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1. (WO2015129426) 加熱工程用表面保護フィルム
Document

明 細 書

発明の名称 加熱工程用表面保護フィルム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045  

実施例

0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

産業上の利用可能性

0101  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : 加熱工程用表面保護フィルム

技術分野

[0001]
 本発明は、金属板、樹脂板等の被着体表面に貼り合わせ、これら被着体に加熱工程を伴う加工を行うための加熱工程用の表面保護フィルムに関し、特に被着体と貼り合わせた後の印刷加工や熱成形等の加工を経た後も粘着力が昂進することなく、また加工中にトンネリングと呼ばれるトンネル状にフィルムが浮き上がる現象が発生せず、薄い被着体と貼り合わされた場合にもカールと呼ばれる表面保護フィルム側に反り返る現象が生じることがなく、被着体に安定して密着する特徴を有する加熱工程用の表面保護フィルムに関するものである。

背景技術

[0002]
 表面保護フィルムは、様々な使用条件に耐える粘着機能を保持しながら、表面保護機能を終えた際には、容易に剥離できる程度の軽度の粘着力であることが要求され、しかも被着体を汚染してはならず、表面保護フィルムの痕跡を被着体に残さないことが重要である。
[0003]
 すなわち、被着体に貼り合わせた状態で印刷・乾燥加工や熱成形等の高温加工、打ち抜きや絞り加工、切断や研磨等の各種加工が施される場合は、かかる加工性に優れることが要求される。具体的には、ハードコートされたタッチパネル等の光学用フィルムに使用される場合や、家電銘板、カーメーター、スーツケース、ヘルメット、ダミー缶などの製造に際し、素材となる各種樹脂板の表面を保護しつつ、印刷・乾燥工程や成形加工などの工程で高温に曝される場合にはカールやトンネリング現象が起きないことが要求される。大きなカールが発生した場合には、搬送時に反り返った部分が原因で被着体に傷を生じたり、印刷工程や塗装工程で位置決め精度を悪化させたりすることがあった。また、トンネリング現象が発生した場合、トンネリング痕が被着体側に残ることがあった。
[0004]
 一方、表面保護フィルムはロール状で供されるが、粘着層とフィルム背面側との滑り性、耐ブロッキング性に優れることでロールから容易に巻き出せることも重要であり、被着体に貼り込む際の作業性が安定していることも要求される。
[0005]
 表面保護フィルムの高温加工における粘着昂進を防ぐための手段としては、粘着層にエチレン・α-オレフィン共重合体を用いる提案が数多くなされている(特許文献1、2、3)が、滑り性や耐ブロッキング性等のハンドリング性が不十分であったり、耐熱性が不十分であったり、フィルム背面同士が融着する等の問題があった。
[0006]
 また、表面保護フィルムの巻き出し容易性を改善する方法としては、基材層を構成する熱可塑性樹脂に無機粒子を添加することなどが提案されている(特許文献4)が、かかる無機粒子で被着体が傷つく問題があった。
[0007]
 更に、保護フィルムを被着体に貼合わせた状態で、高温環境にさらされる場合、被着体からの浮きや剥がれがなく、被着体にカールを生じさせることがない等の耐熱性に優れ、かつ耐ブロッキング性にも優れたものを得るべく、ポリプロピレン系樹脂からなる表面層、結晶性ポリプロピレンからなる基材層、非晶性α-オレフィン系重合体及び結晶性ポリプロピレン系重合体からなる粘着層とする提案(特許文献5)がされている。
[0008]
 しかるに、上記の如く、全ての層にプロピレン系重合体を用いると、ブロッキングを発生させる場合があるだけでなく、ポリエチレン系重合体と比較してコストが高くなり、特に粘着層ではポリエチレン系重合体と比較して粘着剤量の増量や共重合成分の増量を行う必要があるなど、経済上の観点から好ましくない場合がある。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開平3-47886号公報
特許文献2 : 特開平4-55488号公報
特許文献3 : 特開平8-323942号公報
特許文献4 : 特開昭55-165974号公報
特許文献5 : 特開2008-68564号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0010]
 本発明は、耐熱性に優れ、被着体と貼り合わされた後、加熱加工や熱成形において粘着力が昂進することがなく、線膨張によるトンネリングや熱収縮によるカールの発生のない表面保護フィルムを提供せんとするものである。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明の上記課題は、以下の本発明によって達成された。
[0012]
 すなわち本発明は、粘着層(A)、中間層(C)および背面層(B)の3層がこの順に積層された複合形態からなり、(A)層は低密度のポリエチレン系樹脂(a1)、および粘着付与剤(a2)またはエラストマー(a3)からなり、(B)層及び(C)層は、それぞれポリプロピレン系樹脂組成物(b)およびポリプロピレン系樹脂組成物(c)からなり、(C)層樹脂組成物の密度ρ と(A)層樹脂組成物の密度ρ の差|ρ -ρ |、および(C)層樹脂組成物の密度ρ と(B)層樹脂組成物の密度ρ の差|ρ -ρ |がともに0.020g/cm 以下であることを特徴とする加熱工程用表面保護フィルムである。
[0013]
 さらに本発明の好ましい態様は、低密度のポリエチレン系樹脂(a1)が、エチレン・α-オレフィン共重合体および高圧法低密度ポリエチレンから選ばれる1種以上の樹脂からなることを特徴とする上記に記載の加熱工程用表面保護フィルムである。
[0014]
 さらに、(A)層が低密度のポリエチレン系樹脂(a1)および粘着付与剤(a2)からなり、粘着付与剤(a2)がポリテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、および石油系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂からなることを特徴とする上記のいずれかに記載の加熱工程用表面保護フィルムである。
[0015]
 さらに、(A)層が低密度のポリエチレン系樹脂(a1)およびエラストマー(a3)からなり、エラストマー(a3)がスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする上記に記載の加熱工程用表面保護フィルムである。
さらに、(C)層のポリプロピレン系樹脂(c)がエチレン・プロピレン・ブテン共重合体であることを特徴とする上記に記載の過熱工程用表面保護フィルムである。
[0016]
 さらに、フィルム全体の厚さに対する(A)層厚さの割合が20~35%の範囲にあり、(B)層厚さの割合が5~15%の範囲にあることを特徴とする上記に記載の加熱工程用表面保護フィルムである。
[0017]
 さらに、粘着層(A)側を厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り合わせた後、90℃で15分間保持後の反り高さが10mm未満であることを特徴とする上記に記載の加熱工程用表面保護フィルムである。

