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1. (WO2015141346) 炭酸カルシウム水性懸濁液、炭酸カルシウム乾燥組成物及びカルシウム強化食品
Document

明 細 書

発明の名称 炭酸カルシウム水性懸濁液、炭酸カルシウム乾燥組成物及びカルシウム強化食品

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014   0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

実施例

0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : 炭酸カルシウム水性懸濁液、炭酸カルシウム乾燥組成物及びカルシウム強化食品

技術分野

[0001]
 本発明は、カルシウム強化等の目的で食品等に添加することができる炭酸カルシウム水性懸濁液、炭酸カルシウム乾燥組成物及びカルシウム強化食品に関するものである。

背景技術

[0002]
 飲料等の食品にカルシウム強化等の目的で添加する炭酸カルシウム水性懸濁液が知られている(特許文献1)。特許文献1で提案されている炭酸カルシウム水性懸濁液は、セルロースと炭酸カルシウムを、重量比で1/9~9/1となるように含有するものであり、多量のセルロースを含有しているため、粘度が高くなるという問題があった。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平10-528630号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 本発明の目的は、多量のセルロースを用いることなく、炭酸カルシウムの分散性及び懸濁安定性に優れた炭酸カルシウム水性懸濁液、それを乾燥して得られる炭酸カルシウム乾燥組成物、及びカルシウム強化食品を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液は、炭酸カルシウムが20~50質量%含まれており、炭酸カルシウム100質量部に対して、添加剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルが12~25質量部、有機酸モノグリセリドが0.3~3質量部、結晶セルロースが0.3~5質量部含まれており、かつこれらの添加剤の合計部数が15質量部以上であることを特徴としている。
[0006]
 ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、カプリル酸、べヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リシノール酸及びミリスチン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
[0007]
 有機酸モノグリセリドにおける脂肪酸は、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸及び酒石酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
[0008]
 ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、10~20の範囲内であることが好ましい。
[0009]
 有機酸モノグリセリドのHLBは、5~9の範囲内であることが好ましい。
[0010]
 炭酸カルシウムのBET比表面積は、10~40m /gの範囲内であることが好ましい。
[0011]
 本発明の炭酸カルシウム乾燥組成物は、上記本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液を乾燥して得られることを特徴としている。
[0012]
 本発明のカルシウム強化食品は、上記本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液が添加されていることを特徴としている。
[0013]
 炭酸カルシウム水性懸濁液は、0.5~50質量%添加されていることが好ましい。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、多量のセルロースを用いることなく、炭酸カルシウムの分散性及び懸濁安定性に優れた炭酸カルシウム水性懸濁液とすることができる。
[0015]
 本発明によれば、多量のセルロースを用いることなく、炭酸カルシウムの分散性及び保存安定性に優れたカルシウム強化食品とすることができる。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[0017]
 (炭酸カルシウム)
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液における炭酸カルシウムの含有量は、20~50質量%であり、好ましくは25~40質量%であり、さらに好ましくは30~35質量%である。炭酸カルシウムの含有量が少なすぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液の分散性が悪くなる。また、生産コストが高くなる。炭酸カルシウムの含有量が多すぎると、粘度が上昇し、炭酸カルシウム水性懸濁液の調製が困難になる。
[0018]
