国際・国内特許データベース検索
このアプリケーションの一部のコンテンツは現在ご利用になれません。
この状況が続く場合は、次のお問い合わせ先までご連絡ください。フィードバック & お問い合わせ
1. (WO2015129700) 化合物及びそれを含むフォトレジスト組成物
Document

明 細 書

発明の名称 化合物及びそれを含むフォトレジスト組成物

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

非特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078  

実施例

0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

産業上の利用可能性

0101  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 化合物及びそれを含むフォトレジスト組成物

技術分野

[0001]
 本発明は、化合物及びそれを含むフォトレジスト組成物に関する。

背景技術

[0002]
 レジスト材料のベース化合物として、所定の環状化合物が有用であることが知られている。例えば、特許文献1~3及び非特許文献1で提案されている環状化合物は、レジスト材料のベース化合物として、低分子量ながらに高い耐熱性を付与することができ、レジストパターンの解像性やラフネスも改善されることが報告されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2005-170902号公報
特許文献2 : 特開2009-173623号公報
特許文献3 : 特開2009-173625号公報

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : 岡崎信次、他22名「フォトレジスト材料開発の新展開」株式会社シーエムシー出版、2009年9月、p.211-259

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上記のように、レジスト材料のベース化合物として低分子量環状化合物が有用であることが知られているが、レジスト材料のレジスト溶媒に対する溶解性が低い、また得られるレジストパターンラフネスが悪い等の問題点があり、ベース化合物に対してさらなる改善が望まれる。
[0006]
 本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、高い耐熱性及び高い溶解性を有し、レジスト材料の原料として用いた際にレジストパターンのラフネスを低減できる化合物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造を有する化合物が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到った。
[0008]
 すなわち、本発明は次のとおりである。
[1]
 下記式(1-1)及び(1-2)で表される化合物からなる群より選択される、化合物。
[化1]


[化2]


(式(1-1)及び(1-2)中、R 10及びR 11は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基、酸解離性反応基、又はこれらの基と二価の基が結合した基であり、R 10の少なくともひとつ及びR 11の少なくともひとつは、酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基であり、pは、それぞれ独立して1~4の整数である。)
[2]
 前記式(1-1)及び(1-2)において、前記R 10及びR 11が、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基、酸解離性反応基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である、[1]に記載の化合物。
[3]
 前記式(1-1)で表される化合物が下記式(2-1)で表される化合物であり、前記式(1-2)で表される化合物が下記式(2-2)で表される化合物である、[1]又は[2]に記載の化合物。
[化3]


(式(2-1)中、R 10、R 11及びR 12は、前記と同様である。)
[化4]


(式(2-2)中、R 10、R 11及びR 12は、前記と同様である。)
[4]
 前記式(2-1)で表される化合物が下記式(3-1)で表される化合物であり、前記式(2-2)で表される化合物が下記式(3-2)で表される化合物である、[3]に記載の化合物。
[化5]


(式(3-1)中、R 10、R 11及びR 12は前記と同様である。)
[化6]


(式(3-2)中、R 10、R 11及びR 12は前記と同様である。)
[5]
 前記式(3-1)で表される化合物が下記式(4-1)で表される化合物であり、前記式(3-2)で表される化合物が下記式(4-2)で表される化合物である、[4]に記載の化合物。
[化7]


(式(4-1)中、R 13は酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は前記と同様である。)
[化8]


(式(4-2)中、R 13は酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は前記と同様である。)
[6]
 前記酸解離性反応基が、置換メチル基、1-置換エチル基、1-置換-n-プロピル基、1-分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1-置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基からなる群より選択される少なくとも一つの基を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の化合物。
[7]
 前記酸解離性反応基が、下記式(13-4)で表される基からなる群より選択される基である、[1]~[5]のいずれかに記載の化合物。
[化9]


(式(13-4)中、R は、水素原子又は炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、R は、水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン原子又はカルボキシル基であり、n は0~4の整数であり、n は1~5の整数であり、n は0~4の整数である。)
[8]
 前記酸解離性反応基が、下記式(13-5)で表される基からなる群より選択される基である、[1]~[5]のいずれかに記載の化合物。
[化10]


(式(13-5)中、R 、R 、n 、n 及びn は前記と同様である。)
[9]
 [1]~[8]のいずれかに記載の化合物を含有する、フォトレジスト組成物。
[10]
 下記式(12)又は(13)で表される、化合物。
[化11]


[化12]


発明の効果

[0009]
 本発明の化合物は、高い耐熱性と高い溶解性を有し、レジスト材料の原料として用いた際にレジストパターンのラフネスを低減することができる。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態と称する)について説明する。なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
[0011]
 本実施形態の化合物は、式(1-1)及び(1-2)で表される化合物からなる群より選択される化合物である。
[0012]
[化13]


[0013]
[化14]


