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1. (WO2015137499) 水素含有生体適用液の製造方法及びそのための外装体
Document

明 細 書

発明の名称 水素含有生体適用液の製造方法及びそのための外装体

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032  

実施例

0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 水素含有生体適用液の製造方法及びそのための外装体

技術分野

[0001]
 本発明は、水素含有生体適用液の製造方法及びそのための外装体に関するものである。

背景技術

[0002]
 背景技術として、プラスチックバッグなど水素分子透過性が高い容器に入れられた生体適用液を、該容器ごと水素分子透過性の低いポータブルな水素貯蔵器に収容し、この水素貯蔵器を、水素含有水などの水素分子を含有する液体または気体で満たすことで、容器を開封することなく水素分子を生体適用液に含有させる非破壊的水素含有法が知られている。この方法によれば、水素分子は生体適用液に溶存する一方、水素分子透過性の低い水素貯蔵器に阻まれ、流通過程や保存期間においても外界に散失することが少ないとされる。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特許第4486157号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、いかに水素分子透過性の低い水素貯蔵器とはいえ、水素分子が最小の分子である以上、流通過程や保存期間中に水素分子が徐々に減っていくことは避けられず、このことが、水素分子を含有する水素含有生体適用液の工場生産を困難なものとしていた。
[0005]
 本発明が解決しようとする課題は、流通過程や保存期間においても水素分子が実質的に減ることのない水素含有生体適用液の製造方法及びそのための外装体を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明は、生体適用液が収納された水蒸気透過性を有する容器と、水分により水素を発生させる水素発生系と、前記容器と前記水素発生系とを被覆する水素分子透過性の低い包装材と、を備える水素含有生体適用液を製造するための水素分子供給型外装体であって、前記包装材が、前記容器と前記容器の外側に位置する水素発生系を被覆し、かつ、前記容器と前記包装材との間の空間の湿度を高める処理が施されている水素分子供給型外装体によって上記課題を解決する。
[0007]
 また、水蒸気透過性を有する容器に収容された生体適用液に水素分子を供給して水素含有生体適用液を製造する方法であって、前記容器と前記容器の外側に位置する水素発生系とを水素分子透過性の低い包装材で被覆する工程と、前記容器と前記包装材の間との空間の湿度を高める工程と、前記水素発生系より発生する水素分子を前記容器の外側から前記生体適用液中へ透過させる工程と、を含む水素含有生体適用液の製造方法によって上記課題を解決する。

