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1. (WO2015133633) 太陽電池モジュール用封止シートおよび太陽電池モジュール
Document

明 細 書

発明の名称 太陽電池モジュール用封止シートおよび太陽電池モジュール

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110  

符号の説明

0111  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 太陽電池モジュール用封止シートおよび太陽電池モジュール

技術分野

[0001]
 本発明は、太陽電池モジュール用封止シートおよび太陽電池モジュールに関する。本出願は、2014年3月7日に出願された日本国特許出願2014-045739号に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。

背景技術

[0002]
 光エネルギーを電力に変換する太陽電池モジュールは、クリーンな発電装置として幅広く利用されている。太陽電池モジュールは太陽電池セルを備えており、当該太陽電池セルは配線によって電気的に接続されている。この配線を通して、太陽電池セルにて発電された電気エネルギーは取り出され、上記モジュールの外部に供給される。この種の従来技術を開示する文献として特許文献1~6が挙げられる。特許文献1~4は、太陽電池セルの表面側にn型電極を部分的に配置し、裏面側にp型電極を配置するタイプの太陽電池モジュールに関するものであり、特許文献5,6は、裏面側に両電極が配置されたバックコンタクト方式を採用する太陽電池モジュールに関するものである。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特許出願公開2005-72115号公報
特許文献2 : 日本国特許出願公開2013-232496号公報
特許文献3 : 日本国公表特許公報2005-536894号
特許文献4 : 日本国特許出願公開2010-45402号公報
特許文献5 : 日本国特許出願公開2010-41009号公報
特許文献6 : 日本国特許出願公開2011-238849号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 表裏面に電極を有するタイプの太陽電池モジュールにおいて、例えば特許文献1,2に開示されている構成は、太陽電池セルの配線をはんだ等を用いて個別に接合しなければならず接続作業(以下、配線作業ともいう。)に手間と時間を要する。また、はんだ接合等のように接合の際に加熱を行う場合には、加熱によりセルの特性が低下したり、セルに反りや割れが生じる虞がある。はんだ接合ではフラックス汚染の問題もある。特許文献3,4に開示されている太陽電池モジュールも、導電経路となるワイヤーをはんだ接合しており、特許文献1,2と同様の問題を抱えている。またワイヤーは、封止部材とは異なる樹脂膜上の接着剤層に埋め込むという方法によって配置されている。この方法は部品点数や工程数が多く、生産効率の点で不利益が大きい。
[0005]
 本発明は、上記の事情に鑑みて創出されたものであり、太陽電池モジュールの配線作業性向上に加えて発電効率を効率よく向上させ得る太陽電池モジュール用封止シートを提供することを目的とする。また、本発明は、該封止シートを用いた太陽電池モジュールを提供することを他の目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明によると、太陽電池モジュールにおいて少なくとも1つの太陽電池セルを挟んで封止する一対の封止シートが提供される。この一対の封止シートは、前記少なくとも1つの太陽電池セルの表面側に配置される第1封止シートと、前記少なくとも1つの太陽電池セルの裏面側に配置される第2封止シートと、を備える。前記第1封止シートは、第1封止樹脂層と、該第1封止樹脂層の一方の表面に部分的に配置された第1導電部と、を備える。前記第2封止シートは、第2封止樹脂層と、該第2封止樹脂層の一方の表面に部分的に配置された第2導電部と、を備える。また、前記第1導電部の一部は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されている。前記第2導電部の一部は、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されている。そして、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電部の面積は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電部の面積よりも大きい。
 上記のように構成された一対の封止シートで太陽電池セルを挟むことによって、太陽電池セルの電気的接続は実現され得る。したがって、上記一対の封止シートを用いることによって、太陽電池モジュールの配線作業性を向上させることができる。また、裏面側に配置される第2封止シートの太陽電池セル対向領域における第2導電部を、表面側に配置される第1封止シートの太陽電池セル対向領域における第1導電部よりも大面積とすることによって、シャドーロスの増大を防止しつつ集電効率を向上させ得る。ここに開示される技術を適用することで、表面側と裏面側の導電部の構成(典型的には面積)を容易に異ならせることが可能となり、かかる構成を採用することによって、表裏面に電極を有するタイプの太陽電池モジュールにおける発電効率の向上が効率よく実現される。
[0007]
 ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記第1導電部は、少なくとも1つの第1導電パスを有する。前記少なくとも1つの第1導電パスは、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されており、かつ該領域内にて線状に延びる形状を有する。また、前記第2導電部は、少なくとも1つの第2導電パスを有する。前記少なくとも1つの第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されている。そして、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電パスの面積は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電パスの面積よりも大きい。このような構成の封止シートを用いることで、発電効率に優れる太陽電池モジュールが好ましく実現される。
[0008]
 好ましい一態様では、前記第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域内にて線状に延びる形状を有する。また、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電パスの数は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電パスの数よりも多い。このような構成の封止シートを用いることで、発電効率に優れる太陽電池モジュールが好ましく実現される。
[0009]
 他の好ましい一態様では、前記第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域にて線状に延びる形状を有する。また、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電パスの幅は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電パスの幅よりも大きい。このような構成の封止シートを用いることで、発電効率に優れる太陽電池モジュールが好ましく実現される。
[0010]
 さらに他の好ましい一態様では、前記第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域のほぼ全域に配置されている。このような構成の封止シートを用いることで、発電効率に特に優れる太陽電池モジュールが好ましく実現される。かかる態様においては、前記第2導電部は、前記第1導電部または取出し電極と接触可能な導電性接続部を有することが好ましい。このような構成の封止シートを用いることで、太陽電池モジュールの配線作業性を好ましく向上することができる。
[0011]
 ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記第1導電パスの一端には、該第1導電パスと交差する方向に帯状に延びる第1導電性接続部が配置されている。このような構成の封止シートを用いることで、太陽電池モジュールの配線作業性を好ましく向上することができる。
[0012]
 他の好ましい一態様では、前記第2導電パスの数が2以上である場合、該第2導電パスの一端には、該第2導電パスと交差する方向に帯状に延びて該2以上の第2導電パスと接続する第2導電性接続部が配置されている。このような構成の封止シートを用いることで、太陽電池モジュールの配線作業性を好ましく向上することができる。また、第2導電パスと第2導電性接続部とを接続することによって、一対の封止シートの生産性も向上する。
[0013]
 ここに開示される技術の好ましい一態様では、前記第1導電部および前記第2導電部は、ともに金属材料からなる。このように構成することで、集電効率に優れた太陽電池モジュールを効率よく製造することができる。
