国際・国内特許データベース検索
このアプリケーションの一部のコンテンツは現在ご利用になれません。
この状況が続く場合は、次のお問い合わせ先までご連絡ください。フィードバック & お問い合わせ
1. (WO2015136948) レーザ加工方法
Document

明 細 書

発明の名称 レーザ加工方法

技術分野

0001  

背景技術

0002  

発明の概要

0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : レーザ加工方法

技術分野

[0001]
 本発明は、ワークに溝加工用レーザ光を照射して所定深さの溝を形成するレーザ加工方法に関する。

背景技術

[0002]
 例えば、特開2000-288752号公報には、ワークにレーザ光を走査して所定深さの溝を形成するレーザ加工方法が記載されている。

発明の概要

[0003]
 しかしながら、レーザ光によりワークに溝を形成する場合、ワークの外表面における溝の開口部の周囲にバリ(残留物)が発生することがある。このようなバリは、製品の外観品質を低下させたり、ワークに求められる加工精度を満足できないことがある。なお、溝加工用のレーザ光によりバリを加工すると、溝幅(溝長)が大きくなると共に新たなバリが発生することがある。
[0004]
 本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、ワークの外表面における溝の開口部の周囲に発生したバリを除去することができ、外観品質に優れ、且つ加工精度が高い製品を得ることができるレーザ加工方法を提供することを目的とする。
[0005]
 本発明に係るレーザ加工方法は、ワークに溝加工用レーザ光を照射して所定深さの溝を形成する溝加工工程と、前記溝加工工程中に前記ワークの外表面における前記溝の開口部の周囲に発生したバリにトリム加工用レーザ光を照射して当該バリを加工するトリム加工工程と、を行い、前記バリに照射される前記トリム加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量は、前記ワークに照射される前記溝加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量よりも小さい、ことを特徴とする。
[0006]
 本発明に係るレーザ加工方法によれば、バリに照射されるトリム加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量をワークに照射される溝加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量よりも小さくしているので、ワークの外表面における溝の開口部の周囲に発生したバリを除去することができ、外観品質に優れ、且つ加工精度が高い製品を得ることができる。
[0007]
 上記のレーザ加工方法において、前記トリム加工工程では、前記溝を構成する溝底面よりも一回り大きいトリム加工領域の全面に前記トリム加工用レーザ光を走査してもよい。
[0008]
 このような方法によれば、ワークの外表面における溝の開口部の周囲に発生したバリを確実に除去することができると共に溝底面を平滑化することができる。これにより、外観品質に優れ、且つ加工精度が高い製品を効率的に得ることができる。
[0009]
 上記のレーザ加工方法において、前記トリム加工工程では、前記トリム加工領域の全面に前記トリム加工用レーザ光を連続的に走査してもよい。
[0010]
 このような方法によれば、トリム加工領域を複数の小領域に区分けして各小領域にトリム加工用レーザ光を個別に走査する場合と比較して、トリム加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
[0011]
 上記のレーザ加工方法において、前記トリム加工工程では、前記トリム加工領域の全面を前記トリム加工用レーザ光で複数回走査してもよい。
[0012]
 このような方法によれば、トリム加工領域に照射されるトリム加工用レーザ光の単位時間及び単位面積当たりのエネルギー量を比較的小さくすることができるので、トリム加工用レーザ光によるワークの焼けを抑えつつバリを除去することができる。
