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1. (WO2015137302) 口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤
Document

明 細 書

発明の名称 口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

発明を実施するための形態

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029  

実施例

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤

技術分野

[0001]
 本発明は、歯面への光沢付与効果が優れ、かつ苦味、べとつきが軽減し良好な使用感を有する口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤に関する。

背景技術

[0002]
 歯磨剤組成物等の口腔用組成物において、歯面に光沢を付与することは、効果実感、審美効果の点から有効であるが、満足できる光沢を付与できないのが現状であった。
[0003]
 また、口腔用組成物の使用満足感の向上には、使用感が重要である。
 従来、グリセロリン酸カルシウムは、優れた再石灰化効果を与えることが知られ、これに関連する技術が特許文献1~4(特開2006-182667号公報,特開2008-156251号公報,特開2009-149560号公報,特開2011-126788号公報)に提案されているが、グリセロリン酸カルシウムは刺激感や渋み、異味を有するという問題があった。
[0004]
 グリセロリン酸カルシウムの刺激感や渋み、異味の課題について、特許文献5~8(特開2010-215568号公報,特開2013-129621号公報,特開2013-129620号公報,特開2013-12619号公報)には、モノフルオロリン酸ナトリウムとラフィノースとの併用や、ラクトン及びアルギン酸プロピレングリコールとの併用、バニラアブソリュート等との併用によって、改善されることが提案されている。しかし、これら技術は、アルギン酸プロピレングリコール由来のべとつきが出てしまうことや、使用できる香料の種類が限定されるなどの問題があった。
[0005]
 一方、オーラル分野において、ポリエチレングリコールは保湿剤又は粘稠剤として一般的に使用されているが、平均分子量が5万、特に10万以上の高重合ポリエチレングリコールを製剤に配合した例は少ない。高重合ポリエチレングリコールと微細炭酸カルシウムと併用すると、再石灰化促進効果が優れることが、特許文献9(特開2013-112613号公報)に提案されている。しかし、高重合ポリエチレングリコールは、べとつきがでてしまうという問題があった。なお、特許文献9には、歯面への光沢付与について言及がない。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開2006-182667号公報
特許文献2 : 特開2008-156251号公報
特許文献3 : 特開2009-149560号公報
特許文献4 : 特開2011-126788号公報
特許文献5 : 特開2010-215568号公報
特許文献6 : 特開2013-129621号公報
特許文献7 : 特開2013-129620号公報
特許文献8 : 特開2013-12619号公報
特許文献9 : 特開2013-112613号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 従って、口腔用組成物において、使用感を良好に維持しつつ歯面への光沢付与効果を向上し得る技術の開発が望まれていた。
[0008]
 本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、歯面への光沢付与効果が優れ、かつ苦味、べとつきが軽減し良好な使用感を有する口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)グリセロリン酸カルシウムと、(B)高重合ポリエチレングリコールとを併用すると、歯面への光沢付与効果が優れ、かつ苦味及びべとつきが軽減し使用感が良好となることを知見した。
[0010]
 本発明では、(A)、(B)成分が特異的に作用し、上記格別な作用効果を与える。後述する比較例に示すように、(A)成分又は(B)成分の単独配合では、歯面への光沢付与効果が低く、(A)成分と重合度の低いポリエチレングリコールとを組み合わせても光沢付与効果が低い。しかし、本発明の実施例に示すように、(A)、(B)成分を組み合わせると、意外にも高い光沢付与効果を与えることができる。また、この場合、口腔用組成物の配合成分として一般的なサッカリンナトリウム、ステビア等の甘味剤や香料では抑制し難いグリセロリン酸カルシウム由来の苦味や、高重合ポリエチレングリコール由来のべとつき感が、(A)、(B)成分を併用することによって軽減し、良好な使用感を付与することもできる。
[0011]
 従って、本発明は下記の口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤を提供する。
〔1〕
 (A)グリセロリン酸カルシウムと(B)高重合ポリエチレングリコールとを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
 (B)成分の高重合ポリエチレングリコールが、ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5W/V%水溶液の粘度が10mPa・s以上であり、かつ前記粘度計で測定した25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下のものである〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕
 (A)成分を0.005~1質量%。(B)成分を0.01~0.5質量%含有する〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕
 (A)成分/(B)成分が質量比として0.05~20である〔1〕、〔2〕又は〔3〕に記載の口腔用組成物。
〔5〕
 練歯磨剤組成物である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の口腔用組成物。
〔6〕
 (A)グリセロリン酸カルシウムと(B)高重合ポリエチレングリコールとからなる歯面への光沢付与剤。
〔7〕
 (B)成分の高重合ポリエチレングリコールが、ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5W/V%水溶液の粘度が10mPa・s以上であり、かつ前記粘度計で測定した25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下のものである〔6〕に記載の歯面への光沢付与剤。
〔8〕
 (A)成分/(B)成分が質量比として0.05~20である〔6〕又は〔7〕に記載の歯面への光沢付与剤。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、歯面への光沢付与効果が優れ、かつ苦味、べとつきが軽減し良好な使用感を有する口腔用組成物及び歯面への光沢付与剤を提供できる。また、このような本発明組成物は、味覚が敏感な子供用の口腔用組成物としても好適に使用できる。

