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1. (WO2015129733) 三次元プリンター
Document

明 細 書

発明の名称 三次元プリンター

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020  

実施例

0021   0022   0023   0024   0025  

産業上の利用可能性

0026  

符号の説明

0027  

請求の範囲

1   2   3   4   5  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2   3   4  *   5  

条約第19条(1)に基づく説明書

図面

1   2   3  

明 細 書

発明の名称 : 三次元プリンター

技術分野

[0001]
 本発明は、三次元プリンター、特に熱溶融積層法により三次元造形物を製造する三次元プリンター(3Dプリンター)の材料押出部の構造に関するものである。

背景技術

[0002]
 これまでに、溶融積層造形法により三次元造形物を製造する方法としては、例えば下記の特許文献1に、微小なシリンジとこれに対向する造形用ステージの移動を三次元構造物の形状データに基づいて制御しつつ、シリンジノズルから生分解性樹脂の細線状の熱溶融物を吐出させる工程を反復して、微小な医療用三次元構造物を形成する製造方法が開示されている。
 又、下記の特許文献2には、フィラメント状材料が不要な三次元構造体の形成方法として、気体加圧ディスペンサを用いて、加熱融解された融解高分子材料がノズルから押し出され、この時のノズルの吐出位置を制御する方法が開示されている。
[0003]
 しかしながら、特許文献1記載の方法の場合には、シリンジ内に収容される樹脂の体積が小さいために、大きな造形物を製造することができないという問題点があり、又、特許文献2の方法の場合には、熱分解による酸化物の生成を抑制するために、高分子材料に対して不活性なガスとして窒素や二酸化炭素を準備する必要があり、しかも、溶融樹脂の押し出しが気体加圧によって行われるために樹脂の吐出を制御することが難しく、ノズル先端からの樹脂タレが生じやすいという問題点があった。
[0004]
 更に、最近広く使用されるようになってきた三次元プリンターによる三次元造形物の製造においては、積層する材料として、フィラメント状で提供されるPLA(ポリ乳酸)やABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)のフィラメントが使用され、このフィラメントを送りモータで加圧し、加熱されたブロックを経由し、ノズルの先端から押し出して造形物を形成している。しかし、このようなフィラメントを用いる従来の三次元プリンターの場合には、フィラメントの送り出し速度の制御が容易ではなく、フィラメントの詰まりが発生しやすく、ノズルが詰まることによって成形工程が止まるという問題点や、フィラメントに適した材質が限定され、市販されている種々の材質のペレット(粒状材料)を使用することができないという問題点があった。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2010-99494号公報
特許文献2 : 特開2008-194968号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明は、上述の従来技術における問題点を解決し、各種材質のペレットが使用でき、不活性ガスを必要とせず、大型の造形物を製造することが可能な三次元プリンターを提供することを課題とする。
[0007]
 本発明者は種々検討を行った結果、三次元プリンターにおける溶融樹脂押出部を、シリンダー内部にスクリューが配置された小型の押出機(押出装置)とし、この押出機に、粒状の樹脂材料を供給可能なホッパーを取り付け、スクリューモーターによってスクリューの回転を制御すると共に、スクリューの先端側に設けたギヤポンプをギヤポンプモーターによって制御することで、ノズル先端から吐出される溶融樹脂の量が調節可能であり、ノズル先端からの樹脂タレを防止することもでき、材質が限られたフィラメントを使用しなくても市販の幅広い材質のペレットを使用することが可能で、大型の造形物の製造にも適することを見出して、本発明を完成した。