発明の効果

[0008]
 本発明によれば、製品の流通過程や保存期間中に水素分子が減っていくのではなく、逆に、水素分子が徐々に増えていくような構成を有するため、エンドユーザーのもとで水素濃度が最適化されるよう設計された水素含有生体適用液を工場生産することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の一実施の形態に係る水素分子供給型外装体を示す正面図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る水素分子供給型外装体を示す正面図であり、同図に示す例で本発明に係る水素分子供給型外装体を説明する。本例の水素分子供給型外装体1は、生体適用液11が収納された水蒸気透過性を有する容器12と、水分により水素を発生させる水素発生系13と、容器12と水素発生系13とを被覆する(容器12と水素発生系13とを収納して封止する)水素分子透過性の低い包装材14と、を備える。そして、生体適用液11を収容する水蒸気透過性を有する容器12の外側に、水素発生系13を位置させるとともに、水素分子透過性の低い包装材14で水素発生系13と容器12とを被覆し、かつ、容器12と包装材14との間の空間の湿度を高める処理を施すことにより、本願の一実施形態である水素分子供給型外装体1が得られる。
[0011]
 生体適用液11は、注射、点滴、輸液などの用途に浸透圧調製された生理食塩水、水分、栄養、電解質補給等を行う注射用液や経口液、薬剤を溶解させられた注射用液や生理食塩液、液状薬剤、輸血に用いられる輸血製剤(輸血用血液)や自己血液、経腸液、飲料水を含む。さらに臓器の保存のために調合された臓器保存液、細胞培養液、細胞維持液、がん免疫療法やワクチン療法等で用いられるリンパ球やワクチンを含んだ生体適用液、腹膜透析液、透析液、心筋保護薬などを含んでもよい。本例の生体適用液11は、生体機能の維持向上や疾病・疾患の予防または治療等を意図して経口的または非経口的に生体に適用される液体全般を示す概念である。
[0012]
 こうした生体適用液11に水素分子を含有させることにより、もともとの生体適用液が有していた機能に加えて、これに限るものではないが、酸化ストレス抑制作用等、水素分子が有する生体に対する機能を追加することができる。
[0013]
 なお、水素含有生体適用液11の適応領域となり得る疾病・疾患としては、薬物や有害物質による肝障害、虚血性再灌流障害、動脈硬化などの循環器系疾患、胃潰瘍、胃粘膜障害などの消化器官系疾患、呼吸器系疾患、糖尿病の合併症(例えば高血圧、脳梗塞、心筋梗塞など)、腎疾患、白内障、皮膚疾患、各種炎症性疾患、神経疾患、癌、老化などの、フリーラジカルや過酸化脂質に起因する酸化ストレス性疾患が含まれ、特に虚血性再灌流障害等の急性酸化ストレスが係る疾患には適しているがこれらに限るものではない。
[0014]
 また、本発明の生体適用液11は、本発明の適用に先立ってすでに一定量の水素分子が含有していてもよい。その場合、本発明は、生体適用液11中の水素分子を補充することで、その溶存水素濃度を維持していくことができる。
[0015]
 水蒸気透過性を有する容器12として好ましく用いられるのは、たとえば、輸液バッグや点滴バッグに用いられるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等を材料としたプラスチック容器であるが、これに限るものではない。水蒸気透過性を有する容器12の水蒸気透過率(g/m /day(40℃、90%RH))としては、0.001以上、好ましくは0.01、より好ましくは0.1、より好ましくは0.5、より好ましくは1以上であることが望ましい。
[0016]
 なお、本発明は、水蒸気透過性を有する容器12の外側から水素分子を透過させることにより、生体適用液11中へ水素分子を移行させるものであるため、水蒸気透過性を有する容器12を事前に開封する必要はないが、開封状態で水素分子を透過させる場合を除外するものでもない。
[0017]
 また、水蒸気透過性を有する容器12に収容された生体適用液11は、その容器12の外側をすでに何らかの外装袋に覆われて市販されていることがあるが、こうした場合でも、外装袋に水蒸気透過性があれば、本発明を実施することができる。したがって、本発明の、「水蒸気透過性を有する容器12に収容された生体適用液11」において、該容器12が外装袋などによって二重化、あるいは多重化されていようとも、それら外装袋が水蒸気透過性を有する容器12である限り、本発明の「水蒸気透過性を有する容器12に収容された生体適用液11」の概念に含まれる。
[0018]
 水素発生系13には、湿気(水蒸気)と反応して水素を発生させる水素発生剤、及び、必要に応じて、水素発生反応を促進する適当な水素発生反応促進剤などが含まれる。水素発生剤としては、これに限るものではないが、水素よりイオン化傾向の高い金属、水素化金属を含む水素化化合物などが含まれる。湿気との反応性の良さを考慮し、金属カルシウム、水素化カルシウム、金属マグネシウム、水素化マグネシウムなどは好適に用いられる。反応生成物の安全性などを考慮し、金属マグネシウム、金属アルミニウム、金属亜鉛、金属ニッケル、金属コバルトなども好適に用いられる。
[0019]
 水素発生反応促進剤としては、湿気と水素発生剤の反応を促進するのに適したpHに調整するためのpH調整剤などが含まれる。このようなpH調整剤としては、クエン酸、アジピン酸、リンゴ酸、酢酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、陽イオン交換樹脂など水素イオン(H+)を供給する物質を含む。また、アルミニウムや亜鉛などの両性金属を水素発生剤として用いる場合は、こうした酸の他、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、陰イオン交換樹脂などアルカリ剤を用いることもできる。なかでも、水酸化カルシウム(消石灰)、生石灰(酸化カルシウム)、焼成カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、陰イオン交換樹脂などは好適に用いられる。
[0020]
