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1. (WO2015136864) 発電装置
Document

明 細 書

発明の名称 発電装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009  

発明の開示

0010   0011   0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 発電装置

技術分野

[0001]
 本発明は、発電装置に関し、より詳細には、流体励起振動を利用して発電する流体振動発電装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、振動エネルギを電気エネルギに変換する発電装置は、環境発電等の分野で注目されている。
[0003]
 この種の発電装置としては、例えば、図4A、4B及び4Cに示す構成の発電装置201が提案されている(日本国特許出願公開番号2012-97673を参照(以下、文献1と称する))。
[0004]
 発電装置201は、ベース211と、圧電素子214が固着されたリード213と、を有する。
[0005]
 ベース211は、矩形の窓212が形成されたプレート215を有する。窓212のサイズは、図4Aに示すように、平面視において、窓212に面したリード213よりも一回り大きく、窓212の縁部とリード213との間には、気体F1(図4C参照)が通過するわずかな隙間が形成されている。
[0006]
 リード213は、板厚方向に屈曲振動可能な可撓性を有している。例えば、リード213は、FRP等で形成されたフレキシブルプリント基板である。リード213は、一方の端部231が、プレート215の上面に固定され、他方の端部232が、窓212を自由に出入りできるように窓212に面して位置付けられている。
[0007]
 また、リード213は、図4Bに示すように、端部232が窓212の外側(気体F1が流れ込んでくる側)に位置するように、プレート215の上面に対してわずかに傾斜している(上がっている)。
[0008]
 圧電素子214は、バイモルフ圧電素子であり、図4B及び4Cに示すように、リード213の表裏両面に固着されている。文献1には、圧電素子214が、リード213の表面及び裏面の一方に固着されたユニモルフ圧電素子でもよい旨が記載されている。
[0009]
 流体振動発電装置の技術分野においては、発電装置201に限らず、発電効率の更なる向上が求められている。

発明の開示

[0010]
 本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、発電効率の向上を図ることが可能な発電装置を提供することにある。
[0011]
 本発明の一の形態に係る発電装置は、ベースと、発電素子と、を備える。前記ベースは、枠状の支持部と、前記支持部の内側に配置され前記支持部に揺動自在に支持されたカンチレバー部と、前記支持部と前記カンチレバー部との間に形成される隙間(すなわち、隙間により構成される流路)と、を備える。前記発電素子は、平面視において前記ベースよりも小さく且つ可撓性を有する基板と、前記基板の表面上に形成された圧電変換部と、を備える。前記発電素子は、前記ベースに重ねて接合されている。前記発電素子は、平面視において、前記隙間から離れ且つ前記支持部と前記カンチレバー部とに跨って配置されている。前記カンチレバー部は、前記発電素子の垂直投影領域内に、前記カンチレバー部の厚さ方向に貫通する孔が形成されている。
[0012]
 本発明の上記形態に係る発電装置によれば、前記基板と前記圧電変換部とを備える前記発電素子が、前記支持部と前記カンチレバー部と前記隙間(流路)とを備える前記ベースに重ねて接合されており、平面視において、前記隙間(流路)から離れ且つ前記支持部と前記カンチレバー部とに跨って配置されている。これにより、本発明の上記形態に係る発電装置は、前記発電装置の中立面の位置を、前記発電装置の厚さ方向において、前記基板の中立面から前記カンチレバー部側へずらせるので、発電効率の向上を図ることが可能となる。また、本発明の上記形態に係る発電装置は、前記隙間(流路)の面積や形状が前記ベースと前記発電素子との相対的な位置精度によって変わるのを抑制可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となり、更に前記発電素子の小型化による低コストを図ることが可能となる。また、本発明の上記形態に係る発電装置は、前記カンチレバー部における前記発電素子の垂直投影領域内に、前記カンチレバー部の厚さ方向に貫通する孔が形成されているので、カンチレバー部の剛性を低くすることが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。

図面の簡単な説明

[0013]