発明の効果

[0018]
 本発明によれば、前記課題を解決し、金属板、樹脂板等の表面に貼り合わせ使用する時において、被着体と貼り合わせ後の印刷加工や熱成形等の加工に際して粘着力が昂進することなく、またトンネリング現象、あるいはカールが生ずることなく被着体に安定して密着できる加熱工程用表面保護フィルムを再現性よく提供することができる。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、本発明を詳しく説明する。
[0020]
 本発明は、加熱工程用表面保護フィルムであり、前述の通り高温下での粘着力昂進を抑制すること、印刷加工や熱成形等の加工に際してはトンネリング、またはカールが発生することなく被着体に安定した密着性を発揮すること、さらに耐ブロッキング性で代表されるハンドリング性(表面特性)が課題となる。カールやトンネリングについては、加熱工程において被着体と表面保護フィルムの線膨張係数の差、および表面保護フィルムの表裏の線膨張係数の差により収縮率が異なることが原因と考えられる。フィルムの表裏の線膨張係数の挙動はフィルム製膜時の結晶化度・配向度の影響が大きく、選択する原材料の種類や密度によって大きく左右される。本発明では、以下に説明する特定の粘着層、中間層、背面層からなる複合形態にすることで、カール、トンネリングを含む課題を一挙に解決した。
[0021]
 先ず本発明の保護フィルムは、粘着層(A)、中間層(C)および背面層(B)の3層がこの順に積層された複合形態からなる。通常溶融押出で製膜した場合、製膜初期の不安定部や端部の膜厚不均一部分を除去するが、3層構成とすることで中間層へこの回収原料を再利用することが可能となり、使用する原料が低減でき経済的に好ましい。言い換えれば、中間層(C)には回収原料を混ぜて経済的な製法とする一方で、粘着層(A)および背面層(B)には規定のバージン原料を使用し、これら表層の特性を安定に保つことができるメリットがある。
[0022]
 次に本発明における粘着層(A)の要件は以下の通りである。
[0023]
 本発明における粘着層(A)は、低密度のポリエチレン系樹脂(a1)、および粘着付与剤(a2)またはエラストマー(a3)からなる。
[0024]
 本発明における低密度のポリエチレン系樹脂(a1)とは、密度ρ が0.900~0.930g/cm の範囲にあるポリエチレン系樹脂であることが好ましく、具体的には直鎖状低密度ポリエチレンまたは高圧法低密度ポリエチレンであることが好ましい。ρ が0.930g/cm を超える中密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンでは目的とする粘着力が発現しない。
[0025]
 本発明における直鎖状低密度ポリエチレンは、モノマーであるエチレンと少量のα-オレフィンの共重合体であり、かかるエチレン・α-オレフィン共重合体を構成するコモノマーであるα-オレフィンの種類は特に限定されるものでないが、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-1、1-オクテン等を挙げることができるが、中でも1-ヘキセン或いは4-メチルペンテン-1を用いると強度の高い粘着層が得られるので好ましい。なかでも、エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体が特に好ましく例示される。融点は主ピークが110~130℃の範囲のものを使用するのが好ましい。融点の主ピークを110℃以上とすることで被着体表面の汚染を抑えることができやすく、130℃以下とすることで被着体に対する安定した密着力を得やすく、熱成形の際の被着体への追随性が良くなるため好ましい。密度や融点はα-オレフィンの短鎖分岐の状態やそれによる結晶状態などにより決まる。エチレン・α-オレフィン共重合体の構造因子は、その平均分子量、分子量分布の他に短鎖分岐種、短鎖分岐度及び組成分布などがあるが、密度、融点の要件はコモノマー量10モル%までで得ることが出来る。エチレン・α-オレフィン共重合体は複数の融点ピークを示すこともあるが、本発明では示差走査熱量計を用いた示差走査熱量測定(DSC)曲線から求められる融点の主ピークを指す。エチレン・α-オレフィン共重合体は従来のマルチサイト触媒による合成方法に加え、シングルサイト触媒(カミンスキー触媒、メタロセン触媒)を用いた合成方法もある。いずれも本発明において使用することができる。
[0026]
 上記エチレン・α-オレフィン共重合体は、一般的にポリエチレン等の他のオレフィン樹脂と比較すると熱安定性に劣るため、押出成形するために酸化防止剤などの熱安定剤を500~3,000ppm添加するのは好ましい方法である。但し、添加し過ぎると被着体を汚染する恐れがあるため、最小必要量に限定するのが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系、芳香族アミン系、チオエーテル系、リン系などがあり、少量配合で効果を高めるため、2種以上のものを併用するのが好ましい。例えば、フェノール系とリン系の併用は好ましい方法である。
[0027]
 本発明における低密度のポリエチレン系樹脂(a1)としては、高圧法低密度ポリエチレンを上記直鎖状低密度ポリエチレンと併用または代わりに使用しても良い。高圧法低密度ポリエチレンは約1,000~4,000気圧の高圧条件下、100℃~350℃で重合された低密度ポリエチレンであり、融点100~130℃の範囲のものが好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンと同様、融点を100℃以上とすることで被着体表面の汚染を抑えることができやすく、130℃以下とすることで被着体に対する安定した密着力を得やすく、熱成形の際の被着体への追随性が良くなるため好ましい。
[0028]
 本発明における粘着付与剤(a2)とは、高分子中に分散して高分子を可塑化し粘着性を発現させる材料の総称であり、ポリテルペン系、ロジン系、石油樹脂系、石炭樹脂系の粘着付与剤が挙げられる。ポリテルペンの構造ユニットとしては、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテンがあり、また水添化物(水添テルペン樹脂)がある。変性物としてはテルペンスチレン樹脂、テルペンフェノール樹脂等がある。また、ロジン類としてはロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジン変性物、誘導体としてロジンまたは水添ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリットエステル等を挙げることができる。石油樹脂系としては、石油系脂肪族炭化水素樹脂、石油系芳香族炭化水素樹脂、石油系脂肪族・芳香族共重合炭化水素樹脂、石油系脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。石油系脂環族炭化水素樹脂は、脂環族石油樹脂ということがある。石炭樹脂系としては、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。
