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1. (WO2015137200) 鋼管の表面検査方法、表面検査装置、製造システム、欠陥発生部位特定方法、及び製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 鋼管の表面検査方法、表面検査装置、製造システム、欠陥発生部位特定方法、及び製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

非特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050  

産業上の利用可能性

0051  

符号の説明

0052  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3A   3B   3C   3D   4   5   6A   6B   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 鋼管の表面検査方法、表面検査装置、製造システム、欠陥発生部位特定方法、及び製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、鋼管の表面欠陥を光学的に検出する表面検査方法、表面検査装置、製造システム、欠陥発生部位特定方法、及び製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 各種配管や重要機械部品、ラインパイプなどに用いられる鋼管には、欠陥があると強度や靱性、疲労特性が低下するため、鋼管の製造時には欠陥検査が行われる。代表的な欠陥検査の技術には、渦流探傷、漏洩磁束探傷、超音波探傷などの非破壊検査や目視検査が挙げられる。しかしこれらの技術は高温の材料には適用が困難であるため、熱間圧延により製造される継目無鋼管や鍛接鋼管などの鋼管には、材料が冷却してから適用されている。そのため、これらの鋼管の製造において、特に圧延に伴う表面欠陥については、発見された時点で既に大量の鋼管に圧延処理が施され、大量に不適合な製品を発生させていることになる。そのため、熱間で表面欠陥検査を行う表面検査の技術が期待されている。
[0003]
 熱間における表面検査の技術として、例えば、非特許文献1には、自発光による画像(自発光画像)を用いる技術、外部光源による画像を用いる技術、誘導加熱による熱画像を用いる技術、レーザースキャン、渦電流などを用いる技術が記載されている。また、非特許文献2には、自発光画像を用いてスラブの表面検査を行う技術が記載されている。この技術では、スラブの表面温度が表面欠陥の有無によって異なることから、自発光画像の輝度の差により表面欠陥を検出する。

先行技術文献

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : 岩井他、熱間スラブ表面疵検出技術、鉄と鋼70(9),pp.1181-1187(1984)
非特許文献2 : 白岩他、熱間スラブ探傷用TVシステム、鉄と鋼64(13),pp.2020-2025(1978)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかしながら、鋼管の表面検査に自発光画像を用いる場合、以下の問題があった。すなわち、例えば継目無鋼管の圧延には、周方向に複数のロールが用いられるが、それぞれのロールによる接触抜熱にムラがあるため、圧延後の鋼管の表面温度にムラが生じる。そのような接触抜熱による表面温度のムラは鋼管のサイズによっても様々に変化する。また、鋼管の表面には、加熱時に生じた一次スケールや圧延中に生じた二次スケールが斑状に付着する場合もある。これらの外乱は表面温度を模様状に変化させるため、自発光画像の輝度も均一にはならず、表面欠陥による表面温度の変化との判別が困難であった。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱間で自発光画像を用いて鋼管の表面欠陥を探傷するための鋼管の表面検査方法、表面検査装置、製造システム、欠陥発生部位特定方法、及び製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る鋼管の表面検査方法は、熱間で鋼管の表面欠陥を探傷する鋼管の表面検査方法であって、熱間で鋼管の自発光画像を撮像する撮像ステップと、前記自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化して補正する補正ステップと、前記補正ステップで補正された自発光画像に基づいて表面欠陥を検出する検出ステップと、を含むことを特徴とする。
[0008]
 また、本発明に係る鋼管の表面検査方法は、上記発明において、前記自発光画像はレデューサの後面の位置で撮像されることを特徴とする。
[0009]
 また、本発明に係る鋼管の表面検査方法は、上記発明において、前記レデューサによる前記鋼管の減径率が110%以上であることを特徴とする。
[0010]
 また、本発明に係る鋼管の表面検査方法は、上記発明において、前記補正ステップにおいて、前記自発光画像の前記鋼管の長手方向の輝度を平均化した周方向輝度分布を用いて該自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化することを特徴とする。
[0011]
 また、本発明に係る鋼管の表面検査方法は、上記発明において、前記補正ステップにおいて、前記鋼管の長手方向の位置を変えて撮像された複数枚の前記自発光画像の輝度の差分を用いて該自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化することを特徴とする。
[0012]
 また、本発明に係る鋼管の表面検査方法は、上記発明において、前記撮像ステップにおいて、波長700nm以上の近赤外線から波長20μm以下の赤外線の帯域内を用いて前記自発光画像を撮像することを特徴とする。
[0013]
 また、本発明に係る鋼管の表面検査装置は、熱間で鋼管の表面欠陥を探傷する鋼管の表面検査装置であって、熱間で鋼管の自発光画像を撮像する撮像手段と、前記自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化して補正する補正手段と、前記補正ステップで補正された自発光画像に基づいて表面欠陥を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする。
[0014]
 また、本発明に係る鋼管の製造システムは、上記発明の表面検査装置を備えることを特徴とする。
[0015]
 また、本発明に係る鋼管の欠陥発生部位特定方法は、本発明に係る鋼管の表面検査方法を利用して鋼管の表面欠陥を探傷して検出し、表面欠陥の検出位置に周期性がある場合は鋼管製造プロセス中に表面欠陥の発生原因があると特定し、表面欠陥の検出位置に周期性がない場合には製鋼段階に表面欠陥の発生原因があると特定することを特徴とする。
[0016]
 また、本発明に係る鋼管の製造方法は、本発明に係る鋼管の欠陥発生部位特定方法を利用して特定された表面欠陥の発生原因に応じて、該表面欠陥が発生しないように鋼管製造プロセスの製造条件及び/又は製鋼段階での操業条件の変更を行うことを特徴とする。

