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1. (WO2015141038) 可変動弁機構の制御装置及び制御方法
Document

明 細 書

発明の名称 可変動弁機構の制御装置及び制御方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

符号の説明

0058  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20  

明 細 書

発明の名称 : 可変動弁機構の制御装置及び制御方法

技術分野

[0001]
 本発明は、容量を変更可能な可変容量ポンプの油圧により動作する可変動弁機構の制御装置及び制御方法に関する。

背景技術

[0002]
 従来、油圧により動作する可変動弁機構(油圧VTC機構と略称する)を搭載したエンジンでは、エンジン回転数や冷却水温度等により油圧を推定し、油圧VTC機構を駆動するための制御ゲインを設定している。しかし、可変容量ポンプ、例えば電制2段油圧制御ポンプ(電制VDVP、あるいは2ステージオイルポンプとも呼ばれる)でオイルを供給する場合、ソレノイドのハンチングを抑制するために、供給特性の切り替えにヒステリシス特性を持たせている。このため、同エンジン回転数や同冷却水温度の場合でも油圧が推定と異なることがあり、必ずしも期待している油圧VTC機構の応答性や制御性が得られない。
 そこで、例えば特許文献1では、低油圧時の目標位相を切り替えることで、制御安定性を保つようにしている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2008-157066号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1の技術では、制御を安定化できるものの、目標位相を切り替えると、目標値がエンジンの運転状態における最適値ではなくなるため、燃費や運転性等の悪化が生ずる虞がある。
[0005]
 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、燃費及び運転性の悪化を抑制できる可変動弁機構の制御装置及び制御方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の可変動弁機構の制御装置及び制御方法は、可変容量ポンプの油圧により動作する可変動弁機構を制御する際に、前記可変容量ポンプにおける容量の切り替え条件または切り替え操作に応じて、前記可変動弁機構の制御ゲインを変化させる、ことを特徴とする。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、可変容量ポンプの切り替えに応じて可変動弁機構の制御ゲインを変化させることで、実際の油圧状態に応じた可変動弁機構の駆動が可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制して、燃費や運転性の悪化を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置が適用されるエンジンの概略構成図である。
[図2] 図1における油圧VCT機構によるバルブタイミングの変更に関係する要部を抽出して示す構成図である。
[図3] 図2における電制VDVPの構成例を示す図である。
[図4] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第1の制御方法を示すフローチャートである。
[図5] 図4に示した第1の制御方法における油圧と制御ゲインとの関係を示すタイミングチャートである。
[図6] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第2の制御方法を示すフローチャートである。
[図7] 図6に続く制御方法を示すフローチャートである。
[図8] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第3の制御方法を示すフローチャートである。
[図9] 図8に続く制御方法を示すフローチャートである。
[図10] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第4の制御方法を示すフローチャートである。
[図11] 図10に続く制御方法を示すフローチャートである。
[図12] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第5の制御方法を示すフローチャートである。
[図13] 図12に続く制御方法を示すフローチャートである。
[図14] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第6の制御方法を示すフローチャートである。
[図15] 図14に続く制御方法を示すフローチャートである。
[図16] 本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置における第7の制御方法を示すフローチャートである。
[図17] 電制VDVPにおけるソレノイドバルブの固着を診断する診断方法を示すフローチャートである。
[図18] 図17に続く診断方法を示すフローチャートである。
[図19] 油圧状態、ソレノイドバルブの固着、及びソレノイドバルブ状態の指示値の関係について説明するための図である。
[図20] 電制VDVPにおけるソレノイドバルブの固着を診断する際の動作について説明するためのタイミングチャートである。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
 図1は、本発明の実施形態に係る可変動弁機構の制御装置が適用されるエンジンの概略構成図である。
 エンジン(内燃機関)1の各気筒に空気を導入するための吸気管11には、エンジン1の吸入空気流量QAを検出する吸入空気量センサ12を設けている。吸入空気量センサ12としては、例えば吸気の質量流量を検出する熱線式流量計等を用いることができる。