課題を解決するための手段

[0008]
 前記の課題を解決可能な本発明の三次元プリンターは、
 シリンダーの下端側にノズルが設けられ、当該シリンダーの内部に、スクリューモーターにより回転が制御されるスクリューが配置されており、前記スクリューの先端側には、ギヤポンプモーターにより回転が制御されるギヤポンプが配置され、前記シリンダーの内部を加熱するためのヒーター及び、当該シリンダー内部に樹脂材料を供給するためのホッパーが設けられた押出装置と、
 前記押出装置のノズルに対向して位置するテーブル装置と、
 前記押出装置における前記ノズルからの樹脂の吐出を制御し、かつ、前記押出装置及び/又は前記テーブル装置の、基準面に対するX軸,Y軸,Z軸方向への移動を制御する制御装置
を具備し、前記押出装置及び/又は前記テーブル装置が、前記制御装置によってX軸,Y軸,Z軸方向に位置制御され移動する構造を有することを特徴とする。
[0009]
 又、本発明は、上記の特徴を有した三次元プリンターにおいて、前記スクリューの先端側に、当該スクリューの先端位置における樹脂圧力を測定するための第1圧力計が設けられており、前記ギヤポンプの吐出側に、ノズル内部の樹脂圧力を測定するための第2圧力計が設けられており、前記第1及び第2圧力計で測定された樹脂圧力に基づいて、前記ノズルからの樹脂の吐出が前記制御装置によって制御されることを特徴とするものでもある。
[0010]
 又、本発明は、上記特徴を有した三次元プリンターにおいて、前記ノズルに、前記ノズル内部の圧力を制御するための圧力制御装置が設けられており、前記ノズルの内部空間の容積が前記圧力制御装置によって変化可能であることを特徴とするものであり、このような圧力制御装置が設けられた三次元プリンターの場合には、粘度を有する樹脂のノズル先端における制御応答が早くなり、瞬時にノズル内部の圧力を減圧又は加圧することができる。
[0011]
 又、本発明は、上記特徴を有した三次元プリンターにおいて、前記圧力制御装置が、前記ノズルの軸方向に対して垂直な方向に前後動可能なピストン部材を含み、当該ピストン部材の移動が前記圧力制御装置によって制御されることにより前記ノズルの内部空間の容積が変化することを特徴とするものでもある。
[0012]
 更に本発明は、上記の特徴を有した三次元プリンターにおいて、前記押出装置が、前記制御装置によってX軸及びY軸方向への移動が制御されるXY位置決め装置に取り付けられており、前記テーブル装置が、前記制御装置によってZ軸方向への移動が制御されるZテーブル装置であることを特徴とするものでもある。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、スクリューの先端側に配置されたギヤポンプによって、ノズルからの樹脂の吐出が制御され、吐出量を正確にコントロールすることができ、樹脂を積層することによって家や船などの大きな造形物を作ることができる。又、本発明の三次元プリンターの場合には、フィラメント状材料を用いる必要がなく、市販の各種樹脂ペレットが使用でき、材質を問わなくなるので、溶融積層の三次元プリンターの用途も広がる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明の三次元プリンターの一例を示す構成図である。
[図2] 本発明の三次元プリンターにおける押出装置A(材料押出部)の内部構造の一例を示す断面図である。
[図3] 図2とは異なる構造を有した本発明の三次元プリンターにおける押出装置A(材料押出部)の内部構造を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 図1に示されるように、本発明の三次元プリンターは、ペレットを加熱溶融して溶融樹脂をノズルの先端側に送り、ノズル先端から吐出される溶融樹脂の量を制御するための機構を有した押出装置Aと、押出装置Aのノズルに対向して位置するテーブル装置Bと、押出装置Aのノズルから吐出される溶融樹脂の量を制御し、かつ、押出装置A及び/又はテーブル装置Bの、基準面に対するX軸,Y軸,Z軸の三方向への移動を制御する制御装置Cを具備する。