 本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に記述する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記述および添付図面に関連して一層良く理解されるものである。
[図1] 図1Aは、実施形態の発電装置の概略平面図である。図1Bは、図1AのX-X概略断面図である。
[図2] 図2Aは、実施形態の発電装置におけるベースの概略平面図である。図2Bは、図2AのX-X概略断面図である。
[図3] 図3Aは、実施形態の発電装置における発電素子の概略平面図である。図3Bは、図3AのX-X概略断面図である。
[図4] 図4Aは、従来例の発電デバイスの概略平面図である。図4Bは、図4AのX-X概略断面図である。図4Cは、図4AのY-Y概略断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下では、本実施形態の発電装置1について図1A、1B、2A、2B、3A、3Bに基づいて説明する。
[0015]
 発電装置1は、ベース2と、発電素子3と、を備える。ベース2は、枠状の支持部21と、支持部21の内側に配置され支持部21に揺動自在に支持されたカンチレバー部22と、支持部21とカンチレバー部22との間に形成される隙間(すなわち、隙間により構成される流路23)と、を備える。発電素子3は、平面視においてベース2よりも小さく且つ可撓性を有する基板30と、基板30の表面30a上に形成された圧電変換部36と、を備える。発電素子3は、ベース2に重ねて接合されている。発電素子3は、平面視において、流路23から離れ且つ支持部21とカンチレバー部22とに跨って配置されている。カンチレバー部22は、発電素子3の垂直投影領域内に、カンチレバー部22の厚さ方向に貫通する孔24が形成されている。よって、発電装置1は、基板30と圧電変換部36とを備える発電素子3が、支持部21とカンチレバー部22と流路23とを備えるベース2に重ねて接合されており、平面視において、流路23から離れ且つ支持部21とカンチレバー部22とに跨って配置されている(特に、図1Bに示すように、カンチレバー部22の長さ方向において、発電素子3は流路23に対して比較的長い距離を空けて配置されている)。これにより、発電装置1は、発電装置1の中立面の位置を基板30の中立面からカンチレバー部22側へずらせるので、発電効率の向上を図ることが可能となる。また、発電装置1は、流路23の面積、形状等がベース2と発電素子3との相対的な位置精度によって変わるのを抑制可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となり、更に発電素子3の小型化による低コストを図ることが可能となる。また、発電装置1は、カンチレバー部22における発電素子3の垂直投影領域内に、カンチレバー部22の厚さ方向に貫通する孔24が形成されている。そのため、カンチレバー部22の剛性が低くなり、流体の流速がより低い場合、あるいは流体の流量がより少ない場合であっても、カンチレバー部22の振動を引き起こすことが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。
[0016]
 発電装置1の各構成要素については、以下に詳細に説明する。
[0017]
 ベース2は、例えば、金属基板により形成することができる。これにより、発電装置1は、ベース2においてカンチレバー部22の振動エネルギが減衰するのを抑制することが可能となる。金属基板の材料としては、対数減衰率の低い材料が好ましく、例えば、ステンレス鋼を採用することができる。ステンレス鋼としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼が好ましく、SUS304(18Cr-8Ni)等を挙げることができる。また、金属基板の材料は、ステンレス鋼に限らず、例えば、チタン、アルミニウム、真鍮、リン青銅、ベリリウム銅等を採用することもできる。
[0018]
 ベース2の流路23及び孔24については、例えば、金属基板に対してウェットエッチング加工を施すことにより形成することができる。ベース2ついては、金属基板に対して流路23を形成することにより、支持部21及びカンチレバー部22が形成される。
[0019]
 支持部21は、枠状の形状として、矩形枠状の形状を採用することが好ましい。つまり、支持部21は、外周形状が矩形状であるのが好ましい。これにより、発電装置1は、製造時に、多数個取りの金属基板からベース2を切り出すときに、材料歩留りの向上による低コスト化を図ることが可能となる。
[0020]
 ベース2は、カンチレバー部22が、平面視において支持部21の内側に配置されている。ベース2は、カンチレバー部22を囲む平面視U字状の流路23を形成することによって、カンチレバー部22における支持部21との連結部位以外の部分が、支持部21と分離されている。これにより、カンチレバー部22は、支持部21に片持ち支持されている。
[0021]