[0029]
 本発明におけるエラストマー(a3)としては、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(HSBR)のスチレン系熱可塑性エラストマー、非晶性或いは低結晶性のいわゆるエチレン・α-オレフィン共重合体エラストマーや多元(三元など)共重合体などのポリオレフィンエラストマーなどが挙げられる。
[0030]
 前記粘着付与剤(a2)およびエラストマー(a3)は特に限定されるものではないが、低密度のポリエチレン系樹脂(a1)との組み合わせにおいては、被着体を汚染しにくいことから、粘着付与剤としてはテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂、エラストマーとしてはスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。また、これら粘着付与剤およびエラストマーは、それぞれ1種類を単独で使用してもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。かかる粘着付与剤(a2)またはエラストマー(a3)の含有量は、被着体との所望する粘着力により適宜決定すればよいが、粘着層(A)中1~40重量%の範囲が好ましい。40重量%より多い場合は、被着体汚染の恐れがあり、1重量%未満では十分な粘着力を付与できないことがある。
[0031]
 次に本発明の背面層(B)は、ポリプロピレン系樹脂(b)からなることが肝要である。背面層(B)にポリプロピレン系樹脂を用いることで、加熱工程後の背面層の収縮を抑制し、カールやトンネリングを抑制することができる。ポリプロピレン系樹脂(b)としては、ホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムまたはブロック共重合体、エチレンとブテンとプロピレンとの3元共重合体(いわゆるターポリマー、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体)などを挙げることができるが、耐熱性をはじめ、滑り性やフィルムのハンドリング性、耐傷付き性の点から融点145~165℃のプロピレン系樹脂が好ましい。エチレン・プロピレン共重合体を用いる場合、エチレン含有量は1~7モル%の範囲のものが好ましい。
[0032]
 かかる背面層とすることで、一般的に滑り性を発現させるために背面層に無機化合物の微粒子などが添加されるが、本発明では無機粒子などを配合することなく、良好な滑り性や耐ブロッキング性が発現でき、無機粒子による被着体への傷付け防止を達成し得たのである。
また背面層厚さは、1μm以上20μm未満であることが好ましい。1μm以上とすることで表面を適度に粗すことができて耐ブロッキング性を発現しやすく、20μm未満とすることで、カールを抑えやすくなる。
[0033]
 上記の構成によって形成される本発明における背面層(B)の表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.1~0.30μmであることが好ましく、粘着層の表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.05~0.20μmとなるのが好ましい。かかる平滑な表面状態を形成することにより、安定した粘着力と優れたフィルムのハンドリング機能を同時に満足することができる。かかる表面粗さは、通常用いられている表面形状測定機により測定した粗さプロフィル(粗さ曲線)を解析し、求めることができる。
[0034]
 次に本発明の中間層(C)を構成するポリプロピレン系樹脂(c)としては、主としてホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂を挙げることができるが、なかでも溶融押出時に圧力の変動が生じ難いエチレン・プロピレン・ブテン共重合体、いわゆるターポリマーが好ましい。かかるプロピレン系樹脂の融点としては、耐熱性の観点から、140~165℃の範囲のものが使用できるが、上記製膜の安定性の点から145~155℃のものが好ましい。また、密度としては、0.895~0.905g/cm 範囲のものから容易に選択可能である。中間層(C)にポリプロピレン系樹脂(c)を用いることで、加熱工程後の背面層の収縮を抑制し、カールやトンネリングを抑制することができる。
[0035]
 また、かかるポリプロピレン系樹脂(c)は、1種類を単独で使用してもよく、また、2種以上混合して用いてもよく、また他のオレフィン系樹脂、例えば高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなどと混合して用いてもよい。
[0036]
 本発明の表面保護フィルムにおいて、上記中間層(C)を構成するポリプロピレン系樹脂(c)には、後述する密度を満たす限り、前述のとおり回収原料である粘着層樹脂および背面層樹脂を添加・混合して用いてもよい。一般に溶融共押出法で製膜した場合、端部の厚さ不均一な部分はスリット工程等でスリットされ除去されているが、かかる部分を中間層(C)に用いることで、使用原料の量を低減でき好ましい方法である。添加・混合の割合は、物性に大きく影響しない範囲で行われるが、上述したポリプロピレン系樹脂の添加量が70重量%未満とならないように行うことが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の添加量が70重量%未満にした場合、トンネリング現象を発生させ易くなる。
[0037]
 なお、中間層(C)には、その物性を阻害しない範囲内において、タルク、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム等の充填剤や滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、核剤等を適宜添加してもよい。また、これらを単独もしくは2種類以上併用して添加しても良い。
次に、本発明の複合形態は以下の通りである。
[0038]
 本発明の加熱工程用表面保護フィルムは、少なくとも前記粘着層(A)と中間層(C)、および背面層(B)と中間層(C)のそれぞれの樹脂組成物の密度が下記を満たす3層積層フィルムの構成である。
[0039]
 前記中間層(C)の樹脂組成物の密度(ρ )と前記粘着層(A)の樹脂組成物の密度(ρ )の差|ρ -ρ |、前記中間層(C)の樹脂組成物の密度(ρ )と前記背面層(B)の樹脂組成物の密度(ρ )との差|ρ -ρ |をともに0.020g/cm 以下とする必要がある。かかる密度差|ρ -ρ |と|ρ -ρ |のいずれかが0.020g/cm より大きい場合、被着体と貼合わされた後、高温下、例えば印刷工程などにおいて80℃~100℃×15分加熱された場合、被着体にカールが生じハンドリング性が悪化したり、トンネリング現象が生じ印刷むらを引き起こしたり、トンネリング痕による被着体への汚染などを発生させる。