 また、吸湿剤または乾燥剤は、湿気を吸収することで水素発生反応を促進するため、これらもまた水素発生反応促進剤に含まれる。これらの吸湿剤または乾燥剤としては、上述のイオン交換樹脂の他、塩化カルシウムなど潮解性を有する物質、酸化アルミニウムなど多孔状の表面に水分を吸着させる物質などが含まれるが、これに限るものではない。なお、水素発生剤を、水蒸気透過性を有する容器に直接接触させる場合、反応熱により容器を傷める可能性がある。したがって水素発生剤を含む水素発生系13は、不織布やガス透過膜などに被覆されることで防熱処理が施されていることが望ましい。
[0021]
 水素分子透過性の低い包装材14として好ましく用いられるのは、該包装材14から成る容器を、安定的にほぼ飽和濃度(水温20℃・1気圧下で1.6ppm)を保つ、該容器内容積の20倍の体積の水素溶存水の中に、生理食塩液を満水またはほぼ満水に擁する該容器を5時間浸漬しても、該生理食塩液の溶存水素濃度が100ppb以下、好ましくは10ppb以下、特に好ましくは1ppb以下にしかならない性質を有する包装材であると言うことができる。こうした包装材14としては、これに限るものではないが、アルミ箔包材やアルミ箔積層フィルムなどアルミニウムを使用した包装材を含むガスバリア性を有する包装材が含まれる。
[0022]
 本発明の水素分子供給型外装体1においては、水蒸気透過性を有する容器12を透過した生体適用液11由来の水蒸気により、水素発生系13の反応を開始することができる。ただし、本発明では、少なくとも容器12を透過した生体適用液11に由来する水蒸気と水素発生系13との化学反応により水素ガスが発生すればよいので、補助的になど、水素発生系13を包装材14で被覆する前に当該水素発生系13に水滴を垂らすなどして水分を強制的に供給してもよい。
[0023]
 特に本例の水素分子供給型外装体1及びこれを用いた水素含有生体適用液の製造方法では、容器12と包装材14との間の空間15の「湿度を高める処理」を施すことにより、生体適用液11に溶存する水素分子をさらに増やすことができる。こうした「湿度を高める処理」としては、これに限るものではないが、たとえば、容器12と包装材14との間の空間15を占める気体を脱気するなどして、容器12と包装材14との間の空間15の体積を減らす処理が含まれる。またその他、「湿度を高める処理」には、包装材14に被覆された容器12を、室温より高い温度に一定時間(10分以上であることが望ましい)維持することにより生体適用液11を透過する水蒸気の量を増やすといった処理も含まれるが、これに限るものではない。なお、ここで室温より高い温度とは、薬の保管温度の「標準温度」である20℃以上、より好ましくは「常温上限温度」である25℃以上、より好ましくは「室温上限温度」である30℃以上、さらに好ましくは「微温上限温度」である40℃以上の温度などが含まれる。ちなみに、容器12と包装材14との間の空間に存在する気体は、包装材14内に容器12と水素発生系13とを入れて封止する作業環境が空気環境である場合は空気であるが、空気に限定されず、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスなどであってもよい。
[0024]
 水素発生系に使用される水素発生剤の量としては、下記の基準を目安にすることができる。すなわち、本願発明者等は、本発明により得られた水素含有生体適用液11には、製造時は同じ濃度であるにもかかわらず、水素分子供給型外装体1から水素含有生体適用液11をバッグ(容器12)ごと取り出してからの溶存水素濃度の減少度合いが、他の水素含有生体適用液より遅いサンプルがあることに気が付いた。
[0025]
 そしてその理由について鋭意検討したところ、本発明者等は、上記の事象には、水素発生系13に使用される水素発生剤の使用量が関係しており、水素発生剤は、水蒸気透過性を有する容器12に収容された生体適用液11の量(いわゆる容量)に対して水素分子を飽和させるために必要と計算された量を用いるだけでは、必ずしも未だ十分ではなく、さらに、容器12内の上部の空間容量(いわゆる予備用量)を水素分子に置換できるに足る量以上の量を用いることが望ましいことを発見した。
[0026]
 たとえば、常温・常圧下(20℃、1気圧)で500mL容量の生理食塩液入りバッグを溶存水素で飽和させるためには、少なくとも、水素分子の溶解度1.6mg/L×0.5L=0.8mg=0.4molの水素分子が必要となる。このとき、水素発生剤として金属カルシウムを使用するとすれば、金属カルシウムと水の化学反応式:Ca+2H O→Ca(OH) +H より、少なくとも、カルシウムは0.4mmol=40.078×0.4=16.0312mg必要とされる。だがここで、バッグ(容器12)の予備用量が150mlあるとすれば、容量と予備用量の和である全満量容量は650mLであるので、上記の計算に倣い、1.6mg/L×0.65L=1.04mg=0.52mmol、そして、0.52mmol=40.078×0.52=20.84056mgとなる。したがって水素発生剤は20.84056mg以上の量で用いられることが望ましい。
[0027]
 すなわち、本発明の水素発生系13に使用される水素発生剤の物質量(mmol)は、(1.6(mg/L)×生体適用液11を収容した水蒸気透過性を有する容器12の全満量容量(L)/2)×(該水素発生剤と水との反応式における左辺の水素発生剤の係数/該水素発生剤と水との反応式における右辺の水素分子の係数)×1以上であることが望ましく、余裕率を考慮すると、より好ましくは、×2、より好ましくは×5、より好ましくは×10以上であることが望ましい。
[0028]
 なお、本発明の水素分子供給型外装体1で、湿気と反応した水素発生系13から水素分子が確かに発生したかどうかを、水蒸気透過性を有する容器12を開封してその内溶液である生体適用液11中の溶存水素濃度を測定することなしに、非破壊的に判定する手段として、以下のような方法がある。
[0029]
