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1. (WO2015132964) 冷凍サイクル装置
Document

明 細 書

発明の名称 冷凍サイクル装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

符号の説明

0049  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 冷凍サイクル装置

技術分野

[0001]
 本発明は、例えば、冷凍、空調等の用途に利用する冷凍空調装置等の冷凍サイクル装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 冷凍工場、食品加工工場、農水物加工工場、市場、物流倉庫等の物流拠点、あるいは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店舗等では、冷凍、冷蔵、空調等の用途に利用する冷凍空調装置等の冷凍システムとして冷凍サイクル装置が使用されている。冷凍サイクル装置には、一般的に、フロンが冷媒として使用されている。
[0003]
 しかしながら、フロンは、地球温暖化等、自然環境上での問題が指摘されておりその使用が制限されてきている。このため、近年、冷媒として環境負荷の少ない自然冷媒(元来自然界に存在する物質)を、フロン等の温室効果ガスに代わって使用する冷凍サイクル装置が開発されている。その中で、特に高圧冷媒である二酸化炭素(CO )を用いる試みがなされている。
[0004]
 CO を冷媒として用いた冷凍サイクル装置では、作動圧力が高いため、各部品の耐圧向上、配管肉厚の増加などが必要となり、高コストとなっていた。そして、コンビニエンスストアのショーケース等に、このような冷凍サイクル装置を使用すれば、冷却ユニットを複数台必要として、接続配管の長さ寸法が大(例えば、全長が100m程度)となる場合が多い。接続配管の長さ寸法が大であれば、現地配管施工の材料コストが増大し、さらには、曲げ加工や接続加工を難しくして現地配管施工に要する工数を多くしてしまう。このため、施工時間や施工費を増加させる要因にもなっていた。
[0005]
 最近では、1つの冷凍サイクルを低元側(CO2冷媒使用)と高元側(フロン、アンモニア、炭化水素等冷媒使用)に分け、低元側の凝縮器と高元側の蒸発器の役割を担うカスケード熱交換器で直接熱交換させるようにした冷凍サイクル装置が提案されている。この二元冷凍サイクルを採用した冷凍サイクル装置では、低元側の冷媒圧力は、高元側の冷却能力によって影響されるため、低元側を低圧力に維持することが可能となる。よって、接続配管の薄肉化を達成できて、現地配管工事の工数低減を図ることが可能となる。
[0006]
 しかしながら、二元冷凍サイクルを採用した冷凍サイクル装置では、高元側の冷凍サイクルが運転停止すると高元側の冷却機能が停止するため、低元側が周囲温度相当の飽和温度となり、周囲温度が高ければ圧力が7~8MPa以上もの高圧力となる可能性がある。このような圧力上昇に耐えうる構造に構築しようとすると、二元冷凍サイクルを採用しているにもかかわらず、重装備な構造が必要とされ、結局高コストとなってしまう。
[0007]
 そこで、従来の二元冷凍サイクルにおける高元側冷凍サイクルの恒常的な連続運転を不要とするために、蓄熱槽を介して両サイクルを接続した新しい構成を有する蓄熱式冷凍システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この構成により、蓄熱槽に冷熱を蓄えることで、常に低元側冷凍サイクルを冷却することができ、高元側冷凍サイクルの恒常的な運転を不要とすることができ、高元側冷凍サイクルの故障などに対応した信頼性向上が達成できる。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2010-271000号公報(第1実施例等)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 上記特許文献1に記載される蓄熱式冷凍システムでは、低元側冷凍サイクルの圧力低下を維持させるため、必ず高元側冷凍サイクルの冷熱を利用しなければならない。そのため、省エネ性に不利であり、蓄熱槽を設置するためのコストも必要となるという課題があった。
[0010]
 本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、冷凍サイクルの圧力低下を維持するために高元側冷凍サイクルの冷却能力を必要とせず、また蓄熱槽など高コスト設備を不要とし、省エネ性と経済性を同時に達成する冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明に係る冷凍サイクル装置は、低元側圧縮機、熱源側熱交換器、低元側凝縮器、低元側膨張弁、及び、利用側熱交換器を順に配管接続した低元側冷凍サイクルと、高元側圧縮機、高元側凝縮器、高元側膨張弁、及び、高元側蒸発器を順に配管接続した高元側冷凍サイクルと、前記低元側凝縮器と前記高元側蒸発器とで熱交換させるように構成された冷凍サイクル装置であって、前記熱源側熱交換器を流れる冷媒と熱交換する熱源の熱源温度、前記利用側熱交換器を流れる冷媒と熱交換する利用側熱源の利用温度のいずれかが所定温度より低いとき、前記所定温度より低い温度側の熱交換を促進させるものである。