[0013]
 上記のレーザ加工方法において、前記トリム加工工程では、前記トリム加工領域の全面に前記トリム加工用レーザ光を走査した後で、当該トリム加工領域よりも一回り大きい領域の全面に当該トリム加工用レーザ光を走査してもよい。
[0014]
 このような方法によれば、トリム加工用レーザ光の照射によりバリが加工されて溝の外側に広がったとしても、当該バリの外側に広がった部位についてもトリム加工用レーザ光を確実に照射することができる。これにより、バリを確実に除去することができる。
[0015]
 上記のレーザ加工方法において、前記トリム加工工程では、前記バリに前記トリム加工用レーザ光を照射することにより形成されるバリ加工面を前記ワークの外表面よりも窪ませてもよい。
[0016]
 このような方法によれば、バリを一層確実に除去することができる。
[0017]
 上記のレーザ加工方法において、前記溝加工工程では、前記ワークに第1溝加工用レーザ光を照射して予備溝を形成するプレ加工工程と、前記予備溝の溝深さが前記所定深さになるように当該予備溝を構成する溝底面に第2溝加工用レーザ光を照射して当該溝底面を加工するメイン加工工程と、を行い、前記ワークに照射される前記第1溝加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量は、前記バリに照射される前記トリム加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量よりも大きく、且つ前記溝底面に照射される前記第2溝加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量よりも小さくてもよい。
[0018]
 このような方法によれば、プレ加工工程とメイン加工工程により所定深さの溝を形成するので、プレ加工工程中にワークの外表面における溝の開口部の周囲に発生したバリがメイン加工工程中に高くなることを抑えることができる。すなわち、プレ加工工程を行わず、ワークに第2溝加工用レーザ光を照射して所定深さの溝を形成する場合と比較して、バリの高さを低くすることができる。よって、比較的深い溝を形成する場合であっても、トリム加工工程によるバリの除去を容易に行うことができる。
[0019]
 上記のレーザ加工方法において、前記溝加工工程では、所定の溝加工領域の全面に前記溝加工用レーザ光を連続して走査してもよい。
[0020]
 このような方法によれば、溝加工領域を複数の小領域に区分けして各小領域に溝加工用レーザ光を個別に走査する場合と比較して溝加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
[0021]
 本発明によれば、バリに照射されるトリム加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量をワークに照射される溝加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量よりも小さくしているので、バリを除去することができ、外観品質に優れ、且つ加工精度が高い製品を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 本発明に係るレーザ加工方法に用いられるレーザ加工装置の模式図である。
[図2] 前記レーザ加工方法を説明するためのフローチャートである。
[図3] 図3Aはプレ加工工程を説明するワークの平面図であり、図3Bはプレ加工工程により得られるワークの縦断面図であり、図3Cはメイン加工工程を説明するワークの平面図であり、図3Dはメイン加工工程により得られるワークの縦断面図である。
[図4] 図4Aは第1~第3トリム加工工程を説明するワークの平面図であり、図4Bは第1トリム加工工程により得られるワークの縦断面図であり、図4Cは第2トリム加工工程により得られるワークの縦断面図であり、図4Dは第3トリム加工工程により得られる製品の縦断面図である。
[図5] 図4Dに示す製品の斜視図である。

