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1. (WO2015133630) 離型フィルム、その製造方法、および半導体パッケージの製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 離型フィルム、その製造方法、および半導体パッケージの製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114  

実施例

0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150  

産業上の利用可能性

0151  

符号の説明

0152  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : 離型フィルム、その製造方法、および半導体パッケージの製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、半導体素子を金型内に配置し、硬化性樹脂で封止して樹脂封止部を形成する半導体パッケージの製造方法において、金型のキャビティ面に配置される離型フィルム、その製造方法、および前記離型フィルムを用いた半導体パッケージの製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 半導体チップは通常、外気からの遮断・保護のため樹脂で封止され、パッケージと呼ばれる成形品として基板上に実装されている。半導体チップの封止には、エポキシ樹脂系等の熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂が用いられる。半導体チップの封止方法としては、たとえば、半導体チップが実装された基板を、該半導体チップが金型のキャビティ内の所定の場所に位置するように配置し、キャビティ内に硬化性樹脂を充填して硬化させる、いわゆるトランスファ成形法または圧縮成形法が知られている。
 従来、パッケージは、硬化性樹脂の流路であるランナーを介して連結した1チップ毎のパッケージ成形品として成形されている。この場合、金型からのパッケージの離型性向上は、金型構造の調整、硬化性樹脂への離型剤の添加等によりなされることが多い。一方、パッケージの小型化、多ピン化の要請からBGA方式やQFN方式、さらにはウエハレベルCSP(WL-CSP)方式のパッケージが増加している。QFN方式では、スタンドオフの確保および端子部への樹脂バリ発生を防止するため、またBGA方式およびWL-CSP方式では、金型からのパッケージの離型性向上のため、金型のキャビティ面に離型フィルムが配置されることが多い。
 金型のキャビティ面への離型フィルムの配置は、一般的に、巻き重ねられた状態の長尺の離型フィルムを巻出ロールから巻き出し、巻出ロールおよび巻取ロールによって引っ張られた状態で金型上に供給し、真空でキャビティ面に吸着せしめることによって行われる。また、最近では、予め金型に合わせてカットした短尺の離型フィルムを金型に供給することも行われている(特許文献1)。
[0003]
 離型フィルムとしては、樹脂フィルムが一般的に用いられている。しかし、かかる離型フィルムは帯電しやすい問題がある。たとえば巻き出して使用する場合、離型フィルムの剥離時に静電気が発生し、製造雰囲気下に存在する粉塵等の異物が帯電した離型フィルムに付着してパッケージの形状異常(バリ発生、異物付着等)や金型汚れの原因になる。とりわけ、半導体チップの封止装置として顆粒樹脂を採用する装置が増えており(たとえば特許文献2)、離型フィルムに顆粒樹脂から発生する粉じんが付着することによる形状異常や金型汚れは無視できなくなっている。
 また、近年はパッケージの薄型化や、放熱性の向上の要請から、半導体チップをフリップチップ接合し、チップの背面を露出させるパッケージが増えてきている。この工程はモールドアンダーフィル(Molded Underfill;MUF)工程と呼ばれる。MUF工程では、半導体チップを保護とマスキングのために、離型フィルムと半導体チップとが直接接触した状態で封止が行われる(たとえば特許文献3)。この際、離型フィルムが帯電しやすいと、剥離時の帯電-放電により半導体チップが破壊される懸念がある。
 この対策として、(1)離型フィルムが金型に運ばれる前に、高電圧が印加された電極間を通して、イオン化されたエアーを離型フィルムに吹き付けて除電する方法(特許文献4)、(2)カーボンブラックを含有させて離型フィルムの表面抵抗値を下げる方法(特許文献5)、(3)離型フィルムを構成する基材に帯電防止剤を塗工し、さらに架橋型アクリル系粘着剤を塗工し架橋させて、離型フィルムに離型層を設ける方法(特許文献6、7)等が提案されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2009-272398号公報
特許文献2 : 特開2008-279599号公報
特許文献3 : 特開2013-123063号公報
特許文献4 : 特開2000-252309号公報
特許文献5 : 特開2002-280403号公報
特許文献6 : 特開2005-166904号公報
特許文献7 : 特開2013-084873号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 しかし、(1)の方法では、離型フィルムは除電されるが、エアーによる埃の巻き上げのリスクが高まるうえ、剥離時の帯電-放電を防ぐことはできない。
 (2)の方法では、表面抵抗値を充分に下げるだけのカーボンブラックを含有すると、離型フィルムからカーボンブラックが脱離しやすく、脱離したカーボンブラックが金型を汚す問題がある。
 (3)の方法では、架橋型アクリル系粘着剤を基材の片面に塗工し架橋させるため、基材にある程度の厚さと弾性率がなければ離型フィルムがカールする。離型フィルムがカールすると、離型フィルムを金型に吸着させる際に、離型フィルムが金型にうまく吸着されない場合がある。特に特許文献1に記載のような、短尺の離型フィルムを金型に供給する装置を用いる場合、カールの問題は顕著である。高弾性率あるいは厚い基材を含む離型フィルムはカールしないが、金型追従性が不充分で、金型追従性が求められる用途には使用できない。
[0006]
 本発明の目的は、帯電およびカールが生じにくく、金型を汚さず、かつ金型追従性に優れる離型フィルム、その製造方法、および前記離型フィルムを用いた半導体パッケージの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明は、以下の[1]~[9]の構成を有する離型フィルム、その製造方法、および半導体パッケージの製造方法を提供する。
 [1]半導体素子を金型内に配置し、硬化性樹脂で封止して樹脂封止部を形成する半導体パッケージの製造方法において、金型の前記硬化性樹脂が接する面に配置される離型フィルムであって、
 前記樹脂封止部の形成時に硬化性樹脂と接する第1の熱可塑性樹脂層と、前記樹脂封止部の形成時に金型と接する第2の熱可塑性樹脂層と、第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層との間に配置された中間層とを備え、
 前記第1の熱可塑性樹脂層および前記第2の熱可塑性樹脂層それぞれの180℃における貯蔵弾性率が10~300MPaで、25℃における貯蔵弾性率の差が1,200MPa以下で、厚さが12~50μmであり、
 前記中間層が、高分子系帯電防止剤を含有する層を含むことを特徴とする離型フィルム。
 [2]前記中間層が、高分子系帯電防止剤を含有する層と、高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤から形成された接着層とを有するものであるか、または、高分子系帯電防止剤を含有する接着剤から形成された層を有するものである、[1]の離型フィルム。
 [3]前記第1の熱可塑性樹脂層および前記第2の熱可塑性樹脂層がともに無機系添加剤を含まない、[1]または[2]の離型フィルム。
 [4]JIS K6854-2に準拠し、180℃にて測定される、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との間の剥離強度が、0.3N/cm以上である、[1]~[3]のいずれかの離型フィルム。
 [5]前記高分子系帯電防止剤を含有する層の表面抵抗値が10 10Ω/□以下である、[1]~[4]のいずれかの離型フィルム。
 [6]以下の測定方法で測定されるカールが1cm以下である、[1]~[5]のいずれかの離型フィルム。
(カールの測定方法)
 20~25℃で、平らな金属板上に10cm×10cmの正方形状の離型フィルムを30秒間静置し、前記離型フィルムの金属板から浮き上がった部分の最大高さ(cm)を測定し、その値をカールとする。
 [7]半導体素子と、硬化性樹脂から形成され、前記半導体素子を封止する樹脂封止部とを有する半導体パッケージの製造方法であって、
 金型の前記硬化性樹脂が接する面に、[1]~[6]のいずれかの離型フィルムを配置する工程と、
 半導体素子が実装された基板を前記金型内に配置し、前記金型内の空間に硬化性樹脂を満たして硬化させ、樹脂封止部を形成することにより、前記基板と前記半導体素子と前記樹脂封止部とを有する封止体を得る工程と、
 前記封止体を前記金型から離型する工程と、を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
 [8]前記封止体を得る工程で、前記半導体素子の一部が前記離型フィルムに直接接する、[7]の半導体パッケージの製造方法。
 [9]第1の熱可塑性樹脂層を形成する第1のフィルムと第2の熱可塑性樹脂層を形成する第2のフィルムとを、接着剤を用いてドライラミネートする工程を含み、
 前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムのうちの一方のフィルムの、ドライラミネート温度t(℃)における貯蔵弾性率E ’(MPa)、厚さT (μm)、幅W (mm)およびフィルムにかかる張力F (N)と、他方のフィルムの、ドライラミネート温度t(℃)における貯蔵弾性率E ’(MPa)、厚さT (μm)、幅W (mm)およびフィルムにかかる張力F (N)とが、以下の式(I)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の離型フィルムの製造方法。
 0.8≦{(E ’×T ×W )×F }/{(E ’×T ×W )×F }≦1.2  …(I)
 ただし、180℃における貯蔵弾性率E ’(180)とE ’(180)が10~300MPaであり、25℃における貯蔵弾性率の差|E ’(25)-E ’(25)|は1,200MPa以下であり、T およびT はそれぞれ12~50(μm)である。

発明の効果

[0008]
 本発明の離型フィルムは、帯電およびカールが生じにくく、金型を汚さず、かつ金型追従性に優れる。
 本発明の離型フィルムの製造方法によれば、帯電しにくく、カールしにくく、かつ金型追従性に優れる離型フィルムを製造できる。
 本発明の半導体パッケージの製造方法によれば、離型フィルムの剥離時の帯電-放電によって生じる不具合、たとえば帯電した離型フィルムへの異物の付着、それに伴う半導体パッケージの形状異常や金型汚れ、離型フィルムからの放電による半導体チップの破壊等、を抑制できる。また、離型フィルムの金型への吸着を良好に行うことができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の離型フィルムの第1実施形態の概略断面図。
[図2] 本発明の半導体パッケージの製造方法で得られる半導体パッケージの一例の概略断面図。
[図3] 本発明の半導体パッケージの製造方法で得られる半導体パッケージの他の一例の概略断面図。
[図4] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第1実施形態の工程(α3)を示す模式断面図。
[図5] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第1実施形態の工程(α4)を示す模式断面図。
[図6] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第1実施形態の工程(α4)を示す模式断面図。
[図7] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第2実施形態に用いる金型の一例の模式断面図。
[図8] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第2実施形態の工程(β1)を示す模式断面図。
[図9] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第2実施形態の工程(β2)を示す模式断面図。
[図10] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第2実施形態の工程(β3)を示す模式断面図。
[図11] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第2実施形態の工程(β4)を示す模式断面図。
[図12] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第2実施形態の工程(β5)を示す模式断面図。
[図13] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第3実施形態の工程(γ1)を示す模式断面図。
[図14] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第3実施形態の工程(γ3)を示す模式断面図。
[図15] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第3実施形態の工程(γ4)を示す模式断面図。
[図16] 本発明の半導体パッケージの製造方法の第3実施形態の工程(γ5)を示す模式断面図。
[図17] 実施例で使用した180℃における追従性試験の装置を示す図。