発明の効果

[0012]
 本発明に係る冷凍サイクル装置は、既存の冷熱源を有効に利用し、冷凍サイクルの圧力を低く維持することが可能となる。このため、本発明に係る冷凍サイクル装置によれば、従来システムより省エネ性に優れ、設備の高コスト化を回避し、また配管の薄肉化を達成できて、現地配管工事の工数低減を図ることができ、経済性に優れたものになる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路構成の一例を示す概略構成図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、図面を適宜参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
[0015]
 図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置(以下、冷凍サイクル装置100と称する)の冷媒回路構成の一例を示す概略構成図である。図1に基づいて、冷凍サイクル装置100について説明する。
[0016]
 図1に示すように、冷凍サイクル装置100は、2つの冷媒回路(低元側冷凍サイクル10及び高元側冷凍サイクル20)を有し、それぞれ独立して冷媒を循環させるように構成されている。そして、冷凍サイクル装置100は、2つの冷媒回路を多段構成として二元冷凍サイクルを構成するために、高元側蒸発器24と低元側凝縮器12とを、それぞれ通過する冷媒間での熱交換を可能に結合させて構成したカスケードコンデンサ(冷媒間熱交換器)Cで接続している。また、冷凍サイクル装置100は、二元冷凍サイクル全体の運転制御を行う制御装置30を有している。
[0017]
 なお、以下の説明において、温度、圧力等の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、システム、装置等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
[0018]
 低元側冷凍サイクル10は、低元側圧縮機11と、補助放熱器15と、低元側凝縮器12と、低元側膨張弁13と、低元側蒸発器14と、を順に冷媒配管19で接続して構成されている。
 一方、高元側冷凍サイクル20は、高元側圧縮機21と、高元側凝縮器22と、高元側膨張弁23と、高元側蒸発器24と、を順に冷媒配管29で接続して構成されている。
[0019]
 低元側圧縮機11は、低元側冷凍サイクル10を流れる冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここでは、低元側圧縮機11を、例えばインバータ回路等により回転数を制御し、高元側冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成する。
[0020]
 補助放熱器15は、例えば熱源側熱交換器として機能し、熱源とする例えば屋外の空気(外気)、水、ブライン等との熱交換により低元側圧縮機11が吐出したガス冷媒を冷却するものである。この実施の形態では、補助放熱器15が、熱源を外気とし、外気と冷媒との熱交換を行うものとして説明する。また、補助放熱器15は、熱交換を促すための補助放熱器ファン16を有しているものとする。補助放熱器ファン16は、風量を調整できるタイプの送風機で構成するとよい。さらに、冷凍サイクル装置100は、熱源温度である外気温度を検知する外気温度センサ31を備えている。外気温度センサ31で検知された外気温度は制御装置30に送られる。なお、熱源に応じてセンサの種別を決定すればよい。
[0021]
 低元側凝縮器12は、補助放熱器15を通過した冷媒と高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒との間で熱交換を行い、補助放熱器15を通過した冷媒を凝縮させて液状の冷媒にする(凝縮液化させる)ものである。例えば、ここでは、カスケードコンデンサCにおいて低元側冷凍サイクル10を流れる冷媒が通過する伝熱管等が低元側凝縮器12となって、高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒との熱交換が行われるものとする。
[0022]
 低元側膨張弁13は、減圧装置、絞り装置等として機能し、低元側冷凍サイクル10を流れる冷媒を減圧して膨張させるものである。低元側膨張弁13は、例えば電子式膨張弁等の流量制御手段、毛細管(キャピラリ)、感温式膨張弁等の冷媒流量調節手段等で構成するとよい。