 この際、本発明では、押出装置Aとテーブル装置Bのいずれか一方が、基準面に対してX軸,Y軸,Z軸方向へ位置制御されて移動し、他方の装置の位置が固定された構造であっても良いが、図1に示されるようにして、押出装置Aが、基準面に対してX軸及びY軸方向へ位置制御されて移動し、テーブル装置Bが、基準面に対してZ軸方向へ位置制御されて移動する構造であっても良い。図1に示される構成を有した本発明の三次元プリンターは、上記の押出装置Aを市販のXY位置決め装置に取り付けて、制御装置Cにより位置制御可能とし、押出装置Aのノズルに対向する位置に市販のZテーブル装置を配置し、制御装置Cによって位置制御可能とすることにより製造できる。
[0016]
 図2は、本発明の三次元プリンターにおける押出装置Aの内部構造を示す断面図であり、押出装置Aは、テーブル装置に対して垂直に配置されるシリンダー1の下端側にノズル2を有し、シリンダー1の内部には、スクリューモーター3により回転が制御され、ペレットを溶融してノズル側に供給するためのスクリュー4が配置されている。そして、スクリュー4の先端側にはギヤポンプ6が配置されており、シリンダー1の周壁面には、シリンダー内部を加熱するためのヒーター7が設けられており、シリンダー1の上方側には、シリンダー内部に樹脂材料を供給するためのホッパー8が設けられている。
 尚、図1に例示した押出装置Aにおいて、符号11は、ノズル部での溶融樹脂の温度を一定に保つためのノズルヒーターであり、符号12は、ギヤポンプ部での溶融樹脂の温度を一定に保つためのギヤポンプヒーターである。
[0017]
 上記の構造を有した押出装置Aには、図2に示されるようにして、スクリュー4の先端側に、当該スクリューの先端位置における樹脂圧力を測定するための第1圧力計9が設けられ、しかも、ギヤポンプ6の吐出側に、ノズル内部における樹脂圧力を測定するための第2圧力計10が設けられていることが好ましく、この場合には、第1圧力計9及び第2圧力計10で測定された圧力の値に基づいて制御装置Cが、ノズル先端から溶融樹脂が安定して吐出するように、押出装置Aのスクリューモーター3、ギヤポンプモーター5、ヒーター(シリンダーヒーター)7、ノズルヒーター11、ギヤポンプヒーター12をそれぞれ制御するように構成される。
[0018]
 本発明では、押出装置Aのホッパー8内に入れられたペレットが連続的にシリンダー1内に供給され、回転するスクリュー4によって、加熱されたシリンダー1の内部をノズル2側へ移動しながら溶融・混練され、スクリュー4の先端側に配置されたギヤポンプ6に供給される。そして、このギヤポンプ6は、ギヤポンプモーター5によってギヤの回転が制御され、ノズルの先端から溶融樹脂が定量で吐出されるようになっており、溶融樹脂がギヤポンプ6により送出される構造であるためにノズルの目詰まりが生じにくい。このようなギヤポンプ6としては、押出成形機用の市販品を利用することができる。
 尚、本発明では、溶融樹脂の吐出を止める際、スクリュー4とギヤポンプ6を一定量逆回転させ、ノズル内部の圧力を開放することで、ノズル2の先端から樹脂タレが発生するのを有効に防止できる。又、樹脂タレが顕著な粘度の低い材料を使用する場合、図3に示されるような、圧力制御装置13をノズル2に設けることによってノズルの内部空間の容積を瞬時増加させることによりノズル内部の圧力を開放することで粘度の低い樹脂タレでも有効に防止できる。
 この圧力制御装置13としては、その内部にピストン部材14(図3において点線で示されている)が設けられたものが好ましく、このピストン部材14は圧力制御装置13により位置制御されて1軸方向(ノズルの軸方向に対して垂直な方向)に前後動できるようになっており、常時はピストン部材14のノズル側の先端面がノズルの内部壁面と一致した位置(図3参照)にあるが、ノズル内部の圧力を減圧する際にはピストン部材14がノズル内部空間の容積増加方向(図3の右側方向)に移動する。逆に、ノズル内部の圧力を増圧する際にはピストン部材14がノズル内部側の方向(図3の左側方向)に押し出され、ノズル内部空間の容積は減少する。このピストン部材14を駆動するアクチュエーターは空圧であっても電動であっても良いが、ノズル内容積を正確に制御するためには電動アクチュエーターが望ましい。
[0019]