[0014]
 式(1-1)及び(1-2)中、R 10及びR 11は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基、酸解離性反応基、又はこれらの基と二価の基が結合した基であり、R 10の少なくともひとつ及びR 11の少なくともひとつは、酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基であり、pは、それぞれ独立して1~4の整数である。
[0015]
 上記のように構成されているため、本実施形態の化合物は、高い耐熱性と高い溶解性を有し、レジスト材料の原料として用いた際にレジストパターンのラフネスを低減することができる。すなわち、本実施形態の化合物は、分子骨格に特定の環状構造を有し、かつ特定の酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基及び特定のアルコキシ基を有するため、高い耐熱性と高い溶解性を発現する。さらに、上記の構造により、分子間相互作用を適度に抑えることで分子同士の凝集を抑えることができる。その結果、レジストパターンのラフネスを小さくできる。したがって、本実施形態の化合物は、レジスト材料の原料、すなわち、半導体用フォトレジスト等の感光性材料のベース化合物等として有用である。
[0016]
 本実施形態においては、溶媒溶解性の観点から、前記式(1-1)及び(1-2)において、前記R 10及びR 11が、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基、酸解離性反応基、又はこれらの基と二価の基が結合した基であることが好ましい。
[0017]
 ここで、前記二価の基は、以下に限定されないが、例えば、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基が好ましい。なお、本明細書での「置換」とは、別途の定義がない限り、官能基中の一つ以上の水素原子が、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、複素環基、炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数0~20のアミノ基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数1~20のアシル基、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基、炭素数1~20のアルキロイルオキシ基、炭素数7~30のアリーロイルオキシ基又は炭素数1~20のアルキルシリル基で置換されていることを意味する。
[0018]
 無置換の複素環基とは、以下に限定されないが、例えば、ピリジル基、ビピリジル基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルフォリル基、チオモルフォリル基、トリアゾール基、テトラゾール基等が挙げられる。
 置換の複素環基とは、以下に限定されないが、例えば、N-メチルピリジル基、N-フルオロピリジル基、N-ヒドロキシピリジル基、N-シアノピリジル基、メチルビピリジル基、メチルピロリジル基、メチルピラゾリル基、メチルイミダゾリル基、メチルイソオキサゾリル基、メチルイソチアゾリル基、メチルピペリジル基、メチルピペラジル基、メチルモルフォリル基、メチルチオモルフォリル基、メチルトリアゾール基、メチルテトラゾール基等が挙げられる。
[0019]
 無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基とは、以下に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
 置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基とは、以下に限定されないが、例えば、フルオロメチル基、2-ヒドロキシエチル基、3-シアノプロピル基、20-ニトロオクタデシル基等が挙げられる。
[0020]
 無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基とは、以下に限定されないが、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ネオペンチル基、2-ヘキシル基、2-オクチル基、2-デシル基、2-ドデシル基、2-ヘキサデシル基、2-オクタデシル基等が挙げられる。
 置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基とは、以下に限定されないが、例えば、1-フルオロイソプロピル基、1-ヒドロキシ-2-オクタデシル基等が挙げられる。
[0021]
 無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基とは、以下に限定されないが、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
 置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基とは、以下に限定されないが、例えば、2-フルオロシクロプロピル基、4-シアノシクロヘキシル基等が挙げられる。
[0022]
 無置換の炭素数6~20のアリール基とは、以下に限定されないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
 置換の炭素数6~20のアリール基とは、以下に限定されないが、例えば、4-イソプロピルフェニル基、4-シクロヘキシルフェニル基、4-メチルフェニル基、6-フルオロナフチル基等が挙げられる。
[0023]
 本明細書において酸解離性反応基とは、酸の存在下で開裂して、アルカリ可溶性基等の変化を生じる特性基をいう。アルカリ可溶性基としては、以下に限定されないが、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基などが挙げられ、フェノール性水酸基及びカルボキシル基が好ましく、フェノール性水酸基がより好ましい。前記酸解離性反応基としては、KrFやArF用の化学増幅型レジスト組成物に用いられるヒドロキシスチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂等から適宜選択して用いることができる。例えば、置換メチル基、1-置換エチル基、1-置換-n-プロピル基、1-分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1-置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルアルキル基などが挙げられる。前記酸解離性反応基は、架橋性官能基を有さないことが好ましい。
[0024]
 置換メチル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数2~20の置換メチル基とすることができ、炭素数4~18の置換メチル基が好ましく、炭素数6~16の置換メチル基がより好ましい。置換メチル基の具体例としては、以下に限定されないが、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、n-プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n-ブトキシメチル基、t-ブトキシメチル基、2-メチルプロポキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、フェニルオキシメチル基、1-シクロペンチルオキシメチル基、1-シクロヘキシルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、4-ブロモフェナシル基、4-メトキシフェナシル基、ピペロニル基、下記式(13-1)で表される置換基等を挙げることができる。なお、下記式(13-1)中のR の具体例としては、以下に限定されないが、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-プロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基等が挙げられる。
[0025]
[化15]