[0023]
 低元側蒸発器14は、例えば利用側熱交換器として機能し、冷却対象との熱交換により設定された利用温度に維持するため、低元側冷凍サイクル10を流れる冷媒を蒸発させて気体(ガス)状の冷媒にする(蒸発ガス化させる)ものである。冷媒との熱交換により、冷却対象は、直接又は間接に冷却されることになる。また、低元側蒸発器14は、熱交換を促すための低元側蒸発器ファン17を有しているものとする。低元側蒸発器ファン17は、風量を調整できるタイプの送風機で構成するとよい。さらに、また、冷凍サイクル装置100は、低元側蒸発器14の近傍に、現在の利用温度(利用側熱源(冷却対象)の温度)を検知する利用温度センサ32を備えている。利用温度センサ32で検知された利用温度は制御装置30に送られる。
[0024]
 高元側圧縮機21は、高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。高元側圧縮機21についても、例えばインバータ回路等を有し、冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。
[0025]
 高元側凝縮器22は、例えば、外気、水、ブライン等と高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させるものである。この実施の形態では、高元側凝縮器22が、熱源を外気とし、外気と冷媒との熱交換を行うものとして説明する。また、高元側凝縮器22は、熱交換を促すための高元側凝縮器ファン25を有しているものとする。高元側凝縮器ファン25についても、風量を調整できるタイプの送風機で構成するとよい。
[0026]
 高元側膨張弁23は、減圧装置、絞り装置等として機能し、高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒を減圧して膨張させるものである。高元側膨張弁23は、例えば前述した電子式膨張弁等の流量制御手段、毛細管等の冷媒流量調節手段で構成するとよい。
[0027]
 高元側蒸発器24は、熱交換により高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒を蒸発ガス化するものである。例えば、ここでは、カスケードコンデンサCにおいて高元側冷凍サイクル20を流れる冷媒が通過する伝熱管等が高元側蒸発器24となって、低元側冷凍サイクル10を流れる冷媒との熱交換が行われるものとする。または、カスケードコンデンサCは、プレート式熱交換器などで構成してもよい。
[0028]
 カスケードコンデンサCは、前述した高元側蒸発器24と低元側凝縮器12との機能を有し、高元側冷媒と低元側冷媒とを熱交換可能にする冷媒間熱交換器である。このカスケードコンデンサCを介して高元側冷凍サイクル20と低元側冷凍サイクル10とを多段構成にし、冷媒間の熱交換を行うようにすることで、独立した冷媒回路を連携させることができる。
[0029]
 制御装置30は、二元冷凍サイクルを構成する各機器の動作制御等を行う。制御装置30は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
 外気温度センサ31は、外気温度を検出するための温度センサである。外気温度は、外気温度センサ31の検出に係る温度であるものとする。
 利用温度センサ32は、利用温度を検出するための温度センサである。利用温度は、利用温度センサ32の検出に係る温度であるものとする。
[0030]
 このような構成の冷凍サイクル装置100においては、低元側冷凍サイクル10の一部の機器(例えば低元側蒸発器14)を、例えばスーパーマーケットのショーケースなどの室内の負荷装置が有していることがある。このような場合、例えば、ショーケースを配置換えなどして配管の接続変更などを行って冷媒回路が開放されると、冷媒漏れが発生する可能性が多くなる。
 一方、高元側冷凍サイクル20は、ショーケースの配置換えなどに伴って冷媒回路が開放されることがない。
[0031]
 そこで、冷凍サイクル装置100では、低元側冷凍サイクル10を循環させる冷媒として、冷媒漏れを考慮し、地球温暖化に対する影響が小さいCO を用いるようにしている。
[0032]