発明を実施するための形態

[0013]
 以下、本発明につき更に詳述する。本発明は、(A)グリセロリン酸カルシウムと(B)高重合ポリエチレングリコールとを併用することを特徴とする。
[0014]
 (A)グリセロリン酸カルシウムは、(B)成分と組み合わせることで歯面への光沢付与効果を与える。更に、カルシウム供給源にもなり得る。
 グリセロリン酸カルシウムとしては、天然物由来のもの及び合成品を使用できる。例えば、岩城製薬株式会社製の商品名「グリセロリン酸カルシウム」などの市販品を使用することもできる。
[0015]
 (A)グリセロリン酸カルシウムの配合量は、組成物全体の0.005~1%(質量%、以下同様。)が好ましく、より好ましくは0.05~0.5%、更に好ましくは0.1~0.3%である。配合量が多いほど、光沢付与効果、べとつき軽減効果を付与でき、両効果を十分に与えるには0.005%以上配合することが好ましい。1%以下であると、グリセロリン酸カルシウムの苦味が強く発現することがなく、(B)成分の併用によって苦味軽減効果を与えるには好適である。
[0016]
 (B)高重合ポリエチレングリコールは、エチレングリコールが重合した構造をもつ高分子化合物であり、ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5W/V(質量/体積(容量))%水溶液の粘度が10mPa・s以上であり、かつ前記粘度計で測定した25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下のものが好適である。
 5%水溶液の粘度が20,000mPa・sを超える場合は、粘度測定が不能となるため、2%水溶液における粘度を採用する。即ち、本発明において、高重合ポリエチレングリコールは、下記(1)又は(2)の粘度物性を有することが好ましい。
(1)25℃における5W/V%水溶液の粘度が10~20,000mPa・s
(2)(1)で粘度が20,000mPa・sを超える場合は、25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下
 本発明において、より好ましい高重合ポリエチレングリコールは、25℃における5W/V%水溶液の粘度が10~18,000mPa・s、特に30~10,000mPa・s、とりわけ55~2,000mPa・sのものである。25℃における5W/V%水溶液の粘度が10mPa・s以上であると、光沢付与効果、グリセロリン酸カルシウムの苦味のマスキング効果が特に良好である。また、25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下の高重合ポリエチレングリコールを使用すると、べとつきが少なく使用感が非常に優れ、歯磨剤の安定性も特に良好である。
[0017]
 このような高重合ポリエチレングリコールとしては、市販品を使用できる。例えば、ポリオックス(POLYOX) WSR N-10、N-20、N-80、N-750、N-12K、N-60K等のポリオックス WSRシリーズ(ダウケミカル社製)などを商業的に入手でき、使用することができる。
[0018]
 (B)高重合ポリエチレングリコールの配合量は、組成物全体の0.01~0.5%が好ましく、より好ましくは0.03~0.3%、更に好ましくは0.05~0.1%である。配合量が多いほど、光沢付与効果、苦味のマスキング効果を付与でき、両効果を十分に与えるには0.01%以上配合することが好ましい。0.5%以下であることが、べとつき感の軽減には好適である。また、特に歯磨剤組成物として調製した場合の安定性低下を抑制するためにも好適である。
[0019]
 (A)成分のグリセロリン酸カルシウムと(B)成分の高重合ポリエチレングリコールとの配合割合は、(A)/(B)が質量比で0.01~100とすることができるが、0.05~20がより好ましく、更に好ましくは0.2~16、とりわけ好ましくは1~6である。この範囲内であると、歯面への光沢付与効果がより優れ、苦味及びべとつきが軽減され使用感がより優れる。(A)/(B)が大きいほど光沢付与効果は高まるが、大きすぎないほうが苦味を低減するには好適である。
[0020]
 本発明の口腔用組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口剤などに調製できるが、特に歯磨剤、とりわけ練歯磨剤として好適に調製できる。例えば、練歯磨剤には、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、更に必要により香料、甘味剤、着色剤、防腐剤、薬効成分などを配合することができる。なお、配合量は本発明の効果を妨げない範囲で通常量でよい。
[0021]
 研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第2リン酸カルシウム2水和物及び無水和物、第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム等のリン酸カルシウム系研磨剤、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂系研磨剤などが挙げられる。これら研磨剤の配合量は、通常、組成物全体の2~50%、特に10~30%である。
[0022]
 粘稠剤としては、ソルビット、キシリット等の糖アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、平均分子量190~2,000(医薬部外品原料規格記載の平均分子量)のポリエチレングリコールなどの多価アルコール等が挙げられる。これら粘稠剤の配合量は通常、5~60%である。なお、平均分子量190~2,000のポリエチレングリコールは、高分子である(B)成分と相溶性がよく水相で膨潤、分散させ易い点で好適である。
[0023]
 粘結剤としては、有機又は無機粘結剤を配合できる。具体的には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸誘導体、キサンタンガム、カラヤガム、アラビアガム等のガム類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの有機粘結剤、ゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、ビーガム、ラポナイト等の無機粘結剤が挙げられる。粘結剤の配合量は通常、0.1~10%であり、特に0.5~5%が好ましい。
[0024]
 界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を使用でき、特にアニオン性界面活性剤が好適である。
 アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、N-ラウロイルサルコシンナトリウム、N-ミリストイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン酸塩、N-アシルグルタミン酸塩、N-メチル-N-アシルタウリンナトリウム、N-メチル-N-アシルアラニンナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも、アルキル硫酸塩が好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。なお、アニオン性界面活性剤の配合量は、0.1~5%、特に0.5~3%が好ましい。
[0025]
 ノニオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。
 両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型、N-脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型が挙げられる。
