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1. (WO2015133083) 車両用熱管理システム
Document

明 細 書

発明の名称 車両用熱管理システム 0001  

技術分野

0002  

背景技術

0003   0004   0005   0006  

先行技術文献

特許文献

0007  

発明の概要

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014  

図面の簡単な説明

0015  

発明を実施するための形態

0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 車両用熱管理システム

関連出願の相互参照

[0001]
 本出願は、当該開示内容が参照によって本出願に組み込まれた、2014年3月5日に出願された日本特許出願2014-042925を基にしている。

技術分野

[0002]
 本開示は、車両に用いられる熱管理システムに関する。

背景技術

[0003]
 従来、特許文献1には、ヒートポンプと二次冷却回路とを備える自動車温度調節装置が記載されている。この従来技術では、ヒートポンプは、低温源から熱を奪うとともに、その熱の少なくとも一部を高温源に伝達する圧縮式の主冷媒回路を備えている。二次冷却回路は、冷却剤液体を循環させるためのポンプを有している。
[0004]
 低温源および高温源は、コンプレッサおよび膨張弁によって互いに接続されている。冷媒は、低温源から熱を奪い気化する。コンプレッサは、気化した冷媒を吸い込んで高温源に送る。冷媒は、この高温源で凝縮して冷却される。膨張弁は、高温源で凝縮された冷媒を減圧する。膨張弁で減圧された冷媒は低温源へ送られる。
[0005]
 高温源は、主冷媒回路を二次冷却回路に熱的に結合する冷媒/冷却剤熱交換器を有している。冷媒/冷却剤熱交換器は、主冷媒回路の冷媒と二次冷却回路の冷却剤液体とを熱交換させる。
[0006]
 二次冷却回路は、外部熱交換器に接続可能になっている。外部熱交換器は、二次冷却回路の冷却剤液体と、自動車の外部の空気とを熱交換する。

先行技術文献

特許文献

[0007]
特許文献1 : 特表2004-515394号公報

発明の概要

[0008]
 本願の発明者らの検討によれば、上記従来技術では、二次冷却回路が外部熱交換器に接続されている場合、外部熱交換器は、二次冷却回路の冷却剤液体が持つ熱を自動車の外部の空気に放熱することによって、二次冷却回路の冷却剤液体を冷却する。
[0009]
 この作動状態においてコンプレッサ(圧縮機)を停止させる場合、コンプレッサの停止と同時にポンプも停止させると、外部熱交換器による冷却剤液体の冷却が急に停止されるので、冷媒/冷却剤熱交換器が高温のまま保たれてしまう。また、二次冷却回路がエンジン等から熱を受ける場合、冷媒/冷却剤熱交換器および冷却剤液体の温度が上昇してしまう。
[0010]
 冷媒/冷却剤熱交換器が高温のまま保たれてしまうと冷媒/冷却剤熱交換器の冷媒側の圧力も高いままとなり、コンプレッサ起動時は高い圧力の所に吐出することになるので高い起動トルクが必要となり、消費動力が増えてしまう。
[0011]
 また、冷却剤液体の温度が上昇した状態でコンプレッサを再起動すると、冷媒/冷却剤熱交換器において冷媒が高温の冷却材液体と熱交換することとなるので、冷媒の温度および圧力が下がり難くなり、この場合もコンプレッサの消費動力が増加してサイクル効率が悪化してしまうという問題がある。
[0012]
 本開示は上記点に鑑みて、圧縮機を再起動したときのサイクル効率の悪化を抑制する車両用熱管理システムを提供することを目的とする。
[0013]
 本開示の一態様による車両用熱管理システムは、熱媒体を吸入して吐出する第1ポンプと、冷凍サイクルの冷媒を吸入して吐出する圧縮機と、冷凍サイクルの高圧側冷媒と第1ポンプによって循環される熱媒体とを熱交換させる高圧側熱交換器と、第1ポンプによって循環される熱媒体と外気とを熱交換させる熱媒体外気熱交換器と、圧縮機が停止しても第1ポンプの作動が継続するように第1ポンプの作動を制御するポンプ制御部とを備える。
[0014]
 これによると、圧縮機が停止しても第1ポンプの作動が継続するので、熱媒体外気熱交換器で熱媒体を冷却することができる。そのため、圧縮機が停止した後に熱媒体の温度が高温のまま保たれる、または上昇することを抑制できるので、高圧側熱交換器の圧力を下げることができる。その結果、圧縮機を再起動したときに冷媒の温度および圧力が上昇することを抑制できるので、サイクル効率の悪化を抑制できる。

図面の簡単な説明

[0015]
[図1] 第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。
[図2] 第1実施形態の車両用熱管理システムにおける電気制御部を示すブロック図である。
[図3] 第1実施形態の車両用熱管理システムにおいて冷房運転時の冷却水流れ状態を示す図である。
[図4] 第1実施形態の車両用熱管理システムにおいて暖房運転時の冷却水流れ状態を示す図である。
[図5] 第1実施形態の車両用熱管理システムにおいて冷房運転時に実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図6] 第1実施形態の車両用熱管理システムにおいて暖房運転時に実行する制御処理を示すフローチャートである。
[図7] 第2実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。