発明を実施するための形態

[0010]
 本明細書における以下の用語は、それぞれ、次の意味で使用される。
 「熱可塑性樹脂層」は、熱可塑性樹脂からなる層である。熱可塑性樹脂には、必要に応じて、無機添加剤、有機添加剤等の添加物が配合されていてもよい。
 樹脂における「単位」は、当該樹脂を構成する構成単位(モノマー単位)を示す。
 「フッ素樹脂」とは、構造中にフッ素原子を含む樹脂を示す。
 「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の総称である。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートの総称である。「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルとメタクリロイルの総称である。
[0011]
 熱可塑性樹脂層の厚さは、ISO 4591:1992(JIS K7130:1999のB1法、プラスチックフィルム又はシートから採った試料の質量法による厚さの測定方法)に準拠して測定される。
[0012]
 熱可塑性樹脂層の貯蔵弾性率E’は、ISO 6721-4:1994(JIS K7244-4:1999)に基づき測定される。周波数は10Hz、静的力は0.98N、動的変位は0.035%とする。温度t(℃)で測定された貯蔵弾性率E’をE’(t)とも記す。温度を20℃から2℃/分の速度で上昇させて、25℃および180℃の値において測定したE’を、それぞれ、25℃におけるE’(25)、180℃におけるE’(180)という。
[0013]
 算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601:2013(ISO4287:1997,Amd.1:2009)に基づき測定される算術平均粗さである。粗さ曲線用の基準長さlr(カットオフ値λc)は0.8mmとした。
[0014]
 離型フィルムは、半導体素子を金型内に配置し、硬化性樹脂で封止して樹脂封止部を形成する半導体パッケージの製造方法において使用される、金型の前記硬化性樹脂が接する面に配置されるフィルムである。本発明の離型フィルムは、例えば、半導体パッケージの樹脂封止部を形成する際に、該樹脂封止部の形状に対応する形状のキャビティを有する金型のキャビティ面を覆うように配置され、形成した樹脂封止部と金型のキャビティ面との間に配置されることによって、得られた半導体パッケージの金型からの離型を容易にする。
[0015]
〔第1実施形態の離型フィルム〕
 図1は、本発明の離型フィルムの第1実施形態を示す概略断面図である。
 第1実施形態の離型フィルム1は、樹脂封止部の形成時に硬化性樹脂と接する第1の熱可塑性樹脂層2と、前記樹脂封止部の形成時に金型と接する第2の熱可塑性樹脂層3と、それらの間に配置された中間層4とを備える。
 離型フィルム1は、半導体パッケージの製造時に、第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aを金型のキャビティに向けて配置され、樹脂封止部の形成時に硬化性樹脂と接触する。また、この時、第2の熱可塑性樹脂層3側の表面3aは金型のキャビティ面に密着する。この状態で硬化性樹脂を硬化させることにより、金型のキャビティの形状に対応した形状の樹脂封止部が形成される。
[0016]
(第1の熱可塑性樹脂層)
 第1の熱可塑性樹脂層2は、180℃における貯蔵弾性率E’(180)が10~300MPaであり、30~150MPaが特に好ましい。180℃は、通常の成形時の金型温度である。
 E’(180)が前記範囲の上限値以下であれば、離型フィルムは金型追従性に優れる。半導体素子の封止時に、離型フィルムが確実にキャビティ面に密着し、樹脂封止部に金型形状が角部まで正確に転写される。その結果、精度の高い樹脂封止部が形成され、封止した半導体パッケージの歩留まりが高い。
 前記E’(180)が前記範囲の上限値を超えると、離型フィルムを真空で金型に追従させる際に、離型フィルムの金型追従性が不充分となる。そのため、トランスファ成形では、型締め時に、半導体素子が追従しきっていないフィルムにあたって破損したり、封止部の角部が欠ける場合がある。圧縮成形では、離型フィルムの金型追従性が不充分なために、フィルム上に硬化性樹脂を撒いた際に金型からあふれたり、封止部の角部が欠ける場合がある。
 E’(180)が前記範囲の下限値以上であれば、離型フィルムがカールしにくい。また、離型フィルムを引っ張りながら金型のキャビティを覆うように配置する際に、離型フィルムが柔らかすぎないため、離型フィルムに張力が均一にかかり、しわが発生しにくい。その結果、離型フィルムのしわが樹脂封止部の表面に転写されることなく、樹脂封止部の表面の外観に優れる。
[0017]
 第1の熱可塑性樹脂層2の貯蔵弾性率E’は、第1の熱可塑性樹脂層2を構成する熱可塑性樹脂の結晶化度によって調整できる。具体的には、前記熱可塑性樹脂の結晶化度が低いほど、E’は低くなる。熱可塑性樹脂の結晶化度は、公知の方法によって調整できる。たとえば、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の場合、テトラフルオロエチレンとエチレンに基づく単位の比率、テトラフルオロエチレンおよびエチレン以外の他のモノマーに基づく単位の種類や含有量によって調整できる。
[0018]
 第1の熱可塑性樹脂層2の厚さは12~50μmであり、25~40μmが好ましい。
 第1の熱可塑性樹脂層2の厚さが前記範囲の下限値以上であることにより、離型フィルム1がカールしにくい。また、離型フィルム1の取り扱いが容易であり、離型フィルム1を引っ張りながら金型のキャビティを覆うように配置する際に、しわが発生しにくい。
 第1の熱可塑性樹脂層2の厚さが前記範囲の上限値以下であることにより、離型フィルム1は、容易に変形可能で、金型追従性に優れる。
[0019]
 第1の熱可塑性樹脂層2は、離型フィルム1の第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aと接した状態で硬化した硬化性樹脂(樹脂封止部)を離型フィルム1から容易に剥離できる離型性を有することが好ましい。また、成形時の金型の温度、典型的には150~180℃に耐え得る耐熱性を有することが好ましい。
 第1の熱可塑性樹脂層2を構成する熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Iともいう。)としては、前述の離型性および耐熱性、ならびに硬化性樹脂の流動や加圧力に耐え得る強度、高温における伸び等の点から、フッ素樹脂、ポリスチレン、および融点200℃以上のポリオレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0020]
 フッ素樹脂としては、離型性および耐熱性の点から、フルオロオレフィン系重合体が好ましい。フルオロオレフィン系重合体は、フルオロオレフィンに基づく単位を有する重合体である。フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。フルオロオレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 フルオロオレフィン系重合体としては、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEともいう。)、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)/テトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。フルオロオレフィン系重合体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 ポリスチレンとしては、耐熱性および金型追随性の点から、シンジオタクチックポリスチレンが好ましい。ポリスチレンは、延伸されていてもよく、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 融点200℃以上のポリオレフィンとしては、離型性および金型追随性の点から、ポリメチルペンテンが好ましい。ポリオレフィンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0021]
 熱可塑性樹脂Iとしては、ポリメチルペンテンおよびフルオロオレフィン系重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、フルオロオレフィン系重合体がより好ましい。中でも、高温での伸びが大きい点から、ETFEが特に好ましい。ETFEは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0022]
 ETFEは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEともいう。)に基づく単位と、エチレン(以下、Eともいう。)に基づく単位とを有する共重合体である。
 ETFEとしては、TFEに基づく単位と、Eに基づく単位と、TFEおよびE以外の第3のモノマーに基づく単位とを有するものが好ましい。第3のモノマーに基づく単位の種類や含有量によってETFEの結晶化度、すなわち第1の熱可塑性樹脂層2の貯蔵弾性率を調整しやすい。また、第3のモノマー(特にフッ素原子を有するモノマー)に基づく単位を有することで、高温(特に180℃前後)における引張強伸度が向上する。
 第3のモノマーとしては、フッ素原子を有するモノマーと、フッ素原子を有しないモノマー等とが挙げられる。
[0023]
 フッ素原子を有するモノマーとしては、下記のモノマー(a1)~(a5)が挙げられる。
 モノマー(a1):炭素数3以下のフルオロオレフィン類。
 モノマー(a2):X(CF CY=CH (ただし、X、Yは、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、nは2~8の整数である。)で表されるペルフルオロアルキルエチレン。
 モノマー(a3):フルオロビニルエーテル類。
 モノマー(a4):官能基含有フルオロビニルエーテル類。
 モノマー(a5):脂肪族環構造を有する含フッ素モノマー。
[0024]
 モノマー(a1)としては、フルオロエチレン類(トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレン等)、フルオロプロピレン類(ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPともいう。)、2-ヒドロペンタフルオロプロピレン等)等が挙げられる。
[0025]
 モノマー(a2)としては、nが2~6のモノマーが好ましく、nが2~4のモノマーが特に好ましい。また、Xがフッ素原子、Yが水素原子であるモノマー、すなわち(ペルフルオロアルキル)エチレンが特に好ましい。
 モノマー(a2)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
 CF CF CH=CH
 CF CF CF CF CH=CH ((ペルフルオロブチル)エチレン。以下、PFBEともいう。)、
 CF CF CF CF CF=CH
 CF HCF CF CF=CH
 CF HCF CF CF CF=CH 等。
[0026]
 モノマー(a3)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。なお、下記のうちジエンであるモノマーは環化重合し得るモノマーである。
 CF =CFOCF
 CF =CFOCF CF
 CF =CF(CF CF (ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)。以下、PPVEともいう。)、
 CF =CFOCF CF(CF )O(CF CF
 CF =CFO(CF O(CF CF
 CF =CFO(CF CF(CF )O) (CF CF
 CF =CFOCF CF(CF )O(CF CF
 CF =CFOCF CF=CF
 CF =CFO(CF CF=CF 等。
[0027]
 モノマー(a4)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
 CF =CFO(CF CO CH
 CF =CFOCF CF(CF )O(CF CO CH
 CF =CFOCF CF(CF )O(CF SO F等。
[0028]
 モノマー(a5)の具体例としては、ペルフルオロ(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール)、2,2,4-トリフルオロ-5-トリフルオロメトキシ-1,3-ジオキソール、ペルフルオロ(2-メチレン-4-メチル-1,3-ジオキソラン)等が挙げられる。
[0029]
 フッ素原子を有しないモノマーとしては、下記のモノマー(b1)~(b4)が挙げられる。
 モノマー(b1):オレフィン類。
 モノマー(b2):ビニルエステル類。
 モノマー(b3):ビニルエーテル類。
 モノマー(b4):不飽和酸無水物。
[0030]
 モノマー(b1)の具体例としては、プロピレン、イソブテン等が挙げられる。
 モノマー(b2)の具体例としては、酢酸ビニル等が挙げられる。
 モノマー(b3)の具体例としては、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。
 モノマー(b4)の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水ハイミック酸(5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物)等が挙げられる。
[0031]
 第3のモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 第3のモノマーとしては、結晶化度の調整すなわち貯蔵弾性率の調整がしやすい点、第3のモノマー(特にフッ素原子を有するモノマー)に基づく単位を有することで高温(特に180℃前後)における引張強伸度に優れる点から、モノマー(a2)、HFP、PPVE、酢酸ビニルが好ましく、HFP、PPVE、CF CF CH=CH 、PFBEがより好ましく、PFBEが特に好ましい。
 すなわち、ETFEとしては、TFEに基づく単位と、Eに基づく単位と、PFBEに基づく単位とを有する共重合体が特に好ましい。
[0032]
 ETFEにおいて、TFEに基づく単位と、Eに基づく単位とのモル比(TFE/E)は、80/20~40/60が好ましく、70/30~45/55がより好ましく、65/35~50/50が特に好ましい。TFE/Eが前記範囲内であれば、ETFEの耐熱性および機械的物性に優れる。
[0033]
 ETFE中の第3のモノマーに基づく単位の割合は、ETFEを構成する全単位の合計(100モル%)に対して0.01~20モル%が好ましく、0.10~15モル%がより好ましく、0.20~10モル%が特に好ましい。第3のモノマーに基づく単位の割合が前記範囲内であれば、ETFEの耐熱性および機械的物性に優れる。
[0034]
 第3のモノマーに基づく単位がPFBEに基づく単位を含む場合、PFBEに基づく単位の割合は、ETFEを構成する全単位の合計(100モル%)に対して0.5~4.0モル%が好ましく、0.7~3.6モル%がより好ましく、1.0~3.6モル%が特に好ましい。PFBEに基づく単位の割合が前記範囲内であれば、離型フィルムの180℃における引張弾性率を前記範囲内に調整できる。また、高温(特に180℃前後)における引張強伸度が向上する。
[0035]
 ETFEの溶融流量(MFR)は、2~40g/10分が好ましく、5~30g/10分がより好ましく、10~20g/10分が特に好ましい。ETFEのMFRが前記範囲内であれば、ETFEの成形性が向上し、離型フィルムの機械特性に優れる。
