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1. (WO2015141270) 紙送りローラおよび画像形成装置
Document

明 細 書

発明の名称 紙送りローラおよび画像形成装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0008   0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025  

実施例

0026   0027   0028   0029   0030   0031  

符号の説明

0032  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 紙送りローラおよび画像形成装置

技術分野

[0001]
 この発明は、静電式複写機や各種プリンタ等の画像形成装置において紙送りに用いられる紙送りローラ、および紙送りローラを備えた画像形成装置に関する。

背景技術

[0002]
 たとえば静電式複写機、レーザプリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機や、あるいはインクジェットプリンタ等の画像形成装置、さらには自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構には、各種の紙送りローラが組み込まれている。
 紙送りローラとしては、用紙(紙およびプラスチックフィルム等を含む。以下同様。)と接触しながら回転して摩擦によって用紙を搬送する、たとえば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
[0003]
 紙送りローラは、従来より、たとえばゴムの架橋物等の弾性材料によって筒状に形成され、その外周面が用紙との接触面とされたローラ本体を備えたものが一般的に用いられる。
 しかし、ローラ本体の外周面には用紙から発生する紙粉や汚れが付着し易く、用紙と繰り返し接触するうちに外周面に紙粉や汚れが蓄積されることで、用紙に対する外周面の接触面積や摩擦係数が低下して、比較的早期に用紙の搬送不良を生じる場合がある。
[0004]
 使用初期から長期にわたって良好な摩擦係数を維持して用紙の搬送不良を防止するためには、ローラ本体の外周面に、ローラ本体の軸方向と平行に複数本の凸条および凹溝を形成するのが効果的であることが知られており、かかる効果を最適化するために凸条や凹溝の形状について種々検討され、実用化されている。
 中でも、ローラ本体の外周面に、当該ローラ本体の軸方向と直交方向の断面形状が正規分布曲線上である凸条を複数本、周方向に等間隔に配列した紙送りローラ(丸ローレットと通称されている。)が、広く一般的に用いられている。
[0005]
 また、たとえば特許文献1の図2~図4に記載されているように、ローラ本体の外周面に、当該ローラ本体の軸方向と直交方向の断面形状が略V字状、略U字状等とされた凹溝を複数本、周方向に等間隔に配列した紙送りローラ(角ローレットと通称されている。)も、同様に、広く一般的に用いられている。
 このうち前者の丸ローレットは、使用を繰り返した際に、紙粉や汚れの付着による摩擦係数の低下を抑制する上で効果があるとされている。また後者の角ローレットは、使用初期の摩擦係数を向上させる上で効果があるとされている。
[0006]
 さらに特許文献2には、ローラ本体の軸方向と直交方向の断面形状が、周方向の一方側と他方側で辺の傾斜角度の異なる略三角形状とされた凸条を複数本、周方向に等間隔で、かつ隣り合う凸条間で傾斜辺同士が直接つながるように配列した、いわゆる鋸形状の紙送りローラが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特開平11-106067号公報
特許文献2 : 特開2003-112833号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0008]
 発明者が検討したところ、従来の紙送りローラは、いずれも使用初期から長期にわたって良好な摩擦係数を維持するという効果の点で、未だ十分とは言えないことが明らかとなった。
 特に近年では低品質用紙が普及しているが、低品質用紙は通紙不良を発生させる原因であることがわかっており、紙送りローラ側での通紙不良に対する問題対策が求められている。
[0009]
 すなわち、低品質用紙は、灰分の多い安価な用紙や、充填材を多く含む粗悪紙であり、これら灰分や充填材を多く含む用紙は、紙粉や汚れが発生し易く、また、充填材に含まれる脂肪族成分(紙粉)が紙送りローラの表面に付着し、用紙との摩擦係数低下につながることがわかっている。
 そこでこの発明の目的は、灰分の多い安価な用紙や、充填材を多く含む用紙を使用した際にも、用紙から生じる紙粉等を接触面から逃がすことによって、紙送りローラの摩擦係数の低下を抑制し、使用初期から長期にわたって良好な摩擦係数を維持して、用紙の搬送不良を確実に防止できる紙送りローラ、およびかかる紙送りローラを用いた画像形成装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 請求項1記載の発明は、弾性材料によって筒状に一体に形成されたローラ本体を備え、前記ローラ本体の外周面に、ローラ本体の軸方向に延びるように、かつ、周方向に一定幅の凸部と凹部とが交互に現れるように多数の凸条および凹溝が形成された紙送りローラであって、前記凸部は、隣接する両側の凹部と所定の曲率半径のアール状の湾曲線でつながっており、かつ、前記凸条は、前記ローラ本体の外周面に沿った平坦な頂面を有していて、前記凹部は、前記凸部とつながる湾曲線よりも曲率半径の大きな円弧によって形成されていることを特徴とする紙送りローラである。
[0011]
 請求項2記載の発明は、前記凸条に形成された平坦な頂面は、その幅(前記ローラ本体の外周面方向に沿った幅)がW1であり、前記凹溝の幅(前記ローラ本体の外周面方向に沿った幅)がW2であり、W1≦W2の関係を満たすことを特徴とする、請求項1記載の紙送りローラである。
 請求項3記載の発明は、前記平坦な頂面の幅W1は、0.1~0.3mmであることを特徴とする、請求項2記載の紙送りローラである。
[0012]
 請求項4記載の発明は、前記凸部と前記凹部とは、その高さの差が0.1~0.2mmであることを特徴とする、請求項3記載の紙送りローラである。
 請求項5記載の発明は、前記凹部、凸部および凹部でつながる1組の凹凸凹部において、一方の凹部の中央から他方の凹部の中央までの長さは、0.5~1.0mmであることを特徴とする、請求項3または4に記載の紙送りローラである。
[0013]
 請求項6記載の発明は、請求項1に記載の紙送りローラを備えることを特徴とする画像形成装置である。
 請求項7記載の発明は、前記画像形成装置は、用紙分離装置としてFRR方式のものが採用されており、前記紙送りローラは、前記用紙分離装置におけるフィードローラとして採用されていることを特徴とする、請求項6記載の画像形成装置である。