発明を実施するための形態

[0016]
 以下、実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
[0017]
 (第1実施形態)
 図1に示す車両用熱管理システム10は、車両が備える各種機器や車室内を適切な温度に調整するために用いられる。本実施形態では、車両用熱管理システム10を、エンジン(内燃機関)および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド自動車に適用している。
[0018]
 本実施形態のハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源(商用電源)から供給された電力を、車両に搭載された電池(車載バッテリ)に充電可能なプラグインハイブリッド自動車として構成されている。電池としては、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。
[0019]
 エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機を作動させるためにも用いられる。そして、発電機にて発電された電力および外部電源から供給された電力を電池に蓄えることができ、電池に蓄えられた電力は、走行用電動モータのみならず、車両用熱管理システム10を構成する電気機器に供給される。
[0020]
 図1に示すように、車両用熱管理システム10は、低温側ポンプ11、高温側ポンプ12、ラジエータ13、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15、温度調整対象機器16、クーラコア17、ヒータコア18、第1切替弁19および第2切替弁20を備えている。
[0021]
 低温側ポンプ11および高温側ポンプ12は、冷却水(熱媒体)を吸入して吐出する電動ポンプである。冷却水は、熱媒体としての流体である。本実施形態では、冷却水として、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンもしくはナノ流体を含む液体、または不凍液体が用いられている。
[0022]
 ラジエータ13、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15および温度調整対象機器16は、冷却水が流通する冷却水流通機器(熱媒体流通機器)である。
[0023]
 ラジエータ13は、冷却水と外気(車室外空気)とを熱交換する熱交換器(熱媒体外気熱交換器)である。ラジエータ13は、冷却水の温度が外気の温度よりも高い場合、冷却水の熱を外気に放熱させる放熱器として機能し、冷却水の温度が外気の温度よりも低い場合、冷却水に外気の熱を吸熱させる吸熱器として機能する。
[0024]
 ラジエータ13には、室外送風機21によって外気が送風される。室外送風機21は、ラジエータ13に外気を送風する外気送風装置であり、電動送風機で構成されている。ラジエータ13および室外送風機21は車両の最前部に配置されている。このため、車両の走行時にはラジエータ13に走行風を当てることができる。
[0025]
 冷却水冷却器14は、冷却水を冷却する冷却装置である。具体的には、冷却水冷却器14は、冷凍サイクル22の低圧側冷媒と冷却水とを熱交換させることによって冷却水を冷却する低圧側熱交換器である。冷却水冷却器14の冷却水入口側(熱媒体入口側)は、低温側ポンプ11の冷却水吐出側(熱媒体吐出側)に接続されている。
[0026]
 冷却水加熱器15は、冷却水を加熱する加熱装置である。具体的には、冷却水加熱器15は、冷凍サイクル22の高圧側冷媒と冷却水とを熱交換させることによって冷却水を加熱する高圧側熱交換器である。冷却水加熱器15の冷却水入口側(熱媒体入口側)は、高温側ポンプ12の冷却水吐出側(熱媒体吐出側)に接続されている。
[0027]
 冷凍サイクル22は、圧縮機23、冷却水加熱器15、膨張弁24および冷却水冷却器14を備える蒸気圧縮式冷凍機である。本実施形態の冷凍サイクル22では、冷媒としてフロン系冷媒を用いており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。
[0028]
 圧縮機23は、内燃機関(エンジン)からプーリ、ベルト等を介して伝達される回転駆動力によって駆動されるエンジン駆動式圧縮機である。圧縮機23は、電磁クラッチの断続により圧縮機の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機である。圧縮機23は、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整することのできる可変容量型圧縮機であってもよい。
[0029]
 冷却水加熱器15は、圧縮機23から吐出された高圧側冷媒と冷却水とを熱交換させることによって高圧側冷媒を凝縮させる凝縮器である。膨張弁24は、冷却水加熱器15から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧装置である。
[0030]
 冷却水冷却器14は、膨張弁24で減圧膨張された低圧冷媒と冷却水とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させる蒸発器である。冷却水冷却器14で蒸発した気相冷媒は圧縮機23に吸入されて圧縮される。
[0031]
 ラジエータ13では外気によって冷却水を冷却するのに対し、冷却水冷却器14では冷凍サイクル22の低圧冷媒によって冷却水を冷却する。このため、ラジエータ13では冷却水を外気の温度よりも低い温度まで冷却できないのに対し、冷却水冷却器14では冷却水を外気の温度よりも低温まで冷却できる。すなわち、冷却水冷却器14で冷却された冷却水をラジエータ13に通水することによって、ラジエータ13で外気から吸熱することができる。
[0032]
 温度調整対象機器16は、冷却水が流通する流路を有し、冷却水との間で熱授受が行われる熱授受機器である。温度調整対象機器16の例としては、インバータ、電池、電池温調用熱交換器、走行用電動モータ、エンジン機器、蓄冷熱体、換気熱回収熱交換器、冷却水冷却水熱交換器などが挙げられる。
[0033]
 インバータは、電池から供給された直流電力を交流電圧に変換して走行用電動モータに出力する電力変換装置である。
[0034]
 電池温調用熱交換器は、電池への送風経路に配置され、送風空気と冷却水とを熱交換する熱交換器(空気熱媒体熱交換器)である。
[0035]
 エンジン機器としては、ターボチャージャ、インタークーラ、EGRクーラ、CVTウォーマ、CVTクーラ、排気熱回収器などが挙げられる。
[0036]
 ターボチャージャは、エンジンの吸入空気(吸気)を過給する過給機である。インタークーラは、ターボチャージャで圧縮されて高温になった過給吸気と冷却水とを熱交換して過給吸気を冷却する吸気冷却器(吸気熱媒体熱交換器)である。