発明を実施するための形態

[0023]
 以下、本発明に係るレーザ加工方法についてそれに用いられるレーザ加工装置との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[0024]
 図1に示すように、レーザ加工装置10は、ワークWの外表面にレーザ光Lを集光照射して溝(深溝)38を形成するためのものであって、ワークWが載置される加工テーブル12と、ワークWに所定のレーザ光Lを照射するためのレーザ加工装置本体14とを備える。
[0025]
 ワークWは、例えば、SPCC(冷間圧延鋼板)やSUS304(ステンレス鋼)等の金属板を用いることができる。ただし、ワークWの形状、材質等は任意に選択し得る。加工テーブル12は、ワークWを所定の姿勢で固定可能に構成されている。また、加工テーブル12は、例えば、図示しない駆動手段によってワークWに照射されるレーザ光Lの光軸と直交する平面に沿ってレーザ加工装置本体14に対して移動可能であってもよい。
[0026]
 レーザ加工装置本体14は、所定波長のレーザ光Lを発振するレーザ発振器16と、レーザ発振器16から発振されたレーザ光LをワークWの外表面に走査するためのガルバノスキャナ18と、ガルバノスキャナ18から導かれたレーザ光Lを集光するfθレンズ20と、制御部22とを備える。
[0027]
 本実施形態では、レーザ発振器16は、いわゆる、ファイバレーザ発振器として構成されている。ただし、レーザ発振器16は、ファイバレーザ発振器に限定されることはなく、YAGレーザ発振器、CO 2レーザ発振器、半導体レーザ発振器、又はエキシマレーザ発振器等の種々のレーザ発振器を採用し得る。また、本実施形態では、レーザ発振器16はパルスレーザ光を発振するが、連続レーザ光を発振しても構わない。
[0028]
 ガルバノスキャナ18は、レーザ光LをX方向(図1の左右方向)に走査する第1ミラー24と、レーザ光LをY方向(図1の紙面と直交する方向)に走査する第2ミラー26とを有する。第1ミラー24及び第2ミラー26のそれぞれは、制御部22にて駆動制御される図示しないモータの作用下に回動可能に構成されている。fθレンズ20は、第2ミラー26から導かれたレーザ光LをワークWに集光照射する。
[0029]
 制御部22は、図示しない入力手段によりレーザ加工装置本体14に入力されるレーザ加工条件(ワークWの形状及び材質等)に基づいてレーザ発振器16及びガルバノスキャナ18を制御する。具体的には、制御部22は、レーザ発振器16を制御することによりLD(Laser Diode)電流値及びパルス繰り返し周波数等を調整し、ガルバノスキャナ18の上記モータを制御することによりスキャン速度を調整する。
[0030]
 このように、制御部22は、LD電流値、パルス繰り返し周波数、及びスキャン速度等のパラメータを調整することにより、ワークWに照射されるレーザ光L(第1溝加工用レーザ光L1、第2溝加工用レーザ光L2、及びトリム加工用レーザ光L3)の単位面積当たりのエネルギー量を変更することができる。
[0031]
 本実施形態に係るレーザ加工装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、レーザ加工装置10を用いたレーザ加工方法について説明する。ここでは、レーザ加工装置10を用いて金属板であるワークWに平面視で矩形状の溝38を形成するレーザ加工方法について説明する。
[0032]
 先ず、準備工程として、ワークWの所定の溝加工領域30がレーザ光Lの照射範囲内に位置するようにワークWを所定姿勢で加工テーブル12に固定する。
[0033]
 続いて、ワークWに所定深さの溝38を形成する溝加工工程を行う。本実施形態の溝加工工程は、プレ加工工程とメイン加工工程とからなる。プレ加工工程では、ワークWにおける溝加工領域30に第1溝加工用レーザ光L1を照射して予備溝32を形成する(図2のステップS1、図3A及び図3B参照)。具体的には、溝加工領域30の全面に第1溝加工用レーザ光L1を連続的に複数回走査することにより予備溝32を形成する。
[0034]
 本実施形態におけるプレ加工工程では、第1溝加工用レーザ光L1を溝加工領域30の短手方向に所定ピッチPずらしながら長手方向に沿って直線状に連続的に複数回往復走査する(図3Aの実線矢印を参照)。なお、図3Aの実線矢印は、第1溝加工用レーザ光L1のスポットの動き(走査パターン)を示している。後述する図3Cの実線矢印についても同様である。
[0035]