[0014]
 上記構成の一対の封止シートを用いることによって、太陽電池モジュール構築時における配線作業性が向上するとともに、構築された太陽電池モジュールの発電効率も向上する。したがって、本発明によると、少なくとも1つの太陽電池セルと、ここに開示されるいずれかの一対の封止シートと、を備える太陽電池モジュールが提供される。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 第1実施形態に係る第1封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[図2] 第1実施形態に係る第2封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[図3] 第1実施形態に係る太陽電池モジュールの主要部の構造を模式的に示す分解断面図である。
[図4] 第2実施形態に係る第2封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[図5] 第3実施形態に係る第2封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際に提供される製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
[0017]
 図1は第1実施形態に係る第1封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[0018]
 第1封止シート111は、太陽電池モジュールにおいて太陽電池セルを挟んで封止する一対の封止シート100の一方として利用される。なお、第1封止シート111および後述の第2封止シート112は、いずれも導電部を有することから、構造面から導電部付き封止シート、または機能面から集電性封止シートともいう。
[0019]
 第1封止シート111は、太陽電池セルの表面側に配置される導電部付き封止シートであり、図1に示すように、第1封止樹脂層121と、第1封止樹脂層121の一方の表面(具体的には太陽電池セル側表面)に部分的に配置された第1導電部131A,131Bと、を備える。
[0020]
 第1導電部131Aは第1導電パス133Aを有する。第1導電パス133Aは、太陽電池セルを封止するときに一の太陽電池セルの表面に対向する領域(太陽電池セル表面対向領域)10a’に存在する。また、第1導電パス133Aは、第1封止樹脂層121表面において直線状に延びる形状を有する。この実施形態では、第1導電部131Aは複数の第1導電パス133Aを有しており、複数の第1導電パス133Aは、第1封止樹脂層121表面において所定の間隔をおいて平行に配置されている。換言すると、第1封止樹脂層121表面における第1導電部131Aは、複数の第1導電パス133Aからなるストライプ状の第1導電パスパターンを有する。
[0021]
 複数の第1導電パス133Aはそれぞれ、太陽電池セル表面と対向接触する太陽電池セル対向部分134Aを有する。第1導電パス133Aはまた、その長手方向の一端側に太陽電池セルとは対向しない太陽電池セル非対向部分を有しており、この部分は後述の第1導電性接続部141Aと接続している。つまり、複数の第1導電パス133Aの各々の一端は、第1導電性接続部141Aと接続して固定端となっている。その一方で、複数の第1導電パス133Aの各々の他端側には導電性接続部は配置されておらず、第1導電部131Aにおいて第1導電パス133Aの他端は自由端となっている。なお図1において、太陽電池セルの配置予定部(太陽電池セル表面対向領域)を符号10a’,10b’で示す。
[0022]
 第1導電部131Aは第1導電性接続部141Aを有する。第1導電性接続部141Aは、太陽電池セル表面対向領域10a’,10b’外に存在しており、後述する第2封止シート112の第2導電部132Bと接触可能な位置に配置されている。第1導電性接続部141Aは、第1導電パス133Aの長手方向とほぼ直交する方向に延びる帯形状を有しており、第1導電パス133Aの一端にて第1導電パス133Aに接続(具体的には固定)されている。このような第1導電部131Aは、上面から見たときに櫛形状を有する。より具体的には、第1導電部131Aは、基部となる導電性接続部141Aから複数の第1導電パス133Aが歯状に延びた櫛形状を有するということができる。なお、第1導電性接続部141Aは、第1封止シート111で太陽電池セルを封止するときに太陽電池セルと非接触となるように配置可能であればよく、その限りにおいて配置状態や形状は特に制限されない。
[0023]
 第1導電部131Bは、第1導電部131Aと間隔をおいて第1導電部131Aの隣に配置されている。具体的には、第1導電部131A,131Bは、第1導電パス133Aの長手方向に平行する方向(太陽電池セルの配列方向でもあり得る。)において間隔をおいて配置されている。その他の事項については、第1導電部131Bは第1導電部131Aと同様の構成を有する。簡潔にいうと、第1導電部131Bは、第1導電部131Aと同様に、第1導電パス133Bおよび第1導電性接続部141Bを有しており、第1導電パス133Bおよび第1導電性接続部141Bはそれぞれ、第1導電パス133Aおよび第1導電性接続部141Aと同様の構成を有する。なお、第1導電性接続部141Bは、太陽電池セル表面対向領域10a’,10b’外に存在しており、後述する第2封止シート112の第2導電部あるいは取出し電極(図示せず)と接触可能な位置に配置される。
[0024]
 上記のように第1導電部131A,131Bを配置することによって、第1封止シート111の表面には、第1導電部131A,131Bを含む第1導電部パターンが形成されている。この実施形態では、その一部が図1に示されるように、櫛形状を有する複数の第1導電部131A,131Bが所定の間隔をおいて複数列に配列されたパターンが、第1封止シート111の表面に形成されている。
[0025]
 図2は第1実施形態に係る第2封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[0026]
 第2封止シート112は、太陽電池モジュールにおいて太陽電池セルを挟んで封止する一対の封止シート100の他方として利用されるものであり、太陽電池セルの裏面側に配置される導電部付き封止シートである。
[0027]
 図2に示すように、第2封止シート112は、第2封止樹脂層122と、第2封止樹脂層122の一方の表面(具体的には太陽電池セル側表面)に部分的に配置された第2導電部132A,132Bと、を備える。
[0028]
 第2導電部132Aは第2導電パス136Aを有する。第2導電パス136Aは、太陽電池セルを封止するときに一の太陽電池セルの裏面に対向する領域(太陽電池セル裏面対向領域)10a”に存在する。また、第2導電パス136Aは、第2封止樹脂層122表面において直線状に延びる形状を有する。この実施形態では、第2導電部132Aは複数の第2導電パス136Aを有しており、複数の第2導電パス136Aは、第2封止樹脂層122表面において所定の間隔をおいて平行に配置されている。換言すると、第2封止樹脂層122表面における第2導電部132Aは、複数の第2導電パス136Aからなるストライプ状の第2導電パスパターンを有する。
[0029]
 また、第2導電パス136Aの本数は、第1封止シート111における第1導電パス133Aの本数よりも多い。具体的には、一の太陽電池セルに対応する第1導電部131A、第2導電部132Aにおいて、太陽電池セル裏面に当接し得る第2導電パス136Aの本数は、太陽電池セル表面に当接し得る第1導電パス133Aの本数よりも多い。これによって、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。この実施形態では、第1導電パス133Aの数は3本であり、第2導電パス136Aの数は6本であるが、これに限定されない。例えば、第2導電パスの数は第1導電パスよりも1本以上(より好ましくは2本以上、さらに好ましくは5本以上)多いことが好ましく、第2導電パスの数は第1導電パスの2倍以上であってもよい。
[0030]
 複数の第2導電パス136Aはそれぞれ、太陽電池セル裏面と対向接触する太陽電池セル対向部分137Aを有する。第2導電パス136Aはまた、その長手方向の一端側に太陽電池セルとは対向しない太陽電池セル非対向部分を有しており、この部分は後述の第2導電性接続部142Aと接続している。つまり、複数の第2導電パス136Aの各々の一端は、第2導電性接続部142Aと接続して固定端となっている。その一方で、複数の第2導電パス136Aの各々の他端側には導電性接続部は配置されておらず、第2導電部132Aにおいて第2導電パス136Aの他端は自由端となっている。なお図2において、太陽電池セルの配置予定部(太陽電池セル裏面対向領域)を符号10a”,10b”で示す。
[0031]
 第2導電部132Aは第2導電性接続部142Aを有する。第2導電性接続部142Aは、太陽電池セル裏面対向領域10a”,10b”外に存在しており、前述の第1封止シート111の第1導電部(図示せず)あるいは取出し電極(図示せず)と接触可能な位置に配置されている。第2導電性接続部142Aは、第2導電パス136Aの長手方向とほぼ直交する方向に延びる帯形状を有しており、第2導電パス136Aの一端にて第2導電パス136Aに接続(具体的には固定)されている。このような第2導電部132Aは、上面から見たときに櫛形状を有する。より具体的には、第2導電部132Aは、基部となる導電性接続部142Aから複数の第2導電パス136Aが歯状に延びた櫛形状を有するということができる。なお、第2導電性接続部142Aは、第2封止シート112で太陽電池セルを封止するときに太陽電池セルと非接触となるように配置可能であればよく、その限りにおいて配置状態や形状は特に制限されない。
