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1. (WO2015129663) 着色アルミニウム成形体及びその製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 着色アルミニウム成形体及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026  

符号の説明

0027  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1  

明 細 書

発明の名称 : 着色アルミニウム成形体及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は着色してなるアルミニウム成形体及びその製造方法に関する。    

背景技術

[0002]
 アルミニウム成形体自体は、金属アルミニウムに由来する金属光沢を有しており、このような成形体を着色された用途に使用する際には、必要により周知の表面処理を行った上で、黒、赤、白等の目的とする任意の色の着色塗料を用いて塗装していた。
 上記の塗装とは別に、アルミニウム成形体表面を例えば硫酸法やシュウ酸法によって陽極酸化処理したのち、表面に形成された微細な細孔に任意の染料を含浸させたり、顔料を充填したり、あるいはニッケル等を電解析出させて、電解着色させる方法も広く知られている。しかしながら、これらの方法、特に電解着色法によれば、限定された色彩のものしか得られない。
 また電気泳動によって、アルミニウム成形体表面に形成された細孔中に顔料を入れて着色する方法によれば、細孔の径を顔料が入る程度に大きくする必要があり、かつ顔料の径を小さくすることが必要であった。しかし、この方法によっても安定して均一に着色させることが困難であり、かつ細孔に入れることができる顔料の量にも限界があったので濃色に着色させることも困難であった。
[0003]
 また、着色方法ではないが、特許文献1に記載されているように、アルミニウム成形体表面を予め陽極酸化皮膜処理した後、硫酸チタニル等と、陽イオンを形成する錯化剤とを含む混合液中で、電解処理して、陽極酸化皮膜の表面及び孔内面に二酸化チタンを析出させて二酸化チタン含有皮膜を形成するチタニル電解処理工程と、二酸化チタン皮膜を焼成して光触媒能を有する二酸化チタンからなる光触媒皮膜に変化させる焼成処理工程とを有する、陽極酸化皮膜の表面及び孔内面に二酸化チタンからなる光触媒皮膜を形成させる方法が知られている。
[0004]
 さらに特許文献2には、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、細孔内ではない基材表面に形成した陽極酸化皮膜上に、光触媒作用を有する平均粒径1nm~1000nmの酸化チタン等の半導体微粒子が凝集して堆積してなる光触媒膜がコーティングされてなることを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金材であり、陽極酸化皮膜に形成された細孔内に酸化チタン等が吸着されない皮膜が記載されている。
[0005]
 特許文献3には、高電圧で陽極酸化したアルミニウム材に対し、金属塩溶液中にて交流電圧を印加して電解着色を行うこと、特許文献4には、陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム材を希アルカリ水溶液によりエッチング処理して陽極酸化皮膜の細孔底部のバリヤ層の露出部表面を化学的に溶解した後、顔料粒子又は金属塩を含む電解着色浴中で電解着色、電気泳動して着色することが記載されている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特許第4905659号
特許文献2 : 特許第3326071号
特許文献3 : 特開平11-335893号公報
特許文献4 : 特開平11-236697号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 従来技術においては、アルミニウム成形体表面を着色するために塗料を塗布していたので、アルミニウム成形体の使用を継続するにつれて、その白色塗膜が剥がれる等して、美観を損ねることがあった。
 また陽極酸化皮膜の細孔に電気泳動によって顔料を充填させる方法によると、該顔料が着色力を発揮できる程度の量充填されるように、該細孔の径を大きくしなければならない。そうするとアルミニウム成形体の表面に粗さを生じ、美観を損ねかねない可能性があった。
 さらに、このようにして得られた着色皮膜は緻密な皮膜ではなく、細孔の径が大きいことにより、酸化チタンを充填する以前において、既に細孔による光の反射によってアルミニウム成形体はある程度の光干渉性を有し、透明性のある白色を呈している。そのため、不透明な白色皮膜は得られない。
 また、電気泳動により安定した濃色の着色を行うときには、電気泳動時の浴電流が小さいので、顔料が細孔内ではなく細孔外の表面に過剰に析出する傾向があった。
[0008]
 また上記特許文献1に記載されたような、陽極酸化皮膜の表面及び孔内面に二酸化チタンを析出させて二酸化チタン皮膜を形成するチタニル電解処理工程と、その二酸化チタン皮膜を焼成する工程を有する方法によると、十分な量の光触媒用二酸化チタンを析出させることが困難であると共に、比較的耐熱性に劣るアルミニウム成形体を高温に加熱するので、その成形体が変形、または物性が変質する可能性があった。
 特許文献2に記載の方法は、陽極酸化処理済みのアルミニウム板を酸化チタンゾル中に浸漬し、電気泳動を行うことによって、アルミニウム板表面に形成された細孔内ではなく、表面上に酸化チタン粒子を析出させることにより、光触媒を担持させる方法であるが、担持される酸化チタンは光触媒用であり、かつ細孔内ではなく、かつ細孔内における担持量も少ないものであった。
 特許文献3に記載の方法は陽極酸化皮膜を設けたアルミニウム材表面を、金属塩溶液中にて交流電圧を印加して着色させる方法ではあるが、陽極酸化処理は1回のみであるし、かつ細孔内に金属化合物を析出させることまでを示唆していない。
 さらに特許文献4には陽極酸化処理皮膜により形成された細孔内に顔料を充填させる方法が記載されているものの、顔料の充填に先立ち、陽極酸化処理皮膜をエッチングして、バリヤ層を溶解させる工程を備えるのであり、このエッチング工程は当然ながら細孔内のバリヤ層のみを溶解させることはできず、陽極酸化処理皮膜全体をもエッチングさせることが明らかである。その結果、陽極酸化処理皮膜全体に対して凹凸表面を形成させることになり、仮に着色できたとしても、アルミニウム板としては凹凸のある不均一な表面を形成させるに留まる。
 加えて、一旦形成した陽極酸化処理皮膜をエッチングすることにより、この陽極酸化処理皮膜が消失する。そのため、細孔は存在するものの、細孔内は陽極酸化処理皮膜によって保護されない状態となり、アルミニウム材を使用するにつれて細孔内やアルミニウム材表面が腐食することになる。
 よって本発明は陽極酸化により形成された細孔に二酸化チタン等の顔料粒子を充填して、不透明で十分な着色皮膜を有しながら、当初の形状を維持し、陽極酸化処理皮膜による本来の物性を備えたアルミニウム成形体を得ることにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記のアルミニウム成形体及びその製造方法を発明した。
1.表面に陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化皮膜に形成された細孔の中に顔料が1平方デシメートルあたり2mgから30mgの密度で充填されてなるアルミニウム成形体。
2.該細孔の開口部の径が5~300nmである1に記載のアルミニウム成形体。
3.該細孔の成形体の深さ方向の長さが5~50μmである1又は2に記載のアルミニウム成形体。
4.該細孔の底部に径の拡径部を有する1~3のいずれかに記載のアルミニウム成形体。
5.アルミニウム成形体表面の陽極酸化皮膜が、電流値を一定にした条件下での陽極酸化処理段階と、その後のリン酸溶液中で陽極酸化処理を行う方法により形成された1~4のいずれかに記載のアルミニウム成形体。
6.アルミニウム成形体に対して、電流値を一定にした条件下での陽極酸化処理と、その後の電圧値を一定にした陽極酸化処理を含む陽極酸化処理を行い、アルミニウム成形体表面に細孔を有する陽極酸化皮膜を形成する。得られたアルミニウム成形体を金属塩水溶液に浸漬し、その水溶液中にて交流電流を通電して、形成された細孔内にて顔料を析出・充填するアルミニウム成形体表面を着色する方法。