 溝加工領域30の短手方向に隣接する走査ラインのピッチ(間隔)Pは、例えば、ワークWに照射される第1溝加工用レーザ光L1のスポット径(直径)よりも小さく設定される。この場合、溝加工領域30の短手方向に隣接する走査ラインの中間部においても第1溝加工用レーザ光L1が照射されるため、溝加工領域30の全面を確実に加工することができる。ただし、走査ラインのピッチPは、任意に設定し得る。
[0036]
 第1溝加工用レーザ光L1の走査パターンは、上述した図3Aの例に限定されず、任意に設定可能である。例えば、第1溝加工用レーザ光L1を溝加工領域30の長手方向に所定ピッチPずらしながら短手方向に沿って直線状に複数回往復走査してもよいし、第1溝加工用レーザ光L1を溝加工領域30の全面に渦巻き状に連続的に走査してもよい。後述する第2溝加工用レーザ光L2及びトリム加工用レーザ光L3の走査パターンについても同様である。
[0037]
 溝加工領域30の全面に第1溝加工用レーザ光L1を走査する回数(重ね書き回数)は、任意に設定可能であり、例えば、5~15回に設定し得る。第1溝加工用レーザ光L1の焦点は、ワークWの外表面に設定されている。これにより、予備溝32を効率的に加工することができる。ただし、ワークWに対する第1溝加工用レーザ光L1の焦点位置は、任意に設定可能である。
[0038]
 このようなプレ加工工程では、第1溝加工用レーザ光L1により溶融した金属がワークWの外表面における予備溝32の開口部の周囲に付着固化することによりバリ(残留物)34が発生する(図3B参照)。プレ加工工程で形成される予備溝32の溝深さは、バリ34の高さと略同一であると共に溝38の目標深さの略半分の深さになっている。
[0039]
 次に、メイン加工工程において、予備溝32の溝深さが所定深さとなるように予備溝32を構成する溝底面36に第2溝加工用レーザ光L2を照射して当該溝底面36を加工する(ステップS2、図3C及び図3D参照)。具体的には、予備溝32の溝底面36の全面に第2溝加工用レーザ光L2を連続的に複数回走査する。
[0040]
 本実施形態におけるメイン加工工程の第2溝加工用レーザ光L2の走査パターンは、上述したプレ加工工程における第1溝加工用レーザ光L1の走査パターンと同じである。なお、後述する第1~第3トリム加工工程におけるトリム加工用レーザ光L3の走査パターンについても同様である。ただし、プレ加工工程の第1溝加工用レーザ光L1の走査パターン、メイン加工工程の第2溝加工用レーザ光L2の走査パターン、及び第1~第3トリム加工工程のトリム加工用レーザ光L3の走査パターンは、互いに異なっていてもよい。
[0041]
 このメイン加工工程では、例えば、第1溝加工用レーザ光L1と比較してLD電流値及びスキャン速度を変更することなく繰り返し周波数を小さく設定することにより、予備溝32の溝底面36に照射される第2溝加工用レーザ光L2の単位面積当たりのメイン加工エネルギー量をワークWの外表面に照射される第1溝加工用レーザ光L1の単位面積当たりのプレ加工エネルギー量よりも大きくしている。そのため、予備溝32を構成する溝底面36を効率的に加工することができる。
[0042]
 予備溝32の溝底面36の全面に第2溝加工用レーザ光L2を走査する回数(重ね書き回数)は、任意に設定可能であり、例えば、10~20回に設定し得る。
[0043]
 第2溝加工用レーザ光L2の焦点は、ワークWの外表面に設定されている。この場合、プレ加工工程とメイン加工工程とで焦点位置の調整をする必要がないためレーザ加工の制御を簡素化することができる。ただし、ワークWに対する第2溝加工用レーザ光L2の焦点位置は、任意の位置に設定可能であり、例えば、溝底面36に設定しても構わない。
[0044]
 このようなメイン加工工程では、予備溝32の溝底面36が第2溝加工用レーザ光L2で加工されて所定深さの溝38は形成される。このとき、第2溝加工用レーザ光L2により溶融した金属は、プレ加工工程中に発生したバリ34に付着することはなく、例えば、予備溝32を構成する溝側面等に付着固化する。そのため、メイン加工工程において、プレ加工工程中に発生したバリ34が高くなることはない。
[0045]
 その後、溝加工工程で発生したバリ34を加工すると共に溝38を構成する溝底面40を平滑化するトリム加工工程を行う。本実施形態のトリム加工工程は、第1トリム加工工程、第2トリム加工工程、及び第3トリム加工工程からなる。
[0046]
 第1トリム加工工程では、メイン加工工程で形成された溝38の溝底面40よりも一回り大きい第1トリム加工領域42の全面にトリム加工用レーザ光L3を連続的に複数回走査することによりバリ34及び溝底面40を加工する(ステップS3、図4A及び図4B参照)。なお、第1トリム加工領域42は、四角環状のバリ34が含まれる大きさに設定されている。
[0047]