[0032]
 第2導電部132Bは、第2導電部132Aと間隔をおいて第2導電部132Aの隣に配置されている。具体的には、第2導電部132A,132Bは、第2導電パス136Aの長手方向に平行する方向(太陽電池セルの配列方向でもあり得る。)において間隔をおいて配置されている。その他の事項については、第2導電部132Bは第2導電部132Aと同様の構成を有する。簡潔にいうと、第2導電部132Bは、第1導電部132Aと同様に、第2導電パス136Bおよび第2導電性接続部142Bを有しており、第2導電パス136Bおよび第2導電性接続部142Bはそれぞれ、第2導電パス136Aおよび第2導電性接続部142Aと同様の構成を有する。
[0033]
 上記のように第2導電部132A,132Bを配置することによって、第2封止シート112の表面には、第2導電部132A,132Bを含む第2導電部パターンが形成されている。この実施形態では、その一部が図2に示されるように、櫛形状を有する複数の第2導電部132A,132Bが所定の間隔をおいて複数列に配列されたパターンが、第2封止シート112の表面に形成されている。
[0034]
 次に、一対の封止シートを構成する各要素について説明する。
[0035]
 第1封止樹脂層および第2封止樹脂層(以下、まとめて封止樹脂層ともいう。)は、絶縁性を有し、かつ透光性を有しており、典型的には封止樹脂から形成されたシート状部材である。この明細書において「絶縁性を有する」とは、25℃における比抵抗が1×10 Ω・cm以上(好ましくは1×10 8Ω・cm以上、典型的には1×10 10Ω・cm以上)であることをいう。この明細書において電気抵抗(例えば比抵抗)は、特記しないかぎり25℃における値をいうものとする。また、この明細書において「透光性を有する」とは、JIS K 7375(2008)で規定される全光線透過率が50%以上(好ましくは80%以上、典型的には95%以上)であることをいう。なお、第2封止樹脂層は透光性を有していなくてもよい。
[0036]
 封止樹脂としては、透光性、加工性、耐候性等の観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましく使用される。上記封止樹脂は、典型的には熱硬化性樹脂である。封止樹脂は、EVAに代表されるエチレン-ビニルエステル共重合体の他、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体等のエチレン-不飽和カルボン酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル等のエチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の不飽和カルボン酸エステル系重合体等であってもよい。あるいは、フッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE。典型的にはチーグラー触媒、バナジウム触媒、メタロセン触媒等を用いて製造され得るLLDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP。例えば、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等を用いて製造され得るPP)、チーグラー触媒、バナジウム触媒、メタロセン触媒等を用いて製造することができるエチレン・α-オレフィン共重合体、それらの変性物(変性ポリオレフィン)等のポリオレフィン類;ポリブタジエン類;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール(PVB樹脂)、変性PVB等のポリビニルアセテート;ポリエチレンテレフタレート(PET);ポリイミド;非晶質ポリカーボネート;シロキサンゾル-ゲル;ポリウレタン;ポリスチレン;ポリエーテルサルフォン;ポリアリレート;エポキシ樹脂;シリコーン樹脂;アイオノマー;等であってもよい。これらの樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。上記封止樹脂は、紫外線吸収剤や光安定剤等の、この分野に公知の各種添加剤を含み得る。
[0037]
 また、封止樹脂層の表面には、上述の導電部を形成する前に密着性向上剤を付与することが好ましい。密着性向上剤が付与された封止樹脂層表面に導電部を形成することにより、上記導電部と上記封止樹脂層との密着性が向上し、導電部の断線やずれ、変形が好適に防止され得る。本実施形態のように、上記封止樹脂層としてEVAシートが用いられる場合には、密着性向上剤としてシランカップリング剤が好ましく使用される。典型的には、密着性向上剤を上記封止樹脂層表面に付与した後に加熱処理することで、上記導電部の密着性は向上する。なお、密着性向上剤の使用形態は塗布に限定されず、上記封止樹脂層に含ませて使用することも可能である。
[0038]
 また、封止樹脂層の表面には、上記密着性向上剤を付与することができるだけでなく、密着性向上その他を目的として、コロナ処理、大気圧プラズマ処理等の各種表面処理を単独でまたは組み合わせて施すことができる。上記表面処理は導電部に対して行ってもよい。
[0039]
 封止樹脂層の厚さは、導電部形成性や太陽電池セルの封止性等の観点から、100~2000μm(例えば200~1000μm、典型的には400~800μm)程度とすることが好ましい。
[0040]
 第1導電部(第1導電パスおよび第1導電性接続部を包含する。)および第2導電部(第2導電パスおよび第2導電性接続部を包含する。)は、典型的には導電性材料を含む。第1導電部および第2導電部は、例えば、導電性材料としての導電性ペーストを付与することによって形成される。これにより、部品点数を削減しつつ導電経路を効率よく形成することができる。導電性ペーストとしては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、クロム、ビスマス、インジウム、それらの合金等の金属材料からなる導電成分や、カーボン等の非金属からなる導電成分(以下同じ。)と、ポリエステルやエポキシ樹脂等の樹脂成分とを適当な溶媒を用いて混合してなるペースト状組成物が用いられ得る。なかでも、経時安定性の観点から、導電成分として銀または銅を使用することが好ましい。導電性ペーストの具体例としては、銀ペースト(商品名「ペルトロンK-3105」、ペルノックス社製、導電成分:Ag、樹脂成分:ポリエステル樹脂、比抵抗:6.5×10 -5Ω・cm)が挙げられる。導電性ペーストの25℃における比抵抗は、凡そ5×10 -4Ω・cm以下(例えば1×10 -4Ω・cm以下、典型的には5.0×10 -7Ω・m以下)であることが好ましい。また、導電性ペーストを構成する導電成分の比抵抗は5.0×10 -7Ω・m以下であることが好ましい。
[0041]
 第1導電部および第2導電部(以下、まとめて導電部ともいう。)は、公知のディスペンサを用いて導電性ペーストを封止樹脂層の表面に塗布することによって形成することができる。あるいは、導電性ペーストを、封止樹脂層の表面に対してではなく、剥離性シートの表面に塗付し、該剥離性シート表面に所定のパターンを有する導電部を形成し、当該導電部を封止樹脂層の表面に転写することによって、封止樹脂層表面に導電部を形成してもよい。
[0042]
 また、導電性接続部(第1導電性接続部および第2導電性接続部を包含する。)として導電性シートを用いてもよい。導電性シートは、上述の導電成分が樹脂中に配合された導電性樹脂シートや、銅、アルミニウム等の金属、合金等からなる金属シート(例えば金属箔)から選択され得る。なかでも、位置合わせや作業性に優れることから、導電性シートとして、少なくとも一方の表面(典型的にはは両面)に接着性を有する導電性接着シートを用いることが好ましい。
[0043]
 導電性接着シートとしては、導電性粘着シートや、ホットメルト型、熱硬化型、乾燥型、湿気硬化型、2液反応硬化型、紫外線(UV)硬化型、嫌気型、UV嫌気型等の各種導電性接着シートを用いることができる。上記接着シートの接着剤成分としては、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の接着剤成分が用いられ得る。なかでも、加熱作業が不要であり、取扱い性に優れる導電性粘着シートが特に好ましい。典型的には、上述の導電成分(より好ましくは銀フィラー)を3~70重量%程度含む粘着剤層(例えばアクリル系粘着剤層)からなる基材レスの粘着シートや、銅箔やアルミニウム箔等の金属箔基材の少なくとも一方の表面(典型的には両面)に前述の粘着剤層が形成されてなる粘着シートが好ましく使用される。上記粘着剤層には、目的に応じて粘着付与剤や架橋剤その他の添加剤が含まれ得る。上記粘着シートとしては、例えば特開2012-7093号公報に記載されているものが好ましく使用され得る。あるいはまた、導電性粘着シートは、上述の導電性基材の両面に非導電性粘着剤層が形成されてなる両面粘着シートであって、該導電性基材が部分的に粘着剤層の表面に露出してなる導電性粘着シートであってもよい。そのような導電性粘着シートとしては、例えば特開平8-185714号公報に記載されているものが挙げられる。
[0044]