 すなわち、水素分子透過性を有する透明または半透明の第2容器16に入れられた酸化還元指示薬、及び貴金属コロイド(白金コロイドやパラジウムコロイドなど)などの水素分子触媒を含んだ水素分子指示薬を、図1に示すように水素分子供給型外装体1に同梱させておくという方法である。この方法によれば、水素発生系13から発生した水素分子が、水素分子透過性を有する透明または半透明の第2容器16を透過し、水素分子指示薬と反応することで酸化還元指示薬の色が変化するため、水素分子の発生を目視で確認することができる。ちなみに、第2容器16の水素分子透過性が、生体適用液11が収納された容器12の水素分子透過性と等しいものを選定すれば、水素分子の発生のみならず、水素分子の生体適用液11内への透過具合も検証することができる。
[0030]
 たとえば、これに限るものではないが、酸化還元指示薬としてメチレンブルーを、水素分子触媒として白金コロイドを含む水素分子指示薬を用いた場合、水素分子が白金コロイドで活性化されることにより酸化型メチレンブルーを還元し、青色の溶液を透明にするため、水素分子供給型外装体1の開封時に水素分子指示薬が透明になっているかを確認することで、水素分子透過性の低い包装材14に包まれる空間15で水素分子が発生していたかどうか、ひいては生体適用液11に水素分子が透過したかどうかを非破壊的に判定することができる。
[0031]
 仮にメチレンブルーの青色が透明になっていなかった場合、何らかの不具合で水素発生剤から水素分子が発生しなかったか、あるいは、発生した水素分子が水素分子供給型外装体1から抜け出てしまったと判断することができる。
[0032]
 なお、生体に対する充分な効果を期すために、水素含有生体適用液の溶存水素濃度は、水温20℃・1気圧下で、使用時に、0.01mg/L以上、好ましくは0.05mg/以上、それ以上に好ましくは0.1mg/以上、それ以上に好ましくは0.2mg/L以上、それ以上に好ましくは0.4mg/L以上、それ以上に好ましくは0.6mg/L以上、それ以上に好ましくは0.8mg/L以上、それ以上に好ましくは1.0mg/L以上であることが望ましい。
実施例
[0033]
 以下、本発明の実施例を述べる。なお、生体適用液11の溶存水素濃度を計測するのに用いた溶存水素計は、東亜ディーケーケー株式会社製のDHメーター(本体型式『DHDI-1』、同電極(プローブ)型式、『HE-5321』、同中継器型式『DHM-F2』)である。
[0034]
[実施例1]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』,本発明の生体適用液11が収納された容器12に相当するので、以下符号12で示す)と、金属カルシウム0.5g(関東化学社製:『カルシウム』)を不織布で包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ(ハギオス社製:『MZ-05』,本発明の包装材14に相当するので、以下符号14で示す)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグ14をヒートシールした。
[0035]
 同じものを三つ作成し、室内(室温:20℃)に放置した。24時間後に一つを、36時間後に次の一つを、3週間後に残りの一つを開封し、それぞれの生理食塩液(本発明の生体適用液11に相当するので、以下符号11で示す)の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0036]
[実施例2]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)と、金属カルシウム0.5g(関東化学社製:『カルシウム』)を不織布で包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグ14をヒートシールし、恒温恒湿器(エスペック社製『LU-113』、槽温:60℃)に放置することで室温より高い温度環境にアルミバッグ14を保持した。そして、48時間後にアルミバッグ14を恒温恒湿器から取り出し、生理食塩液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0037]
[実施例3]
 外側をポリプロピレン製の外装袋で覆われた、腹膜透析液2000mLが収容されたポリプロピレン製の腹膜透析液バッグ12(テルモ社製『ミッドペリックL135』)と、金属カルシウム3g(関東化学社製:『カルシウム』)を不織布で包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグ14をヒートシールし、恒温恒湿器(エスペック社製『LU-113』、室温:60℃)に放置することで室温より高い温度環境にアルミバッグ14を保持した。そして、5日後にアルミバッグ14を恒温恒湿器から取り出し、腹膜透析液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0038]
[比較例1]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)と、不織布に包まれた金属カルシウム0.5g(関東化学社製:『カルシウム』)13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気することなくそのままヒートシールした。
[0039]
 同じものを三つ作成し、室内(室温:20℃)に放置した。そして、24時間後に一つを、36時間後に次の一つを、3週間後に残りの一つを開封し、それぞれの生理食塩液の溶存水素濃度11をDHメーターで測定した。
[0040]
[参考例1]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)をアルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、アルミバッグ14に、水素発生系13に代えて1.6mg/Lの飽和濃度の水素溶存水を満たしてヒートシールした。
[0041]
 同じものを二つ作成し、室内(室温:20℃)に放置した。そして、24時間後に一つを、36時間後に次の一つを開封し、それぞれの生理食塩液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0042]
 以上、実施例1~3、比較例1、参考例1~2の結果(溶存水素濃度DH(mg/L))を表1に示す。
[表1]