 炭酸カルシウムのBET比表面積は、10~40m /gの範囲内であることが好ましく、さらには15~25m /gの範囲内であることが好ましく、さらには20~25m /gの範囲内であることが好ましい。BET比表面積が小さすぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液の分散性が悪くなる。BET比表面積が大きすぎると、粘度が上昇しやすくなる。また、乾燥して炭酸カルシウム乾燥組成物を調製する際に、乾燥凝集を起こしやすくなる。
[0019]
 炭酸カルシウムの具体例としては、合成炭酸カルシウム、天然炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム)などが挙げられる。炭酸カルシウムは、合成炭酸カルシウムであることが好ましい。
[0020]
 合成炭酸カルシウムは、特に限定されない。合成炭酸カルシウムとしては、例えば沈降性(膠質)炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどが挙げられる。合成炭酸カルシウムは、例えば水酸化カルシウムを炭酸ガスと反応させることによって製造することができる。水酸化カルシウムは、例えば酸化カルシウムを水と反応させることによって製造することができる。酸化カルシウムは、例えば石灰石原石をコークスなどで混焼することによって製造することができる。この場合、焼成時に炭酸ガスが発生するので、この炭酸ガスを水酸化カルシウムと反応させることによって炭酸カルシウムを製造することができる。
[0021]
 天然炭酸カルシウムは、天然に産出する炭酸カルシウム原石を公知の方法で粉砕することにより得られるものである。炭酸カルシウム原石を粉砕する方法としては、ローラーミル、高速回転ミル(衝撃剪断ミル)、容器駆動媒体ミル(ボールミル)、媒体撹拌ミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどで粉砕する方法が挙げられる。
[0022]
 (ポリグリセリン脂肪酸エステル)
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液におけるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、炭酸カルシウム100質量部に対して12~25質量部であり、好ましくは12~20質量部であり、さらに好ましくは13~17質量部である。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が少なすぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液を乳飲料に添加した場合の分散性が悪くなる場合がある。ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が多すぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液における炭酸カルシウムの分散性が悪くなり、炭酸カルシウム水性懸濁液を調製する際の作業性が低下したり、調製自体が困難になる場合がある。
[0023]
 ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、10~20であることが好ましく、さらに好ましくは12~18であり、さらに好ましくは13~15である。HLBが低すぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液を調製する際の炭酸カルシウムの分散性が悪くなる場合がある。HLBが高すぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液における炭酸カルシウムの分散性が悪くなる場合がある。
[0024]
 ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、カプリル酸、べヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リシノール酸及びミリスチン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
[0025]
 (有機酸モノグリセリド)
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液における有機酸モノグリセリドの含有量は、炭酸カルシウム100質量部に対して0.3~3部質量であり、好ましくは0.7~2質量部であり、さらに好ましくは1~1.5質量部である。有機酸モノグリセリドの含有量が少なすぎても、含有量が多すぎても炭酸カルシウム水性懸濁液を乳飲料に添加した場合の分散性が悪くなる。有機酸モノグリセリドのHLBは、5~9であることが好ましい。HLBが低すぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液における炭酸カルシウムの分散性が悪くなる。HLBが高すぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液における炭酸カルシウムの分散性が悪くなる。
[0026]
 有機酸モノグリセリドにおける脂肪酸は、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸及び酒石酸からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
[0027]
