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1. (WO2015129509) 香り付きティシュペーパー製品及び香り付きティシュペーパー製品の製造方法
Document

明 細 書

発明の名称 香り付きティシュペーパー製品及び香り付きティシュペーパー製品の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009  

課題を解決するための手段

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051  

符号の説明

0052  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 香り付きティシュペーパー製品及び香り付きティシュペーパー製品の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、香り付きのティシュペーパー製品及び香り付きティシュペーパー製品の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 スリット付きフィルムで上面開口部が覆われている収納箱内に複数のティシュペーパーからなる束が収納されており、前記スリットからその内部に収めた複数のティシュペーパーを順次一枚ずつ(一組とされたものも含む)引き出して使用するティシュペーパー製品は良く知られるところである。係る製品の中には、香り付きのものがある。
[0003]
 この香り付きの製品は、ティシュペーパー自体に香料を付着させたもののほか、上面開口部を覆うスリット付きフィルムの表裏面に香料を封入したマイクロカプセルを担持させて、ティシュペーパー取り出し時に、ティシュペーパーと摺れることによってマイクロカプセルを崩壊させて、香料を外部に放出させるようにしたものがある(下記特許文献1等)。
[0004]
 しかし、この製品は、ティシュペーパーとフィルムとが摺れる位置が、ティシュペーパーを使いきるまでさほど変化しないため、開封後の初期には香りが強く感じられるものの、使用するにつれて香りが急激に弱くなり、継続的に安定した香りの強さとすることが難しいという問題があった。
[0005]
 そこで、継続的に安定した香りの強さとすべく、上面開口部を覆うスリット付きフィルムを、香料の透過性のあるフィルム層間に、香料を接着剤等に混合して形成した香料層を介在させるなどした複数層構造のものとして、前記フィルム層を介して緩やかに香料が揮散されるようにしたものが提案されている。
[0006]
 しかしながら、ティシュペーパー製品における上面開口部を覆うスリット付きフィルムは、内部のティシュペーパーをスムーズに引き出せるとともに、その引き出されたティシュペーパーの一部をスリット縁部で保持して内部への落ち込みを防止するための、適度なコシが必要とされるところ、上記のように、スリット付きフィルムを複数層構造とした場合には、香料層に含まれる接着剤や、複数層とすることによる厚み増加等により、フィルムのコシが過度に高くなり、ティシュペーパーの取り出しがスムーズに行なわれずに破れるおそれが高まるという問題があった。
[0007]
 また、スリット付きフィルムが設けられる位置は、収納箱内の内側上面中央であり、またスリットがあるがために、香料層を含む複数層構造としても、香料層に含まれる香料のうち空気より軽い成分がスリットを介して外部に揮散しやすく、反対に空気より重い成分はスリット付きフィルムに対面する収納箱内のティシュペーパー束の中でも特に上方のティシュペーパーにのみ強く付与されやすい。したがって、収納箱内のティシュペーパー全体に適度な均一の香りが付与されないおそれがある。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2010-179946号公報
特許文献2 : 特開2007-182248号公報
特許文献3 : 特開2010-52815号公報
特許文献4 : 特開2006-198556号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 そこで、本発明の主たる課題は、特にティシュペーパーの取出し性に優れるとともに、使用開始から所望の香りが継続的に安定して感じられる香り付きティシュペーパー製品を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010]