[0037]
 EGRクーラは、エンジンの吸気側に戻されるエンジン排気ガス(排気)と冷却水とを熱交換して排気を冷却する排気冷却水熱交換器(排気熱媒体熱交換器)である。
[0038]
 CVTウォーマは、CVT(無段変速機)を潤滑する潤滑油(CVTオイル)と冷却水とを熱交換してCVTオイルを加熱する潤滑油冷却水熱交換器(潤滑油熱媒体熱交換器)である。
[0039]
 CVTクーラは、CVTオイルと冷却水とを熱交換してCVTオイルを冷却する潤滑油冷却水熱交換器(潤滑油熱媒体熱交換器)である。
[0040]
 排気熱回収器は、排気と冷却水とを熱交換して冷却水に排気の熱を吸熱させる排気冷却水熱交換器(排気熱媒体熱交換器)である。
[0041]
 蓄冷熱体は、冷却水が持つ温熱または冷熱を蓄えるものである。蓄冷熱体の例としては、化学蓄熱材、保温タンク、潜熱型蓄熱体(パラフィンや水和物系の物質)などが挙げられる。
[0042]
 換気熱回収熱交換器は、換気で外に捨てられる熱(冷熱または温熱)を回収する熱交換器である。例えば、換気熱回収熱交換器が、換気で外に捨てられる熱(冷熱または温熱)を回収することによって、冷暖房に必要な動力を低減できる。
[0043]
 冷却水冷却水熱交換器は、冷却水と冷却水とを熱交換する熱交換器である。例えば、冷却水冷却水熱交換器が、車両用熱管理システム10の冷却水(低温側ポンプ11または高温側ポンプ12によって循環される冷却水)と、エンジン冷却回路(エンジン冷却用の冷却水が循環する回路)の冷却水とを熱交換することによって、車両用熱管理システム10とエンジン冷却回路との間で熱をやり取りできる。
[0044]
 クーラコア17は、冷却水と車室内への送風空気とを熱交換させて車室内への送風空気を冷却する空気冷却用熱交換器(空気冷却器)である。したがって、クーラコア17には、冷却水冷却器14や冷熱を発生する機器等で冷却された冷却水が流通する。
[0045]
 ヒータコア18は、車室内への送風空気と冷却水とを熱交換させて車室内への送風空気を加熱する空気加熱用熱交換器(空気加熱器)である。したがって、ヒータコア18には、冷却水加熱器15や温熱を発生する機器等で加熱された冷却水が流通する。
[0046]
 クーラコア17およびヒータコア18には、室内送風機26によって内気(車室内空気)、外気、または内気と外気との混合空気が送風される。室内送風機26は、クーラコア17およびヒータコア18に空気を送風する送風装置であり、電動送風機で構成されている。
[0047]
 クーラコア17、ヒータコア18および室内送風機26は、車両用空調装置の室内空調ユニット27のケーシング28に収容されている。室内空調ユニット27は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。ケーシング28は、室内空調ユニット27の外殻を形成している。
[0048]
 ケーシング28は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
[0049]
 ケーシング28内の車室内送風空気流れ最上流側には、内外気切替装置(図示せず)が配置されている。内外気切替装置は、ケーシング28に内気と外気とを切替導入する内外気導入部である。
[0050]
 ケーシング28の空気流れ最下流部には、クーラコア17およびヒータコア18で温度調整された空調風を、空調対象空間である車室内へ吹き出す開口部が形成されている。
[0051]
 低温側ポンプ11は低温側ポンプ用流路31に配置されている。低温側ポンプ用流路31において低温側ポンプ11の冷却水吐出側には、冷却水冷却器14が配置されている。
[0052]
 高温側ポンプ12は高温側ポンプ用流路32に配置されている。高温側ポンプ用流路32において高温側ポンプ12の冷却水吐出側には、冷却水加熱器15が配置されている。
[0053]
 ラジエータ13はラジエータ用流路33に配置されている。温度調整対象機器16は機器用流路36に配置されている。クーラコア17はクーラコア用流路37に配置されている。ヒータコア18はヒータコア用流路38に配置されている。
[0054]
 低温側ポンプ用流路31、高温側ポンプ用流路32、ラジエータ用流路33、機器用流路36、クーラコア用流路37およびヒータコア用流路38は、第1切替弁19および第2切替弁20に接続されている。
[0055]
 第1切替弁19および第2切替弁20は、冷却水の流れを切り替える切替装置(熱媒体流れ切替装置)である。
[0056]
 第1切替弁19は、冷却水の入口または出口を構成する多数個のポート(第1切替弁ポート)を有する多方弁である。具体的には、第1切替弁19は、冷却水の入口として第1入口19aおよび第2入口19bを有し、冷却水の出口として第1~第3出口19c~19eを有している。
[0057]
 第2切替弁20は、冷却水の入口または出口を構成する多数個のポート(第2切替弁ポート)を有する多方弁である。具体的には、第2切替弁20は、冷却水の出口として第1出口20aおよび第2出口20bを有し、冷却水の入口として第1~第3入口20c~20eを有している。
[0058]
 第1切替弁19の第1入口19aには、低温側ポンプ用流路31の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁19の第1入口19aには、冷却水冷却器14の冷却水出口側が接続されている。
[0059]
 低温側ポンプ用流路31のうち冷却水冷却器14と第1切替弁19との間の部位には、クーラコア用流路37の一端が接続されている。換言すれば、冷却水冷却器14の冷却水出口側には、クーラコア17の冷却水入口側が接続されている。
[0060]
 第1切替弁19の第2入口19bには、高温側ポンプ用流路32の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁19の第2入口19bには、冷却水加熱器15の冷却水出口側が接続されている。
[0061]
 第1切替弁19の第1出口19cには、ラジエータ用流路33の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁19の第1出口19cには、ラジエータ13の冷却水入口側が接続されている。
[0062]
 第1切替弁19の第2出口19dには、機器用流路36の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁19の第2出口19dには、温度調整対象機器16の冷却水入口側が接続されている。
[0063]
 第1切替弁19の第3出口19eには、ヒータコア用流路38の一端が接続されている。換言すれば、第1切替弁19の第3出口19eには、ヒータコア18の冷却水入口側が接続されている。
[0064]