 なお、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤は配合しなくてもよく0%でもよいが、配合する場合は、界面活性剤の総含有量が組成物全体の0.1~5%、特に0.5~3%となる範囲内が好ましい。
[0026]
 香料としては、一般的な口腔用組成物用香料として添加される天然香料、及び天然香料の加工処理した香料、及び単体香料、更には調合香料等、歯磨剤組成物に用いられる公知の香料素材を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、例えば、ミント系、フローラル系、フルーツ系の香料などが挙げられる。
 具体的に、香料としては、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、メントール、カルボン、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-置換-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を組み合わせて使用することができる。
 香料の配合量は特に限定されないが、上記の香料素材は、組成物中に0.000001~1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を使用した口腔用組成物用香料としては、組成物中に0.1~2.0%使用するのが好ましい。
[0027]
 甘味剤としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス等が挙げられる。着色剤としては、赤色2号、3号、225号、226号、黄色4号、5号、青色1号、2号、雲母チタン、酸化チタン等が挙げられる。
 防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム等の安息香酸又はその塩などが挙げられる。
[0028]
 薬効成分としては、通常配合される公知のもの、例えば殺菌剤、抗炎症剤、酵素、フッ化物、植物抽出物、歯石防止剤、歯垢防止剤などを、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合することができる。具体的には、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性殺菌剤、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗炎症剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム等のフッ化物、水溶性リン酸化合物、グルコン酸銅等の銅化合物、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、塩化ストロンチウムなどの無機塩類、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール等のビタミン類、植物抽出物などが挙げられる。なお、上記薬効成分は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量配合できる。
[0029]
 また、本発明では、(A)グリセロリン酸カルシウムと(B)高重合ポリエチレングリコールとからなる歯面への光沢付与剤を提供する。この場合、配合成分やその配合量、比率等の詳細はいずれも上記と同様である。
実施例
[0030]
 以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[0031]
[実施例、比較例]
 表1、2に示す組成の歯磨剤組成物(練歯磨剤)を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表に併記する。
[0032]
(1)歯面への光沢付与効果の評価方法
 ヒトモデル歯面として、ヒドロキシアパタイト(HA)を乳酸緩衝液(pH4.5)に90分間浸漬し、NIPPON DENSHOKU製 Gloss Meter VG-2000を用いて、HAの初期光沢度(Gss値)を測定した。更に、HAをサンプル溶液(歯磨剤組成物10g+60%グリセリン30g)に入れ、溶液中で3,000回ブラッシングを行い、蒸留水で洗浄後、乾燥させた。その後、HAの光沢度(Gsa値)を測定し、光沢付与値(ΔGs値)を下記式により算出し、下記基準で評価した。◎又は○の評価が確保されるものを、歯面への光沢付与効果が優れると判断した。
 光沢付与値(ΔGs)=
  歯磨剤組成物で処置後の光沢度(Gsa)-初期光沢度(Gss)
 光沢付与効果の評価基準
  ◎:光沢付与値が15以上
  ○:光沢付与値が10以上15未満
  △:光沢付与値が5以上10未満
  ×:光沢付与値が5未満
[0033]
(2)苦味軽減効果の評価方法
 被験者10名を用い、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、3分間歯磨きを行った際の苦味について、「苦味を全く感じない」を4点、「やや苦味を感じるが問題ない」を3点、「苦味を感じる」を2点、「苦味を非常に感じる」を1点として判定した。10名の平均点から、以下の基準で使用感(苦味軽減効果)を評価した。◎又は○の評価が確保されるものを、苦味軽減効果が優れると判断した。
 苦味軽減効果の評価基準
  ◎:平均点3.5点以上4.0点未満
  ○:平均点3.0点以上3.5点未満
  △:平均点2.0点以上3.0点未満
  ×:平均点1.0点以上2.0点未満
[0034]
(3)べとつき軽減効果の評価方法
 被験者10名を用い、歯磨剤組成物約1gを歯ブラシにとり、通常の方法で自由に歯磨きを行った際のべとつき感について、「べとつきを全く感じない」を4点、「ややべとつきを感じる」を3点、「べとつきを感じる」を2点、「べとつきを非常に感じる」を1点として判定し、10名の平均点から、以下の基準で使用感を評価した。◎又は○の評価が確保されるものを、べとつき軽減効果が優れると判断した。
 べとつき軽減効果の評価基準
  ◎:平均点3.5点以上4.0点未満
  ○:平均点3.0点以上3.5点未満
  △:平均点2.0点以上3.0点未満
  ×:平均点1.0点以上2.0点未満
[0035]
 使用原料の詳細を下記に示す。なお、高重合ポリエチレングリコールの粘度は、上記と同様に、ブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド RVT又はRVF)で測定した25℃における粘度である。また、同様の方法で測定したポリエチレングリコール6000の粘度は、(B)高重合ポリエチレングリコールの粘度に満たなかった。PEGはポリエチレングリコールの略記である。
・グリセロリン酸カルシウム(岩城製薬社製)
・高重合PEG-1
(POLYOX WSR N-80、ダウ・ケミカル社製、5W/V%水溶液の粘度:85mPa・s(ローターNo.1、回転数50rpm、測定時間0.5分)
・高重合PEG-2
(POLYOX WSR N-10、ダウ・ケミカル社製、5W/V%水溶液の粘度:35mPa・s(ローターNo.1、回転数50rpm、測定時間0.5分)
・高重合PEG-3
(POLYOX WSR N-750、ダウ・ケミカル社製、5W/V%水溶液の粘度:1,100mPa・s(ローターNo.2、回転数10rpm、測定時間1分)
・高重合PEG-4
(POLYOX WSR N-12K、ダウ・ケミカル社製、2W/V%水溶液の粘度:420mPa・s(ローターNo.1、回転数10rpm、測定時間1分)
・ポリエチレングリコール6000(比較成分)
(医薬部外品原料規格2006記載の平均分子量8,300、PEG6000s、三洋化成工業社製)
[0036]
[表1]