 上記課題を解決した本発明及びその作用効果以下のとおりである。
[0011]
〔請求項1記載の発明〕
 上面と底面とこれらに連接する一対の長側面及び短側面とを有する直六面体形状の箱体と、この箱体に形成された開封用ミシン目線と、この開封用ミシン目線で囲まれる範囲内にスリットが位置するようにして貼付されているスリット付きフィルムとを有する収納箱に、複数のティシュペーパーが折り畳まれ積層されてなる束が収納されているティシュペーパー製品であって、
 前記スリット付きフィルムとは別に、香料透過樹脂層と香料非透過樹脂層との間に香料層を介在させた芳香フィルムが、前記香料透過樹脂層をティシュペーパーの束側に向けて、前記箱体の少なくとも上面の内側面を含む範囲に貼付されている、
 ことを特徴とする香り付きティシュペーパー製品。
[0012]
〔請求項2記載の発明〕
 芳香フィルムが、箱体の上面の内側面から長側面の内側面にかけて貼付されている、請求項1記載の香り付きティシュペーパー製品。
[0013]
〔請求項3記載の発明〕
 芳香フィルムが、箱体の上面の内側面と長側面の内側面との間の境界谷線に対して接着されている、請求項2記載の香り付きティシュペーパー製品。
[0014]
〔請求項4記載の発明〕
 香りの異なる複数の芳香フィルムが貼付されている請求項1~3の何れか1項に記載の香り付きティシュペーパー製品。
[0015]
〔請求項5記載の発明〕
 スリット付きフィルムと芳香フィルムとが、それらのフィルムの収納箱長手方向側の少なくとも一方の縁の位置が一致するようにして貼付されている、請求項1~4の何れか1項に記載の香り付きティシュペーパー製品。
[0016]
〔請求項6記載の発明〕
 カートンブランクに対して、スリット付きフィルムを開封用ミシン目線で囲まれる範囲内に前記スリットが位置するようにしてスリット付きフィルムを貼付するとともに、香料透過樹脂層と香料非透過樹脂層との間に香料層を介在させた芳香フィルムを貼付し、
 その後にカートブランクを組立て、ティシュペーパー束を収納する、ことを特徴とする香り付きティシュペーパー製品の製造方法。

発明の効果

[0017]
 以上の本発明によれば、ティシュペーパーの取出し性に優れるとともに、使用開始から所望の香りが継続的に安定して感じられる香り付きティシュペーパー製品が提供される。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本発明の実施形態のティシュペーパー製品の斜視図である。
[図2] 本発明の実施形態のティシュペーパー製品の構造を説明するための斜視図である。
[図3] 本発明の実施形態の収納箱の展開状態を箱内面側から見た図である。
[図4] 本発明の実施形態のティシュペーパー製品の断面図である。
[図5] 本発明の実施形態に係る香り付きフィルムの断面図である。
[図6] 本発明の実施形態に係る香り付きティシュペーパー製品のフィルム貼付態様例を示す収納箱の展開図である。
[図7] 本発明の実施形態に係る香り付きティシュペーパー製品の他のフィルム貼付態様例を示す収納箱の展開図である。
[図8] 本発明の実施形態に係る香り付きティシュペーパー製品の別のフィルム貼付態様例を示す収納箱の展開図である。
[図9] 本発明の実施形態に係る香り付きティシュペーパー製品のさらに別のフィルム貼付態様例を示す収納箱の展開図である。
[図10] 本発明の実施形態に係る香り付きフィルムの接着態様を示す図である。
[図11] 本発明の実施形態に係る香り付きフィルムの他の接着態様を示す図である。
[図12] カートンブランクへのスリット付きフィルムの貼付態様を説明するための図である。
[図13] 本発明の実施形態に係るスリット付きフィルムと香り付きフィルムの貼付方法を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 本発明の実施形態を図1~13を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るティシュペーパー製品100は、複数枚のティシュペーパー2t,2t…が、折り畳まれ積層されてなるティシュペーパー束2が、上面11に形成された開封用ミシン目線20を有する収納箱1に収納されており、前記開封用ミシン目線20を切り裂いて形成される取出口20Xからティシュペーパー2tを取り出して使用する。