発明の効果

[0017]
 本発明によれば、熱間で自発光画像を用いて鋼管の表面欠陥を探傷することができる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 図1は、本発明の一実施形態に係る継目無鋼管の製造システムの概略構成を示す模式図である。
[図2] 図2は、本実施の形態の表面検査処理手順を示すフローチャートである。
[図3A] 図3Aは、本実施の形態の自発光画像の鋼管の位置と寸法と関係を説明するための図である。
[図3B] 図3Bは、本実施の形態の自発光画像の鋼管の位置と寸法と関係を説明するための図である。
[図3C] 図3Cは、本実施の形態の自発光画像の鋼管の位置と寸法と関係を説明するための図である。
[図3D] 図3Dは、本実施の形態の自発光画像の鋼管の位置と寸法と関係を説明するための図である。
[図4] 図4は、本実施の形態の自発光画像の周方向の輝度ムラの均一化を説明するための図である。
[図5] 図5は、他の実施の形態の自発光画像の周方向の輝度ムラの均一化を説明するための図である。
[図6A] 図6Aは、本実施の形態の自発光画像を例示する図である。
[図6B] 図6Bは、本実施の形態の減径率とスケールとの関係を説明するための図である。
[図7] 図7は、本実施例の表面検査結果を示す図である。
[図8] 図8は、本実施例の表面検査結果を示す図である。
[図9] 図9は、鋼管の長手方向の輝度分布を示すチャートである。
[図10] 図10は、図9に示す輝度分布の算出方法を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
[0020]
 まず、図1を参照して本発明の一実施形態の継目無鋼管の製造システムについて説明する。本実施の形態の継目無鋼管の製造システム1は、加熱炉2と、ピアサー(穿孔機)3と、マンドレルミル4と、再加熱炉5と、レデューサ6と、冷却床7と、表面検査装置10とを備える。この製造システム1において、丸ビレット(丸鋼片)Bは、まず加熱炉2で1200℃程度まで加熱され、ピアサー(穿孔機)3でパイプ状の(継目無)鋼管Pとされ、マンドレルミル4で圧延が行われる。鋼管Pは、さらに再加熱炉5で再度加熱された後、レデューサ6で所定の外径に延伸圧延され、冷却床7にて冷却される。
[0021]
 表面検査装置10は、熱画像カメラ11と、制御装置12とを備え、熱画像カメラ11が制御ケーブル13を介して制御装置12にデータを送受可能に接続されている。熱画像カメラ11は、波長700nm以上の近赤外線から波長20μm以下の赤外線の帯域内に感度を持つCMOS素子やマイクロボロメータ素子等からなるカメラで構成され、レデューサ6の後面で鋼管Pの自発光画像を撮像し、自発光画像を制御装置12に送信する。
[0022]
 制御装置12は、ワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータで実現され、CPU、更新記録可能なフラッシュメモリ等のROMやRAM等の各種メモリ、ハードディスク、CD-ROM等の記録媒体といった各種記録装置、通信装置、表示装置や印刷装置等の出力装置、入力装置等を備えて構成される。制御装置12は、処理プログラム等を記憶したメモリ及び処理プログラムを実行するCPU等を用いて表面検査装置10の構成部を制御して、後述する表面検査処理を実行する。
[0023]
 次に、図2のフローチャートを参照して、表面検査装置10による鋼管Pの表面検査処理手順について説明する。図2のフローチャートは、例えば、操作者が制御装置12の入力装置を操作して検査開始の指示を入力したタイミングで開始となり、表面検査処理はステップS1の処理に進む。
[0024]
 ステップS1の処理では、制御装置12が、熱画像カメラ11が撮像した鋼管Pの自発光画像を所定の周期で取得する。これにより、ステップS1の処理は完了し、表面検査処理はステップS2の処理に進む。
[0025]
 ここで、自発光画像の輝度として表される表面温度は、鋼管の位置やサイズによって異なる。図3Aおよび図3Bは外径が76.3mmの鋼管Pで撮像された自発光画像であり、図3Bは、図3Aの鋼管Pとは長手方向の異なる位置で撮像されたものである。また、図3Cは外径が101.6mmの鋼管P、図3Dは外径が114.3mmの鋼管Pで撮像された自発光画像である。図3A~図3Dに示すように、周方向の輝度は鋼管Pの位置やサイズにより異なるものの、長手方向の輝度はほぼ均一であることがわかる。そこで、本実施の形態では、後述するように、自発光画像の周方向の輝度分布を用いて自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化する補正を行うことにした。
[0026]
 ステップS2の処理では、制御装置12が、ステップS1の処理で取得した自発光画像(生画像)から周方向の輝度ムラを均一化する処理を行う。具体的には、図4に示すように、生画像の周方向のそれぞれの位置について長手方向の輝度の平均値を求め、これを周方向の輝度分布とする。この周方向の輝度分布を生画像から減算することにより、周方向の輝度ムラを均一化する補正を行う。ここで、生画像の輝度を次式(1)で表すと、周方向の輝度分布は次式(2)で表される。そこで、生画像から周方向の輝度分布が減算された画像の輝度は、次式(3)により求められる。
[0027]
[数1]


