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1. (WO2015129247) 無線給電装置、無線給電システムおよび無線給電方法
Document

明 細 書

発明の名称 無線給電装置、無線給電システムおよび無線給電方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010   0011   0012   0013  

課題を解決するための手段

0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14A   14B   15   16   17   18   19   20   21   22   23A   23B   23C   23D   24A   24B   25   26   27   28A   28B   29A   29B   30A   30B   31   32   33   34A   34B   34C   35   36   37A   37B   37C   37D  

明 細 書

発明の名称 : 無線給電装置、無線給電システムおよび無線給電方法

技術分野

[0001]
 本発明は、無線給電装置、無線給電システムおよび無線給電方法に関する。

背景技術

[0002]
 海水中や水中等の、人が活動することの難しい環境下における情報収集ニーズが増大している。例えば、東日本大震災で損傷した福島第一原子力発電所内の原子炉では、冷却水が浸水している原子炉内部の状態を把握するために、精細に映像等のデータを取得することが求められている。他の例を挙げると、海底油田からの石油流出事故の防止や海底資源調査のために、海中で広範囲および精細に映像等のデータを取得することが求められている。
[0003]
 このような環境下での情報収集ニーズに応えるために、無人機を活用した情報収集システムが提案され、広く知られている。以下、本願において無人機とは、無人探査機、無人潜水艦、潜水艇などの人が搭乗していない移動体全般を指す。一例として、作業装置と電源装置と制御装置を各々独立ユニットとして、水中においても無線通信にて制御できる水中ロボットが開示されている(特許文献1参照)。
[0004]
 特許文献1に開示されるような無人機には、一般的に、無線で電力を供給することが望ましいとされる。なぜなら、電力を供給するための電力ケーブルの敷設が物理的に困難である場合や、電力ケーブルの敷設に非常に高額の費用を要する場合があるからである。仮に敷設できたとしても、原子炉内部においては、配水パイプ中等の水環境下等の狭小領域での活動が求められる。このため、電力ケーブルが狭小領域内で水中の障害物に絡まりやすいという問題が生じる。また、海中調査においても、沿岸から離れた水環境下の活動が求められるため、同様の問題が生じる。このため、海水等の水環境下で、無線にて給電する技術が提案されている(特許文献2参照)。また、海中等において、自然に発生するノイズの影響に対処しつつ、電界を高精度に検出できる手法が開示されている(特許文献3参照)。
[0005]
 また、潮流、浮力等といった無人機を取り巻く水中等の媒質の環境や、環境変動によって引き起こされる無人機自身の揺れにより、係る無人機の位置は、定常的かつ不規則に変動する。これにより無線送電部と無線受電部またはこれらを搭載した各機器の位置関係は常に変動する。このため、水中や海中等で稼働する無人機に無線給電する場合、空気中での無線給電とは異なり、安定的な制御が困難という問題が生じる。
[0006]
 この問題を改善するため、共鳴方式の無線給電方法が提示されている。図32に、共鳴方式の無線給電を用いた場合における、無線送電部と無線受電部間の距離と無線給電効率の関係を一般化した概念図を示す。ここで述べた共鳴方式とは、Q値の高いアンテナを、共振現象により共鳴させ、無線給電を行う方式のことを指す。図32は、無線送電部と無線受電部間の距離aの場合と、距離bの場合の、周波数と無線給電効率の関係を示す。無線送電部と無線受電部の距離がaからbに変化すると、図32に示される様に、周波数と無線給電効率の関係が変化し、送受電部の共振周波数が合うよう調整された、無線給電に最適な周波数(以下、「最適周波数」と記載する)が変化する。最適周波数の変化は、無線送電部アンテナと無線受信部アンテナ間の共鳴状態の変化によって発生する(特許文献4参照)。
[0007]
 更に特許文献4には、電力伝送特性の周波数に対する微分値から最適周波数の制御方向(すなわち、高周波側ないしは低周波側のどちらに最適周波数を制御すれば良いか)を計算し、求めた結果に応じて周波数や負荷を制御する電気自動車用の制御システムが開示されている。図33は特許文献4に記載されている、周波数を制御するための周波数制御システムを概念的に示す制御ブロック図である。また、図34A、図34B、図34Cはその周波数制御システムにより補償される周波数特性のグラフ図である。まず初めに、時刻t=T において、自動車が無線送電部付近に停止する。するとこの制御システムは、無線送電部端における反射電力のモニタや無線受電部との通信等の方法によって、図34Aに示す現時刻の動作点において、現在の無線給電効率(η out)を検出する。η検出回路によって検出されたη outはフィードバックされ、ターゲットとする無線給電効率(η cmd)との差分により、ゲイン決定回路は、制御ゲイン(f(Δη))および周波数制御の方向(図34Bに示す高周波方向、ないしは低周波方向)を決定する。次に、時刻t=T +T 11において、f(Δη)に基づいて、周波数制御回路および周波数発生回路が、周波数制御を行う。このフィードバックループを繰り返し、最適周波数による伝送が行える状態、すなわち、η cmdが得られる状態である、時刻t=T +T 21になったら、フィードバックを終了する。このときの動作点は図34Cに示すように無線給電効率(η)が高くなるような周波数(給電時に無線送電部と無線受電部の間を伝搬する電波の周波数)に制御される。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2013-063702号公報
特許文献2 : 特開2002-305121号公報
特許文献3 : 特開2007-127589号公報
特許文献4 : 国際公開第2012/145327号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 まず特許文献1、特許文献2および特許文献3の問題点について述べる。空気中の無線給電の場合、その媒質となる大気中でのエネルギーの損失が殆ど無いのに対し、水中や海中での無線給電の場合、その媒質である水や海水が、空気に比べ高い導電性を有しているため、その媒質中をエネルギーが伝搬する際にも損失が生じる。このエネルギー損失の要因は、水や海水中の導電率と、水や海水中に発生した電界に基づく。
[0010]
 無人機の姿勢制御の精度を考慮すると、通常、無線で電力を送出する無線送電部とこの電力を受電する無線受電部間の距離は概ね10cm(センチメートル)以上必要であるが、海水中や水中においてこの距離は概ね10cmとされている。尚、無線送電部と無線受電部の距離が10cm未満の場合、水流等により衝突する危険がある。
[0011]
 特許文献1には、海水中における無線給電技術についての記載はあるが、上記のエネルギー損失問題の解決方法については記載していない。特許文献2および特許文献3には、海水中における無線給電技術が開示されているが、電力の伝送距離が最大で2cm程度であり、海水中や水中で駆動する無人機に無線給電する際に実用上必要な距離、すなわち、10cm以上の距離を無線給電することは事実上困難である。更に、海水以外にも図35の表に示すような河川、淡水、水道水、土、コンクリート等の各種媒質も、比較的高い導電率と比誘電率を有している(以下、この媒体を「良導体媒質」と記載する)。したがって、海水中のほか、このような良導体媒質中を無線で電力伝送しようとする場合にも、同様の問題が生じ得る。
[0012]
 次に特許文献4に記載の制御システムを、揺れる水中での無線給電に適用した場合の問題点について述べる。図36は、揺れが発生する前(時刻T )と発生後(時刻T +T 22)での距離と無線給電効率の関係を示すグラフ図であり、図37A、図37B、図37C、図37Dは、特許文献4に記載の技術を適用した場合における、水中での無線給電における周波数制御の概念を時間経過に従い示したグラフ図である。尚、図36および図37A~Dにおいて、実線で示すグラフは無線送電部と無線受電部との間の距離が約5cmの時、点線で示すグラフは同距離が約10cmの時の周波数制御の概念を示す。海中では、潮流、また、無人機自身の揺れにより、時折5cm程度の突発的な位置変動が発生する。尚、実線グラフは双峰状、点線グラフは単峰状であるが、この形状の変化は、送電器と受電器の結合係数(送電器から発生された磁界と受電器が受信した磁界の比)の変化に伴って発生する。一般的に結合係数は、距離が近くなると大きくなり、距離が遠くなると小さくなる。海中では結合係数の減衰が空気中より大きいため(海水中での電磁損失に起因)、この峰の形状の変化は、距離の変化に対して鋭敏となる。
 まず図37Aは、時刻t=T における水中での基準状態を示す。周波数制御が開始されると、時刻t=T +T 12において図37Bに示すような動きを示す。しかし開始後、揺れが発生すると、図37Cに示す時刻t=T +T 22において、決定された周波数制御の方向を維持した場合、その無線給電効率が改善しないという問題を生じる。すなわち、特許文献4に記載の制御システムが算出した最適化方向に周波数を変更しても、無線給電効率は改善せず、水中では揺れが定常的に発生しているため、この問題が連続して図37Dに示す時刻t=T +T 31においても発生し、制御の収束性が非常に悪く、安定した無線給電は不可能である。
[0013]
 本発明は、上記の問題点を解決するべくなされた。本発明は、海水中や水中等の環境下であっても、安定的に無線給電することが可能な無線給電装置等を提供することを主たる目的とする。