 他の好ましい一態様では、導電部は、低融点(例えば融点300℃以下、好ましくは250℃以下)の金属材料(典型的には合金)をホットメルト塗工することにより形成される。具体的には、封止樹脂層の一方の表面に、市販のホットメルトディスペンサー(例えば武蔵エンジニアリング社製)を用いて低融点合金(例えば、荒川化学工業社製の「SnBiはんだ」、融点139℃)を塗工することにより、導電部を形成することができる。低融点金属材料の塗布は、封止樹脂層の表面に対してではなく、剥離性シートの表面に対して行ってもよい。その場合、剥離性シート表面に所定のパターンを有するように形成した導電部を、封止樹脂層の表面に転写することによって、封止樹脂層表面に導電部を形成することができる。なお、スクリーン印刷等の各種印刷法を採用することによっても、この実施形態と同様の構成を得ることができる。
[0045]
 また、他の好ましい一態様では、導電部を構成する材料として、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、錫、クロム、ビスマス、インジウム、それらの合金等の金属材料が好ましく用いられ得る。なかでも、銀、銅、アルミニウム、鉄がより好ましく、銅、アルミニウムがさらに好ましい。実質的に金属から構成された導電経路は、より低抵抗であるという利点を有する。一典型例として、導電パス(第1導電パスおよび第2導電パスを包含する。)が金属ワイヤーであり、導電性接続部が金属シート(典型的には金属箔)である導電部が挙げられる。上記金属ワイヤーの例としては、錫(Sn)や銀(Ag)等のめっきコーティングが施されたものが挙げられる。そのめっき厚は10μm以下(例えば3μm以下)程度であり得る。上記金属シート(典型的には金属箔)としては、粗化処理や防錆処理、密着性向上処理の少なくとも1種の表面処理が施されたものが好ましく用いられ得る。金属シートの好適例としては銅箔(なかでも電解銅箔)が挙げられる。
[0046]
 上記導電部を有する封止シート(第1封止シートおよび第2封止シートを包含する。)は、例えば次のようにして作製される。すなわち、まず、導電パスと導電性接続部とを固定して、導電部(導電部材ともいう。)を作製する。そして、作製した導電部を封止樹脂層の表面に配置することによって封止シートは作製される。なお、封止樹脂層と導電部とは、例えば粘着剤や接着剤等の公知ないし慣用の接着手段を用いて接着されていてもよい。
[0047]
 導電部における導電パスと導電性接続部との固定方法としては、溶接を採用することが好ましい。溶接方法としては、従来公知の各種の溶接を採用することができ、例えば、アーク溶接、抵抗溶接、レーザービーム溶接、電子ビーム溶接、超音波溶接が好ましく採用され得る。あるいは、めっき接合や、導電性粘着剤による固定方法を採用することも可能である。
[0048]
 導電部が金属材料によって構成されている他の好適例としては、導電部が金属ワイヤーからなる構成が挙げられる。金属ワイヤーとしては、上述のものを好ましく用いることができる。金属ワイヤー同士の接合には、前述の溶接等、各種の接合方法が採用され得る。
[0049]
 あるいは、導電部は、パターン化された金属シートによって形成されていてもよい。そのような導電部は、金属シートをエッチングすることによって、導電パスと導電性接続部とを一体として形成することができる。具体的には、金属シート(典型的には金属箔)の表面にレジストを貼り、フォトリソグラフィ技術を適用して所定のレジストパターンを形成する。次いで、公知ないし慣用のエッチング液を用いて金属シートをパターン化する。このようにして導電部を形成し、封止樹脂層表面に配置することによって、封止シートを得ることができる。なお、各種蒸着法によっても同様の構成を得ることができる。
[0050]
 あるいはまた、導電部は、メッシュ構造の金属シート(メッシュシート)によって形成されていてもよい。上記メッシュシートは、典型的には、縦横に複数の金属線が配置されてなる網目構造(メッシュ形状)を有する。より具体的には、導電部は、一方向に沿って配列した複数の金属線(縦線)と、該縦線と交差(典型的には、ほぼ直交)する方向に配列した複数の金属線(横線)と、から構成された網目構造を有する。縦線および横線のそれぞれにおいて、複数の金属線は間隔をおいて配置されており、典型的には、ほぼ平行している。なお、上記メッシュ形状の線径や目開きは、後述の導電パスの幅、間隔および導電性接続部の幅の範囲内となるように設定され得る。
[0051]
 あるいはまた、導電部の導電パスは導電材料(例えば銅等の金属)を含むメッシュ材料によって形成されていてもよい。上記メッシュ材料は、金属線と樹脂繊維(典型的には透明樹脂繊維)との複合材料であり得る。上記金属線はストライプ状に配置されており、樹脂繊維は金属線と同方向に、かつ金属線と交差する方向に配置されており、これによってメッシュ構造が形成されている。上記メッシュ材料は、金属線が所定方向に配列するように該金属線を樹脂繊維に編み込むことによって作製され得る。この場合、横糸に樹脂繊維を用い、縦糸に金属線および樹脂繊維を用いるとよい。上記メッシュ材料をシート状封止樹脂の表面に配置することによって、封止シートを得ることができる。上記樹脂繊維は、透明性が高く絶縁性に優れる材料であることが好ましい。具体例としては、上記金属線が銅線であり、樹脂繊維が透明性に優れるPET繊維であるメッシュ材料が挙げられる。上記メッシュ材料は、例えばNBCメッシュテック社から入手可能である。
[0052]
 導電性接続部は、単層構造であってもよく多層構造であってもよい。また、第1封止シートと第2封止シートとで太陽電池セルを挟むときに、第1導電性接続部と第2導電性接続部とのあいだに追加の導電性接続部が配置されていてもよい。追加の導電性接続部としては、上記導電性接続部として用いられ得る材料のなかから適切なものを選択して用いることができる。その好適例としては、金属シート(具体的には金属箔)や導電性接着シートが挙げられる。これによって、第1封止シートと第2封止シートとで太陽電池セルを挟んだときに、第1導電性接続部と第2導電性接続部との積層部分の厚みが増大し、第1導電性接続部と第2導電性接続部間における接触面積が増加し、集電効率が向上する。追加の導電性接続部の形状は、第1導電性接続部、第2導電性接続部と同様の形状とすることが好ましい。
[0053]
 導電性接続部は、典型的には、上記のように帯状に連続した層(導電層)であるが、断続した層であってもよい。例えば、導電性接続部は、断続した帯形状を有していてもよく、ドット状(粒状ともいう。)に配置してなるものであってもよい。なお、ドット状とは典型的には粒状であり、例えば、真球状、扁平球状等の球状であり得る。そのような形状の導電性接続部は、例えば、上記の導電性ペーストや低融点金属材料を用いることによって形成することができる。
[0054]
 導電パスの本数は特に限定されない。一の太陽電池セルに対応する一の導電部(例えば第1導電部)として、線状に延びる複数の導電パス(例えば第1導電パス)を間隔をおいて配置する場合、一の導電部(例えば第1導電部)における導電パス(例えば第1導電パス)の本数は2~20本(例えば4~18本、典型的には6~15本)程度とすることが好ましい。
[0055]
 また、導電パスの幅(複数の導電パスを有する場合は各々の幅)は、集電ロス低減、強度、ハンドリング性および作業性の観点から、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは100μm以上であり、さらに好ましくは500μm以上である。また上記幅は、シャドーロス低減等の観点から、好ましくは1500μm以下であり、より好ましくは1200μm以下であり、さらに好ましくは1000μm以下である。なお、上記幅は、導電パスの長手方向に直交する長さ(幅)を指す。
[0056]
 また、線状に延びる複数の導電パス(例えば第1導電パス)を間隔をおいて配置する場合、導電パス(例えば第1導電パス)の間隔は、シャドーロス低減等の観点から、好ましくは0.1cm以上であり、より好ましくは0.8cm以上であり、さらに好ましくは1.5cm以上である。また上記間隔は、集電ロス低減の観点からは、好ましくは4.0cm未満であり、より好ましくは3.0cm未満であり、さらに好ましくは2.5cm以下である。なお、上記間隔はピッチであり、導電パスの幅方向における中心線間の距離を指す。
[0057]
 導電性接続部の幅は、太陽電池モジュールの円滑な電気的接続の観点から、好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.3mm以上であり、さらに好ましくは0.5mm以上である。また上記幅は、好ましくは2mm以下であり、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下である。なお、上記幅は、導電性接続部の長手方向に直交する長さ(幅)を指す。
[0058]
 導電性接続部(例えば導電性シート)の厚さは、一対の封止シートに挟まれる太陽電池セルの厚さに応じて適宜選定すればよい。上記厚さは、太陽電池セルの厚さの0.5~2倍(例えば0.8~1.2倍、典型的には0.9~1.1倍)程度とすることが好ましい。
[0059]
 なお、第1封止シートおよび第2封止シートはそれぞれ、太陽電池モジュールに組み込まれる前は、その少なくとも一方の表面(典型的には両面)がセパレータシート(図示せず)に保護された形態で提供され得る。
[0060]