[0010]
 吸気バルブ13は、各気筒の燃焼室14の吸気口を開閉し、吸気バルブ13の上流側の吸気管11に、気筒毎に燃料噴射弁15を備えている。燃料噴射弁15から噴射された燃料は、吸気バルブ13を介して燃焼室14内に空気と共に吸引され、点火プラグ16による火花点火によって着火燃焼し、該燃焼による圧力がピストン17をクランクシャフト18に向けて押し下げることで、クランクシャフト18を回転駆動する。クランク角センサ27は、クランクシャフト18の回転角を検出し、クランクシャフト18の基準位置信号REF及び単位角度信号POSを出力する。
[0011]
 点火プラグ16それぞれには、点火プラグ16に対して点火エネルギを供給する点火モジュール19が直付けされている。点火モジュール19は、点火コイル及び点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタを備えている。
 排気バルブ20は、燃焼室14の排気口を開閉し、排気バルブ20が開くことで排気ガスが排気管21に排出される。排気管21には、三元触媒等を備えた触媒コンバータ22が設置され、触媒コンバータ22によって排気を浄化する。また、触媒コンバータ22の上流側の排気管21に空燃比センサ23が設置され、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比A/Fを検出している。
[0012]
 吸気バルブ13及び排気バルブ20は、クランクシャフト18によって回転駆動される吸気カムシャフト24及び排気カムシャフト25の回転に伴って動作する。吸気バルブ13は、吸気カムシャフト24に設けたカムによって開閉駆動され、油圧VTC機構26によって、その作動角(開弁作用角)の中心位相が可変となっており、吸気バルブ13のバルブタイミングが進遅角される。油圧VTC機構26は、ソレノイドバルブ34によって油圧通路が切り替えられることで、作動角の中心位相が変更されるようになっている。
[0013]
 カム角センサ28は、吸気カムシャフト24から基準位置信号(吸気カムシャフトの回転角信号)CAMを取り出す。一方、排気バルブ20は、排気カムシャフト25に設けられたカムによって開閉駆動される。
 水温センサ29は、エンジン1の冷却水の温度(水温)TWを検出する。また、油温センサ33は、オイルパン内またはエンジンオイルの循環経路におけるエンジンオイルの油温TOを検出する。更に、アクセル開度センサ30は、アクセルペダル31の踏込み量(アクセル開度ACC)を検出する。
[0014]
 ECU(Engine Control Unit)6は、マイクロコンピュータを備え、エンジン1に設けられた各種のセンサからの信号、例えば吸入空気流量QA、アクセル開度ACC、基準位置信号REF、単位角度信号POS、空燃比A/F、水温TW、油温TO及び回転角信号CAM等が入力される。また、ECU6には、エンジン1の運転及び停止のメインスイッチであるイグニッションスイッチ32の状態を示す信号が入力される。ECU6は、これらの情報に基づき、予め記憶されたプログラムに従って演算処理を行い、燃料噴射弁15、ソレノイドバルブ34、及び点火モジュール19等の各種装置の操作量あるいは制御量を算出し、これらの装置に制御信号を出力して制御する。
[0015]
 なお、エンジン1は、図示した直列型の他、V型あるいは水平対向型等の様々な形式とすることができる。また、ここでは燃料噴射弁15が吸気管11内に燃料を噴射するものを例に取ったが、燃焼室14内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式エンジンであっても良い。更に、吸気側VTC機構26に加えて排気バルブ20の開閉時期(バルブタイミング)を可変とする排気側VTC機構を備えていても良い。
[0016]
 図2は、図1における油圧VCT機構26によるバルブタイミングの変更に関係する要部を抽出して示している。油圧VCT機構26は、吸気バルブ13を開閉させる吸気カムが設けられた吸気カムシャフト24の一端に配設されている。油圧VCT機構26は、エンジン1のクランクシャフト18と同期して回転するプーリ41と、吸気カムシャフト24と一体的に回転可能に連結されたロータ42とを相対回転可能に組み合わせることによって構成されている。プーリ41は、図示しないタイミングベルトによってエンジン1のクランクシャフト18と連結され、クランクシャフト18と同期して回転する。
[0017]
 プーリ41には、ロータ42を収容する円筒状のハウジング43が設けられている。ハウジング43は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面に横断面が台形状を呈し、それぞれハウジング43の軸方向に沿って設けられる隔壁部43a,43b,43cが突設されている。ロータ42の外周にはその径方向に延びる複数のベーン42a,42b,42cが形成され、ハウジング43の内周にはそれらベーン42a,42b,42cをそれぞれ収容する収容部44a,44b,44cが形成されている。ベーン42a,42b,42cは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、収容部44a,44b,44cを回転方向の前後に隔成し、ベーン42a,42b,42cの両側と各隔壁部43a,43b,43cの両側面との間に、進角側油圧室45a,45b,45cと遅角側油圧室46a,46b,46cを形成する。
[0018]
 第1油圧通路47は、進角側油圧室45a,45b,45cに対して油圧を給排し、第2油圧通路48は、遅角側油圧室46a,46b,46cに対して油圧を給排する。両油圧通路47,48には、通路切り換え用のソレノイドバルブ34を介して、オイル供給通路49とドレイン通路50,51とがそれぞれ接続されている。オイル供給通路49には、オイルパン53内のオイルを圧送する電制VDVP(可変容量ポンプ)54が設けられ、ドレイン通路50,51の下流端はオイルパン53に連通している。ソレノイドバルブ34は、内部のスプール弁体34bが各油圧通路47,48と、オイル供給通路49及びドレイン通路50,51とを相対的に切り換え制御するようになっている。