課題を解決するための手段

[0014]
 上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、
 良導体媒質中において、無線で電力を送出する送電手段と、
 送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電する受電手段と、
 送電手段および受電手段を制御するシステム制御手段
とを備え、システム制御手段は、
 送電手段のインピーダンス、受電手段のインピーダンスおよび良導体媒質のインピーダンスで定まる周波数を、位相を調整しながら共振させて、送電手段から受電手段に電力を伝送する、無線給電装置である。
[0015]
 本発明の第2の観点は、
 良導体媒質中において、無線で電力を送出する送電手段と、
 送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電する受電手段と、
 送電手段および受電手段を制御するシステム制御手段
とを備え、システム制御手段は、
 良導体媒質の環境変動を予測して無線給電における送電手段および受電手段の少なくとも片方の位置を制御する、無線給電システムである。
[0016]
 本発明の第3の観点は、
 良導体媒質中において、送電手段が無線で電力を送出し、
 受電手段が送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電し、
 システム制御手段が良導体媒質の環境変動を予測して無線給電における送電手段および受電手段の少なくとも片方の位置を制御する際に、
 良導体媒質の環境変動と、環境変動を原因とする受電手段の位置変動とに関わるデータをデータ収集手段が収集し、
 収集されたデータをデータ記憶手段が記憶し、
 収集されたデータに基づき、環境変動および位置変動を予測するパラメータをデータ予測手段が決定し、
 パラメータを基に無線給電をパラメータ制御手段が制御する、ことを含む無線給電方法である。