 第2切替弁20の第1出口20aには、低温側ポンプ用流路31の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁20の第1出口20aには、低温側ポンプ11の冷却水吸入側が接続されている。
[0065]
 第2切替弁20の第2出口20bには、高温側ポンプ用流路32の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁20の第2出口20bには、高温側ポンプ12の冷却水吸入側が接続されている。
[0066]
 高温側ポンプ用流路32のうち第2切替弁20と高温側ポンプ12との間の部位には、ヒータコア用流路38の他端が接続されている。換言すれば、高温側ポンプ12の冷却水吸入側には、ヒータコア18の冷却水出口側が接続されている。
[0067]
 第2切替弁20の第1入口20cには、ラジエータ用流路33の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁20の第1入口20cには、ラジエータ13の冷却水出口側が接続されている。
[0068]
 第2切替弁20の第2入口20dには、機器用流路36の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁20の第2入口20dには、温度調整対象機器16の冷却水出口側が接続されている。
[0069]
 第2切替弁20の第3入口20eには、クーラコア用流路37の他端が接続されている。換言すれば、第2切替弁20の第3入口20eには、クーラコア17の冷却水出口側が接続されている。
[0070]
 第1切替弁19は、各入口19a、19bと各出口19c~19eとの連通状態を任意または選択的に切り替え可能な構造になっている。第2切替弁20も、各出口20a、20bと各入口20c~20eとの連通状態を任意または選択的に切り替え可能な構造になっている。
[0071]
 具体的には、第1切替弁19は、ラジエータ13、温度調整対象機器16およびヒータコア18のそれぞれについて、低温側ポンプ11から吐出された冷却水が流入する状態と、高温側ポンプ12から吐出された冷却水が流入する状態と、低温側ポンプ11から吐出された冷却水および高温側ポンプ12から吐出された冷却水が流入しない状態を切り替える。
[0072]
 第2切替弁20は、ラジエータ13、温度調整対象機器16およびクーラコア17のそれぞれについて、低温側ポンプ11へ冷却水が流出する状態と、高温側ポンプ12へ冷却水が流出する状態と、低温側ポンプ11および高温側ポンプ12へ冷却水が流出しない状態とを切り替える。
[0073]
 第1切替弁19および第2切替弁20の構造例を簡単に説明すると、第1切替弁19および第2切替弁20は、外殻をなすケースと、ケースに収容された弁体とを備え、ケースの所定の位置に冷却水の入口および出口が形成され、弁体が回転操作されることによって冷却水の入口と出口との連通状態が変化するようになっている。
[0074]
 第1切替弁19の弁体および第2切替弁20の弁体は、別個の電動モータによって独立して回転駆動される。第1切替弁19の弁体および第2切替弁20の弁体は、共通の電動モータによって連動して回転駆動されるようになっていてもよい。
[0075]
 第1切替弁19は、複数の弁体から構成されていてもよい。第2切替弁20は、複数の弁体から構成されていてもよい。第1切替弁19の弁体と第2切替弁20の弁体とが機械的に連結されていてもよい。第1切替弁19の弁体と第2切替弁20の弁体とが一体形成されていてもよい。
[0076]
 低温側ポンプ11、高温側ポンプ12、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15、第1切替弁19、第2切替弁20、圧縮機23、膨張弁24およびリリーフ弁25は、冷凍サイクルユニット40を構成している。
[0077]
 冷凍サイクルユニット40は、低温側ポンプ11、高温側ポンプ12、冷却水冷却器14、冷却水加熱器15、第1切替弁19、第2切替弁20、圧縮機23、膨張弁24およびリリーフ弁25を収容する筐体(図示せず)を有している。
[0078]
 冷凍サイクルユニット40、ラジエータ13および室外送風機21は、車両のエンジンルーム内に配置されている。クーラコア17およびヒータコア18を収容する室内空調ユニット27は、車室内の最前部に設けられた計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されている。
[0079]
 次に、車両用熱管理システム10の電気制御部を図2に基づいて説明する。制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された低温側ポンプ11、高温側ポンプ12、室外送風機21、圧縮機23、室内送風機26、切替弁用電動モータ51等の作動を制御する制御装置である。
[0080]
 切替弁用電動モータ51は、第1切替弁19の弁体と第2切替弁20の弁体とを駆動する切替弁駆動装置である。本実施形態では、切替弁用電動モータ51として、第1切替弁19の弁体駆動用の電動モータと、第2切替弁20の弁体駆動用の電動モータとが別個に設けられている。
[0081]
 制御装置50は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御部(ハードウェアおよびソフトウェア)が一体に構成されたものである。
[0082]
 制御装置50のポンプ制御部50aは、低温側ポンプ11および高温側ポンプ12の作動を制御するポンプ制御装置である。制御装置50の外気送風制御部50bは、室外送風機21の作動を制御することによって外気の送風を制御する外気送風制御装置である。
[0083]
 制御装置50の圧縮機制御部50cは、圧縮機23の作動を制御する圧縮機制御装置である。制御装置50の室内送風機制御部50dは、室内送風機26の作動を制御する室内送風機制御装置である。
[0084]
 制御装置50の切替弁制御部50eは、切替弁用電動モータ51の作動を制御する。各制御部50a、50b、50c、50d、50eを制御装置50に対して別体で構成してもよい。
[0085]
 制御装置50の入力側には、内気センサ52、外気センサ53、第1水温センサ54、第2水温センサ55、冷媒温度センサ56等のセンサ群の検出信号が入力される。
[0086]
 内気センサ52は、内気温(車室内温度)を検出する検出器(内気温度検出器)である。外気センサ53は、外気温(車室外温度)を検出する検出器(外気温度検出器)である。
[0087]
 第1水温センサ54は、低温側ポンプ用流路31を流れる冷却水の温度(例えば冷却水冷却器14から流出した冷却水の温度)を検出する検出器(第1熱媒体温度検出器)である。
[0088]