[数2]


[数3]


[0028]
 なお、式(3)における定数(=128)は、減算後の輝度の大部分が負の数値になるような事態を避けるために設定されたものであるが、0~255の間の適当な定数であればよい。また、式(3)の減算は、除算に代えてもよい。
[0029]
 これにより、外乱による輝度ムラが除かれ輝度均一化がなされた画像が得られる。したがって、得られた画像に現れる輝度ムラは表面欠陥によるものということができる。これにより、ステップS2の処理は完了し、表面検査処理はステップS3の処理に進む。
[0030]
 上記の処理では、1枚の自発光画像の範囲で長手方向の輝度がほぼ均一であることを利用して周方向の輝度ムラを均一化した。しかしながら、鋼管Pの全長を考慮すると、鋼管Pが圧延や搬送に伴って回転するため、長手方向に輝度が均一とはいえなくなる。したがって、周方向の輝度ムラを均一化する処理は、同一の自発光画像または近傍で撮像された自発光画像について逐次行うものとする。
[0031]
 そこで、ステップS2の処理における周方向の輝度ムラの均一化は、図5に示す処理に替えてもよい。すなわち、長手方向の位置を変えて複数枚の自発光画像を撮像し、いずれか2枚の生画像の輝度の差分をとることにより、周方向の輝度ムラを均一化する。具体的には、図5に示すように、直近に撮像された生画像と1枚前に撮像された生画像との輝度の差分をとることにより、周方向の輝度ムラを均一化した画像を得る。ここで、生画像の輝度を次式(4)で表し、1枚前に撮像された生画像の輝度を次式(5)で表すと、両画像の輝度の差分をとった画像の輝度は、次式(6)により求められる。
[0032]
[数4]


[数5]


[数6]


[0033]
 鋼管Pの全長について表面検査処理を行うためには、鋼管Pの長手方向の位置を変えて自発光画像を撮像する。その際、撮像タイミングが前後に隣り合う自発光画像同士を用いて上記処理を行うことが望ましい。撮像タイミングが離れるほど、両画像の輝度ムラが異なるため望ましくない。
[0034]
 ステップS3の処理では、制御装置12が、周方向の輝度ムラが均一化された画像をもとに鋼管Pの表面欠陥を検出する処理を行う。これにより、ステップS3の処理は完了し、一連の表面検査処理は終了する。
[0035]
 以上、説明したように、本実施の形態の鋼管Pの製造システム1によれば、制御装置12が、長手方向の輝度がほぼ均一である範囲の自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化するので、簡素な装置構成で、熱間で自発光画像を用いて鋼管の表面欠陥を探傷することができる。
[0036]
 なお、上記実施の形態では、発明者らが以下のようにレデューサ6における引張圧延により鋼管Pに付着したスケールが剥離するとの知見を得たことから、熱画像カメラ11による鋼管Pの自発光画像の撮像をレデューサ6の後面とした。すなわち、本発明者らは、レデューサ6による減径率が大きいほど、鋼管Pに付着したスケール模様の点数が減少するとの知見を得た。ここで、減径率は、次式(7)により定義される。
[0037]
[数7]