[0043]
[実施例4]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)と、金属マグネシウム0.4g(関東金属社製:『マグネシウム粉末 Mg100』)と陽イオン交換樹脂0.2g(三菱化学社製:『ダイヤイオン FMK10』)を不織布に包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグ14をヒートシールした。
[0044]
 同じものを二つ作成し、室内(室温:20℃)に放置した。そして、24時間後に一つを、36時間後に次の一つを開封し、それぞれの生理食塩液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0045]
[実施例5]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)と、水素化カルシウム0.5g(和光純薬工業社製:『水素化カルシウム』)を不織布に包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグ14をヒートシールした。
[0046]
 同じものを二つ作成し、室内(室温:20℃)に放置した。そして、24時間後に一つを、36時間後に次の一つを開封し、それぞれの生理食塩液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0047]
[実施例6]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)と、金属アルミニウム0.4g(ミナルコ社製:『アルミニウム粉末』)、陽イオン交換樹脂0.2g(同上)、及び塩化カルシウム0.1g(和光純薬工業社製:『塩化カルシウム』)を不織布に包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグをヒートシールした。
[0048]
 同じものを二つ作成し、恒温恒湿器(エスペック社製『LU-113』、槽温:40℃)に放置することで室温より高い温度環境にバッグを保持した。そして、24時間後に一つを、36時間後に次の一つを恒温恒湿器から取り出し、それぞれの生理食塩液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0049]
[実施例7]
 生理食塩液500mLが収容されたポリエチレン製の輸液バッグ12(大塚製薬社製:『日本薬局方生理食塩液 大塚生食注』)と、金属アルミニウム0.4g(同上)、水酸化カルシウム0.15g(和光純薬工業社製:『水酸化カルシウム』)、及び塩化カルシウム0.1g(同上)を不織布に包むことで得られた本発明の水素発生系13を、アルミバッグ14(ハギオス社製:『MZ-05』)で被覆した後、脱気シーラー(タカトテクニカ社製:『VP-300』)を用いて-0.1Mpaで輸液バッグ12とアルミバッグ14との間の空間15の体積を減じながらアルミバッグ14をヒートシールした。
[0050]
 同じものを二つ作成し、恒温恒湿器(エスペック社製『LU-113』、槽温:40℃)に放置することで室温より高い温度環境にバッグを保持した。そして、24時間後に一つを、36時間後に次の一つを恒温恒湿器から取り出し、それぞれの生理食塩液11の溶存水素濃度をDHメーターで測定した。
[0051]
 以上、実施例4~7の結果(溶存水素濃度DH(mg/L))を表2に示す。
[表2]