 ETFEのMFRは、ASTM D3159に準拠して、荷重49N、297℃にて測定される値である。
[0036]
 第1の熱可塑性樹脂層2は、熱可塑性樹脂Iのみからなるものでもよく、無機系添加剤、有機系添加剤等の添加物を含有してもよい。無機系添加剤としては、カーボンブラック、シリカ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミコバルト、マイカ(雲母)、酸化亜鉛等が挙げられる。有機系添加剤としては、シリコーンオイル、金属石鹸等が挙げられる。
 第1の熱可塑性樹脂層2の貯蔵弾性率を低くして金型追従性を向上させる等の観点から、第1の熱可塑性樹脂層2は、無機系添加剤を含まないことが好ましい。
 第1の熱可塑性樹脂層2は、単層構造でも多層構造でもよい。金型追従性、引張伸度、製造コスト等の点からは、単層構造であることが好ましい。
[0037]
 第1の熱可塑性樹脂層2は、離型性に優れる点から、フッ素樹脂からなる単層構造であるか、または少なくとも表面2a側の最外層にフッ素樹脂からなる層(以下、フッ素樹脂層ともいう。)を含む多層構造であることが好ましく、フッ素樹脂からなる単層構造であることが特に好ましい。
 前記多層構造としては、たとえば、複数のフッ素樹脂層からなるもの、1層以上のフッ素樹脂層と1層以上のフッ素樹脂以外の樹脂からなる層(以下、その他の層ともいう。)とを含み、少なくとも表面2a側の最外層にフッ素樹脂層が配置されたもの等が挙げられる。その他の層を含む場合の多層構造の例としては、表面2a側からフッ素樹脂層とその他の層とがこの順に積層した2層構造、表面2a側からフッ素樹脂層、その他の層、フッ素樹脂層がこの順に積層した3層構造等が挙げられる。
[0038]
 第1の熱可塑性樹脂層2がフッ素樹脂からなる場合、離型フィルム1は、離型性に優れ、また、成形時の金型の温度(典型的には150~180℃)に耐え得る耐熱性、硬化性樹脂の流動や加圧力に耐え得る強度等を充分に有し、高温における伸びにも優れる。特に、第1の熱可塑性樹脂層2が単層構造であると、多層構造である場合に比べて、金型追従性、引張伸度等の物性に優れ、離型フィルムとしての適性が向上し、さらには製造コストも少ない傾向がある。
[0039]
 第1の熱可塑性樹脂層2の、樹脂封止部の形成時に硬化性樹脂と接する面、すなわち離型フィルム1の第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aは、平滑でもよく凹凸が形成されていてもよい。離型性の点では、凹凸が形成されていることが好ましい。
 平滑である場合の表面2aの算術平均粗さ(Ra)は、0.01~0.2μmが好ましく、0.05~0.1μmが特に好ましい。
 凹凸が形成されている場合の表面2aのRaは、1.0~2.1μmが好ましく、1.2~1.9μmが特に好ましい。
 凹凸が形成されている場合の表面形状は、複数の凸部および/または凹部がランダムに分布した形状でもよく、複数の凸部および/または凹部が規則的に配列した形状でもよい。また、複数の凸部および/または凹部の形状や大きさは同じでもよく異なってもよい。
 凸部としては、離型フィルムの表面に延在する長尺の凸条、点在する突起等が挙げられる。凹部としては、離型フィルムの表面に延在する長尺の溝、点在する穴等が挙げられる。
 凸条または溝の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり形状等が挙げられる。離型フィルム表面においては、複数の凸条または溝が平行に存在して縞状をなしていてもよい。凸条または溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、三角形(V字形)等の多角形、半円形等が挙げられる。
 突起または穴の形状としては、三角錐形、四角錐形、六角錐形等の多角錐形、円錐形、半球形、多面体形、その他各種不定形等が挙げられる。
[0040]
(第2の熱可塑性樹脂層)
 第2の熱可塑性樹脂層3の180℃における貯蔵弾性率E’(180)および厚さ、それらの好ましい範囲は第1の熱可塑性樹脂層2と同様である。
 第2の熱可塑性樹脂層3のE’(180)および厚さはそれぞれ、第1の熱可塑性樹脂層2のE’(180)および厚さと同じであっても異なっていてもよい。
 ただし、第1の熱可塑性樹脂層の25℃におけるE’(25)と第2の熱可塑性樹脂層の25℃におけるE’(25)の差(|第1の熱可塑性樹脂層のE’(25)-第2の熱可塑性樹脂層のE’(25)|)は1,200MPa以下であり、1,000MPa以下が特に好ましい。E’(25)の差が前記範囲の下限値以下であれば、カールを抑制できる。カールの抑制の点で、第1の熱可塑性樹脂層2との厚さの差は20μm以下であることが好ましい。
[0041]
 第2の熱可塑性樹脂層3を構成する熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂IIともいう。)としては、離型フィルム1の金型からの離型性、成形時の金型の温度(典型的には150~180℃)に耐え得る耐熱性、硬化性樹脂の流動や加圧力に耐え得る強度、高温における伸び等の点から、フッ素樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミドおよびエチレン/ビニルアルコール共重合体、および融点200℃以上のポリオレフィンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 フッ素樹脂、ポリスチレン、融点200℃以上のポリオレフィンとしてはそれぞれ、前記熱可塑性樹脂Iと同様のものが挙げられる。
 ポリエステルとしては、耐熱性、強度の点から、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう。)、易成形PET、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTともいう。)、ポリナフタレンテレフタレートが好ましい。
 易成形PETとは、エチレングリコールおよびテレフタル酸(あるいはジメチルテレフタレート)に加え、その他のモノマーを共重合して成形性を改良したものである。具体的には、以下の方法で測定されるガラス転移温度Tgが105℃以下のPETである。
 Tgは、ISO6721-4:1994(JIS K7244-4:1999)に基づき測定される貯蔵弾性率E’および損失弾性率E”の比であるtanδ(E”/E’)が最大値を取る際の温度である。Tgは周波数は10Hz、静的力は0.98N、動的変位は0.035%とし、温度を20℃から180℃まで、2℃/分で昇温させて測定する。
 ポリエステルは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 ポリアミドとしては、耐熱性、強度、ガスバリア性の点から、ナイロン6、ナイロンMXD6が好ましい。ポリアミドは延伸されたものでもされていないものでもよい。ポリアミドは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 熱可塑性樹脂IIとしては、前記の中でも、ポリメチルペンテン、フルオロオレフィン系重合体、易成形PETおよびPBTからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ETFE、易成形PETおよびPBTからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
[0042]
 第2の熱可塑性樹脂層3は、熱可塑性樹脂IIのみからなるものでもよく、無機系添加剤、有機系添加剤等の添加物が配合されていてもよい。無機系添加剤、有機系添加剤としてはそれぞれ前記と同様のものが挙げられる。
 金型の汚れを防止する、第2の熱可塑性樹脂層3の貯蔵弾性率を低くして金型追従性を向上させる等の観点から、第2の熱可塑性樹脂層3は、無機系添加剤を含まないことが好ましい。
 第2の熱可塑性樹脂層3は、単層構造でも多層構造でもよい。金型追従性、引張伸度、製造コスト等の点からは、単層構造であることが好ましい。
[0043]
 第2の熱可塑性樹脂層3の、樹脂封止部の形成時に金型と接する面、すなわち離型フィルム1の第2の熱可塑性樹脂層3側の表面3aは、平滑でもよく凹凸が形成されていてもよい。
 平滑である場合の表面3aの算術平均粗さ(Ra)は、0.01~0.2μmが好ましく、0.05~0.1μmが特に好ましい。凹凸が形成されている場合の表面3aのRaは、1.5~2.1μmが好ましく、1.6~1.9μmが特に好ましい。
 凹凸が形成されている場合の表面形状は、複数の凸部および/または凹部がランダムに分布した形状でもよく、複数の凸部および/または凹部が規則的に配列した形状でもよい。また、複数の凸部および/または凹部の形状や大きさは、同じでもよく異なってもよい。凸部、凹部、凸条、突起または穴の具体例としては前記と同様のものが挙げられる。
 表面2aおよび表面3aの両面に凹凸が形成されている場合、各表面のRaや表面形状は同じでも異なってもよい。
[0044]
(中間層)
 中間層4は、高分子系帯電防止剤を含有する層(以下、高分子系帯電防止層ともいう。)を含む。高分子系帯電防止層は、高分子系帯電防止剤を含有することで表面抵抗値が低く、離型フィルム1の帯電防止に寄与する。中間層は、高分子系帯電防止層以外の他の層をさらに含んでもよい。
[0045]
 中間層4の表面抵抗値は、帯電防止の観点から、10 10Ω/□以下が好ましく、10 Ω/□以下が特に好ましい。前記表面抵抗値が10 10Ω/□以下であると、離型フィルム1の第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aにおける帯電防止性が発現できる。そのため、半導体パッケージの製造時に、半導体素子の一部が離型フィルム1に直接接するような場合でも、離型フィルムの帯電-放電による半導体素子の破壊を充分に抑制できる。
 中間層4の表面抵抗値は、帯電防止の観点からは低いほど好ましく、下限は特に限定されない。中間層4の表面抵抗値は、高分子系帯電防止剤の導電性能が高いほど、また高分子系帯電防止剤の含有量が多いほど、小さくなる傾向がある。
[0046]
 <高分子系帯電防止層>
 高分子系帯電防止剤としては、帯電防止剤として公知の高分子化合物を用いることができる。たとえば、側基に4級アンモニウム塩基を有するカチオン系共重合体、ポリスチレンスルホン酸を含むアニオン系化合物、ポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物(ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖が好ましい。)、ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルエステル、エチレンオキシド-エピクロルヒドリン共重合体等の非イオン系高分子、π共役系導電性高分子等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0047]
 側基に4級アンモニウム塩基を有する共重合体中の4級アンモニウム塩基は、誘電分極性と導電性による速やかな誘電分極緩和性を付与する効果を有する。
 前記共重合体は、側基に、4級アンモニウム塩基とともに、カルボキシ基を有することが好ましい。カルボキシ基を有すると、前記共重合体は架橋性を有し、単独でも中間層4を形成し得る。また、ウレタン系接着剤等の接着剤と併用した場合に、該接着剤と反応して架橋構造を形成し、接着性、耐久性、その他力学特性を著しく向上させ得る。
 前記共重合体は、側基にヒドロキシ基をさらに有してもよい。ヒドロキシ基は接着剤中の官能基、例えばイソシアネート基と反応して接着性を高める効果を有する。
[0048]
 前記共重合体は、上記の各官能基を有する単量体を共重合することによって得ることができる。4級アンモニウム塩基をもつ単量体の具体例としてはジメチルアミノエチルアクリレート4級化物(対イオンとしてのクロライド、サルフェート、スルホネート、アルキルスルホネート等のアニオンを含む)等が挙げられる。カルボキシ基を有する単量体の具体例としては(メタ)アクリル酸、(メタ)アクロイルオキシエチルコハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。
 これら以外の他の単量体を共重合させることもできる。他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル、オレフィン等のビニル誘導体等が挙げられる。
[0049]
 前記共重合体中の各官能基を有する単位の割合は適宜設定し得る。4級アンモニウム塩基を有する単位の割合は、全単位の合計に対して15~40モル%が好ましい。この割合が15モル%以上であると、帯電防止効果に優れる。40モル%を越えると、共重合体の親水性が高くなり過ぎるおそれがある。カルボキシ基を有する単位の割合は、全単位の合計に対して3~13モル%が好ましい。
[0050]
 前記共重合体が側基にカルボキシ基を有する場合、前記共重合体に、架橋剤(硬化剤)が添加されてもよい。架橋剤としては、グリセリンジグリシジルエーテル等の2官能エポキシ化合物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の3官能エポキシ化合物、トリメチロールプロパントリアジリジニルエーテル等のエチレンイミン化合物等の多官能化合物が挙げられる。
 前記共重合体に、前記2官能、3官能のエポキシ化合物の開環反応触媒として、2-メチルイミダゾール、2-エチル、4-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体やその他アミン類が添加されてもよい。
[0051]
 π共役系導電性高分子は、π共役が発達した主鎖を持つ導電性高分子である。π共役系導電性高分子としては、公知のものを用いることができ、たとえばポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、それらの誘導体等が挙げられる。
[0052]
 高分子系帯電防止剤は、公知の方法により製造したものを用いてもよく、市販品のものを用いてもよい。たとえば側基に4級アンモニウム塩基およびカルボキシ基を有する共重合体の市販品として、コニシ社製の「ボンディップ(BONDEIP、商標名)-PA100主剤」等が挙げられる。
[0053]
 高分子系帯電防止層としては、以下の層(1)~(4)等が挙げられる。
 層(1):高分子系帯電防止剤がフィルム形成能を有するものであり、前記高分子系帯電防止剤をそのまま、または溶媒に溶解させて湿式塗布し、必要に応じて乾燥して形成された層。
 層(2):高分子系帯電防止剤がフィルム形成能を有し、かつ溶融可能なものであり、前記高分子系帯電防止剤を溶融塗布して形成された層。
 層(3):結合剤がフィルム形成能を有するものであり、かつ溶融可能なものであり、前記結合剤に高分子系帯電防止剤を分散または溶解させた組成物を溶融塗布して形成された層。
 層(4):結合剤がフィルム形成能を有するものであり、前記結合剤と高分子系帯電防止剤とを含む組成物をそのまま、または溶媒に溶解させて湿式塗布し、必要に応じて乾燥して形成された層。ただし層(1)に該当するものは、層(4)には該当しないものとする。
[0054]
 層(1)において、高分子系帯電防止剤がフィルム形成能を有するとは、高分子帯電防止剤が有機溶剤等の溶媒に可溶であり、その溶液を湿式塗布し、乾燥させたときに膜が形成されることを意味する。
 層(2)において、高分子系帯電防止剤が溶融可能とは、加熱により溶融することを意味する。層(3)(4)における結合剤についての「フィルム形成能を有する」、「溶融可能」も同様の意味である。
[0055]
 層(1)における高分子系帯電防止剤は架橋性を有するものでもよく、架橋性を有しないものでもよい。高分子系帯電防止剤が架橋性を有する場合、架橋剤を併用してもよい。