[0038]
 図6Aはレデューサ6の後面で撮像された自発光画像を例示する図であり、複数点のスケール模様が確認される。図6Bは、レデューサ6による減径率とスケール模様の点数との関係を示す図である。図6Bに示すように、減径率が大きくなるとスケール模様の点数が大幅に減少することがわかる。これは、レデューサ6における圧延が引張圧延であることから、減径率が大きいほど延びが大きく、表面に付着したスケールの剥離性が増すためと考えられる。このように、減径率が大きくなるほどスケールの剥離性が高くなることから、鋼管Pのスケール剥離の効果を期待するために、減径率は少なくとも110%以上であることが好適であり、120%以上であることが望ましい。なお、減径率の上限値としては、設備上の上限値である500%が与えられる。
[0039]
 ただし、鋼管Pの自発光画像の撮像箇所(熱画像カメラ11の設置個所)は、レデューサ6の後面に限定されない。例えば、スケールの少ない鋼管Pの表面検査については、他の箇所で撮像された自発光画像によっても可能である。
[0040]
 また、上記実施の形態では、継目無鋼管を例として説明したが、熱間で幅方向の両端を突き合わせて接合する鍛接鋼管や、再加熱後に引っ張り圧延を行う溶接鋼管などにも同様に適用できる。
[0041]
 以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
[0042]
[実施例]
 継目無鋼管の製造システムにおいて、レデューサの後面に近赤外域に感度を持つCMOSカメラを設置した。この熱画像カメラの全面に可視光をカットするフィルタを取り付け、波長700nm以上の近赤外域で撮像を行った。なお、使用する波長はさらに長くても良く、波長20μm以下の赤外域でも良い。鋼管の搬送速度に合わせて自発光画像間に抜けがないように撮像タイミングの間隔を設定し、鋼管の長手方向の100mm~500mm程度の位置を1mmピッチの解像度で撮像した。材料の温度域は600℃~1000℃である。
[0043]
 図7及び図8は、継目無鋼管の表面欠陥を検出した実施例を示す図である。それぞれの鋼管の減径率は160%、125%である。自発光画像においてスケール模様は抑制されていることが分かる。周方向の輝度ムラを均一化する補正を行った結果、外乱の影響が除かれ輝度均一化がなされた画像が得られ、各図中に矢印で例示するように、それぞれ明るい側の欠陥と暗い側の欠陥とが明瞭に検出された。鋼管を冷却した後にこれらの位置を調査した結果、ロール疵に起因したラップ疵と、表面に凹みの付いた噛み込み疵があることが確認された。このように、本発明によって、熱間で簡素な装置構成で鋼管の表面欠陥を検出できることが確認された。
[0044]
 次に、図9,図10を参照して、本発明に係る鋼管の製造方法について説明する。図9は、鋼管の搬送に同期して抜けがないように鋼管の長手方向の画像を断続的に採取し、採取した画像から鋼管の長手方向の輝度分布を求めたチャートである。本例では、図10に示すように、管周方向の輝度最大値を長手方向(管軸方向)の各位置で求めることにより長手方向の輝度分布を算出した。このようにして図9に示すチャートを求め、輝度を閾値と比較することにより表面欠陥を検出することができる。
[0045]
 表面欠陥が検出された鋼管の長手方向位置は、画像を採取したピッチと輝度分布内における表面欠陥の長手方向位置とから求めることができる。表面欠陥が検出された鋼管の長手方向位置がわかるので、複数の表面欠陥が検出された場合、それぞれの長手方向位置から表面欠陥の検出位置に周期性があるか否かを判定することができる。また、判定の結果、表面欠陥の検出位置に周期性がある場合には、その周期(長手方向で連続的に表れる距離、図9に示す例では周期2.3m)がわかる。
[0046]
 検出位置に周期性がある表面欠陥は圧延ロールや搬送ロールに起因するものであるから、その周期に対応する直径を有するロールが表面欠陥の発生原因となる。ロールの直径は、図1におけるピアサー3、マンドレルミル4、レデューサ6、及び図示されていない搬送ロールの直径と異なるので、圧延に伴う鋼管の伸びも考慮することによって表面欠陥の発生原因を特定できる。
[0047]
 一方、検出位置に周期性がない表面欠陥は、ロールに起因するものではなく、製鋼段階で表層部に入り込んだ介在物や表層組織に起因するものと特定できる。具体的には、検出位置に周期性がない表面欠陥は、表面から0.1~2mm程度の深さにある欠陥を指しており、ブローホール、連続鋳造におけるモールドパウダの巻き込みやその他酸化物の圧延中の表面折れ込みによってラップ上に含まれてしまった欠陥を指している。
[0048]
 このようにして表面欠陥の発生原因を特定できるので、検出位置に周期性がある表面欠陥の場合は、鋼管製造プロセスの製造条件を変更する。具体的には、その発生原因のロール表面をチェックして異常のあるロールを交換することによって、表面欠陥が発生しないように対策をとることができる。一方、検出位置に周期性がない表面欠陥の場合は、製鋼段階での操業条件を変更する。具体的には、鋳造速度、使用するパウダー種類、湯面変動の許容値、モールド内電磁攪拌の設定値、浸漬ノズル形状等を見直すことで対策をとることができる。
[0049]
 このように、本発明に係る鋼管の表面欠陥検査装置を用いることによって、表面欠陥の発生原因を圧延直後にすぐに特定できるので、大量不適合を出すことなく表面品質に優れる鋼管を製造することができる。
[0050]
 以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、本実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述により限定されるものではない。すなわち、本実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。