[0040]
 この場合の各密度はそれぞれの層の混合樹脂組成物としての密度を指す。測定値があればその値を表すが、混合樹脂としての密度が測定されていない場合、それぞれ単独樹脂の密度をそれぞれの樹脂比率で按分して求めた値を用いるものとする。例えば、樹脂(1)の密度を[ρ1]、樹脂(2)の密度を[ρ2]、樹脂(3)の密度を[ρ3]とし、その比率をX、Y、Z(X+Y+Z=1)とすると、混合した樹脂の密度[ρ]は[ρ]=1/(X/[ρ1]+Y/[ρ2]+Z/[ρ3])として求めたものとする。
[0041]
 上記のように背面層(B)、中間層(C)にポリプロピレン系樹脂(b)、(c)を用いることでポリエチレン系樹脂と比較して耐熱性が向上するだけでなく、各層の密度差を小さくすることで、各層の線膨張係数の差を小さく抑えることができ、結果としてカール及びトンネリング現象を抑制できるものと推定できる。
[0042]
 以下、本発明の表面保護フィルムの製造方法について説明する。
[0043]
 本発明の加熱工程用表面保護フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば背面層樹脂組成物としてポリプロピレン系樹脂(b)、粘着層樹脂組成物として、直鎖状低密度ポリエチレン(a1)および、または高圧法低密度ポリエチレンと粘着付与剤(a2)またはエラストマー(a3)からなる樹脂組成物と、中間層樹脂組成物として、ポリプロピレン系樹脂(c)、好ましくはエチレン・プロピレン・ブテン共重合体とをそれぞれ個別の押出機から溶融押出し、口金内で積層一体化し、いわゆる3層共押出することにより粘着層(A)、中間層(C)、背面層(B)をこの順に積層一体化して成形した後、ロール状に巻取ることにより、表面保護フィルムを製造する方法、上記背面層、中間層、粘着層をそれぞれ個別に溶融押出した後に、ラミネート法により積層一体化する方法等が挙げられる。なお、前者においては、インフレーション法、Tダイ法等の公知の方法が用いられ、後者においては、ドライラミネーションあるいはTダイによる溶融押出法または押出ラミネート法を用いることができるが、厚さ精度に優れることおよび表面形状の制御の面から、Tダイ法による溶融共押出法が品質上、経済上の点から好ましい。
[0044]
 ここで、口金内で合流・積層し、3層溶融共押出法で積層フィルムを得るに際し、粘着層側をキャストドラムに接触せしめ、かつ該キャストドラムの温度を40℃以下として冷却した後、巻き取ることがフィルムのカール抑制の点から好ましい。
[0045]
 本発明の表面保護フィルムの厚さは、被着体の厚さおよび被着体の要求品質レベルにより異なるが、一般的には成形性、使いやすさの観点から20~100μmの範囲で適宜選択できる。
なお、粘着層(A)、中間層(C)、背面層(B)それぞれ各層の厚さ比率はカールの点から好ましくは、フィルム全体厚さに対する粘着層(A)厚さの割合が20~35%の範囲であり、背面層(B)厚さの割合が5~15%の範囲、より好ましくは粘着層(A)厚さの割合が20~30%の範囲、背面層(B)厚さの割合が5~10%の範囲にあることである。特に背面層(B)厚さについては、5%以上とすることで耐ブロッキング性を発現しやすい。
実施例
[0046]
 以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法、および評価方法を以下に示す。
[0047]
 (1)MFR
 (株)東洋精機製作所製メルトインデックサを用い、JIS K7210-1997に準拠し、ポリプロピレン系樹脂の場合は温度230℃、荷重21.6kg/cm で、ポリエチレン系樹脂及びエチレン・メチルメタクリレートの場合は温度190℃、荷重21.6kg/cm で測定した。単位はいずれもg/10分である。
[0048]
 (2)耐ブロッキング性
 ロールサンプルを10m/分で巻出した時のバリバリという剥離音の有無を評価した。
○:剥離音なし(ブロッキングなし)
×:剥離音あり(ブロッキングあり)。
[0049]
 (3)試料サンプルの貼り付け
 温度23℃、湿度50%RHの条件下で24時間、保管・調整した試料サンプルを被着体に、ロールプレス機((株)安田精機製作所製特殊圧着ローラ)を用い、貼込圧力9,100N/m、貼込速度300cm/分で貼り付けた。しかる後、温度23℃、湿度50%RH条件下で24時間保管した後、各測定と評価に用いた。
[0050]
 (4)初期粘着力
 製造後3日以上23℃雰囲気下で保管された試料サンプルを厚さ500μmのポリカーボネートシート(帝人化成株式会社製、パンライトPC1151、500μm厚さ)に上記(3)項記載の貼り付け条件にて貼り合わせし、23℃雰囲気下で24時間保管後、引張試験機((株)オリエンテック“テンシロン”万能試験機)を用い、引張速度300mm/分、剥離角度180°にて粘着力を測定した。
[0051]
 (5)粘着昂進
 (3)と同じ貼り合わせサンプルを90℃雰囲気下で30分保持し、その後23℃雰囲気下で24時間保管後、上記(3)項と同様の方法にて粘着力を測定し、初期粘着力に対する比率を算出した。80%以上200%未満を合格とした。
[0052]
 (6)カール
 製造後3日以上23℃雰囲気下で保管された試料サンプルを厚さ100μmの両面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製”コスモシャイン”A4300)に上記記載の貼り付け条件にて貼り合わせた後、150mm角にカットし、90℃に保たれたオーブンに15分間保管後、温度23℃で3時間放冷し、平板の上に載せ平板からのフィルム4隅の反り高さの平均値を測定した。平均値が10mm未満のものを良好と判断した。
[0053]
 (7)トンネリング
 被着体である厚さ100μmの上記ポリエチレンテレフタレートフィルムと試料サンプルを上記(3)項記載の貼り付け条件にて貼り合わせた後、150mm角にカットし90℃に保たれたオーブンに15分間保管後、温度23℃で3時間放冷し、試料サンプルを貼り合わせた状態の被着体のトンネリング状況を肉眼観察し、次の判定を行った。
判定基準
○:トンネリングなし
△:軽度のトンネリングがある(各辺端部から~10mm以内の範囲にのみ5本以上トンネリングが発生)
×:トンネリングあり(全面にトンネリング発生)。
[0054]
 (8)厚さ比率
 フィルム断面をカットし、キーエンス社製デジタルマイクロスコープを用いて倍率300倍にて各層の厚さを測定し、その比率を算出した。
[0055]
 (実施例1)
 各層の構成樹脂を次のように準備した。
粘着層(A)樹脂組成物として、下記を使用した。
・密度0.919g/cm 、融点120℃、190℃下MFR2.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する);70重量%
・密度0.924g/cm 、融点120℃、190℃下MFR5.0g/10分の高圧法低密度ポリエチレン;10重量%