 ベース2は、流路23の最小幅が、20μm以上100μm以下であるのが好ましい。これにより、発電装置1は、流体の流速、流量等によらずカンチレバー部22の振動が起こりにくくなるのを抑制することが可能となる。また、発電装置1は、流路23の最小幅が、20μm以上100μm以下であることにより、流体励起振動の発生限界流速の低流速化を図ることが可能で、且つ、発電効率の向上を図ることが可能となる。
[0022]
 流体励起振動は、発電装置1を流れ場に配置した状態等において、流れ場を流れる流体が流路23を通過することによって発生するカンチレバー部22の振動である。この流体励起振動は、自励振動である。流体としては、例えば、空気、ガス、空気とガスとの混合気体、液体等が挙げられる。流体が気体の場合、流れ場としては、例えば、空調機の給気ダクトの内部や、空調機の排気ダクトの内部等が挙げられるが、特に限定するものではない。流体励起振動の発生限界流速とは、カンチレバー部22の自励振動が発生しうる流速の下限値を意味する。
[0023]
 流体を受けて自励振動するカンチレバー部22の発生限界流速は、カンチレバー部22の単位長さ当たりの質量の平方根に比例する。
[0024]
 発電装置1の動作の推定メカニズムについては、流路23を流体が通過するときにカンチレバー部22に作用する力と、カンチレバー部22及び基板30のばね性による復元力と、に起因して自励振動が起こる、と推定される。発電装置1は、流体の流れる方向とベース2の厚さ方向とが一致し、カンチレバー部22の表面22a側が流体の上流側、カンチレバー部22の裏面22b側が流体の下流側となるように配置して使用するのが好ましい。発電装置1では、上流側から発電装置1に向って流れる流体が流路23を通過する際に流速が速くなるので、カンチレバー部22の裏面22b側の圧力が下がり、カンチレバー部22が変位する。また、発電装置1では、上流側から発電装置1に向って流れる流体の力によって、カンチレバー部22が変位する。そして、発電装置1では、流体から受ける力よりもカンチレバー部22の復元力が大きくなると、カンチレバー部22が元の位置に戻る向きへ変位する、と推考される。発電装置1では、このような動作が繰り返されることでカンチレバー部22が自励振動し、圧電変換部36が発電する、と推考される。発電装置1の共振周波数は、カンチレバー部22の質量、剛性、基板30の質量、剛性等により決まる。なお、本実施形態の発電装置1は、仮に推定メカニズムが別であっても、本発明の範囲内である。
[0025]
 カンチレバー部22は、一対の梁部25と、錘部26と、を備え、各梁部25の長さ方向の第1端25aが支持部21に固定され、各梁部25の長さ方向の第2端25bが錘部26に固定されているのが好ましい。梁部25の長さ方向は、カンチレバー部22の長さ方向と同じ方向である。梁部25は、片持ち梁状に形成されている。カンチレバー部22は、梁部25の厚さと錘部26の厚さとを同じにしてあるが、これに限らない。例えば、カンチレバー部22は、梁部25の厚さを支持部21及び錘部6それぞれの厚さよりも薄くしてもよい。カンチレバー部22は、錘部26の厚さを支持部21及び梁部25それぞれの厚さよりも厚くしてもよい。
[0026]
 孔24は、例えば、図2Aに示すように開口形状を矩形状とすることができる。孔24の開口サイズは、平面視における発電素子3のサイズよりも小さい。ここで、孔24は、梁部25の長さ方向の全長に亘って形成されているのが好ましい。本実施形態のベース2は、1つの孔24を有しているが、孔の数が1つである場合に限らず、複数の孔を備えていてもよい。ベース2は、複数の孔を備える場合も、カンチレバー部22における発電素子3の垂直投影領域内に、全ての孔が形成されている。孔24の開口形状および上記複数の孔の開口形状は、矩形状に限らず、例えば、円形状や、矩形以外の多角形状でもよい。
[0027]
 発電素子3の製造方法に関しては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の製造技術等を利用して発電素子3を製造することができる。
[0028]
 基板30の外周形状は、矩形状であるのが好ましい。これにより、発電装置1の製造方法では、シリコンウェハに複数の発電素子3を形成する前工程を行った後に、後工程でダイシングを行う際の作業性を向上させることが可能となる。また、発電装置1の製造方法では、基板30の外周形状が矩形状であることにより、発電素子3のハンドリングや、ベース2に対する発電素子3の位置決め等が容易になる。
[0029]
 基板30は、シリコン基板31と、シリコン基板31の表面上に形成された絶縁膜32と、を備える。絶縁膜32は、電気絶縁性を有する。絶縁膜32は、例えば、シリコン酸化膜により構成することができる。絶縁膜32は、例えば、熱酸化法により形成することができる。絶縁膜32の形成方法は、熱酸化法に限らず、例えば、CVD法等でもよい。なお、絶縁膜32は、シリコン酸化膜のみで構成される場合に限らず、例えば、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜により構成してもよい。
[0030]
 発電素子3は、シリコン基板31と圧電変換部36とが、絶縁膜32によって、電気的に絶縁されている。