産業上の利用可能性

[0051]
 本発明によれば、熱間で自発光画像を用いて鋼管の表面欠陥を探傷するための鋼管の表面検査方法、表面検査装置、製造システム、欠陥発生部位特定方法、及び製造方法を提供することができる。

符号の説明

[0052]
 1 製造システム
 2 加熱炉
 3 ピアサー(穿孔機)
 4 マンドレルミル
 5 再加熱炉
 6 レデューサ
 7 冷却床
 10 表面検査装置
 11 熱画像カメラ
 12 制御装置
 13 制御ケーブル

請求の範囲

[請求項1]
 熱間で鋼管の表面欠陥を探傷する鋼管の表面検査方法であって、
 熱間で鋼管の自発光画像を撮像する撮像ステップと、
 前記自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化して補正する補正ステップと、
 前記補正ステップで補正された自発光画像に基づいて表面欠陥を検出する検出ステップと、
 を含むことを特徴とする鋼管の表面検査方法。
[請求項2]
 前記自発光画像はレデューサの後面の位置で撮像されることを特徴とする請求項1に記載の鋼管の表面検査方法。
[請求項3]
 前記レデューサによる前記鋼管の減径率が110%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の鋼管の表面検査方法。
[請求項4]
 前記補正ステップにおいて、前記自発光画像の前記鋼管の長手方向の輝度を平均化した周方向輝度分布を用いて該自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の鋼管の表面検査方法。
[請求項5]
 前記補正ステップにおいて、前記鋼管の長手方向の位置を変えて撮像された複数枚の前記自発光画像の輝度の差分を用いて該自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の鋼管の表面検査方法。
[請求項6]
 前記撮像ステップにおいて、波長700nm以上の近赤外線から波長20μm以下の赤外線の帯域内を用いて前記自発光画像を撮像することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の鋼管の表面検査方法。
[請求項7]
 熱間で鋼管の表面欠陥を探傷する鋼管の表面検査装置であって、
 熱間で鋼管の自発光画像を撮像する撮像手段と、
 前記自発光画像の周方向の輝度ムラを均一化して補正する補正手段と、
 前記補正ステップで補正された自発光画像に基づいて表面欠陥を検出する検出手段と、
 を備えることを特徴とする鋼管の表面検査装置。
[請求項8]
 請求項7に記載の鋼管の表面検査装置を備えることを特徴とする鋼管の製造システム。
[請求項9]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の鋼管の表面検査方法を利用して鋼管の表面欠陥を探傷して検出し、表面欠陥の検出位置に周期性がある場合は鋼管製造プロセス中に表面欠陥の発生原因があると特定し、表面欠陥の検出位置に周期性がない場合には製鋼段階に表面欠陥の発生原因があると特定することを特徴とする鋼管の欠陥発生部位特定方法。
[請求項10]
 請求項9に記載の鋼管の欠陥発生部位特定方法を利用して特定された表面欠陥の発生原因に応じて、該表面欠陥が発生しないように鋼管製造プロセスの製造条件及び/又は製鋼段階での操業条件の変更を行うことを特徴とする鋼管の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3A]

[ 図 3B]

[ 図 3C]

[ 図 3D]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6A]

[ 図 6B]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]