[0052]
[考察]
 実施例1~3と比較例1との結果から、実施例1~3のように容器12と包装材14との間の空間15を脱気することで、24時間後の溶存水素濃度DHが0.06mg/Lであったものが3週間後まで増加することが確認された。これに対して、容器12と包装材14との間の空間15を脱気しない比較例では、24時間後の溶存水素濃度DHが0.03mg/Lと低く、しかも3週間後の溶存水素濃度DHに至っては、実施例1の0.77mg/Lに対してDH=0.29mg/Lと明らかな増加の差が確認された。
[0053]
 また実施例4~7のように、水素発生系13として、金属カルシウム以外の金属マグネシウム、水素化カルシウム、金属アルミニウムを用いた場合でも、上記実施例1~3と同様に、24時間後の溶存水素濃度DHに対して36時間後の溶存水素濃度DHが増加するという同じ傾向を示すことが確認された。

符号の説明

[0054]
1…水素分子供給型外装体
 11…生体適用液
 12…容器
 13…水素発生系
 14…包装材
 15…空間
 16…第2容器

請求の範囲

[請求項1]
 水蒸気透過性を有する容器に収容された生体適用液に水素分子を供給して水素含有生体適用液を製造する方法であって、
 前記容器と、前記容器の外側に位置する水素発生系とを、水素分子透過性の低い包装材で被覆する工程と、
 前記容器と前記包装材との間の空間の湿度を高める工程と、
 前記水素発生系より発生する水素分子を前記容器の外側から前記生体適用液中へ透過させる工程と、を含む水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項2]
 前記湿度を高める工程が、前記容器と前記包装材との間の空間の体積を減らす工程を含む請求項1記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項3]
 前記容器と前記包装材との間の空間の体積を減らす工程が、前記容器と前記包装材との間の空間を占める気体を脱気する工程を含む請求項2記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項4]
 前記湿度を高める工程が、前記包装材に被覆された前記容器を、室温より高い温度環境に一定時間維持する工程を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項5]
 前記室温より高い温度環境が、30℃以上である請求項4記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項6]
 前記水素発生系が、水素よりイオン化傾向の高い金属または水素化金属のうち少なくともいずれか一方を含む請求項1~5のいずれか一項に記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項7]
 前記水素よりイオン化傾向の高い金属が、金属カルシウムである請求項6記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項8]
 前記水素発生系が、さらに水素発生反応促進剤を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項9]
 前記水素発生系が、さらに防熱処理されている請求項1~8のいずれか一項に記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項10]
 前記防熱処理が、不織布で覆うという防熱処理である請求項9記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項11]
 前記水素分子を前記生体適用液中へ透過させる工程は、前記生体適用液の溶存水素濃度が、1mg/L以上になるまで実施される請求項1~10のいずれか一項に記載の水素含有生体適用液の製造方法。
[請求項12]
 生体適用液が収納された水蒸気透過性を有する容器と、水分により水素を発生させる水素発生系と、前記容器と前記水素発生系とを被覆する水素分子透過性の低い包装材と、を備える水素含有生体適用液を製造するための水素分子供給型外装体であって、
 前記包装材が、前記容器と前記容器の外側に位置する水素発生系を被覆し、かつ、前記容器と前記包装材との間の空間の湿度を高める処理が施されている水素分子供給型外装体。
[請求項13]
 前記湿度を高める処理が、前記容器と前記包装材との間の空間の体積を減らす処理を含む請求項12に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項14]
 前記容器と前記包装材との間の空間の体積を減らす処理が、前記容器と前記包装材との間の空間を占める気体を脱気する処理を含む請求項13に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項15]
 前記湿度を高める処理が、前記包装材に被覆された前記容器を、室温より高い温度環境に一定時間維持する処理を含む請求項12~14のいずれか一項に記載の水水素分子供給型外装体。
[請求項16]
 前記室温より高い温度環境が、30℃以上である請求項15に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項17]
 前記水素発生系が、水素よりイオン化傾向の高い金属または水素化金属のうち少なくともいずれか一方を含む請求項12~16のいずれか一項に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項18]
 前記水素よりイオン化傾向の高い金属が、金属カルシウムである請求項17に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項19]
 前記水素発生系が、さらに水素発生反応促進剤を含む請求項12~18のいずれか一項に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項20]
 前記水素発生系が、さらに防熱処理されている請求項12~19のいずれか一項に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項21]
 前記防熱処理が、不織布で覆うという防熱処理である請求項20に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項22]
 水素分子透過性を有する透明または半透明の容器に収納された酸化還元指示薬及び水素分子触媒を含む水素分子指示薬が、前記容器および前記水素発生系とともに前記包装材で被覆されている請求項12~21のいずれか一項に記載の水素分子供給型外装体。
[請求項23]
 前記酸化還元指示薬及び前記水素分子触媒が、メチレンブルー及び白金コロイドである請求項22記載の水素分子供給型外装体。

図面

[ 図 1]