 第2水温センサ55は、高温側ポンプ用流路32を流れる冷却水の温度(例えば冷却水加熱器15から流出した冷却水の温度)を検出する検出器(第2熱媒体温度検出器)である。
[0089]
 冷媒温度センサ56は、冷凍サイクル22の冷媒温度(例えば圧縮機23から吐出される冷媒の温度や、冷却水冷却器14から流出した冷却水の温度)を検出する検出器(冷媒温度検出器)である。冷媒温度センサ56は、必要に応じて、冷凍サイクル22内に配置される熱交換器に配置されていてもよい。
[0090]
 例えば、内気温、外気温、冷却水温度および冷媒温度を、種々の物理量の検出値に基づいて推定するようにしてもよい。
[0091]
 冷媒温度センサ56の代わりに、冷凍サイクル22の冷媒圧力(例えば圧縮機23から吐出される冷媒の圧力や、冷却水冷却器14から流出した冷却水の圧力)を検出する冷媒圧力センサが配置されていてもよい。
[0092]
 制御装置50の入力側には、エアコンスイッチ57からの操作信号が入力される。エアコンスイッチ57は、エアコンのオン・オフ(換言すれば冷房のオン・オフ)を切り替えるスイッチであり、車室内の計器盤付近に配置されている。
[0093]
 次に、上記構成における作動を説明する。制御装置50が低温側ポンプ11、高温側ポンプ12、圧縮機23、切替弁用電動モータ51等の作動を制御することによって、種々の作動モードに切り替えられる。
[0094]
 例えば、低温側ポンプ用流路31とラジエータ用流路33、機器用流路36、クーラコア用流路37およびヒータコア用流路38とのうち少なくとも1つの流路とで低温側冷却水回路(低温側熱媒体回路)が形成され、高温側ポンプ用流路32とラジエータ用流路33、機器用流路36、クーラコア用流路37およびヒータコア用流路38のうち少なくとも他の1つの流路とで高温側冷却水回路(高温側熱媒体回路)が形成される。
[0095]
 ラジエータ用流路33、機器用流路36、クーラコア用流路37およびヒータコア用流路38のそれぞれについて、低温側冷却水回路に接続される場合と、高温側冷却水回路に接続される場合とを状況に応じて切り替えることによって、ラジエータ13、温度調整対象機器16、クーラコア17およびヒータコア18を状況に応じて適切な温度に調整できる。
[0096]
 すなわち、冷却水冷却器14と温度調整対象機器16とが互いに同じ冷却水回路に接続された場合、冷却水冷却器14で冷却された冷却水によって温度調整対象機器16を冷却できる。冷却水加熱器15と温度調整対象機器16とが互いに同じ冷却水回路に接続された場合、冷却水加熱器15で加熱された冷却水によって温度調整対象機器16を加熱できる。
[0097]
 冷却水冷却器14とクーラコア17とが互いに同じ冷却水回路に接続された場合、クーラコア17によって車室内への送風空気を冷却して、車室内を冷房できる。
[0098]
 冷却水加熱器15とヒータコア18とが互いに同じ冷却水回路に接続された場合、ヒータコア18によって車室内への送風空気を加熱して、車室内を暖房できる。
[0099]
 冷却水冷却器14とラジエータ13とが互いに同じ冷却水回路に接続された場合、冷凍サイクル22のヒートポンプ運転を行うことができる。すなわち、低温側冷却水回路では、冷却水冷却器14で冷却された冷却水がラジエータ13を流れるので、ラジエータ13で冷却水が外気から吸熱する。そして、ラジエータ13にて外気から吸熱した冷却水は、冷却水冷却器14で冷凍サイクル22の冷媒と熱交換して放熱する。したがって、冷却水冷却器14では、冷凍サイクル22の冷媒が冷却水を介して外気から吸熱する。
[0100]
 冷却水冷却器14にて外気から吸熱した冷媒は、冷却水加熱器15にて高温側冷却水回路の冷却水と熱交換して放熱する。したがって、外気の熱を汲み上げるヒートポンプ運転を実現できる。
[0101]
 冷房運転時における冷却水回路の構成例を図3に示す。冷房運転時には、図3の太一点鎖線に示すように、冷却水冷却器14とクーラコア17とが低温側冷却水回路C1に接続され、図3の太実線に示すように、冷却水加熱器15とラジエータ13とが高温側冷却水回路C2に接続される。
[0102]
 低温側冷却水回路C1では、冷却水冷却器14で冷却された冷却水がクーラコア17を流れるので、クーラコア17で冷却水が車室内への送風空気から吸熱する。クーラコア17にて車室内への送風空気から吸熱した冷却水は、冷却水冷却器14で冷凍サイクル22の冷媒と熱交換して放熱する。したがって、冷却水冷却器14では、冷凍サイクル22の冷媒が冷却水を介して車室内への送風空気から吸熱する。
[0103]
 冷却水冷却器14にて吸熱した冷媒は、冷却水加熱器15にて高温側冷却水回路C2の冷却水と熱交換して放熱する。冷却水加熱器15にて冷媒から放熱された冷却水は、ラジエータ13で外気と熱交換して放熱する。したがって、以下では、図3に示す冷却水流れのモードをラジエータ放熱モードと言う。
[0104]
 暖房運転時における冷却水回路の構成例を図4に示す。暖房運転時には、図4の太実線に示すように、冷却水冷却器14とラジエータ13とが低温側冷却水回路C1に接続され、図4の太一点鎖線に示すように、冷却水加熱器15とヒータコア18とが高温側冷却水回路C2に接続される。
[0105]
 低温側冷却水回路C1では、冷却水冷却器14で冷却された冷却水がラジエータ13を流れるので、ラジエータ13で冷却水が外気から吸熱する。したがって、以下では、図4に示す冷却水流れのモードをラジエータ吸熱モードと言う。
[0106]
 ラジエータ13にて外気から吸熱した冷却水は、冷却水冷却器14で冷凍サイクル22の冷媒と熱交換して吸熱される。したがって、冷却水冷却器14では、冷凍サイクル22の冷媒が冷却水を介して外気から吸熱する。
[0107]
 冷却水冷却器14にて吸熱した冷媒は、冷却水加熱器15にて高温側冷却水回路C2の冷却水と熱交換して放熱する。冷却水加熱器15にて冷媒から放熱された冷却水は、ヒータコア18で車室内への送風空気と熱交換して放熱する。
[0108]
 図3に示すラジエータ放熱モードになっている場合、制御装置50は、図5のフローチャートに示す制御処理を実施する。この制御処理は、車両のイグニッションスイッチがオフされている状態であっても実施される。
[0109]
 ステップS100では、圧縮機23が停止状態(オフ)であるか否かを判定する。本実施形態では、圧縮機23はエンジン駆動式圧縮機であるので、エンジンが停止すると圧縮機23も停止することとなる。
[0110]
 ステップS100において圧縮機23が停止状態(オフ)でないと判定した場合、ステップS150へ進み、高温側ポンプ12を作動状態(オン)にする。これにより、ラジエータ13に冷却水が循環するので、ラジエータ13にて冷却水が外気に放熱する。
[0111]
 一方、圧縮機23が停止状態(オフ)であると判定した場合、ステップS120へ進み、高温側冷却水回路C2の冷却水温度(高温側水温)が外気温度Taout以下であるか否かを判定する。
[0112]