(式(13-1)中、R は、炭素数1~4のアルキル基である。)
[0026]
 1-置換エチル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数3~20の1-置換エチル基とすることができ、炭素数5~18の1-置換エチル基が好ましく、炭素数7~16の置換エチル基がより好ましい。1-置換エチル基の具体例としては、以下に限定されないが、1-メトキシエチル基、1-メチルチオエチル基、1,1-ジメトキシエチル基、1-エトキシエチル基、1-エチルチオエチル基、1,1-ジエトキシエチル基、n-プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n-ブトキシエチル基、t-ブトキシエチル基、2-メチルプロポキシエチル基、1-フェノキシエチル基、1-フェニルチオエチル基、1,1-ジフェノキシエチル基、1-シクロペンチルオキシエチル基、1-シクロヘキシルオキシエチル基、1-フェニルエチル基、1,1-ジフェニルエチル基、下記式(13-2)で表される置換基等を挙げることができる。
[0027]
[化16]


(式(13-2)中、R は、前記と同様である。)
[0028]
 1-置換-n-プロピル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数4~20の1-置換-n-プロピル基とすることができ、炭素数6~18の1-置換-n-プロピル基が好ましく、炭素数8~16の1-置換-n-プロピル基がより好ましい。例えば、1-メトキシ-n-プロピル基及び1-エトキシ-n-プロピル基等を挙げることができる。
[0029]
 1-分岐アルキル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数3~20の1-分岐アルキル基とすることができ、炭素数5~18の1-分岐アルキル基が好ましく、炭素数7~16の分岐アルキル基がより好ましい。1-分岐アルキル基の具体例としては、以下に限定されないが、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1-メチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2-メチルアダマンチル基、2-エチルアダマンチル基等を挙げることができる。
[0030]
 シリル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数1~20のシリル基とすることができ、炭素数3~18のシリル基が好ましく、炭素数5~16のシリル基がより好ましい。シリル基の具体例として、以下に限定されないが、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジエチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリ-tert-ブチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
[0031]
 アシル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数2~20のアシル基とすることができ、炭素数4~18のアシル基が好ましく、炭素数6~16のアシル基がより好ましい。アシル基の具体例としては、以下に限定されないが、アセチル基、フェノキシアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、アダマンチルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等を挙げることができる。
[0032]
 1-置換アルコキシメチル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数2~20の1-置換アルコキシメチル基とすることができ、炭素数4~18の1-置換アルコキシメチル基が好ましく、炭素数6~16の1-置換アルコキシメチル基がより好ましい。1-置換アルコキシメチル基の具体例としては、以下に限定されないが、1-シクロペンチルメトキシメチル基、1-シクロペンチルエトキシメチル基、1-シクロヘキシルメトキシメチル基、1-シクロヘキシルエトキシメチル基、1-シクロオクチルメトキシメチル基、1-アダマンチルメトキシメチル基等を挙げることができる。
[0033]
 環状エーテル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数2~20の環状エーテル基とすることができ、炭素数4~18の環状エーテル基が好ましく、炭素数6~16の環状エーテル基がより好ましい。環状エーテル基の具体例としては、以下に限定されないが、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、4-メトキシテトラヒドロピラニル基、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル基等を挙げることができる。
[0034]
 アルコキシカルボニル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数2~20のアルコキシカルボニル基とすることができ、炭素数4~18のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数6~16のアルコキシカルボニル基がより好ましい。アルコキシカルボニル基の具体例としては、以下に限定されないが、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、下記式(13-3)のn=0で表される酸解離性反応基等を挙げることができる。
[0035]
[化17]


(式(13-3)中、R は水素原子又は炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基であり、nは0~4の整数である。)
[0036]
 アルコキシカルボニルアルキル基としては、特に限定されないが、通常、炭素数2~20のアルコキシカルボニルアルキル基とすることができ、炭素数4~18のアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、炭素数6~16のアルコキシカルボニルアルキル基がより好ましい。アルコキシカルボニルアルキル基の具体例としては、以下に限定されないが、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n-プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n-ブトキシカルボニルメチル基、上記式(13-3)のn=1~4で表される酸解離性反応基等を挙げることができる。
[0037]
 これらの酸解離性反応基のうち、置換メチル基、1-置換エチル基、1-置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルアルキル基が好ましく、より高い感度を発現する観点から、置換メチル基、1-置換エチル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基がより好ましく、さらに炭素数3~12のシクロアルカン、ラクトン及び6~12の芳香族環から選ばれる構造を有する酸解離性反応基がさらに好ましい。炭素数3~12のシクロアルカンとしては、単環でも多環でもよいが、多環であることがより好ましい。炭素数3~12のシクロアルカンの具体例としては、以下に限定されないが、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等が挙げられ、より具体的には、以下に限定されないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロデカン等のポリシクロアルカンが挙げられる。これらの中でも、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロデカンが好ましく、アダマンタン、トリシクロデカンがより好ましい。炭素数3~12のシクロアルカンは置換基を有してもよい。ラクトンとしては、以下に限定されないが、例えば、ブチロラクトン又はラクトン基を有する炭素数3~12のシクロアルカン基が挙げられる。6~12の芳香族環としては、以下に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環等が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環が好ましく、ナフタレン環がより好ましい。
[0038]
 また、より高い解像性を与える観点から、下記式(13-4)で示される各基からなる群から選ばれる酸解離性反応基が好ましい。
[0039]
[化18]