[0020]
 図示の形態に係る収納箱1は、直六面体形状の製品外観をなすものであり、上面11に取出口20Xを形成するための開封用ミシン目線20を有する箱体10と、前記開封用ミシン目線20により囲まれる範囲20aを箱体の上面の内側面側から覆うスリット付きフィルム30とを有している。
[0021]
 箱体10は、収納箱1の外郭をなすものであり、その大きさ、外観形状、展開形状等は既知の収納箱の箱体の構成が採用される。一般的な収納箱の大きさは、概ね長手縁L1が110~320mm、短手縁L2が70~200mm、高さL3が40~150mm程度であり、本発明に係る収納箱1もこの大きさとすることができる。箱体は内面や外面に適宜の印刷が施されていても良い。
[0022]
 また、箱体10の基材としては、バージンパルプ、古紙パルプ等の各種のパルプを主原料とする既知の紙素材や紙加工素材が採用できる。好適な箱体10の素材は、坪量250~500g/m 2のコートボール紙である。
[0023]
 図示の箱体10の組立て構造は、図2及び図3から理解されるように、底面12と一方の長側面13を糊代部12Aで糊付けして筒状とした後、上面11、底面12及びこれらを連接する長側面13から延出する各フラップF,F…を箱内面側に折り返し、各フラップF,F…の当接部分をホットメルト接着剤等により接着して短側面14を構成した構造となっている。但し、本発明の箱体10は、この組立て構造に限定されるわけではない。
[0024]
 箱体10の上面に形成される開封用ミシン目線20は環状をなしており、そのカットタイ比は適宜の値とすることができる。開封用ミシン目線20は、通常のミシン目線の他、二重ミシン目線、ジッパーミシン目線等で構成することができる。一部分のみ二重ミシン目線としてもよい。
[0025]
 本実施形態に係る開封用ミシン目線20は、紙箱長手方向に延在する長辺とこの長辺の端同士を繋ぐ短手縁に平行な短辺を有し、その開封用ミシン目線20に囲まれる範囲20aの形状が、収納箱1の長手方向に沿う方向が長い適宜の形状となっている。一般的には、収納箱1の長手方向に沿うやや細長い角取り矩形、或いはその矩形の長辺の中央部を外方に向かってやや膨張させてアーチ状とし、楕円に近い形状としたものである。図示の形態は前者の例である。
[0026]
 スリット付きフィルム30は、前記開封用ミシン目線20により囲まれる範囲20aより大きく、例えば、矩形や楕円形であり、箱体上面の内面側11iにおいて、特に開封用ミシン目線20の切り剥がしに影響がないように、開封用ミシン目線20に囲まれる範囲20aの外側で接着剤によって貼付されている。スリット付きフィルム30におけるスリット31は、前記開封用ミシン目線20により囲まれる範囲20aで長手方向に沿って位置されており、したがって、図1、図3に示すとおり、開封用ミシン目線20に沿ってその開封用ミシン目線20で囲まれる範囲20aの一部又は全部を切り剥がすことにより、紙箱上面11に取出口20Xが形成されるとともに、前記スリット付きフィルム30及びスリット31が取出口20Xを介して露出される。そして、このスリット31から一枚ずつティシュペーパー2tが引き出せるようになる。
[0027]
 ここで、本発明に係る香り付きティシュペーパー製品100に係る収納箱1は、図1~3及び図6~9に示すように、特徴的に、スリット付きフィルム30とは別に、芳香フィルム32を有している。この芳香フィルム32は、図5に示すように、香料透過樹脂層32Aと香料非透過樹脂層32Bとの間に香料層32Cを介在させた構造となっており、箱体10に対しては、その香料透過樹脂層32Aをティシュペーパーの束2側に向けて、箱体10の上面11の内側面11iを含む範囲に貼付されている。芳香フィルム32を、香料の透過性のある香料透過樹脂層32Aと、香料の透過性がない或いは著しく低い香料非透過樹脂層32Bとの間に香料を含む香料層32Cを介在させたものとすることにより、香料層32Cに含まれる香料が香料透過樹脂層32Aを介して徐々に揮散するようになり、香料を直接的にティシュペーパーや箱内面に付着させたりしたものと比較して、徐放性の効果が発揮されるようになっている。また、その芳香フィルム32が、香料透過樹脂層32Aをティシュペーパーの束2側に向けて、箱体10の内側面に貼付しているため、箱体10が紙素材等、通気性のある素材で構成されていても、香料が外部に揮散し難くなっている。