 高温側冷却水回路C2の冷却水温度(高温側水温)が外気温度Taout以下であると判定した場合、ステップS130へ進み、高温側ポンプ12を停止状態(オフ)にする。これにより、ラジエータ13に冷却水が循環しなくなる。続くステップS140では、室外送風機21を停止状態(オフ)にする。
[0113]
 一方、ステップS120において、高温側冷却水回路C2の冷却水温度(高温側水温)が外気温度Taout以下でないと判定された場合、ステップS150へ進み、高温側ポンプ12を作動状態(オン)にする。これにより、ラジエータ13に冷却水が循環するので、ラジエータ13にて冷却水が外気に放熱する。
[0114]
 したがって、圧縮機23が停止しても冷却水の冷却が継続されるので、圧縮機23が停止した後に冷却水の温度が高温のまま保たれる、または上昇することを抑制できる。そのため、冷却水加熱器15の圧力を下げることができるので、圧縮機23を再起動したときに圧縮機の起動トルクを下げることができ、サイクル効率の悪化を抑制できる。
[0115]
 続くステップS160では、車速が所定速度Vc以上であるか否かを判定する。所定速度Vcは、ラジエータ13に当たる走行風が、ラジエータ13での放熱に必要な風量以上となる車速の下限値である。すなわち、車速が所定速度Vc以上である場合、ラジエータ13に当たる走行風が、ラジエータ13での放熱に必要な風量以上になるので、室外送風機21でラジエータ13に外気を送風する必要がない。
[0116]
 車速が所定速度Vc以上でないと判定した場合、ステップS170へ進み、室外送風機21を作動状態(オン)にする。これにより、ラジエータ13に外気が送風される。
[0117]
 一方、車速が所定速度Vc以上であると判定した場合、ステップS140へ進み、室外送風機21を停止状態(オフ)にする。これにより、ラジエータ13に当たる走行風が、ラジエータ13での放熱に必要な風量以上になっている場合、室外送風機21を停止して室外送風機21の消費電力を低減できる。
[0118]
 図4に示すラジエータ吸熱モードになっている場合、制御装置50は、図6のフローチャートに示す制御処理を実施する。この制御処理は、車両のイグニッションスイッチがオフされている状態であっても実施される。
[0119]
 ステップS200では、圧縮機23が停止状態(オフ)であるか否かを判定する。圧縮機23が停止状態(オフ)でないと判定した場合、ステップS250へ進み、低温側ポンプ11を作動状態(オン)にする。これにより、ラジエータ13に冷却水が循環するので、ラジエータ13にて冷却水が外気から吸熱する。
[0120]
 一方、圧縮機23が停止状態(オフ)であると判定した場合、ステップS220へ進み、低温側冷却水回路C1の冷却水温度(低温側水温)が外気温度Taout以上であるか否かを判定する。
[0121]
 低温側冷却水回路C1の冷却水温度(低温側水温)が外気温度Taout以上であると判定した場合、ステップS230へ進み、低温側ポンプ11を停止状態(オフ)にする。これにより、ラジエータ13に冷却水が循環しなくなる。続くステップS240では、室外送風機21を停止状態(オフ)にする。
[0122]
 一方、ステップS220において、低温側冷却水回路C1の冷却水温度(低温側水温)が外気温度Taout以上でないと判定された場合、ステップS250へ進み、低温側ポンプ11を作動状態(オン)にする。これにより、ラジエータ13に冷却水が循環するので、ラジエータ13にて冷却水が外気から吸熱する。
[0123]
 したがって、圧縮機23が停止しても冷却水の吸熱が継続されるので、圧縮機23が停止した後に冷却水の温度が低温のまま維持されずに昇温させることができる。そのため、圧縮機23を再起動したときに低圧側熱交換器14における冷媒と冷却水との温度差が小さくなって冷媒の吸熱量が少なくなることを抑制でき、ひいてはサイクル効率の悪化を抑制できる。
[0124]
 続くステップS260では、車速が所定速度Vc以上であるか否かを判定する。所定速度Vcは、ラジエータ13に当たる走行風が、ラジエータ13での放熱に必要な風量以上となる車速の下限値である。すなわち、車速が所定速度Vc以上である場合、ラジエータ13に当たる走行風が、ラジエータ13での放熱に必要な風量以上になるので、室外送風機21でラジエータ13に外気を送風する必要がない。
[0125]
 車速が所定速度Vc以上でないと判定した場合、ステップS270へ進み、室外送風機21を作動状態(オン)にする。これにより、ラジエータ13に外気が送風される。
[0126]
 一方、車速が所定速度Vc以上であると判定した場合、ステップS240へ進み、室外送風機21を停止状態(オフ)にする。これにより、ラジエータ13に当たる走行風が、ラジエータ13での放熱に必要な風量以上になっている場合、室外送風機21を停止して室外送風機21の消費電力を低減できる。
[0127]
 本実施形態では、第1切替弁19および第2切替弁20がラジエータ放熱モード(第1循環状態)に切り替えている場合、ポンプ制御部50aは、圧縮機23が停止しても高温側ポンプ12(第1ポンプ)の作動を継続させる(ステップS150)。
[0128]
 これによると、圧縮機23が停止しても高温側ポンプ12によるラジエータ13への冷却水の循環が継続されるので、ラジエータ13で冷却水を冷却することができる。そのため、圧縮機23が停止した後に冷却水の温度が高温のまま保たれる、または上昇することを抑制できるので、冷却水加熱器15の圧力を下げることができる。その結果、圧縮機23を再起動したときに圧縮機の起動トルクを下げることができるので、サイクル効率の悪化を抑制できる。
[0129]
 ポンプ制御部50aは、圧縮機23が停止して高温側ポンプ12の作動が継続している場合において、冷却水の温度から外気の温度を減じた差が第1所定値(本実施形態では0℃)以下になったと判定した場合、高温側ポンプ12を停止させる(ステップS130)。
[0130]
 これにより、圧縮機23停止後における高温側ポンプ12の消費動力を小さく抑えることができる。第1所定値は適宜設定可能である。
[0131]
 第1切替弁19および第2切替弁20がラジエータ放熱モード(第1循環状態)に切り替えている場合、外気送風制御部50bは、圧縮機23が停止しても室外送風機21の作動を継続させる(ステップS170)。
[0132]
 これによると、圧縮機23が停止しても室外送風機21によるラジエータ13への外気の送風が継続されるので、ラジエータ13に外気を送風してラジエータ13における熱交換を促進できる。
[0133]
 外気送風制御部50bは、圧縮機23が停止して室外送風機21の作動が継続している場合において、冷却水の温度から外気の温度を減じた差が第1所定値(本実施形態では0℃)以下になったと判定した場合、室外送風機21を停止させる(ステップS140)。
[0134]
 これにより、圧縮機23停止後における室外送風機21の消費動力を小さく抑えることができる。
