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1. (WO2015133503) アンテナ装置および電子機器
Document

明 細 書

発明の名称 アンテナ装置および電子機器

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

発明の効果

0021   0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065  

符号の説明

0066  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

明 細 書

発明の名称 : アンテナ装置および電子機器

技術分野

[0001]
 本発明は、RFIDシステムや近距離無線通信システム等に用いられるアンテナ装置およびそれを備えた電子機器に関するものである。

背景技術

[0002]
 近年、携帯電話端末などの小型無線通信機器にNFC(近距離無線通信システム)などの13.56MHz帯RFIDシステムが搭載される場合が増えてきている。そこで用いられるアンテナは平面コイルアンテナが一般的であり、携帯電話端末の樹脂筐体の面上に貼り付けて使用される。
[0003]
 しかし、携帯電話端末の薄型化に伴って平面アンテナコイルと携帯電話端末に内蔵する回路基板との距離が近接すると、アンテナと回路基板との不要結合によるアンテナ特性の劣化が問題となる。
[0004]
 上記問題を解消したアンテナ装置の1つとして、携帯電話端末の仮想中心線を挟む両側の側面に、巻線を巻回した複数のコイルユニットを配置し、各コイルユニットの巻線の巻回方向が同一となるように、各コイルユニットの巻線を導体で接続したアンテナ装置が特許文献1に示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第2007/060792号パンフレット

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記特許文献1に示されているアンテナ装置においては、携帯電話端末の主面と対向する領域に複数のヌル点(不感点)が生じる問題があり、使い勝手が悪いという問題があった。
[0007]
 本発明の目的は、携帯電話端末等の電子機器の広い領域において、通信相手となるアンテナに近接させても良好な通信特性が得られるアンテナ装置、およびそれを備える電子機器を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008]
(1)本発明のアンテナ装置は、
 コイル開口を有する複数のコイル導体と面状導体とを備え、
 前記複数のコイル導体は、面状導体の法線方向に巻回軸を有する状態で面状導体の縁端部にそれぞれ配置され、
 前記複数のコイル導体は、各コイル導体に生じる磁束が同相となるように接続されており、
 平面視で、複数のコイル導体の一部は面状導体と重なり、コイル開口の一部は面状導体と重ならない、
ことを特徴とする。
[0009]
 上記の構成により、コイル導体と面状導体とは主に磁界結合し、面状導体が放射体(放射板)として作用し、コイル導体は放射体に対する給電コイルとして作用する。
[0010]
(2)前記複数のコイル導体の前記面状導体と重なる一部は、平面視で、前記面状導体の外縁に沿うように配置されていることが好ましい。これにより、コイル導体と面状導体との結合度が高まり、面状導体の放射体としての作用効果が向上する。
[0011]
(3)前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つのコイル導体は、平面視で、面状導体の所定方向に延びる中心線に関して線対称位置に配置されていることが好ましい。これにより、面状導体の中心線上に、利得のピーク(ホットスポット)が生じる。
[0012]
(4)前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つのコイル導体は、平面視で、面状導体の中心点に関して点対称位置に配置されていることが好ましい。これにより、点対称関係にある2つのコイル導体の間隔を広くでき、通信可能な領域を拡大できる。
[0013]
(5)前記面状導体は対向する2辺を有し、各辺から対向辺に向かって凹む切欠形状部が形成されており、各コイル導体のコイル開口は平面視で切欠形状部と重なっていることが好ましい。この構造により、面状導体の平面範囲より外側にコイル導体がはみ出すことなく配置できるので、面状導体の縮小化または装置の大型化が避けられる。
[0014]
(6)前記面状導体が、主面と主面に連接した第1折り曲げ面および第2折り曲げ面を有する場合には、第1折り曲げ面および第2折り曲げ面のそれぞれに切欠形状部が形成されていることが好ましい。これにより、面状導体が構造材である場合に、切欠形状部を形成したことによる機械的強度の低下は抑えられる。また、折り曲げ面を有することにより、面状導体の実効面積が大きくなり、通信可能な範囲が広がる。
[0015]
(7)平面視で、前記切欠形状部の少なくとも一部を覆うように磁性体シートを備えていることが好ましい。これにより、切欠形状部が磁気的に遮蔽されて、不要輻射が抑制できる。また、コイル導体に他の導体が近接する場合でも、その影響を抑制できる。
[0016]
(8)本発明の電子機器は、
 アンテナ装置と、このアンテナ装置に接続された給電回路とを備え、
 前記アンテナ装置は、
 コイル開口を有する複数のコイル導体と面状導体とを備え、
 前記複数のコイル導体は、面状導体の法線方向に巻回軸を有する状態で面状導体の縁端部にそれぞれ配置され、
 前記複数のコイル導体は、各コイル導体に生じる磁束が同相となるように接続されており、
 平面視で、複数のコイル導体の一部は面状導体と重なり、コイル開口の一部は面状導体と重ならず、
 前記面状導体は、筐体の金属部を兼ねている、ことを特徴とする。
[0017]
 上記構成により、電子機器が本来備えている筐体の金属部が放射体として有効に利用できる。
[0018]
(9)前記筐体の金属部は、主面と主面に連接した折り曲げ面を有し、この折り曲げ面に操作ボタン用の切欠形状部が形成されていて、複数のコイル導体のうち少なくとも1つのコイル導体のコイル開口は切欠形状部に重なっていることが好ましい。これにより、操作ボタン用の切欠形状部を利用して、容易に、複数のコイル導体の一部が筐体の金属部と重なり、コイル開口の一部が筐体の金属部と重ならないようにコイル導体を配置することができる。すなわち、コイル導体を上記のように配置するために、筺体の金属部に専用の切欠形状部を設ける必要がないので、金属部の機械的強度の低下を抑制できる。
[0019]
(10)本発明の電子機器は、
 アンテナ装置と、このアンテナ装置に接続された給電回路とを備え、
 前記アンテナ装置は、
 コイル開口を有する複数のコイル導体と面状導体とを備え、
 前記複数のコイル導体は、面状導体の法線方向に巻回軸を有する状態で面状導体の縁端部にそれぞれ配置され、
 前記複数のコイル導体は、各コイル導体に生じる磁束が同相となるように接続されており、
 平面視で、複数のコイル導体の一部は面状導体と重なり、コイル開口部の一部は面状導体と重ならず、
 前記面状導体は、回路基板に形成されている導体の一部である、
ことを特徴とする。
[0020]
 上記構成により、電子機器が本来備えている回路基板の導体が放射体として有効に利用できる。