[0028]
 また、本発明に係る香り付きティシュペーパー製品100では、芳香フィルム32を、ティシュペーパー2tを一枚ずつ引き出すためのスリット付きフィルム30とは、別に設けているため、そのスリット付きフィルム30を、ポリエチレンやポリプロピレンといった安価でかつ適当な厚みで柔軟性のある従来素材を使用することができ、スリット付きフィルム30を香料層を有する複数構造のフィルムとする場合と比較して、ティシュペーパー或いは製品周囲への香気を付与する効果を得るために、ティシュペーパーの取出し性やフィルムの生産性、製造コストを犠牲にすることがない。さらに、スリット付きフィルム30は、開封用ミシン目線20で囲まれる範囲20aを被覆し、また、ティシュペーパー2tを破ることなく取り出せる長さのスリット31を形成する必要があるため、ある程度の大きさが必要であるが、芳香フィルム32は、香気を付与するという観点からは必ずしもこのような大きさである必要がない。スリット付きフィルム30を香料層を有する複数層構造のものとすると、必要以上の大きさのフィルムを要することになりコスト高となるおそれがあるが、本発明のように別体の場合にはそのような問題が生じない。
[0029]
 このように、本発明に係る香り付きティシュペーパー製品100は、スリット付きフィルム30と芳香フィルム32を別のものとすることにより、それぞれの効果が互いに拘泥されることなく自由に設計することができる。してみれば、芳香フィルム32をスリット付きフィルム30として使用が難しい厚さや大きさにすることができるようになるため、特に芳香フィルムの面積をスリット付きフィルムよりも小さくし、その小さくした分、香料層の厚さを増加させるといった設計が可能となる。本実施形態に係る図示例のティシュペーパー製品100においても、芳香フィルム32の面積がスリット付きフィルム30の面積よりも小さく、また、芳香フィルム32の厚さがスリット付きフィルム30の厚さよりも厚いものとなっている。
[0030]
 芳香フィルム32の貼付態様としては、特に、図2、3及び図6~8に示す例のように、箱体10の上面11の内側面11iから長側面13の内側面13iにかけて、これらの面11i,13iの間の境界谷線70を跨いで芳香フィルム32が貼付するのが望ましい。このようにすると、図4に点線で示すように、香料層中に含まれる空気より重い成分が、収納箱1の長側面13の内側面13iに沿うようにして下方に移行するようになり、ティシュペーパー束2の特に折り返し縁が積層されて構成される面に、当該の重い成分が確実に接触することになる。その際には、ティシュペーパーの層間への香料の入り込みも期待できる。よって、ティシュペーパー束2を構成する各ティシュペーパーに対して、その重い成分に係る香気が付着されてティシュペーパー束2における上方部分と下方部分での香りの差が少ないものとなる。また、スリット31から遠い位置に芳香フィルム32が位置するので、香料中の空気より軽い成分についても、スリット31を介して揮散しがたく、収納箱内に留まりやすい。
[0031]
 そして、このように芳香フィルム32の貼付態様を箱体10の上面11の内側面11iから長側面13の内側面13iにかけて、これらの面11i,13iの間の境界谷線70を跨いで貼付するのであれば、図10及び図11に示すように、芳香フィルム32の周縁部に連続的又は間欠的に接着剤60Aを配置して、当該周縁部が箱体10から剥がれないようにするとともに、前記境界谷線70に対しても接着剤60Bによって接着するようにするのが望ましい。芳香フィルム32が境界谷線70に対して接着されていない場合には、収納箱内中央方向に芳香フィルム32が弛んでティシュペーパー束2に過度に接触して、ティシュペーパー2tの取出し時の抵抗を大きくしてしまうおそれがある。また、芳香フィルム32の貼付は、カートンブランクの状態で行なうのが望ましいが、芳香フィルム32が境界谷線70に対して接着していないカートンブランクでは、カートンブランクを組み立てて筒型にした際に、芳香フィルム32が波打ってしまい、その後のティシュペーパー束2の挿入不良が生ずるおそれがある。
[0032]
 芳香フィルムを接着するための接着剤は、スリット付きフィルムを接着するための接着剤と同様の既知のものが使用できる。
[0033]