 また、冷凍サイクル装置100の高元側冷凍サイクル20に用いる冷媒としては、例えば、HFO(ハイドロ・フルオロ・オレフィン)冷媒(HFO-1234yf(CF CF=CH )、HFO-1234ze(CF -CH=CHF)、HC冷媒、CO 、アンモニア、水などの地球温暖化に対する影響が小さい冷媒を用いることが望ましい。ただし、高元側冷凍サイクル20は、冷媒回路が開放されることがないため、例えば地球温暖化係数の高いHFC冷媒などを用いることもできる。
 そこで、冷凍サイクル装置100では、高元側冷凍サイクル20を循環させる冷媒としてHFO冷媒のHFO-1234yfを用いるようにしている。
[0033]
 以上のような二元冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置100の冷却運転における各構成機器の動作等を、各冷媒回路を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。まず、高元側冷凍サイクル20の動作について説明する。
[0034]
 高元側圧縮機21は、HFO-1234yfを吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は高元側凝縮器22へ流入する。高元側凝縮器22は、高元側凝縮器ファン25から供給される外気とHFO-1234yfとの間で熱交換を行い、HFO-1234yfを凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は高元側膨張弁23を通過する。高元側膨張弁23は凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は高元側蒸発器24(カスケードコンデンサC)に流入する。高元側蒸発器24は、低元側凝縮器12を通過する冷媒との熱交換により冷媒を蒸発ガス化する。蒸発ガス化したHFO-1234yfを高元側圧縮機21が吸入する。
[0035]
 次に、低元側冷凍サイクル10の動作について説明する。
 低元側圧縮機11は、CO 冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は補助放熱器15で冷却されて低元側凝縮器12(カスケードコンデンサC)へ流入する。低元側凝縮器12は、高元側蒸発器24を通過する冷媒との熱交換により冷媒を凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は低元側膨張弁13を通過する。低元側膨張弁13は凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は低元側蒸発器14に流入する。低元側蒸発器14は冷却対象との熱交換により冷媒を蒸発ガス化する。蒸発ガス化したCO 2冷媒を低元側圧縮機11が吸入する。
[0036]
 ところで、図1に示すような回路構成を備えた従来の冷凍サイクル装置では、フロン冷媒が用いられるようになっており、フロン冷媒が例えばR410Aであれば設計圧力は4.15MPaとなる。
[0037]
 それに対し、冷凍サイクル装置100においては、高元側冷凍サイクル20を運転させることにより、低元側冷凍サイクル10の圧力を低く維持することが可能となるため、CO 冷媒のような高圧動作冷媒を用いても設計圧力を4.15MPa未満とすることができる。
[0038]
 このため、従来の冷凍サイクル装置の接続配管を再利用しても、流れる高圧動作冷媒の圧力に十分耐えることができる。また、新規に接続配管を敷設する場合でも、肉厚が小であれば、曲げ加工や接続作業が容易となって、現地配管施工に要する工数を減少させて、施工時間や施工費用の削減に寄与することができる。
[0039]
 さらに、従来の冷凍サイクル装置では、運転が不要となり、低元側冷凍サイクルを停止する場合でも、低元側冷凍サイクルの圧力を低く保つために、冷媒を冷却し続けなければならず、もし高元側冷凍サイクルで冷却し続けていたら、省エネ性に欠けてしまう。そこで、冷凍サイクル装置100では、低元側冷凍サイクル10に熱源側熱交換器(補助放熱器15)と利用側熱交換器(低元側蒸発器14)を備えているため、各熱交換器にて冷熱源がある場合は熱交換を促進させ、低元側冷凍サイクル10の圧力を低く保つことが可能となる。
[0040]
 具体的には、低元側冷凍サイクル10が停止し、高元側冷凍サイクル20もまた停止させた場合、低元側冷凍サイクル10内の冷媒飽和温度(圧力)は均一となり、必ず外気温度と利用温度との間の温度で安定する。このため、外気温度または利用温度のいずれかが冷熱源となるため、外気温度及び利用温度のいずれかが所定温度より低いとき、その低い方の熱交換器を冷熱源となる方の熱交換器を判断し、その熱交換を促進させ、低元側冷凍サイクル10の圧力を低く維持することができる。特に、所定温度よりも低い方の温度が外気温度であれば、冷熱源を外気とすることができるため、より省エネ性を得ることができる。よって、低元側冷凍サイクル10内の冷媒飽和温度を所定温度とすればよい。