発明の効果

[0014]
 この発明によれば、紙送りローラの外周面に形成された凹溝が紙粉を逃がす役目をする。また、外周面に形成された凸条は、平坦な頂面を有しているため、単位接触面積あたりの搬送応力が比較的大きくなる。また、摩擦係数が高くなる。よって、用紙の種類に依らず、通紙性能を良好に維持でき、かつ、用紙の分離性能を良好に維持できる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 図1は、この発明の一実施形態に係る紙送りローラ10の側面図である。
[図2] 図2は、図1のA部分の拡大図である。
[図3] 図3は、比較例1の外周面に形成された凸部および凹部を示す拡大図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明をする。
 図1は、この発明の一実施形態に係る紙送りローラ10の側面図である。図1を参照して、紙送りローラ10は、弾性材料によって一体に形成された円筒状のローラ本体11を有する。ローラ本体11の中に組み込まれるシャフト部12は、種々の形態が適用でき、図示のものに限定されるものではない。
[0017]
 この実施形態に係る紙送りローラ10の特徴は、ローラ本体11の外周面11Sに、ローラ本体11の軸方向(紙面に垂直方向)に延びるように、かつ、周方向Rに一定幅の凸部13と凹部14とが交互に現れるように、多数の凸条13および凹溝14が形成されていることである。
 図2は、図1のA部分の拡大図である。図2を参照して、凸部(凸条)13および凹部(凹溝)14について、具体的に説明する。
[0018]
 各凸部13は、隣接する両側の凹部14と、それぞれ、所定の曲率半径R1の湾曲線でつながっている。すなわち、凸部(凸条)13の幅方向両端と凹部(凹溝)14の幅方向両端との接続エッジが、角ばっておらず、曲率半径R1の曲線(曲面)に丸められている。また、各凸部(凸条)13は、ローラ本体11の外周面11Sに沿った平坦な頂面13Fを有している。頂面13Fの幅(ローラ本体11の周方向Rに沿った幅)W1は、所定の寸法に設定されている。
[0019]
 さらに、各凹部14は、凸部13とつながる湾曲線よりも大きな曲率半径R2の円弧状凹部となっている。各凹部(凹溝)14の幅W2は、所定の寸法に設定されている。
 また、各凸部13の高さH(凹部14の底から凸部13の頂面13Fまでの高さ)が所定の高さに設定されている。
 さらに、隣接する凹部14、凸部13および凹部14でつながる1組の凹凸凹部において、一方の凹部14の中央から他方の凹部14の中央までの間隔Iが決められている。
[0020]
 この実施形態に係るローラ本体11は、上記各値が具体的に次の通りに形成されている。
  R1=0.1mm
  R2=0.25mm
  W1=0.3mm
  H =0.16mm
  I =0.8mm
  W2=0.43mm
 発明者の検討および確認によれば、上記各値のうち、W1、HおよびIについては、次の範囲であれば、ローラ本体11として良好な機能を発揮しうる。
[0021]
  W1=0.1~0.3mm
  H =0.1~0.2mm
  I =0.5~1.0mm
 また、頂面13Fの幅W1と凹部(凹溝)14の幅W2とは、
  W1≦W2 または、より好ましくは、
  W1<W2
であれば、ローラ本体11として良好な機能を発揮しうる。
[0022]
 なお、実施形態に係るローラ本体11の外周面11Sの直径は、24.6mmであり、ローラ本体11の外周面11Sに沿って、1つの凸部13とその両隣側の凹部14の中央までが占める角度は、3.8°に設計されている。
 この実施形態において、ローラ本体11は、ゴム分としてエチレンプロピレンゴム、架橋剤としてパーオキサイドを含むゴム組成物の架橋物によって一体に形成するのが好ましい。そして、ゴム組成物の基になるゴム分は、エチレンプロピレンゴムおよびイソプレンゴムを含むことが好ましい。
[0023]
 エチレンプロピレンゴムとしては、エチレンとプロピレンの共重合体である狭義のエチレンプロピレンゴム(EPM)、およびエチレンとプロピレンとジエンの共重合体であるエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が挙げられるが、特にEPDMが好ましい。
 また、EPDMとしては進展油で進展したいわゆる油展EPDM、および進展油で進展していない非油展EPDMのいずれを用いてもよい。
[0024]
 架橋剤としては、過酸化物架橋剤を用いるのが、ローラ本体11に摩擦係数を維持させる上で好ましい。
 また、ゴム組成物には、カーボンブラック等の補強材・充填材や、あるいはオイル、可塑材等の各種添加材を適宜選択して配合してもよい。
 ローラ本体11は、各成分を含むゴム組成物を調製し、当該ゴム組成物を用いて、たとえばプレス成形法、押し出し成形法等によって形成することができる。
[0025]
 この発明では、ローラ本体11の組成(成分)やその製造方法は特徴ではなく、ローラ本体11の外周面に形成された形状に特徴を有するので、組成や製造方法に関するこれ以上の説明は省略する。
実施例
[0026]
 [製造方法]
 ゴム組成物をトランスファー金型を用いて加硫成型し、筒状に成型した。次に、任意の幅に筒体をカットし、給紙樹脂コアにはめ込んで評価サンプルを作製した。フィードローラ・リタードローラとも同じ紙送りローラとし、FRR方式の用紙分離装置に組み込めるようにした。
[0027]
 作成した評価サンプルのうち、
(1)実施例は、ローラ本体の外周面に図2に示す凸部(凸条)13および凹部(凹溝)14が形成されたものであり、W1=0.225mm、H=0.16mm、R1=0.1mm、R2=0.25mm、W1<W2である。
(2)比較例1は、ローラ本体の外周面に図3に示す凸部(凸条)13および凹部(凹溝)14が形成されたものである。
(3)比較例2は、ローラ本体の外周面に凸部(凸条)および凹部(凹溝)を形成せず、外周面を研磨したものとした。
[0028]
 [試験方法]
 市販のプリンタに、上記で作製した紙送りローラを組み込み、適切な用紙を選択して通紙試験を行った。
 1000枚、3000枚、5000枚、10000枚、20000枚、以下10000枚毎試験を中断し、紙送りローラの摩擦係数を測定した。通紙不良が発生した時点で試験を終了し、通紙枚数を記録した。
[0029]
 [試験結果]
 同一材料において、(1)本発明の特徴をもつローレット紙送りローラ、(2)図3に示すRで構成されたローレット紙送りローラ、(3)研磨仕様の紙送りローラのそれぞれの通紙性能比較を行った。
[0030]
[表1]