 フィルム形成能および架橋性を有する高分子系帯電防止剤としては、前記側基に4級アンモニウム塩基およびカルボキシ基を有する共重合体等が挙げられる。
 架橋剤としては前記と同様のものが挙げられる。
 層(1)の厚さは、0.01~1.0μmが好ましく、0.03~0.5μmが特に好ましい。層(1)の厚さが0.01μm未満であると充分な帯電防止効果が得られないことがあり、一方、1.0μmを超えると、その上に接着層を塗工する場合に、第1の熱可塑性樹脂層2と第2の熱可塑性樹脂層3との間の接着性を低下させるおそれがある。
[0056]
 層(2)における高分子系帯電防止剤としては、界面活性剤やカーボンブラック等を含有したポリオレフィン樹脂等が挙げられる。市販品としては、ペレクトロンHS(三洋化成工業社製)等が挙げられる。層(2)の厚さの好ましい範囲は、層(1)の厚さの好ましい範囲と同様である。
[0057]
 層(3)における結合剤としては、汎用の熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、溶融成形時に接着するように、接着に寄与する官能基をもつ樹脂であることが好ましい。該官能基としては、カルボニル基等が挙げられる。 層(3)における高分子系帯電防止剤の含有量は、層(3)の全体の質量に対して10~40質量部が好ましく、10~30質量部が特に好ましい。層(3)の厚さの好ましい範囲は、層(1)の厚さの好ましい範囲と同様である。
[0058]
 層(4)を形成する組成物の1例は、接着剤である。接着剤は、主剤と硬化剤とを含有し、加熱等により硬化して接着性を発揮するものを意味する。
 接着剤は、1液型接着剤でもよく、2液型接着剤でもよい。
 層(4)を形成する接着剤(以下、層(4)形成用接着剤ともいう。)としては、たとえば、高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤に高分子系帯電防止剤を添加したもの等が挙げられる。
 接着剤に添加する高分子系帯電防止剤は、フィルム形成能を有するものでもよく、フィルム形成能を有しないもの(たとえばπ共役系導電性高分子)でもよい。
 高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤としては、ドライラミネート用の接着剤として公知のものを使用できる。たとえばポリ酢酸ビニル系接着剤;アクリル酸エステル(アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルエステル等)の単独重合体もしくは共重合体、またはアクリル酸エステルと他の単量体(メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等)との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤;シアノアクリレ-ト系接着剤;エチレンと他の単量体(酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等)との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤;セルロ-ス系接着剤;ポリエステル系接着剤;ポリアミド系接着剤;ポリイミド系接着剤;尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤;フェノ-ル樹脂系接着剤;エポキシ系接着剤;ポリオール(ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等)とイソシアネートおよび/またはイソシアヌレートと架橋させるポリウレタン系接着剤;反応型(メタ)アクリル系接着剤;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤;シリコーン系接着剤;アルカリ金属シリケ-ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤;その他等の接着剤を使用できる。
[0059]
 層(4)形成用接着剤中の高分子系帯電防止剤の含有量は、層(4)の表面抵抗値が10 10Ω/□以下となる量が好ましく、10 Ω/□以下が特に好ましい。
 帯電防止の観点からは、層(4)形成用接着剤中の高分子系帯電防止剤の含有量は多いほど好ましいが、高分子系帯電防止剤がπ共役系導電性高分子であり、高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤にπ共役系導電性高分子を添加したものを層(4)形成用接着剤として用いて中間層4を形成する場合、高分子系帯電防止剤の含有量が多くなると、層(4)の接着性が低下し、第1の熱可塑性樹脂層2と第2の熱可塑性樹脂層3との間の密着性が不充分になるおそれがある。そのため、この場合の層(4)形成用接着剤中の高分子系帯電防止剤の含有量は、バインダーとなる樹脂の固形分に対し、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下が特に好ましい。下限値は1質量%が好ましく、5質量%が特に好ましい。
[0060]
 層(4)の厚さは、0.2~5μmが好ましく、0.5~2μmが特に好ましい。層(4)の厚さが前記範囲の下限値以上であると、第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層との接着性に優れ、また、帯電防止性に優れる。前記範囲の上限値以下であると生産性に優れる。
[0061]
 中間層4が有する高分子系帯電防止層は、1層でもよく2層以上でもよい。たとえば層(1)~(4)のいずれか1種のみを有してもよく、2種以上を有してもよい。
 高分子系帯電防止層としては、製造しやすい点で、層(1)が好ましい。層(1)と層(2)~(4)のいずれか1種以上とを併用してもよい。
[0062]
 <他の層>
 高分子系帯電防止層以外の他の層としては、熱可塑性樹脂層、高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤から形成された層(以下、非帯電防止性接着層ともいう。)、ガスバリア層等が挙げられる。熱可塑性樹脂層としては、第1の熱可塑性樹脂層2、第2の熱可塑性樹脂層3と同様のものが挙げられる。非帯電防止性接着層における接着剤としては、前記と同様のものが挙げられる。ガスバリア層としては、たとえば、金属層、金属蒸着層、金属酸化物蒸着層等が挙げられる。
[0063]
 <中間層の層構成>
 中間層4としては、高分子系帯電防止層と、非帯電防止性接着層とを有するものであるか、または、層(4)を有するものであることが好ましい。中間層4がこのような構成であると、ドライラミネート法により離型フィルム1を製造できる。
[0064]
 中間層4の好ましい層構成としては、以下の(11)~(15)等が挙げられる。
 (11)第1の熱可塑性樹脂層2側から順に、層(1)~(3)のいずれかの層と、非帯電防止性接着層とが積層した層。
 (12)第1の熱可塑性樹脂層2側から順に、層(4)と、非帯電防止性接着層とが積層した層。
 (13)1層の層(4)からなる層。
 (14)第1の熱可塑性樹脂層2側から順に、層(4)と、第3の熱可塑性樹脂層と、非帯電防止性接着層とが積層した層。
 (15)第1の熱可塑性樹脂層2側から順に、層(4)と、第3の熱可塑性樹脂層と、ガスバリア層と、非帯電防止性接着層とが積層した層。
 上記の中では、(11)または(13)が好ましく、(11)がより好ましく、層(1)~(3)のいずれかの層が層(1)であるものが特に好ましい。
 第3の熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、前述した熱可塑性樹脂IIと同様の樹脂が挙げられる。第3の熱可塑性樹脂層の厚さは特に限定されないが、6~50μmが好ましい。
[0065]
 中間層4の厚さは、0.1~55μmが好ましく、0.5~25μmが特に好ましい。中間層4の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、帯電防止性と接着性とが充分に優れ、上限値以下であれば、金型追従性に優れる。
[0066]
(離型フィルムの厚さ)
 離型フィルム1の厚さは、25~100μmが好ましく、40~75μmが特に好ましい。厚さが前記範囲の下限値以上であれば、離型フィルムがカールしにくい。また、離型フィルムの取り扱いが容易であり、離型フィルムを引っ張りながら金型のキャビティを覆うように配置する際に、しわが発生しにくい。厚さが前記範囲の上限値以下であれば、離型フィルムが容易に変形でき、金型のキャビティの形状への追従性が向上するため、離型フィルムがしっかりとキャビティ面に密着でき、高品質な樹脂封止部を安定して形成できる。離型フィルム1の厚さは、金型のキャビティが大きいほど、前記範囲内において薄いことが好ましい。また、多数のキャビティを有する複雑な金型であるほど、前記範囲内において薄いことが好ましい。
[0067]
(離型フィルムのカール)
 離型フィルム1は、以下の測定方法で測定されるカールが1cm以下であることが好ましく、0.5cm以下が特に好ましい。
(カールの測定方法)
 20~25℃で、平らな金属板上に10cm×10cmの正方形状の離型フィルムを30秒間静置し、前記離型フィルムの金属板から浮き上がった部分の最大高さ(cm)を測定し、その値をカールとする。
[0068]
 離型フィルムにカールがあると、離型フィルムが金型にうまく吸着しない。半導体パッケージの製造時における金型への離型フィルムの供給は、ロールトゥロール方式(巻き重ねられた状態の長尺の離型フィルムを巻出ロールから巻き出し、巻出ロールおよび巻取ロールによって引っ張られた状態で金型上に供給する方式)が一般的であるが、最近ではプリカット方式(予め金型に合わせてカットした短尺の離型フィルムを金型に供給する方式)も採用されている。離型フィルムにカールがあると、特にプリカット方式の場合、離型フィルムが金型にうまく吸着しない問題が生じる。
 前記カールが1cm以下であると、プリカット方式の場合でも、離型フィルムの金型への吸着を良好に行うことができる。
 前記カールの大きさは、第1の熱可塑性樹脂層2および第2の熱可塑性樹脂層3の貯蔵弾性率および厚さ、ドライラミネート条件等によって調整できる。
[0069]
(離型フィルム1の製造方法)
 離型フィルム1は、第1の熱可塑性樹脂層2を形成する第1のフィルムと第2の熱可塑性樹脂層3を形成する第2のフィルムとを、接着剤を用いてドライラミネートする工程を含む製造方法により製造することが好ましい。
 ドライラミネートは、公知の方法により行うことができる。
 たとえば第1のフィルムおよび第2のフィルムのうちの一方のフィルムの片面に、接着剤を塗布し、乾燥させ、その上に他のフィルムを重ね、所定の温度(ドライラミネート温度)に加熱された一対のロール(ラミネートロール)の間に通して圧着する。これにより、第1の熱可塑性樹脂層2と、接着層を有する中間層4と、第2の熱可塑性樹脂層3とがこの順に積層した積層体を得ることができる。
[0070]
 接着剤は、高分子系帯電防止剤を含有してもよく、含有しなくてもよい。
 高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤を用いる場合(接着層が非帯電防止性接着層である場合)は、ドライラミネートする工程の前に、第1のフィルムおよび第2のフィルムのいずれか一方または両方の表面(中間層4側)に、高分子系帯電防止層を形成する工程を行う。
 たとえば、第1のフィルムおよび第2のフィルムのうちの一方のフィルムの片面に、フィルム形成能を有する高分子系帯電防止剤を塗布し乾燥させ、その上に、高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤を塗布し乾燥させ、さらにその上に他のフィルムを重ね、所定の温度(ドライラミネート温度)に加熱された一対のロール(ラミネートロール)の間に通して圧着する。これにより、第1の熱可塑性樹脂層2と、中間層4としての層(1)および非帯電防止性接着層と、第2の熱可塑性樹脂層3とがこの順に積層した積層体を得ることができる。
 ドライラミネートする工程の前、かつ高分子系帯電防止層を形成する工程の前または後に、非帯電防止性接着層および高分子系帯電防止層以外の他の層を形成する工程を行ってもよい。
 高分子系帯電防止剤を含有する接着剤を用いる場合(接着層が層(4)である場合)は、高分子系帯電防止層を形成する工程や他の層を形成する工程を行ってもよく、行わなくてもよい。
 ドライラミネート後、必要に応じて、養生、切断等を行ってもよい。
[0071]
 前記ドライラミネートする工程においては、前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムのうちの一方のフィルムの、ドライラミネート温度t(℃)における貯蔵弾性率E ’(MPa)、厚さT (μm)、幅W (mm)およびフィルムにかかる張力F (N)と、他方のフィルムの、ドライラミネート温度t(℃)における貯蔵弾性率E ’(MPa)、厚さT (μm)、幅W (mm)およびフィルムにかかる張力F (N)とが、以下の式(I)を満たすことが好ましく、以下の式(II)を満たすことが特に好ましい。
 0.8≦{(E ’×T ×W )×F }/{(E ’×T ×W )×F }≦1.2  …(I)
 0.9≦{(E ’×T ×W )×F }/{(E ’×T ×W )×F }≦1.1  …(II)
 ただし、180℃における貯蔵弾性率E ’(180)とE ’(180)が10~300MPaであり、25℃における貯蔵弾性率の差|E ’(25)-E ’(25)|は1,200MPa以下であり、T およびT はそれぞれ12~50(μm)である。
 式(I)を満たすように前記ドライラミネートする工程を行うことにより、ドライラミネート時の2枚のフィルムに残留する応力の差が最少になるため、得られる離型フィルムが、カールしにくいものとなる。
[0072]
 ドライラミネートするフィルムとしては、市販のものを用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。フィルムには、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー塗工処理等の表面処理が施されてもよい。
 フィルムの製造方法としては、特に限定されず、公知の製造方法を利用できる。
 両面が平滑である熱可塑性樹脂フィルムの製造方法としては、たとえば、所定のリップ幅を有するTダイを具備する押出機で溶融成形する方法等が挙げられる。
 片面または両面に凹凸が形成されているフィルムの製造方法としては、たとえば、熱加工でフィルムの表面に元型の凹凸を転写する方法が挙げられ、生産性の点から、下記の方法(i)、(ii)等が好ましい。方法(i)、(ii)では、ロール状の元型を用いることによって、連続した加工が可能となり、凹凸が形成されたフィルムの生産性が著しく向上する。
 (i)フィルムを元型ロールと圧胴ロールとの間に通し、フィルムの表面に元型ロールの表面に形成された凹凸を連続的に転写する方法。
 (ii)押出機のダイスから押し出された熱可塑性樹脂を元型ロールと圧胴ロールとの間に通し、該熱可塑性樹脂をフィルム状に成形すると同時に、該フィルム状の熱可塑性樹脂の表面に元型ロールの表面に形成された凹凸を連続的に転写する方法。
 方法(i)、(ii)において、圧胴ロールとして表面に凹凸が形成されたものを用いると、両面に凹凸が形成されている熱可塑性樹脂フィルムが得られる。
[0073]
 以上、本発明の離型フィルムについて、第1実施形態を示して説明したが、本発明はこれに上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
[0074]
(作用効果)