[0041]
 冷凍サイクル装置100では、熱交換器(低元側蒸発器14、補助放熱器15、高元側凝縮器22)に送風機(低元側蒸発器ファン17、補助放熱器ファン16、高元側凝縮器ファン25)が備わっているため、熱交換の促進方法は、ファン運転による熱交換器への送風とする。つまり、送風機が、本発明の「熱交換の促進手段」に相当する。
[0042]
 例えば、利用側熱交換器がスーパーマーケットのショーケースや冷蔵倉庫に設置されている場合、冷凍サイクル装置100以外の別系統でも冷却していることがある。このため、利用側熱交換器で必ず冷熱源が得られることになり、停電や圧縮機故障などにより、高元側冷凍サイクル20が運転停止した場合であっても、低元側冷凍サイクル10の圧力を低く維持することができる。そのため、信頼性の高い冷凍サイクル装置100を得ることが可能である。
[0043]
 外気温度または利用温度のいずれかが冷熱源となる一方、所定温度よりも温度が高い方の熱交換器がある場合、こちらの熱交換を促進させると、冷媒の蒸発を促すことができ、冷媒を冷熱源側の熱交換器に素早く移動させることが可能となる。しかし、所定温度よりも温度が高い方の熱交換器で熱交換を促進させたら、過渡的にも圧力が上昇し、設計圧力を超えてしまう可能性がある。このため、所定温度よりも高い方の温度が低元側冷凍サイクル10の設計圧力相当の飽和温度以下の場合に限って熱交換を促進させれば、冷媒圧力が設計圧力を超えることなく冷熱源側に素早く冷媒を移動でき、低元側冷凍サイクル10の圧力をすみやかに低く維持することができる。
[0044]
 一般的に、冷媒が超臨界域となる場合、密度の高い液として冷媒を維持できないため、冷媒圧力を低く保つことはできない。よって、低元側冷凍サイクル10を低い圧力に維持するために、封入された冷媒の飽和温度を臨界温度以下に保つことが前提であり、冷熱源となる温度が臨界温度以上であると効果がない。このため、冷熱源の温度が臨界温度以下であることを判断して、熱交換を促進させれば、低元側冷凍サイクル10を低い圧力に維持することが可能となる。つまり、低元側冷凍サイクル10内の冷媒の臨界温度を所定温度とすればよい。
[0045]
 特に、冷凍サイクル装置100は、低元側冷凍サイクル10に臨界温度が低いCO (臨界温度31℃)を用いることを想定したが、他に臨界温度が低い冷媒を用いても、同様に上記効果を得ることができる。なお、低元側冷凍サイクル10に循環させる冷媒は、CO の単独でもよいが、これらを含む混合冷媒であってもよい。
[0046]
 また、冷凍サイクル装置100は、低元側冷凍サイクル10が停止した場合、高元側冷凍サイクル20以外の熱源を利用して低い圧力に保ち、高元側冷凍サイクル20の停止による省エネ性で有利となる。しかし、低元側冷凍サイクル10で冷熱源を得ることができない場合は、高元側冷凍サイクル20によって冷却し、低元側冷凍サイクル10を低い圧力に維持することが必要となる。よって、高元側冷凍サイクル20は、例えば低元側冷凍サイクル10の冷媒圧力が設計圧力を超えそうな場合にのみ運転し、低元側冷凍サイクル10を低い圧力に維持することで信頼性を確保する。
[0047]
 冷凍サイクル装置100の低元側冷凍サイクル10の冷却手段を、高元側冷凍サイクル20の蒸気圧縮式ヒートポンプ装置としたが、特に本形態に限らなくてもよい。ただし、ヒートポンプ装置を冷却手段として採用した場合、高元側冷凍サイクル20は室内機と室外機を接続する接続配管などが不要の閉じた回路となるため、冷媒漏洩がほとんどなく、圧力損失の影響も少ない。よって、高元側冷凍サイクル20に封入する冷媒は、毒性のあるアンモニア、酸素欠乏を引き起こすCO 、燃性の高い炭化水素、地球温暖化係数の高いフロン、圧力損失の影響が大きい低圧冷媒のHFO-1234yf、HFO-1234zeのどれでも、性能や信頼性、地球環境保護を保ちながら、大きな冷却効果を得ることができる。
[0048]
 なお、冷凍サイクル装置100は、冷凍空調装置(例えば、冷凍装置、冷蔵装置、ルームエアコン、パッケージエアコン、ビル用マルチエアコン等)、ヒートポンプ給湯機等、冷凍サイクルを備えた装置に適用して利用することができる。