[0019]
 ECU6は、ソレノイドバルブ34を駆動するソレノイド34aに対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号(操作量)に基づいて制御する。油圧VTC機構26においては、ソレノイド34aにデューティ比0%のオフ制御信号を出力すると、電制VDVP54から圧送されたオイルは、油圧通路48を通って遅角側油圧室46a,46b,46cに供給されると共に、進角側油圧室45a,45b,45c内のオイルが、油圧通路47を通ってドレイン通路51からオイルパン53内に排出される。
[0020]
 このように、ソレノイドにデューティ比0%のオフ制御信号を供給すると、遅角側油圧室46a,46b,46cの内圧が高くなる一方で、進角側油圧室45a,45b,45cの内圧が低くなり、ロータ42はベーン42a,42b,42cを介して最大遅角側に回転する。この結果、吸気バルブ13の開期間(バルブ作動角の中心位相)がピストン位置に対して相対的に遅角変化する。すなわち、ソレノイド34aへの通電を遮断すると、吸気バルブ13のバルブ作動角の中心位相は遅角変化し、最終的には、最遅角位置で停止する。
[0021]
 また、ソレノイドにデューティ比100%のオン制御信号を出力すると、スプール弁体34bが矢印方向に駆動され、オイルは油圧通路47を通って進角側油圧室45a,45b,45c内に供給されて内圧が高くなると共に、遅角側油圧室46a,46b,46c内のオイルが油圧通路48及びドレイン通路50を通ってオイルパン53に排出され、遅角側油圧室46a,46b,46cの内圧が低くなる。
 このように、ソレノイド34bにデューティ比100%のオン制御信号を供給すると、ロータ42は、ベーン42a,42b,42cを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブ13の開期間(バルブ作動角の中心位相)がピストン位置に対して相対的に進角変化する。
 従って、ソレノイド34bに供給する制御信号のデューティ比を変更することで、最遅角位置から最進角位置までの間の任意の位置にバルブ作動角の中心位相を変化させることができる。よって、エンジン1の運転状態に応じて吸気バルブ13の進角量を調節することによって開弁、閉弁時期や吸気バルブ13と排気バルブ20のバルブオーバラップ等を変更できる。
[0022]
 図3は、図2における電制VDVP(可変容量ポンプ)54の構成例を示している。ポンプハウジング61の両側部に吸入口と吐出口が設けられ、ほぼ中央にエンジン1のクランクシャフト18から回転力が伝達されるドライブシャフト62が貫通配置されている。ポンプハウジング61の内部には、ドライブシャフト62に結合され、外周側に複数のベーン63をほぼ半径方向へ進退自在に保持するロータ64と、該ロータ64の外周側に偏心揺動自在に設けられ、内周面に各ベーン63の先端が摺接するカムリング65が収容配置されている。また、ロータ64の内周部側の両側面には、一対のベーンリング72が摺動自在に配置されている。
[0023]
 カムリング65は、外周部にシール部材66a,66bを介して隔成された作動室67,68に導入されるポンプ吐出圧に応じてピボットピン69を中心に偏心量が減少する方向へ揺動すると共に、その外周に一体的に有するレバー部65aを押圧するコイルばね70のばね力によって偏心量が増大する方向へ揺動するようになっている。
 そして、初期状態では、コイルばね70のばね力によってカムリング65を偏心量が最大となる方向へ付勢して吐出圧を増加させる一方、作動室67内の油圧が所定以上になると、カムリング65をコイルばね70のばね力に抗して偏心量が小さくなる方向へ揺動させて吐出圧を減少させる。
[0024]
 この電制VDVP54の作動室67にはメインギャラリーからオイルが供給され、作動室68にはオン/オフソレノイドバルブ71を介してオイルが供給され、吐出したオイルをエンジン1に供給するようになっている。
 ソレノイドバルブ71がオンのときには、作動室67がドレイン(オイルパン53)に連通して低圧状態となる一方、ソレノイドバルブ71がオフのときには、作動室67に油圧を作用させるため、高圧状態となる。
 このように、電制VDVP54を用いることで、要求油圧の小さい場面(低回転時)では、ポンプ吐出量を小さくでき、補機負荷が低減できる。また、要求油圧の大きい場面(高回転時)では、ポンプ吐出量を大きくでき、潤滑、冷却等の要求を満たすことができる。
[0025]
 次に、上記のような構成において動作を説明する。本発明では、油圧VTC機構26と電制VDVP54を搭載するエンジン1において、電制VDVP54の切り替え条件または切り替え操作に応じて油圧VTC機構26の制御ゲインを変化させる。すなわち、電制VDVP54における容量の切り替え条件の成立または切り替え操作を検出し、切り替え条件の成立または切り替え操作を検出した場合に、油圧VTC機構26の制御ゲインを変化させている。
 詳しくは、電制VDVP54のソレノイドバルブ71の状態が高油圧側か低油圧側かを判定し、油圧VTC機構26の制御ゲインを高油圧側と低油圧側とで切り替える。もしくは、制御ゲインを補正(制限)する。加えて、制御ゲインの切り替り時に、実際の油圧の立ち上がり(あるいは立ち下がり)特性に制御ゲインの変化が追従するように、制御ゲインに対して補正を行う。
 上記動作は、基本的にはECU6のプログラムに従って、各種センサの出力、予め記憶されているマップや補正係数等を参照し、油圧VTC機構26のソレノイドバルブ34と電制VDVP54のソレノイドバルブ71を制御することで実現する。
[0026]
 具体的な制御方法について以下に説明する。
 [第1の制御方法]