[0031]
 本発明の特徴をもつ紙送りローラを用いることで、従来の紙送りローラに対して通紙性能の向上を確認できた。
 この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。

符号の説明

[0032]
10 紙送りローラ
11 ローラ本体
11S 外周面
R   周方向
13  凸部(凸条)
14  凹部(凹溝)

請求の範囲

[請求項1]
 弾性材料によって筒状に一体に形成されたローラ本体を備え、
 前記ローラ本体の外周面に、ローラ本体の軸方向に延びるように、かつ、周方向に一定幅の凸部と凹部とが交互に現れるように多数の凸条および凹溝が形成された紙送りローラであって、
 前記凸部は、隣接する両側の凹部と所定の曲率半径のアール状の湾曲線でつながっており、かつ、前記凸条は、前記ローラ本体の外周面に沿った平坦な頂面を有していて、
 前記凹部は、前記凸部とつながる湾曲線よりも曲率半径の大きな円弧によって形成されていることを特徴とする、紙送りローラ。
[請求項2]
 前記凸条に形成された平坦な頂面は、その幅(前記ローラ本体の外周面方向に沿った幅)がW1であり、前記凹溝の幅(前記ローラ本体の外周面方向に沿った幅)がW2であり、
  W1≦W2
の関係を満たすことを特徴とする、請求項1記載の紙送りローラ。
[請求項3]
 前記平坦な頂面の幅W1は、0.1~0.3mmであることを特徴とする、請求項2記載の紙送りローラ。
[請求項4]
 前記凸部と前記凹部とは、その高さの差が0.1~0.2mmであることを特徴とする、請求項3記載の紙送りローラ。
[請求項5]
 前記凹部、凸部および凹部でつながる1組の凹凸凹部において、一方の凹部の中央から他方の凹部の中央までの長さは、0.5~1.0mmであることを特徴とする、請求項3または4に記載の紙送りローラ。
[請求項6]
 請求項1に記載の紙送りローラを備えることを特徴とする画像形成装置。
[請求項7]
 前記画像形成装置は、用紙分離装置としてFRR方式のものが採用されており、
 前記紙送りローラは、前記用紙分離装置におけるフィードローラとして採用されていることを特徴とする、請求項6記載の画像形成装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]