 この第1トリム加工工程では、例えば、第1溝加工用レーザ光L1と比較してLD電流値を小さく設定すると共にパルス繰り返し周波数及びスキャン速度を大きく設定することにより、第1トリム加工領域42(バリ34)に照射されるトリム加工用レーザ光L3の単位面積当たりのトリム加工エネルギー量をプレ加工エネルギー量よりも小さくしている。そのため、バリ34を段階的に加工すると共に溝底面40を平滑化することが可能となる。
[0048]
 第1トリム加工領域42の全面にトリム加工用レーザ光L3を走査する回数(重ね書き回数)は、任意に設定可能であり、例えば、2~5回に設定し得る。第1トリム加工工程におけるトリム加工用レーザ光L3の焦点は、ワークWの外表面に設定されている。この場合、バリ34を効率的に加工することができると共に溝加工工程と第1トリム加工工程とで焦点位置の調整をする必要がないためレーザ加工の制御を簡素化することができる。ただし、ワークWに対するトリム加工用レーザ光L3の焦点位置は、任意に設定可能である。
[0049]
 このような第1トリム加工工程では、溝38の溝底面40よりも一回り大きい第1トリム加工領域42にトリム加工用レーザ光L3を照射しているので、バリ34の外側の領域へのトリム加工用レーザ光L3の照射を抑えつつトリム加工用レーザ光L3をバリ34に確実に照射することができる。これにより、トリム加工用レーザ光L3によりバリ34が加工されて溝38の外側に広がると共に溝底面40が平滑化される。
[0050]
 続いて、第2トリム加工工程において、第1トリム加工領域42よりも一回り大きい第2トリム加工領域44の全面にトリム加工用レーザ光L3を連続的に複数回走査することによりバリ34及び溝底面40をさらに加工する(ステップS4、図4A及び図4C参照)。第2トリム加工領域44は、第1トリム加工工程により加工されたバリ34が含まれるように設定される。
[0051]
 この第2トリム加工工程では、加工領域が第1トリム加工領域42よりも広くなる以外は上述した第1トリム加工工程と同じ処理を行う。そのため、詳細な説明は省略する。
[0052]
 このような第2トリム加工工程では、第1トリム加工領域42よりも一回り大きい第2トリム加工領域44にトリム加工用レーザ光L3を照射しているので、バリ34の外側の領域へのトリム加工用レーザ光L3の照射を抑えつつ第1トリム加工工程で溝38の外側に広がったバリ34にトリム加工用レーザ光L3を確実に照射することができる。これにより、バリ34が加工されてさらに低くなって溝38の外側に広がると共に溝底面40がさらに平滑化される。
[0053]
 次に、第3トリム加工工程において、第2トリム加工領域44よりも一回り大きい第3トリム加工領域46の全面にトリム加工用レーザ光L3を連続的に複数回走査することによりバリ34及び溝底面40をさらに加工する(ステップS5、図4A及び図4D参照)。第3トリム加工領域46は、第2トリム加工工程により加工されたバリ34が含まれるように設定される。
[0054]
 この第3トリム加工工程では、加工領域が第2トリム加工領域44よりも広くなる以外は上述した第2トリム加工工程と同じ処理を行う。そのため、詳細な説明は省略する。
[0055]
 このような第3トリム加工工程では、第2トリム加工領域44よりも一回り大きい第3トリム加工領域46にトリム加工用レーザ光L3を照射しているので、バリ34の外側の領域へのトリム加工用レーザ光L3の照射を抑えつつ第2トリム加工工程で溝38の外側に広がったバリ34にトリム加工用レーザ光L3を確実に照射することができる。これにより、バリ34が完全に除去されると共に溝底面40が一層平滑化される。
[0056]
 このとき、バリ34を加工して形成されるバリ加工面48はワークWの外表面よりも窪ませることができる。バリ加工面48の深さ寸法は、溝38の深さ寸法よりも充分に小さく、例えば、溝38の深さ寸法の10%以下となる。これにより、外表面にバリ34のない所定深さの溝38が形成された高品質の製品50が加工されるに至る(図5参照)。
[0057]
 本実施形態によれば、ワークWに溝加工用レーザ光(第1溝加工用レーザ光L1及び第2溝加工用レーザ光L2)を照射して所定深さの溝38を形成する溝加工工程と、溝加工工程中にワークWの外表面における溝38の開口部の周囲に発生したバリ34にトリム加工用レーザ光L3を照射してバリ34を加工するトリム加工工程とを行っている。
[0058]
 そして、バリ34に照射されるトリム加工用レーザ光L3の単位面積当たりのトリム加工エネルギー量をワークWに照射される溝加工用レーザ光の単位面積当たりのエネルギー量(プレ加工エネルギー量及びメイン加工エネルギー量)よりも小さくしている。そのため、ワークWの外表面における溝38の開口部の周囲に発生したバリ34を除去することができ、外観品質に優れ、且つ加工精度が高い製品50を得ることができる。