・密度0.923g/cm 、融点119℃、190℃下MFR2.4g/10分のテルペン系粘着付与剤マスターバッチ(テルペン炭化水素樹脂20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1-ヘキセン共重合体)80重量%からなる);20重量%
背面層(B)樹脂組成物として、下記からなる樹脂組成物をヘンシェルミキサにて均一に混合したものを使用した。
・密度0.900g/cm 、融点147℃、190℃下MFR7.3g/10分のエチレン・プロピレン・ブテン共重合体(エチレン含量1.1重量%、ブテン含量4.2重量%);80重量%
・密度0.900g/cm 、融点143℃、230℃下MFR30g/10分のエチレン・プロピレンランダム共重合体;15重量%
・密度0.915g/cm 、230℃下MFR4.0g/10分の高圧法低密度ポリエチレン;5重量%
 中間層(C)樹脂組成物として、下記を用いた。
・背面層(B)に用いたものと同一のエチレン・プロピレン・ブテン共重合体;80重量%
・粘着層(A)に用いたものと同一の直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する);20重量%
φ90mm(粘着層(A)用)とφ65mm(背面層(B)用)とφ115mm(中間層(C)用)の3台の押出機を有する口金幅2400mmのTダイ型複合製膜機を用い、上記準備した樹脂組成物をそれぞれの押出機に導入し、粘着層厚さ割合を25%、背面層厚さ割合を8%、中間層厚さ割合を67%となるよう各押出機の吐出量を調整し、複合Tダイから押出温度230℃にて押出し、キャストドラムの温度30℃にて急冷し、ロール状に巻き取り、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0056]
 次いで、ロール状に巻き取ったフィルムを、スリット機に掛けて幅1000mm、長さ2000mのサイズに仕上げ、ロール状に巻き上げたフィルムサンプルを得た。
[0057]
 各層の密度は前述の計算式を用いて計算され、粘着層樹脂組成物密度0.920g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.016g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0058]
 (実施例2)
 実施例1の粘着層における、テルペン系粘着付与剤マスターバッチ20重量%をロジン系粘着付与剤マスターバッチ(ロジンエステル樹脂20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1-ヘキセン共重合体)80重量%からなる密度0.921g/cm 、融点120℃、190℃下MFR3.2g/10分)15重量%、および、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)を75重量%にした以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0059]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.920g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.016g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0060]
 (実施例3)
 実施例2の粘着層における、ロジン系粘着付与剤マスターバッチを脂環族石油樹脂系粘着付与剤マスターバッチ(石油系脂環族炭化水素樹脂20重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)80重量%からなる密度0.916g/cm 、融点122℃、190℃下MFR3.8g/10分)にした以外は実施例2と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0061]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.919g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.015g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0062]
 (実施例4)
 実施例1の粘着層において、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)80重量%と、密度0.890g/cm の水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(スチレン10重量%)20重量%を用いた以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0063]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.913g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.009g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0064]
 (実施例5)
 実施例1の粘着層において、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)75重量%と、密度0.890g/cm のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体25重量%を用いた以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0065]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.912g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.008g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0066]
 (実施例6)
 実施例4の粘着層および中間層における直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)の代わりに密度0.922g/cm 、融点117℃、190℃下MFR5.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1-ヘキセン共重合体)を用いた以外は実施例4と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0067]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.915g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.011g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0068]