発明の効果

[0021]
 本発明のアンテナ装置によれば、複数のコイル導体と面状導体とは主に磁界結合し、面状導体が放射体(放射板)として作用し、複数のコイル導体は放射体に対する給電コイルとして作用する。そのため、通信相手のアンテナに面状導体が対面する状態で通信することができ、実質的にヌル点(不感点)が生じない。
[0022]
 本発明の電気機器によれば、電子機器が本来備えている筐体の金属部や回路基板の導体がアンテナ装置の放射体として兼ねるので、小型でありながらアンテナ装置を内蔵する電子機器が構成できる。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 図1(A)、図1(B)はそれぞれ第1の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。
[図2] 図2(A)は給電コイルの平面図、図2(B)は2つのコイル導体21,22の接続状態および電流経路を示す概略図である。
[図3] 図3(A)は、面状導体10に流れる電流の方向および強度分布を示す図である。図3(B)は図3(A)における切欠形状部付近の拡大図である。
[図4] 図4(A)は、第1の実施形態のアンテナ装置周囲の磁束密度の分布を示す図であり、図1(A)の破線での断面における磁束密度の分布を示している。図4(B)は、図4(A)におけるアンテナ装置付近の拡大図である。
[図5] 図5(A)は第2の実施形態に係るアンテナ装置の平面図、図5(B)は図5(A)における一点鎖線部分での断面図である。
[図6] 図6は第3の実施形態に係るアンテナ装置の平面図である。
[図7] 図7は第4の実施形態に係るアンテナ装置の平面図である。
[図8] 図8は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置の平面図である。
[図9] 図9は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置の平面図である。
[図10] 図10は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置の平面図である。
[図11] 図11は第5の実施形態に係るアンテナ装置の平面図である。
[図12] 図12は第6の実施形態に係る通信端末装置の筐体内部の構造を示す平面図である。
[図13] 図13は第7の実施形態に係る電子機器の下部筐体の斜視図である。
[図14] 図14は第8の実施形態に係る通信端末装置の筐体内部の構造を示す平面図である。