[0059]
 また、溝加工工程では、ワークWに第1溝加工用レーザ光L1を照射して予備溝32を形成するプレ加工工程と、予備溝32の溝38深さが所定深さになるように予備溝32を構成する溝底面36に第2溝加工用レーザ光L2を照射して溝底面36を加工するメイン加工工程とを行っている。
[0060]
 さらに、ワークWに照射される第1溝加工用レーザ光L1の単位面積当たりのプレ加工エネルギー量をトリム加工エネルギー量よりも大きく、且つ予備溝32の溝底面36に照射される第2溝加工用レーザ光L2の単位面積当たりのメイン加工エネルギー量よりも小さくしている。
[0061]
 そのため、プレ加工工程中にワークWの外表面における溝38の開口部の周囲に発生したバリ34がメイン加工工程中に高くなることを抑えることができる。すなわち、プレ加工工程を行わず、ワークWに第2溝加工用レーザ光L2を照射して所定深さの溝38を形成する場合と比較して、バリ34の高さを低くすることができる。よって、比較的深い溝38を形成する場合であっても、トリム加工工程によるバリ34の除去を容易に行うことができる。
[0062]
 本実施形態によれば、プレ加工工程において、所定の溝加工領域30の全面に第1溝加工用レーザ光L1を連続して走査しているので、溝加工領域30を複数の小領域に区分けして各小領域に第1溝加工用レーザ光L1を個別に走査する場合と比較してプレ加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
[0063]
 また、メイン加工工程において、予備溝32の溝底面36の全面に第2溝加工用レーザ光L2を連続して走査しているので、当該溝底面36を複数の小領域に区分けして各小領域に第2溝加工用レーザ光L2を個別に走査する場合と比較してメイン加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
[0064]
 本実施形態によれば、トリム加工工程では、第1~第3トリム加工工程を行っている。そして、第1トリム加工工程では、メイン加工工程で形成された溝38を構成する溝底面40よりも一回り大きい第1トリム加工領域42の全面にトリム加工用レーザ光L3を走査している。そのため、ワークWの外表面における溝38の開口部の周囲に発生したバリ34を確実に除去することができると共に溝底面40を平滑化することができる。よって、外観品質に優れ、且つ加工精度が高い製品50を効率的に得ることができる。
[0065]
 また、第2トリム加工工程では、第1トリム加工領域42よりも一回り大きい第2トリム加工領域44の全面にトリム加工用レーザ光L3を走査し、第3トリム加工工程では、第2トリム加工領域44よりも一回り大きい第3トリム加工領域46の全面にトリム加工用レーザ光L3を走査している。これにより、トリム加工用レーザ光L3の照射によりバリ34が加工されて溝38の外側に広がったとしても、当該バリ34の外側に広がった部位についてもトリム加工用レーザ光L3を確実に照射することができる。従って、バリ34をより確実に除去することができる。
[0066]
 さらに、トリム加工工程では、第1~第3トリム加工領域42、44、46の全面にトリム加工用レーザ光L3を連続して走査しているので、第1~第3トリム加工領域42、44、46を複数の小領域に区分けして各小領域にトリム加工用レーザ光L3を個別に走査する場合と比較してトリム加工工程のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
[0067]
 さらにまた、第1~第3トリム加工領域42、44、46の全面にトリム加工用レーザ光L3を複数回走査しているので、第1~第3トリム加工領域42、44、46に照射されるトリム加工用レーザ光L3の単位時間及び単位面積当たりのトリム加工エネルギー量を比較的小さくすることができる。よって、トリム加工用レーザ光L3によるワークWの焼けを抑えつつバリ34を除去することができる。
[0068]
 本発明に係るレーザ加工方法は、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の方法を採り得ることはもちろんである。
[0069]
 上述の実施形態では、図4Dに示すように、第3トリム加工工程においてバリ34を完全に除去したあとのバリ加工面48がワークWの外表面よりも窪むように形成している。しかしながら、ワークWの外観又は精度において問題ない程度であればバリ34や盛り上がりが残っていてもよい。なお、バリ加工面48とワークWの外表面とが平滑な同一面となっていることが、外観及び精度の面においてより望ましい。