 図3は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの主要部の構造を模式的に示す分解断面図である。図3を参照して、以下、一対の封止シートを用いて構築される太陽電池モジュールについて説明する。
[0061]
 図3に示すように、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル10a,10bを含む複数の太陽電池セルを備える。また、太陽電池モジュール1は、太陽電池セル10a,10bの表面を覆う第1封止シート111と、太陽電池セル10a,10bの裏面を覆う第2封止シート112と、を備える。さらに、太陽電池モジュール1は、第1封止シート111の外方に配置された表面被覆部材31と、第2封止シート112の外方に配置された裏面被覆部材32と、を備える。表面被覆部材31および裏面被覆部材32は、それぞれ太陽電池モジュール1の表(おもて)面および裏(うら)面を構成している。
[0062]
 太陽電池セル10a,10bを含む複数の太陽電池セルからなる太陽電池セル群10は、所定の間隔をおいて直線状に一列に配列されている。太陽電池セル10a,10bの表面にはn型電極(表面電極)が部分的に形成されており、裏面にはp型電極(裏面電極)が形成されている。この実施形態では、太陽電池セル10a,10bとして、厚さ180~200μm程度のウエハ状の結晶系Siセル(pn接合型の太陽電池セル)が用いられている。
[0063]
 使用される太陽電池セルの種類は特に限定されず、例えば単結晶型や多結晶型の結晶系Siセルが好適であるが、アモルファス系Siセル、化合物系、有機系等の太陽電池セルであってもよい。形状も特に限定されず、帯状等であってもよい。太陽電池セルの厚さは、軽量性等の観点から、好ましくは300μm以下程度であり、より好ましくは200μm以下、さらに好ましくは160μm以下程度であり得る。なお、特に図示しないが、太陽電池モジュール1は、上記のように一列に配列された太陽電池セル群10に加えて、太陽電池セル群10の配列方向に平行するように一列に配列された他の太陽電池セル群を備える。
[0064]
 第1封止シート111としては、上述の構成を有するものが用いられている。第1封止シート111の第1導電部131A,131Bは、太陽電池セル群10の配列方向において所定の間隔をおいて分離して配置されている。第1導電部131A,131Bは、隣りあう2つの太陽電池セル10a,10bの表面(より具体的には表面電極)にそれぞれ対向接触するように配置されている。なお、第1導電部131Aは、太陽電池セル10a以外の太陽電池セルとは接触しておらず、第1導電部131Bは、太陽電池セル10b以外の太陽電池セルとは接触していない。第1封止シート111に第1導電部131A,131Bを設けることにより、従来の太陽電池セル表面に設けられていたバスバー(典型的には、はんだ被覆銅線)は不要となる。
[0065]
 第1導電部131Aは、太陽電池セル10a,10bの配列方向に沿って延びることにより、太陽電池セル10a,10bのあいだに位置する領域にはみ出している。換言すると、第1導電部131Aは、太陽電池セル10a,10bのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように配置されている。このように、第1導電部131Aにはみ出した部分を設けることにより、第1導電部131Aは、第2導電部132Bと電気的に接続しやすい構成となる。
[0066]
 第1導電部131Aは、上述かつ図1に示すように複数の第1導電パス133Aを有する。これら第1導電パス133Aは、太陽電池セル群10の配列方向に平行する方向に線状に延びており、該配列方向に直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。より具体的には、第1導電パス133Aは、それぞれ直線状に延びる形状を有しており、互いに間隔をおいて、かつ平行するように配置されている。第1導電パス133Aは、第1封止樹脂層121の表面において太陽電池セル10aとの対向領域10a’に配置されており、かつ、線状に延びて、太陽電池セル10a,10bのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するようにそれぞれ構成されている。
[0067]
 第1導電部131Bは第1導電部131Aと基本的に同様に構成されており、第1導電パス133Bも第1導電パス133Aと基本的に同様に構成されているので、重複する説明は省略する。
[0068]
 第2封止シート112としては、上述の構成を有するものが用いられている。第2封止シート112の第2導電部132A,132Bは、太陽電池セル群10の配列方向において所定の間隔をおいて分離して配置されている。第2導電部132A,132Bは、隣りあう2つの太陽電池セル10a,10bの裏面(より具体的には裏面電極)にそれぞれ対向接触するように配置されている。なお、第2導電部132Aは、太陽電池セル10a以外の太陽電池セルとは接触しておらず、第2導電部132Bは、太陽電池セル10b以外の太陽電池セルとは接触していない。
[0069]
 第2導電部132Bは、太陽電池セル10a,10bの配列方向に沿って延びることにより、太陽電池セル10a,10bのあいだに位置する領域にはみ出している。換言すると、第2導電部132Bは、太陽電池セル10a,10bのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように配置されている。このように、第2導電部132Bにはみ出した部分を設けることにより、第2導電部132Bは、第1導電部131Aと電気的に接続しやすい構成となる。
[0070]
 第2導電部132Bは、上述かつ図2に示すように複数の第2導電パス136Bを有する。これら第2導電パス136Bは、太陽電池セル群10の配列方向に平行する方向に線状に延びており、該配列方向に直交する方向に所定の間隔をおいて配置されている。より具体的には、第2導電パス136Bは、それぞれ直線状に延びる形状を有しており、互いに間隔をおいて、かつ平行するように配置されている。第2導電パス136Bは、第2封止樹脂層122の表面において太陽電池セル10bとの対向領域10b'’に配置されており、かつ、線状に延びて、太陽電池セル10a,10bのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように構成されている。
[0071]
 第2導電部132Aは第2導電部132Bと基本的に同様に構成されており、第2導電パス136Aも第2導電パス136Bと基本的に同様に構成されているので、重複する説明は省略する。
[0072]
 第1導電部131Aは、第1導電性接続部141Aを有する。第1導電性接続部141Aは、第1封止シート111の表面において、複数の太陽電池セル10a,10bのあいだに配置されている。第1導電性接続部141Aは、太陽電池セル10a,10bのあいだにて、太陽電池セル群10の配列方向と直交する方向に帯状に延びるように配置されている。なお、第1導電性接続部141Aは太陽電池セル10a,10bと非接触であればよく、その限りにおいて配置状態や形状は特に制限されない。
[0073]
 また、第2導電部132Bは、第2導電性接続部142Bを有する。第2導電性接続部142Bは、第2封止シート112の表面において、複数の太陽電池セル10a,10bのあいだに配置されている。第2導電性接続部142Bは、太陽電池セル10a,10bのあいだにて、太陽電池セル群10の配列方向と直交する方向に帯状に延びるように配置されている。これによって、第1導電部131Aのはみ出した部分に位置する第1導電性接続部141Aと第2導電部132Bのはみ出した部分に位置する第2導電性接続部142Bとは電気的に接続することができる。なお、第2導電性接続部142Bは太陽電池セル10a,10bと非接触であればよく、その限りにおいて配置状態や形状は特に制限されない。
[0074]
 また、第1導電性接続部141Aは、太陽電池セル10a,10bと間隔をおいて配置されているが、太陽電池セル10a,10bとの短絡を確実に防止するため、第1導電性接続部の幅方向の両端に絶縁部を設けることが好ましい。絶縁部は、公知の絶縁性樹脂材料を塗布することにより設けることができる。あるいは、ポリイミドテープ等の公知の絶縁樹脂シートを被覆することによって設けることもできる。絶縁部として、スリーエム社製の商品名「セロファンテープ」を使用することも可能である。
[0075]
 第1導電性接続部を、上記のような導電性ペーストや低融点金属材料で形成する場合においては、その幅方向の両端に絶縁部を設ける利点は特に大きい。かかる構成においては、第1導電性接続部および絶縁部は、三口ノズルを有するディスペンサを用いて塗り分けることにより形成すればよい。導電層形成材料としては、上述の導電部を形成し得る材料と同様の材料を用いればよい。絶縁層形成材料としては、ポリイミドやポリエステル等の樹脂を主成分とする従来公知の樹脂ペースト等を用いればよい。
[0076]
 第1導電部131B、第2導電部132Aについても、第1導電部131A、第2導電部132Bと同様の構成を有するので、説明は省略する。
[0077]
 なお、太陽電池セル10a,10b以外の太陽電池セルや、第1導電部131A,131B以外の第1導電部、第2導電部132A,132B以外の第2導電部の構成についても、配線作業を効率よく行う観点から、太陽電池セル10a,10bや、第1導電部131A,131B、第2導電部132A,132Bからなる構成単位と基本的に同様に構成することが好ましく、同様の構成単位が繰り返されるように構成することがより好ましい。