発明の効果

[0010]
 従来の塗装方法によるものと比較して、本発明によれば陽極酸化皮膜が剥離しない限り、着色皮膜が脱落することがない。加えて陽極酸化皮膜の細孔内に顔料や染料を入れてなる着色されたアルミニウム成形体において、より多くの顔料を固定させることができるので、安定して特に濃い着色を呈することができる。また、細孔内にて二次凝集させることができるので、一次粒子径が小さく顔料としての着色を呈さない顔料を使用しても、十分に着色させることができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明において酸化チタン粒子が導入される工程の模式図

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明は、陽極酸化皮膜に形成された細孔内に、結果的に顔料粒子を充填させることにより行うことができる。また、より粒子径が小さい、例えば本来は一次粒子が小さいために白色を呈さない酸化チタン等の粒子であっても、その化合物の溶液を使用して、細孔内でこの溶液から顔料を析出させることにより、外部から入射した光がその凝集粒子を構成する酸化チタン粒子間にて乱反射するなどして不透明性が高くなることで、凝集した酸化チタン粒子が白色を呈して、結果的に陽極酸化皮膜が白色を呈することができる。そして、酸化チタンのみではなく他の顔料に関しても同様のことがいえる。
 特に、本発明のアルミニウム成形体表面に形成された細孔は、アルミニウム成形体表面の開口部から内部に行くに従いその細孔の径が拡大し、あたかも壺状の形状を呈するものである。この結果、その細孔内により多くの顔料を析出させることが可能となり、ひいては着色力を向上させることができる。
 このような本発明のアルミニウム成形体は、2段階の陽極酸化処理工程による細孔形成工程及びその後に行われる顔料の充填工程により製造されるものである。
[0013]
 本発明において使用される陽極酸化法は下記のアルミニウム材料からなる成形体に対してなされる方法である
(アルミニウム成形体のアルミニウム材料)
 本発明のアルミニウム成形体を構成するアルミニウム材料は、アルミニウムのみからなる材料でも良いが、一般にアルミニウム合金といわれる材料(例えば、Al-Mn系合金、Al-Mg系合金、Al-Mg-Si系合金等)であっても良く、陽極酸化処理されて細孔が形成される材料であればよい。またアルミニウム材料自体が他の金属と合金とされることにより、すでに着色された材料であっても良い。
 どのようなアルミニウム材料を採用するかは、本発明のアルミニウム成形体の用途によって決められるものである。
[0014]
 本発明にてアルミニウム成形体に充填される顔料としては、例えば下記のような化合物溶液から電気的な析出条件にて析出されて得ることができる顔料であればよく、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等を使用することができる。
[0015]
[陽極酸化処理工程]
 2段階の陽極酸化を行う方法による細孔形成工程について述べる。
(2段階陽極酸化法)
(第1陽極酸化処理)
 本発明のアルミニウム成形体を得るために行う第1段階の陽極酸化処理は、一般にアルミニウム成形体表面に形成されて表面に耐食性及び装飾性を付与するために行う処理と同様であり、陽極酸化皮膜に細孔を形成できる処理であることが必要である。
 アルミニウム成形体を、陽極酸化処理装置のアノードに電気的に接触させて該アノードおよびカソードとともに電解液中に浸漬させ、前記アノードとカソードとの間で通電させることにより前記アルミニウム成形体に陽極酸化皮膜を形成する。
 このときに使用される電解液としては、硫酸、リン酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、クロム酸からなる電解液が好ましく用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
 第1段階の陽極酸化は、その条件として電流密度を一定に維持して処理を行う。このときの電流密度としては0.5~3.0A/dm とすることが好ましい。
 生成する細孔は、例えば図1(a)に示すように、アルミニウム成形体1の表面に形成された陽極酸化皮膜2の深さ方向に伸びた長い柱状の空間である細孔3として形成される。ただし、アルミニウム成形体表面に対して、図示するように直角に形成されるとは限らず、実際には屈曲、枝分かれなど不規則な形状を示す。その開口部の径は、陽極酸化条件により任意に調整することが可能であるが、本発明においてこの工程により生成する陽極酸化皮膜の細孔は、その開口部の径が5~300nmであり、好ましくは5nm以上50nm未満であり、より好ましくは8~50nmである。300nmよりも大きいと陽極酸化皮膜を均一な皮膜とすることが困難であり、5nm未満の多孔質皮膜は得られにくい。
 また細孔の長さは、特に限定されないが、顔料により十分に着色されるに必要な量の顔料を析出させるためには、アルミニウム表面から厚さ方向に向けて5~50μmであり、好ましくは10~40μmである。
[0016]
(第2陽極酸化処理)
 第2陽極酸化処理は、第1陽極酸化処理により形成された、アルミニウム成形体表面の細孔の開口部付近ではなく、主に細孔内部の細孔の径を拡径させることを目的に行う。
 そのため、第2陽極酸化処理は、使用する溶液としてリン酸溶液を選択し、リン酸溶液中に被処理物である第1陽極酸化処理済みのアルミニウム成形体を浸漬し、これに対して直流電流を通電することにより行う。