 (結晶セルロース)
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液における結晶セルロースの含有量は、炭酸カルシウム100質量部に対して0.3~5質量部であり、好ましくは0.5~2質量部であり、さらに好ましくは1~1.5質量部である。結晶セルロースの含有量が少なすぎると、十分な分散性を得られない。結晶セルロースの含有量が多すぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液の粘度が高くなり、生産性が低下する。
[0028]
 結晶セルロースは、機械的粉砕品、化学的粉砕品、他の薬品と複合化された製剤のいずれを用いてもよい。
[0029]
 上記3種の添加剤の合計部数は15質量部以上であることが好ましい。添加剤の合計部数が少なすぎると、炭酸カルシウム水性懸濁液を乳飲料に添加した場合の分散性が悪くなる。
[0030]
 (その他の添加物)
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液には、その他の添加物として、サイクロデキストリン、糖類、ショ糖脂肪酸エステル、ヘキサメタリン酸ナトリム、ミネラル分、レシチン類等が含まれていてもよい。その含有量は、炭酸カルシウム100質量部に対して0.1~5質量部の範囲内であることが好ましい。
[0031]
 (炭酸カルシウム水性懸濁液の調製方法)
 本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液は、種々の方法により製造される。
[0032]
 例えば、本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液は、炭酸カルシウム、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロース、及び必要に応じてその他の添加物を水に添加し、得られた水懸濁液を湿式摩砕することにより製造することができる。
[0033]
 また、本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液は、炭酸カルシウムの水懸濁液に、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロース、及び必要に応じてその他の添加物を添加混合し、得られた水懸濁液を湿式摩砕することにより製造してもよい。
[0034]
 また、本発明の炭酸カルシウム水性懸濁液は、炭酸カルシウムの水懸濁液を湿式摩砕し、これにポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロース、及び必要に応じてその他の添加物を添加混合することにより製造してもよい。
[0035]
 炭酸カルシウムの水懸濁液を調製するに当たっては、公知の方法を広く採用することができる。例えば、炭酸カルシウムを水に添加し、攪拌する。次に炭酸カルシウムの水懸濁液を湿式摩砕処理することが好ましい。湿式摩砕処理は、従来公知の湿式摩砕装置や湿式破砕装置を用いて行うことができる。このような湿式摩砕装置や湿式破砕装置としては、例えばコロイドミル、ビーズミル、サンドミル、ボールミル、湿式ジェットミルなどを挙げることができる。
[0036]
 ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロースやその他の添加物は、湿式摩砕処理の前または後に、炭酸カルシウムの水懸濁液に添加、混合することができる。それらの添加順序は限定されるものではない。
[0037]
 ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロースやその他の添加物は、同時に添加されてもよいし、順次添加されてもよい。
[0038]
 またポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロースやその他の添加物は、いずれか数種を湿式摩砕処理の前に添加し、残りを湿式摩砕処理の後に添加してもよい。
[0039]
 (炭酸カルシウム乾燥組成物の調製方法)
 本発明の炭酸カルシウム乾燥組成物は、上記のようにして製造した炭酸カルシウム水性懸濁液を、例えば、乾燥及び粉末化することにより調製することができる。乾燥及び粉末化は、乾燥を行った後に粉末化してもよいし、乾燥及び粉末化を同時に行ってもよい。
[0040]
 乾燥及び粉末化に当たっては、公知の乾燥装置及び粉末化装置を広く使用することができる。本発明では、特に炭酸カルシウム水性懸濁液中のポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロース、その他の添加物などが乾燥時の熱により変質して再懸濁効果がなくなったり、焦げ等による異臭発生が起こらないようにすることが好ましい。このため、乾燥温度は、120℃を超えないように管理することが好ましい。
[0041]
 このような管理のできる乾燥、粉末化装置としては、気流乾燥機が知られており、本発明では乾燥、粉末化装置として気流乾燥機を使用するのが好ましい。このような気流乾燥機としては、例えばスプレードライヤー、フラッシュジェットドライヤー、ミクロンドライヤー、スラリードライヤーなどを挙げることができる。また、ドライマイスタとして市販されている強力分散型気流乾燥機を使用することもできる。
[0042]