[0078]
 表面被覆部材としては、透光性を有する各種材料が使用され得る。表面被覆部材は、ガラス板や、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等のフッ素樹脂シート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル等の材料から構成された樹脂シートであり得る。例えば、全光線透過率が70%以上(例えば90%以上、典型的には95%以上)の平板状部材またはシート状部材が好ましく用いられ得る。上記全光線透過率は、JIS K7375(2008)に基づいて測定すればよい。表面被覆部材の厚さは、保護性や軽量性等の観点から、0.5~10mm(例えば1~8mm、典型的には2~5mm)程度とすることが好ましい。
[0079]
 裏面被覆部材としては、表面被覆部材の材料として例示した各種材料からなる平板状部材またはシート状部材が好ましく使用される。なかでも、裏面被覆部材形成材料として、PETやPEN等のポリエステルを使用することがより好ましい。あるいは、裏面被覆部材として、耐食性を有する金属板(例えばアルミニウム板)や、エポキシ樹脂等の樹脂シート、シリカ蒸着樹脂等の複合シートを用いてもよい。裏面被覆部材の厚さは、取扱い性や軽量性等の観点から、0.1~10mm(例えば0.2~5mm)程度とすることが好ましい。なお、裏面被覆部材は透光性を有していなくてもよい。
[0080]
 上述のように構成することにより、例えば図3に示すように、太陽電池モジュール1において、第1導電部131Aおよび第2導電部132Bは、太陽電池セル10aの表面および太陽電池セル10bの裏面のあいだの導電経路を構成する。その結果、太陽電池セル群10の電気的接続が実現される。太陽電池セル群10にて発電された電気エネルギーは、太陽電池モジュール1において太陽電池セル群10の配列方向の両端に配置された端子バー(図示せず)を介して、太陽電池モジュール1の外部に供給される。ここに開示される技術は、封止シートとして、上記一対の封止シート100を使用する他は基本的に従来公知の既存の構成を利用して実施することができるので、設備全体を置き換える必要がなく実用上の利点が大きい。
[0081]
 太陽電池モジュール1の構築について、特に太陽電池セルの電気的接続に関してさらに説明する。図3に示すように、第1封止シート111および第2封止シート112を備える一対の封止シート100を、各々の導電部形成面が向かいあうようにして、太陽電池セル10a,10bを挟む。そして、一対の封止シート100を太陽電池セル10a,10bに押し当てると、第1封止シート111および第2封止シート112がそれぞれ備える第1導電性接続部141A,141B、第2導電性接続部142A,142Bを介して太陽電池モジュール1の電気的接続が実現される。具体的には、太陽電池セル10aと第1導電部131A、第2導電部132Aとが当接し、太陽電池セル10bと第1導電部131B、第2導電部132Bとが当接し、第1導電部131Aの第1導電性接続部141Aが第2導電部132Bの第2導電性接続部142Bに当接し、また太陽電池モジュール1において外側に配置された第1導電部(図示せず)や第2導電部(図示せず)は、その第1導電性接続部、第2導電性接続部が、太陽電池モジュール1の端部近傍に配置される図示しない取出し電極(端子バー)に当接する。これによって、太陽電池モジュール1の電気的接続が実現される。上記構成の太陽電池モジュール1によると、太陽電池セル10a,10bの裏面側に配置される第2導電パス132B,132Bの本数が第1導電パス131B,131Bよりも多いので、シャドーロスを増大することなく発電効率が向上する。なお、太陽電池モジュール1の構築一般については、当該技術分野における技術常識に基づき実施可能であり、本発明を特徴づけるものではないので説明は省略する。
[0082]
 また、上記の構成は、従来の配線手法(典型的には、はんだ等を用いて行う手法)と比べて、太陽電池セルの配線作業性に優れる。また、強度面にも優れることから、例えば封止シートの応力等に起因する断線等の不具合も防止される。さらに、上記電気的接続ははんだ接合を必要としないため、はんだ接合による不具合(典型的には、セルの反りや割れ、特性低下、フラックス汚染)を回避することが可能である。はんだ接合を必要としないことは、太陽電池セルの構造にも利点をもたらす。具体的には、太陽電池セルの裏面には、BSF(Back Surface Field)効果等の観点から、全面にアルミニウム電極(裏面電極)を設けることが好ましい。しかし、アルミニウムははんだ接合性に劣るため、金属配線との接合箇所には、通常、はんだ接合性に優れる銀電極が配置されている。つまり、太陽電池セルの裏面電極としては、通常はアルミニウム電極と銀電極とが併用されている。ここに開示される技術によると、太陽電池セルの裏面における電気的接続は、当該裏面における裏面電極(アルミニウム電極)と第2封止シートの第2導電パスとが当接するだけで実現されるので、太陽電池セル裏面でのはんだ接合は不要となる。したがって、ここに開示される技術を採用することによって、太陽電池セルの裏面電極が銀電極を実質的に含まない構造の太陽電池モジュールが実現され得る。この構成によるコスト低減および生産性向上の利点は大きい。
[0083]
 図4は、第2実施形態に係る第2封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[0084]
 第2実施形態に係る第2封止シートは、第2導電パスを除いては第1実施形態に係る第2封止シートと基本的に同じ構成を有する。したがって、この実施形態については、第2導電パスを主に説明し、その他の点についての説明は省略する。
[0085]
 図4に示すように、第2封止シート112の第2導電部132Aにおける第2導電パス136Aの本数は、第1封止シート111の第1導電部131Aにおける第1導電パス133Aの本数と同じであるが、第2導電パス136Aの幅は、第1導電パス133Aの幅よりも大きい。第2導電パス136Bも、第2導電パス136Aと同様に構成されており、第1導電パス133Bと同じ本数であるが、その幅は第1導電パス133Bよりも大きい。第2導電パス136A,136Bの幅は、第1導電パス133A,133Bの幅の1.2倍以上(より好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは2倍以上)とすることが好ましい。このように構成することによっても、上記第1実施形態と同様、太陽電池モジュールの配線作業性および発電効率が向上する。
[0086]
 図5は、第3実施形態に係る第2封止シートの主要部を模式的に示す上面図である。
[0087]
 第3実施形態に係る第2封止シートは、第2導電部を除いては第1実施形態に係る第2封止シートと基本的に同じ構成を有する。したがって、この実施形態については、第2導電部を主に説明し、その他の点についての説明は省略する。
[0088]
 図5に示すように、第2封止シート112の第2導電部132Aにおける第2導電パス136Aは、第2封止樹脂層122の表面において、太陽電池セル10aに対向する領域10a”のほぼ全域(例えば、太陽電池セル裏面対向領域10a”の面積の80%以上、典型的には90~100%)に配置されている。また、第2導電部132Aは、太陽電池セル裏面対向領域10a”からはみ出た太陽電池セル非対向部分をさらに有する。この太陽電池セル非対向部分は、太陽電池セル裏面対向領域10a”内の第2導電パス136Aから連続して、太陽電池セル10a,10bの配列方向の一方に延びており、第2導電性接続部142Aとして機能する。第2導電部132Bも、第2導電部132Aと同様に構成されている。この実施形態では、第2導電部132A,132Bとして金属シート(具体的には金属箔)が用いられている。上記金属シートとしては上記で例示したものを使用することができる。また、この実施形態における第2導電部132A,132Bは、上面から見たとき、矩形状を有する。このように構成することによっても、上記第1実施形態と同様、太陽電池モジュールの配線作業性および発電効率が向上する。
[0089]
 なお、ここに開示される太陽電池モジュールは、上記実施形態の構成に限定されない。例えば、太陽電池モジュールに配置される太陽電池セルの個数は2以上であればよく、その限りにおいて特に制限はない。ここに開示される技術によると、複数の太陽電池セルを一括して電気的に接続し得ることから、太陽電池セルの個数は多いほど配線作業性の改善効果は大きい。例えば、複数の太陽電池セルを、一列に配列された太陽電池セル群として構成する場合には、当該太陽電池セル群におけるセル数は、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上(例えば7~20、典型的には8~12)である。また、太陽電池セル群は、2列以上(例えば3~10列、典型的には5~8列)であり得る。
[0090]
 また、上記実施形態では、複数の太陽電池セルは一列に配列された太陽電池セル群として構成されていたが、複数の太陽電池セルの配列(配置)はこれに限定されず、直線状、曲線状、規則的なパターン、あるいは不規則的なパターンであってもよい。また、太陽電池セルの間隔は一定でなくてもよい。
[0091]