 この結果、図1の(b)に示すように上記にて生成した細孔の底部付近Lにおいてその径が大きくなる。このような形状になる理由は、リン酸はアルミニウムや陽極酸化皮膜に対する溶解度が大きいためであると考えられる。
[0017]
[電析処理工程]
(細孔内部に顔料を析出させる工程)
 本発明の方法における陽極酸化皮膜の細孔内に顔料を析出させる工程は、上記の陽極酸化処理後のアルミニウム成形体を、電気的に析出して顔料となる化合物の水溶液に浸漬し、この成形体に対して交流電流を通電することにより電析する工程である。
 この結果として図1(c)に示すように、これまでの工程において形成された主に細孔の径が拡大された箇所Lにおいて、電析されて得た顔料が充填されることになる。
[0018]
 ここで使用される該化合物としては、チタン、鉄、銅、亜鉛等の金属の陰イオン性の錯塩が好ましい。特にビス(オキサラト)オキソチタン(IV)酸アンモニウム、チタンラクテート及びそのアンモニウム塩、チタントリエタノールアミネート、トリス(サリチラト)チタン酸錯体、クエン酸やグリコール酸を配位子とする、ペルオキソクエン酸チタン錯体やペルオキソグリコール酸チタン錯体、またはこれら以外の金属錯体、リンゴ酸や酒石酸のチタン等の金属錯体等が、顔料を析出させるための化合物として好ましい。
 また、金属錯体自体ではなくても、例えば酸化硫酸チタン(IV)等のチタン源に、シュウ酸とアンモニア、あるいはシュウ酸アンモニウム等の配位子となり得る物質を加えたものの水溶液を、顔料充填工程にて使用する水溶液としてもよい。
 ここで用いられる化合物の溶液には、上記の化合物の他にpHを調整するための酸、アンモニア等のアルカリ、シュウ酸アンモニウム等の塩等も含有させることができる。また、必要に応じてさらに公知の添加剤を併用することができる。
[0019]
 この工程において、水溶液中の上記化合物の濃度としては0.1~10.0重量%の範囲であり、これらの範囲を逸脱すると、顔料の充填が不十分、又は析出時の作業性が悪化する可能性がある。
 また、例えばビス(オキサラト)オキソチタン(IV)酸アンモニウム水溶液を使用する場合には、酸化チタン濃度換算で0.5~2.0重量%とし、そのpHを4.0~6.0、好ましくは4.5~5.0とすることが好ましい。
 交流電流を通電して顔料を析出させる原理としては、交流電流が通電されたアルミニウム成形体がアノード時には、析出されて顔料となる化合物のイオンが細孔内に泳動・導入され、アルミニウム成形体がカソード時には、水の電気分解で生成した水酸イオンが、その導入された化合物を加水分解して顔料化合物として析出させることによる。
 このようにして、ビス(オキサラト)オキソチタン(IV)酸アンモニウム水溶液を使用した場合には、細孔内に酸化チタン粒子を析出させることにより、図1(c)に示すように細孔3の主に底部に酸化チタン粒子4が析出する。もちろん他の金属塩を使用すると別の顔料を析出させることができる。
 電析処理工程では交流以外にパルス波形の電流を使用する方法や、それ以外にも従来から公知の方法でも行うことができる。
[0020]
 また、交流電流を通電して錯体から顔料を析出させた後、析出した化合物を十分に加水分解させるために、例えばトリエタノールアミン等のアルカリの希薄溶液に浸漬してもよい。
[0021]
 本発明により形成されたアルミニウム成形体は、その表面の1dm 当たりの細孔内に充填された酸化チタンはチタンとして2~30mgの範囲である。2~30mg/dm のような密度で酸化チタンが充填されることにより、従来の方法による着色よりも、さらに着色力を向上させることができる。
 例えば酸化チタン顔料を充填した場合において、その表面の色がL*値が73以上、a*、b*値が0±5の範囲であり、単に陽極酸化処理されたものの色(L*58.22、a*-0.83、b*-0.01)よりも白色であることがわかる。
 さらに、本発明のアルミニウム成形体は艶消しされていてもいなくてもよい。
 本発明のアルミニウム成形体は、これまでアルミニウム成形体が使用されてきた、多くの分野・用途にて使用することができる。例えば情報家電の筐体、家具、食器、容器、家電製品、日用品等のあらゆる用途において、表面が白色のアルミニウム成形体を必要とする場合に採用することができる。
[0022]
 実施例
(アルミニウム板の陽極酸化処理工程)
 陽極酸化処理工程を通常の陽極酸化処理と、その後の再陽極酸化処理により行った。
 (通常の陽極酸化処理)
 20℃の15重量%のH SO 溶液を用意し、これにアルミニウム板を浸漬した。このアルミニウム板に直流電流を1.5A・dm -2となるようにし、45分間通電し、膜厚22μmの多孔質皮膜を形成した。
(再陽極酸化処理)
 次に、20℃の10%リン酸水溶液にアルミニウム成形体を浸漬し、16V直流電圧を5~15分間かけた。この再陽極酸化処理によって、細孔内部の径を増加させた。
[0023]
(電析処理)
 陽極酸化処理を行うことにより内部の径が増加された細孔を設けてなるアルミニウム板を、酸化チタン濃度換算で1重量%のビス(オキサラト)オキソチタン(IV)酸アンモニウムをアンモニアでpH5.0に調整したものを電析浴(温度20℃)とし所定の一定の電圧で5分間交流により電析した。
(後処理)
 50℃の0.5重量%トリエタノールアミン溶液中に3分間浸漬した後に湯により洗浄した。
[0024]
[表1]