発明を実施するための形態

[0024]
 以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。
[0025]
《第1の実施形態》
 図1(A)、図1(B)は第1の実施形態に係るアンテナ装置101A,101Bの斜視図である。先ず、主にアンテナ装置101Aについて説明する。アンテナ装置101Aは、コイル開口を有する2つのコイル導体21,22と面状導体10とを備えている。面状導体10は例えば電子機器の筐体の金属部である。コイル導体21,22は、面状導体10の法線方向に巻回軸を有する状態で面状導体10の縁端部にそれぞれ配置されている。面状導体10は一点鎖線で示す対称中心線を有し、コイル導体21,22は面状導体10の中心線に関して線対称位置に配置されている。なお、ここでいう面状導体とは、少なくとも面状に広がっている部分を有する導電性部材のことであり、平面形状だけでなく、曲面形状、また立体形状が有する表面でもよい。
 図2(A)は給電コイルの平面図、図2(B)は2つのコイル導体21,22の接続状態および電流経路を示す概略図である。コイル導体21,22は1つのフレキシブル基板にパターン形成されていて、このフレキシブル基板とコイル導体とで給電コイル41,42が構成されている。図2(A)に示す例では、1つのフレキシブル基板にコイル導体21,22が形成されて、2つの給電コイル41,42が1つの部品として構成されている。
[0026]
 コイル導体21とコイル導体22とは直列に接続されていて、端子31,32が引き出されている。また、この2つのコイル導体21,22は、各コイル導体に生じる磁束が面状導体10の主面方向に対して同相となるように接続されている。端子31,32にはRFIC等の給電回路が接続される。
[0027]
 図2(B)に表れているように、面状導体10は対向する2辺を有し、各辺から対向辺に向かって凹む切欠形状部CR1,CR2が形成されており、コイル導体21,22のコイル開口CA1,CA2は平面視で切欠形状部CR1,CR2と重なっている。
[0028]
 アンテナ装置101Aが送信アンテナとして作用する場合に、図2(B)において実線矢印で示す方向に、コイル導体21,22に電流が流れるとき、切欠形状部CR1,CR2にクロス記号で示す方向に磁束が通り、面状導体10に破線矢印で示す電流が誘導される。アンテナ装置101Aが受信アンテナとして作用する場合には、通信相手側のアンテナによる磁束により、面状導体10に破線矢印で示すような電流が誘導され、コイル導体21,22に実線矢印で示すような電流が誘導される。
[0029]
 このように、コイル導体21,22が面状導体10に重なる部分は、平面視で、面状導体10の外縁に沿うように配置されていることが好ましい。これにより、コイル導体21,22と面状導体10との結合度が高まり、面状導体10の放射体としての作用効果が向上する。
[0030]
 図3(A)は、面状導体10に流れる電流の方向および強度分布を示す図である。図3(B)は図3(A)における切欠形状部付近の拡大図である。このように、2つの切欠形状部CR1,CR2を抜ける磁束の方向が同じであるので、図3(B)中に太矢印で示すように、2つの切欠形状部CR1,CR2間を周回する電流が流れ、さらには、面状導体10の周囲を周回する電流が流れる。
[0031]
 図4(A)は、本実施形態のアンテナ装置周囲の磁束密度の分布を示す図であり、図1(A)の破線での断面における磁束密度の分布を示している。図4(B)は、図4(A)におけるアンテナ装置付近の拡大図である。
[0032]
 面状導体10は例えば筐体の金属部であり、この金属部に給電コイルが貼付されている。そのため、図4(B)に表れているように、面状導体10にコイル導体21,22が極近接して配置されている。なお、図4(A)(B)では、筐体内の回路基板61も表している。
[0033]
 図4(A)に示すように、通信相手側アンテナコイル301とアンテナ装置101Aの面状導体10とは平行状態で対向している。
[0034]