 ここで、本実施形態に係る芳香フィルム32の具体的な構成を説明すると、まず、香料透過樹脂層30Aは、ポリエチレンフィルム層、ポリプロピレンフィルム層が好適である。香料透過樹脂層30Aの厚みは、香料の徐放性の程度、コスト及び香料フィルムの生産性などの点から10~100μm、特に15~60μmとするのが望ましい。
[0034]
 一方、香料非透過樹脂層32Bとして好適な層は、ポリエチレンテレフタレートフィルム層、ポリ塩化ビニリデンフィルム層、株式会社クラレ社製のエバールなどのEVOH樹脂フィルム層(エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム層)、EVOH樹脂にスチレン系エラストマーを配合した樹脂からなるフィルム層が挙げられ、特に、ポリエチレンテレフタレートフィルム層が安価であり望ましい。香料非透過樹脂層32Bの厚さとしては、香料の十分な不透過性の確保、コスト及び香料フィルムの生産性などの点から10~50μmとするのが望ましい。
[0035]
 香料層30Cは、香料を含有した薄膜の接着剤層や粘着剤層、香料を練り込んだ樹脂製フィルム層が例示できる。香料層30Cを接着剤層等として形成する場合、例えば、天然ゴム系、天然ゴムラテックス系、アクリル系、ホットメルト系、ポリエステル系の粘着剤や接着剤を用いることができる。好ましくは、ポリエステル系接着剤、アクリル系粘着剤である。香料を練り込んだ樹脂製フィルムとする場合、基材樹脂は、スチレンブロックとジエンブロックを有するゴム質ブロック共重合体が望ましい。係るゴム質ブロック共重合体としては、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体、スチレン-イソプレン-ブチレン-スチレン共重合体、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体、及びこれらの水素添加物が例示できる。
[0036]
 香料層中に含有させる香料としては、天然系あるいは合成系の既知の香料を用いることができる。特に本発明に係る香り付きティシュペーパー製品100では、芳香フィルム32の貼付位置が、空気よりも重い香料及び空気よりも軽い香料が含まれていると効果を特に発揮することから、これらの成分の双方が含有されているのがよい。香料の具体例としては、レモン油、グレープフルーツ油、ローズマリー油、ペパーミント油、マンダリン油、ライム油、ユズ油、カモミール油、ラベンダー油、ローズ油、スペアミント油等の天然香料;アルコール、ケトン、アルデヒド、リモネン、リナロール、シトロネロール、メントール、ゲラニオール等のテルペン類の合成香料などが挙げられる。
[0037]
 また、香料層32Aには、香料に加えて、ティシュペーパー2tのパルプ臭を消臭するための消臭剤や防カビ剤等の薬液を含有させてもよい。
[0038]
 香料層32Cの厚みとしては、5~80μmが望ましく、15~35μmが最も望ましい。また、香料の含有量は、0.5~15g/m 2が望ましく、1~6g/m 2が最も望ましい。
[0039]
 他方、本実施形態に係る芳香フィルム32は、香料透過樹脂層32A、香料非透過樹脂層32B、香料層32Cを、Tダイ法による共押出法、押し出しラミネート法、ドライラミネート法によって積層一体化して形成することができる。ここで、香料透過樹脂層32A、香料非透過樹脂層32B、香料層32Cは、必ずしも単層である必要はなく、その機能を阻害しない態様であれば複数層からなる層であってもよい。また、本実施形態に係る芳香フィルム32は、各層を好適に接着するための層など適宜の層が介在されていてもよい。
[0040]
 ここで、環状の開封用ミシン目線20aの範囲がスリット付きフィルム30で被覆されたティシュペーパー製品100を製造するにあたっては、図12に示すように、後にスリット付きフィルムとなるフィルムシートが巻かれた原反ロール30xから、順次当該フィルムシート30cを繰り出し、スリットカッター52でスリットを形成し、ロール周面に幅方向に沿ってカッター刃50Aを設けた回転式カッター50によって適切な長さにカットするとともに、回転式カッター50に対面するバキューム機能を有するロール51に移行して搬送し、順次送られてくる予め所定位置に糊が付与されたフィルム未貼付のカートンブランク10xの当該所定位置に重ねて両者を貼り合せて、スリット付きフィルム30が貼られたカートンブランク10’を製造する。そして、このカートンブランク10’を箱形に組立てティシュペーパー束2を挿入してフラップF,F…を封止することで製造される。