 本発明の三次元プリンターを用いて造形物を製造するのに使用されるペレット状の樹脂材料は特に限定されるものではなく、例えばポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリアミド樹脂(PA)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン樹脂(ABS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の市販のペレットが使用できる。
[0020]
 本発明の三次元プリンターにおける押出装置Aの大きさ(ホッパーの容量、スクリュー長、スクリュー径、ギヤポンプの単位吐出量、ノズル径等)は、製造する造形物の大きさに応じて適宜選択され、特に限定されない。
実施例
[0021]
〔本発明の三次元プリンターの製造例1〕
 Z軸テーブル装置としては、アルミニウム製でカートリッジヒーターと熱電対を内蔵し、温度制御可能で、ボールねじ(THK社製)φ20リード5によってテーブルが昇降可能な構造なものを作製した。この際、テーブルサイズは1000mm角とし、又、昇降範囲は1000mmとした。一方、押出装置を取り付けるためのXYモーションユニットを、リニヤガイド(THK製)とボールねじ(THK製)により組み立て、X軸‐Y軸方向への移動距離は1000mm角とした。この際、XYZ軸方向への押出装置の移動を行うための駆動モーターとしては、いずれも安川電機製のサーボモーターを使用し、Z軸方向のみブレーキ付き仕様とした。そして、上記駆動モーターが制御装置によって制御されることで、押出装置のXYZ軸上における位置が制御されるようにした。
 押出装置としては、φ20mmのスクリューL/D20、吐出量5kg/h(100rpm時)を内蔵し、下端部にノズルが設けられ、上部側にホッパーが設けられたシリンダーを使用し、スクリューの駆動にはギヤードのブラシレスモーターを使用した。シリンダー部加熱用のシリンダーヒーターとしては、500Wのバンドヒーターを二機使用した。又、ギヤポンプとしては、モジュールピッチ1歯数20のギヤポンプを使用し、ギヤポンプの駆動には、ギヤードのステッピングモーターを使用した。ノズル穴の直径は1.0mmとし、樹脂圧力を測定するための第1及び第2圧力計には、定格20MPaの理化工業製の圧力計を用いた。そして、この押出装置を、上記XYモーションユニットに取り付け、上記制御装置によってノズルからの樹脂の吐出が制御されるようにして、図2に示される内部構造を有した本発明の三次元プリンターを製造した。
[0022]
〔本発明の三次元プリンターを用いた造形物の作製例1〕
 ペレット材料としてABS(東レトヨラックグレード600、粒径3mm)を準備し、このペレット材料を小型のオートローダーによりホッパーに供給した。
 上記で作製した本発明の三次元プリンターを用いて上記ペレット材料を押し出す際のシリンダー温度は230℃とし、ギヤポンプ及びノズル温度は240℃とした。
 造形物は、人体の上半身部分を模した等身大モデルとし、これを作製するためのデータを制御装置に入力した。本発明の三次元プリンターを用いて、当該造形物を作製する際には、制御装置により、樹脂吐出時の第1圧力計(図2の符号9)の値が2MPaを指示するように制御し、かつ、樹脂ダレ防止の動作をする際には第2圧力計(図2の符号10)の値が0.2MPa以下となるように、スクリュー及びギヤポンプを逆回転制御した。
 溶融樹脂の積層ピッチは0.8mmとし、造形スピードは最初のレイヤのみ40mm/sで成形し、二層目以降は120mm/sで成形が行われるように設定した。
 上記の条件で、室温23℃、湿度40%の環境下にて、三次元プリンターを用いた造形物の作製を開始したところ、造形時間110時間で、人体の上半身部分を模した等身大モデルを精度よく造形することができた。
[0023]
〔本発明の三次元プリンターの製造例2〕
 Z軸テーブル装置としては、表面をブラスト処理したアルミニウム製でカートリッジヒーター(総容量5kw)と熱電対を内蔵し、温度調整器(オムロン製)でPID制御可能で、駆動の為のボールねじ(THK社製)φ25mmリード5mmを2本使用しタイミングプーリーとタイミングベルトで同期するように接続した。摺動にはリニヤブッシュ(THK社製)とリニヤシャフトφ30mmを4本使用してテーブルが昇降可能な構造を作製した。この際、テーブルサイズはX方向1200mmY方向1200mmとし、又、Z軸方向昇降範囲は1000mmとした。一方、押出装置を取り付けるためのXYガントリーユニットを、リニヤガイド(THK社製)と与圧ありボールねじ(THK社製)φ20mmリード10mmにより組み立て、X軸方向の移動距離1000mm、Y軸方向の移動距離1000mmとした。この際、XYZ軸方向への押出装置の移動を行うための駆動モーターとしては、いずれも三菱電機製のサーボモーター(1kw)を使用し、Z軸方向のみブレーキ付き仕様とした。