[0037]
[表2]


[0038]
 更に、下記に処方例を示す。なお、使用原料の詳細は上記と同様である。
[処方例] 練歯磨剤
 (A)グリセロリン酸カルシウム            0.2%
 (B)高重合PEG-1                0.1
 ポリエチレングリコール1500            5
 モノフルオロリン酸ナトリウム             0.76
 カルボキシメチルセルロースナトリウム         0.5
 ソルビット                     40
 無水ケイ酸                     15
 ラウリル硫酸ナトリウム                0.8
 キシリット                      0.5
 ステビア                       0.3
 香料                         0.6
  精製水                        バランス 
 合計                       100.0%
 (A)/(B)の質量比 2
 歯面への光沢付与効果  ◎
 苦味軽減効果      ◎
 べとつき軽減効果    ◎

請求の範囲

[請求項1]
 (A)グリセロリン酸カルシウムと(B)高重合ポリエチレングリコールとを含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
[請求項2]
 (B)成分の高重合ポリエチレングリコールが、ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5W/V%水溶液の粘度が10mPa・s以上であり、かつ前記粘度計で測定した25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下のものである請求項1記載の口腔用組成物。
[請求項3]
 (A)成分を0.005~1質量%。(B)成分を0.01~0.5質量%含有する請求項1又は2記載の口腔用組成物。
[請求項4]
 (A)成分/(B)成分が質量比として0.05~20である請求項1、2又は3記載の口腔用組成物。
[請求項5]
 練歯磨剤組成物である請求項1乃至4のいずれか1項記載の口腔用組成物。
[請求項6]
 (A)グリセロリン酸カルシウムと(B)高重合ポリエチレングリコールとからなる歯面への光沢付与剤。
[請求項7]
 (B)成分の高重合ポリエチレングリコールが、ブルックフィールド型粘度計で測定した25℃における5W/V%水溶液の粘度が10mPa・s以上であり、かつ前記粘度計で測定した25℃における2W/V%水溶液の粘度が800mPa・s以下のものである請求項6記載の歯面への光沢付与剤。
[請求項8]
 (A)成分/(B)成分が質量比として0.05~20である請求項6又は7記載の歯面への光沢付与剤。