[0070]
 また、溝加工領域の全面に第1溝加工用レーザ光を走査する回数、予備溝の溝底面の全面に第2溝加工用レーザ光を走査する回数、及び第1~第3トリム加工領域の全面にトリム加工用レーザ光を走査する回数のそれぞれは、複数回ではなく1回であってもよい。この場合、サイクルタイムの一層の短縮化を図ることができる。
[0071]
 また、溝加工工程では、プレ加工工程を行わずにメイン加工工程のみを行ってもよい。この場合、例えば、ワークWに第2溝加工用レーザ光(溝加工用レーザ光)を照射することにより所定深さの溝38が形成されることとなるため、溝加工工程のサイクルタイムを短縮化することができる。
[0072]
 また、トリム加工工程では、トリム加工用レーザ光を溝加工工程で形成された溝を構成する溝底面に照射することなくバリに照射しても構わない。また、トリム加工工程では、第1トリム加工工程及び第2トリム加工工程の少なくともいずれか一方を行わずに第3トリム加工工程を行ってもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 ワーク(W)に溝加工用レーザ光(L1、L2)を照射して所定深さの溝(38)を形成する溝加工工程と、
 前記溝加工工程中に前記ワーク(W)の外表面における前記溝(38)の開口部の周囲に発生したバリ(34)にトリム加工用レーザ光(L3)を照射して当該バリ(34)を加工するトリム加工工程と、を行い、
 前記バリ(34)に照射される前記トリム加工用レーザ光(L3)の単位面積当たりのエネルギー量は、前記ワーク(W)に照射される前記溝加工用レーザ光(L1、L2)の単位面積当たりのエネルギー量よりも小さい、
 ことを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項2]
 請求項1記載のレーザ加工方法において、
 前記トリム加工工程では、前記溝(38)を構成する溝底面(40)よりも一回り大きいトリム加工領域の全面に前記トリム加工用レーザ光(L3)を走査することを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項3]
 請求項2記載のレーザ加工方法において、
 前記トリム加工工程では、前記トリム加工領域の全面に前記トリム加工用レーザ光(L3)を連続的に走査することを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項4]
 請求項2記載のレーザ加工方法において、
 前記トリム加工工程では、前記トリム加工領域の全面を前記トリム加工用レーザ光(L3)で複数回走査することを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項5]
 請求項2記載のレーザ加工方法において、
 前記トリム加工工程では、前記トリム加工領域の全面に前記トリム加工用レーザ光(L3)を走査した後で、当該トリム加工領域よりも一回り大きい領域の全面に当該トリム加工用レーザ光(L3)を走査することを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項6]
 請求項1記載のレーザ加工方法において、
 前記トリム加工工程では、前記バリ(34)に前記トリム加工用レーザ光(L3)を照射することにより形成されるバリ加工面(48)を前記ワーク(W)の外表面よりも窪ませることを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項7]
 請求項1記載のレーザ加工方法において、
 前記溝加工工程では、前記ワーク(W)に第1溝加工用レーザ光(L1)を照射して予備溝(32)を形成するプレ加工工程と、
 前記予備溝(32)の溝深さが前記所定深さになるように当該予備溝(32)を構成する溝底面(36)に第2溝加工用レーザ光(L2)を照射して当該溝底面(36)を加工するメイン加工工程と、を行い、
 前記ワーク(W)に照射される前記第1溝加工用レーザ光(L1)の単位面積当たりのエネルギー量は、前記バリ(34)に照射される前記トリム加工用レーザ光(L3)の単位面積当たりのエネルギー量よりも大きく、且つ前記溝底面(36)に照射される前記第2溝加工用レーザ光(L2)の単位面積当たりのエネルギー量よりも小さいことを特徴とするレーザ加工方法。
[請求項8]
 請求項1記載のレーザ加工方法において、
 前記溝加工工程では、所定の溝加工領域(30)の全面に前記溝加工用レーザ光(L1、L2)を連続して走査することを特徴とするレーザ加工方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]