 (実施例7)
 実施例4の粘着層および中間層における、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)の代わりに密度0.910g/cm 、融点98℃、190℃下MFR5.0g/10分の直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・1-ヘキセン共重合体)を用いた以外は実施例4と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.906g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.902g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.004g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.001g/cm であった。
[0069]
 (実施例8)
 実施例4の粘着層及び中間層における、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体。但し、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含有する)の代わりに密度0.924g/cm 、融点111℃、190℃下MFR5.8g/10分の高圧法低密度ポリエチレンを用いた以外は実施例4と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0070]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.917g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.905g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.012g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.004g/cm であった。
[0071]
 (実施例9)
 実施例6の背面層において、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体85重量%、および密度0.900g/cm 、融点143℃、230℃下MFR30g/10分のエチレン・プロピレン共重合体15重量%からなる樹脂組成物にした以外は実施例6と同様の方法で、フィルム厚さ70μmの3層積層フィルムを得た。
[0072]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.915g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.900g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.011g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.004g/cm であった。
[0073]
 (実施例10)
 実施例6の背面層において、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体65重量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体30重量%に変更し、粘着層厚さ割合20%、背面層厚さ割合5%、中間層厚さ割合75%となるよう調整した以外は実施例6と同様の方法で、フィルム厚さ30μmの3層積層フィルムを得た。
[0074]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.915g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.011g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0075]
 (実施例11)
 実施例6の背面層において、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体83重量%、エチレン・プロピレンランダム共重合体12重量%に変更し、粘着層厚さ割合30%、背面層厚さ割合10%、中間層厚さ割合60%となるよう調整した以外は実施例6と同様の方法で、フィルム厚さ30μmの3層積層フィルムを得た。
[0076]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.915g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.011g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.003g/cm であった。
[0077]
 (比較例1)
 実施例1の背面層樹脂におけるエチレン・プロピレン・ブテン共重合体の代わりに、密度0.923g/cm 、融点111℃、190℃下MFR5.5g/10分の高圧法低密度ポリエチレンを用い、かつ、中間層樹脂におけるエチレン・プロピレン・ブテン共重合体の代わりに、密度0.961g/cm 、融点132℃、190℃下MFR7.5g/10分の高密度ポリエチレンを用いた以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.920g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.919g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.952g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.032g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.033g/cm であった。
[0078]
 (比較例2)
 実施例1の背面層と中間層樹脂におけるエチレン・プロピレン・ブテン共重合体の代わりに、密度0.931g/cm 、融点118℃、190℃下MFR5.0g/10分の高圧法低密度ポリエチレンを用いた以外は実施例1と同様の方法で、フィルム厚さ50μmの3層積層フィルムを得た。
[0079]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.920g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.925g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.929g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.009g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.004g/cm であった。