[0135]
 本実施形態では、第1切替弁19および第2切替弁20がラジエータ吸熱モード(第2循環状態)に切り替えている場合、ポンプ制御部50aは、圧縮機23が停止しても低温側ポンプ11(第2ポンプ)の作動を継続させる(ステップS250)。
[0136]
 これによると、圧縮機23が停止しても低温側ポンプ11によるラジエータ13への冷却水の循環が継続されるので、ラジエータ13で冷却水が外気から吸熱することができる。そのため、圧縮機23が停止した後に冷却水の温度が低温のまま維持されずに昇温させることができるので、圧縮機23を再起動したときに低圧側熱交換器14における冷媒と冷却水との温度差が小さくなって冷媒の吸熱量が少なくなることを抑制でき、ひいてはサイクル効率の悪化を抑制できる。
[0137]
 ポンプ制御部50aは、圧縮機23が停止して低温側ポンプ11の作動が継続している場合において、外気の温度から冷却水の温度を減じた差が第2所定値(本実施形態では0℃)以下になったと判定した場合、低温側ポンプ11を停止させる(ステップS230)。
[0138]
 これにより、圧縮機23停止後における低温側ポンプ11の消費動力を小さく抑えることができる。第2所定値は適宜設定可能である。
[0139]
 第1切替弁19および第2切替弁20がラジエータ吸熱モード(第2循環状態)に切り替えている場合、外気送風制御部50bは、圧縮機23が停止しても室外送風機21の作動を継続させる(ステップS270)。
[0140]
 これによると、圧縮機23が停止しても室外送風機21によるラジエータ13への外気の送風が継続されるので、ラジエータ13に外気を送風してラジエータ13における熱交換を促進できる。
[0141]
 外気送風制御部50bは、圧縮機23が停止して室外送風機21の作動が継続している場合において、外気の温度から冷却水の温度を減じた差が第2所定値(本実施形態では0℃)以下になったと判定した場合、室外送風機21を停止させる(ステップS240)。
[0142]
 これにより、圧縮機23停止後における室外送風機21の消費動力を小さく抑えることができる。
[0143]
 本実施形態では、圧縮機23は、エンジンが発生する駆動力によって駆動されるようになっている。このような圧縮機23においては、圧縮機23停止後に冷媒の圧力上昇を抑制することによって、圧縮機23を再起動する際の起動トルクを顕著に抑制できる。
[0144]
 (第2実施形態)
 本実施形態では、図7に示すように、上記第1実施形態の冷却水冷却器14およびクーラコア17の代わりに、蒸発器60を備えている。
[0145]
 蒸発器60は、冷凍サイクル22の低圧側冷媒と車室内への送風空気とを熱交換させることによって車室内への送風空気を冷却する空気冷却用熱交換器(空気冷媒熱交換器)である。
[0146]
 蒸発器60は、膨張弁24で減圧膨張された低圧冷媒と車室内への送風空気とを熱交換させることによって低圧冷媒を蒸発させる。蒸発器60で蒸発した気相冷媒は圧縮機23に吸入されて圧縮される。
[0147]
 本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に冷房運転(ラジエータ放熱モード)を行うことができる。
[0148]
 ラジエータ放熱モードになっている場合、制御装置50は、図5のフローチャートに示す制御処理を実施する。これにより、上記第1実施形態と同様に、圧縮機23を再起動したときのサイクル効率の悪化を抑制できる。
[0149]
 (他の実施形態)
 上記実施形態を適宜組み合わせ可能である。上記実施形態を例えば以下のように種々変形可能である。
[0150]
 (1)上記実施形態では、熱媒体として冷却水を用いているが、油などの各種媒体を熱媒体として用いてもよい。
[0151]
 熱媒体として、ナノ流体を用いてもよい。ナノ流体とは、粒子径がナノメートルオーダーのナノ粒子が混入された流体のことである。ナノ粒子を熱媒体に混入させることで、エチレングリコールを用いた冷却水(いわゆる不凍液)のように凝固点を低下させる作用効果に加えて、次のような作用効果を得ることができる。
[0152]
 すなわち、特定の温度帯での熱伝導率を向上させる作用効果、熱媒体の熱容量を増加させる作用効果、金属配管の防食効果やゴム配管の劣化を防止する作用効果、および極低温での熱媒体の流動性を高める作用効果を得ることができる。
[0153]
 このような作用効果は、ナノ粒子の粒子構成、粒子形状、配合比率、付加物質によって様々に変化する。
[0154]
 これによると、熱伝導率を向上させることができるので、エチレングリコールを用いた冷却水と比較して少ない量の熱媒体であっても同等の冷却効率を得ることが可能になる。
[0155]
 また、熱媒体の熱容量を増加させることができるので、熱媒体自体の蓄冷熱量(顕熱による蓄冷熱)を増加させることができる。
[0156]
 蓄冷熱量を増加させることにより、圧縮機23を作動させない状態であっても、ある程度の時間は蓄冷熱を利用した機器の冷却、加熱の温調が実施できるため、車両用熱管理システム10の省動力化が可能になる。
[0157]
 ナノ粒子のアスペクト比は50以上であるのが好ましい。十分な熱伝導率を得ることができるからである。なお、アスペクト比は、ナノ粒子の縦×横の比率を表す形状指標である。
[0158]
 ナノ粒子としては、Au、Ag、CuおよびCのいずれかを含むものを用いることができる。具体的には、ナノ粒子の構成原子として、Auナノ粒子、Agナノワイヤー、CNT(カーボンナノチューブ)、グラフェン、グラファイトコアシェル型ナノ粒子(上記原子を囲むようにカーボンナノチューブ等の構造体があるような粒子体)、およびAuナノ粒子含有CNTなどを用いることができる。
[0159]
 (2)上記実施形態の冷凍サイクル22では、冷媒としてフロン系冷媒を用いているが、冷媒の種類はこれに限定されるものではなく、二酸化炭素等の自然冷媒や炭化水素系冷媒等を用いてもよい。
[0160]
 また、上記実施形態の冷凍サイクル22は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成しているが、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルを構成していてもよい。
[0161]
 (3)上記実施形態では、圧縮機23はエンジン駆動式圧縮機であるが、圧縮機23は、電動モータによって駆動される電動圧縮機であってもよい。
[0162]
 (4)上記実施形態では、車両用熱管理システム10をハイブリッド自動車に適用した例を示したが、エンジンを備えず走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車や、水素と酸素との反応で電力を得て走行する燃料電池自動車等に車両用熱管理システム10を適用してもよい。