 図4に示す第1の制御方法は、フィードバック制御量のマップを切り替えるものである。まず、水温センサ29によりエンジン1の冷却水の温度(水温)TW、または油温センサ33によりエンジンオイルの油温TOを検出する(ステップS1)。また、例えばクランク角センサ27によりクランクシャフト18の回転角(基準位置信号REF、単位角度信号POS)を検出することで機関回転数を検出する(ステップS2)。ステップS3では、ECU6から電制VDVP54のソレノイドバルブ71の状態(オンか、オフか)を指示する。次のステップS4では、ECU6により油圧VTC機構26の目標回転位相の演算を行い、ステップS5では、カム角センサ28で吸気カムシャフト24から取り出した基準位置信号CAMに基づき、ECU6により油圧VTC機構26の検出角度の演算を行う。これら目標回転位相及び検出角度の演算は、周知のアルゴリズムにより実行できる。
[0027]
 続いて、ソレノイドバルブ71の状態指示の判定(ステップS6)を行った後、ソレノイドバルブ71の状態がオフか否かを判定する(ステップS7)。ソレノイドバルブ71の状態指示の判定は、基本的にはECU6で指示した状態を判定するが、ソレノイドバルブ71が故障(オン固着、オフ固着)等の場合は、ECU6の指示状態ではなく、後述する診断結果を参照する。そして、ソレノイドバルブ71がオフであれば油圧VTC機構26の比例ゲインマップを高油圧側に切り替え(ステップS8)、オンであれば油圧VTC機構26の比例ゲインマップを低油圧側に切り替える(ステップS9)。ここで、ステップS8,S9においては、比例ゲインマップに水温TWまたは油温TOを用いているが、油温TOの方が好ましく、油温センサ33が設けられていない場合には水温TWで代用すると良い。
[0028]
 ステップS10では、ECU6でソレノイドバルブ71の状態が変化してから所定時間以内か否かを判定し、所定時間以内であれば比例ゲインを油圧遷移特性に合わせてフィルタリング(加重平均等)し(ステップS11)、比例制御演算を行う(ステップS12)。また、所定時間以内でなければステップS12に移行して比例制御演算を行う。ステップS11のフィルタリング処理は、ソレノイドバルブ71が切り替わっても、油圧は時間遅れを伴って変化するため、比例ゲインにも時間遅れを生じさせるためのものである。また、ステップS12の比例制御量演算は、比例ゲインと「目標角度-実角度」の位相により演算する。フィルタリング処理で滑らかな遷移にすることで、比例ゲインを徐々に変えていくことができる。
 次のステップS13では、前ステップS12で算出した比例制御量、及び微分、積分操作量等により、ECU6で油圧VTC機構26のフィードバック制御量を演算する。
 そして、算出したフィードバック制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
[0029]
 上記のような制御方法によれば、油圧VTC機構26の比例ゲインのマップを高油圧側と低油圧側で用意し、ソレノイドバルブ71のオン/オフに応じて参照するマップを切り替えることで、実際の油圧状態に応じた油圧VTC機構26の駆動が可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。しかも、フィルタリング処理で油圧の変化に対応する滑らかな遷移にさせることで、比例ゲインを徐々に変えていくことができる。
 なお、上記制御方法では、油圧VTC機構26の比例ゲインのマップを高油圧側と低油圧側で用意したが、比例ゲインだけでなく、同様にしてPID制御における微分ゲイン、積分ゲイン等の制御ゲインにも適用できる。
[0030]
 図5は、上述したステップS10~S13におけるソレノイドバルブ71のオン/オフと、制御ゲイン及び油圧との関係を示している。時刻t1にソレノイドバルブ71がオンからオフに切り替わって油圧が急上昇し、時刻t2に所定値に達したとすると、制御ゲインは時刻t1から徐々に低下し、時刻t2に切り替わる。このように、制御ゲインに油圧の立ち上がりの遅れに対応した補正を行い、制御ゲインの変化に時間遅れを発生させることによって、油圧VTC機構26の応答性を保つことができる。
[0031]
 [第2の制御方法]
 図6及び図7に示す第2の制御方法は、フィードバック制御量のゲイン(制御ゲイン)を補正するものである。第1の制御方法と同様に、水温または油温を検出し(ステップS21)、機関回転数を検出する(ステップS22)。ステップS23では、ソレノイドバルブ71の状態を指示する。次のステップS24で油圧VTC機構26の目標回転位相の演算を行い、ステップS25で油圧VTC機構26の検出角度の演算を行う。
[0032]
 続いて、油圧VTC機構26の制御ゲインのマップを読み込む(ステップS26)。ここで、制御ゲインのマップに水温TWまたは油温TOを用いているが、油温TOの方が好ましく、油温センサ33が設けられていない場合には水温TWで代用すると良い。次に、ソレノイドバルブ71の状態指示の判定(ステップS27)を行った後、ソレノイドバルブ71の状態がオフか否かを判定する(ステップS28)。ソレノイドバルブ71の状態指示の判定は、基本的にはECU6で指示した状態を判定するが、ソレノイドバルブ71の故障(オン固着、オフ固着)等の場合は、ECU6の指示状態ではなく、後述する診断結果を参照する。そして、ソレノイドバルブ71がオフであれば該ソレノイドバルブ71の状態が変化してから所定時間以内か否かを判定する(ステップS29)。一方、オンであれば機関回転数毎の低油圧側と高油圧側の油圧比を補正係数として記憶したマップを参照し(ステップS30)、油圧VTC機構26の制御ゲインに補正係数を掛けてから(ステップS31)、所定時間以内か否かを判定する。
[0033]