[0024]
 サーボモーターのドライブアンプの分解能を1万パルス/回転に設定し理論最小分解能をZ軸は1パルスあたり0.5マイクロメートル、XY軸は1パルスあたり1マイクロメートルとした。そして、上記サーボモータードライブアンプが制御装置によって制御されることで、押出装置のXYZ軸上における位置が制御されるようにした。
 押出装置としては、φ20mmのフルフライトスクリューL/D20を内蔵し、下端部にノズルが設けられ、上部側にホッパーが設けられたシリンダーを使用し、スクリューの駆動には減速機付ブラシレスモーターを使用した。シリンダー部加熱用のシリンダーヒーターとしては、500wのバンドヒーターを二機使用し、ホッパー側とギヤポンプ側の2ゾーンに分け、熱電対と温度調整器で制御可能とした。又、ギヤポンプとしては、ギヤとハウジング共に高速度鋼製でモジュールピッチ1歯数20のギヤポンプを使用し、ギヤポンプの駆動には、1/5減速機付ステッピングモーターを使用した。ステッピングモータードライバのマイクロステップ設定を1/16に設定し1パルスあたり0.03度以下の割出角で吐出量を制御できるようにした。ノズル穴の直径は1.0mmとし、樹脂圧力を測定するための第1及び第2圧力計には、定格20MPaの圧力計(理化工業社製)を用いた。ギヤポンプには300Wのヒーター、ノズルには150Wのヒーターを使用し、夫々熱電対と温度調整器で制御可能とした。
 そして、この押出装置を、上記XYガントリーユニットに取り付け、上記制御装置によってノズルからの樹脂の吐出が制御されるようにして、図3に示される内部構造を有した本発明の三次元プリンターを製造した。
[0025]
〔本発明の三次元プリンターを用いた造形物の作製例2〕
 ペレット材料としてポリ乳酸(NatureWorks Ingeo、粒径約3mm)を準備し、このペレット材料を小型のオートローダーによりホッパーに供給した。
 上記で作製した本発明の三次元プリンターを用いて上記ペレット材料を押し出す際のシリンダー温度は220℃とし、ギヤポンプ及びノズル温度は215℃とした。
 Z軸座標ゼロのノズル先端とZ軸テーブル装置の距離がXY軸可動範囲1000mm角の全域で0.2mmから0.4mmの範囲に収まるようにテーブルを調整した。
 造形物は、人体の上半身部分を模した等身大モデルとし、これを作製するためのデータを制御装置に入力した。本発明の三次元プリンターを用いて、当該造形物を作製する際には、制御装置により、樹脂吐出時の第1圧力計(図3の符号9)の値が2MPaを指示するように制御した。造形中にノズル(図3の符号2)からの吐出を止め、樹脂ダレ防止の動作をする際にはスクリュー(図3の符号4)のスピードは180rpm、回転角360度で逆回転、かつギヤポンプ(図3の符号6)のスピードは120rpm、回転角180度で逆回転、かつ樹脂圧力制御装置(図3の符号13)の軸移動スピード300mm/秒で減圧方向に10mm移動するよう制御した。又、ノズルからの吐出を再開する際にはスクリュー(図3の符号4)のスピードは180rpm、回転角360度で正回転、かつギヤポンプ(図3の符号6)のスピードは120rpm、回転角180度で正回転、かつ樹脂圧力制御装置(図3の符号13)の内部に設けられたピストン部材(図3の符号14)の軸移動スピード300mm/秒で増圧方向に10mm移動するよう制御した。
 溶融樹脂の積層ピッチは0.6mmとし、造形スピードは最初のレイヤのみ40mm/秒で造形し、二層目以降の内部充填は120mm/秒で層の外周部は60mm/秒で造形が行われるように設定した。内部充填率は10%とした。
 上記の条件で、室温23℃、湿度40%の環境下にて、三次元プリンターを用いた造形物の作製を開始したところ、造形時間135時間で、人体の上半身部分を模した等身大モデルを樹脂タレによる糸引き無く、精度よく造形することができた。