[0031]
 シリコン基板31の厚さは、50μmに設定してある。基板30の厚さは、50μmに限らず、例えば、20μm~100μmの範囲内で設定するのが好ましい。絶縁膜32の厚さは、1μmに設定してある。絶縁膜32の厚さは、1μmに限らず、例えば、0.5μm~3μmの範囲内で設定するのが好ましい。
[0032]
 圧電変換部36は、基板30の表面30a上に形成されている。圧電変換部36は、基板30の表面30a上に形成された第1電極33と、第1電極33上に形成された圧電体層34と、圧電体層34上に設けられた第2電極35と、を備える。要するに、圧電変換部36は、圧電体層34と、圧電体層34を厚さ方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極33及び第2電極35を備えている。
[0033]
 圧電体層34の圧電材料としては、PZT(Pb(Zr,Ti)O 3)を採用しているが、これに限らず、例えば、PZT-PMN(Pb(Mn,Nb)O 3)や、不純物を添加したPZTでもよい。また、圧電材料は、AlN、ZnO、KNN(K 0.5Na 0.5NbO 3)や、KN(KNbO 3)、NN(NaNbO 3)、KNNに不純物を添加した材料等でもよい。不純物としては、例えば、Li、Nb、Ta、Sb、Cu等を挙げることができる。圧電体層34が、圧電薄膜により構成されている。
[0034]
 第1電極33の材料としては、Ptを採用しているが、これに限らず、例えば、Au、Al、Ir等でもよい。また、第2電極35の材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。
[0035]
 発電素子3は、第1電極33の厚さを500nm、圧電体層34の厚さを3000nm、第2電極35の厚さを500nmに設定してあるが、これらの数値に限定するものではない。
[0036]
 発電素子3は、基板30と第1電極33との間に緩衝層(buffer layer)を設けた構造でもよい。緩衝層の材料は、圧電体層34の圧電材料に応じて適宜選択するのが好ましい。緩衝層の材料は、圧電体層34の圧電材料がPZTの場合、例えば、SrRuO 3、(Pb,La)TiO 3、PbTiO 3、MgO、LaNiO 3等を採用するのが好ましい。また、緩衝層は、例えば、Pt膜とSrRuO 3膜との積層膜により構成してもよい。発電素子3は、緩衝層を設けることにより、圧電体層34の結晶性を向上させることが可能となり、発電効率を向上させることが可能となる。
[0037]
 発電素子3は、第1パッド電極38と、第2パッド電極39と、を備える。第1パッド電極38及び第2パッド電極39は、基板30の表面30a上に形成されている。第1パッド電極38及び第2パッド電極39は、基板30の表面30aにおける支持部21の垂直投影領域内に配置されているのが好ましい。
[0038]
 第1パッド電極38は、第1導電部41を介して第1電極33と電気的に接続されている。第2パッド電極39は、第2導電部42を介して第2電極35と電気的に接続されている。第1導電部41、第2導電部42、第1パッド電極38及び第2パッド電極39の材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。また、第1導電部41、第2導電部42、第1パッド電極38及び第2パッド電極39の材料は、同じ材料に限らず、別々の材料を採用してもよい。また、第1導電部41、第2導電部42、第1パッド電極38及び第2パッド電極39は、単層構造に限らず、2層以上の多層構造でもよい。
[0039]
 また、発電装置1は、第2導電部42と第1電極33の周部との間に、第2導電部42と第1電極33との短絡を防止する絶縁層37を設けてある。絶縁層37は、シリコン酸化膜により構成してあるが、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。
[0040]
 発電装置1は、カンチレバー部22の振動によって圧電変換部36の圧電体層34が応力を受け第2電極35と第1電極33とに電荷の偏りが発生し、圧電変換部36において交流電圧が発生する。要するに、発電装置1は、圧電変換部36が圧電材料の圧電効果を利用して発電する。圧電変換部36で発生する交流電圧は、圧電体層34の振動に応じた正弦波状の交流電圧となる。
[0041]
 圧電体層34の平面形状は、矩形状に形成されている。圧電変換部36は、圧電体層34の外形サイズが、第1電極33の外形サイズよりもやや小さく、且つ、第2電極35の外形サイズよりもやや大きい、のが好ましい。ここで、圧電変換部36は、圧電変換領域36aを有する。圧電変換領域36aとは、基板30の厚さ方向において第1電極33と圧電体層34と第2電極35とが重なっている領域を意味する。圧電変換部36において、圧電変換領域36aが、交流電圧の発生に寄与する。
[0042]
 発電素子3の製造方法については、その一例について以下に簡単に説明する。
[0043]