発明の効果

[0017]
 本発明の無線給電装置等によると、周囲の媒質の環境変動や無人機自身の揺れによる位置変動の連続発生下においても、安定的かつ効率的に無線給電する事ができる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] 本発明の第一の実施形態による無線給電装置を説明するための図である。
[図2] 本発明の第二の実施形態による無線給電装置を説明するための図である。
[図3] 無線電力が送電部から受電部へ伝搬する際の等価回路図である。
[図4] 無線給電装置における電界ベクトルと磁界ベクトルを示す概略図である。
[図5] 無線給電装置における、電界ベクトルと磁界ベクトルに基づいて生じるポインティングベクトルを示す概略図である。
[図6] 本発明の第三の実施形態における無線給電装置の構成図である。
[図7] 本発明の第三の実施形態における無線給電装置の構成図である。
[図8] 本発明の第三の実施形態における無線給電装置の側面図である。
[図9] 本発明の第三の実施形態のスパイラルコイルを受電部側から見たモデル図である。
[図10] 本発明の第三の実施形態のスパイラルコイルを受電部側から見たモデル図である。
[図11] 本発明の第三の実施形態のスパイラルコイルを送電部側から見たモデル図である。
[図12] 本発明の第三の実施形態のスパイラルコイルを送電部側から見たモデル図である。
[図13] 本発明の第三の実施形態の無線給電効率のシミュレーション結果を示すグラフ図である。
[図14A] 海水中での無線受電部出力端におけるインピーダンスと周波数の関係を示した図である。
[図14B] 海水中での無線受電部出力端におけるインピーダンスと周波数の関係を示した図である。
[図15] 共振周波数と無線受電部出力端におけるインピーダンスとの関係を示した図である。
[図16] 三種の負荷を、無線受電部出力端に接続した場合に得られる、無線給電効率の比較を行うための図である。
[図17] 本発明の第四の実施形態における送電部および受電部の外形を示す図である。
[図18] 本発明の第六の実施形態による無線給電システムの構成図である。
[図19] システム制御部の内部構造図である。
[図20] 無線給電システムの全体動作を示すフロー図である。
[図21] パラメータ制御の動作を示すフロー図である。
[図22] 海水中で温度変動が発生した場合における伝送特性の変化を示す図である。
[図23A] 海水の温度変動が不規則に発生している環境下における制御状態(時刻T )を説明するためのグラフ図である。
[図23B] 海水の温度変動が不規則に発生している環境下における制御状態(時刻T +T 121)を説明するためのグラフ図である。
[図23C] 海水の温度変動が不規則に発生している環境下における制御状態(時刻T +T 221)を説明するためのグラフ図である。
[図23D] 海水の温度変動が不規則に発生している環境下における制御状態(時刻T +T 311)を説明するためのグラフ図である。
[図24A] 無線給電システムによる制御状態を説明するための図である。
[図24B] 無線給電システムによる制御状態を説明するための図である。
[図25] 本発明の第七の実施形態におけるシステム制御部の内部構成図である。
[図26] 本発明の第七の実施形態における無線給電制御のフロー図である。
[図27] 本発明の第七の実施形態の使用例を説明するための図である。
[図28A] 本発明の第八の実施形態による無線給電システムを説明するための図である。
[図28B] 本発明の第八の実施形態による無線給電システムにて使用する無線機の拡大図である。
[図29A] 本発明の第九の実施形態による無線給電システムを説明するための図である。
[図29B] 本発明の第九の実施形態による無線給電システムにて使用する無線機の拡大図である。
[図30A] 本発明の第十の実施形態による無線給電システムを説明するための図である。
[図30B] 本発明の第十の実施形態による無線給電システムにて使用する無線機の拡大図である。
[図31] 本発明の第十の実施形態の使用例を説明するための図である。
[図32] 共鳴方式を用いた場合の無線給電効率と周波数の関係を示した概念図である。
[図33] 特許文献2に記載の周波数制御システムの制御ブロックを説明するための図である。
[図34A] 特許文献2に記載の技術により制御される、時刻T における、周波数特性を説明するための図である。
[図34B] 特許文献2に記載の技術により制御される、時刻T +T 11における、周波数特性を説明するための図である。
[図34C] 特許文献2に記載の技術により制御される、時刻T +T 21における、周波数特性を説明するための図である。
[図35] 良導体媒体の導電率等を示した表図である。
[図36] 水中で揺れが発生した場合の無線給電効率と周波数の関係変化を示すグラフ図である。
[図37A] 時刻t=T における、揺れなどの、環境変動が、定常的に、かつ、不規則に発生している環境下にて制御される周波数特性を説明するグラフ図である。
[図37B] 時刻t=T +T 12における、揺れなどの、環境変動が、定常的に、かつ、不規則に発生している環境下にて制御される周波数特性を説明するグラフ図である。
[図37C] 時刻t=T +T 22における、揺れなどの、環境変動が、定常的に、かつ、不規則に発生している環境下にて制御される周波数特性を説明するグラフ図である。
[図37D] 時刻t=T +T 31における、揺れなどの、環境変動が、定常的に、かつ、不規則に発生している環境下にて制御される周波数特性を説明するグラフ図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 次に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。更に以下に記載される実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能であることに留意すべきである。
<本発明の実施形態>
(無線給電装置)
<第一の実施形態>
 本発明の第一の実施形態に係る無線給電装置100は、図1に示すように、無線によって電力を送出する送電部3と、送電部3から送出された無線電力を受電する受電部4と、送電部3および受電部4を制御するシステム制御部2とを備える。無線給電装置100は、良導体媒質5中において電力を無線で伝送する。システム制御部2は、送電部3のインピーダンス、受電部4のインピーダンスおよび良導体媒質5のインピーダンスで定まる周波数を、位相を調整しつつ、共振させて電力を送電部3から受電部4へ伝送する。更に、この周波数を特に伝送効率が期待できる周波数に設定する。これにより、送受電の効率を上げることができる。ひいては、海水中や水中等の環境下であっても、安定的にかつ効率よく無線給電することが可能となる。
[0020]
 以下の各実施形態における良導体媒質5は海水であることを前提として説明するが、本発明はこれに限定されない。例として、図35の表に示す河川、淡水、水道水、土、コンクリートのように、導電率が1×10 -4S/m(ジーメンス毎メータ)以上で、比誘電率が1より大きな物質であってもよい。
<第二の実施形態>
 本発明の第二の実施形態に係る無線給電装置200は、図2に示すように、送電部13および受電部14が良導体媒質15に覆われ、システム制御部12に有線又は無線にて接続されている。尚、図2ではシステム制御部12は良導体媒質15外に存在するが、良導体媒質15内部に存在してもよい。送電部13は、送電用コイル131および送電用コイル131を覆う誘電体からなる送電側包含部132を備えている。また、受電部14は、送電部13と同じく、受電用コイル141および受電側包含部142を備えている。送電用コイル131および受電用コイル141は、銅線などの導体を複数回巻いたものであり、一般的に、ヘリカルコイル、スパイラルコイル等が用いられるが、本実施形態においては、これらに限定されることはない。
[0021]
 なお、本願においては、送電用コイルおよび受電用コイルを総称して電力伝送用コイルとする。ここで、送電部は、受電部としての機能を備えていてもよいし、受電部は送電部としての機能を備えていてもよい。また、送電部と受電部が、同一の構成であってもよい。
[0022]
 送電側包含部132および受電側包含部142は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリルなどの、比誘電率が2~10程度で、誘電正接が0.01以下の誘電体で構成する。
(無線給電用回路)
 次に、送電部13から送出された無線電力が受電部14へと伝搬する際の等価回路16について図3を用いて説明する。図3に示すように、等価回路16は、送電部13、受電部14、電力供給源17等を備え、これらはシステム制御部12と有線又は無線の経路にて接続されている。
[0023]
 送電部13は、送電用コイル131と、送電用コイル131のインピーダンスを調整する送電側インピーダンス調整部133を備える。受電部14は、受電用コイル141と、受電用コイル141のインピーダンスを調整する受電側インピーダンス調整部143を備える。
[0024]
 送電部13における送電用コイル131のインピーダンスは、主に、誘導成分L1および容量成分C1からなり、これらは、コイルの形状、巻き数、銅線の太さ、および、送電側包含部132を構成する誘電体の誘電率やそのサイズ等によって一意に定まる。同様に、受電部14における受電用コイル141のインピーダンスも、誘導成分L2および容量成分C2からなり、コイルの形状等および受電側包含部142を構成する誘電体の誘電率やそのサイズ等によって一意に定まる。なお、本願においては、送電側インピーダンス調整部133および受電側インピーダンス調整部143を総称して、単にインピーダンス調整部とする。
[0025]
 電力供給源17から送電部13に供給された交流電力が、等価回路16を伝搬することで、送電部13から受電部14へと電力が伝搬する。ここで、L3は、送電用コイル131と受電用コイル141の相互誘導である相互インダクタンス成分である。C3は、前述した図2における送電部13、受電部14および良導体媒質15で構成される容量成分である。
[0026]
 送電側インピーダンス調整部133は、可変容量である容量C1’および位相可変器D1を備える。受電側インピーダンス調整部143は、可変容量である容量C2’および位相可変器D2を備える。伝搬する際の無線給電効率は、その伝搬路において、伝搬する交流電力の周波数でインピーダンス整合(即ち、共振)がとれている必要があるため、送電側インピーダンス調整部133および受電側インピーダンス調整部143において任意の周波数でインピーダンス整合が得られるように調整する。
[0027]
 ここで位相可変器D1およびD2は、環境変化による位相変動があった場合に、位相調整を行うための回路である。インピーダンスを調整する場合、この位相可変回路によって、海水等の誘電率で定まる、キャパシティブなインピーダンス変動を補償することができる。
[0028]
 尚、この調整は、システム制御部12からの指示に従って行う。具体的には、送電中に送電部13と受電部14の位置関係が変わり、容量C3の値が変動したとしても、その変動を補償するように容量C1’、位相可変器D1、容量C2’、位相可変器D2を適宜調整し、共振を維持して安定的な電力を供給する。
[0029]
 容量の可変手段には、バラクタダイオード(可変容量ダイオード)を用いたり、複数の容量をスイッチトランジスタと組み合わせて構成すればよい。また、位相可変器には、オペアンプ、トランジスタ、ダイオード、伝送線路、可変容量、可変インダクタ、又はこれらを組み合わせた位相器を用いる。電力供給源17は、システム制御部12からの指示に従い、送電部13から受電部14に送入するための高周波交流電力を発生させる高周波電力発生装置である。
[0030]
 無線給電装置200における電界ベクトルと磁界ベクトルは、図4に示すとおり、コイル面に対して、その電界と磁界がほぼ平行となる。電界ベクトルと磁界ベクトルに基づいて生じるポインティングベクトル、即ち電磁エネルギーの流れは、図5に示すとおり、送電部13から受電部14へのポインティングベクトルを、コイル面に対してほぼ垂直に生じさせ、放射的なエネルギーの流れを形成する。