産業上の利用可能性

[0026]
 本発明の三次元プリンターの場合、ノズルの目詰まりが生じにくく、又、樹脂材料として市販の各種樹脂ペレットが使用できるので、種々の材質からなる造形物を製造することができ、大型の造形物を製造するのにも好適である。

符号の説明

[0027]
 A 押出装置
 B テーブル装置
 C 制御装置
 1 シリンダー
 2 ノズル
 3 スクリューモーター
 4 スクリュー
 5 ギヤポンプモーター
 6 ギヤポンプ
 7 ヒーター(シリンダーヒーター)
 8 ホッパー
 9 第1圧力計
10 第2圧力計
11 ノズルヒーター
12 ギヤポンプヒーター
13 圧力制御装置
14 ピストン部材

請求の範囲

[請求項1]
 シリンダーの下端側にノズルが設けられ、当該シリンダーの内部に、スクリューモーターにより回転が制御されるスクリューが配置されており、前記スクリューの先端側には、ギヤポンプモーターにより回転が制御されるギヤポンプが配置され、前記シリンダーの内部を加熱するためのヒーター及び、当該シリンダー内部に樹脂材料を供給するためのホッパーが設けられた押出装置と、
 前記押出装置のノズルに対向して位置するテーブル装置と、
 前記押出装置における前記ノズルからの樹脂の吐出を制御し、かつ、前記押出装置及び/又は前記テーブル装置の、基準面に対するX軸,Y軸,Z軸方向への移動を制御する制御装置
を具備し、前記押出装置及び/又は前記テーブル装置が、前記制御装置によってX軸,Y軸,Z軸方向に位置制御されて移動することを特徴とする三次元プリンター。
[請求項2]
 前記スクリューの先端側に、当該スクリューの先端位置における樹脂圧力を測定するための第1圧力計が設けられており、前記ギヤポンプの吐出側に、ノズル内部の樹脂圧力を測定するための第2圧力計が設けられており、前記第1及び第2圧力計で測定された樹脂圧力に基づいて、前記ノズルからの樹脂の吐出が前記制御装置によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の三次元プリンター。
[請求項3]
 前記ノズルに、前記ノズル内部の圧力を制御するための圧力制御装置が設けられており、前記ノズルの内部空間の容積が前記圧力制御装置によって変化可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元プリンター。
[請求項4]
 前記圧力制御装置が、前記ノズルの軸方向に対して垂直な方向に前後動可能なピストン部材を含み、当該ピストン部材の移動が前記圧力制御装置によって制御されることにより前記ノズルの内部空間の容積が変化することを特徴とする請求項3に記載の三次元プリンター。
[請求項5]
 前記押出装置が、前記制御装置によってX軸及びY軸方向への移動が制御されるXY位置決め装置に取り付けられており、前記テーブル装置が、前記制御装置によってZ軸方向への移動が制御されるZテーブル装置であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の三次元プリンター。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2015年8月10日 ( 10.08.2015 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] シリンダーと、スクリューと、ギヤポンプと、ノズルを有する押出装置で、前記シリンダーに設けられたヒーターによって当該シリンダーの内部に供給された樹脂材料が加熱溶融され、前記シリンダー内部に配置された前記スクリューの回転がスクリューモーターにより制御され、前記スクリューの先端側に前記ギヤポンプが配置されており、当該ギヤポンプはギヤポンプモーターにより回転が制御され、前記スクリューの回転及び前記ギヤポンプの回転を制御することにより前記ノズルの先端から吐出される溶融樹脂の量が調節可能であるものと、
 前記押出装置のノズルに対向して位置するテーブル装置と、
 前記押出装置における前記ノズルからの樹脂の吐出を制御し、かつ、前記押出装置及び/又は前記テーブル装置の、基準面に対するX軸,Y軸,Z軸方向への移動を制御する制御装置
を具備し、前記押出装置及び/又は前記テーブル装置が、前記制御装置によってX軸,Y軸,Z軸方向に位置制御されて移動することを特徴とする三次元プリンター。
[2]
 前記スクリューの先端側に、当該スクリューの先端位置における樹脂圧力を測定するための第1圧力計が設けられており、前記ギヤポンプの吐出側に、ノズル内部の樹脂圧力を測定するための第2圧力計が設けられており、前記第1及び第2圧力計で測定された樹脂圧力に基づいて、前記ノズルからの樹脂の吐出が前記制御装置によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の三次元プリンター。
[3]
 前記ノズルに、前記ノズル内部の圧力を制御するための圧力制御装置が設けられており、前記ノズルの内部空間の容積が前記圧力制御装置によって変化可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の三次元プリンター。
[4]
[補正後] 前記圧力制御装置が、前記ノズルの軸方向に対して垂直な方向に前後動可能なピストン部材を含み、当該ピストン部材の移動が前記圧力制御装置によって制御されることにより前記ノズルの内部空間の容積が変化することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の三次元プリンター。
[5]
 前記押出装置が、前記制御装置によってX軸及びY軸方向への移動が制御されるXY位置決め装置に取り付けられており、前記テーブル装置が、前記制御装置によってZ軸方向への移動が制御されるZテーブル装置であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の三次元プリンター。

条約第19条(1)に基づく説明書
請求の範囲第1項は、本願発明の三次元プリンターを構成する押出装置に関し、出願時の明細書の段落[0007]、[0016]、[0017]、[0018]及び、図2、図3に記載された事項に基づいて、当該装置が、シリンダーと、スクリューと、ギヤポンプと、ノズルを有するものであること、前記シリンダーに設けられたヒーターによって当該シリンダーの内部に供給された樹脂材料が加熱溶融されること、前記シリンダー内部に配置された前記スクリューの回転がスクリューモーターにより制御されること、前記スクリューの先端側に前記ギヤポンプが配置されていること、当該ギヤポンプはギヤポンプモーターにより回転が制御され、前記スクリューの回転及び前記ギヤポンプの回転を制御することにより前記ノズルの先端から吐出される溶融樹脂の量が調節可能であることを明確にした。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]