 本発明の離型フィルムは、帯電およびカールが生じにくく、金型を汚さず、かつ金型追従性に優れる。
 すなわち、本発明の離型フィルムは、高分子系帯電防止層を有するため、熱可塑性樹脂層(第1の熱可塑性樹脂層、第2の熱可塑性樹脂層等)にカーボンブラック等の無機フィラーを含まなくても、帯電防止性能を発現できる。そのため、半導体パッケージの製造時に、離型フィルムの剥離時の帯電-放電によって生じる不具合、たとえば帯電した離型フィルムへの異物の付着、離型フィルムからの放電による半導体チップの破壊等、を抑制できる。また、離型フィルムに付着した異物や離型フィルムからの無機フィラーの脱離による半導体パッケージの形状異常や金型汚れが生じにくい。また、本発明の離型フィルムは、カールしにくく、かつ半導体パッケージの製造において求められる金型追従性を充分に備える。そのため、半導体パッケージの製造時に、離型フィルムの金型への吸着を良好に行うことができる。
[0075]
〔半導体パッケージ〕
 本発明の離型フィルムを用いて、後述の本発明の半導体パッケージの製造方法により製造される半導体パッケージとしては、トランジスタ、ダイオード等の半導体素子を集積した集積回路;発光素子を有する発光ダイオード等が挙げられる。
 集積回路のパッケージ形状としては、集積回路全体を覆うものでも集積回路の一部を覆う(集積回路の一部を露出させる)ものでもよい。具体例としては、BGA(Ball Grid Array)、QFN(Quad Flat Non-leaded package)、SON(Small Outline Non-leaded package)等が挙げられる。
 半導体パッケージとしては、生産性の点から、一括封止およびシンギュレーションを経て製造されるものが好ましく、たとえば、封止方式がMAP(Moldied Array Packaging)方式、またはWL(Wafer Lebel packaging)方式である集積回路等が挙げられる。
[0076]
 図2は、半導体パッケージの一例を示す概略断面図である。
 この例の半導体パッケージ110は、基板10と、基板10の上に実装された半導体チップ(半導体素子)12と、半導体チップ12を封止する樹脂封止部14と、樹脂封止部14の上面14aに形成されたインク層16とを有する。半導体チップ12は、表面電極(図示なし)を有し、基板10は、半導体チップ12の表面電極に対応する基板電極(図示なし)を有し、表面電極と基板電極とはボンディングワイヤ18によって電気的に接続されている。
[0077]
 樹脂封止部14の厚さ(基板10の半導体チップ12設置面から樹脂封止部14の上面14aまでの最短距離)は、特に限定されないが、「半導体チップ12の厚さ」以上「半導体チップ12の厚さ+1mm」以下が好ましく、「半導体チップ12の厚さ」以上「半導体チップ12の厚さ+0.5mm」以下が特に好ましい。
[0078]
 図3は、半導体パッケージの他の一例を示す概略断面図である。この例の半導体パッケージ120は、基板70と、基板70の上に実装された半導体チップ(半導体素子)72と、アンダーフィル(樹脂封止部)74とを有する。アンダーフィル74は、基板20と半導体チップ72の主面(基板70側の表面)との間の間隙を充填しており、半導体チップ72の背面(基板70側とは反対側の表面)は露出している。
[0079]
〔半導体パッケージの製造方法〕
 本発明の半導体パッケージの製造方法は、半導体素子と、硬化性樹脂から形成され、前記半導体素子を封止する樹脂封止部とを有する半導体パッケージの製造方法であって、
 金型の前記硬化性樹脂が接する面に、前述した本発明の離型フィルムを、前記第1の熱可塑性樹脂層側の表面または前記第1の離型層側の表面が前記金型内の空間に向くように配置する工程と、
 半導体素子が実装された基板を前記金型内に配置し、前記金型内の空間に硬化性樹脂を満たして硬化させ、樹脂封止部を形成することにより、前記基板と前記半導体素子と前記樹脂封止部とを有する封止体を得る工程と、前記封止体を前記金型から離型する工程と、を有することを特徴とする。
[0080]
 本発明の半導体パッケージの製造方法は、本発明の離型フィルムを用いること以外は、公知の製造方法を採用できる。
 たとえば樹脂封止部の形成方法としては、圧縮成形法またはトランスファ成形法が挙げられ、この際に使用する装置としては、公知の圧縮成形装置またはトランスファ成形装置を用いることができる。製造条件も、公知の半導体パッケージの製造方法における条件と同じ条件とすればよい。
[0081]
(第1実施形態)
 半導体パッケージの製造方法の一実施形態として、離型フィルムとして前述の離型フィルム1を用いて、図2に示した半導体パッケージ110を圧縮成形法により製造する場合について詳細に説明する。本実施形態の半導体パッケージの製造方法は、下記の工程(α1)~(α7)を有する。
 (α1)離型フィルム1を、離型フィルム1が金型のキャビティを覆いかつ離型フィルム1の第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aがキャビティ内の空間に向くように(第2の熱可塑性樹脂層3側の表面3aがキャビティ面に向くように)配置する工程。
 (α2)離型フィルム1を金型のキャビティ面の側に真空吸引する工程。
 (α3)キャビティ内に硬化性樹脂を充填する工程。
 (α4)複数の半導体チップ12が実装された基板10をキャビティ内の所定の位置に配置し、硬化性樹脂によって前記複数の半導体チップ12を一括封止して樹脂封止部を形成することにより、基板10とその基板10上に実装された複数の半導体チップ12と前記複数の半導体チップ12を一括封止する樹脂封止部とを有する一括封止体を得る工程。
 (α5)金型内から前記一括封止体を取り出す工程。
 (α6)前記複数の半導体チップ12が分離するように、前記一括封止体の基板10および前記樹脂封止部を切断することにより、基板10とその基板10上に実装された少なくとも1つの半導体チップ12と半導体チップ12を封止する樹脂封止部14とを有する個片化封止体を得る工程。
 (α7)個片化封止体の樹脂封止部14の表面に、インクを用いてインク層16を形成し、半導体パッケージ1を得る工程。
[0082]
 金型:
 第1実施形態における金型としては、圧縮成形法に用いる金型として公知のものを使用でき、たとえば、図4に示すように、固定上型20と、キャビティ底面部材22と、そのキャビティ底面部材22の周縁に配置された枠状の可動下型24とを有する金型が挙げられる。
 固定上型20には、基板10と固定上型20との間の空気を吸引することによって基板10を固定上型20に吸着するための真空ベント(図示略)が形成されている。また、キャビティ底面部材22には、離型フィルム1とキャビティ底面部材22との間の空気を吸引することによって離型フィルム1をキャビティ底面部材22に吸着するための真空ベント(図示略)が形成されている。
 この金型においては、キャビティ底面部材22の上面および可動下型24の内側側面によって、工程(α4)で形成する樹脂封止部の形状に対応する形状のキャビティ26が形成される。以下、キャビティ底面部材22の上面および可動下型24の内側側面を総称してキャビティ面ともいう。
[0083]
 工程(α1):
 可動下型24上に、キャビティ底面部材22の上面を覆うように離型フィルム1を配置する。このとき離型フィルム1は、第2の熱可塑性樹脂層3側の表面3aを下側(キャビティ底面部材22方向)に向けて配置される。
 離型フィルム1は、巻出ロール(図示略)から送られ、巻取ロール(図示略)で巻き取られる。離型フィルム1は、巻出ロールおよび巻取ロールによって引っ張られるため、引き伸ばされた状態にて、可動下型24上に配置される。
[0084]
 工程(α2):
 別途、キャビティ底面部材22の真空ベント(図示略)を通じて真空吸引し、キャビティ底面部材22の上面と離型フィルム1との間の空間を減圧し、離型フィルム1を引き伸ばして変形させて、キャビティ底面部材22の上面に真空吸着させる。さらに、キャビティ底面部材22の周縁に配置された枠状の可動下型24を締め、離型フィルム1を全方向から引っ張り、緊張状態にさせる。
 なお、高温環境下での離型フィルム1の強度、厚さ、キャビティ底面部材22の上面と可動下型24の内側側面によって形成された凹部の形状によって、離型フィルム1は、キャビティ面に密着するとは限らない。工程(α2)の真空吸着の段階では、図4に示すように、離型フィルム1とキャビティ面との間に空隙が少し残っていてもよい。
[0085]
 工程(α3):
 図4に示すように、硬化性樹脂40を、アプリケータ(図示略)によって、キャビティ26内の離型フィルム1の上に適量充填する。また、別途、固定上型20の真空ベント(図示略)を通じて真空吸引し、固定上型20の下面に、複数の半導体チップ12が実装された基板10を真空吸着させる。
[0086]
 硬化性樹脂40としては、半導体パッケージの製造に用いられている各種の硬化性の樹脂を用いてよい。エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
 エポキシ樹脂としては、たとえば住友ベークライト社製のスミコンEME G770H type Fver.GR、ナガセケムテックス社製のT693/R4719-SP10等が挙げられる。シリコーン樹脂の市販品としては、信越化学工業社製のLPS-3412AJ、LPS-3412B等が挙げられる。
[0087]
 硬化性樹脂40には、カーボンブラック、熔融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が含まれてもよい。なお、ここでは、硬化性樹脂40として固体のものを充填する例を示したが、本発明はこれに限定されず、液状の硬化性樹脂を充填してもよい。
[0088]
 工程(α4):
 図5に示すように、キャビティ26内の離型フィルム1の上に硬化性樹脂40を充填した状態で、キャビティ底面部材22および可動下型24を上昇させ、固定上型20と型締めする。次いで、図6に示すように、キャビティ底面部材22のみ上昇させるとともに金型を加熱して硬化性樹脂40を硬化させ、複数の半導体チップ12を一括封止する樹脂封止部を形成する。
 工程(α4)においては、キャビティ底面部材22を上昇させたときの圧力によって、キャビティ26内に充填された硬化性樹脂40がさらにキャビティ面に押し込まれる。これによって離型フィルム1が引き伸ばされて変形し、キャビティ面に密着する。そのため、キャビティ26の形状に対応した形状の樹脂封止部が形成される。
[0089]
 金型の加熱温度、すなわち硬化性樹脂40の加熱温度は、100~185℃が好ましく、140~175℃が特に好ましい。加熱温度が前記範囲の下限値以上であれば、半導体パッケージ110の生産性が向上する。加熱温度が前記範囲の上限値以下であれば、硬化性樹脂40の劣化が抑えられる。
 硬化性樹脂40の熱膨張率に起因する樹脂封止部14の形状変化を抑制する点から、半導体パッケージ110の保護が特に求められる場合には、前記範囲内においてできるだけ低い温度で加熱することが好ましい。
[0090]
 工程(α5):
 固定上型20とキャビティ底面部材22と可動下型24とを型開きし、一括封止体を取り出す。
 一括封止体を離型すると同時に、離型フィルム1の使用済み部分を巻取ロール(図示略)に送り、離型フィルム1の未使用部分を巻出ロール(図示略)から送り出す。巻出ロールから巻取ロールへ搬送する際の離型フィルム1の厚さは25μm以上が好ましい。厚さが25μm未満では、離型フィルム1の搬送時にしわが生じやすい。離型フィルム1にしわが入ると、しわが樹脂封止部14に転写されて製品不良となるおそれがある。厚さが25μm以上であれば、離型フィルム1に張力を充分にかけることによって、しわの発生を抑えることができる。
[0091]
 工程(α6):
 金型内から取り出した一括封止体の基板10および樹脂封止部を、複数の半導体チップ12が分離するように切断(個片化)して、基板10と少なくとも1つの半導体チップ12と半導体チップ12を封止する樹脂封止部14とを有する個片化封止体を得る。
 個片化は、公知の方法により行うことができ、たとえばダイシング法が挙げられる。ダイシング法は、ダイシングブレードを回転させながら対象物を切断する方法である。ダイシングブレードとしては、典型的には、ダイヤモンド粉を円盤の外周に焼結した回転刃(ダイヤモンドカッター)が用いられる。ダイシング法による個片化は、たとえば、切断対象物である一括封止体を、治具を介して処理台上に固定し、切断対象物の切断領域と前記治具の間にダイシングブレードを挿入する空間がある状態で前記ダイシングブレードを走行させる方法により行うことができる。
 工程(α6)においては、前記のように一括封止体を切断する工程(切断工程)の後、前記ダイシングブレードを覆うケースから離れた位置に配置されるノズルから前記切断対象物に向かって液体を供給しながら前記処理台を移動させる異物除去工程が含まれてもよい。
[0092]
 工程(α7):
 工程(α6)で得られた個片化封止体の樹脂封止部14の上面(離型フィルム1と接していた面)14aに、任意の情報を表示するために、インクを塗布し、インク層16を形成して半導体パッケージ110を得る。
 インク層16によって表示される情報としては、特に限定されず、シリアルナンバー、製造メーカーに関する情報、部品の種別等が挙げられる。ンクの塗布方法は、特に限定されず、たとえばインクジェット法、スクリーン印刷、ゴム版からの転写等の各種印刷法が適用できる。
 インクとしては、特に限定されず、公知のインクのなかから適宜選択できる。インク層16の形成方法としては、硬化速度が速くパッケージ上での滲みが少ない、また熱風を当てないのでパッケージの位置ずれが少ない等の点で、光硬化型のインクを使用し、該インクをインクジェット法により樹脂封止部14の上面14aに付着させ、該インクを光の照射により硬化させる方法が好ましい。
[0093]
 光硬化型のインクとしては、典型的には、重合性化合物(モノマー、オリゴマー等)を含むものが用いられる。インクには、必要に応じて、顔料、染料等の色材、液体媒体(溶媒または分散媒)、重合禁止剤、光重合開始剤、その他各種添加剤等が添加される。その他の添加剤としては、たとえば、スリップ剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、放射線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、増粘剤等が挙げられる。
[0094]
 光硬化型のインクを硬化する光としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、放射線等が挙げられる。
 紫外線の光源としては、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、紫外線発光ダイオード、紫外線レーザーダイオード、自然光等が挙げられる。
 光の照射は、常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。また、空気中で行ってもよく、窒素雰囲気、二酸化炭素雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
[0095]
(第2実施形態)
 半導体パッケージの製造方法の他の実施形態として、離型フィルムとして前述の離型フィルム1を用いて、図2に示した半導体パッケージ110をトランスファ成形法により製造する場合について詳細に説明する。
 本実施形態の半導体パッケージの製造方法は、下記の工程(β1)~(β7)を有する。
 (β1)離型フィルム1を、離型フィルム1が金型のキャビティを覆いかつ離型フィルム1の第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aがキャビティ内の空間に向くように(第2の熱可塑性樹脂層3側の表面3aがキャビティ面に向くように)配置する工程。
 (β2)離型フィルム1を金型のキャビティ面の側に真空吸引する工程。