 図4(A)(B)に表れているように、面状導体10の通信相手側アンテナコイル301側の領域では、広い範囲に亘って磁束の向きが同じとなっている。つまり、磁束の向きは平面導体10の主面と垂直な方向である。よって、通信相手側アンテナコイル301が、アンテナ装置101Aの面状導体10に対して平行に移動したとしても、通信相手側アンテナコイル301のコイル開口を出入りする磁束の向きは変化しない。したがって、場所によって磁束の向きが変化することに起因するヌル点が生じにくい。また、図4(A)に示すように、面状導体10があることにより、2つのコイル導体21,22から離れた2つのコイル導体21,22間の中心線付近においても、磁束密度の高さは維持できる。つまり、面状導体10に誘導電流が流れ、ブースターとして機能することにより、2つのコイル導体21,22の近傍だけでなく、面状導体10の広い範囲に亘って磁束密度は高い。したがって、場所によって磁束密度が変化することに起因するヌル点が生じにくい。
[0035]
 さて、図1(B)に示すアンテナ装置101Bは、コイル導体21,22以外に更にコイル導体25を備えた例である。コイル導体25は面状導体10に形成された開口OPの周囲を周回するように巻回されている。開口OPはスリットSLを介して面状導体10の外縁とつながっている。
[0036]
 開口OPおよびスリットSLを有する面状導体10とコイル導体25とによって別のアンテナが構成されている。すなわち、アンテナ装置101Bは、コイル導体21,22と面状導体10とによる第1アンテナと、コイル導体25と面状導体10とによる第2アンテナとを備える。第1アンテナと第2アンテナは別の通信システムで用いられる。
[0037]
 このように、複数のアンテナのコイル導体とコイル導体との間に面状導体10の少なくとも一部が配置されているため、コイル導体同士は殆ど電磁界結合しない。そのため、複数のアンテナは独立したアンテナとして作用する。
[0038]
 例えば、上記2つの通信システムの一方はNFC(13.56MHz帯)等の通信システム、他方は5MHz以下の通信システム等に用いることができる。また、両方のアンテナがNFC通信用であって、NFCの別規格用に分けて使うこともできる。また、通信システムだけに限らず、例えば、一方のアンテナはNFC(13.56MHz帯)等の通信システム、他方のアンテナはA4WP(Alliance for Wireless Power)等の6.78MHz帯を利用する電力伝送用のアンテナとして用いることもできる。
[0039]
 なお、本実施形態のアンテナ装置101Aでは、面状導体10の対向する縁端部にコイル導体21,22を配置しているが、それに限定されない。面状導体10の隣り合う縁端部にコイル導体を配置させて、磁束が同相に放射されるように駆動してもよい。例えば、アンテナ装置101Bにおいて、コイル導体21,22,25を同じ通信または電力伝送システム用のアンテナとして、磁束が同相に放射されるように駆動してもよい。少なくとも同一システムのための2つ以上のコイル導体の間に、面状導体が配置されていれば、ヌル点が生じにくいアンテナ装置を構成できる。
 以上に示した構成以外に次のような構成であってもよい。
[0040]
(1)図2(B)等では、面状導体10の各辺から対向辺に向かって凹む切欠形状部CR1,CR2が形成された例を示したが、切欠形状部は開口を有していてもよい。すなわち、切欠形状部は、面状導体の外縁と開口との間がスリットを介して接続された形態であってもよい。
[0041]
(2)図1(B)に示した例では、コイル導体21,22を含む第1アンテナと、コイル導体25を含む第2アンテナとを構成したが、これら複数のアンテナのコイル開口の少なくとも一部が切欠形状部に共に重なるように配置されていてもよい。すなわち、別システム(または別規格)のアンテナのコイル導体が切欠形状部を共用するように構成されていてもよい。
[0042]
(3)面状導体10に開口またはスリットが形成されておらず、別システム(または別規格)のアンテナのコイル開口が面状導体10の外側に位置するようにそれぞれ配置された構成でも同様に、上述の効果を奏する。
[0043]
《第2の実施形態》
 図5(A)は第2の実施形態に係るアンテナ装置102の平面図、図5(B)は図5(A)における一点鎖線部分での断面図である。給電コイル41,42には、コイル導体21,22の形成位置に磁性体シート51,52が貼付されている。すなわち、平面視で、磁性体シート51,52は切欠形状部CR1,CR2の一部を覆う。
[0044]
 上記磁性体シート51,52はフェライトシートであり、シート状に成形した焼結磁性体フェライト、またはフェライト粉を樹脂材に磁性フェライト粉を分散させたフェライト樹脂シートである。