 ステップS32では、ステップS29の判定結果が所定時間以内であれば、制御ゲインを油圧遷移特性に合わせてフィルタリング(加重平均等)し(ステップS32)、比例制御演算を行う(ステップS33)。また、所定時間以内でなければステップS33に移行して比例制御演算を行う。ステップS32のフィルタリング処理は、ソレノイドバルブ71が切り替わっても、油圧は時間遅れを伴って変化するため、制御ゲインにも時間遅れを生じさせるためのものである。また、ステップS33の比例制御量演算は、比例ゲインと「目標角度-実角度」の位相により演算する。フィルタリング処理で滑らかな遷移にさせることで、制御ゲインを徐々に変えていくことができる。
 次のステップS34では、前ステップS33で算出した比例制御量、及び微分、積分操作量等により、油圧VTC機構26のフィードバック制御量を演算する。
 そして、算出したフィードバック制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
[0034]
 上記のような制御方法によれば、機関回転数毎の低油圧側と高油圧側の油圧比を補正係数として記憶したマップを参照し、ソレノイドバルブ71のオン/オフで油圧VTC機構26の制御ゲインに補正係数を掛けることで、実際の油圧状態に応じた油圧VTC機構26の駆動が可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。しかも、フィルタリング処理で滑らかな遷移にさせることで、制御ゲインを徐々に変えていくことができる。
[0035]
 [第3の制御方法]
 図8及び図9に示す第3の制御方法は、上述した第1の制御方法とはフィードバック制御量の過渡補正方式が相違するものである。すなわち、高油圧側と低油圧側の2つの制御ゲインのマップを用いて切り替えることは同様であるが、フィルタリング処理で滑らかにするやり方を第1の制御方法とは変えている。
 第1、第2の制御方法では、実験的に求めたものをフィルタのゲインとして設定したが、ここではソレノイドバルブ71がオフからオンなのか、オンからオフなのかで補正係数を変えている。具体的には、高油圧側から低油圧側では補正係数を大きくしていき、最終的には1(補正しない状態)にする。また、低油圧側から高油圧側では補正係数を徐々に減らしていく方向に設定し、最終的には1(補正しない状態)にする。
[0036]
 すなわち、水温または油温を検出し(ステップS41)、機関回転数を検出する(ステップS42)。ステップS43では、ソレノイドバルブ71の状態を指示する。次のステップS44で油圧VTC機構26の目標回転位相の演算を行い、ステップS45で油圧VTC機構26の検出角度の演算を行う。
 続いて、ソレノイドバルブ71の状態指示の判定(ステップS46)を行った後、ソレノイドバルブ71の状態がオフか否かを判定する(ステップS47)。ソレノイドバルブ71の状態指示の判定は、基本的にはECU6で指示した状態を判定するが、ソレノイドバルブ71の故障(オン固着、オフ固着)等の場合は、ECU6の指示状態ではなく、後述する診断結果を参照する。そして、ソレノイドバルブ71がオフであれば油圧VTC機構の比例ゲインマップを高油圧側に切り替え(ステップS48)、オンであれば油圧VTC機構の比例ゲインマップを低油圧側に切り替える(ステップS49)。ここで、ステップS48,S49においては、比例ゲインマップに水温TWまたは油温TOを用いているが、油温TOの方が好ましく、油温センサ33が設けられていない場合には水温TWで代用すると良い。
[0037]
 ステップS50では、ソレノイドバルブ71の状態が変化してから所定時間以内か否かを判定し、所定時間以内であればソレノイドバルブ71の状態がオフからオンへ変化したか否かを判定する。オフからオンへ変化した場合には、補正係数を大きくしていき最終的には1(補正しない状態)にするマップを参照し(ステップS52)、比例ゲインにこのマップの補正係数を掛ける(ステップS54)。これに対し、オンからオフへ変化した場合には、補正係数を小さくしていき最終的には1(補正しない状態)にするマップを参照し(ステップS53)、比例ゲインにこのマップの補正係数を掛ける。また、ステップS50で所定時間を超えていると判定された場合には、ステップS54に移行し、比例ゲインに補正係数を掛ける。
[0038]
 次のステップS55では、比例制御演算を行う(ステップS12)。この比例制御量演算では、比例ゲインと「目標角度-実角度」の位相により比例制御量を算出する。ステップS56では、前ステップS55で算出した比例制御量、及び微分、積分操作量等により、油圧VTC機構26のフィードバック制御量を演算する。
 そして、算出したフィードバック制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
 上記のような制御方法であっても、実質的に上述した第1、第2の制御方法と同様であり、実際の油圧状態に応じた油圧VTC機構26の駆動が可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。
[0039]
 [第4の制御方法]
 図10及び図11に示す第4の制御方法は、高油圧側と低油圧側の2つのベースデューティ(保持ベースデューティ)のマップを有し、ソレノイドバルブ71のオン/オフではなく、デューティ比により油圧を推定して切り替えるものである。
 まず、水温または油温を検出し(ステップS61)、機関回転数を検出する(ステップS62)。ステップS63では、ソレノイドバルブ71の状態を指示する。次のステップS64で油圧VTC機構の目標回転位相の演算を行う。
[0040]
 続いて、ソレノイドバルブ71の状態指示の判定(ステップS65)を行った後、ソレノイドバルブ71の状態がオフか否かを判定する(ステップS66)。ソレノイドバルブ71の状態指示の判定は、基本的にはECU6で指示した状態を判定するが、ソレノイドバルブ71の故障(オン固着、オフ固着)等の場合は、ECU6の指示状態ではなく、後述する診断結果を参照する。そして、ソレノイドバルブ71がオフであれば油圧VTC機構26のベースデューティマップを高油圧側に切り替え(ステップS67)、オンであれば油圧VTC機構26のベースデューティマップを低油圧側に切り替える(ステップS68)。
[0041]