[0031]
 本発明の第二の実施形態の効果について述べる。本実施形態においては、ポインティングベクトルを良導体媒質15中でコイル面に対して垂直に生じさせることで、エネルギーが良導体媒質中を伝送する際に生じる伝送損失を最小限に抑えることができる。尚、放射的なポインティングベクトルの流れは、共鳴方式によるポインティングベクトルの流れと明らかに異なる。共鳴方式を用いた場合、そのポインティングベクトルの流れは、螺旋状に拡がるので、このような、放射的挙動は示さない。
<第三の実施形態>
 次に本発明の第三の実施形態に係る無線給電装置300について図6を参照して説明する。尚、無線給電装置300は第一および二の実施形態の送電部および受電部の構成を変更したものであり、他の構成は第一および二の実施形態と同様である。
[0032]
 無線給電装置300は、送電部23および受電部24を備える。送電部23は、送電用コイル231、第一送電側包含部232、第二送電側包含部233および第三送電側包含部234を備える。第一送電側包含部232は、送電用コイル231を覆う第一誘電体から成る。第二送電側包含部233は、第一送電側包含部232を覆う第二誘電体から成る。第三送電側包含部234は、第二送電側包含部233を覆う第三誘電体から成る。また、受電部24は、送電部23と同じく、受電用コイル241および第一受電側包含部242、第二受電側包含部243および第三受電側包含部244を備える。なお、本願においては、第一送電側包含部232および第一受電側包含部242を総称して第一包含部とする。第二送電側包含部233および第二受電側包含部243を総称して第二包含部とする。第三送電側包含部234および第三受電側包含部244を総称して被覆部とする。
[0033]
 第一送電側包含部232、第三送電側包含部234、第一受電側包含部242および第三受電側包含部244は、例えば、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリルなどの、比誘電率が2~10程度で、誘電正接が0.01以下の誘電体で構成する。
[0034]
 また、第二送電側包含部233および第二受電側包含部243は、海水等の良導体媒質25の比重と等しく、導電率の低い液体、例えば、純水や蒸留水等を含む。このようにすることで、第二送電側包含部233および第二受電側包含部243によって、良導体媒質25中において、中性浮力を得ることができる。中性浮力とは、良導体媒質25中で浮き上がりも沈みもしないニュートラルな浮力状態のことである。このように中性浮力を得るように送電部23および受電部24を構成することで、無線給電装置300を海水中に浮沈させる際に、特別な比重調整用の機構を設ける必要がなくなり、低コスト化を図ることができる。また、第三誘電体からなる第三送電側包含部234、第三受電側包含部244は、液体である第二送電側包含部233、第二受電側包含部243を物理的に閉じ込める。なお、無線給電装置300においても、上述したインピーダンス調整部を備えていてもよい。
[0035]
 次に、無線給電装置300の具体的な動作について順を追って説明する。まず、送電部23において、図示しない交流電源が所定の周波数で交流電力を出力する。次に、出力された交流電力は送電用コイル231に供給され、送電用コイル231は、当該交流電力を、電磁エネルギーとして外部の良導体媒質25へと送出する。次に、受電部24は、送出された電磁エネルギーを、受電用コイル241によって送入する。ここで、送電部23、受電部24、良導体媒質25の各インピーダンスの合成インピーダンスは、伝送電力の周波数で共振するように調整されている。受電用コイル241によって送入された電力は、目的とする負荷、例えばバッテリー等に供給され、電力伝送が完了する。
[0036]
 本発明の第三の実施形態の効果について述べる。本実施形態に係る無線給電装置300は、送電部23、受電部24、良導体媒質25の各インピーダンスの合成インピーダンスで共振させることで、受電用コイル241に送入される電力を最大とすることができる。また、第二送電側包含部233および第二受電側包含部243は誘電体で構成されることから、第三送電側包含部234および第三受電側包含部244を介し、その界面に電荷を生じ、エネルギーを蓄える平行平板キャパシタと同等に動作する。そのため、前記第二送電側包含部233および第二受電側包含部243は、前記第二送電側包含部233および第二受電側包含部243の比誘電率に比例するエネルギーを蓄積する。結果として、良導体媒質25中へのエネルギーの拡散(すなわち、良導体媒質25中への電界の拡がり)を抑え、良導体媒質25中に拡散して消滅する電磁エネルギーを最小限に抑える効果がある。そして、第一送電側包含部232および第一受電側包含部242は、送電用コイル231および受電用コイル241近傍における誘電損失を低減させる効果がある。
[0037]
 さらに、無線給電装置300では、第三送電側包含部234、第三受電側包含部244を具備しているので、第二送電側包含部233および第二受電側包含部243に、良導体媒質25の比重と等しく、導電率の低い液体、例えば純水や蒸留水等を用いることができる。したがって、送電部23および受電部24は、第二送電側包含部233および第二受電側包含部243を中性浮力として働かせることができる。また、無線給電装置300は、特別な比重調整用の機構を設ける必要がないので、低コスト化を図ることができる。
[0038]
(シミュレーション結果)
 次に無線給電装置300に関し、その効果を実証した具体的なシミュレーション結果について説明する。本シミュレーションモデル300aは、図7に示すとおり、第二送電側包含部613(第二受電側包含部623)が、第一送電側包含部612(第一受電側包含部622)の上面および下面、すなわちコイル面と平行な面のみを覆う構造となっている。つまり、第一送電側包含部612(第一受電側包含部622)を、第二送電側包含部613(第二受電側包含部623)で挟み込むような態様となっている。一方、第一送電側包含部612(第一受電側包含部622)の側面、すなわちコイル面と垂直な面は、直接、第三送電側包含部614(第三受電側包含部624)によって覆われる構造となっている。
[0039]
 図8は、本シミュレーションモデルにおける送電部61を側面から見たモデル図である。第一送電側包含部612は、縦250mm、横250mm、高さ4.5mmのフッ素樹脂で構成される。比誘電率は10.2、誘電正接は0.0023である。また、第二送電側包含部613は、2つの、縦250mm、横250mm、高さ6mmのフッ素樹脂で構成される。比誘電率は6.2、誘電正接は0.0019である。また、第三送電側包含部614は、縦260mm、横260mm、高さ26.5mm、厚さ5mmのアクリルで構成される。アクリルの比誘電率は3.3、誘電正接は0.04である。なお、本シミュレーションは、受電部62も、上述した送電部61と同じ構成である。
[0040]
 図9および図10は、それぞれ、送電部61のスパイラルコイル6111と6112を受電部側から見たモデル図である。スパイラルコイル6111は、外周辺208mm、50巻の導体からなる配線で構成される。前記配線の直径は1mm、前記配線の間隔は1mmである。スパイラルコイル6112は、スパイラルコイル6111と同サイズとした。スパイラルコイル6111とスパイラルコイル6112は、0.5mmの距離を離して配置される。スパイラルコイル6111の最外周の端部と、スパイラルコイル6112の最外周の端部が、高周波電力の給電ポートとなる。スパイラルコイル6111の螺旋の向きと、スパイラルコイル6112の螺旋の向きは、給電ポートを介して、同じ方向に磁界が発生する向きで構成する。
[0041]
 図11および図12は、それぞれ受電部62のスパイラルコイル6211と6212を送電部側から見たモデル図である。スパイラルコイル6211は、外周辺208mm、50巻の導体からなる配線で構成される。前記配線の直径は1mm、前記配線の間隔は1mmである。スパイラルコイル6212は、スパイラルコイル6211と同サイズとした。スパイラルコイル6211とスパイラルコイル6212は、0.5mmの距離を離して配置される。スパイラルコイル6211の最外周の端部と、スパイラルコイル6212の最外周の端部が、高周波電力の受電ポートとなる。スパイラルコイル6211の螺旋の向きと、スパイラルコイル6212の螺旋の向きは、受電ポートを介して、同じ方向に磁界が発生する向きで構成する。
[0042]
 送電部61と受電部62を、海水中で10cm離したと仮定してシミュレーションした結果について述べる。図33に示すような一般的な周波数制御システムにおいて、無線送電部および無線受電部間の距離5cm、共振周波数約1MHzの条件下において無線給電効率をシミュレーションした所、無線給電効率は40%であった。これに対し、本実施形態における無線給電装置300の無線給電効率をシミュレーションした所、無線送電部および無線受電部間の距離10cm、共振周波数約140kHzの条件下における無線給電効率は72%以上(図13参照)と、高い無線給電効率が得られた。このように、コイルを被覆する誘電体を複数で構成することで、誘電体内の損失を増加させずに、低周波化することが可能になり、高い電力伝送効率が得られる。
[0043]
 本シミュレーションでは、受電部62は、送電部61と同じ構成としている。ただし、ここで示した構成は一例であって、送電部61と受電部62が同じ構成でなくても、同様の効果が得られる。
[0044]
 以上記載したように、第三の実施形態による無線給電装置300では、送電部と受電部が比較的離れた場合であっても、良導体媒質に拡散して消滅してしまう電磁エネルギーを最小限に抑えることができる。また、特別な比重調整用の機構を設ける必要がないため、海水等の良導体媒質中における無線給電であっても、製造コストを抑えながら、送受電部間の長距離化が可能となる。
<第四の実施形態>
 次に本発明の第四の実施形態の無線給電装置(図示せず)について説明する。尚、第四の実施形態の無線給電装置は第一~三の実施形態記載の、送電部および受電部のインピーダンス調整についての変更例であり、他の装置等は第一~三の実施形態と同様であるため図面や他の構成の説明等は省略する。
[0045]
 第四の実施形態の無線給電装置では、送電部のインピーダンスと、受電部のインピーダンスと、良導体媒質のインピーダンスで定まる共振周波数のうち、低周波側から数えて2×n番目(nは正の整数)、即ち偶数番目の共振周波数を用いて電力伝送を行う。
[0046]
 図14Aおよび図14Bは、送電部および受電部の、海水中での無線受電部出力端におけるインピーダンスと周波数の関係を示している。本変更例に限らず、第一~三の実施形態に記載の無線送電部、更には受電部を海水中での電力伝送に用いると、図14Aおよび図14Bに類似した特性が得られる。
[0047]
 図14Aにおいて、受電部出力端における虚部インピーダンスが0となる点で、共振が起こっている。この、共振が起こる周波数、すなわち共振周波数において、受電部出力端における実部インピーダンス(図14B参照)が、負荷のインピーダンスと一致すると、高効率な無線給電が可能となる。
[0048]
 本実施形態における、共振周波数と共振周波数での受電部出力端における実部インピーダンスの関係を図15に示す。共振周波数は、0.121MHz(メガヘルツ)、0.321MHz、0.347MHz、・・・である。それぞれの共振周波数における無線受電部出力端における実部インピーダンスは、10Ohm(オーム)、2325Ohm、433Ohm、・・・である。
[0049]
 図16に示すグラフは、10Ohm、2325Ohm、433Ohmの三種の負荷を受電部出力端に接続した場合に得られる、無線給電効率の比較を表す。図16から、負荷2325Ohmの場合、すなわち、周波数0.321MHzにおける共振を利用した場合において、最も高い無線給電効率が得られることが分かる。
[0050]