[0025]
 上記表1にて示した表面1平方デシメートル当たりのチタン量の測定方法は以下の通り。
 イオン交換水1L中に85%リン酸35mlと無水クロム酸20gを混合・溶解させてなる溶液から、50mlを用意し、この溶液に20mm×30mmの電析処理済みのアルミニウム板を浸漬し、50~100℃にて皮膜部分を溶解させる。このとき溶液中には溶解された該皮膜成分と、該皮膜成分中に存在していた若干の酸化チタン粒子が存在している。そのため、さらに濃硫酸を適当量(10ml程度)加えて加熱し、酸化チタンを溶解させる。この溶液を全量が100mlとなるように調製して、ICP-AES(誘導結合プラズマ発光分析装置)によって、溶液中のチタンの量を定量した。
 上記表1にて示したL*、a*及びb*は、日本電色工業社製の分光色差計SE2000型を使用して測定した。
[0026]
 表1の結果によれば、再陽極酸化と電析を共に実施した例によると、L*が73.00を超えて明るい皮膜を形成できたといえる。これは細孔内の径が拡大した部位に多くの酸化チタン顔料が析出したことによる。
 これらの表1で示される事項を総合すると本発明によれば処理済みのアルミニウム板は、その表面に厚さ方向に向けた多数の細孔を備え、かつその細孔の特に中深くに酸化チタン顔料が充填されていることが理解できる。
 この結果、アルミニウム板表面の色彩は酸化チタン顔料の色を強く反映した色を呈し、白色を有することになる。