[0045]
 このように、平面視で、磁性体シート51,52は切欠形状部CR1,CR2の一部を覆うことにより、切欠形状部CR1,CR2が磁性体シート51,52で磁気的に遮蔽されて、不要輻射が抑制される。また、コイル導体21,22に他の導体が近接する場合に、その導体に生じようとする渦電流が抑制される。さらに、コイル導体21,22のインダクタンスが増大するので、少ないターン数で所定のインダクタンスを得ることができ、その分、コイル開口を大きく確保できる。
[0046]
《第3の実施形態》
 図6は第3の実施形態に係るアンテナ装置103の平面図である。コイル導体21,22はフレキシブル基板にパターン形成されたものである。第1、第2の実施形態とは異なり、本実施形態では、面状導体10に切欠形状部は形成されていない。
[0047]
 図6に表れているように、面状導体10は対向する2辺を有し、コイル導体21,22の一部は面状導体10と重なり、コイル開口CA1,CA2の一部は面状導体10と重ならない関係で、面状導体10に対してコイル導体21,22は配置されている。
[0048]
 アンテナ装置103が送信アンテナとして作用する場合に、図6において実線矢印で示す方向に、コイル導体21,22に電流が流れるとき、面状導体10に破線矢印で示す電流が誘導される。アンテナ装置103が受信アンテナとして作用する場合には、通信相手側のアンテナによる磁束により、面状導体10に破線矢印で示すような電流が誘導され、コイル導体21,22に実線矢印で示すような電流が誘導される。
[0049]
 このように、面状導体10には必ずしも切欠形状部を備えていなくても、コイル導体21,22は面状導体10と結合する。
[0050]
《第4の実施形態》
 第4の実施形態では、第1~第3の実施形態で示したアンテナ装置の幾つかの変形例について示す。
[0051]
 図7は第4の実施形態に係るアンテナ装置の平面図である。面状導体10は対向する2辺を有し、コイル導体21,22の一部は面状導体10と重なっている。これまでに示した実施形態とは異なり、コイル導体21,22は面状導体10の中心線(一点鎖線)に関して非線対称位置に配置されている。これにより、2つのコイル導体21,22の間隔を広くでき、通信可能な領域を拡大できる。
[0052]
 図8は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置の平面図である。この例では、面状導体10に形成されている切欠形状部CR1の2辺にコイル導体21の2辺が沿うように、コイル導体21が配置されている。同様に、切欠形状部CR2の2辺にコイル導体22の2辺が沿うように、コイル導体22が配置されている。このような構造であっても、コイル導体21,22は面状導体10と結合する。
[0053]
 図9は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置の平面図である。この例では、面状導体10は対称中心点oを有し、コイル導体21,22は面状導体10の中心点oに関して点対称位置に配置されている。これにより、点対称関係にある2つのコイル導体21,22の間隔を広くでき、通信可能な領域を拡大できる。
[0054]
 図10は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置の平面図である。図2(A)に示した例では、1つのフレキシブル基板に2つのコイル導体21,22を形成した例を示したが、給電コイル41,42を個別の部品として構成している。この2つの給電コイル41,42を例えば筐体の金属部に貼付し、回路基板に設けたピン端子(ポゴピン)を端子31,32,33,34にそれぞれ当接させる。この構造により、フレキシブル基板の取り数が向上し、低コスト化できる。
[0055]
《第5の実施形態》
 図11は第5の実施形態に係るアンテナ装置105の平面図である。面状導体10の周囲の4個所に切欠形状部CR1,CR2,CR3,CR4が形成されている。そして、コイル導体21,22,23,24のコイル開口CA1,CA2,CA3,CA4が、平面視で切欠形状部CR1,CR2,CR3,CR4と重なるように、コイル導体21,22,23,24が配置されている。
[0056]