[0080]
 (比較例3)
 実施例6の中間層樹脂における、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体の代わりに、密度0.961g/cm 、融点132℃、190℃下MFR7.5g/10分の高密度ポリエチレンを用い、粘着層樹脂として、エチレン・1-ヘキセン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)70重量%と、水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(スチレン10重量%)30重量%を用い、各層の厚さ比率を粘着層厚さ割合15%、背面層厚さ割合8%、中間層厚さ割合77%となるよう各押出機の吐出量を調整した以外は、実施例6と同様の方法でフィルム厚さ70μmの3層積層フィルムを得た。
[0081]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.912g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.953g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.041g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.052g/cm であった。
[0082]
 (比較例4)
 比較例3の粘着層樹脂において、エチレン・1-ヘキセン共重合体(直鎖状低密度ポリエチレン)80重量%と、水添スチレン・ブタジエンランダム共重合体(スチレン10重量%)20重量%を用い、粘着層厚さ割合25%、背面層厚さ割合3%、中間層厚さ割合72%となるよう各押出機の吐出量を調整した以外は、比較例3と同様の方法でフィルム厚さ30μmの3層積層フィルムを得た。
[0083]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.915g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.953g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.038g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.052g/cm であった。
[0084]
 (比較例5)
 比較例3において、粘着層樹脂として、密度0.930g/cm 、融点94℃、190℃下MFR9.0g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量10重量%)80重量%と、実施例1で使用したテルペン系粘着付与剤マスターバッチ20重量%を用い、中間層樹脂として、エチレン・1-ヘキセン共重合体の代わりに粘着層に用いたものと同一のエチレン・酢酸ビニル共重合体20重量%を用い、粘着層厚さ割合25%、背面層厚さ割合8%、中間層厚さ割合67%となるよう各押出機の吐出量を調整した以外は比較例3と同様の方法で、フィルム厚さ70μmの3層積層フィルムを得た。
[0085]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.929g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.955g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.026g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.054g/cm であった。
[0086]
 (比較例6)
 比較例4の中間層樹脂において、密度0.900g/cm 、融点147℃、190℃下MFR7.3g/10分のエチレン・プロピレン・ブテン共重合体60重量%、および、密度0.961g/cm 、融点132℃、230℃下MFR5.0g/10分の高密度ポリエチレン40重量%を用い、粘着層厚さ比率25%、背面層厚さ比率8%、中間層厚さ比率67%となるよう各押出機の吐出量を調整した以外は、比較例4と同様の方法でフィルム厚さ70μmの3層積層フィルムを得た。
[0087]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.915g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.923g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.008g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.022g/cm であった。
[0088]
 (比較例7)
 比較例5の中間層樹脂において、高密度ポリエチレンの代わりに、密度0.900g/cm 、融点147℃、190℃下MFR7.3g/10分のエチレン・プロピレン・ブテン共重合体を用いた以外は、比較例5と同様の方法でフィルム厚さ70μmの3層積層フィルムを得た。
[0089]
 各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.929g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.901g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.906g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.023g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.005g/cm であった。
[0090]
 (比較例8)
 比較例2の中間層樹脂において、高圧法低密度ポリエチレンの代わりに、密度0.900g/cm 、融点147℃、190℃下MFR7.3g/10分のエチレン・プロピレン・ブテン共重合体を用いたた以外は、比較例2と同様の方法でフィルム厚さ70μmの3層積層フィルムを得た。
各層の密度は、粘着層樹脂組成物密度0.920g/cm 、背面層樹脂組成物密度0.925g/cm 、中間層樹脂組成物密度0.904g/cm であり、したがって密度差|ρ -ρ |0.016g/cm 、密度差|ρ -ρ |0.021g/cm であった。
[0091]
 (各サンプルの評価)
 上述した方法に従って、実施例及び比較例にて得られたフィルムサンプルを評価した。その結果をまとめて表1および表2に示す。
[0092]
[表1-1-1]