 発電素子3の製造にあたっては、まず、シリコン基板31を準備し、その後、シリコン基板31上に絶縁膜32を形成することで基板30を形成する第1工程を行う。第1工程では、熱酸化法等を利用して、シリコン基板31上に絶縁膜32を形成する。第1工程では、熱酸化法に限らず、例えば、CVD法等を採用してもよい。
[0044]
 第1工程の後には、基板30の表面30a側の全面に、第1電極33及び第1導電部41の基礎となる第1導電層を形成する第2工程を行い、続いて、圧電体層34の基礎となる圧電材料層を形成する第3工程を行う。第2工程では、第1導電層を形成する方法として、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。第3工程では、圧電材料層を形成する方法として、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法やゾルゲル法等を採用してもよい。
[0045]
 第3工程の後には、圧電材料層を圧電体層34の所定の形状にパターニングする第4工程を行い、続いて、第1導電層を第1電極33及び第1導電部41の所定の形状にパターニングする第5工程を行う。第4工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して圧電材料層をパターニングする。また、第5工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第1導電層をパターニングする。
[0046]
 第5工程の後には、基板30の表面30a側に絶縁層37を形成する第6工程を行う。第6工程の後には、第2電極35及び第2導電部42の基礎となる第2導電層を基板30の表面30a側の全面に形成する第7工程を行う。第7工程の後には、第2導電層を第2電極35及び第2導電部42の所定の形状にパターニングする第8工程を行う。第6工程では、リフトオフ法を利用して絶縁層37を形成しているが、これに限らず、例えば、薄膜形成技術、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して絶縁層37を形成してもよい。第7工程では、第2導電層を形成する方法として、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。また、第8工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第2導電層をパターニングする。
[0047]
 第8工程の後には、第1パッド電極38及び第2パッド電極39の基礎となる第3導電層を、基板30の表面30a側の全面に形成する第9工程を行う。第9工程の後には、第3導電層を、第1パッド電極38及び第2パッド電極39の所定の形状にパターニングする第10工程を行う。
[0048]
 発電素子3の製造にあたっては、第10工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、ダイシング工程を行うことで個々の発電素子3に分割するようにしている。
[0049]
 発電素子3は、圧電変換部36が、上述の圧電変換領域36aを有し、カンチレバー部22の長さ方向における圧電変換領域36aの一端が、支持部21とカンチレバー部22との境界に揃うように配置されているのが好ましい。これにより、発電装置1は、カンチレバー部22の長さ方向における圧電変換領域36aの一端が境界よりもカンチレバー部22側にある場合に比べて、圧電変換領域36aの面積を大きくでき、発電効率を向上させることが可能となる。また、発電装置1は、カンチレバー部22の長さ方向における圧電変換領域36aの一端が境界よりも支持部21側にある場合に比べて、圧電変換領域36aのうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。ベース2の孔24は、圧電変換領域36aの垂直投影領域と揃う開口サイズで形成されているのが好ましい。
[0050]
 発電装置1は、支持部21、カンチレバー部22及び流路23を発電素子3とは別部材であるベース2に形成するので、発電素子3の基板30の基になるウェハとして、シリコンウェハを採用することが可能となる。よって、発電装置1は、発電素子3の基板30の基になるウェハとして、SOIウェハを採用する場合に比べて、低コスト化を図ることが可能となる。
[0051]
 発電素子3は、カンチレバー部22の長さ方向における基板30の第1端部301が支持部21に接合され、カンチレバー部22の長さ方向における基板30の第2端部302がカンチレバー部22に接合されているのが好ましい。これにより、発電装置1は、発電効率を向上させることが可能となる。ここで、発電素子3は、基板30において、第1端部301と第2端部302との間の部位上に圧電変換部36が形成されているのが好ましい。発電素子3は、基板30の第1端部301が、第1接合部51を介してベース2の支持部21に接合され、基板30の第2端部302が、第2接合部52を介してベース2のカンチレバー部22に接合された構成とすることができる。第1接合部51及び第2接合部52の材料としては、例えば、有機樹脂系のダイボンディング材料、AuSn半田、低融点ガラス等を採用することができる。有機樹脂系のダイボンディング材料としては、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を挙げることができる。