 このシミュレーション結果より、海水中においては、共振周波数のうち、低周波側から数えて2番目の周波数において共振させて電力伝送を行うことで、最も高い電力伝送効率が得られることが見出された。共振周波数は、送電部のインピーダンス、受電部のインピーダンスおよび海水等の媒質のインピーダンスで定まる。これは、無線給電が行われる際に、送電部と受電部を流れる電流が、逆相の場合において高い電力伝送効率が得られることが原因と考えられる。送電部と受電部を流れる電流は、低周波側から数えて2番目の周波数において共振させた場合に、逆相となっており、低周波側から数えて1番目の周波数において共振させた場合は、同相であった。
[0051]
 さらに、上述の複数のシミュレーションから、共振周波数のうち、低周波側から数えて、3番目の周波数を用いるよりも、4番目の周波数を用いた方が、高い電力伝送効率が得られることも見出された。尚、同様に、5番目と比して6番目の周波数、7番目と比して8番目の周波数が高い伝送効果が得られる。つまり、低周波側から数えて、2×n番目(nは正の整数)の周波数は、(2n-1)番目の周波数より伝送効率が良いことが発見された。尚、偶数番目でもnの絶対値が増えていく毎に伝送効率は悪くなる。設計者は、送電部や受電部のサイズを考慮して、任意の周波数を選ぶ。その際、送電部のインピーダンスと、受電部のインピーダンスと、海水等の媒質のインピーダンスで定まる共振周波数のうち、低周波側から数えて2×n番目の周波数を選ぶと、高効率な送電部、受電部が実現できる。
[0052]
 本発明の第四の実施形態の効果について述べる。本実施形態によれば、送電部、受電部および媒質の、各々のインピーダンスで定まる共振周波数のうち、低周波側から数えて2×n番目の周波数において共振させて電力伝送を行うことで、高い無線給電効率を得ることができる。更に、第一~三の実施形態の効果に加えて、水または海水が存在する環境下でも、高い無線給電効率と小型化の効果を両立することが可能となり、結果として、水または海水が存在する環境下で、高効率に無線給電することが可能な、無線給電装置が提供可能となる。
<第五の実施形態>
 本発明の第五の実施形態における無線給電装置500は、図17に記載するように、無人機51側に受電部54を備え、その下部に送電部53を配置するよう構成する。尚、図17においては、送受電部は上下の配置構成となっているが、これに限定されるものではなく、給電が可能な範囲で自由に構成することができるものとする。尚、他の装置等については第一~三の実施形態と同様であるため説明を省略する。
[0053]
 ここで受電部54は、無人機51の外形に沿うように湾曲させて形成する。受電部54は、ポリイミド等のフレキシブルなプリント基板材料上に、配線パターンを形成して作成する。また、受電部54は、湾曲した金型を用いて、樹脂等の材料を成型し、成型した樹脂上に配線パターンを形成して作成する。また、受電部54は、セラミック等のフレキシブルで無い基板を切削や、貼り合わせ等の方法により湾曲させ、湾曲させたフレキシブルで無い基板上に配線パターンを形成して作成する。また、受電部54は、上述した方法の組み合わせによっても、作成できる。
[0054]
 本発明の第五の実施形態の効果について述べる。本実施形態においては、無人機51の外形に沿って受電部54を湾曲させることで、無人機51に受電部54を実装する場合に、特別な工具や特別な加工を必要としない。そのため、ボルトやナット等の、安価な工具を用いて、簡便に実装することが可能である。ひいては、無線給電装置500の実装コストを下げることができる。
[0055]
 更に、第五の実施形態による効果は、無人機51が受電部54を搭載している場合だけに限らず、無人機51が送電部53、あるいは送電部53と受電部54の両方を搭載している場合であっても、同様に得ることができる。
<第六の実施形態>
 本発明の第六の実施形態に係る無線給電システム600は、図18に示すように、無線で電力を受信する無人機31と、無線で電力を送信する送電部33等を備えている。無人機31はシステム制御部32および受電部34を備えている。無線給電システム600の周囲は海水等の良導体媒質35で覆われている。
[0056]
 無人機31は、例えば無人探査機等の、データ収集等に利用される人が搭乗していない移動体である。システム制御部32は、無線給電システム600の制御を行う。図18ではシステム制御部32は無人機31に搭載されているが、制御の全部又は一部を送電部33側に搭載しても構わない。受電部34は、無人機31に備えられた電力送入のためのポートである。送電部33は、無人機31に対して電力を送出するポートである。
[0057]
 システム制御部32は、図19に示すように、データ収集部121、データ予測部122、パラメータ制御部123、無人機制御部124、送受電制御部125およびデータ記憶部126を備える。
[0058]
 データ収集部121は、無人機31を取り巻く海水等の媒質の環境変動や、無人機31の位置変動に関わるデータを測定するためのセンサで構成される。センサとして具体的には、ジャイロセンサ、温度センサ、圧力センサ等が使用される。更に、これらセンサを駆動させるための図示しない周辺回路を備えている。尚、環境変動とは、無人機31周辺の媒質の環境温度、誘電率、透磁率等の変動を指す。位置変動とは、揺れや潮流による無人機31の位置や角度等の変化を指す。
[0059]
 データ記憶部126は、データ収集部121が収集したデータや、データ予測に必要となるデータテーブルや数式等を格納する。
[0060]
 データ予測部122は、データ収集部121からデータを取得し、このデータを利用して将来の環境変動および位置変動を予測する。この予測は一定の時間間隔や距離間隔等で行われる。データ予測部122は、この予測データに基づいて制御パラメータを算出する。この制御パラメータを算出するために、データ予測部122は例えば、あらかじめ用意されたデータテーブルを参照する等の方法を用いることができる。例えば、データ予測部122により、1秒後の環境変動、および、位置変動が予測できた場合、この変動に対して最適となる制御パラメータを、データテーブルを参照して決定することができる。尚、算出処理においてはデータ記憶部126に格納される、過去のデータ、予測計算に必要なデータテーブルおよび数式等を使用してもよい。
[0061]
 パラメータ制御部123は、この制御パラメータの内、無人機31の制御に関する無人機制御パラメータを無人機制御部124に送信して無人機31の制御を行う。更に、受電部34および送電部33の制御に関する送受電制御パラメータを送受電制御部125に送信して受電部34および送電部33を制御する。パラメータ制御部123は、具体的には、プロセッサやプログラム等およびこれらのプロセッサやプログラム等を駆動させるための、周辺回路で構成される。尚、上記の動作を以下「パラメータ制御」と記載する。
[0062]
 無人機制御部124は、パラメータ制御部123から受信する制御パラメータに従い無人機31の動作を決定する。送受電制御部125は、パラメータ制御部123から受信する制御パラメータに従い送電部33および受電部34の動作を決定する。
 (無線給電システムの動作)
 無線給電システム600の全体的な動作について図20のフロー図を用いて説明する。
 (a)まずステップS101において、システム制御部32は、無線給電が必要となった無人機31を送電部33側に誘導し、適切な位置に配置させる。
 (b)ステップS102において、システム制御部32が、誘導が適切に完了したと判断すると、ステップS103において、パラメータ制御を行う。つまり、外部環境や無人機31自身の揺れによる位置変化がないかを調べ、変化がある場合は調整のための制御を行う。詳細については後述する。尚、ステップS102において誘導が適切に完了していないと判断された場合、ステップS101へ戻る。
 (c)ステップS104において、システム制御部32は、図示しない電力供給源より、所定の周波数で交流電力を出力する。出力された交流電力は送電部33から電磁エネルギーとして外部の良導体媒質15へと送出され、受電部34はこれを送入する。
 (d)ステップS105において、システム制御部32は、パラメータ制御が正しく完了したかを判断する。制御完了の場合は、ステップS105において、システム制御部32は全ての無線給電が正しく終了したかを判断する。具体的には、送入された電力が、目的とする負荷、例えば無人機に搭載されたバッテリー等に供給され、無事に無線給電が完了したかを判断する。完了していればこの無線給電処理を終了する。尚、ステップS104またはステップS105において、パラメータ制御正常終了又は無線給電終了が確認されない場合、ステップS103へ戻る。
 (パラメータ制御の動作)
 次にステップS103の、図19のシステム制御部32によるパラメータ制御について図21のフロー図を用いて詳細に説明する。
 (a)まずステップS201において、データ収集部121が、上述されたセンサを用いて、無人機31の状態および無人機31の外部環境の状態を測定する。ステップS202において、測定された外部環境の状態は、データ化され、データ予測部122に送信される。
 (b)ステップS203において、データ予測部122がデータ収集部121から送られたデータを受信する。ステップS204においては、データ予測部122は、受信したデータを用いて、将来の環境変動や位置変動の推定を行う。この際、データ記憶部126に受信したデータを格納したり、また格納されている過去のデータを取得したりしてもよい。更にデータ記憶部126に格納されるパラメータの分析に用いられる様々なテーブル、数式および算出手法を使用してもよい。
 データ予測部122は、例えば、取得したセンサのデータを時間軸上にプロットし、外挿法を用いて推定を行う。また、取得したセンサのデータを時間軸上にプロットし、これまでに蓄積したデータのテーブルと比較することで、推定を行う。更に取得したセンサのデータをフーリエ変換し、各周波数成分の変動を監視することで、推定を行ってもよい。ステップS205にて、この推定が適切に行えたか否かを判断し、適切に推定が行われた場合ステップS206へ進み、推定が適切に行われなかった場合、ステップS201へ戻る。
 (c)ステップS206において、データ予測部122は、推定した将来の環境変動や位置変動に基づき制御パラメータを決定する。この際、例えば、全探索法や、山登り法を用いる。この他、遺伝的アルゴリズム法を用いることもできる。遺伝的アルゴリズム法を用いれば、制御パラメータが多数存在する場合であっても、短い探索時間で、収束性良く、制御パラメータを決定することが出来る。ステップS207において、決定された制御パラメータは、データ化され、パラメータ制御部123に送信される。
 (d)ステップS208において、パラメータ制御部123は、決定された制御パラメータを受信する。ステップS209において、パラメータ制御部123は、受信した制御パラメータを元に、無人機制御部124および送受電制御部125の制御を行う。最後にステップS210において、システム制御部32が、全てのパラメータ制御が適切に終了したことを確認すると、この制御を終了する。パラメータ制御が適切に終了していない場合、ステップS201に戻る。
 (実施例)
 次に、本発明の第六の実施形態における実施例について説明する。第六の実施形態に記載の無線給電システム600を、定常的に温度変動が発生する、海水中での給電に適用したと仮定してシミュレーションを行った。海水の温度が変化すると、海水の導電率が変化する。海水の導電率が変化すると、負荷状態が変化するため、その補償が必要となる。この海水の温度は、一時間あたり最大で5%(パーセント)程度変動することが知られており、定常的に変動する。なお、本実施形態においては、環境変動の一因として、海水の温度変動に限定して効果を説明するが、この限りではなく、前述の通り、周辺の媒質の誘電率や透磁率等、また、移動体の位置、角度等の様々な変動に対しても同様に制御が可能である。
[0063]