請求の範囲

[請求項1]
 熱媒体を吸入して吐出する第1ポンプ(12)と、
 冷凍サイクル(22)の冷媒を吸入して吐出する圧縮機(23)と、
 前記冷凍サイクル(22)の高圧側冷媒と、前記第1ポンプ(12)によって循環される前記熱媒体とを熱交換させる高圧側熱交換器(15)と、
 前記第1ポンプ(12)によって循環される前記熱媒体と外気とを熱交換させる熱媒体外気熱交換器(13)と、
 前記圧縮機(23)が停止しても前記第1ポンプ(12)の作動が継続するように前記第1ポンプ(12)の作動を制御するポンプ制御部(50a)とを備える車両用熱管理システム。
[請求項2]
 前記ポンプ制御部(50a)は、前記圧縮機(23)が停止して前記第1ポンプ(12)の作動が継続している場合において、前記熱媒体の温度から外気の温度を減じた差が第1所定値以下になったと判定した場合、前記第1ポンプ(12)を停止させる請求項1記載の車両用熱管理システム。
[請求項3]
 前記熱媒体を吸入して吐出する第2ポンプ(11)と、
 前記冷凍サイクル(22)の低圧側冷媒と、前記第2ポンプ(11)によって循環される前記熱媒体とを熱交換させる低圧側熱交換器(14)と、
 前記熱媒体外気熱交換器(13)と前記第1ポンプ(12)との間で前記熱媒体が循環する第1循環状態と、前記熱媒体外気熱交換器(13)と前記第2ポンプ(11)との間で前記熱媒体が循環する第2循環状態とを切り替える切替手段(19、20)とを備え、
 前記切替手段(19、20)が前記第2循環状態に切り替えている場合、前記ポンプ制御部(50a)は、前記圧縮機(23)が停止しても前記第2ポンプ(11)の作動が継続するように前記第2ポンプ(11)の作動を制御する請求項1または2に記載の車両用熱管理システム。
[請求項4]
 前記ポンプ制御部(50a)は、前記圧縮機(23)が停止して前記第2ポンプ(11)の作動が継続している場合において、外気の温度から前記熱媒体の温度を減じた差が第2所定値以下になったと判定した場合、前記第2ポンプ(11)を停止させる請求項3に記載の車両用熱管理システム。
[請求項5]
 前記熱媒体外気熱交換器(13)に外気を送風する外気送風手段(21)と、
 前記圧縮機(23)が停止しても前記外気送風手段(21)の作動が継続するように前記外気送風手段(21)の作動を制御する外気送風制御部(50b)とを備える請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
[請求項6]
 前記熱媒体外気熱交換器(13)に外気を送風する外気送風手段(21)と、
 前記圧縮機(23)が停止しても前記外気送風手段(21)の作動が継続するように前記外気送風手段(21)の作動を制御する外気送風制御部(50b)とを備え、
 前記外気送風制御部(50b)は、前記圧縮機(23)が停止して前記外気送風手段(21)の作動が継続している場合において、前記熱媒体の温度から外気の温度を減じた差が前記第1所定値以下になったと判定した場合、前記外気送風手段(21)を停止させる請求項2に記載の車両用熱管理システム。
[請求項7]
 前記熱媒体外気熱交換器(13)に外気を送風する外気送風手段(21)と、
 前記圧縮機(23)が停止しても前記外気送風手段(21)の作動が継続するように前記外気送風手段(21)の作動を制御する外気送風制御部(50b)とを備え、
 前記外気送風制御部(50b)は、前記圧縮機(23)が停止して前記外気送風手段(21)の作動が継続している場合において、外気の温度から前記熱媒体の温度を減じた差が前記第2所定値以下になったと判定した場合、前記外気送風手段(21)を停止させる請求項4に記載の車両用熱管理システム。
[請求項8]
 前記圧縮機(23)は、エンジンが発生する駆動力によって駆動されるようになっている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]