[0041]
 したがって、本発明に係る香り付きティシュペーパー製品100の製造方法は、その生産性を落とすことなく、芳香フィルム32を簡易かつ確実な位置に貼付することができるようにすべく、スリット付きフィルム30をカートンブランク10xに貼付する装置を用い、図13に示すように(図13中ではスリットカッターは図示しない)、帯状の連続芳香フィルム32cを巻き取った原反ロール32xから連続芳香フィルム32cを繰出して、スリット付きフィルム30となるフィルムシート31cと幅方向位置が異なる位置で、スリット付きフィルムに係るフィルムシート31cをカットする回転式カッター50に供給し、上記スリット付きフィルムと同時にカットし、その後にスリット付きフィルムとともにバキューム機能付きのロール51に移行して搬送して、同時にカートンブランク10xに貼付するようにする。このようにすれば、特段、芳香フィルム32を貼付するために要する時間や手間はないため、ティシュペーパー製品100の生産性が低下するということがない。ここで、かかる製造方法により製造される香り付きティシュペーパー製品100では、スリット付きフィルム30に係るフィルムシート30cと芳香フィルム32に係る連続芳香フィルム32cとが同時に回転式カッター50でカットされるため、カートンブランク10xに貼付した際には、図2及び図3に示す例や図6、図7に示す例の如く、スリット付きフィルム30と芳香フィルム32とが、それらのフィルムの収納箱長手方向側の少なくとも一方の縁の位置が一致するようにして貼付されるようになる(一致位置を図3,6,7中符号Pで表す)。
[0042]
 換言すればこのように、スリット付きフィルム30と芳香フィルム32とが、それらのフィルムの収納箱長手方向側の少なくとも一方の縁の位置が一致するようにして貼付されている構成のものは、上記製造ができるということであり、製造上のメリットを有する。
[0043]
 他方、本発明に係る香り付きティシュペーパー製品100において、芳香フィルム32は一枚に限らず、図6のように二枚以上貼付してもよい。この場合には、各芳香フィルムにおける香料種類やその構成が同一である必要はない。
[0044]
 以上説明してきた構成の収納箱1に収納されるティシュペーパー束2についても説明すると、この束2は、方形のティシュペーパー2tが実質的に二つ折りされ、その折り返し片の縁が上下に隣接するティシュペーパー2tの折り返し内面に位置するようにして、互い違いに重なり合いつつ積層されたものである。なお、ここで実質的にとは、製造上の形成される縁部の若干の折り返しを許容する意味である。
[0045]
 この積層構造のティシュペーパー束2は、最上位に位置する一枚の折り返し片を上方に引き上げると、その直下で隣接する他の一枚の折り返し片が、摩擦により上方に引きずられて持ち上げられる。そして、かかる構造のティシュペーパー束2は、その最上面が上述の上面11に取出口20Xを有する収納箱1の当該上面に向かいあって収納され、前記取出口20X、特にスリット31から最初の一組(最上面に位置する一組)が引き出されたときに、その直近下方に位置する他の一組の一部が露出される。なお、本発明におけるティシュペーパー2tの積層枚数が限定されないが、この種の製品の一般的な積層枚数を例示すれば、120~240組である。
[0046]
 このティシュペーパー束2は、マルチスタンド式、ロータリー式の既知のインターフォルダにより製造することができる。
[0047]
 ティシュペーパー束2を構成するティシュペーパー2tは、2枚~3枚の薄葉紙が積層されたプライ構造を有しているのが望ましい。
[0048]
 その薄葉紙の原料パルプとしては、NBKPとLBKPとを配合したものであり、適宜古紙パルプが配合されていてもよいが、風合いなどの点で、NBKPとLBKPのみから構成されているのがよい。その場合配合割合としては、NBKP:LBKP=20:80~80:20がよく、特に、NBKP:LBKP=30:70~60:40が望ましい。
[0049]
 本発明に係るティシュペーパー2tの各プライを構成する薄葉紙1枚あたりの米坪は、好ましくは9~25g/m 2、より好ましくは10~15g/m 2である。米坪が9g/m 2未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、使用に耐えうる十分な強度を適正に確保することが困難となる。逆に米坪が25g/m 2を超えると紙全体が硬くなるとともに、ゴワ付き感が生じてしまい肌触りが悪くなる。なお、米坪は、JIS P 8124(1998)の米坪測定方法による。
