成する工程の後に、前記有機EL素子の光取り出し面側に、光散乱性の光取り出しシートを貼合する工程、を加えることが好ましい。
[0101]
 光取り出しシートを貼合することによって、3次元曲面部を様々な方向から観察しても、光量の偏りや色ムラの発生を抑制することができ、均一な光量を有する発光装置を得ることができる。
[0102]
 光取り出しシートは特に限定されるものではなく、バインダー樹脂中に光散乱粒子を分散したシートを用いることが好ましい。用いることのできる有機微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ、アクリル-スチレン共重合体ビーズ、メラミンビーズ、ポリカーボネートビーズ、スチレンビーズ、架橋ポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、ベンゾグアナミン-メラミンホルムアルデヒドビーズ等が挙げられる。
[0103]
 用いることのできる無機微粒子としては、例えば、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ、アンチモン等の中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子が挙げられる。無機酸化物粒子としては、具体的には、ZrO 、TiO 、BaTiO 、Al 、In 、ZnO、SnO 、Sb 、ITO、SiO 、ZrSiO 、ゼオライト等が挙げられ、中でも、TiO 、BaTiO 、ZrO 、ZnO、SnO が好ましく、TiO が最も好ましい。また、TiO の中でも、アナターゼ型よりルチル型の方が屈折率が高いことから好ましい。
[0104]
 光取り出しシートは、本発明の有機EL素子の光取り出し面に、前記接着剤を用いて貼合され、次いで金型による3次元曲面部を付与する2次硬化を行うことが好ましい。
[0105]
 例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)などを用いることができる。
[0106]
 ≪適用例≫
 本発明に係る有機EL素子を具備した発光装置は、有機EL素子単体でも、保持基板に挟持された前記発光装置20で示した発光装置のどちらでもよく、所望の形態(形状)に対応する部位であれば、いずれの部位にも発光素子として設置可能である。
[0107]
 図3は、車両のテールランプへの適用例を示す概略斜視図である。
[0108]
 前記積層体形成工程(1)の後、1次硬化工程(2)を行って有機EL素子Pを作製した。1次硬化工程(2)では接着層を90℃で・5分間加熱した。その有機EL素子Pの光取り出し面に、(株)きもと製拡散フィルムを貼合した後、2次硬化工程(3)を行い、3次元曲面部を有する有機EL素子Pを作製した。2次硬化工程(3)では、接着層を110℃で・30分間加熱した。
[0109]
 当該有機EL素子Pを、ポリカーボネート樹脂を成形した一対の保持基板11-1及び11-2で挟持して発光装置20を作製し、車両60のテールランプ61として設置した。前記保持基板の発光側である11-1は赤色に着色した。
[0110]
 発光装置20を用いたテールランプ61は、有機EL素子Pに光拡散シートが貼合されていることにより、輝度が高く、様々な角度から観察した場合でも均一な発光が観察された。また、発光装置20を用いたテールランプ内部は空洞であり、トランクルーム内部に突出することがないため、トランクの積載量を、従来よりも拡大することができた。
[0111]
 図4は、発光装置の車両内部への適用例を示す概略斜視図であり、図5は図4の発光装置を車両に設置した状態の断面図である。
[0112]
 3次元曲面部を有する有機EL素子Pをそのまま、車内照明用ルームランプとして用いた。かかる構成によれば、車両60のルームランプとして、図4及び図5に示すとおり、発光装置としての有機EL素子Pが車両60の内部に突出するようなことがなく設置できることから、車両60の内部空間の雰囲気が損なわれるのを防止することができ、車内を快適な空間として演出することができた。
[0113]
 図6は、車両のヘッドランプへの適用例を示す概略斜視図である。
[0114]
 本発明の発光装置20は、車両60のヘッドライト部分70に設置することもできる。
[0115]
 かかる構成において、発光装置20の外側に向けて面状に発光させることができるため、プロジェクタランプ71とは別に、車幅灯として機能させることができた。

産業上の利用可能性

[0116]
 本発明の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によって、3次元的に湾曲した状態でも面状に発光することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を簡便な方法で提供できるため、当該3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子は様々な発光装置に好適に具備することができる。

符号の説明

[0117]
 P 有機ELパネル
 1 第1の熱可塑性樹脂基板
 2 第1電極
 3 有機EL発光層
 4 第2電極
 5 接着層
 6 第2の熱可塑性樹脂基板
 10-1 雄金型
 10-2 雌金型
 11-1 保持基板 
 11-2 保持基板
 20 発光装置
 60 車両
 61 テールランプ部分
 62 座席
 64、66 車窓
 68 角部
 70 ヘッドライト部分
 71 プロジェクタランプ

請求の範囲

[請求項1]
 3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって
 (1)第1の熱可塑性樹脂基材上に、少なくとも第1電極、発光層及び第2電極をこの順に有する積層体を形成する工程、
 (2)第2の熱可塑性樹脂基材を接着剤を介して前記積層体上に貼合し、接着剤を1次硬化させ、平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程、及び
 (3)前記平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を、3次元曲面部を成形するための金型に挟んだ後、前記接着剤を2次硬化させ、3次元曲面部を成形する工程、
 を有することを特徴とする3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[請求項2]
 前記接着剤が、熱硬化性であることを特徴とする請求項1に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[請求項3]
 前記1次硬化を100℃未満の温度で行い、前記2次硬化を100℃以上の温度で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[請求項4]

 前記第1の熱可塑性樹脂基材が、ガスバリアー性フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[請求項5]
 前記第2の熱可塑性樹脂基材が、ガスバリアー性フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[請求項6]
 前記平面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程の後に、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の光取り出し面側に、光散乱性の光取り出しシートを貼合する工程、を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
[請求項7]
 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によって製造された3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする発光装置。
[請求項8]
 前記3次元曲面部を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を、同一形状の曲面部を有する一対の保持基板の間に挟み込んで具備することを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
[請求項9]
 前記一対の保持基板の少なくとも一方が、透明な保持基板であることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 2C]

[ 図 2D]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]