 (β3)複数の半導体チップ12が実装された基板10をキャビティ内の所定の位置に配置する工程。
 (β4)キャビティ内に硬化性樹脂を充填し、該硬化性樹脂によって複数の半導体チップ12を一括封止して樹脂封止部を形成することにより、基板10とその基板10上に実装された複数の半導体チップ12と前記複数の半導体チップ12を一括封止する樹脂封止部とを有する一括封止体を得る工程。
 (β5)金型内から前記一括封止体を取り出す工程。
 (β6)前記複数の半導体チップ12が分離するように、前記一括封止体の基板10および前記樹脂封止部を切断することにより、基板10とその基板10上に実装された少なくとも1つの半導体チップ12と前記半導体チップ12を封止する樹脂封止部14とを有する個片化封止体を得る工程。
 (β7)個片化封止体の樹脂封止部14の表面に、インクを用いてインク層を形成し、半導体パッケージ1を得る工程。
[0096]
金型:
 第2実施形態における金型としては、トンラスファ成形法に用いる金型として公知のものを使用でき、たとえば、図7に示すように、上型50と下型52とを有する金型が挙げられる。上型50には、工程(α4)で形成する樹脂封止部14の形状に対応する形状のキャビティ54と、キャビティ54に硬化性樹脂40を導く凹状の樹脂導入部60とが形成されている。下型52には、半導体チップ12を搭載した基板10を設置する基板設置部58と、硬化性樹脂40を配置する樹脂配置部62とが形成されている。また、樹脂配置部62内には、硬化性樹脂40を上型50の樹脂導入部60へと押し出すプランジャ64が設置されている。
[0097]
 工程(β1):
 図8に示すように、上型50のキャビティ54を覆うように離型フィルム1を配置する。離型フィルム1は、キャビティ54および樹脂導入部60の全体を覆うように配置することが好ましい。離型フィルム1は、巻出ロール(図示略)および巻取ロール(図示略)によって引っ張られるため、引き伸ばされた状態にて上型50のキャビティ54を覆うように配置される。
[0098]
 工程(β2):
 図9に示すように、上型50のキャビティ54の外部に形成した溝(図示略)を通じて真空吸引し、離型フィルム1とキャビティ面56との間の空間、および離型フィルム1と樹脂導入部60の内壁との間の空間を減圧し、離型フィルム1を引き伸ばして変形させて、上型50のキャビティ面56に真空吸着させる。
 なお、高温環境下での離型フィルム1の強度、厚さ、またキャビティ54の形状によって、離型フィルム1は、キャビティ面56に密着するとは限らない。図9に示すように、工程(β2)の真空吸着の段階では、離型フィルム1とキャビティ面56との間には、空隙が少し残る。
[0099]
 工程(β3):
 図10に示すように、複数の半導体チップ12を実装した基板10を、基板設置部58に設置して上型50と下型52とを型締めし、複数の半導体チップ12をキャビティ54内の所定の位置に配置する。また、樹脂配置部62のプランジャ64上には、硬化性樹脂40をあらかじめ配置しておく。硬化性樹脂40としては、方法(α)で挙げた硬化性樹脂40と同様のものが挙げられる。
[0100]
 工程(β4):
 図11に示すように、下型52のプランジャ64を押し上げ、樹脂導入部60を通じてキャビティ54内に硬化性樹脂40を充填する。次いで、金型を加熱し、硬化性樹脂40を硬化させ、複数の半導体チップ12を封止する樹脂封止部を形成する。
 工程(β4)においては、キャビティ54内に硬化性樹脂40が充填されることによって、樹脂圧力によって離型フィルム1がさらにキャビティ面56側に押し込まれ、引き延ばされて変形することによってキャビティ面56に密着する。そのため、キャビティ54の形状に対応した形状の樹脂封止部14が形成される。
[0101]
 硬化性樹脂40を硬化させる際の金型の加熱温度、すなわち硬化性樹脂40の加熱温度は、方法(α)における温度範囲と同じ範囲とすることが好ましい。
 硬化性樹脂40の充填時の樹脂圧は、2~30MPaが好ましく、3~10MPaが特に好ましい。樹脂圧が前記範囲の下限値以上であれば、硬化性樹脂40の充填不足等の欠点が生じにくい。樹脂圧が前記範囲の上限値以下であれば、優れた品質の半導体パッケージ110が得られやすい。硬化性樹脂40の樹脂圧は、プランジャ64によって調整できる。
[0102]
 工程(β5):
 図12に示すように、基板10と基板10上に実装された複数の半導体チップ12と前記複数の半導体チップ12を一括封止する樹脂封止部14Aとを有する一括封止体110Aを、金型から取り出す。このとき、樹脂導入部60内で硬化性樹脂40が硬化した硬化物19が、一括封止体110Aの樹脂封止部14Aに付着した状態で一括封止体110Aとともに金型から取り出される。そのため、取り出された一括封止体110Aに付着している硬化物19を切除して、一括封止体110Aを得る。
[0103]
 工程(β6):
 工程(β5)で得られた一括封止体110Aの基板10および樹脂封止部14Aを、複数の半導体チップ12が分離するように切断(個片化)して、基板10と少なくとも1つの半導体チップ12と半導体チップ12を封止する樹脂封止部14とを有する個片化封止体を得る。工程(β6)は、工程(α6)と同様にして行うことができる。
[0104]
 工程(β7):
 得られた個片化封止体の樹脂封止部14の上面(離型フィルム1の第1面と接していた面)14aに、任意の情報を表示するために、インクを塗布し、インク層16を形成して半導体パッケージ110を得る。工程(β7)は、工程(α7)と同様にして行うことができる。
[0105]
(第3実施形態)
 半導体パッケージの製造方法の他の実施形態として、離型フィルムとして前述の離型フィルム1を用いて、図3に示した半導体パッケージ120をトランスファ成形法により製造する場合について詳細に説明する。
 本実施形態の半導体パッケージの製造方法は、下記の工程(γ1)~(γ5)を有する。
 (γ1)離型フィルム1を、上型と下型とを有する金型の前記上型のキャビティを覆いかつ離型フィルム1の第1の熱可塑性樹脂層2側の表面2aがキャビティ内の空間に向くように(第2の熱可塑性樹脂層3側の表面3aが前記上型のキャビティ面に向くように)配置する工程。
 (γ2)離型フィルム1を前記上型のキャビティ面の側に真空吸引する工程。
 (γ3)半導体チップ72が実装された基板70を下型上に配置し、上型と下型とを型締めして、半導体チップ72の背面(基板70側とは反対側の表面)に離型フィルム1を密着させる工程。
 (γ4)上型と下型との間のキャビティ内に硬化性樹脂を充填し、アンダーフィル74を形成することにより、基板70と半導体チップ72とアンダーフィル74とを有する半導体パッケージ120(封止体)を得る工程。
 (γ5)金型内から前記半導体パッケージ120を取り出す工程。
[0106]
金型:
 第3実施形態における金型としては、第2実施形態における金型と同様のものを用いることができる。
[0107]
 工程(γ1):
 図13に示すように、上型50のキャビティ54を覆うように離型フィルム1を配置する。工程(γ1)は、工程(β1)と同様にして行うことができる。
[0108]
 工程(γ2):
 上型50のキャビティ54の外部に形成した溝(図示略)を通じて真空吸引し、離型フィルム1とキャビティ面56との間の空間、および離型フィルム1と樹脂導入部60の内壁との間の空間を減圧し、離型フィルム1を引き伸ばして変形させて、上型50のキャビティ面56に真空吸着させる。工程(γ2)は、工程(β2)と同様にして行うことができる。
[0109]
 工程(γ3):
 図14に示すように、半導体チップ72を実装した基板70を、下型52の基板設置部58に設置する。
 そして、上型50と下型52とを型締めし、半導体チップ12をキャビティ54内の所定の位置に配置するとともに、半導体チップ72の背面(基板70側とは反対側の表面)に離型フィルム1を密着させる。また、樹脂配置部62のプランジャ64上には、硬化性樹脂40をあらかじめ配置しておく。
 硬化性樹脂40としては、方法(α)で挙げた硬化性樹脂40と同様のものが挙げられる。
[0110]
 工程(γ4):
 図15に示すように、下型52のプランジャ64を押し上げ、樹脂導入部60を通じてキャビティ54内に硬化性樹脂40を充填する。次いで、金型を加熱し、硬化性樹脂40を硬化させ、アンダーフィル74を形成する。工程(γ4)は、工程(β4)と同様にして行うことができる。
[0111]
 工程(γ5):
 図16に示すように、基板70と基板70上に実装された半導体チップ72と半導体チップ72の側面および底面を封止するアンダーフィル74とを有する半導体パッケージ120を、金型から取り出す。このとき、樹脂導入部60内で硬化性樹脂40が硬化した硬化物76が、半導体パッケージ12のアンダーフィル74に付着した状態で半導体パッケージ12とともに金型から取り出される。そのため、取り出された半導体パッケージ120に付着している硬化物76を切除して、半導体パッケージ120を得る。
[0112]
 本実施形態では、工程(γ4)で、半導体チップ72の一部(背面)が離型フィルム1に直接接した状態で硬化性樹脂40を充填する。これにより、半導体チップ72の、離型フィルム1に直接接した部分には硬化性樹脂が接触せず、半導体チップ72の一部が露出した半導体パッケージ120が得られる。
[0113]
 以上、本発明の半導体パッケージの製造方法について、第1~第3実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
 たとえば、第1実施形態においては、工程(α5)の後、工程(α6)、工程(α7)をこの順で行う例を示したが、工程(α6)、工程(α7)を逆の順番で行ってもよい。すなわち、金型から取り出した一括封止体の樹脂封止部の表面に、インクを用いてインク層を形成し、その後、一括封止体の前記基板および前記樹脂封止部を切断してもよい。
 同様に、第2実施形態においては、工程(β5)の後、工程(β6)、工程(β7)をこの順で行う例を示したが、工程(β6)、工程(β7)を逆の順番で行ってもよい。すなわち、金型から取り出した一括封止体の樹脂封止部の表面に、インクを用いてインク層を形成し、その後、一括封止体の前記基板および前記樹脂封止部を切断してもよい。
 離型フィルムから樹脂封止部を剥離するタイミングは、金型から樹脂封止部を取り出す時に限定されず、金型から離型フィルムとともに樹脂封止部を取り出し、その後、樹脂封止部から離型フィルムを剥離してもよい。
 一括封止する複数の半導体チップ12それぞれの間の距離は均一でもよく均一でなくてもよい。封止が均質にでき、複数の半導体チップ12それぞれに均一に負荷がかかる(すなわち負荷が最も小さくなる)点から、複数の半導体チップ12それぞれの間の距離を均一にすることが好ましい。
[0114]
 また、本発明の半導体パッケージの製造方法により製造する半導体パッケージは、半導体パッケージ110、120に限定されない。
 製造する半導体パッケージによっては、第1実施形態における工程(α6)~(α7)、第2実施形態における工程(β6)~(β7)は行わなくてもよい。たとえば樹脂封止部の形状は、図2~3に示すものに限定されず、段差等があってもよい。樹脂封止部に封止される半導体素子は1つでも複数でもよい。インク層は必須ではない。
 半導体パッケージとして発光ダイオードを製造する場合、樹脂封止部はレンズ部としても機能するため、通常、樹脂封止部の表面にはインク層は形成されない。レンズ部である場合、樹脂封止部の形状は、略半球型、砲弾型、フレネルレンズ型、蒲鉾型、略半球レンズアレイ型等の各種のレンズ形状が採用できる。
実施例
[0115]
 以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。後述する例1~13のうち、例1~9は実施例であり、例10~13は比較例である。以下に各例で使用した材料および評価方法を示す。
[0116]
〔使用材料〕
<熱可塑性樹脂>
 ETFE(1):後述の製造例1で得た、テトラフロロエチレン/エチレン/PFBE=52.5/46.3/1.2(モル比)の共重合体(MFR:12g/10分)。
 ETFE(2):後述の製造例2で得た、テトラフロロエチレン/エチレン/PFBE=56.3/40.2/3.5(モル比)の共重合体(MFR:12.5g/10分)。
 PBT:ポリブチレンテレフタレート、「ノバデュラン5020」(三菱エンジニアリングプラスチック社製)。
 ポリメチルペンテン:「TPX MX004」(三井化学社製)。
[0117]
<製造例1:ETFE(1)の製造>
 内容積が1.3Lの撹拌機付き重合槽を脱気して、1-ヒドロトリデカフルオロヘキサンの881.9g、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(商品名「AK225cb」旭硝子社製、以下、AK225cbともいう。)の335.5g、CH =CHCF CF CF CF (PFBE)の7.0gを仕込み、TFEの165.2g、エチレン(以下、Eともいう。)の9.8gを圧入し、重合槽内を66℃に昇温し、重合開始剤溶液としてターシャリーブチルパーオキシピバレート(以下、PBPVという。)の1質量%のAK225cb溶液の7.7mLを仕込み、重合を開始させた。
 重合中圧力が一定になるようにTFE/E=54/46のモル比のモノマー混合ガスを連続的に仕込んだ。また、モノマー混合ガスの仕込みに合わせて、TFEとEの合計モル数に対して1.4モル%に相当する量のPFBEを連続的に仕込んだ。重合開始から2.9時間後、モノマー混合ガスの100gを仕込んだ時点で、重合槽内温を室温まで降温するとともに重合槽の圧力を常圧までパージした。
 その後、得られたスラリをガラスフィルタで吸引ろ過し、固形分を回収して150℃で15時間乾燥することにより、ETFE(1)の105gを得た。
[0118]
<製造例2:ETFE(2)の製造>
 重合槽の内容積を1.2Lにし、重合を開始させる前に仕込む1-ヒドロトリデカフルオロヘキサンの量を881.9gから0gに、AK225cbの量を335.5gから291.6gに、PFBEの量を7.0gから16.0gに、TFEの量を165.2gから186.6gに、Eの量を9.8gから6.4gに、PBPVの1質量%のAK225cb溶液の量を5.8mLから5.3mLにそれぞれ変更し、重合中に連続的に仕込むモノマー混合ガスのTFE/Eのモル比を54/46から58/42に、PFBEの量を(TFEとEの合計モル数に対して)0.8モル%から3.6モル%に変更し、重合開始から3時間後、モノマー混合ガス90gを仕込んだ時点で重合槽内温を室温まで降温した以外は製造例1と同様にして、ETFE(2)の90gを得た。
[0119]
<熱可塑性樹脂フィルム>
 ETFEフィルム(1-1):厚さ30μm。片面は凹凸がありRaが1.5であり、もう一方の片面は平滑でありRaが0.1である。ETFEフィルム(1-1)は、以下の手順で製造した。
 ETFE(1)を、フィルムの厚さが30μmとなるようにリップ開度を調整した押出機により、320℃で溶融押出をした。元型ロール、製膜速度、ニップ圧力を調整して、ETFEフィルムを製造した。
[0120]
 ETFEフィルム(1-2):厚さ25μm。両面が平滑であり、両面のRaが0.1である。ETFEフィルム(1-2)は、元型ロール、製膜速度、ニップ圧力条件を調整した以外はETFEフィルム(1-1)と同様にして製造した。
 ETFEフィルム(2-1):厚さ25μm。両面が平滑であり、両面のRaが0.1である。ETFEフィルム(2-1)は、ETFE(1)のかわりにETFE(2)を使用し、押出温度を300℃とした以外はETFEフィルム(1-2)と同様にして製造した。
 ETFEフィルム(1-3):厚さ12μm。両面が平滑であり、両面のRaが0.1である。ETFEフィルム(1-3)は、厚さ12μmとなるように各条件を調整した以外はETFEフィルム(1-2)と同様にして製造した。