 ステップS69で、水温または油温と補正係数の関係を記憶したマップを参照し、ステップS70でベースデューティに補正係数を掛けたものをベースデューティとする。ステップS71では、ソレノイドバルブ71の状態が変化してから所定時間以内か否かを判定し、所定時間以内であればベースデューティを油圧遷移特性に合わせてフィルタリング(加重平均等)し(ステップS71)、油圧VTC機構26のフィードバック制御量の演算を行う(ステップS73)。また、所定時間以内でなければステップS73に移行してフィードバック制御量の演算を行う。
 次のステップS74では、前ステップS73で算出したフィードバック制御量とステップS70で補正したベースデューティを加算し、油圧VTC機構26の最終制御量を演算する。
 そして、算出した最終制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
[0042]
 上記のような制御方法によれば、油圧VTC機構26のベースデューティのマップを高油圧側と低油圧側で用意し、ソレノイドバルブ71のオン/オフに応じて参照するマップを切り替えると共に、ベースデューティを補正することで、実際の油圧状態に応じて油圧VTC機構26の回転位相を保持しつつ駆動することが可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。
[0043]
 [第5の制御方法]
 図12及び図13に示す第5の制御方法は、ベースデューティを補正するものである。
 まず、水温または油温を検出し(ステップS81)、機関回転数を検出する(ステップS82)。ステップS83では、ソレノイドバルブ71の状態を指示する。次のステップS84で油圧VTC機構の目標回転位相の演算を行う。
[0044]
 続いて、ベースデューティマップを参照し(ステップS85)、ソレノイドバルブ71の状態指示の判定(ステップS86)を行った後、ソレノイドバルブ71の状態がオフか否かを判定する(ステップS87)。ソレノイドバルブ71の状態指示の判定は、基本的にはECU6で指示した状態を判定するが、ソレノイドバルブ71の故障(オン固着、オフ固着)等の場合は、ECU6の指示状態ではなく、後述する診断結果を参照する。そして、ソレノイドバルブ71がオフであれば水温または油温と補正係数2との関係を表したマップを参照し(ステップS90)、ベースデューティに補正係数を掛けたものをベースデューティとする。
 一方、ソレノイドバルブ71がオフでなければ機関回転数と補正係数1の関係を表したマップを参照し(ステップS88)、ベースデューティに補正係数を掛けたものをベースデューティとした後(ステップS89)、ステップS90に移行する。
[0045]
 ステップS92では、ソレノイドバルブ71の状態が変化してから所定時間以内か否かを判定し、所定時間以内であれば制御ゲインを油圧遷移特性に合わせてフィルタリング(加重平均等)し(ステップS93)、比例制御量の演算を行う(ステップS94)。また、所定時間以内でなければステップS94に移行して比例制御量の演算を行う。
 次のステップS95では、前ステップS94で算出した比例制御量とステップS91で補正したベースデューティを加算し、油圧VTC機構26のフィードバック制御量を演算する。
 そして、算出したフィードバック制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
[0046]
 上記のような制御方法によれば、油圧VTC機構26のベースデューティの補正を、ソレノイドバルブ71のオン/オフ状態で切り替えると共に、ベースデューティを補正することで、実際の油圧状態に応じて油圧VTC機構26の回転位相を保持しつつ駆動することが可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。
[0047]
 [第6の制御方法]
 図14及び図15に示す第6の制御方法は、上述した第4の制御方法とはベースデューティの過渡補正方式が相違するものである。すなわち、高油圧側と低油圧側の2つのベースデューティのマップを用いて切り替えることは同様であるが、フィルタリング処理で滑らかにするやり方を第4の制御方法とは変えている。
 まず、水温または油温を検出し(ステップS101)、機関回転数を検出する(ステップS102)。ステップS103では、ソレノイドバルブ71の状態を指示する。次のステップS104で油圧VTC機構26の目標回転位相の演算を行い、ソレノイドバルブ71の状態指示の判定を行う(ステップS105)。ソレノイドバルブ71の状態指示の判定は、基本的にはECU6で指示した状態を判定するが、ソレノイドバルブ71の故障(オン固着、オフ固着)等の場合は、ECU6の指示状態ではなく、後述する診断結果を参照する。
[0048]
 続いて、ソレノイドバルブ71の状態がオフか否かを判定し(ステップS106)、ソレノイドバルブ71がオフであれば高油圧側のベースデューティマップを参照し(ステップS107)、オフでなければ低油圧側のベースデューティマップを参照する(ステップS108)。そして、水温または油温と補正係数との関係を表したマップを参照し(ステップS109)、ベースデューティに補正係数を掛けたものをベースデューティとする(ステップS110)。
[0049]
 ステップS111では、ソレノイドバルブ71の状態が変化してから所定時間以内か否かを判定し、所定時間以内であればソレノイドバルブ71の状態変化がオフからオンへの変化か否かを判定する(ステップS112)。オフからオンへの変化であれば補正係数を大きくしていき、最終的には1(補正しない状態)にする(ステップS113)。一方、オンからオフへの変化では補正係数を徐々に減らしていく方向に設定し、最終的には1(補正しない状態)にする(ステップS114)。そして、次のステップS115で比例ゲインに補正係数を掛けて補正する(ステップS115)。
 一方、ステップS111で所定時間以内でなければ、ステップS115に移行し、比例ゲインに補正係数を掛けて補正する。