符号の説明

[0049]
 10 低元側冷凍サイクル、11 低元側圧縮機、12 低元側凝縮器、13 低元側膨張弁、14 低元側蒸発器、15 補助放熱器、16 補助放熱器ファン、17 低元側蒸発器ファン、19 冷媒配管、20 高元側冷凍サイクル、21 高元側圧縮機、22 高元側凝縮器、23 高元側膨張弁、24 高元側蒸発器、25 高元側凝縮器ファン、29 冷媒配管、30 制御装置、31 外気温度センサ、32 利用温度センサ、100 冷凍サイクル装置、C カスケードコンデンサ。

請求の範囲

[請求項1]
 低元側圧縮機、熱源側熱交換器、低元側凝縮器、低元側膨張弁、及び、利用側熱交換器を順に配管接続した低元側冷凍サイクルと、
 高元側圧縮機、高元側凝縮器、高元側膨張弁、及び、高元側蒸発器を順に配管接続した高元側冷凍サイクルと、
 前記低元側凝縮器と前記高元側蒸発器とで熱交換させるように構成された冷凍サイクル装置であって、
 前記熱源側熱交換器を流れる冷媒と熱交換する熱源の熱源温度、前記利用側熱交換器を流れる冷媒と熱交換する利用側熱源の利用温度のいずれかが所定温度より低いとき、前記所定温度より低い温度側の熱交換を促進させる
 冷凍サイクル装置。
[請求項2]
 前記所定温度より高い側の温度が前記低元側冷凍サイクルの設計圧力相当の飽和温度以下のとき、前記所定温度より高い温度側の熱交換もまた促進させる
 請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項3]
 熱交換の促進手段として送風機を設け、
 前記送風機による送風で熱交換を促進する
 請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項4]
 前記所定温度は、
 前記低元側冷凍サイクルを循環する冷媒の圧力相当となる冷媒飽和温度とする
 請求項1~3のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項5]
 前記所定温度は、
 前記低元側冷凍サイクルを循環する冷媒の臨界温度とする
 請求項1~3のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項6]
 前記冷媒の圧力が所定圧力を超えたとき、前記高元側蒸発器により前記低元側凝縮器を冷却する
 請求項1~5のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項7]
 前記所定圧力は、
 前記低元側冷凍サイクルの設計圧力より低い圧力とする
 請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
[請求項8]
 前記低元側冷凍サイクルを循環させる冷媒として、CO 、または、これを含む混合冷媒を用い、
 前記高元側冷凍サイクルを循環させる冷媒として、アンモニア、CO 、炭化水素、フロン、HFO(ハイドロ・フルオロ・オレフィン)のいずれか、または、これらを含む混合冷媒を用いる
 請求項1~7のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。

図面

[ 図 1]