[0050]
 他方、本発明に係るティシュペーパーの紙厚は、2プライの状態で100~160μm、より好ましくは120~140μmであるのが望ましい。紙厚が100μm未満では、柔らかさの向上の観点からは好ましいものの、ティシュペーパーとしての強度を適正に確保することが困難となる。また、160μm超では、ティシュペーパーの肌触りが悪化するとともに、使用時にゴワツキ感が生じるようになる。
[0051]
 なお、紙厚、スリット付きフィルム、芳香フィルムの厚みについては、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて紙厚は製品の状態、つまり2プライの製品は2プライ、3プライの製品は3プライの状態で測定する。測定は、具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この厚みの測定時の荷重は、120μmの際に約70gfである。なお、紙厚、シート材、フィルム層に用いるフィルム厚みは測定を10回行って得られる平均値とする。

符号の説明

[0052]
 100…ティシュペーパー製品、2…ティシュペーパー束、2t…ティシュペーパー、11…収納箱(紙箱)上面、20…開封用ミシン目線、1…収納箱、20a…開封用ミシン目線で囲まれる範囲、20X…取出口、30…スリット付きフィルム、10…箱体、12…収納箱(紙箱)底面、12A…糊代部、13…収納箱(紙箱)長側面、14…収納箱(紙箱)短側面、F…フラップ、31…スリット、32…芳香フィルム、32A…香料透過層、32B…香料非透過層、32C…香料層、L1…収納箱の長手縁、L2…収納箱の短手縁、L3…収納箱の高さ、11i…収納箱(紙箱)上面の内側面、 13i…収納箱(紙箱)長手側面の内側面、70…境界谷線、60A,60B…接着剤、30x…原反ロール、30c…フィルムシート、50A…カッター刃、50…回転式カッター、51…バキューム機能を有するロール、10x,10’…カートンブランク、32x…原反ロール、32c…連続芳香フィルム、P…芳香フィルムとスリット付きフィルムの一致位置。

請求の範囲

[請求項1]
 上面と底面とこれらに連接する一対の長側面及び短側面とを有する直六面体形状の箱体と、この箱体に形成された開封用ミシン目線と、この開封用ミシン目線で囲まれる範囲内にスリットが位置するようにして貼付されているスリット付きフィルムとを有する収納箱に、複数のティシュペーパーが折り畳まれ積層されてなる束が収納されているティシュペーパー製品であって、
 前記スリット付きフィルムとは別に、香料透過樹脂層と香料非透過樹脂層との間に香料層を介在させた芳香フィルムが、前記香料透過樹脂層をティシュペーパーの束側に向けて、前記箱体の少なくとも上面の内側面を含む範囲に貼付されている、
 ことを特徴とする香り付きティシュペーパー製品。
[請求項2]
 芳香フィルムが、箱体の上面の内側面から長側面の内側面にかけて貼付されている、請求項1記載の香り付きティシュペーパー製品。
[請求項3]
 芳香フィルムが、箱体の上面の内側面と長側面の内側面との間の境界谷線に対して接着されている、請求項2記載の香り付きティシュペーパー製品。
[請求項4]
 香りの異なる複数の芳香フィルムが貼付されている請求項1~3の何れか1項に記載の香り付きティシュペーパー製品。
[請求項5]
 スリット付きフィルムと芳香フィルムとが、それらのフィルムの収納箱長手方向側の少なくとも一方の縁の位置が一致するようにして貼付されている、請求項1~4の何れか1項に記載の香り付きティシュペーパー製品。
[請求項6]
 カートンブランクに対して、スリット付きフィルムを開封用ミシン目線で囲まれる範囲内に前記スリットが位置するようにしてスリット付きフィルムを貼付するとともに、香料透過樹脂層と香料非透過樹脂層との間に香料層を介在させた芳香フィルムを貼付し、
 その後にカートンブランクを組立て、ティシュペーパー束を収納する、ことを特徴とする香り付きティシュペーパー製品の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]