 図22に、海水の温度変動が発生する前後での、無線送電部と無線受電部との間の電波の伝搬周波数と、無線給電効率の関係を示したグラフ図を示す。図23A、図23B、図23Cおよび図23Dに、本実施形態に記載の制御システムを適用した場合における、海水中での無線給電における周波数制御の概念図を示す。図23Aに、時刻t=T において、データ収集部121での温度データ収集、および、データ予測部122での将来の温度変動の推定が開始される際のグラフ図を示す。前述の通り、この温度変動の推定には、外挿法や、フーリエ変換を用いる方法など、種々の方法を用いる事ができる。時刻t=T +T 121までに、データ予測部122が、推定した将来の温度変動に基づいて、制御パラメータを決定する(図23Bに示すグラフ図参照)。その後、時刻t=T +T 221において、パラメータ制御部123が、無人機制御部124および送受電制御部125の制御を開始する(図23Cに示すグラフ図参照)。この時、温度変動が発生すると、図22のグラフが示す通り、周波数と無線給電効率の関係が変化するが、この変化を予測した上で、制御パラメータが決定され、制御が行われるため、無線給電効率が改善する方向に制御が行われ、時刻t=T +T 311においては、安定して給電が行われた(図23Dに示すグラフ図参照)。
[0064]
 図24Aは、予測した将来の温度変化に基づいて予測的な制御を行わない場合、図24Bは、予測した将来の温度変化に基づいて予測的な制御を行う場合の、各々の場合における、シミュレーション比較結果を示すグラフ図である。これらのグラフ図は、図19に示すシステム制御部32内のパラメータ予測部122とパラメータ制御部123との間で計測を行うことで得られる。
図24Aおよび図24Bでは時刻2秒の時に、温度変化が発生し、最適な負荷(Ω:オーム)および最適な周波数(KHz:キロヘルツ)が変化している(図24Aおよび図24Bでは縦軸は任意単位(a.u.)と記載)。図24Aのグラフは、前述の温度変化に対して、所定の制御関数を用いて、最適な負荷や最適な周波数になるよう制御を行った結果である。図24Bのグラフは、前述の変化に対して、時刻2秒の時に、制御関数を書き換え、最適な負荷や最適な周波数になるよう制御を行った結果である。この結果より、制御関数を書き換えた場合、すなわち予測的な制御を行った場合において、最適な負荷や最適な周波数を得るまでにかかる時間が短いことがわかる。つまり、予測的な制御を行った場合、制御の安定性が向上しているといえる。
[0065]
 本発明の第六の実施形態の効果について述べる。本実施形態に係る無線給電システム600によれば、システム制御部32は、予測された将来の環境変動や位置変動に基づいて、無線給電に関わる制御パラメータを制御する。この結果として、無人機を取り巻く水中等の媒質の環境変動や、無人機自身の揺れによる位置変動が連続して発生している環境下であっても、安定して無線給電する事が可能となる。
<第七の実施形態>
(無線給電システム)
 本発明の第七の実施形態に係る無線給電システム700は、データ収集に複数のセンサを使用することを特徴とし、無線で電力を受信する無人機、受電部、無線で電力を送信する送電部およびシステム制御部42等を備えている。システム制御部42は、図25に示すように、データ収集部421、データ予測部422、パラメータ制御部423、無人機制御部424、送受電制御部425およびデータ記憶部426を備える。無線給電システム700の周囲は海水等の良導体媒質45で覆われている。
[0066]
 データ収集部421は、無人機を取り巻く海水等の媒質の環境変動や、無人機21の位置変動に関わるデータを測定するため、センサ421a、センサ421b、センサ421c等の複数のセンサを備える。一例として、センサ421aおよびセンサ421bを温度センサ、センサ421cを流速センサとして構成する。尚、データ収集部421として使用可能なセンサの種類はこの限りではなく、圧力センサ、ジャイロセンサ、速度計、カメラ、音響センサ等の種々のセンサおよびセンサに準ずる同機能を備えた機器を用いる事が出来る。データ記憶部426は、データ収集部421の複数のセンサ421a~421cが収集したデータや、データ予測に必要となる数式等を格納する。
[0067]
 この他の手段、機器等については第六の実施形態と同様であるため説明を割愛する。
(パラメータ制御の動作)
 次に、システム制御部42によるパラメータ制御について図26のフロー図を用いて説明する。尚、無線給電システム700の全体的な動作については、図20のフロー図と同様であるため説明を割愛する。
 (a)まずステップS301において、データ収集を行う所定時間、例えば2秒が経過したか否かを判断する。具体的にはシステム制御部42のタイマー機能等を用いて時間経過を判断する。所定時間が経過すると、ステップS302において、データ収集部421が、温度センサや流速センサ等の複数の異なるセンサ421a~421cを用いて、無人機の外部温度および海水の流速を測定する。複数の異なるセンサ421a~421cにより測定された外部温度および海水の流速はデータ化され、ステップS303にて、データ予測部422に送信される。
 (b)ステップS304においては、データ予測部422がデータ収集部421から送られたデータを受信する。ステップS305においては、データ予測部422が、受信したデータを用いて、将来の環境変動や位置変動を推定する。この時、データ予測部422は、複数のセンサ421a~421cによって測定された、外部環境の状態に関するデータの相関関係を基に、将来の環境変動や位置変動を推定する。
 例えば、データ予測部422により、1秒後の環境変動、および、位置変動が予測できた場合、この変動に対して最適となる制御パラメータを、データテーブルを参照して決定することができる。なお、前述の予測データに基づいて制御パラメータを決定する際には、データテーブルを参照する方法だけでなく、異なる複数の、環境パラメータ、および、制御パラメータの関係から内挿法や外挿法などの方法を用いて決定することもできるし、その他の方法を用いることもできる。この際、データ記憶部426に複数センサ421a~421cから受信したデータを格納したり、また格納されている過去のデータを取得したりしてもよい。
 ステップS306においてこの推定が適切に行えたかをシステム制御部42が判断し、推定が適切に行えた場合ステップS307へ進み、推定が適切に行われなかった場合、ステップS302へ戻る。
 尚、ステップS307~ステップS311については、図21のフロー図と同様であるため説明を割愛する。
[0068]
(使用例)
 第七の実施形態の使用例について説明する。図27に示すように、センサ421a、センサ421b、センサ421cおよび受電部44は、無人機に搭載されている。
 センサ421aおよびセンサ421bは温度センサで、センサ421cは流速センサである。センサ421aとセンサ421bは、所定時刻における温度をそれぞれ計測する。また、同時刻にセンサ421cは流速の方向および速さを測定する。センサ421a~421cが測定した情報はデータ化され、データ予測部422に送信される。
 データ予測部は、センサ421aおよびセンサ421bから取得したデータから、現在の周辺環境の温度分布を計算する。次に、センサ421cが取得したデータ、すなわち流速の方向および速さから、受電部44の周辺の温度分布の変化を予測する。
 例えば、センサ421aと受電部44の距離間隔が1m、流速が1m/s(メータ毎秒)であった場合、センサ421aで計測された温度と、1秒後の受電部44周辺の温度分布が等しくなることを予測する。データ予測部422は、これらの一連の動作を、所定時間間隔毎に行い、常に最新の周囲環境データを取得することができる。
[0069]
 本発明の第七の実施形態の効果について述べる。本実施形態によれば、第六の実施形態の効果に加えて、時間変動する複数のデータを取得し、複数のデータの相関関係から将来の環境変動を予測し、この予測を一定時間間隔で更新する。これにより、より高い精度での将来予測が出来る。結果として、無人機を取り巻く水中等の媒質の環境変動や、無人機自身の揺れによる位置変動が連続して発生している環境下であっても、安定して、かつ、高効率に無線給電する事が可能な無線給電システムを提供できる。
[0070]
 この他、第七の実施形態においては、異なる複数のセンサから取得したデータを用いるが、これと第六の実施の形態に記載した外挿法やフーリエ変換を用いた推定手法を組み合わせて使用することも出来る。
[0071]
 さらに、第七の実施形態においては、異なる複数のセンサから取得したデータを用いて将来の環境変動を推定するため、第七の実施形態においては予測が困難だった、突発的な外乱による、突発的な温度変動を推定することが可能となる。
 例えば、使用例に記載したように、図27のセンサ421cにより周辺の流速が判明しているため、センサ421aで突発的な温度上昇があった場合、受電部周辺で突発的な温度上昇が起こる時刻を、精度よく推定することが出来る。尚、突発的な変動を予測することは、上述した外挿法やフーリエ変換を用いた方法では困難である。
<第八の実施形態>
(無線給電システム)
 本発明の第八の実施形態に係る無線給電システム800は、図28Aに示すように、無人機71と、送電部73と、位置検出部77等を備える。
[0072]
 図28Bに示すように、無人機71は、受電部74を備える。更に、図示しないが、移動機構、通信機器、センシング機器および一般的に無人機に搭載される機構や機器を備える。具体的には、移動するためのタイヤやクローラー、これらを駆動させるためのモーター等と、通信するため無線機等と、センシングするためのカメラ、ジャイロセンサ、温度センサ、圧力センサ等およびこれらを駆動させるための周辺回路等を備えている。なお、無人機71は複数存在してもよく、各無人機71a~71cも同様の機構等を備えている。
[0073]
 受電部74および送電部73は、図示しないが、無線で電力をやりとりするためのアンテナ、増幅回路、整流回路および無線給電するために必要な機構および機器を備える。受電部74は、図示しないが、無人機71に搭載されたバッテリー、移動機構およびセンシング機器等に有線又は無線で接続されている。
[0074]
 位置検出部77は、図示しないが、無人機71の位置を検出するための無線LAN(Local Area Network)システム、RFID(Radio Frequency IDentification)システム、画像処理システム等を備える。無人機71および送電部73は、これらの位置検出システムに必要な部品やデータ、例えば無線LANシステムであればIP(Internet Protocol)番号、RFIDシステムであればID(識別子)タグ、画像処理システムであればカメラおよび画像処理ソフト等を備えているものとする。
 尚、位置検出部77は無人機71側に備えてあってもよい。その他の装置等については第六および七の実施形態と同様であるため説明を割愛する。
[0075]
 次に、無線給電システム800の動作の一例について説明する。
 (a)初めに、オペレータ端末10が無人機71に対し、通信機器を介して、位置移動や情報収集等の命令を出すと、無人機71はこの命令に従って所定の動作を行う。
 (b)次に、無人機71は、取得した情報を、通信機器を介して、オペレータ端末10に返す。無人機71は、所定の動作が完了したら、待機状態となり、次の命令を待つ。
 (c)オペレータ端末10は、無人機71が取得した情報に基づいて、新たな命令を無人機71に出す。
 この(a)~(c)の一連の動作は、オペレータ端末10が、命令を停止するまで繰り返される。オペレータ端末10は、位置検出部77が稼働している間、通信機器を介して、無人機71に対して、送電部73での受電を命令する。この時、位置検出部77は、無人機71に対して送電部73の位置検出が可能となる情報を送信する。受電命令を受けた無人機71は、位置検出部77から受信する情報を参照しながら、送電部73に接近し、送電部73から受電する。
[0076]
 本発明の第八の実施形態の効果について述べる。本実施形態によれば、原子炉内部や海中等の環境下においても、無人機に確実に電力を供給でき、且つ、無人機の電源供給に関わる時間を削減することができる。この理由は、オペレータ端末10は、無人機71に対して、送電部73での受電を命令し、位置検出部77は、無人機71に対して送電部73の位置検出が可能となる情報を送信するからである。更に、受電命令を受けた無人機71は、位置検出部77から受信する情報を参照しながら、迷うことなく送電部73に確実に到達し、送電部73から最も効率的な受電位置において受電するからである。
<第九の実施形態>