[0052]
 発電装置1は、支持部21の厚さが、カンチレバー部22の厚さよりも厚い構成としてもよい。これにより、発電装置1は、支持部21の剛性をより高くすることが可能となり、カンチレバー部22の振動エネルギが支持部21から散逸するのを抑制することが可能となる。よって、発電装置1は、発電効率の向上を図ることが可能となる。
[0053]
 発電素子3は、基板30における第1端部301及び第2端部302それぞれの厚さが、基板30における圧電変換部36の直下の部位の厚さよりも厚い構成としてもよい。これにより、発電装置1は、基板30における圧電変換部36直下の部位の振動エネルギが基板30の第1端部301及び第2端部302から散逸するのを抑制することが可能となる。よって、発電装置1は、発電効率の向上を図ることが可能となる。
[0054]
 発電装置1は、上述のように、カンチレバー部22が、梁部25と、錘部26と、を備える。ここで、発電装置1は、梁部25の長さ方向の第1端25aが支持部21に固定され、梁部25の長さ方向の第2端25bが錘部26に固定されており、発電素子3の基板30の第2端部302が錘部26に接合されているのが好ましい。発電装置1は、カンチレバー部22が錘部26を備えることにより、錘部26を備えていない場合に比べて、カンチレバー部22が振動するときの慣性力を大きくでき、カンチレバー部22の振幅を大きくすることが可能となる。また、発電装置1は、カンチレバー部22が錘部26を備えることにより、カンチレバー部22が振動するときに梁部25及び発電素子3に集中的に歪を発生させることが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。
[0055]
 ベース2は、金属基板により形成された構成に限らない。ベース2は、例えば、樹脂基板により形成されていてもよい。これにより、発電装置1は、ベース2が金属基板により形成されている場合に比べて、低コスト化を図ることが可能となる。樹脂基板の材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド等を採用することができる。
[0056]
 ところで、発電素子3は、上述のように、第1パッド電極38と、第2パッド電極39と、を備える。ここで、ベース2は、プリント基板により形成され、第1パッド電極38、第2パッド電極39がそれぞれ電気的に接続される第1導体部、第2導体部を備える構成としてもよい。これにより、発電装置1は、ベース2に、発電素子3が電気的に接続される電子部品等を実装して使用することが可能となる。
[0057]
 以上、本発明の構成を、実施形態等に基いて説明したが、本発明は、実施形態等の構成に限らず、例えば、実施形態等の部分的な構成を、適宜組み合わせてある構成であってもよい。また、実施形態等に記載した材料、数値等は、好ましいものを例示しているだけであり、それに限定するものではない。更に、本発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。

請求の範囲

[請求項1]
 ベースと、発電素子と、を備え、
 前記ベースは、枠状の支持部と、前記支持部の内側に配置され前記支持部に揺動自在に支持されたカンチレバー部と、前記支持部と前記カンチレバー部との間に形成される隙間と、を備え、
 前記発電素子は、平面視において前記ベースよりも小さく且つ可撓性を有する基板と、前記基板の表面上に形成された圧電変換部と、を備え、
 前記発電素子は、前記ベースに重ねて接合され、平面視において、前記隙間から離れ且つ前記支持部と前記カンチレバー部とに跨って配置され、
 前記カンチレバー部は、前記発電素子の垂直投影領域内に、前記カンチレバー部の厚さ方向に貫通する孔が形成されている、
 ことを特徴とする発電装置。
[請求項2]
 前記ベースは、金属基板により形成されている、
 ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
[請求項3]
 前記ベースは、樹脂基板により形成されている、
 ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
[請求項4]
 前記発電素子は、第1パッド電極と、第2パッド電極と、を備え、
 前記ベースは、プリント基板により形成され、前記第1パッド電極、前記第2パッド電極がそれぞれ電気的に接続される第1導体部、第2導体部を備える、
 ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
[請求項5]
 前記隙間の最小幅は、20μm以上100μm以下である、