[0040]
 前記式(13-4)中、R は、水素原子又は炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐状アルキル基であり、R は、水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン原子又はカルボキシル基であり、n は0~4の整数であり、n は1~5の整数であり、n は0~4の整数である。
[0041]
 さらに、より解像性を与える観点から、下記式(13-5)で示される各基からなる群から選ばれる酸解離性反応基がより好ましい。
[0042]
[化19]


(式(13-5)中、R 、R 、n 、n 及びn は前記と同様である。)
[0043]
 前記式(1-1)及び(1-2)で表される化合物からなる群より選択される化合物の分子量は800~5000であることが好ましい。より好ましくは800~2000であり、更に好ましくは1000~2000である。上記範囲であるとレジストに必要な成膜性を保持しつつ、解像性が向上する傾向にある。
[0044]
 レジスト組成物としたときの耐熱性、溶解性及び得られるパターンのラフネスの観点から、本実施形態において、前記式(1-1)で表される化合物が、式(2-1)で表される化合物であり、前記式(1-2)で表される化合物が、(2-2)で表される化合物であることが好ましい。
[0045]
[化20]


(式(2-1)中、R 10、R 11、R 12及びpは前記と同様である。)
[0046]
[化21]


(式(2-2)中、R 10、R 11、R 12及びpは前記と同様である。)
[0047]
 レジスト組成物としたときの耐熱性、溶解性及び得られるパターンのラフネスの観点から、前記式(2-1)で表される化合物が下記式(3-1)で表される化合物であり、前記式(2-2)で表される化合物が下記式(3-2)で表される化合物であることが好ましい。
[0048]
[化22]


(式(3-1)中、R 10、R 11及びR 12は前記と同様である。)
[0049]
[化23]


(式(3-2)中、R 10、R 11、R 12は前記と同様である。)
[0050]
 レジスト組成物としたときの耐熱性、溶解性及び得られるパターンのラフネスの観点から、前記式(3-1)で表される化合物が下記式(4-1)で表される化合物であり、前記式(3-2)で表される化合物が下記式(4-2)で表される化合物であることが好ましい。
[0051]
[化24]


(式(4-1)中、R 13は酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基(置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基)が結合した基であり、R 12は前記と同様である。)
[0052]
[化25]


(式(4-2)中、R 13は酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基(置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアリーレン基及びエーテル基からなる群より選択される1以上の基)が結合した基であり、R 12は前記と同様である。)
[0053]
 前記式(4-1)及び(4-2)で表される化合物からなる群より選択される化合物として、具体的には以下に例示できるが、ここで列挙した限りではない。
[0054]
[化26]


[0055]
[化27]


[0056]
[化28]


[0057]
[化29]


[0058]
[化30]


[0059]
[化31]


[0060]
[化32]


[0061]
[化33]


[0062]
 上記した中でも、ラフネス低減、耐熱性及び溶解性の観点から、式(5-1-a)又は式(5-1-b)で表される化合物が好ましい。
[0063]
 本実施形態の化合物は、公知の方法で製造することができる。例えば、式(6)で表される化合物と、式(7-1)又は式(7-2)で表される化合物とを、触媒存在下にて反応させて式(8-1)又は(8-2)で表される群から選ばれる環状化合物(A)を得て、その後、環状化合物(A)と酸解離性反応基導入試剤(B)とを、触媒存在下にて反応させて製造する方法は、特に副生成物が少なく、効率よく製造することができる。
[0064]
[化34]


(式(6)中、R 12及びpは前記と同様である。)
[0065]
[化35]


[0066]
[化36]


(式(8-1)中、R 12及びpは、前記と同様である。)
[0067]
[化37]