 また、上記実施形態では、導電部の数は、説明の便宜上、第1封止シート、第2封止シートに対して2つずつしか示さなかったが、ここに開示される技術はこれに限定されるものではない。一の封止シートにおける導電部の数は、基本的には当該封止シートが封止する太陽電池セルの個数に対応したものとなる。例えば、一対の封止シートが一の太陽電池セルを封止し、この構成(すなわち一対の封止シートで太陽電池セルを挟んだ構成)を複数接続して太陽電池モジュールを構築する場合には、一の封止シートに設けられる導電部は1つである。一方、一対の封止シートで、複数の太陽電池セルを封止し、一括配線を行う場合には、一の封止シートに設けられる導電部の数は、太陽電池セルの個数に対応し、5以上(例えば30以上、典型的には50以上)となり、実際には50~60程度となり得る。あるいはまた、一対の封止シートで複数の太陽電池セル(例えば、間隔をおいて一列に配置される2~20個の太陽電池セル)を挟み、この構成を複数(2~10程度)組み合わせて太陽電池モジュールを構築することも可能である。
[0092]
 また、上記実施形態では、第1導電部は、直線状に延びる複数の導電パスを有するものであったが、ここに開示される技術はこれに限定されず、上記導電部は1つの導電パスを有するものであってもよい。第2導電部についても同様である。上記導電部や導電パスの形状も特に限定されず、例えば曲線状や環状であってもよい。上記導電部は、例えば格子状や、複数のリングが連なった形状等のパターンを有するものであってもよい。したがって、上記導電部を構成し得る導電パスについても、形状等は特に限定されない。上記パターン等に応じて、複数の導電パスは互いに分離していてもよく、接触していてもよい。第2導電部については、上記第3実施形態のように太陽電池セルの裏面全体を覆う平面形状を有するものであってもよい。
[0093]
 さらに、第1導電部と第2導電部との電気的接続方法についても、上記各実施形態の方法に限定されない。従来公知の配線手法を適宜改変するなどして、第1導電部と第2導電部とを電気的に接続するように構成することができる。例えば、導電性接続部を用いて上記電気的接続を行う場合、上記電気的接続が実現されるかぎりにおいて、導電性接続部の形状や配置は特に限定されない。導電性接続部は、典型的には、太陽電池セルと非接触の状態で配置されていればよく、その観点から、例えば、太陽電池セルの配列方向(導電パスの長手方向でもあり得る。)と交差する方向に延びる帯形状を有することが好ましい。また、電気的接続の容易性の観点から、導電性接続部は、導電パスと直接接触していることが好ましい。
[0094]
 この明細書により開示される事項には以下のものが含まれる。
(1) 間隔をおいて配列される複数の太陽電池セルと、
 複数の太陽電池セルの表面を覆う絶縁性かつ透光性の第1封止シートと、
 複数の太陽電池セルの裏面を覆う絶縁性の第2封止シートと、を備えており、
 第1封止シートは、第1封止樹脂層と、第1封止樹脂層の太陽電池セル側表面に配置された第1導電部と、を備えており、
 第2封止シートは、第2封止樹脂層と、第2封止樹脂層の太陽電池セル側表面に配置された第2導電部と、を備えており、
 第1導電部は、複数の太陽電池セルのうち隣りあう2つの太陽電池セルの一方の太陽電池セルの表面に接触しており、
 第2導電部は、隣りあう2つの太陽電池セルの他方の太陽電池セルの裏面に接触しており、かつ
 第1導電部と第2導電部とは電気的に接続されるように構成されている、太陽電池モジュール。
(2) 第1導電部は、隣りあう2つの太陽電池セルの一方の太陽電池セルの表面と対向するように、かつ隣りあう2つの太陽電池セルのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように配置されており、
 第2導電部は、隣りあう2つの太陽電池セルの他方の太陽電池セルの裏面と対向するように、かつ隣りあう2つの太陽電池セルのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように配置されている、上記(1)に記載の太陽電池モジュール。
(3) 第1導電部のはみ出した部分と第2導電部のはみ出した部分とは当接する、上記(2)に記載の太陽電池モジュール。
[0095]
(4) 複数の太陽電池セルを用意する工程と;
 第1封止樹脂層の一方の表面に第1導電部を配置して第1封止シートを得る工程と;
 第2封止樹脂層の一方の表面に第2導電部を配置して第2封止シートを得る工程と;
 第1封止シートと第2封止シートとで複数の太陽電池セルを挟む工程と(この工程において、複数の太陽電池セルを間隔をおいて配列し、複数の太陽電池セルのうち隣りあう2つの太陽電池セルの一方の太陽電池セルの表面に第1導電部を接触させ、隣りあう2つの太陽電池セルの他方の太陽電池セルの裏面に第2導電部を接触させ、かつ第1導電部と第2導電部とを電気的に接続するように構成する。);
を包含する、太陽電池モジュールの製造方法。
(5) 第1導電部を配置する工程は、第1導電部を、隣りあう2つの太陽電池セルの一方の太陽電池セルの表面と対向するように、かつ隣りあう2つの太陽電池セルのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように配置する工程を含み、
 第2導電部を形成する工程は、第2導電部を、隣りあう2つの太陽電池セルの他方の太陽電池セルの裏面と対向するように、かつ隣りあう2つの太陽電池セルのあいだに位置する領域にはみ出した部分を有するように配置する工程を含む、上記(4)に記載の製造方法。
(6) 第1導電部のはみ出した部分と第2導電部のはみ出した部分とを当接させる、上記(5)に記載の製造方法。
[0096]
 以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明中の「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。
[0097]
 <参考実験1>
 36cm×18cmにカットした厚さ450μmのEVAシート(商品名「EVASC ファストキュアタイプ」、サンビック社製)を2枚用意し、各EVAシートの表面にシランカップリング剤(信越化学社製)をワイヤーバーを用いて塗布し、60℃で2分間乾燥させた。上記各EVAシートのシランカップリング剤塗布面に導電性ペースト(商品名「ペルトロンK-3105」、ペルノックス社製、導電成分:Ag、樹脂成分:ポリエステル樹脂、比抵抗:6.5×10 -5Ω・cm)をディスペンサ(武蔵エンジニアリング社製)を用いて塗布することにより、図1に示すような導電パスパターン(各パスの太さ:200μm)が表面に形成された2枚のEVAシートを作製した。
[0098]
 裏面被覆部材として、36cm×18cmにカットした厚さ200μmのバックシート(商品名「コバテックPV KB-Z1-3」、コバヤシ社製)を用意し、その上に、上記で作製した導電パス形成EVAシートの1枚を、導電パス形成面が上面となるように設置した。当該EVAシート上に、結晶系Si太陽電池セル(Qセルズ社製)2枚を間隔をおいて配置し、2枚のセルのあいだに、長尺状の導電性粘着シート(日東電工社製)をその長手方向が2枚のセルの配列方向と直交する方向となるように設置した。太陽電池セルの配列方向において2枚のセルの両外方には、幅6cmの端子バー(商品名「A-SPS」、日立電線社製)をそれぞれ配置した。その上に、上記で作製した導電パス形成EVAシートを導電パス形成面が下面となるように設置した。2本の端子バーは、各セルより外方にはみ出した導電部と接触するようにそれぞれ配置されている。さらにその上に表面被覆部材として厚さ3.2mmのガラス板(旭硝子社製、白板熱処理ガラス)を配置した後、市販のラミネータ(NPC社製)を用いて140℃、70KPa、15分間の条件でラミネートを行い、図3に示すような断面構造を有する試験用太陽電池モジュール(ただし、上下の封止シートにおける導電パスの本数および太さは同じである。)を構築した。
[0099]
 この試験用モジュールをソーラーシミュレータ(商品名「YSS-50」、山下電装社製)に設置して最大電力量を測定した。放射照度に基づき変換効率(発電効率)を求めたところ6.3%であった。この結果から、ここに開示される技術を適用することで、所定以上の発電効率を実現しつつ、配線作業性が向上することがわかる。
[0100]
 <参考実験2>
 (導電部材)
 厚さ75μmの銅箔を16cm×0.5cmサイズにカットした。銅箔としては、電解銅箔(リジット基板用電解銅箔、純度99.8%以上(表面処理前))を用いた。なお、この電解銅箔には、亜鉛、クロム、ヒ素を用いて、粗化処理、防錆処理、密着性向上処理が施されている。次いで、銀(Ag)被覆ワイヤー(幅800μm)を用意し、その一端を上記銅箔上に配置し溶接固定した。Ag被覆ワイヤーは、その長手方向が上記銅箔の長手方向に直交するように固定した。Ag被覆ワイヤーとしては、銅(Cu)ワイヤーにAgを被覆したものを用いた。上記のAg被覆ワイヤーの固定作業を、銅箔の長手方向に沿って繰り返し、Ag被覆ワイヤーが4本または8本配列された櫛形の導電部材を得た。
 また、Ag被覆ワイヤーを錫(Sn)被覆ワイヤー(幅500μm)に変更した他は上記と同様にして、Sn被覆ワイヤーが4本、8本または15本配列された櫛形の導電部材を得た。なお、上記導電部材は、図1,2に示す導電部と基本的に同様の構造を有するが、導電部におけるワイヤー本数は一致しない。
 また、導電部材として金属箔(Sn-Cu箔)を用意した。この導電部材は、図5に示す導電部と同様の構造を有する。
[0101]
 (封止樹脂)
 厚さ450μmのEVAシート(商品名「EVASKY」、ブリヂストン社製)を18cm×18cmにカットし、シート状封止樹脂(封止樹脂層)を用意した。