 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発電装置。
[請求項6]
 前記圧電変換部は、圧電変換領域を有し、前記カンチレバー部の長さ方向における前記圧電変換領域の一端が、前記支持部と前記カンチレバー部との境界と揃うように配置されている、
 ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発電装置。
[請求項7]
 前記発電素子は、前記長さ方向における前記基板の第1端部が前記支持部に接合され、前記長さ方向における前記基板の第2端部が前記カンチレバー部に接合されている、
 ことを特徴とする請求項6記載の発電装置。
[請求項8]
 前記支持部の厚さが、前記カンチレバー部の厚さよりも厚い、
 ことを特徴とする請求項7記載の発電装置。
[請求項9]
 前記発電素子は、前記基板における前記第1端部及び前記第2端部それぞれの厚さが、前記基板における前記圧電変換部の直下の部位の厚さよりも厚い、
 ことを特徴とする請求項7又は8記載の発電装置。
[請求項10]
 前記カンチレバー部は、梁部と、錘部と、を備え、前記梁部の長さ方向の第1端が前記支持部に固定され、前記梁部の長さ方向の第2端が前記錘部に固定されており、
 前記発電素子は、前記基板の前記第2端部が前記錘部に接合されている、
 ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の発電装置。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2015年7月15日 ( 15.07.2015 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] ベースと、発電素子と、を備える発電装置であって、
 前記ベースは、枠状の支持部と、前記支持部の内側に配置され前記支持部に揺動自在に支持されたカンチレバー部と、前記支持部と前記カンチレバー部との間に形成される隙間と、を備え、
 前記発電素子は、平面視において前記ベースよりも小さく且つ可撓性を有する基板と、前記基板の表面上に形成された圧電変換部と、を備え、
 前記発電素子は、前記ベースに重ねて接合され、当該発電装置の中立面の位置が当該発電装置の厚さ方向において前記基板の中立面から前記カンチレバー部側へずらされるように、平面視における前記カンチレバー部の長さ方向において、前記隙間から所定の距離を空け、且つ前記支持部と前記カンチレバー部とに跨って配置され、
 前記カンチレバー部は、前記発電素子の垂直投影領域内に、前記カンチレバー部の厚さ方向に貫通する孔が形成されている、
 ことを特徴とする発電装置。
[2]
 前記ベースは、金属基板により形成されている、
 ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
[3]
 前記ベースは、樹脂基板により形成されている、
 ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
[4]
 前記発電素子は、第1パッド電極と、第2パッド電極と、を備え、
 前記ベースは、プリント基板により形成され、前記第1パッド電極、前記第2パッド電極がそれぞれ電気的に接続される第1導体部、第2導体部を備える、
 ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
[5]
 前記隙間の最小幅は、20μm以上100μm以下である、
 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発電装置。
[6]
 前記圧電変換部は、圧電変換領域を有し、前記カンチレバー部の長さ方向における前記圧電変換領域の一端が、前記支持部と前記カンチレバー部との境界と揃うように配置されている、
 ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発電装置。
[7]
 前記発電素子は、前記長さ方向における前記基板の第1端部が前記支持部に接合され、前記長さ方向における前記基板の第2端部が前記カンチレバー部に接合されている、
 ことを特徴とする請求項6記載の発電装置。
[8]
 前記支持部の厚さが、前記カンチレバー部の厚さよりも厚い、
 ことを特徴とする請求項7記載の発電装置。
[9]
 前記発電素子は、前記基板における前記第1端部及び前記第2端部それぞれの厚さが、前記基板における前記圧電変換部の直下の部位の厚さよりも厚い、
 ことを特徴とする請求項7又は8記載の発電装置。
[10]
 前記カンチレバー部は、梁部と、錘部と、を備え、前記梁部の長さ方向の第1端が前記支持部に固定され、前記梁部の長さ方向の第2端が前記錘部に固定されており、
 前記発電素子は、前記基板の前記第2端部が前記錘部に接合されている、
 ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の発電装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]