(式(8-2)中、R 12及びpは、前記と同様である。)
[0068]
 上記式(6)で表される化合物としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシメトキシベンズアルデヒド(バニリン)、エトキシヒドロキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)、ヒドロキシプロポキシベンズアルデヒド等を用いることができる。これらは試薬にて容易に入手可能である。また、式(6)で表される化合物としては1種類又は2種類以上を用いることができる。
[0069]
 上記式(7-1)で表される化合物(レゾルシノール)と上記式(7-2)で表される化合物(ピロガロール)は、試薬にて容易に入手可能である。これらの化合物は単独で用いてもよいし、併用してもよい。
[0070]
 上記環状化合物(A)の製造に用いる触媒は、公知の酸又は塩基より適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ふっ酸等の無機酸や、シュウ酸、蟻酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等の有機酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ化ホウ素等のルイス酸やケイタングステン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸又はリンモリブデン酸等の固体酸、あるいは水酸化ナトリウム等の塩基が挙げられる。また、触媒として1種類又は2種類以上を用いることができる。触媒の活性を確保する観点から、酸と塩基とを同時に用いないことが好ましい。
[0071]
 また、環状化合物(A)は、例えば、メタノール、エタノール等の有機溶媒中、式(6)で表される化合物1モルに対し、式(7)で表される化合物を0.1~10モル量、酸触媒(塩酸、硫酸又はパラトルエンスルホン酸等)を使用し、60~150℃で0.5~20時間程度反応させ、濾過後、メタノール等のアルコール類で洗浄後、水洗し、濾過を行い分離し、乾燥させることにより得られる。酸触媒の代わりに、塩基性触媒(水酸化ナトリウム、水酸化バリウム又は1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7等)を使用し、同様に反応することによっても得られる。さらに、環状化合物(A)は、上記式(6)で表される化合物をハロゲン化水素若しくはハロゲンガスでジハロゲン化物とし、単離したジハロゲン化物と上記式(7-1)又は式(7-2)で表される化合物とを反応させて製造することもできる。
[0072]
 環状化合物(A)の純度向上、及び残存金属量の低減の観点から、必要に応じて精製してもよい。また酸触媒及び助触媒の残存に起因する感放射線性組成物の保存安定性の低下や、塩基性触媒の残存に起因するフォトレジスト組成物の感度の低下を防止する観点から、酸触媒、助触媒、塩基性触媒等の残存量を低減するための精製を行ってもよい。精製は、環状化合物(A)が変性しない限り公知の方法により行うことができ、特に限定されないが、例えば、水で洗浄する方法、酸性水溶液で洗浄する方法、塩基性水溶液で洗浄する方法、イオン交換樹脂で処理する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで処理する方法などが挙げられる。これら精製方法は2種以上を組み合わせて行うことがより好ましい。酸性水溶液、塩基性水溶液、イオン交換樹脂及びシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、除去すべき金属、酸性化合物及び/又は塩基性化合物の量や種類、精製する環状化合物(A)の種類などに応じて、最適なものを適宜選択することが可能である。例えば、酸性水溶液として、濃度が0.01~10mol/Lの塩酸、硝酸、酢酸水溶液;塩基性水溶液として、濃度が0.01~10mol/Lのアンモニア水溶液;イオン交換樹脂として、カチオン交換樹脂、例えばオルガノ製Amberlyst 15J-HG Dryなどが挙げられる。精製後に乾燥を行ってもよい。乾燥は公知の方法により行うことができ、特に限定されないが、環状化合物(A)が変性しない条件で真空乾燥、熱風乾燥する方法などが挙げられる。
[0073]
 上記酸解離性反応基導入試剤(B)としては、特に限定されず、例えば、酸クロライド、酸無水物、ジカーボネートなどの活性カルボン酸誘導体化合物、アルキルハライド、ビニルアルキルエーテル、ジヒドロピラン、ハロカルボン酸アルキルエステル等、公知のものを用いることができる。より具体的には、例えば、ジ-t-ブチルジカルボネート、ブロモ酢酸t-ブチル、ブロモ酢酸2-メチル-2-アダマンチル、ブロモ酢酸1-アダマンチルが用いられる。これらは公知の方法で合成もしくは試薬にて容易に入手可能である。また、酸解離性反応基導入試剤(B)として1種類又は2種類以上を用いることができる。
[0074]
 環状化合物(A)の少なくとも1つのフェノール性水酸基に酸解離性反応基を導入する方法は公知である。例えば、以下のようにして、環状化合物(A)の少なくとも1つのフェノール性水酸基に酸解離性反応基を導入することができる。
[0075]
 例えば、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の非プロトン性溶媒に環状化合物(A)を溶解又は懸濁させる。続いて、エチルビニルエーテル等のビニルアルキルエーテル又はジヒドロピランを加え、ピリジニウムp-トルエンスルホナート等の酸触媒の存在下、常圧で、20~60℃、6~72時間反応させる。反応液をアルカリ化合物で中和し、蒸留水に加え白色固体を析出させた後、分離した白色固体を蒸留水で洗浄し、乾燥することにより本実施形態の化合物を得ることができる。
[0076]
 また、アセトン、THF、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の非プロトン性溶媒に環状化合物(A)を溶解又は懸濁させる。続いて、エチルクロロメチルエーテル等のアルキルハライド又はブロモ酢酸メチルアダマンチル等のハロカルボン酸アルキルエステルを加え、炭酸カリウム等のアルカリ触媒の存在下、常圧で、20~110℃、6~72時間反応させる。反応液を塩酸等の酸で中和し、蒸留水に加え白色固体を析出させた後、分離した白色固体を蒸留水で洗浄し、乾燥することにより本実施形態の化合物を得ることができる。
[0077]
 本実施形態の化合物の純度向上、及び残存金属量の低減の観点から、必要に応じて精製してもよい。精製は前記環状化合物(A)と同様に実施できる。
[0078]
 本実施形態の化合物は、半導体用フォトレジスト等の感光性材料の基材(ベース化合物)として特に有用である。前記特許文献1~2における基材を本実施形態の化合物に変更することで、本実施形態の化合物を含むフォトレジスト組成物が得られる。すなわち、本実施形態のフォトレジスト組成物は、本実施形態の化合物を含有するものである。本実施形態のフォトレジスト組成物を用いることで、より性能の優れたレジストパターン形成が可能となる。
実施例
[0079]
 以下、実施例を挙げて、本実施形態をさらに具体的に説明する。ただし、本実施形態は、これらの実施例に限定されるものではない。
[0080]
 化合物の評価方法は次のとおりである。
[0081]
<熱分解温度の測定>
 エスアイアイ・ナノテクノロジー社製EXSTAR6000DSC装置を使用し、試料として実施例及び比較例の化合物約5mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30mL/min)気流中昇温速度10℃/minで500℃まで昇温した。その際、ベースラインに減少部分が現れる温度を熱分解温度とした。
[0082]
<溶解度の測定>
 23℃にて、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)及びCHN(シクロヘキサノン)から選ばれる溶媒のうち、実施例及び比較例の化合物の溶解量が最も多い溶媒に対する当該化合物の溶解量を溶解度として、以下の基準で評価した。
 評価A:1wt%以上
 評価B:1wt%未満
[0083]
<ラフネスの評価>
 実施例及び比較例の化合物を5wt%になるようPGMEに溶解させた液を、孔径1.0μmのシリンジフィルターでろ過し、その後、Siウエハー上にスピンコートし、200nm膜厚のフィルムを得た。続いて、2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に15秒浸漬させた後、超純水で30秒リンスを行い、ドライ窒素を吹き付け乾燥させた。そのフィルムにつき、1μm×1μmのエリアを、SII製走査型プローブ顕微鏡でスキャンし、その結果を以下の基準で評価した。
 評価A:RMS 0.3nm未満
 評価B:RMS 0.3nm以上、1.0nm未満
 評価C:RMS 1.0nm以上
 (RMS:二乗平均面粗さ)
[0084]
<合成例1>
CR-Vtransの合成
 十分乾燥し、窒素置換したジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置した四つ口セパラブルフラスコ(500mL)に、窒素気流下で、関東化学社製レゾルシノール(23.1g、0.2mol)と、関東化学社製p-トルエンスルホン酸(38.0g、0.2mol)と、関東化学社製エチレングリコール(210g)を投入し、エチレングリコール溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら氷浴で5℃まで冷却した。次いで関東化学社製o-バニリン(30.3g,0.2mol)を、粉末漏斗により5~10分かけて投入した後、エチレングリコール(20.0g)を投入した。マントルヒーターで加熱して60℃で1時間、80℃で3時間攪拌した。反応終了後、50℃以下に到達するまで水浴で冷却した後、純水400mLを加え目的粗結晶を生成させ、これを濾別した。粗結晶を純水500mLで3回洗浄し、濾別後、シクロヘキサノン600gと、シクロペンタノン600gを加え、混合溶液を調製した。テフロンコーティングの1L容器にて、この溶液をマントルヒーターで70℃に加熱攪拌しながら、純水150gで5回分液した後、溶液を10質量%に濃縮した。一昼夜静置後、粗結晶が析出し、これを濾別した。粗結晶をアセトン(粗結晶重量の10倍量)で2回洗浄し、濾別後、乾燥させることにより、目的生成物(以下、CR-Vtransと称する。)(21.5g、収率44.0%)を得た。
 また、重ジメチルスルホキシド溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(9)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-DMSO、内部標準TMS)
 δ(ppm):3.5(s,12H)、5.5(s,4H)、5.9~6.4(m,20H)、7.6(s,4H)、8.0、8.2(d,8H)
[0085]
[化38]