符号の説明

[0027]
1・・・アルミニウム成形体
2・・・陽極酸化皮膜
3・・・細孔
4・・・酸化チタン粒子

請求の範囲

[請求項1]
 表面に陽極酸化皮膜が形成され、該陽極酸化皮膜に形成された細孔の中に顔料が1平方デシメートルあたり2mgから30mgの密度で充填されてなるアルミニウム成形体。
[請求項2]
 該細孔の開口部の径が5~300nmである請求項1に記載のアルミニウム成形体。
[請求項3]
 該細孔の成形体の深さ方向の長さが5~50μmである請求項1又は2に記載のアルミニウム成形体。
[請求項4]
 該細孔の底部に径の拡径部を有する請求項1~3のいずれかに記載のアルミニウム成形体。
[請求項5]
 アルミニウム成形体表面の陽極酸化皮膜が、電流値を一定にした条件下での陽極酸化処理段階と、その後のリン酸溶液中で陽極酸化処理を行う方法により形成された請求項1~4のいずれかに記載のアルミニウム成形体。
[請求項6]
 アルミニウム成形体に対して、電流値を一定にした条件下での陽極酸化処理と、その後の電圧値を一定にした陽極酸化処理を含む陽極酸化処理を行い、アルミニウム成形体表面に細孔を有する陽極酸化皮膜を形成する。得られたアルミニウム成形体を金属塩水溶液に浸漬し、その水溶液中にて交流電流を通電して、形成された細孔内にて顔料を析出・充填するアルミニウム成形体表面を着色する方法。

図面

[ 図 1]