 乾燥、粉末化に当たっては、得られる炭酸カルシウム乾燥組成物の残留水分量が、好ましくは0.2~5重量%、さらに好ましくは0.2~3重量%の範囲内になるよう、乾燥、粉末化装置の乾燥条件を調整する。残留水分量を上記範囲に調整しておくと、本発明の炭酸カルシウム乾燥組成物を再び水懸濁液とした場合、再懸濁化が容易になり、また乾燥前の炭酸カルシウム水性懸濁液と殆ど変わらない分散性、懸濁安定性を有する再水懸濁液とすることができる。
[0043]
 (カルシウム強化食品)
 本発明のカルシウム強化食品としては、例えば、牛乳、加工乳、乳飲料、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料、アーモンド飲料、ライスミルク飲料、ココナッツミルク飲料、ゼリー状飲料、清涼飲料、甘酒、炭酸飲料、ガラナ飲料、スポーツ飲料、果汁飲料、野菜ジュース、粉末飲料、コーヒー、ココア、茶、粉ミルク、シリアル食品、健康食品、水産練り製品、水産加工品、畜産加工品、農産加工品、米飯加工品、味噌汁、病院食、介護食、健康補助食品、菓子、デザート、お汁粉、米菓、パン、即席麺、うどん、乾麺、チルド麺、調味料、スープ、カレー、シチュー、冷凍食品、惣菜、漬物、米飯、缶詰、蒲鉾等などが挙げられる。
[0044]
 本発明のカルシウム強化食品における炭酸カルシウム水性懸濁液の添加量は、0.5~50質量%の範囲内であることが好ましく、1.0~20質量%の範囲内であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると、カルシウム強化が不十分になる場合があり、添加量が多すぎると、カルシウム強化食品の調製が困難になる場合がある。
実施例
[0045]
 (炭酸カルシウム水性懸濁液の調製)
 表1~表4に示す配合割合で、炭酸カルシウムの水懸濁液、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド及び結晶セルロースを配合し、湿式のビーズミルを用いて摩砕処理して、実施例1~9及び比較例1~8の炭酸カルシウム水性懸濁液を調製した。具体的には、表1~表4に示す濃度の炭酸カルシウムの水懸濁液に、表1~表4に示す添加部数(炭酸カルシウム100重量部に対する質量部)となるように、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、及び結晶セルロースを添加混合し、得られた水懸濁液を湿式摩砕することにより製造した。炭酸カルシウム、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、結晶セルロース、及び水としては、以下のものを用いた。
[0046]
 ・炭酸カルシウム:合成炭酸カルシウム ポアカル-N(太陽化学工業社製、BET比表面積18m /g)
 ・ポリグリセリン脂肪酸エステル:モノラウリン酸ペンタグリセリン サンソフトA-121E(太陽化学工業社製、HLB14)
 ・有機酸モノグリセリド:コハク酸モノグリセリド ポエムB-30(理研ビタミン社製、HLB5.5)
 ・結晶セルロース:粉末セルロース KCフロックW-400G(日本製紙社製)
 ・水:水道水
[0047]
 (炭酸カルシウム水性懸濁液のスラリー物性)
 実施例1~9及び比較例1~8の炭酸カルシウム水性懸濁液の粘度を測定した。
[0048]
 (粘度)
 25℃に温調したスラリーのBM粘度(60rpm)を測定した。
[0049]
 (炭酸カルシウム乾燥組成物の調製)
 実施例10として、実施例1の炭酸カルシウム水性懸濁液をスプレードライヤー(ヤマト科学株式会社製 ADL311S-A)にて、目標の残留水分5%以下になる条件で乾燥させ、炭酸カルシウム乾燥組成物とした。また、比較例9として、比較例5の炭酸カルシウム水性懸濁液を同様にして乾燥させ、炭酸カルシウム乾燥組成物とした。
[0050]
 (炭酸カルシウム水性懸濁液および炭酸カルシウム乾燥組成物の応用評価)
 実施例1~9及び比較例1~8の炭酸カルシウム水性懸濁液、あるいは、実施例10及び比較例9の炭酸カルシウム乾燥組成物を水に加え、10質量%の水性懸濁液としたものと、脱脂粉乳と、クリームを用いて、乳飲料を調製し、炭酸カルシウム水性懸濁液の分散性を評価した。
[0051]
 具体的には、炭酸カルシウム水性懸濁液と水、脱脂粉乳、クリームを混合し、高圧ホモジナイザーにて乳化し、続いて殺菌を行い乳飲料を調製した。配合割合は、炭酸カルシウム水性懸濁液0.3質量%、水87.6質量%、脱脂粉乳9.5質量%、クリーム2.6質量%とした。
[0052]
 得られた乳飲料について、以下のようにして、分散性、及び濁度を測定した。
[0053]
 (分散性)
 調製した乳飲料を牛乳瓶2本(180g)に取り、冷蔵庫中で静置し、保管した。静置7日後、牛乳瓶を開封し、牛乳瓶を静かに傾けて液体分を捨てた。牛乳瓶を逆さにし、牛乳瓶の底の写真を直後及び5分後に撮影し、その状態を目視による以下の基準で評価した。
[0054]
 1:分散性が良い(瓶底にほとんど残らない)
 2:分散性がやや良い(瓶底に沈殿物がわずかに円状に残る)
 3:分散性が普通(瓶底に沈殿物が円状に残る)
 4:分散性がやや悪い(瓶底全面に沈殿物が残る)
 5:分散性が悪い(瓶底全面に沈殿物が残り、瓶側面にも垂れる)
[0055]
 (濁度)
 上記のようにして分散性を評価した後、牛乳瓶内の沈殿物に水を150g添加し、濁度を測定した。濁度の測定は、デジタル濁度測定器(HI93703―B型、ハンナインスツルメンツ・ジャパン社製)を用いた。
[0056]
 結果を、表1~表5に示す。
[0057]
[表1]