[0086]
<合成例2>
CR-EVtransの合成
 o-バニリンの代わりにo-エチルバニリンを用い、エチレングリコールの代わりにエタノールを用いたこと以外は合成例1と同様に行い、目的生成物(以下、CR-EVtransと称する。)(21.5g、収率44.0%)を得た。
 また、重ジメチルスルホキシド溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(10)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-DMSO、内部標準TMS)
 δ(ppm):1.2~1.8(m,12H)3.6~3.7(m,8H)、5.5(s,4H)、5.9~6.3(m,20H)、7.5(s,4H)、8.0、8.1(d,8H)
[0087]
[化39]


[0088]
<比較合成例1>
CR-HBAtransの合成
 反応温度を100℃とし、o-バニリンの代わりに4-ヒドロキシベンズアルデヒドを用い、エチレングリコールの代わりに1,4-ジオキサンを用い、アセトンの代わりにメタノールを用いたこと以外は合成例1と同様に行い、目的生成物(以下、CR-HBAtransと称する。)(12.1g、収率57.9%)を得た。
 また、重ジメチルスルホキシド溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(11)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-DMSO、内部標準TMS)
 δ(ppm):5.4(s,4H)、5.9~6.4(m,24H)、8.3、8.4(d,8H)、8.6(s,4H)
[0089]
[化40]