[0093]
[表1-1-2]


[0094]
[表1-2-1]


[0095]
[表1-2-2]


[0096]
[表2-1]


[0097]
[表2-2]


[0098]
 表1の結果より、本発明の実施例は、ブロッキングが無くハンドリングが良好であり、良好な耐熱性(低カール性、耐トンネリング性)であることが分かる。表2の結果より、密度差の大きい比較例1及び比較例3~8では、トンネリングが発生している。また、密度差は小さいが背面層・中間層樹脂としてポリエチレン系を使用した比較例2においてもトンネリングが発生している。
[0099]
 一方、粘着層厚さ比率を減少させた比較例3、背面層厚さ比率を減少させた比較例4では、カールが大きく、加熱後のハンドリングが悪化している。また比較例4では背面層厚さを減少させたため、耐ブロッキング性が悪化している。
[0100]
 さらに、粘着層成分としてエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いた比較例5及び7は加熱後の粘着力が大きく、粘着昂進が発生している。

産業上の利用可能性

[0101]
 本発明の表面保護フィルムは、合成樹脂板、金属板、被覆塗装鋼板、各種銘板等の加工時や運搬時の汚れ付着防止、傷付き防止のみならず、近年、液晶ディスプレイ等の薄型ディスプレイに多用して用いられる合成樹脂からなる各種光学フィルムや光学用樹脂板の加工時や運搬時の表面の汚れや傷付きを防止するため表面保護フィルムとして好ましく用いることができる。特に、被着体への片面仮着で、ロール状として取り扱われる際には、最適である。

請求の範囲

[請求項1]
粘着層(A)、中間層(C)および背面層(B)の3層がこの順に積層された複合形態からなり、(A)層は低密度のポリエチレン系樹脂(a1)、および粘着付与剤(a2)またはエラストマー(a3)からなり、(B)層および(C)層は、それぞれポリプロピレン系樹脂(b)およびポリプロピレン系樹脂(c)からなり、(C)層樹脂組成物の密度ρ と(A)層樹脂組成物の密度ρ の差|ρ -ρ |、および(C)層樹脂組成物の密度ρ と(B)層樹脂組成物の密度ρ の差|ρ -ρ |がともに0.020g/cm 以下であることを特徴とする加熱工程用表面保護フィルム。
[請求項2]
(A)層の低密度のポリエチレン系樹脂(a1)が、直鎖状低密度ポリエチレンおよび高圧法低密度ポリエチレンから選ばれる1種以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の加熱工程用表面保護フィルム。
[請求項3]
(A)層が低密度のポリエチレン系樹脂(a1)および粘着付与剤(a2)からなり、粘着付与剤(a2)がポリテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、および石油系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂からなることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱工程用表面保護フィルム。
[請求項4]
(A)層が低密度のポリエチレン系樹脂(a1)およびエラストマー(a3)からなり、エラストマー(a3)がスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱工程用表面保護フィルム。
[請求項5]
(C)層のポリプロピレン系樹脂(c)がエチレン・プロピレン・ブテン共重合体であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の過熱工程用表面保護フィルム。
[請求項6]
フィルム全体の厚さに対する(A)層厚さの割合が20~35%の範囲にあり、(B)層厚さの割合が5~15%の範囲にあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の加熱工程用表面保護フィルム。
[請求項7]
粘着層(A)側を厚さ100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに貼り合わせた後、90℃で15分間保持後の反り高さが10mm未満であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の加熱工程用表面保護フィルム。