 本発明の第九の実施形態に係る無線給電システム900を図29Aに示す。無線給電システム900は、第八の実施形態の構成に加え、図29Bの無線機81の拡大図に示すように、位置検出部87の無線機81にアドホック通信システム89を備える。
 アドホック通信システムとは、親機である無線LANアクセスポイントを介して行うアクセスポイント通信とともに、子機である無線LAN端末同士が直接通信を行えるシステムである。
 アドホック通信システム89は、図示しないが、無線通信機、信号処理回路および一般的なアドホック通信システムに搭載されている機構および機器を備える。更に無人機81は他の無人機に送電するための無線送電部83aを備える。無人機81は複数の無線機81a、81b、81cであっても構わず、複数の無線機81a~81cも同様にアドホック通信機能や無線送電部83aを具備していても良いし、この内の一部がアドホック通信機能や無線送電部83aを具備していてもよい。
 また、無人機81自身でなく、周辺の環境に、アドホック通信システム89やこれに関わる機器が設置されていても良い。その他の装置等については第六~八の実施形態と同様であるため説明を割愛する。
[0077]
 次に、位置検出部87の動作の一例について説明する。
 (a)初めに、オペレータ端末20が無人機81に対し、アドホック通信システム89を介して、移動や情報収集等の命令を出す。無人機81は命令に従って動作する。
 (b)上記動作後、無人機81は、取得した情報を、アドホック通信システム89を介して、オペレータ端末20に返す。無人機81は、所定の動作が完了したら、待機状態となり、次の命令を待つ。
 (c)上記動作後、オペレータ端末20は、無人機81が取得した情報に基づいて、新たな命令を無人機81に出す。無人機81が通信可能な距離にいる場合、オペレータ端末20は、アドホック通信システム89を通じて、無人機81に移動や情報収集に関する命令を出す。同様に、複数の無人機81a~81cが存在する場合、オペレータ端末20から通信可能な無人機81bが、オペレータ端末20から通信不可能な無人機81aに対して通信可能な距離にいるとき、オペレータ端末20は、通信可能な無人機81bを介して、無人機81aに命令を出す。無人機81aや無人機81bは、命令に従って、移動や情報収集を行い、取得した情報を、アドホック通信システム89を介して、オペレータ端末20に返す。
 (d)上記動作後、オペレータ端末20は、取得した情報を元に、無人機81a~81cに対して新たな命令を出す。
 この(a)~(d)に示す一連の動作は、オペレータ端末20が命令を停止するまで繰り返される。オペレータ端末20は、位置検出部87が稼働している間、アドホック通信システム89を介して、無人機81に、送電部83での受電を命令する。命令を受けた無人機81は、位置検出部87から受信する情報を参照しながら、送電部83に接近し、送電部83から受電する。
 また、複数の無人機81a~81cがいる場合、オペレータ端末20は、位置検出部87が稼働している間、アドホック通信システム89を介して、無人機81aに、他の無人機81b~81c等への給電を命令する。命令を受けた無人機81aは、位置検出部87から受信する情報を参照しながら、受電部84を搭載した無人機81b~81cに接近し、無線送電部83aより無線給電を行う。この他、無人機81aは、センサ等のその他の電子機器に接近し、無線給電を行ってもよい。
[0078]
 本発明の第九の実施形態の効果について述べる。本実施形態によれば、第八の実施形態の効果に加えて、オペレータ端末20が無人機の一部と通信できる範囲が限定されている場合においても、アドホック通信システムを用いて、他の無人機を介して通信が可能となるため、広範に通信が可能となる。また、無線送電部を搭載した無人機が無線給電を行うため、給電の機会が増加する。これにより、原子炉内部や海中等の環境下においても、効率よく、無線給電をおこなうことができる。
<第十の実施形態>
 第十の実施形態に係る無線給電システム1000を図30Aに示す。無線給電システム1000は、無人機91を備える。図30Bの無線機91の拡大図に示すように、無人機91はアドホック通信システム99を備える。更にアドホック通信システム99は、図示しないが、音響通信システムを有する。図30Aに示す、複数の無人機91から成る無人機91a、91b、91cグループの一部または全部が、図示しないが、水中移動のための装置を有する。送電部93および受電部94の一部または全部が、図示しないが、防水機構を有する。水中移動のための装置は、具体的には、水中で推進力を得るためのスクリューや、水中で浮力を調整するためのウキ等を指す。音響通信システムは、具体的には、数kHz(キロヘルツ)~数MHz(メガヘルツ)程度の圧縮波を用いた通信システム等を指す。防水機構は、具体的には、樹脂封止や接合部のパッキン止め等を指す。その他の装置等については第一~七の実施形態と同様であるため説明を割愛する。
[0079]
 原子炉内部や海中においては、その一部に、水や海水が存在する。そのため、前述のタイヤやクローラーによる移動は、難しい。また、水が導電率(約100μS/cm(マイクロジーメンス毎センチメータ))と高い誘電率(比誘電率81)を有するため、前述の無線LAN技術やRFID技術の適用は、難しい。また、無線給電システムを含む電子機器は、防滴仕様であったとしても、水や海水等による劣化あるいは故障は避けられない。
[0080]
 だが、第十の実施形態によれば、無人機91a~91cの一部または全部が、スクリュー等の水中で移動するための装置を備えているため、水が存在する環境下であったとしても、容易に給電や受電のために移動することができる。また、アドホック通信システム99の一部または全部が音響通信システムを備えているため、無線LAN技術やRFID技術では難しい水中での通信を、安定して行うことができる。また、送電部93および受電部94の全部、または、一部が、防水機構を備えているため、劣化および故障を防止することができる。
[0081]
 本発明の第十の実施形態の効果について述べる。本実施形態によれば、水あるいは海水が存在する水環境下でも、効率よく移動し、且つ通信することが可能となり、かつ、防水機構を備えることで無線送電部や無線受電部の劣化を抑制することが可能となる。結果として、第六~九の実施形態の無線給電システムと比較して、さらに確実に給電が可能で、劣化が少なく、かつ効率よく情報収集もできるようになる。この理由は、第十の実施形態は、無人機91a~91cが、水が存在する環境でも、スクリュー等を用いて容易に給電や受電のために移動することができるからである。更に、アドホック通信システム99が音響通信システムを備え、水中での通信を、安定して行うことができるからである。
[0082]
(使用例)
 第十の実施形態の使用例について説明する。図31では、原子炉970の内部に、図示しない位置検出部97が設置されている。無人機91a~91bは、アドホック通信システム等を用いて、オペレータ端末30からの、移動や情報収集等の命令を実行し、収集したデータのやり取りを行う。また、無人機91a~91cは、位置検出部97から受信する位置情報を用いて送電部93から給電したり、給電した電力を他の無人機91a~91cに受電したりして、電力エネルギーの相互送受電を行う。
 本発明の第十の実施形態の使用例の効果について述べる。本使用例によれば、原子炉内部であっても安定して電力を得ることができ、ひいてはより広範囲における情報収集をすることができる。
 以上、複数の実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
 上記の各実施形態及び各変形例の一部又は全部は、以下に示す付記のようにも特定され得る。但し、各実施形態及び各変形例が以下の記載に限定されるものではない。
[付記1]
 良導体媒質中において、無線で電力を送出する送電手段と、
 前記送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電する受電手段と、
 前記送電手段および前記受電手段を制御するシステム制御手段
とを備え、前記システム制御手段は、
 前記送電手段のインピーダンス、前記受電手段のインピーダンスおよび前記良導体媒質のインピーダンスで定まる周波数を、位相を調整しながら共振させて、前記送電手段から前記受電手段に電力を伝送する、無線給電装置。
[付記2]
 前記送電手段および前記受電手段は各々が、
 電力伝送用コイルと、
 前記電力伝送用コイルを覆う誘電体を有する包含手段
とを備え、
 前記送電手段および前記受電手段の少なくとも片方は、自己のインピーダンス調整を、位相を調整しながら、可変にするインピーダンス調整手段を含む、
付記1に記載の無線給電装置。
[付記3]
 前記包含手段は、
 前記電力伝送用コイルを覆う第一の誘電体を有する第一包含手段と、
 前記第一包含手段を覆う第二の誘電体を有する第二包含手段と、
 前記第二包含手段を覆う第三の誘電体を有する被覆手段
とを含む、付記1又は2に記載の無線給電装置。
[付記4]
 前記送電手段および前記受電手段のうち少なくとも片方の外形が、前記無人機の外形に沿うように形成されている、
付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の無線給電装置。
[付記5]
 前記共振周波数は、低周波側から数えて偶数番目の周波数である、
付記1乃至付記4のいずれか1項に記載の無線給電装置。
[付記6]
 良導体媒質中において、無線で電力を送出する送電手段と、
 前記送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電する受電手段と、
 前記送電手段および前記受電手段を制御するシステム制御手段
とを備え、前記システム制御手段は、
 前記良導体媒質の環境変動を予測して前記無線給電における前記送電手段および前記受電手段の少なくとも片方の位置を制御する、
無線給電システム。
[付記7]
 前記システム制御手段は、
 前記良導体媒質の環境変動と、前記環境変動を原因とする前記受電手段の位置変動とに関わるデータを収集するデータ収集手段と、
 前記収集されたデータを格納するデータ記憶手段と、
 前記収集されたデータより、前記環境変動および前記位置変動を予測するパラメータを決定するデータ予測手段と、前記パラメータを基に前記無線給電を制御するパラメータ制御手段を含む、
付記6に記載の無線給電システム。
[付記8]
 前記データ収集手段は、前記良導体媒質に係る少なくとも一つ以上の種類のデータを収集するためのセンサを、少なくとも一つ以上含み、
 前記データ予測手段は前記少なくとも一つ以上の種類のデータを基に、前記パラメータを決定する、
付記6又は付記7に記載の無線給電システム。
[付記9]
 前記受電手段を備える、人が搭乗せずとも前記良導体媒質内を移動可能な無人機と、
 前記無人機と前記送電手段の位置情報を検出し、検出された前記位置情報を前記無人機および前記送電手段の少なくとも片方に通知する位置検出手段
とを更に備える、付記6乃至付記8のいずれか1項に記載の無線給電システム。
[付記10]
 良導体媒質中において、送電手段が無線で電力を送出し、
 受電手段が前記送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電し、
 システム制御手段が前記良導体媒質の環境変動を予測して無線給電における前記送電手段および前記受電手段の少なくとも片方の位置を制御する際に、
 前記良導体媒質の環境変動と、前記環境変動を原因とする前記受電手段の位置変動とに関わるデータをデータ収集手段が収集し、
 前記収集されたデータをデータ記憶手段が記憶し、
 前記収集されたデータに基づき、前記環境変動および前記位置変動を予測するパラメータをデータ予測手段が決定し、
 前記パラメータを基に前記無線給電をパラメータ制御手段が制御する、
ことを含む無線給電方法。
[付記11]
 前記無線機は複数存在し、前記無線機の各々はアドホック通信手段を用いて相互に通信する付記6乃至付記9のいずれか1項に記載の無線給電システム。
[付記12]
 前記無人機が前記良導体媒質内を移動する手段を備え、
 前記アドホック通信手段が音響通信手段を備え、
 前記無人機、前記送電部および前記位置検出部の少なくとも一つ以上が防水手段を備える付記6乃至付記9のいずれか1項に記載の無線給電システム。