[0090]
<実施例1>
CR-Vtrans-MeBOCの合成
 十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置したセパラブルフラスコ(500mL)に、窒素気流下で、上記合成例1で合成したCR-Vtrans 6.2g(6.3mmol)と、炭酸カリウム21.0g(0.15mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.41g(1.3mmol)、N-メチルピロリドン(以下、NMPと称する。)160mLからなるNMP溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら氷浴で5℃まで冷却した。ブロモ酢酸t-ブチル 29.7g(0.15mol)とNMP30mLからなるNMP溶液を5分かけて滴下した後、マントルヒーターで120℃に加熱しながら4時間攪拌した。反応終了後、PGMEA400gを加えた反応溶液を、純水150gで3回分液した後、溶液を10質量%以下に濃縮した。一昼夜静置後、溶媒を除去し、得られた固体を、イソプロパノール(固体重量の10倍量)で2回洗浄し、濾別後、乾燥させることにより、フェノール性水酸基の水素原子がt-ブトキシカルボニルメチル基で置換された目的生成物(以下、CR-V-MeBOCと称す。)(11.7g、収率79%)を得た。
 得られた生成物の重クロロホルム溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(12)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-CDCl 、内部標準TMS)
 δ(ppm):1.3~1.4(m,108H)、3.5(s,12H)、4.1~4.5(m,24H)、5.8(s,4H)、5.7、6.0~6.4(m,20H)であった。
 熱分解温度は209℃であり、高い耐熱性を有することが確認できた。
 PGME溶解性は、Aと良好であった。
 ラフネスは、Aと良好であった。分子間の相互作用が適度であり、凝集体を形成しない為と推定される。
[0091]
[化41]


[0092]
<実施例2>
CR-EVtrans-MeBOCの合成
 十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置したセパラブルフラスコ(500mL)に、窒素気流下で、上記合成例2で合成したCR-EV 5.0g(4.9mmol)と、炭酸カリウム12.1g(0.09mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.28g(0.87mmol)、NMP100mLからなるNMP溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら氷浴で5℃まで冷却した。ブロモ酢酸t-ブチル 17.0g(0.09mol)とNMP25mLからなるNMP溶液を5分かけて滴下した後、マントルヒーターで100℃に過熱しながら5時間攪拌した。反応終了後、純水400mLを加え目的粗結晶を生成させた。PGMEA400gを加え反応溶液を、純水150gで3回分液した後、溶液を10質量%以下に濃縮した。一昼夜静置後、溶媒を除去し、得られた固体を、メタノール(固体重量の10倍量)で2回洗浄し、濾別後、乾燥させることにより、フェノール性水酸基の水素原子がt-ブトキシカルボニルメチル基で置換された目的生成物(以下、CR-EV-MeBOCと称する。)(4.47g、収率37.8%)を得た。
 得られた生成物の重クロロホルム溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(13)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-CDCl 、内部標準TMS)
 δ(ppm):1.3~1.4(m,108H)、3.5(s,12H)、4.1~4.5(m,24H)、5.8(s,4H)、5.7、6.0~6.4(m,20H)であった。
 熱分解温度は211℃であり、高い耐熱性を有することが確認できた。
 PGME溶解性は、Aと良好であった。
 ラフネスは、Aと良好であった。分子間の相互作用が適度であり、凝集体を形成しない為と推定される。
[0093]
[化42]


[0094]
<比較例1>
CR-HBAtrans-MeBOCの合成
 十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置したセパラブルフラスコ(500mL)に、窒素気流下で、上記比較合成例1で合成したCR-HBAtrans 2.4g(2.8mmol)と、炭酸カリウム7.1g(0.05mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド0.17g(0.05mmol)、NMP100mLからなるNMP溶液を調製した。この溶液を攪拌しながら氷浴で5℃まで冷却した。ブロモ酢酸t-ブチル 10.0g(0.05mol)とNMP25mLからなるNMP溶液を5分かけて滴下した後、マントルヒーターで120℃に過熱しながら5時間攪拌した。反応終了後、純水300mLを加え目的粗結晶を生成させ、これを濾別した。粗結晶を純水500mLで3回洗浄し、濾別後、得られた固体を、イソプロパノール(固体重量の10倍量)で2回洗浄し、濾別後、乾燥させることにより、フェノール性水酸基の水素原子がt-ブトキシカルボニルメチル基で置換された目的生成物(以下、CR-HBAtrans-MeBOCと称する。)(4.77g、収率75.3%)を得た。
 得られた生成物の重クロロホルム溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(14)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-CDCl 、内部標準TMS)
 δ(ppm):1.3~1.4(m,108H)、4.0~4.4(m,24H)、5.8(s,4H)、5.6、6.0~6.4(m,24H)であった。
 熱分解温度は208℃であり、高い耐熱性を有することが確認できた。
 PGME溶解性は、Aと良好であった。
 しかしながら、ラフネスは、Cと不良であった。分子間の相互作用が強く、凝集体を形成しているためと推定される。
[0095]
[化43]