 次のステップS116で、油圧VTC機構26のフィードバック制御量を演算した後、油圧VTC機構26の最終制御量を演算する(ステップS117)。この最終制御量は、前ステップS116で算出したフィードバック制御量にベースデューティを加えたものである。
[0050]
 そして、算出したフィードバック制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
 上記のような制御方法によれば、油圧VTC機構26の高油圧側と低油圧側のベースデューティのマップを、ソレノイドバルブ71のオン/オフ状態で切り替えると共に、ベースデューティを補正することで、実際の油圧状態に応じて油圧VTC機構26の回転位相を保持しつつ駆動することが可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。
[0051]
 [第7の制御方法]
 上述した第1乃至第6の制御方法は、電制VDVP54が2段の場合を例に取って説明したが、図16に示す第7の制御方法は、電制VDVPが多段の場合の制御方法を示している。
 まず、水温または油温を検出し(ステップS121)、機関回転数を検出する(ステップS122)。ステップS123では、ソレノイドバルブ71のデューティを指示する。電制VDVPが多段の場合、ソレノイドバルブのデューティ指示値は、0~100%を取り得る。このデューティ指示値は、電制VDVPのポンプ回転数またはポンプの回転制御量に対応する。次のステップS124では、油圧VTC機構26の目標回転位相の演算を行い、ステップS125で油圧VTC機構26の検出角度の演算を行う。
[0052]
 続いて、油圧VTC機構26の制御ゲインマップを参照すると共に(ステップS126)、ソレノイドバルブを駆動する信号におけるデューティの補正係数のマップを参照する(ステップS127)。ここで、ステップS126においては、制御ゲインマップに水温TWまたは油温TOを用いているが、油温TOの方が好ましく、油温センサ33が設けられていない場合には水温TWで代用すると良い。また、ステップS127におけるソレノイドバルブのデューティは、電制VDVPの回転数または回転制御量に対応する。
[0053]
 次のステップS128では、ステップS126でマップから求めた油圧VTC機構26の制御ゲインに、ステップS127でマップから求めた補正係数を掛ける。ステップS129では、比例ゲインと、「目標角度-実角度」の位相により比例制御量を演算する。続くステップS130で、算出した比例制御量、及び微分、積分操作量等により、油圧VTC機構のフィードバック制御量を演算する。
 そして、算出したフィードバック制御量に基づき、ECU6からソレノイドバルブ34のソレノイド34aにデューティ制御信号を供給することで油圧VTC機構26により吸気バルブ13のバルブタイミングを進遅角する。
 上記のような制御方法によれば、電制VDVPが多段であっても、実際の油圧状態に応じた油圧VTC機構の駆動が可能となり、オーバーシュートや応答遅れを抑制し、燃費や運転性の悪化を抑制できる。
[0054]
 [診断方法]
 次に、ソレノイドバルブ71の固着を診断する方法について、図17乃至図20により説明する。図17及び図18のフローチャートに示すように、水温または油温を検出し(ステップS131)、機関回転数を検出する(ステップS132)。ステップS133では、油圧VTC機構26の検出角度の前回値を演算する。次のステップS134では油圧VTC機構26の検出角度の演算を行い、油圧VTC機構26の最終制御量の演算を行い(ステップS135)、油圧VTC機構26の位相変化量の演算を行う(ステップS136)。
[0055]
 ステップS137では、ソレノイドバルブ71の状態の指示がオフか否かを判定し(ステップS137)、ソレノイドバルブ71がオフであれば高油圧側の推定油圧マップを参照し(ステップS138)、油圧VTC機構26の位相変化量の期待値のマップを参照し(ステップS139)、位相変化量から位相変化量期待値を減算する(ステップS140)。
 ステップS141では、前ステップS140の演算結果が所定値Va以下か否か、すなわち「位相変化量-位相変化量の期待値<所定値Va」を満たすか否かを判定する。満たしている場合には所定時間経過しているか否かを判定し(ステップS142)、所定時間経過している場合には、ソレノイドバルブ71がオン側に固着していると判定する(ステップS143)。ステップS141またはS142で条件を満たしていない場合には、ソレノイドバルブ71の固着はないので、制御動作に戻る。
[0056]
 一方、ステップS137でソレノイドバルブ71がオフでなければ低油圧側の推定油圧マップを参照し(ステップS144)、油圧VTC機構26の位相変化量の期待値のマップを参照し(ステップS145)、位相変化量から位相変化量の期待値を減算する(ステップS146)。
 ステップS147では、前ステップS146の演算結果が所定値Vb以下か否か、すなわち「位相変化量-位相変化量の期待値>所定値Vb」を満たすか否かを判定する。満たしている場合には所定時間経過しているか否かを判定し(ステップS148)、所定時間経過している場合には、ソレノイドバルブ71がオフ側に固着していると判定する(ステップS149)。ステップS147またはS148で条件を満たしていない場合には、ソレノイドの固着はないので、制御動作に戻る。
[0057]
 図19は、上記図17及び図18に示したフローチャートにおける油圧状態、ソレノイドの固着、及びソレノイド状態の指示値の関係をまとめて示している。図19に示すように、ソレノイドバルブ71の状態の指示値がオンかオフか、及びその時の位相変化量と期待値との関係により、ソレノイドバルブ71がオン側で固着しているのか、オフ側で固着しているのかを判定できる。