 以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
 この出願は2014年2月25日に出願された日本出願特願2014-034016を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

符号の説明

[0083]
 100、200、300、500  無線給電装置
 600、700、800、900、1000  無線給電システム
 2  システム制御部
 3  送電部
 4  受電部
 5  良導体媒質
 12  システム制御部
 121  データ収集部
 122  データ予測部
 123  パラメータ制御部
 124  無人機制御部
 125  送受電制御部
 126  データ記憶部
 13  送電部
 131  送電用コイル
 132  送電側包含部
 133  送電側インピーダンス調整部
 14  受電部
 141  受電用コイル
 142  受電側包含部
 143  受電側インピーダンス調整部
 15  良導体媒質
 16  等価回路
 17  電力供給源
 23  送電部
 231  送電用コイル
 232  第一送電側包含部
 233  第二送電側包含部
 234  第三送電側包含部
 24  受電部
 241  受電用コイル
 242  第一受電側包含部
 243  第二受電側包含部
 244  第三受電側包含部
 25  良導体媒質
 31  無人機
 32  システム制御部
 33  送電部
 34  受電部
 35  良導体媒質
 41a、41b、41c  無人機
 42  システム制御部
 421  データ収集部
 422  データ予測部
 423  パラメータ制御部
 424  無人機制御部
 425  送受電制御部
 426  データ記憶部
 45  良導体物質
 51  無人機
 53  送電部
 54  受電部
 55  良導体媒体
 61  送電部
 6111、6112、6211、6212  スパイラルコイル
 612  第一送電側包含部
 613  第二送電側包含部
 614  第三送電側包含部
 62  受電部
 622  第一受電側包含部
 623  第二受電側包含部
 624  第三受電側包含部
 71、71a、71b、71c  無人機
 73  送電部
 74  受電部
 77  位置検出部
 81、81a、81b、81c  無人機
 83  送電部
 84  受電部
 87  位置検出部
 89  アドホック通信システム
 91、91a、91b、91c  無人機
 93  送電部
 94  受電部
 10、20、30、40  オペレータ端末

請求の範囲

[請求項1]
 良導体媒質中において、無線で電力を送出する送電手段と、
 前記送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電する受電手段と、
 前記送電手段および前記受電手段を制御するシステム制御手段
とを備え、前記システム制御手段は、
 前記送電手段のインピーダンス、前記受電手段のインピーダンスおよび前記良導体媒質のインピーダンスで定まる周波数を、位相を調整しながら共振させて、前記送電手段から前記受電手段に電力を伝送する、無線給電装置。
[請求項2]
 前記送電手段および前記受電手段は各々が、
 電力伝送用コイルと、
 前記電力伝送用コイルを覆う誘電体を有する包含手段
とを備え、
 前記送電手段および前記受電手段の少なくとも片方は、自己のインピーダンス調整を、位相を調整しながら、可変にするインピーダンス調整手段を含む、
請求項1に記載の無線給電装置。
[請求項3]
 前記包含手段は、
 前記電力伝送用コイルを覆う第一の誘電体を有する第一包含手段と、
 前記第一包含手段を覆う第二の誘電体を有する第二包含手段と、
 前記第二包含手段を覆う第三の誘電体を有する被覆手段
とを含む、請求項1又は2に記載の無線給電装置。
[請求項4]
 前記送電手段および前記受電手段のうち少なくとも片方の外形が、前記無人機の外形に沿うように形成されている、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の無線給電装置。
[請求項5]
 前記共振周波数は、低周波側から数えて偶数番目の周波数である、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の無線給電装置。
[請求項6]
 良導体媒質中において、無線で電力を送出する送電手段と、
 前記送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電する受電手段と、
 前記送電手段および前記受電手段を制御するシステム制御手段
とを備え、前記システム制御手段は、
 前記良導体媒質の環境変動を予測して前記無線給電における前記送電手段および前記受電手段の少なくとも片方の位置を制御する、
無線給電システム。
[請求項7]
 前記システム制御手段は、
 前記良導体媒質の環境変動と、前記環境変動を原因とする前記受電手段の位置変動とに関わるデータを収集するデータ収集手段と、
 前記収集されたデータを格納するデータ記憶手段と、
 前記収集されたデータより、前記環境変動および前記位置変動を予測するパラメータを決定するデータ予測手段と、前記パラメータを基に前記無線給電を制御するパラメータ制御手段を含む、
請求項6に記載の無線給電システム。
[請求項8]
 前記データ収集手段は、前記良導体媒質に係る少なくとも一つ以上の種類のデータを収集するためのセンサを、少なくとも一つ以上含み、
 前記データ予測手段は前記少なくとも一つ以上の種類のデータを基に、前記パラメータを決定する、
請求項6又は請求項7に記載の無線給電システム。
[請求項9]
 前記受電手段を備える、人が搭乗せずとも前記良導体媒質内を移動可能な無人機と、
 前記無人機と前記送電手段の位置情報を検出し、検出された前記位置情報を前記無人機および前記送電手段の少なくとも片方に通知する位置検出手段
とを更に備える、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の無線給電システム。
[請求項10]
 良導体媒質中において、送電手段が無線で電力を送出し、
 受電手段が前記送電手段から送出された無線電力を受信することにより受電し、
 システム制御手段が前記良導体媒質の環境変動を予測して無線給電における前記送電手段および前記受電手段の少なくとも片方の位置を制御する際に、
 前記良導体媒質の環境変動と、前記環境変動を原因とする前記受電手段の位置変動とに関わるデータをデータ収集手段が収集し、
 前記収集されたデータをデータ記憶手段が記憶し、
 前記収集されたデータに基づき、前記環境変動および前記位置変動を予測するパラメータをデータ予測手段が決定し、
 前記パラメータを基に前記無線給電をパラメータ制御手段が制御する、
ことを含む無線給電方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14A]

[ 図 14B]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23A]

[ 図 23B]

[ 図 23C]

[ 図 23D]

[ 図 24A]

[ 図 24B]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28A]

[ 図 28B]

[ 図 29A]

[ 図 29B]

[ 図 30A]

[ 図 30B]

[ 図 31]

[ 図 32]

[ 図 33]

[ 図 34A]

[ 図 34B]

[ 図 34C]

[ 図 35]

[ 図 36]

[ 図 37A]

[ 図 37B]

[ 図 37C]

[ 図 37D]