 ETFEフィルム(1-4):厚さ50μm。両面が平滑であり、両面のRaが0.1であり、厚さ50μmとなるように各条件を調整した以外はETFEフィルム(1-2)と同様にして製造した。
 なお、それぞれのフィルムは、ISO8296:1987(JIS K6768:1999)に基づく濡れ張力が40mN/m以上となるように、コロナ処理を施した。
[0121]
 PBTフィルム(1-1):厚さ25μm。片面は凹凸がありRaが0.8であり、もう一方の片面は平滑でありRaが0.1である。PBTフィルム(1-1)は、以下の手順で製造した。
 ポリブチレンテレフタレート樹脂「ノバデュラン5020」(三菱エンジニアリングプラスチック社製)を、厚さ25μmとなるようにリップ開度を調整した押出機により、280℃で溶融押出をした。元型ロール、製膜速度、ニップ圧力を調整して、PBTフィルムを製造した。
[0122]
 PBTフィルム(1-2):厚さ50μm。両面に凹凸があり、両面のRaは1.5である。PBTフィルム(1-2)は、元型ロール、製膜速度、ニップ圧力条件を調整した以外はPBTフィルム(1-1)と同様にして製造した。
 TPXフィルム(1-1):厚さ25μm。片面は凹凸がありRaが0.8であり、もう一方の片面は平滑でありRaが0.1である。TPXフィルム(1-1)は、以下の手順で製造した。
 ポリメチルペンテン樹脂「TPX MX004」(三菱エンジニアリングプラスチック社製)を、厚さ25μmとなるようにリップ開度を調整した押出機により、280℃で溶融押出をした。元型ロール、製膜速度、ニップ圧力を調整してTPXフィルムを製造した。ISO8296:1987(JIS K6768:1999)に基づく濡れ張力が40mN/m以上となるように、コロナ処理を施した。
[0123]
 PETフィルム(1-1):厚さ25μm。「テトロンG2 25μm」(帝人デュポンフィルム社製)を用いた。両面が平坦であり、両面のRaは0.2である。
 PETフィルム(1-2):厚さ50μm。「テトロンG2 50μm」(帝人デュポン社製)を用いた。両面が平坦であり、両面のRaは0.2である。
 ポリアミドフィルム(1-1):厚さ25μm。「ダイアミロンC-Z」(三菱樹脂社製)を用いた。両面が平坦であり、両面のRaは0.1である。
 ETFE(カーボンブラック3質量部混練)フィルム(1-1):厚さ50μm。両面に凹凸があり、両面のRaが1.5である。ETFE(カーボンブラック3質量部混練)フィルム(1-1)は、以下の手順で製造した。
 ETFE(1)のペレットの100質量部に対し、カーボンブラック「デンカブラック 粒状」(電気化学工業社製)の3質量部を加え、320℃の二軸押出機で混練してコンパウンドペレットを製造した。該ペレットを320℃の押出機で溶融押出して、ETFE(カーボンブラック3質量部混練)フィルムを製造した。
[0124]
<その他の材料>
 ボンディップ(BONDEIP、商標名)-PA100:ボンディップ(商標名)PA100主剤、ボンディップ(商標名)PA100硬化剤(コニシ社製)。
 導電性高分子A:ポリピロール分散液 「CORERON YE」(化研産業社製)。
 接着組成物1:主剤としてポリエステルポリオール「クリスボンNT-258」(DIC社製)、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート「コロネート2096」(日本ポリウレタン工業社製)。
 ペレスタット(商標名)NC6321:ポリエチレンオキシド鎖を有する樹脂。
[0125]
〔離型フィルムの製造方法〕
(ドライラミネート)
 ドライラミネートは、すべての例において、グラビアコートによって基材(第2の熱可塑性樹脂層に対応するフィルム)に各種塗布液を塗工し、基材幅:1,000mm、搬送速度:20m/分、乾燥温度:80~100℃、ラミネートロール温度:25℃、圧力:3.5MPaで行った。
[0126]
〔評価方法〕
(180℃における剥離強度)
 各例で製造した離型フィルムのうち、2枚のフィルム(第1の熱可塑性樹脂層および第2の熱可塑性樹脂層)を、接着剤を用いてドライラミネートしたフィルム構成の離型フィルムについて、JIS K6854-2:1999に準拠し、以下のように、180度剥離試験を行って、2枚の熱可塑性樹脂フィルム間の180℃における剥離強度(N/cm)を測定した。
 (a)作製した離型フィルムを、25mm幅×15cm長さに切り取って評価サンプルとした。
 (b)180℃に熱した恒温槽内で、引張試験機(オリエンテック社製RTC-1310A)を用いて、評価サンプルの第2の熱可塑性樹脂層を下側のつかみ具で、第1の熱可塑性樹脂層を上側のつかみ具でつかみ、上側のつかみ具を100mm/分の速度で上方に動かして180度の角度での剥離強度を測定した。
 (c)力(N)-つかみ移動距離曲線における、つかみ移動距離30mmから100mmまでの剥離力(N/cm)の平均値を求めた。
 (d)同じ離型フィルムから作製した評価サンプル5本の剥離力の平均値を求めた。その値を、離型フィルムの180℃における剥離強度とした。
[0127]
(帯電防止層の表面抵抗値)
 各例において、第2の熱可塑性樹脂層に帯電防止層を形成したのち、第1の熱可塑性樹脂層を積層せずに、IEC60093に準拠して表面抵抗値を測定した。帯電防止層を形成しなかった例7については、離型フィルムの表面抵抗値をそのまま測定した。測定環境は23℃50%RHであった。
[0128]
(弾性率)
 第1の熱可塑性樹脂層および第2の熱可塑性樹脂層の各層に対応するフィルムの25℃における貯蔵弾性率E’(25)および180℃における貯蔵弾性率E’(180)を以下の手順で測定した。
 動的粘弾性測定装置ソリッドL-1(東洋精機社製)を用い、ISO 6721-4:1994(JIS K7244-4:1999)に基づき貯蔵弾性率E’を測定した。周波数は10Hz、静的力は0.98N、動的変位は0.035%とし、温度を20℃から2℃/分の速度で上昇させて、25℃および180℃において測定したE’をそれぞれ、25℃における貯蔵弾性率E’(25)および180℃における貯蔵弾性率E’(180)とした。
[0129]
(灰付着試験)
 金属製の基板上に、厚さ1cm、10cm×10cmの正方形状で、中央に8cm×8cmの正方形の穴が開いたスポンジを載せ、その穴の中央部分にタバコの灰を1g置き、スポンジ上に離型フィルムを、第1の熱可塑性樹脂層側を下側に向けて載せ、温度23~26℃、湿度50±5%RHで1分間放置した。その後、離型フィルムへの灰の付着の有無を目視で確認した。その結果を以下の基準で評価した。灰の付着が少ないほど、離型フィルムが帯電しにくいことを示す。
 ○(良好):灰は全く付着しない。
 ×(不良):灰が付着する。
[0130]
(180℃追従試験)
 図17に示す本装置は、中央に11mm×11mmの正方形の穴があるステンレス製の枠材(厚さ3mm)90と、内部に枠材90を収容可能な空間Sを有する治具92と、治具92の上に配置されたおもり94と、治具92の下に配置されたホットプレート96とを備える。
 治具92は、上部部材92Aと下部部材92Bとを備える。上部部材92Aと下部部材92Bとの間に、評価対象の離型フィルム30をはさみ、おもり94を載せることで、離型フィルム30が固定されるとともに、気密な空間Sが形成される仕様になっている。このとき枠材90は、穴の中にステンレス製のコマ(10.5mm×10.5mm)98およびステンレス製のメッシュ(10.5mm×10.5mm)80が収容された状態で、治具92内の上部部材92A側に収容され、離型フィルム30と接する。
 上部部材92Aの天面には排気口84が形成され、排気口84の空間S側の開口面にはステンレス製のメッシュ(10.5mm×10.5mm)82が配置されている。また、おもり94の排気口84に対応した位置には貫通孔86が形成されており、貫通孔86を通って配管L1が排気口84に接続されている。配管L1には真空ポンプ(図示略)が接続されており、真空ポンプを作動させることによって治具92内の空間Sを減圧できるようになっている。下部部材92Bには配管L2が接続されており、配管L2を介して治具92内の空間Sに圧縮空気を供給できるようになっている。
[0131]
 この装置においては、枠材90の穴の内面とメッシュ80およびコマ98それぞれの外縁との間にはわずかな隙間があり、メッシュ80およびコマ98は、枠材90の穴の中を上下方向に移動可能である。また、前記隙間を介して離型フィルム30とコマ98との間の空気を真空ポンプで真空吸引し、枠材90の下面と離型フィルム30との間の空間を減圧できるようになっている。
 枠材90の下面と離型フィルム30との間の空間を減圧し、必要に応じて配管L2から圧縮空気を空間S内に供給することで、離型フィルム30を、枠材90の穴の内周面およびコマ98の下面に密着するように引き伸ばすことができる。
 この装置においては、枠材90の穴の中に入れるコマ98の厚さを変えることで、追従深さ、すなわち枠材90の下面(離型フィルム30が接触する面)と、コマ98の下面(離型フィルム30側の面)との間の距離を変えることができる。
[0132]
 試験においては、まず、コマ98として追従深さが0.8mmとなるものを使用し、離型フィルム30を枠材90に密着させて治具92に固定した。このとき、離型フィルム30は、第2の熱可塑性樹脂層側の表面を上側(枠材90側)に向けて配置した。次に、ホットプレート96で治具92全体を180℃まで熱したのち、真空ポンプを作動させてコマ98と離型フィルム30との間の空気を抜いた。さらに配管L2から圧縮空気(0.5MPa)を空間S内に供給して、離型フィルム30を枠材90とコマ98に追従させた。その状態を3分間維持し、真空ポンプの真空度をチェックしたのちに、離型フィルム30が角部(枠材90の穴の内周面とコマ98の下面とによって形成される角)に追従しているかどうかを目視で確認した。その後、真空ポンプの作動および圧縮空気の供給を停止し、速やかに離型フィルム30を取り出した。取り出した離型フィルム30について、層間の剥離がないかどうか目視で確認した。その結果を以下の基準で評価した。
 ○(良好):離型フィルムが金型に完全に追従し、層間の剥離も見られなかった。
 △(可):離型フィルムが金型に追従したが、離型フィルムの層間が剥離した。
 ×(不良):離型フィルムが金型に追従しきらなかった。
[0133]
(カール試験)
 以下の手順で離型フィルムのカールを測定した。
 25℃で、平らな金属板上に10cm×10cmの正方形状の離型フィルムを30秒間静置し、前記離型フィルムの金属板から浮き上がった部分の最大高さ(cm)を測定し、その値をカールとした。その結果を以下の基準で評価した。
 ○(良好):カールが1cm未満。
 ×(不良):カールが1cm以上。
[0134]
(金型汚れ)
 180℃環境下のトランスファーモールドの下金型に未モールド基板をセットし、離型フィルムを上金型に真空吸着後、上下金型を閉め、半導体モールド用エポキシ樹脂を用い、7MPa、180秒にてトランスファーモールドを行った。上記条件にて繰り返しモールドショットを行い、1,000回繰り返した。その際の金型の汚れを目視でチェックした。その結果を以下の基準で評価した。
 ○(良好):金型の汚れは見られない。
 ×(不良):金型の汚れが見られる。
[0135]
〔例1〕
 第1の熱可塑性樹脂層としてETFEフィルム(1-1)、第2の熱可塑性樹脂層としてETFEフィルム(1-1)を用いた。
 ボンディップ(商標名)PA100主剤/ボンディップ(商標名)PA100硬化剤/イソプロパノール/水を1/1/2/1.5の質量割合で混合し、帯電防止層形成用組成物1を得た。
 帯電防止層形成用組成物1を、第2の熱可塑性樹脂層の片面(平滑である方の面)に0.3g/m の塗工量で塗工し乾燥して帯電防止層を形成した。次いで、該帯電防止層の表面に、クリスボンNT-258/コロネート2096/酢酸エチルを18/1/80の質量割合で混合して得た接着組成物1を0.5g/m の塗工量で塗工し、乾燥して接着層を形成した。接着層に第1の熱可塑性樹脂層を、凹凸がある側が離型フィルムの外側となるように積層し、第1の熱可塑性樹脂層、第2の熱可塑性樹脂層ともにかかる張力を8Nの条件でドライラミネートすることにより、第1実施形態の離型フィルム1と同様の構成の離型フィルムを製造した。
[0136]
〔例2〕
 第1の熱可塑性樹脂層および第2の熱可塑性樹脂層をETFEフィルム(1-2)に変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0137]
〔例3〕
 第1の熱可塑性樹脂層および第2の熱可塑性樹脂層をETFEフィルム(2-1)に変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0138]
〔例4〕
 第2の熱可塑性樹脂層をPBTフィルム(1-1)に変更し、ドライラミネート時の第2の熱可塑性樹脂層にかかる張力を8Nから13Nに変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0139]
〔例5〕
 第2の熱可塑性樹脂層をポリアミドフィルム(1-1)に変更し、ドライラミネート時の第2の熱可塑性樹脂層にかかる張力を8Nから9Nに変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0140]
〔例6〕
 第1の熱可塑性樹脂層をTPXフィルム(1-1)に変更し、ドライラミネート時の第1の熱可塑性樹脂層にかかる張力を8Nから9Nに変更した以外は例4と同様にして離型フィルムを製造した。
[0141]
〔例7〕
 第1の熱可塑性樹脂層をETFEフィルム(1-3)に変更し、ドライラミネート時の第1の熱可塑性樹脂層にかかる張力を3Nに変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0142]
〔例8〕
 接着組成物1に導電性高分子Aを添加することにより、帯電防止層形成用組成物2を調製した。導電性高分子Aの添加量は、固形分換算で、接着成分に対して30質量%とした。帯電防止層形成用組成物1と接着組成物1の代わりに、帯電防止層形成用組成物2を用いた以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0143]
〔例9〕
 ペレスタットNC6321を酢酸エチルに10質量%となるように溶解し、帯電防止層型層用組成物3を得た。帯電防止層形成用組成物1の代わりに、帯電防止層形成用組成物3を用いた以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
〔例10〕
 ETFE(カーボンブラック3質量部混練)フィルム(1-1)をそのまま離型フィルムとした。
[0144]
〔例11〕
 帯電防止層形成用組成物1を用いなかった以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0145]
〔例12〕
 第2の熱可塑性樹脂層をPETフィルム(1-2)に変更し、ドライラミネート時の第2の熱可塑性樹脂層にかかる張力を8Nから26Nに変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0146]
〔例13〕
 第2の熱可塑性樹脂層をPETフィルム(1-1)に変更し、ドライラミネート時の第2の熱可塑性樹脂層にかかる張力を8Nから30Nに変更した以外は例1と同様にして離型フィルムを製造した。
[0147]
 例1~13の離型フィルムについて、ドライラミネート時の{(E ’×T ×W )×F }/{(E ’×T ×W )×F }の値、180℃における剥離強度、帯電防止層の表面抵抗値、第1の熱可塑性樹脂層および第2の熱可塑性樹脂層それぞれの弾性率(25℃における貯蔵弾性率E’(25)および180℃における貯蔵弾性率E’(180))、灰付着試験、180℃追従試験、カール試験、金型汚れの結果を表1~2に示す。
[0148]
[表1]