[0096]
<比較例2>
CR-Vtrans-MeBOC33の合成
 十分乾燥し、窒素置換した滴下漏斗、ジム・ロート氏冷却管、温度計、攪拌翼を設置したセパラブルフラスコ(500mL)に、窒素気流下で、o-バニリン(12.2g/100mmol)、炭酸カリウム(13.8g/100mmol)、200mL THFからなる溶液に、ブロモ酢酸tertブチル 19.5g(100mmol)の100mL THF溶液を滴下した。反応液を24時間還流下で撹拌した。反応終了後、溶媒を除去し、得られた固体を、ヘキサン/酢酸エチル=1/3の混合溶媒を用い、カラムクロマトで精製した。フェノール性水酸基の水素原子がt-ブトキシカルボニルメチル基で置換されたV-MeBOC 27.0gを得た。
 得られた生成物の重DMSO溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(15)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-DMSO、内部標準TMS)
1.4(s,9H)、5.0(s,2H)、7.1-7.9(m,4H)、9.9(s,1H)
[0097]
[化44]


[0098]
 続いて、反応温度を100℃とし、o-バニリンの代わりにV-MeBOCを用いたこと以外は合成例1と同様に行い、目的生成物(以下、CR-Vtrans-MeBOC33と称する。)(7.16g、収率25%)を得た。
 得られた生成物の重クロロホルム溶媒中での H-NMRのケミカルシフト値(δppm,TMS基準)により下記式(16)で表される化学構造を有することを確認した。
H-NMR:(d-CDCl 、内部標準TMS)
 δ(ppm):1.3~1.4(m,36H)、3.5(s,12H)、4.1~4.5(m,8H)、5.8(s,4H)、5.7、6.0~6.4(m,20H)であった。
 熱分解温度は212℃であり、高い耐熱性を有することが確認できた。
 PGME溶解性は、Aと良好であった。
 しかしながら、ラフネスは、Cと不良であった。分子間の相互作用が強く、凝集体を形成していることに加え、2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解性が高すぎるためと推定される。
[0099]
[化45]


[0100]
 本出願は、2014年2月26日出願の日本特許出願(特願2014-035339号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0101]
 本発明の新規ポリフェノール化合物は、半導体用フォトレジスト等の感光性材料のベース化合物などに利用される。

請求の範囲

[請求項1]
 下記式(1-1)及び(1-2)で表される化合物からなる群より選択される、化合物。
[化1]


[化2]


(式(1-1)及び(1-2)中、R 10及びR 11は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基、酸解離性反応基、又はこれらの基と二価の基が結合した基であり、R 10の少なくともひとつ及びR 11の少なくともひとつは、酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基又は置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基であり、pは、それぞれ独立して1~4の整数である。)
[請求項2]
 前記式(1-1)及び(1-2)において、前記R 10及びR 11が、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の複素環基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1~20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の分岐状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数3~20の環状脂肪族炭化水素基、置換若しくは無置換の炭素数6~20のアリール基、酸解離性反応基、又はこれらの基と二価の基が結合した基である、請求項1に記載の化合物。
[請求項3]
 前記式(1-1)で表される化合物が下記式(2-1)で表される化合物であり、前記式(1-2)で表される化合物が下記式(2-2)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の化合物。
[化3]


(式(2-1)中、R 10、R 11及びR 12は、前記と同様である。)
[化4]


(式(2-2)中、R 10、R 11及びR 12は、前記と同様である。)
[請求項4]
 前記式(2-1)で表される化合物が下記式(3-1)で表される化合物であり、前記式(2-2)で表される化合物が下記式(3-2)で表される化合物である、請求項3に記載の化合物。
[化5]


(式(3-1)中、R 10、R 11及びR 12は前記と同様である。)
[化6]


(式(3-2)中、R 10、R 11及びR 12は前記と同様である。)
[請求項5]
 前記式(3-1)で表される化合物が下記式(4-1)で表される化合物であり、前記式(3-2)で表される化合物が下記式(4-2)で表される化合物である、請求項4に記載の化合物。
[化7]


(式(4-1)中、R 13は酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は前記と同様である。)
[化8]


(式(4-2)中、R 13は酸解離性反応基、又は酸解離性反応基と二価の基が結合した基であり、R 12は前記と同様である。)
[請求項6]
 前記酸解離性反応基が、置換メチル基、1-置換エチル基、1-置換-n-プロピル基、1-分岐アルキル基、シリル基、アシル基、1-置換アルコキシメチル基、環状エーテル基、アルコキシカルボニル基及びアルコキシカルボニルアルキル基からなる群より選択される少なくとも一つの基を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
[請求項7]
 前記酸解離性反応基が、下記式(13-4)で表される基からなる群より選択される基である、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
[化9]


(式(13-4)中、R は、水素原子又は炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐状アルキル基であり、R は、水素原子、炭素数1~4の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シアノ基、ニトロ基、複素環基、ハロゲン原子又はカルボキシル基であり、n は0~4の整数であり、n は1~5の整数であり、n は0~4の整数である。)
[請求項8]
 前記酸解離性反応基が、下記式(13-5)で表される基からなる群より選択される基である、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
[化10]


(式(13-5)中、R 、R 、n 、n 及びn は前記と同様である。)
[請求項9]
 請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物を含有する、フォトレジスト組成物。
[請求項10]
 下記式(12)又は(13)で表される、化合物。
[化11]


[化12]