 コイル導体21,22,23,24は、コイル導体21,22,23,24に生じる磁束が同相となるように直列に接続されている。これにより、コイル導体21,22,23,24と面状導体10とが結合する状態で、面状導体10には、その周囲を周回する電流が流れる。このように、コイル導体は3つ以上備えてもよい。
[0057]
《第6の実施形態》
 図12は第6の実施形態に係る通信端末装置の筐体内部の構造を示す平面図である。この通信端末装置は本発明に係る電子機器の一例である。上部筐体91の内部には回路基板61,62,63、バッテリーパック90、カメラモジュール76等が収められている。回路基板61には通信回路を備えたRFIC60、共振用キャパシタ等が実装されている。回路基板62,63にはUHF帯アンテナ82,83等が設けられている。
[0058]
 下部筐体92にはカメラモジュール76のレンズが光学的に露出する開口77が形成されている。また、下部筐体92は樹脂製であるが、その内面に金属膜による面状導体10が形成されている。面状導体10には切欠形状部CR1,CR2が形成されていて、切欠形状部CR1,CR2の位置にコイル導体21,22が配置されている。このコイル導体21,22および面状導体10によってアンテナ装置が構成されている。上部筐体91に下部筐体92が嵌め合わされることで、回路基板61に形成されているポゴピンを介して、RFIC60にアンテナ装置が接続される。
[0059]
《第7の実施形態》
 図13は第7の実施形態に係る電子機器の下部筐体の斜視図である。本実施形態では、金属製筐体を面状導体として、すなわちアンテナ装置の放射体として利用する。下部筐体92は金属板の成型体であり、主面MSと主面MSに連接した折り曲げ面SS1,SS2を有し、主面MSにカメラモジュール用の開口77が形成されている。下部筐体92の一方の折り曲げ面SS1には操作ボタン用の切欠形状部CR1が形成されている。図13では操作ボタンは図示していないが、この切欠形状部CR1から外方へ操作ボタンが露出するように、操作ボタンは設けられる。他方の折り曲げ面SS2にも同様の切欠形状部が形成されている。
[0060]
 これまでに示した各実施形態と同様に、この2つの切欠形状部にコイル導体を配置することでアンテナ装置が構成される。
[0061]
 本実施形態によれば、操作ボタン用の切欠形状部を利用して、容易に、複数のコイル導体の一部が筐体の金属部と重なり、コイル開口の一部が筐体の金属部と重ならないようにコイル導体を配置することができる。すなわち、コイル導体を上記のように配置するために、筺体の金属部に専用の切欠形状部を設ける必要がないので、金属部の機械的強度の低下を抑制できる。また、折り曲げ面を有することにより、面状導体の実効面積が大きくなり、通信可能な範囲が広がる。
[0062]
 なお、本実施形態では、切欠形状部には操作ボタンが配置されているが、スライドスイッチや、外部との接続用のコネクタ、スピーカー、発光素子、光学センサや指紋センサ等の各種センサ類、等のデバイスが配置されていてもよい。
[0063]
 また、本実施形態では、面状導体の2つの切欠形状部は、いずれも主面に連接した2つの折り曲げ面に形成されているが、一方の切欠形状部だけが一方の折り曲げ面に形成されて、他方の切欠形状部が形成されている面状導体の領域は主面に対して折り曲げられていない構造であってもよい。
[0064]
《第8の実施形態》
 図14は第8の実施形態に係る通信端末装置の筐体内部の構造を示す平面図である。この通信端末装置は本発明に係る電子機器の一例である。上部筐体91の内部には回路基板61,63、バッテリーパック90、カメラモジュール76等が収められている。回路基板61には通信回路を備えたRFIC60、共振用キャパシタ等が実装されている。回路基板61,63にはUHF帯アンテナ82,83等が設けられている。また、回路基板61にはグランドパターン61Gが形成されている。グランドパターン61Gは本発明に係る面状導体の一例である。このグランドパターンには切欠形状部CR1,CR2が形成されていて、切欠形状部CR1,CR2の位置にコイル導体21,22が配置されている。このコイル導体21,22およびグランドパターン61Gによってアンテナ装置が構成されている。なお、コイル導体21,22は、回路基板61に導体パターンで形成してもよい。
[0065]
《他の実施形態》
 なお、以上に示した各実施形態では、複数のコイル導体を直列接続した例を示したが、並列接続してもよい。また、面状導体は図14に示したように、矩形でなくてもよい。