[0058]
[表2]


[0059]
[表3]


[0060]
[表4]


[0061]
[表5]


[0062]
 以上のように、本発明に従う実施例1~9の炭酸カルシウム水性懸濁液は再懸濁性が高く、その再懸濁液は懸濁安定性が高く、食品用カルシウム強化剤として適しており、食品中への分散性に優れている。さらに本発明に従う実施例10の炭酸カルシウム乾燥組成物も再び水懸濁液とした場合、再懸濁化が容易であり、乾燥前の炭酸カルシウム水性懸濁液と殆ど変わらない分散性、懸濁安定性を有し、食品用カルシウム強化剤として適しており、食品中への分散性に優れ、保存安定性にも優れている。
[0063]
 上記の実施例では、カルシウム強化食品として、乳飲料を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料、アーモンド飲料、ライスミルク飲料、ココナッツミルク飲料、ゼリー状飲料、清涼飲料、甘酒、炭酸飲料、ガラナ飲料、スポーツ飲料、果汁飲料、野菜ジュース、粉末飲料、コーヒー、ココア、茶、粉ミルク、シリアル食品、健康食品、水産練り製品、水産加工品、畜産加工品、農産加工品、米飯加工品、味噌汁、病院食、介護食、健康補助食品、菓子、デザート、お汁粉、米菓、パン、即席麺、うどん、乾麺、チルド麺、調味料、スープ、カレー、シチュー、冷凍食品、惣菜、漬物、米飯、缶詰、蒲鉾等のその他のカルシウム強化食品にも、適用することができ、炭酸カルシウムの分散性及び保存安定性に優れたカルシウム強化食品にすることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 炭酸カルシウムが20~50質量%含まれており、炭酸カルシウム100質量部に対して、添加剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルが12~25質量部、有機酸モノグリセリドが0.3~3質量部、結晶セルロースが0.3~5質量部含まれており、かつこれらの添加剤の合計部数が15質量部以上である炭酸カルシウム水性懸濁液。
[請求項2]
 ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸が、カプリル酸、べヘニン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リシノール酸及びミリスチン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液。
[請求項3]
 有機酸モノグリセリドにおける脂肪酸が、酢酸、乳酸、コハク酸、クエン酸及び酒石酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液。
[請求項4]
 ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBが、10~20の範囲内である、請求項1~3のいずれか一項に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液。
[請求項5]
 有機酸モノグリセリドのHLBが、5~9の範囲内である、請求項1~4のいずれか一項に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液。
[請求項6]
 炭酸カルシウムのBET比表面積が、10~40m /gの範囲内である、請求項1~5のいずれか一項に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか一項に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液を乾燥して得られる、炭酸カルシウム乾燥組成物。
[請求項8]
 請求項1~6のいずれか一項に記載の炭酸カルシウム水性懸濁液が添加されている、カルシウム強化食品。
[請求項9]
 前記炭酸カルシウム水性懸濁液が、0.5~50質量%添加されている、請求項8に記載のカルシウム強化食品。