[0102]
 (導電部付き封止シート)
 上記シート状封止樹脂の一方の表面に表面処理を施した後、当該表面処理面に、上記で得た導電部材を配置し、導電部付き封止シートを得た。表面処理は、コロナ処理装置(例えば春日電機社製)を用いたコロナ処理、大気圧プラズマ処理装置(例えば積水化学工業社製)を用いた大気圧プラズマ処理およびシランカップリング剤(商品名「KBM-503」、信越化学社製)の塗布のうち適切な処理を単独でまたは組み合わせて行われる。
[0103]
 (太陽電池モジュール)
 厚さ200μmのバックシート(商品名「コバテックPV KB-Z1-3」、コバヤシ社製)を用意し、18cm×18cmにカットし、裏面被覆部材を用意した。この裏面被覆部材を載置し、その上に、上記で作製した導電部付き封止シート(第2封止シート)を、導電部形成面が上面となるように設置した。第2封止シート上に、表面にバスバー電極(1.5mm×0.2mmのはんだ被覆銅線)を3本固定したSi系太陽電池セル(Qセルズ社製、単結晶セル)を、その裏面が第2封止シートの第2導電部(具体的には櫛形の歯の部分)と当接するように配置した。なお、上記バスバー電極は、上記太陽電池セルにはんだで固定されている。そして、太陽電池セルの両横に、幅6cmの銅製端子バー(商品名「A-SPS」、日立電線社製)を、取出し電極としてそれぞれ設置した。その上に、上記で用意したシート状封止樹脂を設置した。さらにその上に表面被覆部材として厚さ3.2mmのガラス板(旭硝子社製、白板熱処理ガラス)を配置した後、市販のラミネータ(NPC社製)を用いて150℃、100KPa、5分間の条件でラミネートを行い、15分間のキュアを実施した。さらに、市販の送風定温恒温器(ヤマト科学社製)を用いて150℃、15分間の乾燥処理を行い、試験用太陽電池モジュールを構築した。
 上記試験用太陽電池モジュールとしては、第2封止シートにおける第2導電パス(ワイヤー)の本数をそれぞれ4本、8本、Sn被覆ワイヤーについてはさらに15本に変更したモジュールを用意した。また、第2導電パスを金属箔とした第2封止シートを用いてなる試験用太陽電池モジュールを用意した。
[0104]
 また対比のため、表裏面ともバスバー電極3本で配線を行った太陽電池セルを用意し、当該バスバー電極付き太陽電池セルを用い、かつ上下ともシート状封止樹脂(商品名「EVASKY」、ブリヂストン社製、18cm×18cm)を用いた他は上記と同様にして試験用太陽電池モジュールを構築した。なお、上記バスバー電極も、上記太陽電池セルにはんだで固定されている。
[0105]
 (評価)
 得られた試験用太陽電池モジュールにつき、直列抵抗Rs(Ω/cm )を測定した。結果を表1に示す。
[0106]
[表1]


[0107]
 表1に示されるように、太陽電池セル裏面側の導電パスの本数が増えると、直列抵抗は低減傾向となることがわかる。また、太陽電池セル裏面のほぼ全体に金属箔を配置した場合には直列抵抗は大きく低減した。本実験では、太陽電池セル表面側のバスバー電極の本数は一定(3本)であったので、シャドーロスが増大することなく直列抵抗を低減し得ることが示された。
[0108]
 <実施例>
 太陽電池セルとして、バスバー電極を固定していないSi系太陽電池セル(Qセルズ社製、単結晶セル)を用いた。また、第2封止シートとして、Ag被覆ワイヤーが15本配列された導電部を有する第2封止シートを用いた。また、太陽電池セルの上面に配置されるシート状封止樹脂を、Ag被覆ワイヤーが8本配列された導電部を有する第1封止シートに変更した。その他は上記参考実験2と同様にして図3に模式的に示すような断面構造を有する試験用太陽電池モジュールを構築した。得られた試験用太陽電池モジュールについて、上記と同様にして直列抵抗Rs(Ω/cm )を測定したところ、1.97Ω/cm であった。
[0109]
 上記実施例の結果から、封止樹脂として導電部付き封止シートを用い、かつ太陽電池セル裏面側に配置される第2封止シートの導電部の面積を増大することによって、シャドーロスの増大を防止しつつ、集電効率を効率よく向上させ得ることがわかる。また、上記導電部付き封止シートを用いることによって、バスバー電極のはんだ付け工程を省略することができ、配線作業性も飛躍的に改善することができる。
[0110]
 以上、本発明の具体例(各実施形態および実施例)を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。

符号の説明

[0111]
  1  太陽電池モジュール
 10  太陽電池セル群
 10a,10b  太陽電池セル
 10a’,10b’  太陽電池セル表面対向領域
 10a”,10b”  太陽電池セル裏面対向領域
 31  表面被覆部材
 32  裏面被覆部材
100  一対の封止シート
111  第1封止シート
112  第2封止シート
121  第1封止樹脂層
122  第2封止樹脂層
131A,131B  第1導電部
132A,132B  第2導電部
133A,133B  第1導電パス
134A  太陽電池セル対向部分
136A,136B  第2導電パス
137A  太陽電池セル対向部分
141A,141B  第1導電性接続部
142A,142B  第2導電性接続部

請求の範囲

[請求項1]
 太陽電池モジュールにおいて少なくとも1つの太陽電池セルを挟んで封止する一対の封止シートであって、
 前記少なくとも1つの太陽電池セルの表面側に配置される第1封止シートと、
 前記少なくとも1つの太陽電池セルの裏面側に配置される第2封止シートと、
を備えており、
 前記第1封止シートは、第1封止樹脂層と、該第1封止樹脂層の一方の表面に部分的に配置された第1導電部と、を備えており、
 前記第2封止シートは、第2封止樹脂層と、該第2封止樹脂層の一方の表面に部分的に配置された第2導電部と、を備えており、
 前記第1導電部の一部は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されており、
 前記第2導電部の一部は、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されており、
 前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電部の面積は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電部の面積よりも大きい、一対の封止シート。
[請求項2]
 前記第1導電部は、少なくとも1つの第1導電パスを有しており、
 前記少なくとも1つの第1導電パスは、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されており、かつ該領域内にて線状に延びる形状を有しており、
 前記第2導電部は、少なくとも1つの第2導電パスを有しており、
 前記少なくとも1つの第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域内に配置されており、
 前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電パスの面積は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電パスの面積よりも大きい、請求項1に記載の一対の封止シート。
[請求項3]
 前記第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域内にて線状に延びる形状を有しており、
 前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電パスの数は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電パスの数よりも多い、請求項2に記載の一対の封止シート。
[請求項4]
 前記第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域にて線状に延びる形状を有しており、
 前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第2導電パスの幅は、前記第1封止シート表面の太陽電池セル対向領域における前記第1導電パスの幅よりも大きい、請求項2または3に記載の一対の封止シート。
[請求項5]
 前記第2導電パスは、前記第2封止シート表面の太陽電池セル対向領域のほぼ全域に配置されている、請求項2に記載の一対の封止シート。
[請求項6]
 前記第1導電パスの一端には、該第1導電パスと交差する方向に帯状に延びる第1導電性接続部が配置されている、請求項2~5のいずれか一項に記載の一対の封止シート。
[請求項7]
 前記第2導電パスの数が2以上である場合、該第2導電パスの一端には、該第2導電パスと交差する方向に帯状に延びて該2以上の第2導電パスと接続する第2導電性接続部が配置されている、請求項3または4に記載の一対の封止シート。
[請求項8]
 前記第2導電部は、前記第1導電部または取出し電極と接触可能な導電性接続部を有する、請求項5に記載の一対の封止シート。
[請求項9]
 前記第1導電部および前記第2導電部は、ともに金属材料からなる、請求項1~8のいずれか一項に記載の一対の封止シート。
[請求項10]
 少なくとも1つの太陽電池セルと、請求項1~9のいずれか一項に記載の一対の封止シートと、を備える、太陽電池モジュール。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]