符号の説明

[0066]
CA1,CA2,CA3,CA4…コイル開口
CR1,CR2,CR3,CR4…切欠形状部
MS…主面
o…対称中心点
SS1…第1折り曲げ面
SS2…第2折り曲げ面
10…面状導体
21,22,23,24…コイル導体
31,32,33,34…端子
41,42…給電コイル
51,52…磁性体シート
60…RFIC
61,62,63…回路基板
61G…グランドパターン
76…カメラモジュール
77…開口
82,83…UHF帯アンテナ
90…バッテリーパック
91…上部筐体
92…下部筐体
101A,101B,102,103,105…アンテナ装置
301…通信相手側アンテナコイル

請求の範囲

[請求項1]
 コイル開口を有する複数のコイル導体と面状導体とを備え、
 前記複数のコイル導体は、前記面状導体の法線方向に巻回軸を有する状態で前記面状導体の縁端部にそれぞれ配置され、
 前記複数のコイル導体は、各コイル導体に生じる磁束が同相となるように接続されており、
 平面視で、前記複数のコイル導体の一部は前記面状導体と重なり、コイル開口の一部は前記面状導体と重ならない、
ことを特徴とする、アンテナ装置。
[請求項2]
 前記複数のコイル導体の前記面状導体と重なる一部は、平面視で、前記面状導体の外縁に沿うように配置されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
[請求項3]
 前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つのコイル導体は、平面視で、前記面状導体の所定方向に延びる中心線に関して線対称位置に配置されている、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
[請求項4]
 前記複数のコイル導体のうち少なくとも2つのコイル導体は、平面視で、前記面状導体の中心点に関して点対称位置に配置されている、請求項1または2に記載のアンテナ装置。
[請求項5]
 前記面状導体は対向する2辺を有し、各辺から対向辺に向かって凹む切欠形状部が形成されており、前記各コイル導体のコイル開口は平面視で前記切欠形状部と重なっている、請求項1~4のいずれかに記載のアンテナ装置。
[請求項6]
 前記面状導体は、主面と、前記主面に連接した折り曲げ面とを有し、前記折り曲げ面に前記切欠形状部が形成されている、請求項5に記載のアンテナ装置。
[請求項7]
 平面視で、前記切欠形状部の少なくとも一部を覆うように磁性体シートを備えた、請求項5または6に記載のアンテナ装置。
[請求項8]
 アンテナ装置と、このアンテナ装置に接続された給電回路とを備えた電子機器において、
 前記アンテナ装置は、
 コイル開口を有する複数のコイル導体と面状導体とを備え、
 前記複数のコイル導体は、前記面状導体の法線方向に巻回軸を有する状態で前記面状導体の縁端部にそれぞれ配置され、
 前記複数のコイル導体は、各コイル導体に生じる磁束が同相となるように接続されており、
 平面視で、前記複数のコイル導体の一部は前記面状導体と重なり、コイル開口の一部は前記面状導体と重ならず、
 前記面状導体は、筐体の金属部を兼ねている、
ことを特徴とする電子機器。
[請求項9]
 前記筐体の金属部は、主面と、前記主面に連接した折り曲げ面とを有し、この折り曲げ面にデバイス用の切欠形状部が形成されていて、前記複数のコイル導体のうち少なくとも1つのコイル導体のコイル開口は前記切欠形状部に重なっている、請求項8に記載の電子機器。
[請求項10]
 アンテナ装置と、このアンテナ装置に接続された給電回路とを備えた電子機器において、
 前記アンテナ装置は、
 コイル開口を有する複数のコイル導体と面状導体とを備え、
 前記複数のコイル導体は、前記面状導体の法線方向に巻回軸を有する状態で前記面状導体の縁端部にそれぞれ配置され、
 前記複数のコイル導体は、各コイル導体に生じる磁束が同相となるように接続されており、
 平面視で、前記複数のコイル導体の一部は前記面状導体と重なり、コイル開口部の一部は前記面状導体と重ならず、
 前記面状導体は、回路基板に形成されている導体の一部である、
ことを特徴とする電子機器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]