 また、図20のタイミングチャートに示すように、「位相変化量-位相変化量の期待値」が時刻t1のタイミングで所定値Vbを超え、時刻t2のタイミングで所定値Vbより低くなったとすると、タイマは時刻t1にカウント動作を開始し、時刻t2に停止する。このt1,t2間の期間T1が所定時間よりも短ければ、固着なしと判定する。また、「位相変化量-位相変化量の期待値」が時刻t3のタイミングで所定値Vaより低くなり、時刻t5を超えても低い状態を維持しているとすると(期間T2)、タイマは時刻t3にカウント動作を開始し、時刻t4に所定時間を超える。この時刻t4の時点でオン側が固着していると判定する。
 上記診断方法を前述した第1乃至第7の制御方法と組み合わせて用いることにより、ソレノイドバルブ71の故障(オン固着、オフ固着)を検出できる。

符号の説明

[0058]
 1…エンジン(内燃機関)、6…ECU、26…油圧VTC機構(可変動弁機構)、34…ソレノイドバルブ、34a…ソレノイド、54…電制VDVP(可変容量ポンプ)、71…ソレノイドバルブ

請求の範囲

[請求項1]
 可変容量ポンプの油圧により動作する可変動弁機構の制御装置であって、
 前記可変容量ポンプにおける容量の切り替え条件または切り替え操作に応じて、前記可変動弁機構の制御ゲインを変化させる、ことを特徴とする可変動弁機構の制御装置。
[請求項2]
 前記可変容量ポンプは、前記可変動弁機構が搭載された内燃機関の運転状態に応じて容量が変更される、ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項3]
 前記制御ゲインは、前記内燃機関の水温、油温及び機関回転数の少なくともいずれか1つを含むマップに基づき設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項4]
 前記制御ゲインは、更に、前記可変容量ポンプにおける油圧の遷移特性に合わせて設定される、ことを特徴とする請求項3に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項5]
 前記制御ゲインは、補正係数を用いた演算に基づき設定される、ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項6]
 前記制御ゲインは、更に、前記可変容量ポンプにおける油圧の遷移特性に合わせて設定される、ことを特徴とする請求項5に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項7]
 前記容量の切り替え条件の成立または切り替え操作の検出は、前記可変容量ポンプのソレノイドバルブが高油圧側か低油圧側かを判定するものであり、前記可変動弁機構の制御ゲインを高油圧側と低油圧側とで切り替える、ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項8]
 前記容量の切り替え条件の成立または切り替え操作の検出は、前記可変容量ポンプのソレノイドバルブが高油圧側か低油圧側かを判定するものであり、前記可変動弁機構の制御ゲインを補正する、ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項9]
 前記制御ゲインの切り替り時に、実際の油圧の立ち上がり、あるいは立ち下がり特性に制御ゲインの変化が追従するように、前記制御ゲインに対して補正を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁機構の制御装置。
[請求項10]
 可変容量ポンプの油圧により動作する可変動弁機構の制御方法であって、
 前記可変容量ポンプにおける容量の切り替え条件の成立または切り替え操作を検出し、
 前記切り替え条件の成立または切り替え操作を検出した場合に、前記可変動弁機構の制御ゲインを変化させる、ことを特徴とする可変動弁機構の制御方法。
[請求項11]
 更に、前記可変動弁機構が搭載された内燃機関の運転状態に応じて、前記可変容量ポンプの容量を変更する、ことを特徴とする請求項10に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項12]
 前記制御ゲインは、前記内燃機関の水温、油温及び機関回転数の少なくともいずれか1つを含むマップに基づき設定される、ことを特徴とする請求項10に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項13]
 前記制御ゲインは、更に、前記可変容量ポンプにおける油圧の遷移特性に合わせて設定される、ことを特徴とする請求項12に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項14]
 前記制御ゲインは、補正係数を用いた演算に基づき設定される、ことを特徴とする請求項10に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項15]
 前記制御ゲインは、更に、前記可変容量ポンプにおける油圧の遷移特性に合わせて設定される、ことを特徴とする請求項14に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項16]
 前記容量の切り替え条件の成立または切り替え操作の検出は、前記可変容量ポンプが高油圧側か低油圧側かを判定するものであり、前記可変動弁機構の制御ゲインを高油圧側と低油圧側とで切り替える、ことを特徴とする請求項10に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項17]
 前記容量の切り替え条件の成立または切り替え操作の検出は、前記可変容量ポンプのソレノイドバルブが高油圧側か低油圧側かを判定するものであり、前記可変動弁機構の制御ゲインを補正する、ことを特徴とする請求項10に記載の可変動弁機構の制御方法。
[請求項18]
 前記制御ゲインの切り替り時に、実際の油圧の立ち上がりあるいは立ち下がり特性に制御ゲインの変化が追従するように、前記制御ゲインに対して補正を行う、ことを特徴とする請求項10に記載の可変動弁機構の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]