[0149]
[表2]


[0150]
 上記結果に示すとおり、例1~9の離型フィルムは、灰付着試験で灰の付着が見られず、帯電しにくいものであった。また、180℃追従試験、カール試験、金型汚れの評価結果も良好であった。これに対してカーボンブラックを混ぜ込んだ例10の離型フィルムは、金型汚れが見られた。中間層が高分子系帯電防止剤を含まない例11の離型フィルムは、灰付着試験で灰が付着した。第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層の25℃における貯蔵弾性率の差が1,200MPa超であった例12の離型フィルムは、カールが大きかった。
 第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層の25℃における貯蔵弾性率の差が1,200MPa超でかつ第2の熱可塑性樹脂層の180℃における弾性率が300MPa超であった例13の離型フィルムは、金型追従性が悪いうえ、カールが大きかった。

産業上の利用可能性

[0151]
 本発明の離型フィルムは、半導体パッケージモジュール等の製造において広く使用される。
 なお、2014年3月7日に出願された日本特許出願2014-045460号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

符号の説明

[0152]
 1 離型フィルム、2 第1の熱可塑性樹脂層、3 第2の熱可塑性樹脂層、4 中間層、10 基板、12 半導体チップ(半導体素子)、14 樹脂封止部、14a 樹脂封止部14の上面、16 インク層、18 ボンディングワイヤ、19 硬化物、20 固定上型、22 キャビティ底面部材、24 可動下型、26 キャビティ、30 離型フィルム、40 硬化性樹脂、50 上型、52 下型、54 キャビティ、56 キャビティ面、58 基板設置部、60 樹脂導入部、62 樹脂配置部、64 プランジャ、70 基板、72 半導体チップ(半導体素子)、74 アンダーフィル(樹脂封止部)、80 メッシュ、82 メッシュ、84 排気口、90 枠材、92 治具、92A 上部部材、92B 下部部材、94 おもり、96 ホットプレート、98 コマ、S 空間、L1 配管、L2 配管、110 半導体パッケージ、120 半導体パッケージ

請求の範囲

[請求項1]
 半導体素子を金型内に配置し、硬化性樹脂で封止して樹脂封止部を形成する半導体パッケージの製造方法において、金型の前記硬化性樹脂が接する面に配置される離型フィルムであって、
 前記樹脂封止部の形成時に硬化性樹脂と接する第1の熱可塑性樹脂層と、前記樹脂封止部の形成時に金型と接する第2の熱可塑性樹脂層と、第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層との間に配置された中間層とを備え、
 前記第1の熱可塑性樹脂層および前記第2の熱可塑性樹脂層それぞれの180℃における貯蔵弾性率が10~300MPaで、25℃における貯蔵弾性率の差が1,200MPa以下で、厚さが12~50μmであり、
 前記中間層が、高分子系帯電防止剤を含有する層を含むことを特徴とする離型フィルム。
[請求項2]
 前記中間層が、高分子系帯電防止剤を含有する層と、高分子系帯電防止剤を含有しない接着剤から形成された接着層とを有するものであるか、または、高分子系帯電防止剤を含有する接着剤から形成された層を有するものである、請求項1に記載の離型フィルム。
[請求項3]
 前記第1の熱可塑性樹脂層および前記第2の熱可塑性樹脂層がともに無機系添加剤を含まない、請求項1または2に記載の離型フィルム。
[請求項4]
 JIS K6854-2に準拠し、180℃にて測定される、前記第1の熱可塑性樹脂層と前記第2の熱可塑性樹脂層との間の剥離強度が、0.3N/cm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の離型フィルム。
[請求項5]
 前記高分子系帯電防止剤を含有する層の表面抵抗値が10 10Ω/□以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の離型フィルム。
[請求項6]
 以下の測定方法で測定されるカールが1cm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の離型フィルム。
(カールの測定方法)
 20~25℃で、平らな金属板上に10cm×10cmの正方形状の離型フィルムを30秒間静置し、前記離型フィルムの金属板から浮き上がった部分の最大高さ(cm)を測定し、その値をカールとする。
[請求項7]
 半導体素子と、硬化性樹脂から形成され、前記半導体素子を封止する樹脂封止部とを有する半導体パッケージの製造方法であって、
 金型の前記硬化性樹脂が接する面に、請求項1~6のいずれか一項に記載の離型フィルムを配置する工程と、
 半導体素子が実装された基板を前記金型内に配置し、前記金型内の空間に硬化性樹脂を満たして硬化させ、樹脂封止部を形成することにより、前記基板と前記半導体素子と前記樹脂封止部とを有する封止体を得る工程と、
 前記封止体を前記金型から離型する工程と、を有することを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
[請求項8]
 前記封止体を得る工程で、前記半導体素子の一部が前記離型フィルムに直接接する、請求項7に記載の半導体パッケージの製造方法。
[請求項9]
 第1の熱可塑性樹脂層を形成する第1のフィルムと第2の熱可塑性樹脂層を形成する第2のフィルムとを、接着剤を用いてドライラミネートする工程を含み、
 前記第1のフィルムおよび前記第2のフィルムのうちの一方のフィルムの、ドライラミネート温度t(℃)における貯蔵弾性率E ’(MPa)、厚さT (μm)、幅W (mm)およびフィルムにかかる張力F (N)と、他方のフィルムの、ドライラミネート温度t(℃)における貯蔵弾性率E ’(MPa)、厚さT (μm)、幅W (mm)およびフィルムにかかる張力F (N)とが、以下の式(I)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の離型フィルムの製造方法。
 0.8≦{(E ’×T ×W )×F }/{(E ’×T ×W )×F }≦1.2  …(I)
 ただし、180℃における貯蔵弾性率E ’(180)とE ’(180)が10~300MPaであり、25℃における貯蔵弾性率の差|E ’(25)-E ’(25)|は1,200MPa以下であり、T およびT はそれぞれ12~50(μm)である。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]